説明

アクチュエータ

【課題】
軸方向を適宜の方向に選んで回転部材を回転させることができる、故障発生率が極めて小さいアクチュエータを提供する。
【解決手段】
球面体または部分球面体からなる回転部材11と、中心軸と同一方向に柱状連通孔を有し、または当該方向に柱状有底穴を有する多角柱部材12と、前記多角柱部材の側面に、1つ、または周方向に沿って2つ以上設けられた振動発生部材13とを備え前記回転部材の球面部分が、前記多角柱部材の柱状連通孔または柱状有底穴を覆うように前記多角柱部材の端部に設けられ、前記振動発生部材が1つまたは複数の所定域の周波数で駆動されることにより、前記回転部材は、回転軸が前記多角柱部材の中心軸とは異なる方向に向くトルクを前記多角柱部材の端部から受けることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球面体または部分球面体からなる回転部材を備えたアクチュエータに関し、軸方向を適宜の方向に選んで回転部材を回転させることができる、故障発生率が極めて小さいアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
回転部材が球面体からなるアクチュエータとして、従来特許文献1に示す技術が知られている。特許文献1に示すアクチュエータ(振動型アクチュエータ:図7参照)は、弾性体83に接触する球体84上の出力軸86の先端部分を任意の方向に回転運動させるように構成されている。図7において縦振動用の圧電素子81は、図示しない駆動回路から交流電圧が印加されることにより、弾性体83にZ軸方向の縦振動を発生させる。圧電素子82は2群の圧電素子に分かれており、この2群のうちの1群は弾性体3に図中X軸方向の横振動を発生させるために使用され、残りの1群は図中Y軸方向の横振動を発生させるために使用される。
【0003】
圧電素子81および82と弾性体83で構成される振動体Sの縦方向の1次の共振周波数と、横方向の2次の共振周波数は概略一致するように構成されている。駆動時には圧電素子81と2群からなる圧電素子82にそれぞれ同一の共振周波数付近の周波数で、かつ位相の異なる3相の交流電圧を印加することにより、弾性体83に楕円運動を発生させることができる。この楕円運動の方向は交流電圧の位相差および振幅を調整することにより変化させることができる。この結果、球体84を任意の回転軸を中心として回転運動させることができる。なお、ポテンショメータ87は図中X軸まわりの回転量を、ポテンショメータ88は図中Y軸まわりの回転量を検出するために使用される。アーチ状ガイド85は、球体84の回転量をポテンショメータ87および88に伝達する。 特許文献1に示す他のアクチュエータ(図8参照)は、弾性体95に圧電素子96を貼り付けた平板状の振動体Bを使用する。球形状の球体94にはカメラ93が取り付けられており、カメラの向きを多自由度に自在に駆動させることが可能となっている。
【0004】
弾性体95は、Z軸方向に延びる接触突起部92を有しており、接触突起部92は球体94と接触して駆動力を伝達するための駆動点を有している。図8に示すアクチュエータも、圧電素子96に加える交流電圧の位相差および振幅を調整することにより、球体94を任意の回転軸を中心として回転運動させることができる。
【0005】
【特許文献1】特開2004−129458
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、図7のアクチュエータは、積層構造をなしているため製造が複雑となるし、球体84の大きさに比べてサイズが長くなるという問題がある。また図のアクチュエータは、長さは短くできるが、多数の突起を設けなくてはならないため、製造工程が複雑になりかつ耐久性に劣るという問題がある。
【0007】
本発明は上記の問題を解決するために提案されたもので、軸方向を適宜の方向に選んで回転部材を回転させることができ、故障発生率が極めて小さいアクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のアクチュエータは(1)から(4)を要旨とする。
(1)球面体または部分球面体からなる回転部材と、
中心軸と同一方向に柱状連通孔を有し、または当該方向に柱状有底穴を有する多角柱部材と、
前記多角柱部材の側面に、1つ、または周方向に沿って2つ以上設けられた振動発生部材と、
を備えたアクチュエータであって、
前記回転部材の球面部分が、前記多角柱部材の柱状連通孔または柱状有底穴を覆うように前記多角柱部材の端部に設けられ、
前記振動発生部材が1つまたは複数の所定域の周波数で駆動されることにより、前記回転部材は、回転軸が前記多角柱部材の中心軸とは異なる方向に向くトルクを前記多角柱部材の端部から受ける、
ことを特徴とするアクチュエータ。
(2)前記回転部材が金属からなり、前記多角柱部材が前記回転部材を構成する金属と同一の金属または異なる金属からなり、前記振動発生部材が圧電素子であることを特徴とする(1)に記載のアクチュエータ。
(3)前記多角柱部材が四角柱であり、前記柱状連通孔または柱状有底穴が円筒形をなすことを特徴とする(1)または(2)に記載のアクチュエータ。
(4)前記四角柱の4側面のうち少なくとも1組の対向面に振動発生部材が備えられ、これら2つの振動発生部材が位相差180度の振動を発生することを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載のアクチュエータ。
【0009】
本発明において、多角柱部材は、通常は太さが均一の多角柱であるが、太さが変化する形状(錐台形状,高さ中央が径小となる形状,高さ中央が径大となる形状等)であってもよい。
【0010】
また、本発明において、柱状連通孔や柱状有底穴の空間形状は、作製の簡便さ等の理由からから通常は円柱である。また、柱状連通孔または柱状有底穴は、通常は、多角柱部材と同軸に形成されるが、たとえば回転方向が特定の方向に限定されている場合には、同軸である必要はない。
【0011】
多角柱部材を8角柱とした場合において、回転部材を8軸で回転させる場合には、圧電素子は少なくとも4つ必要である。
【0012】
本発明のアクチュエータでは、印加電圧の振幅・位相差・周波数を変えることで、出力を変化させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のアクチュエータは、軸方向を適宜の方向に選んで回転部材を回転させることができる、故障発生率が極めて小さいアクチュエータを提供できる。
【0014】
本発明のアクチュエータは、超音波駆動なので、駆動時静寂性が高く、高速応答、高精度位置決め、低速高トルク発生、高保持トルク発生(無通電時安定)の用途に好適である。また、本発明のアクチュエータは、電磁力駆動ではないので、MRIやNMR等への適用も可能である。また、電子ビーム(イオン)描画装置なども電磁気を嫌う製造装置であり,これらへの適用も可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
《基本実施形態》
図1から図3は本発明のアクチュエータの基本実施形態を示す図であり、各図において(A)は斜視図、(B)は側面図、(C)は平面図である。
【0016】
図1〜図3において、アクチュエータ1は回転部材11と、多角柱部材12と、振動発生部材13とを備えている。
【0017】
回転部材11は、図1〜図3では鉄製の球体(球面体)からなる。本実施形態では回転部材11を鉄製球体としたがこれには限定されず、銅等の他の金属を使用することができるし、必ずしも金属である必要はない。ただし、後述する図5(B)に示すように、磁力により回転部材11を多角柱部材12に押接させる場合には回転部材11は磁性体製(鉄製)でなくてはならない。
【0018】
多角柱部材12は、本実施形態では銅製の四角柱であり、中心軸Cと同軸(したがって、同一方向)に柱状連通孔121を有している。図1〜図3では、柱状連通孔121の回転部材11が押接する側の開口部分には、本発明においては必須ではないテーパ面Tが形成されている。テーパ面Tには適宜の処理(粗面処理,滑面処理等)を施すこともできる。このテーパ面Tの処理を柱状連通孔や柱状有底穴の中心軸に対して非対称にすることで、特定の軸方向の出力を増大させ、他の軸方向の出力を低下させることもできる。
【0019】
多角柱部材12は振動発生部材13のグランドとしても機能する。多角柱部材12は、銅に限らず、アルミニウムや適宜の合金(銅・ニッケル合金等)により形成できる。
【0020】
振動発生部材13は、圧電素子であり、多角柱部材12の4側面のそれぞれ1つずつ設けられている。図1〜図3では、これらの振動発生部材13を、圧電素子131〜134で示してある。ただし、図1〜図3の(A)においては圧電素子133,134は図示していないし、(B)においては圧電素子133は図示していない。圧電素子131〜134に裏表がある場合において、裏表を反対に貼り付けると発生する振動の位相が逆転する(π変化する)ものもあり、この場合にはこの位相逆転を考慮する必要がある。なお、圧電素子131〜134は、多角柱部材12の4側面に圧電皮膜を形成・塗布させることで作製することもできる。
【0021】
図1〜図3に示したアクチュエータ1では、回転部材11は、多角柱部材12の柱状連通孔121を覆うように多角柱部材12の端部に設けられており、振動発生部材13が所定域の周波数で駆動されることにより、回転部材11は、回転軸が多角柱部材12の中心軸とは異なる方向に向くトルクを多角柱部材12の端部から受ける。
【0022】
ここで、「所定域の周波数」とは、多角柱部材12が回転部材11を回転させるための固有周波数の近傍の周波数帯域を意味する。この周波数域は、コンピュータシミュレーションを行うことができるソフトウェアにより知ることができるが、手近な方法としては、実機を周波数スキャンすることで「所定域の周波数」を知ることができる。
【0023】
圧電素子131〜134のどれを駆動するかにより、回転部材11の回転軸が変化する。すなわち、アクチュエータ1は、図示しない制御装置により、圧電素子131〜134の少なくとも1つの素子を「所定域の周波数」で駆動することで、回転部材11を所望方向の軸を中心に回転させることができる。
【0024】
図1では、圧電素子132,134を、位相をπ/2ずらして正弦波駆動し、圧電素子131,133を非駆動とすることで、回転部材11はX軸を中心に回転する(X軸回転モード)。
【0025】
図2では、圧電素子131,133を、位相をπ/2ずらして正弦波駆動し、圧電素子132,134を非駆動とすることで、回転部材11はY軸を中心に回転する(Y軸回転モード)。
【0026】
図3では、圧電素子131〜134を、位相をπ/2ずつ順次ずらして正弦波駆動することで、回転部材11はZ軸を中心に回転する(Z軸回転モード)。
【0027】
すなわち、圧電素子131に加える電圧をV、圧電素子132に加える電圧をV、圧電素子133に加える電圧をV、圧電素子134に加える電圧をVとすると、各モードにおける、駆動電圧は次のように表される。
【0028】
X軸回転モード:
=Ax1sin2πf
=Ax4cos2πf
,V=0
=Ax1cos2πft,V=Ax4sin2πftとすることで、回転方向を逆転することができる。通常はAx2とAx4とを同じ値(Ax2=Ax4=AxI)とする。
【0029】
また、
=Ax1sin2πf
=−Ax4sin2πf
=Ax1cos2πf
=Ax3cos2πf
とすることで回転部材11をX軸を中心に回転をさせることができる。通常は、Ax2とAx4とを同じ値(Ax2=Ax4=AxI)とし、Ax1とAx3とを同じ値(Ax1=Ax4=AxII)とする。
【0030】
ここで、AxI=AxIIであってもよいし、AxI≠AxIIであってもよい。
【0031】
なお、fは回転部材11がX軸を中心に回転するときの固有振動数値であり、Ax1,Ax2,Ax3,Ax4は、駆動電圧V,V,V,Vの振幅である。
【0032】
Y軸回転モード:
=Ay1sin2πf
=Ay4cos2πf
,V=0
=Ay1cos2πft,V=Ay4sin2πftとすることで、回転方向を逆転することができる。通常はAy2とAy4とを同じ値(Ay2=Ay4=AyI)とする。
【0033】
また、
=Ay1sin2πf
=−Ay4sin2πf
=Ay1cos2πf
=Ay3cos2πf
とすることで回転部材11をY軸を中心に回転をさせることができる。通常は、Ay2とAy4とを同じ値(Ay2=Ay4=AyI)とし、Ay1とAy3とを同じ値(Ay1=Ay4=AyII)とする。
【0034】
ここで、AyI=AyIIであってもよいし、AyI≠AyIIであってもよい。
【0035】
なお、fは回転部材11がX軸を中心に回転するときの固有振動数値であり、Ay1,Ay2,Ay3,Ay4は、駆動電圧V,V,V,Vの振幅である。
【0036】
本実施形態では、多角柱部材12はX方向,Y方向について対象であるので、X軸回転モードにおける周波数fとY軸回転モードにおける周波数fは同じ値(ここでは、fと記す)である。
【0037】
Z軸回転モード:
=Az1sin2πf
=Az2cos2πf
=−Az3sin2πf
=−Az4cos2πf
なお、V=Az1cos2πft、V=Az2sin2πft、V=−Az3cos2πft、V=−Az4sin2πftとすることで、回転方向を逆転することができる。
【0038】
本実施形態では、Az1,Az2,Az3,Az4は同じ値(Az1=Az2=Az3=Az4=AzI)とする。
【0039】
ただし、Z軸回転モードでのfの値は、Z軸を中心に回転するときの固有振動数値であり、上記のfとは異なる値となる場合もあるし同じ値となる場合もある。
【0040】
これらのモードは混成することができ、一般式では以下のように表される。
【0041】
X軸回転モードとY軸回転モードとの混成モード:
=V=Asin2πf
=V=Acos2πf
この混成モードでは、たとえばf=f=f=f=fC′とした場合には、回転部材11は、(1,1,0)方向(XY平面内で原点を通り、傾きが1/2の軸)を向く。ただし、fC′はX軸またはY軸を中心に回転するときの固有振動数値であり、上述したfと同じ値であることもあるし、違う値であることもある。
【0042】
図1〜図3では、多角柱部材12の4側面にそれぞれ圧電素子(131〜134)を設けたが、回転方向の自由度が少なくてよい場合には、たとえば圧電素子131,133のみを備え、圧電素子132,134は備えないようすることもできる。
《実施例》
図4に実施例に使用したアクチュエータ1を示す。
【0043】
多角柱部材12は、リン青銅製の14mm×14mm×16mmの平面視正方形の直方体、柱状連通孔121の径φが10mmのものを使用した。圧電素子131〜134として、両面間で分極している10mm×10mm×1mmの正方形板状のもの(富士セラミックス社製C−82)を使用した。回転部材11として、径Dが20mmのペアリング硬球(スチール)を使用した。
【0044】
上記構成のアクチュエータ1の圧電素子131〜134を、
電源電圧:42〔V〕
電圧周波数:f=f=f=78〔kHz〕
=70.5〔kHz〕
で駆動した。
混成モードを生み出すには,一つの圧電素子に,2種類以上の電圧をかければよいので,例えばx軸周りとz軸周りを同時に回すなら,
=Asin2πft+Asin2πf
=Acos2πft+Acos2πf
=―Asin2πft+Asin2πf
=―Acos2πft+Acos2πf
説明的に記述すれば,
印加電圧=x軸回りの駆動電圧+y軸回りの駆動電圧+z軸回りの駆動電圧
となる。
【0045】
振幅A,A,A値を0〜42〔V〕の範囲で変化させることにより、回転部材11をその中心を通る任意の軸を中心に回転させることができるとともに、印加電圧を変化させることにより、回転速度を調整することができた。
《変形例》
以下、図1に示した本発明のアクチュエータの基本実施形態の変形例を示す。
【0046】
図5(A)は多角柱部材12が柱状有底穴122を有し、柱状有底穴122の開口部(多角柱部材12の端部)を覆うように回転部材11が設けられる。
【0047】
回転部材11の多角柱部材12の端部への押圧力が大きければ、出力を向上させることが可能となる。図5(B)は多角柱部材12が柱状有底穴122を有し、底部分に永久磁石2が磁力線が穴の軸方向を向いて出射されるように配置されている例を示している。図5(B)の例では回転部材11はスチール等の磁性体であり、永久磁石21が回転部材11を吸引しているので、回転部材11の柱状有底穴122の開口部(多角柱部材12の端部)への押圧力を付与することができる。なお、図5(A)において柱状有底穴122を真空引きすることで回転部材11の柱状有底穴122の開口部への押圧力を付与することもできる。また、回転部材11を外側から柱状有底穴122の開口部に押し付けることで出力を向上させる場合、固有振動周波数は当該押し付けの前と後とでは変動するので、この固有振動周波数の変動を考慮して構造設計をする必要がある。
【0048】
図5(C)は多角柱部材12の柱状連通孔や柱状有底穴(ここでは、柱状連通孔121)の開口部に振動促進用(すなわち、出力向上用)のスリットSLが形成された例を示している。このスリットSLを柱状連通孔や柱状有底穴の中心軸に対して非対称にすることで、特定の軸方向の出力を増大させ、他の軸方向の出力を低下させることもできる。
【0049】
図6(A)は1つの回転部材11に対して2つの多角柱部材12A,12Bを用いた例を示す図である。この例では、多角柱部材12Aの圧電素子(131〜134)を駆動したときの回転方向と、多角柱部材12Bの圧電素子(131〜134)を駆動したときの回転方向とが同じになるように構成してあり、出力を2倍にすることができる。
【0050】
本発明のアクチュエータ1では、回転部材11や多角柱部材12は他の部材(機能部材)と一体となって使用することができる。図6(B)は回転部材11と機能部材31とが一体となり、多角柱部材12と機能部材32とが一体となった例を示している。
《応用例》
本発明のアクチュエータは、回転3自由度アームの駆動部として使用でき、肩や手首,眼球などの役目を果たすことができる。
【0051】
内視鏡の先端に取り付けてカメラ部の駆動に使用できる。また、同じく内視鏡に取り付けた切除器具や、レーザ等を用いた焼灼方のための駆動部として用いることもできる。
【0052】
種々の産業機器の回転2自由度機構,回転3自由度機構としても使用できる。たとえば、光造形や、粒子径測定装置にも応用できる。
【0053】
多角柱部材は、直方体等の多角柱に穴を開けるだけの構成なので作製が容易である。また、回転部材11は低価格で入手が容易なベアリング硬球が使用できるし、圧電素子も低価格で入手が容易な板状のものが使用できる。
【0054】
本発明のアクチュエータは、小型化が可能であり、マイクロロボット・マイクロ医療機器の分野への応用が期待される。
【0055】
本発明のアクチュエータをカテーテル先端に取り付けて使用する場合、カテーテルを曲げることができる。これにより、血管内の分岐においても、方向を選ぶことが可能である。また、超音波血管内視鏡のアクチュエータとして使用できるし、永久磁石を内蔵しないアクチュエータの場合には医療用MRIと共用して使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】X軸を中心に回転部材を回転させる、本発明のアクチュエータの基本実施形態を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は側面図、(C)は平面図である。
【図2】Y軸を中心に回転部材を回転させる、本発明のアクチュエータの基本実施形態を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は側面図、(C)は平面図である。
【図3】Z軸を中心に回転部材を回転させる、本発明のアクチュエータの基本実施形態を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は側面図、(C)は平面図である。
【図4】図1から図3に示したアクチュエータの実施例を示す図である。
【図5】(A)は多角柱部材が柱状有底穴を有し、柱状有底穴の開口部を覆うように回転部材が設けられた変形例を示す図、(B)は多角柱部材が柱状有底穴を有し、底部分に永久磁石が磁力線が穴の軸方向を向いて出射されるように配置されている例を示す図、(C)は多角柱部材の柱状連通孔の開口部に振動促進用のスリットが形成された例を示す図である。
【図6】(A)は1つの回転部材に対して2つの多角柱部材を用いた例を示す図、(B)は回転部材と機能部材とが一体となり、多角柱部材と機能部材とが一体となった例を示す図である。
【図7】従来の、球体を駆動する振動型アクチュエータの一例を示す図である。
【図8】従来の、球体を駆動する振動型アクチュエータの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
1 アクチュエータ
11 回転部材
12 多角柱部材
13 振動発生部材
131〜134 圧電素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
球面体または部分球面体からなる回転部材と、
中心軸と同一方向に柱状連通孔を有し、または当該方向に柱状有底穴を有する多角柱部材と、
前記多角柱部材の側面に、1つ、または周方向に沿って2つ以上設けられた振動発生部材と、
を備えたアクチュエータであって、
前記回転部材の球面部分が、前記多角柱部材の柱状連通孔または柱状有底穴を覆うように前記多角柱部材の端部に設けられ、
前記振動発生部材が1つまたは複数の所定域の周波数で駆動されることにより、前記回転部材は、回転軸が前記多角柱部材の中心軸とは異なる方向に向くトルクを前記多角柱部材の端部から受ける、
ことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記回転部材が金属からなり、前記多角柱部材が前記回転部材を構成する金属と同一の金属または異なる金属からなり、前記振動発生部材が圧電素子であることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記多角柱部材が四角柱であり、前記柱状連通孔または柱状有底穴が円筒形をなすことを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記四角柱の4側面のうち少なくとも1組の対向面に振動発生部材が備えられ、これら2つの振動発生部材が位相差180度の振動を発生することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記多角柱部材に前記柱状有底穴を有するアクチュエータであって、
前記回転部材の少なくとも球面部分が磁性体からなり、
前記多角柱部材の前記柱状有底穴の底部に永久磁石がセットされていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のアクチュエータ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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