説明

アクリル酸の製造方法

【課題】本発明は、生物由来資源、特に油脂から得られたグリセリン及び/又はバイオマス由来の糖を原料として、生化学的方法により製造された3−ヒドロキシプロピオン酸発酵液から、簡便に、着色のない高純度のアクリル酸を製造する方法を提供することを目的とする
【解決手段】本発明に係るアクリル酸の製造方法は、3−ヒドロキシプロピオン酸を含む発酵液から、水親和性の低い有機溶剤により3−ヒドロキシプロピオン酸を抽出し、特定の温度範囲で脱水反応を行う工程を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物由来資源、特に油脂から得られたグリセリン及び/又はバイオマス由来の糖を原料として、生化学的方法により製造された3−ヒドロキシプロピオン酸組成物を原料とするアクリル酸の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アクリル酸は、各種アクリル酸塩やアクリル酸エステル、ポリアクリル酸塩など、工業的に幅広く用いられ、特に吸水性樹脂の原料モノマーとして知られている。アクリル酸の製造方法にはプロピレンの二段酸化による製造方法、アクリロニトリルの硫酸による加水分解での製造方法が知られている。一方、最近では地球温暖化防止及び環境保護の観点から、炭素源としてリサイクル可能な生物由来資源を従来の化石原料の代替として用いることが注目されている。
【0003】
例えば、油脂のエステル交換によって得られた脂肪酸メチルエステル、いわゆるバイオディーゼル燃料(BDF)は、既に軽油に一部混合するなどして実用化されている。このBDFは、脂肪酸のトリグリセリドである油脂とメタノールを反応させて脂肪酸のメチルエステルとするものであり、グリセリンが副生物として得られる。この副生したグリセリンが過剰供給ぎみになっており、有効利用方法の開発が進められている。このグリセリンの有効利用方法の例として、グリセリンの脱水反応によるアクロレインを経由したアクリル酸の製造方法が挙げられる(特許文献1、2参照)。
【0004】
また、グリセリンを炭素源として用いて3−ヒドロキシプロピオン酸を発酵生成し(特許文献3、4参照)、さらに得られた3−ヒドロキシプロピオン酸を脱水してアクリル酸を製造する方法も開示されている。(特許文献5、6参照)
3−ヒドロキシプロピオン酸の製法として、バイオマス由来のグルコース等の糖を原料とした製造方法も開示されており(特許文献7参照)、バイオマス由来の糖からのアクリル酸の製造方法についても広く検討されている。
【0005】
前記の生物由来資源からのグリセリンや糖を炭素源とした発酵により得られた3−ヒドロキシプロピオン酸やその塩から、脱水によりアクリル酸を製造する方法は、有機試剤の存在下で3−ヒドロキシプロピオン酸のアンモニウム塩を加熱し3−ヒドロキシプロピオン酸に分解した後、さらに脱水によりアクリル酸を生成することが開示されているが、副生物の有機酸が存在することや、有機試剤として不混和性の有機アミンを用いて高温で加熱処理するため、品質面での問題があり工夫の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−213225号公報
【特許文献2】国際公開WO2006/114506号公報
【特許文献3】国際公開WO2001/16346号公報
【特許文献4】特開2007−82476号公報
【特許文献5】特表2004−532855号公報
【特許文献6】国際公開WO2003−82795
【特許文献7】特表2004−514431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記のアクリル酸を製造する方法においては、生化学的方法により製造された3−ヒドロキシプロピオン酸組成物(以下、3HPA組成物と称することがある)である3−ヒドロキシプロピオン酸含有発酵液(以下、3HPA発酵液と称することがある)中に、3−ヒドロキシプロピオン酸(以下、3HPAと称することがある)の他にも代謝産物として生成される乳酸、酢酸、酪酸等の有機酸が混入しており、これらは副生物を含む3HPA発酵液を抽出した有機アミンを原料として脱水反応を行った際には、アクリル酸の生産性や純度に問題があった。すなわち、3HPA発酵液は希薄な水溶液であるため、脱水反応の反応速度を上げて生産性を高めるには、水を除去するのが好ましいが、蒸留などの方法ではコストがかかる等の問題が生じ、また有機酸の分離が難しく不純物として製品中に混入するという品質上の問題があった。さらには、有機アミン抽出物を高温で加熱処理するために、一般的に熱的に不安定であるアミンに起因すると考えられる品質上の問題、具体的には製品を保存している際に着色が生じるという問題も見出された。
【0008】
そこで本発明は、生物由来資源、特に油脂から得られたグリセリン及び/又はバイオマス由来の糖を原料として、生化学的方法により製造された3−ヒドロキシプロピオン酸発酵液から着色のない高純度のアクリル酸の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のアクリル酸の製造方法は、3−ヒドロキシプロピオン酸発酵液及び/又は該発酵液の脱水反応組成物と水親和性の低い有機溶剤とを用いることで、着色がなく、副産物である有機酸、すなわち乳酸、酢酸、酪酸等が少ない高純度のアクリル酸が簡便で、安価で得られることに特徴を有する。
【0010】
本発明者等は生化学的方法により製造された3HPAからアクリル酸を製造する方法について種々検討したところ、水親和性の低い有機溶剤を用いて3HPA等を抽出した後、特定の温度で加熱し脱水処理をすることで、得られたアクリル酸は不純物が少なく高純度であるばかりでなく着色が生じないという、前記課題をみごとに解決できることを見出した。
【0011】
即ち、本願発明は、
(1)生物由来資源の発酵により得られた3−ヒドロキシプロピオン酸を含む組成物を用いてアクリル酸を製造する方法であって、
(a−1)3−ヒドロキシプロピオン酸を含む発酵液と、水親和性の低い有機溶剤とを接触させる、少なくとも3−ヒドロキシプロピオン酸を抽出して得られた抽出組成物を、190℃を超えない温度で加熱して脱水反応を施し、アクリル酸組成物を製造する工程、及び/又は
(a−2)3−ヒドロキシプロピオン酸を含む発酵液と、水親和性の低い有機溶剤とを接触させて得られた有機溶剤組成物を、190℃を超えない温度で加熱して脱水反応を施し、アクリル酸組成物を製造する工程を有し、
(b)前記a−1及び/又はa−2の工程により得られた3−ヒドロキシプロピオン酸組成物から、アクリル酸を精製する工程
を有する事を特徴とするアクリル酸を製造方法である。
【0012】
(2)好ましくは、糖の発酵により得られた3−ヒドロキシプロピオン酸を含む発酵液を用いたアクリル酸の製造方法である。
【0013】
(3)好ましくは、油脂の加水分解及び/又はエステル交換により製造されたグリセリンを炭素源として発酵により得られた3−ヒドロキシプロピオン酸を含む発酵液を用いたアクリル酸の製造方法である。
【0014】
(4)前記水親和性の低い有機溶剤が、炭素原子が6以上で、かつ窒素原子及び/又は酸素原子を1以上含む有機溶剤であるアクリル酸の製造方法である。
【0015】
(5)前記3−ヒドロキシプロピオン酸を含む発酵液と水親和性の低い有機溶剤とを接触させる前に、イオン交換を施すことにより、該発酵液中の無機カチオンを除去しても良いアクリル酸の製造方法である。
【0016】
(6)前記水親和性の低い有機溶剤として、炭素原子が6以上で、かつ窒素原子を1以上含む有機溶剤を用いて加熱することにより、前記発酵液中に含まれるアンモニアを除去する工程を有してもよいアクリル酸の製造方法である。
【0017】
(7)前記アクリル酸を精製する工程で得られた水親和性の低い有機溶剤は、回収して、再度用いても良いアクリル酸の製造方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明に従えば、簡便で、安価で、副産物である乳酸、酢酸、酪酸等の有機酸が少ない高純度のアクリル酸であって、さらに着色のないアクリル酸が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】培養液からアクリル酸を回収する工程図−1
【図2】培養液からアクリル酸を回収する工程図−2
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0021】
先ず、(a−1)の工程(図1、2を参照)を用いた場合について、以下、詳細を説明する。
【0022】
本発明は発酵液中に含まれる3−ヒドロキシプロピオン酸を原料として高純度のアクリル酸を製造する方法である。
【0023】
3−ヒドロキシプロピオン酸及びその塩を含む発酵液は、種々の源から得ることができ、3−ヒドロキシプロピオン酸及びその塩を得る方法は酵素プロセス及び発酵プロセスを含む。この酸を生成する発酵反応は特に限定されるものではなく、典型的には微生物、例えば国際公開WO2001/16346号公報又は特開平2007−82476号公報に記載される微生物の存在下において、発酵して生産することができる。
【0024】
発酵に用いられる糖は、グルコース、ラクトース、ガラクトース、フルクトース等の六炭糖類、キシロース等の五炭糖類、若しくはデンプンの加水分解等により得られた糖を用いることができる。
【0025】
発酵に用いられるバイオマス由来のグリセリンは、動植物の油脂である脂肪酸のトリグリセリドをメチルアルコール等のアルコールでエステル交換し、エステル相とグリセリン相を分離することにより得られる。不純物として脂肪酸やグリセリド類を含む場合、蒸留により精製されるが、本発明においては発酵に影響しない程度であれば不純物を含んでいても良い。
【0026】
発酵液の中和に用いる塩基としては、アンモニア及びアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物を用いることができるが、アンモニアは塩基性度が弱く塩交換が起こりやすいことからアンモニアの使用が好適である。
【0027】
発酵により得られた3HPA発酵液には3HPAの他に副産物として乳酸、酢酸、酪酸等が含まれる可能性がある。
【0028】
次いで3HPA及びその塩を含む発酵液から固形分を除去し、発酵液の溶液部分(発酵液上清と称することがある)を回収する。固液分離方法は、例えば遠心分離、膜ろ過のような公知の方法によって、より容易に回収することができる。
【0029】
前記発酵液上清は、発酵の炭素源である糖やグリセリン、生成物である3HPAや副生物である有機酸等を含んでいるため、有機溶剤を抽剤として添加し、抽出して3HPAを回収する。有機酸等は抽剤に溶解しやすいので3HPA抽出液に含まれる。一般的に、抽剤は、溶解している3−ヒドロキシプロピオン酸の所望の部分を水溶液から抽出するために十分な量を使用しなくてはならない。これは、実験によって容易に決定することができ、そして抽剤の必要な量は、公知の多段向流液−液抽出方法を使用することによって減少させることができる。
【0030】
本発明に用いられる有用な抽剤は、水に不混和性である有機アミンである。好ましくは、この有機アミンは6個以上の炭素原子を持ち、常温で液体であるものが良く、好ましくは沸点が150℃(1気圧の圧力で測定)よりも高く、より好ましくは沸点が250℃(1気圧の圧力で測定)よりも高いものが良い。
【0031】
本発明に用いる有機アミンは、第一級、第二級、第三級ならびに第四級アミン塩を用いることができる。アミンの窒素原子は、アルキル、アリール、およびアラルキル基で置換されていてもよい。これらの基はまた直鎖状または分岐状であってもよく、また置換または不置換であってもよい。基は互いに同じであってもよいし、あるいは異なっていてもよい。アルキル基が好ましく、特に高級アルキル基(例えば少なくとも8個の炭素原子)が好ましい。
【0032】
本発明においては、図1に示す通り、3HPA発酵液と有機溶剤を混合して、次いで有機相と水相の分離を行った後、加熱して脱水反応、蒸留を施す形態や、図2に示す通り、3HPA発酵液と有機溶剤を混合した懸濁液を作り、先に過剰に存在する水相を蒸留し、次いで残った有機相を加熱し脱水反応、蒸留を施す形態を取ることができる。この段階で有機溶剤と共に発酵時に副生し混入していた有機酸は除去される。脱水反応で精製した水や酢酸などの低沸点物とアクリル酸を含む蒸留留出物を、更に蒸留精製することにより高純度のアクリル酸が得られる。図1に示す実施形態は、あらかじめ水相を相分離し水の蒸留を必要としないため、ユーティリティー費用を抑えることができるので好適に用いられる。
【0033】
本発明方法では、前記発酵液上清から抽剤により抽出された3HPAを加熱し、脱水蒸留することにより、アクリル酸を提供することができる。3HPAを含む抽剤を190℃未満の温度で加熱し、脱水反応により生成した水を蒸発させることにより3−ヒドロキシプロピオン酸をアクリル酸に転化することができる。加熱温度は100℃以上であれば良いが、温度が低いと脱水時間が長くなり生産性が低下し、温度が高すぎると抽剤であるアミン類が不安定となり製品に着色等の不具合が生じるため、好ましくは130℃から180℃である。
【0034】
本発明の脱水反応、蒸留の工程においては、有機アミンの加熱を低温及び短時間で処理することが好ましいため、減圧下で蒸留することが好ましい形態のひとつである。圧力は前記加熱温度範囲で脱水蒸留が進むように設定すれば良く、特に限定されるものではない。
【0035】
本発明の脱水反応は、好ましくは脱水触媒の存在において脱水反応し、生成水を蒸発させることが良く、脱水触媒としては、鉱酸等の酸触媒、金属水酸化物等の塩基触媒、リン酸カルシウム塩、乳酸カルシウム塩、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、ゼオライト等の中性触媒を用いることができる。前述のとおり、この工程でアクリル酸は蒸留され、乳酸、抽剤である有機アミン等の高沸点物を分離することができる。
【0036】
上記(a−1)の工程で得られたアクリル酸を含む低沸点物は更に蒸留によって精製され、アクリル酸を得ることができる。また、アクリル酸よりも沸点が低い水、酢酸及び微量の酪酸もこの工程で分離され、高純度のアクリル酸が得られる。
【0037】
次に(a−2)の工程を用いた場合について、以下、詳細に説明する。
【0038】
前記発酵液上清に、炭素原子数3〜7のエーテル類やケトン類を添加し、加熱する事で、3HPAがアクリル酸に転化する。生成したアクリル酸は有機層側にほとんどが含まれるので、層分離により取り出した有機層を蒸留などの公知の精製方法によりアクリル酸を得ることが出来る。得られたアクリル酸の純度は、さらに公知の蒸留や晶析等を行うことにより高めることが出来る。
【0039】
前記エーテル類やケトン類としては、メチル−ターシャリーブチル−エーテル、エチル−ターシャリーブチル−エーテル、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、蒸発潜熱が小さく低エネルギーで溶媒の回収ができることから、メチル−ターシャリーブチル−エーテルが好適に用いられる。
【0040】
前記加熱時において、触媒を用いると、3HPAからアクリル酸への転化が早くなるので好ましい。触媒としては、Zr、Ti、Hf、Sn、及びNbのうち少なくとも一種の金属元素の水和酸化物を含むものが好ましい。
【実施例】
【0041】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り下記の実施例に限定されるものではない。
【0042】
また、各成分の分析はガスクロマトグラフィーで行った。
【0043】
実施例1
特開平2007−82476号公報に記載されている方法により得られた発酵液(3−ヒドロキシプロピオン酸含有量10%)100gを6000rpmで20分遠心後、培養液上清を回収した。回収した培養液上清にトリ−n−オクチルアミン100gを加え、攪拌子で穏やかに24時間室温で混合した。
【0044】
混合液を静置して、二相に分離した段階で、有機相を回収した。この反応混合物に酸化アルミニウムを50g添加し、170℃で1時間加熱した。
【0045】
留出液を回収し、室温まで冷却した後、100℃から130℃まで徐々に加熱していき、留出液を除去した。その後、減圧して、系内の圧力を20kPaに保ちながら200℃まで徐々に加熱していき、留出液を回収した。
【0046】
留出液をGCで分析した所、高純度のアクリル酸であり、3−ヒドロキシプロピオン酸、乳酸、酪酸は検出されなかった。また、製品を数日間保存しても着色は見られなかった。
【0047】
実施例2
特開平2007−82476号公報に記載されている方法により得られた発酵液(3−ヒドロキシプロピオン酸含有量10%)150gを6000rpmで20分遠心後、培養液上清を回収した。回収した培養液上清にトリ−n−オクチルアミン10g、酸化アルミニウム15gを混合後、100℃から110℃まで徐々に加熱していき、留出液を除去した。その後更に温度を上げ、180℃で1時間加熱した。
【0048】
留出液を回収し、室温まで冷却した後、100℃から130℃まで徐々に加熱していき、留出液を除去した。その後、減圧して、系内の圧力を20kPaに保ちながら200℃まで徐々に加熱していき、留出液を回収した。
【0049】
留出液をGCで分析した所、高純度のアクリル酸であり、3−ヒドロキシプロピオン酸、乳酸、酪酸は検出されなかった。また、製品を数日間保存しても着色は見られなかった。
【0050】
比較例1
実施例1において、トリ−n−オクチルアミンを用いない以外は同じ方法により、操作を施した。
【0051】
特開平2007−82476号公報に記載されている方法により得られた発酵液(3−ヒドロキシプロピオン酸含有量10%)100gを6000rpmで20分遠心後、培養液上清を回収した。この反応混合物に酸化アルミニウムを50g添加し、200℃以上で5時間加熱した。水分の蒸留に時間を要し、実施例1よりユーティリティーコストがかかることが確認された。
【0052】
留出液を回収し、室温まで冷却した後、100℃から130℃まで徐々に加熱していき、留出液を除去した。その後、減圧して、系内の圧力を20kPaに保ちながら200℃まで徐々に加熱していき、留出液を回収した。
【0053】
留出液をGCで分析した所、アクリル酸の他に3−ヒドロキシプロピオン酸が検出された。微量の乳酸や酪酸も検出された。実施例1で得られたアクリル酸よりも不純物が多いことが確認された。製品を数日間保存しても着色は見られなかった。
【0054】
比較例2
実施例1において、脱水反応蒸留工程の温度を200℃で実施した以外は同じ方法により、操作を施した。
【0055】
得られたアクリル酸の製品を数日間保存したところ着色が見られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物由来資源の発酵により得られた3−ヒドロキシプロピオン酸を含む組成物を用いてアクリル酸を製造する方法であって、
(a−1)3−ヒドロキシプロピオン酸を含む発酵液を、水親和性の低い有機溶剤で少なくとも3−ヒドロキシプロピオン酸を抽出して得られた該抽出組成物を、190℃を超えない温度で加熱して脱水反応を施し、アクリル酸組成物を製造する工程、及び/又は
(a−2)3−ヒドロキシプロピオン酸を含む発酵液に、水親和性の低い有機溶剤を添加して得られた該有機溶剤組成物を、190℃を超えない温度で加熱して脱水反応を施し、アクリル酸組成物を製造する工程、を有し
(b)前記a−1及び/又はa−2の工程により得られたアクリル酸組成物から、アクリル酸を精製する工程
を有する事を特徴とするアクリル酸の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−180171(P2010−180171A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−26200(P2009−26200)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BDF
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】