説明

アスパラチン及びその類似体の合成方法

アスパラチン及びその類似体または誘導体の合成方法が開示される。この方法は、式1:


[式中、
各R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は、-H、-OH、ヒドロカルビル基、糖部分、及び-OR15からなる群より独立して選択され;
R15は、水素、ヒドロカルビル基、アシル基、及びベンジル基からなる群より選択され;
R11、R12、R13、及びR14は、-H、ヒドロカルビル基、糖部分、アシル基、及びベンジル基からなる群より独立して選択される]
の化合物またはその類似体もしくは誘導体を合成する工程を含む。この方法は、糖をジヒドロカルコン、カルコン、またはフラバノンとカップリングさせる工程、あるいは、糖をジヒドロカルコン、カルコン、またはフラバノン製造のための中間体とカップリングさせ、次いで糖-中間体付加物をジヒドロカルコン、カルコン、またはフラバノン製造のためのさらなる中間体とカップリングさせる工程を含み、その生成物を式1の化合物またはその類似体もしく誘導体に変換することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスパラチン(3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-1-(3-β-D-グルコピラノシル-2,4,6-トリヒドロキシフェニル)-1-プロパノン (式A)及びその類似体の新規な合成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アスパラチン及びその類似体は、植物中に、天然に存在する。このクラスの化合物には、重要な生物学的活性が備わっている。
【0003】
アスパラチン及びその類似体は、3つの構成単位:
・糖(サッカリド)部分、典型的には、D-グルコース;
・モノ-もしくはポリヒドロキシ化芳香環、典型的には、フロログルシノール(式A中のB環);及び
・3-フェニルプロパノイド部分、典型的には、3-(3’,4’-ヒドロキシフェニル)-1-プロパノン (式A中のA環)
からなる。
【0004】
糖部分は、ポリヒドロキシ化芳香環に、そのアノマー(C-1)位(式A中のC-1”)で炭素-炭素結合を介して結合している。したがって、アスパラチン及び類似体はC-グリコシド類である。アスパラチンのアノマー炭素は、β配置であるが、類似体では、これはβまたはα配置をとりうる。アスパラチンの類似体では、糖部分は、単糖類、二糖類、及び多糖類を含むあらゆる糖であってよい(例には、リボースのD体及びL体、アラビノース、ガラクトース、フルクトース、スクロース等が含まれる)。糖は、ポリヒドロキシ化アルデヒドもしくはケトンと定義される。糖は、典型的には5もしくは6の炭素原子を有し、典型的には、必ずしもそうではないが、アスパラチン及び類似体において環状アセタールとして存在する。糖部分は、通常は遊離のヒドロキシ形態であるが、完全にまたは選択的に誘導体化されていてよい。例えば、これは、メチルもしくはベンジルエーテル類を、またはアセテート類を生じうる。糖部分は、典型的には、式Aのようにβ配置をとる非誘導体化D-グルコースアセタールである。
【0005】
プロパノイド部分は、ポリヒドロキシ化芳香環に、芳香環とプロパノイド部分のカルボニル炭素との間の炭素-炭素結合を介して結合している。したがって、糖分子を除いた前記部分は、ジヒドロカルコンである。プロパノイド部分は、カルボニル基を有し、カルボニル基と共役した二重結合をも有していてよい。この場合は、糖を除いたアスパラチン及び類似体の部分はカルコンである。プロパノイド部分は、典型的には1位にカルボニルを有し、二重結合を持たず、したがって、式Aのようにジヒドロカルコン部分の一部である。
【0006】
プロパノイド部分の3位のフェニル基(式A中の環A)は、芳香環炭素のいずれにでも、0、1、2、3、4、または5のヒドロキシ基を有してよい。例えば、ヒドロキシを1つのみ有する類似体は、このヒドロキシル基を2、3、または4位に有してよく、2つのヒドロキシル基を有する類似体は、式Aのようにこれらを3,4位に有するが、これらを2,3位、2,5位、3,5位、または2,4位に有しても良い。3つのヒドロキシル基を有する類似体は、これらを典型的には3,4,5位に有する。1つ以上のヒドロキシ基を有するプロパノイド部分のフェニル基は、通常は遊離のヒドロキシ形態であるが、完全にまたは選択的に誘導体化されていてよい。例えば、これは、メチルもしくはベンジルエーテル類を、またはアセテート類を生じうる。
【0007】
モノもしくはポリヒドロキシ化芳香環(プロパノイド部分の1位)(式AのB環)は、糖部分とプロパノイド部分との間のリンケージとして機能する。これは、1つ(フェノールである場合)、2つ(レゾルシノールである場合)、3つ(フロログルシノールまたはピラガロール)、または4つのヒドロキシ基を有する。これらのヒドロキシ基は、完全にまたは選択的に誘導体化されていてよく、例えば、これらは、メチルもしくはベンジルエーテル類またはアセテート類であってよい。これらは典型的には式Aのように誘導体化されていない遊離のフェノールフロログルシノール部分である。
【0008】
【化1】

【0009】
アスパラチンは、通常はAspalathus linearis(ルイボス植物)から抽出され、2%以上の収率で、あるいは8工程未満でのこの化合物の合成を記載する文献は皆無である(Yepremyan, Organic Letters, 2010, 1580-1583)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Yepremyan, Organic Letters, 2010, 1580-1583
【非特許文献2】Carbohydrate Research, 2004, 2611-2614
【非特許文献3】Bull. Chem. Soc. Jpn., 1995, 1379-1384
【非特許文献4】Yepremyan, A, Salehani,B; Minehan, T.G. Org. Lett., 2010, 12 (7), pp 1580−1583
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、入手可能な出発物質から少ない工程で商業的に実現可能な量でアスパラチン及びその類似体を合成する方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第一の実施態様によれば、式1:
【化2】

[式中、
各R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は、-H、-OH、ヒドロカルビル基、糖部分、及び-OR15からなる群より独立して選択され;
R15は、水素、ヒドロカルビル基(例えば、メトキシもしくはエトキシ)、アシル基、及びベンジル基からなる群より選択され;
R11、R12、R13、及びR14は、-H、ヒドロカルビル基、糖部分、アシル基、及びベンジル基からなる群より独立して選択される]
の化合物またはその類似体または誘導体の合成方法が提供され、この方法は、糖をジヒドロカルコン、カルコン、またはフラバノンとカップリングさせる工程、あるいは、糖をジヒドロカルコン、カルコン、またはフラバノン製造のための中間体とカップリングさせ、次いで糖-中間体付加物をジヒドロカルコン、カルコン、またはフラバノン製造のためのさらなる中間体とカップリングさせる工程を含み、その生成物を式1の化合物またはその類似体もしく誘導体に変換することを含む。
【0013】
類似体は、式2の化合物であってよい。
【化3】

【0014】
式2の類似体では、R1、R2、R3、R4、またはR5の少なくとも一つは、単糖、二糖、または糖のオリゴマーであってよい。単糖、二糖、または糖のオリゴマーは、芳香環に、アノマー炭素(糖のC-1)で炭素-炭素結合を介して結合していてよい。
【0015】
類似体は、プロパノイド単位(式3)に更に二重結合を含んでよい。
【化4】

R1、R2、R3、R4、またはR5は式2の類似体について定義した通りである。
【0016】
式1の類似体は、アスパラチンのペルアセテート、ペルメチル、ペルベンジル、モノヒドロキシ形態、あるいはヒドロキシルとアセテート、メチル、またはベンジル基の様々な組み合わせであってよい。式1のペルベンジル、ペルメチル、またはペルアセテート形態は、水素化及び/または弱酸もしくは弱塩基またはBBr3を用いた処理で式Aの化合物に変換してよい。
【化5】

【0017】
糖は、単糖、二糖、及び多糖(例には、リボースのD体及びL体、アラビノース、ガラクトース、フルクトース、スクロース等が含まれる)を含むいかなる糖であってもよい。糖部分は、遊離のヒドロキシ形態であってよいが、完全にまたは選択的に誘導体化されていてよい。例えば、これは、メチルもしくはベンジルエーテルとして、またはアセテートとして存在してよい。糖部分は、典型的には、式Aのようにβ配置をとる非誘導体化D-グルコースアセタールである。
【0018】
カルコンは、式4の化合物であってよい。
【化6】

式中、
各R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は、-H、-OH、ヒドロカルビル基、糖部分、及び-OR15からなる群より独立して選択され、R1、R2、R3、R4、またはR5の少なくとも一つは水素であり(水素は、カップリング反応の間に糖部分によって置換される);
R15は、水素、ヒドロカルビル基(例えば、メトキシまたはエトキシ)、アシル基、及びベンジル基からなる群より選択される。
【0019】
ジヒドロカルコンは、式5の化合物であってよい。
【化7】

式中、
各R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は、-H、-OH、ヒドロカルビル基、糖部分、及び-OR15からなる群より独立して選択され、R1、R2、R3、R4、またはR5の少なくとも一つは水素であり(水素は、カップリング反応の間に糖部分によって置換される);
R15は、水素、ヒドロカルビル基(例えば、メトキシまたはエトキシ)、アシル基、及びベンジル基からなる群より選択される。
【0020】
類似体は、式6のフラバノン形態であってもよい。
【化8】

式中、
各R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は、-H、-OH、ヒドロカルビル基、糖部分、及び-OR15からなる群より独立して選択され、R1、R2、R3、R4、またはR5の少なくとも一つは水素であり(水素は、カップリング反応の間に糖部分によって置換される);
R15は、水素、ヒドロカルビル基(例えば、メトキシまたはエトキシ)、アシル基、及びベンジル基からなる群より選択される。
【0021】
糖の1つ以上のヒドロキシ基が、カップリング前に、典型的にはベンジル、メチル、メトキシメチルエーテル類、またはアセテートとして保護されてよい。
【0022】
カルコン、ジヒドロカルコン、フラバノン、ポリヒドロキシ化芳香環、3-フェニルプロパノイド、ポリヒドロキシフェノール、ポリヒドロキシベンズアルデヒド、またはポリヒドロキシアセトフェノンの1つ以上のヒドロキシ基が、カップリング前に、典型的にはベンジル、メチル、メトキシメチルエーテル、またはアセテート類として保護されてよい。
【0023】
保護基は、アスパラチンまたはその類似体の合成後に除去されてよい。
【0024】
糖のC-1ヒドロキシ基は、別の置換基、例えば、トリクロロアセトイミデート、トリフルオロアセトイミデート、アセテート、トリフルオロアセテート、ハライド、または硫黄もしくはセレン含有脱離基であってルイス酸と反応してアノマー(C-1)炭素の求電子性を増大させるもので置換されてもよい。この炭素(C-1)は、C-1とC-2との間のエポキシド(1,2-アンヒドロ糖)によって活性化されても良い。ZnCl2は、典型的にはエポキシド環と相互作用してC-1炭素の求電子性を増大させるために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0025】
アスパラチン及び類似体の合成方法を以下に記載する。上述の通り、アスパラチン及びその類似体は、糖部分(典型的にはD-グルコース)、モノ-もしくはポリヒドロキシ化芳香環(典型的にはフロログルシノール)、及び3-フェニルプロパノイド部分(典型的には3-(3’,4’-ヒドロキシフェニル)-1-プロパノン)からなる。
【0026】
糖は、ポリヒドロキシ化アルデヒドもしくはケトンとして定義される。糖類は、典型的には5または6の炭素原子を有し、必ずしもそうではないが、典型的にはアスパラチン及び類似体の環状アセタールとして存在する。
【0027】
アスパラチン及びその類似体は、本発明により、糖をジヒドロカルコン、カルコン、またはフラバノンとカップリングさせる工程、あるいは、糖をジヒドロカルコン、カルコン、またはフラバノン製造のための中間体とカップリングさせ、次いで糖-中間体付加物をジヒドロカルコン、カルコン、またはフラバノン製造のためのさらなる中間体とカップリングさせる工程、及びその生成物を式1の化合物またはその類似体に変換することによって合成することができる。
【0028】
カルコンが中間体である場合、カルコンの二重結合は、還元の必要があってもよい。
【0029】
糖のアノマー炭素(C-1)における増大した求電子性が、糖もしくはサッカリドを炭素-炭素結合を介してモノもしくはポリヒドロキシル化芳香環とカップリングさせるために必要とされる(ルイス酸または別の触媒活性化方法による)。これは、糖分子のC-1(アノマー炭素)のヒドロキシ基を、トリフルオロアセトイミデート(式a)、トリクロロアセトイミデート(式b)、ハライド類(例えば、ケーニッヒ・クノール反応を用いる)(式c)、及びセレンもしくは硫黄含有脱離基(式d)を含む別の置換基で置換することによって達成することができる。これらの置換反応により、アノマーOHはより優れた脱離基となる。アノマー炭素の求電子性は、アノマーOHと無水トリフルオロ酢酸とを反応させてトリフルオロアセテート(式e)を得ることによっても増大させることができる。トリフルオロアセテートは単離されず、トリフルオロアセテートの芳香環による置換は、BF3等のルイス酸によってin situ触媒作用される。
【0030】
アノマー炭素の求電子性増大は、1,2アンヒドロ糖(式f)を使用して達成することもでき、ここではC-1炭素がエポキシド部分の一部である。糖のC-1とC-2との間のエポキシド部分は、C-1位の求電子性を増大させる。1,2アンヒドロ糖は、通常、グリカ―ルのエポキシ化によって得られる。C-1位の増大した求電子性のため、求核試薬による攻撃が怒り、C-グリコシドが生成する。糖の別のヒドロキシ基(C-1ヒドロキシ基を除く)は、典型的にはベンジルエーテルまたはアセテートとして保護する必要があってもよい。これらの基の保護は、求核試薬、脱離、酸化等からこれらを保護するために行ってよい。
【0031】
【化9】

【0032】
C-2の嵩高い保護基(例えばベンジル基)は、β-C-グルコシド類の生成を促進する。C-2のアセテートによる隣接基の介入が、通常は、β配置のグルコシドの排他的(立体特異的)生成をもたらす。グリカ―ルの場合には、エポキシドは、C-3の嵩高い保護基(例えばベンジル基)に対してトランスにエポキシドが生成される。C-1における求核試薬のカップリングは、通常、エポキシド環の開環及びC-1の配置の反転を伴う。したがって、C-3の配置は、C-グリコシドのαまたはβ配置を決定しうる。グリコシド(式g)のグリカ―ル等価体は、C-1-α-エポキシド(式h)及び最終的にはβ-グリコシドをもたらす。
【0033】
【化10】

【0034】
C-1活性化糖(例えば式a乃至f)は、芳香環(保護または非保護のポリヒドロキシフェノールまたはポリヒドロキシアセトフェノン)とカップリングしうる。本発明に関しては、式i及び式jから式kへの無水トリフルオロ酢酸(TFAA)を用いた定量的変換(スキーム1)が起こる。
【0035】
【化11】

【0036】
3-フェニルプロパノイド単位は、モノもしくはポリヒドロキシ芳香環と、典型的にはカルコン(式n)を経てカップリング可能である(アセトフェノン(式1)のベンズアルデヒド(式m)とのカップリングに次いで、アルケン二重結合の触媒(例えばパラジウム炭素)を用いた水素での選択的還元により、所望のジヒドロカルコン(式o)を得る (スキーム2))。
【0037】
【化12】

【0038】
糖分子を保護されたジヒドロカルコン(式p)(R=メトキシ、ベンジル等)に付加させる試みは、非常に困難であることが判明した。理論に束縛されることは意図しないが、カルボニル基が芳香環から電子を吸引し、糖のアノマー(C-1)炭素へのその求核性を低減させることが想定された。遊離のフェノール芳香環を用いることにより、アノマーOH基の電子供与特性がカルボニル基の電子吸引特性と対抗して、C-1糖炭素に対する芳香環の求核性を回復させると考えられた。このように、遊離のフェノールジヒドロカルコン(o)の耐水性ルイス酸(例えばScOTf)とのカップリングは、アスパラチンをもたらした(スキーム3)。
【0039】
【化13】

【0040】
別のアプローチは、カルボニルを、保護されたジヒドロカルコンから、より劇的な条件(圧力15psiにてパラジウム炭素、またはNaBH4)下での水素を用いた還元によって除去して式qを得るというものである。生成物(q)を保護された糖(式b)とカップリングさせて、ベンジル酸化及び脱保護を経てアスパラチンに変換可能な式rを生成させる(スキーム4)。
【0041】
【化14】

【0042】
かくして、本発明による幾つかの実施態様では、芳香環プロパノイド部分がカルコンの還元によって最初に構成される。カルコンは、適切に置換及び保護されたフロロアセトフェノン及びベンズアルデヒドを出発物質として構成される。芳香族A環の求核性は、(a)A環上の非保護のOH基を用いること(スキーム3)、または(b)ジヒドロカルコンからカルボニル酸素を完全に除去すること(カップリング後に再導入される)(スキーム4)によって活性化される。(a)におけるOH基は、電子供与性であり、カルボニル基の電子吸引効果に対抗する。耐水性ルイス酸、例えばScOTf及びInCl3が使用される。
【0043】
本発明の幾つかの実施態様では、糖は最初に芳香環Aとカップリングして、糖-芳香環付加物をもたらす。次に、この生成物を、3-フェニルプロパン酸誘導体に直接、またはアシル化を経てプロパノイド部分に結合させ、糖-アセトフェノン中間体を得る(スキーム5)。その後、前記中間体を適切に保護または置換されたベンズアルデヒドと反応させて保護されたカルコンを得て、これを還元し(アルケン二重結合の水素化)、脱保護してアスパラチンまたは誘導体を得る。
【0044】
【化15】

【0045】
本発明の幾つかの実施態様では、酢酸を、TFAA触媒反応において保護されたジヒドロコーヒー酸(式tt)で置き換えて、保護されたアスパラチンを直接得る(スキーム6)。
【0046】
【化16】

【0047】
プロパノイド部分またはアシル基を糖-芳香環付加物(式s)に付加する試みもまた困難であると判明した。理論に束縛されることは意図しないが、これは、ルイス酸の脱離またはベンジル保護基の破壊によると考えられる。この問題には、酢酸中の無水トリフルオロ酢酸(TFAA)を用いることによって対応した。糖-フロログルシノール付加物(式s)と酢酸中のTFAAとの反応は、カルコン生成及びアルケン二重結合の還元及びベンジル保護基の除去によってアスパラチンに変換されうるアセトフェノン(式t)をもたらした。TFAA触媒反応で、酢酸を保護されたジヒドロコーヒー酸(式tt)に置き換えることにより、保護されたアスパルチンが直接得られた。TFAAの利点は、ベンジル保護基が、ルイス酸の場合のように破壊されない点である。
【0048】
【化17】

【0049】
本発明のいくつかの実施態様では、非保護の糖を、Sato及び同僚により開示された方法に従って遊離のフェノールアセトフェノン(非保護OH基)とカップリングさせる(Carbohydrate Research, 2004, 2611-2614)。その後、この生成物はカルコンに変換され、カルコンは、出発物質の置換パターンによってアスパラチンまたは類似体に還元される。これらの実施態様の重要な特徴は、非保護(遊離のフェノールアセトフェノン)はカルコン生成及びカルコンのアスパラチンまたはその類似体への選択的水素化において反応性ではないことから、糖-アセトフェノンカップリング生成物の保護である。
【0050】
【化18】

【0051】
糖-フロロアセトフェノン中間体は、保護された糖イミデート(例えば、式b)と遊離のフェノールフロロアセトフェノンとを反応させ、これを3,4-ジ-O-ベンジルベンズアルデヒドとカップリングさせることによって調製することができる。重要なこととしては、カルコン生成が非保護のフロロアセトフェノンからは起こらないことから、フロロアセトフェノンの遊離のOH基は、ベンジル、メトキシメチル、またはメトキシ保護基で保護されねばならない(スキーム7)。また、Satoによって発表された方法に従って中間体をベンジル化することによる調製を経てアスパラチンを合成することも可能であった(Carbohydrate Research, 2004, 2611-2614)。
【0052】
本発明のいくつかの実施態様では、カルコンは、芳香環Aに1つの遊離OHを有するアセトンに依存する、Kumazawa及び同僚によって用いられた方法に従って生成される(Bull. Chem. Soc. Jpn., 1995, 1379-1384)。非保護のOHが反応してO-グリコシドが生成される。これは一般に、自然にC-グリコシドに転位する。そうでない場合は、O-グリコシドは、加熱、ルイス酸触媒作用、または光化学により所望のC-グリコシドに変換される。その後、カルコンは、アスパラチンまたはその類似体に選択的に還元される(スキーム8)。
【0053】
【化19】

【0054】
別の実施態様では、フッ化糖は、A環上に遊離のフェノールOHを有するフラボンまたはフラバノンとカップリングし(アセトフェノンとはしない)、カップリング生成物は直接的にまたは間接的に(カルコンを経て)アスパラチンまたはその類似体に変換される(スキーム9)。
【0055】
【化20】

【0056】
半保護糖と芳香環上の非保護OHとのカップリングにより、Kumazawa及び同僚により開発された方法に従ってO-カップリング糖からC-カップリング糖への転位を経て、所望のアセトフェノンが得られる(Bull. Chem. Soc. Jpn., 1995, 1379-1384)。重要なこととしては、本発明は、フラバノン(w)とA環上の非保護OH基とのカップリングを提供し、2つの糖-フラバノン異性体(式x及び式y)を得る。水素化による前記環の開環により、アスパラチンが得られる(スキーム9)。
【0057】
別の実施態様では、スキーム10に従って、フラバノン(w)は非保護糖とカップリングし、2つの糖-フラバノン異性体(式Z及び式aa)をもたらす。水素化による前記環の開環により、アスパラチンが得られる。
【0058】
【化21】

【0059】
カルコン、ジヒドロカルコン、またはフラバノンの芳香環の求核性は、本発明の重要な特徴である。芳香環の求核性は、カルコン、ジヒドロカルコン、及びフラバノンのカルボニル基をアセタールまたはチオアセタール形態に変換することによっても増大させうることが判明している。アセタールまたはチオアセタール基は、また、カルコンの二重結合の還元、フラバノンの複素環の開環、及びベンジル保護基の除去の際に、カルコン及びフラバノンのカルボニル基を保護する。アセタールは、最終的には弱酸及び水によって除去され、Aのケト類似体をもたらす。チオアセタール基は、最終的には含水メタノール中のヨウ化メチルによって、または別の方法によって除去される。チオアセタールはアセタールよりもルイス酸に耐性であり、アセタールの場合よりも、糖をC-1を介して芳香環にカップリングするために厳しい条件を適用することができる。
【0060】
当業者には、アセタールカルボニル基が、エチレングリコール、プロパン1,3-ジオール、または直鎖状アルコール類から誘導できることが明白であろう。チオアセタールカルボニル保護基は、1,2-エタンジチオール、1,3-プロパンジチオール、または直鎖状チオールから誘導しうる。
【0061】
ぺルベンジル化形態のジヒドロカルコンの場合には、エチレングリコールを用いて調製されたアセタールは式abを有し、プロパン-1,3-ジオールを用いて調製されたアセタールは式acを有し、メタノールを用いて調製されたアセタールは式adを有する。エチレンジチオールを用いて調製されたチオアセタールは式aeを有し、プロパン-1,3-ジチオールを用いて調製されたチオアセタールは式afを有し、メタンチオールを用いて調製されたアセタールは式agを有する。
【0062】
【化22】

【0063】
別の実施態様では、グルコースのぺルベンジル1,2-アンヒドロ糖等価物(式f)が、C-1活性化糖分子として(グリコシル供与体として)使用される。1,2アンヒドロ糖は、既知の方法によるトリ-O-ベンジル-D-グリカール(g)のエポキシ化によって調製される。その後、1,2アンヒドロ糖は、ルイス酸触媒(例えばTHF中のZnCl2)を用いてぺルベンジル化求核試薬にカップリングさせる(例えば式ab)。カップリングの間に配置の反転が起こり、アノマーC-1位にβ配置を有するアスパラチン類似体(例えば式B)を生成する。カルボニル上の保護基及びベンジル保護基の除去によりアスパラチン(式A)がもたらされる。
【0064】
【化23】

【0065】
本発明を、以下の非限定的実施例を参照しつつ、例示のみを意図して、ここにより詳細に説明する。
【実施例】
【0066】
(実施例1)
アスパラチンを、式Iのカルコンから製造した。
【化24】

δH (600 MHz, CDCl3, Me4Si) 7.31 (1H, d, H-β), 7.08 (1H, dd, H-6), 7.06 (1H, d, H-2), 6.84 (1H, d, H-5), 6.83 (1H, d, H-α), 6.17 (2H, s, H-3’/H-5’), 3.89 (6H, s, 2 x -OCH3), 3.83 (3H, s, -OCH3), 3.75 (6H, s, 2 x -OCH3); m/z (ESI) 359 (6, MH+), 347 (100), 217 (33)
【0067】
【化25】

【0068】
6Lの耐圧瓶に、20%のPd(OH)2/C(120mg)を加えた。ここに、式Iのメトキシ保護されたカルコン(200mg, 0.034mol)のEtOAc(HPLC等級、5mL)中の溶液を加え、次いで、H2O(HPLC等級、15mL)を加えた。瓶を密閉し、15psiのH2で3回パージした。反応器を水素(15psi)で加圧し、反応混合物を室温にて12時間に亘って撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し(20mLで3回)、シリカゲルでろ過し、有機相を水と食塩水で洗い、次いで無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて式qを白色固体として得た(140mg、72%)。
【0069】
δH (600 MHz, CDCl3, Me4Si) 6.80 (1H, d, 8.0 Hz, H-5”), 6.76 (2H, m, H-2”/6”), 6.15 (2H, s, H-3’/H-5’), 3.89, 3.87, 3.82, 3.80 (15H, s, 5 x -OCH3), 2.62 (4H, m, H-1/3), 1.78 (1H, m, H-2); δC (100.6 MHz, CDCl3) 159.2 (C-4’), 158.9 (C-2’/6’), 148.7 (C-3” or 4”), 146.9 (C-3” or 4”), 135.9 (C-1”), 120.2 (C-2” or 6”), 111.8 (C-5”), 111.5 (C-1’), 111.2 (C-2” or 6”), 90.6 (C-3’/ 5’), 55.9 (-OCH3), 55.8 (-OCH3), 55.6 (2 x -OCH3), 55.3 (-OCH3), 35.5 (C-3), 31.1 (C-2), 22.5 (C-1); m/z (ESI) 347 (15, MH+), 181 (73), 179 (50), 151 (100).
【0070】
【化26】

【0071】
式q(50mg、0.014mmol)及び(+)-D-グルコースイミデート[式6](148mg、0.021mmol)を、無水DCM(10mL)中に溶解させた。乾燥4Åモレキュラーシ―ブを加え、反応混合物を0℃にて10-20分間に亘って撹拌した後に、TMSOTfを滴下した。反応物を一晩撹拌し、その温度が室温にまで上昇するに任せた。反応混合物をセライトでろ過し、真空中で濃縮して、シリカゲルカラムのクロマトグラフィー(7:3 ヘキサン-EtOAc)により、式r(23%)を得た。
【0072】
δH (600 MHz, DMSO, Me4Si, 140 oC) 7.35 − 7.20 (15H, m, -OCH2Ph), 7.15 − 7.05 (3H, m, -OCH2Ph), 6.86 (2H, dd, J = 1.7, 7.0 Hz, -OCH2Ph), 6.83 (1H, d, J = 8.0 Hz, H-5”), 6.76 (1H, d, J = 2.0 Hz, H-2”), 6.68 (1H, dd, J = 2.0, 8.0 Hz, H-6”), 6.48 (1H, s, H-5’), 4.85 (1H, d, J = 12.0 Hz, -O-CH2Ph), 4.81 (2 x 1H, d, J = 12.0 Hz, 2 x -O-CH2Ph), 4.72 (1H, d, J = 9.3 Hz, H-1’’’), 4.66 (1H, d, J = 11.7 Hz, -O-CH2Ph), 4.53 (1H, d, J = 12.0 Hz, -O-CH2Ph), 4.47 (1H, d, J = 12.4 Hz, -O-CH2Ph), 4.42 (1H, d, J = 11.4 Hz, -O-CH2Ph), 4.37(1H, t, J = 9.3 Hz, H-2’’’), 4.00 (1H, d, J = 11.4 Hz, -O-CH2Ph), 3.83, 3.78, 3.75, 3.74, 3.68 (5 x 3H, s, -OCH3), 3.73 - 3.55 (5 x H, 糖プロトン) 2.65 - 2.55 (4H, m, H-1/H-3), 1.85 − 1.75 (2H, m, H-2); δC (100.6 MHz, DMSO, Me4Si, 140 oC) 159.8 (C-2’/6’), 159.0 (C-4’), 150.2 (C-4”), 148.4 (C-3”), 139.7, 139.3, 136.2 (C-1”), 128.4 − 127.4 (C-Bn), 121.2 (C-6”), 114.9 (C-2”), 114.6 (C-5”), 95.4 (C-5’), 87.3 (C-糖), 80.6 (C-2’’’), 79.5 (C-糖), 79.4 (C-糖), 74.6 (-OCH2Ph), 74.2 (-OCH2Ph), 74.1 (C-1’’’), 73.6 (-OCH2Ph), 73.2 (-OCH2Ph), 70.5 (C-糖), 62.7 (C-糖), 57.2, 57.1, 56.9, 56.5, 56.3 (5 x -OCH3), 35.4 (C-3), 31.5 (C-2), 23.4 (C-1)
【0073】
式r(IBX)の化合物の酸化に次いで脱保護を行い、アスパラチンを得た。
【0074】
(実施例2)
アスパラチンを、式IIのジヒドロカルコンから製造した。
【0075】
【化27】

【0076】
δH (600 MHz, MeOD, Me4Si) 6.68 (2H, m, H-2/6), 6.54 (1H, d, H-5), 5.83 (2H, s, H-3’/5’), 3.27 (2H, t, H-α), 2.80 (2H, t, H-β)
【0077】
【化28】

【0078】
D-グルコース(643mg、3.57mmol)、式IIのジヒドロカルコン(300mg、1.08mmol)、及び触媒量のSc(OTf)3(58.6mg、0.119mmol、0.03等量)の、CH3CN [(6mL)/H2O(3mL)]中の混合物を約10時間に亘って還流させた。反応混合物をシリカゲルパッドでろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、傾斜カラムシリカゲルクロマトグラフィーで、ヘキサン(100%)、次いでヘキサン/アセトンを9:1、8:2、7:3、6:4、5.5:4.5、5:5で使用して、アスパラチン(109mg、59%)を得た。
【0079】
NMRデータは、理論値に合致した。
Yepremyan, A, Salehani,B; Minehan, T.G. Org. Lett., 2010, 12 (7), pp 1580−1583
1H NMR アスパラチン
1H NMR: (400 MHz, CDCl3)
6.63 (d, J=7.6 Hz, 1H); 6.61 (s, 1H); 6.47 (d, J=8.0 Hz, 1H); 5.93 (s, 1H);
4.54 (d, J=9.6 Hz, 1H); 3.87 (t, J=8.4 Hz, 1H); 3.66 (d, J=11.2 Hz, 1H); 3.42
(d, J=8.8 Hz, 1H); 3.21 (t, J=7.6 Hz, 2H); 3.14 (m, 3H) 2.70 (t, J=7.6 Hz, 2H).
13C NMR: (100 MHz, CDCl3)
204.9; 165.5; 164.4; 162.2; 145.5; 143.8; 133.0; 119.3; 116.2; 115.9; 104.4;
104.1; 95.0; 81.7; 79.4; 74.1; 70.8; 70.5; 61.7; 45.8; 30.2
【0080】
(実施例3)
アスパラチンの製造において使用される中間体IIIは以下の通り製造される。
【0081】
【化29】

【0082】
DCM(25mL)中の2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-グリコシルイミデート[式6](2.32g、3.4mmol)及びTHF(3mL)中の2,4,6-トリヒドロキシ-アセトフェノン(1.6g、10mmol)の溶液に、0.1mL(1.2mmol)のBF3OEt2を添加した後、−78℃にて2時間に亘って撹拌した。反応混合物を2時間に亘って周囲温度にまで加温した後、55℃にて5時間に亘って還流させ、その後NaHCO3水溶液(5mL)を添加し、反応混合物を5分間に亘って激しく撹拌した。得られた混合物をショートフラッシュセライト(登録商標)カラムでろ過し、MgSO4で乾燥させた後、真空中で蒸発させた。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(4:1:1のヘキサン−EtOAc)で精製して化合物III(1.49g、48%)を無色のシロップとして得た。
【0083】
この中間体については依然NMRデータが得られていないが、その産生は化合物IVのNMRデータによって証拠付けられる。生成物IIIをアセチル化し、構造解析を容易にするためにIVを得た。
【化30】

【0084】
化合物IVについてのNMR表
【表1】

【0085】
式IIIの化合物は、ベンズアルデヒドとカップリングして保護されたカルコンを生成することができ、これを水素化及び脱保護してアスパラチンが得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1:
【化1】

[式中、
各R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は、-H、-OH、ヒドロカルビル基、糖部分、及び-OR15からなる群より独立して選択され;
R15は、水素、ヒドロカルビル基、アシル基、及びベンジル基からなる群より選択され;
R11、R12、R13、及びR14は、-H、ヒドロカルビル基、糖部分、アシル基、及びベンジル基からなる群より独立して選択される]
の化合物またはその類似体もしくは誘導体の合成方法であって、糖をジヒドロカルコン、カルコン、またはフラバノンとカップリングさせる工程、あるいは、前記糖をジヒドロカルコン、カルコン、またはフラバノン製造のための中間体とカップリングさせ、次いで糖-中間体付加物をジヒドロカルコン、カルコン、またはフラバノン製造のためのさらなる中間体とカップリングさせる工程を含み、その生成物を式1の化合物またはその類似体もしく誘導体に変換する方法。
【請求項2】
糖を、ジヒドロカルコンとカップリングさせ、前記ジヒドロカルコンがカルコンのアルケン二重結合の還元によって得られ、前記カルコンが適切に置換及び保護されたフロロアセトフェノン及びアセトアルデヒドから構成され、前記カルコンの求核性が以下のいずれか(a)ジヒドロカルコンからカルボニル酸素を完全に除去すること(カルボニル酸素はカップリング後に再導入される)、(b)ジヒドロカルコンの非保護OH基を用いること(OH基は電子供与性であり、カルボニル木の電子吸引効果に対抗する)、または(c)カルボニルをアセタールまたはチオアセタールに変換すること(カルボニルは、カップリング後にアセタールまたはチオアセタールをカルボニル基に変換することにより回復させる)によって活性化されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
糖を、ジヒドロカルコン、カルコン、またはフラバノン生成のための中間体の芳香環にカップリングさせて糖-芳香環付加物を得て、前記糖-芳香環付加物を、4-フェニルプロパン酸誘導体に直接、またはアシル化によりプロパノイド部分に結合させて糖-アセトフェノン中間体を得て、中間体を適切に保護または置換されたベンズアルデヒドと反応させて、保護されたカルコンを生成させ、カルコンを還元及び脱保護して式1の化合物またはその類似体もしくは誘導体を生成させる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
非保護の糖を、遊離のアセトフェノンとカップリングさせ、この糖-アセトフェノンカップリング生成物が、適切なベンズアルデヒドとの反応により保護され、カルコンに変換し、このカルコンが還元されて式1の化合物またはその類似体もしくは誘導体とされる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
カルコンが、その芳香環上に1つの遊離OHを有するアセトフェノンから生成され、非保護のOHが反応してO-グリコシドが生成され、このO-グリコシドが自然にC-グリコシドに転位するかまたはこれを所望のC-グリコシドに変換させ、生じるカルコンが選択的に還元されて式1の化合物またはその類似体もしくは誘導体とされる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
フッ化糖を、その芳香環上に1つの遊離フェノールOHを有するフラボンまたはフラバノンとカップリングさせ、カップリング生成物が直接または間接的に(カルコンを経て)変換されて式1の化合物またはその類似体もしくは誘導体とされる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
式1の化合物の類似体が、式2:
【化2】

の化合物であり、R1、R2、R3、R4、またはR5の少なくとも一つは、単糖、二糖、または糖のオリゴマーである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
式1の化合物の類似体が、式3:
【化3】

の化合物であり、R1、R2、R3、R4、またはR5の少なくとも一つは、単糖、二糖、または糖のオリゴマーである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
式1の化合物の類似体が、式6:
【化4】

の化合物であり、R1、R2、R3、R4、またはR5の少なくとも一つは、単糖、二糖、または糖のオリゴマーである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
式1の化合物が、式A:
【化5】

を有するアスパラチンである、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2013−511572(P2013−511572A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540528(P2012−540528)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055398
【国際公開番号】WO2011/064726
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(512135045)サウス・アフリカン・メディカル・リサーチ・カウンシル (1)
【Fターム(参考)】