説明

アズラクトン官能性親水性コーティングおよびヒドロゲル

【課題】官能性物質を基材に共有結合で付着させることを目的とする、様々な基材に塗布できる反応性親水性コーティングおよびヒドロゲルを提供する。
【解決手段】複数のアズラクトン部分、複数のアズラクトン官能基、および少なくとも1種類のコモノマーを含む、少なくとも1種類のアズラクトン官能性コポリマー、並びに第1の部分と第2の部分とを含む、少なくとも1種類の架橋剤、を含む基材をコーティングするための架橋ヒドロゲルであって、第1の架橋剤の前記第1の部分が第1のアズラクトン部分に共有結合され、前記第1の架橋剤の第2の部分が第2のアズラクトン部分又は第2の架橋剤に共有結合される、架橋ヒドロゲル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物活性分子の固定化に有用な多孔質ヒドロゲルコーティングに関し、特に、DNAおよびたんぱく質アレイの調製、診断用デバイス、および生物種の分離用物質に有用な、架橋アズラクトン官能性ヒドロゲルコーティングに関する。更に詳細には、本発明は、多孔質で親水性の架橋アズラクトン官能性コーティングおよびゲルに関する。
【背景技術】
【0002】
重合性アズラクトンとオレフィン性不飽和モノマーとのコポリマーに由来するコーティングは既知である。このようなコーティングは、一般に、硬質でガラス転移温度(Tg)の高い、疎水性コポリマーに由来する。架橋は、アズラクトンコポリマーを、一般にアズラクトンに対してほぼ化学量論的な量の架橋剤と一緒に、揮発性有機液体中に分散又は溶解させ、この混合物を基材に塗布した後、コーティングをアズラクトン開環反応を経て架橋剤で架橋させることにより達成される。適した架橋剤は、ポリオールおよびポリアミンである。エチレンジアミンなどのポリアミンは、室温でアズラクトンと反応することにより架橋を形成する。アズラクトンと一級アミンとの間の反応が迅速であるため、コーティング混合物中にケトン溶媒を混入させることが望ましい。ポリオールは、アズラクトンとかなり緩速に反応し、架橋を促進するために、一般に、強酸性又は塩基性の触媒などの触媒を必要とする。
【0003】
アズラクトンコポリマーに由来する様々なコーティングが既知である。例えば、既知のコーティングには、アクリル酸エステルを有する2−アルケニルアズラクトンと、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する共重合性ビニリデン化合物とのコポリマーなどが挙げられ、これは乾燥又は穏やかな加熱で架橋する。このようなポリマーは、ポリマーの一つの鎖のヒドロキシル基と、他の鎖のアズラクトン基との反応により架橋する。一般に、架橋反応を促進するために、ここでも、酸性又は塩基性の触媒などの触媒が必要である。放射線に暴露することにより架橋できるアズラクトンコポリマーに由来するコーティングは、画像形成用途に有用である。未架橋アズラクトンコポリマーを使用して様々な基材をコーティングしてもよい。これらのコーティング済みの基材を、タンパク質などの生物活性種を含む官能性物質の固定化に使用することができる。架橋されたアズラクトン官能性部分は、化学的に反応性がある多孔質の担体の表面を覆うコーティングに含まれてもよい。これらの反応性担体は、生物活性物質と反応し、付加物担体を製造することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アズラクトン官能性物質に由来するコーティングの製造には様々な方法があり、それらのうち幾つかは、他の種の固定化に有用なアズラクトン官能性コーティングを提供するが、生物活性物質の固定化に使用するコーティング済みの材料を提供する、追加の、又は改善された方法がまだ必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、官能性物質を基材に共有結合で付着させることを目的とする、様々な基材に塗布できる反応性親水性コーティングおよびヒドロゲルの調製に関する。特に、本発明は、複数のアズラクトン部分、複数のアズラクトン官能基、および少なくとも1種類のコモノマーを含む少なくとも1種類のアズラクトン官能性コポリマーと、第1の部分および第2の部分を含む少なくとも1種類の架橋剤とを含む、基材をコーティングするための架橋ヒドロゲルを提供し、第1の架橋剤の第1の部分は、第1のアズラクトン部分に共有結合され、第1の架橋剤の第2の部分は第2のアズラクトン部分又は第2の架橋剤に共有結合される。
【0006】
本発明の架橋ヒドロゲルの幾つかの実施形態では、第1の架橋剤の第2の部分は、第2のアズラクトン部分に共有結合される。このような実施形態では、第1の架橋剤は、一級ポリアミン、ポリエーテルポリアミン、一級および二級アミンを共に含有する化合物、又は他の任意の好適な架橋剤であってよい。他の実施形態では、第1の架橋剤の第2の部分は、第2の架橋剤分子に共有結合される。このような実施形態では、第1の架橋剤は、第1の架橋剤と同じ化学構造式を有する第2の架橋剤分子に結合されてもよい。或いはまた、第1の架橋剤は、第1の架橋剤とは異なる化学構造式を有する第2の架橋剤に結合されてもよい。前述の実施形態のどちらでも、第1の架橋剤、第2の架橋剤、又はその両方がアミノアルキルアルコキシシランなどのヘテロ二官能性(heterobifunctional)架橋剤であってよい。
【0007】
本発明の幾つかの実施形態では、架橋ヒドロゲルには、イオン性又は非親水性コモノマーから製造されるポリマーが含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、官能性物質を基材に共有結合で付着させることを目的とする、様々な基材の表面、又は様々な構造の(即ち、マクロ、又はマイクロ構造の)基材の構造体内に配置することができる反応性親水性コーティングおよびヒドロゲルの調製に関する。より詳細には、本発明は、組成物、およびアズラクトン官能基を含むコーティングを基材表面に塗布する方法を提供する。コーティングには、薄いフィルム、厚いゲル、又は任意の中間の厚さのものが挙げられてもよい。これらのコーティングは、官能性物質を基材に付着させるために提供されてもよい。「官能性物質」は、(a)アズラクトンと反応できる求核基、および(b)別の反応部位を有する任意の化学種であり、特定の目的を達成するため基材に付着されることが望ましい。本発明のある実施形態では、官能性物質は、生物活性物質を含む。
【0009】
本発明の目的では、次の定義は、記載される意味を有するものとする。
【0010】
本明細書で使用される場合、「1°/2°アミン含有化合物」は、1つの一級アミン含有官能基、および少なくとも1つの二級アミン含有官能基を有する、任意の化合物、分子、組成物、又は複合体を意味する。
【0011】
「アズラクトン官能基」は、次の構造式
【化1】

(式中、R1およびR2は、独立して、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、環原子が5〜12個のアリール基、炭素数6〜26で、S、N、又は非過酸化物O原子を0〜3個有するアレニル基であるか、又はR1およびR2は、それらが両方とも結合している炭素と一緒になって、炭素数4〜12の炭素環の環を形成し、nは0又は1の整数である。)を有する官能基を意味する。
【0012】
本明細書で使用される場合、「官能基」は、単一の化学的構成要素として機能する傾向がある、分子、化合物、組成物又は複合体中の原子の組合せを意味する。官能基の例は、以下に限定されないが、−NH2(アミン)、−COOH(カルボキシル)、シロキサン、−OH(ヒドロキシル)、およびアズラクトンなどが挙げられる。例えば、反応前に、ある架橋剤は1つ以上のアミン官能基を含有してもよく、あるコポリマーは、1つ以上のアズラクトン官能基を含有してもよい。
【0013】
本明細書で使用される場合、「ヘテロ二官能性」は、任意の分子、化合物、組成物又は複合体に関して、互いに異なる2つ以上の官能基、少なくとも2つの官能基を有することを意味するものとする。例えば、アミノ酸は、互いに異なる2つの官能基、アミノ基およびカルボキシル基を含有するため、ヘテロ二官能性である。
【0014】
「ヒドロゲル」は、水を含有するゲル、即ち、親水性であり、水を吸収するが水に不溶性であるポリマーを意味する。
【0015】
モノマーに関する「イオン性」は、形式電荷を本質的に有するモノマー、並びに水性媒体と接触した時に形式電荷を得ることができるほど十分に酸性又は塩基性であるモノマーのことを指すと広く考えられるものとする。
【0016】
本明細書で使用される場合、「部分」は、第2の反応物の官能基と組合わさり、反応生成物中の共有結合を形成する、第1の反応物からの官能基の一部を意味するものとする。例えば、ペプチド結合では、ペプチド結合に参加する−NH−は、1つのアミノ酸のアミン官能基から残存し、従って、本明細書では、ペプチド生成物中のアミン部分であると考えられる。ペプチド結合に参加する−C=Oは、第2のアミノ酸のカルボン酸官能基から残存し、従って、ペプチド生成物中のカルボキシル部分と考えられる。
【0017】
本明細書で使用される場合、「非親水性」は、任意の分子、化合物、組成物又は複合体に関して、親水性指数が約40未満の任意の物質のことを言うものとする。
【0018】
「ポット寿命」は、コーティング配合物が、溶解性で均一であり、低い付随粘度(attendant viscosity)を有する状態を維持する時間の長さを意味する。
【0019】
「プライマー」は、コポリマーと基材との間の接着を促進する又は改善する、任意の好適な物質を意味するものとする。「プライマー」は、不活性プライマーおよび反応性プライマーの両方を含むものとする。不活性プライマーは、コポリマーと基材との間の接着を促進する中間層の役割をする。反応性プライマーは、コポリマーと基材との間に共有結合を形成し、接着を改善する。
【0020】
本発明のアズラクトン官能性ヒドロゲルコーティングは、最初に親水性アズラクトン官能性コポリマーの溶液を調製することにより製造される。次いで、このコポリマーは、適切な架橋剤と配合された後、混合物は適切な基材にコーティングされるか、又は塗布される。架橋剤は、コポリマーのアズラクトン基の一部と反応することにより、多孔質の架橋ヒドロゲルを形成する。これで、ヒドロゲルコーティング中の未反応のアズラクトン基は、適切な最終用途のため、官能性物質の付着に利用可能である。
【0021】
アズラクトン官能性コポリマーは、アルケニルアズラクトンモノマーをコモノマーと共重合させる様々なフリーラジカル重合法で調製されてもよい。典型的な溶液重合法は、例えば、ハイルマン(Heilmann)らに発行された米国特許第4,304,705号明細書、およびコリンスキー(Kollinsky)らに発行された米国特許第3,583,950号明細書に報告されている。本発明の目的に、好適なコモノマーには、限定的ではないが、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−一置換、N,N−二置換アクリルアミドおよびメタクリルアミド、N−ビニルホルムアミドおよびN−ビニルピロリドンなどのN−ビニルアミド、および、2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよびN−アクリロイル−トリスヒドロキシメチルアミノメタンなどのヒドロキシアルキルアクリレートおよびアクリルアミドなどの親水性、又は水溶性モノマーなどが挙げられる。多くの用途では、コーティングに生物高分子が非特異的に結合する可能性を減少させるために、電荷を帯びていないコポリマーが望ましい可能性がある。しかし、特定の用途では、イオン性コモノマーも、コポリマーに組み込まれてよい。イオン性モノマーは、陰イオン性であっても又は陽イオン性であってもよい。陰イオン性モノマーには、不飽和酸およびその金属塩、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、およびイタコン酸、ビニルリン酸およびビニルホスホン酸、スチレンスルホン酸、並びに2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸などが挙げられ;陽イオン性モノマーには、アミン含有モノマー、例えば、2−、3−又は4−ビニルピリジン、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、2−ジエチルアミノエチルアクリレートおよびメタクリレート、3−ジメチルアミノプロピルアクリレートおよびメタクリレート、並びに同様に置換されたアクリルアミドおよびメタクリルアミドなどが挙げられる。
【0022】
本発明の範囲内のコポリマーには、また、非親水性コモノマーが含まれてもよい。本明細書で使用される場合、非親水性コモノマーには、親水性指数が約40未満の任意のコモノマーが含まれる。親水性指数(又は「H.I.」)は、本発明で使用するのに好適なモノマーの親水性特性を説明するのに有用な可能性がある、経験的な概念である。H.I.は、次
【数1】

のように定義される。親水基は、一般に、水と水素結合を形成できる官能基である。親水基の例には、以下に限定されないが、−N−、−NH−、−NH2−、−O−、−OH、−COOH、−C=O、−OC=O、−CO2-+(式中、M+は、アルカリ又はアルカリ土類金属陽イオンである)、−SH、SO3H、−SO3-+、−NHCONH−、および他のイオン性官能基などが挙げられる。
【0023】
非親水性コモノマーは、約50質量%未満で組み込まれてもよく、コーティングの十分な親水性をまだ維持し、非特異的な結合を最小限にすることを助ける。ある実施形態は、約30質量%未満で非親水性コモノマーを組み込む。好適な非親水性コモノマーには、限定的ではないが、既知のアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、スチレン、および他のフリーラジカル重合性モノマーなどが挙げられる。
【0024】
適切なアズラクトン官能性コポリマーが調製されると、架橋剤をそのコポリマーに添加することにより、コーティング混合物が配合される。これは、アズラクトン官能基と非反応性の適切な有機溶媒中で簡便に行われる。コポリマーは、架橋剤を添加する前に、溶媒で約5質量%以下の濃度に希釈されてもよい。他の実施形態では、コポリマーは、架橋剤を添加する前に、溶媒で約10質量%、又は約20質量%の濃度に希釈されてもよい。希釈に使用される溶媒は、コポリマーが調製されるのと同じ溶媒であっても、又は1種類以上の異なる溶媒であってもよい。架橋時間、又はゲル化時間は、コポリマーの濃度、および添加する架橋剤の量で簡便に制御することにより、構造体をコーティングするのに、又は充填するのに十分な時間、続いて完成製品を提供するのに迅速な硬化時間が可能になる。一般に、コポリマーの濃度が低いほど、又は架橋剤の量が少ないほど、架橋/ゲル化の起こる時間が長くなる。
【0025】
本発明の目的に有用な架橋剤には、限定的ではないが、アズラクトン官能基と開環反応する求核基を含む物質などが挙げられる。好適な架橋剤には、一級ポリアミン、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、1,6−ヘキサジアミン、およびトリス−(2−アミノエチル)アミン;並びに、ポリエーテルポリアミン、例えば、4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン、3,6−ジオキサ−1,8−ジアミノオクタン、並びにアミンを末端とするポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのホモポリマーおよびコポリマーなどが挙げられる。本発明の目的を達成するため、架橋剤の求核基と、コポリマーのアズラクトン官能基との間の化学量論は、最終の架橋ヒドロゲルが、まだ反応性アズラクトン官能基を含有するように、1:1未満とすべきである。従って、最初のコポリマー中のアズラクトン含有量は、コーティング配合物に添加されてもよい架橋剤の量に上限を提供する。意図するヒドロゲルの最終用途が、ある程度、配合物中に使用される架橋剤の量を規定してもよい。架橋の量は、ヒドロゲルの膨潤および空隙率に影響を与え、従って、試薬又は目的の分子がヒドロゲル中に、およびヒドロゲルの外に拡散する速度に影響を与える。一般に、架橋が少ない方が、ヒドロゲルの有する孔は大きくなり、そのためヒドロゲル中に、より大きい生物高分子が拡散することが可能になる。
【0026】
前述のように、コポリマーと架橋剤の濃度を制御することにより、ゲル化時間をある程度、制御することができる。本明細書で使用される場合、ゲル化時間は、ゲルを形成できる溶液が、もはや流体でなくなるのに必要な時間のことを言う。多くの場合、これらのパラメータは、ゲル化が起こる前に、適切な形状にコーティング溶液を配置することを可能にする十分な制御を提供する。しかし、幾つかの用途、又は製品概念では、これらのパラメータはそれ自体で、製造に使用するのに十分長いゲル化時間を可能にするわけではない。幾つかの新規な架橋体系の使用により、本発明は、現在、ポット寿命の延びたコーティング配合物を提供する。即ち、コーティング配合物は、長期間、低い付随粘度(attendant viscosities)を有する溶解性で均一な状態を維持する。溶媒が蒸発すると、および/又はコーティング済みの基材の温度が上昇すると、コーティング配合物は架橋し、本発明のヒドロゲルを生成する。これらの新規な架橋体系は、ヘテロ二官能性架橋剤、即ち、溶液(例えば、一級アミン)中で周辺温度でアズラクトン基と反応する1つの求核官能基、および溶媒を除去するか又は温度が上昇すると、架橋反応へ導くことができる少なくとも1つの他の官能基を有する、架橋剤を使用することにより達成される。このような方法で使用されてもよい架橋剤の種類の1つは、アミノアルキルアルコキシシランであり、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、又は他のアミノアルキルモノ−、ジ−、およびトリ−アルコキシシランである。アミノ基は、アズラクトン基と開環付加反応をし、コポリマーのペンダントのアルコキシシラン基を提供する。完全に乾燥した時に、アルコキシ基は、加水分解されており、続いてポリマー鎖の間にシロキサン架橋を形成してもよい。基材の性質に応じて、共有結合は、基材表面上の官能基で同時に作られてもよい(例えば、基材がシリカ質である場合、基材にシロキサン結合が形成されてもよい)。
【0027】
ポット寿命又はゲル化時間を長くするのに有用な架橋剤の別の種類には、一級/二級(1°/2°)アミン含有化合物などが挙げられる。これらの物質では、一級アミンは、室温でコポリマーのアズラクトン基と迅速に反応するが、二級アミンは比較的緩速に反応する。溶媒を除去すること、コーティング済みの物品の温度を上昇させること、又はこの両方により、二級アミンは反応してヒドロゲルを形成することができる。好適な1°/2°アミン含有化合物には、限定的ではないが、N−メチル−1,2−エタンジアミン、N−エチル−1,2−エタンジアミン、N−イソプロピル−1,2−エタンジアミン、および他のN−アルキルジアミノアルカンなどが挙げられる。N−アルキル置換基の立体的な嵩高さが増大すると、二級アミノ基の反応に対する障害が大きくなり、従って、架橋を形成するため更に高温が必要になる。
【0028】
配合されると、コーティング溶液を所望の基材に塗布し、乾燥させて(任意選択的に、熱を用いて)本発明のヒドロゲルを製造することができる。コーティング方法は、特定の基材に応じて広範に変化することができ、当該技術分野で既知の方法から選択されてもよい。これらには、例えば、押し出しコーティング、ダイコーティング、浸漬コーティング、エアナイフコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、スプレーコーティング、および、ワイヤを巻付けたコーティングロッドの使用などが挙げられる。
【0029】
ある基材で、親水性アズラクトン官能性ポリマーは、かなり良好な接着を示す。架橋してヒドロゲルを形成すると、コーティングが固定化され、後の操作中に基材からコーティングが取れる可能性が減少する。基材へのコーティングの接着は、必要に応じて、任意の既知の方法で改善されてもよい。このような方法には、限定的ではないが、コロナ、若しくはプラズマ処理などの、基材表面の様々な前処理若しくはコーティング、又はプライマーの塗布などが挙げられる。好適なプライマーには、限定的ではないが、ポリエチレンイミン、ポリビニリデンクロリド、グローブス(Groves)に発行された米国特許第5,602,202号明細書に報告されるものなどのプライマー、バン・オージ(Van Ooij)らに発行された米国特許第5,204,219号明細書、ストフコ(Stofko)らに発行された米国特許第5,464,900号明細書、およびビルカディ(Bilkadi)に発行された米国特許第5,639,546号明細書に報告されるものなどの両端官能性(ambifunctional)シランと組み合わせた無機金属酸化物のコロイド分散体などが挙げられる。ポリオレフィン基材への接着を増大させる他の方法は、バーゴイン(Burgoyne)らに発行された米国特許第5,500,251号明細書に報告されている。
【0030】
本発明の親水性コーティングおよびヒドロゲルを広範多種の基材に塗布してもよい。基材は、天然又は合成、有機又は無機、多孔質又は無孔質、平坦で実質的に特色がないか、又は高度に構造化されているものであってよい。基材は、フィルム状、粒子状、又は成型されたプラスチック物品であってもよい。好適な基材には、限定的ではないが、ろ過プレートなどの標準的な96ウェル、384ウェル、又は1536ウェルのプラスチックマイクロタイタープレート;溝付きマイクロ複製フィルム;マイクロ流動デバイス中のマイクロ流動チャネル、エンボス加工又はマイクロ構造フィルム;管又はキャピラリー;スピンチューブ又はスピンカラム;ガラス、セラミック、又は金属の粒子若しくは繊維、例えば、多孔質の粒子若しくは繊維;クロマトグラフィー用粒子などの多孔質又は無孔質のポリマー繊維又は粒子;配向、又は無配向のポリマーフィルム;織物ウェブ又は不織ウェブ(繊維ウェブなど);および、多孔質又は微孔質の膜などが挙げられる。
【0031】
選択される基剤は、意図される用途又はデバイスに依存する。これらのアプリケーションには、限定的ではないが、DNA又はタンパク質アレイなどのデバイス;生物分析又は診断用デバイス;キャピラリー電気泳動、電気クロマトグラフィー、又は他の分離デバイス;アフィニティ用クロマトグラフィー担体、イオン交換、疎水性相互作用、又は他の種類の分離および精製;および、細胞の選択又は分離デバイスなどが挙げられる。例えば、基材として配向ポリマーフィルムを使用する場合、国際公開第WO99/53319号明細書に記載される高密度の小型化アレイを作成するのに、本発明のコーティングを使用することが有利である。
【0032】
反応性コーティング又はヒドロゲルが基材に塗布されると、残留アズラクトン官能基は、官能性物質との反応に利用可能である。ここでも、意図される用途は、官能性物質の固有特性を規定する。好ましい官能性物質は、たんぱく質、酵素、オリゴヌクレオチド、又は生物種と相互作用する可能性のある他の任意の種などの生物活性物質である。誘導は、アズラクトン官能性基材の反応に周知のような、緩衝された水性媒体中で実施されてもよいが、有機溶媒などの他の媒体を使用してもよい。
【実施例】
【0033】
以下の実施例は、本発明の特徴、利点、および他の詳細を更に説明するためだけに選択された。しかし、これらの実施例は、この目的に役立つが、特定の成分、および使用される量、並びに他の条件および詳細は、本発明の範囲を不当に制限するものと考えられるべきではないことを明確に理解すべきである。
【0034】
実施例1
マイクロタイタートレイフォーマット中のゲル形成
90:10w/wおよび70:30w/wのジメタクリルアミド(DMA)とビニルジメチルアズラクトン(VDM)とのコポリマーの、メチルエチルケトン(MEK)中で固体分40%の溶液を、標準的なフリーラジカル重合技術で調製した。それぞれの一部を20:1v/vのイソプロパノール:MEKで希釈し、各コポリマーの固体分2.5%および10%の溶液が得られた。次いで、これらの希釈溶液のそれぞれの一部を、反応して2.5重量%、および10重量%の架橋密度を提供するのに十分なアミノプロピルトリメトキシシランと配合し、合計8種類の異なる配合物が得られた。次いで、これらの溶液を、マイクロピペットを使用して384ウェルのポリプロピレン製マイクロタイタートレイのウェルに入れた。ウェルの幾つかは、周辺大気に暴露されたままであったが、他は、スコッチ・ブランド・マジック・補修テープ(Scotch Brand Magic Mending Tape)(ミネソタ州セントポール、ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社(Minnesota Mining and Manufacturing Co.,St.Paul,MN))で被覆された。ウェル中の混合物は、濃厚になり、ゲル化(架橋)するのが観察された。テープを張っていないウェルでは、溶媒の損失により収縮が観察されたが、溶媒又は水を添加すると膨潤が再び起こった。テープを張ったウェルからテープを除去すると、ゲルはウェルからスムーズに引張り出され、隆起したゲルパターンで、テープにしっかりと接着した状態を維持した。90:10のポリ(DMA/VDM)/10%架橋剤から調製されたゲル以外は全て、生物官能性物質、又は他の官能性物質の共有結合による付着に使用できる、残留アズラクトン官能基を有する。
【0035】
実施例2
96ウェルプレート内でのゲルの形成
実施例1の配合物を使用して、市販のポリスチレン製96ウェルマイクロ滴定プレート中のウェル(各250マイクロリットル)を充填した。容積がより大きいため、より長いゲル化時間が観察された。ゲルの幾つかは、実施例1に記載されるように、テープでウェルから引き出すことができた。あるいはまた、より少量の溶液、又は固体分%がより低い溶液を添加することにより、マイクロウェルの内部表面にアズラクトン官能性ヒドロゲルの薄いコーティングを形成することが可能になった。
【0036】
実施例3
1536ウェルプレートのウェル内での反応性コーティングの形成
80:20w/wポリ(DMA/VDM)の固体分40%の溶液(MEK)をイソプロパノール(IPA)で固体分20%に希釈し、約10質量%の架橋密度を提供するのに十分なエチレンジアミンと配合した後、市販の1536ウェルプレートに塗布した。ウインドシールドワイパーブレードを使用して、溶液をコーティングし、ウェルの中に押し込んだ。乾燥すると、反応性アズラクトン官能性ポリマーコーティングがウェル内で得られた。
【0037】
実施例4
マイクロタイタートレイ内での薄い反応性コーティングの形成
ポリプロピレン製384ウェルマイクロタイタートレイの一部をメタノールおよびイソプロパノールですすいで洗浄した後、50℃のオーブンで5分間乾燥させた。0.1%w/wのポリエチレンイミンの脱イオン水溶液を、1μl、2μl、3μl、4μl、5μl、又は10μl、分離した2列のそれぞれの隣接するウェルに添加した。3列目のウェルは未処理のままであった。トレーを再び、5分間、オーブン中で乾燥させた。70:30のポリ(DMA/VDM)コポリマーの、固体分5%の溶液、2マイクロリットルを実施例1のように調製し、各ウェルに添加した。トレーを再び5分間、オーブンで乾燥させた。50mMの3−[(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)の脱イオン水溶液(pH9)中で1Mの硫酸ナトリウムからなる緩衝液を使用して、5−((5−アミノペンチル)チオウレイジル(thioureidyl))フルオレセインカダベリン(1mg/mlのジメチルホルムアミド溶液、オレゴン州ユージーン、モレキュラー・プローブズ社(Molecular Probes,Inc.,Eugene,OR))を20マイクログラム/mlの濃度に希釈した。この希釈染料溶液2マイクロリットルをコーティング済みのウェルのそれぞれに添加し、乾燥させた。次いで、このトレーを脱イオン水で完全に洗浄し、前記AMPSO緩衝液の少量で濡らし、短波長(254nm)のUVを照射して観察した。全ウェルの蛍光を検査した。ウェル内の緑色蛍光は、フルオレセインカダベリンがアズラクトンコポリマーコーティングと反応し、ウェル内で共有結合したことを示した。次いで、トレーをAMPSO緩衝液で洗浄し、再検査した。未処理のウェル内では、蛍光は観察されなかったが、これはコーティングがコポリマーに接着せず、AMPSO緩衝液で洗い流されたことを示す。しかし、ポリエチレンイミンでプライマー処理したウェルは全て、まだ、蛍光を示し、PEI濃度の増加に伴い強度も増大した。後で、トレーを1%w/wのSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)の脱イオン水溶液で洗浄し、再検査した。変化は見られなかったが、これは、良好な接着および/又はPEIプライマー処理によって架橋が達成されたことを示した。
【0038】
更に大きいウェル(約8mm×8mmの正方形)があるマイクロタイタートレー、および更に多量の様々な溶液を使用して前記の実験を繰り返した。同様の結果が観察された。
【0039】
実施例5
溶媒、濃度、および架橋剤のゲル化時間に対する影響
MEK中で固体分40%に調製した、実施例1(ポリマーA)からの70:30w/wのp(DMA/VDM)コポリマーはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で重量平均分子量(Mw)が600,000であると決定された。類似のコポリマー(ポリマーB)はトルエン中で固体分40%に調製され、Mwが702,000であると決定された。これらの2種類のコポリマー溶液をメチルエチルケトン(MEK)又はイソプロパノール(IPA)のいずれかで固体分5〜15%の範囲の濃度に希釈した後、コポリマー中の全モノマー単位の1〜10質量%と反応するのに十分なエチレンジアミンと配合した。ゲル化時間(溶液がもはや流体ではない時間)が観察された。結果を表1に列挙する。
【0040】
【表1】

【0041】
これらの結果は、ゲル化時間の制御を表し、また、架橋ヒドロゲルの形成に対するMEKの抑制効果も実証している。
【0042】
コポリマーBをIPAで希釈し、それぞれポリマー濃度50mg/mlおよび100mg/mlの溶液が得られた。各溶液のサンプル(各3ml)を、10%および20%架橋を提供するのに十分なジアミンと配合した。利用したジアミンは、N−エチル−1,2−エタンジアミン、N−プロピル−1,2−エタンジアミン、およびN−イソプロピル−1,2−エタンジアミン(それぞれ、N−EED、N−PED、およびN−IED)であった。ゲル化時間を室温および65℃で観察した。室温では、数日にわたってゲル化は観察されなかった。65℃では、ゲル化時間は次の順に起こった:N−EED(最も速い)>N−PED>N−IED。別の実験では、コポリマーB/10%N−EEDのIPA溶液を室温で完全に乾燥させた;乾燥したポリマーは、溶媒を添加すると容易に再溶解した。対照的に、65℃で乾燥させたサンプルは再溶解せず、架橋は高温で起こったことを示した。赤外分光法で、約1820cm-1におけるアズラクトンカルボニル吸収帯の強度を約1640cm-1におけるアミドカルボニル吸収帯と比較することにより、様々な架橋剤との反応の程度を検証した。これらの結果は、全て、二級アミンを使用してアズラクトン官能基との架橋反応速度を制御できることを表す。
【0043】
実施例6
ゲル形成に関する追加実験
マイクロ遠心管を容器として使用し、ゲルの形成について多くの実験を実施した。固体分1.0%〜固体分20%の範囲の様々なポリマー溶液を調製した後、これらを様々な架橋剤(別々の架橋剤をそれぞれ様々な量で使用)と反応させ、ゲル化時間を記録した。使用したコポリマー溶液には、次のものが含まれた:
a)95:5、90:10、および70:30w/wのp(アクリルアミド/VDM)の水溶液
b)80:20w/wのポリ(DMA/VDM)のイソプロパノール溶液。
架橋剤には、次のものが含まれた:
a)アミノプロピルトリメトキシシラン
b)1.0Mのエチレンジアミンのエタノール溶液
c)10%w/wのPEIのメタノール溶液
d)ポリリシンの水溶液。
混合後、数分から数時間のゲル化時間が得られ、ポリマーの固体分%、および添加される架橋剤の量を変えることによって制御することができた。これらの同じ変数が形成したゲルの硬さに影響を与えた。
【0044】
実施例7
マイクロ複製フィルムのコーティング
1mm間隔で配置され、フィルムの長さに沿って延びる、断面寸法が約1mm×1mmのチャネルが25本ある、幅約5.5cmのマイクロ複製されたポリプロピレンフィルムを基材として使用した。実施例5に記載されるものと類似のポリマーAのコーティング溶液を数種類、調製し(固体分1〜15%の範囲で、1〜10%の架橋剤を含有する)、シリンジで基材のチャネルに塗布した。コーティングを架橋させ、乾燥させた後、コーティング済みの基材を脱イオン水中に入れ、再び水和させた。多くの場合、ゲルが膨潤してチャネルから飛び出すのが観察され、そのため、基材に対する接着力が弱いことが示された。この問題を最小限にするため、基材を1%w/wのポリエチレンイミン(PEI)のメタノール溶液中でディップコーティングすることにより、プライマー処理し、続いて一晩、周辺温度で乾燥させた。固体分が5%および10%で、2.5%、5%、および10%の架橋剤を有する新しいコーティング溶液を塗布し、ゲル化させた。ゲルは、脱イオン水で調べた場合、幾分膨潤したが、チャネル内に残っているのが観察された。
【0045】
実施例8
マイクロ複製フィルム上でのタンパク質の固定化
実施例7のPEIプライマー処理した基材を使用し、5%エチレンジアミンを架橋剤として配合した固体分5%のコポリマーに由来するゲルでチャネルを充填した。別々のコーティング済みの基材を個々に、次のタンパク質カップリング溶液中に30分〜1時間浸漬した:(a)1.0M硫酸ナトリウムを含有するリン酸塩で緩衝された塩水(PBS)(pH7.5)中で、5mg/mlのウシ血清アルブミン溶液;(b)1.0Mクエン酸塩(citrate)を含有する0.1Mの2−[N−シクロヘキシルアミノ]エタンスルホン酸(CHES)(pH9.0)中で、5mg/mlのミオグロビン溶液;(c)0.9M硫酸ナトリウムを含有するPBS(pH7.5)中で、1mg/mlのタンパク質A溶液。カップリング後、PBS中で、1.0Mの塩化ナトリウム溶液を用いて基材を完全に洗浄し、共有結合していないタンパク質を全て除去した。
【0046】
タンパク質カップリングを次のように評価した:
(a)コーティング済みの基材をミオグロビンと反応させ、前述のようにカップリングさせた後、光学顕微鏡で観察した。コーティング済みの基材は、チャネル内に赤茶色の染みのあるゲルを含有し、ミオグロビンがカップリングしたことを示した。
(b)コーティング済みの基材をミオグロビンと反応させ、BCAタンパク質分析試薬(イリノイ州ロックフォード、ピアス・ケミカル社(Pierce Chemical Co.,Rockford,Illinois))の溶液中に入れた。深紫色の形成は、カップリングしたタンパク質の存在を示した。
(c)タンパク質Aと反応したコーティング済みの基材と、アルブミンと反応したコーティング済みの基材を、ウサギIgG FITC(フルオレセインイソチオシアネート)抱合体(ミズーリ州セントルイス、シグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Co., St.Louis,Missouri))をPBS中で希釈した溶液中に別々に浸漬させた。コーティング済みの基材をPBSで洗浄した後、結合した蛍光を顕微鏡で観察した。タンパク質Aと反応したコーティング済みの基材は、強い蛍光信号を示し、そのため、IgGがタンパク質Aに結合していることを示した。アルブミンと反応したコーティング済みの基材は、蛍光信号を示さなかった。タンパク質Aがカップリングしたゲルの蛍光強度を、488ナノメータレーザー、フルオレセインフィルタ、および光電子増倍管を装備したレーザー走査デバイスを使用して測定した場合、強度はバックグラウンド(コーティングされていないプラスチック)より74,300RLU(相対的光単位)上回ることが分かった。タンパク質に暴露されなかった対照サンプルも、結合した蛍光を示さなかった。
【0047】
ずっと小さい「V字形の溝」のチャネルを有するマイクロ複製フィルムでこれらの実験を繰り返した場合、同様の結果が得られた。これらのマイクロチャネルは、底辺が約0.3mmで、高さが約0.35mmの三角形の断面を有する。
【0048】
実施例9
アズラクトンポリマーを用いたスライドガラスのコーティング
アズラクトン/ジメチルアクリルアミドコポリマーを3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)と予備混合した後、スライドガラスにコーティングした。APTMSのアミノ基は、コポリマーのアズラクトン基と反応することができ、APTMSのトリメトキシシリル(TMS)基は、ガラスと反応することができる。TMS基の幾つかは、また、他のTMS基と反応し、その結果、架橋が起こる。
【0049】
スライドガラスの準備:
艶消し(frosted−ended)スライドガラスを1M水酸化ナトリウム溶液に入れ、10分間浸漬させた。スライドをピンセットで取り出し、蒸留水を流して洗浄し、過剰な水酸化ナトリウムを全て除去した。次いで、スライドを1MのHCl中に浸し、穏やかに揺らすか、又は時々撹拌して少なくとも10分間浸漬させた。最後に、蒸留水を流してスライドを洗浄し、HClを全て除去し、メタノールですすぎ、オーブン中に入れて乾燥させた(50〜70℃)。
【0050】
溶液:
1.ポリマー溶媒:20:1のIPA:MEK(IPAを200mL、およびMEKを10mL)
2.ポリマー溶液:MEK中で固体分40%に調製した、50:50w/wのDMA/VDMコポリマーの原料溶液をポリマー溶媒を使用して固体分2%、5%、および10%に希釈した。
3.APTMS:この試薬を希釈せずに、又は1:10にポリマー溶媒で希釈して使用した。使用直前に、APTMS、1mlをポリマー溶媒9mlと混合し、密封したガラスバイアル瓶中に保管した。
4.フルオレセインカダベリン:50mMのAMPSO緩衝液(pH9.5)中で、1Mの硫酸ナトリウム溶液中で、100ug/mLのフルオレセインカダベリン。
【0051】
スライドコーティング:
コーティング溶液を表2に示すように、コーティング直前に調製した。2枚のスライドを列挙した各溶液でコーティングし、洗浄済みのスライドを1枚、ブランクとして保管した(全部で13枚のスライド)。コーティングは、14番のワイヤを巻き付けたコーティングロッドで達成された。コーティング済みのスライドを50℃のオーブンで10分間、又は完全に乾燥するまで乾燥させた。
【0052】
【表2】

【0053】
フルオレセインカダバリンとの反応:
反応性アズラクトン官能基の存在を検証するため、コーティング済みのスライドをフルオレセインカダバリンとの反応により評価した。水に浸漬したろ紙を、13枚のペトリ皿のそれぞれの底部に入れた。コーティング済みの各スライドを別々のペトリ皿の中の湿ったろ紙の上に、コーティングされた側を上にして入れた。各スライドの上に2μl、5μl、および7μlのフルオレセインカダバリン溶液をそれぞれ2箇所配置し、それらの箇所が分離した状態を維持するように注意した。次いで、各ペトリ皿を被覆し、周辺温度で一晩放置した。各スライドを脱イオン水、続いて5%のSDS溶液、脱イオン水、最後にpH9.5のAMPSO緩衝液でよく洗浄した。洗浄後、顕微鏡で全スライドを検査し、蛍光の強度、および基材に対する接着の質を記録した。配合物は全て、蛍光アミンの良好な結合を示したが、B1、B3およびB5は、他の配合物ほど良好な接着を見せなかった。ブランクは、蛍光を示さなかった。
【0054】
実施例10
実施例1の70:30w/wのポリ(DMA/VDM)コポリマーを使用して実施例9を繰り返した。この場合、配合物は全て優れた接着および染料結合を示したが、ブランクは、ここでも、蛍光を示さなかった。
【0055】
実施例11
スライドガラスの替わりにポリカーボネートフィルムを基材として使用し、実施例10を繰り返した。結果は実施例10で観察されたものと同様であった。
【0056】
実施例12
粒子状基材のコーティング
実施例5のポリマーBに類似の、70:30w/wのDMAとVDMとのコポリマー(イソプロパノール/トルエン中で固体分22.3%の溶液、0.9g)をIPAで25.5mlに希釈し、固体分1%の溶液が得られた。10%の架橋を形成するようにエチレンジアミン(4.8μl)を添加した。得られた溶液を丸底フラスコ中で、5.0gのポロス(POROS)50−R2(多孔質の架橋スチレン−ジビニルベンゼンクロマトグラフィービーズ、マサチューセッツ州フラミンガム、パーセプティブ・バイオシステム社(PerSeptive Biosystems,Inc.,Framingham,MA))と混合した。混合物をロータリーエバポレータにかけて、真空下で濃縮し、乾燥させた。コーティング済みの粒子の拡散反射赤外分析は、約1650および1820cm−1で、それぞれ、コポリマーのアミドおよびアズラクトンカルボニル伸縮を示す吸収を示した。
【0057】
1.0Mクエン酸塩(citrate)を含有する0.1MのCHES(pH9.0)中で、5mg/mlのミオグロビン溶液と、0.1質量%のトゥイーン(TWEEN)20洗剤とからなるタンパク質カップリング溶液を調製した。コーティング済みのビーズ30mgをタンパク質溶液5mlと混合した。別の反応で、タンパク質溶液を添加する前に、コーティング済みのビーズ30mgをメタノール0.1mlで予め湿らせた。ビーズをタンパク質カップリング溶液と1時間、逆さまにして(end−over−end)混合し、反応させた。1%のSDS溶液(3ml)を各反応に添加し、更に30分間混合を続けた。混合物を遠心分離し、上澄み液の吸収を532nmで測定し、タンパク質溶液5mlをSDS溶液3mlと混合することにより調製した標準と比較した。上澄み液の吸収から、最初の実験のビーズは、ビーズ1グラム当り27.9mgのミオグロビンがカップリングし、メタノール存在下のビーズは、ビーズ1グラム当り38.0mgのミオグロビンがカップリングしたと計算された。対照のコーティングされていないビーズは、ミオグロビンのカップリングを示さなかった。
【0058】
類似の実験では、エチレンジアミン又はAPTMSのいずれかを架橋剤として使用し、多孔質および無孔質のシリカビーズをアズラクトン官能性コポリマーでコーティングした。
【0059】
実施例13
不織ウェブのコーティング
IPA中でフリーラジカル重合により調製された、70:30w/wのポリ(DMA/VDM)に由来するヒドロゲルで様々な不織ウェブをコーティングし、エチレンジアミン(ED)又はN−エチルエチレンジアミン(N−EED)のいずれかと10質量%の濃度で架橋した。このコポリマーを架橋剤と配合する前に、IPAで固体分1.5%又は3.0%のいずれかに希釈した。使用した不織ウェブは、市販のスパンボンドナイロン(ナイロン)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はポリプロピレン(PP)のサンプルであった。不織ウェブのサンプルを30分間コーティング溶液中に浸漬し、ワイプ(ニュージャージー州アッパーサドルリバー、テクスワイプ社(Texwipe Co.,Upper Saddle River,NJ))で軽く叩いて乾かし、50℃のオーブンで30分間乾燥させた。コーティングに続いて、アズラクトンを一級アミンに転換した後、製造業者の使用説明書に従って、市販のニンヒドリン分析キット(カリフォルニア州フォスターシティ、アプライド・バイオシステムズ社(Applied Biosystems Corp.,Foster City,California))を使用してアミン含量を測定することにより、利用可能なアズラクトン官能基の量を決定した。この分析のため、秤量したコーティング済み不織ウェブのサンプルを0.5MのEDのIPA溶液と30分間反応させ、次いで、ニンヒドリン分析を開始する前に、ジメチルホルムアミド、脱イオン水、およびエタノール、それぞれ1回分3〜15mlで連続的に洗浄した。結果を表3に列挙する。
【0060】
【表3】

【0061】
実施例14
配向ポリマーフィルムのコーティング
小型化アレイを調製する目的のため、本発明の組成物を二軸配向ポリエチレンフィルムにコーティングすることが、国際公開第WO99/55319号明細書に報告されている。
【0062】
コーティング前に、既知の技術に従い、基材フィルムをコロナ処理した。架橋剤として10質量%の1,2−エチレンジアミン(ウィスコンシン州ミルウォーキー、オールドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,Wisconsin))を有し、イソプロパノールで調製され希釈された、70:30w/wのポリ(DMA/VDM)を用いた押出しダイコーティングで、基材をコーティングした。別の基材は、コーティングをメチルエチルケトン中で調製し、希釈したこと以外、同様に処理され、コーティングされた。以下のように、各基材の安定性を試験した。
【0063】
50mMのリン酸ナトリウム緩衝液は、1%(w/w)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の脱イオン水溶液を用いてpH8.38に調製された。基材を80℃の緩衝液に5時間浸漬した。コーティングの存在を検出するため、減衰全反射(ATR)IR分光法を使用して基材を分析した。
【0064】
イソプロパノール中で調製されたコーティングは、メチルエチルケトン中で調製されたコーティングより良好な接着を提供した。国際公開第WO01/16370号明細書に記載されているものなどの、IPAベースのコーティングを金属コーティング済みの配向フィルムに塗布することにより、基材が弛緩する前でさえ、更に良好な安定性が得られる。
【0065】
本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、本発明に対する様々な変更および変形が当業者には明らかである。本発明は、本明細書に記載される例示的な実施形態および実施例によって不当に限定されるものではなく、このような実施例および実施形態は、例として表されるに過ぎず、本発明の範囲は、前述の特許請求の範囲によってのみ限定されるものとすることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアズラクトン部分、複数のアズラクトン官能基、および少なくとも1種類のコモノマーを含む、少なくとも1種類のアズラクトン官能性コポリマー、並びに
第1の部分と第2の部分とを含む、少なくとも1種類の架橋剤、
を含む基材をコーティングするための架橋ヒドロゲルであって、
第1の架橋剤の前記第1の部分が第1のアズラクトン部分に共有結合され、前記第1の架橋剤の第2の部分が第2のアズラクトン部分又は第2の架橋剤に共有結合される、架橋ヒドロゲル。
【請求項2】
前記第1の架橋剤の第2の部分が、第2のアズラクトン部分に共有結合される、請求項1に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項3】
少なくとも1種類の架橋剤が一級ポリアミンを含む、請求項2に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項4】
前記一級ポリアミンがエチレンジアミン;1,3−プロパンジアミン;1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン;1,6−ヘキサジアミン;又はトリス−(2−アミノエチル)アミンである、請求項3に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項5】
少なくとも1種類の架橋剤が、ポリエーテルポリアミンを含む、請求項2に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項6】
前記ポリエーテルポリアミンが、4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン;3,6−ジオキサ−1,8−ジアミノオクタン;アミンを末端とするポリエチレングリコールホモポリマー;アミンを末端とするポリエチレングリコールコポリマー;アミンを末端とするポリプロピレングリコールホモポリマー;又はアミンを末端とするポリプロピレンコポリマーである、請求項5に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項7】
少なくとも1種類の架橋剤が、1°/2°アミン含有化合物を含む、請求項2に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項8】
前記1°/2°アミン含有化合物が、N−メチル−1,2−エタンジアミン;N−エチル−1,2−エタンジアミン;又はN−イソプロピル−1,2−エタンジアミンである、請求項7に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項9】
前記第1の架橋剤の前記第2の部分が、第2の架橋剤に共有結合される、請求項1に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項10】
前記第1の架橋剤および前記第2の架橋剤が、同じ化学構造式を有する、請求項9に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項11】
前記第1の架橋剤および前記第2の架橋剤が、異なる化学構造式を有する、請求項9に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項12】
少なくとも1種類の架橋剤が、ヘテロ二官能性架橋剤を含む、請求項9に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項13】
前記ヘテロ二官能性架橋剤が、アミノアルキルモノアルコキシシラン、アミノアルキルジアルコキシシラン、又はアミノアルキルトリアルコキシシランである、請求項12に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項14】
前記ヘテロ二官能性架橋剤が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、又はN−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンである、請求項13に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項15】
少なくとも1種類のコモノマーが、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−一置換アクリルアミド、N,N−二置換アクリルアミド、N−一置換メタクリルアミド、N,N−二置換メタクリルアミド、N−ビニルアミド、又はヒドロキシアルキルアクリレートである、請求項1に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項16】
少なくとも1種類のコモノマーが、イオン性コノモマーである、請求項1に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項17】
前記イオン性コモノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ビニルリン酸、ビニルホスホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、2−ジエチルアミノエチルアクリレート、2−ジエチルアミノエチルメタクリレート、3−ジメチルアミノプロピルアクリレート、又は3−ジメチルアミノプロピルメタクリレートである、請求項16に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項18】
少なくとも1種類のコモノマーが、非親水性である、請求項1に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項19】
前記非親水性コモノマーが、フリーラジカル重合性モノマーを含む、請求項18に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項20】
前記フリーラジカル重合性モノマーがアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、又はスチレンである、請求項19に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項21】
前記コポリマーが、約50質量%未満の非親水性モノマーを含む、請求項18に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項22】
前記コポリマーが、約30質量%未満の非親水性モノマーを含む、請求項21に記載の架橋ヒドロゲル。
【請求項23】
基材;および
前記基材上に配置されるヒドロゲルコーティング:
を含む物品であって、前記コーティングが、
i)複数のアズラクトン部分、および複数のアズラクトン官能基を含む、少なくとも1種類のアズラクトン官能性コポリマー、および
ii)第1の部分および第2の部分を含む少なくとも1種類の架橋剤、
を含み、
第1の架橋剤の前記第1の部分が、第1のアズラクトン部分に共有結合され、前記第1の架橋剤の前記第2の部分が、第2のアズラクトン部分又は第2の架橋剤の一方に共有結合される、物品。
【請求項24】
前記基材が、プレート、フィルム、粒子、繊維、カラム、ビーズ、ウェブ、又は膜を含む、請求項23に記載の物品。
【請求項25】
プライマーを更に含む、請求項23に記載の物品。
【請求項26】
前記プライマーがポリエチレンイミン、ポリビニリデンクロリド、金属酸化物のコロイド分散体、又は両端官能性シランである、請求項25に記載の物品。
【請求項27】
基材、
前記基材上に配置されるヒドロゲルコーティングであって、
i)複数のアズラクトン部分、および複数のアズラクトン官能基を含む、少なくとも1種類のアズラクトン官能性コポリマーと、
ii)第1の部分および第2の部分を含む少なくとも1種類の架橋剤と、
を含むコーティング、および
官能性物質、を含む複合材料であって、
第1の架橋剤の前記第1の部分が、第1のアズラクトン部分に共有結合され、前記第1の架橋剤の第2の部分が、第2のアズラクトン部分又は第2の架橋剤に共有結合される複合材料。
【請求項28】
前記基材が、プレート、フィルム、粒子、繊維、カラム、ビーズ、ウェブ、又は膜を含む、請求項27に記載の複合材料。
【請求項29】
プライマーを更に含む、請求項23に記載の複合材料。
【請求項30】
前記プライマーがポリエチレンイミン、ポリビニリデンクロリド、金属酸化物のコロイド分散体、又は両端官能性シランである、請求項29に記載の複合材料。
【請求項31】
前記官能性物質が、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、多糖類、又はこれらの任意の組合せである、請求項27に記載の複合材料。
【請求項32】
架橋ヒドロゲルコーティングを製造する方法であって、
複数のアズラクトン官能基を含む、少なくとも1種類のアズラクトン官能性コポリマーを調製する段階、
前記アズラクトン官能性コポリマーを有機溶媒中で希釈する段階、
第1の官能基および第2の官能基を含む少なくとも1種類の架橋剤を前記アズラクトン官能性コポリマーに添加する段階、および
第1の架橋剤の前記第1の官能基を第1のアズラクトン官能基に共有結合させ、前記第1の架橋剤の第2の官能基を第2のアズラクトン官能基、又は第2の架橋剤に共有結合させることにより前記ヒドロゲルを重合させ、ヒドロゲルを形成する段階、
を含む、方法。
【請求項33】
ヒドロゲルのゲル化時間を制御する方法であって、
複数のアズラクトン官能基を含むアズラクトン官能性コポリマーの溶液を提供する段階、
第1の官能基および第2の官能基を含む少なくとも1種類の架橋剤を選択する段階、
前記選択された少なくとも1種類の架橋剤を前記溶液に添加する段階、
第1の架橋剤の前記第1の官能基を第1のアズラクトン官能基と共有結合させる反応条件を提供する段階、および
第1の架橋剤の前記第2の官能基を第2のアズラクトン官能基又は第2の架橋剤と共有結合させるように前記反応条件を変更し、ヒドロゲルを形成する段階、
を含む、方法。
【請求項34】
前記第1の架橋剤の第2の官能基が、第2のアズラクトン官能基に共有結合する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
少なくとも1種類の架橋剤が、1°/2°アミン含有化合物を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記1°/2°アミン含有化合物が、N−メチル−1,2−エタンジアミン;N−エチル−1,2−エタンジアミン;又はN−イソプロピル−1,2−エタンジアミンである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第1の架橋剤の第2の官能基が、第2の架橋剤に共有結合する、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の架橋剤および前記第2の架橋剤が同じ化学構造式を有する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の架橋剤および前記第2の架橋剤が、異なる化学構造式を有する、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
少なくとも1種類の架橋剤が、ヘテロ二官能性架橋剤を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記ヘテロ二官能性架橋剤が、アミノアルキルモノアルコキシシラン、アミノアルキルジアルコキシシラン、又はアミノアルキルトリアルコキシシランである、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記ヘテロ二官能性架橋剤が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、又はN−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンである、請求項41に記載の方法。

【公開番号】特開2010−7081(P2010−7081A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−208110(P2009−208110)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【分割の表示】特願2002−592364(P2002−592364)の分割
【原出願日】平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】