アセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法
【課題】複雑な形状を有するため薬剤殺菌や蒸気殺菌で殺菌しにくい容器でも容易に殺菌することができるアセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法を提供する。
【解決手段】容器を製造する工程と、製造された容器の開口部に仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる工程と、該仮キャップを施した容器を予備殺菌する予備殺菌工程と、該予備殺菌した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の該仮キャップを取外すデキャップ工程と、該キャップを取外した容器の内外面を無菌環境内で殺菌する容器内外面殺菌工程とを備えることを特徴とするアセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法。
【解決手段】容器を製造する工程と、製造された容器の開口部に仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる工程と、該仮キャップを施した容器を予備殺菌する予備殺菌工程と、該予備殺菌した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の該仮キャップを取外すデキャップ工程と、該キャップを取外した容器の内外面を無菌環境内で殺菌する容器内外面殺菌工程とを備えることを特徴とするアセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器詰め食品のアセプテイック充填システムに殺菌済みの容器を提供する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来PETボトル詰め飲料等容器詰め食品の製造方法の一つとして殺菌済みの容器および殺菌済みのキャップを用いて、殺菌済みの内容物を無菌環境内で常温で充填し、密封するアセプテイック充填法と呼ばれる製造方法がある。この製造方法を実施する装置すなわちアセプテイック充填システムにおいては、無菌環境内で容器の内外面を殺菌した後に容器をフイラーに送り内容物を充填するが、容器がたとえばエアゾール缶のように二重巻締め部分を有する等形状が複雑で蒸気や殺菌剤が届き難い部分を持つ容器を殺菌する場合は、乾熱法を用いた加熱殺菌が一般的に使用されている。
【0003】
しかし乾熱殺菌は加熱時間が長時間となり、容器殺菌のために多くのスペースとエネルギーおよび巨大な設備と殺菌のための副資材が必要となり、製造コストを増加させ、生産の障害となる問題点がある。
【0004】
このような長時間の加熱殺菌のかわりに高温短時間殺菌法を採用することも考えられるが、高温短時間殺菌を設定すると、容器の素材に高温短時間殺菌に耐えられる耐熱性が要求され、容器の仕様が限定されたり、コストアップとなる問題点がある。
【0005】
特許文献1には、包装材料によりボトル形状に成形された後にボトル本体の開口部が閉鎖されて内部への細菌類の侵入が阻止されている無菌性ボトルにおいて、開口部が菌類遮断性通気性フイルムによりヒートシールされて閉鎖されている無菌性ボトルが開示されているが、この無菌性ボトルは通気性フイルムのヒートシールをはがして開口部から除去し、その直後に内容物を充填するように構成されており、従来一般的に使用されているアセプテイック充填システムに適用するには不適当である。
【特許文献1】特開平5−49681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点にかんがみなされたものであって、二重巻締め部を有する等複雑な形状を有するため薬剤殺菌法、蒸気殺菌法等通常アセプテイック充填システムにおいて容器の内外面の殺菌に用いられている殺菌方法では殺菌し難い容器でも、これら通常の殺菌方法を使用して容器の殺菌を行うことができ、問題点の多い乾熱殺菌法や高温短時間殺菌法を使用する必要がないアセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記本発明の目的を達成するために鋭意研究と実験を重ねた結果、製造された容器の開口部に仮キャップを施した後予備殺菌し、または予備殺菌の途中または直後に仮キャップを施し、この容器をバルク梱包して充填場所に搬送し、開梱後仮キャップを取外してアセプテイック充填システムの無菌環境内において容器を再度殺菌することにより、アセプテイック充填システムにおける容器殺菌は従来一般的に用いられている薬剤殺菌法や蒸気殺菌法を用いることによって形状が複雑な容器でも充分に殺菌することができることを発見し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明の目的を達成するアセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法は、容器を製造する工程と、製造された容器の開口部に仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる工程と、該仮キャップを施した容器を予備殺菌する予備殺菌工程と、該予備殺菌した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の該仮キャップを取外すデキャップ工程と、該キャップを取外した容器の内外面を無菌環境内で殺菌する容器内外面殺菌工程とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の1側面においては、該デキャップ工程を無菌環境内で行うことを特徴とする。
【0010】
本発明の他の側面においては、アセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法は、容器を製造する工程と、製造された容器の開口部に仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる工程と、該仮キャップを施した容器を前殺菌する予備殺菌工程と、該前殺菌した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の外面を無菌環境内で殺菌する後殺菌工程と、該殺菌された容器の該仮キャップを無菌環境内で取外すデキャップ工程とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の他の側面においては、該仮キャップを取外した容器の内面を無菌環境内で殺菌する容器内面殺菌工程をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の他の側面においては、アセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法は、容器を製造する工程と、製造された容器を予備殺菌し、該予備殺菌の途中または直後に該容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる予備殺菌・仮キャップ工程と、該予備殺菌し仮キャップを施した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の該仮キャップを取外すデキャップ工程と、該キャップを取外した容器の内外面を無菌環境内で殺菌する容器内外面殺菌工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の他の側面においては、該デキャップ工程を無菌環境内で行うことを特徴とする。
【0014】
本発明の他の側面においては、アセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法は、容器を製造する工程と、製造された容器を予備殺菌し、該予備殺菌の途中または直後に該容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる予備殺菌・仮キャップ工程と、該予備殺菌し仮キャップを施した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の外面を無菌環境内で殺菌する容器外面殺菌工程と、該殺菌された容器の該仮キャップを無菌環境内で取外すデキャップ工程とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の他の側面においては、該仮キャップを取外した容器の内面を無菌環境内で殺菌する容器内面殺菌工程をさらに備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の他の側面においては、容器および容器内部空間の空気温度を40℃以上で仮キャップを行うことを特徴とする。
【0017】
本発明の他の側面においては、該デキャップ工程で容器から取外された仮キャップを回収し再利用することを特徴とする。
【0018】
本発明の他の側面においては、該開梱工程において、バルク多段積載した容器を梱包用フイルムで包装したバルク包装体に清浄な空気を吹き付けることにより該バルク包装体の埃やごみを洗浄することを特徴とする。
【0019】
本発明の他の側面においては、容器開口部に容器殺菌方法に応じて耐熱性または耐薬剤性を有する仮キャップを施したことを特徴とする上記各方法により提供される殺菌済み容器が提供される。
【0020】
本発明の他の側面においては、容器胴部の最大外径が容器開口部に施された仮キャップの最大外径と同一かまたはそれよりも大きいことを特徴とする上記各方法により提供される殺菌済み容器が提供される。
【0021】
本発明の他の側面においては、バルク多段積載した容器を梱包用フイルムで包装する際その包装天面が平坦で折返しがないように包装したことを特徴とする上記各方法の実施に使用されるバルク包装体が提供される。
【発明の効果】
【0022】
請求項1記載の発明によれば、製造された容器の開口部に仮キャップを施した後予備殺菌し、この容器をバルク梱包し、開梱後無菌環境内において仮キャップを取外した後容器の内外面を殺菌するという2段式殺菌法を採用することにより、アセプテイック充填システムにおける容器殺菌は従来一般的に用いられている薬剤殺菌法や蒸気殺菌法を用いる簡素な方法により二重巻締め部を有する等形状が複雑な容器でも充分に殺菌することができる。
【0023】
請求項2記載の発明によれば、デキャップ工程を無菌環境内で行うので、容器の殺菌をより完全なものとすることができる。
【0024】
請求項3記載の発明によれば、製造された容器の開口部に仮キャップを施した後前殺菌し、この容器をバルク梱包し、開梱後無菌環境内において容器の外面を殺菌した後仮キャップを取外すという2段式殺菌法を採用することにより、アセプテイック充填システムにおける容器殺菌は従来一般的に用いられている薬剤殺菌法や蒸気殺菌法を用いる簡素な方法により二重巻締め部を有する等形状が複雑な容器でも充分に殺菌することができる。
【0025】
請求項4記載の発明によれば、容器の外面を殺菌した後容器の内面をさらに殺菌するので、容器の殺菌を一層完全に行うことができる。
【0026】
請求項5記載の発明によれば、製造された容器を予備殺菌し、予備殺菌の途中または直後に容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施し、この容器をバルク梱包し、開梱後無菌環境内において仮キャップを取外した後容器の内外面を殺菌するという2段式殺菌法を採用することにより、アセプテイック充填システムにおける容器殺菌は従来一般的に用いられている薬剤殺菌法や蒸気殺菌法を用いる簡素な方法により二重巻締め部を有する等形状が複雑な容器でも充分に殺菌することができる。
【0027】
請求項6記載の発明によれば、デキャップ工程を無菌環境内で行うので、容器の殺菌をより完全なものとすることができる。
【0028】
請求項7記載の発明によれば、製造された容器を予備殺菌し、予備殺菌の途中または直後に容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施し、この容器をバルク梱包し、開梱後無菌環境内において容器の外面を殺菌した後仮キャップを取外すという2段式殺菌法を採用することにより、アセプテイック充填システムにおける容器殺菌は従来一般的に用いられている薬剤殺菌法や蒸気殺菌法を用いる簡素な方法により二重巻締め部を有する等形状が複雑な容器でも充分に殺菌することができる。
【0029】
請求項8記載の発明によれば、容器の内面をさらに殺菌するので、容器の殺菌を一層完全に行うことができる。
【0030】
請求項9記載の発明によれば、容器および容器内部空間の空気温度を40℃以上で仮キャップを行うことにより、(1)常温に戻って保管中は真空状態が生じる、(2)密封性を確認しやすい、(3)夏期のトラック輸送中の温度上昇による内圧が発生し難いので、キャップがはずれ難い、という効果がある。
【0031】
請求項10記載の発明によれば、デキャップ工程で容器から取外された仮キャップを回収し再利用するので、資源の有効利用を図ることができ、製造コストを節約することができる。
【0032】
請求項11記載の発明によれば、バルク包装体に清浄な空気を吹きつけることによりバルク包装体の埃やごみを洗浄することができ、バルク開梱の際に容器に埃やごみが付着することを防止できるので、次段の容器殺菌工程における殺菌効率を向上させることができる。
【0033】
請求項12記載の発明によれば、容器開口部に容器殺菌方法に応じて耐熱性または耐薬剤性を有する仮キャップを施すことにより、選択された殺菌方法により仮キャップが損傷することがなく、任意の殺菌方法を有効に適用することができる。
【0034】
請求項13記載の発明によれば、容器胴部の最大外径が容器開口部に施された仮キャップの最大外径と同一またはそれよりも大きいので、容器をバルク積載する際に積みつけ効率をよくすることができるとともに、搬送中仮キャップどうしが衝突して緩みが生じ密封性を損なうことを防止することができる。
【0035】
請求項14記載の発明によれば、バルク多段積載した容器を梱包用フイルムで包装する際その包装天面が平坦で折返しがないように包装したので、埃やごみが包装天面に付着し難くなり、バルク開梱の際に容器に埃やごみが付着することを防止できるので、次段の容器殺菌工程における殺菌効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の1実施形態の容器製造から殺菌済みの容器をバルク梱包し食品の充填場所に輸送するまでの工程の概略を示すブロック図である。
【0037】
本発明に係る方法に使用する容器はエアゾール缶を含む金属缶、PETボトル等のプラスチックボトル、紙パック等特に限定はない。特に二重巻締め部分を有する金属缶等複雑な形状を有していて従来の容器殺菌方法では殺菌剤等が充分に届き難い問題点を有していた容器は本発明の方法を適用するために好適な容器である。
容器製造工程1において製造された容器には仮キャップ工程2において仮キャップを施す。
【0038】
仮キャップを容器に施すには後段のデキャップ工程において容器から取外しやすいように容器の開口部に嵌め込む等の方法により取り付けることが好ましい。プラスチックフイルム等のフイルムを容器の開口部の縁部に個々の容器ごとに別々にヒートシールする方法は、機械的な方法で簡単にはがしにくいので、本発明においては好ましい仮キャップ取り付け方法ではない。
【0039】
また、仮キャップとしては、加熱殺菌、薬剤殺菌、放射線殺菌等容器殺菌方法に応じて耐熱性、耐薬剤性または耐放射線性を有する材質のものを選択することが好ましい。このような仮キャップを施すことにより、選択された殺菌方法により仮キャップが損傷することがなく、任意の殺菌方法を有効に適用することができる。
【0040】
また、仮キャップの際は、容器および容器内部空間の空気温度を40℃以上で仮キャップを行うことが好ましい。こうすることにより、常温に戻って保管中は真空状態が生じるし、また密封性を確認しやすく、さらに夏期のトラック輸送中の温度上昇による内圧が発生し難いので、キャップがはずれ難い、というメリットがある。
【0041】
また、仮キャップは、容器胴部の最大外径が容器開口部に施された仮キャップの最大外径と同一またはそれよりも大きいように設計することが好ましい。こうすることにより、容器をバルク積載する際に積みつけ効率をよくすることができるとともに、搬送中仮キャップどうしが衝突して緩みが生じ密封性を損なうことを防止することができる。
【0042】
また、仮キャップを取外した後内容物を充填し容器を密封する際容器の密封性や開口部の耐内容物性を維持するために、仮キャップには容器の開口部を傷つけたり変形させない形状や材質を備えていることが好ましい。
【0043】
仮キャップの材質としては、本密封に際してシールポイントやネジなどに傷や変形を生じさせないことが必要であり、このため、仮キャップの内面は少なくとも容器胴部の材質より軟らかいものであることが好ましい。具体的な例を挙げれば、容器の胴材としてスチールを使用する場合は、仮キャップはスチールよりも軟らかい金属(たとえばアルミニウム)、プラスチック、ゴム(例:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、テフロン、SBR,NBR、ウレタンゴム、シリコンゴム)等で形成することができる。胴材としてアルミニウムを使用する場合は、仮キャップはアルミニウムより軟らかい金属(例:5000番台の合金アルミニウムに対しては3000番台の合金アルミニウム)で形成することができる。また、胴材としてPETを使用する場合は、前記のプラスチックやゴム等を使用することができる。
【0044】
図7〜図10は本発明の方法にとって好ましい仮キャップの種々の例を示す部分断面図である。
【0045】
図7の例において、鋼材からなる容器22は、胴部22a9と胴部よりも小径のカールした口部22bを有する。口部22bに嵌め込まれたおおむね短筒状の形状の仮キャップ20は、密封に際してシールポイントやねじ等に傷や変形が生じることを防止するために、容器22よりも軟らかい金属であるアルミニウムからなり、内側下端部に仮キャップの嵌め込みを容易にするための断面が内側に弧を描く半円形のリング状突起部20aを備え、またデキャップ作業の際にデキャップ用の仮キャップ持ち上げツールが入りやすくするために、仮キャップ下端部から半径方向外側に突出する肉厚のデキャップ用ツール支持部20bを備えている。
【0046】
図8は図7の仮キャップの変更例を示すもので、図7と同一構成部分は同一符号で示し、その詳細な説明を省略する。図8の例においては、仮キャップ20は容器22よりも軟らかい金属であるアルミニウムからなる内側部材20cと容器22と同一材料である鋼材からなる外側部材20dの2層構造で構成されている。これによって、密封に際してシールポイントやねじ等に傷や変形が生じることを防止できるとともに、仮キャップの材料費を節約することができる。
【0047】
図9は仮キャップをの他の例を示すもので、容器22の口部22eはフランジによって形成されており、仮キャップ24は図7の仮キャップ20に比べて高さが低く、そのリング状突起部24aは仮キャップ24の頂部24cに接近して設けられており、頂部24cと突起部24aの間の周方向に延長する間隙24dに容器22の口部22eの外周縁部22fが挿入されている。
【0048】
図10は仮キャップのさらに他の例を示すもので、仮キャップ26は内側押さえ部26aと外側押さえ部26bからなり、これら両押さえ部26a、26bにより容器22の口部22eを挟み込むようにして口部22eに嵌め込まれている。
【0049】
チューブ状の容器の場合は、図11(a)の断面図に示すように、一列に並べた複数のチューブ状容器28の口部28aの頂面に帯状のプラスチックフイルム30をヒートシールにより仮キャップすることにより、大量のチューブ状容器30を簡単にかつ効率的に仮キャップすることができる。なお、図中32はプラスチックフイルム30のヒートシール作業中容器28を押さえておくための押さえツールを示す。帯状のプラスチックフイルム30により仮キャップしたこれらの容器28は、図11(b)に示すように、フイルム30によって一列に連結された状態でバルクに積載することができる。すなわち、図12の斜視図に示すように、帯状のプラスチックフイルム30によって一列に連結された多数の容器28を蛇腹状に屈曲させてバルクに積載する。
【0050】
仮キャップ工程2において仮キャップを施した容器は次段の容器予備殺菌工程3に送られ容器の予備殺菌が行われる。予備殺菌の方法としては、加熱殺菌、紫外線殺菌、放射線殺菌、電子線殺菌等公知の殺菌方法のいずれかを使用することができ、この中容器の種類、材質、形状、容器に充填する内容物の種類、必要な殺菌の度合い等に適した殺菌方法を選択して使用する。これらの殺菌方法のいずれかを使用することにより、仮キャップが施されているにもかかわらず、容器の外面のみならず内面も同時に殺菌することができる。
【0051】
予備殺菌工程3において予備殺菌を終了した容器は次段のバルク梱包工程4に送られ、ここで仮キャップを施したまま多段積載によりバルクに積載され、シュリンクフィルム等公知の梱包用フイルムによりバルク包装体に梱包される。この場合、バルク多段積載した容器を梱包用フイルムで包装する際その包装天面が平坦で折返しがないように包装することが好ましい。これによって埃やごみが包装天面に付着し難くなり、バルク開梱の際に容器に埃やごみが付着することを防止できるので、次段の容器殺菌工程における殺菌効率を向上させることができる。
【0052】
こうしてバルク梱包されたバルク包装体は次の保管・輸送段階5において適宜の場所において適宜の時間保管された後内容物の充填場所に輸送される。
【0053】
図2は本発明の他の実施形態において容器製造から殺菌済みの容器をバルク梱包し食品の充填場所に輸送するまでの工程の概略を示すブロック図である。図2の実施形態において、図1の実施形態と同一内容の工程は図1と同一符号で示し、その詳細な説明を省略する。
【0054】
図2の実施形態が図1の実施形態と異なる点は、図2の実施形態においては、製造工程1において製造された容器についてまず予備殺菌を行う一方、仮キャップ製造工程7において製造し仮キャップ殺菌工程8において予め加熱殺菌、薬剤殺菌等の方法により殺菌しておいた仮キャップをこの予備殺菌の途中または直後に容器の開口部に施すことにより容器の開口部を閉じる容器予備殺菌・仮キャップ工程6を設けたことである。この工程を設けることにより、加熱殺菌、紫外線殺菌、放射線殺菌、電子線殺菌等図1の実施形態と同一の殺菌方法を採用して容器の内外面を同時に殺菌することができるほか、薬剤殺菌法を使用して仮キャップを施す前の容器の内側に薬剤を注入することにより容器の内外面を同時に殺菌することができる。
【0055】
図3は充填場所に輸送された予備殺菌され仮キャップを施された容器のバルク包装体を開梱してから無菌環境内で容器内外面の殺菌を完了するまでの工程の1実施形態の概略を示すブロック図である。
【0056】
開梱工程9においては、バルク包装体を開梱して容器を取り出す。この際開梱前にバルク包装体に清浄な空気を吹き付けることによりバルク包装体の埃やごみを洗浄することができ、バルク開梱の際に容器に埃やごみが付着することを防止することができる。
開梱された容器は次段のデキャップ工程10に送られ、容器に施されていた仮キャップが取外される。
【0057】
デキャップ工程においては、図13に示すように、容器の二重巻締のシームバンド22gおよび胴部22aを押えツール32、34で押え、仮キャップ20のデキャップ用ツール支持部20bの下方の空間に仮キャップ持ち上げツール36を挿入し、図14に示すようにツール36で仮キャップ20を持ち上げるようにして仮キャップ20を容器22の口部22bから外す。この際ツール36の先端が容器口部22bや押えツール34と接触することを避けるために、ツール36の厚みT(図13)は容器口部22bの下端と押えツール34の上端との間のスペースSよりも薄くなるように設計する。また、図14に示すように、ツール36により仮キャップ20を持ち上げたとき容器口部22bとツール36の間に空間38が形成されるように、ツール36をセットすることが必要である。
【0058】
デキャップ工程は容器搬送ガイド中または公知の専用ロータリー式仮キャップデキャッパーを使用して実施することができる。
【0059】
また,図11に示すようなチューブ状容器28にプラスチックフイルム30をヒートシールする方式の仮キャップの場合は、図15に示すように、デキャップはロール巻取り方法により行うことができる。
【0060】
次に仮キャップを取外した容器は無菌環境15内に配置されアセプテイック充填システムの一部を構成する容器殺菌装置に移送され、容器内外面殺菌工程11が行われる。すなわち、バルク包装体の保管、輸送時に容器が汚染される危険のある微生物を対象に、容器内外面を加熱殺菌または薬剤殺菌等により殺菌した後無菌水で洗浄する。ここで無菌環境とは、作業室内の一部空間を囲って、容器搬入・搬出のための出入り口を除いて密封空間とし、この密封空間内に陽圧の無菌空気を導入して無菌状態を維持するようにした空間を意味する。
【0061】
こうして容器内外面を洗浄した容器は、次段の充填・密封工程12に送られ、アセプテイック充填システムのフイラーによって殺菌済みの内容物が容器に充填された後キャッパーによって殺菌済みのキャップで容器の開口部が密封される。
【0062】
図4は充填場所に輸送された容器のバルク包装体を開梱してから無菌環境内で容器内外面の殺菌を完了するまでの工程の他の実施形態の概略を示すブロック図である。図4以下の図面に示す実施形態において、図3の実施形態と同一内容の工程は図3と同一符号で示し、その詳細な説明を省略する。
【0063】
図4の実施形態においては、容器内外面殺菌工程のみならず、デキャップ工程10も無菌環境15内で行うことが図3の実施形態と異なる点である。これによってデキャップ工程直後に埃等が容器内に付着することが防止され、容器の殺菌を一層完全なものとすることができる。
【0064】
図5は充填場所に輸送された容器のバルク包装体を開梱してから無菌環境内で容器の殺菌を完了するまでの工程の他の実施形態の概略を示すブロック図である。
【0065】
図5の実施形態においては、開梱工程9においてバルクを開梱した後開梱された容器は無菌環境15内に配置されアセプテイック充填システムの一部を構成する容器外面殺菌装置に移送され、容器外面殺菌工程13が行われる。すなわち、バルク包装体の保管、輸送時に容器が汚染される危険のある微生物を対象に、仮キャップを施したまま無菌環境15内で容器の外面を加熱殺菌または薬剤殺菌等により殺菌した後無菌水で洗浄する。次いで容器は次段のデキャップ工程10に送られ、無菌環境15内で容器に施されていた仮キャップを取外した後容器は充填・密封工程12に送られる。
【0066】
図6は充填場所に輸送された容器のバルク包装体を開梱してから無菌環境内で容器の殺菌を完了するまでの工程の他の実施形態の概略を示すブロック図である。
【0067】
図6の実施形態においては、開梱工程9においてバルクを開梱した後開梱された容器は無菌環境15内に配置されアセプテイック充填システムの一部を構成する容器外面殺菌装置に移送され、容器外面殺菌工程13が行われる。すなわち、バルク包装体の保管、輸送時に容器が汚染される危険のある微生物を対象に、仮キャップを施したまま容器の外面を加熱殺菌または薬剤殺菌等により殺菌した後無菌水で洗浄する。次いで容器は次段のデキャップ工程10に送られ、無菌環境15内で容器に施されていた仮キャップを取外した後容器は容器内面殺菌工程14に送られ、無菌環境15内で容器の内面を加熱殺菌または薬剤殺菌等により殺菌した後無菌水で洗浄する。こうしてデキャップ工程の前後に容器の内外面を2段に分けて殺菌された容器は充填・密封工程12に送られる。
【0068】
図1、図2に示される実施形態と図3〜図6に示される実施形態を組合わせると、次の8組の殺菌済み容器をアセプテイック充填システムに提供する方法が提供される。
【0069】
方法1
容器を製造する工程と、製造された容器の開口部に仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる工程と、該仮キャップを施した容器を予備殺菌する予備殺菌工程と、該予備殺菌した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の該仮キャップを取外すデキャップ工程と、該キャップを取外した容器の内外面を無菌環境内で殺菌する容器内外面殺菌工程とを備える方法。
【0070】
方法2
容器を製造する工程と、製造された容器の開口部に仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる工程と、該仮キャップを施した容器を予備殺菌する予備殺菌工程と、該予備殺菌した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の該仮キャップを取外すデキャップ工程と、該キャップを取外した容器の内外面を無菌環境内で殺菌する容器内外面殺菌工程とを備え、該デキャップ工程を無菌環境内で行う方法。
【0071】
方法3
容器を製造する工程と、製造された容器の開口部に仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる工程と、該仮キャップを施した容器を予備殺菌する予備殺菌工程と、該予備殺菌した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の外面を無菌環境内で殺菌する容器外面殺菌工程と、該殺菌された容器の該仮キャップを無菌環境内で取外すデキャップ工程とを備える方法。
【0072】
方法4
容器を製造する工程と、製造された容器の開口部に仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる工程と、該仮キャップを施した容器を予備殺菌する予備殺菌工程と、該予備殺菌した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の外面を無菌環境内で殺菌する容器外面殺菌工程と、該殺菌された容器の該仮キャップを無菌環境内で取外すデキャップ工程と、該仮キャップを取外した容器の内面を無菌環境内で殺菌する容器内面殺菌工程とを備える方法。
【0073】
方法5
容器を製造する工程と、製造された容器を予備殺菌し、該予備殺菌の途中または直後に該容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる予備殺菌・仮キャップ工程と、該予備殺菌し仮キャップを施した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の該仮キャップを取外すデキャップ工程と、該キャップを取外した容器の内外面を無菌環境内で殺菌する容器内外面殺菌工程とを備える方法。
【0074】
方法6
容器を製造する工程と、製造された容器を予備殺菌し、該予備殺菌の途中または直後に該容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる予備殺菌・仮キャップ工程と、該予備殺菌し仮キャップを施した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の該仮キャップを取外すデキャップ工程と、該キャップを取外した容器の内外面を無菌環境内で殺菌する容器内外面殺菌工程とを備え、該デキャップ工程を無菌環境内で行う方法。
【0075】
方法7
容器を製造する工程と、製造された容器を予備殺菌し、該予備殺菌の途中または直後に該容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる予備殺菌・仮キャップ工程と、該予備殺菌し仮キャップを施した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の外面を無菌環境内で殺菌する容器外面殺菌工程と、該殺菌された容器の該仮キャップを無菌環境内で取外すデキャップ工程とを備える方法。
【0076】
方法8
容器を製造する工程と、製造された容器を予備殺菌し、該予備殺菌の途中または直後に該容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる予備殺菌・仮キャップ工程と、該予備殺菌し仮キャップを施した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の外面を無菌環境内で殺菌する容器外面殺菌工程と、該殺菌された容器の該仮キャップを無菌環境内で取外すデキャップ工程と、該仮キャップを取外した容器の内面を無菌環境内で殺菌する容器内面殺菌工程とを備える方法。
【実施例】
【0077】
次に、本発明の実施例および比較例について説明する。本発明の実施例および比較例においては、容器として、3ピーススチール缶または2ピースアルミ缶を使用し、内容物としては、予めUHT殺菌で135℃、30秒殺菌したホイップクリームを充填した。各缶には予め指標菌としてB. subtilusを105cfu/缶塗布した。各実施例においては、容器のバルク搬送前に仮キャップ後185℃、10分間の乾熱加熱殺菌を行い、バルク開梱後デキャップを行った。各比較例においてはこのような仮キャップ、加熱殺菌およびデキャップを行っていない。次いで各種方式により容器の殺菌を行った後内容物の充填、缶の巻締めを行い、製造された各試作品の内容物の変敗の有無および容器の状態を調べた。各実施例、比較例とも試験缶数は20缶であった。
【0078】
各実施例および比較例の試験条件、変敗の有無および容器の状態を表1に示す。表1において、容器殺菌方式の欄におけるPAAは過酢酸を意味する。
【0079】
【表1】
【0080】
表1から明らかなように、比較例1〜4は容器殺菌に問題があり、不可であるが、対応する実施例1〜4においてはその問題が解決された。また、比較例5では殺菌は可能である一方、容器塗装仕様に問題があり不可であるが、対応する実施例5においては乾熱方式に変更してこの問題は解決された。さらに、比較例6では殺菌や塗装仕様には問題はないが、対応する実施例6においては、薬剤殺菌工程が大幅に緩和された。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の1実施形態の容器製造から殺菌済みの容器をバルク梱包し食品の充填場所に輸送するまでの工程を示すブロック図である。
【図2】本発明の他の実施形態の容器製造から殺菌済みの容器をバルク梱包し食品の充填場所に輸送するまでの工程を示すブロック図である。
【図3】充填場所に輸送されたバルク包装体を開梱してから無菌環境内で容器内外面の殺菌を完了するまでの工程の1実施形態の概略を示すブロック図である。
【図4】充填場所に輸送された容器のバルク包装体を開梱してから無菌環境内で容器内外面の殺菌を完了するまでの工程の他の実施形態の概略を示すブロック図である。
【図5】充填場所に輸送された容器のバルク包装体を開梱してから無菌環境内で容器内外面の殺菌を完了するまでの工程の他の実施形態の概略を示すブロック図である。
【図6】充填場所に輸送された容器のバルク包装体を開梱してから無菌環境内で容器内外面の殺菌を完了するまでの工程の他の実施形態の概略を示すブロック図である。
【図7】仮キャップの一例を示す部分断面図である。
【図8】仮キャップの他の例を示す部分断面図である。
【図9】仮キャップの他の例を示す部分断面図である。
【図10】仮キャップの他の例を示す部分断面図である。
【図11】(a)は仮キャップの他の例を示す部分断面図、(b)はその配置状態を示す模式図である。
【図12】チューブ状容器の搬送状態を示す斜視図である。
【図13】仮キャップのデキャップ方法を示す部分断面図である。
【図14】仮キャップが外れる途中の状態を示す部分断面図である。
【図15】ロール巻取り方式によるチューブ状容器のデキャップを示す模式図である。
【符号の説明】
【0082】
1 容器を製造する工程
2 仮キャップ工程
3 予備殺菌工程
4 バルク梱包工程
9 開梱工程
10 デキャップ工程
11 容器内外面殺菌工程
12 充填・密封工程
13 容器外面殺菌工程
14 容器内面殺菌工程
15 無菌環境
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器詰め食品のアセプテイック充填システムに殺菌済みの容器を提供する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来PETボトル詰め飲料等容器詰め食品の製造方法の一つとして殺菌済みの容器および殺菌済みのキャップを用いて、殺菌済みの内容物を無菌環境内で常温で充填し、密封するアセプテイック充填法と呼ばれる製造方法がある。この製造方法を実施する装置すなわちアセプテイック充填システムにおいては、無菌環境内で容器の内外面を殺菌した後に容器をフイラーに送り内容物を充填するが、容器がたとえばエアゾール缶のように二重巻締め部分を有する等形状が複雑で蒸気や殺菌剤が届き難い部分を持つ容器を殺菌する場合は、乾熱法を用いた加熱殺菌が一般的に使用されている。
【0003】
しかし乾熱殺菌は加熱時間が長時間となり、容器殺菌のために多くのスペースとエネルギーおよび巨大な設備と殺菌のための副資材が必要となり、製造コストを増加させ、生産の障害となる問題点がある。
【0004】
このような長時間の加熱殺菌のかわりに高温短時間殺菌法を採用することも考えられるが、高温短時間殺菌を設定すると、容器の素材に高温短時間殺菌に耐えられる耐熱性が要求され、容器の仕様が限定されたり、コストアップとなる問題点がある。
【0005】
特許文献1には、包装材料によりボトル形状に成形された後にボトル本体の開口部が閉鎖されて内部への細菌類の侵入が阻止されている無菌性ボトルにおいて、開口部が菌類遮断性通気性フイルムによりヒートシールされて閉鎖されている無菌性ボトルが開示されているが、この無菌性ボトルは通気性フイルムのヒートシールをはがして開口部から除去し、その直後に内容物を充填するように構成されており、従来一般的に使用されているアセプテイック充填システムに適用するには不適当である。
【特許文献1】特開平5−49681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点にかんがみなされたものであって、二重巻締め部を有する等複雑な形状を有するため薬剤殺菌法、蒸気殺菌法等通常アセプテイック充填システムにおいて容器の内外面の殺菌に用いられている殺菌方法では殺菌し難い容器でも、これら通常の殺菌方法を使用して容器の殺菌を行うことができ、問題点の多い乾熱殺菌法や高温短時間殺菌法を使用する必要がないアセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記本発明の目的を達成するために鋭意研究と実験を重ねた結果、製造された容器の開口部に仮キャップを施した後予備殺菌し、または予備殺菌の途中または直後に仮キャップを施し、この容器をバルク梱包して充填場所に搬送し、開梱後仮キャップを取外してアセプテイック充填システムの無菌環境内において容器を再度殺菌することにより、アセプテイック充填システムにおける容器殺菌は従来一般的に用いられている薬剤殺菌法や蒸気殺菌法を用いることによって形状が複雑な容器でも充分に殺菌することができることを発見し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明の目的を達成するアセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法は、容器を製造する工程と、製造された容器の開口部に仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる工程と、該仮キャップを施した容器を予備殺菌する予備殺菌工程と、該予備殺菌した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の該仮キャップを取外すデキャップ工程と、該キャップを取外した容器の内外面を無菌環境内で殺菌する容器内外面殺菌工程とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の1側面においては、該デキャップ工程を無菌環境内で行うことを特徴とする。
【0010】
本発明の他の側面においては、アセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法は、容器を製造する工程と、製造された容器の開口部に仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる工程と、該仮キャップを施した容器を前殺菌する予備殺菌工程と、該前殺菌した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の外面を無菌環境内で殺菌する後殺菌工程と、該殺菌された容器の該仮キャップを無菌環境内で取外すデキャップ工程とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の他の側面においては、該仮キャップを取外した容器の内面を無菌環境内で殺菌する容器内面殺菌工程をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の他の側面においては、アセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法は、容器を製造する工程と、製造された容器を予備殺菌し、該予備殺菌の途中または直後に該容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる予備殺菌・仮キャップ工程と、該予備殺菌し仮キャップを施した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の該仮キャップを取外すデキャップ工程と、該キャップを取外した容器の内外面を無菌環境内で殺菌する容器内外面殺菌工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の他の側面においては、該デキャップ工程を無菌環境内で行うことを特徴とする。
【0014】
本発明の他の側面においては、アセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法は、容器を製造する工程と、製造された容器を予備殺菌し、該予備殺菌の途中または直後に該容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる予備殺菌・仮キャップ工程と、該予備殺菌し仮キャップを施した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の外面を無菌環境内で殺菌する容器外面殺菌工程と、該殺菌された容器の該仮キャップを無菌環境内で取外すデキャップ工程とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の他の側面においては、該仮キャップを取外した容器の内面を無菌環境内で殺菌する容器内面殺菌工程をさらに備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の他の側面においては、容器および容器内部空間の空気温度を40℃以上で仮キャップを行うことを特徴とする。
【0017】
本発明の他の側面においては、該デキャップ工程で容器から取外された仮キャップを回収し再利用することを特徴とする。
【0018】
本発明の他の側面においては、該開梱工程において、バルク多段積載した容器を梱包用フイルムで包装したバルク包装体に清浄な空気を吹き付けることにより該バルク包装体の埃やごみを洗浄することを特徴とする。
【0019】
本発明の他の側面においては、容器開口部に容器殺菌方法に応じて耐熱性または耐薬剤性を有する仮キャップを施したことを特徴とする上記各方法により提供される殺菌済み容器が提供される。
【0020】
本発明の他の側面においては、容器胴部の最大外径が容器開口部に施された仮キャップの最大外径と同一かまたはそれよりも大きいことを特徴とする上記各方法により提供される殺菌済み容器が提供される。
【0021】
本発明の他の側面においては、バルク多段積載した容器を梱包用フイルムで包装する際その包装天面が平坦で折返しがないように包装したことを特徴とする上記各方法の実施に使用されるバルク包装体が提供される。
【発明の効果】
【0022】
請求項1記載の発明によれば、製造された容器の開口部に仮キャップを施した後予備殺菌し、この容器をバルク梱包し、開梱後無菌環境内において仮キャップを取外した後容器の内外面を殺菌するという2段式殺菌法を採用することにより、アセプテイック充填システムにおける容器殺菌は従来一般的に用いられている薬剤殺菌法や蒸気殺菌法を用いる簡素な方法により二重巻締め部を有する等形状が複雑な容器でも充分に殺菌することができる。
【0023】
請求項2記載の発明によれば、デキャップ工程を無菌環境内で行うので、容器の殺菌をより完全なものとすることができる。
【0024】
請求項3記載の発明によれば、製造された容器の開口部に仮キャップを施した後前殺菌し、この容器をバルク梱包し、開梱後無菌環境内において容器の外面を殺菌した後仮キャップを取外すという2段式殺菌法を採用することにより、アセプテイック充填システムにおける容器殺菌は従来一般的に用いられている薬剤殺菌法や蒸気殺菌法を用いる簡素な方法により二重巻締め部を有する等形状が複雑な容器でも充分に殺菌することができる。
【0025】
請求項4記載の発明によれば、容器の外面を殺菌した後容器の内面をさらに殺菌するので、容器の殺菌を一層完全に行うことができる。
【0026】
請求項5記載の発明によれば、製造された容器を予備殺菌し、予備殺菌の途中または直後に容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施し、この容器をバルク梱包し、開梱後無菌環境内において仮キャップを取外した後容器の内外面を殺菌するという2段式殺菌法を採用することにより、アセプテイック充填システムにおける容器殺菌は従来一般的に用いられている薬剤殺菌法や蒸気殺菌法を用いる簡素な方法により二重巻締め部を有する等形状が複雑な容器でも充分に殺菌することができる。
【0027】
請求項6記載の発明によれば、デキャップ工程を無菌環境内で行うので、容器の殺菌をより完全なものとすることができる。
【0028】
請求項7記載の発明によれば、製造された容器を予備殺菌し、予備殺菌の途中または直後に容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施し、この容器をバルク梱包し、開梱後無菌環境内において容器の外面を殺菌した後仮キャップを取外すという2段式殺菌法を採用することにより、アセプテイック充填システムにおける容器殺菌は従来一般的に用いられている薬剤殺菌法や蒸気殺菌法を用いる簡素な方法により二重巻締め部を有する等形状が複雑な容器でも充分に殺菌することができる。
【0029】
請求項8記載の発明によれば、容器の内面をさらに殺菌するので、容器の殺菌を一層完全に行うことができる。
【0030】
請求項9記載の発明によれば、容器および容器内部空間の空気温度を40℃以上で仮キャップを行うことにより、(1)常温に戻って保管中は真空状態が生じる、(2)密封性を確認しやすい、(3)夏期のトラック輸送中の温度上昇による内圧が発生し難いので、キャップがはずれ難い、という効果がある。
【0031】
請求項10記載の発明によれば、デキャップ工程で容器から取外された仮キャップを回収し再利用するので、資源の有効利用を図ることができ、製造コストを節約することができる。
【0032】
請求項11記載の発明によれば、バルク包装体に清浄な空気を吹きつけることによりバルク包装体の埃やごみを洗浄することができ、バルク開梱の際に容器に埃やごみが付着することを防止できるので、次段の容器殺菌工程における殺菌効率を向上させることができる。
【0033】
請求項12記載の発明によれば、容器開口部に容器殺菌方法に応じて耐熱性または耐薬剤性を有する仮キャップを施すことにより、選択された殺菌方法により仮キャップが損傷することがなく、任意の殺菌方法を有効に適用することができる。
【0034】
請求項13記載の発明によれば、容器胴部の最大外径が容器開口部に施された仮キャップの最大外径と同一またはそれよりも大きいので、容器をバルク積載する際に積みつけ効率をよくすることができるとともに、搬送中仮キャップどうしが衝突して緩みが生じ密封性を損なうことを防止することができる。
【0035】
請求項14記載の発明によれば、バルク多段積載した容器を梱包用フイルムで包装する際その包装天面が平坦で折返しがないように包装したので、埃やごみが包装天面に付着し難くなり、バルク開梱の際に容器に埃やごみが付着することを防止できるので、次段の容器殺菌工程における殺菌効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の1実施形態の容器製造から殺菌済みの容器をバルク梱包し食品の充填場所に輸送するまでの工程の概略を示すブロック図である。
【0037】
本発明に係る方法に使用する容器はエアゾール缶を含む金属缶、PETボトル等のプラスチックボトル、紙パック等特に限定はない。特に二重巻締め部分を有する金属缶等複雑な形状を有していて従来の容器殺菌方法では殺菌剤等が充分に届き難い問題点を有していた容器は本発明の方法を適用するために好適な容器である。
容器製造工程1において製造された容器には仮キャップ工程2において仮キャップを施す。
【0038】
仮キャップを容器に施すには後段のデキャップ工程において容器から取外しやすいように容器の開口部に嵌め込む等の方法により取り付けることが好ましい。プラスチックフイルム等のフイルムを容器の開口部の縁部に個々の容器ごとに別々にヒートシールする方法は、機械的な方法で簡単にはがしにくいので、本発明においては好ましい仮キャップ取り付け方法ではない。
【0039】
また、仮キャップとしては、加熱殺菌、薬剤殺菌、放射線殺菌等容器殺菌方法に応じて耐熱性、耐薬剤性または耐放射線性を有する材質のものを選択することが好ましい。このような仮キャップを施すことにより、選択された殺菌方法により仮キャップが損傷することがなく、任意の殺菌方法を有効に適用することができる。
【0040】
また、仮キャップの際は、容器および容器内部空間の空気温度を40℃以上で仮キャップを行うことが好ましい。こうすることにより、常温に戻って保管中は真空状態が生じるし、また密封性を確認しやすく、さらに夏期のトラック輸送中の温度上昇による内圧が発生し難いので、キャップがはずれ難い、というメリットがある。
【0041】
また、仮キャップは、容器胴部の最大外径が容器開口部に施された仮キャップの最大外径と同一またはそれよりも大きいように設計することが好ましい。こうすることにより、容器をバルク積載する際に積みつけ効率をよくすることができるとともに、搬送中仮キャップどうしが衝突して緩みが生じ密封性を損なうことを防止することができる。
【0042】
また、仮キャップを取外した後内容物を充填し容器を密封する際容器の密封性や開口部の耐内容物性を維持するために、仮キャップには容器の開口部を傷つけたり変形させない形状や材質を備えていることが好ましい。
【0043】
仮キャップの材質としては、本密封に際してシールポイントやネジなどに傷や変形を生じさせないことが必要であり、このため、仮キャップの内面は少なくとも容器胴部の材質より軟らかいものであることが好ましい。具体的な例を挙げれば、容器の胴材としてスチールを使用する場合は、仮キャップはスチールよりも軟らかい金属(たとえばアルミニウム)、プラスチック、ゴム(例:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、テフロン、SBR,NBR、ウレタンゴム、シリコンゴム)等で形成することができる。胴材としてアルミニウムを使用する場合は、仮キャップはアルミニウムより軟らかい金属(例:5000番台の合金アルミニウムに対しては3000番台の合金アルミニウム)で形成することができる。また、胴材としてPETを使用する場合は、前記のプラスチックやゴム等を使用することができる。
【0044】
図7〜図10は本発明の方法にとって好ましい仮キャップの種々の例を示す部分断面図である。
【0045】
図7の例において、鋼材からなる容器22は、胴部22a9と胴部よりも小径のカールした口部22bを有する。口部22bに嵌め込まれたおおむね短筒状の形状の仮キャップ20は、密封に際してシールポイントやねじ等に傷や変形が生じることを防止するために、容器22よりも軟らかい金属であるアルミニウムからなり、内側下端部に仮キャップの嵌め込みを容易にするための断面が内側に弧を描く半円形のリング状突起部20aを備え、またデキャップ作業の際にデキャップ用の仮キャップ持ち上げツールが入りやすくするために、仮キャップ下端部から半径方向外側に突出する肉厚のデキャップ用ツール支持部20bを備えている。
【0046】
図8は図7の仮キャップの変更例を示すもので、図7と同一構成部分は同一符号で示し、その詳細な説明を省略する。図8の例においては、仮キャップ20は容器22よりも軟らかい金属であるアルミニウムからなる内側部材20cと容器22と同一材料である鋼材からなる外側部材20dの2層構造で構成されている。これによって、密封に際してシールポイントやねじ等に傷や変形が生じることを防止できるとともに、仮キャップの材料費を節約することができる。
【0047】
図9は仮キャップをの他の例を示すもので、容器22の口部22eはフランジによって形成されており、仮キャップ24は図7の仮キャップ20に比べて高さが低く、そのリング状突起部24aは仮キャップ24の頂部24cに接近して設けられており、頂部24cと突起部24aの間の周方向に延長する間隙24dに容器22の口部22eの外周縁部22fが挿入されている。
【0048】
図10は仮キャップのさらに他の例を示すもので、仮キャップ26は内側押さえ部26aと外側押さえ部26bからなり、これら両押さえ部26a、26bにより容器22の口部22eを挟み込むようにして口部22eに嵌め込まれている。
【0049】
チューブ状の容器の場合は、図11(a)の断面図に示すように、一列に並べた複数のチューブ状容器28の口部28aの頂面に帯状のプラスチックフイルム30をヒートシールにより仮キャップすることにより、大量のチューブ状容器30を簡単にかつ効率的に仮キャップすることができる。なお、図中32はプラスチックフイルム30のヒートシール作業中容器28を押さえておくための押さえツールを示す。帯状のプラスチックフイルム30により仮キャップしたこれらの容器28は、図11(b)に示すように、フイルム30によって一列に連結された状態でバルクに積載することができる。すなわち、図12の斜視図に示すように、帯状のプラスチックフイルム30によって一列に連結された多数の容器28を蛇腹状に屈曲させてバルクに積載する。
【0050】
仮キャップ工程2において仮キャップを施した容器は次段の容器予備殺菌工程3に送られ容器の予備殺菌が行われる。予備殺菌の方法としては、加熱殺菌、紫外線殺菌、放射線殺菌、電子線殺菌等公知の殺菌方法のいずれかを使用することができ、この中容器の種類、材質、形状、容器に充填する内容物の種類、必要な殺菌の度合い等に適した殺菌方法を選択して使用する。これらの殺菌方法のいずれかを使用することにより、仮キャップが施されているにもかかわらず、容器の外面のみならず内面も同時に殺菌することができる。
【0051】
予備殺菌工程3において予備殺菌を終了した容器は次段のバルク梱包工程4に送られ、ここで仮キャップを施したまま多段積載によりバルクに積載され、シュリンクフィルム等公知の梱包用フイルムによりバルク包装体に梱包される。この場合、バルク多段積載した容器を梱包用フイルムで包装する際その包装天面が平坦で折返しがないように包装することが好ましい。これによって埃やごみが包装天面に付着し難くなり、バルク開梱の際に容器に埃やごみが付着することを防止できるので、次段の容器殺菌工程における殺菌効率を向上させることができる。
【0052】
こうしてバルク梱包されたバルク包装体は次の保管・輸送段階5において適宜の場所において適宜の時間保管された後内容物の充填場所に輸送される。
【0053】
図2は本発明の他の実施形態において容器製造から殺菌済みの容器をバルク梱包し食品の充填場所に輸送するまでの工程の概略を示すブロック図である。図2の実施形態において、図1の実施形態と同一内容の工程は図1と同一符号で示し、その詳細な説明を省略する。
【0054】
図2の実施形態が図1の実施形態と異なる点は、図2の実施形態においては、製造工程1において製造された容器についてまず予備殺菌を行う一方、仮キャップ製造工程7において製造し仮キャップ殺菌工程8において予め加熱殺菌、薬剤殺菌等の方法により殺菌しておいた仮キャップをこの予備殺菌の途中または直後に容器の開口部に施すことにより容器の開口部を閉じる容器予備殺菌・仮キャップ工程6を設けたことである。この工程を設けることにより、加熱殺菌、紫外線殺菌、放射線殺菌、電子線殺菌等図1の実施形態と同一の殺菌方法を採用して容器の内外面を同時に殺菌することができるほか、薬剤殺菌法を使用して仮キャップを施す前の容器の内側に薬剤を注入することにより容器の内外面を同時に殺菌することができる。
【0055】
図3は充填場所に輸送された予備殺菌され仮キャップを施された容器のバルク包装体を開梱してから無菌環境内で容器内外面の殺菌を完了するまでの工程の1実施形態の概略を示すブロック図である。
【0056】
開梱工程9においては、バルク包装体を開梱して容器を取り出す。この際開梱前にバルク包装体に清浄な空気を吹き付けることによりバルク包装体の埃やごみを洗浄することができ、バルク開梱の際に容器に埃やごみが付着することを防止することができる。
開梱された容器は次段のデキャップ工程10に送られ、容器に施されていた仮キャップが取外される。
【0057】
デキャップ工程においては、図13に示すように、容器の二重巻締のシームバンド22gおよび胴部22aを押えツール32、34で押え、仮キャップ20のデキャップ用ツール支持部20bの下方の空間に仮キャップ持ち上げツール36を挿入し、図14に示すようにツール36で仮キャップ20を持ち上げるようにして仮キャップ20を容器22の口部22bから外す。この際ツール36の先端が容器口部22bや押えツール34と接触することを避けるために、ツール36の厚みT(図13)は容器口部22bの下端と押えツール34の上端との間のスペースSよりも薄くなるように設計する。また、図14に示すように、ツール36により仮キャップ20を持ち上げたとき容器口部22bとツール36の間に空間38が形成されるように、ツール36をセットすることが必要である。
【0058】
デキャップ工程は容器搬送ガイド中または公知の専用ロータリー式仮キャップデキャッパーを使用して実施することができる。
【0059】
また,図11に示すようなチューブ状容器28にプラスチックフイルム30をヒートシールする方式の仮キャップの場合は、図15に示すように、デキャップはロール巻取り方法により行うことができる。
【0060】
次に仮キャップを取外した容器は無菌環境15内に配置されアセプテイック充填システムの一部を構成する容器殺菌装置に移送され、容器内外面殺菌工程11が行われる。すなわち、バルク包装体の保管、輸送時に容器が汚染される危険のある微生物を対象に、容器内外面を加熱殺菌または薬剤殺菌等により殺菌した後無菌水で洗浄する。ここで無菌環境とは、作業室内の一部空間を囲って、容器搬入・搬出のための出入り口を除いて密封空間とし、この密封空間内に陽圧の無菌空気を導入して無菌状態を維持するようにした空間を意味する。
【0061】
こうして容器内外面を洗浄した容器は、次段の充填・密封工程12に送られ、アセプテイック充填システムのフイラーによって殺菌済みの内容物が容器に充填された後キャッパーによって殺菌済みのキャップで容器の開口部が密封される。
【0062】
図4は充填場所に輸送された容器のバルク包装体を開梱してから無菌環境内で容器内外面の殺菌を完了するまでの工程の他の実施形態の概略を示すブロック図である。図4以下の図面に示す実施形態において、図3の実施形態と同一内容の工程は図3と同一符号で示し、その詳細な説明を省略する。
【0063】
図4の実施形態においては、容器内外面殺菌工程のみならず、デキャップ工程10も無菌環境15内で行うことが図3の実施形態と異なる点である。これによってデキャップ工程直後に埃等が容器内に付着することが防止され、容器の殺菌を一層完全なものとすることができる。
【0064】
図5は充填場所に輸送された容器のバルク包装体を開梱してから無菌環境内で容器の殺菌を完了するまでの工程の他の実施形態の概略を示すブロック図である。
【0065】
図5の実施形態においては、開梱工程9においてバルクを開梱した後開梱された容器は無菌環境15内に配置されアセプテイック充填システムの一部を構成する容器外面殺菌装置に移送され、容器外面殺菌工程13が行われる。すなわち、バルク包装体の保管、輸送時に容器が汚染される危険のある微生物を対象に、仮キャップを施したまま無菌環境15内で容器の外面を加熱殺菌または薬剤殺菌等により殺菌した後無菌水で洗浄する。次いで容器は次段のデキャップ工程10に送られ、無菌環境15内で容器に施されていた仮キャップを取外した後容器は充填・密封工程12に送られる。
【0066】
図6は充填場所に輸送された容器のバルク包装体を開梱してから無菌環境内で容器の殺菌を完了するまでの工程の他の実施形態の概略を示すブロック図である。
【0067】
図6の実施形態においては、開梱工程9においてバルクを開梱した後開梱された容器は無菌環境15内に配置されアセプテイック充填システムの一部を構成する容器外面殺菌装置に移送され、容器外面殺菌工程13が行われる。すなわち、バルク包装体の保管、輸送時に容器が汚染される危険のある微生物を対象に、仮キャップを施したまま容器の外面を加熱殺菌または薬剤殺菌等により殺菌した後無菌水で洗浄する。次いで容器は次段のデキャップ工程10に送られ、無菌環境15内で容器に施されていた仮キャップを取外した後容器は容器内面殺菌工程14に送られ、無菌環境15内で容器の内面を加熱殺菌または薬剤殺菌等により殺菌した後無菌水で洗浄する。こうしてデキャップ工程の前後に容器の内外面を2段に分けて殺菌された容器は充填・密封工程12に送られる。
【0068】
図1、図2に示される実施形態と図3〜図6に示される実施形態を組合わせると、次の8組の殺菌済み容器をアセプテイック充填システムに提供する方法が提供される。
【0069】
方法1
容器を製造する工程と、製造された容器の開口部に仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる工程と、該仮キャップを施した容器を予備殺菌する予備殺菌工程と、該予備殺菌した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の該仮キャップを取外すデキャップ工程と、該キャップを取外した容器の内外面を無菌環境内で殺菌する容器内外面殺菌工程とを備える方法。
【0070】
方法2
容器を製造する工程と、製造された容器の開口部に仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる工程と、該仮キャップを施した容器を予備殺菌する予備殺菌工程と、該予備殺菌した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の該仮キャップを取外すデキャップ工程と、該キャップを取外した容器の内外面を無菌環境内で殺菌する容器内外面殺菌工程とを備え、該デキャップ工程を無菌環境内で行う方法。
【0071】
方法3
容器を製造する工程と、製造された容器の開口部に仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる工程と、該仮キャップを施した容器を予備殺菌する予備殺菌工程と、該予備殺菌した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の外面を無菌環境内で殺菌する容器外面殺菌工程と、該殺菌された容器の該仮キャップを無菌環境内で取外すデキャップ工程とを備える方法。
【0072】
方法4
容器を製造する工程と、製造された容器の開口部に仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる工程と、該仮キャップを施した容器を予備殺菌する予備殺菌工程と、該予備殺菌した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の外面を無菌環境内で殺菌する容器外面殺菌工程と、該殺菌された容器の該仮キャップを無菌環境内で取外すデキャップ工程と、該仮キャップを取外した容器の内面を無菌環境内で殺菌する容器内面殺菌工程とを備える方法。
【0073】
方法5
容器を製造する工程と、製造された容器を予備殺菌し、該予備殺菌の途中または直後に該容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる予備殺菌・仮キャップ工程と、該予備殺菌し仮キャップを施した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の該仮キャップを取外すデキャップ工程と、該キャップを取外した容器の内外面を無菌環境内で殺菌する容器内外面殺菌工程とを備える方法。
【0074】
方法6
容器を製造する工程と、製造された容器を予備殺菌し、該予備殺菌の途中または直後に該容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる予備殺菌・仮キャップ工程と、該予備殺菌し仮キャップを施した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の該仮キャップを取外すデキャップ工程と、該キャップを取外した容器の内外面を無菌環境内で殺菌する容器内外面殺菌工程とを備え、該デキャップ工程を無菌環境内で行う方法。
【0075】
方法7
容器を製造する工程と、製造された容器を予備殺菌し、該予備殺菌の途中または直後に該容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる予備殺菌・仮キャップ工程と、該予備殺菌し仮キャップを施した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の外面を無菌環境内で殺菌する容器外面殺菌工程と、該殺菌された容器の該仮キャップを無菌環境内で取外すデキャップ工程とを備える方法。
【0076】
方法8
容器を製造する工程と、製造された容器を予備殺菌し、該予備殺菌の途中または直後に該容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる予備殺菌・仮キャップ工程と、該予備殺菌し仮キャップを施した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の外面を無菌環境内で殺菌する容器外面殺菌工程と、該殺菌された容器の該仮キャップを無菌環境内で取外すデキャップ工程と、該仮キャップを取外した容器の内面を無菌環境内で殺菌する容器内面殺菌工程とを備える方法。
【実施例】
【0077】
次に、本発明の実施例および比較例について説明する。本発明の実施例および比較例においては、容器として、3ピーススチール缶または2ピースアルミ缶を使用し、内容物としては、予めUHT殺菌で135℃、30秒殺菌したホイップクリームを充填した。各缶には予め指標菌としてB. subtilusを105cfu/缶塗布した。各実施例においては、容器のバルク搬送前に仮キャップ後185℃、10分間の乾熱加熱殺菌を行い、バルク開梱後デキャップを行った。各比較例においてはこのような仮キャップ、加熱殺菌およびデキャップを行っていない。次いで各種方式により容器の殺菌を行った後内容物の充填、缶の巻締めを行い、製造された各試作品の内容物の変敗の有無および容器の状態を調べた。各実施例、比較例とも試験缶数は20缶であった。
【0078】
各実施例および比較例の試験条件、変敗の有無および容器の状態を表1に示す。表1において、容器殺菌方式の欄におけるPAAは過酢酸を意味する。
【0079】
【表1】
【0080】
表1から明らかなように、比較例1〜4は容器殺菌に問題があり、不可であるが、対応する実施例1〜4においてはその問題が解決された。また、比較例5では殺菌は可能である一方、容器塗装仕様に問題があり不可であるが、対応する実施例5においては乾熱方式に変更してこの問題は解決された。さらに、比較例6では殺菌や塗装仕様には問題はないが、対応する実施例6においては、薬剤殺菌工程が大幅に緩和された。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の1実施形態の容器製造から殺菌済みの容器をバルク梱包し食品の充填場所に輸送するまでの工程を示すブロック図である。
【図2】本発明の他の実施形態の容器製造から殺菌済みの容器をバルク梱包し食品の充填場所に輸送するまでの工程を示すブロック図である。
【図3】充填場所に輸送されたバルク包装体を開梱してから無菌環境内で容器内外面の殺菌を完了するまでの工程の1実施形態の概略を示すブロック図である。
【図4】充填場所に輸送された容器のバルク包装体を開梱してから無菌環境内で容器内外面の殺菌を完了するまでの工程の他の実施形態の概略を示すブロック図である。
【図5】充填場所に輸送された容器のバルク包装体を開梱してから無菌環境内で容器内外面の殺菌を完了するまでの工程の他の実施形態の概略を示すブロック図である。
【図6】充填場所に輸送された容器のバルク包装体を開梱してから無菌環境内で容器内外面の殺菌を完了するまでの工程の他の実施形態の概略を示すブロック図である。
【図7】仮キャップの一例を示す部分断面図である。
【図8】仮キャップの他の例を示す部分断面図である。
【図9】仮キャップの他の例を示す部分断面図である。
【図10】仮キャップの他の例を示す部分断面図である。
【図11】(a)は仮キャップの他の例を示す部分断面図、(b)はその配置状態を示す模式図である。
【図12】チューブ状容器の搬送状態を示す斜視図である。
【図13】仮キャップのデキャップ方法を示す部分断面図である。
【図14】仮キャップが外れる途中の状態を示す部分断面図である。
【図15】ロール巻取り方式によるチューブ状容器のデキャップを示す模式図である。
【符号の説明】
【0082】
1 容器を製造する工程
2 仮キャップ工程
3 予備殺菌工程
4 バルク梱包工程
9 開梱工程
10 デキャップ工程
11 容器内外面殺菌工程
12 充填・密封工程
13 容器外面殺菌工程
14 容器内面殺菌工程
15 無菌環境
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を製造する工程と、製造された容器の開口部に仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる工程と、該仮キャップを施した容器を予備殺菌する予備殺菌工程と、該予備殺菌した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の該仮キャップを取外すデキャップ工程と、該キャップを取外した容器の内外面を無菌環境内で殺菌する容器内外面殺菌工程とを備えることを特徴とするアセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法。
【請求項2】
該デキャップ工程を無菌環境内で行うことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
容器を製造する工程と、製造された容器の開口部に仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる工程と、該仮キャップを施した容器を前殺菌する前殺菌工程と、該前殺菌した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の外面を無菌環境内で殺菌する後殺菌工程と、該殺菌された容器の該仮キャップを無菌環境内で取外すデキャップ工程とを備えることを特徴とするアセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法。
【請求項4】
該仮キャップを取外した容器の内面を無菌環境内で殺菌する容器内面殺菌工程をさらに備えることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
容器を製造する工程と、製造された容器を予備殺菌し、該予備殺菌の途中または直後に該容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる予備殺菌・仮キャップ工程と、該予備殺菌し仮キャップを施した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の該仮キャップを取外すデキャップ工程と、該キャップを取外した容器の内外面を無菌環境内で殺菌する容器内外面殺菌工程とを備えることを特徴とするアセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法。
【請求項6】
該デキャップ工程を無菌環境内で行うことを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
容器を製造する工程と、製造された容器を予備殺菌し、該予備殺菌の途中または直後に該容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる予備殺菌・仮キャップ工程と、該予備殺菌し仮キャップを施した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の外面を無菌環境内で殺菌する容器外面殺菌工程と、該殺菌された容器の該仮キャップを無菌環境内で取外すデキャップ工程とを備えることを特徴とするアセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法。
【請求項8】
該仮キャップを取外した容器の内面を無菌環境内で殺菌する容器内面殺菌工程をさらに備えることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
容器および容器内部空間の空気温度を40℃以上で仮キャップを行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
該デキャップ工程で容器から取外された仮キャップを回収し再利用することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
該開梱工程において、バルク多段積載した容器を梱包用フイルムで包装したバルク包装体に清浄な空気を吹き付けることにより該バルク包装体の埃やごみを洗浄することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
容器開口部に容器殺菌方法に応じて耐熱性または耐薬剤性を有する仮キャップを施したことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載された方法により提供される殺菌済み容器。
【請求項13】
容器胴部の最大外径が容器開口部に施された仮キャップの最大外径と同一かまたはそれよりも大きいことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載された方法により提供される殺菌済み容器。
【請求項14】
バルク多段積載した容器を梱包用フイルムで包装する際その包装天面が平坦で折返しがないように包装したことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の方法の実施に使用されるバルク包装体。
【請求項1】
容器を製造する工程と、製造された容器の開口部に仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる工程と、該仮キャップを施した容器を予備殺菌する予備殺菌工程と、該予備殺菌した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の該仮キャップを取外すデキャップ工程と、該キャップを取外した容器の内外面を無菌環境内で殺菌する容器内外面殺菌工程とを備えることを特徴とするアセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法。
【請求項2】
該デキャップ工程を無菌環境内で行うことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
容器を製造する工程と、製造された容器の開口部に仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる工程と、該仮キャップを施した容器を前殺菌する前殺菌工程と、該前殺菌した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の外面を無菌環境内で殺菌する後殺菌工程と、該殺菌された容器の該仮キャップを無菌環境内で取外すデキャップ工程とを備えることを特徴とするアセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法。
【請求項4】
該仮キャップを取外した容器の内面を無菌環境内で殺菌する容器内面殺菌工程をさらに備えることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
容器を製造する工程と、製造された容器を予備殺菌し、該予備殺菌の途中または直後に該容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる予備殺菌・仮キャップ工程と、該予備殺菌し仮キャップを施した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の該仮キャップを取外すデキャップ工程と、該キャップを取外した容器の内外面を無菌環境内で殺菌する容器内外面殺菌工程とを備えることを特徴とするアセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法。
【請求項6】
該デキャップ工程を無菌環境内で行うことを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
容器を製造する工程と、製造された容器を予備殺菌し、該予備殺菌の途中または直後に該容器の開口部に予め殺菌した仮キャップを施すことにより該開口部を閉じる予備殺菌・仮キャップ工程と、該予備殺菌し仮キャップを施した容器をバルクに積載し梱包するバルク梱包工程と、該バルクを開梱する開梱工程と、該開梱された容器の外面を無菌環境内で殺菌する容器外面殺菌工程と、該殺菌された容器の該仮キャップを無菌環境内で取外すデキャップ工程とを備えることを特徴とするアセプテイック充填システムに殺菌済み容器を提供する方法。
【請求項8】
該仮キャップを取外した容器の内面を無菌環境内で殺菌する容器内面殺菌工程をさらに備えることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
容器および容器内部空間の空気温度を40℃以上で仮キャップを行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
該デキャップ工程で容器から取外された仮キャップを回収し再利用することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
該開梱工程において、バルク多段積載した容器を梱包用フイルムで包装したバルク包装体に清浄な空気を吹き付けることにより該バルク包装体の埃やごみを洗浄することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
容器開口部に容器殺菌方法に応じて耐熱性または耐薬剤性を有する仮キャップを施したことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載された方法により提供される殺菌済み容器。
【請求項13】
容器胴部の最大外径が容器開口部に施された仮キャップの最大外径と同一かまたはそれよりも大きいことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載された方法により提供される殺菌済み容器。
【請求項14】
バルク多段積載した容器を梱包用フイルムで包装する際その包装天面が平坦で折返しがないように包装したことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の方法の実施に使用されるバルク包装体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−248534(P2006−248534A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−63696(P2005−63696)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】
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