説明

アゾ化合物又はその塩、及び該化合物又はその塩を含有する偏光膜

【課題】 染料系偏光膜の一般的特徴である、高温かつ高湿条件下における耐久性や長時間暴露に対する高い耐光性を具備しつつ、かつヨウ素系に匹敵する高い偏光性能を有する偏光膜、及び該偏光膜に好適な染料の偏光材料を提供する。
【解決手段】 式(I)で表されるアゾ化合物又はその塩、並びに、該化合物又はその塩を有する偏光膜。


(式中、Aは、スルホ及び/若しくはカルボキシルを1〜2個有するフェニル、又は1〜3個のスルホを有するナフチルを表す。R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 は、互いに同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のアルコキシを表す。Xは、−N=N−又は−NHCO−を表し、Yは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、アミノ基、水酸基、カルボキシル又はスルホを表し、Zは、カルボキシル又はスルホを表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶プロジェクターなどの液晶表示装置(LCD)、プロジェクションテレビなどのフラットパネル表示装置(FPD)に用いられる染料系偏光膜に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶プロジェクターなどの液晶表示装置(LCD)、プロジェクションテレビなどのフラットパネル表示装置(FPD)は最近、光量の増加や屋外での使用が可能なように高い耐光性のみならず、高い偏光度が求められている。該装置には偏光板が用いられ、その偏光板には、延伸配向したポリビニルアルコール又はその誘導体のフィルムなどの偏光膜基材に、偏光材料としてのヨウ素や二色性染料を含有せしめて製造される偏光膜や、ポリ塩化ビニルフィルムの脱塩酸又はポリビニルアルコール系フィルムの脱水によりポリエンを生成配向せしめた偏光膜などが用いられている。
そして、特許文献1においては、偏光材料として二色性染料を用いる染料系偏光膜が、比較的高い偏光度を有し、しかも高温かつ高湿条件下における耐久性や長時間暴露に対する耐光性が優れていることが開示されている。しかしながら、一般に染料系偏光膜は、ヨウ素系偏光膜に比べて熱や水に対する耐久性に優れるものの、偏光性能が劣る傾向にあり、少しでもヨウ素系偏光膜に匹敵するだけの偏光性能を有する染料系偏光膜が要望されている。

【0003】
【特許文献1】特開2001−240762号公報(第7頁、式(Ib))
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、染料系偏光膜の一般的特徴である、高温かつ高湿条件下における耐久性や長時間暴露に対する高い耐光性を具備しつつ、かつヨウ素系に匹敵する高い偏光性能を有する偏光膜、及び該偏光膜に好適な染料の偏光材料を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、式(I)で表されるアゾ化合物又はその塩、並びに、該化合物又はその塩を有する偏光膜である。

(式中、Aは、スルホ及び/若しくはカルボキシルを1〜2個有するフェニル、又は1〜3個のスルホを有するナフチルを表す。R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 は、互いに同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のアルコキシを表す。Xは、−N=N−又は−NHCO−を表し、Yは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、アミノ基、水酸基、カルボキシル又はスルホを表し、Zは、カルボキシル又はスルホを表す。)
【発明の効果】
【0006】
本発明の化合物又はその塩を含有する偏光膜は、同種の染料系偏光膜の中でもひときわ偏光度が高く、ヨウ素系に匹敵する高い偏光度を有する。また、本発明の偏光膜は耐久性と長時間暴露に対する耐光性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
式(I)におけるAは、スルホ及び/若しくはカルボキシルを1〜2個有するフェニル、又は1〜3個のスルホを有するナフチルである。
フェニルとしては、例えば、2−、3−又は4−スルホフェニル、2−、3−又は4−カルボキシフェニル、2,4−又は2,5−ジスルホフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル、及び、2−カルボキシ−4−又は−5−スルホフェニルなどが挙げられ、中でもモノスルホフェニルは入手が容易であることから好ましい。
また、ナフチルとしては、例えば、5−、6−、7−又は8−スルホ−2−ナフチル、4−、5−、6−又は7−スルホ−1−ナフチル、6,8−、4,8−、5,7−又は3,6−ジスルホ−2−ナフチル、3,6−又は4,6−ジスルホ−1−ナフチル、及び、3,6,8−又は4,6,8−トリスルホ−2−ナフチル等が挙げられ、中でも、ジスルホナフチルは入手容易であることから好ましく、とりわけ、ジスルホ−2−ナフチルが好ましい。
【0008】
1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 は、互いに同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のアルコキシを表す。該アルキル及びアルコキシは、直鎖もしくは分岐状のいずれでもよい。アルキルの具体例としては、メチル、エチル及びプロピルなどが挙げられ、アルコキシの具体例としては、メトキシ、エトキシ及びプロポキシ等が挙げられる。
1〜R6としては、偏光度の観点から、水素原子、メチル又はメトキシが特に好ましい。
【0009】
式(I)におけるXは、−N=N−又は−NHCO−を表し、Yは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、アミノ基、水酸基、カルボキシル又はスルホを表し、Zは、カルボキシル又はスルホを表す。
【0010】
式(I)で表されるアゾ化合物又はその塩の製造方法としては、以下の方法が例示される。先ず、式(II)

(式中、Y、Zは前記と同じ意味を表す。)
で示される芳香族アミン化合物を、水性溶媒中、クロロ炭酸フェニルと反応させて、
【0011】
下式 (III)

(式中、Y、Zは前記と同じ意味を表す。)
で示されるカルバメート化合物を得る。
【0012】
次いで、このカルバメート化合物と、式(IV)

(式中、A、X、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、前記と同じ意味を表す。)
で示されるアゾ中間化合物とを、水性溶媒中、20〜60℃で反応させることにより、アゾ化合物(I)を得ることができる。
【0013】
アゾ化合物(I)の塩としては、式(I-1)〜(I-12)の化合物が例示される。

【0014】

【0015】
アゾ化合物(I)が塩の形で存在する場合、その塩としては、リチウム塩やナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び、エタノールアミン塩やアルキルアミン塩のような有機アミン塩等が挙げられる。アゾ化合物(I)を偏光膜基材に含有させる場合は、ナトリウム塩の形で用いるのが好ましい。
【0016】
本発明の偏光膜は、前記アゾ化合物又はその塩を偏光膜基材に含有してなるものである。
偏光膜には、前記アゾ化合物又はその塩に加えて、他の有機染料と含有させることにより、色相を補正し、偏光性能を向上させることができる。この場合に用いられる有機染料としては、二色性の高いものであればいかなる染料でもよいが、特に耐光性に優れる染料を選択することにより、液晶プロジェクター用途に適した偏光膜とすることができる。
【0017】
極大吸収波長が500〜570nmの範囲である染料としては、下式(V)で示されるアゾ化合物又はその塩が例示される。

【0018】
ここで、式(V)中のDは、スルホ及び/若しくはカルボキシルを1〜2個有するフェニル、又は1〜3個のスルホを有するナフチルを表す。Dのフェニル若しくはナフチルには、炭素数1〜4のアルキル及び/又は炭素数1〜4のアルコキシが1〜2個結合していてもよい。
Dのフェニルとしては、例えば2−、3−又は4−スルホフェニル、2−、3−又は4−カルボキシフェニル、2,4−又は2,5−ジスルホフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル、2−カルボキシ−4−又は−5−スルホフェニル、2−又は3−メチル−4−スルホフェニル、2−又は3−メチル−4−カルボキシフェニル、2,5−ジメチル−4−スルホフェニル、2,5−ジメチル−4−カルボキシフェニル、2−又は3−メトキシ4−スルホフェニル、2−又は3−メトキシ4−カルボキシフェニル、2,5−ジメトキシ4−スルホフェニル、及び、2,5−ジメトキシ4−カルボキシフェニル等が挙げられる。
フェニルとしては、中でもモノスルホフェニルは入手が容易であることから好ましい。
また、Dのナフチルとしては、例えば、5−、6−、7−又は8−スルホ−2−ナフチル、4−、5−、6−又は7−スルホ−1−ナフチル、6,8−、4,8−、5,7−又は3,6−ジスルホ−2−ナフチル、3,6−又は4,6−ジスルホ−1−ナフチル、及び、3,6,8−又は4,6,8−トリスルホ−2−ナフチル等が挙げられる。
ナフチルとしては、ジスルホナフチルが入手容易であることから好ましく、とりわけジスルホ−2−ナフチルが好ましい。
【0019】
式(V)中のR7、R8、R9及びR10は、互いに同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のアルコキシを表す。該アルキル及びアルコキシは、直鎖もしくは分岐状のいずれでもよい。アルキルの具体例としては、メチル、エチル及びプロピルなどが挙げられ、アルコキシの具体例としては、メトキシ、エトキシ及びプロポキシ等が挙げられる。
〜R10としては、偏光度の観点から、水素原子、メチル又はメトキシが特に好ましい。
【0020】
Eは−NH−、−N=N−又は−NHCO−を表す。
Fは、フェニルを表し、Fのフェニルには、ヒドロキシ、アミノ、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ及びスルホからなる群から選ばれる基が1〜2個結合していてもよい。ここでアルキル及びアルコキシとしては、R〜R10として例示された基が挙げられる。Fとしては、フェニル、4−アミノフェニル及びヒドロキシフェニルが製造が容易であることから好ましい。
nは0又は1を表し、とりわけ0が製造が容易であることから好ましい。
【0021】
式(V)の化合物としては、式(V-1)〜(V-7)などが例示される。

【0022】
式(V)の化合物が塩の形で存在する場合、その塩としては、リチウム塩やナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び、エタノールアミン塩やアルキルアミン塩のような有機アミン塩等が挙げられる。式(V)の化合物を偏光膜基材に含有させる場合は、ナトリウム塩の形で用いるのが好ましい。
【0023】
式(V)で表される化合物は、アゾ化合物(I)に準じた方法で製造することができる。
【0024】
本発明の偏光膜は、アゾ化合物(I)又はその塩、好ましくは、式(V)の化合物などのような極大吸収波長が500〜570nmの範囲である染料を含有させ、必要に応じて、さらに他の有機染料を含んでなる二色性染料を、高分子フィルム状の偏光膜基材に公知の方法で含有させることによって、製造することができる。
本発明の偏光膜に用いられる偏光膜基材としては、例えば、ポリビニルアルコール系の樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン/酢酸ビニル(EVA)樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂などからなるものが利用される。ここでいうポリビニルアルコール系の樹脂には、ポリ酢酸ビニルの部分又は完全ケン化物であるポリビニルアルコール自体のほか、ケン化EVA樹脂のような、酢酸ビニルと他の共重合可能な単量体、例えば、エチレンやプロピレンのようなオレフィン類、クロトン酸やアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸のような不飽和カルボン酸類、不飽和スルホン酸類、ビニルエーテル類などとの共重合体のケン化物、さらにはポリビニルアルコールをアルデヒドで変性したポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなども包含される。
偏光膜基材としては、ポリビニルアルコール系のフィルム、特にポリビニルアルコールフィルムが、染料の吸着性及び配向性の点から、好適に用いられる。
【0025】
偏光膜基材に二色性染料を含有させる方法としては、通常、高分子フィルムを染色する方法が採用される。染色は、例えば次のようにして行うことができる。まず、二色性染料を水に溶解して染浴を調製する。染浴中の染料濃度は特に制限されないが、通常は0.0001〜10重量%の範囲から選択される。また、必要により染色助剤を用いてもよく、例えば、芒硝を染浴中で1〜10重量%用いるのが好適である。このようにして調製した染浴に高分子フィルムを浸漬し、染色を行う。染色温度は、好ましくは40〜80℃である。二色性染料の配向は、高分子フィルムを延伸することによって行われる。延伸する方法としては、例えば湿式法や乾式法など、公知のいずれの方法を採用してもよい。高分子フィルムの延伸は、染色の前に行っても、染色の後に行ってもよい。
【0026】
二色性染料を含有させ、配向させた高分子フィルムは、必要に応じて、公知の方法によりホウ酸処理などの後処理が施される。このような後処理は、偏光膜の光線透過率、偏光度及び耐久性を向上させる目的で行われる。ホウ酸処理の条件は、用いる高分子フィルムの種類や用いる染料の種類によって異なるが、一般的には、ホウ酸水溶液のホウ酸濃度を1〜15重量%、好ましくは5〜10重量%の範囲とし、処理は30〜80℃、好ましくは50〜80℃の温度範囲で行われる。さらには必要に応じて、カチオン系高分子化合物を含む水溶液でフィックス処理を併せて行ってもよい。
【0027】
このようにして得られた偏光膜は、その片面又は両面に、光学的透明性及び機械的強度に優れる保護膜を貼合して、偏光板とすることができる。保護膜を形成する材料は、従来から使用されているものでよく、例えば、セルロースアセテート系フィルムやアクリル系フィルムのほか、四フッ化エチレン/六フッ化プロピレン共重合体のようなフッ素樹脂系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリアミド系フィルムなどが用いられる。
【0028】
本発明のポリアゾ化合物又はその塩を含む偏光膜は、ヨウ素系偏光膜に匹敵する高い偏光度を示し、さらに、耐久性と長時間暴露に対する耐光性を示す。
本発明の偏光膜はその優れた特性から、カーナビゲーション、液晶プロジェクター、プロジェクション用テレビなどの大光量の液晶表示装置等に好適に使用することができる。
【実施例】
【0029】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例により、何ら限定されるものではない。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、重量%及び重量部である。
【0030】
(実施例:アゾ化合物(I)の製造例)
メタニル酸ナトリウム8部を水100部に溶解した後、20〜25℃の温度で、15%炭酸ナトリウム水溶液によりpH7〜8に調整しながら、クロロ炭酸フェニル8部を30分かけて滴下した。滴下終了後、同温度及び同pHで1時間攪拌後、析出した結晶を濾過して、下式(1)で示される中間体を得た。

【0031】
続いて、得られた中間体(1)の全量と、式(2)

【0032】
で示されるジスアゾ中間化合物7部を、水100部及びN−メチルピロリドン100部の混合液に加え、40〜45℃の温度で、15%炭酸ナトリウム水溶液によりpH8〜9に調整しながら3時間攪拌した。不溶解物を濾過により除いた後、濾液にエタノール300部を加えて結晶を析出させた。この析出した結晶を濾過した後、得られたケーキを水220部とN−メチルピロリドン80部の混合液に再度、溶解した。この液に塩化ナトリウム30部を加え、析出した結晶を濾過することにより、(I-1)で示されるジスアゾ化合物の塩を得、この塩は、水性媒体中でλmax 404nmを示した。
【0033】
(偏光膜の製造例)
厚さ75μm のポリビニルアルコールフィルム[クラレビニロン#7500、(株)クラレ製品]を縦一軸に5倍延伸して、偏光膜基材とした。このポリビニルアルコールフィルムを緊張状態に保ったまま、実施例1で得られた式(I-1)で示されるジスアゾ化合物の塩を0.025%、染色助剤である芒硝を2.0%の濃度とした70℃の水溶液に浸漬した。次に78℃の7.5%ホウ酸水溶液に5分間浸漬したのち取り出して、20℃の水で20秒間洗浄し、50℃で乾燥することにより、偏光膜を得た。得られた偏光膜のλmax は440nmであった。この偏光膜の440nmでの偏光度を測定した結果、単体透過率43%における偏光度は、99.25%で、高い偏光度を示した。また、高温・高湿の状態でも長時間にわたる耐久性を示し、長時間暴露に対する耐光性にも優れていた。
【0034】
(比較例)
アゾ化合物(I-1)の代わりに、特許文献1の第7頁、式(1b)で表される化合物を用いて、実施例と同様にして偏光膜を得た。得られた偏光膜のλmaxは440nmであった。この偏光膜の440nmでの偏光度を測定した結果、単体透過率43%における偏光度は、98.75%にとどまった。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の偏光膜は、高い偏光性能に加え、耐久性、耐光性に優れることから、カーナビゲーション、液晶プロジェクター、プロジェクション用テレビなどの液晶表示装置等に用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表されるアゾ化合物又はその塩。

(式中、Aは、スルホ及び/若しくはカルボキシルを1〜2個有するフェニル、又は1〜3個のスルホを有するナフチルを表す。R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 は、同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のアルコキシを表す。Xは、−N=N−又は−NHCO−を表し、Yは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、アミノ基、水酸基、カルボキシル又はスルホを表し、Zは、カルボキシル又はスルホを表す。)
【請求項2】
Aが、モノスルホフェニル又はジスルホナフチルである請求項1に記載のアゾ化合物又はその塩。
【請求項3】
1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 が、互いに同一又は相異なり、水素原子、メチル又はメトキシである請求項1又は2に記載のアゾ化合物又はその塩。
【請求項4】
Yが水素原子である請求項1〜3のいずれかに記載のアゾ化合物又はその塩。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のアゾ化合物又はその塩を偏光膜基材に含有してなる偏光膜。
【請求項6】
偏光膜基材に、請求項1〜5のいずれかに記載のアゾ化合物又はその塩に、極大吸収波長が500〜570nmの範囲である染料を含有してなる偏光膜。
【請求項7】
極大吸収波長が500〜570nmの範囲である染料が、下式(V)で表されるアゾ化合物又はその塩である請求項6に記載の偏光膜。

(式中、Dは、スルホ及び/若しくはカルボキシルを1〜2個有するフェニル、又は1〜3個のスルホを有するナフチルを表す。Dのフェニル若しくはナフチルには、炭素数1〜4のアルキル及び/又は炭素数1〜4のアルコキシが1〜2個結合していてもよい。R7、R8、R9及びR10は、互いに同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のアルコシキを表す。Eは−NH−、−N=N−又は−NHCO−を表す。Fは、フェニルを表し、Fのフェニルには、ヒドロキシ、アミノ、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ及びスルホからなる群から選ばれる基が1〜2個結合していてもよい。nは0又は1を表す。)
【請求項8】
7、R8、R9及びR10が、互いに同一又は相異なり、水素原子、メチル又はメトキシである請求項7に記載の偏光膜。
【請求項9】
Fが、ヒドロキシ又はアミノが結合していてもよいフェニルである請求項7又は8に記載の偏光膜。
【請求項10】
Dが、モノスルホフェニル又はジスルホナフチルである請求項7〜9のいずれかに記載の偏光膜。
【請求項11】
偏光膜基材が、ポリビニルアルコールである請求項5〜10のいずれかに記載の偏光膜。
【請求項12】
請求項5〜11のいずれかに記載の偏光膜を有する液晶表示装置。

【公開番号】特開2006−182846(P2006−182846A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−375921(P2004−375921)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】