説明

アゾ化合物

【課題】 色相が良好で、熱堅牢性及び光堅牢性が高い染料として有用な、新規アゾ化合物を提供する。
【解決手段】 下記一般式(I)で表されるピリミジンアゾ化合物およびこの互変異性体。式(I)中、R1はヘテロ環基を表し、R2はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R3、R4、R5、R6、R7、及びR8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基などを表す。R3とR4、R5とR6、R7とR8とが互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成してもよい。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アゾ色素として有用な新規なアゾ化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アゾ色素は種々の可視光吸収を有することが多いために、色素として種々の分野で利用されてきた。例えば合成樹脂の着色、印刷インク、昇華型感熱転写材料用色素、インクジェット用インク、カラーフィルタ用色素等、種々の分野で用いられるようになってきている。色素としてアゾ色素に要求される大きな性能に吸収スペクトルがある。色素の色相は、色素によって着色した物体の色目、風合い等に大きな影響を与え、視覚に与える効果が大きい。従って、古くから色素の吸収スペクトルに関する研究がなされている。総説としては非特許文献1に示されており、成書としては非特許文献2、3等が有り、アゾ色素あるいはアゾ顔料の章に詳細に説明されている。
【0003】
近年、画像記録材料として、カラー画像が主流となり、色素の使用用途も多様化してきた。具体的には、インクジェット方式の記録材料、感熱転写方式の記録材料、電子写真方式の記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク等に盛んに利用されている。また、撮影機器ではCCDなどの撮像素子において、ディスプレイではLCDやPDPにおいて、カラー画像を記録、再現するためにカラーフィルタが使用されている。更には色素や毛髪の染色にも使用されている。これらのカラー画像記録材料やカラーフィルタでは、フルカラー画像を再現あるいは記録するために、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の着色剤(染料や顔料)が使用されている。しかし、好ましい色再現域を実現できる吸収特性を有し、且つさまざまな使用条件、環境条件に耐えうる、色相が良く堅牢な着色剤が無いのが現状であり、改善が強く望まれている。
これらの各用途で使用する着色剤には、共通して、色再現上好ましい吸収特性を有すること、使用される環境条件化での堅牢性、モル吸光係数が大きいこと等が要求される。
従来から含窒素5員環をアゾ成分とするアゾ染料は、特許文献1〜6に開示されているが、いずれも色相、堅牢性、分子吸光係数を満足させるものではなかった。また、非特許文献4には5員環複素環アゾ染料の合成方法が記載されているが色相、分光吸光係数等を満足するものではなかった。
【特許文献1】特開昭55−161856号公報
【特許文献2】特開平6−145543号公報
【特許文献3】特開平7−224230号公報
【特許文献4】特開平9−234964号公報
【特許文献5】特開平9−277703号公報
【特許文献6】特開2003−246942号公報
【非特許文献1】J.Fabian and H.Hartmann Light Absorption of Organic Colorants, Springer−Verlag, Berline, (1980年)J.Fabian著
【非特許文献2】Color Chemistry Heinrich Zollinger著Weinheim・New York・Basel・Cambridge、
【非特許文献3】合成染料 野口博著、三共出版株式会社、(1970年)
【非特許文献4】Journal of Heterocyclic Chemistry(1985年)22巻813〜816頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、良好な色相及び堅牢性を有し、高い分光吸光係数を有する新規な構造のアゾ色素を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の含窒素複素環アゾ色素が、良好な色相を有し、かつ光および熱に対して良好な堅牢性を発揮するとの知見を得た。前記課題を解決するための具体的手段を以下に示す。
<1>下記一般式(I)で表されるピリミジンアゾ化合物およびこの互変異性体。
【0006】
【化1】

【0007】
一般式(I)中、R1はヘテロ環基を表し、R2は、水素原子又は置換基を表す。R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。R3とR4、R5とR6、R7とR8とが互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明のピリミジンアゾ化合物は色相に優れ、光、熱、湿度および環境中の活性ガスに対して充分な堅牢性を有する染料として有用な新規化合物であって、高い分光吸収係数を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に本発明を詳細に説明する。
本明細書における「ヘテロ環基」とは、そのヘテロ環部位は環内にヘテロ原子(例えば、窒素原子、イオウ原子、酸素原子)を持つものであり、飽和環であっても、不飽和環であってもよく、単環であっても縮合環であってもよく、無置換であっても置換基を有していてもよい。例えば、テトラヒドロフラニル基、ジヒドロフラニル基、ジヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジヒドロピラニル基、オキソカニル基、ジオキサニル基、テトラヒドロチオフェニル基、ヂチアニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、テトラヒドロピリジニル基、ピペラジニル基、ホモピペラジニル基、ピペリジニル基、ピロリル基、フリル基、チオフェニル基、ベンゾピロリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ピラゾリル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、インダゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリジル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、アクリジニル基、フェナンスリジニル基、フタラジニル基、カルバゾリル基、ウラシル基、ジチオウラシル基、カルボリニル基、プリニル基、チアジアゾリル基等をあげることができ、これらは無置換であっても置換基を有していてもよい。
【0010】
また、本明細書における「置換基」とは、置換可能な基であればよく、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アルキニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アルケニルスルホニル基、アルキニルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、アルキルスルホニルオキシ基、アルケニルスルホニルオキシ基、アルキニルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、ヘテロ環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、アルキルスルホンアミド基、アルケニルスルホンアミド基、アルキニルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルケニルアミノ基、アルキニルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、アルケニルオキシカルボニルアミノ基、アルキニルオキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルケニルスルフィニル基、アルキニルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アルキニルチオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、アルキルオキシアミノ基、アルケニルオキシアミノ基、アルキニルオキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基、カルバモイルスルファモイル基、ジアルキルオキシフォスフィニル基、ジアルケニルオキシフォスフィニル基、ジアルキニルオキシフォスフィニル基、ジアリールオキシフォスフィニル基等をあげることができる。
更に、本明細書中における「アリール基」とは、単環であっても縮合環であってもよく、無置換であっても置換基(上記で説明した置換基)を有していてもよい。(2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい)
【0011】
以下に本発明の一般式(I)で表される化合物を詳細に説明する。
【0012】
【化2】

【0013】
式中、R1はヘテロ環基を表す。好ましくは炭素数1〜36のヘテロ環基で、更に好ましくは炭素数2〜24のへテロ環基で、例えば、ピロリル基、フリル基、チオフェニル基、ベンゾピロリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ピラゾリル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、インダゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリジル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、アクリジニル基、フェナンスリジニル基、フタラジニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、プリニル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基が好ましく、中でも、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリニル基、4−キノリニル基、1−イソキノリニル基、3−イソキノリニル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、2−ピラジニル基、2−プリニル基、6−プリニル基、8−プリニル基、3−トリアゾリル基、5−トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−チアジアゾリル基、5−チアジアゾリル基が更に好ましい。
【0014】
1のヘテロ環基が置換可能な基である場合には、前述の置換基の項で説明した置換基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。本発明の効果をより効果的に奏する点から、以下の基が好適である。すなわち、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜48の、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜48のアルケニル基で、例えば、ビニル、アリール、3−ブテン−1−イル)、アリール基(好ましくは炭素数6〜48のアリール基で、例えば、フェニル、ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜32のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル、4−ピリジル、2−フリル、2−ピリミジニル、1−ピリジル、2−ベンゾチアゾリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、ベンゾトリアゾール−1−イル)、シリル基(好ましくは炭素数3〜38のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリブチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ヘキシルジメチルシリル)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜48のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、1−ブトキシ、2−ブトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、ドデシルオキシ、シクロアルキルオキシ基で、例えば、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜48のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜32のヘテロ環オキシ基で、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシ)、
【0015】
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ、ピバロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ドデカノイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基で、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜32オアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1から48のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N−ブチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ、N−プロピルスルファモイルオキシ)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ、ヘキサデシルスルホニルオキシ、シクロヘキシルスルホニルオキシ)、アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6〜32のアリールスルホニルオキシ基で、例えば、フェニルスルホニルオキシ)、
【0016】
アシル基(好ましくは炭素数1から48のアシル基で、例えば、ホルミル、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、テトラデカノイル、シクロヘキサノイル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜48のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜32のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜48のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、ンーエチル−N−オクチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−メチルN−フェニルカルバモイル、N,N−ジシクロへキシルカルバモイル)、アミノ基(好ましくは炭素数32以下のアミノ基で、例えば、アミノ、メチルアミノ、N,N−ジブチルアミノ、テトラデシルアミノ、2−エチルへキシルアミノ、シクロヘキシルアミノ)、アニリノ基(好ましくは炭素数6〜32のアニリノ基で、例えば、アニリノ、N−メチルアニリノ)、ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜32のヘテロ環アミノ基で、例えば、4−ピリジルアミノ)、カルボンアミド基(好ましくは、炭素数1〜32のカルボンアミド基で、例えば、アセトアミド、ベンズアミド、ピバロイルアミド、シクロヘキサンアミド、アダマンチルアミノ、2−エチルヘキサンアミド、但し、パーフロロアルキルカルボニルアミノ基は除く)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜32のウレイド基で、例えば、ウレイド、N,N−ジメチルウレイド、N−フェニルウレイド)、イミド基(好ましくは炭素数10以下のイミド基で、例えば、N−スクシンイミド,N−フタルイミド)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜48のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、オクタデシルオキシカルボニルアミノ、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜32のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、アゾ基(好ましくは炭素数1〜32のアゾ基で、例えば、フェニルアゾ、3−ピラゾリルアゾ)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜48のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ、シクロヘキシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜48のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜32のヘテロ環チオ基で、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2−ピリジルチオ、1−フェニルテトラゾリルチオ)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜32のアルキルスルフィニル基で、例えば、ドデカンスルフィニル)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜32のアリールスルフィニル基で、例えば、フェニルスルフィニル)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜48のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソプロピルスルホニル、2−エチルヘキシルスルホニル、ヘキサデシルスルホニル、オクチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル)、
【0017】
アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜48のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル)、スルファモイル基(好ましくは炭素数32以下のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N−エチル−N−フェニルスルファモイル、N−シクロヘキシルスルファモイル)、スルホ基、ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜32のホスホニル基で、例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、ホスフィノイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜32のホスフィノイルアミノ基で、例えば、ジエトキシホスフィノイルアミノ、ジオクチルオキシホスフィノイルアミノ)である。
これらの置換基が、更に置換可能な基である場合には、前記置換基で置換されていてもよく。2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は、同一であっても異なっていてもよい
【0018】
一般式(I)におけるR2は、水素原子または置換基を表す。R2の置換基は既述の置換基の項で説明した基と同義である。
2の置換基が、更に置換可能な基である場合には、既述の置換基の項で説明した基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0019】
本発明の効果をより効果的に奏する点から、R2は以下の基が好適である。
すなわち、R2は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルケニルスルホニルオキシ基、アルキニルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホンアミド基、アルケニルスルホンアミド基、アルキニルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルケニルアミノ基、アルキニルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、アルケニルオキシカルボニルアミノ基、アルキニルオキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基である場合が好ましく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、アリール基、アシルオキシ基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルケニルスルホニルオキシ基、アルキニルスルホニルオキシ基である場合が更に好ましく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基である場合は最も好ましい。
【0020】
前記R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。
3、R4、R5、R6、R7及びR8が置換可能な基である場合には、前記「置換基」での項で述べた置換基を有していてもよく、2個以上の置換基を有している場合にはそれらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。また、R3とR4、R5とR6、R7とR8とが互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成してもよい。本発明の効果をより効果的に奏する点から、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す場合が好ましく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す場合が更に好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルスルホニル基である場合は最も好ましい。
【0021】
本発明の効果をより効果的に奏する点から、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す場合が好ましく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す場合が更に好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルスルホニル基である場合は最も好ましい。
【0022】
より好ましくは、一般式(I)において、R1は3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリニル基、4−キノリニル基、1−イソキノリニル基、3−イソキノリニル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、2−ピラジニル基、2−プリニル基、6−プリニル基、8−プリニル基、3−トリアゾリル基、5−トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−チアジアゾリル基、5−チアジアゾリル基、R2は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、アリール基、アシルオキシ基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルケニルスルホニルオキシ基、アルキニルスルホニルオキシ基、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表される色素が挙げられる。
【0023】
更に好ましくは、一般式(I)において、R1は3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリニル基、4−キノリニル基、1−イソキノリニル基、3−イソキノリニル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、2−ピラジニル基、2−プリニル基、6−プリニル基、8−プリニル基、3−トリアゾリル基、5−トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−チアジアゾリル基、5−チアジアゾリル基、R2は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シアノ基、アシルオキシ基、アルキルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表される色素が挙げられる。
【0024】
最も好ましくは、一般式(I)において、R1は3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、2−ピラジニル基、3−トリアゾリル基、5−トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−チアジアゾリル基、5−チアジアゾリル基、R2は水素原子、アルキル基、シアノ基、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表される色素が挙げられる。
【0025】
本発明の色素はR1〜R8を介して、金属イオン、又は含窒素化合物からなるカチオン等と塩を形成していてもよい。金属イオンが2価以上の金属イオンである場合には、前記一般式(I)で表される色素が2個以上(同一であっても、異なっていてもよい)、R1〜R9のいずれかを介して結合を形成して、ビス体、トリス体、又は多量体を形成していてもよい。この際の金属イオンは前記一般式(I)で表される色素の置換基に含まれるアニオン部と塩を形成するカチオン性のものであれば限定はない。好ましい金属イオンとしてはLi、Na、K、Rb、Cs、Ag,Mg,Ca,Sr,Ba、Zn、Al、Ni、Cu、Co、Feが挙げられる。含窒素化合物は、特開2005−99658号のページ12〜ページ20に記載の化合物等が挙げられる。
【0026】
前記一般式(I)で表される色素と含窒素化合物からなるカチオンとの塩における含窒素化合物/酸性染料のモル比(以下nという。)について説明する。nは前記一般式(I)で表される色素分子と対イオンである含窒素化合物とのモル比率を決定する値であり、前記一般式(I)で表される色素−アミン化合物の塩形成条件によって自由に選択することができる。具体的には、前記一般式(I)で表される色素中の酸の官能基数の0<n≦5の間の数値が実用上多く用いられ、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等、必要とする性能の全てを考慮して選択される。吸光度のみの観点で選択すると、上記nは0<n≦4.5の間の数値をとることが好ましく、0<n≦4の間の数値をとることがさらに好ましく、0<n≦3.5の間の数値をとることが特に好ましい。
【0027】
次に、本発明における一般式(I)で表されるピリミジンアゾ化合物の具体例(例示化合物(1)〜(74))を以下に示すが、本発明はこれらによって限定されるわけではない。
【0028】
【化3】

【0029】
【化4】

【0030】
【化5】

【0031】
【化6】

【0032】
【化7】

【0033】
【化8】

【0034】
【化9】

【0035】
【化10】

【0036】
【化11】

【0037】
【化12】

【0038】
【化13】

【0039】
【化14】

【0040】
【化15】

【0041】
【化16】

【0042】
【化17】

【0043】
【化18】

【0044】
【化19】

【0045】
【化20】

【0046】
【化21】

【0047】
【化22】

【0048】
【化23】

【実施例】
【0049】
以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[合成例]:例示化合物(1)の合成
前記例示化合物(1)の具体的な合成方法〔Step(1)〜(4)〕をその反応スキーム(下記反応スキームA)とともに示す。なお、出発物質を代えることで同様にして他の化合物を合成することができるが、本発明のピリミジンアゾ化合物の合成法はこれに限定されるものではない。
【0050】
【化24】

【0051】
(1)化合物(B)の合成
2−アミノ−1−メトキシプロパン61.0g(0.684モル)に化合物(A)50.0g(0.273モル)を滴下した後、75℃に加熱、攪拌した。この溶液にトリエチルアミン76ml(0.545モル)を滴下した。滴下終了後、105℃〜115℃で7.5時間加熱、攪拌した。反応終了後、反応液を室温に冷却してから水300mlと酢酸エチル300mlを添加して抽出した。この酢酸エチル溶液を水洗して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製した。化合物(B)70.0g(収率:88.8%)を得た。化合物(A)は、シグマ−アルドリッチ社製を用いた。
【0052】
(2)化合物(C)の合成
前記の方法で得た化合物(B)70.0g(0.242モル)にメトキシプロピルアミン53.9g(0.605モル)を加え、外温160℃〜170℃で29時間加熱、攪拌した。反応終了後、反応液を室温に冷却してから水400mlと酢酸エチル400mlを添加して抽出した。この酢酸エチル溶液を水洗して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製した。化合物(C)51.8g(収率:62.8%)を得た。
【0053】
(3)化合物(E)の合成
化合物(D)5.00g(0.046モル)を燐酸56.0mlに溶かした溶液を0℃で攪拌下に、亜硝酸ナトリウム3.51g(0.051モル)を添加し、1時間間攪拌した。反応液に化合物(C)15.3g(0.045モル)の酢酸5.0ml溶液を添加し、25℃で3時間攪拌した。反応液に酢酸エチル500ml、水500mlを加えた後、炭酸水素ナトリウムにて中和した。有機層を水で充分洗浄して溶媒を留去した。残渣に酢酸エチル200mlを加えて溶解させた後、n−ヘキサン600mlを加えて析出した粘ちょう個体を除いた後、ろ液に更にn−ヘキサン600mlを加えて析出した黄色個体をろ別した。得られた結晶を乾燥し、化合物(E)を19.0g得た。収率89.1%
【0054】
(4)例示化合物(1)の合成
化合物(E)3.8g(0.0083モル)にジメチルアセトアミド20ml、炭酸水素ナトリウム2.18g(0.0259モル)、2−クロロベンゾチアゾール2.10g(0.0124モル)、蒸留水2.0mlを加え、90℃〜95℃で15時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温に冷却してから水400mlと酢酸エチル400mlを添加して抽出した。この酢酸エチル溶液を飽和食塩水300mlで2回洗浄した後、水洗して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製した。酢酸エチル100mlに溶解させた後、n−ヘキサン400mlを加えた。析出した固体をろ取し、n−ヘキサン100mlで洗浄し、乾燥し、目的物質である黄色結晶の本発明の例示化合物(1)を4.2g得た(収率85.7%)。
【0055】
得られた例示化合物(1)の融点の測定、および酢酸エチル中における極大吸収波長(λmax)およびモル吸光係数(ε)の分光光度計UV−3100PC(島津製作所社製)による測定を行ったところ、融点132℃〜133℃、極大吸収波長λmax=437.1nm、ε=46250であった。
【0056】
上記より得られた例示化合物(1)について、NMRによる構造確認を行なったところ、1H−NMR(300MHz、溶媒:ジメチル−d6スルホキシド、標準物質:テトラメチルシラン)δ[10.65ppm(t)、10.53ppm(t)、10.48ppm(d)、10.40ppm(t)](total 1H)、[9.498(s)、9.501(s)](total 1H)、8.15(1H、d)、7.95(1H、d)、7.55−7.64(1H,m)、7.57(1H,t)、7.47(1H,t)、[6.94(t)、6.78−6.80(m)、6.69(d)](total 1H)、4.37−4.53(1H,m)、4.25−4.37(1H,m)、3.23−3.70(17H,m)、1.78−1.89(2H、m)、1.22−1.32(6H,m)であった。
【0057】
〔実施例2〕
[合成例]:例示化合物(2)の合成
例示化合物(1)10.0g(0.0168モル)にN−メチル−2−ピロリドン50ml、ヨウ化メチル9.56g(0.0674モル)、水酸化リチウム一水和物1.5g(0.0353モル)、テトラブチルアンモニウムブロミド2.7g(0.0084モル)を加えて室温で20時間攪拌した。反応混合物に水400mlと酢酸エチル400mlを添加して抽出した。この酢酸エチル溶液を飽和食塩水300mlで2回洗浄した後、水洗して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製した。酢酸エチル100mlに溶解させた後、n−ヘキサン400mlを加えた。析出した固体をろ取し、n−ヘキサン100mlで洗浄し、乾燥し、黄色結晶の本発明の例示化合物(2)を10.0g得た(収率97.8%)。
得られた例示化合物(2)の酢酸エチル中における極大吸収波長(λmax)およびモル吸光係数(ε)の分光光度計UV−3100PC(島津製作所社製)による測定を行ったところ、極大吸収波長λmax=440.5nm、ε=50620であった。
【0058】
上記より得られた例示化合物(2)について、NMRによる構造確認を行なったところ、1H−NMR(300MHz、溶媒:ジメチル−d6スルホキシド、標準物質:テトラメチルシラン)δ[10.22−10.28ppm(m)、10.17ppm(t)、10.13ppm(t)](total 1H)、[9.248(s)、9.23(s)](total 1H)、7.91(1H、d)、7.70(1H、d)、7.32(1H,t)、7.25(1H,t)、[6.62(t)、6.50(t)](total 1H)、4.90−5.03(1H,m)、4.10−4.28(1H,m)、2.98−3.45(17H,m)、2.78−2.84(3H、m)、1.54−1.66(2H、m)、0.87−1.10(6H,m)であった。
【0059】
〔実施例3〕
[合成例]:例示化合物(22)の合成
反応スキームAの化合物(E)に2−クロロピリミジンを作用させ、前記例示化合物(1)の合成と同様な方法で例示化合物(22)を合成した。
この色素のλmaxは 430.1nmで、εは36030であった。
【0060】
上記より得られた例示化合物(22)について、NMRによる構造確認を行なったところ、1H−NMR(300MHz、溶媒:ジメチル−d6スルホキシド、標準物質:テトラメチルシラン)δ[10.51ppm(t)、10.43ppm(d)、10.37ppm(t)、10.29ppm(d)](total 1H)、[9.45(s)、9.44(s)](total 1H)、[8.95(d)、8.94(d)](total 1H)、7.48−7.58ppm(1H、m) [6.97(t)、6.83(t)、6.78(d)、6.69(d)](total 1H)、4.40−4.60(1H,m)、4.25−4.40(1H,m)、3.23−3.66(17H,m)、1.78−1.91(2H、m)、1.12−1.30(6H,m)であった。
【0061】
〔実施例4〕
[合成例]:例示化合物(31)の合成
反応スキームAの化合物(E)に3−メチル−5−(フェニルスルホニル)−1,2,4−チアジアゾールを作用させ、前記例示化合物(1)の合成と同様な方法で例示化合物(31)を合成した。
この色素のλmaxは 435.0nmで、εは42010であった。
【0062】
上記より得られた例示化合物(31)について、NMRによる構造確認を行なったところ、1H−NMR(300MHz、溶媒:ジメチル−d6スルホキシド、標準物質:テトラメチルシラン)δ[10.62ppm(t)、10.52ppm(t)、10.44ppm(d)、10.38ppm(t)](total 1H)、[9.38(s)、9.38(s)、9.37(s)](total 1H)、7.62−7.701(1H,m)、[6.94(t)、6.78−6.80(m)、6.69(d)](total 1H)、4.37−4.50(1H,m)、4.25−4.37(1H,m)、3.20−3.70(17H,m)、2.57(3H,s)、1.78−1.88(2H、m)、1.14−1.30(6H,m)であった。
【0063】
〔実施例5〕
[合成例]:例示化合物(32)の合成
反応スキームAの化合物(E)に2−メチルピラジンを作用させ、前記例示化合物(1)の合成と同様な方法で例示化合物(32)を合成した。
この色素のλmaxは 432.9nmで、εは39120であった。
【0064】
上記より得られた例示化合物(32)について、NMRによる構造確認を行なったところ、1H−NMR(300MHz、溶媒:ジメチル−d6スルホキシド、標準物質:テトラメチルシラン)δ[10.57ppm(t)、10.50ppm(t)、10.40ppm(d)、10.37ppm(t)](total 1H)、9.43(1H、s)、9.22(1H、m)、8.73(1H、d)、8.62(1H、s)、7.51−7.59(1H、m)、[6.96(t)、6.78−6.83(1H、m)、6.70(d)](total 1H)、4.40−4.55(1H,m)、4.25−4.40(1H,m)、3.23−3.68(17H,m)、1.78−1.90(2H、m)、1.12−1.32(6H,m)であった。
【産業上の利用可能性】
【0065】
一般式(I)で表わされるピリミジンアゾ化合物およびこの互変異性体はアゾ色素として有用である。このアゾ色素の用途としては、CCD、CMOSなどの固体撮像素子や、LCD、PDP等ディスプレイに用いられるカラー画像を記録、再現するためのカラーフィルタ、あるいはこれらのカラーフィルタを作製するための硬化性組成物、カラー画像を形成するためのカラー画像記録材料、染色等が挙げられる。具体的には、カラーフィルタおよびこれらのカラーフィルタを作製するための硬化組成物、インクジェット方式記録材料、感熱記録材料、感圧記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン、繊維の染色、毛髪の染色等があり、好ましくはカラーフィルタ作製用硬化組成物、インクジェット方式記録材料、感熱記録材料、電子写真方式を用いる記録材料等への使用が挙げられる。
本発明に係る新規化合物であるピリミジンアゾ化合物およびこの互変異性体は、その用途に適した溶解性、分散性などの物性を、該化合物に導入する置換基を調整することによって最適化して使用することができる。また本発明の色素は、用いられる系に応じて溶解状態、乳化分散状態、固体分散状態でも使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表されるピリミジンアゾ化合物およびこの互変異性体。
【化1】

一般式(I)中、R1はヘテロ環基を表し、R2は、水素原子又は置換基を表す。R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。R3とR4、R5とR6、R7とR8とが互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成してもよい。

【公開番号】特開2007−39478(P2007−39478A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−222168(P2005−222168)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】