説明

アダプタおよび給紙システム

【課題】給紙装置の給紙台に用紙を簡易に積載する。
【解決手段】用紙処理装置は、用紙に所定の処理を施して用紙受け台106へ順次排出する。給紙装置は、給紙台14積載された用紙のうち最上位の用紙を順次送り出す。アダプタ102は、用紙処理装置から排出された用紙を、用紙受け台106に積載する代わりに給紙台14にて積載すべく、用紙受け台106の上方に給紙台14を配置する際に、用紙受け台106と給紙台14とに介在することによって両者の位置決めをする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙装置に使用されるアダプタ、および給紙システムに関する。
【背景技術】
【0002】
綴じ処理や製本処理などの後処理を行う後処理装置には、印刷や電子写真方式、インクジェット方式による画像記録が行われた用紙が供給される。このような後処理装置、および後処理装置に用紙を供給する給紙装置を備えるシステムとして、たとえば特許文献1では、給紙部において画像記録され積載された用紙から給紙動作を行って後処理部に用紙を送り出し、後処理部において用紙に後処理を施す多機能書類統合装置が提案されている。
【特許文献1】特開平5−319669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
後処理の生産性などを考慮すれば、給紙装置の給紙台にはできるだけ多くの用紙を積載することが望まれる。このため、近年給紙台に多くの用紙を積載することが可能な給紙装置の開発が進められている。しかし、画像記録され積載された用紙を特許文献1に記載されるよう給紙装置の給紙台に載せ替えるのは、積載される枚数が多いほど困難である。このため、給紙装置の給紙台に用紙を簡易に積載する技術の開発が強く求められている。
【0004】
そこで、本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、給紙装置の給紙台に用紙を簡易に積載することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のアダプタは、用紙処理装置によって処理された用紙を給紙装置へ移す際に用いられるアダプタであって、用紙処理装置は、用紙に所定の処理を施して用紙受け台へ順次排出するものであり、給紙装置は、給紙台に積載された用紙のうち最上位の用紙を順次送り出すものであり、用紙処理装置から排出された用紙を、用紙受け台に積載する代わりに給紙台にて積載すべく、用紙受け台の上方に給紙台を配置する際に、用紙受け台と給紙台とに介在することによって両者の位置決めをする。
【0006】
この態様によれば、本来用紙受け台に用紙を積載する用紙処理装置において、給紙装置から取り外してきた給紙台に直接用紙を積載することができる。このため、用紙処理装置の用紙受け台に積載された用紙を給紙装置の給紙台に載せ替える場合に比べ、給紙台に簡易に用紙を積載することができる。
【0007】
給紙台およびアダプタは、一方が位置決めピン、他方が位置決め孔を有し、アダプタを給紙台に置く工程において、位置決めピンが位置決め孔に挿入されることによりアダプタに対して給紙台が位置決めされてもよい。給紙装置は、給紙台が取り付けられるアームを有するものであり、給紙台が置かれたときに給紙台との間にアームが挿入されるアーム挿入空間が設けられるように形成されていてもよい。この態様によれば、アームを用いて給紙台を上方に移動させることによって、給紙台とアダプタとの相互の位置決めを容易に解除させることができる。
【0008】
本発明のある態様のアダプタは、用紙受け台のいずれかの側部に当接することにより、用紙受け台に対してアダプタを位置決めするアダプタ位置決め手段をさらに備えてもよい。この態様によれば、用紙受け台に位置決め孔や位置決めピンなどを設けることなくアダプタと用紙受け台とを相互に位置決めすることができる。
【0009】
本発明のある態様のアダプタは、用紙受け台に置かれた状態で、用紙受け台からの離脱を係止する係止手段をさらに備えてもよい。この態様によれば、給紙台を上方に移動させてアダプタから給紙台を離脱させる工程において、用紙受け台からアダプタが離脱することを抑止することができる。
【0010】
本発明のある態様のアダプタは、用紙受け台の上方に配置されたとき用紙処理装置に設けられた用紙受け台高さセンサによって検知される被検知部をさらに備えてもよい。用紙受け台高さセンサは、アダプタおよび給紙台が用紙受け台の上方に配置されていないときは用紙受け台の上面の所定箇所を検知するものであり、用紙処理装置は、用紙受け台高さセンサによって検知される箇所が所定の高さに上昇した場合に用紙受け台の上昇を停止させるものであり、被検知部は、アダプタの最上位となるよう設けられていてもよい。この態様によれば、アダプタの上方に給紙台が配置されていない状態で用紙処理装置に用紙受け台が取り付けられた場合、用紙受け台の上昇時にアダプタが用紙処理装置に接触する事態を回避することが可能となる。
【0011】
本発明の別の態様は、給紙システムである。この給紙システムは、用紙が積載される着脱可能な給紙台と、給紙台が取り付けられ給紙台を昇降させるアームと、給紙台に積載された用紙のうち最上位の用紙を順次送り出す給紙手段と、を有する給紙装置と、用紙に所定の処理を施して用紙受け台へ順次排出する用紙処理装置によって処理された用紙を給紙装置へ移す際に用いられるアダプタであって、用紙処理装置から排出された用紙を、用紙受け台に積載する代わりに給紙台にて積載すべく、用紙受け台の上方に給紙台を配置する際に、用紙受け台と給紙台とに介在することによって両者の位置決めをするアダプタと、を備える。アダプタは、給紙台が置かれたときに給紙台との間にアームが挿入されるアーム挿入空間が設けられるように形成され、給紙台およびアダプタは、一方が位置決めピン、他方が位置決め孔を有し、アダプタを給紙台に置く工程において、位置決めピンが位置決め孔に挿入されてアダプタに対して給紙台が位置決めされ、用紙受け台と給紙台とにアダプタが介在する状態で、アーム挿入空間にアームが挿入されるよう給紙台およびアダプタを給紙装置の本体に挿入し、アームを上昇させることにより、位置決めピンを位置決め孔から引き抜き、給紙台をアダプタから離脱させる。この態様によれば、給紙装置に設けられたアームを上昇させることにより、給紙台とアダプタとの相互の位置決めを容易に解除させることができる。
【0012】
本発明の別の態様は、給紙装置である。この給紙装置は、昇降可能なアームと、アームに着脱可能に支持される給紙台と、給紙台を装着するときのアームの待機位置を示す待機位置情報を複数格納する記憶部と、格納された複数の待機位置情報のうち、ユーザにより選択された待機位置情報を取得し、取得した待機位置情報が示す待機位置にアームを移動させる待機位置制御部と、を備える。この態様によれば、ユーザは、給紙台を取り付けるための適切なアームの待機位置を選択することができる。このため、給紙台の取り付けを容易なものとすることができる。
【0013】
本態様に係る給紙装置は、ユーザによる入力装置を用いた入力操作に応じた情報を取得する入力情報取得部と、ディスプレイに情報を表示させる表示制御部と、さらに備えてもよい。表示制御部は、格納された複数の待機位置情報をユーザによる入力操作によって選択可能にディスプレイに表示し、入力情報取得部は、ディスプレイに表示された複数の待機位置情報のうち、ユーザによる入力操作によって選択された待機位置情報を示す識別情報を取得し、待機位置制御部は、取得された識別情報が示す待機位置情報を取得してもよい。この態様によれば、ユーザはディスプレイに表示された複数の待機位置情報のいずれか選択するという簡易な操作によって、アームの待機位置を選択することができる。
【0014】
表示制御部は、複数の待機位置情報の各々の待機位置名称をディスプレイに表示し、入力情報取得部は、いずれかの待機位置名称を変更すべくユーザにより入力された新たな待機位置名称を示す文字情報を取得し、表示制御部は、変更の対象となった待機位置名称に代えて、取得した文字情報が示す新たな待機位置名称をディスプレイに表示させてもよい。この態様によれば、ユーザは、ディスプレイに表示される待機位置名称を、自身にとって分かりやすいものに変更することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、給紙装置の給紙台に用紙を簡易に積載するとができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る給紙装置10の正面図であり、図2は、給紙装置10のP−P断面図である。図1では理解を容易にするため、外側のカバーなどを2点鎖線で表し、給紙装置10の内部構造が表されるよう図示している。
【0018】
給紙装置10は、装置本体12および給紙台14を備える。給紙装置10は、給紙部16、エア吹出機構57、第1エア吹出部材52、第2エア吹出部材54、用紙高さセンサ20、バッファ機構22を備える。装置本体12の略中央には、前方および下方に開口する空間領域である用紙収容部15が設けられている。給紙台14には用紙が積載され、用紙収容部15は給紙台14およびそれに積載された用紙を収容する。
【0019】
給紙台14は装置本体12に対して着脱可能とされている。給紙台14は給紙板51およびキャスタ48を有する。給紙板51は、外形が四角形の平板状に形成される。給紙板51は上面が水平となるよう装置本体12に取り付けられ、給紙板51の上面には用紙が積載される用紙載置面50が設けられる。キャスタ48は給紙板51の下方に設けられる。キャスタ48は、給紙台14が装置本体12から取り外されたときに接地し、給紙台14を移動可能とする。
【0020】
ユーザは、給紙台14を装置本体12に取り付けると、必要に応じて給紙台14に積載された用紙を装置奥側のフレーム13に突き当てるように移動させる。また、必要に応じて給紙台14に積載された用紙を所定の突き当て部に突き当てるように用紙送り出し方向に移動させる。こうして給紙台14に積載された用紙は、用紙の送り出しに適した位置に位置決めされる。また、送り出される用紙は、フレーム13によって斜めになることが抑制される。
【0021】
給紙部16は、用紙収容部15の右上部に設けられる。給紙部16は、複数(第1の実施形態では8つ)の給紙ベルト17および2本のローラ18を有する。複数の給紙ベルト17の各々は、同一の幅および同一の周の長さを有し、軸方向に均等間隔に並ぶよう2本のローラ18の外周に装着される。給紙部16は、ローラ18の軸方向が前後方向を向き、且つ2本のローラが左右方向に並ぶように、用紙収容部15の上側かつ右側に配置され、装置本体12のフレーム13に固定される。
【0022】
ローラ18の一方はモータ(図示せず)によって駆動され、これによって全ての給紙ベルト17も駆動される。このとき、モータは給紙ベルト17の下面が用紙の送り出し方向に移動するようローラ18を駆動する。また、給紙部16はエア吸引機構(図示せず)も有している。エア吸引機構は、給紙ベルト17の下面からエアを吸引する。用紙が所定の高さまで積載された状態で給紙ベルト17が駆動され、且つ給紙ベルト17の下面からエアが吸引されると、積載された用紙のうち最上位の用紙が給紙ベルト17の下面に吸着されて装置右方向に送り出される。なお、第1の実施形態ではエア吸引機構はファンを有し、ファンが作動することによって給紙ベルト17下面からエアを吸引するためのエアの流れが形成される。
【0023】
給紙装置10は電子制御部(図示せず)を有している。電子制御部はCPU、RAM、およびROMなどを有し、給紙装置10に搭載されたモータやソレノイドなどの様々なアクチュエータの作動を制御する。
【0024】
給紙ベルト17を駆動するモータは電子制御部に接続されており、電子制御部は給紙ベルト17の作動のオン、オフなどを制御する。エア吸引機構には、エアの流路に設けられた開口部を開放および閉鎖する蓋材を駆動するソレノイドが設けられている。ソレノイドがオフの場合は開口部が開放され、給紙ベルト17の下面からのエアの吸引が弱められることによって給紙ベルト17の下面への用紙の吸着が抑制される。ソレノイドがオンの場合は開口部が閉鎖され、給紙ベルト17の下面からのエアの吸引が強められることによって給紙ベルト17の下面に用紙が吸着される。このソレノイドも電子制御部に接続されており、電子制御部はソレノイドのオン、オフを制御することによって、給紙ベルト17への用紙の吸着を制御する。このように電子制御部は、給紙ベルト17の駆動および給紙ベルト17下面への用紙の吸着を制御することによって、給紙台14に積載された用紙の最上位の用紙の送り出しを制御する。
【0025】
エア吹出手段としてのエア吹出機構57は、給紙部16の下方かつ積載された用紙の下流側の上端近傍に配置される。エア吹出機構57は、用紙送り出し方向下流側から積載された用紙の上端にエアを吹き出す。エア吹出機構57からエアが吹き出されることによって、最上位の用紙がその下の用紙に対して浮き上がり、両者間の摩擦力が低減され、用紙の搬送性を向上させることが可能となる。エア吹出機構57はファン(図示せず)を有しており、電子制御部はこのファンの作動を制御することにより、エア吹出機構57によるエアの吹き出しを制御する。なお、エア吹出機構57は、後述するエアポンプから供給されるエアを利用してエアを吹き出すものであってもよい。
【0026】
用紙高さセンサ20は、給紙台14に積載された用紙のうち最上位の用紙の高さを検出する。用紙高さセンサ20は、給紙部16の用紙搬送方向上流側(以下、「上流側」という)に配置される。用紙高さセンサ20は回動プレート20a、光センサ20b、およびセンサフレーム20cを有する。回動プレート20aはセンサフレーム20cに回動可能に支持される。光センサ20bはセンサフレーム20cに固定され、回動プレート20aが所定の角度まで回動したことを検知する。用紙高さセンサ20は給紙部16の左側周辺に配置され、回動プレート20aが給紙ベルト17の下面よりもわずかに下方に突出するようにフレーム13に固定される。後述するように積載された用紙は給紙台14とともに上昇および下降が可能とされており、回動プレート20aは、積載された用紙のうち最上位の用紙が当接した状態で、その積載された用紙が上昇することによって回動する。積載された用紙のうち最上位の用紙が送り出しに適した高さまで持ち上げられたときに、回動プレート20aが所定の角度まで回動したことを検知するよう、光センサ20bおよび回動プレート20aがそれぞれ配置される。
【0027】
第1エア吹出部材52は、積載された用紙の右側の後方近傍、かつ積載された用紙の最上位の用紙近傍に配置され、エアが供給されることによって前方にエアを吹き出す。したがって第1エア吹出部材52は、積載された用紙の上端側面にエアを吹き出すエア吹出手段として機能する。第2エア吹出部材54は、積載された用紙の左側の前方近傍且つ積載された用紙の最上位の用紙近傍に配置され、エアが供給されることによって後方にエアを吹き出す。したがって第2エア吹出部材54も、積載された用紙の上端側面にエアを吹き出すエア吹出手段として機能する。第1エア吹出部材52および第2エア吹出部材54からエアが吹き出されることによって、前述のエア吹出機構57によるエア吹出と相俟って積載された用紙のうち最上位の用紙とその下の用紙との間に空気の層が形成される。これによって用紙間の摩擦力が低減され、最上位の用紙の送り出しが容易となる。
【0028】
給紙部16からの用紙の送り出し先には、上昇しながら用紙搬送方向を右方向から左方向に反転させる湾曲した用紙搬送路が設けられている。この湾曲した用紙搬送路では用紙はローラ19によって搬送される。
【0029】
この湾曲した用紙搬送路の用紙搬送方向下流側(以下、「下流側」という)である左側には、ローラユニット58が設けられる。ローラユニット58は、搬送ベルト64およびローラ60、ローラ62を有する。搬送ベルト64は、ローラ60およびローラ62の外周に装着され、搬送ベルト64の下面によって斜め下方に進む用紙搬送路を形成する。
【0030】
ローラユニット58の下流側にはバッファ機構22が設けられている。バッファ機構22は、搬送ベルト26、ローラ24、停留ローラ28を有する。搬送ベルト26は2つのローラ24の外周に装着され、搬送ベルト26の上面によって斜め上方に進む用紙搬送路が形成される。
【0031】
停留ローラ28は搬送ベルト26の上面に接触している。停留ローラ28の下方には搬送ベルト26上面の用紙搬送方向の長さと同様の長さを有する停留部材(図示せず)が、上流側を支点に回動可能にフレーム13に取り付けられている。用紙をバッファ機構22に停留させる場合、この停留部材を上方に移動するよう回動させ、停留ローラ28に当接させる。このとき停留部材の上面が搬送ベルト26の上面よりも上方に位置するまで停留部材が回動させられる。これによって搬送ベルト26が駆動されたまま、搬送ベルト26の上方において用紙を停留させることが可能となる。
【0032】
第3エア吹出部材56は、バッファ機構22の上流側から下流側に向かって、搬送ベルト26の上面に沿ってエアを吹き出す。これによってバッファ機構22に進入する用紙の先端を上方に浮き上がらせることができる。したがって、すでに停留部材の上面に停留している用紙の後端と、その用紙のさらに上に重ねて停留させるべき用紙の前端とが突き当たって搬送される用紙の進行が阻害されることが抑制される。また、すでに停留部材の上面に停留している用紙の上面と、その用紙のさらに上に重ねて停留させるべき用紙の下面との間に空気の層を形成させることができ、用紙間の摩擦力も低減させることができる。このように第3エア吹出部材56からのエアの吹き出しによって、バッファ機構22への円滑な用紙の停留を実現することが可能となる。
【0033】
バッファ機構22の下流側に設けられた用紙搬送路は、まず斜め下方に進み、その後水平方向に進むよう形成される。この用紙搬送路に搬送された用紙はローラ30によって搬送され、装置本体12外に排出される。バッファ機構22によって用紙が重ねられ用紙束が形成されている場合は用紙束のまま同様に搬送される。装置本体12から排出された用紙は、用紙折り装置、用紙綴じ装置、または用紙穿孔装置などの後処理装置に搬送される。
【0034】
給紙装置10はさらに、エアポンプ42、第1パイプ34、第2パイプ36、第3パイプ38、第2エアバルブ40、第1エアバルブ44、ドア32も備える。ドア32は、用紙収容部15より右方向の装置本体12の前面に設けられる。
【0035】
エアポンプ42は用紙収容部15より右方向に位置する装置本体12内部に設けられる。エアポンプ42には第1エアバルブ44が接続されている。第1パイプ34、第2パイプ36、および第3パイプ38もまた装置本体12内部に設けられる。第1パイプ34は第3エア吹出部材56に接続される。第2パイプ36は第1エア吹出部材52に接続される。第3パイプ38は第2エア吹出部材54に接続される。第1パイプ34、第2パイプ36、および第3パイプ38は、共に単一の第2エアバルブ40に接続される。エアポンプ42、第1エアバルブ44、および第2エアバルブ40は、ドア32を開けることによってユーザがアクセスできるような位置に配置されている。
【0036】
第1エアバルブ44にはホース(図示せず)の一端が連結されており、第2エアバルブ40にはそのホースの他端が連結される。エアポンプ42がオンにされると、第1エア吹出部材52、第2エア吹出部材54、および第3エア吹出部材56にそれぞれエアが供給される。
【0037】
図3は、第1の実施形態に係る給紙装置10の左側面図である。装置本体12は、さらに2本のアーム72、2つのチェーン80、および単一のモータ84を有する。2本のアーム72は細長いプレート状の同一の形状を有する。
【0038】
2本のアーム72は連結軸(図示せず)によって、互いに離間した状態で平行に延在するように相互に固定される。フレーム13の装置後方にはローラ76が上下方向に並設される。ローラ76の外周にチェーン80が装着される。このようなローラ76とチェーン80が2組、装置左右方向に並設される。2本のアーム72の各々は、2つのチェーン80の各々にアーム支持部74を介して結合される。このときアーム72は、用紙収容部15内において、フレーム13から装置前方に向かって突出するよう設けられる。このアーム72に給紙台14が取り付けられる。
【0039】
上方のローラ76の中心軸は減速機82を介してモータ84に連結されている。モータ84が作動することによってチェーン80が駆動され、アーム72が上下方向に移動する。モータ84は電子制御部に接続され、電子制御部は駆動信号をモータ84に供給することによってモータ84の作動を制御する。これにより、電子制御部は用紙高さセンサ20の検出結果を利用して、積載された用紙のうち最上位の用紙が給紙部16による用紙の送り出しに適した高さとなるよう給紙台14を昇降させ、最上位の用紙の高さを制御する。
【0040】
図1乃至図3に記載される給紙装置10では、給紙台14に印刷や電子写真方式、インクジェット方式などによる画像記録が行われた用紙が積載される。通常このような画像記録装置はその装置自身が、または画像記録装置に接続されたスタッカなどがある場合にはそのスタッカなどが、画像記録が行われた用紙を積載する。以下、画像記録が行われた用紙を積載するこれらの装置を用紙処理装置と総称する。
【0041】
用紙処理装置は、一般的に用紙受け台を有し、この用紙受け台に用紙を積載する。用紙受け台に積載された用紙は、ユーザの手作業によって給紙台14に載せ換えられる。しかし、積載された用紙は載せ換え時に崩れるなど積載状態が変化する可能性がある。このような積載状態の変化は、積載された用紙から給紙する時の重送や送り出し不良などの不具合に繋がる可能性がある。また、生産性向上の観点から用紙受け台や給紙台には近年多くの用紙が積載することができるようになってきており、ユーザによる用紙の載せ換えはますます困難なものとなってきている。
【0042】
このため、第1の実施形態に係る給紙装置10の給紙台14は、用紙処理装置の用紙受け台の上方に、アダプタ102を介して取り付けることができ、用紙処理装置によって給紙台14の用紙載置面50に直接用紙を積載することが可能となっている。以下、図4乃至図6に関連してこれについて詳述する。
【0043】
図4は、相互に取り付ける前の給紙台14、アダプタ102、および用紙受け台106を示す斜視図である。図4はこれらの左前方から見た状態を示す。
【0044】
給紙板51の下面には、鉛直下方に突出する位置決めピン110が設けられている。位置決めピン110は、給紙台14が給紙装置10に装着されたときの前側の左右両側に計2本配置される。
【0045】
アダプタ102は、給紙台14と略同一の鉛直下方に見た場合の投影面積を有する。アダプタ102は、前方から見て板状の部材の中央を凸型に曲げた形状に形成される。その結果、アダプタ102の左右の凹んだ部分にそれぞれキャスタ収容スペース102bが形成される。
【0046】
アダプタ102の中央の凸型の上面には位置決め孔102aが設けられる。位置決め孔102aは、アダプタ102の前側の左右両側に計2つ設けられる。
【0047】
アダプタ102の前側には係止部材104が設けられる。図4では図示されていないが、アダプタ102の後側にも前側に設けられた係止部材104と同様の係止部材104が設けられる。係止部材104は板状のバネ材を曲げて形成される。係止部材104は前後方向と垂直な平面部を有しており、その下方には平面部に対して傾斜する傾斜部が設けられる。前側および後側の係止部材104の各々の傾斜部は、下方向に行くにしたがって拡開するように傾斜する。
【0048】
用紙受け台106も、給紙台14と略同一の鉛直下方に見た場合の投影面積を有する。用紙受け台106は、外形が四角形の厚みにある板状に形成されている。この板状の部分の上面に、用紙処理装置によって用紙が積載される用紙受け面106cが設けられる。また、この板状の部分の下面には、左右の端部近傍に前後方向に延在する脚部106aが下方に突出している。板状の部分の下面および2つの脚部106aによって空間部106bが形成される。
【0049】
図5は、相互に取り付けた後の給紙台14、アダプタ102、および用紙受け台106を示す斜視図である。図5も図4と同様にこれらの左前方から見た状態を示す。
【0050】
給紙台14は、アダプタ102上に置かれアダプタ102に組み付けられる。給紙台14は、給紙台14の位置決めピン110が鉛直下方に向かってアダプタ102の位置決め孔102aに挿入されることによって、アダプタ102との水平方向における相対的な位置が位置決めされる。なお、アダプタ102に位置決めピンが設けられ、給紙台14に位置決め孔が設けられてもよいことは勿論である。このように位置決めピン110が鉛直に位置決め孔102aに挿入されて給紙台14がアダプタ102に位置決めされるため、アダプタ102から給紙台14を離脱させる際には、給紙台14を鉛直上方に移動させることでアダプタ102から給紙台14を容易に離脱させることが可能となる。
【0051】
アダプタ102は、給紙台14が上面に置かれたときに、給紙台14の下面との間に、アーム72が挿入可能なアーム挿入空間としての空間部108が設けられるように形成される。給紙台14がアーム72に取り付けられる際に、この空間部108にアーム72が挿入される。
【0052】
アダプタ102は、用紙受け台106上に置かれ用紙受け台106に組み付けられる。アダプタ102が下方の用紙受け台106に向かって移動することによって、前方および後方に設けられた係止部材104の傾斜部の各々が、用紙受け台106の前方の側部の上端部および後方の側部の上端部と摺動し、係止部材104が相互に拡開するよう変形する。
【0053】
アダプタ102が係止部材104上に置かれると、相互に拡開された係止部材104がバネの弾性力によって再び相互に閉鎖するように復元する。このとき、係止部材104の内側の側面の各々が、用紙受け台106の前方の側部および後方の側部に当接し、係止部材104の弾性力によって用紙受け台106が挟持される。これによりアダプタ102は用紙受け台106に対する水平方向の位置決めがなされる。したがって、係止部材104はアダプタ102を用紙受け台106に対して位置決めするアダプタ位置決め手段として機能する。
【0054】
用紙受け台106は様々な形態のものがあり、もともとアダプタ102が取り付けられることが想定されず設計および製造されている場合もあり得る。このため、用紙受け台106にはアダプタ102を位置決めするための位置決めピンや位置決め孔などが設けられていない場合が考えられる。このように用紙受け台106の側部を利用してアダプタ102との位置決めを行うことにより、用紙受け台106に位置決めピンや位置決め孔などを設けることなく、アダプタ102と用紙受け台106との水平方向の相対的な位置決めが可能となる。
【0055】
以上のように位置決めピン110および位置決め孔102aによって、給紙台14とアダプタ102との水平方向の相互の位置決めがなされる。また、係止部材104によって、アダプタ102と用紙受け台106との水平方向の相互の位置決めがなされる。したがって用紙受け台106に対する給紙台14の水平方向の位置決めが成されることとなる。これにより、たとえば給紙装置10において用紙の送り出しに適した位置またはそれに近い位置に用紙を積載させるよう、用紙受け台106に対して給紙台14を位置決めすることが可能となる。
【0056】
また、係止部材104には、内側に突出する係止部が設けられている。アダプタ102が用紙受け台106上に置かれると、係止部材104が相互に閉鎖するように復元することによって、用紙受け台106の下方に係止部材104の係止部が進出し、用紙受け台106からのアダプタ102の離脱が抑止される。
【0057】
以下、図6(a)乃至(f)に関連して、用紙処理装置120によって積載された用紙を給紙装置10に供給する工程を詳細に説明する。
【0058】
図6(a)は、用紙処理装置120に給紙台14、アダプタ102、および用紙受け台106が装着された状態を示す図である。用紙受け台106は、用紙の積載のため用紙処理装置120内において通常取り付けられる位置に取り付けられる。給紙台14の用紙載置面50に直接用紙を積載するため、用紙受け台106の上方にアダプタ102を介して給紙台14が取り付けられる。用紙処理装置120は、給紙台14の用紙載置面50に直接用紙を積載する。図6(a)では、給紙台14に用紙2が積載された後の状態が示されている。
【0059】
ユーザは搬送車86を用紙受け台106下方の空間部106bに挿入して用紙処理装置120から引き出すことにより、給紙台14に用紙2が積載された状態のまま、給紙台14、アダプタ102、および用紙受け台106を同時に引き出すことができる。図6(b)は、搬送車86を用いて用紙処理装置120から給紙台14、アダプタ102、および用紙受け台106を引き出した状態を示す図である。用紙処理装置120から引き出された給紙台14、アダプタ102、および用紙受け台106は、搬送車86によって給紙装置10に搬送される。
【0060】
図6(c)は、給紙装置10に給紙台14、アダプタ102、および用紙受け台106を挿入する前の状態を示す図である。給紙装置10にはコントロールパネル(図示せず)が設けられており、ユーザはコントロールパネルにアーム72の高さを入力することにより、または予め選択可能に表示されたアーム72の高さから任意の高さを選択することにより、アーム72の高さを指定することができる。コントロールパネルは電子制御部に接続されており、ユーザにより入力または選択されたアーム72の高さは電子制御部に出力される。電子制御部は、モータ84を作動させて入力または選択された高さまでアーム72を移動させる。
【0061】
ユーザは、給紙台14の下方に形成される空間部108にアーム72が挿入することができるよう、コントロールパネルを用いてアーム72の高さを入力または選択する。アーム72が空間部108に挿入することができる高さに移動すると、ユーザは搬送車86を給紙装置10に向かって押し進め、空間部108にアーム72を挿入させながら給紙台14、アダプタ102、および用紙受け台106を給紙装置10の用紙収容部15に挿入する。ユーザは、図6(d)に示されるように、給紙台14の後端部が用紙収容部15後方のフレーム13に当接するまでこれらを挿入する。
【0062】
アーム72には、給紙台14が適切な所定位置に挿入されたことを検出するセンサ(図示せず)が設けられている。ユーザが給紙台14、アダプタ102、および用紙受け台106を給紙装置10の用紙収容部15に挿入し、センサによって給紙台14が適切な所定位置に挿入されたことが検知されると、電子制御部は、位置決めピン110が位置決め孔102aから引き抜かれるために充分な距離だけアーム72を上昇させる。これにより、アーム上面72aに給紙台14が載置され、給紙台14はアーム72と共に昇降するようアーム72に装着される。
【0063】
図6(e)は、給紙装置10に給紙台14、アダプタ102、および用紙受け台106が挿入された状態で、アーム72を上昇させた状態を示す図である。給紙台14は、アダプタ102に対し位置決めピンが位置決め孔に鉛直方向に挿入されることにより位置決めされており、また係止部材などによってアダプタ102からの離脱が係止されていない。これに対し、アダプタ102は係止部材104によって用紙受け台106からの離脱が抑止されている。このため、アーム72が上方に移動することによって、用紙受け台106からのアダプタ102の離脱を抑止しながら、給紙台14を容易にアダプタ102から離脱させることができる。
【0064】
給紙台14の位置決めピン110は、アーム72が上方に移動する工程において、アダプタ102の位置決め孔102aから引き抜かれる。これによって給紙台14に対するアダプタ102の水平方向への移動の規制が解除される。アーム72の上昇が完了すると、ユーザは搬送車86を給紙装置10から引き離すように移動させる。これによって、図6(f)に示されるように、給紙装置10に給紙台14が取り付けられた状態のまま、アダプタ102および用紙受け台106を給紙装置10から引き出すことができる。
【0065】
アダプタ102および用紙受け台106を引き出すと、ユーザは給紙台14上に積載された用紙2を用紙載置面50上で給紙に適した位置となるよう水平方向に移動させる。その後ユーザによりスタートボタンが押されると、用紙2のうち最上位の用紙が給紙に適した位置となるよう用紙収容部15が上昇され、給紙部16によって用紙2の最上位の用紙が順次送り出される。
【0066】
以上のように、第1の実施形態に係る給紙装置10およびアダプタ102を含む給紙システムでは、用紙処理装置120の用紙受け台106に積載された用紙を給紙装置10の給紙台14に載せ換えることなく、給紙装置10の給紙台14に用紙を積載することができる。これにより、給紙台14への用紙の積載を容易なものとすることができる。
【0067】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係る、相互に取り付ける前の給紙台14、アダプタ102、および用紙受け台106を示す斜視図である。なお、特に言及しない限り、第2の実施形態に係る給紙装置10の構成は第1の実施形態に係る給紙装置10の構成と同様である。
【0068】
給紙台14の給紙板51の下面には、下方に突出する直方体状の凸部114が設けられている。アダプタ102の上面には、上方に突出する直方体状の収容部112が設けられている。収容部112は、上方に開口する凹部112aを有する。凹部112aは、凸部114より微小に大きい直方体状に形成される。
【0069】
キャスタ48がキャスタ収容スペース102bに収容されアダプタ102上面に載置されるように給紙台14がアダプタ102に置かれると、凸部114が収容部112の凹部112aに挿入される。これによって給紙台14とアダプタ102とが水平方向に相互に位置決めされる。
【0070】
なお、アダプタ102に凸部114が、給紙台14に収容部112が設けられてもよいことは勿論である。また、収容部112および凸部114の組合せが給紙台14およびアダプタ102に複数設けられてもよいことも勿論である。
【0071】
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態に係る、相互に取り付けた後の給紙台14、アダプタ122、および用紙受け台106を示す斜視図である。なお、特に言及しない限り、第3の実施形態に係る給紙装置10の構成は第1の実施形態に係る給紙装置10の構成と同様である。
【0072】
第3の実施形態に係るアダプタ122は、第1に実施形態に係る係止部材104を有しない。アダプタ122は、左右両端部に、鉛直方向および前後方向に広がる側面部を有する。アダプタ122が用紙受け台106に載置されると、アダプタ122は、この左右の側面部によって用紙受け台106を挟持する。これによって収容部112と用紙受け台106とが水平方向に相互に位置決めされる。アダプタ122のその他の部分の形状は、第1の実施形態に係るアダプタ102と同様である。
【0073】
アダプタ122の側面部の各々には、雌ネジ部が形成された2つのネジ孔が設けられており、このネジ孔につまみネジ124が螺合される。ネジ孔につまみネジ124が螺合されると、用紙受け台106は両側面からつまみネジ124によって挟持され、これによってアダプタ122が用紙受け台106に固定される。
【0074】
アダプタ122には、第1の実施形態に係るアダプタ102と同様に位置決め孔122aが設けられている。給紙台14が装置本体12のアーム72に挿入後、アーム72によって上昇させられることによってこの位置決め孔122aから位置決めピン110が抜かれて給紙台14が用紙受け台106から取り外される。このようにネジによって収容部112と用紙受け台106とを固定することにより、アダプタ122から給紙台14を取り外す際に、用紙受け台106からアダプタ122が取り外されてしまうことが抑制される。
【0075】
(第4の実施形態)
図9は、第4の実施形態に係る、相互に取り付けた後の給紙台14、アダプタ126、および用紙受け台106を示す斜視図である。なお、特に言及しない限り、第4の実施形態に係る給紙装置10の構成は第1の実施形態に係る給紙装置10の構成と同様である。
【0076】
アダプタ126は、左右の側面部の各々の下端から内向きに突出するよう折り曲げられた曲げ部を有する。アダプタ126の他の形状は、第3の実施形態に係るアダプタ122と同様である。
【0077】
用紙受け台106は、アダプタ126の上面部、側面部、および曲げ部によって囲われる空間に前方または後方から挿入され、アダプタ126に装着される。このとき、アダプタ126の各々の曲げ部の上面と用紙受け台106の下面とが当接する。左右の曲げ部の一方(本実施形態では左側の曲げ部)には雌ネジ部が形成されたネジ孔が設けられており、このネジ孔につまみネジ128が螺合される。したがって用紙受け台106はアダプタ126の上面部とつまみネジ128とによって挟持され、これによってアダプタ126は用紙受け台106に固定される。なお、ネジ孔が左右の曲げ部の双方に設けられており、これらのネジ孔につまみネジ128が螺合されてもよいことは勿論である。
【0078】
アダプタ126には、第1の実施形態に係るアダプタ102と同様に位置決め孔126aが設けられている。給紙台14が装置本体12のアーム72に挿入後、アーム72によって上昇させられることによってこの位置決め孔126aから位置決めピン110が抜かれて給紙台14が用紙受け台106から取り外される。一方、第4の実施形態では、用紙受け台106の下面とアダプタ126の曲げ部の上面とが当接している。このため、アダプタ126に上方への外力が与えられたとき、用紙受け台106の下面にアダプタ126の曲げ部の上面が係止し、用紙受け台106からアダプタ126が取り外されることが抑止される。したがって、アダプタ126から給紙台14を取り外す際に用紙受け台106からアダプタ126が取り外されてしまうことが抑制される。
【0079】
(第5の実施形態)
図10は、第5の実施形態に係る、相互に取り付けた後の給紙台14、アダプタ130、および用紙受け台106を示す斜視図である。なお、特に言及しない限り、第5の実施形態に係る給紙装置10の構成は第1の実施形態に係る給紙装置10の構成と同様である。
【0080】
アダプタ130には、第1の実施形態に係るアダプタ102と同様に位置決め孔130aが設けられている。給紙台14が装置本体12のアーム72に挿入後、アーム72によって上昇させられることによってこの位置決め孔130aから位置決めピン110が抜かれて給紙台14が用紙受け台106から取り外される。
【0081】
アダプタ130は、左右の曲げ部の一方(第5の実施形態では左側の曲げ部)からさらに鉛直下方に曲げられた下側面が形成されている。アダプタ130の他の部分の形状は、第4の実施形態に係るアダプタ126と同様である。
【0082】
アダプタ130の下側面には、偏心カム機構132が設けられている。偏心カム機構132は、アダプタ130と用紙受け台106との前後方向への移動を抑止する。偏心カム機構132の構成については、図11(a)および(b)に関連して詳述する。なお、アダプタ130は左右の曲げ部の双方に下側面が形成され、左右の下側面の双方に偏心カム機構132が設けられていてもよいことは勿論である。
【0083】
図11(a)は、アダプタ130を用紙受け台106に固定する前の偏心カム機構132の状態を示す図であり、図11(b)は、アダプタ130を用紙受け台106に固定したときの偏心カム機構132の状態を示す図である。偏心カム機構132は、偏心部132a、レバー132b、および回動軸132cを有する。偏心部132aは円盤状に形成され、レバー132bは偏心部132aに固定されている。偏心部132aは、その中心部から少しずれた位置に回動軸132cが挿通され、これにより回動軸132cを中心に回動自在となっている。偏心カム機構132が設けられた部分の上方に位置するアダプタ130の曲げ部には、偏心部132aとの干渉を避けるための逃げ孔が設けられている。
【0084】
ユーザによりレバー132bが操作されていない状態では、図11(a)に示されるように、偏心部132aと用紙受け台106の下面とは離間したまま当接しない。この状態では、アダプタ130と用紙受け台106とは前後方向に相互に移動することができ、アダプタ130と用紙受け台106との相互の着脱が可能となる。
【0085】
ユーザによりレバー132bが操作されると、偏心部132aが回動して偏心部132aと用紙受け台106の下面とが当接する。これによってアダプタ130と用紙受け台106との前後方向の相互の移動が規制される。アダプタ130と用紙受け台106との左右方向の相互の移動はアダプタ130の側面部によって、上下方向の相互の移動はアダプタ130の曲げ部などによってそれぞれ規制されているため、偏心カム機構132が操作されることによってアダプタ130が用紙受け台106に固定される。このように偏心カム機構132を利用することによって、ユーザはつまみネジなどを利用するよりも簡易にアダプタ130と用紙受け台106とを相互に固定することができる。
【0086】
なお、アダプタ130の曲げ部の上面が用紙受け台106の下面と当接することによって、アダプタ130から給紙台14を取り外す際に用紙受け台106からアダプタ130が取り外されてしまうことが抑制される点は第4の実施形態と同様である。
【0087】
(第6の実施形態)
図12は、用紙受け台140に第6の実施形態に係るアダプタ142が取り付けられた状態を示す斜視図である。なお、特に言及しない限り、これらが取り付けられる給紙装置10の構成は第1の実施形態に係る給紙装置10の構成と同様である。
【0088】
用紙受け台140は、平板状部材の前方が下方に折り曲げられた形状に形成される。用紙受け台140の右側端部には、上方に折り曲げられた形状の立ち上がり部140bが形成されている。
【0089】
アダプタ142は、スペーサ144および被検知部材150を有する。スペーサ144は長方形の枠状に形成されており、長方形の短辺に相当する右側端部の下方にコ字状の係止部(図示せず)が形成されている。スペーサ144は、この係止部が用紙受け台140の立ち上がり部140bに嵌め込まれ、スペーサ144の内部から右側端部に螺合された2つの手動ネジ146がユーザに回されることにより、右側端部が立ち上がり部140bに固定される。アダプタ142には位置決め部材148が設けられており、位置決め部材148を立ち上がり部140bの前端部に当接させることにより、用紙受け台140に対して前後方向においてアダプタ142を位置決めすることができる。こうして、アダプタ142は用紙受け台140に対して位置決めされ固定される。スペーサ144の上面には、上方に配置される給紙台14を位置決めするための2つの位置決め孔144aが設けられている。
【0090】
被検知部材150は、スペーサ144の左側端部に取り付けられている。被検知部材150は平板を折り曲げて形成されており、アダプタ142の最上位になるよう、水平な上面である被検知面150aが設けられている。被検知部材150の被検知面150aは、用紙受け台140上に取り付けられたとき、用紙処理装置に設けられた用紙受け台高さセンサ(図示せず)によってその高さが検知されるよう配置される。この用紙受け台高さセンサは、用紙受け台140にアダプタ142が取り付けられていないときは、用紙受け台140の上面である用紙受け面140aの高さを検知するものである。
【0091】
用紙処理装置は、排出される用紙の落下距離を抑制しながら用紙受け台140に用紙を積載するため、用紙が排出される排出口に近い位置に用紙受け面140aを配置し、その後、用紙が排出されるにしたがって用紙受け台140を徐々に下降させる。このため、用紙が用紙受け面140aに積載されていない状態では、用紙処理装置は用紙受け台140を最上位に上昇させておく。このとき、用紙処理装置は、用紙受け台140が上昇しすぎることにより用紙処理装置に接触することを回避するため、用紙受け面140aが所定の高さまで上昇したときに、用紙受け台140の上昇を停止させる。このようにアダプタ142に被検知部材150を設けることで、用紙受け台140に用紙受け台140が取り付けられているにもかかわらず給紙台14が取り付けられていない場合に、用紙受け台140が上昇することでアダプタ142が用紙処理装置に接触することを回避することができる。
【0092】
図13は、図12に示す用紙受け台140およびアダプタ142に、さらに給紙台14が取り付けられた状態を示す斜視図である。給紙台14の給紙板51の下方には、キャスタ48を固定するための支持部材152が取り付けられている。支持部材152は板状の部材をコ字状に折り曲げた形状に形成され、装置前後方向に延在するよう、コ字の開口部が給紙板51の下方に固定される。支持部材152の下方には位置決めピン(図示せず)が下方に突出するよう設けられており、この位置決めピンがアダプタ142の位置決め孔144aに挿入されることにより、スペーサ144と給紙台14とが相対的に水平方向に位置決めされる。こうして、給紙台14、アダプタ142、および用紙受け台140を組み合わせた状態で給紙装置10に挿入し、給紙台14をアーム72に装着させることができる。なお、用紙処理装置の用紙受け台高さセンサは、給紙台14が用紙受け台140の上方に取り付けられているときは、給紙台14の上面である用紙載置面50の高さを検知する。このため、給紙台14が上昇することによる用紙処理装置への接触が回避される。
【0093】
(第7の実施形態)
図14は、用紙受け台160に第7の実施形態に係るアダプタ161が取り付けられた状態を示す斜視図である。なお、特に言及しない限り、これらが取り付けられる給紙装置10の構成は第1の実施形態に係る給紙装置10の構成と同様である。
【0094】
用紙受け台160は、用紙受け部材160a、脚部160bを有する。用紙受け部材160aの上面には用紙受け面160cが形成されている。用紙受け台160のこれらの形状は、第1の実施形態に係る用紙受け台106と同様である。
【0095】
アダプタ161は、スペーサ162および被検知部材168を有する。スペーサ162は、コ字状となるよう細長い平板が各々の端部において相互に直角に連結された形状に形成される。スペーサ162の上面には2つの位置決め孔162aが設けられている。被検知部材168は、スペーサ162の左側端部の上面に取り付けられている。被検知部材168は平板状に形成され、その水平な上面である被検知面168aはアダプタ161の最上位となっている。被検知部材168の被検知面168aは、第6の実施形態と同様、用紙受け台160上に取り付けられたとき、用紙処理装置に設けられた用紙受け台高さセンサによってその高さが検知されるよう配置される。
【0096】
アダプタ161は、スペーサ162のコ字の開口側が後方に向くよう用紙受け台160の上面である用紙受け面160c上に配置される。スペーサ162の右側端部には係止部材164が設けられている。係止部材164はコ字状に形成され、コ字の開孔側が下方に向くようにスペーサ162の右側端部に取り付けられている。
【0097】
用紙受け台160には、用紙受け面160cに2つの開口部160dが設けられている。係止部材164は、この2つの開口部160dの間の部分にコ字の開口部分を嵌め込むように配置される。係止部材164には手動ネジ166が設けられており、手動ネジ166がユーザに手動で回されることにより、係止部材164が用紙受け台160に固定される。こうして、アダプタ161が用紙受け台160に取り付けられる。
【0098】
図15は、図14に示す用紙受け台160およびアダプタ161に、さらに給紙台14が取り付けられた状態を示す斜視図である。給紙台14は、下方に突出する位置決めピンが位置決め孔162aに挿入されることにより、アダプタ161に対して水平方向に位置決めされる。こうして、給紙台14、アダプタ161、および用紙受け台160を組み合わせた状態で給紙装置10に挿入し、給紙台14をアーム72に装着させることができる。
【0099】
(第8の実施形態)
図16は、第8の実施形態に係る給紙装置10の機能ブロック図である。給紙装置10は、電子制御部170、およびコントロールパネル180を有する。電子制御部170は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、およびデータ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMを有する。なお、図16において電子制御部170は、これらCPU、ROM、RAMなどのハードウェア、およびソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックが描かれている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェアおよびソフトウェアの組合せによって様々な形で実現することができる。
【0100】
コントロールパネル180は、ディスプレイ182、キーボード184、およびマウス186を有し、これらは電子制御部170に接続されている。なお、キーボード184またはマウス186に代えて、電子制御部170への入力装置として機能するタッチパネル式のディスプレイ182が採用されてもよい。
【0101】
電子制御部170は、待機位置制御部172、入力情報取得部174、表示制御部176、待機位置管理部177、および記憶部178を有する。記憶部178は、ハードディスクやフラッシュメモリなど、電力の供給を停止しても記憶内容を保持する記憶装置によって構成され、例えば、「地面から〜mmに用紙載置面50が位置するときの給紙台14の位置に適したアーム72の待機位置」など、給紙台14を装着するときのアーム72の待機位置を示す待機位置情報を複数格納する。第8の実施形態では、記憶部178には、「Fixed Position」、「User Position 1」、「User Position 2」、「User Position 3」の4つの待機位置の各々に対応する4つの待機位置情報が格納されている。「Fixed Position」は、アーム72の最も下方の待機位置であり、給紙台14が自身のキャスタ48により接地した状態でアーム72に装着するときに適したアーム72の待機位置である。ユーザは、「User Position 1」、「User Position 2」、「User Position 3」の3つの待機位置を変更することができるが、「Fixed Position」は変更することができない。
【0102】
待機位置制御部172は、モータ84に駆動信号を供給することによりアーム72の昇降を制御する。入力情報取得部174は、キーボード184およびマウス186などの入力装置を使ってユーザによって入力された情報を取得する。表示制御部176は、ディスプレイ182に情報を表示させる。待機位置管理部177は、記憶部178に格納された待機位置情報を管理する。
【0103】
図17は、ディスプレイ182に表示されるアームポジション選択ウィンドウ190を示す図である。キーボード184またはマウス186を使ってユーザにより所定の入力操作がされると、表示制御部176は、ディスプレイ182にアームポジション選択ウィンドウ190を表示させる。
【0104】
アームポジション選択ウィンドウ190には、4つのオプションボタン192、セッティングボタン194、OKボタン196、およびキャンセルボタン198が表示される。表示制御部176は、4つのオプションボタン192の各々を「Fixed Position」、「User Position 1」、「User Position 2」、「User Position 3」の各々に対応付けてディスプレイ182に表示する。ユーザは、4つのオプションボタン192のいずれかをマウス186でクリックして選択することにより、4つの待機位置のいずれかを選択することができる。
【0105】
ユーザによってオプションボタン192がクリックされると、入力情報取得部174は、クリックされたオプションボタン192に対応する待機位置を識別する識別情報を取得する。次にユーザによってOKボタン196がクリックされると、入力情報取得部174は、記憶部178に格納された待機位置情報のうち、取得した識別情報が示す待機位置情報を取得する。ユーザによってさらにスタートボタン(図示せず)が押されると、待機位置制御部172は、取得した待機位置情報が示す待機位置にアーム72を移動させるよう、モータ84を作動させる。こうしてユーザは、アームポジション選択ウィンドウ190においてアーム72の待機位置を選択することができる。なお、ユーザは、キャンセルボタン198をクリックすることにより、アーム72を移動させることなくアームポジション選択ウィンドウ190を閉じることができる。
【0106】
また、ユーザは、セッティングボタン194をクリックすることにより、「User Position 1」、「User Position 2」、「User Position 3」の各々が示すアーム72の待機位置を変更することができる。図18は、図17のセッティングボタン194がクリックされたときにディスプレイ182に表示されるユーザポジション設定ウィンドウ200を示す図である。ユーザポジション設定ウィンドウ200には、3つのオプションボタン202、3つの名称表示欄204、ハンドル206、数値設定欄208、トライアルボタン212、OKボタン214、およびキャンセルボタン216が表示される。
【0107】
3つのオプションボタン202の各々は、3つの名称表示欄204の各々に対応して表示される。これら3つのオプションボタン202と名称表示欄204との組み合わせは、ユーザにより設定可能な「User Position 1」、「User Position 2」、「User Position 3」の3つの待機位置にそれぞれ対応している。初期状態では、3つの名称表示欄204には、それぞれ「User Position 1」、「User Position 2」、「User Position 3」と表示される。
【0108】
ユーザは、名称表示欄204をクリックして名称表示欄204を編集可能な状態とし、さらにキーボード184で所望の名称を入力することにより、名称表示欄204に表示される待機位置の名称を変更することができる。入力情報取得部174は、キーボード184などを使ってユーザにより入力された新たな待機位置の名称を示す文字情報を取得する。表示制御部176は、クリックされた名称表示欄204に表示されていた待機位置の名称に代えて、取得した文字情報が示す新たな待機位置の名称をディスプレイ182に表示する。
【0109】
また、ユーザは、3つのオプションボタン202のいずれかをクリックすることにより、どの待機位置を変更するかを選択することができる。ユーザによりオプションボタン202がクリックされると、表示制御部176は、記憶部178に格納された待機位置情報の中から、クリックされたオプションボタン202に対応する待機位置情報を取得し、取得した待機位置情報が示す待機位置を数値設定欄208に表示する。
【0110】
具体的には、表示制御部176は、アーム72の最下位のホームポジションからの上昇距離を数値設定欄208に表示する。ユーザは、数値設定欄208をクリックして編集可能な状態とし、さらにキーボード184で所望の数値を入力することにより、アーム72の待機位置を入力することができる。なお、数値設定欄208には、アーム72の待機位置に適した給紙台14の用紙載置面50の高さが表示されてもよい。このようにアーム72の高さではなく給紙台14の用紙載置面50の高さを設定することにより、ユーザは、地面から用紙載置面50までの高さを測ることで容易にアーム72の最適な待機位置を設定することが可能となる。なお、ユーザは、数値設定欄208内に表示される数値増減ボタン210をクリックして数値設定欄208内の数値を増減させることで、アーム72の待機位置を変更することができる。
【0111】
また、表示制御部176は、いずれかのオプションボタン202がクリックされると、クリックされたオプションボタン202に対応する待機位置の待機位置情報を記憶部178から取得し、取得した待機位置情報が示す待機位置に対応する高さにハンドル206を表示する。ユーザは、ハンドル206をクリックし、そのまま上下方向にドラッグすることにより、アーム72の待機位置を変更することができる。表示制御部176は、ハンドル206が上下方向にドラッグされるのに伴い、数値設定欄208内の数値も変更する。
【0112】
ユーザによりアーム72の待機位置が変更され、OKボタン214がクリックされると、待機位置管理部177は、記憶部178に格納された待機位置情報のうち、選択されたオプションボタン202に対応する待機位置情報を、変更された待機位置情報に書き換える。このとき書き換える情報の中には、アーム72の待機位置を示す数値の他に、ユーザによって入力された待機位置の名称も含まれる。なお、ユーザは、キャンセルボタン216をクリックすることにより、アーム72の待機位置を変更することなくユーザポジション設定ウィンドウ200を閉じることができる。
【0113】
また、ユーザは、トライアルボタン212をクリックすることにより、数値設定欄208またはハンドル206によって変更した待機位置にアーム72を移動させることができる。ユーザによってトライアルボタン212がクリックされると、待機位置制御部172は、数値設定欄208に表示された待機位置を示す数値を取得し、この数値に基づいてモータ84に駆動信号を供給してアーム72を移動させる。ユーザは、トライアルボタン212を利用することにより、実際の給紙台14の高さに変更後のアーム72の待機位置が適合しているかを確認しながらアーム72の待機位置を調整することができる。
【0114】
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。以下、そうした例をあげる。
【0115】
ある変形例では、アダプタ102は、複数種類の用紙受け台に位置決めすることができるよう、たとえば係止部材104など、用紙受け台との位置決めを行う位置決め部材が交換可能とされている。なお、用紙受け台との位置決めを行う位置決め部材の位置が、複数の用紙受け台に応じて変更可能となっていてもよい。たとえば、係止部材104が装置前後方向に移動可能に構成されており、用紙受け台の大きさに応じた位置でアダプタ102に固定することができるような場合である。これによって、アダプタ102を複数の種類の用紙受け台に対応させることができるため、複数種類の用紙処理装置がある場合においもて、給紙台14に直接用紙を積載することが可能となる。
【0116】
また、別の変形例では、ユーザは、給紙台14、アダプタ102、および用紙受け台106を給紙装置10の用紙収容部15に挿入後、アームの上昇を指令する所定のボタンを押すか、または位置決めピン110が位置決め孔102aから引き抜かれるために充分なアーム72の上昇距離をコントロールパネルを用いて入力または選択してもよい。この場合においても、電子制御部は、ユーザによるこのような操作があった場合、位置決めピン110が位置決め孔102aから引き抜かれるために充分な距離だけアーム72を上昇させる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】第1の実施形態に係る給紙装置の正面図である。
【図2】第1の実施形態に係る給紙装置のP−P断面図である。
【図3】第1の実施形態に係る給紙装置の左側面図である。
【図4】第1の実施形態に係る、相互に取り付ける前の給紙台、アダプタ、および用紙受け台を示す斜視図である。
【図5】第1の実施形態に係る、相互に取り付けた後の給紙台、アダプタ、および用紙受け台を示す斜視図である。
【図6】(a)は、用紙処理装置に給紙台、アダプタ、および用紙受け台が装着された状態を示す図であり、(b)は、搬送車を用いて用紙処理装置から給紙台、アダプタ、および用紙受け台を引き出した状態を示す図であり、(c)は、給紙装置に給紙台、アダプタ、および用紙受け台を挿入する前の状態を示す図であり、(d)は、給紙装置に給紙台、アダプタ、および用紙受け台を挿入した後の状態を示す図であり、(e)は、給紙装置に給紙台、アダプタ、および用紙受け台が挿入された状態でアームを上昇させた状態を示す図であり、(f)は、搬送車を用いて給紙装置からアダプタおよび用紙受け台を引き出した状態を示す図である。
【図7】第2の実施形態に係る、相互に取り付ける前の給紙装置、アダプタ、および用紙受け台を示す斜視図である。
【図8】第3の実施形態に係る、相互に取り付けた後の給紙装置、アダプタ、および用紙受け台を示す斜視図である。
【図9】第4の実施形態に係る、相互に取り付けた後の給紙装置、アダプタ、および用紙受け台を示す斜視図である。
【図10】第5の実施形態に係る、相互に取り付けた後の給紙装置、アダプタ、および用紙受け台を示す斜視図である。
【図11】(a)は、アダプタを用紙受け台に固定する前の偏心カム機構の状態を示す図であり、(b)は、アダプタを用紙受け台に固定したときの偏心カム機構の状態を示す図である。
【図12】用紙受け台に第6の実施形態に係るアダプタが取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図13】図12に示す用紙受け台およびアダプタに、さらに給紙台が取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図14】用紙受け台に第7の実施形態に係るアダプタが取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図15】図14に示す用紙受け台およびアダプタに、さらに給紙台が取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図16】第8の実施形態に係る給紙装置の機能ブロック図である。
【図17】ディスプレイに表示されるアームポジション選択ウィンドウを示す図である。
【図18】ディスプレイに表示されるユーザポジション設定ウィンドウを示す図である。
【符号の説明】
【0118】
10 給紙装置、 14 給紙台、 15 用紙収容部、 16 給紙部、 86 搬送車、 102 アダプタ、 102a 位置決め孔、 102b キャスタ収容スペース、 104 係止部材、 106 用紙受け台、 108 空間部、 110 位置決めピン、 120 用紙処理装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙処理装置によって処理された用紙を給紙装置へ移す際に用いられるアダプタであって、
前記用紙処理装置は、用紙に所定の処理を施して用紙受け台へ順次排出するものであり、
前記給紙装置は、給紙台に積載された用紙のうち最上位の用紙を順次送り出すものであり、
前記用紙処理装置から排出された用紙を、前記用紙受け台に積載する代わりに前記給紙台にて積載すべく、前記用紙受け台の上方に前記給紙台を配置する際に、前記用紙受け台と前記給紙台とに介在することによって両者の位置決めをすることを特徴とするアダプタ。
【請求項2】
前記給紙台および前記アダプタは、一方が位置決めピン、他方が位置決め孔を有し、前記アダプタを前記給紙台に置く工程において、前記位置決めピンが前記位置決め孔に挿入されることにより前記アダプタに対して前記給紙台が位置決めされることを特徴とする請求項1に記載のアダプタ。
【請求項3】
前記給紙装置は、前記給紙台が取り付けられるアームを有するものであり、
前記給紙台が置かれたときに前記給紙台との間に前記アームが挿入されるアーム挿入空間が設けられるように形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のアダプタ。
【請求項4】
前記用紙受け台のいずれかの側部に当接することにより、前記用紙受け台に対して前記アダプタを位置決めするアダプタ位置決め手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のアダプタ。
【請求項5】
前記用紙受け台に置かれた状態で、前記用紙受け台からの離脱を係止する係止手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のアダプタ。
【請求項6】
前記用紙受け台の上方に配置されたとき前記用紙処理装置に設けられた用紙受け台高さセンサによって検知される被検知部をさらに備え、
前記用紙受け台高さセンサは、前記アダプタおよび前記給紙台が前記用紙受け台の上方に配置されていないときは前記用紙受け台の上面の所定箇所を検知するものであり、
前記用紙処理装置は、前記用紙受け台高さセンサによって検知される箇所が所定の高さに上昇した場合に用紙受け台の上昇を停止させるものであり、
前記被検知部は、アダプタの最上位となるよう設けられることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のアダプタ。
【請求項7】
用紙が積載される着脱可能な給紙台と、前記給紙台が取り付けられ前記給紙台を昇降させるアームと、給紙台に積載された用紙のうち最上位の用紙を順次送り出す給紙手段と、を有する給紙装置と、
用紙に所定の処理を施して用紙受け台へ順次排出する用紙処理装置によって処理された用紙を給紙装置へ移す際に用いられるアダプタであって、前記用紙処理装置から排出された用紙を、前記用紙受け台に積載する代わりに前記給紙台にて積載すべく、前記用紙受け台の上方に前記給紙台を配置する際に、前記用紙受け台と前記給紙台とに介在することによって両者の位置決めをするアダプタと、を備え、
前記アダプタは、前記給紙台が置かれたときに前記給紙台との間に前記アームが挿入されるアーム挿入空間が設けられるように形成され、
前記給紙台および前記アダプタは、一方が位置決めピン、他方が位置決め孔を有し、前記アダプタを前記給紙台に置く工程において、前記位置決めピンが前記位置決め孔に挿入されて前記アダプタに対して前記給紙台が位置決めされ、
前記用紙受け台と前記給紙台とにアダプタが介在する状態で、アーム挿入空間に前記アームが挿入されるよう前記給紙台および前記アダプタを前記給紙装置の本体に挿入し、前記アームを上昇させることにより、前記位置決めピンを前記位置決め孔から引き抜き、前記給紙台を前記アダプタから離脱させることを特徴とする給紙システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−44788(P2008−44788A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−183540(P2007−183540)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000109727)株式会社デュプロ (195)
【Fターム(参考)】