説明

アップライトピアノ用レペティション・アクション機構

アップライトピアノでダブルレペティション中に所謂マジックタッチ効果を提供するための改良した装置であって、該装置には、複数の鍵を備え、該鍵を揺動可能に鍵盤フレームに実装し、該鍵には、其々、適当に斜めに傾けた駆動要素を支持し、該駆動要素をネジ調節可能にし、傾斜揺動アームと相互連結させ、該アームは角度変化を制御する連続したエスケープメント・エネルギー・レバーとして機能し、次に急激に時計回りに下方へ傾斜する主要ブリッジに対して枢動し、該ブリッジはハンマーのバットローラに連結するエスケープメント・レバーと動作可能に揺動し、該ハンマーは第1柱状要素に対して枢動し、次に該要素は複数の調節ボタンを支持して第1及び第2エスケープメントを調節すること、を特徴とする。上記揺動ブリッジ組立体には第2柱状要素を連結して、該要素に対して第2エスケープメントのレバーを枢動させ、該レバーは調節ボタンを支持してその動作角度を調節し、第1エスケープメントのレバーと協働し、該レバーもやはり調節ボタンを支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アップライトピアノでダブルレペティション中に所謂マジックタッチ効果を獲得するための改良した機構に関する。周知のように、アップライトピアノは音楽的に、所謂マジックタッチを再生するのに適しておらず、該マジックタッチには、実際に、必要に応じて高レベルのエネルギーを提供し、ピアノ弦が一時叩打される際に、ピアノ弦が生成する音の倍音をコンパクトにする必要がある。
【背景技術】
【0002】
上述したコンパクト化を達成するための従来の方法は、満足のいくものではなく、というのも機械的な観点から極めて複雑で、必要な倍音特性を生成するのに不適当だからである。
【発明の開示】
【0003】
従って、本発明の狙いは、上述した問題を、アップライトピアノでダブルレペティションのマジックタッチ効果を獲得するよう構成した装置を提供することにより解決することであり、該装置は構造的に極めて単純で、信頼性の高い構成及び構造の構成要素を極めて少数備える。
【0004】
上述した狙いの範囲において、本発明の主な目的は、機械的に極めて効率的で、その上、特にアップライトピアノ用に設計しており、その2つのエスケープメントを、大型化又は干渉問題を発生させずに、容易に調節可能になるよう構成した、かかる装置を提供することである。
【0005】
本発明の別の目的は、その独特な構造上の特徴のために、動作に関して極めて信頼性が高く且つ安全な、かかる装置を提供することである。
【0006】
本発明の更に別の目的は、単に経済的観点からでも極めて優位性を有する、かかる装置を提供することである。
【0007】
本発明の1態様によれば、上述した狙い及び目的だけでなく、更に他の目的についても、以下でより明白になるが、それらをアップライトピアノでダブルレペティション中に所謂マジックタッチ効果を提供するよう特別に設計した改良した装置によって、達成するが、該装置には、複数の鍵を備え、該鍵を揺動可能に鍵盤フレームに実装し、鍵で、其々、傾斜揺動アームと相互接続する駆動要素を支持し、次に該アームを主要揺動ブリッジ組立体に対して枢動させ、上記主要揺動ブリッジ組立体を動作可能に、第1柱状要素に対して枢動するハンマーバットローラに連結し、第1及び第2エスケープメントを調節するための複数の調節ボタンを支持し、第2柱状要素を上記揺動ブリッジ組立体に連結し、上記第2柱状要素に対して上記第2エスケープメントのレバーを枢動させ、該レバーでその動作角度を調節する調節ボタンを支持し、上記調節ボタン要素は更なる調節ボタン要素を支持する上記第1エスケープメントと協働すること、を特徴とする。
【0008】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明の更なる特徴及び効果については、以下の好適な、しかし専らではない、本発明の実施例に関する詳細な開示から明白になるが、該実施例を、限定ではなく、表示例として、添付図で説明する。
【0009】
上述した図の参照番号を参照すると、この改良した装置は、特に所謂マジックタッチ効果をダブルレペティション中にアップライトピアノで提供するよう設計しており、本発明によれば、該装置には、複数の鍵1を備え、該鍵にはその自由端部に、それを楕円形先端部3に係合させて、鍵ガイド要素として動作するスロットを備え;図示するように、上記楕円形先端部3の下側に、鍵1の押下ストロークを減衰又は緩衝するパッド要素4を、設ける。
【0010】
楕円形先端部3及びパッド要素4を鍵盤フレーム5に連結するが、該フレームで更なるパッド要素6も支持し、該要素を第2楕円形先端部7と関連させ、上記更なるパッド要素はガイドスロット8に係合させ、鍵盤の黒鍵9に関してこれを配設する。
【0011】
上記鍵1及び9を、ガイドスロット10を通して、固着した円形先端部11に対して枢動させるが、該先端部は枢動ピン又は支点として機能して鍵を揺動可能にし、上記円形先端部11はまた上記鍵盤フレーム5から突出する。
【0012】
図示の通り、鍵1を、そのレスト状態では、更なるパッド要素12を鍵盤フレーム5に取付けて、更に緩衝する。
【0013】
鍵1は、その反対側端部で、金属製駆動要素14を支持し、該要素を適当に反時計回りに傾斜させ、これをネジ調節可能にし、その上部には、弓形端部を持つ円筒形状を有して、推進力を傾斜揺動アーム15に送る。
【0014】
該アームにより実質的にニージョイント・レバーを提供し、該レバーを連続エネルギー又は動力エスケープメント・レバーと見なして、このレバーの角度を変化させて押鍵の加減速を制御する。
【0015】
上記レバーには、その底部に、凹状輪郭を備え、その中に小さな緩衝用パッド又はフェルト16を収容し、該パッド又はフェルトは駆動要素14係合部を緩衝する機能を果たす。
【0016】
上述した傾斜揺動アーム15を、次に、枢動ピン17で、柱状要素18に対して枢動させ、該要素で更なる軸受パッド又はフェルトを支持して、そこで傾斜揺動アーム15を支える。
【0017】
柱状要素18を、例えば接着剤で、主要揺動ブリッジ組立体19に堅固に連結し、該組立体をフォーク状要素20に関して、水平枢動ピン21と接して、揺動可能にするが、該枢動ピンをロッドNKに固定し、該ロッドを、ネジで、装置のフレームワークに連結する。
【0018】
主要ブリッジ組立体19により、該ブリッジ組立体19の軸(A)と2本の枢動ピン21及び36を結ぶ軸とが異なる割合である角度Wを画定する。
【0019】
上記主要ブリッジ組立体では更に金属製ロッド22を支持し、該ロッドには、その上側自由端部に、第1ハンマー当接部又はキャッチャー23を備え、該当接部又はキャッチャー23は、第2ハンマー当接部又はキャッチャー24と協働し、該第2ハンマー当接部又はキャッチャーを、金属製ロッド25を介して、ハンマー組立体のキャッチャーシャンク26に取付けるが、該ハンマー組立体を一般に参照番号27で示す。
【0020】
ハンマー27のバット要素を枢動ピン28について枢動させ、該枢動ピン28を第2柱状要素29に連結し、該第2柱状要素を、連結ネジ30により、金属製フレーム31に連結し、該フレームを次に本機構のフレームワーク32に連結させる。
【0021】
前記第2柱状要素29を通して、貫通開口部33を設け、該開口部に金属製ロッドを係合させ、該ロッドは、その下側端部で、第1調節ボタン34を支持して、第1エスケープメントを調節し、該エスケープメントのレバー35を枢動ピン36周りに上記主要ブリッジ組立体19に対して枢動させる。
【0022】
上記レバー35には、次に、テール部37を設け、該テール部を緩衝パッド又はフェルト38に当接するよう構成するが、該パッド又はフェルトは第1エスケープメントのボタン34に連結させる。
【0023】
図2を参照すると、鍵により、それが回転運動する際に、力又はエネルギーを伝動すると、レバー又はジャック35が、ハンマーフェルト41を駆動させるローラ40から外れ、それによりその反時計回りの叩打を終えても、ピン36はブリッジ組立体19の枢動ピンと直線を成す水平線に到達せず、枢動ピン21の水平線の高さから上方に大きく離隔したままとなる。
【0024】
図示の通り、ローラ40を接続バット27に、ハンマー27の連結ピン42を介して、そのバットポイント43で関連させる。
【0025】
上記ハンマーのバットポイント43によりハンマーフェルト41のロッド44を支持し、該ハンマーフェルトを、次に、ハンマー成形体45で支持する。
【0026】
ハンマーロッド、又はシャンク44は、ピアノ弦を叩打し跳ね返った後に、揺動運動でき、ストロークの終わりで又はその限定部分を制動フェルト又はパッド46で制動し、該フェルト又はパッドをハンマー受バー47に取付け、該バーをフレームワークのポイント48に固着する。
【0027】
指摘すべきは、本装置には更に第2柱状要素49を備え、該要素を主要ブリッジ組立体19の中間部分に配設し、該要素にはV字型バネ50を含み、該バネを取着点51で接続し、該取着点を柱状要素49に関して設けて、該バネ端部を第2エスケープメントのレバー52及び第1エスケープメントのレバー35に作用させる。
【0028】
より詳しくは、第2エスケープメントのレバー52を、柱状要素49に対して、水平に延在する枢動ピン53を介して枢動させる。
【0029】
バネ50により、時計回りに第1エスケープメントのレバー35及び第2エスケープメントのレバー52を其々付勢する。
【0030】
上記レバー35及び52にはボタン要素54及び55を備え、該要素を調節ネジ56及び57で支持する。
【0031】
本発明による装置には、その上、揺動運動緩衝要素を備え、該要素を参照番号58で示すが、該要素にはクランクレバー59を備え、該レバーを枢動ピン69について枢動させ、該ピンをバー又はロッド61に取付ける。
【0032】
緩衝又はダンパー要素のペダル62を、ダンパー又は緩衝レバー67の金属体63に連結する。
【0033】
上記レバー59には、その端部に、金属製スプーン状要素64を備え、該要素を鍵1の端部と協働させ、上記鍵で支持するパッド又はフェルト65に当接させる。
【0034】
レバー59を、常にバネ60によりフェルト又はパッド68に当接させた状態に付勢する。
【0035】
第2スプーン状要素66は、緩衝フェルト又はパッド68を含むダンパーレバー67の下端部と協働し、該レバーを揺動ピン58周りに揺動させるよう構成する。
【0036】
ダンパーレバー67は、その他方端部で、金属製アーム70を支持し、該アームでフェルト又はパッド71を、支持要素72を介して、受け、これを付勢バネ74により、倍音を提供するピアノ弦73に対して付勢する。
【0037】
このように、本発明装置の部品要素は協働して、ピアノ弦に一定の打撃強度を、鍵1に印加される動態的圧力と関係無く、複数の高速な押鍵圧力を連続的に印加しても、加える。
【0038】
傾斜揺動アーム15を、レバー35を用いて、対象の機構に高機械効率を提供し、ハンマー機構27を利するよう構成する適当な角度を提供するよう設計及び配設する。
【0039】
図3では、主にバー又はロッド94に関して更に簡潔化した装置についての変更実施例を示し、該バー又ロッドにより二重フォーク柱状要素29を支持して、ハンマー44を柱状要素29の枢動ピン28で枢動する連結バットに固定して揺動可能にしている;このクランプ機構を、プレート75を締付ネジ76でバット要素43にクランプ固定して形成する。
【0040】
ハンマーバットにより、その側端部に、接着剤で、ハンマー26のテール部を支持し、該ハンマーを適当に上方に時計回りに傾斜させ、該ハンマーにはハンマーキャッチャー24を備え、該キャッチャーの下側端部は下方に延在させ、該キャッチャーは金属製アーム25を介してテール部26に固定する。
【0041】
ダンパー装置67を柱状要素29の枢動ピン58に対して枢動させるが、該ダンパー装置を、運動中に、摺動輪87を金属製フォーク86の枢動ピンに対して回転させて駆動し、該摺動輪は、運動部分で、ダンパー67の下側端部に固着した楔状要素88に作用するが、該要素は調節ネジ89で調節可能とする。
【0042】
エネルギーを、鍵を押下して伝動させると、傾斜揺動アーム15は、主要ブリッジ組立体19を付勢して、レバーを介して、ハンマーバット43のローラ下にある第1エスケープメント35及び第2エスケープメント53に影響を及ぼす。
【0043】
第2エスケープメントのレバーの動作ストロークを、柱状要素29に連結する小ボタン要素95で係止し、それにより、下方への角運動を提供するが、該角運動ではスプーン状要素85に作用して、時計回り方向に第1エスケープメントのレバー35を外し、それにより、ハンマー44を、ピアノ弦を打弦後に後方に跳ね返し、その結果、図1及び図2を参照して概括的に開示したように、キャッチャー25と協働するキャッチャー24に衝撃を与える。
【0044】
傾斜揺動アーム15には、その中央部分に、調節用金属製ネジを備えており、その上端部を枢動ピン93で枢動する部分に係合させており、該ネジは、それを反時計回りに回転させると、上方への付勢力を伝達する。
【0045】
枢動ピン78に対して枢動する部分に係合するその下端部では、上記ネジは、それを反時計回りに運動させる際に、その力を下方に伝達し、それにより対向側の部品を迅速に展開させる。
【0046】
柱状要素80をブリッジ組立体19に固定しており、該柱状要素には幅広のスロットを備えて、第2エスケープメントのレバー54の枢動ピン51に対して枢動するバネ81をそこに通過させる。
【0047】
このようにして、バネで第1エスケープメントのレバー35を反時計回り方向に付勢するが、それにより該レバーはフェルト又はパッド要素93に当接し、該要素を適当に第2エスケープメントのレバーのスロット91に係合させ、該第2エスケープメントを時計回りに付勢して調節ボタン53で係止する。
【0048】
ブリッジ組立体19には、その中央部分で、スロット90を備えてバネ81をそこから通してブリッジ組立体の下側部分に存在させ、それにより第1及び第2エスケープメントのレバーの運動に関して弾力性を増大させる。
【0049】
ネジ84を調節ネジとして機能させ、バネ81の力を調節する。
【0050】
第1エスケープメントのレバー35は、その下端部に、スプーン状要素85を支持し、該要素を第2エスケープメントのレバー51の枢動点付近に締着するボタン55と協働させる。
【0051】
ボタン55を下降又は押下すると、それにより上記レバー51に影響が及び、レバー35を時計回りに外し、それによりハンマー44がそのエネルギーをピアノ弦に対して自由に伝達可能になる。
【0052】
上記の開示から、本発明により完全に意図した狙い及び目的を達成することが明白である。
【0053】
特に、指摘すべきは、特別に設計した発明の構造的特徴により、極めて簡潔な装置を、多大な動作信頼性と共に、提供できることである。
【0054】
本発明は、開示したように、幾つかの変更例及び変形例が可能だが、それら全てが本発明の範囲内となる。
【0055】
例えば、水平線より上で、上向き方向に、動作するようにも構成した装置の実施例を設計可能である。
【0056】
更に、全ての構造に関する詳細を、他の技術的等価要素と置換できる。
【0057】
更にまた、本装置の更なる変更実施例を、有名なエラール(HERARD)式のバネを含む支点が可動な仕組みで動作するよう構成することも可能である。
【0058】
本発明を実施する際に、使用する材料だけでなく付随する寸法及び形状を、必要条件及び当該技術の状況に従い、任意とできる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明による動作機構について、そのレスト位置で、ロッドダンパー装置及びフレームを分離させた状態で、概略的に示す。
【図2】装置について、その鍵を駆動又は動作した状態で、概略的に示す。
【図3】前述した図と同様だが、本発明の装置を更に簡素化した実施例でこれを説明した図である。
【図4】本装置の更なるバージョンである。
【符号の説明】
【0060】
1 鍵
5 鍵盤フレーム
6 パッド要素
10 ガイドスロット
11 円形先端部
14 駆動要素
15 揺動アーム
18、80 柱状要素
19 揺動ブリッジ組立体
20、 フォーク状要素
21、28、36、58 枢動ピン
22、25 ロッド
23、24 キャッチャー
26 キャッチャーシャンク
27 ハンマー
30、56、57、76、84、89 ネジ
31 金属製フレーム
35 第1エスケープメント・レバー
37 テール部
38、45、65、68、71、93 パッド又はフェルト
40 ローラ
41 ハンマーフェルト
50、60、81 バネ
52 第2エスケープメント・レバー
53、54、55、95 ボタン要素
62 ペダル
63 金属体
64、85 スプーン状要素
67 ダンパー装置
70 アーム
73 ピアノ弦
86 フォーク
87 摺動輪
88 楔状要素
91 スロット
94 バー又はロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【請求項2】
前記駆動要素は、略円筒形状を有し、調節手段及び、前記傾斜揺動アームの下側端部で画定する凹輪郭の座部に係合可能な弓形端部を備えること、を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各前記鍵を揺動可能に前記鍵盤フレームに実装し、該鍵にはガイドスロットに収容する丸みを持った先端部を備えること、及び前記鍵の側面には、黒鍵を収容するよう設計したスロットを更に設けること、を特徴とする前請求項の1項又は複数項に記載の装置。
【請求項4】
前記主要揺動ブリッジ組立体には第1ハンマーチェッカーを支持し、該チェッカーは前記第2エスケープメントの前記レバーによって影響を受けず、前記レバーは、次に、僅かにS字型形状を有し、前記ハンマーのテール部に締着した第2ハンマーチェッカーと協働させること、を特徴とする前請求項の1項又は複数項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1エスケープメントの前記レバーを略上方に伸長させ、前記主要揺動ブリッジ組立体に対して枢動させ、前記レバーには角度を付けたテール部を備え、該テール部を前記第1エスケープメントのボタンに取付けたパッド又はフェルト要素に当接するよう動作させること、を特徴とする前請求項の1項又は複数項に記載の装置。
【請求項6】
前記レバーはハンマーバットローラと協働し、該ローラによりハンマーフェルトを駆動させるが、該ハンマーフェルトを、ピンを介して、前記ハンマーにそのバットポイントで関連させること、を特徴とする前請求項の1項又は複数項に記載の装置。
【請求項7】
前記装置にはパッド又はフェルト要素を更に備え、該要素をハンマー受バー又はロッドに取付け、該バー又はロッドを、ハンマーロッド又はシャンク用ストローク要素端部として機能させるよう構成すること、を特徴とする前請求項の1項又は複数項に記載の装置。
【請求項8】
前記装置には、前記主要揺動ブリッジ組立体の第2柱状要素に、V字型バネを備え、該バネは鋭角に下方に存在し、第1エスケープメントのレバーと第2エスケープメントのレバーとの間で機能し、第2柱状要素に対して枢動し、前記両レバーには調節ボタン及びネジを備えること、を特徴とする前請求項の1項又は複数項に記載の装置。
【請求項9】
前記装置には、ピアノ弦音を減衰するダンパー要素を更に備え、前記ダンパー要素には、クランクレバーを備えて、その両端部に其々第1及び第2の金属製スプーン状要素を連結し、該要素を其々鍵の端部及びダンパーレバーの下側部と協働させ、該ダンパーレバーはその中央部周りで揺動でき、前記ダンパーレバーには、その他方端部で減衰用仕組みであるフェルト又はパッド要素を支持し、該要素をピアノ弦に作用させること、を特徴とする前請求項の1項又は複数項に記載の装置。
【請求項10】
アップライトピアノでダブルレペティション中にマジックタッチ効果を提供する改良した装置であって、該装置には、複数の特別に設計した構成要素、即ち、ハンマーロッド又はシャンクを備え、該要素には時計回りに方向付けした角度配置を含み、これを“アルファ(α)”角度として、ハンマーバットピンの垂線に関して、定義し、該角度で十分に適当なポテンシャルエネルギーの差を、ハンマーを跳ね返す際に、提供し、それにより第2エスケープメントのV字型バネの力を克服し;ハンマーのテール部を独立させ、そのバットポイントで接着により、“カッパ(κ)”角度として、連結するバット要素に関して下方に方向付けして定義した角度で、連結させ、該バット要素駆動ローラを、ハンマーピンの水平線に関して大幅に下方に離隔させること、を特徴とする装置。
【請求項11】
アップライトピアノでダブルレペティション中にマジックタッチ効果を提供する改良した装置であって、連結用ハンマーバットは、その側端部で接着により、ハンマーテール部を、適当に上方に時計回りに傾斜させて、支持し、該テール部には、その下側端部を下方向に向けて、次に金属製アームで前記テール部に固定してハンマーキャッチャーを備え;ダンパー装置を、柱状要素のピンに対して枢動させ、該ダンパー装置を金属製フォークの枢動ピンに対して枢動する摺動輪の運動中に、駆動し;該摺動輪を、その運動部で、ダンパー組立体の下側端部に締着した楔状要素に作用させるが、該要素はネジ調節可能であり;鍵がそのエネルギーを与えると、前記傾斜揺動アームは、前記主要ブリッジ組立体を付勢し、ハンマーバットローラ下にある、前記第1エスケープメント及び第2エスケープメントの前記レバーを介して、動作すること、を特徴とする前請求項の1項又は複数項に記載の装置。
【請求項12】
アップライトピアノでダブルレペティション中にマジックタッチ効果を提供する改良した装置であって、前記第2エスケープメントの前記レバーを、その動作ストローク中に、柱に固着したボタンにより係止し、それにより角度運動を提供し、該運動は、スプーンに作用することで、前記第1エスケープメントの前記レバーを下降させ、それにより前記ハンマーを、ピアノ弦を叩打後に後方に、跳ね返り可能にして、第2ハンマーキャッチャーと協働するハンマーキャッチャーと固定係合させ、傾斜振動アームには、その中間部分に、枢動ピンを枢動させる部分に係合する上側端部を有する調節用金属製ネジを備え;前記ネジは、その反時計回りの回転運動中、上方向への力を提供する一方、前記ネジの下端部で、ピンで枢動させる部分に係合し、前記ネジは反時計回り方向に動作し、下方向の力を伝達し、それにより対向側での迅速な部品の展開運動を発生させること、を特徴とする前請求項の1項又は複数項に記載の装置。
【請求項13】
アップライトピアノでダブルレペティション中にマジックタッチ効果を提供する改良した装置であって、前記柱を前記主要揺動ブリッジに固定し、該柱には、幅広のスロットを備えて、前記第2エスケープメントの前記第2レバーに対して枢動するバネを該スロットから通し、それにより該バネで前記第1エスケープメントの前記レバーを、反時計回りに方向付け可能にして、前記調節ボタンで時計回りに方向付け及び係止する前記第2エスケープメントの前記第2レバーのスロットに係合させた前記フェルトに対して停止当接させること、を特徴とする前請求項の1項又は複数項に記載の装置。
【請求項14】
アップライトピアノでダブルレペティション中にマジックタッチ効果を提供する改良した装置であって、前記揺動ブリッジには、その中央部分に、バネを前記ブリッジの下側部分に存在させるようにそこを通過させるスロットを備え、それにより前記第1及び第2エスケープメントの前記両レバーの運動に関する弾力性を増大させ、前記ネジを調節ネジとして機能させて該バネ力を調節すること、を特徴とする前請求項の1項又は複数項に記載の装置。
【請求項15】
アップライトピアノでダブルレペティション中にマジックタッチ効果を提供する改良した装置であって、前記第1エスケープメントの前記第1レバーには、その下端部に、スプーン状要素を支持し、前記要素は前記第2エスケープメントの前記レバーの枢動点に取着したボタンと協働し;前記ボタンを下降させると、前記ボタンが前記レバーに影響を及ぼして前記レバーを時計回り方向に外し、それにより前記ハンマーを自由にしてそのエネルギー又は力を前記ピアノ弦に対して伝達可能にすること、を特徴とする前請求項の1項又は複数項に記載の装置。
【請求項16】
アップライトピアノでダブルレペティション中にマジックタッチ効果を提供する改良した装置であって、該装置は、水平線に関して、斜位で、上向き方向なブリッジのピン間軸で動作すること、を特徴とする前請求項の1項又は複数項に記載の装置。
【請求項17】
アップライトピアノでダブルレペティション中にマジックタッチ効果を提供する改良した装置であって、該装置は、有名なエラール(HERARD)式のバネを含む支点が可動な仕組みで動作すること、を特徴とする前請求項の1項又は複数項に記載の装置。
【請求項18】
アップライトピアノでダブルレペティション中にマジックタッチ効果を提供する改良した装置であって、該装置には1つ又は複数の記述した及び/又は図示した特徴を備えること、を特徴とする前請求項の1項又は複数項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−513812(P2008−513812A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530858(P2007−530858)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【国際出願番号】PCT/IT2005/000524
【国際公開番号】WO2006/030474
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(507069391)