説明

アデノウイルスに基づくベクター

本発明は、インフルエンザウイルス等の感染性病原体由来の抗原を発現することが可能な、複製能力を有するアデノウイルスベクターを提供する。アデノウイルスベクターは、対象に感染性病原体のワクチン接種をするために使用することができる。アデノウイルスベクターは、抗原をコードする異種配列を含む。異種配列は、特定のE3欠失内もしくはその付近を含むアデノウイルスベクターの種々の位置に挿入されてもよく、かつ/またはアデノウイルスのヘキソンコード領域に組み込まれてもよい。アデノウイルスベクターは、いかなるアデノウイルス血清型、特に血清型Ad4またはAd7に由来してもよい。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の異種配列を含むアデノウイルスベクターを含むワクチンであって、該アデノウイルスベクターが、複製能力を有し、かつE3の部分欠失を有し、該第1の異種配列が、該E3の部分欠失を含有する位置に組み込まれている、前記ワクチン。
【請求項2】
前記アデノウイルスベクターが、Ad2、Ad3、Ad4、Ad5、Ad6、Ad7、Ad11、Ad20、Ad21、Ad22、Ad23、Ad24、Ad25、Ad26、Ad28、Ad34、Ad35、Ad40、Ad41、Ad48、Ad49、またはAd50に由来する、請求項1に記載のワクチン。
【請求項3】
前記アデノウイルスベクターが、チンパンジー血清型Ad C1、Ad C3、Ad C6、Ad C7、またはAd68に由来する、請求項1に記載のワクチン。
【請求項4】
前記E3の部分欠失が、E3領域内に少なくとも1つ、2つ、または3つのオープンリーディングフレームの欠失を含む、請求項1に記載のワクチン。
【請求項5】
前記E3の部分欠失が、未知の機能を有する少なくとも1つ、2つ、または3つのオープンリーディングフレームの欠失を含む、請求項1に記載のワクチン。
【請求項6】
前記E3の部分欠失が、Ad5のADP領域に対応する領域の欠失を含む、請求項1に記載のワクチン。
【請求項7】
前記アデノウイルスベクターが、Ad4に由来し、前記E3の部分欠失が、E3 24.8k、E3 6.3k、およびE3 29.7kの欠失を含む、請求項1に記載のワクチン。
【請求項8】
前記アデノウイルスベクターが、Ad7に由来し、前記E3の部分欠失が、E3 20.1k、E3 20.6k、およびE3 7.7kの欠失を含む、請求項1に記載のワクチン。
【請求項9】
前記第1の異種配列の発現が、アデノウイルスプロモーターの制御下にある、請求項1に記載のワクチン。
【請求項10】
前記第1の異種配列の発現が、内因性アデノウイルスプロモーターの制御下にある、請求項9に記載のワクチン。
【請求項11】
前記第1の異種配列の発現が、内因性主要後期プロモーターおよびトリパータイトリーダーの制御下にある、請求項10に記載のワクチン。
【請求項12】
前記第1の異種配列の発現が、非アデノウイルスプロモーターの制御下にある、請求項1に記載のワクチン。
【請求項13】
前記第1の異種配列の発現が、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターの制御下にある、請求項12に記載のワクチン。
【請求項14】
前記第1の異種配列の発現が、CMVプロモーターおよびアデノウイルストリパータイトリーダーの制御下にある、請求項12に記載のワクチン。
【請求項15】
前記第1の異種配列が、アデノウイルススプライスアクセプターに機能的に結合している、請求項1に記載のワクチン。
【請求項16】
前記第1の異種配列が、天然E3 24.8kスプライスアクセプターに機能的に結合している、請求項15に記載のワクチン。
【請求項17】
前記第1の異種配列が、アデノウイルスポリAシグナル配列に機能的に結合している、請求項1に記載のワクチン。
【請求項18】
前記第1の異種配列が、Ad5 E3ポリAシグナル配列に機能的に結合している、請求項17に記載のワクチン。
【請求項19】
前記第1の異種配列が、感染性病原体の免疫原性タンパク質をコードする、請求項1に記載のワクチン。
【請求項20】
前記感染性病原体が、ウイルス、細菌、原生生物、および真菌からなる群から選択される、請求項19に記載のワクチン。
【請求項21】
前記感染性病原体が、インフルエンザ、ヒト免疫不全症ウイルス、またはヒトパピローマウイルスである、請求項20に記載のワクチン。
【請求項22】
前記感染性病原体が、バチルス(Bacillus)、赤痢菌(Shigella)、マイコバクテリウム(Mycobacterium)、またはマラリア原虫(Plasmodium)である、請求項20に記載のワクチン。
【請求項23】
前記第1の異種配列が、インフルエンザヘマグルチニン、インフルエンザノイラミニダーゼ、インフルエンザM2、M2eの多量体、HTLエピトープの多量体、またはCTLエピトープの多量体をコードする、請求項1に記載のワクチン。
【請求項24】
前記第1の異種配列が、感染性病原体の免疫原性タンパク質をコードする第1のORFと、感染性病原体からのエピトープの多量体をコードする第2のORFとを含む、請求項1に記載のワクチン。
【請求項25】
第1の異種配列を含むアデノウイルスベクターを含むワクチンであって、該アデノウイルスベクターが複製能力を有し、該第1の異種配列の発現がアデノウイルスプロモーターの制御下にある、前記ワクチン。
【請求項26】
前記アデノウイルスプロモーターが、内因性アデノウイルスプロモーターである、請求項25に記載のワクチン。
【請求項27】
前記第1の異種配列が、内因性主要後期プロモーターおよびトリパータイトリーダーの制御下にある、請求項25に記載のワクチン。
【請求項28】
前記アデノウイルスベクターが、E3の全欠失または部分欠失を含み、前記第1の異種配列が、該E3の全欠失または部分欠失を含有する位置に組み込まれている、請求項25に記載のワクチン。
【請求項29】
第1の異種配列を含むアデノウイルスベクターを含むワクチンであって、該アデノウイルスベクターが、Ad2、Ad3、Ad4、Ad5、Ad6、Ad7、Ad11、Ad20、Ad21、Ad22、Ad23、Ad24、Ad25、Ad26、Ad28、Ad34、Ad35、Ad40、Ad41、Ad48、Ad49、Ad50、Ad C1、Ad C3、Ad C6、Ad C7、またはAd68に由来し、複製能力を有し、かつE3の全欠失を有する、前記ワクチン。
【請求項30】
第1の異種配列および第2の異種配列を含むアデノウイルスベクターを含むワクチンであって、該第2の異種配列が、アデノウイルスのヘキソン領域に組み込まれており、該第1の異種配列が、アデノウイルスの非ヘキソン領域に組み込まれており、該アデノウイルスベクターが、複製能力を有する、前記ワクチン。
【請求項31】
前記アデノウイルスベクターが、Ad2、Ad3、Ad4、Ad5、Ad6、Ad7、Ad11、Ad20、Ad21、Ad22、Ad23、Ad24、Ad25、Ad26、Ad28、Ad34、Ad35、Ad40、Ad41、Ad48、Ad49、またはAd50に由来する、請求項30に記載のワクチン。
【請求項32】
前記アデノウイルスベクターが、チンパンジー血清型Ad C1、Ad C3、Ad C6、Ad C7、またはAd68に由来する、請求項30に記載のワクチン。
【請求項33】
前記アデノウイルスベクターが、E3の部分欠失を含み、前記第1の異種配列が、該E3の部分欠失を含有する位置に組み込まれている、請求項30に記載のワクチン。
【請求項34】
前記第1の異種配列の発現が、アデノウイルスプロモーターの制御下にある、請求項30に記載のワクチン。
【請求項35】
前記第1の異種配列の発現が、内因性アデノウイルスプロモーターの制御下にある、請求項30に記載のワクチン。
【請求項36】
前記第2の異種配列が、前記アデノウイルスベクターのヘキソン領域に組み込まれている、請求項30に記載のワクチン。
【請求項37】
前記第2の異種配列が、HVR1、HVR2、HVR4、またはHVR5に組み込まれている、請求項30に記載のワクチン。
【請求項38】
前記第2の異種配列が、ウイルスの膜タンパク質の領域をコードする、請求項30に記載のワクチン。
【請求項39】
前記第2の異種配列が、保存されたウイルス膜タンパク質の細胞外部分をコードする、請求項30に記載のワクチン。
【請求項40】
前記第2の異種配列が、インフルエンザM2タンパク質の領域、インフルエンザマトリックスCTL、インフルエンザNPエピトープ、別の血清型のアデノウイルスからの1つもしくは複数のHVR、またはそれらの組み合わせをコードする、請求項30に記載のワクチン。
【請求項41】
前記第2の異種配列が、インフルエンザM2のM2eの1つまたは複数のコピーをコードする、請求項30に記載のワクチン。
【請求項42】
前記第2の異種配列が、インフルエンザM2のM2eの1つまたは複数のコピーをコードし、各M2コピーが、異なるHVRに組み込まれており、該M2eの1つまたは複数のコピーが、HVR1、HVR2、HVR4、HVR5、またはそれらの組み合わせに組み込まれている、請求項30に記載のワクチン。
【請求項43】
前記第2の異種配列が、SEQ ID NO:318(H5 M2e)、SEQ ID NO:321(H7 M2e)、SEQ ID NO:327(H9 M2e)、SEQ ID NO:312(ヒトM2e)、SEQ ID NO:337(NP)、またはSEQ ID NO:336(マトリックスCTL)の配列を含む、請求項30に記載のワクチン。
【請求項44】
第2の異種配列を含むアデノウイルスベクターを含むワクチンであって、該第2の異種配列が、ウイルスの膜タンパク質の領域をコードし、かつ内因性アデノウイルス配列に隣接し、該第2の異種配列が、該アデノウイルスベクターのヘキソン領域に組み込まれている、前記ワクチン。
【請求項45】
前記第2の異種配列が、インフルエンザM2タンパク質の領域、インフルエンザマトリックスCTL、インフルエンザNPエピトープ、別の血清型のアデノウイルスからの1つもしくは複数のHVR、またはそれらの組み合わせをコードする、請求項44に記載のワクチン。
【請求項46】
前記アデノウイルスベクターが、Ad2、Ad3、Ad4、Ad5、Ad6、Ad7、Ad11、Ad20、Ad21、Ad22、Ad23、Ad24、Ad25、Ad26、Ad28、Ad34、Ad35、Ad40、Ad41、Ad48、Ad49、またはAd50に由来する、請求項44に記載のワクチン。
【請求項47】
前記アデノウイルスベクターが、チンパンジー血清型Ad C1、Ad C3、Ad C6、Ad C7、またはAd68に由来する、請求項44に記載のワクチン。
【請求項48】
第2の異種配列を含むアデノウイルスベクターを含むワクチンであって、該第2の異種配列が、スペーサー配列に接しているウイルスの膜タンパク質の領域をコードし、該第2の異種配列が、該アデノウイルスベクターのヘキソン領域に組み込まれている、前記ワクチン。
【請求項49】
前記スペーサー配列が、「LGS」ペプチドをコードする、請求項48に記載のワクチン。
【請求項50】
前記アデノウイルスベクターが、Ad2、Ad3、Ad4、Ad5、Ad6、Ad7、Ad11、Ad20、Ad21、Ad22、Ad23、Ad24、Ad25、Ad26、Ad28、Ad34、Ad35、Ad40、Ad41、Ad48、Ad49、またはAd50に由来する、請求項48に記載のワクチン。
【請求項51】
前記アデノウイルスベクターが、チンパンジー血清型Ad C1、Ad C3、Ad C6、Ad C7、またはAd68に由来する、請求項48に記載のワクチン。
【請求項52】
経口、鼻腔内、舌下、膀胱内、直腸内、膣内投与のために製剤化される、請求項1、25、29、30、44、または48に記載のワクチン。
【請求項53】
許容可能な担体をさらに含む、請求項1、25、29、30、44、または48に記載のワクチン。
【請求項54】
単回用量が、約10〜約1013個のアデノウイルス粒子を含む、請求項1、25、29、30、44、または48に記載のワクチンの投薬単位。
【請求項55】
請求項1、25、29、30、44、または48に記載のワクチンを対象に投与することを含む、対象において感染性病原体に対する免疫応答を誘発する方法。
【請求項56】
前記ワクチンの1回または複数回の用量が前記対象に投与される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記感染性病原体が、インフルエンザ、HIV、HPV、バチルス、マラリア原虫、マイコバクテリア、または赤痢菌である、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記対象が、前記感染性病原体によって誘発された感染症を有する、請求項55に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公表番号】特表2013−501001(P2013−501001A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523098(P2012−523098)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/043951
【国際公開番号】WO2011/014794
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(512024244)パックスバックス, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】