説明

アナグリフ奥行知覚トレーニング又はテスト

【課題】アナグリフ画像提示システムは、ユーザの奥行知覚能力を評価するために提供される。
【解決手段】実施態様では、アナグリフ画像目標成分は、表示装置上に提示される。
画像目標成分はそのとき、ユーザは透過レンズセットを通して見る。透過フィルタレンズは、各レンズに関連付けられた透過ピーク波長を基に1つ以上の目標成分を提示し、遮断する。結果として、ユーザは、画像目標成分から結果として現れるアナグリフ目標画像を透過フィルタレンズを通して見ることで知覚する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2009年12月1日付の米国出願第12/628,347号(発明の名称:アナグリフ奥行知覚トレーニング又はテスト)及び2009年8月3日付の米国出願第12/534,661号(発明の名称:アナグリフ奥行知覚トレーニング又はテスト)の優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、視覚的トレーニング及び/又はテストに一般的に関わる。特に、本発明は、個人の奥行知覚能力における両目離反運動の振幅についての違いから隔離されるような個人の奥行知覚能力における網膜歪覚感応性についてのテスト及び/又は評価に関わる。
【背景技術】
【0003】
運動競技のような数多くの動作は、個人の奥行知覚能力に対して個別的な要求をする。個人に3次元画像を提示するアナグリフシステムは長い間知られている一方で、これらのシステムは、貧弱な光学及び/又は制限される画像フィルタリング能力に悩まされている。
同期式表示装置と一体化して使用される液晶アイウェアのような、他の既知のシステムは、高価であり、扱いづらい。
SUMMARY OF THE INVENTION
【発明の概要】
【0004】
本概要は、詳細な説明において以下に更に記述される単純化された形式で概念の選択を紹介するよう提供される。本概要は、特許請求される主題における重要な特徴又は本質的な特徴を識別するよう意図されておらず、特許請求される主題の範囲の決定において補助として使用されるようにも意図されていない。
【0005】
本発明は、専門的技術においていくつかの実用的な応用を提示し、個人の奥行知覚能力のテスト及び/又はトレーニングのシステム及び方法を制限しない。本発明に関するシステムは、少なくとも1つ以上のアナグリフ画像をアナグリフ画像表示装置上のユーザへ提示し、当該画像はそのとき、表示装置の背景に関係する様々な奥行で現れるオブジェクトの出現を疑似的に再現するため、透過フィルタレンズセットを通してユーザによって見られる。本発明に従うアナグリフ画像提示システムは、アナグリフ画像表示装置、透過フィルタレンズセット、入力装置、及び制御ユニットを含むことができる。透過フィルタレンズを通して背景に対して表示される複数の有色の視覚的目印をユーザに知覚させることによって、本発明に従うシステムは、奥行及び/又は3次元空間の出現をユーザに対して疑似的に再現することができる。
【0006】
入力装置は、表示される視覚的目印に応答するユーザから入力を受信することができる。例示的な実施態様において、表示装置上の複数の色付き画像からなるアナグリフ表示は、透過フィルタレンズセットを通して知覚される色付き目印を少なくとも2つ備えている。少なくとも1つ以上のアナグリフ画像の成分として作用する色付き画像が複数集まってなる表示は、制御ユニットを使用することで制御することができ、各色付き画像から放出されるピーク波長を、透過フィルタレンズセットを通して透過されるピーク波長と一致させ、又はにじみを回避する。例えば、赤及び青の透過フィルタレンズを使用するとき、アナグリフ表示装置の表示には、少なくとも1つの赤い目印と少なくとも1つの青い目印を含むことができ、赤い目印と青い目印を制御ユニットによって調整することで、赤及び青のレンズそれぞれを通して透過されるピーク波長と一致させる。ある実施態様では、赤い目印を、青い透過フィルタレンズを通して目で見ることによって知覚することができる。青い透過レンズフィルタを通した目で赤い目印を見るとき、元の赤い目印は、青みがかった背景に対して、黒い(又は暗い)色に見ることができる。更に、赤い透過フィルタレンズを通して目で見るとき、赤い目印は背景と同様又は類似の色及び輝度であることができ、ゆえに、元の赤い目印は背景に溶け込んで、知覚することができない。同様に、青い目印は、赤い透過フィルタレンズを通して目で見ることによって知覚されることができ、元の青い目印は赤みがかった背景に対して黒い(又は暗い)色に見ることができる。更に、青い目印は、青い透過フィルタレンズを通して見るとき、背景と同様又は類似の色又は輝度であることができ、ゆえに、元の青い目印は背景に溶け込んで、知覚することができない。透過されるピーク波長を放出されるピーク波長に一致させることは、透過フィルタレンズセットを通して見るとき、いずれかの方法で目印に知覚し、かつ、遮断することを可能にし、各レンズは、本発明の実施態様に従い表示された色付き目印の1セットによって、放出されるピーク波長を一致させる。これは、本発明の実施態様で記述されるアナグリフ画像提示システムに係る1フィルタで、単色の目印を見るための性能である。
【0007】
代替的な実施態様では、透過されるピーク波長を一致させることは、近くの波長値の範囲の1つを含むことができる。本発明の1つの特徴は、1つ以上の透過フィルタレンズを横切った色にじみを制限し、又は除去する能力である。色にじみでは、色スペクトルの一部が1つ以上の透過フィルタレンズを横切って見え、結果として現れるアナグリフ画像がぼやけて見える結果を引き起こす。色のにじみを減らす又は除去することによって、結果として現れることでユーザによって知覚されるアナグリフ画像は、高い透明度を有する。
【0008】
更なる代替的な実施態様では、色付き目印の各セットによって放出されるピーク波長は、それぞれ、透過レンズフィルタセットの各レンズによって透過されるピーク波長の高い範囲と低い範囲で放出されるように修正される。しかるが故に、ある実施態様では、透過レンズフィルタセットの各透過フィルタレンズは、他の透過フィルタレンズから大きく区別されるように選択される(例えば、透過フィルタレンズセットでは、右レンズを“赤”、左レンズを“青”に選択することができる)。表示される色付き目印の各セットによって放出されるピーク波長を、各対象者に対して知覚される波長が、それぞれ、青の範囲の最小値又は赤の範囲の最大値となるように変えることによって、結果として現れるアナグリフ画像は、アナグリフ画像の成分によって放出されるピーク波長と各フィルタレンズを通して透過されるピーク波長とが正確に一致した場合よりもにじみが少なくてくっきりとした画像を有することができる。
【0009】
代替的な実施態様では、アナグリフ画像を、アナグリフ画像表示装置の異なる部分を横切った色付き目印の配置を通して様々な度合いの奥行を知覚させるように成ることができる。特に、アナグリフ画像は、注視平面の前方又は後方に漂い、又は浮くように現れる場合がある。例えば、第1のアナグリフ画像成分と第2のアナグリフ画像成分との間の網膜歪覚の違いは、12秒角の場合がある。従って、結果として現れるアナグリフ画像を知覚する個人は、第1画像と第2画像との間に、12秒角だけ浮いている画像を知覚することができる。このように、浮きは、画像相互間及び/又は画像と注視平面との間の相対的な関係にある。
【0010】
ある実施態様において、奥行知覚の様々な度合いは、第1波長の画像成分と第2波長の画像成分との間の距離を変えることによって、達成することができる。この距離は、ピクスデルタとして参照することができる。再びアナグリフ画像の成分として青い目印と赤い目印の例を用いることで、青い目印と赤い目印を表示装置の左部分と右部分に方向づけると、それぞれ、青いレンズと赤いレンズを備える透過フィルタレンズセットで見たとき、それぞれ背景パネルの前で漂うように見える。青い目印と赤い目印が更に遠くに離れていくに従って(すなわち、青い目印は左に更に動く及び/又は赤い目印は更に右に動く)、結果して現れるアナグリフ画像は、背景パネルの前で、更に漂うように見える(例えば、結果して現れるアナグリフ画像は、よりユーザに近づくように見える。)この例では、ピクスデルタは、目印が更に離れるに従って、ますますプラスになり、プラスの含蓄は、青い目印と赤い目印との相対的関係に帰因し、青い左透過フィルタレンズと赤い右透過フィルタレンズの相対的関係と一致する。
【0011】
逆に、青い目印と赤い目印を(青い目印が表示装置の右部分上に提示され、赤い目印が表示装置の左部分に提示され)逆にすることを除いて上述したと同様のシステムを仮定すると、結果として現れるアナグリフ画像が、赤い右レンズと青い左レンズをそれぞれ備えた透過フィルタレンズセットで見たとき、背景パネルの後方で漂うように見える。上述の結果と同様に、青い目印と赤い目印が更に遠くに動くに従って(例えば、青い目印が更に右に動くとき及び/又は赤い目印が更に左に動くとき)、画像は更に背景パネルの後方で漂うように見える。この例では、目印が更に離れるに従って、ピスクデルタ(pixdelta)はますますマイナスになり、マイナスの含蓄は、青い目印と赤い目印との関係の逆転に帰因し、青の左透過フィルタレンズと赤い右透過フィルタレンズとの相対関係と一致しない。
【0012】
制御ユニットは、少なくとも1以上の色付き目印を提示し、配列するために使用することができ、当該色付き目印は、アナグリフ画像提示システムのアナグリフ画像成分として使用される。一実施態様では、アナグリフ画像成分は、制御ユニットによって実行されるテスト命令に基づいてアナグリフ画像表示装置上に提示することができる。アナグリフ画像成分の表示中、テスト命令は、表示されるアナグリフ画像成分間のピクスデルタを制御するために役立つ場合がある。
【0013】
作動中、本発明の実施態様に従い、個人の奥行知覚をトレーニングするときに、ピクスデルタを変化させることで表示装置のある領域に提示された第1のアナグリフ画像が、固定されたピクスデルタで表示装置の他の部分上に提示された第2のアナグリフ画像の奥行と一致すると思われるとき、個人に入力装置を操作するように促すことができる。一旦ユーザが入力装置に応答を入力することによって条件を満たすことを指示すると、制御ユニットは、従事時間を検出し、従事時間と予想時間(すなわち、第1のアナグリフ画像が実際に第2のアナグリフ画像と同じ奥行になる時間)の比較に基づき個人の反応の正確さを判定することができる。代替的に、第1のアナグリフ画像では奥行の違いが一定の変化であるを仮定すれば、個人が入力装置に応答を入力するとき第1のアナグリフ画像と第の2アナグリフ画像との間の奥行の違いの度合いを、個人の奥行知覚の速さ及び正確度の測定データとして使用することができる。例えば、制御ユニットは、トレーニング、評価、又はユーザの奥行知覚能力に関する他の情報を格納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明は、添付図面に関連する以下の詳細において記述される。
【図1】本発明の実施態様に従うアナグリフ画像提示システムを示す。
【図2】本発明の実施態様に従う明るさの透過百分率に対して図示される放出及び透過の波長チャートを示す。
【図3】本発明の実施態様に従う透過フィルタレンズセットを通して見ることができるターゲット成分画像を提示するアナグリフ画像表示装置を示す。
【図4】本発明の実施態様に従う第1透過フィルタレンズを通して見るときのアナグリフ画像表示装置の知覚アナグリフ画像を示す。
【図5】本発明の実施態様に従う第2透過フィルタレンズを通して見るときアナグリフ画像表示装置の知覚アナグリフ画像を示す。
【図6】本発明の実施態様に従う様々なピクスデルタ表示を有するアナグリフ画像成分の表示を示す。
【図7】本発明の実施態様に従うアナグリフ画像表示装置を示す。
【図8】本発明の実施態様に従うユーザへのアナグリフ画像が少なくとも1つ以上提示するための方法を示すフロー図である。
【図9】本発明の実施態様に従う参照画像に関する前景画像におけるアナグリフ画像成分の表示を示す。
【図10】本発明の実施態様に従う参照画像に関する背景画像におけるアナグリフ画像成分の表示を示す。
【図11】本発明の実施態様に従うユーザへの参照画像に関するアナグリフ画像を少なくとも1つ以上提示するための更なる方法を示すフロー図を示す。
【図12】本発明の実施態様に従う背景に対して提示される2つのアナグリフ画像の画像成分を示す。
【図13】本発明の実施態様に従う模範的トレーニングスケジュールを示すフロー図を提供する。
【図14】本発明の実施態様に従う段階トレーニング機構を示す。
【図15】本発明の実施態様に従うアナグリフ画像の提示に関連するゴースト画像を除去する方法を示すフロー図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を図示の好適な実施形態に基づいて更に詳述する。 本発明の主題は、法的な必要条件を満たしてここに特殊性を有して記述される。しかしながら、明細書自体は、本特許の範囲を制限することを意図されていない。むしろ、本発明者は、特許請求される主題を、他の手段で例示することもでき、本書類において記述されるものと類似する異なる段階又は段階の組み合わせを含む様、他の現在又は未来の技術と一体となって、理解する。
【0016】
本発明の実施態様は、個人の奥行知覚能力をトレーニングする及び/又は評価するためのアナグリフ画像提示システムを提供する。非制約的な例示として、適切なアナグリフ画像提示システムは、複数の知覚目標画像を提示するアナグリフ画像表示装置を含む場合があり、各知覚目標画像は、左表示画像成分及び右表示画像成分と関連する。特に、知覚アナグリフ目標の所与の表示のために、表示装置は3つの成分を表示する:背景表示、左目標表示成分、及び右の目標表示成分、背景を有して、左目標表示成分、及び右目標成分はそれぞれ1つの特性のセットを備えている。
ある実施態様では、表示の各種類に関する1つの特性のセットは以下を含むことができる:表示される波長と、表示される輝度の明るさ。加えて、アナグリフ画像提示システムは、複数の知覚目標画像を表示するために使用される表示装置の領域を多様化することができ、複数の知覚目標画像は、複数の目標表示成分画像を備えることができる。このように、アナグリフ画像提示システムの表示装置を横切って目標表示成分を移動することによって、ユーザは複数の奥行知覚測定データ/距離に関する一連の異なる目標を知覚することができる。本発明の実施態様では、知覚目標表示は、左の表示画像成分と右の表示画像成分との間の変化するピクスデルタ(すなわち目印の配置間の距離)によって、奥行の出現が与えられる。ピクスデルタは、センチメートルで測定するように、2つの画像成分間の未処理の距離を備えることができ、又は、2つの画像成分間の表示上のピクセルの数を参照することができる。
【0017】
表示装置は、透過フィルタレンズセットを通して見るとき、それぞれ、各知覚目標画像用の関連透過フィルタレンズを通して見るときの左の知覚目標成分と右の知覚目標成分との間で等しい輝度の色を有するよう知覚される波長を放出するよう適合させた背景を表示することもできる。例示的な実施態様では、アナグリフ画像提示システムは、関連知覚目標画像の奥行のアピアランスを生成するように、知覚されるアナグリフ画像としての複数の目標表示成分を提示するための制御ユニットと、知覚される目標画像に関連付けられる奥行の最大のアピアランスを有して表示装置上に表示される複数の知覚される目標画像のうちの知覚される目標画像を示すために個人によって操作される入力装置を更に備えることができる。
【0018】
ある実施態様では、アナグリフ画像表示装置で個人の奥行知覚をトレーニングするとき、関連知覚目標画像が表示平面の基本レベルで知覚される奥行のアピアランスを有することができるような知覚目標表示成分を複数のピクスデルタ特性で戦略的に配置することができ、表示平面の前方の奥行で知覚され、又は表示平面の後方の奥行で知覚される。
【0019】
本発明の実施態様を簡潔に記述しながら、本発明のための模範的操作環境は以下に記述される。
【0020】
本発明の実施態様は、コンピュータコード又はマシン使用可能命令(例えばテスト命令)に従うアナグリフ表示装置の一般的なコンテキストにおいて記述することができ、プログラム成分のようなコンピュータ実行可能命令を含み、PDA又は他の携帯用装置のようなコンピュータ装置(例えば制御ユニット、入力装置、又は記録装置)又はロジック処理機械によって実行されている。一般的に、ルーチン、プログラム、目印、成分、データ命令、及びそれに類するものを含むプログラム成分は、特別なタスクを行う、又は特別な抽象データ型を実行するコードを参照する。本発明の実施態様は、携帯用装置、大衆消費電子製品、汎用コンピュータ、専用コンピュータ装置等を含む、様々なシステム配置において実施することができる。
【0021】
添付図面を参照して、奥行知覚トレーニング/テストシステムの実施態様及び用いられるアナグリフ画像表示装置を説明する。図面及び関連明細書は、本発明の実施態様を示すよう提供され、それの範囲を制限しない。“実施態様”の詳細における参照は、本実施態様と関連して記述される特別な特徴、構造、又は特質が少なくとも1つの本発明の実施態様に含まれることを示すよう意図されている。更に、明細書において様々な場所での「一実施態様では」という言いまわしの様子は、同実施態を必ずしも全て参照していない。
【0022】
一般的に図面を参照すると、特に最初のうち図1において、アナグリフ画像提示システム100は、本発明の実施態様に従って示される。例示的な実施態様では、アナグリフ画像提示システム100は、アナグリフ画像表示装置140、透過フィルタレンズセット150、制御ユニット160、及び入力装置170を備えている。アナグリフ画像表示装置140は、テストされている個人130と透過フィルタレンズセット150の間に配置することができる。
【0023】
図1を参照して、制御ユニットを説明する。
【0024】
一般的に、制御ユニット160は、個人130の奥行知覚能力をテスト及び/又はトレーニングするために提供するよう構成される。制御ユニット160は、単に適切なコンピュータ装置の一例であり、本発明の実施態様における使用及び機能性の範囲について制限を示唆するよう意図されていないことは、当業者には理解され、認められる。従って、制御ユニット160は、パーソナルコンピュータ装置、携帯用装置、大衆消費電子製品装置、及びそれに類するものにおいて通常展開される様々な種類のプロセッサの形式を取ることができる。しかしながら、本発明の実施態様は、特別な任意の処理コンポーネントでの実行に制限されないことに留意されたい。
【0025】
本発明は、広い距離範囲において、奥行判断の正確度のような、奥行知覚をテストするために使用され場合がある。ある実施態様では、ユーザに、変化する知覚奥行で2つ以上の画像を提示することができ、少なくとも1つの他の画像と比較するような奥行情報において小さな違いを有する画像を選択するよう求めることができる。しかるが故に、本発明は、様々な動作への特定の応用を有する奥行知覚テスト/トレーニングのために使用することができる。例えば、サッカー、ホッケー、フットボール等のようなスポーツに関する奥行知覚を、本発明の長距離及び短距離における奥行面に従ってテスト及び/又はトレーニングすることができる。他の実施態様にでは、ビリヤードのような動作に関する奥行知覚を、本発明の短範囲における奥行面に従ってテスト及び/又はトレーニングすることができる。
【0026】
例示的な「実施態様では、制御ユニット160は、テスト命令を実行可能なマイクロプロセッサのいずれの種類になるよう一般的に構成される。非制約的な例示として、テスト命令を実行することには、アナグリフ画像装置140上のアナグリフ画像成分を示す色付き目印の提示を含む場合がある。制御ユニット160は、色、方向、回転、軌道等のような、いずれの付加的な視覚的特性を制御することもできる。一例において、アナグリフ画像成分を提供することには、制限されることなく、以下のプロセスを伴うこともできる:アナグリフ画像表示装置140上にアナグリフ画像成分を提示すること、所定量の時間(例えば、ミリ秒から分)、アナグリフ画像成分を維持すること、及びアイドル状態に戻ることにしたアナグリフ画像表示装置140を非アクティブ化すること。一般的に、本プロセスは、制御ユニット160は、テスト状態を通して循環するアナグリフ画像成分の他の配置を選択するように、何度も繰り返される。
【0027】
概して、電源(図示せず)を、制御ユニット160及び/又はアナグリフ画像表示装置140に電気的に接続することができる。しかるが故に、電源は、電動成分のいくつか又は全ての支持操作を援助する。実施態様において、電源は、バッテリ、電気コンセント、電池、ソーラパネル、又は他の任意の定電流源であることができる。
【0028】
一例において、電源から供給される電流は、制御ユニット160によって制御され、
通信接続162を介して複数の光源110に流れる。他の例では、通信接続162は、制御ユニット160から1つ以上の選択光源をアクティブ化又は非アクティブ化するアナグリフ画像表示装置140へ信号を伝えるよう役に立つ。同様に、通信接続164は、制御ユニット160と入力装置170を操作可能に連結する。このように、通信接続164は、入力装置170に個人の潜在性指標を制御ユニット160へ伝えさせ、および/又は、制御ユニット160から入力装置170に信号を制御させる。
【0029】
一実施態様では、通信接続162及び164は有線又は無線であることができる。
特別な有線実施態様の例は、本発明の範囲内において、USB接続及びケーブル接続を含む。特別な無線実施態様の例は、本発明の範囲内において、近範囲無線ネットワーク及び高周波技術を含む。
【0030】
“近距離無線ネットワーク”の設計は制限されるよう意味されず、少なくとも以下の技術を含む様広く認められるべきであると理解され、認められるべきである:相対無線周辺(NWP)装置;短範囲無線エアーインターフェイスネットワーク(例えば、無線個人領域ネットワーク(wPAN)、無線ローカルエリアネットワーク(wLAN)、無線ワイドエリアネットワーク(wWAN)、BluetoothTM、及びそれに類するもの);ピアツーピア通信(例えばUltra Wideband);及び装置間の無線データ通信を支持するいずれのプロトコル。加えて、本発明の分野に精通する個人は、近範囲無線ネットワークが、特定の図解された実施態様と異なる様々なデータ転送方法(例えば衛星中継、通信ネットワーク等)によって実行することができると知覚する。
【0031】
他の実施態様では、アナグリフ画像提示システム100に、制御ユニット160を供給することができない。この例において、アナグリフ画像表示装置140は、アナグリフ画像表示装置140のアクティブ化におけるルーティング及びタイミングを制御する配線に取り入れられているスイッチ又はリレー部品を有して配線される。このように、電力がアナグリフ画像表示装置140に供給されるとき、この配線は、電力を1つ以上のアナグリフ画像成分を提示するように振り向け、それによってユーザは少なくとも1つのアナグリフ画像を知覚することができる。
【0032】
一般的に、入力装置170は、個人130から応答入力を受信し、演算処理のための制御ユニット160に、ユーザ入力応答を伝えるように構成される。例としてのみ、個人130は、背景パネルから最も遠い距離に見えるアナグリフ画像の知覚後、応答を入力することができる。例えば、入力装置170は、iPod(R) touch、マイクロフォン、操作レバー、ゲームパッド、無線装置、キーボード、キーパッド、ゲームコントローラ、フォースプレート、視線追跡システム、ジェスチャー認識システム、感応式タッチスクリーン、及び/又は、アナグリフ画像表示装置140に有線又は無線データを提供する他の任意の入力開始用コンポーネントのようなマルチタッチ装置であることができる。
【0033】
入力装置170は、対象者からの聴覚的入力を処理する音声知覚機器及び/又はソフトウェアを含むことができる。例えば、対象者からの聴覚的入力は、視覚的目印及び/又は当該視覚的目印の有する特性の認識を示すため(例えば、一連のアナグリフ画像がパターンで提示される場合、ユーザは最大奥行を有している画像に関する特性を入力するよう求められる)、視覚的目印の有する特性の言語化であってもよい。一実施態様では、前記特性が、提示されるアナグリフ画像の方向性を有する位置である場合、聴覚的な応答入力は、“上”、“下”、“右”及び“左”であることができる。しかしながら、当業者には、他の聴覚的な入力は、対象者が視覚的目印を知覚し、及び/又は、したことを指示するために(例えば、数字、文字、記号等を述べる)使用されてもよいことが理解され認められる。
しかしながら、本発明はこのような入力装置170上の実行に制限されず、しかし、本発明の実施態様の範囲内でいずれの様々な異なる種類の装置上で実行することができると留意されたい。表示される視覚的目印に対する対象者の応答を示す入力は、入力装置170で受信されて、キャプチャすることができる。前記特性が方向性を有する位置である場合、満足なテスト応答は、画像が位置づけられる表示の象限における識別であることができる。
非制約的な例示として、識別することには、対象者が、入力装置170として用いられる携帯用装置上の方向性方位に対応する方向で操作レバーを操作することによって入力を提示することを含む場合がある。
【0034】
入力装置70がジェスチャー認識システムである場合、様々なシステム及び/又は方法を、入力を受信するために使用することができる。例えば、1つ以上のカメラを、対象者の身体、目、肢体及び/又は四肢の動きをモニタするために、また、適切なハードウェア及び/又はソフトウェアを組み合わせて、対象者が適切な身振りをするときの入力を登録するために使用することができる。ジェスチャー認識システムは、動き追跡を容易にするために、対象者に取り付けられる光学式マーカを利用することもできる。対象者及び受信者に取り付けられる送電器(例えば、ラジオ、赤外線、音波、亜音速、又は超音波伝送を利用する送電器)を、ジェスチャー認識システムの一部として利用することもできる。
【0035】
入力装置170が感応式タッチスクリーンである場合、いずれの種類の感応式タッチスクリーンを利用することができる。た、接触感応材料のオーバーレイは、接触感応式ではないディスプレイを組み合わせて、タッチ入力を受信するために使用することもできる。このようなオーバーレイは、ディスプレイからの任意の距離でもあることができる。
【0036】
図示されていないが、記録装置を、アナグリフ画像提示システム100内に組み込むことができる。一例では、記録装置は、通信接続を介して制御ユニット160を制御するよう操作可能に連結される機器の外部品である。
別の例において、記録装置は、制御ユニット160内に統合されるデータストレージコンポーネントである。
作動中に、記録装置は、入力装置170内への応答入力の記録、奥行知覚テストの集計、テスト命令、テストデータ、及びそれに類するもののような情報を保存するように構成される。
この情報は、制御ユニット又は他の任意のコンピュータ装置によって、記録装置を検索可能とすることができる。
更に、この情報は、奥行知覚測定データのユーザ履歴を計算し、又は、経時的ユーザ奥行知覚能力に関する改善の分析するような、分析を実行するために記録装置からダウンロードできる場合がある。
更に、情報(例えばテスト命令)は、制御ユニット160へアクセス可能な記録装置にアンロード可能であることができる。
情報の様々な実施態様を上述したが、このような情報の内容及び容量は、いずれの手段においても本発明の実施態様の範囲を制限するように意図されていない。
【0037】
ある実施態様では、制御ユニット160は、個人130へのフィードバックを与えることによってトレーニング装置として機能することができる。
フィードバックは、任意の形式で与えることができ、奥行知覚測定データ、操作されるテスト結果、及びテスト命令からの所定データを含む、任意の情報を基にすることができる。
更に、実施態様では、制御ユニット160は、個人130の奥行知覚能力を評価する分析的プロセッサとして機能することができる。
個人130からの応答と予想される応答を比較することによって、評価を実行することができる。
一例において、応答を比較することには、ユーザに提示された奥行情報に対して入力装置170へのユーザの応答に関連する奥行知覚測定データを比較することが含まれる。
【0038】
ある実施態様では、対象者の奥行知覚能力を、表1で以下に示されているような一連のテストパラメータを使用するアナグリフ画像提示システム100を使用してトレーニングすることができる。
表1は、テストの連続番号(1,2,3及び4)を備える;知覚アナグリフ画像に関連するプリズム屈折力;プリズムベース方向;アナグリフ画像表示装置140上に表示される小点のような色付き目印の向き;アナグリフ画像表示装置140上の色付き目印セットの間のピクスデルタ距離;及び表示時間。
プリズムベース方向は、知覚アナグリフ画像が背景の前で漂うときを、ベースアウト(BO)とし、又は、知覚アナグリフ画像が背景の後ろで漂うときを、ベースイン(BI)とすることができる。
【0039】
以下に示すように、アナグリフ画像提示システム100のための例示的な一連のトレーニング運動は、2分の進行中に対象者に提示される一連の4つのテストを含む。
ある実施態様では、対象者には、背景の前又は後に漂うよう方向づけされる一対のアナグリフ画像を提示される。
ユーザが奥行情報を見る実施態様では、提示されるアナグリフ画像のように、右目を覆う赤いレンズ及び左目を覆う青いレンズを有して方向づけられる透過フィルタレンズセット150を通して、表1で記述される成分で結果として現れる画像は、それぞれ、前;後ろ;背景の前方;及び背景の後方で漂うように見える。
【表1】

【0040】
小点の中心間のベース距離は、上述したように、ピスクデルタによって測定される。
本例では、1ピクセルの幅が0.282mmである。
加えて、ピクセル間の距離は、各ピクスデルタに関連付けられた秒角の数値で参照することができる。
各秒角に関連付けられたピクセル数は、表示画面からの対象者の距離に基づいている。
例えば、対象者が表示画面から16フィート離れて立つとき、1ピクセルのピクスデルタは12秒角を含む場合がある。
或いは、対象者が表示画面から32フィート離れてに立つとき、1ピクセルのピクスデルタは6秒角を含む場合がある。
ピクスデルタのレベルを、例示的な以下の表に示す。
【表2】

【0041】
表1及び表2で示すように、提示された小点の二組間における距離の違いは、実質的に変わらない視覚的両目離反運動で対象者の奥行知覚能力に対する網膜歪覚の感応面をトレーニングするために、小さくする場合がある(例えば約10mm)。
このような場合、対象者の網膜歪覚の感応性は、アナグリフ画像提示システム100を通してトレーニングされる第一の側面である。
【0042】
ユーザの奥行知覚における網膜歪覚の感応面をテストすることに加えて、アナグリフ画像提示システム100はまた、ユーザが当該ユーザに提示された奥行同士の区別を知覚するスピードをテストし、及び/又は、トレーニングするためにも使用することができる。
ユーザの知覚スピードは、目印が表示された第1回目から、対象者からの反応を受信する第2回面までの経過時間量を基に測定することができる。
ユーザが、背景から最も遠く(又は尋ねられるテスト問題によって、背景から最も近く)に現れるアナグリフ画像を正確に識別するとき、ユーザは、より速いペースで奥行情報を提示される場合がある。
付加的に又は代替的に、ユーザは、当該ユーザに対する難易度をあげるために、より小さいピクスデルタで奥行情報を提示させることができる。
【0043】
加えて、アナグリフ画像成分に対する特定の設定を説明したが、当業者によれば、アナグリフ画像成分を提示するための他の方法を使用することができ、本発明は、実施態様に示され記述されたものに制限されないことが理解され、認められるであろう。
【0044】
図2を参照すると、透過波長のチャート200は本発明の実施態様に従って提供される。
チャート200は、xyプロット上に示した、波長に関する透過百分率の測定データから成る。
図2のチャートは、表示された左目標成分210、表示された右目標成分215、知覚された左目標成分220、及び知覚された右目標成分225の波長及び透過百分率特性を含む。
【0045】
表示された左目標成分210と、表示された右目標成分215の波長及び透過百分率は、これらをフィルタレンズなしで見たときの成分の波長及び透過百分率を表す。
同様に、知覚された左目標成分220と、知覚された右目標成分225は、これらをフィルタレンズを通して見たときの成分の波長及び透過百分率を表す。
与えられた波長での2つの透過百分率の違いは、単に放出された光を一定の百分率で透過フィルタレンズを通して通過させるだけの透過フィルタレンズの特性に起因する。
例えば、知覚された左目標成分220に関連付けられた光は、表示される光の70パーセントを含むことができるだけの一方、知覚された右目標成分225に関連付けられた光は、表示される光の75パーセントを含むことができる。
両方の側を通して通過される光を同等にするため、第1の光の透過百分率は、ユーザによって知覚される光量が、アナグリフ入力成分色として使われている少なくとも2色に関して同等となるように、増加させければならない。
代替的な実施態様では、背景色の透過百分率を、2つのアナグリフ入力成分の透過百分率と等しくなるように、変更することができる。
【0046】
図3は、本発明の実施態様に従う透過フィルタレンズセットを通して見ることができる目標成分画像を提供するアナグリフ画像表示装置300を示す。
アナグリフ画像表示装置300は、背景310、右向きアナグリフ画像成分320及び左向き画像成分330を備える。
一実施態様では、右向きアナグリフ画像成分320は、赤に関連付けられるような第1波長で表示され、左向きアナグリフ画像成分330は、青に関連付けられるような第2波長で表示される。
加えて、背景310は、第1波長と第2波長との合成波長である第3波長で表示される。
更に、背景310及び成分320,330の輝度の明るさは、第1及び第2透過レンズを通して知覚されるとき、同等として知覚されるように設定される。
例えば、背景310を、波長X及び輝度の明るさYで表示することができ、;成分320を波長A及び輝度の明るさBで表示することができ、;そして、成分330を波長C及び輝度の明るさDで表示することができる。
ゆえに、本実施態様では、波長Xは、波長A及びCの色組み合わせであり、輝度の明るさYは、輝度の明るさB及びDの和である。
【0047】
前述の例は、右向きアナグリフ画像成分と、左向きアナグリフ画像成分にそれぞれ、赤色と青色を使用する一方で、テストでは、アナグリフ画像の表示は、輝度対比が青と赤の間の輝度対比よりも低い色を使用することで効果的な場合があると示している。
例えば、代替的な実施態様では、緑及び薄紫又は濃紫の濃淡は、左向き及び右向きアナグリフ画像成分を構成することに使用することもできる。
【0048】
図4は、本発明の実施態様に従う第1の透過フィルタレンズを通して見たときのアナグリフ画像表示装置の、知覚されたアナグリフ画像400を示す。
本実施態様では、第1の透過フィルタレンズは、赤色に関連付けられている。
特に、知覚されたアナグリフ画像400の実施態様は、背景410及び左向き知覚目標成分430を含む。
背景410は、赤色の波長に関連付けられた波長と、第1の透過フィルタレンズから透過されるピーク波長の輝度の明るさで表示される。
しかるが故に、形式的には青色に関連付けられた波長で表示される左向き知覚目標成分は、今では黒いように見える。
本実施態様では、左向き知覚目標成分は、左向き知覚目標成分に関連付けられた色が第1の透過レンズの赤色フィルタによって完全に取り除かれるので、黒色になるよう知覚される。
加えて、形式的には赤色に関連付けられた波長で表示された右向きアナグリフ画像成分は、第1の透過レンズを通して知覚されるとき、今では、結果として現れる濃紫色の背景に「消えている」。
右向き知覚目標成分は、その表示されていた色波長及び輝度の明るさが、背景410が表示される波長及び輝度の明るさに一致するので、消えているように思われる。
【0049】
図5は、本発明の実施態様に従う第2の透過フィルタレンズを通して見たときのアナグリフ画像表示装置の、知覚されたアナグリフ画像500を示す。
本実施態様では、第2の透過フィルタレンズは、青色に関連付けられている。
特に、知覚されたアナグリフ画像500の実施態様は、背景510及び右向き知覚目標成分520を含む。
背景510は、青色の波長と、第2の透過フィルタレンズから透過されるピーク波長の輝度の明るさで表示される。
しかるが故に、形式的には赤色に関連付けられた波長で表示される右向き知覚目標成分は、今では黒いように見える。
本実施態様では、右向き知覚目標成分は、左向き知覚目標成分に関連付けられた色が、第2の透過フィルタレンズの青色フィルタによって完全に取り除かれるので、黒色になるよう知覚される。
加えて、形式的には青色に関連付けられた波長で表示された左向き知覚画像成分は、今では、結果として現れる濃紫の背景に 「消えている」。
左向き知覚目標成分は、その表示されていた色波長及び輝度の明るさが、表示される背景510で波長及び輝度の明るさに一致するので、消えているように思われる。
【0050】
図6は、本発明の実施態様に従う様々なピスクデルタ表示でアナグリフ画像成分の表示600を示す。
アナグリフ画像成分が、背景610に対して提示されている。
これらは、3つのセットのピスクデルタ実施態様であり、:第1セットは、成分620及び630を含み、;第2セットは、成分622及び632を含み、;そして、第3セットは、成分625及び635を含む。
【0051】
成分620及び630は、右の赤色レンズと左の青色レンズを有する透過フィルタレンズセットと一致するように整列され、第1セットの成分620及び630をそれぞれ、右の赤色と、左の青色として表示することができる。
しかるが故に、結果として現れるアナグリフ画像は、背景610の前で漂うように見える。
同様に、第3セットの成分625及び635は、また、透過フィルタレンズセットと一致し、結果として現れるアナグリフ画像は背景610の前で漂っているようにも見える。
成分620及び630の組み合わせである第1セット並びに成分625及び635の組み合わせの第3セットから、結果として現れる画像間の区別は、成分の近接度に帰因する。
例えば、成分620及び630の第1セットは、重複度合い640を形成するくらいに接近し、この重複度合い640が表示600上に黒く表れ、ゆえに各フィルタを通して見られる。
しかしながら、成分625及び635の第3セットは、重複部分を有さない。
しかるが故に、成分625及び635の第3セットから、結果として現れるアナグリフ画像は、成分620及び630の第1セットから、結果として現れるアナグリフ画像よりも、背景610の前で遠くに漂っているように見える。
【0052】
対照的に、第2セットの成分622及び632は、右の赤色レンズと左の青色レンズを有する透過フィルタレンズセットに一致しないので、成分622及び632の第2セットをそれぞれ、右の青色及び左の赤色として表示することができる。
しかるが故に、現れるアナグリフ画像は、背景610の後方で漂うように見える。
加えて、第2セットの成分622及び632の間の距離は、第1セットの成分620及び630の間又は第3セットの成分625及び635の間のいずれかよりも大きいので、成分622及び632の第2セットから、結果として現れる画像は、結果として現れる3つのアナグリフ画像の背景610に関連して最大奥行を有するように見える(すなわち、背景610から最も遠くで漂うように見える)。
【0053】
図7は、本発明の実施態様に従うアナグリフ画像表示装置700を示す。
アナグリフ表示装置700は、左向き目標表示成分710、右向き目標表示成分720、背景730、第1レンズフィルタ740、及び第2レンズフィルタ750を備える。
ある実施態様では、左向き目標表示成分720は、第1波長で第1色むらを含む。
同様に、ある実施態様では、右向き目標表示成分730は、第2波長で第2色むらを含む。
更なる実施態様では、背景は、第3波長による第3色むらを含み、第3色むらは、第1波長での第1色むらと第2波長での第2色むらとの合成むらで構成される。
第1レンズフィルタは、第1波長に一致することができる。
同様に、第2レンズフィルタは、第2波長に一致することができる。
付加的に又は代替的に、第1レンズフィルタ及び/又は第2レンズフィルタは、波長を直接的に一致するよりもむしろ、所望する波長の範囲に合わせることがよい場合がある。
代替的な実施態様では、第1波長での第1色むらと第3波長での第3色むらとの間の輝度対比は、第2波長での第2色むらと第3波長での第3色むらとの間の輝度対比と同等にすることができる。
【0054】
図8は、本発明の実施態様に従う、少なくとも1つのアナグリフ画像をユーザに提示するための方法800を示すフロー図である。
始めに、ブロック810では、左向き目標画像成分が、アナグリフ画像表示装置上に提示される。
ブロック820では、右向き目標画像成分が、アナグリフ画像表示装置上に提示される。
ブロック830では、左向き目標画像成分の表示から放出されるピーク波長及び輝度の明るさが、第1透過フィルタレンズによって透過されるピーク波長に一致するように調整される。
ブロック840では、右向き目標画像成分の表示から放出されるピーク波長及び輝度の明るさが、第2透過フィルタレンズによって透過されるピーク波長に一致するように調整される。
ブロック850では、ユーザからの入力が入力装置で受信される。
ユーザからの入力は、ユーザが第1及び第2透過フィルタレンズを通してアナグリフ目標画像を知覚したことを指示ことができる。
加えて、知覚された目標画像は、左向き目標画像成分及び右向き目標画像成分のコンパイル処理から構成されることができる。
【0055】
図9〜11は、本発明の実施態様に従う、例示的なテスト及び/又はトレーニングのためのシナリオを示す
特に、図9〜11は、参照画像及び第2画像の提示を示す。
実施態様では、参照画像は、アナグリフ効果なしで、表示装置などの個人から同じ距離で現れるように表示されている。
つまり、参照画像は、表示スクリーン面にある注視平面の一部を占めている。
実施態様では、第2画像は、アナグリフ効果を利用することができ、適切なアイウェアを使用する個人には、参照画像の前方又は後方で漂うように見える。
図9及び10は、代替的なテスト及び/又はトレーニングのためのシナリオを提示し、図9は、3次元前景アナグリフ第2画像の上に参照画像を提示する。
同様に、図10は、3次元背景アナグリフ第2画像の後方に参照画像を提示する。
テスト及び/又はトレーニングのためのシナリオでは、個人には、全てのテスト及び/又はトレーニングの繰り返しのために、注視平面で安定している参照画像とともに、図9及び10に示すものと類似の画像を提示することができる一方、3次元アナグリフ第2画像はそれぞれ、参照画像915及び/又は1015の前方及び後方で異なる奥行であるように見える。
代替的な実施態様では、画像の提示では、相互に排他的であることができ、例えば、個人に1つの画像を一回毎に提示することができる。
【0056】
上述したように、図9は、本発明の実施態様に従う参照画像915に関する前景画像におけるアナグリフ画像成分の表示900を示す。
実施態様では、前景画像は、個人によって表示装置の前方にあるように知覚される3次元アナグリフ画像である。
従って、前景画像の成分920及び930は、右の赤色レンズ及び左の青色レンズを有する透過フィルタレンズセットと一致しないように整列にされ、第1セットの成分920及び930をそれぞれ、右の青色と、左の赤色として背景910に対して表示することができるようになる。
更に、視覚的背景910は、第1透過フィルタレンズから透過される赤いピーク波長と、第2透過フィルタレンズから透過される青いピーク波長とに一致させて打ち消す波長を表示する。
図9は、更に平面注視内に配置される参照画像915を含む。
それとして、視覚的背景910が表示画面の表面上に表示されるとき、参照画像915は、視覚的背景910の平面にあるように見える。
結果として現れるアナグリフ画像は、上述のような透過フィルタレンズセットを通して個人によって知覚されるとき、参照画像915の後方で漂うように見える。
従って、結果として現れるアナグリフ画像は、参照画像915より個人に近い。
【0057】
図10は、本発明の実施態様に従う参照画像1015に関する背景画像におけるアナグリフ画像成分の表示1000を示す。
従って、背景画像の成分1025及び1035は、右の赤色レンズ及び左の青色レンズを有する透過フィルタレンズセットと一致するように整列にされ、第1セットの成分1025及び1035をそれぞれ、右の赤色と左の青色として視覚的背景1010に対して表示することができるようになる。
更に、視覚的背景1010は、第1透過フィルタレンズから透過される赤いピーク波長と第2透過フィルタレンズから透過される青いピーク波長とに一致させて打ち消す波長を表示する。
図10は、更に平面注視内に配置される参照画像1015を含む。
それとして、視覚的背景1010が表示画面の表面上に表示されるとき、参照画像1015は、視覚的背景1010の平面にあるように見える。
結果として現れるアナグリフ画像は、上述のような透過フィルタレンズセットを通して個人によって知覚されるとき、参照画像1015の前方で漂うように見える。
従って、参照画像1015は、結果として現れるアナグリフ画像より個人に近い。
【0058】
図11は、本発明に従う、参照画像に関連する少なくとも1つのアナグリフ画像を個人に提示するための更なる方法を示すフロー図1100を示す。
始めに、ブロック1110では、アナグリフめがねが個人に与えられる。
ブロック1120では、個人は、個人に最も近いところで表示される視覚的目標を選択するように命令される。
代替的な実施態様では、個人から最も遠いところで表示される視覚的目標を選択するように、当該個人に対して命令することができる。
更なる代替的な実施態様では、平面注視の内部及び/又は最も接近する視覚的目標を選択するように、個人に対して命令することができる。
ブロック1130では、視覚的参照目標及び3次元アナグリフ第2視覚的目標が、表示装置上に表示される。
特に、3次元アナグリフ第2視覚的目標は、個人によって知覚されるときに視覚的参照目標の前方で漂うように表示されることができる。
代替的な実施態様では、ブロック1130は、ブロック1120の前に行うことができる。
更に、ブロック1140では、視覚的参照目標よりも個人の近くにあるとして、第2視覚的目標を選択した個人からの応答を受信する。
ブロック1150では、個人の応答までの経過時間が記録される。
時間を記録することによって、提示される画像に対する個人の応答を記録し、個人の奥行知覚速さをテスト及び/又はトレーニングすることができる。
個人は、奥行を自己の能力に対して与えられた十分な時間で見分けることができるけれども、個人が素早く奥行を知覚するための能力を得るためには有利な場合がある。
例えば、個人が迅速な奥行変化を含む動作に対応することを期待されるとき、自己の奥行知覚の速さをテスト及び/又はトレーニングするのが有利な場合がある。
従ってブロック1150では、個人の反応の正確さが記録される。
【0059】
代替的な実施態様では、注視平面の一部を占有している参照画像に関する前景及び/又は背景の奥行知覚能力に対する個人の感応性をテスト及び/又はトレーニングするために、図9及び10と類似する画像を個人に提示することができる。
例えば、個人は、注視平面に配置される参照画像の前方で漂う視覚的画像の奥行を見分けるための平均以上の能力を有する場合がある。
しかしながら、個人は、注視平面に配置される参照画像の後方で漂う視覚的画像の奥行を見分けるための平均以下の能力を有する場合がある。
従って、個人は、自己の総合的な視覚的奥行の知覚に適合するだけでなく、注視平面に配置される参照画像の前方で漂うものと、後方で漂うものとの間の、異なる奥行を見分けるための能力にも適合するテスト及び/又はトレーニングをすることができる。
代替的な実施態様では、図9及び10に従う3次元アナグリフ画像を、参照画像の前方及び/又は後方における複数の離散的な奥行で提示することができる。
【0060】
更なる代替的な実施態様では、個人の奥行知覚能力を、個人の負担が比較的低い両目離反運動を有するアナグリフ画像を個人に提示することによってテスト及び/又はトレーニングすることができる。
例えば、ある個人には、困難なアナグリフ画像成分の融合が、成分間の距離が増えるに従って、増加する場合がある。
しかるが故に、個人が低い能力でもアナグリフ画像成分を融合できるようにテスト及び/又はトレーニング計画を立てることができる。
つまり、2つのアナグリフ画像成分間の最大距離を制限するように計画を立てることができる。
【0061】
個人の奥行知覚能力をテスト及び/又はトレーニングするための計画の実施態様では、アナグリフ画像成分を重複した構成で提示することによって、両目離反運動に関する個人の負担を制限するために設計することができる。
アナグリフ画像成分が重複しているとき、重複したアナグリフ画像成分を含む各アナグリフ画像は、注視平面の外側にある。
例えば、図12は、本発明の実施態様に従う、背景1210に対して提示される2つのアナグリフ画像の画像成分1220、1222,1230及び1232を示す。
ある実施態様では、背景1210は、第1波長及び第2波長を備え、第1波長及び第2波長は背景を横切って同等に分布される。
ある実施態様では、第1波長部分を、背景は1つの均等色に見えるように、第2波長部分とともに均等に分散することができる。
例えば、青色に関連付けられた第1波長を含む部分が赤色に関連付けられた第2波長を含む部分と同等に分布される場合、例えば、ピクセル毎に分布される場合、濃紫色の均等色が結果として生じることができる。
【0062】
背景は、第1波長及び第2波長を含むことができ、第1波長及び第2波長は透過フィルタレンズの波長に関連付けられており、更に、第1波長及び第2波長はアナグリフ画像成分の波長に関連付けられている。
透過フィルタレンズ、背景色およびアナグリフ画像成分の波長に関連付けられている場合、知覚されるアナグリフ画像は、三日月形のにじみ効果のような、ゴースト画像を欠くときがある。
三日月形にじみの除去効果は、結果として現れる知覚されるアナグリフを、より明確に提示させ、本発明に従うアナグリフシステムの効果を増加する。
対照的に、第1のアナグリフ画像成分と第2のアナグリフ画像成分が白い背景に対して提示されるとき、第1波長と第2波長を含む各第1及び第2のアナグリフ画像成分は、それぞれ、第2波長及び第1波長をそれぞれ含む透過フィルタレンズを通して見られるとき、三日月形にじみ効果のような、ゴースト画像を表示する場合がある。
アナグリフ画像成分は、2つの別個の波長に関連付けられているので、第1アナグリフ画像成分を見るときに生じるゴースト画像、ここでは三日月形のにじみ効果は、第2アナグリフ画像を見るときに生じる三日月形のにじみ効果のようなゴースト画像に一致していない。なぜなら三日月形のにじみ効果のような特徴的なゴースト画像は、各画像成分に関連付けられた波長を基にしているからである。
従って、アナグリフ画像成分が白い背景に対して表示されるとき、個人は、個人の奥行知覚だけでなく、三日月形にじみ効果のような知覚されるゴースト画像における個人の解釈にも基づいて、知覚されるアナグリフ画像に対する応答を入力することができる。
例えば、アナグリフ画像は、三日月形にじみ効果のような、明るいゴースト画像が第1側に現れ、三日月形にじみ効果のような、それほど明るくないゴースト画像が第2側に現れ、個人は、アナグリフ画像がユーザのほうに出てくる奥行を有することに気付くことができる。
しかるが故に、アナグリフテスト及び/又はトレーニング過程によって生み出される、三日月形にじみ効果のような、ゴースト画像を区別することができるように、奥行を区別することができないときでさえ、個人は「正しい」答えを入力することができる。
【0063】
第1波長及び第2波長を同等の配分で含む背景を利用することで、第1波長及び第2波長は、上述したように、透過フィルタレンズ及びアナグリフ画像成分に関連付けられており、三日月形にじみ効果のようなアナグリフ画像に関連付けられるゴースト画像は、減少し又は除去されることができる。
しかるが故に、個人の奥行知覚におけるテスト及び/又はトレーニングは、個人にテスト及び/又はトレーニングするよう使用されるアナグリフ画像成分が白い背景に対して提示される場合より正確である。
代替的な実施態様では、記述したような第1波長及び第2波長の両方を備えない白以外の背景は、理想的ではない場合がある。
更に、背景を通して同等に分布される第1波長、第2波長及び付加的波長を備える白以外の背景は、理想的ではない場合もある。
ある実施態様では、理想的ではない背景は、本発明の実施態様に従って記述されるような第1波長及び第2波長を備える背景よりも、三日月形にじみ効果のように、更にゴースト画像となる背景を備える。
【0064】
図12で見られるように、第1のアナグリフ画像における成分1220及び1230はそれぞれ、85単位の直径を有する。
ある実施態様では、単位は、ピクセル幅を含むことができる。
成分1220及び1230は、右に赤レンズ及び左に青レンズを有する透過フィルタレンズセットと一致するように整列にされ、成分1220及び1230を、それぞれ、右を赤色及び左を青色として表示することができるようにする。
ある実施態様では、青レンズの波長は、青いアナグリフ画像成分1230の波長と一致する。
同様に、実施態様では、赤レンズの波長は、赤いアナグリフ画像成分1220の波長と一致する。
図12で更に示すように、成分1220及び1230の構成は、重複1240を作る。
重複1240は黒であり、各画像成分1220及び1230の直径のうち75単位を含み、それぞれ赤色及び青色である三日月形の残りの直径10単位を残す。
【0065】
図12で更に示すように、第2のアナグリフ画像の成分1222及び1232はそれぞれ85単位の直径を有する。
ある実施態様では、単位はピクセル幅を含むことができる。
成分1222及び1232は、右に赤レンズ及び左に青レンズを有する透過フィルタレンズセットと一致しないように整列され、成分1222及び1232を、それぞれ右に青色及び左に赤色として表示することができる。
図12で更に示すように、成分1222及び1232の構成は、重複1242を作る。
重複1242は黒であり、各画像成分1222及び1232の直径のうち84単位を含み、三日月形の残りの直径であるそれぞれ青色及び赤色の1単位を残す。
【0066】
ある実施態様にでは、本発明の実施態様に従うアナグリフ画像を提示するために使用される表示装置から16フィートのところに立つ個人を、12〜240秒角の範囲内でテストすることができる。
ある実施態様では、本発明の実施態様に従うアナグリフ画像成分を提示するために使用される表示装置から32フィートのところに立つ個人に、6〜120秒角の範囲内でテストすることができる。
代替的な実施態様では、本発明の実施態様に従うアナグリフ画像に提示するために使用される表示装置から8フィートのところに立つ個人を、24〜480秒角の範囲内でテストすることができる。
図12に示すような実施態様は、互いに離れている画像成分の融合が困難な個人にとって適切であることができる。
個人の両目離反運動能力上の要求を制限することによって、提示されるアナグリフ画像の奥行に対する感応性に基づいてより正確に、個人をテスト及び/又はトレーニングすることができる。
知覚アナグリフ画像の2つの画像成分間の両目離反運動を最小化することによって、個人の奥行知覚をより正確にテスト及び/又はトレーニングすることができる。
更に、上述したように、奥行を認識する個人の速さをより正確にテスト及び/又はトレーニングすることができる。
提示されるアナグリフ画像に対する応答を記録する個人がかかる時間を記録することによって、個人の奥行知覚能力を使用する速さをテスト及び/又はトレーニングすることができる。
個人は、能力に対して十分な時間量を与えられる奥行を見分けることができる一方、素早く奥行を知覚する能力を得る個人にとって有利であることができる。
例えば、迅速な奥行変化に関わる動作において相互に影響しあうよう期待されるとき、奥行知覚能力を使用する速さをテスト及び/又はトレーニングする個人にとって有利であることができる。
【0067】
ある実施態様では、上述に従う2つのアナグリフ画像を個人に提示することができる。
例えば、第1のアナグリフ画像を、第2のアナグリフ画像の前方で提示することができる。
ある実施態様では、第1のアナグリフ画像における視覚的成分は、ベースアウトから120秒角離れることができ、一方で第2のアナグリフ画像における視覚的成分は120秒角内であることができ、第1のアナグリフ画像と第2のアナグリフ画像の間の奥行範囲は240秒角を含むことができる。
感応性トレーニング及び/又はテストにおける最大のトレーニング及び/又は評価計画の範囲は、240秒角で設定することができる一方、本発明の実施態様に従う表示装置から16フィートのところの個人によって見られるとき、最小のトレーニング及び/又はテスト感応性の範囲は、12秒角に設定することが出来る。
【0068】
本発明の低両目離反運動実施態様に関する奥行範囲表は、以下の表3で表示される。
表3で示すように、アナグリフ画像成分を+120秒角と−120秒角の間で提示することができる。
表3は、表示装置120のような、16フィート離れている表示装置上のアナグリフ画像を見ている個人を基にしている。
表3に従うと、個人は12〜240秒角の範囲を知覚することができ、16フィート離れて見られるとき、12秒角は0.25mm幅/ピクセルで1ピクセルを含む。
しかるが故に、個人の奥行知覚能力を、1ピクセルの奥行の違いに対してテスト及び/又はトレーニングすることができる。
しかるが故に、本発明の実施態様に従うトレーニング及び/又はテストセッションの最小テスト可能奥行距離は、本発明の実施態様に従って使用される表示装置からの画素密度及び個人の距離に関する表示装置のスクリーン(最小ピクセル幅の大きさのような)の解像度によって管理される。
【0069】
ある実施態様では、ピクセル幅は、使用される表示の種類に依存する。
例えば、ある実施態様では、最小ピクセル幅0.25mmを有する表示上から16フィート離れるアナグリフ画像を見る個人に、12秒角の最小奥行の違いテスト及び/又はトレーニングすることができる。
対照的に、0.5ミリの最小ピクセルを有する代替的な表示上から16フィート離れるアナグリフ画像を見る個人に、24秒角の最大奥行の違いをテスト及び/又はトレーニングすることができる。
【0070】
ある実施態様では、Samsung(R) 120HZ 3D-Monitor(以後、“サムスン表示”)を使用するとき、16フィート離れて立つときの12秒角の最小奥行の違いを個人にテストすることができる。
ある実施態様では、本発明の実施態様に従うサムスン表示上のアナグリフ画像の提示を通して個人にトレーニングすることができる。
しかしながら、個人がアナグリフ画像トレーニングを通して身に付けることができる習得効果の利点を除去するために、液晶シャッターめがねを通して代替画像の提示を通す個人の奥行知覚をテストするためにサムスン表示を使用することもできる。
ある実施態様では、色機能を有する任意の表示モニタ及び任意の解像度を、本発明の実施態様に従って使用することができる。
代替的な表示装置の例は、ViewSonic(R) VX2265wm FuHzion displayを含む。
【0071】
しかるが故に、以下に記述される範囲に応じてテスト及び/又はトレーニングされている個人は、個人に向かって又は個人から離れる最大120秒角の奥行を融合することをだけを要求される。
ある実施態様では、第1のアナグリフ画像は、第1画像がマイナス20秒角で提示される一方で、個人の方へ+120秒角で提示される。
このように、テストされている個人は、いずれの所与のアナグリフ画像の120秒角までアナグリフ画像成分を融合することだけを求められる一方で、個人に奥行240秒角を越えてテストすることができる。
【表3】

【0072】
更に、本発明の低両目離反運動実施態様に関する例示的なレベルの表は、以下の図4に表示される。
図4において示すように、2セットのアナグリフ画像成分サークルの間の距離は、20レベル内に解析される。
ある実施態様では、レベル1で、第1のアナグリフ画像と第2のアナグリフ画像との間の秒角範囲は、240秒角である。
更なる実施態様では、レベル20で、第1のアナグリフ画像及び第2のアナグリフ画像の間の秒角範囲は、12秒角である。
上述されているように、最小秒角範囲は、個人にアナグリフ画像を表示するために使用される表示装置に関連付けられる最小ピクセル幅に依存することができる。
代替的な実施態様では、アナグリフ画像成分サークルの間の指定デルタは、アナグリフ画像成分間の秒角距離を含むことができる。
例えば、レベル1では、関連デルタ20は、240秒角を表示することができる。
【表4】

【0073】
本発明は特別な実施態様に関して記述され、制限的というよりもむしろ説明的であることについて意図されている。
代替的な実施態様は、本発明がその範囲から逸脱することなく属する当該分野の技術者に明らかである。
【0074】
図13は、本発明の実施態様に従う例示的トレーニングスケジュールを示すフロー図1300を提供する。
特に、図13は、トレーニング計画を提供し、1310では、個人のアナグリフ奥行知覚感応性が第1レベルでトレーニングされる。第1レベルは2つの結果として現れて知覚されるアナグリフ画像の間の秒角の相対的な測定データに関連付けられている。
一旦個人が第1レベルで奥行知覚感応性のトレーニングを習得すると、1320では、個人に第1レベルに関連付けられた画像奥行での違いを知覚する速さについてトレーニングをすることができる。
上述したように、個人にとって、奥行で違いを知覚するだけでなく、素早くすることもできることは有利であることができる。
更に、一旦個人が第1レベルに関連付けられた奥行知覚の感応性及び奥行知覚の速さの両トレーニングを習得すると、1330では、個人に第2レベルで奥行知覚の感応性におけるトレーニングをすることができる。
従って、一旦個人が第2レベルで奥行知覚感応性を習得すると、1340では、第2レベルに関連付けられた画像奥行での違いにおける知覚の速さにおいて個人にトレーニングをすることができる。
【0075】
個人の奥行知覚をテスト及び/又はトレーニングする更なる特性は、図14で提供される。
図14は、本発明の実施態様に従う段階的トレーニング機構1400を示す。
特に、図14は、テスト及び/又はトレーニングされている個人を、技術というよりもむしろ運に基づいてあまりにも素早く進んでしまうことから保護することができるトレーニング計画を提供する。
特に、個人を、段階状の統計分析パッケージの使用を通してテスト及び/又はトレーニングすることができる。
段階状の統計分析を使用してトレーニングされている個人に、次のレベルに進行する前の第1レベルで、連続するアナグリフ画像の2つの奥行を正しく識別するよう要求することができる。
更に、一旦次のレベルで、個人が次のレベルで1つのテスト及び又はトレーニング評価に失敗する場合、個人を低レベルに戻すことができる。
このように、推測を基にトレーニング及び/又はテスト評価を試みる個人は、統計的に低スコアとなる。トレーニング及び/又はテスト評価で格下げに繋がる推測先入観があるからである。
【0076】
本発明の実施態様に従ってテスト及び/又はトレーニングされている個人の例示的な一連の結果及びレベル調整は、図14で提供される。
特に、個人はレベル3で評価を始めることができる。
この例において、個人は第1レベルの3つの質問に正しく答え、第1レベルで2つの正しい答えを得る必要があるので、その後、第2レベルで3つの質問を与えられる。この場合、3つ質問は、対象者が次のレベルに進むことができる前のものである。
図14における例では、個人はそのとき第2レベルの3つの質問に誤って答え、個人がレベルを2つ格下げする結果となる。
レベル2から、個人は2つのレベルの2つの質問に正しく答え、個人はレベル3に進む。
個人はそのとき2つのレベルの3つの質問に正しく答え、レベル4に進む。
個人はそのとき第1レベルの4つの質問に正しく答える。
このように、本発明の実施態様に従う一連の評価コースに亘って複数のトレーニングレベルを使用する個人にテスト及び/又はトレーニングすることができる。
更に、代替的な実施態様では、評価間の前及び/又は後の画像“ジャンピング”の知覚を避けるため、評価の提示の間に少なくとも半秒の休止を残すよう、テスト及び/又はトレーニング評価を設計することができる。
このように、個人を、個人が既に見た及び/又は解釈したことのある評価に関する画像の奥行を評価する利点を個人が得ないようにすることができる。
【0077】
図15は、本発明の実施態様に従うアナグリフ画像の提示に関するゴースト画像を除去する方法を示すフロー図1500を示す。
始めに、ブロック1510で、アナグリフめがねが個人に与えられる。
特に、アナグリフめがねは、第1波長の第1透過レンズと第2波長の第2透過レンズを備える。
ブロック1520で、第1波長及び第2波長は、背景を横切って提示される。
特に、第1波長は第1輝度の明るさで提示され、第2波長は第2輝度の明るさで提示される。
更に、第1波長及び第2波長は、背景を横切って同等に分布される。
ブロック1530で、第1輝度で第1波長を含む第1のアナグリフ画像成分は提示される。
第1のアナグリフ画像は、第2透過レンズを通して見るとき、ゴースト画像なしで知覚される。
更に、第1のアナグリフ画像は、第1透過レンズを通して見るとき、背景と識別ができない。
ブロック1540では、第2輝度で第2波長を含む第2アナグリフ画像成分が提示される。
第2のアナグリフ画像は、第1透過レンズを通して見るとき、ゴースト画像なしで知覚される。
更に、第2のアナグリフ画像は、第2透過レンズを通して見るとき、背景と区別ができない。
【0078】
前述から、本発明は、上述で掲げる目的及び対象を得るよう良く適合したものであり、本方法に明白かつ固有である他の利点とともに見られる。
ある特徴及び副組み合わせは有用性があり、他の特徴及び副組み合わせを参照せずに用いることができる。
これは理解され、本特許請求の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に変わらない視覚的両目離反運動範囲内での個人の奥行知覚をテスト及び/又はトレーニングする方法であって、以下のステップを含む方法;
個人にアナグリフめがねを提供するステップ;
個人の最も近くに表示される視覚的目標トを選択させるために個人に命令するステップ;
表示装置上に、視覚的参照目標及び3次元アナグリフ第2視覚的目標を表示するステップであって、視覚的目標は、類似するが実在の奥行情報で表示されており、個人が実質的に変化しない視覚的両目離反運動で、視覚的参照目標及び第2視覚目標を知覚することができ、第2視覚的目標を、視覚的参照目標よりも個人に近いとして個人によって知覚させるステップ;
視覚的参照目標よりも個人に近い第2視覚的目標を選択するときの個人からの応答を受信するステップ;
個人に選択される視覚的目標が奥行情報で表示される視覚的目標に、個人により近く知覚されるとして、応答しているか否かを制御ユニットで判定するステップ;
個人が応答してから経過した時間を記録し、個人の応答の正確さを記録するステップ。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、視覚的参照目標が1回目で表示され、第2視覚的目標が2回目で表示される方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法であって、1回目と2回目が同時である方法。
【請求項4】
実質的に変化しない視覚的両目離反運動範囲内で個人の奥行知覚能力をテスト及び/又はトレーニングする方法であって、以下のステップを備えている方法:
個人にアナグリフめがねを提供するステップ;
個人の最も近くに表示される視覚的目標を選択させるために個人に命令するステップ;
表示装置上に1回目に表示するステップであって、3次元アナグリフ第1視覚的目標は、重複しているアナグリフ画像成分の第1セットを含み、3次元アナグリフ第2視覚的目標は、重複しているアナグリフ画像成分の第2のセットを含み、視覚的目標は、類似するが実在する奥行情報で表示されており、個人が実質的に変わらない視覚的両目離反運動で、第1視覚的ターゲット及び第2視覚的ターゲットを知覚することができ、第1視覚的ターゲットを、第2視覚的目標よりも個人に近いとして個人によって知覚させるステップ;
2回目で第2視覚的目標よりも個人に近い第1視覚的目標を選択するときの個人からの応答を受信するステップ;
個人に選択される視覚的目標が奥行情報で表示される視覚的目標に、個人により近く知覚されるとして、応答しているか否かを制御ユニットで判定するステップ;
個人が応答してから経過した時間を記録し、個人の応答の正確さを記録するステップ。
【請求項5】
アナグリフ画像の提示に関連するゴースト画像を除去する方法であって、以下のステップを備えている方法:
個人にアナグリフめがねを提供するステップであって、アナグリフめがねは第1波長の第1透過レンズと第2波長の第2透過レンズを備えているステップ;
背景を提示するステップであって、背景は、第1輝度の明るさでの第1波長と第2輝度の明るさでの第2波長を含み、第1波長及び第2波長は、背景を横切って同等に分布し、更に、背景輝度の明るさは、第1輝度の明るさと第2輝度の明るさとの和であるステップ;
第1アナグリフ画像成分を提示するステップであって、第1アナグリフ画像成分は、第1輝度の明るさでの第1波長を含み、第1アナグリフ画像成分は、第2透過レンズを通して見るとき、ゴースト画像なしで知覚され、更に第1アナグリフ画像成分は、第1透過レンズを通して見るとき、背景と区別ができないステップ;
第2アナグリフ画像成分を提示するステップであって、第2アナグリフ画像成分は、第2輝度の明るさでの第2波長を含み、第2アナグリフ画像成分は、第1透過レンズを通して見るとき、ゴースト画像なしで知覚され、更に第2アナグリフ画像成分は、第2透過レンズを通して見るとき、背景と区別ができないステップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2013−500832(P2013−500832A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523697(P2012−523697)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/044246
【国際公開番号】WO2011/017320
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)