説明

アプリケーションサーバ、ネットワークアプリケーションシステム、サポート情報自動更新プログラム、および該プログラムを記録した記録媒体

【課題】ヘルプやマニュアルといったサポート情報の実行部分も一体として開発されたアプリケーションであっても、そうしたサポート情報が更新されるのに伴って、サポート情報を順次迅速に自動更新していくことができるようにする。
【解決手段】Webアプリケーションサーバは、ヘルプ・マニュアル更新チェック用サイトのヘルプ更新Webサービスへ接続し、ヘルプやマニュアルにおける更新がなされているか否かをチェックする(S1、S2)。更新が行われていると判定された場合、Webアプリケーションサーバは、ヘルプ・マニュアル更新リスト情報を取得する(S3)。取得した情報からまず更新情報リストファイルを閲覧し、変更記載されている更新ファイルをヘルプ更新Webサービス経由で取得する(S4)。そして取得した更新ファイルを元のファイルに上書きする(S5)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばヘルプやマニュアルといったサポート情報を備えたアプリケーションサーバ、ネットワークアプリケーションシステム、サポート情報自動更新プログラム、および該プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ネットワークを介してユーザにアプリケーションを利用可能とさせるネットワークアプリケーションシステムでは、例えばユーザがアプリケーション機能等を利用する際のヘルプや操作マニュアルといったサポート情報が実装されている。
【0003】
また、従来の技術として、ネットワークを介して運営マニュアルの更新情報を取得する手段を備えることで、CD−ROMからPCにインストールされたリファレンスガイドにおいて、ユーザから入力がなされることにより、適宜、Webサーバ上のヘルプ情報に対する更新情報を参照するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、本出願人により先に出願されている従来技術では、画像出力装置が所望のヘルプデータを必要とする時に、ネットワーク上の他のデバイスから必要とするヘルプデータを読み出すことができるものがある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−316636号公報
【特許文献2】特開2004−355128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般にアプリケーションサーバでは、開発に当たって、アプリケーションとしてのエンジン部分以外のヘルプやマニュアルといったサポート情報の実行部分については、他のシステムでも使用できる汎用性を持たせて開発することが、他のシステム開発との関連を考慮すると有利である。
このため、ヘルプやマニュアルといったサポート情報のみを分割して開発といったことは一般には行われず、ヘルプやマニュアルといったサポート情報についても、アプリケーションと一体として開発・運用されることが多い。
したがって、ヘルプシステムの修正を行うに当たっても、アプリケーションシステム全体をバージョンアップするといった更新が必要となっていた。
【0006】
また、アプリケーションサーバでは、利用するユーザはオンラインで使用しているため、ヘルプやマニュアルといったサポート情報についても更新がリアルタイムで行われ、最新版とされていることが望まれる。
【0007】
ここで、上述した特許文献1のものでは、ユーザからの入力により更新情報を参照しているため、ヘルプやマニュアルといったサポート情報が更新されるのに伴って順次迅速に自動更新していくことについてまで考慮されたものではなかった。
また、上述したようなアプリケーションサーバに適用することについてまで考慮されたものではなかった。
【0008】
また、上述した特許文献2のものでは、ヘルプやマニュアルといったサポート情報が更新されるのに伴って順次迅速に自動更新していくことについてまで考慮されたものではなかった。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ヘルプやマニュアルといったサポート情報の実行部分も一体として開発されたアプリケーションであっても、そうしたサポート情報が更新されるのに伴って、サポート情報を順次迅速に自動更新していくことができるアプリケーションサーバ、ネットワークアプリケーションシステム、サポート情報自動更新プログラム、および該プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するために、本発明の第1の態様としてのアプリケーションサーバは、アプリケーションの最新サポート情報を保持する更新元サーバに接続されて使用されるアプリケーションサーバであって、アプリケーションのサポート情報が更新されているか否かを更新元サーバに通信して問い合わせる更新チェック手段と、更新チェック手段により更新されていると判定された場合に更新ファイルを取得する取得手段と、取得手段により取得された更新ファイルで該当部分を上書きする更新手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
上記した更新元サーバから更新ファイルの一覧情報を取得する一覧取得手段と、上記した更新手段による更新履歴情報を保持する更新履歴保持手段と、一覧取得手段により取得された一覧情報と更新履歴保持手段に保持された更新履歴情報とを比較することで未更新の部分を特定する未更新特定手段と、を備え、上記した取得手段は、未更新特定手段により特定された更新ファイルのみを更新元サーバから取得することが好ましい。
【0012】
上記した更新チェック手段が更新元サーバへの問い合わせを行う時刻の設定を行う時刻設定手段を備えたことが好ましい。
【0013】
上記した更新チェック手段による更新元サーバへの問い合わせを行うタイミングを操作内容により設定するタイミング設定手段を備え、上記した更新チェック手段は、更新元サーバへの問い合わせを、タイミング設定手段により設定された操作がなされている時に行うことが好ましい。
【0014】
上記した取得手段により取得する取得対象の種別を設定する対象種別設定手段を備え、上記した取得手段は、対象種別設定手段により設定された種別の更新ファイルを取得することが好ましい。
【0015】
上記した更新チェック手段は、対象種別設定手段により設定された種別についてアプリケーションのサポート情報が更新されているか否かを問い合わせることが好ましい。
【0016】
また、本発明の第2の態様としてのネットワークアプリケーションシステムは、本発明の第1の態様としてのアプリケーションサーバと、更新元サーバとが接続されて構成されたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の第3の態様としてのサポート情報自動更新プログラムは、アプリケーションの最新サポート情報を保持する更新元サーバに接続されて使用されるアプリケーションサーバのサポート情報自動更新プログラムであって、コンピュータを、本発明の第1の態様としてのアプリケーションサーバに記載の手段として機能させることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の第4の態様としてのサポート情報自動更新プログラムは、アプリケーションの最新サポート情報を保持する更新元サーバとアプリケーションサーバとが接続されて構成されたネットワークアプリケーションシステムのサポート情報自動更新プログラムであって、コンピュータを、本発明の第1の態様としてのアプリケーションサーバに記載の手段として機能させることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の第5の態様としてのサポート情報自動更新プログラムを記録した記録媒体は、本発明の第3または第4の態様としてのサポート情報自動更新プログラムが記録されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、ヘルプやマニュアルといったサポート情報の実行部分も一体として開発されたアプリケーションであっても、そうしたサポート情報が更新されるのに伴って、サポート情報を順次迅速に自動更新していくことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明に係るアプリケーションサーバ、ネットワークアプリケーションシステム、サポート情報自動更新プログラム、および該プログラムを記録した記録媒体を、Webアプリケーションシステムのヘルプおよびマニュアル自動更新方式に適用した一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0022】
まず、本発明の各実施形態に共通する構成について説明する。
本発明の実施形態としてのWebアプリケーションシステムでは、図1に示すように、Webアプリケーションサーバ2に対してアプリケーションクライアントであるWebブラウザ3がネットワークを介して接続されると共に、ヘルプやマニュアルといったサポート情報の最新情報を保持するヘルプ更新Webサービス(更新元サーバ)1ともネットワークを介して接続される。
【0023】
Webアプリケーションサーバ2は、図2に例示するような構成を備える。
CPU21は、プログラムに基づく処理などを行う。
表示装置22は、読み取った画像などの各種情報を表示する。
記憶装置23は、プログラムや登録文書といったコンテンツや属性情報などの各種情報を格納するものであり、大容量のハード磁気記憶装置などが使われる。
システムメモリ24は、プログラムのロードなどを行う。
画像メモリ25は、画像データ等を格納する。
【0024】
入力装置26は、本Webアプリケーションサーバ2への入力を行うためのものであり、ポインティングデバイスを含むキーボード等であってよい。
Webアプリケーション制御部27は、アプリケーション機能の全般を制御する。
ヘルプ制御部28は、ヘルプ更新処理を制御する。
通信部29は、接続された他の装置との間での通信を行う。
【0025】
以上のような構成により、Webアプリケーションサーバ2は、ヘルプやマニュアルといったサポート情報の実行部分も一体として開発されたアプリケーションを実装し、Webブラウザを備えたクライアントに対して、ネットワークを介してアプリケーションを利用可能とさせる機能を備える。
【0026】
〈第1の実施形態〉
次に、本発明の第1の実施形態について説明する。
この第1の実施形態は、Webを利用したアプリケーションシステムにおいて、ヘルプやマニュアルが更新されているかチェックするヘルプ更新制御を保持し、このヘルプ更新制御部は更新元サーバに用意されたヘルプ更新Webサービスと通信し、もし更新されていれば更新リストに従い更新ファイルを取得し、Webアプリケーションシステムの該当ファイルを差し替えるようにするものである。
【0027】
従来のWebを利用したアプリケーションシステムにおいては、例えばユーザがアプリケーション機能等を利用する際のヘルプ(HTML形式)や操作マニュアルが実装されているが、これらヘルプや操作マニュアルに誤った記述があったり、記述が不足している部分があったりした場合でも、アプリケーションシステム全体を作り直す必要があった。
すなわち、ヘルプシステムの修正だけを実施すればよいという場合であっても、通常、アプリケーションシステム全体をバージョンアップするなどの修正が必要になっていた。これでは、アプリケーションシステムとしての使い勝手が悪いばかりか、利用するユーザに正しい情報を反映できるまでの時間もかかってしまう虞があった。
【0028】
このことに対し、本発明の第1の実施形態としてのWebアプリケーションシステムは、図3のフローチャートに示すように動作する。
まず、Webアプリケーションシステムが起動したら、Webアプリケーションサーバ2は、ヘルプ・マニュアル更新チェック用サイトのヘルプ更新Webサービス1へ接続し(図4参照)、ヘルプやマニュアルにおける更新がなされているか否かをチェックする(ステップS1)。
【0029】
更新が行われていると判定された場合(ステップS2;Yes)、Webアプリケーションサーバ2は、ヘルプ・マニュアル更新リスト情報を取得する(図5参照)(ステップS3)。更新の有無判定は、例えば、ヘルプ更新Webサービス1により各ファイルに対して更新フラグが立てられているか否かをWebアプリケーションサーバ2がチェックすることで判定する方法や、ヘルプ更新Webサービス1から更新有無の送信を受ける方法など、各種の方法によるものであってよい。
【0030】
ヘルプ更新Webサービス1側のファイル構成は図6に示すようになっているため、取得した情報からまず更新情報リストファイルを閲覧し、変更記載されている更新ファイルをヘルプ更新Webサービス経由で取得する(ステップS4)。
取得した更新ファイルを該当ファイルに上書きし(ステップS5)、ファイル更新処理を終了する。
【0031】
また、上述した本実施形態の動作例では、Webアプリケーションシステムの起動時に更新の有無をチェックすることとして説明したが、起動時のみでなく、予め定められた一定時間ごとなど、各種のトリガーにより更新有無のチェックのための接続を行うこととしてもよい。
【0032】
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、Webアプリケーションシステムで利用しているヘルプやマニュアルといったサポート情報の更新に合わせリアルタイムにこれらファイルが更新されるため、ユーザはいち早く更新されたヘルプやマニュアルの情報を取り込んだアプリケーションシステムを利用することができる。また、通常プログラムはアプリケーションサーバの再起動が伴う可能性があるがヘルプやマニュアルなどのサポート情報はファイルの置き換えが発生してもサーバの再起動は不要であるため、どういったタイミングで自動更新が実施されても運用上も問題ない。さらに、更新チェックをWebサービスを介して行うため、処理もシンプルにすることができる。
【0033】
このように、ヘルプやマニュアルといったサポート情報の実行部分も一体として開発されたアプリケーションサーバ2のアプリケーションであっても、そうしたサポート情報が更新されるのに伴って、サポート情報を順次迅速に自動更新していくことができる。
【0034】
〈第2の実施形態〉
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、上述した第1の実施形態において、ヘルプやマニュアルが更新されているかチェックするヘルプ更新制御内に、現状のサーバでの更新履歴情報を保持し、取得した更新情報リスト(更新一覧情報)と比較し、更新履歴に存在しないものだけ更新するようにしたものである。
【0035】
すなわち、例えば更新情報を取得する際に一律の更新情報しか取得できないでいると、すでに更新済みのファイルも更新情報に載ってしまうこととなり、同じファイルを取得してしまったり、ネットワークトラフィックが多くなってしまう無駄となったりしてしまう。こうした不具合を発生させないようにするものである。
【0036】
本発明の第2の実施形態としてのWebアプリケーションシステムの動作について、図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、上述した第1の実施形態での動作と同様にWebアプリケーションシステムが起動したら、Webアプリケーションサーバ2は、ヘルプ・マニュアル更新チェック用のヘルプ更新Webサービス1へ接続し、ヘルプやマニュアルにおける更新がなされているか否かをチェックする(ステップS11)。
【0037】
更新が行われている場合(ステップS12;Yes)、Webアプリケーションサーバ2は、ヘルプ・マニュアル更新リスト情報を取得する(図5参照)(ステップS13)。
そして、自サーバの記憶装置23にて管理しているヘルプ・マニュアル更新履歴(図8参照)を読み出して参照し、取得した更新情報リストファイルと比較する(ステップS14)。この比較により更新履歴に存在しないファイルだけを未更新ファイルとみなし、Webサービス経由で取得する(図9参照)(ステップS15)。
取得した更新ファイルを該当ファイルに上書きし(ステップS16)、また、今回取得した更新情報リストファイルを記憶装置23に格納して更新履歴に反映させ(図10参照)、ファイル更新処理を終了する。
【0038】
また、上述した本実施形態の動作例では、Webアプリケーションシステムの起動時に更新の有無をチェックすることとして説明したが、起動時のみでなく、予め定められた一定時間ごとなど、各種のトリガーにより更新有無のチェックのための接続を行うこととしてもよい。
【0039】
以上のように、本発明の第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態で得られる効果に加え、更新の一覧情報と更新履歴情報とを比較することで、未更新の更新ファイルだけを取得して更新するため、既に更新済みファイルを取得するような無駄なネットワークトラフィックを発生させないようにすることができ、更新時間を短縮することができる。
【0040】
〈第3の実施形態〉
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態は、上述した第1、第2の実施形態において、ヘルプやマニュアルが更新されているかチェックするヘルプ更新制御内に、ユーザインターフェースにていつ更新をチェックするか時刻設定できるようにしたものである。
【0041】
すなわち、例えばいつ更新を実施するかわからないといったことになると、本Webアプリケーションシステムを利用する人はメンテナンスのタイミングを確定できないため、利用者へのアナウンスが適切にできなくなってしまう可能性がある。こうした不具合を発生させないようにするものである。
【0042】
本発明の第3の実施形態としてのWebアプリケーションシステムの動作について、図11のフローチャートを参照して説明する。
まず、システムが起動した時点で、Webアプリケーションサーバ2は、システムに保持されているヘルプ・マニュアル更新チェックスケジュール情報を取得する(図12参照)(ステップS21)。このスケジュール情報は、定期的に更新情報をチェックする時刻を予め定めておくものであれば、各種のものであってよい。
【0043】
この取得したスケジュール情報により、ヘルプ・マニュアル更新時刻をタイマーとして設定する。設定時刻が来たら(ステップS22)、上述した第1の実施形態での動作と同様の動作により更新ファイルをヘルプ更新Webサービス経由で取得し(ステップS23〜S26)、取得した更新ファイルを該当ファイルに上書きして(ステップS27)ファイル更新処理を終了する。
【0044】
以上のように、本発明の第3の実施形態によれば、上述した第1の実施形態で得られる効果に加え、更新時期をユーザインターフェースにより設定できるため、更新があるとすれば、いつになるかを本システムの管理者自身が把握でき、メンテナンスのアナウンスなどを的確にできるようにすることができる。
また、上述したステップS23〜S26の動作を上述した第2の実施形態と同様のものにすることにより、上述した第2の実施形態と同様の効果も得ることができる。
【0045】
〈第4の実施形態〉
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
この第4の実施形態は、上述した第3の実施形態において、ヘルプやマニュアルが更新されているかチェックするヘルプ更新制御内に、どの操作時に更新をチェックするかを設定できるようにしたものである。
【0046】
すなわち、例えばヘルプ・マニュアルの更新チェックをいつ行うかを設定するだけでなく、時と場合によっては、特定の操作をした時に更新チェックを行うようにした方がよい場合がある。こうした要求にも応えられるようにしたものである。
【0047】
本発明の第4の実施形態としてのWebアプリケーションシステムの動作について、図13のフローチャートを参照して説明する。
まず、システムが起動した時点で、Webアプリケーションサーバ2は、システムに保持されているヘルプ・マニュアル更新チェックを連動させる操作情報ファイルを取得する(図14参照)(ステップS31)。この連動操作情報ファイルにはあらかじめシステムで定義されている操作を設定できるものの中から設定されている(図15参照)。
この設定は、ユーザにより操作内容が選択されて入力装置26から操作入力されることで行われ、ヘルプ・マニュアル更新チェック動作を開始するタイミングとして設定される。
【0048】
Webアプリケーションサーバ2は、システムから取得した連動させる操作情報をレジストリ等のアクセスの早い媒体に設定しておき、それらの操作の機能実施時には、先述の事前に設定しておいた連動操作情報を取得し連動して動作する設定になっていた場合には、上述した第1の実施形態での動作例と同様のヘルプ・マニュアル更新処理を実施して(ステップS32)、ファイル更新処理を終了する。
【0049】
以上のように、本発明の第4の実施形態によれば、上述した第1の実施形態で得られる効果に加え、特定の操作が実行されたタイミングで更新チェックが行われるため、アプリケーション管理者に対してもメンテナンス性を向上させることができる。
また、上述したステップS32での、設定された操作が行われた場合に、上述のように第1の実施形態と同様の処理を行うのに替えて第2の実施形態と同様の処理を行うようにすることにより、上述した第2の実施形態と同様の効果も得ることができる。
【0050】
〈第5の実施形態〉
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
この第5の実施形態は、上述した第1から第4の実施形態において、ヘルプやマニュアルが更新されているかチェックするヘルプ更新制御内に、更新チェック先情報を設け、ヘルプ更新Webサービスに接続する際に、更新チェック先パラメータを自由に設定できるようにしたものである。
【0051】
すなわち、例えば、国内版、海外版といった種別の違いがある場合、ヘルプやマニュアルが共通に変更されることばかりではなく、国内版のみでの修正ということが考えられ得る。ここでヘルプやマニュアルの更新チェックをする場所(更新情報がある場所)が一律であると、こういった場合でもヘルプ更新Webサービスに対し、同じパラメータで更新チェックを行うこととなるため、より適切な更新情報を取得するようにするものである。
【0052】
本発明の第5の実施形態としてのWebアプリケーションシステムの動作について、図16のフローチャートを参照して説明する。
ここでは、例えば、システムとしてあらかじめ国内版、海外版として種別を分けてシステムが構成されていて、国内版でのみヘルプファイルの更新が行われる必要がある場合の動作例について説明する。
【0053】
まず、システムが起動したら、Webアプリケーションサーバ2は、あらかじめ記憶装置23に登録されているヘルプ・マニュアル更新チェック先情報を取得する(図17参照)(ステップS41)。
このヘルプ・マニュアル更新チェック先情報は、更新元サーバに対して更新されているかどうかのチェックを行う更新ファイルの種別が予め登録されるものであれば、その登録方法は、例えばユーザによる入力装置26からの設定入力など、各種の方法であってよい。
【0054】
Webアプリケーションサーバ2は、こうして取得した更新チェック先情報(取得対象種別)をパラメータとして指定してヘルプ更新Webサービス1へ接続し、ヘルプ・マニュアル更新チェックを行う(ステップS42)。以降のファイル更新処理は、指定した更新ファイルの種別の範囲において、上述した第1から第4の何れかの実施形態での動作例のように行われる(ステップS43からS46)。
【0055】
以上のように、本発明の第5の実施形態によれば、上述した第1から第4の何れかの実施形態で得られる効果に加え、仕向け地別に管理したい場合など、事前に設定しておけばヘルプ更新Webサービスに対して指定の更新ファイル種別をパラメータとして更新情報を取得しにいくことで、指定した種別に限定したより適切な更新情報を取得することができるため、無駄なネットワークトラフィックを発生させないようにすることができ、更新時間を短縮することができる。
【0056】
なお、上述した各実施形態は本発明の好適な実施形態であり、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々変形して実施することが可能である。
例えば、CPU21や記憶装置23とは別に、Webアプリケーション制御部27、ヘルプ制御部28を備えることとして説明したが、記憶装置23に格納されたアプリケーションをCPU21が実行することによりWebアプリケーション制御部27やヘルプ制御部28が実現される構成であってもよい。
【0057】
また、ヘルプとマニュアルの両方を更新することとして説明したが、ヘルプやマニュアルといったサポート情報を自動更新していくものであればこのものに限定されず、例えば、ヘルプのみ、マニュアルのみを自動更新するものであってもよい。
【0058】
また、上述した各実施形態としてのWebアプリケーションシステムやWebアプリケーションサーバを実現するための処理手順をプログラムとして記録媒体に記録することにより、本発明の各実施形態による上述した各機能を、その記録媒体から供給されるプログラムによって、システムを構成するコンピュータのCPUに処理を行わせて実現させることができる。
この場合、上記の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
すなわち、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体および該記録媒体から読み出された信号は本発明を構成することになる。
この記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM等を用いてよい。
【0059】
この本発明に係るプログラムによれば、当該プログラムによって制御されるコンピュータまたはコンピュータシステムに、上述した本発明に係る各実施形態としてのWebアプリケーションシステムやWebアプリケーションサーバにおける各機能を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の各実施形態に共通するWebアプリケーションシステム周りの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の各実施形態に共通するWebアプリケーションサーバの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態によるファイル更新処理を示すフローチャートである。
【図4】ヘルプ更新Webサービス1のURL例を示す図である。
【図5】ヘルプ・マニュアル更新リスト情報例を示す図である。
【図6】ヘルプ更新Webサービス1のファイル構成例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態によるファイル更新処理を示すフローチャートである。
【図8】更新履歴情報の例を示す図である。
【図9】取得する更新一覧情報の例を示す図である。
【図10】更新された更新履歴情報の例を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態によるファイル更新処理を示すフローチャートである。
【図12】更新チェックスケジュール情報の例を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施形態によるファイル更新処理を示すフローチャートである。
【図14】更新チェックの開始タイミングとする操作情報ファイルの例を示す図である。
【図15】該操作情報ファイルにおける操作内容定義の例を示す図である。
【図16】本発明の第5の実施形態によるファイル更新処理を示すフローチャートである。
【図17】更新チェック先情報の種別例を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1 ヘルプ更新Webサービス(更新元サーバの一例)
2 Webアプリケーションサーバ(アプリケーションサーバの一例)
3 Webブラウザ(クライアントの一例)
23 記憶装置
25 画像メモリ
26 入力装置(入力手段の一例)
27 Webアプリケーション制御部
28 ヘルプ制御部
29 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションの最新サポート情報を保持する更新元サーバに接続されて使用されるアプリケーションサーバであって、
アプリケーションのサポート情報が更新されているか否かを更新元サーバに通信して問い合わせる更新チェック手段と、
前記更新チェック手段により更新されていると判定された場合に更新ファイルを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された更新ファイルで該当部分を上書きする更新手段と、を備えたことを特徴とするアプリケーションサーバ。
【請求項2】
前記更新元サーバから更新ファイルの一覧情報を取得する一覧取得手段と、
前記更新手段による更新履歴情報を保持する更新履歴保持手段と、
前記一覧取得手段により取得された一覧情報と前記更新履歴保持手段に保持された更新履歴情報とを比較することで未更新の部分を特定する未更新特定手段と、を備え、
前記取得手段は、前記未更新特定手段により特定された更新ファイルのみを前記更新元サーバから取得することを特徴とする請求項1記載のアプリケーションサーバ。
【請求項3】
前記更新チェック手段が前記更新元サーバへの問い合わせを行う時刻の設定を行う時刻設定手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載のアプリケーションサーバ。
【請求項4】
前記更新チェック手段による前記更新元サーバへの問い合わせを行うタイミングを操作内容により設定するタイミング設定手段を備え、
前記更新チェック手段は、前記更新元サーバへの問い合わせを、前記タイミング設定手段により設定された操作がなされている時に行うことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のアプリケーションサーバ。
【請求項5】
前記取得手段により取得する取得対象の種別を設定する対象種別設定手段を備え、
前記取得手段は、前記対象種別設定手段により設定された種別の更新ファイルを取得することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のアプリケーションサーバ。
【請求項6】
前記更新チェック手段は、前記対象種別設定手段により設定された種別についてアプリケーションのサポート情報が更新されているか否かを問い合わせることを特徴とする請求項5記載のアプリケーションサーバ。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1項に記載のアプリケーションサーバと、前記更新元サーバとが接続されて構成されたことを特徴とするネットワークアプリケーションシステム。
【請求項8】
アプリケーションの最新サポート情報を保持する更新元サーバに接続されて使用されるアプリケーションサーバのサポート情報自動更新プログラムであって、
コンピュータを、請求項1から6の何れか1項に記載の手段として機能させることを特徴とするサポート情報自動更新プログラム。
【請求項9】
アプリケーションの最新サポート情報を保持する更新元サーバとアプリケーションサーバとが接続されて構成されたネットワークアプリケーションシステムのサポート情報自動更新プログラムであって、
コンピュータを、請求項1から6の何れか1項に記載の手段として機能させることを特徴とするサポート情報自動更新プログラム。
【請求項10】
請求項8または9記載のサポート情報自動更新プログラムが記録されたことを特徴とするサポート情報自動更新プログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−34573(P2007−34573A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−215570(P2005−215570)
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】