説明

アプリケーション制御されたリモートストレージ

ディスクプレーヤー又はセットトップボックスなどのユーザ装置は、ストレージユニットを欠落しているかもしれない。ネットワークを介しリモートサーバに接続可能なユーザ装置のバーチャルローカルデータストレージを提供する方法が記載されている。リモートサーバとのソケット接続を確立するストレージアプリケーションが、ユーザに装置に設けられる。アプリケーションは、ユーザ装置に(他の)アプリケーションからの補助データを格納するリクエストのためのアプリケーションインタフェースAPIを提供する。ストレージリクエストがAPIを介し受信されると、補助データがネットワークを介しリモートサーバに格納される。新たなストレージアプリケーションが、ユーザ装置又はメモリ拡張に構成され、あるいは、ダウンロード可能なプラグインとして又は光ディスクを介し提供されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介しリモートサーバに接続可能なユーザ装置に対するデータストレージを提供する方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、ユーザ装置に対するデータストレージを提供するため、ネットワークを介しユーザ装置に接続可能なリモートサーバ上に少なくとも1人のユーザからの補助データを格納する方法に関する。
【0003】
本発明はさらに、当該データストレージを提供する方法において使用され、ネットワークを介しリモートサーバに接続可能なユーザ装置に関する。
【0004】
本発明はさらに、当該方法において使用される記憶媒体及びコンピュータプログラムプロダクトに関する。
【0005】
本発明は、ユーザ装置においてインタラクティブアプリケーションを実行する技術分野に関する。通常、そのようなユーザ装置は、インターネットなどのネットワークに接続可能であり、レンダリングされる映像及び/又は実行されるインタラクティブアプリケーションプログラムなどのデータを放送及び/又はネットワークを介し受信するのに適している。特に、本発明は、インタラクティブアプリケーションに関する補助データを格納することに関する。
【背景技術】
【0006】
WO01/33852は、インタラクティブアプリケーションを含むプッシュされたデータを記録するためのシステム及び方法を開示している。セットトップボックスなどの受信装置は、MPEG2フォーマットなどの映像符号化規格に従ってデジタル圧縮された映像データストリームを受信する。このデータストリームは、映像及びプッシュされたインタラクティブデータ(すなわち、このようなデータを要求するかに関係なくユーザに提供される)を有すると共に、クイズレスポンスオプション又はライブの株価などの映像プログラム及びインタラクティブ機能又はデータをユーザに提供する拡張されたユーザプログラムを構成する。データストリームは、受信装置に配信され、プッシュされたインタラクティブデータを表す1以上のアプリケーションデータオブジェクトを有する。アプリケーションデータオブジェクトは、映像データ、ゲームなどをレンダリングしながら、いくつかのインタラクティブアプリケーションをユーザに提供するためのアプリケーションプログラムを含む各種タイプのオブジェクトを有するかもしれない。アプリケーションは、格納されているユーザのコマンド、ゲーム設定、ハイスコアなどの補助データを生成するかもしれない。当該文献では、インタラクティブアプリケーションを受信及び実行するユーザ装置には、ユーザ装置内においてハードディスクなどのローカル(大容量)記憶ユニットが設けられるか、又はユーザ装置に着脱可能に接続される。しかしながら、携帯装置などの低機能ユーザ装置、又はシンプルな光ディスクプレーヤーなどのレンダリング装置においては、インタラクティブアプリケーションに小さな記憶ユニットしか利用可能でなく、あるいは全く(不揮発性)ストレージが利用可能でないかもしれない。従って、このようなユーザ装置にインタラクティブアプリケーションの補助データを格納するという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、ユーザ装置によって実行されるアプリケーションによって生成される補助データのフレキシブルな格納を可能にするシステム及びネットワーク環境を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題のため、本発明の第1の特徴によると、導入部で説明されたようなデータストレージを提供する方法は、前記リモートサーバとのソケット接続を確立するステップと、アプリケーションからの補助データを前記ユーザ装置に格納するリクエストのためのアプリケーションインタフェースを提供するステップと、ストレージリクエストを受信すると、前記補助データを前記ネットワークを介し前記リモートサーバ上に格納するステップとを有する。
【0009】
上記課題のため、本発明の第2の特徴によると、導入部で説明されたような補助データを格納する方法は、前記ユーザ装置においてストレージアプリケーションによって確立されるソケット接続をサポートするステップと、前記ネットワークを介し前記ユーザ装置にアプリケーションからの補助データを格納するリクエストを受信し、ストレージリクエストが受信されると、前記補助データを前記リモートサーバ上に格納するステップとを有する。
【0010】
上記課題のため、本発明の第3の特徴によると、導入部で説明されたような装置は、当該ユーザ装置を前記ネットワークに接続するトランシーバ手段と、当該アプリケーションに関する補助データを生成可能なアプリケーションを実行する制御手段と、前記リモートサーバとのソケット接続を確立し、前記アプリケーションからの補助データを当該ユーザ装置に格納するリクエストのためのアプリケーションインタフェースを提供し、ストレージリクエストが受信されると、前記補助データを前記ネットワークを介し前記リモートサーバに格納するストレージアプリケーションとを有する。
【0011】
上記課題のため、本発明の第4の特徴によると、上記方法の1つをプロセッサに実行させるよう動作し、ネットワークを介しリモートサーバに接続可能な上記ユーザ装置のためのデータストレージを提供するコンピュータプログラムが記載される。
【0012】
上記課題のため、本発明の第5の特徴によると、ネットワークを介しリモートサーバに接続可能なユーザ装置における抽出されるデータを搬送する記憶媒体は、前記ユーザ装置のためのデータストレージを提供するアプリケーションを構成する上記コンピュータプログラムを有する。
【0013】
上記手段は、補助データをローカルに生成するインタラクティブアプリケーションのため、バーチャルローカルストレージがユーザ装置のアプリケーションインタフェースを介し利用可能にされるという効果を有するか、あるいは、以前に生成及び格納された補助データを必要とする。このようなバーチャルローカルストレージ装置は、以下に限定されるものではないが特に、(十分な)ローカルストレージスペースを有しないユーザ装置に関連するということに留意されたい。効果的には、このようなバーチャルローカルストレージは、例えば、異なるユーザ装置上で同じゲームをプレイするため、自分のリモートに格納されている補助データに同じユーザがアクセスすることによって、異なるユーザ装置からアクセスされるかもしれない。さらに、バーチャルローカルストレージは、ユーザ装置の不具合から独立したセキュアなデータストレージを提供する。
【0014】
本発明はまた、以下の認識に基づいている。ユーザ装置上でインタラクティブアプリケーションを実行することは周知であり、通常、データストレージは、ローカルに生成された補助データを格納するのに利用可能である。しかしながら、携帯及びローエンドユーザ装置については、このようなローカルストレージは限定的なものであるか、あるいは利用可能でないかもしれない。本発明者は、ネットワーク接続可能性がより利用可能になることが、ローカルストレージの代替又は補完を提供するよう構成可能なリソースを提供する。例えば、ダウンロード可能なプラグインや配信されたアプリケーションオブジェクトなど、本発明によるアプリケーションを提供することによって、ユーザ装置においてバーチャルローカルストレージが利用可能とされる。このようなバーチャルローカルストレージを適用することは、例えば、ローカルエリアネットワークを介しサーバ上のハードディスクを共有又はアクセスし、ウェブサイト用にサービスプロバイダからストレージスペースをリースし、ニュースグループに参加し、又はインターネット上のウェブサイトにデータを追加するなど、リモートコンピュータリソースにデータを意図的に格納することと混同されないことに留意される必要がある。バーチャルローカルストレージは、ユーザ装置に直接結合され、データはもともと補助データを格納していたユーザのみにアクセス可能である。
【0015】
さらに、US2002/0174430は、ユーザ用に映像を格納するリモートストレージリソースを使用するパーソナルビデオレコーダを記載している。配信された映像プログラムを格納するコマンドをユーザが発行するパーソナルビデオ記録サービスが記載されている。しかしながら、そのような映像データは、放送又は有料テレビチャネルなどから外部的に利用可能であり、配信機器に存在するネットワークサーバ上にユーザのリクエストに応じて(一時的に)格納される。従って、パーソナルビデオレコーダは、ローカルな補助データのためのストレージ機能を提供する。
【0016】
データストレージを提供する方法の実施例では、前記補助データを格納するステップは、ユーザ識別及び/又はアプリケーション識別を格納する。これは、ユーザ装置のストレージアプリケーションが、アプリケーションインタフェースを介しバーチャルローカルストレージに格納されたデータを容易に特定及び抽出することを可能にするという効果を有する。
【0017】
ある実施例では、ユーザ装置は、記憶媒体からデータを抽出する読み出し手段を有し、制御手段は、記憶媒体から実行されるアプリケーションを抽出するよう構成される。これは、ユーザ装置が、記憶媒体からストレージアプリケーションをロード及び起動することが可能とされ、従って、記憶媒体からのインタラクティブアプリケーション又は他のデータに関するバーチャルローカルストレージを提供することが可能であるという効果を有する。
【0018】
ある実施例では、記憶媒体は、少なくとも1つのリアルタイム情報ストリームを有する。これは、リアルタイム情報が、記憶媒体からの他のインタラクティブアプリケーション又はリアルタイム情報に関するバーチャルローカルストレージを提供するストレージアプリケーションにより拡張されるという効果を有する。
【0019】
さらなる実施例が、従属クレームにおいて与えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、ネットワークを介しサーバに接続可能なユーザ装置を示す。セットトップボックスなどのユーザ装置11は、矢印13によって示される映像などの配信データを受信する受信機を有する。ユーザ装置は、インターネットなどのネットワーク12に装置を接続するモデムなどのネットワークインタフェース15を有する。サーバ14はまた、サーバ装置をネットワーク12に接続するためのネットワークインタフェース16を有する。ネットワークに接続可能なユーザ装置はまた、マルチメディア装置(規格化されたマルチメディアホームプラットフォーム(MHP)など)、拡張された携帯電話、携帯情報端末、光ディスクプレーヤーなどのレンダリング装置などのマルチメディア装置を含む。
【0021】
当該装置は、キーボード、ディスプレイ及び/又はリモコンなどを介しユーザにより制御されるよう構成される制御ユニット20を有する。制御ユニット20は、システムバスなどの制御ラインを介しネットワークインタフェース15及びユーザ装置の他の要素に接続される。制御ユニット20は、後述される本発明によるバーチャルデータストレージを提供するための処理及び機能を実行するため、マイクロプロセッサ、プログラムメモリ及び制御ゲートなどの制御回路を有する。制御ユニット20はまた、ロジック回路の状態マシーンとして実現されてもよい。
【0022】
図2は、ネットワークを介しサーバに接続可能な光ディスクプレーヤーを示す。Blu−rayディスクプレーヤーなどの光ディスクプレーヤー21は、光ディスク22を読み出すための読み出しユニット24を有し、当該読み出しユニットは、読み出した信号を生成するための光ヘッドと、当該ヘッドを位置決めするサーボシステムと、記録キャリアを回転するためのモータと、読み出しを制御し、読み出した信号からデータを抽出するための電子回路とを有する。当該装置はまた、図1のユーザ装置と類似した制御ユニット20を有する。
【0023】
記録キャリア22は、所定の記録フォーマットに従ってブロック単位でデジタル情報を搬送するためのものである。記録フォーマットは、ファイル管理システムを有するかもしれない。所定の記録フォーマットの一例は、リアルタイムデータやアプリケーション亜プログラムなどの他のデータの格納を規定するBlu−rayディスク(BD)である。光ディスクのさらなる例は、周知のCD又はDVDである。リアルタイム情報は、特に、MPEG2やMPEG4などの標準化されたフォーマットに従ってデジタル符号化された映像を表す情報など、連続的にレンダリングされる情報である。
【0024】
光プレーヤー21は、インターネットなどのネットワーク12に装置を接続するためのモデムなどのネットワークインタフェースを有する。図1と同様に、サーバ14はまた、サーバ装置をネットワーク12に接続するためのネットワークインタフェースを有する。
【0025】
新たな光ディスク規格では、高品位映像が、インタラクティブな視聴実感を生成するため、グラフィックスやアプリケーションと組み合わされる。これは、映像が視聴時間を向上させるインタラクティブアプリケーションと組み合わされる図1により説明されるようなインタラクティブテレビと同様である。典型的には、これらのアプリケーションは、ユーザが映像コンテンツの再生を制御し、視聴されているコンテンツに関するより多くの情報を取得し、又は新たなサービスへのアクセスを提供することを可能にする。新たなサービスについては、ユーザ装置は、インターネットなどのネットワークとの接続を確立するための通信インタフェースを有する。この接続を通じて、アプリケーションは、例えば、電子商取引、ギャンブル及び情報サービスをテレビを介し提供することができる。
【0026】
これらのシステムにおいて提供されるインタラクティブ性は、典型的には、配信により送信され、又はA/Vコンテンツと共に光記録キャリア上で転送されるアプリケーションに基づくものである。ユーザがアプリケーションを含むプログラムを受信すると、アプリケーションは、A/Vストリームから抽出され、受信装置上で実行される。アプリケーションは、プログラムのA/Vコンテンツと直接リンクされ、それとやりとりすることが可能であり、あるいは、それはそれ自体の機能を(ウェブブラウジング、チャットクライアントなど)提供する独立したアプリケーションとすることができる。
【0027】
インタラクティブデジタルテレビを受信可能なローエンドセットトップボックスや携帯ディスクプレーヤーなどの現在の多数のユーザ装置では、ストレージは利用可能ではなく、アプリケーションは常に配信チャネルからロードされる必要がある。特に、アプリケーションの状態を保存し、又はユーザ設定などの補助データを格納することは不可能である。これは特に、通常最終レベルまで到達するまで時間を要するインタラクティブゲームなどにとって限定的なものとなる。本発明によると、バーチャルローカルストレージを提供するが、実際にはデータや設定のリモートストレージを制御するストレージアプリケーションが、ユーザ装置上に設けられる。
【0028】
以下で詳細に説明されるようなストレージアプリケーションは、通常、ユーザ装置において実行するためのコンピュータプログラムプロダクトにおいて実現されることに留意されたい。このプログラムは、標準的なユーザ装置のプロセッサに、リモートサーバとのソケット接続を確立するステップと、アプリケーションからの補助データをユーザ装置に格納するリクエストのためのアプリケーションインタフェースを提供するステップと、格納リクエストを受信すると、補助データをネットワークを介しリモートサーバ上に格納するステップとを実行させるよう動作する。このようなソケット接続は、周知のJava(登録商標)プログラミング環境及びTCP/IPインターネットプロトコルによって提供されるような標準的なコンピュータ言語及びライブラリを利用して確立することが可能である。現在のアプリケーションでは、ソケット接続及び関連するデータストリームは、所定の規格による新たなアプリケーションプログラムインタフェース(API)を提供することによって、バーチャルローカルストレージの機能を利用して、他のアプリケーションに対して隠される。新たなAPIは、通常はオーバローディング(overloading)と呼ばれるローカル記憶装置のための既存の所定のAPIを利用するか、又はそれを置換するものであってもよい。他のアプリケーションは、当該ストレージが仮想的にはローカルストレージであるが、実際にはリモートであることを知ることもなく、新たなAPIを使用するようにしてもよい。
【0029】
リモートサーバでは、ユーザからの補助データを格納するための補完的な機能が提供される。リモートサーバ上に少なくとも1人のユーザからの補助データを格納する方法は、ユーザ装置のストレージアプリケーションによって確立されるソケット接続をサポートするステップと、ネットワークを介しアプリケーションからの補助データをユーザ装置に格納するリクエストを受信するステップと、格納リクエストが受信されると、補助データをリモートサーバに格納するステップとを有する。
【0030】
ある実施例では、ユーザからの補助データを格納する機能は、ユーザ識別及び/又はアプリケーション識別を格納することを含む。このような識別データは、ユーザ装置がソケット接続を確立する際に即時かつ自動的に提供されてもよく、あるいは、独立したプロトコルに従って要求されてもよい。例えば、ユーザは、コード又はパスワードを入力するよう要求されるかもしれない。サーバは、補助データを抽出する前に、以前に格納されたデータによって識別データを取得及び検証する必要がある。
【0031】
ある実施例では、ユーザの補助データの転送及び格納は、例えば、暗号化を用いてセキュアな形式によるものであってもよい。アプリケーションに適切なセキュリティのレベルに応じて、追加的なキー又はパスワードがセキュリティを向上させるために使用されてもよい。
【0032】
一例となる実施例では、ユーザは、公開されているディスクのためのプレイリストをユーザ装置上で生成する。このプレイリストは、再生される記憶媒体のトラックの選択又は順序を示す。プレイリストデータは、補助データとして自動的に生成されてもよく、プレイリストデータは、再生されるような音声及び/又は映像ストリームの選択、順序又は部分を表すものであってもよい。あるいは、ユーザがキーボードなどを介しプレイリストを手動入力するようにしてもよい。プレイリストは、実際にはリモートサーバにあるバーチャルローカルストレージ上に格納される。ユーザが同じディスクを再生し、ストレージアプリケーションに対して身元を示すときは常に、ユーザが異なるユーザ装置上のディスクを再生している場合でさえ、プレイリストがバーチャルローカルストレージから抽出される。
【0033】
ユーザの特定は異なる方法により実現可能であるということに留意されたい。ユーザは、例えば、手動又はスマートカードなどのユーザキーなどを介し自らのユーザ識別を1以上のユーザ装置に入力するようにしてもよい。あるいは、インタラクティブアプリケーションは、ユーザが識別を入力することを要求するかもしれない。ある実施例では、インタラクティブアプリケーションは、一意的なシリアル番号やレジストレーション番号などの一意的な識別に接続されてもよい。これは、ストレージサービスの提供者がある料金で当該番号を提供し、又は一意的な番号を提供するウェブサイトなどを介し、ユーザに他の製品を宣伝するための提供活動を利用することを可能にする。ある実施例では、映像やインタラクティブアプリケーションなどのユーザデータを搬送している記録キャリアには、好ましくは、ディスク識別子を複製又は変更することを禁止するセキュアな方法により、一意的なディスク識別子が設けられる。このようなディスク識別子は、正当なディスクの公式バイヤーとしてユーザを特定するのに利用可能であり、そのようなユーザがバーチャルローカルストレージの使用する権利を当該ユーザに付与する。従って、ユーザは、(有効な)ディスク識別子を有しないディスクの(不正な)コピーの所有者に利用可能でないディスクのボーナス値を認識するであろう。
【0034】
図3は、バーチャルローカルストレージを提供するためのストレージアプリケーションを示す。ユーザ装置では、インタラクティブアプリケーションなどのアプリケーション31は、補助データ33を格納及び抽出する必要がある。ストレージアプリケーション32は、補助データ33を他のアプリケーションに転送するためのアプリケーションインタフェース35を有するユーザ装置に設けられる。ストレージアプリケーション34は、後述されるようなインターネット12との接続を確立し、ネットワークデータ34として(ローカルな)補助データ33とある識別(アドレス又はラベル)をリモートサーバ14に転送する。
【0035】
ストレージアプリケーション32は、ユーザ装置に構成されてもよいし、あるいは、記録キャリア上のソフトウェアプラグインとしてインターネットなどを介し配信されてもよいし、あるいはブロードキャストを介し他の何れかのアプリケーション及び音声/映像コンテンツと共に送信するようにしてもよい。ロードされると、それは、リモートストレージサーバ14とのソケット接続を確立する。その後、それは、アプリケーションインタフェース(API)を他のアプリケーションに提供し、これにより、これらは設定及びユーザデータを格納することが可能となる。その後、アプリケーションは、当該データがリモートサーバに格納されることを確信する。
【0036】
ある実施例では、格納機能は、格納の実行を要求する拡張されたインタラクティブアプリケーションに含まれる。拡張されたインタラクティブアプリケーションは、リモートウェブサイトを利用してデータを格納するストレージアプリケーションを有する。このウェブサイトは、例えば、アプリケーションを提供する配信者によって設定及び制御されるかもしれない。このアイデアのアプリケーションに対する興味深いシナリオは、ユーザがそれに返すとき、アプリケーションの状態を保存するためのものである。すなわち、配信者は、音声/映像コンテンツと共にインタラクティブゲームを有するインタラクティブゲームプログラムを提供する。このゲームは、プログラムのすべての新しいエピソードにより進化し、ユーザのゲームにおけるポジションが、リモートサーバ上に格納される。従って、プログラムのすべてのエピソードと共に(すなわち、例えば、週1回配信される)、新たなレベルのゲームが含まれてもよい。ゲームのある部分は、配信中のみオンラインに再生可能であり、他の部分は、ユーザが新たなエピソードが配信されるのを待機している週の間にはオフラインに再生可能である。
【0037】
ある実施例では、同じ原理が拡張されたインタラクティブ性を有する光ディスクシステムに適用される。ストレージ機能を有しない光ディスクプレーヤーでは、バーチャルローカルストレージが、ディスク制作者からウェブサイトなどを介して、リモートアクセスへのアクセスを制御可能なストレージアプリケーションによって提供される。このアプリケーションは、ディスク上に含まれ、スタートアップ時にロードされるようにしてもよい。
【0038】
例えば、Blu−rayディスク(BD)ROM規格などの実際のシステムは、Java(登録商標)などの所定の言語によるアプリケーションを含むものであってもよい。これらのJava(登録商標)アプリケーションは、設定や他の情報を格納するためのローカルストレージを必要とするかもしれず、本発明によるバーチャルローカルストレージを用いて提供される。
【0039】
図4は、ストレージアプリケーションの実現形態を示す。図4Aは、バーチャルローカルストレージへのデータの格納を示す。図4Bは、バーチャルローカルストレージからのデータの読み出しを示す。もちろん、書き込み及び読み出しは、同一の接続を介し実行されてもよく、格納と読み出しの両方が以下で一緒に説明される。以下のステップは、バーチャルローカルストレージを設定するためストレージアプリケーションによって実行される。第1ステップ41のAPI−STOREでは、他のアプリケーションがストレージアプリケーションのアプリケーションインタフェースに、それがデータを格納することを所望していることを通知し、あるいはステップ48のAPI−RETRIEVEでは、アプリケーションは、ストレージアプリケーションのアプリケーションインタフェースに、それがデータを抽出することを所望していることを通知する。第2ステップ42のCONN.SETUPでは、ストレージアプリケーションは、リモートサーバとの接続を設定し、ステップ43のWAITでは、当該接続の完了が待機される。次のステップ44のSTREAM.SETUPでは、出力データをリモートサーバに提供し、入力データをサーバから提供するデータストリームが設定される。サーバの一は、ホストパラメータによって特定されてもよい。フォーマルなコンピュータの記法の一例は(エラー処理を除いて)、
【0040】
【表1】

となるかもしれない。
【0041】
次のステップ45のWRITEでは、最後のデータがステップ46のWRITE MORE DATAにおいて検出されるまで、出力ストリームに書き込まれる。ステップ49のREADでは、最後のデータがステップ50のREAD MORE DATAにおいて検出されるまで、入力ストリームから読み出される。従って、アプリケーションは、入力及び出力ストリームを用いて、データをリモートサーバに書き込み、又はデータをリモートサーバから読み出す。フォーマルなコンピュータの記法の一例は、
【0042】
【表2】

であるかもしれない。
【0043】
最後に、インタラクティブアプリケーションが終了し、又は他のデータストレージリクエストが予想されないことを示した後、当該接続はステップ47のCLOSEにおいてクローズされる。フォーマルなコンピュータの記法の一例は、
【0044】
【表3】

であるかもしれない。
【0045】
ある実施例では、ストレージアプリケーションは、他のアプリケーションがリード及びライトメソッドをインタフェースに提供することによって、データを読み書きすることを可能にする。インタフェースは、ファイルを読み書きするためのものと同一である。これらのインタフェースは、ライブラリセットであるJava.ioパッケージにおいて規定されているかもしれない。
【0046】
図5は、ストレージアプリケーションとサーバとの間のプロトコルのシーケンスチャートを示す。インタラクティブアプリケーションAPP51は、ユーザ装置を介しユーザによって起動される。シーケンスチャートは、装置(STB又はBlu−rayプレーヤー)上で実行されるアプリケーションとリモートサーバ52との間のシンプルなプロトコルを示している。アプリケーション51は、図4を参照して上述されるストレージアプリケーションを有する。第1段階53では、インタラクティブアプリケーションデータのAPPL:START READが必要とされ、読み出しアクションが開始される。格納されているデータを抽出するためのリードストレージリクエスト54は、ストレージアプリケーションによってリモートサーバ52に送信される。このリクエストには、何れのデータがリクエストされたかサーバに示すため、アプリケーション識別(App Id)及び/又はユーザ識別(User Id)が設けられている。データ抽出メッセージ55では、以前に格納されたデータが返される。そのようなデータが利用可能でない場合、エラーメッセージ56がサーバに送信されるかもしれない。第2段階57では、インタラクティブアプリケーション補助データのAPPL:STOREが生成され、格納される必要がある。データを書き込むためのライトストレージリクエスト58は、ストレージアプリケーションによってリモートサーバ52に送信される。当該リクエストは、格納されるデータと、アプリケーション識別(App Id)及び/又はユーザ識別(User Id)を有する。サーバは、当該データの正確な受信とデータ確認メッセージ(図示せず)への格納を確認するかもしれない。
【0047】
図6は、ストレージアプリケーションが支払を要求するフローチャートを示す。ストレージアプリケーションの実施例は、ユーザがバーチャルローカルストレージを使用するのに料金を支払うことを要求することを有する。第1ステップ61では、アプリケーションが開始され、ローカルデータストレージに対する要求が検出される。第2に、ステップUSER PAY62において、ディスプレイ画面などのユーザインタフェースを介し、例えば、ネットワーク上での支払のために利用可能なクレジットカード又は口座などを介し、ユーザは支払に同意することが求められる。ユーザが支払に同意する場合、アプリケーションは、ステップAPPL.PROCEED63において設計されるように進行する。しかしながら、ユーザが支払をしない場合、アプリケーションは中断するか、あるいは補助データを格納する可能性なく限定されたモードにより継続されるかもしれない。
【0048】
本発明は、補助データの格納に基づく実施例によって主として説明されたが、本記載では、補助データはユーザ装置において生成される任意のタイプのデータを示すことに留意されたい。さらに、大部分の例はユーザ装置がローカルストレージを有しないことを仮定しているが、バーチャルローカルストレージを提供するための本発明は、何れかのユーザ装置にさらなるストレージを提供するのに使用されてもよい。特に、メモリスティックなどの既存のローカルストレージリソースは、本発明のバーチャルローカルストレージを用いて拡張されたストレージ容量を提供することによって拡張されてもよい。メモリスティックのメーカーは、メモリスティックの買い手にリモートサーバ上のストレージスペースをさらに販売し、ストレージアプリケーション及び/又はユーザ/アプリケーション識別が、メモリスティックにすでに含まれてもよい。
【0049】
本記載では、「有する」という用語は、列挙された以外の他の要素又はステップの存在を排除するものではなく、要素に先行する「ある」という用語は、当該要素が複数存在することを排除するものではなく、また、何れの参照符号も請求項の範囲を限定するものではなく、また、本発明はハードウェアとソフトウェアの両方によって実現されてもよく、また、複数の「手段」が同一のハードウェアアイテムによって表されてもよいということに留意されたい。さらに、本発明の範囲は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明は、上述のそれぞれのすべての新規な特徴又は特徴の組み合わせにおけるものである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、ネットワークを介しサーバに接続可能なユーザ装置を示す。
【図2】図2は、ネットワークを介しサーバに接続可能な光ディスクプレーヤーを示す。
【図3】図3は、バーチャルローカルストレージを提供するためのストレージアプリケーションを示す。
【図4】図4は、ストレージアプリケーションの実現形態を示し、図4Aは、データをバーチャルローカルストレージに格納することを示し、図4Bは、データをバーチャルローカルストレージから読み出すことを示す。
【図5】図5は、ストレージアプリケーションとサーバとの間のプロトコルのシーケンスチャートを示す。
【図6】図6は、ストレージアプリケーションが支払を要求するフローチャートを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介しリモートサーバに接続可能なユーザ装置のためのデータストレージを提供する方法であって、
前記リモートサーバとのソケット接続を確立するステップと、
アプリケーションからの補助データを前記ユーザ装置に格納するリクエストのためのアプリケーションインタフェースを提供するステップと、
ストレージリクエストを受信すると、前記補助データを前記ネットワークを介し前記リモートサーバ上に格納するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、
前記補助データを格納するステップは、ユーザ識別及び/又はアプリケーション識別を格納することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、
前記アプリケーションインタフェースを提供するステップは、データを読み出すリクエストを受信し、リクエストされると、前記補助データを前記ネットワークを介し前記リモートサーバから抽出することを特徴とする方法。
【請求項4】
ユーザ装置にストレージを提供するため、ネットワークを介し前記ユーザ装置に接続可能なリモートサーバ上に少なくとも1人のユーザからの補助データを格納する方法であって、
前記ユーザ装置においてストレージアプリケーションによって確立されるソケット接続をサポートするステップと、
前記ネットワークを介し前記ユーザ装置にアプリケーションからの補助データを格納するリクエストを受信し、ストレージリクエストが受信されると、前記補助データを前記リモートサーバ上に格納するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法であって、
前記補助データを格納するステップは、ユーザ識別及び/又はアプリケーション識別を格納することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1乃至5何れか一項記載の方法をプロセッサに実行させ、ネットワークを介しリモートサーバに接続可能なユーザ装置のためのデータストレージを提供するためのコンピュータプログラム。
【請求項7】
請求項1乃至3何れか一項記載のデータストレージを提供する方法において使用するためのユーザ装置であって、
当該ユーザ装置は、ネットワークを介しリモートサーバに接続可能であり、
当該ユーザ装置を前記ネットワークに接続するトランシーバ手段と、
当該アプリケーションに関する補助データを生成可能なアプリケーションを実行する制御手段と、
前記リモートサーバとのソケット接続を確立し、前記アプリケーションからの補助データを当該ユーザ装置に格納するリクエストのためのアプリケーションインタフェースを提供し、ストレージリクエストが受信されると、前記補助データを前記ネットワークを介し前記リモートサーバに格納するストレージアプリケーションと、
を有することを特徴とするユーザ装置。
【請求項8】
請求項7記載のユーザ装置であって、さらに、
記憶媒体からデータを抽出する読み出し手段を有し、
前記制御手段は、前記記憶媒体から実行されるアプリケーションを抽出するよう構成される、
ことを特徴とするユーザ装置。
【請求項9】
ネットワークを介しリモートサーバに接続可能なユーザ装置における抽出されるデータを搬送する記憶媒体であって、
請求項1乃至3何れか一項記載の方法をプロセッサに実行させ、前記ユーザ装置のためのデータストレージを提供するアプリケーションを構成するコンピュータプログラムを有することを特徴とする記憶媒体。
【請求項10】
請求項9記載の記憶媒体であって、
少なくとも1つのリアルタイム情報ストリームを有することを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−529944(P2007−529944A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503466(P2007−503466)
【出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【国際出願番号】PCT/IB2005/050831
【国際公開番号】WO2005/091637
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】