説明

アミド化合物の製造方法

【課題】有害節足動物に対する優れた防除効力を有する下記式(3)で示されるアミド化合物の製造方法を提供すること。
【解決手段】式(1)〔式中、R1、R2およびR3は独立してハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基等を表し、R4、R5、R6およびR7は独立してハロゲン原子等を表す。〕で示されるアニリン化合物と、式(2)で示されるアルデヒド化合物とを、キノン化合物の存在下に溶媒中にて反応させることを特徴とする式(3)で示されるアミド化合物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアミド化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有害節足動物を防除するために多くの化合物が開発され、実用に供されており、ある種のアミド化合物(特許文献1および2を参照)が知られている。
【0003】
【特許文献1】WO01/70671号公報
【特許文献2】WO03/015518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は有害節足動物に対する優れた防除効力を有する下記式(3)で示されるアミド化合物に係る製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は式(3)で示されるアミド化合物に係る製造方法について鋭意検討した結果、本発明に至った。即ち、本発明は
式(1)

〔式中、R1はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表し、R2は水素原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表し、R3はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3−C6アルコキシアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3−C6アルケニル基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC3−C6アルキニル基を表し、R4はハロゲン原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表し、R5は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表す。〕
で示されるアニリン化合物(以下、化合物(1)と記す。)と、
式(2)

〔式中、R6は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキルチオ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキルスルフィニル基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキルスルホニル基を表し、R7はハロゲン原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表す。〕
で示されるアルデヒド化合物(以下、化合物(2)と記す。)とを、キノン化合物の存在下に溶媒中にて反応させることを特徴とする式(3)

〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は前記と同じ意味を表す。〕
で示されるアミド化合物(以下、化合物(3)と記す。)の製造方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の製造方法により、有害節足動物に対する優れた防除効力を有する化合物(3)を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の製造方法において、化合物(1)1モルに対して通常、化合物(2)の量は0.5〜2モルの割合であるが、反応の状況により任意に変化させることができる。
【0008】
化合物(1)と化合物(2)との反応はキノン化合物の存在下で行われる。本発明においてキノン化合物とは、芳香族化合物のCH原子団の二つをCO原子団に変えて、更に二重結合をキノイド構造にするのに必要なだけ動かしてできる化合物であり、キノイド構造によって大きくp−キノン類とo−キノン類に分類される。p−キノン類は下記の(a)の基本構造を有する化合物であり、o−キノン類は下記の(b)の基本構造を有する化合物である。

キノン化合物としては、例えば2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)、テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン(p−クロラニル)等のp−キノン類、テトラクロロ−1,2−ベンゾキノン(o−クロラニル)等のo−キノン類が挙げられる。本発明においては好ましくは、p−クロラニルおよびo−クロラニルが挙げられる。
該反応に用いられるキノン化合物の量は、化合物(2)1モルに対して、好ましくは1モル〜2モルの割合であるが、反応の状況により任意に変化させることができる。また、化合物(2)1モルに対して、キノン化合物を1モル未満、即ち触媒量を使用し、共酸化剤を1モル以上使用することによっても、該反応を行うことができる。キノン化合物を触媒量使用する場合に、用いることのできる共酸化剤としては、例えば、酸素、過酸化水素、アルキルヒドロペルオキシド、過カルボン酸、次亜塩素酸ナトリウム等が挙げられる。
【0009】
該反応は溶媒中にて行われるが、用いることのできる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル=tert−ブチル=エーテル等のエーテル溶媒;ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;ヘキサン、ヘプタン、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素溶媒;アセトニトリル等のニトリル溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド溶媒;N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の含窒素環状化合物溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶媒等の非プロトン性溶媒;酢酸等のカルボン酸溶媒;アセトン、イソブチル=メチル=ケトン等のケトン溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;2−プロパノール、tert−ブチルアルコール等のアルコール溶媒および水が挙げられる。また、これらの溶媒は混合して用いてもよく、一層系または二層系で反応を行ってもよい。
【0010】
該反応の反応温度は、通常0〜150℃の範囲であり、反応時間は、通常瞬時〜72時間の範囲である。
【0011】
また該反応において、場合によって酸を共存させることもできる。用いることのできる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸等の鉱酸;酢酸、安息香酸等のカルボン酸;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸;三フッ化ホウ素等のホウ素化合物;塩化アルミニウム(III)、アルミニウム(III)イソプロポキシド等のアルミニウム化合物;四塩化チタン(IV)、チタニウム(IV)イソプロポキシド等のチタン化合物;塩化亜鉛(II)等の亜鉛化合物;塩化鉄(III)等の鉄化合物が挙げられる。
【0012】
該反応において酸を用いる場合は、用いられる酸の量は化合物(2)1モルに対して、通常0.001モル〜1モルの割合であるが、反応の状況により任意に変化させることができる。
【0013】
該反応の反応終了後は、反応混合物を水に注加した後に有機溶媒で抽出するか、あるいは、反応混合物を水に注加した際に析出した沈殿を濾取することにより、化合物(3)を単離することができる。単離された化合物(3)は、再結晶、クロマトグラフィ−等により更に精製することもできる。
【0014】
次に、本発明の製造方法に用いる化合物(1)および化合物(2)を製造する方法について説明する。
【0015】
化合物(1)は、スキーム(1)に従って製造することができる。
スキーム(1)

〔スキーム中、R1、R2、R3、R4およびR5は前記と同じ意味を表す。〕
・化合物(4)→化合物(1)
化合物(4)1モルに対して、化合物(7)の量は通常1モルである。
反応は通常溶媒の存在下で行われ、該溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル=tert-ブチル=エーテル等のエーテル、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素、アセトニトリル等のニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコールおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0016】
化合物(1)のうち式(1−i)で示される化合物は、スキーム(2)に従って製造することができる。
スキーム(2)

〔スキーム中、R12はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表し、L1は脱離基(例えば、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基またはp−トルエンスルホニルオキシ基)を表し、R3、R4およびR5は前記と同じ意味を表す。〕
・化合物(4)→化合物(5−i)
化合物(4)1モルに対して、化合物(7−i)の量は通常1モルである。
反応は通常溶媒の存在下で行われ、該溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル=tert-ブチル=エーテル等のエーテル、ジクロロメタン、ジブロモホルム、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素、アセトニトリル等のニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコールおよびこれらの混合物が挙げられる。
・化合物(5−i)→化合物(1−i)
1)保護
化合物(5−i)におけるベンゼン環上のアミノ基(−NH2)は、必要によりGreene's Protective Groups in Organic Synthesis(WILEY)等に記載されている適当な保護基(例えば、N−ベンジリデン基、N−(1−メチル)エチリデン基)により保護することもできる。
2)化合物(5−i)またはそのアミノ基が保護された誘導体1モルに対して、化合物(9−i)または化合物(10−i)の量は通常2モルである。該反応で使用される塩基としては、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の金属炭酸塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、水素化ナトリウム等の金属水素化物が挙げられる。
3)アミノ基が保護された化合物(1−i)は、公知の条件により脱保護することができる。
【0017】
化合物(1)のうち式(1−ii)で示される化合物は、スキーム(3)に従って製造することができる。
スキーム(3)

〔スキーム中、R1、R3、R4およびR5は前記と同じ意味を表す。〕
・化合物(4)→化合物(6−ii)
化合物(4)1モルに対して、化合物(8−ii)の量は通常1モルである。
反応は通常溶媒の存在下で行われ、該溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル=tert-ブチル=エーテル等のエーテル、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素、アセトニトリル等のニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコールおよびこれらの混合物が挙げられる。
・化合物(6−ii)→化合物(1−ii)
1)化合物(6−ii)におけるベンゼン環上のアミノ基(−NH2)は、必要によりGreene's Protective Groups in Organic Synthesis(WILEY)等に記載されている適当な保護基(例えば、N−ベンジリデン基、N−(1−メチル)エチリデン基)により保護することもできる。
2)化合物(6−ii)またはそのアミノ基が保護された誘導体1モルに対して、化合物(11)の量は通常1モルである。該反応で使用される塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の金属炭酸塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、水素化ナトリウム等の金属水素化物が挙げられる。
3)アミノ基が保護された化合物(1−ii)は、公知の条件により脱保護することができる。
【0018】
化合物(1)のうち、式(1−iii)で示される化合物は、スキーム(4)に従って製造することができる。
スキーム(4)

〔スキーム中、R10およびR20はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表し、R3、R4、R5およびL1は前記と同じ意味を表す。〕
・化合物(4)→化合物(5−ii)
化合物(4)1モルに対して、化合物(7−ii)の量は通常1モルである。
反応は通常溶媒の存在下で行われ、該溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル=tert-ブチル=エーテル等のエーテル、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素、アセトニトリル等のニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコールおよびこれらの混合物が挙げられる。
・化合物(5−ii)→化合物(1−iii)
1)化合物(5−ii)におけるベンゼン環上のアミノ基(−NH2)は、必要によりGreene's Protective Groups in Organic Synthesis(WILEY)等に記載されている適当な保護基(例えば、N−ベンジリデン基、N−(1−メチル)エチリデン基)により保護することもできる。
2)化合物(5−ii)またはそのアミノ基が保護された誘導体1モルに対して、化合物(9−iii)または化合物(10−iii)の量は通常1モルである。該反応で使用される塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の金属炭酸塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、水素化ナトリウム等の金属水素化物が挙げられる。
3)アミノ基が保護された化合物(1−iii)は、公知の条件により脱保護することができる。
【0019】
化合物(4)は、公知の化合物であるか、または、下記のスキーム(5)に従って製造することができる。
【0020】
スキーム(5)

〔スキーム中、R4およびR5は前記と同じ意味を表す。〕
【0021】
化合物(7−i)、(7−ii)、(7−iii)および(7−iv)は、公知の化合物であるか、または、下記のスキーム(6)に従って製造することができる。
【0022】
スキーム(6)

〔スキーム中、Raはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表し、R3およびR12は前記と同じ意味を表す。〕
【0023】
化合物(7)のうち、式(7−v)で示される化合物は、下記のスキーム(7)に従って製造することができる。
【0024】
スキーム(7)

〔スキーム中、Rbはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C5アルキル基を表し、R3は前記と同じ意味を表す。〕
・化合物(7−i)→化合物(16)
化合物(7−i)に対して、Rb−CHOの量は、通常1〜2モルである。
反応は通常、溶媒の存在下行われ、該溶媒としては、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル=tert-ブチル=エーテル等のエーテル、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素、アセトニトリル等のニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコールおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0025】
・化合物(16)→化合物(7−v)
化合物(16)に対して、水素化ホウ素ナトリウムの量は、通常0.25〜2モルである。
反応は通常、溶媒の存在下行われ、該溶媒としては、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル=tert-ブチル=エーテル等のエーテル、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素、アセトニトリル等のニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコールおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0026】
化合物(8−i)、(8−ii)および(8−iii)は、公知の化合物であるか、または、既知の方法(例えば、Organic Functional Group Preparations, 2nd edition, Vol.1, chapter 14, p.434-465 (Stanley R. Sandler, Wolf Karo.)参照。)に準じて、公知の化合物より製造することができる。
【0027】
化合物(2)は、例えば下記のスキーム(8)に示す方法に従って製造することができる。
【0028】
スキーム(8)

〔スキーム中、L2は脱離基(例えば、ハロゲン原子、メチルスルホニル基等)を表し、L3は脱離基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、N,N−ジメチルアミノ基、1−イミダゾリル基等)を表し、R6およびR7は、前記と同じ意味を表す。〕
・化合物(13)→化合物(2)
1)化合物(13)1モルに対して、3−(R6)置換−1H−ピラゾールの量は、通常1モルである。該反応で使用される塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の金属炭酸塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、水素化ナトリウム等の金属水素化物が挙げられる。
反応は通常溶媒の存在下で行われ、該溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル=tert-ブチル=エーテル等のエーテル、アセトニトリル等のニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒およびこれらの混合物が挙げられる。
2)2−〔3−(R6)置換−1H−ピラゾール−1−イル〕−3−(R7)置換ピリジン 1モルに対して、LDA(リチウム ジイソプロピルアミド)の量は通常1モルであり、化合物(15)の量は通常1モルである。
反応は通常溶媒の存在下で行われ、該溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル=tert-ブチル=エーテル等のエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素およびこれらの混合物が挙げられる。
【0029】
化合物(13)は、公知の化合物であるか、または、既知の方法に準じて、公知の化合物より製造することができる。
【0030】
また、化合物(2)は、例えば下記のスキーム(9)に示す方法に従って製造することができる。
【0031】
スキーム(9)

〔スキーム中、RcはC1−C4アルキル基を表し、R6およびR7は前記と同じ意味を表す。〕
該反応で使用される酸化剤としては、例えば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩が挙げられる。化合物(17)1モルに対して、酸化剤の量は、通常1〜2モルである。
反応は通常溶媒の存在下で行われ、該溶媒としては、例えば、アセトニトリル等のニトリル、水、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0032】
化合物(17)のうち式(17−i)で示される化合物は、例えば下記のスキーム(10)に従って製造することができる。
【0033】
スキーム(10)

〔スキーム中、Rdは置換されていてもよいC1−C4アルキル基(例えば、メチル基)または置換されていてもよいフェニル基(例えば、フェニル基またはp-トリル基)を表し、L4は塩素原子または臭素原子を表し、X1はハロゲン原子を表し、RcおよびR7は前記と同じ意味を表す。〕
【0034】
・化合物(18)→化合物(19)
H−L4としては、塩化水素および臭化水素が挙げられる。
反応は通常溶媒の存在下で行われ、該溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、メチル=tert-ブチル=エーテル等のエーテル、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素およびこれらの混合物が挙げられる。
【0035】
・化合物(19)→化合物(20)
該反応で使用される塩素剤としては、例えば、二塩化オキサリル、塩化チオニル等が挙げられる。化合物(19)1モルに対して、塩素剤の量は通常1〜10モルである。
反応は無溶媒で行うか、溶媒の存在下で行われ、該溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、メチル=tert-ブチル=エーテル等のエーテル、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素、アセトニトリル等のニトリルおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0036】
・化合物(20)→化合物(22)
反応は通常、溶媒の存在下行われ、該溶媒としては、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル=tert-ブチル=エーテル等のエーテル、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素、アセトニトリル等のニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒およびこれらの混合物が挙げられる。
該反応に用いられる化合物(21)の量は、化合物(20)1モルに対して、通常1モルの割合である。
該反応は、必要に応じて、塩基の存在下で行われる。塩基の存在下で行われる場合に用いられる塩基としては、例えばピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕7−ウンデセン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕5−ノネン(DBN)等の含窒素複素環化合物、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の第3級アミン等が挙げられる。塩基の存在下で行われる場合に用いられる塩基の量は、化合物(20)1モルに対して、通常1モル以上である。
【0037】
・化合物(18)→化合物(23)
該反応で使用される塩素剤としては、例えば、二塩化オキサリル、塩化チオニル等が挙げられる。化合物(18)1モルに対して、塩素剤の量は通常1〜10モルである。
反応は無溶媒で行うか、溶媒の存在下で行われ、該溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、メチル=tert-ブチル=エーテル等のエーテル、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素、アセトニトリル等のニトリルおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0038】
・化合物(23)→化合物(24)
反応は通常、溶媒の存在下行われ、該溶媒としては、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル=tert-ブチル=エーテル等のエーテル、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素、アセトニトリル等のニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒およびこれらの混合物が挙げられる。
該反応に用いられる化合物(21)の量は、化合物(23)1モルに対して、通常1モルの割合である。
該反応は、必要に応じて、塩基の存在下で行われる。塩基の存在下で行われる場合に用いられる塩基としては、例えばピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕7−ウンデセン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕5−ノネン(DBN)等の含窒素複素環化合物、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の第3級アミン等が挙げられる。塩基の存在下で行われる場合に用いられる塩基の量は、化合物(23)1モルに対して、通常1モル以上である。
【0039】
・化合物(24)→化合物(22)
H−L4としては、塩化水素および臭化水素が挙げられる。
反応は通常溶媒の存在下で行われ、該溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、メチル=tert-ブチル=エーテル等のエーテル、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素およびこれらの混合物が挙げられる。
【0040】
・化合物(22)→化合物(25)
該反応は、塩基の存在下で行われる。反応に用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム等の金属炭酸塩等が挙げられる。用いられる塩基の量は、化合物(22)1モルに対して、通常1モル以上である。
反応は通常、溶媒の存在下行われ、該溶媒としては、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル=tert-ブチル=エーテル等のエーテル、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素、アセトニトリル等のニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒およびこれらの混合物が挙げられる。
【0041】
・化合物(25)→化合物(26)
該反応で使用されるハロゲン剤としては、例えば、二塩化オキサリル、塩化チオニル、オキシ塩化リン、五塩化リン、臭化チオニル、オキシ臭化リン、五臭化リン等が挙げられる。化合物(25)1モルに対して、ハロゲン化剤の量は通常1〜10モルである。
反応は無溶媒で行うか、溶媒の存在下で行われ、該溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、メチル=tert-ブチル=エーテル等のエーテル、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素、アセトニトリル等のニトリルおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0042】
・化合物(25)→化合物(27)
Cl−SO2dとしては、例えば、メタンスルホニルクロライド、ベンゼンスルホニルクロライド、p−トルエンスルホニルクロライド等が挙げられる。用いられるCl−SO2dの量は、化合物(25)1モルに対して、通常1モルの割合である。
反応は通常、溶媒の存在下行われ、該溶媒としては、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル=tert-ブチル=エーテル等のエーテル、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素、アセトニトリル等のニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒およびこれらの混合物が挙げられる。
該反応は、必要に応じて、塩基の存在下で行われる。塩基の存在下で行われる場合に用いられる塩基としては、例えばピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕7−ウンデセン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕5−ノネン(DBN)等の含窒素複素環化合物、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の第3級アミン等が挙げられる。塩基の存在下で行われる場合に用いられる塩基の量は、化合物(25)1モルに対して、通常1モル以上である。
【0043】
・化合物(27)→化合物(26)
H−X2としては、例えば、塩化水素、臭化水素等が挙げられる。
反応は通常溶媒の存在下で行われ、該溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、メチル=tert-ブチル=エーテル等のエーテル、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素、酢酸等のカルボン酸およびこれらの混合物が挙げられる。
【0044】
・化合物(26)→化合物(17−i)
該反応で使用される酸化剤としては、例えば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)、テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン(p−クロラニル)、テトラブロモ−1,4−ベンゾキノン(p−ブロマニル)、テトラクロロ−1,2−ベンゾキノン(o−クロラニル)、テトラブロモロ−1,2−ベンゾキノン(o−ブロマニル)等のキノン化合物、塩素、臭素等のハロゲン、空気等が挙げられる。
酸化剤が過硫酸塩である場合の該酸化剤の量は、化合物(26)1モルに対して、通常1〜2モルの割合であり、通常用いられる反応溶媒としては、例えば、アセトニトリル等のニトリル、水、およびこれらの混合物が挙げられる。
酸化剤がキノン化合物である場合の該酸化剤の量は、化合物(26)1モルに対して、通常1〜2モルの割合であり、通常用いられる反応溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル=tert−ブチル=エーテル等のエーテル溶媒;ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;ヘキサン、ヘプタン、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素溶媒;アセトニトリル等のニトリル溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド溶媒;N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の含窒素環状化合物溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶媒等の非プロトン性溶媒;酢酸等のカルボン酸溶媒;アセトン、イソブチル=メチル=ケトン等のケトン溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;2−プロパノール、tert−ブチルアルコール等のアルコール溶媒および水が挙げられる。また、これらの溶媒は混合して用いてもよく、一層系または二層系で反応を行ってもよい。
酸化剤がハロゲンである場合には、該反応は必要に応じて溶媒および塩基の存在下に行われる。該酸化剤の量は、化合物(26)1モルに対して、通常1モル〜過剰量である。通常用いられる反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素およびこれらの混合物が挙げられる。用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム等の金属炭酸塩等が挙げられる。用いられる塩基の量は、化合物(26)1モルに対して、通常1モル以上である。
酸化剤が空気である場合には、該反応は必要に応じて溶媒および触媒の存在下に行われる。通常用いられる反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素およびこれらの混合物が挙げられる。用いられる触媒としては、例えば塩化鉄(III)、臭化鉄(III)等の金属ハロゲン化物が挙げられる。用いられる該触媒の量は、化合物(26)1モルに対して、通常0.001モル〜1モルである。
【0045】
化合物(1)、化合物(2)および上記に示すそれらの中間体化合物は、分液、濾過、再結晶、カラムクロマトグラフィー、高速液体カラムクロマトグラフィー(HPLC)、中圧分取HPLC、脱塩樹脂カラムクロマトグラフィー、再沈澱、蒸留等の常法によって単離、精製できる。
【0046】
次に、化合物(1)、化合物(2)、化合物(3)における、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7における各置換基について説明する。
「ハロゲン原子」としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
【0047】
「ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基」としては、例えば、メチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、エチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基およびヘキシル基が挙げられる。
【0048】
「ハロゲン原子で置換されていてもよいC3−C6アルコキシアルキル基」としては、例えば、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基および2−イソプロピルオキシエチル基が挙げられ、
【0049】
「ハロゲン原子で置換されていてもよいC2−C6アルケニル基」としては、例えば、2−プロペニル基、3−クロロ−2−プロペニル基、2−クロロ−2−プロペニル基、3,3−ジクロロ−2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−メチル−2−プロペニル基、3−メチル−2−ブテニル基、2−ペンテニル基および2−ヘキセニル基が挙げられ、
【0050】
「ハロゲン原子で置換されていてもよいC3−C6アルキニル基」としては、例えば、2−プロピニル基、3−クロロ−2−プロピニル基、3−ブロモ−2−プロピニル基、2−ブチニル基および3−ブチニル基が挙げられ、
【0051】
「ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブトキシ基およびtert−ブトキシ基が挙げられ、
【0052】
「ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキルチオ基」としては、例えば、メチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基およびヘキシルチオ基が挙げられ、
【0053】
「ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキルスルフィニル基」としては、例えば、メチルスルフィニル基、トリフルオロメチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、イソブチルスルフィニル基、sec−ブチルスルフィニル基、tert−ブチルスルフィニル基、ペンチルスルフィニル基およびヘキシルスルフィニル基が挙げられ、
【0054】
「ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキルスルホニル基」としては、例えば、メチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基およびヘキシルスルホニル基が挙げられる。
【0055】
化合物(1)の態様としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0056】
式(1)において、R2がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基である化合物;
式(1)において、R2が水素原子である化合物;
式(1)において、R1がメチル基またはエチル基であり、R2が水素原子、メチル基またはエチル基である化合物;
式(1)において、R1およびR2がメチル基である化合物;
式(1)において、R1がメチル基であり、R2が水素原子である化合物;
式(1)において、R1がエチル基であり、R2が水素原子である化合物;
式(1)において、R3がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基である化合物;
式(1)において、R3がメチル基またはエチル基である化合物;
式(1)において、R4がハロゲン原子またはメチル基である化合物;
式(1)において、R5がハロゲン原子またはシアノ基である化合物;
式(1)において、R4がハロゲン原子またはメチル基であり、R5がハロゲン原子またはシアノ基である化合物;
式(1)において、R1がメチル基またはエチル基であり、R2が水素原子、メチル基またはエチル基であり、R3がメチル基またはエチル基であり、R4がハロゲン原子またはメチル基であり、R5がハロゲン原子またはシアノ基である化合物;
式(1)において、R1、R2およびR3がメチル基であり、R4が塩素原子、臭素原子またはメチル基であり、R5が塩素原子、臭素原子またはシアノ基である化合物;
式(1)において、R1がメチル基であり、R2が水素原子であり、R3がメチル基であり、R4が塩素原子、臭素原子またはメチル基であり、R5が塩素原子、臭素原子またはシアノ基である化合物;
式(1)において、R1がエチル基であり、R2が水素原子であり、R3がメチル基であり、R4が塩素原子、臭素原子またはメチル基であり、R5が塩素原子、臭素原子またはシアノ基である化合物;
【0057】
化合物(2)の態様としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0058】
式(2)において、R6がハロゲン原子またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基である化合物;
式(2)において、R6がハロゲン原子またはトリフルオロメチル基である化合物;
式(2)において、R7がハロゲン原子である化合物;
式(2)において、R6がハロゲン原子またはトリフルオロメチル基であり、R7がハロゲン原子である化合物;
式(2)において、R6が塩素原子、臭素原子またはトリフルオロメチル基であり、R7が塩素原子である化合物;
【0059】
化合物(3)の態様としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0060】
式(3)において、R2がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基である化合物;
式(3)において、R2が水素原子である化合物;
式(3)において、R1がメチル基またはエチル基であり、R2が水素原子、メチル基またはエチル基である化合物;
式(3)において、R1およびR2がメチル基である化合物;
式(3)において、R1がメチル基であり、R2が水素原子である化合物;
式(3)において、R1がエチル基であり、R2が水素原子である化合物;
式(3)において、R3がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基である化合物;
式(3)において、R3がメチル基またはエチル基である化合物;
式(3)において、R4がハロゲン原子またはメチル基である化合物;
式(3)において、R5がハロゲン原子またはシアノ基である化合物;
式(3)において、R4がハロゲン原子またはメチル基であり、R5がハロゲン原子またはシアノ基である化合物;
式(3)において、R6がハロゲン原子またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基である化合物;
式(3)において、R6がハロゲン原子またはトリフルオロメチル基である化合物;
式(3)において、R7がハロゲン原子である化合物;
式(3)において、R6がハロゲン原子またはトリフルオロメチル基であり、R7がハロゲン原子である化合物;
式(3)において、R1がメチル基またはエチル基であり、R2が水素原子、メチル基またはエチル基であり、R3がメチル基またはエチル基であり、R4がハロゲン原子またはメチル基であり、R5がハロゲン原子またはシアノ基であり、R6がハロゲン原子またはトリフルオロメチル基であり、R7がハロゲン原子である化合物;
式(3)において、R1、R2およびR3がメチル基であり、R4が塩素原子、臭素原子またはメチル基であり、R5が塩素原子、臭素原子またはシアノ基であり、R6が塩素原子、臭素原子またはトリフルオロメチル基であり、R7が塩素原子である化合物;
式(3)において、R1がメチル基であり、R2が水素原子であり、R3がメチル基であり、R4が塩素原子、臭素原子またはメチル基であり、R5が塩素原子、臭素原子またはシアノ基であり、R6が塩素原子、臭素原子またはトリフルオロメチル基であり、R7が塩素原子である化合物;
式(3)において、R1がエチル基であり、R2が水素原子であり、R3がメチル基であり、R4が塩素原子、臭素原子またはメチル基であり、R5が塩素原子、臭素原子またはシアノ基であり、R6が塩素原子、臭素原子またはトリフルオロメチル基であり、R7が塩素原子である化合物;
【0061】
化合物(17)の態様としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0062】
式(17)において、R6がハロゲン原子またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基である化合物;
式(17)において、R6がハロゲン原子またはトリフルオロメチル基である化合物;
式(17)において、R7がハロゲン原子である化合物;
式(17)において、R6がハロゲン原子またはトリフルオロメチル基であり、R7がハロゲン原子である化合物;
式(17)において、R6が塩素原子、臭素原子またはトリフルオロメチル基であり、R7が塩素原子である化合物;
【0063】
本発明の製造方法により製造される化合物(3)は、有害節足動物に対して優れた防除効力を有する。化合物(3)が効力を有する有害節足動物としては、例えば下記に例示する有害節足動物が挙げられる。
【0064】
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)、チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onukii)等のヨコバイ類、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、ミカンクロアブラムシ(Toxoptera citricidus)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni)等のアブラムシ類、アオクサカメムシ(Nezara antennata)、ホソヘリカメムシ(Riptortus clavetus)、クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis)、トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris parvus)、クサギカメムシ(Halyomorpha mista)等のカメムシ類、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)、ミカンコナジラミ(Dialeurodes citri)、ミカントゲコナジラミ(Aleurocanthus spiniferus)等のコナジラミ類、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、サンホーゼカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、シトラススノースケール(Unaspis citri)、ルビーロウムシ(Ceroplastes rubens)、イセリヤカイガラムシ(Icerya purchasi)、フジコナカイガラムシ(Planococcus kraunhiae)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus longispinis)、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis pentagona)等のカイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類等。
【0065】
鱗翅目害虫:ニカメイガ(Chilo suppressalis)、サンカメイガ(Tryporyza incertulas)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ワタノメイガ(Notarcha derogata)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、シバツトガ(Pediasia teterrellus)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、タマナギンウワバ(Plusia nigrisigna)、トリコプルシア属、ヘリオティス属、ヘリコベルパ属等のヤガ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、アドキソフィエス属、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella)、アズキサヤムシガ(Matsumuraeses azukivora)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes sp.)、チャハマキ(Homona magnanima)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus)コドリンガ(Cydia pomonella)等のハマキガ類、チャノホソガ(Caloptilia theivora)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoneella)のホソガ類、モモシンクイガ(Carposina niponensis)等のシンクイガ類、リオネティア属等のハモグリガ類、リマントリア属、ユープロクティス属等のドクガ類、コナガ(Plutella xylostella)等のスガ類、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)ジャガイモガ(Phthorimaea operculella)等のキバガ類、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等のヒトリガ類、イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola bisselliella)等のヒロズコガ類等。
【0066】
アザミウマ目害虫:ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips parmi)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、ヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)などのアザミウマ類
【0067】
双翅目害虫:イエバエ(Musca domestica)、アカイエカ(Culex popiens pallens)、ウシアブ(Tabanus trigonus)、タマネギバエ(Hylemya antiqua)、タネバエ(Hylemya platura)、シナハマダラカ(Anopheles sinensis)、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae)、イネヒメハモグリバエ(Hydrellia griseola)、イネキモグリバエ(Chlorops oryzae)、ウリミバエ(Dacus cucurbitae)、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)、トマトハモグリバエ、(Liriomyza sativae)、ナモグリバエ(Chromatomyia horticola)等。
【0068】
甲虫目害虫:ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、イネゾウムシ(Echinocnemus squameus)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)、シバオサゾウムシ(Sphenophorus venatus)、マメコガネ(Popillia japonica)、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、コーンルートワームの仲間(Diabrotica spp.)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、コメツキムシの仲間(Agriotes spp.)、タバコシバンムシ(Lasioderma serricorne)、ヒメマルカツオブシムシ(Anthrenus verbasci)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus)、ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)、マツノキクイムシ(Tomicus piniperda)等。
【0069】
直翅目害虫:トノサマバッタ(Locusta migratoria)、ケラ(Gryllotalpa africana)、コバネイナゴ(Oxya yezoensis)、ハネナガイナゴ(Oxya japonica)等。
【0070】
膜翅目害虫:カブラハバチ(Athalia rosae)、ハキリアリ(Acromyrmex spp.)、ファイヤーアント(Solenopsis spp.)等。
【0071】
ゴキブリ目害虫:チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)等。
【0072】
ダニ目害虫:ナミハダニ(Tetranychus urticae)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、ミカンハダニ(Panonychus citri)リンゴハダニ(Panonychus ulmi)、オリゴニカス属等のハダニ類、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi)、リュウキュウミカンサビダニ(Phyllocoptruta citri)、トマトサビダニ(Aculops lycopersici)、チャノサビダニ(Calacarus carinatus)、チャノナガサビダニ(Acaphylla theavagrans)、ニセナシサビダニ(Eriophyes chibaensis)等のフシダニ類、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)等のホコリダニ類、ミナミヒメハダニ(Brevipalpus phoenicis)等のヒメハダニ類、ケナガハダニ類、フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)、ヤマトチマダニ(Haemaphysalis flava)、タイワンカクマダニ(Dermacentor taiwanicus)、ヤマトマダニ(Ixodes ovatus)、シュルツマダニ(Ixodes persulcatus) 、オウシマダニ(Boophilus microplus)、クリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus)等のマダニ類、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)、ホウレンソウケナガコナダニ(Tyrophagus similis)等のコナダニ類、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides ptrenyssnus)等のヒョウヒダニ類、ホソツメダニ(Cheyletus eruditus)、クワガタツメダニ(Cheyletus malaccensis)、ミナミツメダニ(Cheyletus moorei)等のツメダニ類、ワクモ類等。
【0073】
化合物(3)を有害節足動物防除剤として用いる場合、化合物(3)そのものを用いてもよいが、通常は化合物(3)と、固体担体、液体担体、ガス状担体等の不活性担体とを混合し、必要に応じて、界面活性剤、その他の製剤用補助剤を添加して、乳剤、油剤、粉剤、粒剤、水和剤、フロアブル剤、マイクロカプセル剤、エアゾール剤、燻煙剤、毒餌剤、樹脂製剤等に製剤化したものを用いる。これらの製剤は化合物(3)を、通常0.01〜95重量%含有する。
【0074】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば、粘土類(カオリンクレー、珪藻土、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、合成含水酸化珪素、タルク、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、化学肥料(硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等)等の微粉末および粒状物等があげられる。
液体担体としては、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、フェノキシエタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン、フェニルキシリルエタン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、炭酸プロピレンおよび植物油(大豆油、綿実油等)が挙げられる。
ガス状担体としては、例えば、フルオロカーボン、ブタンガス、LPG(液化石油ガス)、ジメチルエーテルおよび炭酸ガスがあげられる。
【0075】
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、等の非イオン界面活性剤、およびアルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩当の陰イオン界面活性剤が挙げられる。
その他の製剤用補助剤としては、固着剤、分散剤、着色剤および安定剤等、具体的には例えば、カゼイン、ゼラチン、糖類(でんぷん、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)、PAP(酸性りん酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)が挙げられる。
【0076】
化合物(3)を用いた有害節足動物防除方法は、化合物(3)をそのまま用いることもできるが、通常は化合物(3)を含有する上記の製剤に製剤化して、例えば有害節足動物または有害節足動物の生息場所に、公知の有害節足動物防除剤と同様の方法で施用して行う。
該有害節足動物防除方法における有害節足動物の生息場所としては、水田、畑、果樹園、非農耕地、家屋等が挙げられる。
施用方法としては、例えば、散布処理、土壌処理、種子処理および水耕液処理が挙げられる。
散布処理とは、具体的には、例えば、茎葉散布、樹幹散布等の植物体表面あるいは有害節足動物自体に、有効成分を処理することにより、有害節足動物に対する防除効力を発現する処理方法であり、
土壌処理とは、例えば、有害節足動物による摂食等の被害から保護しようとする作物の植物体内部に根部等から浸透移行させるために、土壌あるいは灌水液等に有効成分を処理することにより、該作物を有害節足動物による被害から保護する処理方法であり、具体的には、例えば、植穴処理(植穴散布、植穴処理土壌混和)、株元処理(株元散布、株元土壌混和、株元灌注、育苗期後半株元処理)、植溝処理(植溝散布、植溝土壌混和)、作条処理(作条散布、作条土壌混和、生育期作条散布)、播種時作条処理(播種時作条散布、播種時作条土壌混和)、全面処理(全面土壌散布、全面土壌混和)、その他土壌散布処理(生育期粒剤葉面散布、樹冠下または主幹周辺散布、土壌表面散布、土壌表面混和、播穴散布、畦部地表面散布、株間散布)、その他灌注処理(土壌灌注、育苗期灌注、薬液注入処理、地際部灌注、薬液ドリップイリゲーション、ケミゲーション)、育苗箱処理(育苗箱散布、育苗箱灌注)、育苗トレイ処理(育苗トレイ散布、育苗トレイ灌注)、苗床処理(苗床散布、苗床灌注、水苗代苗床散布、苗浸漬)、床土混和処理(床土混和、播種前床土混和)、その他処理(培土混和、鋤き込み、表土混和、雨落ち部土壌混和、植位置処理、粒剤花房散布、ペースト肥料混和)が挙げられ、
種子処理とは、例えば、有害節足動物による摂食等の被害から保護しようとする作物の種子、種芋または球根等に直接あるいはその近傍に有効成分を処理することにより、有害節足動物に対する防除効力を発現する処理方法であり、具体的には、例えば、吹きつけ処理、塗沫処理、浸漬処理、含浸処理、塗布処理、フィルムコート処理、ペレットコート処理が挙げられ、
水耕液処理とは、例えば、有害節足動物による摂食等の被害から保護しようとする作物の植物体内部に根部等から浸透移行させるために水耕液等に有効成分を処理することにより、該作物を有害節足動物による被害から保護する処理方法であり、具体的には、例えば、水耕液混和、水耕液混入などが挙げられる。
【0077】
化合物(3)を含有する有害節足動物防除剤を農業分野の有害節足動物防除に用いる場合、その施用量は10000m2あたりの化合物(3)の量で、通常1〜10000gである。本発明の有害節足動物防除剤が乳剤、水和剤、フロアブル剤等に製剤化されている場合は、通常、有効成分濃度が0.01〜10000ppmとなるように水で希釈して施用し、粒剤、粉剤等は、通常、そのまま施用する。
【0078】
これらの製剤や製剤の水希釈液は、有害節足動物または有害節足動物から保護すべき作物等の植物に直接散布処理してもよく、また耕作地の土壌に生息する有害節足動物を防除するために、該土壌に処理してもよい。
【0079】
また、シート状やひも状に加工した樹脂製剤を作物に巻き付ける、作物近傍に張り渡す、株元土壌に敷く等の方法により処理することもできる。
【0080】
化合物(3)を含有する有害節足動物防除剤を家屋内に生息する有害節足動物(例えば、ハエ、蚊、ゴキブリ)の防除に用いる場合、その施用量は、面上に処理する場合は処理面積1m2あたりの化合物(3)の量で、通常0.01〜1000mgであり、空間に処理する場合は処理空間1m3あたりの化合物(3)の量で、通常0.01〜500mgである。化合物(3)を含有する有害節足動物防除剤が乳剤、水和剤、フロアブル剤等に製剤化されている場合は、通常有効成分濃度が0.1〜1000ppmとなるように水で希釈して施用し、油剤、エアゾール剤、燻煙剤、毒餌剤等はそのまま施用する。
【0081】
化合物(3)は、畑、水田、芝生、果樹園等の農耕地又は非農耕地用の殺虫剤として使用することができる。本発明化合物は、以下に挙げられる「作物」等を栽培する農耕地等において、該作物等に対して薬害を与えることなく、当該農耕地の害虫を防除することができる場合がある。
農作物;トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、ピーナッツ、ソバ、テンサイ、ナタネ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ等、
野菜;ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン等)、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス)、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ等、
花卉、
観葉植物、
果樹;仁果類(リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ等、
果樹以外の樹;チャ、クワ、花木、街路樹(トネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ハナズオウ、フウ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミノキ、ツガ、ネズ、マツ、トウヒ、イチイ)等。
【0082】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【実施例】
【0083】
実施例1
化合物(1−1)

0.33g、化合物(2−1)

0.24g、o−クロラニル0.25g及び1,4−ジオキサン2mlを混合し、窒素雰囲気下、加熱還流条件にて7時間攪拌した。室温まで放冷した反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物(3−1)0.35gを得た。
化合物(3−1)

1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.71(1.4H,s),2.83(1.6H,s),2.94(1.5H,s),3.06(1.5H,s),3.35−3.70(3.0H,m),7.41(0.5H,s),7.45(0.6H,s),7.47(0.6H,s),7.60−7.64(1.3H,m),8.07(0.5H,d,J=2Hz),8.13(0.5H,s),8.18(1.0H,d,J=8Hz),8.50(1.0H,m),10.52(0.5H,s),10.67(0.5H,s)
【0084】
実施例2
化合物(1−1)0.42g、化合物(2−1)0.31g、p−クロラニル0.32g、p−トルエンスルホン酸・1水和物0.004g及び1,4−ジオキサン3mlを混合し、窒素雰囲気下、加熱還流条件にて4時間攪拌した。室温まで放冷した反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物(3−1)0.37gを得た。
【0085】
実施例3
化合物(1−1)0.26g、化合物(2−1)0.19g、o−クロラニル0.19g、チタン(IV)イソプロポキシド0.017g及び1,4−ジオキサン2mlを混合し、窒素雰囲気下、加熱還流条件にて7時間攪拌した。室温まで放冷した反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物(3−1)0.20gを得た。
【0086】
実施例4
化合物(1−2)

0.65g、化合物(2−1)0.47g、p−クロラニル0.48g、p−トルエンスルホン酸・1水和物(触媒量)及び1,4−ジオキサン4mlを混合し、窒素雰囲気下、加熱還流条件にて11時間攪拌した。さらに、p−クロラニル0.20gを加え、加熱還流条件にて6時間攪拌した。室温まで放冷した反応混合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を2N水酸化ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物(3−2)0.55gを得た。
化合物(3−2)

1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):0.86(1.0H,t,J=7Hz),0.99(2.0H,t,J=7Hz),3.10(1.7H,brs),3.50(2.4H,s),3.64(0.6H,s),3.85(0.3H,brs),7.36−7.44(2.0H,m),7.59−7.65(1.0H,m),8.07−8.21(2.0H,m),8.49−8.51(1.0H,m),9.04(0.7H,brs),9.71(0.3H,brs),10.30(0.7H,brs),10.66(0.3H,brs)
【0087】
実施例5
化合物(1−4)

0.096g、化合物(2−1)0.072g、o−クロラニル0.075g、p−トルエンスルホン酸・1水和物(触媒量)、ヨウ化銅(触媒量)及び1,4−ジオキサン1mlを混合し、窒素雰囲気下、加熱還流条件にて3.5時間攪拌した。室温まで放冷した反応混合物に1N水酸化ナトリウム水溶液を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物(3−4)0.078gを得た。
化合物(3−4)

1H−NMR(100℃,DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.96(3H,s),3.04(3H,brs),7.30(1H,s),7.38(1H,s),7.58(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.96(1H,s),8.11(1H,d,J=8Hz),8.47(1H,d,J=5Hz),8.68(1H,brs),10.08(1H,brs)
【0088】
実施例6
化合物(1−1)0.20g、化合物(2−3)

0.12g、p−クロラニル0.15g、p−トルエンスルホン酸・1水和物0.002g及び1,4−ジオキサン1mlを混合し、窒素雰囲気下、加熱還流条件にて1時間攪拌した。室温まで放冷した反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物(3−16)0.21gを得た。
化合物(3−16)

化合物(3−16)
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.71(1.4H,s),2.83(1.6H,s),2.94(1.3H,brs),3.06−3.08(1.7H,m),3.44−3.68(3.0H,m),7.36−7.47(2.0H,m),7.60−7.64(1.0H,m),8.08−8.20(2.0H,m),8.50−8.51(1.0H,m),10.56(0.4H,brs),10.71(0.6H,brs)
【0089】
本発明の製造方法により製造することができる化合物(3)の具体例を以下に例示する。

【0090】
【表1】

【0091】
【表2】

【0092】
化合物(3)のいくつかについて、その物性値を示す。
【0093】
化合物(3−1)
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.71(1.4H,s),2.83(1.6H,s),2.94(1.5H,s),3.06(1.5H,s),3.35−3.70(3.0H,m),7.41(0.5H,s),7.45(0.6H,s),7.47(0.6H,s),7.60−7.64(1.3H,m),8.07(0.5H,d,J=2Hz),8.13(0.5H,s),8.18(1.0H,d,J=8Hz),8.50(1.0H,m),10.52(0.5H,s),10.67(0.5H,s)
【0094】
化合物(3−2)
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):0.86(1.0H,t,J=7Hz),0.99(2.0H,t,J=7Hz),3.10(1.7H,brs),3.50(2.4H,s),3.64(0.6H,s),3.85(0.3H,brs),7.36−7.44(2.0H,m),7.59−7.65(1.0H,m),8.07−8.21(2.0H,m),8.49−8.51(1.0H,m),9.04(0.7H,brs),9.71(0.3H,brs),10.30(0.7H,brs),10.66(0.3H,brs)
【0095】
化合物(3−3)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.04(3H,s),3.22(3H,s),3.57(2.6H,s),3.80(0.4H,s),7.01(1H,s),7.04(1H,s),7.28(1H,s),7.40(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.61(1H,brs),7.87(1H,dd,J=8Hz,2Hz),8.46(1H,dd,J=5Hz,2Hz),9.80(1H,brs).
【0096】
化合物(3−4)
1H−NMR(100℃,DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.96(3H,s),3.04(3H,brs),7.30(1H,s),7.38(1H,s),7.58(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.96(1H,s),8.11(1H,d,J=8Hz),8.47(1H,d,J=5Hz),8.68(1H,brs),10.08(1H,brs)
【0097】
化合物(3−5)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):0.87−0.95(3.8H,m),1.13−1.26(4.4H,m),3.55(2.5H,s),3.81(0.5H,s),4.55−4.67(1.0H,m),7.37−7.42(3.0H,m),7.49(1.0H,d,J=2Hz),7.57(1.1H,d,J=2Hz),7.86(1.0H,dd,J=8Hz,2Hz),8.45(1.0H,dd,J=5Hz,2Hz),9.68(0.3H,brs),9.93(0.7H,brs)
【0098】
化合物(3−6)
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.11(3H,s),3.06(3H,s),3.33(3H,s),7.07(1H,s),7.45(1H,s),7.68(1H,s),7.69(1H,dd,J=8Hz,4Hz),8.24(1H,d,J=8Hz),8.55(1H,d,J=4Hz),9.11(0.6H,brs),10.20(1H,brs),10.54(0.4H,brs)
【0099】
化合物(3−7)
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.10−2.24(3H,m),2.61−2.87(3H,m),2.90−3.18(3H,m),3.45−3.74(3H,m),7.12−7.30(1H,m),7.33−7.44(1H,m),7.44−7.58(1H,m),7.58−7.66(1H,m),8.20(1H,d,J=8Hz),8.47−8.54(1H,m),10.10−10.50(1H,m)
【0100】
化合物(3−8)
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.21(3H,s),3.08(3H,s),3.45−3.70(3H,m),7.30−7.43(1H,m),7.44−7.61(1H,m),7.63(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.82−7.94(1H,m),8.21(1H,d,J=8Hz,1Hz),8.51(1H,dd,J=5Hz,1Hz),9.21(1H,brs),10.24(1H,brs)
【0101】
化合物(3−9)
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.14−2.29(3H,m),2.64−2.87(3H,m),2.87−3.15(3H,m),3.42−3.73(3H,m),7.30−7.45(1H,m),7.54−7.81(2H,m),7.83−8.01(1H,m),8.15−8.24(1H,m),8.50(1H,brs),10.20−10.68(1H,m)
【0102】
化合物(3−10)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):3.12−3.18(3H,brm),3.60−3.84(3H,brm),7.21−7.22(2H,m),7.34(1H,brs),7.41(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.51(1H,brs),7.88(1H,dd,J=8Hz,1Hz),8.48(1H,dd,J=5Hz,1Hz),9.85(1H,brs)
【0103】
化合物(3−11)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.11−1.39(3H,m),3.12−3.18(3H,brm),4.06−4.25(2H,brm),7.08−7.22(2H,m),7.34(1H,brs),7.41(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.43(1H,brs),7.88(1H,dd,J=8Hz,1Hz),8.49(1H,dd,J=5Hz,1Hz),9.87(1H,brs)
【0104】
化合物(3−12)
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.73(1.4H,s),2.83(1.6H,s),2.95(1.6H,s),3.07(1.4H,s),3.49−3.68(3.0H,m),7.32−7.44(2.0H,m),7.62(1.0H,dd,J=8Hz,5Hz),7.85(0.5H,d,J=2Hz),7.92(0.5H,s),8.19(1.0H,dd,J=8Hz,1Hz),8.49−8.52(1.0H,m),10.53(0.5H,s),10.71(0.5H,s)
【0105】
化合物(3−13)
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.72(1.4H,s),2.83(1.6H,s),2.94(1.6H,s),3.07(1.4H,s),3.49−3.68(3.0H,m),7.34−7.45(2.0H,m),7.60−7.64(1.0H,m),7.98(0.4H,d,J=2Hz),8.04(0.5H,s),8.19(1.0H,d,J=8Hz),8.49−8.52(1.0H,m),10.54(0.5H,s),10.70(0.5H,s)
【0106】
化合物(3−14)
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.13(1.4H,s),2.18(1.6H,s),2.73(1.4H,s),2.82(1.6H,s),2.93−2.96(1.2H,m),3.07−3.07(1.8H,m),3.43−3.69(3.0H,m),7.18−7.32(2.0H,m),7.46−7.53(1.0H,m),7.60−7.64(1.0H,m),8.19(1.0H,d,J=8Hz),8.49−8.51(1.0H,m),10.20(0.4H,brs),10.45(0.6H,brs)
【0107】
化合物(3−15)
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.73(1.3H,s),2.84(1.7H,s),2.95(1.3H,brs),3.07−3.08(1.7H,m),3.46−3.68(3.0H,m),7.32−7.39(2.0H,m),7.62(1.0H,dd,J=8Hz,5Hz),7.85−7.92(1.0H,m),8.19(1.0H,d,J=8Hz),8.49−8.51(1.0H,m),10.54(0.4H,brs),10.74(0.6H,brs)
【0108】
化合物(3−16)
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.71(1.4H,s),2.83(1.6H,s),2.94(1.3H,brs),3.06−3.08(1.7H,m),3.44−3.68(3.0H,m),7.36−7.47(2.0H,m),7.60−7.64(1.0H,m),8.08−8.20(2.0H,m),8.50−8.51(1.0H,m),10.56(0.4H,brs),10.71(0.6H,brs)
【0109】
化合物(3−17)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.03−1.07(3.0H,m),3.31−3.82(5.0H,m),7.23(2.0H,s),7.31(1.0H,s),7.39(1.0H,dd,J=8Hz,5Hz),7.54(1.0H,s),7.87(1.0H,dd,J=8Hz,1Hz),8.46(1.0H,dd,J=5Hz,1Hz),9.65(0.2H,brs),9.86(0.8H,brs)
【0110】
化合物(3−18)
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.71(1.4H,s),2.84(1.6H,s),2.95(1.3H,brs),3.07(1.7H,s),3.45−3.70(3.0H,brm),7.48(1.0H,brs),7.66−7.71(1.0H,m),7.77−7.80(1.0H,m),8.12(1.0H,d,J=21Hz),8.24(1.0H,dd,J=8Hz,1Hz),8.53−8.55(1.0H,m),10.72(0.4H,brs),10.85(0.6H,brs)
【0111】
化合物(3−19)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):0.88−0.95(3H,m),1.48(2H,tq,J=8,8Hz),3.22−3.83(5H,brm),7.37−7.44(3H,m),7.56(1H,d,J=2Hz),7.61(1H,s),7.86(1H,dd,J=8Hz,2Hz),8.46(1H,dd,J=5Hz,2Hz),9.77(0.3H,s),9.98(0.7H,s)
【0112】
化合物(3−20)
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):0.79−1.00(3.0H,m),2.88(2.2H,d,J=12Hz),3.01−3.08(1.0H,m),3.12(0.8H,s),3.15−3.22(1.0H,m),3.45−3.69(3.0H,m),7.41−7.47(2.0H,m),7.60−7.64(1.0H,m),8.10−8.20(2.0H,m),8.49−8.52(1.0H,m),10.50(0.3H,brs),10.70(0.7H,brs)
【0113】
化合物(3−21)
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):0.86−0.91(2.0H,m),1.11−1.14(1.0H,m),2.75(1.0H,s),2.85−3.23(4.0H,brm),3.64−3.73(3.0H,m),7.41−7.46(2.0H,m),7.60−7.63(1.0H,m),8.07−8.19(2.0H,m),8.48−8.50(1.0H,m),10.48(0.3H,brs),10.67(0.7H,brs)
【0114】
化合物(3−22)
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):0.86−1.15(6.0H,brm),3.08−3.29(3.0H,brm),3.37−3.74(4.0H,brm),7.43−7.47(2.0H,m),7.61−7.65(1.0H,m),8.10−8.20(2.0H,m),8.49−8.51(1.0H,m),10.47(0.3H,brs),10.65−10.76(0.7H,brm)
【0115】
化合物(3−23)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.06(3H,t,J=7Hz),2.04(3H,s),3.56−3.78(5H,m),7.02(1H,s),7.06(1H,s),7.20−7.26(1H,m),7.38(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.62(1H,s),7.86(1H,dd,J=8Hz,2Hz),8.44(1H,dd,J=5Hz,2Hz),9.82(1H,brs)
【0116】
化合物(3−25)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.04(3H,t,J=7Hz),3.45−3.90(5H,m),7.23(1H,s),7.40(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.45(1H,d,J=2Hz),7.54(1H,s),7.60(1H,d,J=2Hz),7.87(1H,dd,J=8Hz,2Hz),8.46(1H,dd,J=5Hz,2Hz),9.67(1H,brs)
【0117】
化合物(3−26)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.05(3H,t,J=7Hz),3.43−3.69(5H,m),7.19−7.22(3H,m),7.40(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.53(1H,s),7.87(1H,d,J=8Hz),8.46(1H,d,J=5Hz),9.82(1H,brs)
【0118】
化合物(3−27)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.06(3H,t,J=7Hz),2.04(3H,s),3.45−3.95(5H,m),7.02(1H,s),7.06(1H,s),7.17(1H,s),7.38(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.63(1H,s),7.86(1H,dd,J=8Hz,2Hz),8.44(1H,dd,J=5Hz,2Hz),9.83(1H,brs)
【0119】
化合物(3−29)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.04(3H,t,J=7Hz),3.41−3.83(5H,m),7.42−7.45(2H,m),7.55−7.58(2H,m),7.70(1H,s),7.89(1H,dd,J=8Hz,2Hz),8.48(1H,dd,J=5Hz,2Hz),10.20(1H,brs)
【0120】
化合物(3−30)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.05(3H,t,J=7Hz),3.45−3.95(5H,m),7.35(1H,s),7.39(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.43(1H,d,J=2Hz),7.55−7.59(2H,m),7.86(1H,dd,J=8Hz,2Hz),8.46(1H,dd,J=5Hz,2Hz),9.86(1H,brs)
【0121】
化合物(3−31)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.05(3H,t,J=7Hz),1.99(3H,s),3.45−3.95(5H,m),6.97(1H,s),7.04(1H,s),7.42(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.65(1H,s),7.67(1H,s),7.88(1H,d,J=8Hz),8.46(1H,d,J=5Hz),10.27(1H,brs)
【0122】
化合物(3−33)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):3.18(3H,s),3.60−3.85(3H,m),7.42−7.46(2H,m),7.55−7.58(2H,m),7.72(1H,s),7.90(1H,dd,J=8Hz,2Hz),8.49(1H,dd,J=5Hz,2Hz),10.14(1H,brs)
【0123】
次に、化合物(1)および化合物(2)の製造例を参考製造例として記す。
【0124】
参考製造例1
(1)メチルカーバゼート1.85gとテトラヒドロフラン60mlとの混合物に、氷冷下、6,8−ジブロモ−2H−3,1−ベンズオキサジン−2,4−1H−ジオン

(Journal of Organic Chemistry (1947), 12, 743-51に記載の化合物)6.0gを加え、氷冷下に3時間攪拌した。室温まで昇温した反応混合物に更にメチルカーバゼート0.46gを追加し、室温で15時間攪拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、得られた残渣に水を注加し、残った固体を濾別した。該固体を水および酢酸エチルで順次洗浄し、N−(2−アミノ−3,5−ジブロモベンゾイル)−N’−メトキシカルボニルヒドラジン4.96gを得た。
N−(2−アミノ−3,5−ジブロモベンゾイル)−N’−メトキシカルボニルヒドラジン
1H−NMR(DMSO−d6)δ:3.63(3H,s),6.55(2H,s),7.71(1H,s),7.79(1H,s),9.25(1H,s),10.32(1H,s)
(2)N−(2−アミノ−3,5−ジブロモベンゾイル)−N’−メトキシカルボニルヒドラジン3.67g、炭酸カリウム3.04g及びN−メチルピロリドン50mlとの混合物に、氷冷下、ヨウ化メチル3.12gと1−メチル−2−ピロリジノン2mlとの混合物を滴下し、氷冷下に4時間攪拌し、更に室温で3時間攪拌した。反応混合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物(1−1)2.83gを得た。
化合物(1−1)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):3.11−3.18(6H,m),3.76(3H,brs),4.86(1.4H,brs),5.23(0.6H,brs),7.17−7.25(1H,m),7.57(1H,d,J=2Hz)
【0125】
参考製造例2
(1)エチルヒドラジン・オキサレート0.61g、6,8−ジブロモ−2H−3,1−ベンズオキサジン−2,4−1H−ジオン1.0gおよびテトラヒドロフラン10mlの混合物に、氷冷下、炭酸カリウム1.12gを加え、室温で1.5時間攪拌した。反応混合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−(2−アミノ−3,5−ジブロモベンゾイル)−N−エチルヒドラジン0.44gおよびN−(2−アミノ−3,5−ジブロモベンゾイル)−N’−エチルヒドラジン0.13gを得た。
【0126】
N−(2−アミノ−3,5−ジブロモベンゾイル)−N−エチルヒドラジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.25(3H,t,J=7Hz),3.52(2H,q,J=7Hz),4.38(2H,brs),4.81(2H,brs),7.21(1H,d,J=2Hz),7.59(1H,d,J=2Hz)
【0127】
N−(2−アミノ−3,5−ジブロモベンゾイル)−N’−エチルヒドラジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.15(3H,t,J=7Hz),2.95(2H,q,J=7Hz),4.78(1H,brs),6.02(2H,brs),7.38(1H,d,J=2Hz),7.52(1H,brs),7.64(1H,d,J=2Hz)
【0128】
(2)N−(2−アミノ−3,5−ジブロモベンゾイル)−N−エチルヒドラジン0.42gおよびピリジン3mlの混合物に、氷冷下、クロロギ酸メチル0.15gを加え、氷冷下に1時間攪拌した。反応混合物に水を注加し、減圧下濃縮した。得られた残渣に再び水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物(1−2)0.42gを得た。
化合物(1−2)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.21(3H,t,J=7Hz),3.62(2H,q,J=7Hz),3.78(3H,s),4.95(2H,brs),6.96(1H,brs),7.26(1H,d,J=2Hz),7.59(1H,d,J=2Hz)
【0129】
参考製造例3
(1)6,8−ジブロモ−2H−3,1−ベンズオキサジン−2,4−1H−ジオン10.0gおよびテトラヒドロフラン90mlの混合物に、氷冷下、メチルヒドラジン1.58gを加え、室温で4時間攪拌した。反応混合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−(2−アミノ−3,5−ジブロモベンゾイル)−N−メチルヒドラジン4.64gおよびN−(2−アミノ−3,5−ジブロモベンゾイル)−N’−メチルヒドラジン0.75gを得た。
【0130】
N−(2−アミノ−3,5−ジブロモベンゾイル)−N−メチルヒドラジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):3.25(3H,s),4.55(2H,brs),4.89(2H,brs),7.23(1H,s),7.59(1H,s)
【0131】
N−(2−アミノ−3,5−ジブロモベンゾイル)−N’−メチルヒドラジン
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.51(3H,s),5.11(1H,brs),6.54(2H,s),7.63(1H,d,J=2Hz),7.73(1H,d,J=2Hz),10.06(1H,brs)
【0132】
(2)N−(2−アミノ−3,5−ジブロモベンゾイル)−N−メチルヒドラジン3.40gおよびテトラヒドロフラン30mlの混合物に、氷冷下、トリエチルアミン2.2gおよびクロロギ酸メチル2.0gを順次加え、室温で攪拌した。反応混合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物(1−4)1.10gを得た。
化合物(1−4)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):3.28(3H,s),3.76(3H,s),4.96(2H,brs),7.00(1H,brs),7.27(1H,d,J=2Hz),7.59(1H,d,J=2Hz)
【0133】
参考製造例4
(1)3−ブロモ−1H−ピラゾール10.7g、2,3−ジクロロピリジン11.8g、炭酸セシウム57.3gおよびN,N−ジメチルホルムアミド80mlの混合物を100℃で8時間攪拌した。室温まで放冷した反応混合物に水を注加し、メチル tert−ブチル エーテルで2回抽出した。有機層を合わせて、水および飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、2−(3−ブロモ−1H−ピラゾール−1−イル)−3−クロロピリジン12.9gを得た。
2−(3−ブロモ−1H−ピラゾール−1−イル)−3−クロロピリジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):6.51(1H,d,J=2Hz),7.31(1H,dd,J=8Hz,4Hz),7.91(1H,dd,J=8Hz,1Hz),8.04(1H,d,J=2Hz),8.45(1H,dd,J=4Hz,1Hz)
【0134】
(2)2−(3−ブロモ−1H−ピラゾール−1−イル)−3−クロロピリジン5.0gとテトラヒドロフラン30mlとの混合物に、−78℃で2.0Mリチウムジイソプロピルアミドのヘプタン/テトラヒドロフラン/エチルベンゼン溶液11.7mlを滴下した。該反応混合物に、−78℃でギ酸エチル3gとテトラヒドロフラン10mlとの混合物を滴下した後、室温で2時間攪拌した。反応混合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物(2−1)3.0gを得た。
化合物(2−1)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.11(1H,s),7.47(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.96(1H,dd,J=8Hz,1Hz),8.52(1H,dd,J=5Hz,1Hz),9.79(1H,s)
【0135】
参考製造例5
(1)参考製造例4(1)の3−ブロモ−1H−ピラゾールの代わりに3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾールを用いて、3−クロロ−2−(3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−1−イル)ピリジンを得た。
3−クロロ−2−(3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):6.75(1H,d,J=2Hz),7.37(1H,dd,J=8Hz,4Hz),7.95(1H,dd,J=8Hz,1Hz),8.14(1H,d,J=1Hz),8.49(1H,dd,J=4Hz,1Hz)
【0136】
(2)参考製造例4(2)の2−(3−ブロモ−1H−ピラゾール−1−イル)−3−クロロピリジンの代わりに3−クロロ−2−(3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−1−イル)ピリジンを用いて、化合物(2−2)を得た。
化合物(2−2)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.36(1H,s),7.51(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.99(1H,dd,J=8Hz,2Hz),8.54(1H,dd,J=5Hz,2Hz),9.86(1H,s)

【0137】
参考製造例6
(1)参考製造例4(1)の3−ブロモ−1H−ピラゾールの代わりに3−クロロ−1H−ピラゾールを用いて、2−(3−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−3−クロロピリジンを得た。
2−(3−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−3−クロロピリジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):6.43(1H,d,J=3Hz),7.30(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.91(1H,dd,J=8Hz,2Hz),8.09(1H,d,J=2Hz),8.44(1H,dd,J=5Hz,1Hz)
【0138】
(2)参考製造例4(2)の2−(3−ブロモ−1H−ピラゾール−1−イル)−3−クロロピリジンの代わりに2−(3−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−3−クロロピリジンを用いて、化合物(2−3)を得た。
化合物(2−3)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.02(1H,s),7.47(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.97(1H,dd,J=8Hz,2Hz),8.51(1H,dd,J=5Hz,2Hz),9.79(1H,s)
【0139】
参考製造例7
(1)メチルカーバゼート10gとトルエン60mlとの混合物に、50℃で、アセトアルデヒド5.86gとトルエン20mlとの混合物を滴下し、1時間攪拌した。反応混合物を氷冷し、析出した固体を濾別した。該固体を乾燥し、N’−エチリデンヒドラジンカルボン酸=メチルエステル12.1gを得た。
N’−エチリデンヒドラジンカルボン酸=メチルエステル
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.99(3H,d,J=5Hz),3.82(3H,s),7.24(1H,q,J=5Hz),8.31(1H,brs)
【0140】
(2)N’−エチリデンヒドラジンカルボン酸=メチルエステル5.0gとテトラヒドロフラン50mlとの混合物に、50℃で、水素化ホウ素ナトリウム1.95g、メタノール4.2mlを順次加えた後、50℃で3時間攪拌した。反応混合物に、50℃でメタノール50mlを加えた後、加熱還流下で3時間攪拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、クロロホルム20mlを加え、50℃で10分間攪拌した後、セライト濾過した。得られた濾液を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付して、N’−エチルヒドラジンカルボン酸=メチルエステル3.70gを得た。
N’−エチルヒドラジンカルボン酸=メチルエステル
1H−NMR(DMSO−D6,TMS)δ(ppm):0.93(3H,t,J=7Hz),2.66−2.73(2H,m),3.54(3H,s),4.38−4.43(1H,m),8.45(1H,s)
【0141】
(3)N’−エチルヒドラジンカルボン酸=メチルエステル0.50gとテトラヒドロフラン4mlとの混合物に、室温で、6,8−ジブロモ−2H−3,1−ベンズオキサジン−2,4−1H−ジオン1.36gを加え、加熱還流下で4時間攪拌した。室温まで放冷した反応混合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、化合物(1−2)0.89gを得た。
【0142】
参考製造例8
(1)4−メトキシクロトン酸(Journal of Organic Chemistry, 1981, 46, 940-948に記載の化合物)1.16gとジエチルエーテル10mlとの混合物を氷冷し、塩化水素ガスを導入した。塩化水素ガスで飽和させた後、室温で一晩放置した。反応混合物よりサンプリングして、NMR分析を行ない、3−クロロ−4−メトキシ酪酸の生成を確認した。得られた粗生成物の全量を、そのまま次工程に用いた。
3−クロロ−4−メトキシ酪酸
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.76(1H,dd,J=17Hz,9Hz),3.00(1H,dd,J=17Hz,5Hz),3.42(3H,s),3.56(1H,dd,J=10Hz,7Hz),3.65(1H,dd,J=10Hz,5Hz),4.36−4.42(1H,m)
【0143】
(2)上記(1)で得られた粗生成物のジエチルエーテル溶液に、氷冷下、二塩化オキサリル2.54gを滴下した。反応混合物にN,N−ジメチルホルムアミド1滴を加え、室温で2時間攪拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、塩化3−クロロ−4−メトキシブチリル1.45gを得た。
塩化3−クロロ−4−メトキシブチリル
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):3.26(1H,dd,J=18Hz,9Hz),3.41(3H,s),3.49−3.54(2H,m),3.66(1H,dd,J=10Hz,5Hz),4.35−4.41(1H,m)
【0144】
(3)3−クロロ−2−ヒドラジノピリジン1.29g、ピリジン1.07g及びN,N−ジメチルホルムアミド10mlに、氷冷下、塩化3−クロロ−4−メトキシブチリル1.45gとトルエン5mlとの混合物を滴下した後、室温で2時間攪拌した。反応混合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下濃縮し、化合物(22−1)1.86gを得た。
化合物(22−1)

1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.73(1H,dd,J=15Hz,8Hz),2.93(1H,dd,J=15Hz,5Hz),3.43(3H,s),3.63(1H,dd,J=10Hz,6Hz),3.71(1H,dd,J=10Hz,5Hz),4.47−4.54(1H,m),6.78(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.35(1H,brs),7.56(1H,dd,J=8Hz,1Hz),8.07(1H,dd,J=5Hz,1Hz),8.66(1H,brs)
【0145】
(4)炭酸水素ナトリウム4.5g及びN,N−ジメチルホルムアミド300mlの混合液を130℃に加熱し、化合物(22−1)7.48g及びN,N−ジメチルホルムアミド100mlの混合液を1時間かけて滴下し、さらに130℃で1時間攪拌した。放冷後、反応混合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下濃縮し、析出した結晶を少量の酢酸エチルで洗浄し、化合物(25−1)2.02gを得た。
化合物(25−1)

1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.46(1H,dd,J=17Hz,1Hz),2.77(1H,dd,J=17Hz,8Hz),3.41(3H,s),3.63(1H,dd,J=10Hz,8Hz),3.82(1H,dd,J=10Hz,5Hz),4.59−4.67(1H,m),7.02(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.60(1H,s),7.68(1H,dd,J=8Hz,2Hz),8.20(1H,dd,J=5Hz,2Hz)
【0146】
(5)化合物(25−1)4.2g、アセトニトリル20ml及びN,N−ジメチルホルムアミド1滴の混合液に、室温でオキシ臭化リン6gを加えた後、1時間加熱還流した。放冷後、反応混合物を氷水に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物(26−1)2.2gを得た。
化合物(26−1)

1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):3.23(2H,dd,J=10Hz,3Hz),3.34(3H,s),3.48(1H,dd,J=10Hz,6Hz),3.66(1H,dd,J=10Hz,4Hz),5.01−5.13(1H,m),6.91(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.66(1H,dd,J=8Hz,2Hz),8.17(1H,dd,J=5Hz,2Hz)
【0147】
(6)化合物(26−1)0.10g、アセトニトリル3ml、硫酸銅(触媒量)及び濃硫酸1滴の混合液を80℃に加熱し、過硫酸カリウム0.14g及び水4mlの混合液を2時間かけて滴下し、さらに80℃で10分攪拌した。放冷後、反応混合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物(17−1)0.06gを得た。
化合物(17−1)

1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):3.23(3H,s),4.50(2H,s),6.47(1H,s),7.39(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.93(1H,dd,J=8Hz,2Hz),8.47(1H,dd,J=5Hz,2Hz)
【0148】
(7)化合物(17−1)0.30g、過硫酸カリウム0.49g、アセトニトリル1ml及び水1mlを混合し、90℃で12時間攪拌した。放冷後、反応混合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物(2−1)0.16gを得た。
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.11(1H,s),7.47(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.96(1H,dd,J=8Hz,1Hz),8.52(1H,dd,J=5Hz,1Hz),9.79(1H,s)
【0149】
参考製造例9
(1)4−メトキシクロトン酸4g及びN,N−ジメチルホルムアミド1滴を混合し、氷冷下オキサリルクロリド16.5gを滴下し、室温で2時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、粗生成物を得た。
塩化4−メトキシクロトノイル

1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):3.43(3H,s),4.18(2H,dd,J=4Hz,2Hz),6.34(1H,dt,J=15Hz,2Hz),7.19(1H,dt,J=15Hz,4Hz)
【0150】
(2)上記(1)で得られた塩化4−メトキシクロトノイルを含む粗生成物、N,N−ジメチルホルムアミド50ml及びピリジン10gを室温で混合し、3−クロロ−2−ヒドラジノピリジン4.5gを加え、1時間攪拌した後、室温で1晩放置した。反応混合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化アンモニウム水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。析出した粗結晶を少量の酢酸エチルで洗浄し、化合物(24−1)2.3gを得た。
化合物(24−1)

1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):3.41(3H,s),4.10−4.15(2H,m),6.21(1H,dt,J=15,2Hz),6.76(1H,dd,J=8Hz,5Hz),6.98(1H,dt,J=15Hz,4Hz),7.48−7.60(2H,m),8.07(1H,dd,J=5Hz,1Hz),8.45(1H,brs)
【0151】
(3)化合物(24−1)8.0gとアセトニトリル24.0gとの混合物を水浴で冷却し、撹拌下に塩化水素ガスを導入した。約3時間にわたって塩化水素ガスを導入しながら撹拌した後、反応混合物を減圧下に濃縮した。得られた残渣に飽和重曹水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下に濃縮し、化合物(22−1)8.97gを得た。
【0152】
参考製造例10
(1)化合物(25−1)0.48g及びアセトニトリル10mlを混合し、氷冷下メタンスルホニルクロリド0.25g及びトリエチルアミン0.30gを順に加え、0℃で1時間攪拌した。反応混合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物(27−1)0.32gを得た。
化合物(27−1)

1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):3.14(2H,d,J=10Hz),3.36(3H,s),3.47(3H,s),3.55(1H,dd,J=10Hz,6Hz),3.66−3.74(1H,m),5.10−5.21(1H,m),6.87(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.64(1H,dt,J=8Hz,1Hz),8.14(1H,dt,J=5Hz,1Hz)
【0153】
(2)化合物(27−1)0.53g及び33wt%臭化水素−酢酸溶液1.2gを混合し、室温で3時間攪拌した。反応混合物を氷水に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物(26−1)0.30gを得た。
【0154】
次に、化合物(1)の具体例を以下に例示する。

【0155】
【表3】

【0156】
化合物(1)のいくつかについて、その物性値を示す。
【0157】
化合物(1−1)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):3.11−3.18(6H,m),3.76(3H,brs),4.86(1.4H,brs),5.23(0.6H,brs),7.17−7.25(1H,m),7.57(1H,d,J=2Hz)
【0158】
化合物(1−2)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.21(3H,t,J=7Hz),3.62(2H,q,J=7Hz),3.78(3H,s),4.95(2H,brs),6.96(1H,brs),7.26(1H,d,J=2Hz),7.59(1H,d,J=2Hz)
【0159】
化合物(1−4)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):3.28(3H,s),3.76(3H,s),4.96(2H,brs),7.00(1H,brs),7.27(1H,d,J=2Hz),7.59(1H,d,J=2Hz)
【0160】
化合物(1−15)
1H−NMR(DMSO−d6,100℃,TMS)δ(ppm):1.09(3H,t,J=7Hz),3.12(3H,s),3.40−3.52(2H,m),3.70(3H,s),5.23(2H,brs),7.20(1H,d,J=2Hz),7.62(1H,d,J=2Hz)
【0161】
化合物(1−16)
1H−NMR(DMSO−d6,100℃,TMS)δ(ppm):1.15(3H,t,J=7Hz),3.07(3H,s),3.45−3.60(2H,m),3.67(3H,s),5.19(2H,brs),7.20(1H,d,J=2Hz),7.61(1H,d,J=2Hz)
【0162】
化合物(1−17)
1H−NMR(DMSO−d6,100℃,TMS)δ(ppm):1.09−1.17(6H,m),3.40−3.55(4H,m),3.69(3H,s),5.19(2H,brs),7.22(1H,d,J=2Hz),7.62(1H,d,J=2Hz)
【0163】
次に、化合物(2)の具体例を以下に例示する。

【0164】
【表4】

【0165】
化合物(2)のいくつかについて、その物性値を示す。
【0166】
化合物(2−1)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.11(1H,s),7.47(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.96(1H,dd,J=8Hz,1Hz),8.52(1H,dd,J=5Hz,1Hz),9.79(1H,s)
【0167】
化合物(2−2)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.36(1H,s),7.51(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.99(1H,dd,J=8Hz,2Hz),8.54(1H,dd,J=5Hz,2Hz),9.86(1H,s)
【0168】
化合物(2−3)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.02(1H,s),7.47(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.97(1H,dd,J=8Hz,2Hz),8.51(1H,dd,J=5Hz,2Hz),9.79(1H,s)
【0169】
次に、化合物(17)の具体例を以下に例示する。

【0170】
【表5】

化合物(17)のいくつかについて、その物性値を示す。
【0171】
化合物(17−1)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):3.23(3H,s),4.50(2H,s),6.47(1H,s),7.39(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.93(1H,dd,J=8Hz,2Hz),8.47(1H,dd,J=5Hz,2Hz)
【0172】
次に、化合物(3)を有害節足動物防除剤として用いる場合の製剤例を、参考製剤例として示す。なお、部は重量部を表す。
【0173】
参考製剤例1
化合物(3−1)〜(3−43)の各々10部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン35部;および水55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の10%フロアブル剤を得る。
【0174】
次に、化合物(3)が有害節足動物防除剤の有効成分として有用であることを、参考試験例により示す。
【0175】
参考試験例1
参考製剤例より得られた化合物(3−1)〜(3−23)、(3−25)〜(3−27)、(3−29)〜(3−31)および(3−33)の製剤を有効成分濃度が500ppmとなるように水で希釈し,試験用散布液を調製した。
一方、ポリエチレンカップにキャベツを植え、第3本葉ないしは第4本葉が展開するまで生育させた。そのキャベツに上記の試験用散布液を20ml/カップの割合で散布した。
キャベツに散布処理された薬液が乾燥した後、コナガ(Plutella xylostella)の3齢幼虫10頭を寄生させ、5日後にコナガの数を調査し、下記の基準により防除価を求めた。
防除価(%)={1−(Cb×Tai)/(Cai×Tb)}×100
なお、式中の文字は以下の意味を表す。
Cb:無処理区の処理前の虫数
Cai:無処理区の観察時の虫数
Tb:処理区の処理前の虫数
Tai:処理区の観察時の虫数
その結果、化合物(3−1)〜(3−23)、(3−25)〜(3−27)、(3−29)〜(3−31)および(3−33)の試験用散布液の処理区は、各々、防除価80%以上を示した。
【0176】
参考試験例2
参考製剤例により得られた本発明化合物化合物(3−1)〜(3−23)、(3−25)〜(3−27)、(3−29)〜(3−31)および(3−33)の製剤を有効成分濃度が500ppmとなるように水で希釈し、試験用散布液を調製した。
一方、ポリエチレンカップにキュウリを植え、第1本葉が展開するまでに生育させ、そこにワタアブラムシ(Aphis gossypii)約30頭を寄生させた。1日後、そのキュウリに上記の試験用散布液を20ml/カップの割合で散布した。散布6日後にワタアブラムシの数を調査し、次の式により防除価を求めた。
防除価(%)={1−(Cb×Tai)/(Cai×Tb)}×100
なお、式中の文字は以下の意味を表す。
Cb:無処理区の処理前の虫数
Cai:無処理区の観察時の虫数
Tb:処理区の処理前の虫数
Tai:処理区の観察時の虫数
その結果、本発明化合物化合物(3−1)〜(3−23)、(3−25)〜(3−27)、(3−29)〜(3−31)および(3−33)の試験用散布液の処理区は、各々、防除価90%以上を示した。
【産業上の利用可能性】
【0177】
本発明方法によると、有害節足動物に対して優れた防除効力を有する化合物(3)を製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

〔式中、R1はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表し、R2は水素原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表し、R3はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3−C6アルコキシアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3−C6アルケニル基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC3−C6アルキニル基を表し、R4はハロゲン原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表し、R5は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表す。〕
で示されるアニリン化合物と、
式(2)

〔式中、R6は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキルチオ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキルスルフィニル基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキルスルホニル基を表し、R7はハロゲン原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表す。〕
で示されるアルデヒド化合物とを、キノン化合物の存在下に溶媒中にて反応させることを特徴とする式(3)

〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は前記と同じ意味を表す。〕
で示されるアミド化合物の製造方法。
【請求項2】
キノン化合物が2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、テトラクロロ−1,2−ベンゾキノン、およびテトラクロロ−1,4−ベンゾキノンから選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
式(1)

〔式中、R1はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表し、R2は水素原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表し、R3はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3−C6アルコキシアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3−C6アルケニル基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC3−C6アルキニル基を表し、R4はハロゲン原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表し、R5は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表す。〕
で示されるアニリン化合物。
【請求項4】
1がメチル基またはエチル基であり、R2が水素原子、メチル基またはエチル基である請求項3記載のアニリン化合物。
【請求項5】
1およびR2がメチル基である請求項3記載のアニリン化合物。
【請求項6】
1がメチル基であり、R2が水素原子である請求項3記載のアニリン化合物。
【請求項7】
1がエチル基であり、R2が水素原子である請求項3記載のアニリン化合物。
【請求項8】
式(2)

〔式中、R6は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキルチオ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキルスルフィニル基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキルスルホニル基を表し、R7はハロゲン原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表す。〕
で示されるアルデヒド化合物。
【請求項9】
6がハロゲン原子またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基である請求項8記載のアルデヒド化合物。
【請求項10】
6がハロゲン原子またはトリフルオロメチル基である請求項8記載のアルデヒド化合物。
【請求項11】
6が塩素原子、臭素原子またはトリフルオロメチル基であり、R7が塩素原子である請求項8記載のアルデヒド化合物。
【請求項12】
式(3a)

〔式中、R3はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3−C6アルコキシアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3−C6アルケニル基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC3−C6アルキニル基を表し、R4はハロゲン原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表し、R5は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表し、R6は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキルチオ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキルスルフィニル基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキルスルホニル基を表し、R7はハロゲン原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表す。〕
で示されるアミド化合物。
【請求項13】
3がメチル基であり、R4が塩素原子、臭素原子またはメチル基であり、R5が塩素原子、臭素原子またはシアノ基であり、R6が塩素原子、臭素原子またはトリフルオロメチル基であり、R7が塩素原子である請求項12記載のアミド化合物。
【請求項14】
請求項12または13に記載されるヒドラジド化合物を有効成分として含有する有害節足動物防除剤。
【請求項15】
請求項12または13に記載されるヒドラジド化合物の有害節足動物防除剤の有効成分としての使用。
【請求項16】
請求項12または13に記載されるヒドラジド化合物を有害節足動物に直接、または有害節足動物の生息場所に施用することを特徴とする有害節足動物の防除方法。
【請求項17】
式(17)

〔式中、R6は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキルチオ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキルスルフィニル基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキルスルホニル基を表し、R7はハロゲン原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を表し、RcはC1−C4アルキル基を表す。〕
で示される化合物。
【請求項18】
6がハロゲン原子またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基である請求項17記載の化合物。

【公開番号】特開2008−280335(P2008−280335A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−100248(P2008−100248)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】