説明

アミューズメントシステム

【課題】歌を歌うユーザと、他のユーザとが一緒に楽しむことができるアミューズメントシステムを提供することを課題とする。
【解決手段】マイク4は、ユーザ11の音声を入力して音声データ4Aを生成する。リモートコントローラ5は、ユーザ12の操作に応じて、ユーザ11のパフォーマンスの演出内容を指示する演出指示情報64を生成する。ライブデータ生成部24は、楽曲データ61と、音声データ4Aと、会場データ62を用いて、仮想的なライブの様子を示すライブデータ63を作成する。ライブデータ63が再生されることにより、ユーザ11のパフォーマンスの状況を示す映像と音声とが、モニタ3から出力される。ライブデータ作成部24は、演出指示情報64に基づいて、ライブデータ63の作成条件を変更する。これにより、ユーザ12の演出指示が反映された映像及び音声が、モニタ3から出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが再生される楽曲データに合わせて歌を歌うことができるアミューズメントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケでは、ユーザが選択した楽曲の演奏に合わせて歌を歌う形式が一般的である。カラオケ装置のモニタには、ユーザが選択した楽曲の歌詞が、楽曲の演奏の進行に合わせて表示される。これにより、ユーザは、選択した楽曲の歌詞を全て覚えていなくても、カラオケを楽しむことができる。モニタに表示される歌詞の背景には、歌を歌うキャラクタの映像や、楽曲のイメージに合わせた映像などが表示される。
【0003】
カラオケは、家族あるいは友人同士などの少人数のグループで楽しむことが多い。カラオケを盛り上げるために、歌を歌うユーザに照明をあてることができるカラオケ装置が、特許文献1に開示されている。
【0004】
特許文献1に係るカラオケ装置は、送信器と、カラオケ端末機と、照明器具とを備える。カラオケ端末機は、ユーザが選択した楽曲を再生する。ユーザは、再生される楽曲に合わせて、送信器を持ちながら歌を歌う。送信器は、照明器具の照射方向を制御する姿勢制御信号を照明器具に送信する。照明器具は、照射方向を姿勢制御信号の飛来方向に変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−134611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カラオケでは、歌を歌うユーザ以外の他のユーザは、歌を聴いたり、次に歌う楽曲を探したりすることが多い。つまり、カラオケを少人数のグループで楽しむ場合であっても、グループのメンバー全員がカラオケを楽しむことはできない。特許文献1に係るカラオケ装置は、歌を歌うユーザが送信器を保持することにより、歌うユーザに照明をあてることができる。しかし、他のユーザは、照明を操作することができないため、カラオケに積極的に参加することはできない。
【0007】
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、歌を歌うユーザと、他のユーザとが一緒に楽しむことができるアミューズメントシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、選択された楽曲データを再生する本体装置と、第1ユーザのパフォーマンスに応じたパフォーマンス情報を生成するパフォーマンス情報生成装置と、第2ユーザの操作に応じて、前記第1ユーザのパフォーマンスの演出を指示する演出指示情報を生成する演出指示装置と、を備え、前記本体装置は、前記楽曲データと前記パフォーマンス情報とに基づいて、前記第1ユーザのパフォーマンスの状況を示すパフォーマンス状況データを生成し、前記演出指示情報に応じて前記パフォーマンス状況データの生成条件を変更するパフォーマンス状況データ生成部と、前記演出指示情報を参照して前記第1ユーザのパフォーマンスの演出内容を評価し、前記第1ユーザのパフォーマンスを観覧する観客の反応を示す反応データの生成を、評価結果に基づいて前記パフォーマンス状況データ生成部に指示する演出評価部と、前記パフォーマンス状況データと前記反応データとを再生する再生部と、を備える。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のアミューズメントシステムにおいて、前記演出評価部は、前記パフォーマンス状況データが再生される期間に生成された全ての演出指示情報に基づいて、前記第1ユーザのパフォーマンスの演出を評価して全体評価情報を生成し、前記全体評価情報に対応する反応データの生成を指示する。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のアミューズメントシステムにおいて、前記演出評価部は、前記本体装置に前記演出指示情報が入力されるたびに、前記第1ユーザのパフォーマンスの演出を評価して個別評価情報を生成し、前記個別評価情報に対応する反応データの生成を指示する。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のアミューズメントシステムにおいて、前記演出指示装置は、前記第2ユーザの音声を入力して音声データを生成する音声入力部と、前記パフォーマンス状況データの再生中に前記第2ユーザが読み上げるべき内容を表示し、前記音声データを前記演出指示情報として前記本体装置に出力する演出内容指示部と、を備え、前記パフォーマンス状況データ生成部は、前記音声データを含むパフォーマンス状況データを生成し、前記演出評価部は、前記音声データの入力が終了したタイミングに基づいて、前記パフォーマンスの演出を評価する。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載のアミューズメントシステムにおいて、前記演出評価部は、前記音声データに対する音声認識処理を行って前記第2ユーザが前記音声入力部に入力した音声フレーズを特定し、前記音声フレーズと前記内容とを比較することにより、前記パフォーマンスの演出を評価する。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のアミューズメントシステムにおいて、前記演出指示装置は、前記第2ユーザにより選択された花火の種類と、前記選択された花火の打ち上げとを指示する打ち上げ情報を生成し、前記打ち上げ情報を前記演出指示情報として前記本体装置に出力する演出内容指示部、を備え、前記パフォーマンス状況データ生成部は、前記打ち上げ情報に基づいて、前記第1ユーザのパフォーマンスを演出する花火が打ち上げられる様子を示すパフォーマンス状況データを生成し、
前記演出評価部は、前記打ち上げ情報に基づいて、前記パフォーマンスの演出を評価する。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のアミューズメントシステムにおいて、前記楽曲データは、楽曲の演奏パートのそれぞれに対応する複数のパートデータにより構成され、前記演出指示装置は、各パート楽曲データの再生条件を指定した再生条件情報を前記第2ユーザの操作に応じて生成し、前記再生条件情報を前記演出指示情報として前記本体装置に出力する演出内容指示部、を備え、前記パフォーマンス状況データ生成部は、前記再生条件情報に基づいて、パート楽曲データの再生時の条件を変更したパフォーマンス状況データを生成し、前記演出評価部は、前記再生条件情報に基づいて、前記パフォーマンスの演出を評価する。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のアミューズメントシステムにおいて、前記演出指示装置は、前記第1ユーザのパフォーマンスを演出する照明の照射対象を示す照明対象情報を前記第2ユーザの操作に応じて生成し、前記照明対象情報を前記演出指示情報として前記本体装置に出力する演出内容指示部、を備え、前記パフォーマンス状況データ生成部は、前記照明対象情報に基づいて、前記照明が照射される様子を示すパフォーマンス状況データを生成し、前記演出評価部は、前記照明対象情報に基づいて、前記パフォーマンスの演出を評価する。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のアミューズメントシステムにおいて、前記演出指示装置は、前記本体装置から送信される映像データを表示する表示部と、前記演出指示装置の動きを検出して、動き情報を生成する動き検出部と、前記動き情報を、前記演出指示情報として前記本体装置に出力する演出内容指示部と、を備え、前記本体装置は、さらに、前記動き情報に基づいて、前記第1ユーザのパフォーマンスを演出する照明の照射領域を特定し、前記照明領域に照明があたる様子を示す照明映像データを生成する照明映像データ生成部と、前記照明映像データを前記演出指示装置に出力する出力部と、を備える。
【0017】
請求項10記載の発明は、選択された楽曲データを再生する本体装置と、第1ユーザのパフォーマンスに応じたパフォーマンス情報を生成するパフォーマンス情報生成装置と、第2ユーザの操作に応じて、前記第1ユーザのパフォーマンスの演出を指示する演出指示情報を生成する演出指示装置と、通信可能な本体装置に搭載されるコンピュータを、前記楽曲データと前記パフォーマンス情報とに基づいて、前記第1ユーザのパフォーマンスの状況を示すパフォーマンス状況データを生成し、前記演出指示情報に応じて前記パフォーマンス状況データの生成条件を変更するパフォーマンス状況データ生成部、前記演出指示情報を参照して前記第1ユーザのパフォーマンスの演出内容を評価し、前記第1ユーザのパフォーマンスを観覧する観覧者の反応を示す反応データの生成を、評価結果に基づいて前記パフォーマンス状況データ生成部に指示する演出評価部、前記パフォーマンス状況データと前記反応データとを再生する再生部、として機能されるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明において、本体装置は、第1ユーザのパフォーマンスの状況を示すパフォーマンス状況データを作成して再生する。演出指示装置は、第2ユーザの操作に応じて、第1ユーザのパフォーマンスの演出内容を指示する演出指示情報を生成する。本体装置2は、ライブデータの作成条件を演出指示情報に基づいて変更する。第2ユーザは、演出指示装置を操作することにより、第1ユーザのパフォーマンスの演出を行うことが可能となる。したがって、第2ユーザは、第1ユーザとともに、仮想的なライブを楽しむことが可能となる。
【0019】
本体装置は、演出指示情報を参照して、第1ユーザのパフォーマンスの演出に対する評価を行う。第1ユーザのパフォーマンスの観客の反応を示す反応データが、評価結果に基づいて再生される。第2ユーザは、第1ユーザのパフォーマンスの演出に対する評価を観客の反応として知ることができるため、現実のライブに近い間隔でライブの演出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの全体図である。
【図2】マイク及びリモートコントローラの使用方法を示す図である。
【図3】本体装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】リモートコントローラの機能的構成を示すブロック図である。
【図5】本体装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】入場者の反応を示すライブデータが再生されたときの映像を示す図である。
【図7】楽曲紹介用の演出インタフェースを示す図である。
【図8】ミキサ操作用の演出インタフェースを示す図である。
【図9】楽曲データの構成を示す図である。
【図10】花火打ち上げ用の演出インタフェースを示す図である。
【図11】ライブ会場に花火が打ち上げられる様子を示す図である。
【図12】照明指示用の演出インタフェースを示す図である。
【図13】照明をあてる対象が選択された演出用インタフェースを示す図である。
【図14】照明の照射方向を指示するときのリモートコントローラの操作方法を示す図である。
【図15】入場者に照明があたる映像が表示されたリモートコントローラを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態では、アミューズメントシステムの一例として、カラオケシステムについて説明する。
【0022】
{1.カラオケシステム1の全体構成}
図1は、カラオケシステム1の全体図である。図1に示すように、カラオケシステム1は、カラオケシステム1は、本体装置2と、モニタ3と、マイク4と、リモートコントローラ5とを備える。
【0023】
本体装置2は、カラオケシステム1の全体制御を行う処理装置である。本体装置2は、ユーザが選択した楽曲データを再生するとともに、仮想的なライブの映像を出力する。
【0024】
モニタ3は、液晶ディスプレイなどであり、本体装置2から出力される仮想的なライブの映像を表示する。つまり、モニタの画面3aには、大勢の観客が入場したライブ会場の様子が記録された映像が表示される。モニタ3は、図示しないスピーカを備えており、本体装置2により再生される楽曲データを音声として出力する。
【0025】
マイク4は、ユーザが歌を歌うときに音声を入力する音声入力装置である。マイク4は、ユーザが入力する音声を音声データとして本体装置2に出力する。
【0026】
リモートコントローラ5は、ユーザがカラオケで楽曲を選択するときに用いる装置である。リモートコントローラ5は、楽曲データが再生されているときに、仮想的なライブの演出を指示する演出指示装置として機能とする。リモートコントローラ5を演出指示装置として用いる場合、マイク4を持つユーザとは別のユーザが、リモートコントローラ5を操作する。
【0027】
図2は、カラオケシステム1におけるマイク4及びリモートコントローラ5の使用方法を示す図である。図2では、本体装置2の表示を省略している。ユーザ11は、マイク4を持って、本体装置2により再生される楽曲に合わせて歌を歌う。画面3aには、仮想的なライブ会場でライブを行うキャラクタとして、ボーカル31とギタリスト32とが表示される。マイク4を持つユーザ11は、仮想的なライブにおいて、ボーカル31を担当する。
【0028】
ユーザ12は、リモートコントローラ5を操作して、仮想的なライブの演出を行う。つまり、ユーザ12は、ライブの演出担当者として、画面3aに表示される仮想的なライブの映像や音声を変化させる。ユーザ12は、歌を歌わないときであっても、ユーザ11とともに仮想的なライブを盛り上げることができる。このように、ユーザ11,12は、歌を歌うシンガーや演出担当者など、ライブにおける様々な役割を担当して仮想的なライブを盛り上げることができるため、カラオケを一緒に楽しむことができる。
【0029】
図3は、本体装置2の機能的構成を示すブロック図である。図3に示すように、本体装置2は、無線通信部21と、データ取得部22と、記憶部23と、ライブデータ作成部24と、再生部25と、演出評価部26と、演出インタフェース作成部27とを備える。
【0030】
無線通信部21は、マイク4及びリモートコントローラ5と無線通信を行う。無線通信部21は、マイク4が生成した音声データ4Aを受信する。無線通信部21は、コントローラ5が生成した音声データ5A及び演出指示情報64を受信する。無線通信には、Bluetooth(登録商標)、無線LAN、赤外線通信などを利用することができる。
【0031】
データ取得部22は、ユーザが選択した楽曲に対応する楽曲データ61を取得する。楽曲データ61は、ユーザが選択した楽曲の演奏音を記録したデータである。
【0032】
記憶部23は、ハードディスク装置などであり、楽曲データ61と、会場データ62とを記憶する。会場データ62は、仮想的なライブの映像及び音声が記録されたライブデータ63を作成する際に用いられる。会場データ62は、ボーカル31、ギタリスト32、ライブ会場の入場者などのオブジェクトデータを含む。会場データ62は、ライブ会場の構造を示すデータとして、ステージや客席などの位置関係を示すデータを含む。
【0033】
ライブデータ作成部24は、マイク4から入力される音声データ4Aと、楽曲データ61と、会場データ62とを用いて、仮想的なライブ会場で行われるライブの映像及び音声が記録されたライブデータ63を作成する。ライブの映像は、ライブ会場のステージだけでなく、入場者や、ライブ会場全体の様子を示す映像を含む。ライブの音声は、楽曲データ61の再生音及びユーザ11の音声だけでなく、入場者の歓声、ユーザ12に操作に基づく演出音などを含む。
【0034】
ライブデータ作成部24は、リモートコントローラ5から送信される演出指示情報64に基づいて、ライブデータ63の作成条件を変更する。演出指示情報64は、仮想的なライブにおける演出内容を指示した情報であり、リモートコントローラ5から送信される。
【0035】
再生部25は、ライブデータ63を再生して、ライブの映像及び音声をモニタ3に出力する。
【0036】
演出評価部26は、演出指示情報64に基づいて、ライブの演出に対する評価を行う。演出評価部26は、評価結果に基づいて、ライブの演出に対して反応する入場者の様子を示すライブデータ63の作成を指示する。評価結果に基づいて、入場者が大きな歓声を上げたり、入場者がブーイングをしたりするライブデータ63が作成される。
【0037】
演出インタフェース作成部27は、ユーザ12が選択した演出方法に応じた演出インタフェースを作成する。演出インタフェースは、リモートコントローラ5のタッチパネル式ディプレイ54(図4参照)に表示される。
【0038】
図4は、リモートコントローラ5の機能的構成を示すブロック図である。図4に示すように、リモートコントローラ5は、音声入力部51と、センサ部52と、無線通信部53と、タッチパネル式ディプレイ54と、演出内容指示部55とを備える。
【0039】
音声入力部51は、ユーザが発する音声を入力して電気信号に変換し、音声データ5Aを出力する。センサ部52は、リモートコントローラ5の動きの変化を検出する加速度センサを備えており、リモートコントローラ5の動きを示す動き情報52Aを出力する。センサ部52は、加速度センサの他に、地磁気センサやジャイロスコープなどを備えていてもよい。
【0040】
無線通信部53は、本体装置2と無線通信を行い、音声データ5A及び演出指示情報64を本体装置2に送信する。タッチパネル式ディプレイ54は、演出指示用のインタフェースを表示する。ユーザ12は、タッチパネル式ディプレイ54に表示されたインタフェースを利用して、仮想的なライブに対する演出を指示する。
【0041】
演出内容指示部55は、本体装置2から送信される演出インタフェースをタッチパネル式ディスプレイ54に表示させる。演出内容指示部55は、ユーザ12による演出インタフェースの操作に基づいて、演出指示情報64を作成して本体装置2に送信する。演出インタフェースの詳細は、後述する。
【0042】
{2.演出処理の概要}
以下、ユーザ12によるリモートコントローラ5の操作に応じて、仮想的なライブの演出が行われる処理について、本体装置2の動作を中心に説明する。図5は、本体装置2の動作の流れを示すフローチャートである。
【0043】
最初に、ユーザ11が、リモートコントローラ5を操作して、カラオケで歌いたい楽曲データ61を選択する。データ取得部22は、選択された楽曲データ61を楽曲サーバ(図示省略)から取得する(ステップS1)。データ取得部22は、取得した楽曲データ61を記憶部23に格納する。会場データ62は、記憶部23に予め格納されている。
【0044】
ライブデータ作成部24は、楽曲データ61と会場データ62とを用いて、ライブデータ63の作成を開始する(ステップS2)。具体的には、ライブデータ作成部24は、会場データ61を用いて、仮想的なライブ会場の映像が記録された映像データを作成する。ライブデータ作成部24は、作成した映像データと、楽曲データ61とを含むデータを、ライブデータ63として再生部25に出力する。
【0045】
本体装置2がマイク4から音声データ4Aを受信した場合、ライブデータ作成部24は、音声データ4Aを含むライブデータ63を作成する。これにより、ユーザ11の歌が、モニタ3から出力される。ライブデータ作成部24は、楽曲データ61の前奏や、サビが再生されるタイミングに合わせて、入場者の歓声などが記録された音声データをライブデータ63に含めてもよい。
【0046】
再生部25は、ライブデータ作成部24が作成したライブデータ63の再生を開始する(ステップS3)。ライブデータ63が再生されることにより、仮想的なライブの映像が画面3aに表示され、楽曲データ61の再生音がモニタ3のスピーカから出力される。
【0047】
本体装置2は、楽曲データ61の再生が終了するまで(ステップS4においてYes)、ステップS5〜ステップS8の処理を繰り返し実行する。図2に示すように、楽曲データ61が再生されている間、ユーザ11は、マイク4を持って歌を歌う。ユーザ12は、リモートコントローラ5を操作して、仮想的なライブの演出を行う。リモートコントローラ5は、ユーザ12の操作に応じた演出指示情報64を作成し、リアルタイムに本体装置2に送信する。
【0048】
本体装置2が演出指示情報64を受信した場合(ステップS5においてYes)、ライブデータ作成部24は、演出指示情報64に基づいて、ライブデータ63の作成条件を変更する(ステップS6)。ライブデータ作成部24は、演出指示情報64に基づいて変更した作成条件に基づいて、ライブデータ63を作成する(ステップS7)。たとえば、演出指示情報64が、花火の打ち上げを指示する情報であった場合、ライブデータ63は、ライブ会場に花火が打ち上げられる様子を示す映像を作成する。ユーザ12が仮想的なライブにおいて演出できる内容の詳細は、後述する。
【0049】
演出評価部26は、演出指示情報64が入力されたタイミング、及び演出指示情報64により指示された演出の内容などに基づいて、演出に対する評価を行う(ステップS8)。たとえば、楽曲データ61のサビの部分が再生されているときに、花火が打ち上げられた場合、演出評価部26は、入場者を盛り上げることができたと判断して、ユーザ12の演出に対して高い点数を付与する。
【0050】
ライブデータ63の再生が終了した(楽曲データ61の再生が終了した)場合、演出評価部26は、ユーザ12の演出に対して付与された点数を合計する(ステップS9)。演出評価部26は、点数の合計値に基づいて、入場者の反応を示すライブデータ63の作成を指示する。ライブデータ作成部24により作成されたライブデータ63が、再生部25により再生される(ステップS10)。
【0051】
図6は、入場者の反応を示すライブデータ63が再生されたときのモニタ3の映像を示す図である。合計値がしきい値よりも高ければ、図6に示すように、入場者全員が拍手をする映像が、画面3aに表示され、入場者の歓声が、モニタ3のスピーカから出力される。総得点が低ければ、入場者がブーイングをする映像及び音声が、モニタ3から出力される。
【0052】
これにより、ユーザ12は、仮想的なライブの演出に対する評価を知ることができる。ユーザ12の演出に対する評価がライブ会場の入場者の反応として示されるため、ユーザ12は、実際のライブの演出を行うときのような緊張感を持ちながら、リモートコントローラ5を操作することができる。
【0053】
演出評価部26は、ユーザ12の演出に対する評価を行うたびに、評価結果に応じたライブデータ63の生成をライブデータ作成部24に指示してもよい。この場合、ライブデータ作成部24は、演出指示情報64に対応するライブデータ63を作成した後に、演出評価部26が付与した点数に対応するライブデータ63(入場者の反応を示すデータ)を作成する。ユーザ12がライブの演出を指示するたびに、ライブの演出に対する入場者の反応が、モニタ3から出力される。したがって、ユーザ12は、リモートコントローラ5を操作するたびに、仮想的なライブに対する演出の評価を知ることができる。
【0054】
{3.演出の具体例}
以下、ユーザ12がリモートコントローラ5を操作することにより、仮想的なライブで行うことができる演出の具体例として、楽曲紹介、ミキサ操作、花火打ち上げ、照明指示について説明する。
【0055】
{3.1.楽曲紹介}
楽曲紹介は、ユーザ12がライブの司会者として、ユーザ11が歌う楽曲を紹介する演出方法である。
【0056】
楽曲紹介が行われる手順について、詳しく説明する。ユーザ12は、リモートコントローラ5を操作して、演出方法の選択画面(図示省略)をタッチパネル式ディスプレイ54に表示させる。ユーザ12が「楽曲紹介」を選択することにより、楽曲紹介用の演出インタフェースが、タッチパネル式ディスプレイ54に表示される。
【0057】
図7は、楽曲紹介用の演出インタフェース71が表示されたリモートコントローラ5を示す図である。ユーザ12が楽曲紹介を選択した場合、演出内容指示部55は、演出インタフェース71の表示を本体装置2に要求する。演出インタフェース生成部27は、演出内容指示部55の要求に応じて、演出インタフェース71を作成してリモートコントローラ5に送信する。これにより、図7に示すように、演出インタフェース71が、タッチパネル式ディスプレイ54に表示される。
【0058】
演出インタフェース71には、ユーザ12が楽曲紹介をするための原稿データ71Aが表示される。演出インタフェース生成部27には、様々なパターンの原稿データ71A,71A・・・が設定されている。演出インタフェース生成部27は、ユーザ11が選択した楽曲データ61の前奏の長さや、楽曲データ61のジャンルなどに基づいて原稿データ71Aを選択する。選択された原稿データ71Aに基づいて、演出インタフェース71の画面データが作成される。
【0059】
ユーザ11により選択された楽曲データ61の再生が開始された場合、ライブデータ作成部24は、図2に示すように、ステージに立つボーカル31やギタリスト32などのキャラクタの映像が記録されたライブデータ63を作成する。このとき、ライブデータ作成部24は、ボーカル31などとともに、ユーザ12に対応する司会者の映像が記録されたライブデータ63を作成してもよい。
【0060】
ユーザ12は、楽曲データ61の前奏の再生が終了するまでに、演出インタフェース71に表示された原稿データ71Aを音読することにより、ユーザ11が歌う楽曲を紹介する。
【0061】
具体的には、音声入力部51は、ユーザ12の音声を入力して音声データ5Aを生成する。演出内容指示部55は、音声データ5Aを、演出指示情報64としてリアルタイムに本体装置2へ送信する。ライブデータ作成部24は、音声データ5Aを含むライブデータ63を作成して再生部24に出力する。これにより、楽曲紹介の音声が、モニタ3のスピーカから出力される。ユーザ12は、演出インタフェース71に表示された原稿データ71Aを読み終わった場合(楽曲紹介が終了した場合)、終了ボタン71Bにタッチする。これにより、演出内容指示部55は、楽曲紹介が終了したことを示す演出指示情報64(紹介終了通知)を、本体装置2に送信する。
【0062】
演出評価部26は、紹介終了通知に基づいてユーザ12が行った楽曲紹介を評価する。具体的には、演出評価部26は、前奏が終了するタイミング(ユーザ11が歌い出す直前)に、楽曲紹介が終了した場合、ユーザ12が行った楽曲紹介に対して高い点数を付与する。このとき、演出評価部26は、楽曲紹介が終了したタイミングと、前奏が終了したタイミングとの差が小さいほど、楽曲紹介に対して付与する点数を高くしてもよい。前奏が終了するまでに楽曲紹介が終了しない場合、演出評価部26は、楽曲紹介に対して点数を付与しない。
【0063】
ライブデータ作成部24は、付与された点数に基づいて、ライブ会場の入場者の反応を示すライブデータ63を作成する。たとえば、点数が高い場合、ライブデータ作成部24は、図6に示すように、入場者全員が拍手する映像が記録されたライブデータ63を作成する。
【0064】
演出評価部26は、ユーザ12が原稿を誤ることなく読めたかどうかを判定することにより、楽曲紹介の判定を行ってもよい。たとえば、演出評価部26は、音声データ5Aに対して音声認識処理を行うことにより、ユーザ12が音声入力部51に入力したフレーズを特定する。演出評価部26は、特定したフレーズと、演出インタフェース71に表示された原稿データ71Bとを比較することにより、原稿の読み誤りがあるか否かを判定することができる。
【0065】
演出評価部26は、ユーザ12が原稿を読むリズムに基づいて、ユーザ12が行う楽曲紹介を評価してもよい。この場合、演出評価部26は、音声データ5Aに基づいて、ユーザ12が原稿を読むリズムを検出する。前奏のリズムと、原稿を読むリズムとのずれが小さい場合、演出評価部26は、楽曲紹介に対して高い点数を付与してもよい。
【0066】
このように、ユーザ12は、司会者としてライブの演出を行うことにより、カラオケで歌を歌わなくても、ライブの緊張感を疑似的に体験することができる。
【0067】
{3.2.ミキサ操作}
ミキサ操作は、楽曲データ61の再生条件を変更したり、マイク4のオン、オフを切り替えたりすることにより、ライブで演奏される楽曲の出力条件を調整する演出方法である。ユーザ12は、タッチパネル式ディスプレイ54に表示される仮想的なミキサを操作することにより、ライブの演出を行う。
【0068】
図8は、ミキサ操作に対応する演出インタフェース72が表示されたリモートコントローラ5を示す図である。ユーザ12は、リモートコントローラ5を操作して、「ミキサ操作」を選択する。演出内容指示部55は、ユーザ12の選択に応じて、ミキサ操作用の演出インタフェース72の表示を本体装置2に要求する。演出インタフェース作成部27は、ミキサ操作に用いる演出インタフェース72を作成して、リモートコントローラ5に送信する。これにより、図8に示す演出インタフェース72が、リモートコントローラ5に表示される。
【0069】
図9は、楽曲データ61の構成を示す図である。図9に示すように、楽曲データ61は、ギター、ベース、キーボード、及びバックコーラスの各パートに対応したパートデータ61a〜61dにより構成される。ユーザ12は、演出インタフェース72を操作して、パートデータ61a〜61dの音量を調整することができる。
【0070】
図8に示すように、演出インタフェース72には、マイク4及び各パートに対応する音量コントローラ72a,72a,・・・と、ミュートボタン72b,72b,・・・と、ミュート解除ボタン72c,72c,・・・とが表示される。音量コントローラ72aは、マイク4または各パートの音量を調節するためのインタフェースである。ミュートボタン72bは、マイク4または各パートをミュートにするためのインタフェースである。ミュート解除ボタン72cは、マイク4または各パートのミュートを解除するためのインタフェースである。図8では、マイク4または各パートにおいて、ミュートが指示された場合、ミュートボタン72bがハッチングで表示される。ミュートの解除が指示された場合、ミュート解除ボタン72cがハッチングで表示される。
【0071】
演出内容指示部55は、ユーザ12による演出インタフェース72の操作に応じた演出指示情報64を作成し、本体装置2にリアルタイムに送信する。ミキサ操作に対応する演出指示情報64は、音量調節の対象となるパートを指定する情報と、指定されたパートの音量を指示する情報とを含む。ライブデータ作成部24は、ミキサ操作に対応する演出指示情報64に基づいて、マイク4またはパートデータ61a〜61dの音量を調節したライブデータ63を作成する。
【0072】
たとえば、ユーザ12は、演出インタフェース72を用いて、マイク4の音量を調節することができる。楽曲データ61の再生が開始されるとき、ユーザ12は、マイク4に対応するミュートボタン72bにタッチする。マイク4のミュートを指示する演出指示情報64が、本体装置2に送信される。ライブデータ作成部24は、マイク4のミュートが指示された場合、マイク4から送信される音声データ4A(図2参照)を、ライブデータ63に含めない。ユーザ11がマイク4に音声を入力したとしても、ユーザ11の音声は、モニタ3から出力されない。
【0073】
ユーザ12は、楽曲データ61の前奏が終了するタイミングで、マイク4に対応するミュート解除ボタン72cにタッチする。マイク4のミュートの解除を指示する演出指示情報64が、本体装置2に送信される。ライブデータ作成部24は、音声データ4Aを含むライブデータ63を作成する。これにより、ユーザ11の歌声が、モニタ3から出力される。
【0074】
ユーザ12は、ギターのソロ演奏が行われるときに、ミキサ操作を行ってもよい。たとえば、ライブデータ作成部24は、ギターのソロ演奏の開始タイミングと終了タイミングとを示すメッセージを付加した映像を作成することにより、ギターのソロ演奏の開始タイミングと終了タイミングとをユーザ12に通知する。
【0075】
ユーザ12は、ソロ演奏が開始されるタイミングで、マイク4と、ギターを除く他のパートとの音量が小さくなるように、音量コントローラ72aをスライドさせる。ユーザ12は、ギターの音量が大きくなるように、音量コントローラ72aをスライドさせることにより、パートデータ61aの音量を大きくしてもよい。ギターソロが終了するタイミングで、ユーザ12は、マイク4と、ギターを除く各パートとに対応するミュート解除ボタン72cにタッチする。これにより、通常の演奏を再開させることができる。
【0076】
演出評価部26は、演出指示情報64により指示される音量調節の内容や、音量調節が指示されたタイミングなどに基づいて、ミキサ操作の演出に対する評価を行う。たとえば、上述のように、ユーザ12が、前奏が終了するタイミングでマイク4のミュートを解除した場合、ミキサ操作に対して付与される点数が高くなる。このとき、演出評価部26は、前奏が終了するタイミングと、マイク4のミュートが解除されたタイミングとの時間差が小さいほど、付与する点数を高くすればよい。前奏が終了してもマイク4のミュートが解除されない場合、ユーザ11の歌声が、仮想的なライブ会場に流れないため、付与される点数が低くなる。
【0077】
また、ユーザ12は、各パートの音量を適切なレベルに調節することにより、ハウリングがライブ会場で発生することを防止することができる。音量コントローラ72a,72a,・・・の全ての音量レベルが所定レベル(たとえば、2以上)となった場合、ライブデータ作成部24は、ハウリングの音声を含むライブデータ63を作成する。この場合、演出評価部26は、ユーザ12がミキサの操作を誤ったと判断して、ミキサ操作に付与された点数を減点する。
【0078】
図8では、各パートとマイク4の音量調節機能のみを有する演出インタフェース72を示している。しかし、一般に用いられるオーディオミキサのように、演出インタフェース72は、各パートデータの再生時の周波数特性を変更するイコライザ機能などを有していてもよい。
【0079】
このように、ユーザ11のマイクや、楽曲の各パートの音量調節をリアルタイムで行うことができる。したがって、ユーザ12は、仮想的なライブの音響担当者としてリモートコントローラ5を操作することにより、ユーザ11と一緒にカラオケを楽しむことができる。
【0080】
{3.3.花火の打ち上げ}
花火の打ち上げは、楽曲データ61の再生中に仮想的なライブ会場に花火を打ち上げる演出方法である。ユーザ12は、花火打ち上げ用の演出インタフェースを操作することにより、ライブ会場で打ち上げられる花火の種類と、花火の打ち上げタイミングとを指示することができる。
【0081】
図10は、花火打ち上げ用の演出インタフェース73が表示されたリモートコントローラ5を示す図である。演出内容指示部55は、ユーザ12の選択に応じて、花火の打ち上げ制御用の演出インタフェース73の表示を本体装置2に要求する。演出インタフェース作成部27は、演出インタフェース73を作成して、リモートコントローラ5に送信する。これにより、図10に示す演出インタフェース73が、リモートコントローラ5に表示される。
【0082】
ユーザ12は、楽曲データ61が再生されているときに、演出インタフェース73を操作して、打ち上げる花火の選択と、選択した花火の打ち上げとを指示することができる。具体的には、ユーザ12は、演出インタフェース73に表示された花火73a〜73cのいずれかにタッチして、打ち上げる花火を選択する。図10に示す演出インタフェース73では、花火73bが選択されている。ユーザ12は、打ち上げボタン73dにタッチすることにより、選択された花火73bの打ち上げを指示する。
【0083】
図11は、ライブ会場に花火が打ち上げられる様子を示す図である。打ち上げボタン73dがタッチされた場合、演出内容指示部55は、選択された花火73bの打ち上げを指示する演出指示情報64を本体装置に送信する。ライブデータ作成部24は、受信した演出指示情報64に基づいて、ステージの背後に花火73dが打ち上げられる映像と、花火の爆発音とを含むライブデータ63を作成する。図11に示すように、モニタ3の画面3aには、ライブ会場のステージの背後に、花火が打ち上げられる映像が表示される。
【0084】
ユーザ12は、上述の操作を繰り返すことにより、ステージの背後に連続的に花火を打ち上げることができる。ユーザ12は、花火73a,73bの両者を選択して、打ち上げ指示ボタン73dにタッチしてもよい。この場合、ライブデータ作成部24は、花火73a,73bが同時に打ち上げられる映像を含むライブデータ63を作成する。
【0085】
演出評価部26は、花火の打ち上げを指示する演出指示情報64に基づいて、花火の打ち上げに対する評価を行う。つまり、花火を打ち上げるタイミングや、打ち上げた花火の数などに基づいて、花火の打ち上げに対する採点が行われる。楽曲のサビの演奏が開始されるタイミングや、楽曲データ61の再生が終了するタイミングに、花火の打ち上げが指示された場合、演出評価部26は、花火の打ち上げの演出に対して、高い点数を付与する。
【0086】
{3.4.照明の演出(その1)}
ユーザ12は、ライブ会場の照明担当者となって、仮想的なライブの演出を行うことができる。つまり、ユーザ12は、リモートコントローラ5を操作して、ライブ会場の様々な場所に照明をあてることができる。
【0087】
図12は、照明指示用の演出インタフェース74が表示されたリモートコントローラ5を示す図である。ユーザ12は、リモートコントローラ5を操作して、「照明指示」を選択する。演出内容指示部55は、ユーザ12の選択に応じて、照明指示用の演出インタフェース74の表示を本体装置2に要求する。演出インタフェース作成部27は、演出インタフェース74を作成して、リモートコントローラ5に送信する。これにより、図12に示すように、演出インタフェース74が、リモートコントローラ5に表示される。
【0088】
演出インタフェース74は、映像表示欄74aと、照明指示欄74bとを備える。映像表示欄74aは、ライブ会場のステージの様子を示す映像データ74cを表示する。照明指示欄74bは、照明のオン、オフを指示するボタンを表示する。モニタ3は、映像データ74cと同じ映像を表示する。ユーザ12は、演出インタフェース74を操作することにより、ステージに立つボーカル31や、ギタリスト32に照明をあてることができる。
【0089】
図13は、照明をあてる対象が選択された演出用インタフェース74を示す図である。ボーカル31に照明をあてる場合、ユーザ12は、映像表示欄74aに表示されたボーカル31にタッチする。演出内容指示部55は、照明をあてる対象として、映像表示欄74aに表示されたボーカル31をハッチングで表示する。
【0090】
次に、ユーザ12は、照明指示欄74bの「ON」にタッチすることにより、ボーカル74に照明をあてることを指示する。演出内容指示部55は、ボーカル31に照明をあてることを指示する演出指示情報64を作成して、本体装置2に送信する。ライブデータ作成部24は、演出指示情報64に基づいて、ボーカル31に照明が当たる映像を含むライブデータ63を作成する。
【0091】
本体装置2は、作成されたライブデータ63を、映像データ74cとしてリモートコントローラ5に送信する。図12に示すように、ボーカル31に照明があたる様子を示す映像データ74cが、映像表示欄74aに表示される。再生部25がライブデータ63を再生することにより、モニタ3は、図12に示す映像データ74cと同じ映像を表示する。
【0092】
ユーザ12は、照明をあてる対象を変更することができる。たとえば、楽曲データ61の再生中に、ギターのソロ演奏が行われる場合、照明の対象をギタリスト32に変更することができる。ユーザ12は、映像表示欄74aに表示されたボーカル31を選択して、照明指示欄74bの「OFF」をタッチする。次に、ユーザ12は、映像表示欄74aに表示されたギタリスト32を選択して、照明指示欄74bの「ON」をタッチする。これにより、照明がボーカル31からギタリスト32に切り替わる。
【0093】
また、ユーザ12は、ボーカル31及びギタリスト32の両者を選択して、照明指示欄74bの「ON」をタッチしてもよい。この場合、ボーカル31及びギタリスト32の両者に照明があたる映像データ74cが、映像表示欄74aに表示される。
【0094】
演出評価部26は、演出指示情報64の内容や、演出指示情報64を受信したタイミングに基づいて、照明の演出に対する評価を行う。たとえば、楽曲のサビが再生されるタイミングで、ボーカル31だけに照明が当てられた場合、照明の演出に対して高い点数が付与される。同様に、ギターのソロ演奏が行われるタイミングで、ギタリスト32だけに照明をあてることにより、照明の演出に対して高い点数が付与される。サビが再生されるタイミングで、ボーカル31ではなく、ギタリスト32に照明が当てられた場合、演出評価部26は、照明の演出に対して点数を付与しない。あるいは、演出評価部26は、付与された点数を減点してもよい。
【0095】
{3.5.照明の演出(その2)}
ユーザ12は、リモートコントローラ5を動かすことにより、照明をあてる照射方向を指定してもよい。ユーザ12は、ステージだけでなく、ライブ会場の入場者に照明をあてることが可能となる。この場合、照明方向が、センサ部52から出力される動き情報52A(図4参照)に基づいて、決定される。
【0096】
図14は、照明方向を決定するときのリモートコントローラ5の操作方法を説明する図である。図14では、リモートコントローラ5を持つユーザ12の表示を省略している。楽曲データ61の再生が開始される前に、ユーザ12は、リモートコントローラ5の基準方向を決定する。具体的には、図14に示すように、ユーザ12は、タッチパネル式ディスプレイ54をユーザ12に対向させながら、リモートコントローラ5をモニタ3の方向(矢印74dの方向)に向ける。演出内容指示部55は、矢印74dの方向を、リモートコントローラ5の基準方向に設定する。基準方向を示す情報が、演出指示情報64として本体装置2に送信される。リモートコントローラ5の基準位置は、客席の最前列に対応すると仮定する。
【0097】
ユーザ12は、楽曲データ61が再生されている間、リモートコントローラ5の向きを矢印74e,74eの方向に変えることにより、照射方向を指定する。演出内容指示部55は、センサ部52から出力される動き情報52Aを、演出指示情報64としてリアルタイムに本体装置2に送信する。
【0098】
ライブデータ作成部24は、リモートコントローラ5の基準位置、基準方向、及び動き情報52Aに基づいて、照射方向を決定する。ライブデータ作成部24は、基準位置から照射方向を見たときのライブ会場の様子を示す映像データ74cを作成する。本体装置2は、作成された映像データ74cをリモートコントローラ5に送信する。照射方向に対応する映像データ74cの作成及び送信は、リアルタイムで行われる。これにより、映像表示欄74aには、照射方向の会場の様子を示す映像データ74cが表示される。
【0099】
図15は、照射方向の会場の様子を示す映像データ74cが表示されたリモートコントローラ5を示す図である。ユーザ12がリモートコントローラ5を基準方向の反対方向に向けた場合、照明方向は、基準位置から客席のある方向に設定される。この結果、図15に示すように、ライブ会場の入場者が映像表示欄74aに表示される。
【0100】
モニタ3の画面3aには、楽曲データ61が再生されている間、ライブ会場のステージの映像(図2参照)が表示される。したがって、ユーザ11、12は、それぞれの役割に応じた画面を見ながら、仮想的なライブを盛り上げることが可能となる。
【0101】
ユーザ12は、入場者の映像が映像表示欄74aに表示された状態で、照明指示欄74bの「ON」をタッチする。演出内容指示部55は、照明をあてることを指示する演出指示情報64を本体装置2に送信する。ライブデータ作成部24は、演出指示情報64と照射方向とに基づいて、客席に照明があたる様子を示す映像データ74cを作成する。図15において、ハッチング領域は、照明があたっている領域に対応する。ライブデータ作成部24は、ハッチング領域にいる入場者が、大きく盛り上がる様子を示す映像データ74cを作成してもよい。
【0102】
ユーザ12は、照明指示欄74bの「ON」を選択したままでリモートコントローラ5を動かしてもよい。この場合、照明があたる領域を、ライブ会場の中で移動させることができる。たとえば、楽曲データ61の間奏が再生されているときなどに、ユーザ12が入場者に照明をあてることにより、ライブを盛り上げることができる。
【0103】
ユーザ12は、リモートコントローラ5をステージの方向に向けることにより、ボーカル31及びギタリスト32に照明をあてることができる。ライブデータ作成部24は、照明方向がステージの方向であると判定した場合、ステージに照明があたる映像を含むライブデータ63を作成する。この場合、モニタ3の画面3aには、照明があたる様子を示す映像が表示される。
【0104】
演出評価部26は、リモートコントローラ5を動かして照明位置を指示する場合にも、照明の演出に対する評価を行う。上述のように、ギターのソロ演奏が行われているときに、ギタリスト32に照明をあてた場合には、演出評価部26は、照明の演出に対して高い点数を付与する。また、楽曲データ61の間奏が再生されているときに、入場者に照明があてた場合には、演出評価部26は、照明の演出に対して高い点数を付与する。
【0105】
{変形例}
本実施の形態では、ユーザ11が行うパフォーマンスとして、ユーザ11がマイク4を持って歌う例について説明した。しかし、ユーザ11は、他のパフォーマンスを行ってもよい。たとえば、ユーザ11は、本体装置2と通信可能な電子楽器装置を用いて、ライブのパフォーマンスを行ってもよい。
【0106】
たとえば、ユーザ11は、ギターの形状をした電子楽器装置を持って、電子楽器装置の弦をはじく動作を行う。電子楽器装置は、ユーザの操作に応じた情報を本体装置2に送信する。ライブデータ作成部24は、音声データ4Aに代えて、ギターの演奏音を含むライブデータ63を作成する。これにより、ユーザ11は、仮想的なライブ会場で、ギタリストとしてパフォーマンスを行うことができる。
【0107】
本実施の形態において、カラオケシステム1は、複数のリモートコントローラ5を備えてもよい。各リモートコントローラを操作するユーザが、楽曲紹介、ミキサ操作、花火打ち上げ、及び照明操作の演出を担当する。これにより、複数の演出を並行して実行することができるため、グループのメンバー全員で、仮想的なライブを盛り上げることが可能となる。
【0108】
本実施の形態において、ライブデータ作成部24が、映像及び音声が記録されたライブデータ63を生成する例を説明した。しかし、ライブデータ63は、映像及び音声の少なくとも一方を含むデータであればよい。たとえば、カラオケシステム1が、モニタ3に代えてスピーカを備えている場合、ライブデータ作成部63は、音声のみを含むライブデータ63を作成する。
【符号の説明】
【0109】
1 カラオケシステム
2 本体装置
3 モニタ
3a 画面
4 マイク
5 リモートコントローラ
24 ライブデータ作成部
25 再生部
26 演出評価部
27 演出インタフェース作成部
51 音声入力部
52 センサ部
54 タッチパネル式ディスプレイ
55 演出内容指示部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択された楽曲データを再生する本体装置と、
第1ユーザのパフォーマンスに応じたパフォーマンス情報を生成するパフォーマンス情報生成装置と、
第2ユーザの操作に応じて、前記第1ユーザのパフォーマンスの演出を指示する演出指示情報を生成する演出指示装置と、
を備え、
前記本体装置は、
前記楽曲データと前記パフォーマンス情報とに基づいて、前記第1ユーザのパフォーマンスの状況を示すパフォーマンス状況データを生成し、前記演出指示情報に応じて前記パフォーマンス状況データの生成条件を変更するパフォーマンス状況データ生成部と、
前記演出指示情報を参照して前記第1ユーザのパフォーマンスの演出内容を評価し、前記第1ユーザのパフォーマンスを観覧する観客の反応を示す反応データの生成を、評価結果に基づいて前記パフォーマンス状況データ生成部に指示する演出評価部と、
前記パフォーマンス状況データと前記反応データとを再生する再生部と、
を備えるアミューズメントシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のアミューズメントシステムにおいて、
前記演出評価部は、前記パフォーマンス状況データが再生される期間に生成された全ての演出指示情報に基づいて、前記第1ユーザのパフォーマンスの演出を評価して全体評価情報を生成し、前記全体評価情報に対応する反応データの生成を指示するアミューズメントシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のアミューズメントシステムにおいて、
前記演出評価部は、前記本体装置に前記演出指示情報が入力されるたびに、前記第1ユーザのパフォーマンスの演出を評価して個別評価情報を生成し、前記個別評価情報に対応する反応データの生成を指示するアミューズメントシステム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のアミューズメントシステムにおいて、
前記演出指示装置は、
前記第2ユーザの音声を入力して音声データを生成する音声入力部と、
前記パフォーマンス状況データの再生中に前記第2ユーザが読み上げるべき内容を表示し、前記音声データを前記演出指示情報として前記本体装置に出力する演出内容指示部と、
を備え、
前記パフォーマンス状況データ生成部は、前記音声データを含むパフォーマンス状況データを生成し、
前記演出評価部は、前記音声データの入力が終了したタイミングに基づいて、前記パフォーマンスの演出を評価するアミューズメントシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のアミューズメントシステムにおいて、
前記演出評価部は、前記音声データに対する音声認識処理を行って前記第2ユーザが前記音声入力部に入力した音声フレーズを特定し、前記音声フレーズと前記内容とを比較することにより、前記パフォーマンスの演出を評価するアミューズメントシステム。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のアミューズメントシステムにおいて、
前記演出指示装置は、
前記第2ユーザにより選択された花火の種類と、前記選択された花火の打ち上げとを指示する打ち上げ情報を生成し、前記打ち上げ情報を前記演出指示情報として前記本体装置に出力する演出内容指示部、
を備え、
前記パフォーマンス状況データ生成部は、前記打ち上げ情報に基づいて、前記第1ユーザのパフォーマンスを演出する花火が打ち上げられる様子を示すパフォーマンス状況データを生成し、
前記演出評価部は、前記打ち上げ情報に基づいて、前記パフォーマンスの演出を評価するアミューズメントシステム。
【請求項7】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のアミューズメントシステムにおいて、
前記楽曲データは、楽曲の演奏パートのそれぞれに対応する複数のパートデータにより構成され、
前記演出指示装置は、
各パート楽曲データの再生条件を指定した再生条件情報を前記第2ユーザの操作に応じて生成し、前記再生条件情報を前記演出指示情報として前記本体装置に出力する演出内容指示部、
を備え、
前記パフォーマンス状況データ生成部は、前記再生条件情報に基づいて、パート楽曲データの再生時の条件を変更したパフォーマンス状況データを生成し、
前記演出評価部は、前記再生条件情報に基づいて、前記パフォーマンスの演出を評価するアミューズメントシステム。
【請求項8】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のアミューズメントシステムにおいて、
前記演出指示装置は、
前記第1ユーザのパフォーマンスを演出する照明の照射対象を示す照明対象情報を前記第2ユーザの操作に応じて生成し、前記照明対象情報を前記演出指示情報として前記本体装置に出力する演出内容指示部、
を備え、
前記パフォーマンス状況データ生成部は、前記照明対象情報に基づいて、前記照明が照射される様子を示すパフォーマンス状況データを生成し、
前記演出評価部は、前記照明対象情報に基づいて、前記パフォーマンスの演出を評価するアミューズメントシステム。
【請求項9】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のアミューズメントシステムにおいて、
前記演出指示装置は、
前記本体装置から送信される映像データを表示する表示部と、
前記演出指示装置の動きを検出して、動き情報を生成する動き検出部と、
前記動き情報を、前記演出指示情報として前記本体装置に出力する演出内容指示部と、
を備え、
前記本体装置は、さらに、
前記動き情報に基づいて、前記第1ユーザのパフォーマンスを演出する照明の照射領域を特定し、前記照明領域に照明があたる様子を示す照明映像データを生成する照明映像データ生成部と、
前記照明映像データを前記演出指示装置に出力する出力部と、
を備えるアミューズメントシステム。
【請求項10】
選択された楽曲データを再生する本体装置と、
第1ユーザのパフォーマンスに応じたパフォーマンス情報を生成するパフォーマンス情報生成装置と、
第2ユーザの操作に応じて、前記第1ユーザのパフォーマンスの演出を指示する演出指示情報を生成する演出指示装置と、
通信可能な本体装置に搭載されるコンピュータを、
前記楽曲データと前記パフォーマンス情報とに基づいて、前記第1ユーザのパフォーマンスの状況を示すパフォーマンス状況データを生成し、前記演出指示情報に応じて前記パフォーマンス状況データの生成条件を変更するパフォーマンス状況データ生成部、
前記演出指示情報を参照して前記第1ユーザのパフォーマンスの演出内容を評価し、前記第1ユーザのパフォーマンスを観覧する観覧者の反応を示す反応データの生成を、評価結果に基づいて前記パフォーマンス状況データ生成部に指示する演出評価部、
前記パフォーマンス状況データと前記反応データとを再生する再生部、
として機能されるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−108414(P2012−108414A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258707(P2010−258707)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】