アライメントされたカーボンナノチューブを有するサーマルインターフェース材料
本発明の実施形態はサーマルインターフェース材料を提供する。一実施形態においては、カーボンナノチューブがアライメント材料と混合される。アライメント材料は、カーボンナノチューブがアライメントされ且つ熱を効率的に伝導するようにアライメントされる。アライメント材料は、例えば、クレイ材料又は液晶材料である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超小型電子システムの冷却に関し、特に、アライメントされたカーボンナノチューブを有するナノコンポジットサーマルインターフェース材料の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロプロセッサのような超小型電子装置は熱を発生する。サーマルインターフェース材料は超小型電子装置において熱を伝導するために用いられる。図1は、サーマルインターフェース材料104、108がどのようにマイクロプロセッサダイ110からヒートシンク102に熱を伝導させて離れさせるために用いられるかを示す、マイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリ100の側面図である。マイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリ100は、マイクロプロセッサダイ110が取り付けられている基板を有する。マイクロプロセッサダイ110と集積されたヒートシンク(“IHS”)との間には第1サーマルインターフェース層(“TIM1”)108が存在し、そのヒートシンクは又、封止剤層12により基板114に接続されている。TIM1層108は、典型的には、約80W/mKのバルク熱伝導度を有するインジウムはんだのような材料である。
【0003】
IHS106とヒートシンク102との間には第2サーマルインターフェース層(“TIM2”)が存在する。現在、用いられている代表的なTIM2層104は、5W/mK以下のバルク熱伝導度を有するシリコーングリース材料である。TIM2は、特別なはんだの知識及び特別な装置を用いることなくヒートシンク102にユーザが取り付けることを可能にし、ヒートシンク102は取り外し可能且つ再取り付け可能であるように手を加えられるようになっている。これは、TIM1層108において用いられるはんだの熱伝導度がTIM2において用いられるシリコーングリース材料より大きい場合でさえ、典型的には、TIM1層108のはんだ材料がTIM2層104として使用されないようになっている。
【0004】
動作中、マイクロプロセッサダイ110は熱を発生する。TIM1層108は、マイクロプロセッサダイ110からIHS106に熱を伝導して離れさせる。TIM2層104は、それ故、IHS106からヒートシンク102に熱を伝導させて逃がし、そのヒートシンクは、マイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリ100から周囲の環境に熱を伝達する。
【0005】
現在のマイクロプロセッサは高速且つ強力になっているため、それは又、多くの熱を発生する。TIM1層108及びTIM2層104において用いられている現在のサーマルインターフェース材料は、マイクロプロセッサダイ110から及びヒートシンク102に熱を伝導して離れさせるには十分に大きくない熱伝導度を有している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の複数の実施形態が例示として且つ添付図において限定的でないように示され、それらの図において、参照番号は同様の要素を示している。
【0007】
本明細書を通して“一実施形態”又は“実施形態”と言及することは、本発明に関連付けて説明する特徴、構造、材料又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態において含まれることを意味する。それ故、本明細書を通して種々の文章において表れる“一実施形態において”又は“実施形態において”の表現は、同じ実施形態又は発明に関連する全てであることは必ずしも必要ない。更に、特徴、構造、材料又は特性は1つ又はそれ以上の実施形態において何れの適切な方式で組み合わされることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図2は、本発明の一実施形態に従った改善されたサーマルインターフェース材料の層202、204を有するヒートシンクアセンブリ200及びマイクロプロセッサの側面図である。サーマルインターフェース材料は熱伝達方向に方向合わせされたカーボンナノチューブを有する。このサーマルインターフェース材料は、それ故、ナノコンポジットサーマルインターフェース材料(“NTIM”)であり、従来使用されてきたサーマルインターフェース材料より高い熱伝導度を有することが可能である。サーマルインターフェース材料の層202、204を使用することにより、図2のマイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリ200はマイクロプロセッサダイ110から熱を良好に取り除くことが可能である。
【0009】
マイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリ200は、マイクロプロセッサダイ110が取り付けられている基板114を有する。マイクロプロセッサダイ110と集積ヒートシンク(“IHS”)106との間には第1サーマルインターフェース層(“TIM1”)204があり、その集積ヒートシンクはシーラント層112により基板114に接続されている。本発明の実施形態のTIM1層204は1つ又はそれ以上の他の材料と組み合わされたカーボンナノチューブを含む。TIM1層204はマイクロプロセッサ110からIHS106に熱を伝達して離れさせる。この熱は、一実施形態において、z軸方向206に実質的に伝達されることが可能である。その熱を伝達するために、TIM1層204におけるカーボンナノチューブは熱伝達方向に熱伝導経路を作るように方向合わせがなされ、その熱伝達方向は、図示している実施形態においては、z軸方向206である。好ましい熱伝達方向に熱伝導経路を作るようにカーボンナノチューブを方向合わせすることにより、その方向206に沿ってサーマルインターフェース材料の層204の熱伝導度は改善される。改善されたサーマルインターフェース材料の層204の熱伝導度は約100W/mKより大きいことが可能であり、そのことにより、先行技術におけるサーマルインターフェース材料と比較して改善された熱伝達性能が与えられる。
【0010】
IHS106とヒートシンク102との間には第2サーマルインターフェース層“TIM2”)202がある。図2に示す実施形態においては、TIM2層202は又、1つ又はそれ以上の他の材料と組み合わされたカーボンナノチューブを有する。TIM2層202はIHS106からヒートシンク102に熱を伝達して離れさせる。この熱は、一実施形態において、z軸方向206に実質的に伝達されることが可能である。その熱を伝達するために、TIM2層202におけるカーボンナノチューブは熱伝達方向に熱伝導経路を作るように方向合わせがなされ、その熱伝達方向は、図示している実施形態においては、z軸方向206である。TIM1層204と同様に、所望の熱伝達方向における熱伝導経路を作るためにTIM2層202においてカーボンナノチューブを方向合わせすることは、その方向206に沿って改善されるサーマルインターフェース材料の層202の熱伝導度を改善することが可能である。TIM1層204と同様に、カーボンナノチューブと方向合わせされた改善されたサーマルインターフェース材料の層202の熱伝導度は約100W/mKより大きいことが可能であり、そのことにより、改善された熱伝達性能が与えられる。
【0011】
図2についての上記の説明から理解できるように、マイクロプロセッサダイ110は熱源であることが可能である。第1の改善されたサーマルインターフェース材料層204は、IHS106の方に実質的にz軸206に沿ってマイクロプロセッサダイ110により発生された熱を伝達することが可能である。IHS106は、熱源、即ち、マイクロプロセッサダイ110から離れるように伝導される熱を受けるための受熱部であることが可能である。熱は、それ故、第2の改善されたサーマルインターフェース材料層202を介してIHS106からヒートシンク202に実質的にz軸に沿って移動し、それにより、熱は、マイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリ200から離れるように、周囲の環境の方に伝達される。TIM2層202を用いる場合、IHS106は熱源として作用することが可能であり、ヒートシンク102は受熱部として作用することが可能である。熱伝達方向において、この場合、z軸206に沿って、熱伝導経路を作るようにサーマルインターフェース材料層202、204においてカーボンナノチューブを方向合わせすることにより、約100W/mKより大きい改善された熱伝導度を得ることが可能である。
【0012】
図2のマイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリ200について、方向合わせされたカーボンナノチューブを有するとしてサーマルインターフェース材料層202、204の両方と共に説明したが、これは必ずしも必要条件ではない。その層の熱伝導度を改善するためにサーマルインターフェース材料層202、204の一のみにおける熱伝達方向に方向合わせされたカーボンナノチューブを有するNTIMを用いることが可能である。マイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリ200以外のアプリケーションは又、サーマルインターフェース材料層の1つ又はそれ以上を使用することが可能である。そのようなアプリケーションは、ダイ110のような熱源と、ヒートシンク102のような受熱部又は熱除去部との間に、蒸気チャンバ、ヒートパイプ若しくは他の受熱部又は熱除去部を有する。そのようなアプリケーションにおいては、方向合わせされたカーボンナノチューブを有する改善されたサーマルインターフェース材料は、異なる種類の熱源から異なる種類の受熱部への改善された熱伝達のためのサーマルインターフェース材料として用いられることが可能である。
【0013】
図3aは、方向合わせがなされたカーボンナノチューブを有する改善されたサーマルインターフェース材料が実施形態においてどのように作製されるかを示すフロー図300である。カーボンナノチューブはアライメント材料と混合され302、その結果、混合材料が得られる。アライメント材料は、熱が伝達される方向に改善されたサーマルインターフェース材料内のカーボンナノチューブをアライメントすることを支援する。カーボンナノチューブ及びアライメント材料は又、1つ又はそれ以上の他の材料と混合される302ことが可能であり、その結果、混合材料が得られる。それらの他の材料は、マトリクス材料、フィラー材料又は他の材料であることが可能である。一実施形態においては、カーボンナノチューブは、混合材料を重量で約5%以上を有するが、一部の実施形態においては、混合材料を重量で約25%以上を有し、他の実施形態においては、更に多い量のカーボンナノチューブが用いられる。一般に、カーボンナノチューブの量が多くなればなる程、その結果として、熱伝導性が大きくなる。一部の実施形態においては、用いられるカーボンナノチューブは約10nmより大きい平均の長さを有する。他の実施形態においては、用いられるカーボンナノチューブは約100nmより大きい平均の長さを有する。一般に、一旦、カーボンナノチューブがアライメントされると、カーボンナノチューブの長さが長くなればなる程、その結果として、熱伝導経路はより良好になる。一部の実施形態においては、カーボンナノチューブは、NTIM材料に対する濡れ性及び/又は分散性を改善するために表面改質を伴って処理されることが可能である。
【0014】
カーボンナノチューブは、それ故、アライメントされる304。これは、アライメント材料をアライメントすることによりなされることが可能である。アライメント材料はアライメント可能構造を有する。アライメント材料においてアライメント可能構造がアライメントされるとき、そのアライメント可能構造は、カーボンナノチューブが又アライメントされるようにする。種々の実施形態においては、複数のアライメント材料が用いられ、アライメント材料がカーボンナノチューブをアライメントするようにする方法は、どのアライメント材料が用いられるかに基づいて異なる。アライメント材料を使用することにより、カーボンナノチューブのアライメントは容易になり、それにより、多くのアプリケーションに対して、典型的にはより安価でより実際的なカーボンナノチューブのアライメントを伴うサーマルインターフェース材料の形成が可能である。
【0015】
図3b及び3cは、アライメントの前(図3b)及び後(図3c)の両方のアライメント材料とカーボンナノチューブとを含む混合材料の実施形態の側面図である。図3b及び3cは、カーボンナノチューブをアライメントすることにより混合材料の熱伝導性がどのように改善されるかを示している。図3b及び3cに示す実施例においては、混合材料の下部から上部に、z軸206に沿って熱が伝導することは好ましい。他のアプリケーションにおいては、異なる方向に熱を伝導することが好ましいことがあり得、それ故、カーボンナノチューブは異なるようにアライメントされることが可能である。一般に、カーボンナノチューブ自体に沿って、混合材料を通って多くの熱伝導が起こる。熱が材料の一の側から他の側に移動することができるアライメントされたカーボンナノチューブにより作られた経路は熱伝導度の増加をもたらす。
【0016】
図3bは、アライメントされていないカーボンナノチューブ306を有するアライメントされていない混合材料308を示している。アライメントされていないカーボンナノチューブ306はアライメントされていない混合材料308内で実質的にランダムな方向を有する。熱がその材料の下部から上部にz軸206に沿って移動することが可能であるアライメントされていないカーボンナノチューブ306により形成される経路は殆ど存在しない。それ故、図3bのアライメントされていない混合材料308の熱伝導度は相対的に小さい。
【0017】
図3cは、図3aに従って、混合材料がアライメントされた304後のアライメントされた混合材料312の実施形態を示している。カーボンナノチューブは良好に熱を伝導する。上記のように、アライメント材料は、アライメント材料がアライメントされるにつれてカーボンナノチューブがアライメントされるようになる構造を有することが可能である。混合材料がアライメントされた後、アライメントされたカーボンナノチューブ310は、熱がアライメントされた混合材料312の下部から上部に移動することができる経路314、316、318を与える。
【0018】
混合材料をアライメントする304ことにより形成される経路の1つのタイプはまっすぐな経路314である。まっすぐな経路314においては、カーボンナノチューブ310はz軸206に沿って実質的に完全にアライメントされ、1つ又はそれ以上のカーボンナノチューブは、直接にアライメント材料312の下部からアライメント材料312の上部に実質的にまっすぐな経路314を形成するように接触している。このまっすぐな経路314は、熱が移動するために直接的な、壊されない、短い経路を与え、それにより、非常に高い熱伝導度が与えられる。
【0019】
混合材料をアライメントする304ことにより形成される他の種類の経路は屈曲した経路316である。カーボンナノチューブはz軸206に沿って完全にはアライメントされていないが、完全な屈曲経路316がアライメント材料312の下部からアライメント材料312bの上部に形成されるように接触している。屈曲経路316はまっすぐな経路程には短くなく、それ故、その熱伝導度は、まっすぐな経路に沿った場合程、高くない。しかしながら、このような屈曲経路316に沿った熱の流れはアライメントされたカーボンナノチューブ310により伝導されることが可能であり、それ故、そのような屈曲経路を伴う材料の熱伝導度は非常に高いものである。
【0020】
混合材料をアライメントする304ことにより形成される第3の種類の経路は、1つ又はそれ以上のギャップを有する屈曲経路318である。そのようなギャップを伴う屈曲経路318においては、熱は、アライメントされた材料312の下部表面からアライメントされた材料の上部表面に全体に亘って移動することは可能ではない。しかしながら、アライメントされた材料312におけるそのようなギャップを伴う屈曲経路318におけるギャップ320はアライメントされていない材料308において存在するギャップより小さく、それ故、そのようなギャップを伴う屈曲経路318を有する材料の熱伝導度は、それでもアライメントされていない材料308より大きい。ギャップを伴うまっすぐな経路は又、混合材料のアライメント304の後に現れ得る。より長いカーボンナノチューブは、アライメントされた材料の全体に亘って到達するように必要とされるカーボンナノチューブの数を少なくし、それ故、より長いカーボンナノチューブはカーボンナノチューブ間のギャップ数を減少させ、アライメントされた材料312の熱伝導度を増加させることが可能である。
【0021】
図4は、実施形態に従って、クレイがアライメント材料として用いられるとき、アライメントされたカーボンナノチューブを有するサーマルインターフェース材料がどのように作製されるかを示すフロー図400である。クレイは、改善されたサーマルインターフェース材料の形で用いるために調整される402。一部の実施形態においては、用いられるクレイは、タクトイド(tactoid)と呼ばれる領域にトランプのように共に密接に積層される個々の小板状粒子の凝集であることが可能である。一実施形態においては、クレイの個々の小板状粒子の典型的な厚さは約2nmであり、その典型的な直径は約10nm乃至3000nmの範囲内にある。クレイは、クレイの小板の直径がカーボンナノチューブの長さのオーダーであるように選択されることが可能である。本発明の一部の実施形態において用いられるクレイは、クレイ材料のグラム当たり約0.3乃至約3.0ミリ当量(meq/g)の範囲内の陽イオン交換能力を有する肥大化可能な自由に移動する粒子である。一部の実施形態は、約0.90meq/g乃至約1.5meq/gの範囲内の陽イオン交換能力を有する肥大化可能な自由に移動する粒子であるクレイを用いる。
【0022】
一部の実施形態においては、クレイの調整402は、肥大化可能な層状クレイが1つ又はそれ以上の有機陽イオンと反応するようにすることにより達成されることが可能であり、一部の実施形態においては、部分的な又は完全な陽イオン交換をもたらすように、その有機陽イオンはアンモニウム化合物である。これを達成するために多くの方法を用いることが可能である。
【0023】
図5は、一実施形態に従って、クレイ材料がどのように調整される402かを詳細に示すフロー図500である。クレイは、約50℃乃至約80℃の温度範囲内の温水中に分散されている。単独の若しくは水又はアルコール中に溶解された有機陽イオンの塩が、次いで、クレイに添加される。その塩及びクレイは、次いで、クレイの層の間のギャラリー内に存在する金属陽イオンの殆どを有機陽イオンが交換するに十分な時間の期間の間に混合される。これは、クレイが、高分子のような特定のマトリクス材料とより適合するようにし、そのポリマーとクレイを混合させる。陽イオン交換に代えて、適合性を増大させるために他の方法を用いることが可能である。クレイは、次いで、分離される508が、それは、濾過、遠心分離、噴霧乾燥及び他の方法又はそれらの方法の組み合わせにより達成される。このとき、クレイの粒径が、磨砕、研磨、粉砕、ハンマーミリング、ジェットミリング、他の方法又はそれらの方法の組み合わせにより、典型的には、平均の大きさが100μm以下になるようにされる。任意に、クレイに関して更なる処理がなされることが可能である。それらの処理は、クレイが混合されるNTIM材料の剥離を支援する処理であって、クレイが混合されるNTIM材料のポリアミドクレイ界面の強度を改善する、処理及び/又は他の処理を含むことが可能である。そのような処理の他の実施例は、水可溶性又は水不溶性ポリマー、有機試薬、モノマー、シラン化合物、金属、有機金属類及び/又は他の適切な材料又は化合物を用いるインターカレーションである。
【0024】
図4を参照するに、カーボンナノチューブは、それ故、調整されたクレイと混合される404ことが可能である。1つ又はそれ以上の材料は又、クレイ及びカーボンナノチューブと混合される404ことが可能である。それらが混合されるカーボンナノチューブ及び他の材料は、その結果、混合された材料の状態として得られる。本発明の一実施形態においては、クレイはその混合された材料を重量で約25%以下有する。他の実施形態においては、クレイはその混合された材料を重量で約5%以下有する、第3の実施形態においては、クレイはその混合された材料を重量で約2%以下有する。十分なクレイが、クレイ材料がアライメントされるとき、カーボンナノチューブをアライメントするために十分な小板構造及びタクトイド構造を与えるように用いられることが可能である。改善されたサーマルインターフェース材料内に用いられるクレイとしては、例えば、自然のクレイ、合成クレイ、変性された層状ケイ酸塩、サポナイト、雲母、バーミキュライト、ベントナイト、ノントロナイト、バイデライト、ボルコンスコアイト、マガディアイト、ケニエート等のスメクタイトクレイがある。合成クレイとしては、合成雲母、合成サポナイト、合成ヘクトライト等がある。変性された層状ケイ酸塩のクレイとしては、フッ素化モンモリロナイト、フッ素化雲母等がある。
【0025】
一部の実施形態においては、広範なマトリクス材料の1つ又はそれ以上が、一部の実施形態において混合された材料を形成するために調整されたクレイ及びカーボンナノチューブと混合される404ことが可能である。例えば、マトリクス材料は、良好な濡れ性及び/又はカーボンナノチューブとの界面における小さい界面抵抗について選択されることが可能である。それらのマトリクス材料としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びオレフィン樹脂等のポリマー、例えば、インジウム、すず及びそれらの合金等のはんだ等のはんだ、ポリマー及びはんだの混合物又は他のマトリクス材料がある。オレフィン樹脂は、その良好な濡れ性とカーボンナノチューブとの間の小さい界面抵抗とを有するために有用である。本発明の一部の実施形態において用いられることが可能であるオレフィン樹脂の一部の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン及びパラフィンワックスがある。他のマトリクス材料は又、付加的な所望の特性を与えるために用いられることが可能である。
【0026】
熱伝導性材料又は他のフィラー材料は又、一部の実施形態において、カーボンナノチューブと混合されることが可能であり、混合された材料を形成するための調整されたクレイであることが可能である。熱伝導性フィラーは、ギャップを有するカーボンナノチューブの経路に沿った熱伝達を改善することにより、混合されたアライメントされた材料の熱伝導性を改善するように支援することが可能である。熱伝導性フィラーはギャップ320の熱伝導性を改善することが可能である。一部の実施形態で用いられるそのようなフィラーとしては、例えば、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等のセラミックス、例えば、アルミニウム、銅、銀等の金属、インジウム等のはんだ及び他のフィラー材料がある。
【0027】
混合404の後、一実施形態において約20nm以下の高さ寸法を有する個々の小板粒子、小さいタクトイド及びタクトイドの小さい凝集としてクレイの殆どが存在するように、クレイは混合された材料中に分散されることが可能であり、このことは、クレイの殆どが、クレイが焼く2nmの厚さを有する実施形態において約15個以下の積層された小板を有する小板又はタクトイドとして存在することを意味する。一部の実施形態においては、非常に多くの量のクレイの個々の小板粒子及び少量のタクトイド又はタクトイドの凝集を有することが好ましい。
【0028】
混合された材料は、次いで、剪断力の影響下に置かれる406ことが可能である。剪断力は、例えば、小板、タクトイド及びタクトイドの凝集等のクレイ内の構造をアライメントする。それらがアライメントされるとき、小板、タクトイド及びタクトイドの凝集は、NTIMが熱伝導度を改善するように、カーボンナノチューブが又、アライメントされるようにする。混合された材料の成形、混合された材料の押し出し成形及び他の方法を含む多くの方法が、混合された材料が剪断されるようにするために用いられることが可能である。一部の実施形態においては、剪断されたNTIM材料は、次いで、所望のアプリケーションのために適切な選択された厚さのパッドに分割される408。それらのパッドは、次いで、熱を伝達するように広範な装置において用いられることが可能である。例えば、それらのパッドは、図2に関連して説明したTIM1層202及びTIM2層204として用いられることが可能である。アライメントされたカーボンナノチューブを有するパッドは、NTIMパッドがヒートシンク102が取り除かれ且つ置き換えられることを可能にし、ユーザが特別のはんだの知識を有することなく又は特別の装置を用いることなくヒートシンク102を取り付けることを可能にするために、TIM2層202として用いられることが可能である。それ故、NTIM材料はTIM2層202として用いるために適切であり、TIM2層104として現在用いられているシリコーングリースの熱伝導度より何倍も大きい熱伝導度を有する。
【0029】
本発明の一実施形態においては、10gのシリカクレイが調整された402。このクレイは、次いで、30gの単一壁カーボンナノチューブと60gのアルファオレフィン樹脂のマトリクス材料と80℃の温度で3時間、ダブルプラネタリミキサ内で混合された。この混合材料は、次いで、約1インチの直径を有するストランドの状態にその混合材料を押し出し成形することにより剪断力の影響下に置かれた406.このストランドは、次いで、約0.25mmの厚さを有するパッドに分割された。それらのパッドは、次いで、試験され、約100W/mKより大きい熱伝導度を有することが分かった。
【0030】
図6は、本発明の一実施形態に従って、図4の混合された材料がどのように剪断力の影響下に置かれ406、パッドに分割されるかを示す側面図である。混合されたアライメントされていない材料602は押出成形器604内に入れられる。押出成形器604は、次いで、アライメントされた材料のストランドを押し出し成形する606。他の実施形態においては、混合されていない材料が押出成形器604に入れられ、その材料の混合602及び押し出し成形604の両方がなされる。ストランドは、押し出し成形処理がその材料に剪断力を適用するためにされる。この剪断力はアライメント可能なクレイの構造をアライメントし、ここで、そのクレイは、小板、タクトイド、タクトイドの凝集である。それらのアライメント可能構造のアライメントは又、カーボンナノチューブのアライメントをもたらす。図6に示すように、アライメントされる材料606のアライメントはz軸206に沿っている。更に使用可能な形にアライメントされた材料にするために、押し出し成形されたストランドはチョッパ608に入れられ、そのチョッパは、所望のアプリケーションにおいて用いるために適切な選択された高さのアライメントパッド610にそのストランドを切断する。“高さ”はz軸206に沿ったものであり、それ故、この場合の“高さ”は図6において左から右に測定される。それらのパッドは、次いで、例えば、図2のTIM1層204及び/又はTIM層202の両方の一として又は他のアプリケーションにおいて用いられることが可能である。
【0031】
図7は、液晶樹脂がアライメント材料として用いられるとき、本発明の実施形態に従って、アライメントされたカーボンナノチューブを有する改善されたサーマルインターフェース材料がどのように製造されるかを示すフロー図である。カーボンナノチューブは液晶樹脂と混合される702。本発明の一実施形態においては、液晶樹脂は混合された材料を重量で約20%以上有し、混合された材料はカーボンナノチューブと液晶樹脂とを有することが可能である。他の実施形態においては、液晶樹脂は混合された材料の重要の約15%又はそれ以上である。液晶樹脂はアライメント可能構造を有する。ロッド状の液晶樹脂を含む多くの異なる液晶樹脂を用いることが可能であり、ここで、そのロッドはアライメント可能構造である。一部の実施形態においては、200℃以下の融点を有する液晶樹脂は溶剤に可溶性である及び/又は希釈剤が用いられる。更に、液晶樹脂は、混合される液晶樹脂を硬化させるために、例えば、エポキシ基、ビニル基、ヒドロキシル基等の重合単位と共に官能基化されることが可能である。
【0032】
一部の実施形態においては、1つ又はそれ以上のマトリクス材料が、カーボンナノチューブ及び液晶樹脂と混合され、その結果、混合された材料が得られることが可能である。そのような他のマトリクス材料は、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂及びオレフィン樹脂等のポリマー、例えば、インジウム、すず、それらの合金等のはんだ、ポリマー及びはんだの混合物又は他のマトリクス材料の1つ又はそれ以上を含むことが可能である。他のマトリクス材料が又、付加的な所望の特性を与えるように用いられることが可能である。
【0033】
熱伝導性材料又は他のフィラー材料は、一部の実施形態において混合された材料を結果的に得るように、カーボンナノチューブ及び液晶樹脂と混合される702ことが可能である。熱伝導性フィラーは、ギャップを有するカーボンナノチューブの経路に沿った熱伝達を改善することにより混合されたアライメントされた材料の熱伝導度を改善するように支援することが可能である。熱伝導性フィラーは、ギャップ320の熱伝導度を改善することが可能である。一部の実施形態で用いられるそのようなフィラーとしては、例えば、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等のセラミックス、例えば、アルミニウム、銅、銀等の金属、インジウム等のはんだ及び他のフィラー材料がある。他の処理は又、混合される材料に関して実行されることが可能である。
【0034】
混合された材料は、次いで、例えば、マイラー又は他のフィルム若しくは剥離ライナー等のフィルム上に層状に形成される704。このフィルムは混合された材料を支持し、混合された材料の操作及び処理を容易にする。このような層状の形成704は、フィルム上への混合材料の一体成形、フィルム上への混合材料の印刷又は他の方法により実行されることが可能である。第2フィルム又は剥離ライナーは、そのとき、その混合された材料の両側がフィルムで覆われるように、混合された材料において層形成されることが可能である。溶剤又は希釈剤を混合された材料と混合する702は、そのフィルムにおけるその材料の層形成を容易にする。
【0035】
混合された材料は、次いで、場の影響下に置かれる。場は液晶樹脂をアライメントする。複数の実施形態においては、磁場、電場、電磁場又は他の場が液晶樹脂をアライメントするために用いられることが可能である。液晶樹脂におけるロッド状構造のようなアライメント可能構造は又、カーボンナノチューブが改善された熱伝導度を有するNTIMを得るようにアライメントされるようになるようにする。場の方向は、カーボンナノチューブが所望の方向にアライメントされるように選択される。場は又、カーボンナノチューブのアライメントを支援するようにカーボンナノチューブに直接、作用する。しかしながら、液晶樹脂のアライメント材料を含むことにより、アライメント材料を用いることなく場によりカーボンナノチューブを直接アライメントするように試みがなされる場合に比べて、カーボンナノチューブのアライメントをもたらすように用いられる場強度はかなり小さいものとなることが可能である。混合された材料と溶剤又は希釈剤を混合する702ことによりその材料のアライメントが容易になることが可能である。クレイがアライメント材料である実施形態に関連して上記した、押し出し成形により適用される剪断力のような剪断力は又、場に代えて又は場に加えて、液晶樹脂がアライメント材料である場合に混合された材料をアライメントするように用いられることが可能である。
【0036】
任意に、混合され且つアライメントされた材料は硬化される708ことが可能である。一部の実施形態においては、硬化708はカーボンナノチューブのアライメントの後になされ、他の実施形態においては、硬化708はカーボンナノチューブのアライメント中になされ、又は、混合された材料は磁場の影響下に置かれる706。混合された材料の硬化は、後者の処理中にカーボンナノチューブをアライメントされるように保つことが可能である。
【0037】
NTIM材料は、次いで、使用するためにパッドの状態に分割される。典型的には、図2に示す実施例において、TIM2層202がIHS106に適用されるときのような、パッドがサーマルインターフェース材料として適用されるとき、フィルムは取り除かれる。そのようなパッドは、次いで、熱を伝達するために広範な装置において用いられることが可能である。例えば、パッドは、図2に関連して上記したTIM層202及びTIM2層204として用いられることが可能である。アライメントされたカーボンナノチューブを有するパッドは、NTIMパッドがヒートシンク102が取り除かれる及び置き換えられるようにされるため、TIM2層202として用いられることが可能である。それ故、NTIM材料はTIM2層202として用いるために適切であり、TIM2層104として現在用いられているシリコーングリース材料の熱伝導度より何倍も大きい熱伝導度を有する。本発明の一実施形態においては、59℃の軟化点を有するアルファオレフィン樹脂30g、単一壁カーボンナノチューブ30g、2,2´ジメチルスチルベン(Tm=83℃)40g及びトルエン100gが、約80℃まで加熱されたプラネタリミキサに入れられて混ぜられ702、1時間の間、50rpmで混合された。そのミキサは、そのとき、約80℃において3本ロールミルを2回、通される。混合された材料は、次いで、一体成形により40μmの厚さのマイラーフィルムに層状にされる704。その混合された材料を有するフィルムは、次いで、カーボンナノチューブの所望のアライメント方向を与えるように約30分間、約0.3Tの磁場の影響下に置かれた706。混合された材料を有するフィルムは、次いで、磁場の影響下に置かれた706まま、約100℃で乾燥されることにより硬化される708。フィルムはパッドから取り除かれ712、そのパッドは、次いで、試験され、約100W/mKの熱伝導度を有することが分かった。
【0038】
図8a及び8bは、本発明の一実施形態に従って、図7の混合された材料がどのようにフィルム上に層形成され704、次いで、場の影響下に置かれるかを示す側面図である。図8aに示すように、混合されたアライメントされていない材料808は、押し出し成形器802によりフィルム804上に層形成される704。混合された材料808の厚さは、アライメントされる材料が供されるアプリケーションに対して適切であるように選択されることが可能である。この実施例においては、カーボンナノチューブがアライメントされる方向のz軸206は、フィルム804の面に対して実質的に垂直である。フィルム804上に混合された材料808は、次いで、図8bに示すように、場の影響下に置かれる。この場810は。混合された材料808における液晶樹脂をアライメントし、その混合された材料は又、カーボンナノチューブがアライメントされるようにするようにする。
【0039】
本発明の実施形態の上記の記載は、例示及び説明のためになされたものである。開示されたまさにその内容に本発明を限定すること又はその内容が本発明を網羅していることを意図するものではない。当業者は、多くの修正及び変形が上記の教示に照らして可能であることを理解することができるであろう。当業者は、図に示している種々の構成要素についての種々の同等の組み合わせ、位置関係及び置換が可能であることを認識するであろう。それ故、本発明の範囲は上記の詳細説明に限定されるものではなく、同時提出の特許請求の範囲により規定されることが意図されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】サーマルインターフェース材料の層がマイクロプロセッサダイからヒートシンクにどのように熱を伝導させて離れさせるかについて示すマイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリの側面図である。
【図2】本発明に従った改善されたサーマルインターフェース材料の層を有するマイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリの側面図である。
【図3a】アライメントされたカーボンナノチューブを有する改善されたサーマルインターフェース材料がどのように製造されるかを示すフロー図である。
【図3b】アライメント前のカーボンナノチューブ及びアライメント材料の側面図である。
【図3c】アライメント後のカーボンナノチューブ及びアライメント材料の側面図である。
【図4】クレイがアライメント材料として用いられるとき、本発明の実施形態に従ってアライメントされたカーボンナノチューブを有する改善されたサーマルインターフェース材料がどのように製造されるかを示すフロー図である。
【図5】一実施形態に従ってクレイ材料がどのように調整されるかを詳細に示すフロー図である。
【図6】本発明の一実施形態に従って、図4の混合された材料がどのように剪断力の影響下に置かれ、パッドに分割されるかを示す側面図である。
【図7】液晶樹脂がアライメント材料として用いられるとき、本発明の実施形態に従ってアライメントされたカーボンナノチューブを有する改善されたサーマルインターフェース材料がどのように製造されるかを示すフロー図である。
【図8a】本発明の実施形態に従って、図7の混合された材料がどのように層形成され、次いで、場の影響下に置かれるかを示す側面図である。
【図8b】本発明の実施形態に従って、図7の混合された材料がどのように層形成され、次いで、場の影響下に置かれるかを示す側面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、超小型電子システムの冷却に関し、特に、アライメントされたカーボンナノチューブを有するナノコンポジットサーマルインターフェース材料の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロプロセッサのような超小型電子装置は熱を発生する。サーマルインターフェース材料は超小型電子装置において熱を伝導するために用いられる。図1は、サーマルインターフェース材料104、108がどのようにマイクロプロセッサダイ110からヒートシンク102に熱を伝導させて離れさせるために用いられるかを示す、マイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリ100の側面図である。マイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリ100は、マイクロプロセッサダイ110が取り付けられている基板を有する。マイクロプロセッサダイ110と集積されたヒートシンク(“IHS”)との間には第1サーマルインターフェース層(“TIM1”)108が存在し、そのヒートシンクは又、封止剤層12により基板114に接続されている。TIM1層108は、典型的には、約80W/mKのバルク熱伝導度を有するインジウムはんだのような材料である。
【0003】
IHS106とヒートシンク102との間には第2サーマルインターフェース層(“TIM2”)が存在する。現在、用いられている代表的なTIM2層104は、5W/mK以下のバルク熱伝導度を有するシリコーングリース材料である。TIM2は、特別なはんだの知識及び特別な装置を用いることなくヒートシンク102にユーザが取り付けることを可能にし、ヒートシンク102は取り外し可能且つ再取り付け可能であるように手を加えられるようになっている。これは、TIM1層108において用いられるはんだの熱伝導度がTIM2において用いられるシリコーングリース材料より大きい場合でさえ、典型的には、TIM1層108のはんだ材料がTIM2層104として使用されないようになっている。
【0004】
動作中、マイクロプロセッサダイ110は熱を発生する。TIM1層108は、マイクロプロセッサダイ110からIHS106に熱を伝導して離れさせる。TIM2層104は、それ故、IHS106からヒートシンク102に熱を伝導させて逃がし、そのヒートシンクは、マイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリ100から周囲の環境に熱を伝達する。
【0005】
現在のマイクロプロセッサは高速且つ強力になっているため、それは又、多くの熱を発生する。TIM1層108及びTIM2層104において用いられている現在のサーマルインターフェース材料は、マイクロプロセッサダイ110から及びヒートシンク102に熱を伝導して離れさせるには十分に大きくない熱伝導度を有している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の複数の実施形態が例示として且つ添付図において限定的でないように示され、それらの図において、参照番号は同様の要素を示している。
【0007】
本明細書を通して“一実施形態”又は“実施形態”と言及することは、本発明に関連付けて説明する特徴、構造、材料又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態において含まれることを意味する。それ故、本明細書を通して種々の文章において表れる“一実施形態において”又は“実施形態において”の表現は、同じ実施形態又は発明に関連する全てであることは必ずしも必要ない。更に、特徴、構造、材料又は特性は1つ又はそれ以上の実施形態において何れの適切な方式で組み合わされることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図2は、本発明の一実施形態に従った改善されたサーマルインターフェース材料の層202、204を有するヒートシンクアセンブリ200及びマイクロプロセッサの側面図である。サーマルインターフェース材料は熱伝達方向に方向合わせされたカーボンナノチューブを有する。このサーマルインターフェース材料は、それ故、ナノコンポジットサーマルインターフェース材料(“NTIM”)であり、従来使用されてきたサーマルインターフェース材料より高い熱伝導度を有することが可能である。サーマルインターフェース材料の層202、204を使用することにより、図2のマイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリ200はマイクロプロセッサダイ110から熱を良好に取り除くことが可能である。
【0009】
マイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリ200は、マイクロプロセッサダイ110が取り付けられている基板114を有する。マイクロプロセッサダイ110と集積ヒートシンク(“IHS”)106との間には第1サーマルインターフェース層(“TIM1”)204があり、その集積ヒートシンクはシーラント層112により基板114に接続されている。本発明の実施形態のTIM1層204は1つ又はそれ以上の他の材料と組み合わされたカーボンナノチューブを含む。TIM1層204はマイクロプロセッサ110からIHS106に熱を伝達して離れさせる。この熱は、一実施形態において、z軸方向206に実質的に伝達されることが可能である。その熱を伝達するために、TIM1層204におけるカーボンナノチューブは熱伝達方向に熱伝導経路を作るように方向合わせがなされ、その熱伝達方向は、図示している実施形態においては、z軸方向206である。好ましい熱伝達方向に熱伝導経路を作るようにカーボンナノチューブを方向合わせすることにより、その方向206に沿ってサーマルインターフェース材料の層204の熱伝導度は改善される。改善されたサーマルインターフェース材料の層204の熱伝導度は約100W/mKより大きいことが可能であり、そのことにより、先行技術におけるサーマルインターフェース材料と比較して改善された熱伝達性能が与えられる。
【0010】
IHS106とヒートシンク102との間には第2サーマルインターフェース層“TIM2”)202がある。図2に示す実施形態においては、TIM2層202は又、1つ又はそれ以上の他の材料と組み合わされたカーボンナノチューブを有する。TIM2層202はIHS106からヒートシンク102に熱を伝達して離れさせる。この熱は、一実施形態において、z軸方向206に実質的に伝達されることが可能である。その熱を伝達するために、TIM2層202におけるカーボンナノチューブは熱伝達方向に熱伝導経路を作るように方向合わせがなされ、その熱伝達方向は、図示している実施形態においては、z軸方向206である。TIM1層204と同様に、所望の熱伝達方向における熱伝導経路を作るためにTIM2層202においてカーボンナノチューブを方向合わせすることは、その方向206に沿って改善されるサーマルインターフェース材料の層202の熱伝導度を改善することが可能である。TIM1層204と同様に、カーボンナノチューブと方向合わせされた改善されたサーマルインターフェース材料の層202の熱伝導度は約100W/mKより大きいことが可能であり、そのことにより、改善された熱伝達性能が与えられる。
【0011】
図2についての上記の説明から理解できるように、マイクロプロセッサダイ110は熱源であることが可能である。第1の改善されたサーマルインターフェース材料層204は、IHS106の方に実質的にz軸206に沿ってマイクロプロセッサダイ110により発生された熱を伝達することが可能である。IHS106は、熱源、即ち、マイクロプロセッサダイ110から離れるように伝導される熱を受けるための受熱部であることが可能である。熱は、それ故、第2の改善されたサーマルインターフェース材料層202を介してIHS106からヒートシンク202に実質的にz軸に沿って移動し、それにより、熱は、マイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリ200から離れるように、周囲の環境の方に伝達される。TIM2層202を用いる場合、IHS106は熱源として作用することが可能であり、ヒートシンク102は受熱部として作用することが可能である。熱伝達方向において、この場合、z軸206に沿って、熱伝導経路を作るようにサーマルインターフェース材料層202、204においてカーボンナノチューブを方向合わせすることにより、約100W/mKより大きい改善された熱伝導度を得ることが可能である。
【0012】
図2のマイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリ200について、方向合わせされたカーボンナノチューブを有するとしてサーマルインターフェース材料層202、204の両方と共に説明したが、これは必ずしも必要条件ではない。その層の熱伝導度を改善するためにサーマルインターフェース材料層202、204の一のみにおける熱伝達方向に方向合わせされたカーボンナノチューブを有するNTIMを用いることが可能である。マイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリ200以外のアプリケーションは又、サーマルインターフェース材料層の1つ又はそれ以上を使用することが可能である。そのようなアプリケーションは、ダイ110のような熱源と、ヒートシンク102のような受熱部又は熱除去部との間に、蒸気チャンバ、ヒートパイプ若しくは他の受熱部又は熱除去部を有する。そのようなアプリケーションにおいては、方向合わせされたカーボンナノチューブを有する改善されたサーマルインターフェース材料は、異なる種類の熱源から異なる種類の受熱部への改善された熱伝達のためのサーマルインターフェース材料として用いられることが可能である。
【0013】
図3aは、方向合わせがなされたカーボンナノチューブを有する改善されたサーマルインターフェース材料が実施形態においてどのように作製されるかを示すフロー図300である。カーボンナノチューブはアライメント材料と混合され302、その結果、混合材料が得られる。アライメント材料は、熱が伝達される方向に改善されたサーマルインターフェース材料内のカーボンナノチューブをアライメントすることを支援する。カーボンナノチューブ及びアライメント材料は又、1つ又はそれ以上の他の材料と混合される302ことが可能であり、その結果、混合材料が得られる。それらの他の材料は、マトリクス材料、フィラー材料又は他の材料であることが可能である。一実施形態においては、カーボンナノチューブは、混合材料を重量で約5%以上を有するが、一部の実施形態においては、混合材料を重量で約25%以上を有し、他の実施形態においては、更に多い量のカーボンナノチューブが用いられる。一般に、カーボンナノチューブの量が多くなればなる程、その結果として、熱伝導性が大きくなる。一部の実施形態においては、用いられるカーボンナノチューブは約10nmより大きい平均の長さを有する。他の実施形態においては、用いられるカーボンナノチューブは約100nmより大きい平均の長さを有する。一般に、一旦、カーボンナノチューブがアライメントされると、カーボンナノチューブの長さが長くなればなる程、その結果として、熱伝導経路はより良好になる。一部の実施形態においては、カーボンナノチューブは、NTIM材料に対する濡れ性及び/又は分散性を改善するために表面改質を伴って処理されることが可能である。
【0014】
カーボンナノチューブは、それ故、アライメントされる304。これは、アライメント材料をアライメントすることによりなされることが可能である。アライメント材料はアライメント可能構造を有する。アライメント材料においてアライメント可能構造がアライメントされるとき、そのアライメント可能構造は、カーボンナノチューブが又アライメントされるようにする。種々の実施形態においては、複数のアライメント材料が用いられ、アライメント材料がカーボンナノチューブをアライメントするようにする方法は、どのアライメント材料が用いられるかに基づいて異なる。アライメント材料を使用することにより、カーボンナノチューブのアライメントは容易になり、それにより、多くのアプリケーションに対して、典型的にはより安価でより実際的なカーボンナノチューブのアライメントを伴うサーマルインターフェース材料の形成が可能である。
【0015】
図3b及び3cは、アライメントの前(図3b)及び後(図3c)の両方のアライメント材料とカーボンナノチューブとを含む混合材料の実施形態の側面図である。図3b及び3cは、カーボンナノチューブをアライメントすることにより混合材料の熱伝導性がどのように改善されるかを示している。図3b及び3cに示す実施例においては、混合材料の下部から上部に、z軸206に沿って熱が伝導することは好ましい。他のアプリケーションにおいては、異なる方向に熱を伝導することが好ましいことがあり得、それ故、カーボンナノチューブは異なるようにアライメントされることが可能である。一般に、カーボンナノチューブ自体に沿って、混合材料を通って多くの熱伝導が起こる。熱が材料の一の側から他の側に移動することができるアライメントされたカーボンナノチューブにより作られた経路は熱伝導度の増加をもたらす。
【0016】
図3bは、アライメントされていないカーボンナノチューブ306を有するアライメントされていない混合材料308を示している。アライメントされていないカーボンナノチューブ306はアライメントされていない混合材料308内で実質的にランダムな方向を有する。熱がその材料の下部から上部にz軸206に沿って移動することが可能であるアライメントされていないカーボンナノチューブ306により形成される経路は殆ど存在しない。それ故、図3bのアライメントされていない混合材料308の熱伝導度は相対的に小さい。
【0017】
図3cは、図3aに従って、混合材料がアライメントされた304後のアライメントされた混合材料312の実施形態を示している。カーボンナノチューブは良好に熱を伝導する。上記のように、アライメント材料は、アライメント材料がアライメントされるにつれてカーボンナノチューブがアライメントされるようになる構造を有することが可能である。混合材料がアライメントされた後、アライメントされたカーボンナノチューブ310は、熱がアライメントされた混合材料312の下部から上部に移動することができる経路314、316、318を与える。
【0018】
混合材料をアライメントする304ことにより形成される経路の1つのタイプはまっすぐな経路314である。まっすぐな経路314においては、カーボンナノチューブ310はz軸206に沿って実質的に完全にアライメントされ、1つ又はそれ以上のカーボンナノチューブは、直接にアライメント材料312の下部からアライメント材料312の上部に実質的にまっすぐな経路314を形成するように接触している。このまっすぐな経路314は、熱が移動するために直接的な、壊されない、短い経路を与え、それにより、非常に高い熱伝導度が与えられる。
【0019】
混合材料をアライメントする304ことにより形成される他の種類の経路は屈曲した経路316である。カーボンナノチューブはz軸206に沿って完全にはアライメントされていないが、完全な屈曲経路316がアライメント材料312の下部からアライメント材料312bの上部に形成されるように接触している。屈曲経路316はまっすぐな経路程には短くなく、それ故、その熱伝導度は、まっすぐな経路に沿った場合程、高くない。しかしながら、このような屈曲経路316に沿った熱の流れはアライメントされたカーボンナノチューブ310により伝導されることが可能であり、それ故、そのような屈曲経路を伴う材料の熱伝導度は非常に高いものである。
【0020】
混合材料をアライメントする304ことにより形成される第3の種類の経路は、1つ又はそれ以上のギャップを有する屈曲経路318である。そのようなギャップを伴う屈曲経路318においては、熱は、アライメントされた材料312の下部表面からアライメントされた材料の上部表面に全体に亘って移動することは可能ではない。しかしながら、アライメントされた材料312におけるそのようなギャップを伴う屈曲経路318におけるギャップ320はアライメントされていない材料308において存在するギャップより小さく、それ故、そのようなギャップを伴う屈曲経路318を有する材料の熱伝導度は、それでもアライメントされていない材料308より大きい。ギャップを伴うまっすぐな経路は又、混合材料のアライメント304の後に現れ得る。より長いカーボンナノチューブは、アライメントされた材料の全体に亘って到達するように必要とされるカーボンナノチューブの数を少なくし、それ故、より長いカーボンナノチューブはカーボンナノチューブ間のギャップ数を減少させ、アライメントされた材料312の熱伝導度を増加させることが可能である。
【0021】
図4は、実施形態に従って、クレイがアライメント材料として用いられるとき、アライメントされたカーボンナノチューブを有するサーマルインターフェース材料がどのように作製されるかを示すフロー図400である。クレイは、改善されたサーマルインターフェース材料の形で用いるために調整される402。一部の実施形態においては、用いられるクレイは、タクトイド(tactoid)と呼ばれる領域にトランプのように共に密接に積層される個々の小板状粒子の凝集であることが可能である。一実施形態においては、クレイの個々の小板状粒子の典型的な厚さは約2nmであり、その典型的な直径は約10nm乃至3000nmの範囲内にある。クレイは、クレイの小板の直径がカーボンナノチューブの長さのオーダーであるように選択されることが可能である。本発明の一部の実施形態において用いられるクレイは、クレイ材料のグラム当たり約0.3乃至約3.0ミリ当量(meq/g)の範囲内の陽イオン交換能力を有する肥大化可能な自由に移動する粒子である。一部の実施形態は、約0.90meq/g乃至約1.5meq/gの範囲内の陽イオン交換能力を有する肥大化可能な自由に移動する粒子であるクレイを用いる。
【0022】
一部の実施形態においては、クレイの調整402は、肥大化可能な層状クレイが1つ又はそれ以上の有機陽イオンと反応するようにすることにより達成されることが可能であり、一部の実施形態においては、部分的な又は完全な陽イオン交換をもたらすように、その有機陽イオンはアンモニウム化合物である。これを達成するために多くの方法を用いることが可能である。
【0023】
図5は、一実施形態に従って、クレイ材料がどのように調整される402かを詳細に示すフロー図500である。クレイは、約50℃乃至約80℃の温度範囲内の温水中に分散されている。単独の若しくは水又はアルコール中に溶解された有機陽イオンの塩が、次いで、クレイに添加される。その塩及びクレイは、次いで、クレイの層の間のギャラリー内に存在する金属陽イオンの殆どを有機陽イオンが交換するに十分な時間の期間の間に混合される。これは、クレイが、高分子のような特定のマトリクス材料とより適合するようにし、そのポリマーとクレイを混合させる。陽イオン交換に代えて、適合性を増大させるために他の方法を用いることが可能である。クレイは、次いで、分離される508が、それは、濾過、遠心分離、噴霧乾燥及び他の方法又はそれらの方法の組み合わせにより達成される。このとき、クレイの粒径が、磨砕、研磨、粉砕、ハンマーミリング、ジェットミリング、他の方法又はそれらの方法の組み合わせにより、典型的には、平均の大きさが100μm以下になるようにされる。任意に、クレイに関して更なる処理がなされることが可能である。それらの処理は、クレイが混合されるNTIM材料の剥離を支援する処理であって、クレイが混合されるNTIM材料のポリアミドクレイ界面の強度を改善する、処理及び/又は他の処理を含むことが可能である。そのような処理の他の実施例は、水可溶性又は水不溶性ポリマー、有機試薬、モノマー、シラン化合物、金属、有機金属類及び/又は他の適切な材料又は化合物を用いるインターカレーションである。
【0024】
図4を参照するに、カーボンナノチューブは、それ故、調整されたクレイと混合される404ことが可能である。1つ又はそれ以上の材料は又、クレイ及びカーボンナノチューブと混合される404ことが可能である。それらが混合されるカーボンナノチューブ及び他の材料は、その結果、混合された材料の状態として得られる。本発明の一実施形態においては、クレイはその混合された材料を重量で約25%以下有する。他の実施形態においては、クレイはその混合された材料を重量で約5%以下有する、第3の実施形態においては、クレイはその混合された材料を重量で約2%以下有する。十分なクレイが、クレイ材料がアライメントされるとき、カーボンナノチューブをアライメントするために十分な小板構造及びタクトイド構造を与えるように用いられることが可能である。改善されたサーマルインターフェース材料内に用いられるクレイとしては、例えば、自然のクレイ、合成クレイ、変性された層状ケイ酸塩、サポナイト、雲母、バーミキュライト、ベントナイト、ノントロナイト、バイデライト、ボルコンスコアイト、マガディアイト、ケニエート等のスメクタイトクレイがある。合成クレイとしては、合成雲母、合成サポナイト、合成ヘクトライト等がある。変性された層状ケイ酸塩のクレイとしては、フッ素化モンモリロナイト、フッ素化雲母等がある。
【0025】
一部の実施形態においては、広範なマトリクス材料の1つ又はそれ以上が、一部の実施形態において混合された材料を形成するために調整されたクレイ及びカーボンナノチューブと混合される404ことが可能である。例えば、マトリクス材料は、良好な濡れ性及び/又はカーボンナノチューブとの界面における小さい界面抵抗について選択されることが可能である。それらのマトリクス材料としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びオレフィン樹脂等のポリマー、例えば、インジウム、すず及びそれらの合金等のはんだ等のはんだ、ポリマー及びはんだの混合物又は他のマトリクス材料がある。オレフィン樹脂は、その良好な濡れ性とカーボンナノチューブとの間の小さい界面抵抗とを有するために有用である。本発明の一部の実施形態において用いられることが可能であるオレフィン樹脂の一部の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン及びパラフィンワックスがある。他のマトリクス材料は又、付加的な所望の特性を与えるために用いられることが可能である。
【0026】
熱伝導性材料又は他のフィラー材料は又、一部の実施形態において、カーボンナノチューブと混合されることが可能であり、混合された材料を形成するための調整されたクレイであることが可能である。熱伝導性フィラーは、ギャップを有するカーボンナノチューブの経路に沿った熱伝達を改善することにより、混合されたアライメントされた材料の熱伝導性を改善するように支援することが可能である。熱伝導性フィラーはギャップ320の熱伝導性を改善することが可能である。一部の実施形態で用いられるそのようなフィラーとしては、例えば、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等のセラミックス、例えば、アルミニウム、銅、銀等の金属、インジウム等のはんだ及び他のフィラー材料がある。
【0027】
混合404の後、一実施形態において約20nm以下の高さ寸法を有する個々の小板粒子、小さいタクトイド及びタクトイドの小さい凝集としてクレイの殆どが存在するように、クレイは混合された材料中に分散されることが可能であり、このことは、クレイの殆どが、クレイが焼く2nmの厚さを有する実施形態において約15個以下の積層された小板を有する小板又はタクトイドとして存在することを意味する。一部の実施形態においては、非常に多くの量のクレイの個々の小板粒子及び少量のタクトイド又はタクトイドの凝集を有することが好ましい。
【0028】
混合された材料は、次いで、剪断力の影響下に置かれる406ことが可能である。剪断力は、例えば、小板、タクトイド及びタクトイドの凝集等のクレイ内の構造をアライメントする。それらがアライメントされるとき、小板、タクトイド及びタクトイドの凝集は、NTIMが熱伝導度を改善するように、カーボンナノチューブが又、アライメントされるようにする。混合された材料の成形、混合された材料の押し出し成形及び他の方法を含む多くの方法が、混合された材料が剪断されるようにするために用いられることが可能である。一部の実施形態においては、剪断されたNTIM材料は、次いで、所望のアプリケーションのために適切な選択された厚さのパッドに分割される408。それらのパッドは、次いで、熱を伝達するように広範な装置において用いられることが可能である。例えば、それらのパッドは、図2に関連して説明したTIM1層202及びTIM2層204として用いられることが可能である。アライメントされたカーボンナノチューブを有するパッドは、NTIMパッドがヒートシンク102が取り除かれ且つ置き換えられることを可能にし、ユーザが特別のはんだの知識を有することなく又は特別の装置を用いることなくヒートシンク102を取り付けることを可能にするために、TIM2層202として用いられることが可能である。それ故、NTIM材料はTIM2層202として用いるために適切であり、TIM2層104として現在用いられているシリコーングリースの熱伝導度より何倍も大きい熱伝導度を有する。
【0029】
本発明の一実施形態においては、10gのシリカクレイが調整された402。このクレイは、次いで、30gの単一壁カーボンナノチューブと60gのアルファオレフィン樹脂のマトリクス材料と80℃の温度で3時間、ダブルプラネタリミキサ内で混合された。この混合材料は、次いで、約1インチの直径を有するストランドの状態にその混合材料を押し出し成形することにより剪断力の影響下に置かれた406.このストランドは、次いで、約0.25mmの厚さを有するパッドに分割された。それらのパッドは、次いで、試験され、約100W/mKより大きい熱伝導度を有することが分かった。
【0030】
図6は、本発明の一実施形態に従って、図4の混合された材料がどのように剪断力の影響下に置かれ406、パッドに分割されるかを示す側面図である。混合されたアライメントされていない材料602は押出成形器604内に入れられる。押出成形器604は、次いで、アライメントされた材料のストランドを押し出し成形する606。他の実施形態においては、混合されていない材料が押出成形器604に入れられ、その材料の混合602及び押し出し成形604の両方がなされる。ストランドは、押し出し成形処理がその材料に剪断力を適用するためにされる。この剪断力はアライメント可能なクレイの構造をアライメントし、ここで、そのクレイは、小板、タクトイド、タクトイドの凝集である。それらのアライメント可能構造のアライメントは又、カーボンナノチューブのアライメントをもたらす。図6に示すように、アライメントされる材料606のアライメントはz軸206に沿っている。更に使用可能な形にアライメントされた材料にするために、押し出し成形されたストランドはチョッパ608に入れられ、そのチョッパは、所望のアプリケーションにおいて用いるために適切な選択された高さのアライメントパッド610にそのストランドを切断する。“高さ”はz軸206に沿ったものであり、それ故、この場合の“高さ”は図6において左から右に測定される。それらのパッドは、次いで、例えば、図2のTIM1層204及び/又はTIM層202の両方の一として又は他のアプリケーションにおいて用いられることが可能である。
【0031】
図7は、液晶樹脂がアライメント材料として用いられるとき、本発明の実施形態に従って、アライメントされたカーボンナノチューブを有する改善されたサーマルインターフェース材料がどのように製造されるかを示すフロー図である。カーボンナノチューブは液晶樹脂と混合される702。本発明の一実施形態においては、液晶樹脂は混合された材料を重量で約20%以上有し、混合された材料はカーボンナノチューブと液晶樹脂とを有することが可能である。他の実施形態においては、液晶樹脂は混合された材料の重要の約15%又はそれ以上である。液晶樹脂はアライメント可能構造を有する。ロッド状の液晶樹脂を含む多くの異なる液晶樹脂を用いることが可能であり、ここで、そのロッドはアライメント可能構造である。一部の実施形態においては、200℃以下の融点を有する液晶樹脂は溶剤に可溶性である及び/又は希釈剤が用いられる。更に、液晶樹脂は、混合される液晶樹脂を硬化させるために、例えば、エポキシ基、ビニル基、ヒドロキシル基等の重合単位と共に官能基化されることが可能である。
【0032】
一部の実施形態においては、1つ又はそれ以上のマトリクス材料が、カーボンナノチューブ及び液晶樹脂と混合され、その結果、混合された材料が得られることが可能である。そのような他のマトリクス材料は、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂及びオレフィン樹脂等のポリマー、例えば、インジウム、すず、それらの合金等のはんだ、ポリマー及びはんだの混合物又は他のマトリクス材料の1つ又はそれ以上を含むことが可能である。他のマトリクス材料が又、付加的な所望の特性を与えるように用いられることが可能である。
【0033】
熱伝導性材料又は他のフィラー材料は、一部の実施形態において混合された材料を結果的に得るように、カーボンナノチューブ及び液晶樹脂と混合される702ことが可能である。熱伝導性フィラーは、ギャップを有するカーボンナノチューブの経路に沿った熱伝達を改善することにより混合されたアライメントされた材料の熱伝導度を改善するように支援することが可能である。熱伝導性フィラーは、ギャップ320の熱伝導度を改善することが可能である。一部の実施形態で用いられるそのようなフィラーとしては、例えば、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等のセラミックス、例えば、アルミニウム、銅、銀等の金属、インジウム等のはんだ及び他のフィラー材料がある。他の処理は又、混合される材料に関して実行されることが可能である。
【0034】
混合された材料は、次いで、例えば、マイラー又は他のフィルム若しくは剥離ライナー等のフィルム上に層状に形成される704。このフィルムは混合された材料を支持し、混合された材料の操作及び処理を容易にする。このような層状の形成704は、フィルム上への混合材料の一体成形、フィルム上への混合材料の印刷又は他の方法により実行されることが可能である。第2フィルム又は剥離ライナーは、そのとき、その混合された材料の両側がフィルムで覆われるように、混合された材料において層形成されることが可能である。溶剤又は希釈剤を混合された材料と混合する702は、そのフィルムにおけるその材料の層形成を容易にする。
【0035】
混合された材料は、次いで、場の影響下に置かれる。場は液晶樹脂をアライメントする。複数の実施形態においては、磁場、電場、電磁場又は他の場が液晶樹脂をアライメントするために用いられることが可能である。液晶樹脂におけるロッド状構造のようなアライメント可能構造は又、カーボンナノチューブが改善された熱伝導度を有するNTIMを得るようにアライメントされるようになるようにする。場の方向は、カーボンナノチューブが所望の方向にアライメントされるように選択される。場は又、カーボンナノチューブのアライメントを支援するようにカーボンナノチューブに直接、作用する。しかしながら、液晶樹脂のアライメント材料を含むことにより、アライメント材料を用いることなく場によりカーボンナノチューブを直接アライメントするように試みがなされる場合に比べて、カーボンナノチューブのアライメントをもたらすように用いられる場強度はかなり小さいものとなることが可能である。混合された材料と溶剤又は希釈剤を混合する702ことによりその材料のアライメントが容易になることが可能である。クレイがアライメント材料である実施形態に関連して上記した、押し出し成形により適用される剪断力のような剪断力は又、場に代えて又は場に加えて、液晶樹脂がアライメント材料である場合に混合された材料をアライメントするように用いられることが可能である。
【0036】
任意に、混合され且つアライメントされた材料は硬化される708ことが可能である。一部の実施形態においては、硬化708はカーボンナノチューブのアライメントの後になされ、他の実施形態においては、硬化708はカーボンナノチューブのアライメント中になされ、又は、混合された材料は磁場の影響下に置かれる706。混合された材料の硬化は、後者の処理中にカーボンナノチューブをアライメントされるように保つことが可能である。
【0037】
NTIM材料は、次いで、使用するためにパッドの状態に分割される。典型的には、図2に示す実施例において、TIM2層202がIHS106に適用されるときのような、パッドがサーマルインターフェース材料として適用されるとき、フィルムは取り除かれる。そのようなパッドは、次いで、熱を伝達するために広範な装置において用いられることが可能である。例えば、パッドは、図2に関連して上記したTIM層202及びTIM2層204として用いられることが可能である。アライメントされたカーボンナノチューブを有するパッドは、NTIMパッドがヒートシンク102が取り除かれる及び置き換えられるようにされるため、TIM2層202として用いられることが可能である。それ故、NTIM材料はTIM2層202として用いるために適切であり、TIM2層104として現在用いられているシリコーングリース材料の熱伝導度より何倍も大きい熱伝導度を有する。本発明の一実施形態においては、59℃の軟化点を有するアルファオレフィン樹脂30g、単一壁カーボンナノチューブ30g、2,2´ジメチルスチルベン(Tm=83℃)40g及びトルエン100gが、約80℃まで加熱されたプラネタリミキサに入れられて混ぜられ702、1時間の間、50rpmで混合された。そのミキサは、そのとき、約80℃において3本ロールミルを2回、通される。混合された材料は、次いで、一体成形により40μmの厚さのマイラーフィルムに層状にされる704。その混合された材料を有するフィルムは、次いで、カーボンナノチューブの所望のアライメント方向を与えるように約30分間、約0.3Tの磁場の影響下に置かれた706。混合された材料を有するフィルムは、次いで、磁場の影響下に置かれた706まま、約100℃で乾燥されることにより硬化される708。フィルムはパッドから取り除かれ712、そのパッドは、次いで、試験され、約100W/mKの熱伝導度を有することが分かった。
【0038】
図8a及び8bは、本発明の一実施形態に従って、図7の混合された材料がどのようにフィルム上に層形成され704、次いで、場の影響下に置かれるかを示す側面図である。図8aに示すように、混合されたアライメントされていない材料808は、押し出し成形器802によりフィルム804上に層形成される704。混合された材料808の厚さは、アライメントされる材料が供されるアプリケーションに対して適切であるように選択されることが可能である。この実施例においては、カーボンナノチューブがアライメントされる方向のz軸206は、フィルム804の面に対して実質的に垂直である。フィルム804上に混合された材料808は、次いで、図8bに示すように、場の影響下に置かれる。この場810は。混合された材料808における液晶樹脂をアライメントし、その混合された材料は又、カーボンナノチューブがアライメントされるようにするようにする。
【0039】
本発明の実施形態の上記の記載は、例示及び説明のためになされたものである。開示されたまさにその内容に本発明を限定すること又はその内容が本発明を網羅していることを意図するものではない。当業者は、多くの修正及び変形が上記の教示に照らして可能であることを理解することができるであろう。当業者は、図に示している種々の構成要素についての種々の同等の組み合わせ、位置関係及び置換が可能であることを認識するであろう。それ故、本発明の範囲は上記の詳細説明に限定されるものではなく、同時提出の特許請求の範囲により規定されることが意図されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】サーマルインターフェース材料の層がマイクロプロセッサダイからヒートシンクにどのように熱を伝導させて離れさせるかについて示すマイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリの側面図である。
【図2】本発明に従った改善されたサーマルインターフェース材料の層を有するマイクロプロセッサ及びヒートシンクアセンブリの側面図である。
【図3a】アライメントされたカーボンナノチューブを有する改善されたサーマルインターフェース材料がどのように製造されるかを示すフロー図である。
【図3b】アライメント前のカーボンナノチューブ及びアライメント材料の側面図である。
【図3c】アライメント後のカーボンナノチューブ及びアライメント材料の側面図である。
【図4】クレイがアライメント材料として用いられるとき、本発明の実施形態に従ってアライメントされたカーボンナノチューブを有する改善されたサーマルインターフェース材料がどのように製造されるかを示すフロー図である。
【図5】一実施形態に従ってクレイ材料がどのように調整されるかを詳細に示すフロー図である。
【図6】本発明の一実施形態に従って、図4の混合された材料がどのように剪断力の影響下に置かれ、パッドに分割されるかを示す側面図である。
【図7】液晶樹脂がアライメント材料として用いられるとき、本発明の実施形態に従ってアライメントされたカーボンナノチューブを有する改善されたサーマルインターフェース材料がどのように製造されるかを示すフロー図である。
【図8a】本発明の実施形態に従って、図7の混合された材料がどのように層形成され、次いで、場の影響下に置かれるかを示す側面図である。
【図8b】本発明の実施形態に従って、図7の混合された材料がどのように層形成され、次いで、場の影響下に置かれるかを示す側面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合された材料を得るように少なくともカーボンナノチューブとアライメント材料とを混合させる段階;及び
前記アライメント材料を前記カーボンナノチューブとアライメントするようにする段階;
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記アライメント材料を前記カーボンナノチューブとアライメントするようにする段階は、前記混合された材料に剪断力を適用する手順を有する、ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記アライメント材料を前記カーボンナノチューブとアライメントするようにする段階は、前記混合された材料に場を適用する手順を有する、ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記場は、電場、磁場又は電磁場の少なくとも1つを有する、ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、得られる前記混合された材料はカーボンナノチューブを重量で5%以上有する、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記混合された材料を得るように前記カーボンナノチューブ及びアライメント材料とマトリクス材料を混合させる段階を更に有する、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記マトリクス材料は、シリコーンポリマー、エポキシポリマー、オレフィンポリマー、インジウムはんだ又はすずはんだの少なくとも1つを有する、ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記混合された材料を得るように前記カーボンナノチューブ及びアライメント材料とフィラーマトリクスを混合させる段階を更に有する、ことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記フィラー材料は、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミニウム、銅、銀又はインジウムはんだの少なくとも1つを有する熱伝導材料である、ことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記アライメント材料はクレイ材料である、ことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記クレイ材料を調整する段階であって:
約50℃乃至約80℃の範囲内の温度を有する温水中に前記クレイ材料を分散させる手順;
前記のオン水中に分散されたクレイ材料に陽イオンの塩を加える手順;
前記陽イオンの塩とクレイを混ぜる手順;
前記クレイを分離する段階;並びに
約100μmより小さい平均サイズまでクレイの粒子サイズを小さくする手順;
を有する、段階を有する、ことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって:
前記混合された材料を得るように前記カーボンナノチューブ及び前記調整されたクレイとアルファオレフィン樹脂マトリクスを混合させる段階であって、前記混合された材料は、カーボンナノチューブを重量で約30%と、調整されたクレイを重量で約10%と、アルファオレフィン樹脂マトリクスを重量で約60%を有する、段階であって、前記調整されたクレイのアライメント材料が前記カーボンナノチューブをアライメントするようにする段階は前記混合された材料を押し出し成形する手順を有する、段階;並びに
前記の押し出し成形された混合された材料を選択されたサイズのパッドに分割する段階;
を有することを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法であって、前記クレイ材料は、クレイ材料のグラム当たり約0.3乃至約3.0ミリ当量の範囲内の陽イオン交換能力を有する肥大化可能な自由に移動する粒子を有する、ことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法であって、前記クレイ材料は、約2nmより小さい平均厚さ及び約10nm乃至約3000nmの範囲内の平均直径を有する小板粒子から構成される、ことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、前記アライメント材料は液晶樹脂材料である、ことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって:
前記混合された材料はフィルムにおいて層形成される段階;及び
前記アライメント材料を前記カーボンナノチューブとアライメントするようにする段階の後、前記混合された材料を硬化させる段階;
を更に有する、ことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって:
混合された材料を得るように少なくともカーボンナノチューブとアライメント材料とを混合させる段階は、アルファオレフィン樹脂、カーボンナノチューブ、ジメチルスチルベン及びトルエンを混合させる手順であって、前記の混合された材料は、アルファオレフィン樹脂を重量で約15%と、カーボンナノチューブを重量で約15%と、ジメチルスチルベンを重量で約20%と、トルエンを重量で約50%とを有する、手順を有し;
並びに
混合された材料を得るように少なくともカーボンナノチューブとアライメント材料とを混合させる段階は、前記の層形成された混合された材料に約0.3Tの磁場を印加する手順を有する;
ことを特徴とする方法。
【請求項18】
熱源;
該熱源から熱を受けるための受熱部;及び
前記熱源から前記受熱部に熱を伝達するためのナノコンポジットサーマルインターフェース材料であって、
アライメントされたカーボンナノチューブと、
前記カーボンナノチューブをアライメントするために、アライメント可能構造がアライメントされるときにアライメント可能構造を有するアライメント材料と、
を有する、ナノコンポジットサーマルインターフェース材料;
を有することを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置であって、前記アライメント可能構造は小板、タクトイド及びタクトイドの凝集を有し、前記ナノコンポジットサーマルインターフェース材料はポリマーマトリクス材料を更に有する、ことを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項18に記載の装置であって、前記アライメント材料は液晶樹脂を有する、ことを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項18に記載の装置であって、前記熱源はマイクロプロセッサダイを有し、前記受熱部は集積されたヒートシンクを有する、ことを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置であって:
熱除去部;並びに
前記集積されたヒートシンクから前記熱除去部に熱を伝達するための第2ナノコンポジットサーマルインターフェース材料であって、
アライメントされたカーボンナノチューブと、
前記カーボンナノチューブをアライメントするために、アライメント可能構造がアライメントされるときにアライメント可能構造を有するアライメント材料と、
を有する、第2ナノコンポジットサーマルインターフェース材料;
を有することを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項18に記載の装置であって、前記熱源は集積されたヒートシンクを有し、前記受熱部は熱除去部を有する、ことを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項23に記載の装置であって、前記受熱部はヒートシンク、蒸気チャンバ又はヒートパイプの少なくとも1つ有する、ことを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項18に記載の装置であって、前記熱源はマイクロプロセッサダイを有し、前記受熱部は熱除去部を有する、ことを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項25に記載の装置であって、前記熱除去部はヒートシンク、蒸気チャンバ又はヒートパイプの少なくとも1つ有する、ことを特徴とする装置。
【請求項27】
請求項18に記載の装置であって、前記熱源は集積回路を有する、ことを特徴とする装置。
【請求項28】
アライメントされたカーボンナノチューブ;及び
前記カーボンナノチューブをアライメントするために、アライメント可能構造がアライメントされるときにアライメント可能構造を有するアライメント材料;
を有することを特徴とするサーマルインターフェース材料。
【請求項29】
請求項28に記載のサーマルインターフェース材料であって、前記ナノコンポジットサーマルインターフェース材料はカーボンナノチューブを重量で5%以上含む、ことを特徴とするサーマルインターフェース材料。
【請求項30】
請求項29に記載のサーマルインターフェース材料であって、前記ナノコンポジットサーマルインターフェース材料はカーボンナノチューブを重量で約25%以下含む、ことを特徴とするサーマルインターフェース材料。
【請求項31】
請求項28に記載のサーマルインターフェース材料であって、前記カーボンナノチューブは約10nm以上の平均の長さを有する、ことを特徴とするサーマルインターフェース材料。
【請求項32】
請求項28に記載のサーマルインターフェース材料であって、前記カーボンナノチューブは約100nm以上の平均の長さを有する、ことを特徴とするサーマルインターフェース材料。
【請求項33】
請求項28に記載のサーマルインターフェース材料であって、前記アライメント材料はアライメント可能小板構造を有するクレイ材料を有し、前記サーマルインターフェース材料はマトリクス材料を更に有する、ことを特徴とするサーマルインターフェース材料。
【請求項34】
請求項33に記載のサーマルインターフェース材料であって、前記クレイ材料は前記サーマルインターフェース材料を重量で25%以下有する、ことを特徴とするサーマルインターフェース材料。
【請求項35】
請求項34に記載のサーマルインターフェース材料であって、前記ナノコンポジットサーマルインターフェース材料を重量で5%以下有する、ことを特徴とするサーマルインターフェース材料。
【請求項36】
請求項28に記載のサーマルインターフェース材料であって、前記アライメント材料は液晶樹脂材料を有する、ことを特徴とするサーマルインターフェース材料。
【請求項1】
混合された材料を得るように少なくともカーボンナノチューブとアライメント材料とを混合させる段階;及び
前記アライメント材料を前記カーボンナノチューブとアライメントするようにする段階;
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記アライメント材料を前記カーボンナノチューブとアライメントするようにする段階は、前記混合された材料に剪断力を適用する手順を有する、ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記アライメント材料を前記カーボンナノチューブとアライメントするようにする段階は、前記混合された材料に場を適用する手順を有する、ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記場は、電場、磁場又は電磁場の少なくとも1つを有する、ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、得られる前記混合された材料はカーボンナノチューブを重量で5%以上有する、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記混合された材料を得るように前記カーボンナノチューブ及びアライメント材料とマトリクス材料を混合させる段階を更に有する、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記マトリクス材料は、シリコーンポリマー、エポキシポリマー、オレフィンポリマー、インジウムはんだ又はすずはんだの少なくとも1つを有する、ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記混合された材料を得るように前記カーボンナノチューブ及びアライメント材料とフィラーマトリクスを混合させる段階を更に有する、ことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記フィラー材料は、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミニウム、銅、銀又はインジウムはんだの少なくとも1つを有する熱伝導材料である、ことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記アライメント材料はクレイ材料である、ことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記クレイ材料を調整する段階であって:
約50℃乃至約80℃の範囲内の温度を有する温水中に前記クレイ材料を分散させる手順;
前記のオン水中に分散されたクレイ材料に陽イオンの塩を加える手順;
前記陽イオンの塩とクレイを混ぜる手順;
前記クレイを分離する段階;並びに
約100μmより小さい平均サイズまでクレイの粒子サイズを小さくする手順;
を有する、段階を有する、ことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって:
前記混合された材料を得るように前記カーボンナノチューブ及び前記調整されたクレイとアルファオレフィン樹脂マトリクスを混合させる段階であって、前記混合された材料は、カーボンナノチューブを重量で約30%と、調整されたクレイを重量で約10%と、アルファオレフィン樹脂マトリクスを重量で約60%を有する、段階であって、前記調整されたクレイのアライメント材料が前記カーボンナノチューブをアライメントするようにする段階は前記混合された材料を押し出し成形する手順を有する、段階;並びに
前記の押し出し成形された混合された材料を選択されたサイズのパッドに分割する段階;
を有することを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法であって、前記クレイ材料は、クレイ材料のグラム当たり約0.3乃至約3.0ミリ当量の範囲内の陽イオン交換能力を有する肥大化可能な自由に移動する粒子を有する、ことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法であって、前記クレイ材料は、約2nmより小さい平均厚さ及び約10nm乃至約3000nmの範囲内の平均直径を有する小板粒子から構成される、ことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、前記アライメント材料は液晶樹脂材料である、ことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって:
前記混合された材料はフィルムにおいて層形成される段階;及び
前記アライメント材料を前記カーボンナノチューブとアライメントするようにする段階の後、前記混合された材料を硬化させる段階;
を更に有する、ことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって:
混合された材料を得るように少なくともカーボンナノチューブとアライメント材料とを混合させる段階は、アルファオレフィン樹脂、カーボンナノチューブ、ジメチルスチルベン及びトルエンを混合させる手順であって、前記の混合された材料は、アルファオレフィン樹脂を重量で約15%と、カーボンナノチューブを重量で約15%と、ジメチルスチルベンを重量で約20%と、トルエンを重量で約50%とを有する、手順を有し;
並びに
混合された材料を得るように少なくともカーボンナノチューブとアライメント材料とを混合させる段階は、前記の層形成された混合された材料に約0.3Tの磁場を印加する手順を有する;
ことを特徴とする方法。
【請求項18】
熱源;
該熱源から熱を受けるための受熱部;及び
前記熱源から前記受熱部に熱を伝達するためのナノコンポジットサーマルインターフェース材料であって、
アライメントされたカーボンナノチューブと、
前記カーボンナノチューブをアライメントするために、アライメント可能構造がアライメントされるときにアライメント可能構造を有するアライメント材料と、
を有する、ナノコンポジットサーマルインターフェース材料;
を有することを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置であって、前記アライメント可能構造は小板、タクトイド及びタクトイドの凝集を有し、前記ナノコンポジットサーマルインターフェース材料はポリマーマトリクス材料を更に有する、ことを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項18に記載の装置であって、前記アライメント材料は液晶樹脂を有する、ことを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項18に記載の装置であって、前記熱源はマイクロプロセッサダイを有し、前記受熱部は集積されたヒートシンクを有する、ことを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置であって:
熱除去部;並びに
前記集積されたヒートシンクから前記熱除去部に熱を伝達するための第2ナノコンポジットサーマルインターフェース材料であって、
アライメントされたカーボンナノチューブと、
前記カーボンナノチューブをアライメントするために、アライメント可能構造がアライメントされるときにアライメント可能構造を有するアライメント材料と、
を有する、第2ナノコンポジットサーマルインターフェース材料;
を有することを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項18に記載の装置であって、前記熱源は集積されたヒートシンクを有し、前記受熱部は熱除去部を有する、ことを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項23に記載の装置であって、前記受熱部はヒートシンク、蒸気チャンバ又はヒートパイプの少なくとも1つ有する、ことを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項18に記載の装置であって、前記熱源はマイクロプロセッサダイを有し、前記受熱部は熱除去部を有する、ことを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項25に記載の装置であって、前記熱除去部はヒートシンク、蒸気チャンバ又はヒートパイプの少なくとも1つ有する、ことを特徴とする装置。
【請求項27】
請求項18に記載の装置であって、前記熱源は集積回路を有する、ことを特徴とする装置。
【請求項28】
アライメントされたカーボンナノチューブ;及び
前記カーボンナノチューブをアライメントするために、アライメント可能構造がアライメントされるときにアライメント可能構造を有するアライメント材料;
を有することを特徴とするサーマルインターフェース材料。
【請求項29】
請求項28に記載のサーマルインターフェース材料であって、前記ナノコンポジットサーマルインターフェース材料はカーボンナノチューブを重量で5%以上含む、ことを特徴とするサーマルインターフェース材料。
【請求項30】
請求項29に記載のサーマルインターフェース材料であって、前記ナノコンポジットサーマルインターフェース材料はカーボンナノチューブを重量で約25%以下含む、ことを特徴とするサーマルインターフェース材料。
【請求項31】
請求項28に記載のサーマルインターフェース材料であって、前記カーボンナノチューブは約10nm以上の平均の長さを有する、ことを特徴とするサーマルインターフェース材料。
【請求項32】
請求項28に記載のサーマルインターフェース材料であって、前記カーボンナノチューブは約100nm以上の平均の長さを有する、ことを特徴とするサーマルインターフェース材料。
【請求項33】
請求項28に記載のサーマルインターフェース材料であって、前記アライメント材料はアライメント可能小板構造を有するクレイ材料を有し、前記サーマルインターフェース材料はマトリクス材料を更に有する、ことを特徴とするサーマルインターフェース材料。
【請求項34】
請求項33に記載のサーマルインターフェース材料であって、前記クレイ材料は前記サーマルインターフェース材料を重量で25%以下有する、ことを特徴とするサーマルインターフェース材料。
【請求項35】
請求項34に記載のサーマルインターフェース材料であって、前記ナノコンポジットサーマルインターフェース材料を重量で5%以下有する、ことを特徴とするサーマルインターフェース材料。
【請求項36】
請求項28に記載のサーマルインターフェース材料であって、前記アライメント材料は液晶樹脂材料を有する、ことを特徴とするサーマルインターフェース材料。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【公表番号】特表2007−506642(P2007−506642A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−528184(P2006−528184)
【出願日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/031314
【国際公開番号】WO2005/031864
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(593096712)インテル コーポレイション (931)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/031314
【国際公開番号】WO2005/031864
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(593096712)インテル コーポレイション (931)
【Fターム(参考)】
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