説明

アライメントシステム

【課題】第2サブシステムに対する第1サブシステムのアライメントを判定する改善されたシステム及び方法を提供することである。
【解決手段】装置100が、第1アンテナシステム102の、第1トランスミッタ108a及び第2トランスミッタ108bに電気的に連結したプロセッサ124を含む。第1トランスミッタ108a及び第2トランスミッタ108bが第1アンテナ104に連結される。プロセッサ124は第1トランスミッタ108a及び第2トランスミッタ108bに送信信号を送り、この送信号が第1アンテナ104により夫々放射ビーム116a及び116bとして送信される。放射ビーム116aは例えば第1周波数で送信され、放射ビーム116bは、受信用アンテナで受けた信号から2つの放射ビームを区別し得るよう、前記第1周波数とは異なる第2周波数で送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は第2サブシステムに対する第1サブシステムの整合判定用のシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既存のアライメントシステムやターゲットシステムは、ダスト、煙、霧、藪、布、及びその他形態のカバーで隠されたターゲットには適切にエンゲージできない。これらシステムの多くでは掩蔽物を貫通できないアイセーフレーザーを使用する。代替解決策ではレーザーに代えて位置トラッキングや方向センサを用いて2つのシステムのアライメントの成否を判定する。しかしながら、この方策には2つのシステム間の見通しラインが掩蔽されると動的検出が不能となる欠点があり、掩蔽された見通しラインの現実的エンゲージメントを、非現実的エンゲージメントを防止しつつ可能とするために、非常に正確且つ詳細な地形データが必要となる。地形データ上に正確に現れない、例えば岩、樹木、砂袋、車等は非現実的エンゲージメントを発生させる。高精度地形データ、システム方向、位置情報を使用する点は当該方策を複雑化する主要因子となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
第2サブシステムに対する第1サブシステムのアライメントを判定する改善型システム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明では、モノパルス方向探知法を使用して第2サブシステムに対する第1サブシステムのアライメントを判定する。第1サブシステムは、サム(sum)ビーム及びデルタビームと各称する2つのアンテナビームを発生する送信アンテナを用いる。サムビームは第1サブシステムの方向軸(例えば、兵器配向軸)の軸に沿って調心した一様の広幅ビームである。デルタビームは、やはり一様の広幅ビームであるが、第1サブシステムの方向軸の軸方向に沿って調心したヌルを持つ。第2サブシステムは、送信された各アンテナビームを単一の広幅アンテナビームを用いて検出する。第2サブシステムに対する第1サブシステムの方向は、受信したサム及びデルタの各ビームの振幅を比較して判定する。第1サブシステムはサム及びデルタの各ビーム上の異なるチャネルを使用して送信する。2つのチャネルを使用することで第2サブシステムは各チャネルを検出し得、受信したサム及びデルタの各ビームの振幅を比較し得る。
【0005】
本発明の他の様相によれば、第2サブシステムに対する第1サブシステムのアライメントを判定するシステムが提供される。当該システムは、第1周波数のデルタパターン放射ビームと第2周波数のサムパターン放射ビームとを同時送信する第1アンテナシステムを含む。本システムは第1周波数のデルタパターン放射ビームと第2周波数のサムパターン放射ビームとを受信する第2アンテナシステムをも含む。本システムは、第1アンテナシステム及び第2アンテナシステム間の所定のアライメント基準の合否を判定するための、受信した第1周波数のデルタパターン放射ビームと第2周波数のサムパターン放射ビームとを処理するプロセッサをも含む。
【0006】
ある実施例では第1アンテナシステムは4線式ヘリックスアンテナを含み、当該アンテナが第1周波数のデルタパターン放射ビーム及び第2周波数のサムパターン放射ビームの双方を送信する。ある実施例では第1アンテナシステムは、多線式平面アンテナシステム、コニカルスパイラルアンテナシステム、マルチラジアルストリップアンテナシステム、マルチラジアルスロットアンテナシステム、スロット式平面アンテナシステム、またはアレーアンテナシステムである。
【0007】
ある実施例では、サムパターン放射ビームのピークは、第1アンテナシステムに連結した第1サブシステムの所望の方向軸に沿って調心される。ある実施例ではデルタパターン放射ビームのヌルは、第1アンテナシステムに連結した第1サブシステムの所望の方向軸に沿って調心される。
ある実施例では、プロセッサは、受信した第1周波数のデルタパターン放射ビーム及び第2周波数のサムパターン放射ビームの振幅から、所定のアライメント基準の合否を判定する。ある実施例では、第1アンテナシステムは送信手段に連結され、第2アンテナシステムは受信手段に連結される。送信手段は火器であり得、受信手段はユーザーであり得る。
ある実施例では、同じ偏光を有する直線偏光ビームを第1アンテナシステムが送信し、第2アンテナシステムが受信する。ある実施例では第1アンテナシステムが円形偏光ビームを送信し、第2サブシステムが直線または円形偏光ビームを受信する。
【0008】
本発明の他の様相によれば、第2サブシステムに対する第1サブシステムのアラインメント判定方法が提供される。本方法には、第1周波数のデルタパターン放射ビームを第1アンテナシステムを用いて、また、第2周波数のサムパターン放射ビームを第2アンテナシステムを用いて同時に送信することが含まれる。本方法には、第1周波数のデルタパターン放射ビームと、第2周波数のサムパターン放射ビームとを第2アンテナシステムを用いて受信することも含まれる。本方法には、受信した第1周波数のデルタパターン放射ビームと第2周波数のサムパターン放射ビームとを処理し、第1アンテナシステム及び第2アンテナシステム間の所定のアライメント基準の合否を判定することも含まれる。
【0009】
ある実施例では、第1アンテナシステムに連結した第1サブシステムの所望の方向軸に沿ってサムパターン放射ビームピークが調心される。ある実施例では、デルタパターン放射ビームのヌルが、第1アンテナシステムに連結した第1サブシステムの所望の方向軸に沿って調心される。ある実施例では第2アンテナシステムが、第1アンテナシステムの方向に向けた無指向性または広幅ビームアンテナである。
ある方法実施例には、受信した第1周波数のデルタパターン放射ビーム及び第2周波数のサムパターン放射ビームの相対振幅から、所定のアライメント基準の合否を判定することが含まれる。ある方法実施例では、受信した第1周波数のサムパターン放射ビームの振幅が、受信したデルタパターン放射ビームの振幅よりも所定閾値において大きい場合に前記所定のアライメント基準が満たされていると判定する。
ある方法実施例には、第1アンテナシステムに連結した送信手段から、第1周波数のデルタパターン放射ビームと第2周波数のサムパターン放射ビームとを送信すること及び、受信手段に連結した第2アンテナシステム位置でデルタパターン放射ビームとサムパターン放射ビームとを受信することが含まれる。
【発明の効果】
【0010】
第2サブシステムに対する第1サブシステムのアライメント判定用の改善されたシステム及び方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第2サブシステムに対する第1サブシステムのアライメント判定装置の略図である。
【図2】第2サブシステムに対する第1サブシステムのアライメント判定装置の1実施例の略図である。
【図3】第2サブシステムに対する第1サブシステムのアライメント判定に使用するアンテナ実施例の略図である。
【図4】第2サブシステムに対する第1サブシステムのアライメント判定装置の、デルタパターン放射ビーム及びサムパターン放射ビーム用のアンテナ放射信号例を表示したグラフである。
【図5】第2サブシステムに対する第1サブシステムのアライメント判定方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は第2サブシステムに対する第1サブシステムのアライメント判定装置100の略例示図である。装置100は第1アンテナシステム102及び第2アンテナシステム106を含む。装置100は、第1アンテナシステム102の、第1トランスミッタ108a及び第2トランスミッタ108b(全体を番号108で示す)に電気的に連結したプロセッサ124を含む。プロセッサ124は例えば無線送信プロセッサまたはその他の、アンテナシステムで用いられる好適なコンピュータプロセッサであり得る。第1トランスミッタ108a及び第2トランスミッタ108bは第1アンテナ104に連結される。プロセッサ124は第1トランスミッタ108a及び第2トランスミッタ108bに送信信号を送り、この送信号が第1アンテナ104により夫々放射ビーム116a及び116b(全体を番号116で表す)として送信される。ある実施例では放射ビーム116aは第1周波数で送信され、放射ビーム116bは、受信用アンテナで受けた信号から2つの放射ビームを区別し得るよう、前記第1周波数とは異なる第2周波数で送信される。
【0013】
放射ビーム116aと116b(例えば、夫々デルタパターン放射ビームとサムパターン放射ビーム)とは、第2アンテナシステム106に対する第1アンテナシステム102のアライメントを判定するために、例えば第2アンテナシステム106に差し向けられる。第2アンテナシステム106の第2アンテナ144が放射ビーム116a及び116bを受ける。第2アンテナシステム106の第1レシーバ152a及び第2レシーバ152b(全体を152で表す)が、第1アンテナ104からの放射ビーム116a及び116bを夫々受ける。第1レシーバ152a及び第2レシーバ152bは受けた信号をプロセッサ156に差し向ける。
【0014】
1実施例ではプロセッサ156は、受信した放射ビーム116a及び116bから所定のアライメント基準が満たされていると判定される場合は第1アンテナシステム102が第2アンテナシステム106に関して整合していると判定する。ある実施例ではプロセッサ156は、放射ビーム116a及び116bの振幅(例えば、第1アンテナ104から送信されて受信されたデルタパターン放射ビーム及びサムパターン放射ビームの振幅の大きさ)から所定のアライメント基準の合否を判定する。
【0015】
1実施例ではプロセッサ156は、受信したサムパターン放射ビームに対する、受信したデルタパターン放射ビームの大きさを比較する。1実施例ではプロセッサ156は、受信したサムパターン放射ビームの大きさが、受信したデルタパターン放射ビーム未満であると第1アンテナシステム102は第2アンテナシステム106と整合していないと判定する。プロセッサ156は、受信したサムパターン放射ビームの大きさが、受信したデルタパターン放射ビームのそれよりもある閾値(例えば信号強度での25dB)小さい場合は第1アンテナシステム102は第2アンテナシステム106と部分的に整合していると判定する。プロセッサ156は、受信したサムパターン放射ビームが、受信したデルタパターン放射ビームのそれよりもある閾値(例えば、信号強度での25dB)より大きい場合は、第1アンテナシステム102が第2アンテナシステム106と整合していると判定する。
【0016】
代替実施例では代替アライメント基準が使用され得る。例えば、代替実施例では異なる閾値が使用され得る。ある実施例では閾値は、例えば、短距離時の低精度化や長距離時の高精度化をシミュレートするべく、第1アンテナシステム102及び第2アンテナシステム106間の距離に依存して変化され得る。
【0017】
1実施例では放射ビーム116aにより送信される信号はデルタパターン放射ビームとサムパターン放射ビームとを合わせたものであり、放射ビーム116bにより送信される信号はサムパターン放射ビームとデルタパターン放射ビームとの間の差(即ち、サムパターン放射ビームからデルタパターン放射ビームを減算)である。この実施例ではプロセッサは受信した放射ビーム116a及び116bの大きさが等しい(あるいは、例えば、所定範囲(例えば10dB)内であれば)場合は第1アンテナシステム102は第2アンテナシステム106と整合していると判定する。
【0018】
本実施例では第1アンテナシステム102及び第2アンテナシステム106はトランスミッタ138及び170に夫々連結される。トランスミッタ138は(例えば、電気的または無線接続により)、第1アンテナシステム102のプロセッサ124及びトランスミッタ108に接続される。トランスミッタ170は(例えば電気的または無線接続により)、第1アンテナシステム106のプロセッサ156及びレシーバ152に接続される。各トランスミッタ(138及び170)は、第1及び第2の各アンテナシステム(102及び106)に情報を、またそれらアンテナからの情報を伝達する。第2アンテナシステム106と関連するトランスミッタ170は情報(例えば、第2アンテナシステム106に関する第1アンテナシステム102の整合の成否を表す情報)を第1アンテナシステム102のトランスミッタ138に送信し得る。
【0019】
第1アンテナシステム102は送信手段(例えば、火器、車載武器)に連結され得る。第2アンテナシステム106は受信手段(例えば、ユーザー、車、構造物)に連結され得る。
1実施例では放射ビーム116aはサムパターン放射ビームであり、そのピークは第1アンテナシステム102に連結した第1サブシステムの所望の方向軸に沿って調心される。1実施例では放射ビーム116bはデルタパターン放射ビームであり、そのヌルは第1アンテナシステム102に連結した第1サブシステムの所望の方向に沿って調心される。
ある実施例では、第1アンテナシステム102は4線式ヘリックスアンテナ(104)を含む4線式ヘリックスアンテナシステムである。4線式ヘリックスアンテナは、円形偏光放射ビームを送信する。第1アンテナシステム102が円形偏光放射ビームを送信するある実施例では、第2アンテナシステム106は、その限りでは無いが、円形偏光され得る。
【0020】
代替実施例では、第1アンテナシステムは多線式平面アンテナシステム、コニカルスパイラルアンテナシステム、マルチラジアルストリップアンテナシステム、マルチラジアルスロットアンテナシステム、スロット式平面アンテナシステム、またはアレーアンテナシステムである。ある実施例では第1アンテナシステム102及び第2アンテナシステム106は直線的偏光放射ビームを送信する。第1アンテナシステム102及び第2アンテナシステム106が偏光放射ビームを送信する場合、各放射ビームの偏光は同一である。ある実施例では第2アンテナシステム106は、例えば、第2アンテナシステム106の保持者の向きが当該第2アンテナシステム106に関する第1アンテナシステム102のアライメント判定に影響を及ぼさぬよう、無指向性アンテナとされる。
【0021】
ここで説明する各モジュール及び装置は、例えば、コンピュータの実行可能命令を実行するプロセッサ(例えば、プロセッサ124またはプロセッサ156)を利用し得、及び又は、コンピュータの実行可能命令を実行させるプロセッサ(例えば、暗号化処理ユニット、書き換え可能なゲートアレイ処理ユニット)を含み得る。システム100は例えば、斯界に既知のその他モジュール、装置及び又はプロセッサ、及び又は種々の例示されたモジュール、装置及び又はプロセッサを含み得る。
第1アンテナシステム102は、入力装置128、出力装置132、ディスプレイ装置136、記憶装置140に随意的に連結(例えば、電気的または無線で)される。第2アンテナシステム106は、入力装置160、出力装置164、ディスプレイ装置168、記憶装置172に随意的に連結(例えば、電気的または無線で)される。
【0022】
入力装置(128、160)は、ユーザー(図示せず)及び又は別のコンピュータシステム(図示せず)から、システム100に関する情報(例えば、ユーザーからの命令、別のコンピュータ装置からの命令)を受ける。入力装置(128、160)は、例えば、タッチスクリーン、キーボード、マイクまたはスキャナを含み得る。出力装置(132、164)は、システム100に関する情報を出力(例えば、情報をプリンタ(図示せず)に、情報をオーディオスピーカー(図示せず)に)し得る。
ディスプレイ装置(136、168)は、システム100に関する情報(例えば、ステータス情報、設定情報)を表示する。プロセッサ(124、156)は、システム100用のオペレーティングシステム及び又は任意のその他のコンピュータ実行可能命令を実行(例えば、トランスミッタ108から第1アンテナ104への命令送信)する。
【0023】
記憶装置(140、172)は、システム100及びその動作に関する情報を記憶する。記憶装置(140、172)はシステム100に関する情報及び又はその他の、システム関連データを記憶し得る。記憶装置(140、172)は複数の記憶装置を含み得る。記憶装置(140、172)は、例えば、長期ストレージ(例えば、ハードドライブ、テープ記憶装置、フラッシュメモリ)、短期ストレージ(例えば、ランダムアクセスメモリ、グラフィクスメモリ)、及び又は任意のその他形式のコンピュータ読み出し可能ストレージを含み得る。ある実施例では、入力装置、出力装置、ディスプレイ装置、記憶装置、プロセッサは、個人用携帯情報端末(PDA)の構成部品である。
【0024】
図2は、実弾使用を要さない訓練演習の参加兵士に現実的戦場環境を提供する訓練システムとして使用する、第2サブシステムに対する第1サブシステムのアライメント判定用の実施例が略示される。図には、第1ユーザー204及び第2ユーザー208が含まれる。第1ユーザー204はライフル212を保持している。第1アンテナシステム216(例えば、図1の第1アンテナシステム102)は、ライフル212に連結(例えば、取付け、接着、締着)される。第1アンテナシステム216はライフル212の方向軸230(例えば長手軸)に沿って調心される。第2アンテナシステム220(例えば図1の第2アンテナシステム106)は第2ユーザー208に連結される。
【0025】
動作に際し、第1ユーザー204は第2ユーザー208のライフル212にポイントする。第1ユーザーはライフル212の引き金(例えば入力装置)を引き、プロセッサ(例えば、プロセッサ124)をして第1アンテナシステム216に関連するトランスミッタ(例えば図1のトランスミッタ108a及び108b)に送信信号を提供する。送信信号は第1アンテナシステム216の第1アンテナ(図1の第1アンテナ104)により放射ビーム224a及び224bとして送信される。本実施例では、放射ビーム224a及び224bは夫々、デルタパターン放射ビーム及びサムパターン放射ビームである。放射ビーム224aのサムパターン放射ビームのピークは第1アンテナシステム216及びライフル212の方向軸230に沿って調心される。放射ビーム224bのデルタパターン放射ビームのヌルは第1アンテナシステム及びライフル212の方向軸230に沿って調心される。
【0026】
第2アンテナシステム220のアンテナ(例えば図1の第2アンテナ144)は放射ビーム116a及び116bを受ける。第1レシーバ及び第2レシーバ(例えば図1の第1レシーバ152a及び第2レシーバ152b)は放射ビーム116a及び116bを受ける。第1及び第2の各レシーバは、受信信号を処理して第2アンテナシステム220に対する第1アンテナシステム216の整合の成否を判定するべく、受信した信号をプロセッサ(例えば図1のプロセッサ156)に配信する。
【0027】
ある実施例では、システムにおけるアンテナのサイズを、必要な送信特性を維持しつつ可能な限り小型化されるよう減少させることが望ましい。ある実施例では、図2に関して第1アンテナシステム216の送信アンテナが、武器システム(例えばM4)の外側に搭載されるべく設計される。ある実施例では送信用アンテナは、直径50.8mm(2インチ)未満、長さ152.4mm(6インチ)の円筒状胴部を有するヘリックスアンテナである。へリックアンテナのゲイン及びビーム幅はヘリックスの巻き数及び長さの関数である。アンテナの性能及びサイズ間にはトレードオフが生じ得る。
【0028】
受信用アンテナは受信目的のみで使用され、可能な限り広いビーム幅が選択されることが多い。ビーム幅の広さは、ユーザー(例えば訓練兵)の着用するベストまたはハーネスに取付け得るよう、代表的にはアンテナサイズとトレードオフされる。1実施例では、受信用アンテナは50.8mm(2インチ)×50.8mm(2インチ)の正方形のフォームファクタを有し、厚さ25.4mm(1インチ)である。
【0029】
ある実施例では、トランスミッタ(例えば図1のトランスミッタ108a及び108b)及びレシーバ(例えば、図1のレシーバ152a及び152b)はデジタル無線モジュールを使用する。各アンテナには2つの無線モジュールが連結される。無線モジュールは異なる2つの無線周波数チャネル上で動作し、形状の異なる2つの無線波ビームを送受信する。
【0030】
図3には、第2サブシステムに対する第1サブシステムのアライメント判定に際して使用するアンテナ300の例が略示される。アンテナ300は4線式ヘリックスアンテナであり、4素子アキシャルモード型のヘリックスアンテナ304とフィードネットワーク308とを含んでいる。ヘリックスアンテナ304はヘリックス312の形態に巻き付けた導線を含む。ヘリックスアンテナ304は接地平面316上に取り付けられる。フィードネットワーク308は90度カプラ及び180度カプラを含む。アンテナ300は2つの入力部320a及び320bを含む。入力部320a及び320bはトランスミッタ(図1のトランスミッタ108a及び108b)からの送信信号(例えばデルタパターン送信信号及びサムパターン送信信号)を受ける。アンテナ300は例えば、送信信号の受信に応答してデルタパターン放射ビーム及びサムパターン放射ビーム(例えば図2のデルタパターン放射ビーム224a及びサムパターン放射ビーム224b)を送信する。
【0031】
図4は第2サブシステムに対する第1サブシステムのアライメント(例えば、図1の第1アンテナシステム102及び第2アンテナシステム106の、または図2の第1アンテナシステム216及び第2アンテナシステム220の)判定用装置の、デルタパターン放射ビーム404及びサムパターン放射ビーム408に対するアンテナ放射信号例を極座標プロット400で表したグラフである。デルタパターン放射ビーム404の大きさはサムパターン放射ビーム408のそれより約5dB小さい。
【0032】
図5は第2サブシステムに対する第1サブシステムのアライメント(例えば、図1の第2アンテナシステム106に対する第1アンテナシステム102の)判定方法例500のフローチャート図である。方法例500には、第1アンテナシステムにより、第1周波数のデルタパターン放射ビーム及び第2周波数のサムパターン放射ビームを同時送信すること504が含まれる。方法例500には、第2アンテナシステムにより、第1周波数のデルタパターン放射ビーム及び第2周波数のサムパターン放射ビームを同時受信すること508も含まれる。方法例500には、受信した第1周波数のデルタパターン放射ビーム及び第2周波数のサムパターン放射ビームをプロセス処理512し、前記第1及び第2の各アンテナシステム間の所定のアライメント基準の合否を判定することも含まれる。方法例500には、例えば、先に説明した如く、受信した第1周波数のデルタパターン放射ビーム及び第2周波数のサムパターン放射ビームの各振幅に基づき、前記所定のアライメント基準の合否を判定することも含まれる。
【0033】
上述したシステム及び方法は、デジタル電子回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア、及び又はソフトウェアにおいて開始され得る。前記システム及び方法はコンピュータプログラム製品(即ち、情報キャリヤ内において具体化されたコンピュータプログラム)として開始され得る。前記システム及び方法は、例えば、データ処理装置での実行またはその動作制御のために、装置読み出し可能な記憶装置及び又は搬送信号において開始され得る。前記システム及び方法は、例えば、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、及び又は多重コンピュータで開始され得る。
コンピュータプログラムはコンパイル済み及び又はインタプリト型言語を含む任意のプログラミング言語で記述され得、コンピュータプログラムはスタンドアロン型プログラムとして、またはサブルーチン、エレメントとして、及び又はその他の、コンピューティング環境での使用に好適なユニットとして含まれる任意形態下に展開され得る。コンピュータプログラムは、1台のコンピュータ上で、または1サイトの複数台のコンピュータ上で展開され得る。
【0034】
各方法ステップは、入力データに関して動作し、出力を発生することで本発明の機能を実施するコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能なプロセッサにより実行され得る。各方法ステップは、特殊用途論理回路として実行され得るある装置によっても実行し得る。前記回路は、例えば、FPGA(書き換え可能なゲートアレイ)及び又はASIC(特定用途向けIC)であり得る。モジュール、サブルーチン、ソフトウェアエージェントは、コンピュータプログラム、プロセッサ、特定回路、ソフトウェア及び又は、それら機能を開始するハードウェアの一部に対して参照され得る。
【0035】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサには、例えば、汎用及び特殊用途の両マイクロプロセッサ、任意種類のデジタルコンピュータの任意の1つまたはそれ以上のプロセッサが含まれる。一般に、プロセッサはコンピュータの読み取り専用メモリまたはランダムアクセスメモリあるいはその双方からの命令やデータを受ける。コンピュータの基本要素は、命令を実行するプロセッサと、命令及びデータを記憶する1つ以上のメモリ装置である。一般に、コンピュータは、データを記憶する1つ以上の大容量記憶装置(例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、または光ディスク)を含み得ると共に、データの受信及び送信するべくそれら装置に作動上連結され得る。
【0036】
データ送信及び命令は、通信ネットワークを介しても発生する。コンピュータプログラムの命令やデータを実行する好適な情報キャリヤには、例えば、半導体メモリ装置を含む全ての形態の非揮発性メモリが含まれる。情報キャリヤは、例えば、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ装置、磁気ディスク、内蔵ハードディスク、リムーバブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM及び又はDVD−ROMディスクであり得る。プロセッサ及びメモリには特殊用途論理回路が追加され及びまたは組み込まれ得る。
【0037】
ユーザーとの対話を提供するべく、上述した各技法はディスプレイ装置を持つコンピュータ上で開始され得る。ディスプレイ装置は、例えば、陰極管(CRT)及び又は液晶(LCD)モニタであり得る。ユーザーとの対話は、例えば、ユーザーへの情報表示及び、コンピュータへのユーザー入力(例えば、ユーザーインターフェース要素との対話)を提供し得るキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウスまたはトラックボール)であり得る。その他種類の装置を使用してユーザーとの対話を提供し得る。その他装置は、例えば、ユーザーに任意形態の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)を提供し得る。ユーザーからの入力は、例えば、音響、音声、及び又は触覚入力を含む任意形態において受けられ得る。
【0038】
上述した各技法はバックエンドコンポーネントを含む分散コンピューティングシステムに於て開始され得る。バックエンドコンポーネントは、例えば、データサーバー、ミドルウェアコンポーネント、及び又はアプリケーションサーバー、であり得る。上述した各技法は、フロントエンドコンポーネントを含む分散コンピューティングシステムに於て開始され得る。フロントエンドコンポーネントは、例えば、グラフィカルユーザーインターフェースを持つクライアントコンピュータ、ユーザーが実装例と対話し得る所のウェブブラウザ、及び又はその他の、送信装置用のグラフィカルユーザーインターフェースであり得る。システムの各コンポーネンツは、デジタルデータ通信(例えば通信ネットワーク)の任意形態または媒体により相互連結され得る。通信ネットワーク例には、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、有線ネットワーク、及び又は無線ネットワーク、が含まれる。
【0039】
システムはクライアント及びサーバーを含み得る。クライアント及びサーバーは一般には相互に離れており、代表的には通信ネットワークを介して対話する。クライアントとサーバーとの関係は、相互にクライアント−サーバー関係を有する夫々のコンピュータ上で動作するコンピュータプログラムにより発生する。
パケットベースのネットワークには、例えば、インターネット、キャリヤインターネットプロトコル(IP)ネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、キャンパスエリアネットワーク(CAN)、都市域ネットワーク(MAN)、ホームエリアネットワーク(HAN))、プライベートIPネットワーク、IP回線切替機(IPBX)、無線ネットワーク(例えば、無線アクセスネットワーク(RAN)、802.11ネットワーク、802.16ネットワーク、ゼネラルパケット無線サービス(GPRS)ネットワーク、ハイパーLAN)、及び又はその他のパケットベースネットワーク、が含まれ得る。回路ベースネットワークには、例えば、公衆交換ネットワーク(PSTN)、回線切替機(PBX)、無線ネットワーク(例えば、RAN、ブルートゥース、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、国際携帯電話(GSM)ネットワーク)、及び又はその他の回路ベースネットワークが含まれる。
【0040】
コンピューティング及びプロセシングシステムには、例えば、コンピュータ、ブラウザ装置を持つコンピュータ、電話、IP電話、モバイル装置(例えば、携帯電話、個人用携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータ、電子メール装置)、及び又はその他の通信装置が含まれる。ブラウザ装置には、例えば、ワールドワイドウェブブラウザ(例えば、マイクロソフト社から入手可能なMicrosoft(商標名)Internet Explorer(商標名)、Mozilla社から入手可能なMozilla(商標名)Firefox(商標名))を持つコンピュータ(例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ)が含まれる。モバイルコンピューティング装置には、例えば、Blackberry(商標名)が含まれる。
【0041】
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0042】
100 装置
102 第1アンテナシステム
104 第1アンテナ
106 第2アンテナシステム
108a 第1トランスミッタ
108b 第2トランスミッタ
116a 放射ビーム
116b 放射ビーム
124 プロセッサ
128 入力装置
132 出力装置
136 ディスプレイ装置
138 トランスミッタ
140 記憶装置
144 第2アンテナ
152a 第1レシーバ
152b 第2レシーバ
156 プロセッサ
160 入力装置
164 出力装置
168 ディスプレイ装置
170 トランスミッタ
172 記憶装置
204 第1ユーザー
208 第2ユーザー
212 ライフル
216 第1アンテナシステム
220 第2アンテナシステム
224a 放射ビーム
224b 放射ビーム
230 方向軸
300 アンテナ
304 ヘリックスアンテナ
308 フィードネットワーク
312 ヘリックス
320a 入力部
400 極座標プロット
404 デルタパターン放射ビーム
500 判定方法例

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2サブシステムに対する第1サブシステムのアライメントを判定するシステムであって 、
第1周波数のデルタパターン放射ビームと、第2周波数のサムパターン放射ビームとを同時に送信する第1アンテナシステムと、
第1周波数のデルタパターン放射ビームと、第2周波数のサムパターン放射ビームとを受信する第2アンテナシステムと、
受信したデルタパターン放射ビーム及びサムパターン放射ビームを処理し、第1アンテナシステムと第2アンテナシステムとの間における所定のアライメント基準の合否を判定するプロセッサと、
を含むシステム。
【請求項2】
第1アンテナシステムが、第1周波数のデルタパターン放射ビーム及び第2周波数のサムパターン放射ビームの双方を送信する4線式ヘリックスアンテナを含む請求項1のシステム。
【請求項3】
第1アンテナシステムが、多線式平面アンテナシステム、コニカルスパイラルアンテナシステム、マルチラジアルストリップアンテナシステム、マルチラジアルスロットアンテナシステム、スロット式平面アンテナシステム、またはアレーアンテナである請求項1のシステム。
【請求項4】
サムパターン放射ビームのピークが第1アンテナシステムに連結した第1サブシステムの所望の方向軸に沿って調心される請求項1のシステム。
【請求項5】
デルタパターン放射ビームのヌルが、第1アンテナシステムに連結した第1サブシステムの所望の方向軸に沿って調心される請求項1のシステム。
【請求項6】
プロセッサが、受信した第1周波数のデルタパターン放射ビーム及び受信した第2周波数のサムパターン放射ビームの各振幅から所定のアライメント基準の合否を判定する請求項1のシステム。
【請求項7】
第1アンテナシステムが送信手段に連結され、第2アンテナシステムが受信手段に連結される請求項1のシステム。
【請求項8】
直線偏光ビームを第1アンテナシステムが送信し、第2アンテナシステムが受信し、各ビームの偏光が同じである請求項1のシステム。
【請求項9】
第1アンテナシステムが円形偏光ビームを送信し、第2アンテナシステムが直線または円形の偏光ビームを受信する請求項1のシステム。
【請求項10】
第2サブシステムに対する第1サブシステムのアライメントを判定する方法であって、
第1アンテナシステムからの第1周波数のデルタパターン放射ビームと、第2周波数のサムパターン放射ビームとを第1アンテナシステムから同時に送信すること、
第1周波数のデルタパターン放射ビームと、第2周波数のサムパターン放射ビームとを第2アンテナシステムで受信すること、
受信したデルタパターン放射ビーム及びサムパターン放射ビームを処理して第1アンテナシステムと第2アンテナシステムとの間における所定のアライメント基準の合否を判定すること、
を含む方法。
【請求項11】
サムパターン放射ビームのピークが、第1アンテナシステムに連結した第1サブシステムの所望の方向軸に沿って調心される請求項10の方法。
【請求項12】
デルタパターン放射ビームのヌルが、第1アンテナシステムに連結した第1サブシステムの所望の方向軸に沿って調心される請求項10の方法。
【請求項13】
第2アンテナシステムが、第1アンテナシステム方向に向けた無指向性、または広幅ビームアンテナである請求項10の方法。
【請求項14】
所定のアライメント基準の合否を、受信した第1周波数のデルタパターン放射ビーム及び受信した第2周波数のサムパターン放射ビームの相対振幅に基づき判定する請求項10の方法。
【請求項15】
受信した第1周波数のサムパターン放射ビームの振幅が、受信した第2周波数のデルタパターン放射ビームの振幅よりも所定閾値大きい場合に、所定のアライメント基準が満たされていると判定する請求項14の方法。
【請求項16】
第1アンテナシステムに連結した送信手段から第1周波数のデルタパターン放射ビーム及び第2周波数のサムパターン放射ビームを送信すること、
受信手段に連結した第2アンテナシステム位置で、デルタパターン放射ビーム及びサムパターン放射ビームを受信すること、
を含む請求項10の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−112933(P2012−112933A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204987(P2011−204987)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(503455363)レイセオン カンパニー (244)