説明

アルギニンデイミナーゼを含む赤血球

in vivoでアルギニンの血漿濃度を低下させるための医薬製品の調製のためのアルギニンデイミナーゼを含む赤血球の使用。前記使用は肝細胞癌及び悪性黒色腫の如きアルギニン依存性腫瘍の治療又は一酸化窒素合成の阻害、及び敗血症性卒中の予防及び/又は治療に特に関連する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は血漿アルギニンの涸渇に、前記涸渇を提供する組成物に及び前記涸渇及び例えば、一酸化窒素の合成に対するその効果から恩恵を受けうる病理の治療に関する。したがって、本発明は悪性黒色腫及び肝細胞癌の如きいくつかの腫瘍の治療に、及び敗血症性卒中の予防及び治療に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書中に引用される全ての明細書、論文及び特許又は特許出願を本明細書中に援用する。
アルギニンは非必須アミノ酸である。それは、アルギニノ琥珀酸塩合成酵素及びアルギニノ琥珀酸塩リアーゼの活性により、2の段階でシトルリンから、尿素サイクルの過程において合成される。はじめの酵素はシトルリンのアルギニノ琥珀酸塩への変換を触媒し、及び第二の酵素はアルギニンへの変換を行う。アルギニンはアルギナーゼの活性の下でオルニチンへ代謝され、及びオルニチンは今度はオルニチントランスカルバモイラーゼにより触媒される反応によりシトルリンに変換されうる。
【0003】
しかしながら、いくつかの型の腫瘍細胞はアルギニンが供給されることを必要とすることが示されており、及びこのことは、アルギニン栄養素要求と呼ばれるこれらの型の癌のための可能性のある治療としてアルギニン涸渇の考慮を導いた。アルギニンデイミナーゼの抗腫瘍活性は多くの出版物の主題になっている。したがって、in vivo活性は悪性黒色腫及び肝細胞癌に関して示されている。しかしながら、この酵素はいくつかの主要な欠点を有する。
【0004】
アルギニンデイミナーゼは哺乳類において生成されないが、微生物から得られ、そのことはそれを哺乳類にとって高い抗原性を有する化合物にする。
【0005】
さらに、この酵素は約5時間の次数の、哺乳類における非常に短い半減期を有し、及び有効であるためには高い用量で毎日投与されなければならない。これらの欠点を克服するために、著者は、より長い半減期(7〜9日間)を有するより低い抗原性の調合物になる、この酵素のペグ付加形、すなわち、ポリエチレングリコール(PEG)と結合されたアルギニンデイミナーゼを提案した。この主題を扱う研究のうち、私たちは黒色腫の及び肝細胞癌の治療に関する以下のものを挙げうる:F. Izzo et al., J. Clin. Oncol. 2004, 22: 1815−1822; C. M. Ensor et al., Cancer Research 2002, 62: 5443−5450; F. W. Holtsberg et al. J. Control. Release 2002, 80: 259−271; J. S. Bomalaski et al., Preclinica, Research Article Nov/Dec 2003, 1,5:284−293; Curley S. A. et al., Hepatogastroenterology, 50, 1214−6, 2003。
【0006】
米国特許第4,965,857号は、アルギニンデイミナーゼが体外循環に対してはたらく反応器を用いる血液の体外治療に関する、全く異なる方法を提案する。
ペグ付加アルギニンデイミナーゼに基づく現行の治療は興味深いが、半減期がまだ短いので、短い間隔で繰り返される比較的大用量を投与する必要性に、及びアレルギー効果及び活性素の阻害を引き起こしうる活性素に対する抗体の値を誘発する危険性を伴う、長期間の高い用量での繰り返される投与に関連した毒性に関連したいくつかの制限を有する。
それゆえ、よりよいバイオアベイラビリティ(よりよい生物学的活性、延長された半減期)を有する私たちの自由になる活性製品を有することはかなり有益なことでありうる、及びそのことは、繰り返される治療の場合においてでさえも、投与される酵素の量を最適化し及び毒性を低下させ、及び免疫反応及び臨床アレルギーの危険性を制限することを可能にする。
【0007】
赤血球を医薬製品のベクターとして用いる利点はずいぶん前に示された。それらは天然の生物適合性を有し、及び注入後、それらは既知のプロセスにより完全に生分解され、及びin vivoで比較的長い半減期(ヒトにおいて約30日間の次数の半減期)を有する。
【0008】
尿素サイクルの天然酵素である、アルギナーゼの封入は提案され、及び彼らの赤血球中にこの酵素の欠損を示す高アルギニン血症患者の治療の範囲内で試験された(C. G. Millan, J. Controlled Release 2004, 95; 27−49; K. Adriaenssens et al., Int. J. Biochem. 1984, 16, 7: 779−786)。そのねらいは内因性アルギナーゼ欠損に関連する代謝及び酵素欠損を補うことであった。
【0009】
アルギナーゼは約9.5のアルカリ最適pHを有し、及びその活性は生理学的pHでは低い。対照的に、アルギニンデイミナーゼは約6.5の最適pHを有し、生理学的pHでその活性の70%超を保持し、及びアルギニンに対するそのアフィニティはアルギナーゼのそれより1000倍大きい:B. J. Dillon et al., Med. Sci. Monit. 2002, 8, 7:248−253。その研究において、一酸化窒素NOの合成の阻害に関して、著者は細胞外アルギニンに対するアルギニンデイミナーゼの強い活性を報告するが、細胞内アルギニン(マクロファージ)に対する活性の欠如を報告する。
【0010】
NOは生体伝達物質であり、及び細胞外アルギニンから主に合成されると考えられる。敗血症性卒中はNOにより及び腫瘍壊死因子TNFαにより仲介される。Dillon et al. 上記の及びJ. B. Thomas, Biochem. J. 2002, 363, 581−587の研究から、NOの合成の阻害は敗血症性卒中に対する治療として認識されている。NOはまた、Lind DS. Arginine and cancer, J. Nutr. 2004:2837S−41中で報告されるように、癌化プロセスに関連するように見える。
【0011】
アルギニンデイミナーゼはアルギナーゼよりはるかに大きなアルギニンの分解及びNO合成の阻害についての可能性を有するように見える。しかしながら、この酵素は細胞内酵素活性を有さず、生理学的pHはその最適pHではなく、それは短い半減期を有し、及びそれは免疫反応を誘発するようである。
【0012】
この複雑な状況から出発して、発明者は、血漿アルギニンの有効な分解及び/又は一酸化窒素NO合成の阻害を提供する技術的解決を提案することにねらいを定める。
したがって、本発明はin vivoで血漿アルギニンの濃度を低下させるための医薬製品の調製のためのアルギニンデイミナーゼを含む赤血球の使用に関する。
【0013】
アルギニンデイミナーゼは引用文献IUBMB Enzyme Nomenclature中のEC 3.5.3.6の下に同定される。使用される酵素は天然、合成又は人工起源のものであり又は遺伝子工学により得られうる(例えば、上記酵素をコードする遺伝子を発現するベクターの統合後のホスト細胞、例えば、E. coliにおける上記酵素の生成)。使用されうるアルギニンデイミナーゼは、例えば、EP−A−1 011 717、EP−A−0 414 007、US−A−5 372 942、JP−A−6062867、JP−A−2053490、JP−A−2035081中に示される。同等の様式で、本発明は、特にそれらの酵素活性を増大させるために改変された酵素でありうる、この酵素のアナログの使用を含む(EP−A−0 981 607)。
【0014】
本発明の目的は、血漿中のアルギニンの濃度を低下させることを意味する、血漿アルギニン涸渇である。理論に拘泥しようとすることなしに、血漿アルギニンは受動拡散により処理された赤血球に入ると考えられる。本発明に係る赤血球は、入ったアルギニンがアルギニンデイミナーゼにより分解される生物反応器のようにふるまう。本発明は他の利点を提供する。それらの寿命の終わりに、上記赤血球は肺においてはもちろん、主に肝臓、脾臓及び骨髄でマクロファージにより破壊される。このことはアルギニンデイミナーゼの標的化放出をもたらし、血漿アルギニンの局在的涸渇を引き起こす。この効果は肝細胞癌の如き、これらの器官に影響する、特に腫瘍の病理の治療において利用される。
【0015】
本発明により採用される解決は注目すべき方法でいくつかの決定的な利点を混合することを可能にする、すなわち、上記酵素は免疫系から単離され、それにより上記酵素への免疫反応を発達する危険性を減少させる(それは繰り返される治療の場合に大きな利点である)ので、長期活性を許容する赤血球の寿命、一方で、上記酵素が80%超の酵素活性を示す一般的に7.4未満のpHでの有利な、及び他方で、保存される環境における酵素の貯蔵。上記酵素は赤血球の膜により抗アルギニンデイミナーゼ抗体から保護され、及びその酵素活性はそれゆえ抗体が処置される患者の血中に存在するときでさえも保存される。さらに、上記酵素は細胞内アルギニンに対して作用しないので、健康な細胞は保存される。
【0016】
本発明はそれゆえ、血漿アルギニン涸渇の有利な効果が示されているアルギニン依存性腫瘍における特に興味深い適用を発見する(例えば、F. Izzo et al., 2004, C. M. Ensor et al., 2002, F. W. Holtsberg et al., 2002, J. S. Bomalaski et al., 2003、及びCurley S. A. et al., 2003,以前に引用される を参照のこと)。
【0017】
本発明の第一の態様にしたがって、医薬製品はアルギニン依存性腫瘍の治療に意図される。アルギニン依存性により、私たちは、複製のためにアルギニンを必要とし、それらが必要とするアルギニンのいくらか又は全てを合成することができず、及びそれゆえアルギニンの供給を必要とする腫瘍細胞を含む腫瘍を意味する。血漿アルギニン涸渇はそれらの発達に必須であるアルギニンをこれらの細胞から奪い、これらの細胞の標的化された死、腫瘍成長の阻害又は腫瘍塊の退縮を引き起こすであろう。
【発明の開示】
【0018】
1の特徴にしたがって、本発明は肝細胞癌又は初期の肝臓癌用医薬製品の調製のためのこれらの赤血球の使用に関する。
【0019】
第二の特徴にしたがって、本発明は表在拡大型黒色腫及び結節性黒色腫の如き、そのさまざまな形態の悪性黒色腫の治療用医薬製品の調製のためのこれらの赤血球の使用に関する。
【0020】
本発明の第二の態様にしたがって、本発明は一酸化窒素合成の阻害用医薬製品の調製のためのこれらの赤血球の使用に関する。上記医薬製品は、以前に引用されるDillon et al., 2002中に示されるように、少なくとも部分的に血漿アルギニンの分解を介して作用することが指摘されるべきである。
【0021】
この態様の1の特徴にしたがって、本発明は敗血症性卒中の予防及び/又は治療用医薬製品の調製のためのこれらの赤血球の使用に関する。
【0022】
本発明は以下の型の癌:
−乳癌(Shen Wei−Chiang et al., CaliforniaBreast cancer research: http://www.cbcrp.org/research/PageGrant.asp?grant_id=1954)
−神経芽細胞腫(Gong H. et al., Int. J. Cancer 2003, 106:723−8)
−白血病(Gong H. et al., Leukemia 2000, Vol. 14,826−9; Noh E. J. et al., Int. J. Cancer 2004, 112:502−8);
のうちの1の治療のための又は新脈管形成の阻害及び:血管腫、血管線維腫、関節炎、糖尿病性網膜症、早発の網膜症、血管新生緑内障、角膜の疾患、退縮及び他の型の黄斑変性、翼状片、網膜変性、水晶体後線維増殖症、乾癬、毛細管拡張症、化膿性肉芽腫、脂漏性皮膚炎、ざ瘡、癌及び新脈管形成に関連する転移(WO 0209741;Park I. S. et al., Br. J. Cancer 2003, 89:907−14)の如き関連する疾患の治療のための医薬製品の調製のためのこれらの赤血球の使用に関する。
【0023】
本発明はまたアルギニンデイミナーゼを含む赤血球にも関する。
本発明はさらに医薬として許容される塩溶液(一般的に、赤血球のための標準の媒体、NaCl及びグルコース、デキストロース、アデニン及びマンニトールから選ばれる1以上の成分を含む溶液;例えば、SAG−マンニトール又はADsol)中のこれらの赤血球の懸濁物に関する。前記溶液は赤血球の保存を提供しうる、及びそれはL−カルニチンの如き保存剤を含みうる。前記懸濁物は使用のために又は使用前の希釈のために準備された状態で包装されうる。すぐに使用できる製品の最終ヘマトクリット値(必要な場合、使用前の希釈後)は好ましくは40〜70%である。それは好ましくは灌流により、静脈内に投与されうる。
【0024】
上記懸濁物又は本発明にしたがう赤血球を含むどんな投与可能な調合物も本質的に本発明により含まれる医薬製品又は医薬組成物を構成する。前記医薬製品又は組成物は上記に挙げられるさまざまな適用のために特に意図されうる。それは例えば、灌流のための柔軟なバッグとして又は注入による投与のためのいくつかの他の形態で包装されうる。
【0025】
本発明の1の特徴にしたがって、上記医薬製品は40〜70%の、好ましくは45〜55%の、及びより好ましくは50%のヘマトクリット値の赤血球の懸濁物を含む。それは好ましくは10〜250mlの体積で包装される。医療処方に対応する量の封入された酵素が好ましくは全体として血液バッグ中に含まれる。医療処方は体重kg当たり1から200IUまで変化しうる。
【0026】
本発明はまた特に静脈内経路による、注入又は灌流による、及び好ましくは灌流による、それを必要とする患者への有効な量の前記医薬製品の投与を含む、肝細胞癌及び悪性黒色腫の如きアルギニン依存型の癌又は上記に挙げられる他の癌性若しくは非癌性病理の1の治療方法にも関する。
【0027】
興味深い様相にしたがって、患者は腫瘍の外科的切除後に処置される。
本発明はまた、特に静脈内経路による、注入又は灌流による、及び好ましくは灌流による患者への有効な量の前記医薬製品の投与を含む、一酸化窒素合成を阻害する及び/又は敗血症性卒中を予防する及び/又は治療することを意図される治療方法にも関する。
【0028】
これらのさまざまな治療方法についての特に有利な様相にしたがって、患者は、彼自身の赤血球が上記酵素の封入のために処理された後、彼自身の赤血球で処置される。変形として、上記赤血球は1以上のドナーから得られる。
【0029】
上記方法はしたがって、患者からの又は1以上のドナーからの1以上の血液サンプル、例えば、血液バッグ(単数又は複数)を回収すること、赤血球の沈殿物又は濃縮物の調製、本発明にしたがう酵素の組み込み及び上記酵素を組み込む赤血球のバッチの生成、それから静脈内経路による患者への上記懸濁物(医薬製品)の投与を含みうる。
【0030】
典型的に、体重kg当たり1〜200IUの酵素に対応する体積の処理された赤血球の懸濁物が投与される。本発明の1の特徴にしたがって、40〜70%の、好ましくは45〜55%の、及びより好ましくは50%のヘマトクリット値の、10〜250mlの赤血球の懸濁物が投与される。
【0031】
特定の様相にしたがって、上記懸濁物は十分な期間、15日〜3ヶ月の頻度で、好ましくは毎月投与される。
赤血球中に活性素を封入する技術は既知であり、及びここで好ましい溶解−再シールによる基礎技術は、当業者が引用しうる、特許EP−A−101 341及びEP−A−679 101中に示される。この技術にしたがって、透析器の第一の区画は赤血球の懸濁物で連続して供給され、一方で、第二の区画は赤血球を溶解するために赤血球の懸濁物に比較して低張である水溶液を含む;次に、再シール単位において、上記赤血球の再シールが浸透性及び/又は腫張性圧力を増大させることにより酵素の存在下で誘発され、その後上記酵素を含む赤血球の懸濁物が回収される。
【0032】
今日までに示される変形のうち、優先権は、酵素の有効な、再現可能な、信頼できる及び安定な封入を提供する、フランス特許出願第0408667号中に示される方法に与えられるであろう。この方法は以下の段階を含む:
1− 65%以上のヘマトクリット値で等張溶液中に濃縮赤血球(PRBCs)(又は球状濃縮物)を懸濁すること、+1〜+8℃の冷蔵、
2− 同じPRBCsからの赤血球のサンプルについての浸透的もろさの計測、
ここで、段階1及び2はどんな順序(並行を含む)でも行われうる、
3− 65%以上のヘマトクリット値の赤血球の懸濁物及び+1〜+8℃に冷蔵された低張溶解溶液を透析カートリッヂに通すことを含む、+1〜+8℃で一定に維持される温度での(特に1の及び同じチャンバー内での)溶解及び酵素の取り込み(internalisation)のための手順;溶解パラメーターは以前に計測された浸透的もろさの機能として調節される;及び
4− 高張溶液の存在下での、温度が+30〜+40℃である(特に第二のチャンバー内で行われる)再シール手順。
【0033】
「取り込み(internalisation)」は赤血球の内側への酵素の浸透を意味する。
本発明の第一の特徴にしたがって、PRBCsは65%以上の、及び好ましくは70%以上の高いヘマトクリット値で等張溶液中に懸濁され、及びこの懸濁物は+1〜+8℃で、好ましくは+2〜+6℃で、及び典型的に約+4℃で冷蔵される。特定の様相にしたがって、上記ヘマトクリット値は65〜80%、及び好ましくは70〜80%である。
【0034】
本発明の重要な特徴にしたがって、赤血球の浸透的もろさは溶解段階の直前に計測される。赤血球又はそれらを含む懸濁物は有利なことに溶解のために選択される温度に近い又は等しい温度である。本発明の他の有利な特徴にしたがって、一旦、浸透的もろさの計測が得られたら、それはすばやく利用される、すなわち、溶解手順はサンプルを取った後すぐに行われる。サンプルを取ること及び溶解開始の間のこの時間の遅れは好ましくは30分以内、及びさらにより好ましくは25又は20分以内である。
【0035】
透析が制御されることを許容する2のパラメーターは(後者の特徴の機能としての)透析器中で細胞がとどまる時間及び透析物の容量オスモル濃度である。これらの2のパラメーターは、溶解/再シールの段階を経験するために処理される赤血球の浸透抵抗性又は逆にもろさの特徴に関連して調節されなければならない。この浸透抵抗性は少なくとも1の以下のパラメーターにより特徴付けられうる:
a.溶血、すなわち、孔形成の開始が起こる媒体の容量オスモル濃度。
b.曲線%溶血=f(媒体の容量オスモル濃度)の直線部分の傾きから決定される、溶血の速度V。
c.ある容量オスモル濃度についての溶血の割合。
d.50%の溶血(H50)が得られる容量オスモル濃度。
e.ある割合の溶血(例えば、50%)を得るために取られる時間。
【0036】
好ましい態様にしたがって、上記浸透抵抗性はパラメーターb、d又はb及びdの手段により特徴付けられる。
浸透的もろさはそれゆえ、サンプルを取ること及び溶解開始の間の短時間の遅れと矛盾しない、短い時間で計測されなければならない。本発明の1の特徴にしたがって、1以上のこれらの溶血パラメーターは半浸透膜をとおして既知の等張度の低張溶液、例えば、水(蒸留水等)に対して計測される。手動の方法が構想されうる。しかしながら、本発明の好ましい態様にしたがって、浸透的もろさは15分未満で、より詳細には12分未満で及び好ましくは10分未満で赤血球のサンプルの浸透的もろさを計測するために設計された自動計測器械を用いて計測され、及び得られた結果は溶解パラメーターを調節し、及び溶解を開始するために短時間の遅れで利用される。
【0037】
浸透的もろさは少なくとも部分的に、Practical Haematology, 2nd edition, Churchill, London 1956中のJ. V. Dacieにより示される手動技術を自動化する器械を用いて計測されうる。上記器械の例はJ. Didelon et al., Clinical Hemorheology and Microcirculation 23 (2000) 31−42による論文中に示される。原理は、評価されるべき赤血球の懸濁物のサンプル、及び好適な体積の既知の等張度の低張溶液、例えば、蒸留水が、NaClイオンが上記溶液、例えば、蒸留水に拡散するにつれて赤血球のゆっくりとした溶血を作出するように、半浸透膜のそれぞれの側に入れられる装置の使用に基づく。時間にわたる溶血の進行は、808nmの波長のレーザー放射を用いて、透過率を計測することによりモニターされる(比較、J. Didelon et al., Biorheology 37, 2000: 409−416)。光電子セルは上記懸濁物をとおって透過される光における変動を計測する。例えば、計測は10分間取られる。上記器械は1以上の上記に挙げられるパラメーターa−eを提供する。
【0038】
第一の様相にしたがって、浸透的もろさは、温度変動が計測に影響しない条件で、その開始温度が+1〜+8℃であるサンプルについて、好ましくはまたこの温度の蒸留水で計測される。第二の様相にしたがって、浸透的もろさは+1〜+8℃の温度で維持されるサンプルについて計測される。したがって、J. Didelon et al.(上記)中に示される計測器械は温度調節を許容するように改変されうる。前記温度は好ましくは溶解温度に近い又は等しい。
【0039】
一旦、1以上のこれらのパラメーターが決定されたら、透析器中の細胞の流速又は上記酵素を封じ込める赤血球及び/又は所望の量の後者を得るために十分な透析物の容量オスモル濃度のいずれかを決定するために、前記パラメーター(単数又は複数)を考慮に入れる関係が適用されうる:
赤血球の流速=[A×(H50)]+[B×(V)]+K−A及びB=透析器及び溶解溶液の容量オスモル濃度に関して適合されうる変数−K=調節のための定数。
【0040】
透析物の容量オスモル濃度=[C×(H50)]+[D×(V)]+K−C及びD=透析器及び透析器中の赤血球の流速に関して適合されうる変数−K=調節のための定数。
【0041】
本発明の1の局面にしたがって、溶解手順は、赤血球の懸濁物の温度が+1〜+8℃であり、及び浸透的もろさが計測され、及び溶解パラメーターが記録されたとき開始される。
【0042】
好ましい態様にしたがって、約50%溶血をもたらすg/LでのNaCl濃度が計測され(パラメーターd.)、及び透析カートリッヂ中の赤血球懸濁物の流速は計測された濃度値にしたがって調節される。
【0043】
本発明の局面にしたがって、溶解手順は、赤血球懸濁物の温度が+1〜+8℃であり、及び浸透的もろさが計測され、及び溶解パラメーターが記録されたとき開始される。
有利な特徴にしたがって、処理されるべきはじめの懸濁物は上記に挙げられる溶解−取り込みチャンバー中に入れられる。本発明の1の態様にしたがって、上記方法は温度制御で装備された冷蔵されたモヂュールを使用し、及びこのモヂュール中に、透析カートリッヂ、バッグに及び溶解溶液にカートリッヂをつなげるための管を含む使い捨ての滅菌取りはずし可能アセンブリーに既に接続された又はその後接続される、+1〜+8℃に冷蔵された赤血球の懸濁物のバッグが入れられ、及びさらに、上記モヂュールは赤血球の懸濁物の及び溶解溶液の循環を提供するための手段を有し、前記モヂュール内の温度は+1〜+8℃の温度で安定化される。冷蔵されたモヂュールは、それがバッグ及び使い捨て可能で取りはずし可能なアセンブリーを収容しうるような大きさにされる。前記単一の冷蔵されたモヂュール内の、さまざまな管によりつなげられた上記バッグ、透析カートリッヂ、及び溶解溶液の配置は本発明にしたがう方法の有利な特徴である。
【0044】
用語「バッグ」は血液輸血及び血液誘導の分野において通常使用される柔軟なバッグ又はポーチをいう。
本発明の重要な局面にしたがって、段階は、透析器をとおる懸濁物の安定なヘマトクリット値を維持するように、上記バッグ中で均一な懸濁物中の赤血球を維持するよう取られる。本発明の特徴にしたがって、上記バッグはそれゆえに、上記バッグから及びバッグへの上記懸濁物の循環を提供するループの外部循環を提供される。
【0045】
「透析カートリッヂ」は、イオン交換が起こり、区画のうちの1中に局在する水溶液の浸透圧が他方の区画中の塩を含む水溶液を導入することにより制御された様式で変えられることを可能にしうる、透析仕切りにより分離される2の区画を含むエレメントを意味する。この型のカートリッヂは医療分野において広く使用される。好ましい様相にしたがって、例えば、以下の詳述を有する中空繊維透析カートリッヂが使用される:100〜400μmの繊維の内径、0.3〜2m2の繊維の総外部表面、10〜40cmの繊維の長さ、1.5〜8ml/h.mmHgの限外ろ過係数。
【0046】
既に挙げられるように、溶解手順は上記バッグ中の懸濁物の温度が+1〜+8℃であるとき開始されうる。興味深い様相にしたがって、上記懸濁物の温度は外部ループ循環上に局在するセンサーの手段により制御される。
【0047】
決定される浸透的もろさに因り、実行は2の主要なパラメーター、透析カートリッヂ中の赤血球の懸濁物の流速及び溶解溶液の容量オスモル濃度について取られうる、及び両方の場合において、溶解溶液について一定の流速を設定することは好ましい。上記流速の値は重要ではない。典型的に、上記に示される中空繊維透析カートリッヂについて、溶解溶液の流速は50〜300ml/分に、及び好ましくは150〜250ml/分に設定される。
【0048】
溶解溶液は赤血球の懸濁物に比較して低張である塩溶液である。それが一定の値に設定されるとき、その容量オスモル濃度は典型的に20〜120mOsm、好ましくは70〜110mOsm、例えば、90mOsmの次数でありうる。
【0049】
例として、溶解溶液はNa2HPO4及び/又はNaH2PO4及びグルコースの如き糖を含みうる。
第一の様相にしたがって、透析カートリッヂをとおる赤血球の懸濁物の流速は調節され、一方で、溶解緩衝液の流速及び容量オスモル濃度は固定される。より高い浸透的もろさは懸濁物のより高い流速を意味する。典型的に、上記に示される詳述のカートリッヂについて、流速は5〜200ml/分、好ましくは10〜40ml/分の範囲内で変化することが必要であろう。
【0050】
第二の様相にしたがって、溶解溶液の容量オスモル濃度は調節され、一方で、懸濁物の及び溶解溶液の流速は固定される。より高い浸透的もろさは溶解溶液の容量オスモル濃度を増大させることを意味する。典型的に、容量オスモル濃度は10〜200mOsm/l、好ましくは20〜150mOsm/lの範囲内で変化することが必要であろう。
【0051】
第三の様相にしたがって、透析カートリッヂをとおる赤血球の懸濁物の流速、及び溶解溶液の容量オスモル濃度の両方は調節される。
封じ込められるべき酵素は懸濁物のバッグ中に存在しうる及び/又は好ましくは徐々に、透析カートリッヂの上流又は下流の懸濁物の循環中に導入されうる。導入される体積は小さいので、酵素の冷蔵は場合による。
【0052】
好ましくは、赤血球の懸濁物は、例えば500mlの、特にバッグ中に提示される、列挙される病原体を伴わない、脱白血球化された、受容者に適合性の血液群のPRBCsから生成される。上記赤血球は、それらが移植片/ホスト免疫反応を示しやすい高く免疫抑制された患者に意図されるとき、照射されうる(R. J. Davey, Immunol. Invest. 1995, 24(1−2):143−149)。
【0053】
本発明の特定の特徴にしたがって、上記懸濁物を調製するために使用される、はじめのPRBCsは血液から赤血球以外の要素を除去するために事前に処理された。この型の処理、例えば、血漿又は保存溶液を除去するために塩溶液で洗浄することは当業者に知られる。
【0054】
特定の様相にしたがって、洗浄は封じ込められるべき酵素の存在下で行われる。
洗浄は赤血球の洗浄のための四重バッグ又は4−バッグ技術の如き、通常の技術により行われうる(MacoPharma法及びトランスファーバッグ)。COBE 2991 Cell Processor型の自動赤血球洗浄器を使用することもまた可能である。
【0055】
本発明の他の特徴にしたがって、赤血球はそれらの浸透抵抗性を増大させる及び/又は均質化するための溶液で事前に処理されうる。上記溶液は当業者に知られる。例えば、L−カルニチンを含む溶液は赤血球の浸透抵抗性の改善を提供しうる。他の例として、私たちはヘパリンの、クエン酸塩−リン酸塩−デキストロース(CPD)の及びマンニトールの溶液を挙げうる。
【0056】
溶解段階中の温度は好ましくは+2〜+6℃、及びさらにより好ましくは約+4℃に維持される。
再シールプロセスは好ましくは溶解された懸濁物を加熱し、及び高張再シール溶液を添加することにより実施される。再シール温度は+30〜+40℃でありうる。それは好ましくは+35〜+38℃、例えば、約37℃である。インキュベーションは典型的に15〜45分間続きうる。
【0057】
好ましくは、透析カートリッヂを出る懸濁物及び高張再シール溶液は、好ましくは連続して、中間バッグ中に導入される。そこで、上記懸濁物は加熱され、及び再シールを確実にするために十分な時間所望の温度でインキュベートされる。特定の局面にしたがって、上記中間バッグは加熱されたモヂュール又は容器中に置かれ、その内部温度は選択された温度に調節される。
【0058】
変形として、懸濁物及び再シール溶液は中間バッグ中に導入される。全ての懸濁物がこのバッグ中に回収されたとき、それはシールされ、及び所望の温度での加熱及びインキュベーションのためにモヂュールに移される。
【0059】
再シールされた赤血球の懸濁物はその後、十分に再シールされなかった又は再シールされなかった細胞、残留物及び細胞外ヘモグロビンを除去するために、1以上の段階の塩溶液での洗浄を経験しうる。
他の特徴にしたがって、上記赤血球は、例えば、L−カルニチンを含む赤血球貯蔵溶液中に包装される。
【0060】
生成された赤血球は好ましくは+1〜+8℃、好ましくは+2〜+6℃の温度で、典型的には約+4℃で貯蔵される。
生成物の最終ヘマトクリット値は好ましくは40〜80%、典型的には40〜70%である。
【0061】
本発明は:
−冷蔵手段及び温度調節手段を含む、+1〜+8℃の温度で冷蔵されうるモヂュール、
−上記モヂュール内にフィットするために設計される及び一方で溶解溶液の供給に及び他方で赤血球の懸濁物の供給につなげられうる透析カートリッヂを含む、使い捨て可能な滅菌取りはずし可能アセンブリー、
−溶解カートリッヂをとおる赤血球の懸濁物の流速を制御する及び/又は処理されるべき赤血球の浸透的もろさの機能として、溶解溶液の容量オスモル濃度を調節するための手段
を含む溶解−再シール装置を用いて実行されうる。
【0062】
1の態様にしたがって、取りはずし可能なアセンブリーは使い捨て可能キットであり、及び赤血球の懸濁物を含むためのバッグ及び前記バッグを透析カートリッヂにつなげる管を含み、及び上記モヂュールは赤血球の懸濁物をバッグからカートリッヂへ及びカートリッヂをとおって循環させるための前記管と結合してはたらくポンプを含み、前記ポンプは場合により流動調節手段に連結される。上記アセンブリーは滅菌性が維持されることを確実にする。
【0063】
有利な特徴にしたがって、上記バッグはその両方の端をループでバッグにつなげられた管でさらに装備され、及び上記モヂュールは前記バッグからの及び前記バッグへのバッグの内容物の循環を提供するために前記管と結合してはたらくポンプを含む。
他の有利な特徴にしたがって、温度センサーは前記管のループ上に配置される。
【0064】
他の特徴にしたがって、酵素注入管がバッグを透析カートリッヂの「血液」入口につなげる管につなげられる。
他の特徴にしたがって、透析カートリッヂは管により溶解溶液を含みうる瓶につなげられ、及び冷蔵されたモヂュールは前記瓶及び溶解溶液を透析カートリッヂへ及び透析カートリッヂをとおして循環させるために前記管に結合して作動しうるポンプを受けるための手段を含む。
【0065】
1の特徴にしたがって、冷蔵及び温度制御手段はモヂュール内で+2〜+6℃の、及び好ましくは+4℃の次数の温度を維持することができる。
他の特徴にしたがって、透析カートリッヂからの「血液」出口はモヂュールの外に導く又は導きうる出口管につなげられる。他の特徴にしたがって、活性素の注入のための管は前記出口管につなげられる。上記出口管は(好ましくは中間バッグへのその管口の少し上流の出口管への第二の管口を介して導入される)再シール溶液はもちろん、溶解後の赤血球の懸濁物を回収することができる第二のバッグ(中間バッグ)につなげられうる。前記バッグは第二のモヂュール内で+30〜+40℃、好ましくは+35℃〜+38℃に温度を制御する手段で装備された第二のモヂュール内で有利に配置される。
【0066】
有利な態様にしたがって、使い捨て可能な取りはずし可能なアセンブリーは全ての以下のものを含む:バッグ、循環管、(そのような装置と連結して作動することが意図される注入装置又は容器で装備された)注入管、透析カートリッヂ、及び好ましくは溶解溶液の瓶。
【0067】
好ましくは、取りはずし可能なアセンブリーはそれ自体冷蔵又は加熱のために意図される特定の手段を有しない。これらの機能はアセンブリーの2の部分が入れられるモヂュール又はチャンバーによってのみ提供される。
【0068】
本発明に係る方法及び装置において使用されるポンプは好ましくは蠕動ポンプである;1の態様にしたがって、はじめのバッグからはじめのバッグへの懸濁物の再循環を提供するポンプ及び溶解緩衝液の循環のためのポンプは事前に決定された一定の回転スピードを有し、一方で、懸濁物を透析カートリッヂへ送るポンプは処理されるべき赤血球の浸透的もろさの機能として制御可能である回転スピードを有する。
【0069】
上記酵素は好適な手段、例えば、対応する注入管につなげられる、場合により駆動される、固定流動シリンジポンプにより導入されうる。変形として、シリンジポンプは蠕動ポンプで置き換えられうる。
上記装置は溶解カートリッヂをとおる赤血球の懸濁物の流速の制御及び/又は処理されるべき赤血球の浸透的もろさの機能としての、溶解溶液の容量オスモル濃度の調節の手段を含む。
【0070】
1の特徴にしたがって、流動調節手段は懸濁物を透析カートリッヂへ送るポンプを制御するよう設計される。他の代替の特徴にしたがって、調節手段は、容量オスモル濃度を低下させるための希釈により又は前記容量オスモル濃度を増大させるための好適な溶質の導入により、溶解溶液の容量オスモル濃度を調節するために設計される。変形として、処理されるべき赤血球の浸透的もろさに調節される容量オスモル濃度の溶解溶液はモヂュールに導入される。
【0071】
好ましい様相にしたがって、上記装置は、オペレーターにより入れられる教示にしたがって(例えば、赤血球の懸濁物の流速に関するデータは直接的にオペレーターにより入れられる)又は浸透的もろさに関して、オペレーターにより入れられるデータにしたがって、溶解プロセス及び場合により再シールプロセスを制御するための電子手段を含む(上記電子手段はそれから溶解パラメーター、例えば、赤血球の懸濁物の流速を決定する及び調節するために設計される)。前記電子手段は好ましくは(赤血球の懸濁物についてモヂュール内で及び/又は温度センサーで温度を制御するための)温度センサーにつなげられる。前記手段はポンプ、例えば、透析カートリッヂをとおる懸濁物の圧及び流速を制御し及び作動しうる。
【0072】
好ましくは、モヂュールは溶液及び懸濁物の設置及び循環の視覚による制御のために、ガラス表面で、少なくとも1の面上で装備される。
【0073】
本発明はここで、図面について、非限定的な例として使用される態様に基づいてより詳細に示されるであろう:
【実施例】
【0074】
実施例1:設置
引用ははじめに図1についてなされるであろう。点線により示される第一の箱は、それが開けられ及び閉められうるよう配置された、ガラスで覆われた前面(示されていない)を有する、平行六面体の全体的な形を有する、第一のモヂュール1を示す。このモヂュールの後ろに、蠕動ポンプP1、P2及びP3、及び示されていないが、ここで記述されるであろう取りはずし可能なアセンブリーを受けるための手段がある。ポンプP1及びP3は事前に決定された一定のデリバリーを有する。ポンプP2はそのデリバリーが変化するように制御される。
【0075】
取りはずし可能なアセンブリーは、溶解されるべき赤血球の懸濁物を含む、容積に関して融通のきくバッグ2を含む。前記バッグ2は赤血球を懸濁物中に維持するようバッグから及びバッグへの循環を提供するために、ポンプP1と連結して作動する、ループの、柔軟な管3で装備される。前記バッグはさらにその基礎で透析カートリッヂ5の「血液」区画の入口につなげられる柔軟な管4につなげられる。前記管4は、バッグからカートリッヂへの懸濁物の循環を提供するポンプP2と連結して作動する。駆動されるシリンジポンプPS1はカートリッヂ5の上流の管4につなげられ、及び前記シリンジポンプは酵素が赤血球の循環に導入されることを許容する。カートリッヂ5の「血液」区画の出口は、モヂュール1の外側へ開く出口の柔軟な管6につなげられる。第二の駆動されるシリンジポンプPS2は管6につなげられ、及びこのシリンジポンプは酵素が溶解された赤血球の循環に導入されることを許容する。溶解溶液を含む瓶7はモヂュール1内に配置され、及びカートリッヂ5をとおる溶解溶液の循環を提供するためにポンプ3と連結して作動する柔軟な管8によりカートリッヂ5の「透析物」入口につなげられる。最後に、カートリッヂを出る溶解溶液は、モヂュール1の外側に位置される瓶10内で終わる柔軟な放出管9によりモヂュール1から除去される。
【0076】
出口管6は、それが開かれ及び閉められうるように配置された、ガラスで覆われた前面(示されていない)を有する、平行六面体の全体的な形を有する第二のモヂュール11に続く。このモヂュールの後ろに、示されていないが、ちょうど部分的に示された取りはずし可能なアセンブリーの部分を形成するエレメントを受けるための手段がある。前記エレメントは、管6につなげられる、及び溶解された懸濁物が所蔵されるであろう、柔軟なバッグ12を含む。駆動されるシリンジポンプPS3は再シール生成物を注入するために、管6につなげられる。
【0077】
取りはずし可能なアセンブリーは全て柔軟な透明プラスティックから成るので、プロセスは完全に見ることができる。
上記装置は示されていないさまざまな手段をさらに提供される:
−他のもののうち特に、その中を循環する懸濁物の温度を計測するための管3上に位置される温度センサー、及びモヂュール1内の温度T1を計測するための温度センサーを含む、モヂュール1の内部を冷却する及びその温度を+2〜+4℃に調節するための手段、
モヂュール11はモヂュール11の内部を加熱する及びその中の温度T2を+37〜+38℃に調節する手段をさらに提供される;温度センサーはモヂュールの内側にフィットされる。
−D1及びD2で、管内の赤血球の存在を検出するための(例えば、超音波の又は比色の)手段、
−透析カートリッヂの入口で圧を計測するための手段PR1。
−一方で温度及び圧センサー及び検出手段から来るデータ、及び他方で溶解パラメーターの設定に関連するデータを受ける電子装置;前記データに基づいて、上記装置はポンプP1、P2及びP3を制御する。プロセスフローチャートは図2中に示される。
【0078】
上記電子装置は上記フローチャートを実行するために設計されるコンピューターを含む。
前記装置の実行は12での、酵素を含む赤血球の懸濁物を含むバッグの回復を導く。
【0079】
実施例2:アルギニンデイミナーゼを封入する赤血球の生成
400mlの血液を患者から採取する。4℃に維持される上記血液を脱白血球化し、及び血漿を除去するために塩溶液で洗浄し、及び80%に調節されたヘマトクリットで、250mlの容積を有する柔軟なバッグに入れる。
アルギニンデイミナーゼの水溶液を赤血球の懸濁物に添加し、ml当たり400IUの濃度の酵素及び70%のヘマトクリットを得る。
【0080】
1mlの4℃の懸濁物を取り、及びそれを、その作動原理は上記に示された、以前に引用されるJ. Didelon et al. 2000中に示される浸透的もろさを計測するための器具に入れる。計測は10分間取られる。上記器具は50%溶血を与える塩分濃度を決定することを可能にする。この塩分濃度は一般的にリットル当たり3〜5.5g NaClである。
【0081】
赤血球の懸濁物及び酵素を含む、250ml容量の柔軟なバッグ2を実施例1の設置に入れ、及び上記懸濁物及び低張溶解溶液を徐々に透析カートリッヂのそれぞれの区画に入れる。透析器中の赤血球の懸濁物の流速は、前の段階で決定された塩分濃度パラメーターの機能(浸透的もろさ又は抵抗性)として、15〜30ml/分に制御される。
再シール溶液をバッグ12のすぐ上流の溶解された赤血球の懸濁物に10%v/vでラインに添加する。懸濁物をバッグ中で37℃で30分間インキュベートする。それをその後塩溶液で洗浄し、保存溶液をそれに添加し(SAG−マンニトール)、その後上記バッグをそれが使用されるまで+4℃で貯蔵する。
【0082】
上記方法は純粋な赤血球のml当たり80〜180IUの酵素活性を有する赤血球を得ることを可能にする。
懸濁物の総体積は血液輸血の通常の実施にしたがって、静脈内灌流により患者に投与される。
【0083】
実施例3:in vitro分析
アルギニンデイミナーゼはアルギニンをシトルリン及びアンモニアに変換するアルギナーゼ異化酵素である。研究の目的は一旦赤血球に封入されたPseudomonas aeruginosaから得られたアルギニンデイミナーゼの涸渇活性を観察し及び確認することであった。この目的において、アルギニンデイミナーゼをロードされた赤血球はアルギニンを含む緩衝液とインキュベートされた。シトルリン及びアルギニン値は続いてHPLC MS MS法により評価された。
【0084】
アルギニンデイミナーゼをロードされた赤血球(RBC)の調製
組換えSeMet含有L−アルギニンデイミナーゼ(ADI)の溶液(120UI/ml)はPseudomona aeruginosaに由来した。
【0085】
新鮮なヘパリン化OF1マウス血液をCharles River laboratoriesから得、及び血漿及び軟膜を除去するために遠心分離した(4℃で800g、10分間)。包装された赤血球をNaCl0.9%で3回(1:1 v/v)洗浄した(4℃で800g、10分間)。最終的な洗浄後、赤血球を20UI/mlアルギニンデイミナーゼを伴って(CGR−ADI)又は伴わずに(CGR−LR)混合し、及び上記RBC懸濁物のヘマトクリットを(ADI溶液又は塩水を用いて)70%に調節した。
【0086】
赤血球の溶解を透析バッグ(カットオフ10Kd)への連続した流動透析プロセスにより得た。低張段階を40mOsm/lの十分な体積の溶解緩衝液(NaH2PO4,2H2O 0.73g/l;Na2HPO4,12H2O 5.035g/l;グルコース 0.36g/l)に対して4℃で60分間行った。100mlの低張溶液を導入される1mlの赤血球に対して添加した。回収後、溶解された赤血球の懸濁物を37℃で10分間インキュベートした。上記細胞をその後1/10(v/v)の再シール溶液(アデニン 0.39g/l;イノシン 15.6g/l;ピルビン酸ナトリウム 6.4g/l;NaH2PO4,H2O 4.9g/l;NaHPO4,12H2O 10.9g/l、グルコース 11.5g/l;NaCl 50g/l)中での37℃で30分間のインキュベーションにより再シールし、及びアニールさせた。再シール後、赤血球をTris 310mOsm/l pH7.4、BSA 4%中で3回洗浄した(4℃で800g、10分間)。
全血、透析段階前及び後のRBC懸濁物をCobas Micros 601 CS 14/12細胞カウンターを用いてヘマトクリット(Ht)、平均細胞体積(MCV)、平均細胞ヘモグロビン(MCHC)及び平均血球ヘモグロビン濃度(MCHC)についてモニターした。CGI−ADI及びCGR−LR懸濁物は透析後25%ヘマトクリットであった。
【0087】
(ADIを含有する又は含有しない)RBC懸濁物の等分を続くADI活性計測のために透析段階前及び後に回収した。
【0088】
ADI活性の分析
ADI活性の分析を透析前及び後に回収されたRBC懸濁物(CGR−ADI及びCGR−LR)の等分について行った。
【0089】
透析前のCGR−ADI及びCGR−LR等分のヘマトクリットをNaCl 0.9%中での十分な希釈により70%〜40%に調節した。透析後のCGR−ADI及びCGR−LR等分懸濁物のヘマトクリットは25%であり、及び改変されなかった。封入されたADIの割合を全血中の又は上清中のADI活性の計測により決定した。全血中のADI活性を決定するために、RBC懸濁物等分の1/3を液体窒素中で5分間凍結させ、及び37℃で温め、及び10μlの50mM MES中の10倍希釈の凍結RBCをその後酵素活性分析のために使用した。赤血球外の酵素活性を決定するために、RBC懸濁物の他の2/3を4℃で10分間遠心分離し、及び10μlの50mM MES中の2倍希釈の上清を酵素分析のために使用した。10分間で形成されたシトルリンの量をPrescott and Jonesの比色分析により定量した。標準分析混合物は900μl MES緩衝液 0.1M pH6.0、MgCl2 20mM及び10μlの上清又は冷凍RBCサンプルを含んだ。反応を1ml 10mM L−アルギニンの添加により開始し、及び37℃で5、10、15又は20分間続けた。反応を1mlの抗ピリン−ヂアセチルモノキシム溶液の添加によりこれらの異なる時間で停止させた。上記混合物を20分間沸騰させ、及び466nmでの吸収を計測した。標準曲線をシトルリンのストック溶液を適切に希釈することにより構築した。15〜20分間のADI活性を酵素の1分当たりに形成されたシトルリンのマイクロモルとして定義した。全ての計測は二重で行った。
【0090】
in vitro機能性分析
in vitro分析をアルギニンデイミナーゼをロードされた赤血球(CGR−ADI)をアルギニン含有緩衝液中でインキュベートし、及びアルギニン及びシトルリンアミノ酸両方の値を観察することにより完了した。反応の対照は同じ条件でインキュベートされるアルギニンデイミナーゼをロードされていない赤血球(CGR−LR)で実現した。
【0091】
1mlの事前に温められたアルギニンデイミナーゼをロードされた赤血球(CGR−ADI)をTris pH7.4中の300μM アルギニン、20mM MgCl2を含む1mlの緩衝液と混合した。Tris緩衝液を320mOsm/kg、pH7.4で調製した。対照分析を等しい量のCGR−LRを同じ条件下でアルギニン含有緩衝液と混合することにより行った。混合を上下運動により実現した。時間0を表す400μlのサンプルをエッペンドルフ管に直ちに回収し、及び4℃に置いた。混合物の残りを37℃で30分間インキュベートした。反応の終わりに、時間30(30分間)を表す400μlをエッペンドルフ中に回収し、及び4℃に置いた。回収された全ての400μlのサンプルについて、3/4(300μl)を4℃で10分間遠心分離した。遠心分離後、100μl等分の上清を回収し、及び−20℃で凍結させた。他の1/4を液体窒素中で5分間直接的に凍結させた。37℃で温めた後、50μl等分のサンプルを回収し、及び−20℃で凍結させた。
それぞれのサンプル中のアルギニン及びシトルリン値をその後HPLC/MS/MS法により評価した。
【0092】
結果:図3を参照のこと
37℃で30分以内に、ADIを取り込んだRBCは媒体(上清)中に含まれるアルギニンを約135μmol/Lから約42μmol/Lまで涸渇させることができる。同時に、媒体(赤血球外)中のシトルリン濃度は約17から約110μmol/Lに生成される。上清中のADIの活性は検出限界下(<0.1UI/ml)であった。RBCペレット中で計測された活性は2.56UI/mLであった。それは、アルギニンデイミネーションは赤血球内ADIにより提供されること、及びアルギニンは赤血球に入りその中で消化されることを立証する。さらに、それは、赤血球中で生成されたシトルリンは赤血球膜をとおってRBC外の媒体にいくことを強く示唆する。
【0093】
ADIが塩水により置き換えられる、プロセスされた赤血球である対照RBCsに関して、RBC外媒体からのアルギニンは37℃で30分以内に約165μmol/Lから約157μmol/Lまでだけ減少し、及びシトルリンは約1から約2μmol/Lにだけ達する。この低い涸渇はRBCs中に含まれるアルギナーゼの内因性活性により説明されうる。私たちは、アルギナーゼはADIに特異的であるアルギニン消化中にシトルリンを生成しないことを再び強調した。
【0094】
実施例4:アルギニンデイミナーゼの2の調合物の注入に応答したマウス血漿中のアルギニン濃度の速度論研究
研究の目的はアルギニンデイミナーゼをロードされた赤血球の注入に応答したOF1マウスにおけるアルギニン及びシトルリンの血漿薬物動態を追うことであった。
【0095】
試験及び対照物質の調製
組換えSeMet含有L−アルギニンデイミナーゼ(ADI)(120UI/ml)はPseudomona aeruginosaに由来した。
【0096】
遊離アルギニンデイミナーゼ(ADI+RBC)を、50%のヘマトクリットで10UI/mlのパックされたRBCの最終濃度を得るために、洗浄されたマウス赤血球(RBC)及びSag−マンニトール1/3(v/v)(Haemonetics)中に希釈した。Sag−マンニトールを添加前に10mM MgCl2で補充した。
【0097】
試験物質(ADILE)はアルギニンデイミナーゼをロードされた赤血球(RBC)に存する。アルギニンデイミナーゼをロードされた赤血球の調製手順をADIのin vitro機能性試験について示されるように決定した。透析前にADIを最終濃度50UI/mlを得るように洗浄されたパックされた赤血球と混合した。透析後、封入されたRBCを10mM MgCl2で補充したSag−マンニトール1/3(v/v)と混合した。最終ヘマトクリットを50%に調節した。封入後に得られたADI活性は50%のヘマトクリットで8.35UI/mlの封入されたRBCであった。
酵素を伴わない第三のサンプル(CGR)を50%の最終ヘマトクリットで(10mM MgCl2で補充した)Sagマンニトールで再懸濁した洗浄されたRBCで調製した。塩溶液をADIの代わりに添加した。
【0098】
全体の実験の間、全血、透析段階前及び後のRBC懸濁物をCobas Micros 601 CS 14/12細胞カウンターを用いてヘマトクリット(Ht)、平均細胞体積(MCV)、平均細胞ヘモグロビン(MCHC)及び平均血球ヘモグロビン濃度(MCHC)についてモニターした。等分のRBC懸濁物を続くADI活性計測のために透析段階前及び後に回収した。ADI活性計測を以前に示されるように決定した。
【0099】
動物
5〜6週齢及び体重18〜22gの64匹のOF1雌マウスをCharles River Laboratories(L’Arbresle, France)から得た。動物を処置前に特定病原体フリー(SPF)動物ケアにおいて7日間観察した。実験プロトコルはフランス農業研究省により認可された。64匹の健康なOF1マウスを4匹のマウスの1群及び20匹のマウスの3群にランダム化した。処置されたマウスは250μlの注入体積で静脈内経路により単一の注入を受けた。
【0100】
処置スケヂュール
処置スケヂュールを以下のように選択した:群1からのマウスは処置されなかった;群2からのマウスは50%のヘマトクリットの洗浄されたマウス赤血球(RBC)により処置された;群3からのマウスはアルギニンデイミナーゼをロードされた赤血球(ADILE)の単一の注入を受けた;群4のマウスは50%のヘマトクリットの洗浄されたマウスRBCの懸濁物中の遊離アルギニンデイミナーゼ(ADI+RBC)の単一の注入を受けた。異なる生成物サンプルを二重盲検で投与した。
【0101】
処置後、マウスを心臓穿刺により殺した。Isoflurane Forene(Centravet, Bondoufle, France)を殺す前にマウスを麻酔するために使用した。マウスを殺すことは表中以下に示されるように行った。約800μlの全血をヘパリンリチウムガラス管中に回収し、及び回収後氷水浴中に直ちに維持した。血液サンプルを直ちに2,500gで+4℃で10分間遠心分離し、血漿を得た。約200μlの血漿をプロピレン管に移し、直ちに−20℃で冷凍した。残りの血液細胞ペレットをプロピレン管に移し、直ちに分析まで−20℃で冷凍した。アルギニン及びシトルリンの値を血漿の1のバイアル及び血液細胞ペレットにおいて計測した。
【0102】
アミノ酸分析
血漿及び血液細胞ペレット中のアルギニン及びシトルリンの濃度をHPLC/MS/MS法によりアルギニン及びシトルリンの抽出後に計測した。
【0103】
【表1】

【0104】
結果:図4〜5を参照のこと
1)赤血球ペレット中のアルギニンの投与量を考慮して、遊離の又は取り込まれたADIを受けたマウスにおいて濃度における強い及び速い減少が観察される。通常のRBCを受けたマウスにおいては顕著な改変は観察されなかった。しかしながら、12時間以内に、アルギニンにおける濃度はADI遊離群(ADI+RBC)については通常の値に戻り、及び取り込まれたADI(ADILE)については少なくとも48時間非常に低く維持される。
【0105】
2)アルギニンが涸渇されると同時に、シトルリンが生成される。しかしながら、高い値が48時間までADILEについて維持される一方で、高い値はADI+RBC群について24時間以内に通常の値に戻ることが観察される。通常のRBCを受けたマウスにおいて顕著な改変は観察されなかった。
【0106】
このことはADIのRBCへの取り込みは溶解/再シール段階により可能であること、及びRBCにロードされたADIは遊離溶液中のADIよりはるかに長く有効であることを証明する。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】図1は本発明にしたがう溶解−再シール装置の図面である;
【図2】図2は方法のフローチャートである;
【図3】図3はADI(アルギニンデイミナーゼ)を含有する又は含有しない赤血球の上清中のアルギニン対シトルリン濃度を示すグラフである;
【図4】図4及び5はアルギニン及びシトルリン濃度についての赤血球における薬物動態に相対的なグラフを示す;図4は、ADILE(アルギニンデイミナーゼをロードされた赤血球)、ADI(遊離アルギニンデイミナーゼ)+RBC又はRBCで処理された3群のマウスについての、(処理後48時間までの)時間中のアルギニン濃度における変化を示し、及び図5は(処理後48時間までの)時間中のシトルリン濃度における変化を示す。RBC又はBCは赤血球を示すために本明細書中で使用される。
【図5】図4及び5はアルギニン及びシトルリン濃度についての赤血球における薬物動態に相対的なグラフを示す;図4は、ADILE(アルギニンデイミナーゼをロードされた赤血球)、ADI(遊離アルギニンデイミナーゼ)+RBC又はRBCで処理された3群のマウスについての、(処理後48時間までの)時間中のアルギニン濃度における変化を示し、及び図5は(処理後48時間までの)時間中のシトルリン濃度における変化を示す。RBC又はBCは赤血球を示すために本明細書中で使用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
in vivoで血漿アルギニンの濃度を低下させるための医薬製品の調製のためのアルギニンデイミナーゼを含む赤血球の使用。
【請求項2】
アルギニン依存性腫瘍の治療のための、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
肝細胞癌の治療のための、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
悪性黒色腫の治療のための、請求項2に記載の使用。
【請求項5】
一酸化窒素合成を阻害するための、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
敗血症性卒中の予防及び/又は治療のための、請求項1に記載の使用。
【請求項7】
乳癌の、神経芽細胞腫の又はT−細胞リンパ芽球性白血病の治療又は新脈管形成の阻害又は関連する疾患の治療のための、請求項2に記載の使用。
【請求項8】
アルギニンデイミナーゼを含む赤血球。
【請求項9】
医薬として許容される液体中に懸濁される、請求項8に記載の赤血球。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の、赤血球又は赤血球の懸濁物を含む医薬製品。
【請求項11】
アルギニンの血漿濃度を低下させるための、請求項10に記載の医薬製品。
【請求項12】
アルギニン依存性腫瘍の治療のための、請求項10に記載の医薬製品。
【請求項13】
悪性黒色腫、肝細胞癌、乳癌、神経芽細胞腫及びT−細胞リンパ芽球性白血病から選ばれる腫瘍の治療のための又は新脈管形成の阻害又は関連する疾患の治療のための、請求項12に記載の医薬製品。
【請求項14】
NO合成を阻害するための、請求項10に記載の医薬製品。
【請求項15】
敗血症性卒中の予防及び/又は治療のための、請求項14に記載の医薬製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−538761(P2008−538761A)
【公表日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507191(P2008−507191)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【国際出願番号】PCT/IB2006/001004
【国際公開番号】WO2006/114691
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(507035042)
【Fターム(参考)】