説明

アルコキシシラン又はエーテルでの失活を介した、エキソオレフィン末端ポリオレフィンの調製

本明細書中に提供されているのは、ポリオレフィン鎖上に1つ又は複数のエキソオレフィンの末端基を含有するポリオレフィンを調製するための方法であって、イオン化ポリオレフィンを、アルコキシシラン又はエーテルで失活させるステップを含む方法である。一部の実施形態では、本方法は、以下のスキームIで表される。一部の実施形態では、アルコキシシラン又はエーテル化合物は、式II(式中、Yは、炭素又はケイ素であり、Rは、ヒドロカルビルであり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素又はヒドロカルビルである)を有する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中に提供されているのは、エキソオレフィン末端ポリオレフィンを調製するための方法である。
【背景技術】
【0002】
エキソオレフィン末端ポリオレフィン、例えばポリイソブチレン(PIB)は、特定の官能性末端基を含有するポリマーの調製に有用な前駆体である。具体的には、エキソオレフィン末端基は、他の特定の官能性末端基へと変換し得る。特定の末端基を含有するポリマーは、いくつかの有用な目的を有する。例えば、PIB系スクシンイミドアミン分散剤は、エンジン潤滑剤として有用である。したがって、エキソオレフィン末端ポリオレフィンを、選択的又は独占的に作製する方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態において、本明細書中に提供されているのは、ポリオレフィン鎖上に1つ又は複数のエキソオレフィンの末端基を含有するポリオレフィンを調製するための方法であって、イオン化ポリオレフィンを、アルコキシシラン又はエーテルで失活させるステップを含む方法である。一部の実施形態では、本方法は、以下のスキームで表される。
【化1】


(式中、Rは、水素又はヒドロカルビルである)。一部の実施形態では、Rは、ヒドロカルビルである。
【0004】
一部の実施形態では、アルコキシシラン又はエーテル化合物は、式:
【化2】


(式中、Yは、炭素又はケイ素であり、
は、ヒドロカルビルであり、R〜Rは、それぞれ独立して、H又はヒドロカルビルである。)を有する。
【0005】
一部の実施形態では、1つ又は複数のエキソオレフィン末端基を含有する、形成されたポリオレフィンは、すべての生成物に対して少なくとも98モルパーセントである。
【0006】
詳細な説明
定義
他に定義されていない限り、本明細書中で使用されている、すべての技術用語及び科学用語は、当業者により一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書中で使用した用語に対して複数の定義が存在する場合、特に明記のない限り、本セクションで提供されている定義が有効である。
【0007】
本明細書で使用する場合、「アルコール」とは、式:
R−OH
(式中、Rは、脂肪族ヒドロカルビルであり、−OHは、第一級、第二級、又は第三級炭素と結合していてもよい)の化合物を指す。
【0008】
本明細書で使用する場合、「アルキル」は、1から20個の炭素、又は1から16個の炭素を含有する炭素鎖又は基を指す。このような鎖又は基は、直鎖又は分枝であってよい。本明細書中の代表的なアルキル基として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル又はイソヘキシルが挙げられるが、これらに限らない。本明細書で使用する場合、「低級アルキル」とは、1個の炭素原子から約6個の炭素原子を有する炭素鎖又は基を指す。
【0009】
本明細書で使用する場合、「アルケニル」は、2から20個の炭素、又は2から16個の炭素を含有する炭素鎖又は基であって、この鎖の中に1つ又は複数の二重結合が含有されている炭素鎖又は基を指す。一例として、アリル基が挙げられるが、これに限らない。アルケニル炭素鎖又は基の二重結合は、別の不飽和基と共役していてもよい。アルケニル炭素鎖又は基は、1つ又は複数のヘテロ原子で置換されていてもよい。アルケニル炭素鎖又は基は、1つ又は複数の三重結合を含有していてもよい。
【0010】
本明細書で使用する場合、「アルキニル」は、2から20個の炭素、又は2から16個の炭素を含有する炭素鎖又は基であって、この鎖の中に1つ又は複数の三重結合が含有されている炭素鎖又は基を指す。一例として、プロパルギル基が挙げられるが、これに限らない。アルキニル炭素鎖又は基の三重結合は、別の不飽和基と共役していてもよい。アルキニル炭素鎖又は基は、1つ又は複数のヘテロ原子で置換されていてもよい。アルキニル炭素鎖又は基は、1つ又は複数の二重結合を含有していてもよい。
【0011】
本明細書で使用する場合、「アリール」は、6から約30個の炭素原子を含有する単環式又は多環式芳香族基を指す。アリール基として、非置換若しくは置換のフルオレニル、非置換若しくは置換のフェニル、又は非置換若しくは置換のナフチルなどの基が挙げられるが、これらに限らない。
【0012】
本明細書で使用する場合、「アルカリル」は、少なくとも1つのアルキル、アルケニル、又はアルキニル基で置換されたアリール基を指す。
【0013】
本明細書で使用する場合、「アラルキル」は、少なくとも1つのアリール基で置換されたアルキル、アルケニル、又はアルキニル基を指す。
【0014】
本明細書で使用する場合、「アルコキシシラン」は、少なくとも1つのアルコキシ基に結合した、少なくとも1個のケイ素原子を含有する化合物を指す。
【0015】
本明細書で使用する場合、「アミン」は、式:
−NR
(式中、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素又はヒドロカルビルである)の化合物を指す。
【0016】
本明細書で使用する場合、「カルボカチオン」及び「カルベニウムイオン」は、正の電荷をもつ炭素原子を指す。
【0017】
本明細書で使用する場合、「カルボカチオン末端ポリオレフィン」は、少なくとも1つのカルボカチオン末端基を含有するポリオレフィンを指す。例として、式:
【化3】


の化合物が挙げられるが、これらに限らない。
【0018】
本明細書で使用する場合、「鎖末端濃度」は、カルボカチオン末端基及び休止中の末端基のモル濃度の和を指す。一官能性の開始剤が使用される場合、鎖末端濃度は、開始剤の濃度とほぼ等しい。多官能性の開始剤に関しては、開始剤の官能価がxと等しい場合、この鎖末端濃度は、開始剤濃度をx倍したものとほぼ等しい。
【0019】
本明細書で使用する場合、「結合したポリオレフィン」は、カルボカチオン末端ポリオレフィンが、別のポリオレフィンに添加されてできた生成物を指す。
【0020】
本明細書で使用する場合、「希釈剤」は、液体の希釈剤又は化合物を指す。希釈剤は、単一の化合物又は2つ以上の化合物の混合物であってよい。希釈剤は、反応成分を完全に溶解、又は部分的に溶解することができる。例として、ヘキサン若しくは塩化メチル、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。
【0021】
本明細書で使用する場合、「電子供与体」は、一対の電子を別の分子に供与することができる分子を指す。例として、ルイス酸と錯体を形成することが可能な分子が挙げられるが、これらに限らない。さらなる例として、塩基及び/又は求核剤が挙げられるが、これらに限らない。さらなる例として、プロトンを抽出又は除去することが可能な分子が挙げられるが、これらに限らない。さらなる例として、ピリジン誘導体が挙げられるが、これらに限らない。
【0022】
本明細書で使用する場合、「エーテル」は、式:
−O−R
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、ヒドロカルビルである)の化合物を指す。
【0023】
本明細書で使用する場合「エキソオレフィン末端基」又は「エキソオレフィンの末端基」は、末端のオレフィン部分を指す。
【0024】
本明細書で使用する場合、「エキソオレフィン末端ポリオレフィン」は、少なくとも1つのエキソオレフィン末端基を含有するポリオレフィンを指す。例として、以下の式:
【化4】


(式中、Rは、水素又はヒドロカルビルである)の化合物が挙げられるが、これらに限らない。一部の実施形態では、Rは、ヒドロカルビルである。
【0025】
本明細書で使用する場合、「ハロゲン化物」、「ハロ」又は「ハロゲン」は、F、Cl、Br、又はIを指す。
【0026】
本明細書で使用する場合、「ヒドロカルビル」は、炭素及び水素原子しか含有しない、一価の、直鎖、分枝又は環状の基を指す。
【0027】
本明細書で使用する場合、「開始剤」は、カルボカチオンを提供する化合物を指す。例として、1つ又は複数のカルボカチオン前駆体基を有する化合物が挙げられるが、これらに限らない。開始剤は、一官能性又は多官能性であってよい。本明細書で使用する場合、「一官能性開始剤」は、開始剤に対して、化学量としておよそ1当量のカルボカチオンを提供する開始剤を指す。本明細書で使用する場合、「多官能性開始剤」は、開始剤に対して化学量として約x当量(ここで、xは、開始剤の官能価を表す)のカルボカチオンを提供する開始剤を指す。一官能性開始剤を使用する場合、鎖末端濃度は、開始剤濃度とほぼ等しい。多官能性開始剤では、開始剤の官能価がxと等しい場合、鎖末端濃度は、開始剤濃度のx倍と等しい。
【0028】
本明細書で使用する場合、「イオン化ポリオレフィン」は、少なくとも1つのカルベニウムイオンを含有するポリオレフィンを指す。一例として、カチオン性ポリオレフィンにイオン化したtert−ハリド末端ポリオレフィンが挙げられるが、これに限らない。さらなる例として、準リビングカルボカチオンポリオレフィンが挙げられるが、これに限らない。さらなる例として、イオン化ポリオレフィン又は準リビングカルボカチオンポリオレフィンへとイオン化したエキソオレフィン末端ポリオレフィンが挙げられるが、これに限らない。さらなる例として、準リビングカルボカチオンポリオレフィン又はカチオン性ポリオレフィンへとイオン化したオレフィンを含有するポリオレフィンが挙げられるが、これに限らない。
【0029】
本明細書で使用する場合、「ルイス酸」は、一対の電子を受け取ることが可能な化学物質を指す。一例として、四塩化チタンが挙げられるが、これに限らない。
【0030】
本明細書で使用する場合、「モノマー」は、カルボカチオンと組み合わせることによって、別のカルボカチオンを形成することが可能なオレフィンを指す。一例として、イソブチレンが挙げられるが、これに限らない。
【0031】
本明細書で使用する場合、「すべての生成物に対するモルパーセント」は、すべての反応生成物のモル数に対する、ある特定の反応生成物のモル数の割合に100をかけたものを指す。
【0032】
本明細書で使用する場合、「ポリオレフィン」は、少なくとも2つのオレフィンモノマーを含むポリマーを指す。一例として、ポリイソブチレンが挙げられるが、これに限らない。
【0033】
本明細書で使用する場合、「ピリジン誘導体」は、式:
【化5】


(式中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素若しくはヒドロカルビルであり、又はR及びR、又はR及びR、又はR及びR、又はR及びRは、独立して、約4から約7個の炭素原子の縮合した脂肪族環、又は約5から約7個の炭素原子の縮合した芳香環を形成する)の化合物を指す。一例として、2,6−ルチジンが挙げられるが、これに限らない。
【0034】
本明細書で使用する場合、「準リビングカルボカチオン重合条件」は、準リビングカルボカチオンポリオレフィンの形成を可能にする重合条件を指す。
【0035】
本明細書で使用する場合、「準リビングカルボカチオンポリオレフィン」は、準リビング重合条件下で形成され、オレフィンモノマーの存在下で活発に成長するカルボカチオンポリオレフィンを指す。
【0036】
本明細書で使用する場合、「準リビング重合」は、成長速度に対して、不可逆性の連鎖停止反応の速度がゼロ、又は非常に低い状態であるカルボカチオン重合を指す。準リビング重合は、開始により進行し、続いて成長するが、成長性(活性のある)ポリマー鎖は、非成長性(休止中)ポリマー鎖と迅速平衡状態にある。
【0037】
本明細書で使用する場合、「準リビング重合条件」は、準リビング重合の発生を可能とする反応条件を指す。
【0038】
本明細書で使用する場合、「失活する」は、カルベニウムイオンを失活剤と反応させることを指す。
【0039】
本明細書で使用する場合、「失活剤」は、単独又は別の化合物と組み合わせて、カルベニウムイオンと反応することができる化合物を指す。
【0040】
本明細書で使用する場合、「停止剤」は、ルイス酸の活性解除を介して重合を停止させる化合物を指す。
【0041】
本明細書で使用する場合、「tert−ハリド末端ポリオレフィン」は、少なくとも1つの第三級ハロゲン化物末端基を含有するポリオレフィンを指す。一例として、式:
【化6】


(式中、Xはハロゲンである)の化合物が挙げられるが、これに限らない。
【0042】
方法
本明細書中に提供されているのは、ポリオレフィン鎖上に1つ又は複数のエキソオレフィンの末端基を含有するポリオレフィンを調製するための方法であって、イオン化ポリオレフィンを、アルコキシシラン又はエーテルで失活させるステップを含む方法である。一部の実施形態では、本明細書中に提供されている方法で調製したポリオレフィンは、ポリオレフィン鎖上に1つのエキソオレフィンの末端基を含有する。一部の実施形態では、本明細書中に提供されている方法で調製したポリオレフィンは、ポリオレフィン鎖上に2つ以上のエキソオレフィンの末端基を含有する。一部の実施形態では、本方法は、以下のスキーム:
【化7】


で表される。
【0043】
一部の実施形態では、本方法は、希釈剤の中で実施される。一部の実施形態では、複数のアルコキシシランが使用される。一部の実施形態では、複数のエーテルが使用される。
【0044】
本明細書中に記載されている方法の一部の実施形態では、失活剤は、アルコキシシラン又はエーテルである。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤は、2つの化合物又は原子の間に形成された錯体である。
【0045】
いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤は、アルコキシシランとあるルイス酸との間の錯体である。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤は、アルコキシシランとある四ハロゲン化チタンとの間の錯体である。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤は、アルコキシシランと四塩化チタンとの間の錯体である。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤は、アリルオキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン又はメトキシトリメチルシランと、あるルイス酸との間の錯体である。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、その失活剤は、アリルオキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン又はメトキシトリメチルシランと、ある四ハロゲン化チタンとの間の錯体である。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤は、アリルオキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン又はメトキシトリメチルシランと、四塩化チタンとの間の錯体である。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤は、エトキシトリメチルシランと四塩化チタンとの間の錯体である。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤は、あるアルコキシシランとあるルイス酸との間の化学量1:1の錯体である。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤は、あるアルコキシシランとある四ハロゲン化チタンとの間の化学量1:1の錯体である。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤はあるアルコキシトリメチルシランと四塩化チタンとの間の化学量1:1の錯体である。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤は、エトキシトリメチルシランと四塩化チタンとの間の化学量1:1の錯体である。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤は、以下の式:
【化8】


(式中、R〜Rは、ヒドロカルビルである)の化合物である。
【0046】
いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤は、以下の化合物である。
【化9】

【0047】
いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤は、アルコキシシランである。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤は、アリルオキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン又はメトキシトリメチルシランである。
【0048】
いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤は、エーテルとルイス酸との間の錯体である。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤は、エーテルとある四ハロゲン化チタンとの間の錯体である。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤は、エーテルと四塩化チタンとの間の錯体である。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤は、tert−ブチルエチルエーテル又はtert−ブチルメチルエーテルと四ハロゲン化チタンとの間の錯体である。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活剤は、tert−ブチルエチルエーテル又はtert−ブチルメチルエーテルと四塩化チタンとの間の錯体である。
【0049】
いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、2種以上の失活剤が作用して、カルベニウムイオンを失活する。例えば、アルコキシシランの場合、カルベニウムイオンは、遊離アルコキシシラン及び錯体化したアルコキシシランの混合物により失活され得る。
【0050】
いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、電子供与体が失活剤である。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、ピリジン誘導体が失活剤である。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、2,6−ルチジンが失活剤である。
【0051】
一部の実施形態では、失活時間は、約1分間から約90分間である。一部の実施形態では、失活時間は、60分間を超える。一部の実施形態では、失活時間は、約5分間である。一部の実施形態では、失活時間は、約10分間である。一部の実施形態では、失活時間は、約15分間である。一部の実施形態では、失活時間は、約20分間である。一部の実施形態では、失活時間は、約25分間である。一部の実施形態では、失活時間は、約30分間である。一部の実施形態では、失活時間は、約35分間である。一部の実施形態では、失活時間は、約40分間である。一部の実施形態では、失活時間は、約45分間である。一部の実施形態では、失活時間は、約50分間である。一部の実施形態では、失活時間は、約55分間である。一部の実施形態では、失活時間は、約60分間である。
【0052】
一部の実施形態では、反応は、約−150℃から約−30℃の温度で失活される。一部の実施形態では、反応は、約−150℃から約−40℃の温度で失活される。一部の実施形態では、反応は、約−100℃から約−30℃の温度で失活される。一部の実施形態では、反応は、約−100℃から約−40℃の温度で失活される。一部の実施形態では、反応は、約−90℃から約−60℃の温度で失活される。一部の実施形態では、反応は、約−100℃の温度で失活される。一部の実施形態では、反応は、約−90℃の温度で失活される。一部の実施形態では、反応は、約−80℃の温度で失活される。一部の実施形態では、反応は、約−70℃の温度で失活される。一部の実施形態では、反応は、約−60℃の温度で失活される。一部の実施形態では、反応は、約−55℃の温度で失活される。一部の実施形態では、反応は、約−50℃の温度で失活される。一部の実施形態では、反応は、約−45℃の温度で失活される。一部の実施形態では、反応は、約−40℃の温度で失活される。一部の実施形態では、反応は、約−35℃の温度で失活される。一部の実施形態では、反応は、約−30℃の温度で失活される。
【0053】
一部の実施形態では、反応混合物及び単離したポリオレフィン生成物は、着色した沈殿物をほとんど含まない。
【0054】
失活剤
本発明での使用のための失活剤の様々な実施形態を本明細書中に記載する。そのような実施形態のすべての組合せは、本開示の範囲内である。
【0055】
(a)アルコキシシラン
一部の実施形態では、アルコキシシランは、式:
【化10】


(式中、Rは、ヒドロカルビルであり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素又はヒドロカルビルである)を有する。
【0056】
一部の実施形態では、アルコキシシランは、式:
【化11】


(式中、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルカリル又はアラルキルであり、
、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルカリル若しくはアラルキルであるか、又はR及びR、又はR及びR、又はR及びRは、独立して、約3から約7個の炭素原子の縮合した脂肪族環を形成する)を有する。
【0057】
一部の実施形態では、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルカリル又はアラルキルである。一部の実施形態では、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル又はアラルキルである。一部の実施形態では、Rは、アルキル、アルケニル又はアルキニルである。一部の実施形態では、Rは、アルキルである。一部の実施形態では、Rは、低級アルキルである。
【0058】
一部の実施形態では、Rは、メチル、エチル又はアリルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。一部の実施形態では、Rは、エチルである。一部の実施形態では、Rは、アリルである。
【0059】
一部の実施形態では、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルカリル若しくはアラルキルであるか、又はR及びR、又はR及びR、又はR及びRは、独立して、約3から約7個の炭素原子の縮合した脂肪族環を形成する。一部の実施形態では、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル若しくはアラルキルであるか、又はR及びR、又はR及びR、又はR及びRは、独立して、約3から約7個の炭素原子の縮合した脂肪族環を形成する。一部の実施形態では、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル又はアルキニルである。一部の実施形態では、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素又はアルキルである。一部の実施形態では、R、R及びRは、それぞれ独立して、アルキルである。一部の実施形態では、R、R及びRは、それぞれ独立して、低級アルキルである。一部の実施形態では、R、R及びRは、それぞれメチルである。一部の実施形態では、R、R及びRは、それぞれ水素である。一部の実施形態では、R〜Rのうちの1つは、水素であり、他の2つは、両方ともメチルである。
【0060】
一部の実施形態では、アルコキシシランは、モノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン又はテトラアルコキシシランである。一部の実施形態では、アルコキシシランは、モノアルコキシトリアルキルシラン、ジアルコキシジアルキルシラン、トリアルコキシモノアルキルシラン又はテトラアルコキシシランである。一部の実施形態では、アルコキシシランは、モノアルコキシトリアルキルシラン又はジアルコキシジアルキルシランである。一部の実施形態では、アルコキシシランは、モノアルコキシトリアルキルシランである。一部の実施形態では、アルコキシシランは、モノアルコキシトリメチルシラン、モノアルコキシトリプロピルシラン又はモノアルコキシトリブチルシランである。一部の実施形態では、アルコキシシランは、モノアルコキシトリメチルシランである。
【0061】
一部の実施形態では、アルコキシシランは、アリルオキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン又はメトキシトリメチルシランである。一部の実施形態では、アルコキシシランは、アリルオキシトリメチルシランである。一部の実施形態では、アルコキシシランは、エトキシトリメチルシランである。一部の実施形態では、アルコキシシランは、メトキシトリメチルシランである。
【0062】
(b)エーテル
一部の実施形態では、エーテルは、式:
−O−R
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、ヒドロカルビルである)を有する。
【0063】
一部の実施形態では、エーテルは、式:
【化12】


(式中、Rは、ヒドロカルビルであり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素又はヒドロカルビルである)を有する。
【0064】
一部の実施形態では、エーテルは、式:
【化13】


(式中、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルカリル又はアラルキルであり、
、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルカリル若しくはアラルキルであるか、又はR及びR、又はR及びR、又はR及びRは、独立して、約3から約7個の炭素原子の縮合した脂肪族環を形成する)を有する。
【0065】
一部の実施形態では、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルカリル又はアラルキルである。一部の実施形態では、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル又はアラルキルである。一部の実施形態では、Rは、アルキル、アルケニル又はアルキニルである。一部の実施形態では、Rは、アルキルである。一部の実施形態では、Rは、低級アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチル、エチル又はアリルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。一部の実施形態では、Rは、エチルである。一部の実施形態では、Rは、アリルである。
【0066】
一部の実施形態では、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルカリル若しくはアラルキルであるか、又はR及びR、又はR及びR、又はR及びRは、独立して、約3から約7個の炭素原子の縮合した脂肪族環を形成する。一部の実施形態では、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル若しくはアラルキルであるか、又はR及びR、又はR及びR、又はR及びRは、独立して、約3から約7個の炭素原子の縮合した脂肪族環を形成する。一部の実施形態では、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル又はアルキニルである。一部の実施形態では、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素又はアルキルである。一部の実施形態では、R、R及びRは、それぞれ独立して、アルキルである。一部の実施形態では、R、R及びRは、それぞれ独立して、低級アルキルである。一部の実施形態では、R、R及びRは、それぞれメチルである。一部の実施形態では、R、R及びRは、それぞれ水素である。
【0067】
一部の実施形態では、エーテルは、イソプロピルアルキルエーテル、sec−ブチルアルキルエーテル、イソブチルアルキルエーテル又はtert−ブチルアルキルエーテルである。一部の実施形態では、エーテルは、ジアルキルエーテルである。一部の実施形態では、エーテルは、ジエチルエーテル又はジプロピルエーテルである。一部の実施形態では、エーテルは、tert−ブチルアルキルエーテルである。
【0068】
一部の実施形態では、エーテルは、tert−アミルメチルエーテル、イソプロピルメチルエーテル、イソプロピルエチルエーテル、sec−ブチルメチルエーテル、sec−ブチルエチルエーテル、イソブチルメチルエーテル、イソブチルエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル又はtert−ブチルエチルエーテルである。一部の実施形態では、エーテルは、tert−ブチルエチルエーテル又はtert−ブチルメチルエーテルである。一部の実施形態では、エーテルは、tert−ブチルエチルエーテルである。一部の実施形態では、エーテルは、tert−ブチルメチルエーテルである。
【0069】
イオン化ポリオレフィン
イオン化ポリオレフィンは、当業者には既知のいずれの方法により生成し得る。例として、ルイス酸でtert−ハリドをイオン化すること、プリフォームポリオレフィンをルイス酸でイオン化すること、又は準リビングカルボカチオン重合条件下でオレフィンモノマーを重合化することなどが挙げられるが、これらに限らない。
【0070】
一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、カルボカチオン末端ポリオレフィンである。一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、1つ又は複数のカルボカチオン末端基を含有する。一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、1つのカルボカチオン末端基を含有する。一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、2つのカルボカチオン末端基を含有する。一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、3つのカルボカチオン末端基を含有する。一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、カチオン性末端基を有するポリイソブチレンである。一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、以下の式の化合物である。
【化14】

【0071】
(a)tert−ハリドからのイオン化ポリオレフィン
一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、tert−ハリド末端ポリオレフィンから誘導される。一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、tert−クロリド末端ポリオレフィン、tert−ブロミド末端ポリオレフィン、又はtert−ヨージド末端ポリオレフィンから誘導される。一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、tert−クロリド末端ポリオレフィン又はtert−ブロミド末端ポリオレフィンから誘導される。一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、tert−クロリドポリオレフィンから誘導される。
【0072】
一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、tert−ハリド末端ポリオレフィンをルイス酸に接触させることによって生成される。一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、tert−クロリド末端ポリオレフィン、tert−ブロミド末端ポリオレフィン又はtert−ヨージド末端ポリオレフィンをルイス酸に接触させることによって生成される。一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、tert−クロリド末端ポリオレフィンをルイス酸に接触させることによって生成される。
【0073】
一部の実施形態では、このようなルイス酸は、非プロトン性の酸である。一部の実施形態では、このようなルイス酸は、金属ハロゲン化物又は非金属ハロゲン化物である。一部の実施形態では、このようなルイス酸は、金属ハロゲン化物である。一部の実施形態では、このようなルイス酸は、ハロゲン化チタン(IV)、ハロゲン化亜鉛(II)、ハロゲン化スズ(IV)又はハロゲン化アルミニウム(III)である。一部の実施形態では、このようなルイス酸は、ハロゲン化チタン(IV)である。一部の実施形態では、このようなルイス酸は、ハロゲン化スズ(IV)である。一部の実施形態では、このようなルイス酸は、ハロゲン化アルミニウム(III)である。一部の実施形態では、このようなルイス酸は、四臭化チタン又は四塩化チタンである。一部の実施形態では、このようなルイス酸は、四塩化チタンである。一部の実施形態では、このようなルイス酸は、塩化亜鉛である。一部の実施形態では、このようなルイス酸は、エチルアルミニウムジクロリドである。一部の実施形態ではこのようなルイス酸は、非金属ハロゲン化物である。一部の実施形態では、ルイス酸は、ハロゲン化アンチモン(VI)、ハロゲン化ガリウム(III)又はハロゲン化ホウ素(III)である。一部の実施形態では、ルイス酸は、三塩化ホウ素である。一部の実施形態では、ルイス酸は、四ハロゲン化チタン、三ハロゲン化ホウ素、三塩化アルミニウム、四塩化スズ、塩化亜鉛又はエチルアルミニウムジクロリドである。一部の実施形態では、ルイス酸は、四塩化チタン、四臭化チタン又は三塩化ホウ素である。
【0074】
(b)プリフォームポリオレフィンからのイオン化ポリオレフィン
一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、プリフォームポリオレフィンである。一部の実施形態では、このようなプリフォームポリオレフィンは、1つ又は複数の二重結合を含有する。一部の実施形態では、このようなプリフォームポリオレフィンは、1つの二重結合を含有する。一部の実施形態では、このようなプリフォームポリオレフィンは、ポリイソブチレン誘導体である。一部の実施形態では、このようなプリフォームポリオレフィンは、1つ又は複数のエンドオレフィンを含有する。
【0075】
一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、ルイス酸を、プリフォームポリオレフィンと接触させることによって生成される。一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、1つ又は複数の二重結合を含有するプリフォームポリオレフィンを、ルイス酸と接触させることによって生成される。一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、1つの二重結合を含有するプリフォームポリオレフィンを、ルイス酸と接触させることによって生成される。一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、ポリイソブチレン誘導体をルイス酸と接触させることによって生成される。一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、1つ又は複数のエンドオレフィンを含有するプリフォームポリオレフィンを、ルイス酸と接触させることによって生成される。
【0076】
(c)準リビングカルボカチオン重合条件下での、オレフィンモノマーからのイオン化ポリオレフィン
一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、準リビングカルボカチオン条件下で、オレフィンモノマーから誘導される。このような条件下で、準リビングカルボカチオンポリオレフィンは生成される。このような条件は、当業者に既知の任意の方法で実現することができる。一部の実施形態では、モノマー、開始剤及びルイス酸が使用される。一部の実施形態では、イオン化ポリオレフィンは、準リビングカルボカチオンポリイソブチレンである。一部の実施形態では、このような準リビングカルボカチオンポリオレフィンは、以下の式の化合物である。
【化15】

【0077】
(i)開始剤
一部の実施形態では、開始剤は、1つ又は複数の第三級末端基を有する化合物又はポリオレフィンである。一部の実施形態では、開始剤は、1つの第三級末端基を有する。一部の実施形態では、開始剤は、2つ以上の第三級末端基を有する。
【0078】
一部の実施形態では、開始剤は、式(X’−CR(式中、R、R及びRは、独立して、アルキル、芳香族、アルキル芳香族基のうちの少なくとも1つを含み、同一であるか又は異なることができ、X’は、アセテート、エーテレート、ヒドロキシル基又はハロゲンである)の化合物である。一部の実施形態では、Rは、nの原子価を有し、nは、1から4の整数である。一部の実施形態では、R、R及びRは、1個の炭素原子から約20個の炭素原子を含有する炭化水素基である。一部の実施形態では、R、R及びRは、1個の炭素原子から約8個の炭素原子を含有する炭化水素基である。一部の実施形態では、X’は、ハロゲンである。一部の実施形態では、X’は、クロリドである。一部の実施形態では、R、R及びRの構造は、成長種又はモノマーを模倣する。一部の実施形態では、このような構造は、ポリスチレンに対する1−フェニルエチル誘導体又はポリイソブチレンに対する2,4,4−トリメチルペンチル誘導体である。一部の実施形態では、開始剤は、ハロゲン化クミル、ハロゲン化ジクミル又はハロゲン化トリクミルである。一部の実施形態では、塩化物が使用される。一部の実施形態では、開始剤は、2−クロロ−2−フェニルプロパン、すなわち塩化クミル、1,4−ジ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン、すなわちジ(クミルクロリド)、1,3,5−トリ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン、すなわちトリ(クミルクロリド)、2,4,4−トリメチル−2−クロロペンタン、2−アセチル−2−フェニルプロパン、すなわち酢酸クミル、2−プロピオニル−2−フェニルプロパン、すなわちプロピオン酸クミル、2−メトキシ−2−フェニルプロパン、すなわちクミルメチルエーテル、1,4−ジ(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼン、すなわちジ(クミルメチルエーテル)、又は1,3,5−トリ(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼン、すなわちトリ(クミルメチルエーテル)である。一部の実施形態では、開始剤は、2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタン(TMPCl)、1,3−ジ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン、1,3,5トリ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン、又は1,3,−ジ(2−クロロ−2−プロピル)−5−tert−ブチルベンゼン(bDCC)である。
【0079】
一部の実施形態では、開始剤は、一官能性、二官能性、又は多官能性である。一部の実施形態では、開始剤は、一官能性である。一部の実施形態では、開始剤は、2−クロロ−2−フェニルプロパン、2−アセチル−2−フェニルプロパン、2−プロピオニル−2−フェニルプロパン、2−メトキシ−2−フェニルプロパン、2−エトキシ−2−フェニルプロパン、2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタン、2−アセチル−2,4,4,−トリメチルペンタン、2−プロピオニル−2,4,4−トリメチルペンタン、2−メトキシ−2,4,4−トリメチルペンタン又は2−エトキシ−2,4,4−トリメチルペンタンである。一部の実施形態では、開始剤は、2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタンである。
【0080】
一部の実施形態では、開始剤は、二官能性である。一部の実施形態では、開始剤は、1,3−ジ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン、1,3−ジ(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ジ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ジ(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼン、又は5−tert−ブチル−1,3,−ジ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンである。一部の実施形態では、開始剤は、5−tert−ブチル−1,3,−ジ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンである。
【0081】
一部の実施形態では、開始剤は、多官能性である。一部の実施形態では、開始剤は、1,3,5−トリ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン又は1,3,5−トリ(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼンである。
【0082】
(ii)モノマー
一部の実施形態では、モノマーは、炭化水素モノマー、すなわち水素及び炭素原子しか含有していない化合物であり、これには例えば、オレフィン及びジオレフィンなど、並びに約2個から約20個の炭素原子を有するものが含まれるが、これらだけに限らない。一部の実施形態では、このような化合物は、約4個から約8個の炭素原子を有する。
【0083】
一部の実施形態では、本明細書中に記載されている方法は、異なる分子量のポリマーを作製するために、このようなモノマーの重合に使用することができる。一部の実施形態では、本明細書中に記載されている方法は、異なる分子量ではあるが、均一な分子量のポリマーを作製するために、このようなモノマーの重合に使用することができる。一部の実施形態では、このような分子量は、約300から100万g/モルを超える。一部の実施形態では、このようなポリマーは、約200から10,000g/モルの分子量を有する低分子量の液体ポリマー若しくは粘稠ポリマーであるか、又は分子量約100,000から1,000,000g/モル以上を有する固体の蝋様から可塑性の物質、又はエラストマー物質である。
【0084】
一部の実施形態では、モノマーは、イソブチレン、スチレン、βピネン、イソプレン、ブタジエン、又は前述の種類の置換化合物である。一部の実施形態では、モノマーは、イソブチレン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、又はβ−ピネンである。一部の実施形態では、モノマーは、イソブチレン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン又は4−メチル−1−ペンテンである。一部の実施形態では、モノマーは、イソブチレンである。
【0085】
一部の実施形態では、モノマーの混合物を使用してもよい、すなわち、2つ以上のモノマーが使用される。
【0086】
ルイス酸
一部の実施形態では、ルイス酸は、非プロトン性の酸である。一部の実施形態では、ルイス酸は、金属ハロゲン化物又は非金属ハロゲン化物である。一部の実施形態では、ルイス酸は、金属ハロゲン化物である。一部の実施形態では、ルイス酸は、ハロゲン化チタン(IV)、ハロゲン化亜鉛(II)、ハロゲン化スズ(IV)又はハロゲン化アルミニウム(III)である。一部の実施形態では、ルイス酸は、ハロゲン化チタン(IV)である。一部の実施形態では、ルイス酸は、ハロゲン化スズ(IV)である。一部の実施形態では、ルイス酸は、ハロゲン化アルミニウム(III)である。一部の実施形態では、ルイス酸は、四臭化チタン又は四塩化チタンである。一部の実施形態では、ルイス酸は、四塩化チタンである。一部の実施形態では、ルイス酸は、塩化亜鉛である。一部の実施形態では、ルイス酸は、エチルアルミニウムジクロリドである。一部の実施形態では、ルイス酸は、非金属ハロゲン化物である。一部の実施形態では、ルイス酸は、ハロゲン化アンチモン(VI)、ハロゲン化ガリウム(III)又はハロゲン化ホウ素(III)である。一部の実施形態では、ルイス酸は、三塩化ホウ素である。一部の実施形態では、ルイス酸は、四ハロゲン化チタン、三ハロゲン化ホウ素、三塩化アルミニウム、四塩化スズ、塩化亜鉛又はエチルアルミニウムジクロリドである。一部の実施形態では、ルイス酸は、四塩化チタン、四臭化チタン、又は三塩化ホウ素である。
【0087】
電子供与体
当業者であれば理解しているように、一部の電子供与体は、従来の重合系を、準リビング重合系に変換することが可能である。一部の実施形態では、本明細書中に記載されている方法は、電子供与体の存在下で実施される。
【0088】
一部の実施形態では、電子供与体は、ルイス酸と錯体を形成することが可能である。一部の実施形態では、電子供与体は、塩基及び/又は求核剤である。一部の実施形態では、電子供与体は、プロトンを抽出又は除去することが可能である。一部の実施形態では、電子供与体は、有機塩基である。一部の実施形態では、電子供与体は、アミドである。一部の実施形態では、電子供与体は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、又はN,N−ジエチルアセトアミドである。一部の実施形態では、電子供与体は、スルホキシドである。一部の実施形態では、電子供与体は、ジメチルスルホキシドである。一部の実施形態では、電子供与体は、エステルである。一部の実施形態では、電子供与体は、酢酸メチル又は酢酸エチルである。一部の実施形態では、電子供与体は、ホスフェート化合物である。一部の実施形態では、電子供与体は、リン酸トリメチル、リン酸トリブチル、又はヘキサメチルリン酸トリアミドである。一部の実施形態では、電子供与体は、酸素含有金属化合物である。一部の実施形態では、電子供与体は、テトライソプロピルチタネートである。
【0089】
一部の実施形態では、電子供与体は、ピリジン又はピリジン誘導体である。一部の実施形態では、電子供与体は、式:
【化16】


(式中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素若しくはヒドロカルビルであるか、又はR及びR、又はR及びR、又はR及びR、又はR及びRは、独立して、約3から約7個の炭素原子の縮合した脂肪族環若しくは約5から約7個の炭素原子の縮合した芳香環を形成する)の化合物である。一部の実施形態では、R及びRは、それぞれ独立して、ヒドロカルビルであり、R〜Rは、水素である。
【0090】
一部の実施形態では、電子供与体は、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン、2,6−ルチジン、2,4−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、2−メチルピリジン、又はピリジンである。一部の実施形態では、電子供与体は、N,N−ジメチルアニリン又はN,N−ジメチルトルイジンである。一部の実施形態では、電子供与体は、2,6−ルチジンである。
【0091】
一部の実施形態では、2種類以上の電子供与体が使用される。
【0092】
希釈剤
本明細書中に記載されている方法の一部の実施形態において、方法は、希釈剤の中で実施される。一部の実施形態では、この希釈剤は、単一の化合物又は2つ以上の化合物の混合物である。一部の実施形態では、希釈剤は、反応成分を完全に溶解しているか、又は反応成分中に部分的に溶解している。一部の実施形態では、希釈剤は、反応成分を完全に又はほとんど完全に溶解している。一部の実施形態では、希釈剤は、反応成分を完全に溶解している。一部の実施形態では、希釈剤は、反応成分をほとんど完全に溶解している。
【0093】
一部の実施形態では、希釈剤は、低い沸点及び/又は低い凝固点を有する。一部の実施形態では、希釈剤は、アルカン、モノハロゲン化アルキル、又はポリハロゲン化アルキルである。一部の実施形態では、希釈剤は、直鎖アルカンである。一部の実施形態では、希釈剤は、プロパン、直鎖ブタン、直鎖ペンタン、直鎖ヘキサン、直鎖ヘプタン、直鎖オクタン、直鎖ノナン又は直鎖デカンである。一部の実施形態では、その希釈剤は、分枝のアルカンである。一部の実施形態では、アルカンは、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン又は2,3−ジメチルブタンである。一部の実施形態では、希釈剤は、ハロゲン化したアルカンである。一部の実施形態では、希釈剤は、クロロホルム、エチルクロリド、n−塩化ブチル、塩化メチレン、塩化メチル、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、塩化n−プロピル、塩化イソプロピル、1,2−ジクロロプロパン又は1,3−ジクロロプロパンである。一部の実施形態では、希釈剤は、アルケン又はハロゲン化したアルケンである。一部の実施形態では、希釈剤は、塩化ビニル、1,1−ジクロロエテン、又は1,2−ジクロロエテンである。一部の実施形態では、希釈剤は、二硫化炭素、二酸化硫黄、無水酢酸、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、メチルシクロヘキサン、クロロベンゼン又はニトロアルカンである。一部の実施形態では、希釈剤は、本段落内の化合物の混合物である。
【0094】
一部の実施形態では、希釈剤は、ヘキサンと塩化メチルの混合物である。一部の実施形態では、このような混合物は、ヘキサン/塩化メチルの容量が、約30/70から約70/30である。一部の実施形態では、このような混合物は、ヘキサン/塩化メチルの容量が、約50/50から約100/0である。一部の実施形態では、このような混合物は、ヘキサン/塩化メチルの容量が、約60/40である。
【0095】
温度
一部の実施形態では、本明細書中に記載されている方法は、約−150℃から約−30℃の温度で実施される。一部の実施形態では、温度は、約−150℃から約−40℃である。一部の実施形態では、温度は、約−100℃から約−30℃である。一部の実施形態では、温度は、約−100℃から約−40℃である。一部の実施形態では、温度は、約−90℃から約−60℃である。一部の実施形態では、温度は、約−100℃である。一部の実施形態では、温度は、約−90℃である。一部の実施形態では、温度は、約−80℃である。一部の実施形態では、温度は、約−70℃である。一部の実施形態では、温度は、約−60℃である。一部の実施形態では、温度は、約−55℃である。一部の実施形態では、温度は、約−50℃である。一部の実施形態では、温度は、約−45℃である。一部の実施形態では、温度は、約−40℃である。一部の実施形態では、温度は、約−35℃である。一部の実施形態では、温度は、約−30℃である。
【0096】
任意の理論に束縛されることなく、一部の実施形態では、電子供与体の添加が、エキソオレフィン末端ポリオレフィンの収率を上げることが判明している。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活がより高い温度(例えば−50℃を超える)で生じる場合、電子供与体の添加が、エキソ末端ポリオレフィンの収率を上げることが判明している。いかなる理論にも制限されることなく、一部の実施形態では、失活がより高い温度(例えば−50℃を超える)で生じる場合、2,6−ルチジンの添加が、エキソ末端ポリオレフィンの収率を上げることが判明した。一部の実施形態では、反応温度は、約−50℃から約−30℃であり、2,6−ルチジン濃度は、約0.05Mであり、四塩化チタン濃度は、約0.2Mであり、鎖末端濃度は、約0.035Mであり、エトキシトリメチルシラン濃度は、約0.1Mであり、形成されたエキソオレフィン末端ポリオレフィンは、すべての生成物のうちの少なくとも90モルパーセントである。
【0097】
一部の実施形態では、本明細書中に記載されている方法は、2,6ルチジンの存在下、約−70℃から約−30℃の温度で実施され、1つ又は複数のエキソオレフィンの末端基を含有する、形成されたポリオレフィンは、すべての生成物のうちの少なくとも90モルパーセントである。
【0098】
一部の実施形態では、本明細書中に記載されている方法は、2,6ルチジンの存在下、約−70℃から約−30℃の温度で実施され、1つ又は複数のエキソオレフィンの末端基を含有する、形成されたポリオレフィンは、すべての生成物のうちの少なくとも80モルパーセントである。
【0099】
一部の実施形態では、本明細書中に記載されている方法は、2,6ルチジンの存在下、約−70℃から約−30℃の温度で実施され、1つ又は複数のエキソオレフィンの末端基を含有する、形成されたポリオレフィンは、すべての生成物のうちの少なくとも70モルパーセントである。
【0100】
濃度
一部の実施形態では、アルコキシシラン又はエーテルは、鎖末端に対して、化学量論的に過剰な量で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシラン又はエーテルは、鎖末端濃度よりも低い濃度で存在する。
【0101】
一部の実施形態では、アルコキシシランは、鎖末端濃度の約1.1から約10倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、鎖末端濃度の約0.7倍から7.5倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、鎖末端濃度の約0.85から6倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、鎖末端濃度の約1.5倍から約7.5倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、鎖末端濃度の約2倍から約6倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、鎖末端濃度の約2倍から約4倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、鎖末端濃度の約2倍から約3倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、鎖末端濃度の約1.5倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、鎖末端濃度の約2倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、鎖末端濃度の約3倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、鎖末端濃度の約4倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、鎖末端濃度の約5倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、鎖末端濃度の約6倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、鎖末端濃度の約7倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、鎖末端濃度の約0.7倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、鎖末端濃度の約0.8倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、鎖末端濃度の約0.85倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、鎖末端濃度の約0.9倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、鎖末端濃度の約0.95倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシラン濃度は、鎖末端濃度とほぼ等しい。
【0102】
一部の実施形態では、エーテルは、鎖末端濃度の約1.1から約10倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、鎖末端濃度の約0.7倍から7.5倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、鎖末端濃度の約0.85から6倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、鎖末端濃度の約1.5倍から約7.5倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、鎖末端濃度の約2倍から約6倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、鎖末端濃度の約2から約4倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、鎖末端濃度の約2から約3倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、鎖末端濃度の約1.5倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、鎖末端濃度の約2倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、鎖末端濃度の約3倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、鎖末端濃度の約4倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、鎖末端濃度の約5倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、鎖末端濃度の約6倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、鎖末端濃度の約7倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、鎖末端濃度の約0.7倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、鎖末端濃度の約0.8倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、鎖末端濃度の約0.85倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、鎖末端濃度の約0.9倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、鎖末端濃度の約0.95倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテル濃度は、鎖末端濃度とほぼ等しい。
【0103】
一部の実施形態では、アルコキシシランは、ルイス酸濃度の約0.15から約4倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、ルイス酸濃度の約0.5から約3倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシランは、ルイス酸濃度の約0.75から約2倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、アルコキシシラン濃度は、ルイス酸濃度の約0.5倍である。一部の実施形態では、アルコキシシラン濃度は、ルイス酸濃度の約0.75倍である。一部の実施形態では、アルコキシシラン濃度は、ルイス酸濃度とほぼ等しい。一部の実施形態では、アルコキシシラン濃度は、ルイス酸濃度の約0.2倍である。一部の実施形態では、アルコキシシラン濃度は、ルイス酸濃度の約0.3倍である。一部の実施形態では、アルコキシシラン濃度は、ルイス酸濃度の約0.4倍である。一部の実施形態では、アルコキシシラン濃度は、ルイス酸濃度の約0.5倍である。一部の実施形態では、アルコキシシラン濃度は、ルイス酸濃度の約0.6倍である。一部の実施形態では、アルコキシシラン濃度は、ルイス酸濃度の約0.7倍である。一部の実施形態では、アルコキシシラン濃度は、ルイス酸濃度の約0.8倍である。一部の実施形態では、アルコキシシラン濃度は、ルイス酸濃度の約0.9倍である。一部の実施形態では、アルコキシシラン濃度は、ルイス酸濃度の約1.0倍である。一部の実施形態では、アルコキシシラン濃度は、ルイス酸濃度の約1.5倍である。一部の実施形態では、アルコキシシラン濃度は、ルイス酸濃度の約2倍である。一部の実施形態では、アルコキシシラン濃度は、ルイス酸濃度の約2.5倍である。一部の実施形態では、アルコキシシラン濃度は、ルイス酸濃度の約3倍である。
【0104】
一部の実施形態では、エーテルは、ルイス酸濃度の約0.15から約4倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、ルイス酸濃度の約0.5から約3倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテルは、ルイス酸濃度の約0.75から約2倍の濃度で存在する。一部の実施形態では、エーテル濃度は、ルイス酸濃度の約0.5倍である。一部の実施形態では、エーテル濃度は、ルイス酸濃度の約0.75倍である。一部の実施形態では、エーテル濃度は、ルイス酸濃度とほぼ等しい。一部の実施形態では、エーテル濃度は、ルイス酸濃度の約0.2倍である。一部の実施形態では、エーテル濃度は、ルイス酸濃度の約0.3倍である。一部の実施形態では、エーテル濃度は、ルイス酸濃度の約0.4倍である。一部の実施形態では、エーテル濃度は、ルイス酸濃度の約0.5倍である。一部の実施形態では、エーテル濃度は、ルイス酸濃度の約0.6倍である。一部の実施形態では、エーテル濃度は、ルイス酸濃度の約0.7倍である。一部の実施形態では、エーテル濃度は、ルイス酸濃度の約0.8倍である。一部の実施形態では、エーテル濃度は、ルイス酸濃度の約0.9倍である。一部の実施形態では、エーテル濃度は、ルイス酸濃度の約1.0倍である。一部の実施形態では、エーテル濃度は、ルイス酸濃度の約1.5倍である。一部の実施形態では、エーテル濃度は、ルイス酸濃度の約2倍である。一部の実施形態では、エーテル濃度は、ルイス酸濃度の約2.5倍である。一部の実施形態では、エーテル濃度は、ルイス酸濃度の約3倍である。
【0105】
一部の実施形態では、本明細書中に記載されている方法は、約0.005Mから約0.2Mの鎖末端濃度で実施される。一部の実施形態では、本明細書中に記載されている方法は、約0.010Mから約0.14Mの鎖末端濃度で実施される。一部の実施形態では、本明細書中に記載されている方法は、約0.014Mから約0.10Mの鎖末端濃度で実施される。一部の実施形態では、本明細書中に記載されている方法は、約0.014Mから約0.040Mの鎖末端濃度で実施される。
【0106】
一部の実施形態では、鎖末端濃度は、約0.10Mから約0.15Mであり、形成されるエキソオレフィン末端ポリオレフィンは、すべての生成物の少なくとも70モルパーセントである。一部の実施形態では、鎖末端濃度は、約0.10Mから約0.15Mであり、形成されるエキソオレフィン末端ポリオレフィンは、すべての生成物の少なくとも80モルパーセントである。一部の実施形態では、鎖末端濃度は、約0.10Mから約0.15Mであり、形成されるエキソオレフィン末端ポリオレフィンは、すべての生成物の少なくとも90モルパーセントである。
【0107】
一部の実施形態では、ルイス酸は、2アリコート以上加えられる。一部の実施形態では、ルイス酸は、2アリコート加えられる。一部の実施形態では、重合反応中に、ルイス酸の第1のアリコートが加えられ、失活反応中に、ルイス酸の第2のアリコートが加えられる。一部の実施形態では、重合反応中に、四塩化チタンの第1のアリコートが加えられ、失活反応中に、第2のアリコートが加えられる。任意の理論に束縛されることなく、アルコキシシランでの失活が、その場で直接重合から実施される場合(tert−クロリドポリイソブチレンから再び開始する場合とは対照的に)、最適なTiCl濃度は、この前の重合反応には高すぎる可能性がある。これは、比較的高い鎖末端濃度の反応において生じることが多い。この状況が生じている場合、それは、速度及び/又は発熱が過剰な重合から明らかである。このような場合、一部の実施形態では、より低い濃度であり、ルイス酸の第1アリコートを重合に使用し、アルコキシシラン又はエーテルを加えた後、ルイス酸の総濃度が失活に最適な濃度まで上昇するように、ルイス酸の第2のアリコートを加えることができる。
一部の実施形態では、アルコキシシランは、ルイス酸の添加後に加えられる。一部の実施形態では、エーテルは、ルイス酸の添加後に加えられる。一部の実施形態では、アルコキシシランは、ルイス酸の添加前に加えられる。一部の実施形態では、エーテルは、ルイス酸の添加前に加えられる。
【0108】
エキソオレフィン選択性
一部の実施形態では、本明細書中に記載されている方法は、エキソオレフィン末端ポリオレフィンを選択的に提供する。一部の実施形態では、エキソオレフィン末端ポリオレフィン、エンドオレフィンを含有するポリオレフィン、tert−ハリドポリオレフィン及び結合ポリオレフィンは、反応生成物である。一部の実施形態では、エキソオレフィン末端ポリオレフィンは、主要な生成物であり、エンドオレフィンを含有するポリオレフィン、tert−ハリドポリオレフィン及び結合ポリオレフィンは、副生成物である。
【0109】
一部の実施形態では、形成されるエキソオレフィン末端ポリオレフィンは、すべての生成物の少なくとも40モルパーセントである。一部の実施形態では、形成されるエキソオレフィン末端ポリオレフィンは、すべての生成物の少なくとも50モルパーセントである。一部の実施形態では、形成されるエキソオレフィン末端ポリオレフィンは、すべての生成物の少なくとも60モルパーセントである。一部の実施形態では、形成されるエキソオレフィン末端ポリオレフィンは、すべての生成物の少なくとも75モルパーセントである。一部の実施形態では、形成されるエキソオレフィン末端ポリオレフィンは、すべての生成物の少なくとも85モルパーセントである。一部の実施形態では、形成されるエキソオレフィン末端ポリオレフィンは、すべての生成物の少なくとも90モルパーセントである。一部の実施形態では、形成されるエキソオレフィン末端ポリオレフィンは、すべての生成物の少なくとも95モルパーセントである。一部の実施形態では、形成されるエキソオレフィン末端ポリオレフィンは、すべての生成物の少なくとも97モルパーセントである。一部の実施形態では、形成されるエキソオレフィン末端ポリオレフィンは、すべての生成物の少なくとも98モルパーセントである。
【0110】
停止剤
一部の実施形態では、停止剤は、ルイス酸を不活性にすることが可能な化合物である。一部の実施形態では、停止剤は、塩基及び/又は求核剤である。一部の実施形態では、停止剤は、塩基である。一部の実施形態では、停止剤は、電子供与体である。一部の実施形態では、停止剤は、有機塩基である。一部の実施形態では、停止剤は、アルコール又はアミンである。一部の実施形態では、停止剤はアルコールである。一部の実施形態では、停止剤は、ピリジン誘導体である。
【0111】
一部の実施形態では、停止剤は、メタノール、エタノール又はイソプロパノールである。一部の実施形態では、停止剤は、メタノールである。一部の実施形態では、停止剤は、水である。一部の実施形態では、停止剤は、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、2,6−ルチジン、n−ブチルアミン又はtert−アミルアミンである。
【0112】
一部の実施形態では、停止剤は、失活ステップの後に加えられる。
【実施例】
【0113】
略語の定義
本明細書で使用する場合、「アリルオキシTMS」及び「AOTMS」は、アリルオキシトリメチルシランを指す。
【0114】
本明細書で使用する場合、「結合した」は、結合ポリオレフィンを指す。
【0115】
本明細書で使用する場合、「CE」は、鎖末端を指す。
【0116】
本明細書で使用する場合、「DI」は、脱イオン化されていることを指す。
【0117】
本明細書で使用する場合、「エンド」は、エンドオレフィンを含有するポリオレフィンを指す。
【0118】
本明細書で使用する場合、「エトキシTMS」及び「EtOTMS」は、エトキシトリメチルシランを指す。
【0119】
本明細書で使用する場合、「エキソ」は、エキソオレフィン末端ポリオレフィンを指す。
【0120】
本明細書で使用する場合、「GPC」は、ゲル浸透クロマトグラフィーを指す。
【0121】
本明細書で使用する場合、「GPC−MALLS」は、ゲル浸透クロマトグラフィー多角度レーザー光散乱光度計を指す。
【0122】
本明細書で使用する場合、「hex」は、ヘキサンを指す。
【0123】
本明細書で使用する場合、「IB」は、イソブチレンを指す。
【0124】
本明細書で使用する場合、「26Lut」は、2,6−ルチジンを指す。
【0125】
本明細書で使用する場合、「MeCl」は、塩化メチルを指す。
【0126】
本明細書で使用する場合、「MeOH」は、メチルアルコールを指す。
【0127】
本明細書で使用する場合、「メトキシTMS」及び「MeOTMS」は、メトキシトリメチルシランを指す。
【0128】
本明細書で使用する場合、「M」は、数平均分子量を指す。
【0129】
本明細書で使用する場合、「M」は、重量平均分子量を指す。
【0130】
本明細書で使用する場合、「NMR」は、核磁気共鳴を指す。
【0131】
本明細書で使用する場合、「PDl」は、多分散指数を指す。
【0132】
本明細書で使用する場合、「PIB」は、ポリイソブチレンを指す。
【0133】
本明細書で使用する場合、「RT」は、室温を指す。
【0134】
本明細書で使用する場合、「tert−ハリド」は、tert−ハリドポリオレフィンを指す。
【0135】
本明細書で使用する場合、「t−Cl」は、tert−クロリド末端ポリオレフィンを指す。
【0136】
本明細書で使用する場合、「TMPCl」は、2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタンを指す。
【0137】
本明細書で使用する場合「×CE」は、鎖末端濃度の倍を指す。例えば、「2×CE」は、鎖末端濃度の2倍を指す。
【0138】
(例1)
本例は、単一反応器内でのその場での失活を用いた、TMPCIからのIBの直接重合に関するものであった。失活剤は、アリルオキシトリメチルシランであった。使用した条件は、以下の通りであった:
[TMPCl]=0.014M
[IB]=0.5M
[TiCl]=0.083M
[アリルオキシTMS]=0.019M
−60℃
60/40(v/v)Hex/MeCl
【0139】
この重合及び本明細書中に記載されているその後の重合すべてに対して、リアルタイムでの、減衰全反射(ATR)フーリエ変換赤外(FTIR)分光法を使用して、モノマー変換をモニターした。DiComp(ダイアモンド複合体)挿入プローブ及び汎用タイプPR−II白金抵抗温度計を備えたReactlR4000反応分析システム(光導管型)(ASI Applied Systems、Millersville、MD)を用いて、スペクトルをリアルタイムで集めた。IBの=CH横揺れに伴う、887cm−1を中心とする、2点ベースライン上の光吸収の領域をモニターすることによって、反応変換を求めた。
【0140】
重合手順は、以下の通りであった:オーバーヘッド機械撹拌装置及び白金抵抗温度計を備えた250mLガラス反応器を、ReactIR4000のDiCompプローブの末端に装着し、この組立体を、グローブボックス内の、−60℃の一定温度に保たれたヘプタン槽内で浸漬させた。この反応器に、114.0mLのヘキサン、76.0mLのMeCl、0.48mL(2.8mmol、0.014M)のTMPCl及び0.23mL(2.0mmol、0.01M)の26Lutを加えた。この混合物を撹拌することによって、熱的平衡を達成し、溶媒バックグラウンドスペクトルを取得し、その後のすべてのスペクトルから差し引いた。現時点で、FTIRデータを持続的に取得することによって、モノマー添加前の溶媒の光吸収基準域、Aを確立した。次に、IB、8.18mL(0.5M)を反応器に仕込み、熱的平衡を確立し、開始前にデータを再び取得することによって、初期のモノマー濃度に伴う、初期の光吸収地域、Aを確立した。次いで、共開始剤、1.82mL(0.017モル、0.083M、6×CE)TiCl4(純正、室温)、を反応器に仕込んだ。FTIRデータを持続的に取得し、モノマー変換を方程式1に示したようにリアルタイムで計算した。
【数1】


(式中、Aは、887cm−1での瞬時光吸収領域である)。IB変換が完了するまで、重合反応を進行させ、失活前のアリコートを取り出した。次いで、0.66mL(3.9mmol、0.019M、1.4×CE)のAOTMS(室温)を加え、アリコートを定期的に取り、60分間の失活時間後、予め冷却しておいたMeOHを加えることによって、反応を停止させた。乾燥ボックスから出してから、停止した反応混合物は、室温まで温めておいた。ヘキサン(1〜2mL)を、失活前の試料及び他のアリコートの試料、並びに最終ポリマーの試料に加え、次いでこれらポリマーをMeOH中に沈殿させた。回収したPIBを、新鮮なMeOHと共に攪拌し(ボルテックスした)、残っているあらゆる混入物を取り除き、MeOHをデカントした。試料をNMR分析前に窒素ガスで乾燥させた。
【0141】
失活前の試料のNMR分析から、以下の通り、末端基のモル組成(%)を得た。
エキソ 2
t−Cl 98
結合 0
【0142】
失活後の最終試料のNMR分析から、以下の通り、末端基のモル組成(%)を得た。
エキソ 96
t−Cl 2
結合 2
【0143】
(例2)
本例は、単一の反応器内での、その場での失活を用いた、TMPClからのIBの直接重合に関するものであった。失活剤は、メトキシトリメチルシランであった。使用した条件は、以下の通りであった。
[TMPCl]=0.014M
[IB]=0.5M
[TiCl]=0.084M
[メトキシTMS]=0.028M
−60℃
60/40(v/v)Hex/MeCl
【0144】
手順は、以下の通りであった:撹拌した250mLガラス反応器を、グローブボックス内で、−60.8℃に平衡化した。この反応器に、90.9mLのヘキサン、60.6mLのMeCl、0.38mL(2.2mmol、0.014M)のTMPCl、6.54mL(0.5M)のIB、0.06mL(0.003M)の26Lut及び1.47mL(0.013モル、0.084M、6×CE)のTiClを加えた。重合反応を20分間進行させ、失活前のアリコートを取り出し、次いで0.62mL(4.5mmol、0.028M、2×CE)のMeOTMS(室温)を加えた。反応混合物の温度は、ピークである−59.8℃に上昇し、次いで徐々に落ちた。アリコートを定期的に取り、60分間の失活時間の後、予め冷却しておいたMeOHを加え、この反応を停止させた。乾燥ボックスから出してから、停止した反応混合物は、室温まで温めておいた。ヘキサン(1〜2mL)を、失活前の試料及び他のアリコートの試料、並びに最終ポリマーの試料に加え、次いでこれらポリマーをMeOH中で沈殿させた。回収したPIBを、新鮮なMeOHと共に攪拌し(ボルテックスした)、残っているあらゆる混入物を取り除き、MeOHをデカントした。試料をNMR分析前に窒素ガスで乾燥させた。
【0145】
失活前の試料のNMR分析から、以下の通り、末端基のモル組成(%)を得た。
エキソ 1
t−Cl 99
結合 0
【0146】
失活後の最終試料のNMR分析から、以下の通り、末端基のモル組成(%)を得た。
エキソ 98
t−Cl 1
結合 1
【0147】
(例3)
本例は、tert−クロリド末端基を保有する単離、精製したPIB試料の再イオン化に関するものであった。失活剤は、エトキシトリメチルシランであった。
【0148】
tert−クロリド−末端のPIBを以下の手順に従い作製した:撹拌した1000mLガラス反応器を、グローブボックス内の、−75℃の一定温度に保たれたヘプタン/ヘキサン槽内で浸漬させた。このフラスコに、654.5mLのMeCl、6.12mL(0.036モル、0.045M)のTMPCl、0.58mL(4.9mmol、0.0062M)の26Lut、97.2mL(1.2モル、1.5M)のIB、及び41.6mL(0.53モル、0.68M)のBCl(純正)を仕込んだ。重合反応は、約5時間でIB(約99%)の高変換に到達したので、この時点で、過剰の、予め冷却しておいたMeOHを慎重に添加することによって、反応を停止させた。停止した反応混合物を1000mLビーカーに移し、溶媒を一晩かけて蒸発させた。ポリマー及び残っている非揮発性物質を、ヘキサンで希釈し、MeOH及びわずかに酸性化した水で数回洗浄した。ポリマー溶液をMgSO上で撹拌することによって、あらゆる残留水を取り出し、ポリマーを濾過で単離し、真空オーブン内で、室温で乾燥させた。マスターバッチポリマーの理論上のMは、2,049g/モルであり、0.110のdn/dcを用いた、生成物のGPC−MALLS分析から、M=1,890g/モル及びM/M=1.01を得た。9.54gのポリマーを60mLのヘキサン中に溶解することによって、マスターバッチポリマーの保存液を創製した。この溶液のモル濃度は、ポリマーの理論上のMに基づき、0.067モル/Lであった。
末端基組成(%)のNMR分析から、以下を得た。
エキソ 9.1
エンド 0
t−Cl 90.8
結合 0.1
【0149】
失活に使用した条件は、以下の通り:
[CE]=0.037M
[エトキシTMS]=0.28M
[TiCl]=0.23M
−70℃
60/40(v/v)Hex/MeCl
【0150】
失活を以下の通り行った:50mLガラス試験管を、グローブボックス内で、−70℃に平衡化した。この管に、PIBマスターバッチの0.067M溶液6.0mL、4.0mLのMeCl及び0.47mL(3.0mmol、0.28M、7.5×[CE])のEtOTMSを加え、この内容物を平衡化させた。次いで0.27mL(2.5mmol、0.23M、6.1×[CE])のTiClを加え、この管を定期的に手で振った。60分間の失活時間後、予め冷却しておいたMeOHを加えることによって、反応を停止させた。乾燥ボックスから出してから、停止した反応混合物は、室温まで温めておいた。ヘキサン(1〜2mL)をポリマーに加え、次いでこのポリマーをMeOH中に沈殿させた。回収したPIBを、新鮮なMeOHと共に攪拌し(ボルテックスした)、残っているあらゆる混入物を取り除き、MeOHをデカントした。試料をNMR分析前に窒素ガスで乾燥させた。
【0151】
失活後の最終試料のNMR分析から、以下の通り、末端基のモル組成(%)を得た。
エキソ 97.1
エンド 1.9
t−Cl 0
結合 1.0
【0152】
(例4)
本例は、tert−クロリド−末端基を保有する単離、精製したPIB試料の再イオン化に関するものであった。失活剤は、エトキシトリメチルシランであった。
【0153】
tert−クロリド末端PIBを以下の手順に従い作製した。撹拌した1000mLガラス反応器を、グローブボックス内で、−60℃に平衡化した。この反応器に、361.3mLのヘキサン、240.9mLのMeCl、5.72mL(0.034モル、0.045M)のTMPCl、122.7mL(2.0M)のIB、0.87mL(0.01M)の26Lut、及び18.5mL(0.17モル、0.22M、5×CE)のTiClを加えた。重合反応を15分間進行させると、−37.4℃の最高温度に到達した。IBを完全に変換後、予め冷却しておいたMeOHを加えることによって、反応を停止させた。乾燥ボックスから取り出してから、停止した反応混合物は、室温まで温めておいた。ヘキサンをポリマーに加え、次いでこの溶液を、それぞれMeOH、酸性DI水及びDI水で数回洗浄した。最終試料を、真空中、室温で乾燥させることによって、NMR及びGPC分析前に、残っているあらゆる溶媒を取り除いた。マスターバッチポリマーの理論上のMは、2,650g/モルであり、0.111のdn/dcを用いた、生成物のGPC−MALLS分析から、M=2,850g/モル及びPDI=1.03を得た。11.553gのポリマーを60mLヘキサン中に溶解することによって、マスターバッチポリマーの保存液を創製した。この溶液のモル濃度は、ポリマーの理論上のMに基づき、0.061モル/Lであった。
【0154】
末端基の組成(%)のNMR分析の結果、以下を得た。
エキソ 17.1
エンド 8.0
t−Cl 73.6
結合 0.7
【0155】
失活に用いた条件は、以下の通りであった。
[CE]=0.035M
[エトキシTMS]=0.096M
[TiCl]=0.19M
−60℃
60/40(v/v)Hex/MeCl
【0156】
失活を以下の通り行った:50mLガラス試験管を、グローブボックス内で、−70℃に平衡化した。この管に、PIBマスターバッチの0.061M溶液6.0mL、4.0mLのMeCl及び0.156mL(1.0mmol、0.096M、2.7×[CE])のEtOTMSを加え、この内容物を平衡化させておいた。次いで0.22mL(2.0mmol、0.19M、5.5×[CE])のTiClを加え、チューブを定期的に手で振った。30分間の失活時間後、予め冷却しておいたMeOHを加えることによって、反応を停止させた。乾燥ボックスから出してから、停止した反応混合物は、室温まで温めておいた。ヘキサン(1〜2mL)をポリマーに加え、次いでこのポリマーをMeOH中に沈殿させた。回収したPIBを、新鮮なMeOHと共に攪拌し(ボルテックスした)、残っているあらゆる混入物を取り除き、MeOHをデカントした。試料をNMR分析前に窒素ガスで乾燥させた。
【0157】
失活後の最終試料のNMR分析から、以下の通り、末端基のモル組成(%)を得た。
エキソ 90.1
エンド 9.9
t−Cl 0.0
結合 0.0
【0158】
(例5)
本例は、単一の反応器内での、その場での失活を用いた、IBの直接重合に関するものであった。失活剤は、tert−ブチルエチルエーテルであった。使用した条件は、以下の通りであった。
[TMPCl]=0.014M
[IB]=0.5M
[TiCl]=0.084M
[t−ブチルエチルエーテル]=0.028M
−60℃
60/40(v/v)Hex/MeCl
【0159】
失活は、以下の通り行った。
【0160】
撹拌した250mLガラス反応器を、グローブボックス内で、−60℃に平衡化した。この反応器に、90.9mLのヘキサン、60.6mLのMeCl、0.38mL(2.2mmol、0.014M)のTMPCl、6.54mL(0.5M)のIB、0.06mL(0.003M)の26Lut、及び1.47mL(0.013モル、0.084M、6×CE)のTiClを加えた。重合反応を、20分間進行させ、次いで0.62mL(4.5mmol、0.028M、2×CE)のt−ブチルエチルエーテル(室温)を加えた。アリコートを定期的に取り、60分間の失活時間の後、予め冷却しておいたMeOHを加え、この反応を停止させた。乾燥ボックスから出してから、停止した反応混合物は、室温まで温めておいた。ヘキサン(1〜2mL)をアリコート試料及び最終ポリマー試料に加え、次いでこれらポリマーをMeOH中に沈殿させた。回収したPIBを、新鮮なMeOHと共に攪拌し(ボルテックスした)、残っているあらゆる混入物を取り除き、MeOHをデカントした。試料をNMR分析前に窒素ガスで乾燥させた。
【0161】
失活後の最終試料のNMR分析から、以下の通り、末端基のモル組成(%)を得た。
エキソ 83
t−Cl 14
結合 3
【0162】
(例6)
本例は、単一の反応器内での、その場での失活を用いた、IBの直接重合に関するものであった。失活剤は、エトキシトリメチルシランであった。使用した条件は、以下の通りであった。
重合:
[TMPCl]=0.13M
[IB]=5.2M
[TiCl]=0.032M
失活:
[CE]=0.10M
[TiCl]=0.83M
[エトキシTMS]=0.63M
【0163】
撹拌した1000mLガラス反応器を、グローブボックス内で、−77.3℃に平衡化した。この反応器に、253.9mLのヘキサン、169.3mLのMeCl、16.4mL(0.096モル、0.13M)のTMPCl、306.7mL(5.2M)のIB、1.05mL(0.012M)の26Lut及び2.6mL(0.024モル、0.032M、0.25×CE)のTiClを加えた。重合反応を100分間進行させると、最高温度−61.2℃に到達した。反応器内容物の温度が、−70.4℃に再び落ちた時点で、失活前のアリコートを取り出し、次いで90.0mL(0.58モル、6×CE)のEtOTMS(わずかに冷たい)を加え、続いて直ちに、81.7mL(0.75モル、7.72×CE)TiCl(純正、RT)を添加した。反応混合物の温度がピーク、−52.1℃に上昇し、次いで徐々に落ちた。アリコートを定期的に取り、30分間の失活時間後、予め冷却しておいたMeOHを加え、この反応を停止させた。反応物は、かなり粘稠であったが、MeOHの添加後、反応は完全に停止したように見えた。乾燥ボックスから出してから、停止した反応混合物は、室温まで温めておいた。ヘキサン(1〜2mL)を、失活前の試料及び他のアリコートの試料、並びに最終ポリマーの試料に加え、次いでこれらポリマーをMeOH中に沈殿させた。回収したPIBを、新鮮なMeOHと共に攪拌し(ボルテックスした)、残っているあらゆる混入物を取り除き、MeOHをデカントした。試料をNMR分析前に窒素ガスで乾燥させた、次いで真空中、室温で乾燥させることによって、GPC分析前に、残っているあらゆる溶媒を取り除いた。
【0164】
失活前の試料のNMR分析から、以下の通り、末端基のモル組成(%)を得た。
エキソ 9.5
エンド 2.1
t−Cl 85.8
結合 2.7
【0165】
失活後の最終試料のNMR分析から、以下の通り、末端基のモル組成(%)を得た。
エキソ 94.6
エンド 1.9
t−Cl 0.0
結合 3.5
【0166】
失活前及び失活後のアリコートのGPCトレース(RI検出器)は、等しかった。GPC−MALLSからは、M=3,300g/モル及びM/M=1.1を得た。
【0167】
(例7)
本例は、単一の反応器内での、その場での失活を用いた、TMPClからのIBの直接重合に関するものであった。失活剤は、アリルオキシトリメチルシランであった。使用した条件は、以下の通りであった。
[TMPCl]=0.014M
[IB]=0.5M
[TiCl]=0.083M
[26Lut]=0.01M
[アリルオキシTMS]=0.012M
−60℃
60/40(v/v)Hex/MeCl
【0168】
手順は、以下の通りであった:撹拌した250mLガラス反応器を、グローブボックス内で、−60.0℃に平衡化した。この反応器に、114.0mLのヘキサン、76.0mLのMeCl、0.48mL(2.8mmol、0.014M)のTMPCl、8.18mL(0.5M)のIB、0.23mL(2.0mmol、0.01M)の26Lut、及び1.82mL(0.017モル、0.083M、6×CE)のTiClを加えた。重合反応を、IB変換が完了するまで進行させた。次いで0.41mL(2.4mmol、0.012M、0.86×CE)のAOTMS(室温)を加え、アリコートを定期的に取り、62分間の失活時間の後、予め冷却しておいたMeOHを加え、この反応を停止させた。乾燥ボックスから出してから、停止した反応混合物を室温まで温めておいた。ヘキサン(1〜2mL)を、アリコートの試料及び最終のポリマーの試料に加え、次いでこれらポリマーをMeOH中に沈殿させた。回収したPIBを、新鮮なMeOHと共に攪拌し(ボルテックスした)、残っているあらゆる混入物を取り除き、MeOHをデカントした。試料をNMR分析前に窒素ガスで乾燥させた。
【0169】
失活後の最終試料のNMR分析から、以下の通り、末端基のモル組成(%)を得た。
エキソ 79
t−Cl 13
結合 8
【0170】
(例8)
本例は、単一の反応器内での、その場での失活を用いた、TMPClからのIBの直接重合に関するものであった。失活剤は、アリルオキシトリメチルシランであった。使用した条件は、以下の通りであった。
[TMPCl]=0.14M
[IB]=5.0M
[TiCl]=0.28M
[アリルオキシTMS]=0.28M
[26Lut]=0.10M
−60℃
60/40(v/v)Hex/MeCl
【0171】
手順は、以下の通りであった:撹拌した250mLガラス反応器を、グローブボックス内で、−60.0℃に平衡化した。この反応器に、31.5mLのヘキサン、21.0mLのMeCl、2.38mL(0.014モル、0.14M)のTMPCl、40.9mL(5.0M)のIB、1.16mL(0.01モル、0.1M)の26Lut及び3.07mL(0.028モル、0.28M、2×CE)のTiClを加えた。重合反応を、IB変換が完了するまで進行させた。次いで4.6mL(0.27モル、0.026M、1.9×CE)のAOTMS(室温)を加え、アリコートを定期的に取り、105分間の失活時間の後、予め冷却しておいたMeOHを加え、この反応を停止させた。乾燥ボックスから出してから、停止した反応混合物は、室温まで温めておいた。ヘキサン(1〜2mL)を、アリコートの試料及び最終ポリマーの試料に加え、次いでこれらポリマーをMeOH中に沈殿させた。回収したPIBを、新鮮なMeOHと共に攪拌し(ボルテックスした)、残っているあらゆる混入物を取り除き、MeOHをデカントした。試料をNMR分析前に窒素ガスで乾燥させた。
【0172】
失活後の最終試料のNMR分析から、以下の通り、末端基のモル組成(%)を得た。
エキソ 85
t−Cl 15
結合 1
【0173】
(例9)
本例は、tert−クロリド末端基を保有する、単離、精製されたPIB試料の再イオン化に関するものであった。失活剤は、エトキシトリメチルシランであった。本例に使用したPIBマスターバッチは、上記の例4に記載されている。
【0174】
失活に使用した条件は、以下の通りであった。
[CE]=0.036M
[エトキシTMS]=0.097M
[TiCl]=0.097M
[26Lut]=0.024M
−60℃
60/40(v/v)Hex/MeCl
【0175】
失活を以下の通り行った:50mLガラス試験管を、グローブボックス内で、−60℃に平衡化した。この管に、PIBマスターバッチの0.061M溶液6.0mL、4.0mLのMeCl、0.029mL(0.25mmol、0.024M、0.68×[CE])の26Lut及び0.156mL(1.0mmol、0.097M、2.7×[CE])のEtOTMSを加え、この内容物を平衡化させておいた。次いで、0.11mLのTiCl(1.0mmol、0.097M、2.7×[CE])を加え、この管を定期的に手で振った。30分間の失活時間後、予め冷却しておいたMeOHを加えることによって、反応を停止させた。乾燥ボックスから出してから、停止した反応混合物は、室温まで温めておいた。ヘキサン(1〜2mL)をポリマーに加え、次いでこのポリマーをMeOH中に沈殿させた。回収したPIBを、新鮮なMeOHと共に攪拌し(ボルテックスした)、残っているあらゆる混入物を取り除き、MeOHをデカントした。試料をNMR分析前に窒素ガスで乾燥させた。
【0176】
失活後の最終試料のNMR分析から、以下の通り、末端基のモル組成(%)を得た。
エキソ 89.3
エンド 8.9
t−Cl 0.0
結合 1.8
【0177】
(例10)
本例は、tert−クロリド末端基を保有する、単離、精製したPIB試料の再イオン化に関するものであった。失活剤は、エトキシトリメチルシランであった。本例に使用したPIBマスターバッチは、上記例4において記載されている。
【0178】
失活に使用した条件は、以下の通りであった。
[CE]=0.035M
[エトキシTMS]=0.096M
[TiCl]=0.19M
[26Lut]=0.048M
−60℃
60/40(v/v)Hex/MeCl
【0179】
失活を以下の通り行った:50mLのガラス試験管を、グローブボックス内で、−60℃に平衡化した。この管に、PIBマスターバッチの0.061M溶液6.0mL、4.0mLのMeCl、0.058mL(0.50mmol、0.048M、1.4×[CE])の26Lut、及び0.156mL(1.0mmol、0.096M、2.7×[CE])のEtOTMSを加え、この内容物を平衡化させておいた。次いで、0.22mL(2.0mmol、0.19M、5.5×[CE])のTiClを加え、この管を定期的に手で振った。30分間の失活時間後、予め冷却しておいたMeOHを加えることによって、反応を停止させた。乾燥ボックスから出してから、停止した反応混合物は、室温まで温めておいた。ヘキサン(1〜2mL)をポリマーに加え、次いでこのポリマーをMeOHに沈殿させた。回収したPIBを、新鮮なMeOHと共に攪拌し(ボルテックスした)、残っているあらゆる混入物を取り除き、MeOHをデカントした。試料をNMR分析前に窒素ガスで乾燥させた。
【0180】
失活後の最終試料のNMR分析から、以下の通り、末端基のモル組成(%)を得た。
エキソ 87.7
エンド 8.8
t−Cl 0.0
結合 3.5
【0181】
(例11)
本例は、tert−クロリド末端基を保有する単離、精製したPIB試料の再イオン化に関するものであった。失活剤は、エトキシトリメチルシランであった。本例に使用したPIBマスターバッチは、上記例4において記載されている。
【0182】
失活に使用した条件は、以下の通りであった。
[CE]=0.035M
[エトキシTMS]=0.096M
[TiCl]=0.19M
[26Lut]=0.05M
−60℃
60/40(v/v)Hex/MeCl
【0183】
失活を以下の通り行った:50mLガラス試験管を、グローブボックス内で、−60℃に平衡化した。この管に、PIBマスターバッチの0.061M溶液6.0mL、4.0mLのMeCl及び0.06mL(0.52mmol、0.05M、1.4×[CE])の26Lutを加え、内容物を平衡化させておいた。次いで0.22mL(2.0mmol、0.19M、5.5×[CE])のTiClを加え、この管を手で振った。次いで0.156mL(1.0mmol、0.096M、2.7×[CE])のEtOTMSを加え、この管を定期的に手で振った。30分間の失活時間後、予め冷却しておいたMeOHを加えることによって、反応を停止させた。乾燥ボックスから出してから、停止した反応混合物は、室温まで温めておいた。ヘキサン(1〜2mL)をポリマーに加え、次いでこのポリマーをMeOH中に沈殿させた。回収したPIBを、新鮮なMeOHと共に攪拌し(ボルテックスした)、残っているあらゆる混入物を取り除き、MeOHをデカントした。試料をNMR分析前に窒素ガスで乾燥させた。
【0184】
失活後の最終試料のNMR分析から、以下の通り、末端基のモル組成(%)を得た。
エキソ 85.5
エンド 11.1
t−Cl 0.0
結合 3.4
【0185】
(例12)
本例は、tert−クロリド末端基を保有する単離、精製したPIB試料の再イオン化に関するものであった。失活剤は、エトキシトリメチルシランであった。本例に使用したPIBマスターバッチは、上記例4に記載されている。
【0186】
失活に使用した条件は、以下の通りであった。
[CE]=0.035M
[エトキシTMS]=0.096M
[TiCl]=0.19M
[26Lut]=0.006M.
−30℃
60/40(v/v)Hex/MeCl
【0187】
失活を以下の通り行った:50mLガラス試験管を、グローブボックス内で、−30℃に平衡化した。この管に、PIBマスターバッチの0.061M溶液6.0mL、4.0mLのMeCl、0.007mL(0.06mmol、0.006M、0.16×[CE])の26Lut及び0.156mL(1.0mmol、0.096M、2.7×[CE])のEtOTMSを加え、この内容物を平衡化させておいた。次いで、0.22mL(2.0mmol、0.19M、5.5×[CE])のTiClを加え、この管を定期的に手で振った。30分間の失活時間後、予め冷却しておいたMeOHを加えることによって、反応を停止させた。乾燥ボックスから出してから、停止した反応混合物は、室温まで温めておいた。ヘキサン(1〜2mL)をポリマーに加え、次いでこのポリマーをMeOH中に沈殿させた。回収したPIBを、新鮮なMeOHと共に攪拌し(ボルテックスした)、残っているあらゆる混入物を取り除き、MeOHをデカントした。試料をNMR分析前に窒素ガスで乾燥させた。
【0188】
失活後の最終試料のNMR分析から、以下の通り、末端基のモル組成(%)を得た。
エキソ 40.2
エンド 18.1
t−Cl 36.0
結合 5.6
【0189】
(例13)
本例は、tert−クロリド末端基を保有する、単離、精製したPIB試料の再イオン化に関するものであった。失活剤は、エトキシトリメチルシランであった。本例に使用したPIBマスターバッチは、上記例4に記載されている。
【0190】
失活に使用した条件は、以下の通りであった。
[CE]=0.035M
[エトキシTMS]=0.096M
[TiCl]=0.19M
[26Lut]=0.05M
−30℃
60/40(v/v)Hex/MeCl
【0191】
失活を以下の通り行った:50mLガラス試験管を、グローブボックス内で、−30℃に平衡化した。この管にPIBマスターバッチの0.061M溶液6.0mL、4.0mLのMeCl、0.06mL(0.52mmol、0.05M、1.4×[CE])の26Lut及び0.156mL(1.0mmol、0.096M、2.7×[CE])のEtOTMSを加え、この内容物を平衡化させておいた。次いで0.22mLのTiCl(2.0mmol、0.19M、5.5×[CE])を加え、この管を定期的に手で振った。30分間の失活時間後、予め冷却しておいたMeOHを加えることによって、反応を停止させた。乾燥ボックスから出してから、停止した反応混合物は、室温まで温めておいた。ヘキサン(1〜2mL)をポリマーに加え、次いでこのポリマーをMeOH中に沈殿させた。回収したPIBを、新鮮なMeOHと共に攪拌し(ボルテックスした)、残っているあらゆる混入物を取り除き、MeOHをデカントした。試料をNMR分析前に窒素ガスで乾燥させた。
【0192】
失活後の最終試料のNMR分析から、以下の通り、末端基のモル組成(%)を得た。
エキソ 90.1
エンド 9.0
t−Cl 0.0
結合 0.9
【0193】
(例14)
本例は、tert−クロリド末端基を保有する、単離、精製したPIB試料の再イオン化に関するものであった。失活剤は、エトキシトリメチルシランであった。本例に使用したPIBマスターバッチは、上記例3に記載されている。
【0194】
失活に使用した条件は、以下の通りであった。
[CE]=0.038M
[エトキシTMS]=0.28M
[TiCl]=0.095M
−70℃
60/40(v/v)Hex/MeCl
【0195】
失活を以下の通り行った:50mLガラス試験管を、グローブボックス内で、−70℃に平衡化した。この管に、PIBマスターバッチの0.067M溶液6.0mL、4.0mLのMeCl及び0.47mL(3.0mmol、0.28M、7.5×[CE])のEtOTMSを加え、この内容物を平衡化させておいた。次いで、0.11mLのTiCl(1.0mmol、0.095M、2.5×[CE])を加え、この管を定期的に手で振った。60分間の失活時間後、予め冷却しておいたMeOHを加えることによって、反応を停止させた。乾燥ボックスから出してから、停止した反応混合物は、室温まで温めておいた。ヘキサン(1〜2mL)をポリマーに加え、次いでこのポリマーをMeOH中に沈殿させた。回収したPIBを、新鮮なMeOHと共に攪拌し(ボルテックスした)、残っているあらゆる混入物を取り除き、MeOHをデカントした。試料をNMR分析前に窒素ガスで乾燥させた。
【0196】
失活後の最終試料のNMR分析から、以下の通り、末端基のモル組成(%)を得た。
エキソ 66.7
エンド 1.3
t−Cl 31.3
結合 0.7
【0197】
当業者であれば修正は明らかであるので、本開示は、添付の特許請求の範囲の範囲によってのみ限定されることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン鎖上に1つ又は複数のエキソオレフィンの末端基を含有するポリオレフィンを調製するための方法であって、イオン化ポリオレフィンを、1つ又は複数のアルコキシシラン又はエーテル化合物で失活させるステップを含む上記方法。
【請求項2】
アルコキシシラン又はエーテル化合物が、式:
【化1】


(式中、Yは、炭素又はケイ素であり、
は、ヒドロカルビルであり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素又はヒドロカルビルである)
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
が、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルカリル又はアラルキルであり、
、R及びRが、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルカリル又はアラルキルであるか、又はR及びR、又はR及びR、又はR及びRは、独立して、約3から約7個の炭素原子の縮合した脂肪族環を形成する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
が、メチル、エチル又はアリルである、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
、R及びRがそれぞれ、メチルである、請求項2から4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
アルコキシシラン又はエーテル化合物が、アリルオキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、tert−ブチルエチルエーテル又はtert−ブチルメチルエーテルである、請求項2から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
イオン化ポリオレフィンが、準リビングカルボカチオンポリオレフィンであり、準リビング重合条件下で実施される、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
準リビングカルボカチオンポリオレフィンが、ルイス酸及び1つ又は複数のモノマーを、開始剤に添加することによって調製される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
開始剤が、2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタンである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
モノマーがイソブチレンである、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
イオン化ポリオレフィンが、ルイス酸を、tert−ハリド末端ポリオレフィンに添加することによって形成される、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ルイス酸が、四塩化チタンである、請求項8から11までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
約−150℃から約−30℃、約−90℃から約−60℃、又は約−60℃の温度で実施される、請求項1から12までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
1つ又は複数の電子供与体の存在下で実施される、請求項1から13までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
1つ又は複数のエキソオレフィンの末端基を含有する、形成されたポリオレフィンが、すべての生成物に対して、少なくとも40モルパーセント、少なくとも60モルパーセント、少なくとも80モルパーセント、少なくとも85モルパーセント、少なくとも90モルパーセント、少なくとも95モルパーセント、少なくとも97モルパーセント、又は少なくとも98モルパーセントである、請求項1から14までのいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2011−525566(P2011−525566A)
【公表日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516608(P2011−516608)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/048471
【国際公開番号】WO2010/008890
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(504239353)ザ・ユニバーシティー・オブ・サザン・ミシシッピ (9)
【Fターム(参考)】