説明

アルコール濃度センサ

【課題】 燃料タンク内から燃料タンク外への燃料漏れの懸念(心配)をなくすことを課題とする。
【解決手段】 アルコール濃度センサのセンサ本体の一対の導電部材7を、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料中に浸漬された先端電極部6からケーシング4の第1貫通孔21を貫通してケーシング4の外部に引き出される第1導体部11、およびこの第1導体部11からタンク上壁部1の第2貫通孔を貫通して燃料タンク外に引き出される第2導体部12によって構成している。すなわち、絶縁被膜等の絶縁被覆体を有しない一対の導電部材7の第1導体部11とケーシング4との間に第1シール部17が形成されるため、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料が燃料タンク内から燃料タンク外に漏れてくる燃料流出経路がなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコール濃度センサに関するもので、特にガソリンとアルコールとを任意の割合で混合したアルコール混合燃料中のアルコール濃度を測定するアルコール濃度センサに係わる。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来より、自動車に搭載される内燃機関の燃料としてメタノール等のアルコールをガソリンと混合して使用することが試みられている。
ガソリンとアルコールとを任意の割合で混合したアルコール混合燃料は、アルコール濃度によって最適な空燃比が異なるため、アルコール混合燃料中のアルコール濃度をアルコール濃度センサによって計測して燃料噴射量および点火時期を制御することが必要となる。
【0003】
ここで、図4に示したように、燃料ポンプ101によって高圧化されたアルコール混合燃料中に浸漬された一対の電極板で構成される電極部102を有するセンサ本体と、このセンサ本体の電極部102とコントロールユニット103の回路基板とを電気的に接続する一対のセンサリード線(絶縁電線)と、内部にセンサ本体を収容するケーシング104とを備えたアルコール濃度センサが公知である(例えば、特許文献1参照)。
なお、ケーシング104は、燃料タンク内に設置されている。この燃料タンク内には、ケーシング104の内部に形成される燃料供給通路105を介して、アルコール混合燃料を内燃機関に向かって圧送する燃料ポンプ101が収納されている。この燃料ポンプ101が、支持部材106を介して燃料タンクの上壁部107に取り付けられている。
【0004】
センサ本体は、アルコール混合燃料中に浸漬される電極部102を一体的に形成した一対の棒状導電部材111と、これらの棒状導電部材111の基端部(導体部)112を保持する絶縁性樹脂部材113とを備えている。
ここで、アルコール混合燃料は、このアルコール濃度が高くなるほど、その抵抗値が小さくなる特性を有している。したがって、従来のアルコール濃度センサにおいては、コントロールユニット103から一対のセンサリード線を介して一対の棒状導電部材111に一定の直流電圧を印加することにより、一対の棒状導電部材111間を流れる電流値、あるいはそれらの端子間電圧により抵抗値を検出し、この抵抗値に応じてアルコール混合燃料中のアルコール濃度を検出している。
【0005】
また、一対のセンサリード線は、一対の棒状導電部材111の各導体部112に電気的に接続される接続部(導体)からケーシング104の第1貫通孔114を貫通してケーシング104の外部に引き出される導電芯線121と、この導電芯線121の周囲を被覆する絶縁被膜123と、導電芯線121から燃料タンクの第2貫通孔を貫通して燃料タンク外に引き出される導電芯線と、この導電芯線の周囲を被覆する絶縁被膜124とを有している。
また、ケーシング104の第1貫通孔114の孔壁面と一対のセンサリード線の絶縁被膜123との間には、ケーシング104の内部(燃料供給通路105)から外部へ、燃料ポンプ101によって高圧化(大気圧よりも高い圧力に加圧)されたアルコール混合燃料が漏れる等の不具合を防止するためのシール部125が形成されている。
【0006】
[従来の技術の不具合]
ところが、従来のアルコール濃度センサにおいては、ケーシング104を貫通してケーシング104の外部に引き出される一対のセンサリード線を介して、コントロールユニット103の回路基板と一対の棒状導電部材111の電極部102とが電気的に接続されているが、一対のセンサリード線をケーシング104の内部から取り出す部分にて、センサリード線の絶縁被膜123でケーシング104の第1貫通孔114をシールしている。そして、燃料タンク内は、ほぼ大気圧とされ、また、ケーシング104の内部(燃料供給通路105)は、燃料ポンプ101によって高圧化されたアルコール混合燃料が流れるため、大気圧よりも高圧となっている。
これにより、燃料ポンプ101によって高圧化されたアルコール混合燃料が、燃料供給通路105から棒状導電部材111の各導体部112と絶縁性樹脂部材113との間に形成される隙間(燃料流出経路)を通り、更にセンサリード線の導電芯線121を伝って、センサリード線の導電芯線121と絶縁被膜123との間に形成される隙間(燃料流出経路)を通り、燃料タンク外に設置されているコントロールユニット103に漏れる懸念(心配)がある。
【特許文献1】実開昭64−53957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料が燃料タンク内から燃料タンク外に漏れてくる燃料流出経路をなくすことで、燃料タンク内から燃料タンク外への燃料漏れの懸念(心配)をなくすことのできるアルコール濃度センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、センサ本体の導電部材は、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料中に浸漬された電極部からケーシングを貫通してケーシングの外部に引き出される第1導体部、およびこの第1導体部から燃料タンクを貫通して燃料タンク外に引き出される第2導体部によって構成されている。
そして、ケーシングは、導電部材の第1導体部との間にシール部を有している。すなわち、絶縁被膜等の絶縁被覆体で被覆されない第1導体部(導電部材の第1導体部)とケーシングとの間にシール部が形成されるため、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料が燃料タンク内から燃料タンク外に漏れてくる燃料流出経路がなくなる。これにより、燃料タンク内から燃料タンク外への燃料漏れの懸念(心配)をなくすことが可能となるので、燃料タンクと導電部材の第2導体部との間のシール構造を簡素化することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、センサ本体の電極部が、第1導体部および第2導体部によって構成される導電部材を介して、燃料タンク外に設置された制御ユニットに電気的に接続されている。これによって、センサリード線(導体の周囲を絶縁被覆体で被覆した絶縁電線)を使用することなく、センサ本体の電極部と制御ユニットとを電気的に接続することが可能となるので、部品点数を削減することができる。
また、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料が燃料タンク内から燃料タンク外の制御ユニット側に漏れてくる燃料流出経路がなくなる。これにより、燃料タンク内から制御ユニット側への燃料漏れの懸念(心配)をなくすことが可能となるので、制御ユニット側での燃料タンクと導電部材の第2導体部との間のシール構造を簡素化することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、センサ本体の電極部からケーシングおよび燃料タンクを貫通して制御ユニットの回路基板まで延ばされた導電部材が、燃料タンク外にて制御ユニットの回路基板に電気的に接続されている。
請求項4に記載の発明によれば、導電部材の第1導体部は、センサ本体の電極部からケーシングの第1貫通孔を貫通してケーシングの外部に引き出されている。また、導電部材の第2導体部は、第1導体部から燃料タンクの第2貫通孔を貫通して燃料タンク外に引き出されている。この場合には、燃料タンクの第2貫通孔の孔壁面と導電部材の第2導体部の外周面との間のシール構造を簡素化することができる。
【0011】
請求項5に記載の発明によれば、センサ本体の導電部材は、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料中に浸漬された電極部からケーシングを貫通してケーシングの外部に引き出される導体部によって構成されている。その導電部材の導体部は、ケーシングの外部において絶縁電線の導体に電気的に接続されている。また、絶縁電線は、導電部材の導体部との接続部から燃料タンクを貫通して燃料タンク外に引き出されている。
そして、ケーシングは、導電部材の導体部との間にシール部を有している。すなわち、絶縁被膜等の絶縁被覆体で被覆されない導体部(導電部材の導体部)とケーシングとの間にシール部が形成されるため、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料が燃料タンク内から燃料タンク外に漏れてくる燃料流出経路がなくなる。これにより、燃料タンク内から燃料タンク外への燃料漏れの懸念(心配)をなくすことが可能となるので、燃料タンクと絶縁電線との間のシール構造を簡素化することができる。
【0012】
請求項6に記載の発明によれば、センサ本体の電極部が、導体部によって構成される導電部材および絶縁電線を介して、燃料タンク外に設置された制御ユニットに電気的に接続されている。これによって、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料が燃料タンク内から燃料タンク外の制御ユニット側に漏れてくる燃料流出経路がなくなる。これにより、燃料タンク内から制御ユニット側への燃料漏れの懸念(心配)をなくすことが可能となるので、制御ユニット側での燃料タンクと絶縁電線との間のシール構造を簡素化することができる。
【0013】
請求項7に記載の発明によれば、導電部材の導体部との接続部から燃料タンクを貫通して制御ユニットの回路基板まで延ばされた絶縁電線の導体が、燃料タンク外にて制御ユニットの回路基板に電気的に接続されている。
請求項8に記載の発明によれば、絶縁電線は、導体の周囲が絶縁被覆体により覆われている。そして、絶縁電線の絶縁被覆体を部分的に剥いで導体を露出させ、露出された導体を導電部材の導体部と接続することで、導体部との接続部を構成している。
請求項9に記載の発明によれば、導電部材の導体部は、センサ本体の電極部からケーシングの第1貫通孔を貫通してケーシングの外部に引き出されている。また、絶縁被覆体により導体の周囲が被覆された絶縁電線は、導電部材との接続部から燃料タンクの第2貫通孔を貫通して燃料タンク外に引き出されている。この場合には、燃料タンクの第2貫通孔の孔壁面と絶縁電線(の絶縁被覆体)の外周面との間のシール構造を簡素化することができる。
【0014】
請求項10に記載の発明によれば、センサ本体の導電部材は、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料中に浸漬された電極部を有している。また、センサ本体の絶縁電線は、導電部材に電気的に接続されている。
そして、センサ本体の絶縁電線は、導電部材との接続部からケーシングを貫通してケーシングの外部に引き出される第1導体、この第1導体から燃料タンクを貫通して燃料タンク外に引き出される第2導体、およびこれらの第1、第2導体の周囲を部分的に覆う絶縁被膜等の絶縁被覆体によって構成されている。
そして、ケーシングは、絶縁電線の第1導体との間にシール部を有している。すなわち、絶縁被膜等の絶縁被覆体で被覆されない第1導体(絶縁電線の第1導体)とケーシングとの間にシール部が形成されるため、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料が燃料タンク内から燃料タンク外に漏れてくる燃料流出経路がなくなる。これにより、燃料タンク内から燃料タンク外への燃料漏れの懸念(心配)をなくすことが可能となるので、燃料タンクと絶縁電線との間のシール構造を簡素化することができる。
【0015】
請求項11に記載の発明によれば、センサ本体の電極部が、導電部材および絶縁電線を介して、燃料タンク外に設置された制御ユニットに電気的に接続されている。これによって、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料が燃料タンク内から燃料タンク外の制御ユニット側に漏れてくる燃料流出経路がなくなる。これにより、燃料タンク内から制御ユニット側への燃料漏れの懸念(心配)をなくすことが可能となるので、制御ユニット側での燃料タンクと絶縁電線との間のシール構造を簡素化することができる。
【0016】
請求項12に記載の発明によれば、絶縁電線の第1導体から燃料タンクを貫通して制御ユニットの回路基板まで延ばされた絶縁電線の第2導体が、燃料タンク外にて制御ユニットの回路基板に電気的に接続されている。
請求項13に記載の発明によれば、絶縁電線の絶縁被覆体を部分的に剥いで第1導体を露出させ、露出された第1導体が、ケーシングを貫通するように設置されている。
請求項14に記載の発明によれば、絶縁電線の第1導体は、導電部材との接続部からケーシングの第1貫通孔を貫通してケーシングの外部に引き出されている。また、絶縁被覆体により第2導体の周囲が被覆された絶縁電線は、第1導体から燃料タンクの第2貫通孔を貫通して燃料タンク外に引き出されている。この場合には、燃料タンクの第2貫通孔の孔壁面と絶縁電線(の絶縁被覆体)の外周面との間のシール構造を簡素化することができる。
【0017】
請求項15に記載の発明によれば、ケーシングの流路管部の内部に、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料を内燃機関に供給する燃料供給通路を形成している。そして、センサ本体または導電部材の電極部は、燃料供給通路中に突出するように設置されている。これにより、センサ本体または導電部材の電極部が、燃料供給通路を流れる、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料中に浸漬されることになる。
請求項16に記載の発明によれば、燃料タンク内に燃料ポンプを設置している。
ここで、センサ本体は、アルコール混合燃料中のアルコール濃度に対応した電気信号を出力する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明を実施するための最良の形態は、燃料タンク内から燃料タンク外への燃料漏れの懸念(心配)をなくすという目的を、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料が燃料タンク内から燃料タンク外に漏れてくる燃料流出経路をなくすことで実現した。
【実施例1】
【0019】
[実施例1の構成]
図1は本発明の実施例1を示したもので、燃料タンクに設置されたアルコール濃度センサを示した図である。
【0020】
本実施例のエンジン制御システムは、複数の気筒を有する内燃機関(例えば4気筒エンジン:以下エンジンと言う)に、アルコールをガソリンに混合したアルコール混合燃料を燃料として噴射供給する燃料供給装置(内燃機関の燃料供給装置)と、この燃料供給装置を吸気通路開閉装置(スロットルバルブ、モータ等)および点火装置(イグニッションコイル、スパークプラグ等)などの各システムと関連して制御するエンジン制御装置(以下ECUと言う)とを備えている。
本実施例においては、エンジンの燃料としてガソリンとエタノールまたはメタノールとを任意の比率で混合したアルコール混合燃料が使用される。
【0021】
ここで、エンジンは、吸入空気とアルコール混合燃料との混合気を燃焼室内で燃焼させて得られる熱エネルギーにより出力を発生する水冷式のエンジンで、アルコール燃料によって走行できるアルコール燃料自動車(FFV)のエンジンルームに搭載されている。また、エンジンは、吸気行程、圧縮行程、膨張(燃焼)行程、排気行程の4つの行程(ストローク)を周期(サイクル)として繰り返す4サイクルエンジンが採用されている。そして、エンジンは、その各気筒毎の燃焼室に吸入空気を導入するための吸気管と、エンジンの各気筒毎の燃焼室より排気ガスを排出するための排気管とを備えている。
【0022】
また、エンジンは、シリンダヘッドおよびシリンダブロック等によって構成されている。シリンダヘッドの一方側に形成される吸気ポートは、ポペット型の吸気バルブによって開閉され、また、シリンダヘッドの他方側に形成される排気ポートは、ポペット型の排気バルブによって開閉される。なお、吸気ポートには、吸気管(特にインテークマニホールド)が接続されている。また、排気ポートには、排気管(特にエキゾーストマニホールド)が接続されている。
そして、エンジンのシリンダヘッドには、先端部が各気筒毎の燃焼室内に露出するようにスパークプラグが取り付けられている。
また、シリンダブロックの内部には、複数のシリンダボアが形成されている。この各シリンダボア内には、連接棒を介してクランクシャフトに連結されたピストンが摺動自在に支持されている。
【0023】
本実施例の燃料供給装置は、アルコール混合燃料を貯留する燃料タンクと、この燃料タンクから汲み上げたアルコール混合燃料を加圧して高圧化する燃料ポンプと、この燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料を一時的に貯留するデリバリパイプと、このデリバリパイプによって分配供給されるアルコール混合燃料をエンジンの各気筒毎の吸気ポート内に最適なタイミングで噴射するインジェクタ(内燃機関用燃料噴射弁、電磁式燃料噴射弁)とを備えている。なお、インジェクタは、エンジンのシリンダヘッドまたはインテークマニホールドに取り付けられている。
ここで、本実施例の燃料タンクには、燃料ポンプおよびアルコール濃度センサ等を備えたポンプモジュールが設置されている。このポンプモジュールのフランジ(図示せず)は、自動車等の燃料タンクの上壁部(以下タンク上壁部と言う)1に設けられた嵌合孔(図示せず)に嵌合され、ポンプモジュールの他の部品は、燃料タンク内に設置されている。
【0024】
そして、ポンプモジュールは、アルコール混合燃料を加圧して吐出する燃料ポンプ、燃料タンク内に貯留されているアルコール混合燃料の残量を検出する燃料残量センサ、アルコール混合燃料中のアルコール濃度を測定するアルコール濃度センサ、および少なくともアルコール濃度センサ本体(以下センサ本体と略す)が電気的に接続される制御ユニット(コントロールユニット)2を有している。このコントロールユニット2は、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料中のアルコール濃度を検出する回路基板3を有している。
【0025】
燃料ポンプは、燃料タンク内に設置されるインタンク方式の電動フューエルポンプであって、モータによりインペラを回転させることで、燃料タンク内に貯留されているアルコール混合燃料を吸い上げ(吸入し)、高圧で吐出する。
燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料は、燃料タンク内からタンク上壁部1を貫通して燃料タンクよりも重力方向における上方側に取り出されるケーシング4を通り、この燃料出口に向かう。なお、ケーシング4の燃料出口は、燃料供給管を介して、内燃機関(デリバリパイプまたはインジェクタ)に接続されている。
燃料残量センサは、燃料タンク内に設けられるフロート、および一端が燃料ポンプに回転自在に取り付けられ、他端にフロートが装着されるアームを有し、燃料タンク内に貯留されているアルコール混合燃料の油面(液面)と共に移動するフロートの位置によって燃料タンク内に貯留されているアルコール混合燃料の残量を検出する。
【0026】
本実施例のアルコール濃度センサは、燃料タンク内に設置されたケーシング(センサケース)4の内部空間に収容保持される静電容量式のセンサ本体を備え、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料中のアルコール濃度を測定する。
センサ本体は、ケーシング4の燃料供給通路5内に露出するように設置された先端電極部(コンデンザ電極部)6を有している。また、センサ本体は、コントロールユニット2の回路基板3に電気的に接続される一対の導電部材7と、これらの導電部材7の導体部(例えば第1導体部11)を保持固定する絶縁性樹脂部材8とを備えている。
ここで、本実施例では、一対の導電部材7の軸線方向の一端側(先端側)に先端電極部6が一体的に形成されている。したがって、一対の導電部材7は、先端側に先端電極部6を一体的に形成した導体部を構成している。
【0027】
一対の導電部材7は、その先端側の先端電極部6が、ケーシング4の燃料供給通路5内に露出するように、絶縁性樹脂部材8の中央部を貫通する保持孔10に嵌合保持されている。先端電極部6は、所定の間隔を隔てて対向して配置された一対の電極板によって構成されている。また、先端電極部6は、一対の導電部材7を介して、コントロールユニット2に電気的に接続されている。また、一対の導電部材7は、先端電極部6からケーシング4を貫通してケーシング4の外部(つまり燃料タンク内)に引き出される第1導体部11、およびこの第1導体部11からタンク上壁部1を貫通して燃料タンク外に引き出される第2導体部12を有している。この第2導体部12は、途中でL字状に屈曲する屈曲部13を有している。
一対の導電部材7は、先端電極部6からケーシング4の第1貫通孔21および燃料タンクの第2貫通孔(図示せず)を貫通してコントロールユニット2の回路基板3までL字状に延ばされている。
【0028】
ケーシング4は、燃料タンク内において燃料ポンプに取り付けられており、内部にセンサ本体の絶縁性樹脂部材8を収容するセンサ収容空間14を有している。また、ケーシング4は、センサ収容空間14に隣設して、内部に燃料供給通路5が形成される流路管部15を有している。この流路管部15は、燃料タンク内からタンク上壁部1を貫通して燃料タンク外まで延ばされている。また、ケーシング4の側壁部16には、一対の導電部材7の第1導体部11が貫通する第1貫通孔21が形成されている。そして、ケーシング4は、一対の導電部材7の第1導体部11の外周面と側壁部16の第1貫通孔21の孔壁面との間に第1シール部17を有している。
ここで、燃料タンクのタンク上壁部1には、一対の導電部材7の第2導体部12が貫通する第2貫通孔が形成されている。そして、燃料タンクは、一対の導電部材7の第2導体部12の外周面とタンク上壁部1の第2貫通孔の孔壁面との間に第2シール部(図示せず)を有している。
【0029】
コントロールユニット2は、アルコール混合燃料中のアルコール濃度に応じてアルコール混合燃料の誘電率が異なることを利用し、アルコール濃度センサのセンサ本体の先端電極部(一対の電極板間)6にアルコール混合燃料を通過させて、一対の電極板間の静電容量を測定することにより、アルコール混合燃料中のアルコール濃度を検出する回路基板3を有している。
この回路基板3は、アルコール濃度センサのセンサ本体の先端電極部6に一対の導電部材7を介して電気的に接続された周波数発振回路、およびこの周波数発振回路に電気的に接続されて、発振周波数(F)を電圧(V)に変換する周波数/電圧変換回路(F/V変換回路)等を有している。
なお、コントロールユニット2は、回路基板3に搭載された周波数発振回路およびF/V変換回路等によって構成されており、アルコール混合燃料の誘電率の変化を検出電圧(センサ出力電圧、検出信号)に変換してECUに出力している。
【0030】
ここで、ECUには、制御処理や演算処理を行うCPU、制御プログラムまたは制御ロジックや各種データを保存する記憶装置(ROMやRAM等のメモリ)、入力回路(入力部)、出力回路(出力部)、電源回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。
そして、各種センサからのセンサ信号は、A/D変換器でA/D変換された後に、ECUに内蔵されたマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。マイクロコンピュータには、クランク角度センサ、アクセル開度センサ、冷却水温度センサ、吸気温度センサおよびアルコール濃度センサ等が電気的に接続されている。なお、アルコール濃度センサ(センサ本体の先端電極部6)は、一対の導電部材7およびコントロールユニット2等を介して、マイクロコンピュータに電気的に接続されている。
【0031】
また、ECUは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、メモリ内に格納された制御プログラムまたは制御ロジックに基づいて、吸気通路開閉装置のモータを通電制御すると共に、燃料供給装置(燃料ポンプ、インジェクタ等)および点火装置(イグニッションコイル、スパークプラグ等)を駆動するように構成されている。これにより、エンジンの運転中に、スロットル開度(吸入空気量)、燃料噴射量、燃料噴射時期、空燃比、点火時期等が各々制御指令値(制御目標値)となるように制御される。
また、ECUは、イグニッションスイッチがオフ(IG・OFF)されると、メモリ内に格納された制御プログラムまたは制御ロジックに基づく、燃料噴射制御、点火制御、空燃比制御を含むエンジン制御等が強制的に終了されるように構成されている。
【0032】
[実施例1の作用]
次に、本実施例のアルコール濃度センサの作用を図1に基づいて簡単に説明する。
【0033】
ECUは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、吸気通路開閉装置のモータを通電制御すると共に、燃料供給装置(燃料ポンプ、インジェクタ等)および点火装置(イグニッションコイル、スパークプラグ等)を駆動する。これにより、エンジンが運転される。
このとき、燃料ポンプが、燃料タンク内に貯留されているアルコール混合燃料を汲み上げて加圧して高圧化する。この燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料は、ケーシング4内の燃料供給通路5を通り、ケーシング4の燃料出口に向かう。そして、ケーシング4の燃料出口より流出したアルコール混合燃料は、デリバリパイプを介して各気筒毎に対応して搭載されたインジェクタに分配供給される。
【0034】
ここで、本実施例のアルコール濃度センサは、センサ本体の一対の導電部材7の先端側に一体的に設けられる先端電極部6が、アルコール混合燃料中に浸漬されている。すなわち、センサ本体の先端電極部6は、燃料供給通路5中に露出するようにケーシング4の内部に設置されている。
また、センサ本体の先端電極部6は、一対の導電部材7を介して、コントロールユニット2の回路基板3に搭載された周波数発振回路に電気的に接続されている。また、周波数発振回路は、F/V変換回路を介して、ECUに電気的に接続されている。
【0035】
ここで、アルコール濃度センサの先端電極部6間を通過するアルコール混合燃料中のアルコール濃度、すなわち、一対の導電部材7の先端側に一体的に設けられる電極板間に介在するアルコール混合燃料中のアルコール濃度が高くなると、アルコール混合燃料全体として誘電率が高くなって静電容量が増加する。
これにより、周波数発振回路は、アルコール濃度の変化=誘電率の変化に基づく静電容量の変化に対応した発振周波数(F)を発振する。そして、この発振周波数(F)をF/V変換回路によって電圧(V)に変換して検出電圧をECUに出力する。すると、ECUは、アルコール混合燃料中のアルコール濃度に対応した検出電圧(コントロールユニット2の出力電圧)の変化に基づいて、アルコール混合燃料中のアルコール濃度を測定する。 そして、ECUは、アルコール混合燃料中のアルコール濃度に基づいて、燃料噴射制御、点火制御、空燃比制御を含むエンジン制御を実施する。
【0036】
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例のアルコール濃度センサにおいて、センサ本体の一対の導電部材7は、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料中に浸漬された先端電極部6からケーシング4の第1貫通孔21を貫通してケーシング4の外部に引き出される第1導体部11、およびこの第1導体部11からタンク上壁部1の第2貫通孔を貫通して燃料タンク外に引き出される第2導体部12によって構成されている。
そして、ケーシング4は、一対の導電部材7の第1導体部11の外周面と側壁部16の第1貫通孔21の孔壁面との間に第1シール部17を有している。また、燃料タンクは、一対の導電部材7の第2導体部12の外周面とタンク上壁部1の第2貫通孔の孔壁面との間に第2シール部を有している。
【0037】
すなわち、絶縁被膜等の絶縁被覆体で被覆されない一対の導電部材7の第1導体部11とケーシング4との間に第1シール部17が形成されるため、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料が燃料タンク内から燃料タンク外のコントロールユニット側に漏れてくる燃料流出経路がなくなる。これにより、燃料タンク内からコントロールユニット側への燃料漏れの懸念(心配)をなくすことが可能となるので、コントロールユニット側での燃料タンクのタンク上壁部1と一対の導電部材7の第2導体部12との間の第2シール部の構造(シール構造)を簡素化することができる。すなわち、燃料タンクのタンク上壁部1と一対の導電部材7の第2導体部12との間に、高価な耐燃料油性に優れるゴムブッショを設けなくても良いのでコストを低減できる。
【0038】
また、センサ本体の先端電極部6は、第1導体部11および第2導体部12によって構成される一対の導電部材7を介して、燃料タンク外に設置されたコントロールユニット2の回路基板3に電気的に接続されている。これによって、センサリード線(導電芯線の周囲を絶縁被覆体で被覆した絶縁電線)を使用することなく、センサ本体の先端電極部6とコントロールユニット2の回路基板3とを電気的に接続することが可能となるので、部品点数を削減することができる。
【実施例2】
【0039】
図2は本発明の実施例2を示したもので、アルコール濃度センサを示した図である。
本実施例のアルコール濃度センサのセンサ本体は、コントロールユニット2の回路基板3に電気的に接続される一対の導電部材7と、これらの導電部材7の軸線方向の一端側(先端側)に一体的に形成された先端電極部6と、一対の導電部材7を保持固定する絶縁性樹脂部材8とを備えている。
本実施例の一対の導電部材7は、先端電極部6からケーシング4の第1貫通孔21を貫通してケーシング4の外部に引き出される導体部29を有している。この導体部29は、先端電極部側に対して逆側の端部が、センサリード線を構成する一対の絶縁電線9の第1導電芯線31に電気的に接続されている。これにより、センサ本体の先端電極部6は、一対の導電部材7および一対の絶縁電線9を介して、コントロールユニット2の回路基板3に電気的に接続されている。
【0040】
一対の絶縁電線9は、導体である導電芯線(例えば第1、第2導電芯線31、32)の周囲を絶縁被覆体(例えば絶縁被膜34等)で被覆された導電線である。本実施例のように、燃料タンク内に配線される絶縁電線9として、フッ素系樹脂で導体を被覆した絶縁電線、シリコーンゴム(またはシリコーン樹脂)で導体を被覆したシリコーン絶縁電線、ビニールで導体を被覆したビニール絶縁電線を用いる。
一対の絶縁電線9の絶縁被膜34の軸線方向の一端側(電極部側)を部分的に剥いで第1導電芯線31を露出させ、この露出された第1導電芯線31を一対の導電部材7の導体部29と接続することで、導体部29との外部接続部35としている。この外部接続部35は、ケーシング4の外部、つまり燃料タンク内において絶縁電線9の第1導電芯線31と一対の導電部材7の導体部29とを接続する部位である。
そして、一対の絶縁電線9は、外部接続部35からタンク上壁部1を貫通して燃料タンク外に引き出されている。また、絶縁電線9は、途中でL字状に屈曲する屈曲部33を有している。
【0041】
また、一対の絶縁電線9の絶縁被膜34の軸線方向の他端側(コントロールユニット側)を部分的に剥いで第2導電芯線32を露出させ、この露出された第2導電芯線32をコントロールユニット2の回路基板3に電気的に接続している。
内部にセンサ本体を収容保持するケーシング4は、一対の導電部材7の導体部29の外周面と側壁部16の第1貫通孔21の孔壁面との間に第1シール部17を有している。また、内部にケーシング4を設置する燃料タンクは、一対の絶縁電線9の導電芯線(例えば第2導電芯線32)の周囲を被覆する絶縁被膜34の外周面とタンク上壁部1の第2貫通孔の孔壁面との間に第2シール部(図示せず)を有している。
【0042】
以上のように、本実施例のアルコール濃度センサにおいては、実施例1と同様に、絶縁被膜等の絶縁被覆体で被覆されない一対の導電部材7の導体部29とケーシング4との間に第1シール部17が形成されるため、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料が燃料タンク内から燃料タンク外のコントロールユニット側に漏れてくる燃料流出経路がなくなる。これにより、燃料タンク内からコントロールユニット側への燃料漏れの懸念(心配)をなくすことが可能となるので、コントロールユニット側での燃料タンクのタンク上壁部1と一対の絶縁電線9の絶縁被膜34との間の第2シール部の構造(シール構造)を簡素化することができる。
【実施例3】
【0043】
図3は本発明の実施例3を示したもので、アルコール濃度センサを示した図である。
本実施例のアルコール濃度センサのセンサ本体は、コントロールユニット2の回路基板3に電気的に接続される一対の導電部材7と、これらの導電部材7の軸線方向の一端側(先端側)に一体的に形成された先端電極部6と、一対の導電部材7を保持固定する絶縁性樹脂部材8と、一対の導電部材7の軸線方向の他端側に電気的に接続される一対の絶縁電線9とを備えている。
本実施例の一対の導電部材7は、ケーシング4の内部において一対の絶縁電線9が接続する導体部39を有している。この導体部39は、絶縁性樹脂部材8の保持孔10に嵌合保持されている。そして、導体部39は、その軸線方向の一端側(先端側)が燃料供給通路5内に露出して先端電極部6を構成し、また、その軸線方向の他端側がケーシング4の内部に露出して一対の絶縁電線9の第1導電芯線41を接続している。
【0044】
一対の絶縁電線9は、導電芯線(例えば第1、第2導電芯線41、42)の周囲を絶縁被膜44で被覆された導電線である。これらの絶縁被膜44の軸線方向の一端側(電極部側)を部分的に剥いで第1導電芯線41を露出させ、この露出された第1導電芯線41を一対の導電部材7の導体部39と接続することで、導体部39との内部接続部45としている。この内部接続部45は、ケーシング4の内部において絶縁電線9の第1導電芯線41と一対の導電部材7の導体部39とを接続する部位である。
また、一対の絶縁電線9は、内部接続部45からケーシング4の第1貫通孔21を貫通してケーシング4の外部に引き出される第1導電芯線41、この第1導電芯線41からタンク上壁部1の第2貫通孔を貫通して燃料タンク外に引き出される第2導電芯線42、およびこれらの第1、第2導線芯線41、42の周囲を部分的に覆う絶縁被膜44を有している。これにより、センサ本体の先端電極部6は、一対の導電部材7および一対の絶縁電線9を介して、コントロールユニット2の回路基板3に電気的に接続されている。また、絶縁電線9は、途中でL字状に屈曲する屈曲部43を有している。
【0045】
また、一対の絶縁電線9の絶縁被膜44の軸線方向の他端側(コントロールユニット側)を部分的に剥いで第2導電芯線42を露出させ、この露出された第2導電芯線42をコントロールユニット2の回路基板3に電気的に接続している。
また、本実施例のアルコール濃度センサのケーシング4は、一対の絶縁電線9の第1導電芯線41の外周面と側壁部16の第1貫通孔21の孔壁面との間に第1シール部17を有している。また、燃料タンクは、一対の絶縁電線9の導電芯線(例えば第2導電芯線42)の周囲を被覆する絶縁被膜44の外周面とタンク上壁部1の第2貫通孔の孔壁面との間に第2シール部(図示せず)を有している。
【0046】
以上のように、本実施例のアルコール濃度センサにおいては、実施例1、2と同様に、絶縁被膜44等の絶縁被覆体で被覆されない一対の絶縁電線9の第1導電芯線41とケーシング4との間に第1シール部17が形成されるため、燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料が燃料タンク内から燃料タンク外のコントロールユニット側に漏れてくる燃料流出経路がなくなる。これにより、燃料タンク内からコントロールユニット側への燃料漏れの懸念(心配)をなくすことが可能となるので、コントロールユニット側での燃料タンクのタンク上壁部1と一対の絶縁電線9の絶縁被膜44との間の第2シール部の構造(シール構造)を簡素化することができる。
【0047】
[変形例]
本実施例では、本発明のアルコール濃度センサとして、ガソリンの誘電率とアルコールの誘電率との比によってアルコール混合燃料中に浸漬される一対の電極板間の静電容量が変化することを利用してアルコール濃度を検出する静電容量式のアルコール濃度センサを使用しているが、本発明のアルコール濃度センサとして、ガソリンの電気抵抗値とアルコールの電気抵抗値とが異なることを利用してアルコール濃度を検出する周知のアルコール濃度センサを使用しても良い。
【0048】
本実施例では、アルコール濃度センサのセンサ本体およびケーシング4を燃料タンク内に設置された燃料ポンプに取り付けているが、アルコール濃度センサのセンサ本体およびケーシング4を直接燃料タンクに取り付けても良い。
本実施例では、内燃機関の燃料として、ガソリンとアルコールとを任意の混合比で混合したアルコール混合燃料を使用しているが、内燃機関の燃料として、軽油とアルコールとを任意の混合比で混合したアルコール混合燃料を使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】アルコール濃度センサを示した構成図である(実施例1)。
【図2】アルコール濃度センサを示した構成図である(実施例2)。
【図3】アルコール濃度センサを示した構成図である(実施例3)。
【図4】(a)はアルコール濃度センサを備えた燃料ポンプを示した概略図で、(b)はアルコール濃度センサを示した構成図である(従来の技術)。
【符号の説明】
【0050】
1 燃料タンクのタンク上壁部
2 コントロールユニット(制御ユニット)
3 コントロールユニットの回路基板
4 ケーシング
5 ケーシングの燃料供給通路
6 センサ本体の先端電極部(電極板)
7 一対の導電部材
8 絶縁性樹脂部材
9 絶縁電線(センサリード線)
11 導電部材の第1導体部
12 導電部材の第2導体部
15 ケーシングの流路管部
17 ケーシングの第1シール部
21 ケーシングの第1貫通孔
29 導電部材の導体部
31 絶縁電線の第1導電芯線(導体)
32 絶縁電線の第2導電芯線(導体)
34 絶縁電線の絶縁被膜(絶縁被覆体)
35 外部接続部(導電部材の導体部との接続部)
39 導電部材の導体部
41 絶縁電線の第1導電芯線(第1導体)
42 絶縁電線の第2導電芯線(第2導体)
44 絶縁電線の絶縁被膜(絶縁被覆体)
45 内部接続部(導電部材の導体部との接続部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料中に浸漬された電極部を有するセンサ本体と、
(b)燃料タンク内に設置されて、内部に前記センサ本体を収容するケーシングと
を備えたアルコール濃度センサにおいて、
前記センサ本体は、一端側に前記電極部を一体的に形成した導電部材を有し、
前記導電部材は、前記電極部から前記ケーシングを貫通して前記ケーシングの外部に引き出される第1導体部、およびこの第1導体部から前記燃料タンクを貫通して前記燃料タンク外に引き出される第2導体部を有していることを特徴とするアルコール濃度センサ。
【請求項2】
請求項1に記載のアルコール濃度センサにおいて、
前記燃料タンク外に設置された制御ユニットを備え、
前記電極部は、前記導電部材を介して、前記制御ユニットに電気的に接続されていることを特徴とするアルコール濃度センサ。
【請求項3】
請求項2に記載のアルコール濃度センサにおいて、
前記制御ユニットは、アルコール混合燃料中のアルコール濃度を検出する回路基板を有し、
前記導電部材は、前記電極部から前記ケーシングおよび前記燃料タンクを貫通して前記回路基板まで延ばされて、前記回路基板に電気的に接続されていることを特徴とするアルコール濃度センサ。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載のアルコール濃度センサにおいて、
前記ケーシングは、前記導電部材の第1導体部が貫通する第1貫通孔を有し、
前記燃料タンクは、前記導電部材の第2導体部が貫通する第2貫通孔を有していることを特徴とするアルコール濃度センサ。
【請求項5】
(a)燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料中に浸漬された電極部を有するセンサ本体と、
(b)燃料タンク内に設置されて、内部に前記センサ本体を収容するケーシングと
を備えたアルコール濃度センサにおいて、
前記センサ本体は、一端側に前記電極部を一体的に形成した導電部材を有し、
前記導電部材は、前記電極部から前記ケーシングを貫通して前記ケーシングの外部に引き出されて、絶縁電線の導体に電気的に接続される導体部を有し、
前記絶縁電線は、前記導体部との接続部から前記燃料タンクを貫通して前記燃料タンク外に引き出されていることを特徴とするアルコール濃度センサ。
【請求項6】
請求項5に記載のアルコール濃度センサにおいて、
前記燃料タンク外に設置された制御ユニットを備え、
前記電極部は、前記導電部材および前記絶縁電線を介して、前記制御ユニットに電気的に接続されていることを特徴とするアルコール濃度センサ。
【請求項7】
請求項6に記載のアルコール濃度センサにおいて、
前記制御ユニットは、アルコール混合燃料中のアルコール濃度を検出する回路基板を有し、
前記絶縁電線は、前記導体部との接続部から前記燃料タンクを貫通して前記回路基板まで延ばされており、
前記絶縁電線の導体は、前記回路基板に電気的に接続されていることを特徴とするアルコール濃度センサ。
【請求項8】
請求項5ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載のアルコール濃度センサにおいて、
前記絶縁電線は、前記導体の周囲を絶縁被覆体により覆われており、
前記絶縁電線の絶縁被覆体を部分的に剥いで前記導体を露出させ、露出された前記導体を前記導体部と接続することで、前記導体部との接続部としていることを特徴とするアルコール濃度センサ。
【請求項9】
請求項5ないし請求項8のうちのいずれか1つに記載のアルコール濃度センサにおいて、
前記ケーシングは、前記導電部材の導体部が貫通する第1貫通孔を有し、
前記燃料タンクは、絶縁被覆体により前記導体の周囲が被覆された前記絶縁電線が貫通する第2貫通孔を有していることを特徴とするアルコール濃度センサ。
【請求項10】
(a)燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料中に浸漬された電極部を有するセンサ本体と、
(b)燃料タンク内に設置されて、内部に前記センサ本体を収容するケーシングと
を備えたアルコール濃度センサにおいて、
前記センサ本体は、一端側に前記電極部を一体的に形成した導電部材、およびこの導電部材に電気的に接続される絶縁電線を有し、
前記絶縁電線は、前記導電部材との接続部から前記ケーシングを貫通して前記ケーシングの外部に引き出される第1導体、この第1導体から前記燃料タンクを貫通して前記燃料タンク外に引き出される第2導体、およびこれらの第1、第2導体の周囲を部分的に覆う絶縁被覆体を有していることを特徴とするアルコール濃度センサ。
【請求項11】
請求項10に記載のアルコール濃度センサにおいて、
前記燃料タンク外に設置された制御ユニットを備え、
前記電極部は、前記導電部材および前記絶縁電線を介して、前記制御ユニットに電気的に接続されていることを特徴とするアルコール濃度センサ。
【請求項12】
請求項11に記載のアルコール濃度センサにおいて、
前記制御ユニットは、アルコール混合燃料中のアルコール濃度を検出する回路基板を有し、
前記第2導体は、前記第1導体から前記燃料タンクを貫通して前記回路基板まで延ばされて、前記回路基板に電気的に接続されていることを特徴とするアルコール濃度センサ。
【請求項13】
請求項10ないし請求項12のうちのいずれか1つに記載のアルコール濃度センサにおいて、
前記絶縁電線の絶縁被覆体を部分的に剥いで前記第1導体を露出させ、
露出された前記第1導体は、前記ケーシングを貫通するように設置されていることを特徴とするアルコール濃度センサ。
【請求項14】
請求項10ないし請求項13のうちのいずれか1つに記載のアルコール濃度センサにおいて、
前記ケーシングは、前記絶縁電線の第1導体が貫通する第1貫通孔を有し、
前記燃料タンクは、前記絶縁被覆体により前記第2導体の周囲が被覆された前記絶縁電線が貫通する第2貫通孔を有していることを特徴とするアルコール濃度センサ。
【請求項15】
請求項1ないし請求項14のうちのいずれか1つに記載のアルコール濃度センサにおいて、
前記ケーシングは、前記燃料ポンプによって高圧化されたアルコール混合燃料を内燃機関に供給する燃料供給通路を形成する流路管部を有し、
前記センサ本体または前記導電部材は、前記電極部が前記燃料供給通路中に突出するように設置されていることを特徴とするアルコール濃度センサ。
【請求項16】
請求項1ないし請求項15のうちのいずれか1つに記載のアルコール濃度センサにおいて、
前記燃料ポンプは、前記燃料タンク内に設置されていることを特徴とするアルコール濃度センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−103653(P2009−103653A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−277718(P2007−277718)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】