アルゴリズム取引エンジンにおけるアルゴリズムの協調
【課題】単一のドラッグ&ドロップ操作で、自動化されたマルチ・アルゴリズム取引戦略を起動することを市場参加者に可能にするグラフィカル・ユーザ・インターフェースを提供する。
【解決手段】1つ以上のアルゴリズムを選択でき、証券を表しているシンボルは、戦術的、あるいは戦略的アルゴリズムを表しているアイコン上にドラッグ&ドロップすることが可能であり、グラフィック・ユーザ・インターフェースの他の機能は、アルゴリズムの進捗などの情報を示す。
【解決手段】1つ以上のアルゴリズムを選択でき、証券を表しているシンボルは、戦術的、あるいは戦略的アルゴリズムを表しているアイコン上にドラッグ&ドロップすることが可能であり、グラフィック・ユーザ・インターフェースの他の機能は、アルゴリズムの進捗などの情報を示す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年4月28日出願の米国仮出願手続き特許出願No.60/795,646と、2007年4月6日出願の米国特許出願第11/783,250号に対する優先権を主張するものであり、参照によってここに盛り込まれる。
【0002】
本発明は、金融業界のアルゴリズム取引、及び、特に、そのような取引をユーザに管理させるためのグラフィカル・ユーザ・インターフェースに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、十進法化(decimalization)と市場断片化の組合せは、金融業界におけるアルゴリズム取引の著しい増大を引き起こした。タワーグループ(Tower Group)は、アルゴリズム取引を「モデルの論理のパラメータ及び制約(constraints)により定められた目標を基に、注文のタイミングやサイズを自動的に生成する数量モデルに対して、規定量の買い又は売り注文を出すこと」と定義している。数多くのトレーダは、流動性プールの拡大、かつてないほどに縮小した発注規模、及び「ペニージャンピング(penny−jumping)」に対処するために、より低コストで理論的により効率的な方法として、アルゴリズムに着目している。セレント(Celent)・コンサルティングは、アルゴリズム取引によるものと考えられる全体的な取引高が2005年の14%から2008年には25%に増加する、と予測する。もっともなことだが、アルゴリズム取引に対する関心の増加には、アルゴリズム取引製品を提供する多くの金融会社及びサードパーティベンダにおける劇的な変動が伴っている。
しかし、このアルゴリズム取引の拡大にもかかわらず、アルゴリズムを選択、管理及び評価するプロセスに対して不安を抱えるトレーダがまだ多く存在する。このアルゴリズム取引に対する不安は、多くの要因によるものであると考えられる。一例として、トレーダには、アルゴリズム取引の利益を最大限に引き伸ばすレベルのトレーニング又は技術的支援が提供されていない。企業は、トレーダが自由にアルゴリズムを選択し、管理し、評価するのを助けるためのインタラクティブな電子ツールを用意することなく、スタンドアロン製品としてそれらのアルゴリズムを販売している。その結果、トレーダは自身が間違ったアルゴリズムを選択していることに気づくことも多く、また適切なものを選んだとしても、実行してすぐに、正しく管理できないことに気づく。実際、用いているアルゴリズムが彼らのベンチマーク以下の働きしかしないとトレーダが言うことも多い。この不十分な働きがアルゴリズムに起因するものなのか、それとも、それを適切に使用できないトレーダの能力不足によるものなのかは明らかではないが、多くのトレーダが、アルゴリズムの能力が従来方式で得られる実行品質に匹敵するかどうか懐疑的であるのは明らかである。
【0004】
第2に、ユーザによる入力及び管理がより少ない複合アルゴリズムの使用は、トレーダにとっては、コントロールが失われることを必然的に意味する。これらの複合アルゴリズムを使用する際に、トレーダは、どのように機能するかのロジックを明らかにすることなく入出力する不透明なシステム(ブラックボックス)に、彼らの注文を手渡すことを強いられている。この透明性の欠如は、アルゴリズムの論理が知られているかあまりに明らかなときに起きうるような情報漏えいを防ぐのを助ける一方、トレーダを仲介せず、彼の実行の性質と品質に関する重要な情報を与えない。その結果、これらのより複雑なアルゴリズムを使用する多くのトレーダは、それらの注文が市場にどのような影響を与えるかを観察する能力を失う。これらの観察がなければ、トレーダは、人間のトレーダとして加わる真の価値、つまり「市場感覚」から遠ざけられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アルゴリズムの眺望に欠けていたものは、複雑な取引戦略の自動化を可能にし、市場原動力、マーケット・インパクト、及び注文実行に関するリアルタイム・フィードバックをユーザに提供するための簡易で、直観的なインターフェースを使用するシステムである。既存の先行技術は、この必要性について取り上げようとしたが失敗し、理解するのが難しく、ナビゲートするのがより難しくさえある情報を伴う、テキスト・ヘビー・ユーザ・インターフェースだけを提供する。
【0006】
本発明の目的は、上述した欠如を埋めることにある。
【0007】
本発明の他の目的は、自動化され、簡単なドラッグ&ドロップ操作を通して、マルチ・アルゴリズム取引戦略を市場参加者が開始することを可能にする、自動化されたアルゴリズム選択機能に加えて、グラフィック・ユーザ・インターフェースを用いることにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、トレーダの注文実行、及びそれらの注目実行によって生じるマーケット・インパクトの双方についてトレーダ・リアルタイム・フィードバックを与えることにある。
【0009】
単純化された開始、及びリアルタイム・フィードバックの主題のシステムの組合せは、共に、複雑な取引戦略の自動化への「ユーザ中心」のアプローチをトレーダに提供する。このように、主題のシステムは、人間が取引プロセスにもたらす価値に取って代わるものではなく、むしろそれを高める。すなわち、変化する市場状況のリアルタイム視覚表示を通して、トレーダの注文が市場にどのように影響を与えるか、トレーダのアルゴリズムで戦略がどのように用いられるか、及び、それらの戦略によって生じるマーケット・インパクトのレベルがどの程度であるか、という市場上のトレーダの眺望を限定するものではなく、それらをむしろ拡大する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した他の目的を成し遂げるために、本発明は、トレーダの自動化された取引実行に関するリアルタイム・フィードバックをユーザに提供する一方、導入及び管理するためのアルゴリズムのタスクを単純化することによって、アルゴリズム取引のプロセスを向上させるための方法を導く。主題のシステムの好ましい実施形態は、既知のアルゴリズム取引製品の制限を、(1)ドラッグ&ドロップ操作を通して、複雑なマルチ・アルゴリズム取引戦略を始めるために、単純で、直観的なグラフィック・インターフェースを市場参加者が用いることを可能とし、(2)リアルタイムで情報的なマーケット・インパクト・コストを監視することをユーザに可能とし、(3)ユーザの入力に従って、アルゴリズムの選択、管理、及びキャンセルを自動化し、(4)注文活動、主題のシステムの活動アルゴリズムによって用いられる実行戦略のタイプ、及び、情報漏えいによる市場影響コストの追加を引き起こすことなく、問題なく成し遂げられる最大実行レートを自動的に表示する、視覚的表示を市場参観者に提供し、(5)ベンチマークに対してリアルタイムで取引ポジション及び市場ポジションの双方をモニタすることをユーザに可能とし、(6)市場のより大きなコンテキストの範囲内で特定の株が合致するところについての見通しをユーザに提供する、ことによって解決する。
【0011】
マーケット・インパクトに関する1つの重要な定義は「Doyne Farmer、Neda Zamani、 “Mechanical vs. informational components of price impact, ” http://www.santafe.edu/research/publications/workingpapers/06−09−034.pdf」から提供されたものである。発明者は本発明に用いるためのマーケット・インパクトに対してこの定義を選択したが、ここで特に留意すべきことは、この定義に代わる、マーケット・インパクトに対する機能的な定義が他に多く存在し、それらが本発明の範囲及び精神によってカバーされるということである。
【0012】
ファーマーとザマニ(Farmer and Zamani)の論文においては、「買い注文が価格を上げ、売り注文が価格を下げる、というように取引が価格に影響を与えることはよく知られている」と言及されている。しかしながら、彼らはそのあと「マーケット・インパクト」の概念を、2つの別個の要素、すなわち機械的及び情報的な影響に分解している。機械的な影響は、「あるイベントが取り除かれ、他の全てのイベントが一定の状態に保たれたときの中間点の価格における変化の観点から」定義されており、これは、機械的な影響が、単にそのイベントの存在による必然的な価格変化であることを意味する。一方、情報的な影響は、機械的な影響によっては説明できない全体の影響の一部、つまり取引戦略において最も変化に影響を受けやすい、マーケット・インパクトの構成要素であると定義する。
【0013】
発明者は、ファーマーとザマニ(Farmer and Zamani)が説明した機械の影響と情報の影響の間の概念上の相違に同意しており、以下から、文言「マーケット・インパクト」が本件で用いられるとき、情報的なマーケット・インパクトを言及していることとする。ただ、ファーマーとザマニ(Farmer and Zamani)は、多くの実験に基づく「事実後の」平均値として、マーケット・インパクトを定めているが、本発明者は、情報的なマーケット・インパクトが、アルゴリズムの実行レート偏差、または、アルゴリズムの期待される実行レートとその実際の実行レートとの間の差異を追跡することによってもリアルタイムで測定され得ることを提唱する。
【0014】
この提唱により、実行レート偏差が情報的なマーケット・インパクトの代用として用いることができるという推測が可能となる。本発明者は、これが有効的な相関関係であると考えている。なぜなら、不意の低実行レートは、通常、他の市場参加者がアルゴリズムの発注活動に起因する公正価格の認識を変化させているという、有効的で最も明白な兆候だからである。異常な実行レートは、株の価格に影響している外生要因に論理的に起因すると考えられる。その最も一般的なものは、市場における未決または潜在的な取引についての情報漏えいである。それらの情報漏えいは、取引異常における最も一般的な要因である。なぜなら、漏えいが生じると、それにより、潜在的な価格モーメントの間違った側につくことを恐れるカウンターパーティを阻み、同時にこれらの同じ潜在的な価格モーメントで利益を得ることを望む潜在的な競争相手を奨励するため、注文を満たすことがより難しくなるためである。この結果、情報漏えいは、しばしば、漏えいがなければそうなるであろうと予想された値以下又は以上に、実行レートの減少又は増加を生じる。一方、実行レートが普通であれば、情報が漏えいしていないと仮定することは論理的であり、またその場合、漏えいは、潜在的な取引相手を阻んだり、潜在的な競争者を奨励したりするほどの効果を有するほど重要なものとはならない。
【0015】
実行レート異常と情報漏えいと間のこの高い相関関係のため、主題のシステムは、マーケット・インパクトのリアルタイム指示として、そのアルゴリズムの期待される実行レートと実際の実行レートとの間の差分のリアルタイム測定を依存する。より詳しくは、実際の実行レートが、市場の現況を与える、期待されるレート以下の1つの標準偏差より大でないならば、重要なマーケット・インパクトを及ぼすに十分な取引情報は漏えいしていないとして、主題のシステムはアルゴリズムを「成功」とみなす。一方、期待される実行レートと実際の実行レートとの間の差分が、1つの標準偏差より大であるならば、主題のシステムは、注目すべきマーケット・インパクトを及ぼす十分な情報漏えいが生じるとして、アルゴリズムを「失敗」みなす。結果として、この測定は、戦術が成功しており実行中のままにすべきかどうか、または、失敗し更新することが必要であるかどうかのような示度として有益である。そのような更新の必要性を最小にするために、主題のシステムは、アルゴリズムの注文に対する市場反応を含むリアルタイム市況情報に基づく戦術的な失敗を先取りすべく、予測モデルを利用し、可能な場合はいつでも、失敗することを見つける前に、戦術を更新する。
【0016】
戦術の実行レートは、それが作動中だった時間間隔にその戦術によって実行された、占有率(shares)の数として定義され、同じ時間間隔でテープに印刷された総占有率によって分割される。戦術のアルゴリズムによって使用される戦術の各々に対して、期待される実行レートを決定するために、一実施形態において、主題のシステムは、まず、当業者によく知られているテクニカル分析アルゴリズムを用いている技術的な値動き指標の現在値を決定する。それから、データベースに格納されているテーブル内の、値動きが現在値の5%以内にあったときに達成された履歴平均参加率を調べる。このデータベース・テーブルには、過去の取引の記録が配置されており、取引開始時点で達成された参加率と勢いとが、各々のケース毎に格納されている。他の実施形態では、ニューラルネットワーク、線形回帰モデル、または当該技術の周知の他の予報モデルのような、多変量モデルを含む他の予測モデルが、市場の現況の定量的な表現を、与えられた戦術に対する期待される実行レートにマッピングするために使用され得る。
【0017】
一度でも戦術的アルゴリズムが動作すると、その実際の実行レートは、テープに印刷された総占有率によって分割されたアルゴリズムによって実行される占有率を計算することによって決定される。主題のシステムにおいて、予想される実行レートは、1分より長いか、テープ上の5つの印刷を含むインターバルの最後での実際の実行レートと比較される。2つの数値間の差分がある標準偏差より大きい場合、主題のシステムは、戦術を調整するか、キャンセルし、しかるべく新しい戦術を選択する。代替の実施形態は、この実行レート測定の指数関数的に減衰する移動平均を用いる。重要な点として、主題のシステムも、アルゴリズム注文に対する市場反応を監視し、この条件付け情報に基づく低実行レートの可能性を予測することにより、戦術的な失敗を予測する。低レートの可能性が予め設定された閾値を超えるならば、主題のシステムは、先制して、戦術を調整するか、キャンセルし、しかるべく新しい戦術を選択する。市場反応の指標は、アルゴリズム注文のすぐ後の第三者による発注額、反対側の注文のキャンセルまたは実行、あるいは、逆価格変動を含む。当業者は、実際の監視が、どの戦略が選択されたかに基づく予想をいつ無効にするかを検出するための他の方法を容易に想像するであろう。
【0018】
加えて、ここで述べられる主題のシステムの好ましい実施形態は、金融、特に株式市場での使用を主として言及されているが、本発明は、先物取引及びオプション、物資、航空券、製造部品、または、電子マーケットで交換される他のいかなる代替可能なアイテムのような金融デリバティブにも限定されず、大口注文が複数の小口注文に分解可能である、金融市場を超えた産業の範囲に適用可能である、ということに留意されたい。
【0019】
本発明の好ましい実施形態は、図面を参照して詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の好ましい実施形態は、図面を参照して詳細に説明される。ここで、全体を通して符号により構成要素、またはステップを参照する。
【0021】
主題のシステムで使用される戦略的及び戦術的アルゴリズムの定義:
戦術的なアルゴリズムは、総量が完了されるまで、小口買いまたは売り注文を繰り返し出すことによって大口注文を実行するためにコンピュータ化されたプロセスである。ここで、アルゴリズムは、特定の市場状況に最も効果的であるべく最適化される。このように、戦術的アルゴリズムは、現在の市場環境での情報を持ったマーケット・インパクトを最小化するような限定された戦術的な目的で、おそらく注文の全てではなく、一部を実行するために呼び出される。戦略的アルゴリズムは、プロセスが常に最適に機能することを確実にすべく、市場状況に従って、1つ以上の戦術的アルゴリズムを呼び出すことによって大口注文を実行するためにコンピュータ化されたプロセスである。戦略的アルゴリズムは、全ての注文を実行するために、かつ、全ての注文に対する全マーケット・インパクト・コストを最小化するような戦略的な目的を維持するために呼び出される。
【0022】
好ましい実施形態において、ユーザは、トレーディング戦略のために使用するアルゴリズムを決める際に、「戦略的」アルゴリズムの選択と「戦術的」アルゴリズムの選択とのどちらかを選ぶことができる。本アプリケーションの目的のために、「戦略的」アルゴリズムは、どのアルゴリズムが特定の市場状況、または市場状況における特定の変化に応じるために最適であるかを指図する、前もってプログラムされた論理によって、戦術的アルゴリズムのグループを、自動的に選択、開始、及び管理することができるアルゴリズムを定義する。好ましい実施形態の場合、主題のシステムは、3つの戦略的アルゴリズムを提供する:「適合」アルゴリズム、「実行レート」アルゴリズム、及び「パイプライン」アルゴリズム。
【0023】
好ましい実施形態において、全3つの戦略的アルゴリズムは、既存の市場状況に与えられたユーザの注文を満たすための最適なアルゴリズムを選択し、開始するために、サマリ部分で定義したように、期待される実行レートを使用する。それから、全3つの戦略的アルゴリズムは、選択された戦術的アルゴリズムが成功して「オン」のままにすべきか、失敗して「オフ」にしなければならないかの指標、すなわち、サマリセクションで定義された、期待される実行レートと実際の実行レートとの間の差分として、マーケット・インパクトの測定を使用する。しかしながら、好ましい実施形態が、戦術的アルゴリズムの選択と管理を駆動するために、実行レート及び実行レート異常を用いる戦略的アルゴリズムを用いる一方、熟練者は、戦略的アルゴリズムが、戦術的アルゴリズムの利用可能な世界を選択し、管理するプロセスを運用するために他の論理、及びフィードバック機構を使用するという実施例を容易に想像することができるであろう。
【0024】
戦略的アルゴリズムが、変化する市場状況に対して、完全なトレーディング戦略を開始し、そして管理することが可能なアルゴリズムである一方、戦術的アルゴリズムは、前もってプログラムされた命令に従って、一連の慎重な注文を出し、管理することができるだけである。戦術的アルゴリズムの具体的な例は、入札に100株を提示し、2分後に満たされないならばキャンセルし、全ての所望する量が購入されるまで新しい入札に再度提示するアルゴリズムである。したがって、戦術的アルゴリズムは、市場からのイベント及びデータにどのように反応するかで特徴付けられる1つの動作を続ける、比較的単純なアルゴリズムである。
【0025】
戦略的アルゴリズムと戦術的アルゴリズムの差異に注目することは重要である。ユーザが戦略的アルゴリズムを選択するとき、ユーザは、どの戦術的アルゴリズムが既存の市場状況にとって最適であるか決める必要がなく、また、ユーザは、市場動向として、戦術的アルゴリズムの攻撃性のレベルを管理する必要がない。トレーダが戦略的アルゴリズムを使用するとき、ユーザが用意する必要がある、唯一の情報は、ユーザのトレーディング・パラメータ、例えば、サイズと価格である(但し、限定されない)。一方、トレーダが戦術的アルゴリズムを使用するとき、トレーダは、アルゴリズムを選択し、かつ、アルゴリズムの動作に対するパラメータを設定しなければならない。加えて、トレーダは、市場状況の変化とともに、戦略を維持するために、それらの動作パラメータを手動で変更しなければならない。
【0026】
主題のシステムの戦略的アルゴリズム:
【0027】
前述したように、主題のシステムの好ましい実施形態は、ユーザに3つの戦略的アルゴリズム:適合アルゴリズム、実行レートアルゴリズム、及びパイプライン・アルゴリズムを提供する。戦略的アルゴリズムとして、適合アルゴリズムは、2つのゴールにまとめることができる戦略に合わせて、一組の戦術的アルゴリズムの選択、及び管理を自動化するために、サマリセクションで定義されたように、マーケット・インパクトの測定を用いるアルゴリズムであり、注文が完了するのを確実にし、かつ、注文が機能している間にマーケット・インパクトを最小化する。
【0028】
これらの高水準のゴールを注文実行に変換するために、適合アルゴリズムは、どの戦術的アルゴリズムが現在の市場にとって最適であるかを決定するために、また、その戦術的アルゴリズムに対する動作パラメータの一組を明確にするために、期待される実行レートの計算を用いる。これらの動作パラメータは、限定されないが、指値と攻撃性レベルとを含む。それから、一度、選択された戦術的アルゴリズムは、注文を出すことを開始する。主題のシステムは、市場状況及びアルゴリズムの実際の実行レートとの双方の変化を監視し、その動作パラメータを調整し、あるいは、注文実行レートが適合アルゴリズムの2つの主要なゴールと一致した状態を保つことを確実にする新たな戦術的アルゴリズムを選択する。より詳細には、適合アルゴリズムは、実際の実行レートが、期待される実行レートと実際の実行レートとの間の大きく不適当な組合せが情報漏えいの影響であるという仮定に基づいて、期待される実行レートより下の1つの標準偏差、または上の2つの標準偏差より低下しないように、その戦術的アルゴリズムを選択し、それから管理する。さらに、それは、5%以下の実際の実行レートに終わる、いかなる戦術的アルゴリズムでも常に終了する。
【0029】
その制御の世界の中における戦術的アルゴリズムの各々に対して既存の市場状況の中で期待される実行レートを計算するために、適合アルゴリズムは、コンピュータのメモリに格納されているテーブルから引き出した技術的な値動き指標の現在値を用いる。このテーブルを配置するために、過去の取引の歴史的データベースは、値動きの値の様々な範囲に対する、各戦術の歴史的な平均レートを計算するために用いられる。それから、一度、適合アルゴリズムは、その戦術的アルゴリズムの各々のために既存の市況の中で計算される予想実行レートを含むこのテーブルにアクセスする。それは、予想される実行レートの勢いにおけるわずかな影響を測定するために、そのような予想されるレートを上記戦術的アルゴリズムの全体の実行平均レートと比較する。現在の市場状況を与えられた予想レートと、この戦術に対する全体の平均レートとの差分は、以下でレート異常と呼ばれる。適合アルゴリズムは、最低レート異常を有する戦術的アルゴリズムを選択し、相関関係によって、マーケット・インパクトの最低レートを選択する。戦略的アルゴリズムは、それらの設計された実行レートに応じて、「緩慢」、「通常」、及び「活発」に分類される。最低レート異常での「通常」レート戦術の期待されるレートは、「赤線」レートとして以下に言及される。それは、他の市場参加者によって容易に見つけることが可能なアルゴリズム取引活動なしに達成可能な最も高い予想レートの代用の1つである。
【0030】
一度、戦術的アルゴリズムが動作すると、実際の実行レートは、1分間隔の終わりに予想される実行レートと比較される。実際の実行レートは、テープに印刷された総株によって割られる、戦術的アルゴリズムによって実行される株によって決定される。通常、百分率で提供される。もし、実際の実行レートが、予想から、1つの標準偏差より下がるか、2つの標準偏差より上がるならば、その特定の戦術的アルゴリズムは、無力化され、上述したように、同じメカニズムによって選択された新しい戦術的アルゴリズムによって置き換えられる。それを2回続けて同じ戦術的アルゴリズムを選択することから防ぐために、適合アルゴリズムは、3つの最近無力化された戦術を記憶し、それらは、選択された最後の3の戦術的アルゴリズムのリストにある限り選択されない。適合アルゴリズムの本実施例では、戦術的アルゴリズムの選択及び管理を動作させるためのメカニズムとして、実行レート異常の測定を用いているが、当業者によって想定される戦術的アルゴリズムを選択するための他のメカニズムもまた適用される。
【0031】
「実行レート」アルゴリズムもまた、戦略的アルゴリズムである。しかしながら、適合アルゴリズムの目的が、最小のマーケット・インパクトに基づく、取引戦略を自動化することにある一方で、(現在の市場状況を与える戦術のために実際の実行レートと期待される実行レートとの間の差分として測定される)、実行レートアルゴリズムの目的は、ユーザが快適であるように、マーケット・インパクトの特定のレベルに従って、取引戦術を自動化する柔軟性をユーザに与えることにある。例えば、実行レートアルゴリズムは、注文を完了させるために多くの時間を有し、適合アルゴリズムの所定の参加率目標(例えば、20%実行レート)より低い実行レートを用いることを望むトレーダか、あるいは、マーケット・インパクトについて心配せず、より短い時間枠でもっと行うためにより活動的な実行レートを受け入れる気があるトレーダにとって理想的であるであろう。
【0032】
適合アルゴリズムのように、実行レートアルゴリズムは、戦術的アルゴリズムの領域を選択し、管理するために、サマリ部分で定義されたように、マーケット・インパクトの測定を用いる。しかしながら、ユーザが実行レートアルゴリズムを開始すると、主題のシステムは、ユーザの所望する実行レートが適合アルゴリズムに対して示された値(上記例では20%)であると仮定しない。代わりに、ユーザが実行レートアルゴリズムを開始すると、ユーザは、5%から最高40%のいずれかで、期待される実行レートに対する彼の嗜好を選択しなければならない。それから、一度、ユーザが所望する実行レートを示すと、主題のシステムは、既存の市場状況を与えるユーザの入力に最も適合する、戦術的アルゴリズム、及び関連した動作パラメータを選択する。再び、主題のシステムは、サマリ部分で、かつ適合アルゴリズムの動作処理の説明で述べた利用可能な戦術的アルゴリズムの各々に対して期待される実行レートを計算するために、同じ方法を用いる。
【0033】
それから、戦術的アルゴリズムが注文を出すことを開始すると、主題のシステムは、1分間隔のインターバルの各々の終わりで、テープに印刷された総株によって除算された、戦術的アルゴリズムによって実行される株数によって決定される実際の実行レートを監視する。それから、ユーザによって選択された、期待される実行レートと実際の実行レートとを比較し、もし、2つの間の差分が1つの標準偏差より大であれば、実行レートアルゴリズムがユーザによって選択されたレートを維持することを確実にするために、動作パラメータ、及び/または、用いられる戦術的アルゴリズムを調整する。
【0034】
パイプライン・アルゴリズムは、主題のシステムの第3の戦略的アルゴリズムであるが、パイプライン代替取引システムに係る実施例で利用可能とするだけである。パイプライン取引システムの用途に適用される主題のシステムの実施例を参照する、本願の図、実施例、及び構成要素は数多くあるが、主題のシステムは、いかなる私設取引システム、または取引プラットフォームに対する補助的手段として動作するよう設計されていることに留意すべきである。また、パイプラインに対して開発された実施例からの例の使用は、主題のシステムの範囲、または応用を限定しない。
【0035】
パイプライン・アルゴリズムの目的は、特定の状況になったときに、パイプライン取引システム上に大口注文を発行する戦略を、ユーザが始めるのを可能にする。例えば、ユーザは、パイプライン上に大口注文を発光するか、キャンセルしたいとき、特定の価格、または価格幅を指示することができる。ユーザは、また、大口注文がいっぱいになった後、補充される頻度と同様に、発行された大口注文のサイズを指定することができる。加えて、パイプライン・アルゴリズムは、同じシンボル内の主題のシステムを通して実施されるユーザの他のアルゴリズム的活動で、パイプライン上の大口注文のエントリ、及びキャンセルを調整することをユーザに可能にする。
【0036】
最後に、トレーダがパイプライン・システムに応答しなければならない回数をさらに減少するために、トレーダはパイプライン・アルゴリズムを用いて、NBBOの範囲内であるが基準価格で実行することができなかった受動的な反対申込の自動的な受け入れに指値を設定することが可能で、及び/または、中間点の外にある取引、例えば、現行の売呼値が10分追跡の平均価格より下である場合などの取引を受ける意思がある特定の状況を指定することができるようにすることも可能である。また、当業者に想定することができる他の価格検証方法取引を用いることも可能である。
【0037】
加えて、当業者は、ここに含まれないが、本発明の範囲と精神とがカバーされるパイプライン・システム上の取引に関連する他の受注構成要素を想定することができる。適合アルゴリズム、参加率アルゴリズム、または如何なる戦術的アルゴリズムのいずれかを共に用いるとき、パイプライン・アルゴリズムは、ユーザが主題のシステムの他のアルゴリズム提供物を通じて、多少の増加量で注文を出す間、ユーザが大口注文(block cross)に対する機械を逃さないことを可能とする。
【0038】
最後に、好ましい実施例では、これら3つの戦略的アルゴリズムのみを取り入れるが、主題のシステムと関連した、または第三者(例えば、ブローカ及び独立ベンダ)によって提供された他のアルゴリズムを含む他の実施例、及び当業者によって容易に想定できる実施例は、本発明の範囲及び精神に含まれることは留意されるべきである。加えて、当業者は、主題のシステムが、第三者のアルゴリズムのセットとの間で選択、管理、及び切り替えをするため、主題のシステムの独自の戦術的アルゴリズムの範囲で選択、管理、及び切り替え可能なように、適合アルゴリズム及び実行レートアルゴリズムによって用いられる同じメカニズムを採用する戦略的アルゴリズムを含むという実施例をも想定できる。そのような戦略的アルゴリズムは、既存の市場状況の下において、注文を出すことによく適合する、数百もの支援されたブローカ/第三者アルゴリズムのいずれかを選択しなければならないというユーザ必要性をユーザーから排除し、むしろ、ユーザは、注文パラメータ及び市場状況が時間とともに進化するように、第三者アルゴリズムとのセットの間で選択し、切り替えることに関して、主題のシステムのリアルタイム選択及び管理メカニズムに頼ることができるであろう。
【0039】
主題のシステムの戦術的アルゴリズム:
【0040】
上述した「戦術的」アルゴリズムに加えて、主題のシステムは、ユーザに戦術的アルゴリズムの選択をも提供する。これら戦術的アルゴリズムへの直接アクセスは、注文入力を自動化するためにアルゴリズムを使用したいが、戦略的アルゴリズムに戦術的アルゴリズムの選択及び管理を切り替えたくないユーザに対して提供される。先に定義したように、戦術的アルゴリズムは、プリプログラムされた命令群の1つのセットに従って、注文を出したり、キャンセルしたりすることに関するアルゴリズムである。戦術的アルゴリズムの選択を用意することは、注文の配置及びキャンセルについてのより高い程度の制御を維持する一方、ユーザに取引を自動化することを可能にする。ユーザが戦術的アルゴリズムを用いるとき、アルゴリズムを選択し、アルゴリズムの動作に対するパラメータを設定しなければならないことに注目することは重要である。加えて、ユーザは、市場状況が変化したときユーザの戦略を維持するために、3つの動作パラメータを手動で変更しなければならない。主題のシステムは、ユーザに、以下でより詳細に説明される、単純なドラッグ&ドロップ操作を通して、3つのパラメータを設定し、変更することを可能にする。
【0041】
しかしながら、これらの戦術的アルゴリズムの使用が、ユーザからより大きな関与を要求する一方、トレーダは、同じ株式に対して、複数の戦術的アルゴリズムを始めることによって、複雑な取引戦略を自動化するために、これらの戦術的アルゴリズムを使用することができる。ここに、一例を示す。ユーザは、最初に、30.55ドル以上でEBAYの800000株を買い取るために単一のアルゴリズムを起動させる。しかしながら、ユーザがそのアルゴリズムを起動した後、株が当初考えたより、より不安定であることを認識したとする。その最初の買いアルゴリズムをキャンセルする代わりに、ユーザは、市場の不安定性に適合させるために、より微妙な違いのある戦略を作成すべく、2、3の戦術的アルゴリズムを階層化することに決める。それで、オリジナルの買いアルゴリズムに加えて、ユーザは、価格が30.48ドル以下に下がったときに積極的に買うために他のアルゴリズムを加え、価格が多くとも31.57ドルに移行するときに受動的に売るために他のアルゴリズムを加え、さらに、もし価格が31.60ドルより上に移行するならば積極的に売るために他のアルゴリズムを加える。
【0042】
一度、ユーザがEBAYに対してそれらの戦術的アルゴリズムの全4つを起動すると、主題のシステムの「一本化された」セッティングは、ユーザが一体化された戦略の一部として、これら別個の戦術的アルゴリズムの全てを管理することができることを確実にする。この一本化されたセッティングは、より大きな総注文の一部として、与えられたシンボルに関連した、ユーザが起動した戦術的アルゴリズムからのあらゆる注文を取り扱う。例えば、2つ以上のアルゴリズムが単一のシンボルに関連するとすぐに、主題のシステムは、1つの総ポジション目標値に対して、自動的にそれらのアルゴリズムの各々の動作を調整する。トレーダが、本実施例ではEBAYの800000株を買うための注文である、特定のシンボルに対して、第1のアルゴリズムを起動するとき、その総ポジション目標値は、常に確立される。この調整は、全ての無条件注文、ポジション目標値、達成されたポジションの情報を取得し続けることによって好ましく可能にされ、無条件注文を加えた達成されたポジションの合計が最初の総ポジション目標値を上回らないというような方法で、市場に出されるべき新しい注文のサイズを限定する。
【0043】
買いアルゴリズム、及び売りアルゴリズムの双方が用いられる場合、所定のゴールに反対方向で動作しているこれらのアルゴリズムは、全体としては最初の総ポジション目標値を決して上回らない注文を出すように制限される。例えば、もし、ユーザの最初の総ポジション目標値がEBAYの800000株を買うことになっており、かつ、達成されたポジションがEBAYの500000株であり、そのとき、100000株が未決でいるならば(場合によっては600000株のポジションになる)、さらに3つのアルゴリズムが開始される。それから、新しい買い注文を出そうとしているアルゴリズムは、最大200000株に制限され、売りを出そうとしているアルゴリズムは、500000株に制限される。
【0044】
したがって、この「一体化された」設定の結果、主題のシステムは、特定のシンボルのために、全てのユーザが開始した戦術的アルゴリズムによって実行される注文を自動的に調整する。それらのアルゴリズムは、予めプログラムされた論理に従って、また、そのオリジナルのポジション目標値にトレーダのポジションインラインを保つという、注文を出すだけである。この特徴は、トレーダが注文ポジションを細かい点まで管理する必要なく、首尾一貫した戦略において専門化された戦術で複数のアルゴリズムを使用することを可能にする。加えて、主題のシステムは、トレーダに対して、総ポジション目標値と関連させてトレーダの進捗を追跡することができる複式の高水準の視覚的なキューを提供する(以下に詳細を述べる)。この結果、主題のシステムは、より高水準の戦略管理に対してトレーダの能力を増強している間、同時に、トレーダを細かい点に至るまで管理することから引き離すことができる。
【0045】
アルゴリズムでの決定
前述したように、ユーザは、取引戦略を自動化するために主題のシステムを用いるとき、戦略的アルゴリズム及び戦術的アルゴリズムのどちらかを選択する能力を有する。戦術的アルゴリズムの直接選択が、トレーダによるより多くの思考、及び管理を要求するので、主題のシステムは、戦略的アルゴリズムのためのこの選択を管理すべく、戦略的アルゴリズムに頼ることよりむしろ戦術的アルゴリズムを手動で選択することを決定するユーザを助ける2つのツールを含む。これらの2つのツールは、実行レート・スケールと動作マトリクスであり、これら双方は、各戦術的アルゴリズムが市場とどのように相互作用するかを理解するトレーダを助けるために設計されている。
【0046】
実行レート・スケールは、異なる戦術的アルゴリズムの各々に対して、ユーザに予想される実行レートの比較測定を用意するツールである。このスケールの目的は、利用できる戦術的アルゴリズムの各々が他の戦術的アルゴリズムと関連して、そして、予想される実行レートを表すパーセンテージ・スケールと比較して、積極性スケール上の位置するところを示すスケールを提示することによって、各戦術的アルゴリズムが相対的な基準上でどれだけ活動的かをユーザが理解することを助けることである。スケールは、ユーザにそのとき熟考しているアルゴリズムがどれであるかを確実に分からせるために黄色でハイライトされた選択された戦術的アルゴリズムとともに、ユーザが要注意銘柄から戦術的アルゴリズムの1つの上にシンボルをドラッグするときはいつでも、主題のシステムのダッシュボード(計器板)上に現れる。
【0047】
本出願の目的のために、「要注意銘柄」は、ユーザが監視することに関心がある、シンボル102のコレクション100として定義される(図1)。要注意銘柄は、要注意銘柄内のシンボル表示セルがユーザの注文(単数または複数)に関する情報にシンボルでリンクされるような手法で、ユーザの注文管理システム(OMS)に接続されてもよい。図1に示す例は、パイプライン取引システムのグラフィック・ユーザ・インターフェース(GUI)に用いられる要注意銘柄であるが、当業者によって知られている、あるいは想定されるような「要注意銘柄」の他のどのバージョンも、主題のシステムとともに用いることができる。
【0048】
ユーザが要注意銘柄の取引したいシンボル102にマウスポインタを移動させると、そのシンボルは、拡大されたシンボル202として示され、ユーザが選択しているシンボルであることが明らかにされる(図2)。そして、ユーザがその拡大されたシンボルをクリックすると、「ダッシュボード(計器板)」300が要注意銘柄の底辺に現れる。本出願の目的のために、「ダッシュボード」は、利用可能なアルゴリズムがユーザに提示される、主題のシステムのユーザ・インターフェースの構成要素である。好ましい実施例において、ダッシュボードは、主題のシステムのユーザ・インターフェースによって占有される端末の不動産量を制限するために、ユーザが要注意銘柄内の拡大されたシンボル上をクリックするときだけ現れる。しかしながら、代替の実施例では、ダッシュボードは、主題のシステムのユーザ・インターフェースがユーザのデスクトップ、または端末で開いているときはいつでも見える、主題のシステムのユーザ・インターフェースの永続的な態様である。
【0049】
図3に示す例において、ダッシュボード300は、以下の構成要素を含む。アルゴリズムのアイコンは、戦略的アルゴリズム(適合アルゴリズム302、パイプライン・アルゴリズム304、及び実行レートアルゴリズム306)のためのもの、及び戦術的アルゴリズム(名士アルゴリズム308、予備兵アルゴリズム310、スプレーアルゴリズム312、怠惰アルゴリズム314)のためのものを含む。様々なアルゴリズムは、本開示のいずれかの箇所で説明される。
【0050】
図4は、ユーザがシンボル(ここではEBAY)を、「名士」戦術的アルゴリズム、実行レート・スケール402(上述)と動作マトリクス404の双方を明示する、4つの利用可能な戦術的アルゴリズムの1つの上にドラッグしたときの様子を示す。図4が4つの戦術的アルゴリズム(「名士」、「予備兵」、「スプレー」、及び「怠惰」)を伴う1つの実施形態を描いているが、主題のシステム専用の、及び第三者によって提供された、どんな多数で、多様な戦術的アルゴリズムを伴う無制限の他の実施形態でも、当業者によって容易に想定され、本発明に包含されることを理解されなければならないことに留意すべきである。
【0051】
ユーザが戦術的アルゴリズムを選択するのを助けるための第2のツールは、動作マトリクス404である。動作マトリクスは、主題のシステムを介して利用できる戦術的アルゴリズムの特性動作についてユーザ情報を与える、主題のシステムのユーザ・インターフェースの構成要素である。これらの動作を定義している特性の例としては、注文を「ポスト(post)する」か注文を「取る」か、「予備」注文を配置するか目に見える「存在」を維持するか、注文を出すならば「ECNs」か「DOT」である。その他の例としては、「蹴る(kicks)」か「殴る(punches)」、「避ける(ducks)」か「阻止する(blocks)」、「立っている(stands)」か「走る(runs)」かがあり得る。
【0052】
上記で使用される用語は、特性記述の例だけであり、いかなる組合せ用語でも、動作を定義している要因を記述するために用いることができ、それらがトレーダのための意味を有し、アルゴリズムが異なる市場状況でどのように振る舞うかを記述するのに役立つと当然考えられることに留意すべきである。マトリクスの目的は、使用される用語を問わず、アルゴリズムの操作を動かす特定の、詳細な論理を理解することをトレーダに要求することなく、各々のアルゴリズムがどのように動作するかについてのトレーダ情報を与えることにある。
【0053】
動作マトリクスにアクセスするために、ユーザは、マウスを動かすか、戦術的アルゴリズムを表すアイコンの1つの上に要注意銘柄からシンボルをドラッグすることができる(再度、図4を参照)。ユーザがこの動作を行うと、その戦術的アルゴリズムの動作マトリクスがアルゴリズムのアイコンの後ろに現れる。例えば、図4では、ユーザは、主題のシステムの戦術的アルゴリズムの1つである、「名士(Socialite)」アイコン上にEBAYシンボルをドラッグしている。名士のアイコンの「点」がマトリクスでどのセルを占有するか見ることによって、ユーザは、要因のどの組合せがそのアルゴリズムの動作を特徴づけているかについて分かる。名士の例を見ると、ユーザは、そのアルゴリズムが注文を「取る(take)」よりはむしろ注文を「提示(post)」し、利用できる流動性に依存する「ECNs」及び「DOT」の双方に注文を配置し、さらに「予備」注文を配置することよりむしろ、市場上に目に見える「存在」を保つことを知ることになる。1つの点が二重の矢印を伴って中央のセル内で落ちるならば(この例ではそのようになる)、それは、アルゴリズムが、状況に従いその欄の範囲内で双方の特性を表示することを意味する。動作マトリクスがアルゴリズム取引において最も緊急の問題の1つ、すなわち、アルゴリズムの基本的な論理を知っている、あるいは理解しているかに関係なく、特定のアルゴリズムの一般的な動作をトレーダが理解する必要性、を解決する点に注目すべきである。
【0054】
ドラッグ&ドロップによるアルゴリズム選択、及び開始
【0055】
ユーザが、使用したい、起動する準備ができているアルゴリズムを決定したら、ユーザは、取引したいシンボルを、要注意銘柄からドラッグし、ユーザが使用したいアルゴリズムを表しているダッシュボード上のアイコン上にそれをドロップするだけでよい。ユーザにどのアルゴリズムを選択したかを確実に気がつかせるために、選択されたアルゴリズムの背景をハイライト表示する。ユーザの要注意銘柄が、好ましい実施形態における、ユーザのOMSに接続されているならば、アルゴリズムを表しているアイコン上にシンボルをドロップする、この動作は、そのアルゴリズムを自動的に起動する。この結果、主題のシステムは、トレーダに単一動作、すなわち、「ドラッグ&ドロップ」で複雑な取引戦略を開始させることを可能にする。但し、当業者によって想定できるような他の単一動作技術もまた適用される。3つの戦略的アルゴリズムの1つの上への単純なドラッグ&ドロップで、主題のシステムのユーザは、ユーザの注文入力、市場状況のリアルタイム分析、及びアルゴリズムのマーケット・インパクトへの強化フィードバックに基づいて、ユーザの注文を実行することを要求されるアルゴリズム、またはアルゴリズムの組み合わせを、自動的に選択し、移動し、かつ調整する、完全な取引戦略を発動することができる。
【0056】
これに対して、ユーザのOMSがユーザの要注意銘柄に接続されていなければ、あるいは、接続されているが自動起動機能が使用不能にされている場合、(パイプライン・アルゴリズム以外の)アルゴリズムを表すいずれかのアイコン上へシンボルをドラッグすることにより、アルゴリズムのアイコン、または動作マトリクス404の下部に「フッシュボーン(魚の骨)」502が表示される(図5)。本出願の目的のために、このフィッシュボーンは、選択されたシンボルに対する、現在の入札価格、及び申込価格を表す動的な、垂直価格スケールである。トレーダは、価格スケール上のトレーダの指値にシンボルをドロップすることができる。すなわち、それにより、アルゴリズムの指値を設定し、アルゴリズムを開始する。ユーザのOMSが主題のシステムに接続されるが、ユーザが自動起動機能を非動作としている事例においては、フィッシュボーンは、ユーザに、ユーザのOMSに含まれる指値より、より受動的であるアルゴリズムに対する指値を設定させることを可能にする。しかしながら、価格保護予防措置として、ユーザは、ユーザのOMSに含まれる指値より、より活動的であるアルゴリズムに対して指値を設定するためにフィッシュボーンを使用することはあり得ない。より活動的な指値を用意するためには、ユーザは、OMSそれ自体の範囲内でそれを変化させなければならない。
【0057】
適合アルゴリズム、または複数の戦術的アルゴリズムのいずれかを表すアイコン上のどこにでもシンボルをドラッグ&ドロップすることが、実行レートアルゴリズムを開始するか、そのフィッシュボーンを起動するために、(要注意銘柄がOMSに接続されているならば)アルゴリズムを開始するか、(OMSが要注意銘柄に接続されていないか、OMSが接続されているものの、自動起動機能が使用不能であれば)フィッシュボーンを起動する一方、ユーザは、アルゴリズムとして設定したい特定の実行レート上にシンボルをドラッグ&ドロップしなければならない(図6)。加えて、要注意銘柄がOMSに接続されていないか、あるいは要注意銘柄がOMSに接続されているものの、自動起動機能が使用不能であるという事例においては、パイプライン・アルゴリズム上にシンボルをドラッグ&ドロップすることによっては、フィッシュボーンは起動されない。その代りに、大口注文がパイプライン上に置かれるか、キャンセルされるべきときのために、ユーザがタイミング、頻度、及び(上述したように)状況に関するパラメータの全てを設定することができる注文入力ボックス700を起動する。
【0058】
要注意銘柄がもしユーザのOMSに接続されていないか、接続されているものの、ユーザが自動起動機能を使用不能にしている場合には、ユーザは、フィッシュボーン、または選択したアルゴリズムに対する注文入力ボックス内の買い(または売り)ボタンを押すことによって、アルゴリズムを起動することができる。
【0059】
アルゴリズム動作及び注文実行に関するリアルタイム・フィードバックの提供
【0060】
自動的に、またはユーザによって、アルゴリズムが起動すると、ポジション・ウインドウ800が要注意銘柄の下部のダッシュボード及びフィッシュボーンと入れ替わる(図8)。本出願の目的のために、ポジション・ウインドウは、アルゴリズムの注文活動に関するリアルタイム・フィードバック、実行中のアルゴリズムによって用いられている実行戦術、及びこれら戦術の効果/影響をユーザに提供する主題のシステムの態様として定義される。
【0061】
ポジション・ウインドウ内の第1の欄において、注文を作動しているアルゴリズムによって配置されている注文の全てをキャンセルするために用いることができるボタン802がユーザに与えられる。ポジション・ウインドウで残っている欄を左から右へと見ると、ユーザは、アルゴリズムによって作動されている注文の側面(804)、アルゴリズムによって動作しているシンボル(806)、実行されている注文に対する取引詳細のリスト(808−ユーザが双眼鏡アイコンをクリックすると、下部により詳細が現れる)、注文がどれくらい完了したかに対してどれくらい注文が満たされずに残っているか(810)、そのシンボルにおける全ての実行された注文に渡る平均価格(812)、特定のシンボルを動作させるのに用いられている、アルゴリズム、またはアルゴリズムの組(814)、及び、使用中の戦術、及び、それらの戦術が成功であるか、更新が必要であるかどうかに関するフィードバック(816)を、見ることができる。
【0062】
このポジション・ウインドウは、アルゴリズム取引製品の世界において以下の点で類がない。つまり、実際に行っていることについてのいかなる特定の情報もユーザに与えることななくユーザから信頼されることを期待するのではなく、アルゴリズムが特定のシンボル、株、それらの満たされているアルゴリズムを動作させていること、実行中のアルゴリズムまたは複数のアルゴリズムによって用いられている戦術、それらの戦術のマーケット・インパクト、及びそれら実行中のアルゴリズムの効果についてのユーザ情報を与えるために、「詳細(Details)」、「全体進捗(Overall Progress)」、「ルート(Routes)」、及び「戦略進捗(Strategy Progress)」欄をユーザに提供する。加えて、ポジション・ウインドウは、実行中のアルゴリズムを管理するために、機能性の範囲に迅速かつ容易にアクセスすることもユーザに提供する。
【0063】
「全体進捗(Overall Progress)」とラベルが付いている欄において、主題のシステムは、ユーザの注文がどれくらい完了したか、あるいは、どのくらいの注文が満たされずに残っているかのリアルタイム表記を提供するために、異なる色の動的バーを用いる。図8において、全体進捗モニタ810には、青色のバー818がアルゴリズムによって既に満たされた注文の部分を表し、オレンジ色のバー820が実行中であるがまだ満たされていない注文の部分を表し、赤色のバー822が満たされず、かつ非実行中である注文の部分を表す。この例では、青色、オレンジ色、及び赤色が用いられているが、いかなる他の色またはパターンでも同じ効果のために用いることが可能である。
【0064】
加えて、色づけされたバー818、820、822の各々は、そのバーで表わされる株数の概算値を与える起伏を含む。図示するように、青色のバー上に「>5mm」、オレンジ色のバー上に「>2mm」、そして、赤色のバー上に「>3mm」がある。これらは、図8のポジション・ウインドウのラインに表わされているEBAY注文に関して、500万を超える株が満たされ、200万を超える株が満たされず且つ実行中であり、300万を超える株が満たされず且つ非実行中であることを意味する。
【0065】
特定の注文に関して、満たされた株、実行中の満たされない株、及び非実行中の満たされない株のための概算価格を見ることに加えて、ユーザは、また、それら3つのカテゴリの各々によって表わされる、正確な株数、及び全注文のパーセンテージを見るために、全体進捗(Overall Progress)欄810を用いることができる。ユーザがスクロールして全体進捗(Overall Progress)欄810の如何なる領域でも停止させると、「市場参加警告(Market Participation Warning)」902があるかどうかに関係なく、情報ボックス900が以下の情報とともに現れる(図9)。すなわち、注文の全株数に対してアルゴリズムが満たした正確な株数、注文の全株数に対して実行中で満たされていない正確な株数、注文の全株数に対して非実行で満たされていない正確な株数、それらカテゴリの各々に対するパーセンテージ、満たされた株の全体に渡る平均価格である。
【0066】
市場参加警告(Market Participation Warning)902は、主題のシステムがトレーダに、注文上で満たされない株数が、取引日の残りのためのそのシンボルに対して、市場において主題のシステムの見積もり残数より大であるということを知らせるために用いる指標である。警告を発する必要があるかどうかに関係なく計算するために、主題のシステムは、現在時刻から市場が閉じるまでの期間に実行されると予想される株数を計算する。このために、過去60日の取引日の平均を取って、以前の期間中に取引された歴史的な平均量により、上述したように予想される実行レートを増加させる。市場参加警告は、満たされない株数が実行することが、予想される株数より少ないと発せられる。情報ボックスの下部に市場参加警告を挿入することに加えて、全体進捗(Overall Progress)欄内で満たされず、非実行の注文の部分を表す赤いバーもまた、市場参加警告があると赤く点滅する。
【0067】
総合すれば、全体進捗(Overall Progress)欄に含まれる構成要素は、ユーザの注文についての詳細な見通しを迅速にユーザに提供する。しかしながら、ユーザが実行された注文についてより詳細な情報をさらに望むならば、ユーザは、ポジション・ウインドウの「詳細(Details)」欄808に位置するアイコン上をクリックすればよい。このアイコン上でクリックすることで、「取引詳細(Trade Details)」情報ボックス1000が起動される(図10)。この情報ボックスの目的は、アルゴリズムによって実行された各注文に関する特定のユーザ情報を与えることにある。各実行された注文に対して、取引詳細(Trade Details)情報ボックスは、注文(図10において、これは適合アルゴリズムである)を実行した「戦略」、注文が実行された時刻、注文の株数、注文の平均価格、及び注文を実行した特定の戦術的アルゴリズムの名前をユーザに与える。
【0068】
いくつかの場合において、すなわち、ユーザが戦術的アルゴリズムを起動したとき、「戦略(Strategy)」情報、及び「アルゴリズム(Algorithm)」情報は、戦術的アルゴリズムが「戦略」として1組の動作にしか従わないため、同じとなる。しかしながら、ユーザが戦略的アルゴリズムを起動したときの事例では、戦略及びアルゴリズム情報は異なる。例えば、ユーザが適合アルゴリズムを起動すると、戦略(Strategy)欄は、それが動作中の適合アルゴリズムであることを反映し、一方で、「アルゴリズム(Algorithm)」欄が特定の戦術的アルゴリズムのうち大きな注文のその部分を完了するために使用した適合アルゴリズムを反映する。図9の例では、適合アルゴリズムは、注文の第1の部分を実行するために「予備兵(Reservist)」戦術的アルゴリズムを用い、一方で、注文の第2、第3の部分を実行するために「名士(Socialite)」を用いた。戦略的アルゴリズムの論理及び実行に関するこのレベルの情報を提供することは、アルゴリズム取引製品の世界において革命的な成果である。ユーザは初めて、単に「ブラックボックス」に任せることを期待されるのではなく、アルゴリズムが注文を完了するために使用している特定の戦術について知らされている。
【0069】
さらにアルゴリズムによって使われている戦術に関するより特定された情報のために、ユーザは、ポジション・ウインドウで「戦略進捗(Strategy Progress)」欄816に含まれる動作マトリクスを参照することができる。動作マトリクスは、戦術的アルゴリズムがアクティブになる前に、ユーザが戦術的アルゴリズムの特性動作をチェックすることを可能にするためにダッシュボードで用いられるが、動作マトリクスが戦略進捗(Strategy Progress)欄で用いられると、アルゴリズムが開始された後、ユーザがアルゴリズムの特性動作を見ることを可能にする。前述したように、マトリクスで用いることができる動作を定義している特性の例は、アルゴリズムが、注文を「提示する」又は注文を「取る」か、「予備」注文を配置する又は目に見える「存在」を維持するか、あるいは、「ECNs」又は「DOT」上に注文を配置するかどうかに関係なくある。
【0070】
「戦略進捗」領域816では、これらの特性の各々は、特性の名前を伴うラベルが付けられているセルによって表される。図8は、提示(Post)セル824、取得(Take)セル826、予備(Reserve)セル828、プレス(Pres)セル830、ECNセル832、及びDOTセル834を示す。特定の戦術的アルゴリズムが注文を行うと、そのアルゴリズムの戦術を定義するセルがハイライト表示され、ユーザにアルゴリズムが与えられた時間にどのような種類の戦術を使用しているかについて知らせる。例えば、ユーザが上述したように「適合アルゴリズム」を用い、自動化された選択機能が、実行中のアルゴリズムによって生じるマーケット・インパクトのレベルがあまりに高いと判断すれば、システムは、失敗している戦術/アルゴリズムを表す動作マトリクス内のセルの輪郭を赤で描くことによって、注文条件とその未決のキャンセルに適合するよう、ユーザにアルゴリズムの(または戦術の)失敗を知らせる。主題のシステムが、アルゴリズムまたはその戦術をキャンセルすると、赤色で輪郭が描かれた同じ特性が赤い背景でハイライト表示される。そして、主題のシステムが新たなアルゴリズム、または新たな市場状況/原動力により合致する戦術を選択し、起動すると、その新たな起動されたアルゴリズム/戦術の特性は、緑色でハイライト表示される。
【0071】
赤色信号と緑色信号と連携した、黒い背景ハイライトを用いて、ユーザは、どの戦術が成功であるか、更新することを必要であるか知ることができ、加えて、どの戦術が注文を完了するのに用いられているかについて知ることになる。さらに、ユーザが、主題のシステムが戦術/アルゴリズムの変化を見るたびに、ユーザには、市場特色(市場がどのようにリアルタイムで実行しているかのフィードバック)に関連する価値ある情報を与えられる。ゆえに、ユーザは、市場の変化またはまったく新しい戦術を正当化するのに十分重大な市場イベントがあったということを知ることになる。加えて、ユーザは、戦術における変化、及びその変化に対する原因があるとき、戦術的アルゴリズムが実行中であることを表示するために、戦略進捗領域を使用するという機能を使用可能にすることができる。例えば、ユーザは、「ECN上でのポスティングに対する感度のために怠惰(Sloth)へ移行せよ」と告示するメッセージを見ることになる。
【0072】
図11A乃至図11Hは、適合アルゴリズムがユーザの注文を実行している間、ユーザが見るであろうものについて一連の例を与える。図11Aは、ECN上でのポスティングに対する感度のために怠惰(Sloth)への移行を示す。図11Bは、怠惰(Sloth)動作を示す。図11Cは、ECNsとNYSEの双方を引き受けるために感度のための名士(Socialite)への移行を示す。図11Dは、名士(Socialite)動作を示す。図11Eは、軟弱市況存在のための予備兵(Reservist)への移行を示す。図11Fは、予備兵(Reservist)動作を示す。図11Gは、過剰充填レートのための怠惰名士(SlothSocialite)への移行を示す。図11Hは、怠惰名士(SlothSocialite)動作を示す。
【0073】
赤色や緑色のシグナリング機構とポップアップ・メッセージ・システムによって提供された、これら適切に単純化された効果測定に加えて、戦略進捗(Strategy Progress)欄は、より複雑で連続的な効果測定へのアクセスをユーザに提供するところまで展開することもできる。赤色/緑色シグナリングが個々の戦術又はアルゴリズムが動作しているかどうかユーザに知らせる一方で、これらのより複雑な効果測定は、全体としての戦略の総合的な成功/失敗のリアルタイム評価をユーザに提供するのに貢献する。例えば、戦略進捗(Strategy Progress)欄は、開始してからの市場における、特定のアルゴリズム参加率を表示するグラフィック構成要素を含むことも可能である。または、達成参加率、及び期待参加率の間の比を含むことが可能である。さらに、より洗練された例は、期待参加率に対する達成参加率の比の対数の絶対値であり、戦略がどれくらいよくユーザの意図されたゴールに合致しているかのよい指標である−実際レートと期待レートの間の相対的な差分の測定を提供する。加えて、当業者に既知の多くのベンチマークも含み、他の連続的な効果測定は、容易に想定されるであろう。
【0074】
しかしながら、重要な点は、主題のシステムが、取引を自動化するために、複合アルゴリズムをトレーダに使用可能にし、かつ、どのくらいアルゴリズムが機能するか、アルゴリズムが実行中であるとき、どのくらいよく機能しているかについての洞察を与えることである。他のシステムは、自動戦術切り替え、あるいは市場色フィードバックの提供のどちらも想定することができない。加えて、技術的に知られている他のシステムは、市場の現在状態を与えるのにどのアルゴリズムを用いるかを決定するトレーダを助けるために、期待される実行レートまたは期待されるマーケット・インパクトについての案内を提供することを想定することができない。
【0075】
図12は、複数株での注文を伴うユーザに対してポジション・ウインドウ800の具体的な例を与えるために用意された。図12は、適合アルゴリズムが注文を実行し、多くのシンボル全体で戦術的な調整を行っているように見える戦略進捗領域のよい例をも提供する。特に図12を見てみると、適合アルゴリズムがVLOのユーザ注文を行って、「ポスティング」注文というよりむしろ「取得(taking)」である、活動的な戦術的アルゴリズムを選択している。加えて、これらの活動的な戦術的アルゴリズムは、注文をECNとDOTに配置しているが、適合アルゴリズムは、DOTとラベルが付けられたセル内が赤色の背景によって示されるように戦術がキャンセルされるよう、DOT上に配置された注文の戦術が失敗したと確定している。
【0076】
次の注文において、CALL内のユーザの注文を行っている適合アルゴリズムは、取得(taking)注文というよりむしろ「ポスティング(posting)」であり、市場で可視「存在(presence)」を維持しているというよりむしろ「予備(reserves)」として注文を維持しているだけの、受動的な戦術的アルゴリズムを開始している。戦術的アルゴリズムが注文を出すとき、この戦術的アルゴリズムは、ECNsとDOTの双方を用いてもいる。しかし、DOTセルの周囲の赤色の輪郭は、適合アルゴリズムが戦術を調整し、DOT上に注文を出すのを停止しようとしていることを示している。加えて、この戦略進捗(Strategy Progress)ウインドウは、CALL内の「ポスティング(posting)」「予備(reserves)」注文の役割を果たすアルゴリズムが最近開始されたことを示す。これは、それらのセルの背景が緑色であるためである。
【0077】
単に、戦略進捗ウインドウを見ることで、ユーザは、注文を行っているアルゴリズムとそれらの戦術の効果の双方についての多くの情報にアクセスする。加えて、ユーザは、戦術が失敗していること、また、マーケット・インパクト許容度を考慮して成功していることを、観察と熟考することによって、市場特色及び変化する市場力学ついての価値ある情報を得ることができる。結果として、ユーザは、洗練され自動化された取引システム及び変化する市場力学の指標の双方として、主題のシステムに期待することができる。
【0078】
ユーザが特定のシンボルに対して複式アルゴリズムを起動すると、実行中のアルゴリズムの全てが、図13に示すように、「ルート(Routes)」欄814内のそれらのアイコンによって表わされることに留意されたい。各々のアルゴリズムについての他の欄によって提示される特定の情報を見るためには、ユーザは、見たいアルゴリズムを表す「ルート(Routes)」内のアイコン上をクリックするだけでよい。ユーザがそのアイコンをクリックすると、他の欄の各々に提供される情報は、その特定のアルゴリズムについての情報を反映する。
【0079】
アルゴリズムと注文管理のためのツールに対するユーザ・イージー・アクセスの提供
【0080】
戦略進捗領域の最終的な態様は、特定の注文を行っているアルゴリズムを管理するために、ポジション・ウインドウのこの部分を用いるための能力である。戦略進捗領域内のセルのいずれかにマウスポインタを合わせると、その注文に関する実行中のアルゴリズム(単数または複数)を管理するためのツールバーが現れる(図14)。このツールバーは、マウスのクリックに伴って、機能性の範囲へのユーザ・アクセスを与える。それは、注文を行っているいずれかのアルゴリズムの休止(1402)、注文を行っているいずれかのアルゴリズムのキャンセル(1404)、休止されたいずれかのアルゴリズムの再開(1406)、その注文に対する取引詳細情報ボックスの起動(1408)、実行中のアルゴリズムのためのフィッシュボーンの開口(1410)、また、「自動エントリ(AUTO−ENTRY)」の強制(1412)を行うことを、ユーザに可能にする。加えて、パイプライン代替取引システムのために設計された実施例において、ツールバーは、ユーザにNBBOで受動的な修正申し込みを受け入れることを可能にするボタン1502をも含む。
【0081】
ユーザがすぐにその次の未決注文を入力するために実行中のアルゴリズムを強制するとき、自動エントリは、そのアルゴリズムの論理によって要求される、どんな注文エントリ遅延にも優先する。この機能は、トレーダが、引き受けたいサイズがあることを知っており、かつ時刻が注文を入力するのに正しいことをアルゴリズムの論理が決定するのを待つことをしないときの事例において役に立つ。例え、トレーダが受動的なアルゴリズム、または、低参加率を伴うアルゴリズムを使用するとしても、状況がトレーダにそうすることを要求すれば、トレーダが積極的に注文をエントリする能力をまだ有することを確実とする。
【0082】
実行中のアルゴリズムのためにフィッシュボーンを開くことは、満たされた未決注文、キャンセル未決注文を見るための、またはアルゴリズムの指値を調整するための能力を、ユーザに与える。ユーザがアルゴリズムを動作させるとすぐに、自動起動を通して、あるいは、ダッシュボードのフィッシュボーン上でシンボルを下げることによって、アルゴリズムは、アルゴリズムの指値に対して、垂直価格スケールに沿って(買いまたは売りかどうか次第で)上下に広がる特定の色の垂直欄を伴ってフィッシュボーン上に視覚的に表わされる。図16の例では、EBAYの注文は、最高20セントまで買うために、指値で適合アルゴリズムによって行われている。どのアルゴリズムがフィッシュボーン1602上に表わされているかをユーザが追跡するのを助けるために、垂直欄1604の色は、ダッシュボード上のアルゴリズムのアイコンの色に合致させる。また、図16の例を見ると、欄を表している垂直アルゴリズムの色は、適合アルゴリズムのアイコンの背景に合致するよう緑色である。シンボル上で稼働している1つ以上のアルゴリズムがあるならば、欄が互いに重ならないか、覆い隠さないように、これらの垂直欄は、価格スケールの最上部(または最下部)に沿って互いに続いて配置される。これらのアルゴリズムを表している欄は、アルゴリズムを管理するために用いることができるインタラクティブなツールでもある。アルゴリズムの指値を変更するために、ユーザが必要なことは、バーの最下部(または最上部)をつかみ、新しい指値にバーを引っ張る(または押す)ことだけである。または、ユーザは、アルゴリズムを表しているバーのどこでもダブルクリックすることによって、アルゴリズムの動作パラメータを変更することができる。バーをダブルクックすることで、ユーザがその特定のアルゴリズムを設定/変更することができるパラメータの全ての情報を含むボックス1702(図17A、17B)が表示される。図17A、17Bの2つの例は、ユーザが適合アルゴリズム(第1のイメージ)、または実行レートアルゴリズム(第2のイメージ)を表している欄上でダブルクリックしたときに、ユーザに対して表示されたボックス1702を示している。
【0083】
アルゴリズムが動作すると、フィッシュボーンは、アルゴリズムの各々が配置し、実行した注文を表示する。アルゴリズムが注文を配置すると、小さなブロック1802が価格スケール上の注文のプライスポイントの隣に現れる(図18)。従って、ブロックは、1つのプライスポイントでの未決(実行中、満たされいない)株の集合を表している。ユーザは、未決注文ブロック上をダブルクリックすることによって、どのような未決注文でも手動でキャンセルすることができる。その後、注文又は注文の一部が満たされると、それらの株を表したブロック、または複数のブロックは、それらが未決注文である場合に消え、満たされた株を表す水平バー1804が現れる(図18)。
【0084】
既に言及した機能に加えて、フィッシュボーンは、売値/買値の指標、及び帳簿の効果的な深さの表現をも含む。小さな灰色の矢印(図16の1606、1608)が売値及び買値を表わす、価格メモリ上のプライスポイントの隣に現れる。一方、帳簿の効果的な深さは、現在の最適な買値以上、及び最適な入札価格以下で、各プライスポイントで利用できるであろうサイズ量を示している灰色の線分(図19の1902)として表わされている。効果的な深さは、技術的に知られているように、複数市場目標に対して集計された相場サイズとして定義され得る。しかし、帳簿の深さというこの表現は、隠れた流動性(予備注文)、または潜在的な流動性(市場にまだ配置されていなかった注文)を捕えることができない。長い間、取引社会は、集計され、表示された流動性とともに、予備で潜在的な流動性の推定値を取り入れる帳簿深さ指標の必要性を表している。主題のシステムは、様々なプライスポイントを通じて株式の価格を推し進めるために必要になる流動性の量を計算することによって、この必要性に対応することが好ましい。より詳細には、価格が20.02ドルへ上がる前に、20.01ドルの買値で取引する株数は、20.01ドルで「効果的な申込サイズ」になるであろう。この量が表示された流動性よりかなり大きくてもよい一方、表示されたサイズが束の間の相場だけであったことが分かるならば、それは表示された量より小さくなることもできる。与えられた申込価格での効果的な申込サイズを計算するために、主題のシステムは、この同じ申込価格が最適な申し込みで、かつ、最適な申し込みがその後、新しいより最適な申し込み価格になって、完全に満たされたとき、過去の最新の時刻を見つけるために、価格と相場変化を振り返る。その後、いかなる価格であっても、申し込みが利用可能である間の期間の間だけ、印刷された株をカウントして、最初の申込価格が利用できる間に取引される全株数を計算する。この全株数は、効果的な申込サイズである。それは、申込価格レベルを通して、安全のための価格を推し進めるために要求された全株数を表す。同様に効果的な売値のために、主題のシステムは、この売値が完全に消費された最新の時刻を確認し、入札価格が下がる前に取引された株数をカウントする。与えられた売値、または買値を通して推し進める同じ日に先例がないならば、主題のシステムは、効果的な売値(買値)サイズは、先例がある他の全てのプライスポイント以上の、平均的な効果的売値(買値)サイズであるとみなす。各プライスポイントでの効果的な流動性を計算するためのより精巧なモデルは、付加タイトル「流動性ダイナミックスにおける抵抗と支援の実証研究(An empirical study of resistance and support on Liquidity Dynamics)」で与えられる。与えられた売値または買値レベルを通して価格を推し進める前に実行することができるあり得る株数を推測するための他のアルゴリズムは、当業者によって想定され得る。
【0085】
「効果的相場サイズ」を計算するために、上述したように、主題のシステムは、テープに報告された取引価格及び取引のサイズを含む、あらゆる取引についての情報を含む市場プリント(market prints)のリアルタイム供給に接続されているアルゴリズムを用いる。プリント(Prints)は、複数のバケツに集計され、各バケツは、後で「買いバケツ」(次の価格動向は上がっている)、「売りバケツ」(次の価格動向が下がっている)とラベル付けされる。各バケツは、安値と高値を有する。取引される最初の2つの価格は、最初のバケツの安値と高値である。バケツが開かれている間、そのバケツのために総株数にプリントされる全ての株を加える。バケツの高値より上の(またはバケツの安値より下の)最初のプリントはバケツを閉じる。高値(安値)は、「効果的申込価格(効果的入札価格)」であり、バケツの総量は、効果的申込量(効果的入札量)である。加えて、インメモリ・ベクトルの一組は、各プライスポイントでの効果的入札サイズと効果的申込サイズの最新の値を維持する。
【0086】
「戦略進捗(Strategy Progress)ツールバー」から起動されたフィッシュボーンを閉じるには、ユーザは、ウインドウの上部右角部の「x」(1610、図16)をクリックすればよい。最後に、戦略進捗(Strategy Progress)ツールバーが用いられず、ユーザが戦略進捗(Strategy Progress)領域からマウスポインタを離すと、ツールバーは、ユーザが再びその領域にマウスポインタを合わせるまで消えている。この「消えるツールバー」は、広範囲にわたる機能性への即時のアクセスをユーザに与えるように、永続的なデスクトップ不動産の使用を要求することなく、戦略進捗(Strategy Progress)領域の範囲において役に立つ機能である。
【0087】
リアルタイム・ベンチマーク・モニタの提供
【0088】
実行中のアルゴリズムと注文実行の動作に関係するリアルタイム・フィードバックを提供することに加えて、主題のシステムは、リアルタイム・ベンチマーク・モニタをユーザに提供もする。このリアルタイム・ベンチマーク・モニタは、ユーザがこの機能を「オン」にすることを決めたならば、「表示ベンチマーク・モニタ(Display Benchmark Monitor)」ボタン(2000、図20)上をクリックすることによって、戦略進捗領域でフィッシュボーンの下部に直接表示される動的ダイヤルを通して提供される。稼働中の間、このダイヤルの目的は、ダイヤル及びその周囲領域内における空間的な方向、形状、サイズ、色、影、及びテクスチャにおけるリアルタイム変更を通じて、特定のベンチマークと比較して、トレーダの取引戦略の実績と市場の動向とに関する、視覚的に増強されたリアルタイム・フィードバックを、トレーダに提供することにある。ユーザが取引を監視するためにベンチマークをユーザがカスタマイズすることができ、いくつかの例が、限定されることなく、市場価格、市場平均価格、P&L、出来高加重平均価格、時間加重平均価格、終値、寄り付き値、または、短期乱高下の1つの標準偏差を含む点に留意されたい。
【0089】
図21は、アルゴリズムまたは複数のアルゴリズムが注文を稼働すべく注文配置を開始する前に、「非活動(inactive)」状態におけるベンチマーク・ダイヤル2100を描いている。そして、アルゴリズムがユーザの注文を稼働するために開始すると、動的ベンチマーク監視は、「非活動(inactive)」状態から「活動(active)」状態に移行する(図22)。実例となる目的のために、ダイヤルの操作の以下の説明は、ベンチマークとして、VWAP(出来高加重平均価格)を用いているが、上述したように、これはトレーダが用いることができるベンチマークの一つであり、主題のシステムの範囲または応用を限定することを決して意図してしない。
【0090】
図22の作動中のダイヤルを見ると、ダイヤルの最上部に3つの数字、「+4」、「8」、及び「−4」がある。フィッシュボーンに近接している数字「+4」は、トレーダがダイヤルにより選んだベンチマークに対してトレーダの実行の測定値2202を表す。この例は、ベンチマークとしてVWAPを用いるので、この場合、数字は、どれくらいトレーダが、いくつかの予め決めた期間を基準に、1株当たりの平均価格でVWAPに勝っているか、失っているかを表す。この特定の例では、トレーダは1株当たり4セントだけVWAPに勝っており、VWAPを失っているというよりトレーダが勝っている、という事実は、数字4の前の「+」符号と同様にフォントの緑色によって知らせる。
【0091】
ダイヤルに近接している数字「−4」は、同じベンチマークと比較した市場の現在の動向の測定値2204を表す。また、この例は、VWAPを用いているので、これは、まさにこの瞬間に、市場が1株当たり4セントだけVWAPを失っていることを意味する。そして、この失うという事実は、数字の前の「−」符号と赤色のフォントの双方で反映されている。
【0092】
そして最後に、3番目(中央)の数字は、他の2つの数字の間の広がり2206を表し、市場の現在のポジションと比較してトレーダのポジションがどれくらいかの、ユーザのために相対的な指標として役に立つ。再び、この例がベンチマークとしてVWAPを用いているので、この数字は、市場が現在取引しているところに関し、トレーダが1株基準当たりどれくらいの金額を儲けているかを表している。ここで、数字は、正の8であり、ちょうどその時、トレーダが1株当たり8セント設けていることを示している。
【0093】
それらの数字は、トレーダの平均価格と市場の現在価格(時価)を用いる計算を表すので、それらは、市場のポジションとトレーダの総ポジションの動向とともに変化する動的測定基準である。加えて、それらの数字によって知らされる情報は、モニタ内に視覚的に表示もされる。まず、測定基準が変動すると、ダイヤルの中心を通り抜けるバーが中心軸の周りを回転する。非活動な状態においてバーの水平位置または「0」ポジションに対して各バーの回転を見ることによって、トレーダは、市場がベンチマークに対して現在どれくらい実施されているのか、トレーダのアルゴリズムがベンチマークに対してどれくらい実行されているのかの双方を迅速に評価することができる。ベンチマークに対して市場を評価するために、ユーザは、「0」ポジション2304からの赤色のバー2302の変位、及びダイヤルの中心でのパイ形状領域2306のサイズと色を見ることができる。図23において、この領域には、ラベルが付けられており、一瞥することで、パイ形状のくさびのサイズとそのくさび内の赤色の濃淡との双方によって示されている、かなりのマージンだけ、市場がVWAPを失っていることが明白である。
【0094】
それからベンチマークに対してトレーダのポジションを評価するために、トレーダは、「0」ポジションからの青色バー2308の変位、及びダイヤルの外端に沿った台形形状領域2310のサイズと色をみることができる。この領域は、図23でもラベルが付けられている。この領域への素早い一瞥で、台形領域のサイズとその領域内の緑色の濃淡との双方によって示されている、かなりのマージンだけ、トレーダがVWAPに勝っていることを見ることが容易である。市場のポジションまたはトレーダのポジションとベンチマークとの間の差分が増加すると、その領域のサイズとその領域内の濃淡の激しさとの双方が増加する。同様に、市場のポジションまたはトレーダのポジションとベンチマークとの間の差分が減少すると、その領域のサイズとその領域内の濃淡の激しさとの双方が減少する。
【0095】
最後に、トレーダは、市場を表わしている赤色バーとトレーダを表している青色バーとの間に、ダイヤルの周辺部に沿って形成されたバンド2312のサイズ及び色を見ることによって、トレーダが市場に対してどれくらいよく行っているかという迅速な視覚的指標を得ることもできる。このバンドのサイズ及び色の双方は、トレーダが市場に対してお金を儲けているか、失っているかを、この利益または損失の程度と同様に、トレーダに伝えるのを助ける。
【0096】
図23に加えて、図24A〜24Fは、ベンチマーク・ダイヤルの動的性質を例示し、さらに、市場のポジション及びトレーダのポジションの双方に変化が生じ、時間とともにベンチマーク・ダイヤルがどのように見えるかを例証するのを助けるために含まれる。
【0097】
図24Aでは、トレーダは、4セントだけVWAPに勝っており、市場は、4セントだけVWAPを失っており、その結果、トレーダが1株当たり8セント儲けている。
【0098】
図24Bでは、市場は、トレーダの支持でさらに動いている。トレーダは、5セントだけVWAPに勝っており、市場は、5セントだけVWAPを失っており、そして、トレーダは、1株当たり10セント儲けている。市場を表しているくさびと、トレーダを表している台形とは、より大きく、そして、赤と緑の濃淡は、より暗い。
【0099】
図24Cでは、市場は一転している。ここで、トレーダは、わずか3セントだけVWAPに勝ち、市場は、2セントだけVWAPを失い、そして、トレーダは、1株当たり4セント儲けているだけである。また、濃淡領域のサイズとカラー階調は変化した。
【0100】
図24Dでは、継続的な動きで、トレーダと市場は、目下、互角であり、双方とも1セントだけVWAPに勝っている。その結果、トレーダは、目下、市場と互角である。
【0101】
図24Eでは、市場が動きを継続し、トレーダは、目下、2セントだけVWAPを失い、一方、市場は、3セントだけVWAPに勝っている。その結果、トレーダは、目下、1株当たり5セントの損失を出している。
【0102】
図24Fでは、完全な運命の逆転で、トレーダが出発点から明らかに反対のポジションにいるように、市場が動いた。トレーダは、4セントだけVWAPを失い、市場は、4セントだけVWAPに勝って、そして、トレーダは、1株当たり8セントの損失を出している。
【0103】
特定の実施形態において、ベンチマーク・ダイヤルの後ろの背景の色もまた、ベンチマークからのトレーダの正または負の逸脱を反映する色及び色の濃さに変化する。これらの実施形態において、特定の色及び濃淡は、「0」ポジションからの青色バーの変位によって、ダイヤルの外端上に形成された台形領域の色及び濃淡に合致し、トレーダの選択した戦略が成功しているか(緑色の背景)、あるいは失敗しているか及び更新が必要であるか(赤色の背景)どうかの視覚的な強化として単純に役立つ。
【0104】
これら構成要素の全ては、共に、ベンチマーク及び市場に対するユーザのポジションの状態に関係するユーザ・リアルタイム数字と視覚的なフィードバックを与える。加えて、ベンチマークも、いかなる与えられた時間でも特定のシンボルでトレーダの総ポジション目標値に合致するためにどれくらい近いかという視覚的な描写をトレーダに与える。この情報を表示するために、モニタのダイヤルの後ろの背景領域は、トレーダの総ポジションが初期の総ポジション目標値に合致することから、より近くに、またはより遠くに動くと、「満杯になる」か、「下へ落ちる」。この指標は、ダイヤルの背景領域の最上部は、トレーダがそのゴールを達成するところである100%のマークを表す一方、トレーダが総ポジション目標値に合致する方に進まなかったところである「0」ポジションを、モニタの背景領域の基部が表すという仮定に基づいているという点に留意されたい。図24A〜24Fは、トレーダの総目標値が、図24Fの最後のイメージで全て満たされるまで、それら6つのイメージの流れに沿って徐々に合致すると仮定し、ダイヤルの後ろの灰色背景領域が連続した各々でより高くなるように、この機能を例示している。
【0105】
リアルタイム取引実績フィードバックに加えて、モニタは、トレーダに、NBBOでの買いが可能な株数(緑)と売りが可能な株数(赤)との間の流動比率を示すグラフィックをも提供する。中央線の左側に表わされる緑の領域は、売値で利用可能な株と同じくらい広く(各1mmの幅が100株を表している)、右側に対する赤の領域が買値(offer)で利用可能な株を表している。このグラフィックは、図24A〜24Fの「動作中(active)」のダイヤル・イメージの各々の基部で見ることもできる。流動比率の目的は、2つの面、すなわち、売値及び買値で利用可能な株におけるバランス(または場合によってアンバランス)の感覚をトレーダに与えること、及び、拡張によって株式の乱高下の感覚をトレーダに与えることを有する。売値及び買値で利用可能な株数が互角であれば(あるいはほぼ互角であれば)、かなり安定した株式であり、どちらの方向にでも動かすべく強く押し付けられていると仮定することはトレーダにとって合理的である。一方、明らかにアンバランスであるならば、株式が不安定になるという潜在性を有することをトレーダに知らせ、また、しかるべく計画を立てるための警告として役に立つ。
【0106】
代替の実施形態は、シンボルのために「価格惰性(price inertia)」の測定も含む。発明者によって定義されるように、価格惰性は、株式を1セント動かすために要求される株数であり、この指標の目的は、トレーダが取引している株式の全体的な乱高下についてのより多くの具体的な理解をトレーダに与えることによって、流動比率を補うためである。価格惰性を計算するために、主題のシステムは、最良の売値と最良の買値が双方とも変わらない限り、テープに印刷する株の累積数を追跡する。双方とも変化したとき、この株数は、この時点での即座の効果的流動性の最後の利用可能な測定として記録され、そして、累積的な株カウンタがリセットされる。価格惰性は、5つの最近の効果的流動性値の追跡平均値である。それら5つの期間に渡って集積された物価変動の方向によって署名される(価格が上昇するならば正、物価が下降するならば負)。価格惰性の他の手段は、当業者に容易に想定され得る。
【0107】
取引されたシンボルのために市場コンテキストのユーザへの提供
【0108】
動的ベンチマーク・モニタの目的がトレーダのアルゴリズム取引戦略の成功に関してトレーダにリアルタイム・フィードバックを与えることにある一方、ダイヤルの裏面は、どのように特定の株式が市場のより大きなコンテキストに適合するかについてのユニークな見通しをユーザに与える市場データのカスタマイズされた表示をユーザに提供する。主題のシステムにおいて、市場データのこのカスタマイズされた表示は、「市場コンテキスト」と呼ばれ、それは、特定のパラメータに合致する他の株式に対して市場の株式のポジション及び動きについての見通しを、ユーザに与えるために特に設計されている。これらのパラメータは、ユーザによりカスタマイズすることができ、限定されることなく、市場部門、相互関係、時価総額、類似性、記録簿、取引スタイル、及びバスケットを含む。これらのパラメータのより詳細な説明は、以下で与えられる。
【0109】
図25(a)においてこの「市場コンテキスト」にアクセスするために、ユーザは、ベンチマーク・モニタの最上部で「回転」矢印2502上で単純にクリックする。ユーザがこれを行って、ベンチマーク・モニタを裏面にひっくり返すと、「市場コンテキスト」2504、または中央の周りに配置されたセルのグループ、拡大されたセルが現れる。図26の具体例では、この中央の、拡大されたセル2602は、IBMである。市場コンテキストに含まれるセル2604の各々は、セル内部のシンボル名によって示され、特定の株式を表す。中央のセルは、参照セルまたは参照シンボルと呼ばれ、再び、このIBMの例で、関連するフィッシュボーン及びベンチマーク・モニタ上で取引されている株式を表す。特定のコンテキスト上に表示されるシンボルの特定のグループは、ユーザによって選択されたパラメータに基づき、一方、参照セルに対するそれらのセルの特定の配置は、各セルと参照セルとの間のパラメータ相関関係の程度を表す。好ましい実施形態において、主題のシステムは、当業者に知られているように、「自己組織化マップ技術」と一致した手段で情報を送信するために視覚的なキューを用いる。
【0110】
ユーザは、矢印2506をクリックすることによって、図25(a)の表示に戻ることができる。緑色と赤色の流動比率2606が市場コンテキスト内の各セルの基部にもある。市場コンテキストは、NBBO、または、パイプライン取引システムに対する実施形態において、図26に符号2608として表示されているように、ブロック価格幅(Block Price Range)のどちらかを含む。「変化パラメータ」矢印2610をクリックすることで、利用可能な様々なコンテキスト・パラメータをスクロールすることがユーザに可能となる。
【0111】
与えられたあらゆる市場コンテキストにおいて、主題のシステムが表示する株式数は、ユーザによってカスタマイズすることができ、マップは、ユーザが含めるために選ぶ株式数に対応すべく自動的にリサイズされる。如何なる点でも、ユーザが、コンテキストに含まれていない株式を加えたいと決めるならば、ユーザが行う必要があるのは、要注意銘柄から市場コンテキスト上へシンボルをドラック&ドロップすることだけである。シンボルがコンテキス上にドロップされると、他のシンボルに対して適当な場所に自動的に「きちんとはまる」。
【0112】
参照シンボルと他のシンボルとの間の関係を示すことに加えて、あらゆる市場コンテキストも、コンテキストに含まれる各シンボルについての具体的な情報を、ユーザに提供する。より詳しくは、あらゆる市場コンテキストは、コンテキスト、またはパイプライン取引システムのために特に設計された主題のシステムのバージョンにおける、各シンボルに対してNBBO(National Best Bid and Offer)を表示し(図26のように)、ブロック価格幅(Block Price Range)は、NBBOと入れ替わる。各コンテキストも、あらゆるシンボルに対する「流動比率」を含む。この比率は、ベンチマーク・ダイヤルの基部で、流動比率と同じように見え、かつ動作し、市場コンテキスト内の各セルの基部で、視覚的に表わされる。ベンチマーク・モニタ側でのように、流動比率の目的は、いくつの株が現在のNBBOでの売値及び買値で利用可能であるかの粗い指標を、ユーザに与え、株式の乱高下の高水準指標として役立てることである。代替の実施形態において、市場コンテキストも、各シンボルのフォントの色を介して、各株式価格変動の方向性を表示する。ユーザが指定した期間に渡る株式価格の平均動向が上向きであるならば、シンボルのフォントは、青色となる。一方、その期間に渡る株式価格の平均動向が下向きであるならば、シンボルのフォントは、オレンジ色となる。
【0113】
最後に、パイプライン取引システムに適応する主題のバージョンのシステムにおいて、市場マップもまた、パイプライン・ブロック・ボード(Pipeline Block Board)と呼ばれる、パイプラインの所有者の要注意銘柄からの情報を伝達する。図26における例のような市場コンテキストを見ると、ユーザは、株式がパイプライン・ブロック・ボード(Pipeline Block Board)上で現在活動中(シンボルのセルはオレンジ色の背景を有する)であるかどうか、早い段階で作動中であったが、現在、非活動であるか(シンボルのセルは灰色の背景を有する)、現在非活動で、かつ一日中非活動だったか(シンボルのセルは白色の背景を有数する)を、各シンボルに対して見分けることができる。加えて、コンテキストは、パイプラインがそれらのセルに3次元の外観を与えることによって、特定の株式にブロックを印刷したかどうかを示す。
【0114】
これらの指標の各々は、個々に、高水準の譲歩を提示する。しかし、これらの指標が一緒に提示されるとき、関係のあるパラメータによってまとめられた複式株式全体で、それらは、市場のポジションとその相対的な動向の価値あるスナップショットを、トレーダに提供する。
【0115】
上述したように、ユーザは、市場コンテキストをカスタマイズするとき、パラメータの範囲から選ぶことができる。これらのパラメータは、限定されることなく、市場部門、相互関係、時価総額、類似性、記録簿、取引スタイル、及びバスケットを含む。市場部門、相互関係、及び時価総額パラメータの背後の概念は、当業者にとって明らかである。しかし、明瞭さのために、我々は、類似性、記録簿、及び取引スタイル・パラメータに対して、より詳細な説明を提供する。バスケットパラメータについては、それが他のパラメータの機能性と明らかに異なる機能性を使用可能にすることを、別のセクションで述べる。
【0116】
「類似性(affinity)」パラメータは、複数要因モデルにおけるクラスタリングに基づく証券のグループ化を表す。例えば、一組の株式は、互いに異なるビジネスモデルを伴う企業を表しているが、同じ組織的な経済的リスク(すなわち、金利動向、エネルギー価格など)を受けやすい。
【0117】
「記録簿(blotter)」パラメータは、ユーザの記録簿にシンボルの全てを含むコンテキストを単に生成する。このマップは、ユーザの記録簿における株式の全ての動向とポジションについての高水準の見通しを得るため、または、ユーザの記録簿からシンボルでバスケットを構築するために(以下で述べるように)、ユーザに迅速な方法を提供する。
【0118】
「取引スタイル」パラメータは、主題のシステムに対する具体的な概念である。このパラメータは、同じアルゴリズムまたは複数のアルゴリズムによって取引されるとき、同様の方法で参照株式に作用する、株式のセットを表示する。株式が主題のシステムのアルゴリズムの1つによって取引されるとき、株式がどのように反応するかについての、主題のシステムの歴史的で総体的な情報は、このパラメータを知らせるために用いられる。加えて、ユーザがこのコンテキストを選択すると、コンテキスト内を右クリックすることにおより、その株式のセットの取引におけるそれらの成功に従って、主題のシステムのアルゴリズムのランク付けされたリストが表示される。このコンテキストは、共通の取引特性を共有する株式のグループを同時にトレーダに与え、それらの株式の使用に最良のアルゴリズムをトレーダに告げるので、とりわけ革新的な機能である。単一の市場コンテキストには、パラメータの如何なる組合せでも用いることができることに留意されたい。1つ以上のパラメータが用いられるとき、主題のシステムは、各パラメータからデータを集計し、相関させて、それから、その相関関係の最終出力に基づいてコンテキストを構築する。この機能のため、主題のシステムのカスタマイズされた市場コンテキストは、図26の「Large Cap Tech」のような、単純で、単一のパラメータ・コンテキストから異常に複雑なマルチ・パラメータ・コンテキストまでの範囲に及ぶことができる。
【0119】
ユーザは、主題のシステムを設定するとき、自身の市場コンテキストのために、パラメータのデフォルトセットを選ぶ。このデフォルトセットは、ユーザがアルゴリズムを起動するとすぐに、コンテキストを構築するために自動的に用いられる。従って、ユーザが市場コンテキストにアクセスするために、ベンチマーク・モニタをひっくり返すと、ユーザは、それらのデフォルト・パラメータに基づくコンテキストを見る。ユーザがパラメータを変更しようとするか、異なるコンテキストを見る場合、ユーザは、市場コンテキストの上部の「パラメータ変更(change parameter)」矢印を右クリックするだけでよい(図26)。この矢印上でクリックすることにより、市場コンテキストに対するパラメータを自動的に入れ替え、新たなパラメータが矢印の左にタイトルに示される。代替の実施形態において、「パラメータ変更(change parameter)」ボタンは矢印の代わりに用いられる。このボタンをクリックすることにより、各パラメータの隣にチェックボックスとともにパラメータの全てのリストが起動される。それから、トレーダは、自身の新たなコンテキストに含めたいパラメータの全てを選択することができ、それから、新たなコンテキストを生成するためにリストの基部の「再構築コンテキスト(rebuild contest)」ボタンをヒットする。
【0120】
代替の実施形態において、トレーダは、アルゴリズムを開始する前に、市場コンテキストを起動することができ、トレーダに、デフォルト設定を回避し、パラメータの異なるセットに基づいてコンテキストを構築することを可能にする。要注意銘柄から直接、市場コンテキストを起動するために、ユーザは、ダッシュボード上に配置されている「市場コンテキスト(market context)」アイコンをドラッグし、コンテキストに対する参照シンボルとして用いることを所望する、ユーザの要注意銘柄の株式上にドロップする。我々の例において、ユーザは、IBMに対する市場コンテキストを作成するために、ユーザの要注意銘柄内のIBMの上部に、「市場コンテキスト(market context)」アイコンをドロップする。ユーザが要注意銘柄内の参照セル(この場合、IBM)上に「市場コンテキスト(market context)」アイコンをドロップした後、参照セルが拡大するが、特定の注文または要注意銘柄の配置に衝撃を与えることなく、リスト内の周囲のセルは同時にスライドし、参照セルの拡大に合わせるために縮小する。(この拡大の目的は、トレーダが「市場コンテキストモード(market context mode)」にシンボルを置いたことを、トレーダに明らかにするためである。)この点で、「市場コンテキスト(market context)」機能は、保障されており、ユーザは、自身の市場コンテキストに対してパラメータをカスタマイズすることができる。要注意銘柄内の拡大された参照セルの内側での右クリックすることは、各パラメータに対するチェックボックスに加えてコンテキスト・パラメータのリストを表示する。ユーザが、コンテキストに用いたいパラメータを一度選択し、パラメータ・リストの基部で、「コンテキスト構築(build context)」ボタンをクリックすると、市場コンテキストが別のウインドウ内で起動される。如何なる所定の時間でも、ユーザが動作させることができる市場コンテキストの数は限定されないことに留意されたい。ユーザが特定のコンテキストを見ていないとき、ユーザは、コンテキストを最小化するか、完全に閉じることができるが、取引日のうちに、ユーザは、自身が適当と考える多くの参照シンボルのため、多くのコンテキストを起動して維持することができる。
【0121】
トレーダが最初にモニタを起動した場合に、市場コンテキストにアクセスするためにベンチマーク・モニタを用いることができるのと同様に、トレーダが最初に市場コンテキストを起動した場合、トレーダはベンチマーク・モニタにアクセスするため市場コンテキストを用いることができる。市場コンテキストの底部で、緑色の「回転(rotate)」矢印をクリックすることによって、ユーザは、マップをひっくり返すことができ、参照シンボルに対するベンチマーク・モニタを見る。
【0122】
主題のシステムの更なる機能により、ユーザが起動しているカスタマイズされた「市場コンテキスト」の処理を簡素化できる。ユーザがパラメータの組合せを選ぶ度に、ユーザは、その特定の組合せを保存して名前を付けるためのオプションを有する。例えば、ユーザは、自身が定期的にその特定の組合せを用いることを知っている、市場部門、類似性、市場キャップ、及び取引スタイル・パラメータに基づくコンテキストを構築することを選ぶであろう。ユーザがその特定のコンテキストを構築することを所望する度に、「市場コンテキスト」アイコンをドロップし、その組合せを選択する処理を繰り返すことを避けるために、ユーザは、パラメータ選択ステップで、「別名を付けて保存(save as)」機能を用いて、その組合せに名前を付けて保存することを選ぶことができる。ユーザがその組合せに名前を付けて保存すると、要注意銘柄上の「市場コンテキスト(market context)」アイコンの隣に、ラベル付けされたアイコンとして現れる。それから、次にユーザがコンテキストを構築するために同じパラメータの組合せを用いたいと所望するときは、ユーザは、参照シンボル上にその組合せのアイコンをドロップするだけでよく、一度の容易なステップで、そのパラメータの組合せとともにコンテキストが自動的に生成される。
【0123】
市場コンテキストに関連した最終的な機能は、利用可能なアルゴリズムを用いて取引することができるバスケットを構築するためにコンテキストを使う能力である。ユーザが他のパラメータ(市場部門、相互関係、市場キャップ、類似性、記録簿、取引スタイル)のいずれかと一緒に「バスケット(basket)」パラメータを選択すれば、ユーザは、カスタマイズされたバスケットを生成することをユーザに可能にする機能を起動させる。バスケットを構築するために、「バスケット(basket)」機能が利用可能になったとき、ユーザは、バスケットに含めたい自身の市場コンテキストで、各シンボル上で単に左クリックする。ユーザが自身のコンテキスト上で表示されない株式を含めたければ、ユーザは、要注意銘柄からコンテキスト上にシンボルを「ドラッグ&ドロップ」するだけでよい。新しいシンボルがコンテキスト上にドロップされると、そのシンボルは、自動的に他の株式に関する適当な場所に「きちんとはまって」、それからバスケットに含まれる。一旦、ユーザが含めたいシンボルの全てを選ぶと、ユーザは、名を付けるために、市場コンテキスト上の「別名で保存(save as)」機能を用い、そのバスケットを保存する。この「別名で保存(save as)」機能は、常に、市場コンテキスト上に存在する。しかし、バスケットパラメータが使用可能であるときにだけ「アクティブ」である。
【0124】
バスケットは、一旦、名前を付けられて保存されると、参照セルになり、オリジナルの参照セルと入れ替わる。我々の例では、ユーザがバスケットを生成し、そのバスケットにMONEYと名前を付けると、参照セルは、IBMと入れ替わってMONEYとなる。同時に、バスケットの名前も、要注意銘柄上のシンボルとして現れ、ユーザが一度だけ特定のバスケットを生成すればよいようにする。バスケットが、一旦、要注意銘柄上のシンボルになると、ボード上の単一株式と同様に取り扱われ得る。それによって、ユーザは、一度のクリックで、株式の全てのバスケットに対して、如何なるアイコンの後ろの機能性でも適用可能となる。
【0125】
例えば、ユーザが市場コンテキストのパラメータの特定の組合せに対してアイコンを生成したならば、MONEYバスケットシンボル上にそのアイコンをドロップすることは、そのバスケットの株式の全てのセットに対して、それらのパラメータで市場コンテキストを生成することになる。また、他の実施例では、ユーザがMONEYバスケットシンボルを、アイコンを表しているアルゴリズムの1つの上にドロップすると、システムは、同じアルゴリズムで、そのバスケット内のあらゆる株式を取引することを開始する。ユーザは、バスケットの様々な構成要素を用いて、異なるレートで進行するために、百分率許容レベルを設定することができるようになる。バスケット(例えば、IBM)内の与えられたアイテムの株式の目標数は、全てのバスケットの平均完成レート(バスケットの時価評価ドル価値に対して取引された金額)だけ増加した完成で得られる株の総数である。IBM内の好ましいポジションの上下の境界は、許容パーセンテージを目標株式数に加算、または減算することを適用することによって設定される。再び、上記例を話すと、100000株に対するIBM注文が、ドル価値によって15%の完成に達したバスケットの一部であり、許容レベルが20%に設定されている場合、主題のシステムのIBMに対する現在目標完成は、15000株であり、注文が市場に発行される。新規買い注文を加えた達成されたポジションの合計は、18000株を上回らず、また、新規売り注文を加えた達成ポジションの合計は、12000株を下回らない。その方法によれば、バスケットの各構成要素の両側上の複数のエージェントの活動は、国政要素の実行の相対的なレートで、設定された許容度で、独特の実行軌道を達成する方へ調整され得る。
【0126】
図27は、開示された実施形態のいずれでも実行され得る、システム2700のブロック図を示す。サーバ2702は、インターネット2704、または他の適切な通信媒体を介して、ユーザのコンピュータ(またはウェブで可能な携帯電話のような他の装置)2706と通信する。実施形態のいずれかを実装するソフトウェアは、コンピュータで読取り可能な如何なる適切な媒体2708でも供給可能である。コンピュータは、好ましくは、マイクロプロセッサ2710、ここで述べたユーザインターフェースを表示するための表示装置2712、キーボード2714及びマウス2716のような入力装置、及びインターネット2704に接続するための、ケーブルモデムのような、通信装置2718を含む。
【0127】
好ましい実施形態の動作の概要は、図28A〜28Cのフローチャートを参照して説明され、上記で与えられた開示と関連し理解されるものである。矩形がユーザ動作を表わし、一方、楕円がシステム動作を表す。
【0128】
図28Aのステップ2802において、ユーザは、グラフィック制御インターフェースを起動し、それは、その後、トレーダに表示される。ステップ2804では、システムは、利用可能な戦略的アルゴリズム、戦術的アルゴリズム、及び第三者アルゴリズムの全ての表示を含む、ダッシュボードを表示する。ステップ2806では、ユーザは、各戦略的アルゴリズム、戦術的アルゴリズム、及び第三者アルゴリズムを表わすアイコンにマウスポインタを移動させることによって利用可能なアルゴリズムをチェックする。ユーザが利用可能な戦術的アルゴリズムにマウスポインタを移動させると、ステップ2808において、システムは、実行レート・スケールと動作マトリクスを表示する。ステップ2806、またはステップ2808のいずれかから、ユーザは、ステップ2810に進み、ユーザは、要注意銘柄からユーザ自身が取引したいシンボルをドラッグし、トレーダが使用したいアルゴリズムを表す、ダッシュボード内のアイコン上に、それをドロップすることにより、利用可能なアルゴリズムの1つを選択する。
【0129】
ステップ2812で、ユーザの要注意銘柄がOMSに接続されていることが確定されると、ステップ2814において、システムは、ユーザがOMSから注文パラメータを引っ張ってきてアイコン上にシンボルをドラッグ&ドロップすると、アルゴリズムを自動的に起動する。ステップ2816で、ユーザの要注意銘柄がOMSに接続されていないことが確定されると、ユーザの選択に基づいて、イベントの以下に述べるシーケンスの1つが発生する。ステップ2818において、ユーザがパイプライン・アルゴリズム上にシンボルをドラッグすると、ステップ2820で、システムは、注文エントリ・ボックスを表示し、ステップ2822で、ユーザは、注文パラメータを入力する。ステップ2824において、ユーザがパイプライン・アルゴリズム以外の如何なるアルゴリズム上にシンボルをドラッグすると、ステップ2826で、システムは、フィッシュボーンを表示し、さらに、ステップ2828で、ユーザは、そのフィッシュボーンの動的価格スケール上の所望する指値上にシンボルをドロップする。いずれの方法でも、システムは、ステップ2830で、アルゴリズムを起動し、全体処理は、図28Bに移行する。
【0130】
システムは、ステップ2832で、取引されているシンボル(1つ以上)に対して市場コンテキストを生成し、及び/または、ステップ2834で、動作中のアルゴリズムの進捗に関する情報を含んでいるポジション・ウインドウを表示し、ユーザの取引を完了するために、取引日に十分な時間が残っているか否かを見て確認する。ステップ2836で、十分な時間がないことが確定されると、ステップ2838で、システムは、注文を完了するための十分な時間が取引日に残っていないかも知れないことを、ユーザに告げるポジション・ウインドウ表示に「市場参加」警告を発行する。
【0131】
ステップ2832、ステップ2834、または、(適用可能ならば)ステップ2838の後、ユーザは、ステップ2840において、ポジション・ウインドウ及び/または市場コンテキスト内にシステムによって提供される情報をチェックする。
【0132】
ユーザは、ステップ2842で、ポジション・ウインドウの「詳細(Details)」領域上でマウスをクリックするか、マウスポインタを移動させることができる。ステップ2844においては、システムは、アルゴリズムによって発生された各注文についてユーザの特定情報を示す「取引詳細(Trade Details)」情報ボックスを表示する。これに対して、ユーザは、ステップ2846で、ポジション・ウインドウの「全体進捗(Overall Progress)」領域上でマウスをクリックするか、マウスポインタを移動させることができる。ステップ2846に応じて、システムは、ステップ2848で、(ステップ2838で確定されたように)市場参加警告があるかどうかと同様に、申請された、進行中で申請されていない、及び進行中でなく申請もされていない株数についての正確な値を与える「全体進捗(Overall Progress)」情報ボックスを表示する。
【0133】
ステップ2840、ステップ2844、またはステップ2848の後、ユーザは、以下のいずれでも行うことができる。ステップ2850では、ポジション・ウインドウ内の情報をチェックした後に、ユーザは、注文または作動中のアルゴリズムに対して、如何なる変更もしないことを決定することができる。これに対して、ステップ2852では、ポジション・ウインドウ内の情報をチェックした後に、ユーザは、より詳細に注文進捗を見ること、及び/または、ポジション・ウインドウの「戦略進捗(Strategy Progress)」領域上でマウスをクリックするかマウスポインタを移動させることによって、注文及び/または作動中のアルゴリズムに対して若干の変更を行うことを決定することができ、すると、処理は図28Cに移行する。
【0134】
ステップ2854において、システムは、作動中のアルゴリズムを管理するために、消えているツールバーを表示する。これに応じて、ユーザは、3つのことの1つを行うことができる。ステップ2856において、ユーザは、作動中のアルゴリズム(1つ以上)を休止するか、キャンセルするために、ツールバーのボタンをクリックすることができ、するとすぐに、システムは、ステップ2858で、それらを休止、またはキャンセルする。ステップ2860では、ユーザは、作動中のアルゴリズム(1つ以上)に対して、フィッシュボーンを表示するために、ツールバーのボタンを用いることができ、その後、システムは、ステップ2862で、フィッシュボーンを表示する。ステップ2864では、ユーザは、「自動入力(auto−entry)」を強制するために、ツールバー上のボタンを用いることができ、するとすぐに、ステップ2866で、システムは、アルゴリズムのロジックによって要求されるあらゆる注文入力遅延でも優先して、次の未決注文を自動的に入力する。
【0135】
ステップ2862に応じて、ユーザは、以下の4つのことの1つを行うことができる。ステップ2868では、ユーザは、アルゴリズム(1つ以上)の指値(1つ以上)を変更するために、作動中のアルゴリズム(1つ以上)を表すフィッシュボーン上の垂直バー(1つ以上)を押すか引っ張ることができ、するとすぐに、ステップ2870で、システムは、垂直バーのユーザの操作に基づいて、アルゴリズムの指値を更新する。ステップ2872では、ユーザは、注文情報ボックスにアクセスするために、作動中のアルゴリズム(1つ以上)を表す垂直バー上をダブルクリックすることによって注文パラメータを変更することができ、するとすぐに、ステップ2874で、システムは、ユーザが注文情報ボックスで行った如何なる変更にでも基づいて、注文パラメータを更新する。ステップ2876では、ユーザは、フィッシュボーン上の「未決注文(pending order)」ボックス上でダブルクリックすることによって、慎重な注文をキャンセルすることができ、するとすぐに、ステップ2878で、システムは、ユーザがダブルクリックした未決注文ボックスによって表わされる如何なる注文でもキャンセルすることができる。
【0136】
第4のオプションは、より複雑になる。ステップ2880で、ユーザは、フィッシュボーの基部において、「表示ベンチマーク・モニタ(display benchmark monitor)」ボタン上でクリックすることができる。それに応じて、ステップ2882で、システムは、視覚的に増強された、特定のベンチマークに対して、ユーザの取引戦略の実績と市場の動向とに関連するリアルタイム・フィードバックを用意して、ベンチマーク・モニタを表示する。ステップ2884では、ユーザは、市場コンテキストを表示するためにダイヤルを回転させるべく、ベンチマーク・モニタの上部で、回転矢印を用いる。ステップ2886では、システムは、ステップ2832で生成された市場コンテキストを表示する。
【0137】
ユーザは、ステップ2888で、市場コンテキストに対して如何なる変更も行わないことを選択することができる。これに対して、ステップ2890で、ユーザは、パラメータを変更するために「パラメータ変更(change parameter)」矢印を用いるか、取引のためにシンボルのカスタム・バスケットを構築して、シンボルを加えるか、取り除くことによって、市場コンテキストを修正することができる。ステップ2892で、システムは、ユーザ修正市場コンテキストを表示する。
【0138】
好ましい実施形態の他の例は、図29乃至図33を参照して詳細に説明される。図29に示すように、トレーダは、シンボルをクリックして、市場に参加するためにツールバー内の、パイプライン・ブロック・アイコン304、または動作アイコン上にドラッグする。トレーダは、トレーダ設定ダイアログで参加することを始めるために、オプション遅延を設定することができる。以下の動作アイコンは、アルゴ・マスタ(AlgoMaster)アイコン2902上でスクロールすると現れる。すなわち、パイプライン・ブロック304は、パイプライン上に大口注文を配置し、パイプライン・アルゴ・マスタ(AlgoMaster)2902は、パイプライン上に大口注文を配置し、同時に、アルゴリズムを用いている市場にアクセスする。更なるアイコンも、戦略的パートナーシップによって、ニュース・ワイヤまたは技術的なチャートとして育てるために提供され得る。
【0139】
図30は、パイプライン+アルゴリズムを起動するためにアイコン上にドロップする操作を示す。3つの速度設定は、株式に対して、(段落番号0057で定義されるように)、現在の「赤線レート(red−line rate)」に基づいている。赤線値は、シンボルがBPR要注意銘柄上にあるならば利用可能である。「滴(Trickle)」3002は、低市場影響ルーティング(3〜10%)に対して、パイプライン+最良の戦術を示す。「腰巾着(TagAlong)」3004は、「axe」になることなく、可能な限り速くパイプライン+市場参加を示す。市場状況によっては10〜30%と予想されるが、「攻撃的(Aggressive)」3006は、半分の注文が行われるか、相当な抵抗に遭遇するまで、市場の30〜60%を取得し、それから、価格を市場の少なくとも20%を平均した平衡を見つけさせるために、「腰巾着(TagAlong)」方法と交替する。赤線バー3008は、赤線レートを示し、当然、自動車のタコメータのような、他の指標が同様に用いることができる。
【0140】
図31を参照すると、修正されたパイプライン・ポジションバー800’において、戦略グラフィック3102は、ちょうど述べたように、赤線バー3008と類似した市場カラー(赤線)グラフィック3104を示す。トレーダは、ボリンジャー・バンド/XVAグラフィック、及びパイプライン特定制御を示している代替表示を見るために、パイプライン・ルート・アイコンをクリックすることができる。切り替え動作は、市場カラーグラフィック(戦術)3106上で見ることができる。自動アルゴリズム切り替えは、6つの起こり得る(「固定(Peg)」または「取得(take)」、…のような)動作のいくつかを取り除くことによって、情報漏えいを最小化する。インターフェースは、トレーダが、申込(入札)(ボタン3112)、またはアップ(ダウン)5セント(ボタン3114)に対して、非常に攻撃的な取引(高性能スイープ)を起動するために、アップ/ダウン矢印ボタン31008及び3110などのアップ/ダウン速度を切り替えるための制御ボタン、及び早送りボタンを提供する。トレーダは、以下に述べるように、セント数を変更するために、または、トレーダ設定における他のデフォルトを保存するために、右クリックすることができる。
【0141】
図32に示すように、トレーダは、ドラッグ&ドロップ模範を用いることに優先して、早送り指値を用いることができる。デフォルト指値は、NBBOから5セント(可変)である。トレーダは、セント数を変更するために、右クリックすることができ、一例において、ピックリスト3202が現れる。指値グラフィックは、市場相場が変動するかも知れないが安定したままである。価格表は、価格(例えば、一目盛はPGに対して2セントとし、GOOGに対して5セントにすべきである)で変更することができる。早送りボタン・グラフィックは、ノーマルモードに戻るため、または申込が指値より上であるときに、、シンプルな早送りに切り替わる。
【0142】
図33に示すように、市場カラーグラフィック上にマウスポインタを合わせると、表示装置3302に戦術表示の意味が現れる。切り替えることで、オフに切り替えられた構成要素は、5秒間、赤色輪郭3304を示し、新たな構成要素は、共有された緑色である。インターフェースは、これが市場色彩であることを伝えるために、灰色よりはむしろ、色彩を用いる。他の実施形態では、色彩は、例えば、アルゴリズムの注文に対する市場反応のような、さらなる情報を伝えることができる。これは、「敏感(sensitive)」は、平均的な反応よりも強いことを示し、「通常(normal)」は、平均であり、「2つの面(two−sided)」は、デリバティブ取引相手活動での増加、または競争における減少を示すところの、フラグとして定義することができる。これに対して、市場反応は、アルゴリズム自体の総注文サイズによって引き起こされた、第三者の総注文サイズの比率として測定することができる。例えば、50%の反応要因とは、アルゴリズムにより配置されたあらゆる1000株が、同じ側にさらに500株を配置するか、反対側で500株をキャンセルするかのいずれかを他の市場参加者に促す、ことを意味する。もちろん、グレースケールではなく色彩を使用したこと、及び使用された特定の色彩は、限定するというよりむしろ実例である。
【0143】
好ましい及び代替の実施形態が上述されたが、本開示を調査した当業者は、他の実施形態が本発明の範囲内で実現できることを容易に認めるであろう。いくつかの可能性がある変形例が上記で開示された。また、別々に開示された実施形態の機能が一緒に用いられることが可能である一方、一緒に開示されたそれらは別々に用いることが可能である。特に、開示された機能の全てまたは一部は、与えられた如何なる実施形態においても用いることが可能である。したがって、本発明は、添付された特許請求の範囲によってのみ限定されるように解釈されるべきである。
付録:流動性ダイナミックスに関する抵抗と支援の実証研究
【0144】
この実証研究の目的は、2つの面を有する。第1に、我々は、基準価格レベルの周囲の流動性クラスタリングに確証があるかどうかを調査する。第2のステップで、我々は、流動性のそれらに類似した予測因子もまた価格方向を決定するかどうかをテストする。取引クラスタリングについての既存する大量の文献は、なぜトレーダが概数(Osborne, Niederhoffer, Harris)または心理的攻防戦(Sonnemans, Donaldson and Kim)である価格の周囲に集まる傾向があるかに重点を置く。ソネマンズ(Sonnemans)は、人間が各数値の最初の桁に重みを置くという考えに従う端数価格仮説と、投資筋がそれらの現在高に対して目標価格を有するという代替仮説との間を検証するために、経験的な戦略を開発する。彼の調査結果は、物価がトレーダに対する心理的な参考基準に確かに変わり、上値抵抗線と下値支持線として働くことができることを示唆する。ドナルドソンとキム(Donaldson and Kim)は、100倍の物価水準がダウ・ジョーンズ平均工業株価への心理的攻防線であって、少なくとも一時的に、下値支持線と上値抵抗線の働きをするという証拠を見つける。
【0145】
この研究は、一定価格レベルを介して、株式を推進するために必要とされる取引株数で測定されるように、流動性における日内の変動に重点を置く。下値抵抗線及び上値支持線は、(Kugmanの場合のように)引き金戦略家が株式を買うか売るかでの漸近の価格でなく、その代わりに、おそらくより多くの困難を伴うであろうが、(DonaldsonとKim、またはBertolaとCaballeroの場合のように)株数がそのようなレベルを介して、物価を押し上げるのに十分に大きいならば、横切ることができる価格である。流動性ダイナミックスの提案された評価モデルは、既存の文献で見つけられるそれよりさらに一般的な1つである。なぜなら、各価格水準に対して、我々は流動性の蓄積の潜在的な決定要素が、主要な事前イベント及び関連した量であると考えるからである。異常な量の流動性が市場の一方で利用可能であるという下値抵抗線及び上値支持線は、考察中の歴史的な価格水準の特定の事例である。
【0146】
各々の価格水準で、流動性の一組の潜在的な重要な予測ドライバを提案した後に、我々は、影響を推定し、個々の予測因子の重要性をテストするために、その値幅を説明している経験的なモデルを適合した。
【0147】
データと方法:
【0148】
我々は、2006年の12月18日と12月28日との間の期間に、低流動性レベルと低取引頻度からその時の時間外取引を除外して、市場データを分析する。同様の理由で、そして、流動性ダイナミックスがより発生しそうな適切に同種の1組のチェッカーを保証するために、我々は、1ドルを超える平均出来高加重の価格、及び、400,000を超える履行された株の一日平均数で、それらに対して株式の領域を制限した。結果として生じるサブセットは、8日の取引日に渡って1,519の株式を含む。
【0149】
株式のボラティリティが高ければ高いほど、2つの連続的な物価レベルが同様に扱われやすいということを前提に、我々は、市場データを、各株式の価格差の平均値及び変動値によって定義された価格インターバル内の全てのプリントを含むバケツへ交雑させる。
【0150】
我々は、以下のように、隣接したプリントと一致しない全ての半端な単一のプリント(n)を分析から除外した。
【0151】
|Pn−Pn−1|>(spread+std)AND|Pn+1−Pn−1|<(spread+std) (1)
【0152】
ここで、spreadは、2つの二次的なプリントの価格間の平均差であり、stdは、その標準偏差である。その日の最初と最後のプリントのために、除外基準は、各々、|Pn−Pn+1|>(spread+std)と、
【0153】
|Pn−Pn−1|>(spread+std)である。
【0154】
フィルタリングの後、我々は、各取引日に各シンボルの最初のプリントを取得し、その条件を満たす全ての二次的なプリントnをそのバケツに含める。
【0155】
n∈bucket:|Max{Pn}−Min{Pn}|<=(spread+std) (2)
【0156】
プリントが条件(2)を満たさないときはいつでも、新しいバケツが始まる。全てのバケツは、開始されたプリントの価格変動によって分類され、すなわち、バケツは、価格上昇で開始されるとき、景気改善(U)として分類され、さもなければ、景気低下(D)として分類される。我々は、それから、そのチェックと二次的なバケツのチェックによって各バケツをイベントの一種として分類する。すなわち、バケツの価格が景気改善で、かつ最後の価格変化もまた景気改善であるならば、我々は、ダブル景気改善としてイベントを分類する。同様に、景気低下に続く景気低下は、ダブル景気低下として分類される。物価が景気改善から景気低下への方向に変動したとき、それは、下値抵抗線として分類され、また、反対の場合には、上値支持線として分類される。
【0157】
経験的な実施は、モデル適合のために全ての株式の共同出資を含み、株式の不均一性に対して、修正の予備ステップを必要とする。この目的のために、履行された株数の絶対値を見ることの代わりに、我々は、各々の取引日において各々のシンボルで平均取引出来高に対するその比率をとることによって、各々のバケツ内の調節された出来高を、その代わりに考慮する。表1は、各特定日での株式の平均出来高(q/qavg)及び平均に対する対数での相対値(Log(q/qavg))と相対的に、各タイプのイベントの頻度(freq)と、絶対値での各イベントで同様に実行された株数(quantity)とを表示する。
【0158】
我々のサンプルにおいて、相場変動は、1つのバケツに持続するというより、他のバケツへ方向を変える傾向にある。相場変動が持続すると、実行された株数は、分岐点での平均株数でより高い。この発見は、分岐点が消耗されなかった一方の流動性を反映するという事実と一致しているが、ダブル景気改善及びダブル景気低下は、実行された平均株数以上によって駆動される持続的な相場変動である。我々の評価モデルは、各種類のイベントの範囲内での出来高における値幅を見て、また、類似した価格での以前のクラスタリングでその相互関係をテストすることにより、徹底的にこの証拠を調査する。
【0159】
イベントのタイプ及び実行された株
【0160】
【表1】
【0161】
経験的な詳説では、我々は、各バケツ内で取引された出来高が直前のイベント、それぞれの出来高、及び同様の歴史的な価格水準で取引されたイベントと量によって影響を受けるかもしれないと仮定する。我々は、貯蔵所の建設と類似した処理で、2つの価格の間の絶対差がその標準偏差を加えた価格差より小さいと、2つの価格が類似していると考える。提案された決定要素の組は、以下の変数を含む。
【0162】
・以前のバケツのイベント・タイプ:Et−1(S)。ここで、S∈{U,D,R,S}は、各々、ダブル景気改善、ダブル景気低下、下値抵抗線、及び上値支持線に対しての可変の指標である。例えば、Et−1(U)は、イベント・タイプがダブル景気改善であるならば、1に等しく、それ以外は0に等しい。
【0163】
・それぞれのイベント・タイプと相互作用した先行するバケツで取引される量Q×Et−1(S)、ここで、S∈{U,D,R,S}である、。この項は、直前のイベントで取引された量に、そのイベントがダブル景気改善、ダブル景気低下、下値抵抗線、または上値支持線であるかどうかに従って取引された現在の株数で、異なる影響を持たせることを可能にする。
【0164】
・現在価格に類似した最新の価格付近のイベント・タイプ、Eprice(S)、ここで、S∈{U,D,R,S}である。Eprice(S)は、イベントがダブル景気改善であるならば、1に等しく、それ以外は0に等しい。この場合、現在価格は、過去24時間で訪れなかった。
【0165】
・関連するイベント・タイプで、現在価格付近の最新バケツで取引された量の相互作用Q×Eprice(S)ここで、S∈{U,D,R,S}である。
【0166】
・過去24時間以内のあらゆる事例で、現在価格付近で取引された驚異的な株数(BigQ)がある場合であるかどうか。我々は、その日のシンボルに対する平均の2倍よりも、量が厳密に大であるならば、驚異的に高い出来高であると考える。現在価格付近の非常に高い出来高の可変の指標は、最新の事例のイベント・タイプに対して、可変の指標と相互作用する。(BigQ×E)S∈{U,D,R,S}。(BigQ×E)は、現在価格が過去24時間以内に訪れたことがあり、そのイベントタイプの最新の事例がダブルチック(double tick)ならば、厳密に正である。
【0167】
・現在価格が以前の取引日バケツの最大または最小の出来高加重価格の近くにあるかどうか。最大(Max)と最小(Min)は、各ケースに対する指標変数である。
【0168】
・現在価格が以前の取引日バケツの最初、かつ最後の出来高加重価格の近くであるかどうか。オープン(Open)及びクローズ(Close)は、各ケースに対する指標変数である。
【0169】
現在価格が全部のドルまたは50セントの近くであるかどうか。ドル(Dollar)及び半分(Halves)は、それぞれのケースの各々に対する指標変数である。
【0170】
表2は、イベントのタイプ毎の、調査中のイベントの頻度に対応する指標変数に対して、各提案された変数の平均値のいずれをも表示する。
【0171】
イベントのタイプ毎の平均値の表
【0172】
【表2】
【0173】
取引された出来高の説明変数の提案されたセットは、線形回帰に含まれており、そのシンボルに対してその日の平均値に関連して取引された株数を予測する。特定のイベントの各々に対して、2つの直前のイベントだけは可能である。すなわち、例えば、ダブル景気改善は、他のダブル景気改善または下値支持に先導され得るだけである。この理由から、遅れたイベントに対する1つの指標変数だけが、定数がモデルに含まれるとき、定義される。関連する量に対する相互作用に関しては、2つの遅延された指標変数だけを確認することができる。
【0174】
線形評価モデルにおいて、モデルがいくつかの事例において誤って指定されるとき、例えば、正常さ、異分散さ、または大きな残余を示すいくつかの所見についての重要でない問題があるときでさえ、我々は、推定量がパラメータ推定量のサンプルからサンプルへの変わりやすさの正確な評価を与えるという感覚において強固である、変動のヒューバー/ホワイト「サンドイッチ」推定量を計算する。
【0175】
結果:表1は、最小二乗法評価の結果を表示する。調査結果は、ほとんどすべての提案された変数が取引される出来高に対する統計学的に有意の影響を有すると示す。以前のバケツで取引した量は、現在価格付近で先行するバケツで取引した量と同様に、出来高の上でかなり前向きの効果を有する。現在価格付近に出来高の以前の主要なクラスタリングがあった場合に取引された、非常に大きな量もある。
【0176】
上値抵抗線または下値支持線の近くは、取引された量への悪影響を有するが、上値抵抗線または下値支持線が再び戻されると、出来高はかなり大きくなる。さらに、一定価格付近の分岐点で取引された以前の出来高がより大きくなると、より大きいものはその価格付近の二次的なイベントの出来高への影響がより大きくなる。
【0177】
現在価格が(その価格付近のイベントの全数を超えた)分岐点として再び戻された回数の一部は、現在のイベントがダブルチック(double tick)か、分岐点であるかどうかによって、現在の出来高に対して明らかに異なる影響を有する。出来高は、価格が分岐点に再びもどされたときより低くなるが、価格がダブルチック(double tick)を通り過ぎるときにはより高くなる。
【0178】
驚くべきことに、以前の取引日の参照価格付近で取引された出来高は、価格方向の変化がある場合に高くなるが、現在のイベントがダブルチック(double tick)であるときは低くなる。
【0179】
線形回帰、被説明変数:Log[Q/avg(Q)]
【0180】
【表2】
【0181】
注1:係数は推定値であり、SEは、標準エラーである。
【0182】
注2:モノクロ階調された推定値は、5%の有意水準で統計学的に有意でない。
【0183】
線形回帰、被説明変数:Log[Q/avg(Q)]
【0184】
【表3】
【0185】
注1:係数は推定値であり、SEは、標準エラーである。
【0186】
注2:モノクロ階調された推定値は、5%の有意水準で統計学的に有意でない。
【0187】
線形回帰、被説明変数:Log[Q/avg(Q)]
【0188】
【表4】
【0189】
注1:係数は推定値であり、SEは、標準エラーである。
【0190】
注2:モノクロ階調された推定値は、5%の有意水準で統計学的に有意でない。
【0191】
線形回帰、被説明変数:Log[Q/avg(Q)]
【0192】
【表5】
【0193】
注1:係数は推定値であり、SEは、標準エラーである。
【0194】
注2:モノクロ階調された推定値は、5%の有意水準で統計学的に有意でない。
【0195】
線形回帰、被説明変数:Log[Q/avg(Q)]
【0196】
【表6】
【0197】
注1:係数は推定値であり、SEは、標準エラーである。
【0198】
注2:モノクロ階調された推定値は、5%の有意水準で統計学的に有意でない。
【0199】
80パーセンタイルに対する分位点回帰の評価からの結果は、表2に示される。証拠は、出来高の大きな累積が平均量と明らかに類似した方法で予測されることを示唆する。全ての推定値は、現在価格付近の分岐点分を除いて、最小二乗法回帰から得られる推定値より高い。これらの調査結果は、出来高の第80分位が、予想通り、平均より大きく、また、平均に比べ、各予測因子によってさらに影響を受けることを意味する。それにもかかわらず、質的な調査結果は、実質的に同じである。
【0200】
線形回帰、被説明変数:Log[Q/avg(Q)]
【0201】
【表7】
【0202】
注1:係数は推定値であり、SEは、標準エラーである。
【0203】
注2:モノクロ階調された推定値は、5%の有意水準で統計学的に有意でない。
【0204】
被説明ロジスティックス回帰: P[Reverse]
【0205】
【表8】
【0206】
被説明ロジスティックス回帰: P[Reverse]
【0207】
【表9】
【0208】
我々の調査結果は、物価水準付近の方向の変化が、その同じ価格で取引される二次的な出来高のかなりの予測因子であることを示唆する。具体的には、上値抵抗(下値支持)価格は、供給(需要)側での流動性の重要な金額の指標である可能性がある。二次的なイベントも方向の変化に終わるならば、我々は、市場の反対側が利用できる流動性を使い果たさなかったと推測することができる。我々の推定値は、この点で取引した出来高が、上値抵抗または下値支持のどちらとも確認されなかった価格で発生しているイベントで観察された出来高と同じか、それより低いので、確かに、この仮説と一致している。二次的なイベントが同じ方向における物価変動で終わる場合には、我々は、供給(需要)側で利用できる流動性が使い果たされたと推測することができる、そして、これは、取引された出来高が異常に大きかったことを意味する。双方ともに、我々の明細書は、この調査結果を支持する。
【図面の簡単な説明】
【0209】
【図1】図1は、証券を表すシンボルを有する要注意銘柄を示す。
【図2】図2は、拡大したシンボルを除く、図1の要注意銘柄を示す。
【図3】図3は、ダッシュボードを示す。
【図4】図4は、選択された戦術的アルゴリズムに対する、動作マトリクスと実行レートの表示を伴う図3のダッシュボードを示す。
【図5】図5は、フィッシュボーン(すなわち、動的な垂直価格スケール)を伴うダッシュボードを示す。
【図6】図6は、参加率アルゴリズムに対してフィッシュボーンを起動すべく所望する参加率上にシンボルを落とす操作を示す。
【図7】図7は、注文エントリ・ボックスを出すための、パイプライン・アルゴリズム上にシンボルを落とす操作を示す。
【図8】図8は、ポジション・ウインドウを示す。
【図9】図9は、全体的な進捗情報ボックスとポジション・ウインドウを示す。
【図10】図10は、取引−詳細情報ボックスとポジション・ウインドウを示す。
【図11A】図11Aは、戦略−進捗領域内の戦術更新メッセージの例を示す。
【図11B】図11Bは、戦略−進捗領域内の戦術更新メッセージの例を示す。
【図11C】図11Cは、戦略−進捗領域内の戦術更新メッセージの例を示す。
【図11D】図11Dは、戦略−進捗領域内の戦術更新メッセージの例を示す。
【図11E】図11Eは、戦略−進捗領域内の戦術更新メッセージの例を示す。
【図11F】図11Fは、戦略−進捗領域内の戦術更新メッセージの例を示す。
【図11G】図11Gは、戦略−進捗領域内の戦術更新メッセージの例を示す。
【図11H】図11Hは、戦略−進捗領域内の戦術更新メッセージの例を示す。
【図12】図12は、マルチシンボル内の実行中の注文でのポジション・ウインドウを示す。
【図13】図13は、マルチ実行アルゴリズムでのポジション・ウインドウを示す。
【図14】図14は、ポジション・ウインドウ・ツールバーを示す。
【図15】図15は、パイプライン実施例におけるポジション・ウインドウ・ツールバーを示す。
【図16】図16は、ポジション・ウインドウから起動される実行中のアルゴリズムに対する、(実行中のアルゴリズム及び現在の入札/買値に対する指値を示す)フィッシュボーンを示す。
【図17A】図17Aは、アルゴリズム動作パラメータを変えるために用いられる、実行中のフィッシュボーンから起動される注文ボックスを示す。
【図17B】図17Bは、アルゴリズム動作パラメータを変えるために用いられる、実行中のフィッシュボーンから起動される注文ボックスを示す。
【図18】図18は、ポジション・ウインドウ・ツールバーから起動された実行中のアルゴリズムに対する(未決及び満たされた注文を示す)フィッシュボーンを示す。
【図19】図19は、ポジション・ウインドウ・ツールバーから起動された実行中のアルゴリズムに対する(ブックの効果的な深さを表している流動性ラインを示す)フィッシュボーンを示す。
【図20】図20は、「ディスプレイ・ベンチマーク・モニタ・ダイヤル」を伴う戦略−進捗領域におけるフィッシュボーンを示す。
【図21】図21は、ベンチマーク・ダイヤルが非活動である状況における、戦略−進捗領域におけるフィッシュボーン下のベンチマーク・ダイヤル領域を示す。
【図22】図22は、数値指標が貼り付けられた、戦略−進捗領域内のフィッシュボーン下で動作中のベンチマーク・ダイヤルを示す。
【図23】図23は、グラフィック指標が貼り付けられた、戦略−進捗領域内のフィッシュボーン下で動作中のベンチマーク・ダイヤルを示す。
【図24A】図24Aは、一連の実行中のベンチマーク・ダイヤルを示す。
【図24B】図24Bは、一連の実行中のベンチマーク・ダイヤルを示す。
【図24C】図24Cは、一連の実行中のベンチマーク・ダイヤルを示す。
【図24D】図24Dは、一連の実行中のベンチマーク・ダイヤルを示す。
【図24E】図24Eは、一連の実行中のベンチマーク・ダイヤルを示す。
【図24F】図24Fは、一連の実行中のベンチマーク・ダイヤルを示す。
【図25】図25は、ベンチマーク・ダイヤルから市場コンテキストへフリップするための「車形の」矢印の使用を示す。
【図26】図26は、市場コンテキストの例を示す。
【図27】図27は、好ましい実施形態を実行可能なシステムを示すブロック図である。
【図28A】図28Aは、本発明の概要を示すフローチャートである。
【図28B】図28Bは、本発明の概要を示すフローチャートである。
【図28C】図28Cは、本発明の概要を示すフローチャートである。
【図29】図29は、トレーダがアルゴリズムの速度を制御可能である、好ましい実施形態の変形例を示すスクリーンショットである。
【図30】図30は、トレーダがアルゴリズムの速度を制御可能である、好ましい実施形態の変形例を示すスクリーンショットである。
【図31】図31は、トレーダがアルゴリズムの速度を制御可能である、好ましい実施形態の変形例を示すスクリーンショットである。
【図32】図32は、トレーダがアルゴリズムの速度を制御可能である、好ましい実施形態の変形例を示すスクリーンショットである。
【図33】図33は、トレーダがアルゴリズムの速度を制御可能である、好ましい実施形態の変形例を示すスクリーンショットである。
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年4月28日出願の米国仮出願手続き特許出願No.60/795,646と、2007年4月6日出願の米国特許出願第11/783,250号に対する優先権を主張するものであり、参照によってここに盛り込まれる。
【0002】
本発明は、金融業界のアルゴリズム取引、及び、特に、そのような取引をユーザに管理させるためのグラフィカル・ユーザ・インターフェースに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、十進法化(decimalization)と市場断片化の組合せは、金融業界におけるアルゴリズム取引の著しい増大を引き起こした。タワーグループ(Tower Group)は、アルゴリズム取引を「モデルの論理のパラメータ及び制約(constraints)により定められた目標を基に、注文のタイミングやサイズを自動的に生成する数量モデルに対して、規定量の買い又は売り注文を出すこと」と定義している。数多くのトレーダは、流動性プールの拡大、かつてないほどに縮小した発注規模、及び「ペニージャンピング(penny−jumping)」に対処するために、より低コストで理論的により効率的な方法として、アルゴリズムに着目している。セレント(Celent)・コンサルティングは、アルゴリズム取引によるものと考えられる全体的な取引高が2005年の14%から2008年には25%に増加する、と予測する。もっともなことだが、アルゴリズム取引に対する関心の増加には、アルゴリズム取引製品を提供する多くの金融会社及びサードパーティベンダにおける劇的な変動が伴っている。
しかし、このアルゴリズム取引の拡大にもかかわらず、アルゴリズムを選択、管理及び評価するプロセスに対して不安を抱えるトレーダがまだ多く存在する。このアルゴリズム取引に対する不安は、多くの要因によるものであると考えられる。一例として、トレーダには、アルゴリズム取引の利益を最大限に引き伸ばすレベルのトレーニング又は技術的支援が提供されていない。企業は、トレーダが自由にアルゴリズムを選択し、管理し、評価するのを助けるためのインタラクティブな電子ツールを用意することなく、スタンドアロン製品としてそれらのアルゴリズムを販売している。その結果、トレーダは自身が間違ったアルゴリズムを選択していることに気づくことも多く、また適切なものを選んだとしても、実行してすぐに、正しく管理できないことに気づく。実際、用いているアルゴリズムが彼らのベンチマーク以下の働きしかしないとトレーダが言うことも多い。この不十分な働きがアルゴリズムに起因するものなのか、それとも、それを適切に使用できないトレーダの能力不足によるものなのかは明らかではないが、多くのトレーダが、アルゴリズムの能力が従来方式で得られる実行品質に匹敵するかどうか懐疑的であるのは明らかである。
【0004】
第2に、ユーザによる入力及び管理がより少ない複合アルゴリズムの使用は、トレーダにとっては、コントロールが失われることを必然的に意味する。これらの複合アルゴリズムを使用する際に、トレーダは、どのように機能するかのロジックを明らかにすることなく入出力する不透明なシステム(ブラックボックス)に、彼らの注文を手渡すことを強いられている。この透明性の欠如は、アルゴリズムの論理が知られているかあまりに明らかなときに起きうるような情報漏えいを防ぐのを助ける一方、トレーダを仲介せず、彼の実行の性質と品質に関する重要な情報を与えない。その結果、これらのより複雑なアルゴリズムを使用する多くのトレーダは、それらの注文が市場にどのような影響を与えるかを観察する能力を失う。これらの観察がなければ、トレーダは、人間のトレーダとして加わる真の価値、つまり「市場感覚」から遠ざけられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アルゴリズムの眺望に欠けていたものは、複雑な取引戦略の自動化を可能にし、市場原動力、マーケット・インパクト、及び注文実行に関するリアルタイム・フィードバックをユーザに提供するための簡易で、直観的なインターフェースを使用するシステムである。既存の先行技術は、この必要性について取り上げようとしたが失敗し、理解するのが難しく、ナビゲートするのがより難しくさえある情報を伴う、テキスト・ヘビー・ユーザ・インターフェースだけを提供する。
【0006】
本発明の目的は、上述した欠如を埋めることにある。
【0007】
本発明の他の目的は、自動化され、簡単なドラッグ&ドロップ操作を通して、マルチ・アルゴリズム取引戦略を市場参加者が開始することを可能にする、自動化されたアルゴリズム選択機能に加えて、グラフィック・ユーザ・インターフェースを用いることにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、トレーダの注文実行、及びそれらの注目実行によって生じるマーケット・インパクトの双方についてトレーダ・リアルタイム・フィードバックを与えることにある。
【0009】
単純化された開始、及びリアルタイム・フィードバックの主題のシステムの組合せは、共に、複雑な取引戦略の自動化への「ユーザ中心」のアプローチをトレーダに提供する。このように、主題のシステムは、人間が取引プロセスにもたらす価値に取って代わるものではなく、むしろそれを高める。すなわち、変化する市場状況のリアルタイム視覚表示を通して、トレーダの注文が市場にどのように影響を与えるか、トレーダのアルゴリズムで戦略がどのように用いられるか、及び、それらの戦略によって生じるマーケット・インパクトのレベルがどの程度であるか、という市場上のトレーダの眺望を限定するものではなく、それらをむしろ拡大する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した他の目的を成し遂げるために、本発明は、トレーダの自動化された取引実行に関するリアルタイム・フィードバックをユーザに提供する一方、導入及び管理するためのアルゴリズムのタスクを単純化することによって、アルゴリズム取引のプロセスを向上させるための方法を導く。主題のシステムの好ましい実施形態は、既知のアルゴリズム取引製品の制限を、(1)ドラッグ&ドロップ操作を通して、複雑なマルチ・アルゴリズム取引戦略を始めるために、単純で、直観的なグラフィック・インターフェースを市場参加者が用いることを可能とし、(2)リアルタイムで情報的なマーケット・インパクト・コストを監視することをユーザに可能とし、(3)ユーザの入力に従って、アルゴリズムの選択、管理、及びキャンセルを自動化し、(4)注文活動、主題のシステムの活動アルゴリズムによって用いられる実行戦略のタイプ、及び、情報漏えいによる市場影響コストの追加を引き起こすことなく、問題なく成し遂げられる最大実行レートを自動的に表示する、視覚的表示を市場参観者に提供し、(5)ベンチマークに対してリアルタイムで取引ポジション及び市場ポジションの双方をモニタすることをユーザに可能とし、(6)市場のより大きなコンテキストの範囲内で特定の株が合致するところについての見通しをユーザに提供する、ことによって解決する。
【0011】
マーケット・インパクトに関する1つの重要な定義は「Doyne Farmer、Neda Zamani、 “Mechanical vs. informational components of price impact, ” http://www.santafe.edu/research/publications/workingpapers/06−09−034.pdf」から提供されたものである。発明者は本発明に用いるためのマーケット・インパクトに対してこの定義を選択したが、ここで特に留意すべきことは、この定義に代わる、マーケット・インパクトに対する機能的な定義が他に多く存在し、それらが本発明の範囲及び精神によってカバーされるということである。
【0012】
ファーマーとザマニ(Farmer and Zamani)の論文においては、「買い注文が価格を上げ、売り注文が価格を下げる、というように取引が価格に影響を与えることはよく知られている」と言及されている。しかしながら、彼らはそのあと「マーケット・インパクト」の概念を、2つの別個の要素、すなわち機械的及び情報的な影響に分解している。機械的な影響は、「あるイベントが取り除かれ、他の全てのイベントが一定の状態に保たれたときの中間点の価格における変化の観点から」定義されており、これは、機械的な影響が、単にそのイベントの存在による必然的な価格変化であることを意味する。一方、情報的な影響は、機械的な影響によっては説明できない全体の影響の一部、つまり取引戦略において最も変化に影響を受けやすい、マーケット・インパクトの構成要素であると定義する。
【0013】
発明者は、ファーマーとザマニ(Farmer and Zamani)が説明した機械の影響と情報の影響の間の概念上の相違に同意しており、以下から、文言「マーケット・インパクト」が本件で用いられるとき、情報的なマーケット・インパクトを言及していることとする。ただ、ファーマーとザマニ(Farmer and Zamani)は、多くの実験に基づく「事実後の」平均値として、マーケット・インパクトを定めているが、本発明者は、情報的なマーケット・インパクトが、アルゴリズムの実行レート偏差、または、アルゴリズムの期待される実行レートとその実際の実行レートとの間の差異を追跡することによってもリアルタイムで測定され得ることを提唱する。
【0014】
この提唱により、実行レート偏差が情報的なマーケット・インパクトの代用として用いることができるという推測が可能となる。本発明者は、これが有効的な相関関係であると考えている。なぜなら、不意の低実行レートは、通常、他の市場参加者がアルゴリズムの発注活動に起因する公正価格の認識を変化させているという、有効的で最も明白な兆候だからである。異常な実行レートは、株の価格に影響している外生要因に論理的に起因すると考えられる。その最も一般的なものは、市場における未決または潜在的な取引についての情報漏えいである。それらの情報漏えいは、取引異常における最も一般的な要因である。なぜなら、漏えいが生じると、それにより、潜在的な価格モーメントの間違った側につくことを恐れるカウンターパーティを阻み、同時にこれらの同じ潜在的な価格モーメントで利益を得ることを望む潜在的な競争相手を奨励するため、注文を満たすことがより難しくなるためである。この結果、情報漏えいは、しばしば、漏えいがなければそうなるであろうと予想された値以下又は以上に、実行レートの減少又は増加を生じる。一方、実行レートが普通であれば、情報が漏えいしていないと仮定することは論理的であり、またその場合、漏えいは、潜在的な取引相手を阻んだり、潜在的な競争者を奨励したりするほどの効果を有するほど重要なものとはならない。
【0015】
実行レート異常と情報漏えいと間のこの高い相関関係のため、主題のシステムは、マーケット・インパクトのリアルタイム指示として、そのアルゴリズムの期待される実行レートと実際の実行レートとの間の差分のリアルタイム測定を依存する。より詳しくは、実際の実行レートが、市場の現況を与える、期待されるレート以下の1つの標準偏差より大でないならば、重要なマーケット・インパクトを及ぼすに十分な取引情報は漏えいしていないとして、主題のシステムはアルゴリズムを「成功」とみなす。一方、期待される実行レートと実際の実行レートとの間の差分が、1つの標準偏差より大であるならば、主題のシステムは、注目すべきマーケット・インパクトを及ぼす十分な情報漏えいが生じるとして、アルゴリズムを「失敗」みなす。結果として、この測定は、戦術が成功しており実行中のままにすべきかどうか、または、失敗し更新することが必要であるかどうかのような示度として有益である。そのような更新の必要性を最小にするために、主題のシステムは、アルゴリズムの注文に対する市場反応を含むリアルタイム市況情報に基づく戦術的な失敗を先取りすべく、予測モデルを利用し、可能な場合はいつでも、失敗することを見つける前に、戦術を更新する。
【0016】
戦術の実行レートは、それが作動中だった時間間隔にその戦術によって実行された、占有率(shares)の数として定義され、同じ時間間隔でテープに印刷された総占有率によって分割される。戦術のアルゴリズムによって使用される戦術の各々に対して、期待される実行レートを決定するために、一実施形態において、主題のシステムは、まず、当業者によく知られているテクニカル分析アルゴリズムを用いている技術的な値動き指標の現在値を決定する。それから、データベースに格納されているテーブル内の、値動きが現在値の5%以内にあったときに達成された履歴平均参加率を調べる。このデータベース・テーブルには、過去の取引の記録が配置されており、取引開始時点で達成された参加率と勢いとが、各々のケース毎に格納されている。他の実施形態では、ニューラルネットワーク、線形回帰モデル、または当該技術の周知の他の予報モデルのような、多変量モデルを含む他の予測モデルが、市場の現況の定量的な表現を、与えられた戦術に対する期待される実行レートにマッピングするために使用され得る。
【0017】
一度でも戦術的アルゴリズムが動作すると、その実際の実行レートは、テープに印刷された総占有率によって分割されたアルゴリズムによって実行される占有率を計算することによって決定される。主題のシステムにおいて、予想される実行レートは、1分より長いか、テープ上の5つの印刷を含むインターバルの最後での実際の実行レートと比較される。2つの数値間の差分がある標準偏差より大きい場合、主題のシステムは、戦術を調整するか、キャンセルし、しかるべく新しい戦術を選択する。代替の実施形態は、この実行レート測定の指数関数的に減衰する移動平均を用いる。重要な点として、主題のシステムも、アルゴリズム注文に対する市場反応を監視し、この条件付け情報に基づく低実行レートの可能性を予測することにより、戦術的な失敗を予測する。低レートの可能性が予め設定された閾値を超えるならば、主題のシステムは、先制して、戦術を調整するか、キャンセルし、しかるべく新しい戦術を選択する。市場反応の指標は、アルゴリズム注文のすぐ後の第三者による発注額、反対側の注文のキャンセルまたは実行、あるいは、逆価格変動を含む。当業者は、実際の監視が、どの戦略が選択されたかに基づく予想をいつ無効にするかを検出するための他の方法を容易に想像するであろう。
【0018】
加えて、ここで述べられる主題のシステムの好ましい実施形態は、金融、特に株式市場での使用を主として言及されているが、本発明は、先物取引及びオプション、物資、航空券、製造部品、または、電子マーケットで交換される他のいかなる代替可能なアイテムのような金融デリバティブにも限定されず、大口注文が複数の小口注文に分解可能である、金融市場を超えた産業の範囲に適用可能である、ということに留意されたい。
【0019】
本発明の好ましい実施形態は、図面を参照して詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の好ましい実施形態は、図面を参照して詳細に説明される。ここで、全体を通して符号により構成要素、またはステップを参照する。
【0021】
主題のシステムで使用される戦略的及び戦術的アルゴリズムの定義:
戦術的なアルゴリズムは、総量が完了されるまで、小口買いまたは売り注文を繰り返し出すことによって大口注文を実行するためにコンピュータ化されたプロセスである。ここで、アルゴリズムは、特定の市場状況に最も効果的であるべく最適化される。このように、戦術的アルゴリズムは、現在の市場環境での情報を持ったマーケット・インパクトを最小化するような限定された戦術的な目的で、おそらく注文の全てではなく、一部を実行するために呼び出される。戦略的アルゴリズムは、プロセスが常に最適に機能することを確実にすべく、市場状況に従って、1つ以上の戦術的アルゴリズムを呼び出すことによって大口注文を実行するためにコンピュータ化されたプロセスである。戦略的アルゴリズムは、全ての注文を実行するために、かつ、全ての注文に対する全マーケット・インパクト・コストを最小化するような戦略的な目的を維持するために呼び出される。
【0022】
好ましい実施形態において、ユーザは、トレーディング戦略のために使用するアルゴリズムを決める際に、「戦略的」アルゴリズムの選択と「戦術的」アルゴリズムの選択とのどちらかを選ぶことができる。本アプリケーションの目的のために、「戦略的」アルゴリズムは、どのアルゴリズムが特定の市場状況、または市場状況における特定の変化に応じるために最適であるかを指図する、前もってプログラムされた論理によって、戦術的アルゴリズムのグループを、自動的に選択、開始、及び管理することができるアルゴリズムを定義する。好ましい実施形態の場合、主題のシステムは、3つの戦略的アルゴリズムを提供する:「適合」アルゴリズム、「実行レート」アルゴリズム、及び「パイプライン」アルゴリズム。
【0023】
好ましい実施形態において、全3つの戦略的アルゴリズムは、既存の市場状況に与えられたユーザの注文を満たすための最適なアルゴリズムを選択し、開始するために、サマリ部分で定義したように、期待される実行レートを使用する。それから、全3つの戦略的アルゴリズムは、選択された戦術的アルゴリズムが成功して「オン」のままにすべきか、失敗して「オフ」にしなければならないかの指標、すなわち、サマリセクションで定義された、期待される実行レートと実際の実行レートとの間の差分として、マーケット・インパクトの測定を使用する。しかしながら、好ましい実施形態が、戦術的アルゴリズムの選択と管理を駆動するために、実行レート及び実行レート異常を用いる戦略的アルゴリズムを用いる一方、熟練者は、戦略的アルゴリズムが、戦術的アルゴリズムの利用可能な世界を選択し、管理するプロセスを運用するために他の論理、及びフィードバック機構を使用するという実施例を容易に想像することができるであろう。
【0024】
戦略的アルゴリズムが、変化する市場状況に対して、完全なトレーディング戦略を開始し、そして管理することが可能なアルゴリズムである一方、戦術的アルゴリズムは、前もってプログラムされた命令に従って、一連の慎重な注文を出し、管理することができるだけである。戦術的アルゴリズムの具体的な例は、入札に100株を提示し、2分後に満たされないならばキャンセルし、全ての所望する量が購入されるまで新しい入札に再度提示するアルゴリズムである。したがって、戦術的アルゴリズムは、市場からのイベント及びデータにどのように反応するかで特徴付けられる1つの動作を続ける、比較的単純なアルゴリズムである。
【0025】
戦略的アルゴリズムと戦術的アルゴリズムの差異に注目することは重要である。ユーザが戦略的アルゴリズムを選択するとき、ユーザは、どの戦術的アルゴリズムが既存の市場状況にとって最適であるか決める必要がなく、また、ユーザは、市場動向として、戦術的アルゴリズムの攻撃性のレベルを管理する必要がない。トレーダが戦略的アルゴリズムを使用するとき、ユーザが用意する必要がある、唯一の情報は、ユーザのトレーディング・パラメータ、例えば、サイズと価格である(但し、限定されない)。一方、トレーダが戦術的アルゴリズムを使用するとき、トレーダは、アルゴリズムを選択し、かつ、アルゴリズムの動作に対するパラメータを設定しなければならない。加えて、トレーダは、市場状況の変化とともに、戦略を維持するために、それらの動作パラメータを手動で変更しなければならない。
【0026】
主題のシステムの戦略的アルゴリズム:
【0027】
前述したように、主題のシステムの好ましい実施形態は、ユーザに3つの戦略的アルゴリズム:適合アルゴリズム、実行レートアルゴリズム、及びパイプライン・アルゴリズムを提供する。戦略的アルゴリズムとして、適合アルゴリズムは、2つのゴールにまとめることができる戦略に合わせて、一組の戦術的アルゴリズムの選択、及び管理を自動化するために、サマリセクションで定義されたように、マーケット・インパクトの測定を用いるアルゴリズムであり、注文が完了するのを確実にし、かつ、注文が機能している間にマーケット・インパクトを最小化する。
【0028】
これらの高水準のゴールを注文実行に変換するために、適合アルゴリズムは、どの戦術的アルゴリズムが現在の市場にとって最適であるかを決定するために、また、その戦術的アルゴリズムに対する動作パラメータの一組を明確にするために、期待される実行レートの計算を用いる。これらの動作パラメータは、限定されないが、指値と攻撃性レベルとを含む。それから、一度、選択された戦術的アルゴリズムは、注文を出すことを開始する。主題のシステムは、市場状況及びアルゴリズムの実際の実行レートとの双方の変化を監視し、その動作パラメータを調整し、あるいは、注文実行レートが適合アルゴリズムの2つの主要なゴールと一致した状態を保つことを確実にする新たな戦術的アルゴリズムを選択する。より詳細には、適合アルゴリズムは、実際の実行レートが、期待される実行レートと実際の実行レートとの間の大きく不適当な組合せが情報漏えいの影響であるという仮定に基づいて、期待される実行レートより下の1つの標準偏差、または上の2つの標準偏差より低下しないように、その戦術的アルゴリズムを選択し、それから管理する。さらに、それは、5%以下の実際の実行レートに終わる、いかなる戦術的アルゴリズムでも常に終了する。
【0029】
その制御の世界の中における戦術的アルゴリズムの各々に対して既存の市場状況の中で期待される実行レートを計算するために、適合アルゴリズムは、コンピュータのメモリに格納されているテーブルから引き出した技術的な値動き指標の現在値を用いる。このテーブルを配置するために、過去の取引の歴史的データベースは、値動きの値の様々な範囲に対する、各戦術の歴史的な平均レートを計算するために用いられる。それから、一度、適合アルゴリズムは、その戦術的アルゴリズムの各々のために既存の市況の中で計算される予想実行レートを含むこのテーブルにアクセスする。それは、予想される実行レートの勢いにおけるわずかな影響を測定するために、そのような予想されるレートを上記戦術的アルゴリズムの全体の実行平均レートと比較する。現在の市場状況を与えられた予想レートと、この戦術に対する全体の平均レートとの差分は、以下でレート異常と呼ばれる。適合アルゴリズムは、最低レート異常を有する戦術的アルゴリズムを選択し、相関関係によって、マーケット・インパクトの最低レートを選択する。戦略的アルゴリズムは、それらの設計された実行レートに応じて、「緩慢」、「通常」、及び「活発」に分類される。最低レート異常での「通常」レート戦術の期待されるレートは、「赤線」レートとして以下に言及される。それは、他の市場参加者によって容易に見つけることが可能なアルゴリズム取引活動なしに達成可能な最も高い予想レートの代用の1つである。
【0030】
一度、戦術的アルゴリズムが動作すると、実際の実行レートは、1分間隔の終わりに予想される実行レートと比較される。実際の実行レートは、テープに印刷された総株によって割られる、戦術的アルゴリズムによって実行される株によって決定される。通常、百分率で提供される。もし、実際の実行レートが、予想から、1つの標準偏差より下がるか、2つの標準偏差より上がるならば、その特定の戦術的アルゴリズムは、無力化され、上述したように、同じメカニズムによって選択された新しい戦術的アルゴリズムによって置き換えられる。それを2回続けて同じ戦術的アルゴリズムを選択することから防ぐために、適合アルゴリズムは、3つの最近無力化された戦術を記憶し、それらは、選択された最後の3の戦術的アルゴリズムのリストにある限り選択されない。適合アルゴリズムの本実施例では、戦術的アルゴリズムの選択及び管理を動作させるためのメカニズムとして、実行レート異常の測定を用いているが、当業者によって想定される戦術的アルゴリズムを選択するための他のメカニズムもまた適用される。
【0031】
「実行レート」アルゴリズムもまた、戦略的アルゴリズムである。しかしながら、適合アルゴリズムの目的が、最小のマーケット・インパクトに基づく、取引戦略を自動化することにある一方で、(現在の市場状況を与える戦術のために実際の実行レートと期待される実行レートとの間の差分として測定される)、実行レートアルゴリズムの目的は、ユーザが快適であるように、マーケット・インパクトの特定のレベルに従って、取引戦術を自動化する柔軟性をユーザに与えることにある。例えば、実行レートアルゴリズムは、注文を完了させるために多くの時間を有し、適合アルゴリズムの所定の参加率目標(例えば、20%実行レート)より低い実行レートを用いることを望むトレーダか、あるいは、マーケット・インパクトについて心配せず、より短い時間枠でもっと行うためにより活動的な実行レートを受け入れる気があるトレーダにとって理想的であるであろう。
【0032】
適合アルゴリズムのように、実行レートアルゴリズムは、戦術的アルゴリズムの領域を選択し、管理するために、サマリ部分で定義されたように、マーケット・インパクトの測定を用いる。しかしながら、ユーザが実行レートアルゴリズムを開始すると、主題のシステムは、ユーザの所望する実行レートが適合アルゴリズムに対して示された値(上記例では20%)であると仮定しない。代わりに、ユーザが実行レートアルゴリズムを開始すると、ユーザは、5%から最高40%のいずれかで、期待される実行レートに対する彼の嗜好を選択しなければならない。それから、一度、ユーザが所望する実行レートを示すと、主題のシステムは、既存の市場状況を与えるユーザの入力に最も適合する、戦術的アルゴリズム、及び関連した動作パラメータを選択する。再び、主題のシステムは、サマリ部分で、かつ適合アルゴリズムの動作処理の説明で述べた利用可能な戦術的アルゴリズムの各々に対して期待される実行レートを計算するために、同じ方法を用いる。
【0033】
それから、戦術的アルゴリズムが注文を出すことを開始すると、主題のシステムは、1分間隔のインターバルの各々の終わりで、テープに印刷された総株によって除算された、戦術的アルゴリズムによって実行される株数によって決定される実際の実行レートを監視する。それから、ユーザによって選択された、期待される実行レートと実際の実行レートとを比較し、もし、2つの間の差分が1つの標準偏差より大であれば、実行レートアルゴリズムがユーザによって選択されたレートを維持することを確実にするために、動作パラメータ、及び/または、用いられる戦術的アルゴリズムを調整する。
【0034】
パイプライン・アルゴリズムは、主題のシステムの第3の戦略的アルゴリズムであるが、パイプライン代替取引システムに係る実施例で利用可能とするだけである。パイプライン取引システムの用途に適用される主題のシステムの実施例を参照する、本願の図、実施例、及び構成要素は数多くあるが、主題のシステムは、いかなる私設取引システム、または取引プラットフォームに対する補助的手段として動作するよう設計されていることに留意すべきである。また、パイプラインに対して開発された実施例からの例の使用は、主題のシステムの範囲、または応用を限定しない。
【0035】
パイプライン・アルゴリズムの目的は、特定の状況になったときに、パイプライン取引システム上に大口注文を発行する戦略を、ユーザが始めるのを可能にする。例えば、ユーザは、パイプライン上に大口注文を発光するか、キャンセルしたいとき、特定の価格、または価格幅を指示することができる。ユーザは、また、大口注文がいっぱいになった後、補充される頻度と同様に、発行された大口注文のサイズを指定することができる。加えて、パイプライン・アルゴリズムは、同じシンボル内の主題のシステムを通して実施されるユーザの他のアルゴリズム的活動で、パイプライン上の大口注文のエントリ、及びキャンセルを調整することをユーザに可能にする。
【0036】
最後に、トレーダがパイプライン・システムに応答しなければならない回数をさらに減少するために、トレーダはパイプライン・アルゴリズムを用いて、NBBOの範囲内であるが基準価格で実行することができなかった受動的な反対申込の自動的な受け入れに指値を設定することが可能で、及び/または、中間点の外にある取引、例えば、現行の売呼値が10分追跡の平均価格より下である場合などの取引を受ける意思がある特定の状況を指定することができるようにすることも可能である。また、当業者に想定することができる他の価格検証方法取引を用いることも可能である。
【0037】
加えて、当業者は、ここに含まれないが、本発明の範囲と精神とがカバーされるパイプライン・システム上の取引に関連する他の受注構成要素を想定することができる。適合アルゴリズム、参加率アルゴリズム、または如何なる戦術的アルゴリズムのいずれかを共に用いるとき、パイプライン・アルゴリズムは、ユーザが主題のシステムの他のアルゴリズム提供物を通じて、多少の増加量で注文を出す間、ユーザが大口注文(block cross)に対する機械を逃さないことを可能とする。
【0038】
最後に、好ましい実施例では、これら3つの戦略的アルゴリズムのみを取り入れるが、主題のシステムと関連した、または第三者(例えば、ブローカ及び独立ベンダ)によって提供された他のアルゴリズムを含む他の実施例、及び当業者によって容易に想定できる実施例は、本発明の範囲及び精神に含まれることは留意されるべきである。加えて、当業者は、主題のシステムが、第三者のアルゴリズムのセットとの間で選択、管理、及び切り替えをするため、主題のシステムの独自の戦術的アルゴリズムの範囲で選択、管理、及び切り替え可能なように、適合アルゴリズム及び実行レートアルゴリズムによって用いられる同じメカニズムを採用する戦略的アルゴリズムを含むという実施例をも想定できる。そのような戦略的アルゴリズムは、既存の市場状況の下において、注文を出すことによく適合する、数百もの支援されたブローカ/第三者アルゴリズムのいずれかを選択しなければならないというユーザ必要性をユーザーから排除し、むしろ、ユーザは、注文パラメータ及び市場状況が時間とともに進化するように、第三者アルゴリズムとのセットの間で選択し、切り替えることに関して、主題のシステムのリアルタイム選択及び管理メカニズムに頼ることができるであろう。
【0039】
主題のシステムの戦術的アルゴリズム:
【0040】
上述した「戦術的」アルゴリズムに加えて、主題のシステムは、ユーザに戦術的アルゴリズムの選択をも提供する。これら戦術的アルゴリズムへの直接アクセスは、注文入力を自動化するためにアルゴリズムを使用したいが、戦略的アルゴリズムに戦術的アルゴリズムの選択及び管理を切り替えたくないユーザに対して提供される。先に定義したように、戦術的アルゴリズムは、プリプログラムされた命令群の1つのセットに従って、注文を出したり、キャンセルしたりすることに関するアルゴリズムである。戦術的アルゴリズムの選択を用意することは、注文の配置及びキャンセルについてのより高い程度の制御を維持する一方、ユーザに取引を自動化することを可能にする。ユーザが戦術的アルゴリズムを用いるとき、アルゴリズムを選択し、アルゴリズムの動作に対するパラメータを設定しなければならないことに注目することは重要である。加えて、ユーザは、市場状況が変化したときユーザの戦略を維持するために、3つの動作パラメータを手動で変更しなければならない。主題のシステムは、ユーザに、以下でより詳細に説明される、単純なドラッグ&ドロップ操作を通して、3つのパラメータを設定し、変更することを可能にする。
【0041】
しかしながら、これらの戦術的アルゴリズムの使用が、ユーザからより大きな関与を要求する一方、トレーダは、同じ株式に対して、複数の戦術的アルゴリズムを始めることによって、複雑な取引戦略を自動化するために、これらの戦術的アルゴリズムを使用することができる。ここに、一例を示す。ユーザは、最初に、30.55ドル以上でEBAYの800000株を買い取るために単一のアルゴリズムを起動させる。しかしながら、ユーザがそのアルゴリズムを起動した後、株が当初考えたより、より不安定であることを認識したとする。その最初の買いアルゴリズムをキャンセルする代わりに、ユーザは、市場の不安定性に適合させるために、より微妙な違いのある戦略を作成すべく、2、3の戦術的アルゴリズムを階層化することに決める。それで、オリジナルの買いアルゴリズムに加えて、ユーザは、価格が30.48ドル以下に下がったときに積極的に買うために他のアルゴリズムを加え、価格が多くとも31.57ドルに移行するときに受動的に売るために他のアルゴリズムを加え、さらに、もし価格が31.60ドルより上に移行するならば積極的に売るために他のアルゴリズムを加える。
【0042】
一度、ユーザがEBAYに対してそれらの戦術的アルゴリズムの全4つを起動すると、主題のシステムの「一本化された」セッティングは、ユーザが一体化された戦略の一部として、これら別個の戦術的アルゴリズムの全てを管理することができることを確実にする。この一本化されたセッティングは、より大きな総注文の一部として、与えられたシンボルに関連した、ユーザが起動した戦術的アルゴリズムからのあらゆる注文を取り扱う。例えば、2つ以上のアルゴリズムが単一のシンボルに関連するとすぐに、主題のシステムは、1つの総ポジション目標値に対して、自動的にそれらのアルゴリズムの各々の動作を調整する。トレーダが、本実施例ではEBAYの800000株を買うための注文である、特定のシンボルに対して、第1のアルゴリズムを起動するとき、その総ポジション目標値は、常に確立される。この調整は、全ての無条件注文、ポジション目標値、達成されたポジションの情報を取得し続けることによって好ましく可能にされ、無条件注文を加えた達成されたポジションの合計が最初の総ポジション目標値を上回らないというような方法で、市場に出されるべき新しい注文のサイズを限定する。
【0043】
買いアルゴリズム、及び売りアルゴリズムの双方が用いられる場合、所定のゴールに反対方向で動作しているこれらのアルゴリズムは、全体としては最初の総ポジション目標値を決して上回らない注文を出すように制限される。例えば、もし、ユーザの最初の総ポジション目標値がEBAYの800000株を買うことになっており、かつ、達成されたポジションがEBAYの500000株であり、そのとき、100000株が未決でいるならば(場合によっては600000株のポジションになる)、さらに3つのアルゴリズムが開始される。それから、新しい買い注文を出そうとしているアルゴリズムは、最大200000株に制限され、売りを出そうとしているアルゴリズムは、500000株に制限される。
【0044】
したがって、この「一体化された」設定の結果、主題のシステムは、特定のシンボルのために、全てのユーザが開始した戦術的アルゴリズムによって実行される注文を自動的に調整する。それらのアルゴリズムは、予めプログラムされた論理に従って、また、そのオリジナルのポジション目標値にトレーダのポジションインラインを保つという、注文を出すだけである。この特徴は、トレーダが注文ポジションを細かい点まで管理する必要なく、首尾一貫した戦略において専門化された戦術で複数のアルゴリズムを使用することを可能にする。加えて、主題のシステムは、トレーダに対して、総ポジション目標値と関連させてトレーダの進捗を追跡することができる複式の高水準の視覚的なキューを提供する(以下に詳細を述べる)。この結果、主題のシステムは、より高水準の戦略管理に対してトレーダの能力を増強している間、同時に、トレーダを細かい点に至るまで管理することから引き離すことができる。
【0045】
アルゴリズムでの決定
前述したように、ユーザは、取引戦略を自動化するために主題のシステムを用いるとき、戦略的アルゴリズム及び戦術的アルゴリズムのどちらかを選択する能力を有する。戦術的アルゴリズムの直接選択が、トレーダによるより多くの思考、及び管理を要求するので、主題のシステムは、戦略的アルゴリズムのためのこの選択を管理すべく、戦略的アルゴリズムに頼ることよりむしろ戦術的アルゴリズムを手動で選択することを決定するユーザを助ける2つのツールを含む。これらの2つのツールは、実行レート・スケールと動作マトリクスであり、これら双方は、各戦術的アルゴリズムが市場とどのように相互作用するかを理解するトレーダを助けるために設計されている。
【0046】
実行レート・スケールは、異なる戦術的アルゴリズムの各々に対して、ユーザに予想される実行レートの比較測定を用意するツールである。このスケールの目的は、利用できる戦術的アルゴリズムの各々が他の戦術的アルゴリズムと関連して、そして、予想される実行レートを表すパーセンテージ・スケールと比較して、積極性スケール上の位置するところを示すスケールを提示することによって、各戦術的アルゴリズムが相対的な基準上でどれだけ活動的かをユーザが理解することを助けることである。スケールは、ユーザにそのとき熟考しているアルゴリズムがどれであるかを確実に分からせるために黄色でハイライトされた選択された戦術的アルゴリズムとともに、ユーザが要注意銘柄から戦術的アルゴリズムの1つの上にシンボルをドラッグするときはいつでも、主題のシステムのダッシュボード(計器板)上に現れる。
【0047】
本出願の目的のために、「要注意銘柄」は、ユーザが監視することに関心がある、シンボル102のコレクション100として定義される(図1)。要注意銘柄は、要注意銘柄内のシンボル表示セルがユーザの注文(単数または複数)に関する情報にシンボルでリンクされるような手法で、ユーザの注文管理システム(OMS)に接続されてもよい。図1に示す例は、パイプライン取引システムのグラフィック・ユーザ・インターフェース(GUI)に用いられる要注意銘柄であるが、当業者によって知られている、あるいは想定されるような「要注意銘柄」の他のどのバージョンも、主題のシステムとともに用いることができる。
【0048】
ユーザが要注意銘柄の取引したいシンボル102にマウスポインタを移動させると、そのシンボルは、拡大されたシンボル202として示され、ユーザが選択しているシンボルであることが明らかにされる(図2)。そして、ユーザがその拡大されたシンボルをクリックすると、「ダッシュボード(計器板)」300が要注意銘柄の底辺に現れる。本出願の目的のために、「ダッシュボード」は、利用可能なアルゴリズムがユーザに提示される、主題のシステムのユーザ・インターフェースの構成要素である。好ましい実施例において、ダッシュボードは、主題のシステムのユーザ・インターフェースによって占有される端末の不動産量を制限するために、ユーザが要注意銘柄内の拡大されたシンボル上をクリックするときだけ現れる。しかしながら、代替の実施例では、ダッシュボードは、主題のシステムのユーザ・インターフェースがユーザのデスクトップ、または端末で開いているときはいつでも見える、主題のシステムのユーザ・インターフェースの永続的な態様である。
【0049】
図3に示す例において、ダッシュボード300は、以下の構成要素を含む。アルゴリズムのアイコンは、戦略的アルゴリズム(適合アルゴリズム302、パイプライン・アルゴリズム304、及び実行レートアルゴリズム306)のためのもの、及び戦術的アルゴリズム(名士アルゴリズム308、予備兵アルゴリズム310、スプレーアルゴリズム312、怠惰アルゴリズム314)のためのものを含む。様々なアルゴリズムは、本開示のいずれかの箇所で説明される。
【0050】
図4は、ユーザがシンボル(ここではEBAY)を、「名士」戦術的アルゴリズム、実行レート・スケール402(上述)と動作マトリクス404の双方を明示する、4つの利用可能な戦術的アルゴリズムの1つの上にドラッグしたときの様子を示す。図4が4つの戦術的アルゴリズム(「名士」、「予備兵」、「スプレー」、及び「怠惰」)を伴う1つの実施形態を描いているが、主題のシステム専用の、及び第三者によって提供された、どんな多数で、多様な戦術的アルゴリズムを伴う無制限の他の実施形態でも、当業者によって容易に想定され、本発明に包含されることを理解されなければならないことに留意すべきである。
【0051】
ユーザが戦術的アルゴリズムを選択するのを助けるための第2のツールは、動作マトリクス404である。動作マトリクスは、主題のシステムを介して利用できる戦術的アルゴリズムの特性動作についてユーザ情報を与える、主題のシステムのユーザ・インターフェースの構成要素である。これらの動作を定義している特性の例としては、注文を「ポスト(post)する」か注文を「取る」か、「予備」注文を配置するか目に見える「存在」を維持するか、注文を出すならば「ECNs」か「DOT」である。その他の例としては、「蹴る(kicks)」か「殴る(punches)」、「避ける(ducks)」か「阻止する(blocks)」、「立っている(stands)」か「走る(runs)」かがあり得る。
【0052】
上記で使用される用語は、特性記述の例だけであり、いかなる組合せ用語でも、動作を定義している要因を記述するために用いることができ、それらがトレーダのための意味を有し、アルゴリズムが異なる市場状況でどのように振る舞うかを記述するのに役立つと当然考えられることに留意すべきである。マトリクスの目的は、使用される用語を問わず、アルゴリズムの操作を動かす特定の、詳細な論理を理解することをトレーダに要求することなく、各々のアルゴリズムがどのように動作するかについてのトレーダ情報を与えることにある。
【0053】
動作マトリクスにアクセスするために、ユーザは、マウスを動かすか、戦術的アルゴリズムを表すアイコンの1つの上に要注意銘柄からシンボルをドラッグすることができる(再度、図4を参照)。ユーザがこの動作を行うと、その戦術的アルゴリズムの動作マトリクスがアルゴリズムのアイコンの後ろに現れる。例えば、図4では、ユーザは、主題のシステムの戦術的アルゴリズムの1つである、「名士(Socialite)」アイコン上にEBAYシンボルをドラッグしている。名士のアイコンの「点」がマトリクスでどのセルを占有するか見ることによって、ユーザは、要因のどの組合せがそのアルゴリズムの動作を特徴づけているかについて分かる。名士の例を見ると、ユーザは、そのアルゴリズムが注文を「取る(take)」よりはむしろ注文を「提示(post)」し、利用できる流動性に依存する「ECNs」及び「DOT」の双方に注文を配置し、さらに「予備」注文を配置することよりむしろ、市場上に目に見える「存在」を保つことを知ることになる。1つの点が二重の矢印を伴って中央のセル内で落ちるならば(この例ではそのようになる)、それは、アルゴリズムが、状況に従いその欄の範囲内で双方の特性を表示することを意味する。動作マトリクスがアルゴリズム取引において最も緊急の問題の1つ、すなわち、アルゴリズムの基本的な論理を知っている、あるいは理解しているかに関係なく、特定のアルゴリズムの一般的な動作をトレーダが理解する必要性、を解決する点に注目すべきである。
【0054】
ドラッグ&ドロップによるアルゴリズム選択、及び開始
【0055】
ユーザが、使用したい、起動する準備ができているアルゴリズムを決定したら、ユーザは、取引したいシンボルを、要注意銘柄からドラッグし、ユーザが使用したいアルゴリズムを表しているダッシュボード上のアイコン上にそれをドロップするだけでよい。ユーザにどのアルゴリズムを選択したかを確実に気がつかせるために、選択されたアルゴリズムの背景をハイライト表示する。ユーザの要注意銘柄が、好ましい実施形態における、ユーザのOMSに接続されているならば、アルゴリズムを表しているアイコン上にシンボルをドロップする、この動作は、そのアルゴリズムを自動的に起動する。この結果、主題のシステムは、トレーダに単一動作、すなわち、「ドラッグ&ドロップ」で複雑な取引戦略を開始させることを可能にする。但し、当業者によって想定できるような他の単一動作技術もまた適用される。3つの戦略的アルゴリズムの1つの上への単純なドラッグ&ドロップで、主題のシステムのユーザは、ユーザの注文入力、市場状況のリアルタイム分析、及びアルゴリズムのマーケット・インパクトへの強化フィードバックに基づいて、ユーザの注文を実行することを要求されるアルゴリズム、またはアルゴリズムの組み合わせを、自動的に選択し、移動し、かつ調整する、完全な取引戦略を発動することができる。
【0056】
これに対して、ユーザのOMSがユーザの要注意銘柄に接続されていなければ、あるいは、接続されているが自動起動機能が使用不能にされている場合、(パイプライン・アルゴリズム以外の)アルゴリズムを表すいずれかのアイコン上へシンボルをドラッグすることにより、アルゴリズムのアイコン、または動作マトリクス404の下部に「フッシュボーン(魚の骨)」502が表示される(図5)。本出願の目的のために、このフィッシュボーンは、選択されたシンボルに対する、現在の入札価格、及び申込価格を表す動的な、垂直価格スケールである。トレーダは、価格スケール上のトレーダの指値にシンボルをドロップすることができる。すなわち、それにより、アルゴリズムの指値を設定し、アルゴリズムを開始する。ユーザのOMSが主題のシステムに接続されるが、ユーザが自動起動機能を非動作としている事例においては、フィッシュボーンは、ユーザに、ユーザのOMSに含まれる指値より、より受動的であるアルゴリズムに対する指値を設定させることを可能にする。しかしながら、価格保護予防措置として、ユーザは、ユーザのOMSに含まれる指値より、より活動的であるアルゴリズムに対して指値を設定するためにフィッシュボーンを使用することはあり得ない。より活動的な指値を用意するためには、ユーザは、OMSそれ自体の範囲内でそれを変化させなければならない。
【0057】
適合アルゴリズム、または複数の戦術的アルゴリズムのいずれかを表すアイコン上のどこにでもシンボルをドラッグ&ドロップすることが、実行レートアルゴリズムを開始するか、そのフィッシュボーンを起動するために、(要注意銘柄がOMSに接続されているならば)アルゴリズムを開始するか、(OMSが要注意銘柄に接続されていないか、OMSが接続されているものの、自動起動機能が使用不能であれば)フィッシュボーンを起動する一方、ユーザは、アルゴリズムとして設定したい特定の実行レート上にシンボルをドラッグ&ドロップしなければならない(図6)。加えて、要注意銘柄がOMSに接続されていないか、あるいは要注意銘柄がOMSに接続されているものの、自動起動機能が使用不能であるという事例においては、パイプライン・アルゴリズム上にシンボルをドラッグ&ドロップすることによっては、フィッシュボーンは起動されない。その代りに、大口注文がパイプライン上に置かれるか、キャンセルされるべきときのために、ユーザがタイミング、頻度、及び(上述したように)状況に関するパラメータの全てを設定することができる注文入力ボックス700を起動する。
【0058】
要注意銘柄がもしユーザのOMSに接続されていないか、接続されているものの、ユーザが自動起動機能を使用不能にしている場合には、ユーザは、フィッシュボーン、または選択したアルゴリズムに対する注文入力ボックス内の買い(または売り)ボタンを押すことによって、アルゴリズムを起動することができる。
【0059】
アルゴリズム動作及び注文実行に関するリアルタイム・フィードバックの提供
【0060】
自動的に、またはユーザによって、アルゴリズムが起動すると、ポジション・ウインドウ800が要注意銘柄の下部のダッシュボード及びフィッシュボーンと入れ替わる(図8)。本出願の目的のために、ポジション・ウインドウは、アルゴリズムの注文活動に関するリアルタイム・フィードバック、実行中のアルゴリズムによって用いられている実行戦術、及びこれら戦術の効果/影響をユーザに提供する主題のシステムの態様として定義される。
【0061】
ポジション・ウインドウ内の第1の欄において、注文を作動しているアルゴリズムによって配置されている注文の全てをキャンセルするために用いることができるボタン802がユーザに与えられる。ポジション・ウインドウで残っている欄を左から右へと見ると、ユーザは、アルゴリズムによって作動されている注文の側面(804)、アルゴリズムによって動作しているシンボル(806)、実行されている注文に対する取引詳細のリスト(808−ユーザが双眼鏡アイコンをクリックすると、下部により詳細が現れる)、注文がどれくらい完了したかに対してどれくらい注文が満たされずに残っているか(810)、そのシンボルにおける全ての実行された注文に渡る平均価格(812)、特定のシンボルを動作させるのに用いられている、アルゴリズム、またはアルゴリズムの組(814)、及び、使用中の戦術、及び、それらの戦術が成功であるか、更新が必要であるかどうかに関するフィードバック(816)を、見ることができる。
【0062】
このポジション・ウインドウは、アルゴリズム取引製品の世界において以下の点で類がない。つまり、実際に行っていることについてのいかなる特定の情報もユーザに与えることななくユーザから信頼されることを期待するのではなく、アルゴリズムが特定のシンボル、株、それらの満たされているアルゴリズムを動作させていること、実行中のアルゴリズムまたは複数のアルゴリズムによって用いられている戦術、それらの戦術のマーケット・インパクト、及びそれら実行中のアルゴリズムの効果についてのユーザ情報を与えるために、「詳細(Details)」、「全体進捗(Overall Progress)」、「ルート(Routes)」、及び「戦略進捗(Strategy Progress)」欄をユーザに提供する。加えて、ポジション・ウインドウは、実行中のアルゴリズムを管理するために、機能性の範囲に迅速かつ容易にアクセスすることもユーザに提供する。
【0063】
「全体進捗(Overall Progress)」とラベルが付いている欄において、主題のシステムは、ユーザの注文がどれくらい完了したか、あるいは、どのくらいの注文が満たされずに残っているかのリアルタイム表記を提供するために、異なる色の動的バーを用いる。図8において、全体進捗モニタ810には、青色のバー818がアルゴリズムによって既に満たされた注文の部分を表し、オレンジ色のバー820が実行中であるがまだ満たされていない注文の部分を表し、赤色のバー822が満たされず、かつ非実行中である注文の部分を表す。この例では、青色、オレンジ色、及び赤色が用いられているが、いかなる他の色またはパターンでも同じ効果のために用いることが可能である。
【0064】
加えて、色づけされたバー818、820、822の各々は、そのバーで表わされる株数の概算値を与える起伏を含む。図示するように、青色のバー上に「>5mm」、オレンジ色のバー上に「>2mm」、そして、赤色のバー上に「>3mm」がある。これらは、図8のポジション・ウインドウのラインに表わされているEBAY注文に関して、500万を超える株が満たされ、200万を超える株が満たされず且つ実行中であり、300万を超える株が満たされず且つ非実行中であることを意味する。
【0065】
特定の注文に関して、満たされた株、実行中の満たされない株、及び非実行中の満たされない株のための概算価格を見ることに加えて、ユーザは、また、それら3つのカテゴリの各々によって表わされる、正確な株数、及び全注文のパーセンテージを見るために、全体進捗(Overall Progress)欄810を用いることができる。ユーザがスクロールして全体進捗(Overall Progress)欄810の如何なる領域でも停止させると、「市場参加警告(Market Participation Warning)」902があるかどうかに関係なく、情報ボックス900が以下の情報とともに現れる(図9)。すなわち、注文の全株数に対してアルゴリズムが満たした正確な株数、注文の全株数に対して実行中で満たされていない正確な株数、注文の全株数に対して非実行で満たされていない正確な株数、それらカテゴリの各々に対するパーセンテージ、満たされた株の全体に渡る平均価格である。
【0066】
市場参加警告(Market Participation Warning)902は、主題のシステムがトレーダに、注文上で満たされない株数が、取引日の残りのためのそのシンボルに対して、市場において主題のシステムの見積もり残数より大であるということを知らせるために用いる指標である。警告を発する必要があるかどうかに関係なく計算するために、主題のシステムは、現在時刻から市場が閉じるまでの期間に実行されると予想される株数を計算する。このために、過去60日の取引日の平均を取って、以前の期間中に取引された歴史的な平均量により、上述したように予想される実行レートを増加させる。市場参加警告は、満たされない株数が実行することが、予想される株数より少ないと発せられる。情報ボックスの下部に市場参加警告を挿入することに加えて、全体進捗(Overall Progress)欄内で満たされず、非実行の注文の部分を表す赤いバーもまた、市場参加警告があると赤く点滅する。
【0067】
総合すれば、全体進捗(Overall Progress)欄に含まれる構成要素は、ユーザの注文についての詳細な見通しを迅速にユーザに提供する。しかしながら、ユーザが実行された注文についてより詳細な情報をさらに望むならば、ユーザは、ポジション・ウインドウの「詳細(Details)」欄808に位置するアイコン上をクリックすればよい。このアイコン上でクリックすることで、「取引詳細(Trade Details)」情報ボックス1000が起動される(図10)。この情報ボックスの目的は、アルゴリズムによって実行された各注文に関する特定のユーザ情報を与えることにある。各実行された注文に対して、取引詳細(Trade Details)情報ボックスは、注文(図10において、これは適合アルゴリズムである)を実行した「戦略」、注文が実行された時刻、注文の株数、注文の平均価格、及び注文を実行した特定の戦術的アルゴリズムの名前をユーザに与える。
【0068】
いくつかの場合において、すなわち、ユーザが戦術的アルゴリズムを起動したとき、「戦略(Strategy)」情報、及び「アルゴリズム(Algorithm)」情報は、戦術的アルゴリズムが「戦略」として1組の動作にしか従わないため、同じとなる。しかしながら、ユーザが戦略的アルゴリズムを起動したときの事例では、戦略及びアルゴリズム情報は異なる。例えば、ユーザが適合アルゴリズムを起動すると、戦略(Strategy)欄は、それが動作中の適合アルゴリズムであることを反映し、一方で、「アルゴリズム(Algorithm)」欄が特定の戦術的アルゴリズムのうち大きな注文のその部分を完了するために使用した適合アルゴリズムを反映する。図9の例では、適合アルゴリズムは、注文の第1の部分を実行するために「予備兵(Reservist)」戦術的アルゴリズムを用い、一方で、注文の第2、第3の部分を実行するために「名士(Socialite)」を用いた。戦略的アルゴリズムの論理及び実行に関するこのレベルの情報を提供することは、アルゴリズム取引製品の世界において革命的な成果である。ユーザは初めて、単に「ブラックボックス」に任せることを期待されるのではなく、アルゴリズムが注文を完了するために使用している特定の戦術について知らされている。
【0069】
さらにアルゴリズムによって使われている戦術に関するより特定された情報のために、ユーザは、ポジション・ウインドウで「戦略進捗(Strategy Progress)」欄816に含まれる動作マトリクスを参照することができる。動作マトリクスは、戦術的アルゴリズムがアクティブになる前に、ユーザが戦術的アルゴリズムの特性動作をチェックすることを可能にするためにダッシュボードで用いられるが、動作マトリクスが戦略進捗(Strategy Progress)欄で用いられると、アルゴリズムが開始された後、ユーザがアルゴリズムの特性動作を見ることを可能にする。前述したように、マトリクスで用いることができる動作を定義している特性の例は、アルゴリズムが、注文を「提示する」又は注文を「取る」か、「予備」注文を配置する又は目に見える「存在」を維持するか、あるいは、「ECNs」又は「DOT」上に注文を配置するかどうかに関係なくある。
【0070】
「戦略進捗」領域816では、これらの特性の各々は、特性の名前を伴うラベルが付けられているセルによって表される。図8は、提示(Post)セル824、取得(Take)セル826、予備(Reserve)セル828、プレス(Pres)セル830、ECNセル832、及びDOTセル834を示す。特定の戦術的アルゴリズムが注文を行うと、そのアルゴリズムの戦術を定義するセルがハイライト表示され、ユーザにアルゴリズムが与えられた時間にどのような種類の戦術を使用しているかについて知らせる。例えば、ユーザが上述したように「適合アルゴリズム」を用い、自動化された選択機能が、実行中のアルゴリズムによって生じるマーケット・インパクトのレベルがあまりに高いと判断すれば、システムは、失敗している戦術/アルゴリズムを表す動作マトリクス内のセルの輪郭を赤で描くことによって、注文条件とその未決のキャンセルに適合するよう、ユーザにアルゴリズムの(または戦術の)失敗を知らせる。主題のシステムが、アルゴリズムまたはその戦術をキャンセルすると、赤色で輪郭が描かれた同じ特性が赤い背景でハイライト表示される。そして、主題のシステムが新たなアルゴリズム、または新たな市場状況/原動力により合致する戦術を選択し、起動すると、その新たな起動されたアルゴリズム/戦術の特性は、緑色でハイライト表示される。
【0071】
赤色信号と緑色信号と連携した、黒い背景ハイライトを用いて、ユーザは、どの戦術が成功であるか、更新することを必要であるか知ることができ、加えて、どの戦術が注文を完了するのに用いられているかについて知ることになる。さらに、ユーザが、主題のシステムが戦術/アルゴリズムの変化を見るたびに、ユーザには、市場特色(市場がどのようにリアルタイムで実行しているかのフィードバック)に関連する価値ある情報を与えられる。ゆえに、ユーザは、市場の変化またはまったく新しい戦術を正当化するのに十分重大な市場イベントがあったということを知ることになる。加えて、ユーザは、戦術における変化、及びその変化に対する原因があるとき、戦術的アルゴリズムが実行中であることを表示するために、戦略進捗領域を使用するという機能を使用可能にすることができる。例えば、ユーザは、「ECN上でのポスティングに対する感度のために怠惰(Sloth)へ移行せよ」と告示するメッセージを見ることになる。
【0072】
図11A乃至図11Hは、適合アルゴリズムがユーザの注文を実行している間、ユーザが見るであろうものについて一連の例を与える。図11Aは、ECN上でのポスティングに対する感度のために怠惰(Sloth)への移行を示す。図11Bは、怠惰(Sloth)動作を示す。図11Cは、ECNsとNYSEの双方を引き受けるために感度のための名士(Socialite)への移行を示す。図11Dは、名士(Socialite)動作を示す。図11Eは、軟弱市況存在のための予備兵(Reservist)への移行を示す。図11Fは、予備兵(Reservist)動作を示す。図11Gは、過剰充填レートのための怠惰名士(SlothSocialite)への移行を示す。図11Hは、怠惰名士(SlothSocialite)動作を示す。
【0073】
赤色や緑色のシグナリング機構とポップアップ・メッセージ・システムによって提供された、これら適切に単純化された効果測定に加えて、戦略進捗(Strategy Progress)欄は、より複雑で連続的な効果測定へのアクセスをユーザに提供するところまで展開することもできる。赤色/緑色シグナリングが個々の戦術又はアルゴリズムが動作しているかどうかユーザに知らせる一方で、これらのより複雑な効果測定は、全体としての戦略の総合的な成功/失敗のリアルタイム評価をユーザに提供するのに貢献する。例えば、戦略進捗(Strategy Progress)欄は、開始してからの市場における、特定のアルゴリズム参加率を表示するグラフィック構成要素を含むことも可能である。または、達成参加率、及び期待参加率の間の比を含むことが可能である。さらに、より洗練された例は、期待参加率に対する達成参加率の比の対数の絶対値であり、戦略がどれくらいよくユーザの意図されたゴールに合致しているかのよい指標である−実際レートと期待レートの間の相対的な差分の測定を提供する。加えて、当業者に既知の多くのベンチマークも含み、他の連続的な効果測定は、容易に想定されるであろう。
【0074】
しかしながら、重要な点は、主題のシステムが、取引を自動化するために、複合アルゴリズムをトレーダに使用可能にし、かつ、どのくらいアルゴリズムが機能するか、アルゴリズムが実行中であるとき、どのくらいよく機能しているかについての洞察を与えることである。他のシステムは、自動戦術切り替え、あるいは市場色フィードバックの提供のどちらも想定することができない。加えて、技術的に知られている他のシステムは、市場の現在状態を与えるのにどのアルゴリズムを用いるかを決定するトレーダを助けるために、期待される実行レートまたは期待されるマーケット・インパクトについての案内を提供することを想定することができない。
【0075】
図12は、複数株での注文を伴うユーザに対してポジション・ウインドウ800の具体的な例を与えるために用意された。図12は、適合アルゴリズムが注文を実行し、多くのシンボル全体で戦術的な調整を行っているように見える戦略進捗領域のよい例をも提供する。特に図12を見てみると、適合アルゴリズムがVLOのユーザ注文を行って、「ポスティング」注文というよりむしろ「取得(taking)」である、活動的な戦術的アルゴリズムを選択している。加えて、これらの活動的な戦術的アルゴリズムは、注文をECNとDOTに配置しているが、適合アルゴリズムは、DOTとラベルが付けられたセル内が赤色の背景によって示されるように戦術がキャンセルされるよう、DOT上に配置された注文の戦術が失敗したと確定している。
【0076】
次の注文において、CALL内のユーザの注文を行っている適合アルゴリズムは、取得(taking)注文というよりむしろ「ポスティング(posting)」であり、市場で可視「存在(presence)」を維持しているというよりむしろ「予備(reserves)」として注文を維持しているだけの、受動的な戦術的アルゴリズムを開始している。戦術的アルゴリズムが注文を出すとき、この戦術的アルゴリズムは、ECNsとDOTの双方を用いてもいる。しかし、DOTセルの周囲の赤色の輪郭は、適合アルゴリズムが戦術を調整し、DOT上に注文を出すのを停止しようとしていることを示している。加えて、この戦略進捗(Strategy Progress)ウインドウは、CALL内の「ポスティング(posting)」「予備(reserves)」注文の役割を果たすアルゴリズムが最近開始されたことを示す。これは、それらのセルの背景が緑色であるためである。
【0077】
単に、戦略進捗ウインドウを見ることで、ユーザは、注文を行っているアルゴリズムとそれらの戦術の効果の双方についての多くの情報にアクセスする。加えて、ユーザは、戦術が失敗していること、また、マーケット・インパクト許容度を考慮して成功していることを、観察と熟考することによって、市場特色及び変化する市場力学ついての価値ある情報を得ることができる。結果として、ユーザは、洗練され自動化された取引システム及び変化する市場力学の指標の双方として、主題のシステムに期待することができる。
【0078】
ユーザが特定のシンボルに対して複式アルゴリズムを起動すると、実行中のアルゴリズムの全てが、図13に示すように、「ルート(Routes)」欄814内のそれらのアイコンによって表わされることに留意されたい。各々のアルゴリズムについての他の欄によって提示される特定の情報を見るためには、ユーザは、見たいアルゴリズムを表す「ルート(Routes)」内のアイコン上をクリックするだけでよい。ユーザがそのアイコンをクリックすると、他の欄の各々に提供される情報は、その特定のアルゴリズムについての情報を反映する。
【0079】
アルゴリズムと注文管理のためのツールに対するユーザ・イージー・アクセスの提供
【0080】
戦略進捗領域の最終的な態様は、特定の注文を行っているアルゴリズムを管理するために、ポジション・ウインドウのこの部分を用いるための能力である。戦略進捗領域内のセルのいずれかにマウスポインタを合わせると、その注文に関する実行中のアルゴリズム(単数または複数)を管理するためのツールバーが現れる(図14)。このツールバーは、マウスのクリックに伴って、機能性の範囲へのユーザ・アクセスを与える。それは、注文を行っているいずれかのアルゴリズムの休止(1402)、注文を行っているいずれかのアルゴリズムのキャンセル(1404)、休止されたいずれかのアルゴリズムの再開(1406)、その注文に対する取引詳細情報ボックスの起動(1408)、実行中のアルゴリズムのためのフィッシュボーンの開口(1410)、また、「自動エントリ(AUTO−ENTRY)」の強制(1412)を行うことを、ユーザに可能にする。加えて、パイプライン代替取引システムのために設計された実施例において、ツールバーは、ユーザにNBBOで受動的な修正申し込みを受け入れることを可能にするボタン1502をも含む。
【0081】
ユーザがすぐにその次の未決注文を入力するために実行中のアルゴリズムを強制するとき、自動エントリは、そのアルゴリズムの論理によって要求される、どんな注文エントリ遅延にも優先する。この機能は、トレーダが、引き受けたいサイズがあることを知っており、かつ時刻が注文を入力するのに正しいことをアルゴリズムの論理が決定するのを待つことをしないときの事例において役に立つ。例え、トレーダが受動的なアルゴリズム、または、低参加率を伴うアルゴリズムを使用するとしても、状況がトレーダにそうすることを要求すれば、トレーダが積極的に注文をエントリする能力をまだ有することを確実とする。
【0082】
実行中のアルゴリズムのためにフィッシュボーンを開くことは、満たされた未決注文、キャンセル未決注文を見るための、またはアルゴリズムの指値を調整するための能力を、ユーザに与える。ユーザがアルゴリズムを動作させるとすぐに、自動起動を通して、あるいは、ダッシュボードのフィッシュボーン上でシンボルを下げることによって、アルゴリズムは、アルゴリズムの指値に対して、垂直価格スケールに沿って(買いまたは売りかどうか次第で)上下に広がる特定の色の垂直欄を伴ってフィッシュボーン上に視覚的に表わされる。図16の例では、EBAYの注文は、最高20セントまで買うために、指値で適合アルゴリズムによって行われている。どのアルゴリズムがフィッシュボーン1602上に表わされているかをユーザが追跡するのを助けるために、垂直欄1604の色は、ダッシュボード上のアルゴリズムのアイコンの色に合致させる。また、図16の例を見ると、欄を表している垂直アルゴリズムの色は、適合アルゴリズムのアイコンの背景に合致するよう緑色である。シンボル上で稼働している1つ以上のアルゴリズムがあるならば、欄が互いに重ならないか、覆い隠さないように、これらの垂直欄は、価格スケールの最上部(または最下部)に沿って互いに続いて配置される。これらのアルゴリズムを表している欄は、アルゴリズムを管理するために用いることができるインタラクティブなツールでもある。アルゴリズムの指値を変更するために、ユーザが必要なことは、バーの最下部(または最上部)をつかみ、新しい指値にバーを引っ張る(または押す)ことだけである。または、ユーザは、アルゴリズムを表しているバーのどこでもダブルクリックすることによって、アルゴリズムの動作パラメータを変更することができる。バーをダブルクックすることで、ユーザがその特定のアルゴリズムを設定/変更することができるパラメータの全ての情報を含むボックス1702(図17A、17B)が表示される。図17A、17Bの2つの例は、ユーザが適合アルゴリズム(第1のイメージ)、または実行レートアルゴリズム(第2のイメージ)を表している欄上でダブルクリックしたときに、ユーザに対して表示されたボックス1702を示している。
【0083】
アルゴリズムが動作すると、フィッシュボーンは、アルゴリズムの各々が配置し、実行した注文を表示する。アルゴリズムが注文を配置すると、小さなブロック1802が価格スケール上の注文のプライスポイントの隣に現れる(図18)。従って、ブロックは、1つのプライスポイントでの未決(実行中、満たされいない)株の集合を表している。ユーザは、未決注文ブロック上をダブルクリックすることによって、どのような未決注文でも手動でキャンセルすることができる。その後、注文又は注文の一部が満たされると、それらの株を表したブロック、または複数のブロックは、それらが未決注文である場合に消え、満たされた株を表す水平バー1804が現れる(図18)。
【0084】
既に言及した機能に加えて、フィッシュボーンは、売値/買値の指標、及び帳簿の効果的な深さの表現をも含む。小さな灰色の矢印(図16の1606、1608)が売値及び買値を表わす、価格メモリ上のプライスポイントの隣に現れる。一方、帳簿の効果的な深さは、現在の最適な買値以上、及び最適な入札価格以下で、各プライスポイントで利用できるであろうサイズ量を示している灰色の線分(図19の1902)として表わされている。効果的な深さは、技術的に知られているように、複数市場目標に対して集計された相場サイズとして定義され得る。しかし、帳簿の深さというこの表現は、隠れた流動性(予備注文)、または潜在的な流動性(市場にまだ配置されていなかった注文)を捕えることができない。長い間、取引社会は、集計され、表示された流動性とともに、予備で潜在的な流動性の推定値を取り入れる帳簿深さ指標の必要性を表している。主題のシステムは、様々なプライスポイントを通じて株式の価格を推し進めるために必要になる流動性の量を計算することによって、この必要性に対応することが好ましい。より詳細には、価格が20.02ドルへ上がる前に、20.01ドルの買値で取引する株数は、20.01ドルで「効果的な申込サイズ」になるであろう。この量が表示された流動性よりかなり大きくてもよい一方、表示されたサイズが束の間の相場だけであったことが分かるならば、それは表示された量より小さくなることもできる。与えられた申込価格での効果的な申込サイズを計算するために、主題のシステムは、この同じ申込価格が最適な申し込みで、かつ、最適な申し込みがその後、新しいより最適な申し込み価格になって、完全に満たされたとき、過去の最新の時刻を見つけるために、価格と相場変化を振り返る。その後、いかなる価格であっても、申し込みが利用可能である間の期間の間だけ、印刷された株をカウントして、最初の申込価格が利用できる間に取引される全株数を計算する。この全株数は、効果的な申込サイズである。それは、申込価格レベルを通して、安全のための価格を推し進めるために要求された全株数を表す。同様に効果的な売値のために、主題のシステムは、この売値が完全に消費された最新の時刻を確認し、入札価格が下がる前に取引された株数をカウントする。与えられた売値、または買値を通して推し進める同じ日に先例がないならば、主題のシステムは、効果的な売値(買値)サイズは、先例がある他の全てのプライスポイント以上の、平均的な効果的売値(買値)サイズであるとみなす。各プライスポイントでの効果的な流動性を計算するためのより精巧なモデルは、付加タイトル「流動性ダイナミックスにおける抵抗と支援の実証研究(An empirical study of resistance and support on Liquidity Dynamics)」で与えられる。与えられた売値または買値レベルを通して価格を推し進める前に実行することができるあり得る株数を推測するための他のアルゴリズムは、当業者によって想定され得る。
【0085】
「効果的相場サイズ」を計算するために、上述したように、主題のシステムは、テープに報告された取引価格及び取引のサイズを含む、あらゆる取引についての情報を含む市場プリント(market prints)のリアルタイム供給に接続されているアルゴリズムを用いる。プリント(Prints)は、複数のバケツに集計され、各バケツは、後で「買いバケツ」(次の価格動向は上がっている)、「売りバケツ」(次の価格動向が下がっている)とラベル付けされる。各バケツは、安値と高値を有する。取引される最初の2つの価格は、最初のバケツの安値と高値である。バケツが開かれている間、そのバケツのために総株数にプリントされる全ての株を加える。バケツの高値より上の(またはバケツの安値より下の)最初のプリントはバケツを閉じる。高値(安値)は、「効果的申込価格(効果的入札価格)」であり、バケツの総量は、効果的申込量(効果的入札量)である。加えて、インメモリ・ベクトルの一組は、各プライスポイントでの効果的入札サイズと効果的申込サイズの最新の値を維持する。
【0086】
「戦略進捗(Strategy Progress)ツールバー」から起動されたフィッシュボーンを閉じるには、ユーザは、ウインドウの上部右角部の「x」(1610、図16)をクリックすればよい。最後に、戦略進捗(Strategy Progress)ツールバーが用いられず、ユーザが戦略進捗(Strategy Progress)領域からマウスポインタを離すと、ツールバーは、ユーザが再びその領域にマウスポインタを合わせるまで消えている。この「消えるツールバー」は、広範囲にわたる機能性への即時のアクセスをユーザに与えるように、永続的なデスクトップ不動産の使用を要求することなく、戦略進捗(Strategy Progress)領域の範囲において役に立つ機能である。
【0087】
リアルタイム・ベンチマーク・モニタの提供
【0088】
実行中のアルゴリズムと注文実行の動作に関係するリアルタイム・フィードバックを提供することに加えて、主題のシステムは、リアルタイム・ベンチマーク・モニタをユーザに提供もする。このリアルタイム・ベンチマーク・モニタは、ユーザがこの機能を「オン」にすることを決めたならば、「表示ベンチマーク・モニタ(Display Benchmark Monitor)」ボタン(2000、図20)上をクリックすることによって、戦略進捗領域でフィッシュボーンの下部に直接表示される動的ダイヤルを通して提供される。稼働中の間、このダイヤルの目的は、ダイヤル及びその周囲領域内における空間的な方向、形状、サイズ、色、影、及びテクスチャにおけるリアルタイム変更を通じて、特定のベンチマークと比較して、トレーダの取引戦略の実績と市場の動向とに関する、視覚的に増強されたリアルタイム・フィードバックを、トレーダに提供することにある。ユーザが取引を監視するためにベンチマークをユーザがカスタマイズすることができ、いくつかの例が、限定されることなく、市場価格、市場平均価格、P&L、出来高加重平均価格、時間加重平均価格、終値、寄り付き値、または、短期乱高下の1つの標準偏差を含む点に留意されたい。
【0089】
図21は、アルゴリズムまたは複数のアルゴリズムが注文を稼働すべく注文配置を開始する前に、「非活動(inactive)」状態におけるベンチマーク・ダイヤル2100を描いている。そして、アルゴリズムがユーザの注文を稼働するために開始すると、動的ベンチマーク監視は、「非活動(inactive)」状態から「活動(active)」状態に移行する(図22)。実例となる目的のために、ダイヤルの操作の以下の説明は、ベンチマークとして、VWAP(出来高加重平均価格)を用いているが、上述したように、これはトレーダが用いることができるベンチマークの一つであり、主題のシステムの範囲または応用を限定することを決して意図してしない。
【0090】
図22の作動中のダイヤルを見ると、ダイヤルの最上部に3つの数字、「+4」、「8」、及び「−4」がある。フィッシュボーンに近接している数字「+4」は、トレーダがダイヤルにより選んだベンチマークに対してトレーダの実行の測定値2202を表す。この例は、ベンチマークとしてVWAPを用いるので、この場合、数字は、どれくらいトレーダが、いくつかの予め決めた期間を基準に、1株当たりの平均価格でVWAPに勝っているか、失っているかを表す。この特定の例では、トレーダは1株当たり4セントだけVWAPに勝っており、VWAPを失っているというよりトレーダが勝っている、という事実は、数字4の前の「+」符号と同様にフォントの緑色によって知らせる。
【0091】
ダイヤルに近接している数字「−4」は、同じベンチマークと比較した市場の現在の動向の測定値2204を表す。また、この例は、VWAPを用いているので、これは、まさにこの瞬間に、市場が1株当たり4セントだけVWAPを失っていることを意味する。そして、この失うという事実は、数字の前の「−」符号と赤色のフォントの双方で反映されている。
【0092】
そして最後に、3番目(中央)の数字は、他の2つの数字の間の広がり2206を表し、市場の現在のポジションと比較してトレーダのポジションがどれくらいかの、ユーザのために相対的な指標として役に立つ。再び、この例がベンチマークとしてVWAPを用いているので、この数字は、市場が現在取引しているところに関し、トレーダが1株基準当たりどれくらいの金額を儲けているかを表している。ここで、数字は、正の8であり、ちょうどその時、トレーダが1株当たり8セント設けていることを示している。
【0093】
それらの数字は、トレーダの平均価格と市場の現在価格(時価)を用いる計算を表すので、それらは、市場のポジションとトレーダの総ポジションの動向とともに変化する動的測定基準である。加えて、それらの数字によって知らされる情報は、モニタ内に視覚的に表示もされる。まず、測定基準が変動すると、ダイヤルの中心を通り抜けるバーが中心軸の周りを回転する。非活動な状態においてバーの水平位置または「0」ポジションに対して各バーの回転を見ることによって、トレーダは、市場がベンチマークに対して現在どれくらい実施されているのか、トレーダのアルゴリズムがベンチマークに対してどれくらい実行されているのかの双方を迅速に評価することができる。ベンチマークに対して市場を評価するために、ユーザは、「0」ポジション2304からの赤色のバー2302の変位、及びダイヤルの中心でのパイ形状領域2306のサイズと色を見ることができる。図23において、この領域には、ラベルが付けられており、一瞥することで、パイ形状のくさびのサイズとそのくさび内の赤色の濃淡との双方によって示されている、かなりのマージンだけ、市場がVWAPを失っていることが明白である。
【0094】
それからベンチマークに対してトレーダのポジションを評価するために、トレーダは、「0」ポジションからの青色バー2308の変位、及びダイヤルの外端に沿った台形形状領域2310のサイズと色をみることができる。この領域は、図23でもラベルが付けられている。この領域への素早い一瞥で、台形領域のサイズとその領域内の緑色の濃淡との双方によって示されている、かなりのマージンだけ、トレーダがVWAPに勝っていることを見ることが容易である。市場のポジションまたはトレーダのポジションとベンチマークとの間の差分が増加すると、その領域のサイズとその領域内の濃淡の激しさとの双方が増加する。同様に、市場のポジションまたはトレーダのポジションとベンチマークとの間の差分が減少すると、その領域のサイズとその領域内の濃淡の激しさとの双方が減少する。
【0095】
最後に、トレーダは、市場を表わしている赤色バーとトレーダを表している青色バーとの間に、ダイヤルの周辺部に沿って形成されたバンド2312のサイズ及び色を見ることによって、トレーダが市場に対してどれくらいよく行っているかという迅速な視覚的指標を得ることもできる。このバンドのサイズ及び色の双方は、トレーダが市場に対してお金を儲けているか、失っているかを、この利益または損失の程度と同様に、トレーダに伝えるのを助ける。
【0096】
図23に加えて、図24A〜24Fは、ベンチマーク・ダイヤルの動的性質を例示し、さらに、市場のポジション及びトレーダのポジションの双方に変化が生じ、時間とともにベンチマーク・ダイヤルがどのように見えるかを例証するのを助けるために含まれる。
【0097】
図24Aでは、トレーダは、4セントだけVWAPに勝っており、市場は、4セントだけVWAPを失っており、その結果、トレーダが1株当たり8セント儲けている。
【0098】
図24Bでは、市場は、トレーダの支持でさらに動いている。トレーダは、5セントだけVWAPに勝っており、市場は、5セントだけVWAPを失っており、そして、トレーダは、1株当たり10セント儲けている。市場を表しているくさびと、トレーダを表している台形とは、より大きく、そして、赤と緑の濃淡は、より暗い。
【0099】
図24Cでは、市場は一転している。ここで、トレーダは、わずか3セントだけVWAPに勝ち、市場は、2セントだけVWAPを失い、そして、トレーダは、1株当たり4セント儲けているだけである。また、濃淡領域のサイズとカラー階調は変化した。
【0100】
図24Dでは、継続的な動きで、トレーダと市場は、目下、互角であり、双方とも1セントだけVWAPに勝っている。その結果、トレーダは、目下、市場と互角である。
【0101】
図24Eでは、市場が動きを継続し、トレーダは、目下、2セントだけVWAPを失い、一方、市場は、3セントだけVWAPに勝っている。その結果、トレーダは、目下、1株当たり5セントの損失を出している。
【0102】
図24Fでは、完全な運命の逆転で、トレーダが出発点から明らかに反対のポジションにいるように、市場が動いた。トレーダは、4セントだけVWAPを失い、市場は、4セントだけVWAPに勝って、そして、トレーダは、1株当たり8セントの損失を出している。
【0103】
特定の実施形態において、ベンチマーク・ダイヤルの後ろの背景の色もまた、ベンチマークからのトレーダの正または負の逸脱を反映する色及び色の濃さに変化する。これらの実施形態において、特定の色及び濃淡は、「0」ポジションからの青色バーの変位によって、ダイヤルの外端上に形成された台形領域の色及び濃淡に合致し、トレーダの選択した戦略が成功しているか(緑色の背景)、あるいは失敗しているか及び更新が必要であるか(赤色の背景)どうかの視覚的な強化として単純に役立つ。
【0104】
これら構成要素の全ては、共に、ベンチマーク及び市場に対するユーザのポジションの状態に関係するユーザ・リアルタイム数字と視覚的なフィードバックを与える。加えて、ベンチマークも、いかなる与えられた時間でも特定のシンボルでトレーダの総ポジション目標値に合致するためにどれくらい近いかという視覚的な描写をトレーダに与える。この情報を表示するために、モニタのダイヤルの後ろの背景領域は、トレーダの総ポジションが初期の総ポジション目標値に合致することから、より近くに、またはより遠くに動くと、「満杯になる」か、「下へ落ちる」。この指標は、ダイヤルの背景領域の最上部は、トレーダがそのゴールを達成するところである100%のマークを表す一方、トレーダが総ポジション目標値に合致する方に進まなかったところである「0」ポジションを、モニタの背景領域の基部が表すという仮定に基づいているという点に留意されたい。図24A〜24Fは、トレーダの総目標値が、図24Fの最後のイメージで全て満たされるまで、それら6つのイメージの流れに沿って徐々に合致すると仮定し、ダイヤルの後ろの灰色背景領域が連続した各々でより高くなるように、この機能を例示している。
【0105】
リアルタイム取引実績フィードバックに加えて、モニタは、トレーダに、NBBOでの買いが可能な株数(緑)と売りが可能な株数(赤)との間の流動比率を示すグラフィックをも提供する。中央線の左側に表わされる緑の領域は、売値で利用可能な株と同じくらい広く(各1mmの幅が100株を表している)、右側に対する赤の領域が買値(offer)で利用可能な株を表している。このグラフィックは、図24A〜24Fの「動作中(active)」のダイヤル・イメージの各々の基部で見ることもできる。流動比率の目的は、2つの面、すなわち、売値及び買値で利用可能な株におけるバランス(または場合によってアンバランス)の感覚をトレーダに与えること、及び、拡張によって株式の乱高下の感覚をトレーダに与えることを有する。売値及び買値で利用可能な株数が互角であれば(あるいはほぼ互角であれば)、かなり安定した株式であり、どちらの方向にでも動かすべく強く押し付けられていると仮定することはトレーダにとって合理的である。一方、明らかにアンバランスであるならば、株式が不安定になるという潜在性を有することをトレーダに知らせ、また、しかるべく計画を立てるための警告として役に立つ。
【0106】
代替の実施形態は、シンボルのために「価格惰性(price inertia)」の測定も含む。発明者によって定義されるように、価格惰性は、株式を1セント動かすために要求される株数であり、この指標の目的は、トレーダが取引している株式の全体的な乱高下についてのより多くの具体的な理解をトレーダに与えることによって、流動比率を補うためである。価格惰性を計算するために、主題のシステムは、最良の売値と最良の買値が双方とも変わらない限り、テープに印刷する株の累積数を追跡する。双方とも変化したとき、この株数は、この時点での即座の効果的流動性の最後の利用可能な測定として記録され、そして、累積的な株カウンタがリセットされる。価格惰性は、5つの最近の効果的流動性値の追跡平均値である。それら5つの期間に渡って集積された物価変動の方向によって署名される(価格が上昇するならば正、物価が下降するならば負)。価格惰性の他の手段は、当業者に容易に想定され得る。
【0107】
取引されたシンボルのために市場コンテキストのユーザへの提供
【0108】
動的ベンチマーク・モニタの目的がトレーダのアルゴリズム取引戦略の成功に関してトレーダにリアルタイム・フィードバックを与えることにある一方、ダイヤルの裏面は、どのように特定の株式が市場のより大きなコンテキストに適合するかについてのユニークな見通しをユーザに与える市場データのカスタマイズされた表示をユーザに提供する。主題のシステムにおいて、市場データのこのカスタマイズされた表示は、「市場コンテキスト」と呼ばれ、それは、特定のパラメータに合致する他の株式に対して市場の株式のポジション及び動きについての見通しを、ユーザに与えるために特に設計されている。これらのパラメータは、ユーザによりカスタマイズすることができ、限定されることなく、市場部門、相互関係、時価総額、類似性、記録簿、取引スタイル、及びバスケットを含む。これらのパラメータのより詳細な説明は、以下で与えられる。
【0109】
図25(a)においてこの「市場コンテキスト」にアクセスするために、ユーザは、ベンチマーク・モニタの最上部で「回転」矢印2502上で単純にクリックする。ユーザがこれを行って、ベンチマーク・モニタを裏面にひっくり返すと、「市場コンテキスト」2504、または中央の周りに配置されたセルのグループ、拡大されたセルが現れる。図26の具体例では、この中央の、拡大されたセル2602は、IBMである。市場コンテキストに含まれるセル2604の各々は、セル内部のシンボル名によって示され、特定の株式を表す。中央のセルは、参照セルまたは参照シンボルと呼ばれ、再び、このIBMの例で、関連するフィッシュボーン及びベンチマーク・モニタ上で取引されている株式を表す。特定のコンテキスト上に表示されるシンボルの特定のグループは、ユーザによって選択されたパラメータに基づき、一方、参照セルに対するそれらのセルの特定の配置は、各セルと参照セルとの間のパラメータ相関関係の程度を表す。好ましい実施形態において、主題のシステムは、当業者に知られているように、「自己組織化マップ技術」と一致した手段で情報を送信するために視覚的なキューを用いる。
【0110】
ユーザは、矢印2506をクリックすることによって、図25(a)の表示に戻ることができる。緑色と赤色の流動比率2606が市場コンテキスト内の各セルの基部にもある。市場コンテキストは、NBBO、または、パイプライン取引システムに対する実施形態において、図26に符号2608として表示されているように、ブロック価格幅(Block Price Range)のどちらかを含む。「変化パラメータ」矢印2610をクリックすることで、利用可能な様々なコンテキスト・パラメータをスクロールすることがユーザに可能となる。
【0111】
与えられたあらゆる市場コンテキストにおいて、主題のシステムが表示する株式数は、ユーザによってカスタマイズすることができ、マップは、ユーザが含めるために選ぶ株式数に対応すべく自動的にリサイズされる。如何なる点でも、ユーザが、コンテキストに含まれていない株式を加えたいと決めるならば、ユーザが行う必要があるのは、要注意銘柄から市場コンテキスト上へシンボルをドラック&ドロップすることだけである。シンボルがコンテキス上にドロップされると、他のシンボルに対して適当な場所に自動的に「きちんとはまる」。
【0112】
参照シンボルと他のシンボルとの間の関係を示すことに加えて、あらゆる市場コンテキストも、コンテキストに含まれる各シンボルについての具体的な情報を、ユーザに提供する。より詳しくは、あらゆる市場コンテキストは、コンテキスト、またはパイプライン取引システムのために特に設計された主題のシステムのバージョンにおける、各シンボルに対してNBBO(National Best Bid and Offer)を表示し(図26のように)、ブロック価格幅(Block Price Range)は、NBBOと入れ替わる。各コンテキストも、あらゆるシンボルに対する「流動比率」を含む。この比率は、ベンチマーク・ダイヤルの基部で、流動比率と同じように見え、かつ動作し、市場コンテキスト内の各セルの基部で、視覚的に表わされる。ベンチマーク・モニタ側でのように、流動比率の目的は、いくつの株が現在のNBBOでの売値及び買値で利用可能であるかの粗い指標を、ユーザに与え、株式の乱高下の高水準指標として役立てることである。代替の実施形態において、市場コンテキストも、各シンボルのフォントの色を介して、各株式価格変動の方向性を表示する。ユーザが指定した期間に渡る株式価格の平均動向が上向きであるならば、シンボルのフォントは、青色となる。一方、その期間に渡る株式価格の平均動向が下向きであるならば、シンボルのフォントは、オレンジ色となる。
【0113】
最後に、パイプライン取引システムに適応する主題のバージョンのシステムにおいて、市場マップもまた、パイプライン・ブロック・ボード(Pipeline Block Board)と呼ばれる、パイプラインの所有者の要注意銘柄からの情報を伝達する。図26における例のような市場コンテキストを見ると、ユーザは、株式がパイプライン・ブロック・ボード(Pipeline Block Board)上で現在活動中(シンボルのセルはオレンジ色の背景を有する)であるかどうか、早い段階で作動中であったが、現在、非活動であるか(シンボルのセルは灰色の背景を有する)、現在非活動で、かつ一日中非活動だったか(シンボルのセルは白色の背景を有数する)を、各シンボルに対して見分けることができる。加えて、コンテキストは、パイプラインがそれらのセルに3次元の外観を与えることによって、特定の株式にブロックを印刷したかどうかを示す。
【0114】
これらの指標の各々は、個々に、高水準の譲歩を提示する。しかし、これらの指標が一緒に提示されるとき、関係のあるパラメータによってまとめられた複式株式全体で、それらは、市場のポジションとその相対的な動向の価値あるスナップショットを、トレーダに提供する。
【0115】
上述したように、ユーザは、市場コンテキストをカスタマイズするとき、パラメータの範囲から選ぶことができる。これらのパラメータは、限定されることなく、市場部門、相互関係、時価総額、類似性、記録簿、取引スタイル、及びバスケットを含む。市場部門、相互関係、及び時価総額パラメータの背後の概念は、当業者にとって明らかである。しかし、明瞭さのために、我々は、類似性、記録簿、及び取引スタイル・パラメータに対して、より詳細な説明を提供する。バスケットパラメータについては、それが他のパラメータの機能性と明らかに異なる機能性を使用可能にすることを、別のセクションで述べる。
【0116】
「類似性(affinity)」パラメータは、複数要因モデルにおけるクラスタリングに基づく証券のグループ化を表す。例えば、一組の株式は、互いに異なるビジネスモデルを伴う企業を表しているが、同じ組織的な経済的リスク(すなわち、金利動向、エネルギー価格など)を受けやすい。
【0117】
「記録簿(blotter)」パラメータは、ユーザの記録簿にシンボルの全てを含むコンテキストを単に生成する。このマップは、ユーザの記録簿における株式の全ての動向とポジションについての高水準の見通しを得るため、または、ユーザの記録簿からシンボルでバスケットを構築するために(以下で述べるように)、ユーザに迅速な方法を提供する。
【0118】
「取引スタイル」パラメータは、主題のシステムに対する具体的な概念である。このパラメータは、同じアルゴリズムまたは複数のアルゴリズムによって取引されるとき、同様の方法で参照株式に作用する、株式のセットを表示する。株式が主題のシステムのアルゴリズムの1つによって取引されるとき、株式がどのように反応するかについての、主題のシステムの歴史的で総体的な情報は、このパラメータを知らせるために用いられる。加えて、ユーザがこのコンテキストを選択すると、コンテキスト内を右クリックすることにおより、その株式のセットの取引におけるそれらの成功に従って、主題のシステムのアルゴリズムのランク付けされたリストが表示される。このコンテキストは、共通の取引特性を共有する株式のグループを同時にトレーダに与え、それらの株式の使用に最良のアルゴリズムをトレーダに告げるので、とりわけ革新的な機能である。単一の市場コンテキストには、パラメータの如何なる組合せでも用いることができることに留意されたい。1つ以上のパラメータが用いられるとき、主題のシステムは、各パラメータからデータを集計し、相関させて、それから、その相関関係の最終出力に基づいてコンテキストを構築する。この機能のため、主題のシステムのカスタマイズされた市場コンテキストは、図26の「Large Cap Tech」のような、単純で、単一のパラメータ・コンテキストから異常に複雑なマルチ・パラメータ・コンテキストまでの範囲に及ぶことができる。
【0119】
ユーザは、主題のシステムを設定するとき、自身の市場コンテキストのために、パラメータのデフォルトセットを選ぶ。このデフォルトセットは、ユーザがアルゴリズムを起動するとすぐに、コンテキストを構築するために自動的に用いられる。従って、ユーザが市場コンテキストにアクセスするために、ベンチマーク・モニタをひっくり返すと、ユーザは、それらのデフォルト・パラメータに基づくコンテキストを見る。ユーザがパラメータを変更しようとするか、異なるコンテキストを見る場合、ユーザは、市場コンテキストの上部の「パラメータ変更(change parameter)」矢印を右クリックするだけでよい(図26)。この矢印上でクリックすることにより、市場コンテキストに対するパラメータを自動的に入れ替え、新たなパラメータが矢印の左にタイトルに示される。代替の実施形態において、「パラメータ変更(change parameter)」ボタンは矢印の代わりに用いられる。このボタンをクリックすることにより、各パラメータの隣にチェックボックスとともにパラメータの全てのリストが起動される。それから、トレーダは、自身の新たなコンテキストに含めたいパラメータの全てを選択することができ、それから、新たなコンテキストを生成するためにリストの基部の「再構築コンテキスト(rebuild contest)」ボタンをヒットする。
【0120】
代替の実施形態において、トレーダは、アルゴリズムを開始する前に、市場コンテキストを起動することができ、トレーダに、デフォルト設定を回避し、パラメータの異なるセットに基づいてコンテキストを構築することを可能にする。要注意銘柄から直接、市場コンテキストを起動するために、ユーザは、ダッシュボード上に配置されている「市場コンテキスト(market context)」アイコンをドラッグし、コンテキストに対する参照シンボルとして用いることを所望する、ユーザの要注意銘柄の株式上にドロップする。我々の例において、ユーザは、IBMに対する市場コンテキストを作成するために、ユーザの要注意銘柄内のIBMの上部に、「市場コンテキスト(market context)」アイコンをドロップする。ユーザが要注意銘柄内の参照セル(この場合、IBM)上に「市場コンテキスト(market context)」アイコンをドロップした後、参照セルが拡大するが、特定の注文または要注意銘柄の配置に衝撃を与えることなく、リスト内の周囲のセルは同時にスライドし、参照セルの拡大に合わせるために縮小する。(この拡大の目的は、トレーダが「市場コンテキストモード(market context mode)」にシンボルを置いたことを、トレーダに明らかにするためである。)この点で、「市場コンテキスト(market context)」機能は、保障されており、ユーザは、自身の市場コンテキストに対してパラメータをカスタマイズすることができる。要注意銘柄内の拡大された参照セルの内側での右クリックすることは、各パラメータに対するチェックボックスに加えてコンテキスト・パラメータのリストを表示する。ユーザが、コンテキストに用いたいパラメータを一度選択し、パラメータ・リストの基部で、「コンテキスト構築(build context)」ボタンをクリックすると、市場コンテキストが別のウインドウ内で起動される。如何なる所定の時間でも、ユーザが動作させることができる市場コンテキストの数は限定されないことに留意されたい。ユーザが特定のコンテキストを見ていないとき、ユーザは、コンテキストを最小化するか、完全に閉じることができるが、取引日のうちに、ユーザは、自身が適当と考える多くの参照シンボルのため、多くのコンテキストを起動して維持することができる。
【0121】
トレーダが最初にモニタを起動した場合に、市場コンテキストにアクセスするためにベンチマーク・モニタを用いることができるのと同様に、トレーダが最初に市場コンテキストを起動した場合、トレーダはベンチマーク・モニタにアクセスするため市場コンテキストを用いることができる。市場コンテキストの底部で、緑色の「回転(rotate)」矢印をクリックすることによって、ユーザは、マップをひっくり返すことができ、参照シンボルに対するベンチマーク・モニタを見る。
【0122】
主題のシステムの更なる機能により、ユーザが起動しているカスタマイズされた「市場コンテキスト」の処理を簡素化できる。ユーザがパラメータの組合せを選ぶ度に、ユーザは、その特定の組合せを保存して名前を付けるためのオプションを有する。例えば、ユーザは、自身が定期的にその特定の組合せを用いることを知っている、市場部門、類似性、市場キャップ、及び取引スタイル・パラメータに基づくコンテキストを構築することを選ぶであろう。ユーザがその特定のコンテキストを構築することを所望する度に、「市場コンテキスト」アイコンをドロップし、その組合せを選択する処理を繰り返すことを避けるために、ユーザは、パラメータ選択ステップで、「別名を付けて保存(save as)」機能を用いて、その組合せに名前を付けて保存することを選ぶことができる。ユーザがその組合せに名前を付けて保存すると、要注意銘柄上の「市場コンテキスト(market context)」アイコンの隣に、ラベル付けされたアイコンとして現れる。それから、次にユーザがコンテキストを構築するために同じパラメータの組合せを用いたいと所望するときは、ユーザは、参照シンボル上にその組合せのアイコンをドロップするだけでよく、一度の容易なステップで、そのパラメータの組合せとともにコンテキストが自動的に生成される。
【0123】
市場コンテキストに関連した最終的な機能は、利用可能なアルゴリズムを用いて取引することができるバスケットを構築するためにコンテキストを使う能力である。ユーザが他のパラメータ(市場部門、相互関係、市場キャップ、類似性、記録簿、取引スタイル)のいずれかと一緒に「バスケット(basket)」パラメータを選択すれば、ユーザは、カスタマイズされたバスケットを生成することをユーザに可能にする機能を起動させる。バスケットを構築するために、「バスケット(basket)」機能が利用可能になったとき、ユーザは、バスケットに含めたい自身の市場コンテキストで、各シンボル上で単に左クリックする。ユーザが自身のコンテキスト上で表示されない株式を含めたければ、ユーザは、要注意銘柄からコンテキスト上にシンボルを「ドラッグ&ドロップ」するだけでよい。新しいシンボルがコンテキスト上にドロップされると、そのシンボルは、自動的に他の株式に関する適当な場所に「きちんとはまって」、それからバスケットに含まれる。一旦、ユーザが含めたいシンボルの全てを選ぶと、ユーザは、名を付けるために、市場コンテキスト上の「別名で保存(save as)」機能を用い、そのバスケットを保存する。この「別名で保存(save as)」機能は、常に、市場コンテキスト上に存在する。しかし、バスケットパラメータが使用可能であるときにだけ「アクティブ」である。
【0124】
バスケットは、一旦、名前を付けられて保存されると、参照セルになり、オリジナルの参照セルと入れ替わる。我々の例では、ユーザがバスケットを生成し、そのバスケットにMONEYと名前を付けると、参照セルは、IBMと入れ替わってMONEYとなる。同時に、バスケットの名前も、要注意銘柄上のシンボルとして現れ、ユーザが一度だけ特定のバスケットを生成すればよいようにする。バスケットが、一旦、要注意銘柄上のシンボルになると、ボード上の単一株式と同様に取り扱われ得る。それによって、ユーザは、一度のクリックで、株式の全てのバスケットに対して、如何なるアイコンの後ろの機能性でも適用可能となる。
【0125】
例えば、ユーザが市場コンテキストのパラメータの特定の組合せに対してアイコンを生成したならば、MONEYバスケットシンボル上にそのアイコンをドロップすることは、そのバスケットの株式の全てのセットに対して、それらのパラメータで市場コンテキストを生成することになる。また、他の実施例では、ユーザがMONEYバスケットシンボルを、アイコンを表しているアルゴリズムの1つの上にドロップすると、システムは、同じアルゴリズムで、そのバスケット内のあらゆる株式を取引することを開始する。ユーザは、バスケットの様々な構成要素を用いて、異なるレートで進行するために、百分率許容レベルを設定することができるようになる。バスケット(例えば、IBM)内の与えられたアイテムの株式の目標数は、全てのバスケットの平均完成レート(バスケットの時価評価ドル価値に対して取引された金額)だけ増加した完成で得られる株の総数である。IBM内の好ましいポジションの上下の境界は、許容パーセンテージを目標株式数に加算、または減算することを適用することによって設定される。再び、上記例を話すと、100000株に対するIBM注文が、ドル価値によって15%の完成に達したバスケットの一部であり、許容レベルが20%に設定されている場合、主題のシステムのIBMに対する現在目標完成は、15000株であり、注文が市場に発行される。新規買い注文を加えた達成されたポジションの合計は、18000株を上回らず、また、新規売り注文を加えた達成ポジションの合計は、12000株を下回らない。その方法によれば、バスケットの各構成要素の両側上の複数のエージェントの活動は、国政要素の実行の相対的なレートで、設定された許容度で、独特の実行軌道を達成する方へ調整され得る。
【0126】
図27は、開示された実施形態のいずれでも実行され得る、システム2700のブロック図を示す。サーバ2702は、インターネット2704、または他の適切な通信媒体を介して、ユーザのコンピュータ(またはウェブで可能な携帯電話のような他の装置)2706と通信する。実施形態のいずれかを実装するソフトウェアは、コンピュータで読取り可能な如何なる適切な媒体2708でも供給可能である。コンピュータは、好ましくは、マイクロプロセッサ2710、ここで述べたユーザインターフェースを表示するための表示装置2712、キーボード2714及びマウス2716のような入力装置、及びインターネット2704に接続するための、ケーブルモデムのような、通信装置2718を含む。
【0127】
好ましい実施形態の動作の概要は、図28A〜28Cのフローチャートを参照して説明され、上記で与えられた開示と関連し理解されるものである。矩形がユーザ動作を表わし、一方、楕円がシステム動作を表す。
【0128】
図28Aのステップ2802において、ユーザは、グラフィック制御インターフェースを起動し、それは、その後、トレーダに表示される。ステップ2804では、システムは、利用可能な戦略的アルゴリズム、戦術的アルゴリズム、及び第三者アルゴリズムの全ての表示を含む、ダッシュボードを表示する。ステップ2806では、ユーザは、各戦略的アルゴリズム、戦術的アルゴリズム、及び第三者アルゴリズムを表わすアイコンにマウスポインタを移動させることによって利用可能なアルゴリズムをチェックする。ユーザが利用可能な戦術的アルゴリズムにマウスポインタを移動させると、ステップ2808において、システムは、実行レート・スケールと動作マトリクスを表示する。ステップ2806、またはステップ2808のいずれかから、ユーザは、ステップ2810に進み、ユーザは、要注意銘柄からユーザ自身が取引したいシンボルをドラッグし、トレーダが使用したいアルゴリズムを表す、ダッシュボード内のアイコン上に、それをドロップすることにより、利用可能なアルゴリズムの1つを選択する。
【0129】
ステップ2812で、ユーザの要注意銘柄がOMSに接続されていることが確定されると、ステップ2814において、システムは、ユーザがOMSから注文パラメータを引っ張ってきてアイコン上にシンボルをドラッグ&ドロップすると、アルゴリズムを自動的に起動する。ステップ2816で、ユーザの要注意銘柄がOMSに接続されていないことが確定されると、ユーザの選択に基づいて、イベントの以下に述べるシーケンスの1つが発生する。ステップ2818において、ユーザがパイプライン・アルゴリズム上にシンボルをドラッグすると、ステップ2820で、システムは、注文エントリ・ボックスを表示し、ステップ2822で、ユーザは、注文パラメータを入力する。ステップ2824において、ユーザがパイプライン・アルゴリズム以外の如何なるアルゴリズム上にシンボルをドラッグすると、ステップ2826で、システムは、フィッシュボーンを表示し、さらに、ステップ2828で、ユーザは、そのフィッシュボーンの動的価格スケール上の所望する指値上にシンボルをドロップする。いずれの方法でも、システムは、ステップ2830で、アルゴリズムを起動し、全体処理は、図28Bに移行する。
【0130】
システムは、ステップ2832で、取引されているシンボル(1つ以上)に対して市場コンテキストを生成し、及び/または、ステップ2834で、動作中のアルゴリズムの進捗に関する情報を含んでいるポジション・ウインドウを表示し、ユーザの取引を完了するために、取引日に十分な時間が残っているか否かを見て確認する。ステップ2836で、十分な時間がないことが確定されると、ステップ2838で、システムは、注文を完了するための十分な時間が取引日に残っていないかも知れないことを、ユーザに告げるポジション・ウインドウ表示に「市場参加」警告を発行する。
【0131】
ステップ2832、ステップ2834、または、(適用可能ならば)ステップ2838の後、ユーザは、ステップ2840において、ポジション・ウインドウ及び/または市場コンテキスト内にシステムによって提供される情報をチェックする。
【0132】
ユーザは、ステップ2842で、ポジション・ウインドウの「詳細(Details)」領域上でマウスをクリックするか、マウスポインタを移動させることができる。ステップ2844においては、システムは、アルゴリズムによって発生された各注文についてユーザの特定情報を示す「取引詳細(Trade Details)」情報ボックスを表示する。これに対して、ユーザは、ステップ2846で、ポジション・ウインドウの「全体進捗(Overall Progress)」領域上でマウスをクリックするか、マウスポインタを移動させることができる。ステップ2846に応じて、システムは、ステップ2848で、(ステップ2838で確定されたように)市場参加警告があるかどうかと同様に、申請された、進行中で申請されていない、及び進行中でなく申請もされていない株数についての正確な値を与える「全体進捗(Overall Progress)」情報ボックスを表示する。
【0133】
ステップ2840、ステップ2844、またはステップ2848の後、ユーザは、以下のいずれでも行うことができる。ステップ2850では、ポジション・ウインドウ内の情報をチェックした後に、ユーザは、注文または作動中のアルゴリズムに対して、如何なる変更もしないことを決定することができる。これに対して、ステップ2852では、ポジション・ウインドウ内の情報をチェックした後に、ユーザは、より詳細に注文進捗を見ること、及び/または、ポジション・ウインドウの「戦略進捗(Strategy Progress)」領域上でマウスをクリックするかマウスポインタを移動させることによって、注文及び/または作動中のアルゴリズムに対して若干の変更を行うことを決定することができ、すると、処理は図28Cに移行する。
【0134】
ステップ2854において、システムは、作動中のアルゴリズムを管理するために、消えているツールバーを表示する。これに応じて、ユーザは、3つのことの1つを行うことができる。ステップ2856において、ユーザは、作動中のアルゴリズム(1つ以上)を休止するか、キャンセルするために、ツールバーのボタンをクリックすることができ、するとすぐに、システムは、ステップ2858で、それらを休止、またはキャンセルする。ステップ2860では、ユーザは、作動中のアルゴリズム(1つ以上)に対して、フィッシュボーンを表示するために、ツールバーのボタンを用いることができ、その後、システムは、ステップ2862で、フィッシュボーンを表示する。ステップ2864では、ユーザは、「自動入力(auto−entry)」を強制するために、ツールバー上のボタンを用いることができ、するとすぐに、ステップ2866で、システムは、アルゴリズムのロジックによって要求されるあらゆる注文入力遅延でも優先して、次の未決注文を自動的に入力する。
【0135】
ステップ2862に応じて、ユーザは、以下の4つのことの1つを行うことができる。ステップ2868では、ユーザは、アルゴリズム(1つ以上)の指値(1つ以上)を変更するために、作動中のアルゴリズム(1つ以上)を表すフィッシュボーン上の垂直バー(1つ以上)を押すか引っ張ることができ、するとすぐに、ステップ2870で、システムは、垂直バーのユーザの操作に基づいて、アルゴリズムの指値を更新する。ステップ2872では、ユーザは、注文情報ボックスにアクセスするために、作動中のアルゴリズム(1つ以上)を表す垂直バー上をダブルクリックすることによって注文パラメータを変更することができ、するとすぐに、ステップ2874で、システムは、ユーザが注文情報ボックスで行った如何なる変更にでも基づいて、注文パラメータを更新する。ステップ2876では、ユーザは、フィッシュボーン上の「未決注文(pending order)」ボックス上でダブルクリックすることによって、慎重な注文をキャンセルすることができ、するとすぐに、ステップ2878で、システムは、ユーザがダブルクリックした未決注文ボックスによって表わされる如何なる注文でもキャンセルすることができる。
【0136】
第4のオプションは、より複雑になる。ステップ2880で、ユーザは、フィッシュボーの基部において、「表示ベンチマーク・モニタ(display benchmark monitor)」ボタン上でクリックすることができる。それに応じて、ステップ2882で、システムは、視覚的に増強された、特定のベンチマークに対して、ユーザの取引戦略の実績と市場の動向とに関連するリアルタイム・フィードバックを用意して、ベンチマーク・モニタを表示する。ステップ2884では、ユーザは、市場コンテキストを表示するためにダイヤルを回転させるべく、ベンチマーク・モニタの上部で、回転矢印を用いる。ステップ2886では、システムは、ステップ2832で生成された市場コンテキストを表示する。
【0137】
ユーザは、ステップ2888で、市場コンテキストに対して如何なる変更も行わないことを選択することができる。これに対して、ステップ2890で、ユーザは、パラメータを変更するために「パラメータ変更(change parameter)」矢印を用いるか、取引のためにシンボルのカスタム・バスケットを構築して、シンボルを加えるか、取り除くことによって、市場コンテキストを修正することができる。ステップ2892で、システムは、ユーザ修正市場コンテキストを表示する。
【0138】
好ましい実施形態の他の例は、図29乃至図33を参照して詳細に説明される。図29に示すように、トレーダは、シンボルをクリックして、市場に参加するためにツールバー内の、パイプライン・ブロック・アイコン304、または動作アイコン上にドラッグする。トレーダは、トレーダ設定ダイアログで参加することを始めるために、オプション遅延を設定することができる。以下の動作アイコンは、アルゴ・マスタ(AlgoMaster)アイコン2902上でスクロールすると現れる。すなわち、パイプライン・ブロック304は、パイプライン上に大口注文を配置し、パイプライン・アルゴ・マスタ(AlgoMaster)2902は、パイプライン上に大口注文を配置し、同時に、アルゴリズムを用いている市場にアクセスする。更なるアイコンも、戦略的パートナーシップによって、ニュース・ワイヤまたは技術的なチャートとして育てるために提供され得る。
【0139】
図30は、パイプライン+アルゴリズムを起動するためにアイコン上にドロップする操作を示す。3つの速度設定は、株式に対して、(段落番号0057で定義されるように)、現在の「赤線レート(red−line rate)」に基づいている。赤線値は、シンボルがBPR要注意銘柄上にあるならば利用可能である。「滴(Trickle)」3002は、低市場影響ルーティング(3〜10%)に対して、パイプライン+最良の戦術を示す。「腰巾着(TagAlong)」3004は、「axe」になることなく、可能な限り速くパイプライン+市場参加を示す。市場状況によっては10〜30%と予想されるが、「攻撃的(Aggressive)」3006は、半分の注文が行われるか、相当な抵抗に遭遇するまで、市場の30〜60%を取得し、それから、価格を市場の少なくとも20%を平均した平衡を見つけさせるために、「腰巾着(TagAlong)」方法と交替する。赤線バー3008は、赤線レートを示し、当然、自動車のタコメータのような、他の指標が同様に用いることができる。
【0140】
図31を参照すると、修正されたパイプライン・ポジションバー800’において、戦略グラフィック3102は、ちょうど述べたように、赤線バー3008と類似した市場カラー(赤線)グラフィック3104を示す。トレーダは、ボリンジャー・バンド/XVAグラフィック、及びパイプライン特定制御を示している代替表示を見るために、パイプライン・ルート・アイコンをクリックすることができる。切り替え動作は、市場カラーグラフィック(戦術)3106上で見ることができる。自動アルゴリズム切り替えは、6つの起こり得る(「固定(Peg)」または「取得(take)」、…のような)動作のいくつかを取り除くことによって、情報漏えいを最小化する。インターフェースは、トレーダが、申込(入札)(ボタン3112)、またはアップ(ダウン)5セント(ボタン3114)に対して、非常に攻撃的な取引(高性能スイープ)を起動するために、アップ/ダウン矢印ボタン31008及び3110などのアップ/ダウン速度を切り替えるための制御ボタン、及び早送りボタンを提供する。トレーダは、以下に述べるように、セント数を変更するために、または、トレーダ設定における他のデフォルトを保存するために、右クリックすることができる。
【0141】
図32に示すように、トレーダは、ドラッグ&ドロップ模範を用いることに優先して、早送り指値を用いることができる。デフォルト指値は、NBBOから5セント(可変)である。トレーダは、セント数を変更するために、右クリックすることができ、一例において、ピックリスト3202が現れる。指値グラフィックは、市場相場が変動するかも知れないが安定したままである。価格表は、価格(例えば、一目盛はPGに対して2セントとし、GOOGに対して5セントにすべきである)で変更することができる。早送りボタン・グラフィックは、ノーマルモードに戻るため、または申込が指値より上であるときに、、シンプルな早送りに切り替わる。
【0142】
図33に示すように、市場カラーグラフィック上にマウスポインタを合わせると、表示装置3302に戦術表示の意味が現れる。切り替えることで、オフに切り替えられた構成要素は、5秒間、赤色輪郭3304を示し、新たな構成要素は、共有された緑色である。インターフェースは、これが市場色彩であることを伝えるために、灰色よりはむしろ、色彩を用いる。他の実施形態では、色彩は、例えば、アルゴリズムの注文に対する市場反応のような、さらなる情報を伝えることができる。これは、「敏感(sensitive)」は、平均的な反応よりも強いことを示し、「通常(normal)」は、平均であり、「2つの面(two−sided)」は、デリバティブ取引相手活動での増加、または競争における減少を示すところの、フラグとして定義することができる。これに対して、市場反応は、アルゴリズム自体の総注文サイズによって引き起こされた、第三者の総注文サイズの比率として測定することができる。例えば、50%の反応要因とは、アルゴリズムにより配置されたあらゆる1000株が、同じ側にさらに500株を配置するか、反対側で500株をキャンセルするかのいずれかを他の市場参加者に促す、ことを意味する。もちろん、グレースケールではなく色彩を使用したこと、及び使用された特定の色彩は、限定するというよりむしろ実例である。
【0143】
好ましい及び代替の実施形態が上述されたが、本開示を調査した当業者は、他の実施形態が本発明の範囲内で実現できることを容易に認めるであろう。いくつかの可能性がある変形例が上記で開示された。また、別々に開示された実施形態の機能が一緒に用いられることが可能である一方、一緒に開示されたそれらは別々に用いることが可能である。特に、開示された機能の全てまたは一部は、与えられた如何なる実施形態においても用いることが可能である。したがって、本発明は、添付された特許請求の範囲によってのみ限定されるように解釈されるべきである。
付録:流動性ダイナミックスに関する抵抗と支援の実証研究
【0144】
この実証研究の目的は、2つの面を有する。第1に、我々は、基準価格レベルの周囲の流動性クラスタリングに確証があるかどうかを調査する。第2のステップで、我々は、流動性のそれらに類似した予測因子もまた価格方向を決定するかどうかをテストする。取引クラスタリングについての既存する大量の文献は、なぜトレーダが概数(Osborne, Niederhoffer, Harris)または心理的攻防戦(Sonnemans, Donaldson and Kim)である価格の周囲に集まる傾向があるかに重点を置く。ソネマンズ(Sonnemans)は、人間が各数値の最初の桁に重みを置くという考えに従う端数価格仮説と、投資筋がそれらの現在高に対して目標価格を有するという代替仮説との間を検証するために、経験的な戦略を開発する。彼の調査結果は、物価がトレーダに対する心理的な参考基準に確かに変わり、上値抵抗線と下値支持線として働くことができることを示唆する。ドナルドソンとキム(Donaldson and Kim)は、100倍の物価水準がダウ・ジョーンズ平均工業株価への心理的攻防線であって、少なくとも一時的に、下値支持線と上値抵抗線の働きをするという証拠を見つける。
【0145】
この研究は、一定価格レベルを介して、株式を推進するために必要とされる取引株数で測定されるように、流動性における日内の変動に重点を置く。下値抵抗線及び上値支持線は、(Kugmanの場合のように)引き金戦略家が株式を買うか売るかでの漸近の価格でなく、その代わりに、おそらくより多くの困難を伴うであろうが、(DonaldsonとKim、またはBertolaとCaballeroの場合のように)株数がそのようなレベルを介して、物価を押し上げるのに十分に大きいならば、横切ることができる価格である。流動性ダイナミックスの提案された評価モデルは、既存の文献で見つけられるそれよりさらに一般的な1つである。なぜなら、各価格水準に対して、我々は流動性の蓄積の潜在的な決定要素が、主要な事前イベント及び関連した量であると考えるからである。異常な量の流動性が市場の一方で利用可能であるという下値抵抗線及び上値支持線は、考察中の歴史的な価格水準の特定の事例である。
【0146】
各々の価格水準で、流動性の一組の潜在的な重要な予測ドライバを提案した後に、我々は、影響を推定し、個々の予測因子の重要性をテストするために、その値幅を説明している経験的なモデルを適合した。
【0147】
データと方法:
【0148】
我々は、2006年の12月18日と12月28日との間の期間に、低流動性レベルと低取引頻度からその時の時間外取引を除外して、市場データを分析する。同様の理由で、そして、流動性ダイナミックスがより発生しそうな適切に同種の1組のチェッカーを保証するために、我々は、1ドルを超える平均出来高加重の価格、及び、400,000を超える履行された株の一日平均数で、それらに対して株式の領域を制限した。結果として生じるサブセットは、8日の取引日に渡って1,519の株式を含む。
【0149】
株式のボラティリティが高ければ高いほど、2つの連続的な物価レベルが同様に扱われやすいということを前提に、我々は、市場データを、各株式の価格差の平均値及び変動値によって定義された価格インターバル内の全てのプリントを含むバケツへ交雑させる。
【0150】
我々は、以下のように、隣接したプリントと一致しない全ての半端な単一のプリント(n)を分析から除外した。
【0151】
|Pn−Pn−1|>(spread+std)AND|Pn+1−Pn−1|<(spread+std) (1)
【0152】
ここで、spreadは、2つの二次的なプリントの価格間の平均差であり、stdは、その標準偏差である。その日の最初と最後のプリントのために、除外基準は、各々、|Pn−Pn+1|>(spread+std)と、
【0153】
|Pn−Pn−1|>(spread+std)である。
【0154】
フィルタリングの後、我々は、各取引日に各シンボルの最初のプリントを取得し、その条件を満たす全ての二次的なプリントnをそのバケツに含める。
【0155】
n∈bucket:|Max{Pn}−Min{Pn}|<=(spread+std) (2)
【0156】
プリントが条件(2)を満たさないときはいつでも、新しいバケツが始まる。全てのバケツは、開始されたプリントの価格変動によって分類され、すなわち、バケツは、価格上昇で開始されるとき、景気改善(U)として分類され、さもなければ、景気低下(D)として分類される。我々は、それから、そのチェックと二次的なバケツのチェックによって各バケツをイベントの一種として分類する。すなわち、バケツの価格が景気改善で、かつ最後の価格変化もまた景気改善であるならば、我々は、ダブル景気改善としてイベントを分類する。同様に、景気低下に続く景気低下は、ダブル景気低下として分類される。物価が景気改善から景気低下への方向に変動したとき、それは、下値抵抗線として分類され、また、反対の場合には、上値支持線として分類される。
【0157】
経験的な実施は、モデル適合のために全ての株式の共同出資を含み、株式の不均一性に対して、修正の予備ステップを必要とする。この目的のために、履行された株数の絶対値を見ることの代わりに、我々は、各々の取引日において各々のシンボルで平均取引出来高に対するその比率をとることによって、各々のバケツ内の調節された出来高を、その代わりに考慮する。表1は、各特定日での株式の平均出来高(q/qavg)及び平均に対する対数での相対値(Log(q/qavg))と相対的に、各タイプのイベントの頻度(freq)と、絶対値での各イベントで同様に実行された株数(quantity)とを表示する。
【0158】
我々のサンプルにおいて、相場変動は、1つのバケツに持続するというより、他のバケツへ方向を変える傾向にある。相場変動が持続すると、実行された株数は、分岐点での平均株数でより高い。この発見は、分岐点が消耗されなかった一方の流動性を反映するという事実と一致しているが、ダブル景気改善及びダブル景気低下は、実行された平均株数以上によって駆動される持続的な相場変動である。我々の評価モデルは、各種類のイベントの範囲内での出来高における値幅を見て、また、類似した価格での以前のクラスタリングでその相互関係をテストすることにより、徹底的にこの証拠を調査する。
【0159】
イベントのタイプ及び実行された株
【0160】
【表1】
【0161】
経験的な詳説では、我々は、各バケツ内で取引された出来高が直前のイベント、それぞれの出来高、及び同様の歴史的な価格水準で取引されたイベントと量によって影響を受けるかもしれないと仮定する。我々は、貯蔵所の建設と類似した処理で、2つの価格の間の絶対差がその標準偏差を加えた価格差より小さいと、2つの価格が類似していると考える。提案された決定要素の組は、以下の変数を含む。
【0162】
・以前のバケツのイベント・タイプ:Et−1(S)。ここで、S∈{U,D,R,S}は、各々、ダブル景気改善、ダブル景気低下、下値抵抗線、及び上値支持線に対しての可変の指標である。例えば、Et−1(U)は、イベント・タイプがダブル景気改善であるならば、1に等しく、それ以外は0に等しい。
【0163】
・それぞれのイベント・タイプと相互作用した先行するバケツで取引される量Q×Et−1(S)、ここで、S∈{U,D,R,S}である、。この項は、直前のイベントで取引された量に、そのイベントがダブル景気改善、ダブル景気低下、下値抵抗線、または上値支持線であるかどうかに従って取引された現在の株数で、異なる影響を持たせることを可能にする。
【0164】
・現在価格に類似した最新の価格付近のイベント・タイプ、Eprice(S)、ここで、S∈{U,D,R,S}である。Eprice(S)は、イベントがダブル景気改善であるならば、1に等しく、それ以外は0に等しい。この場合、現在価格は、過去24時間で訪れなかった。
【0165】
・関連するイベント・タイプで、現在価格付近の最新バケツで取引された量の相互作用Q×Eprice(S)ここで、S∈{U,D,R,S}である。
【0166】
・過去24時間以内のあらゆる事例で、現在価格付近で取引された驚異的な株数(BigQ)がある場合であるかどうか。我々は、その日のシンボルに対する平均の2倍よりも、量が厳密に大であるならば、驚異的に高い出来高であると考える。現在価格付近の非常に高い出来高の可変の指標は、最新の事例のイベント・タイプに対して、可変の指標と相互作用する。(BigQ×E)S∈{U,D,R,S}。(BigQ×E)は、現在価格が過去24時間以内に訪れたことがあり、そのイベントタイプの最新の事例がダブルチック(double tick)ならば、厳密に正である。
【0167】
・現在価格が以前の取引日バケツの最大または最小の出来高加重価格の近くにあるかどうか。最大(Max)と最小(Min)は、各ケースに対する指標変数である。
【0168】
・現在価格が以前の取引日バケツの最初、かつ最後の出来高加重価格の近くであるかどうか。オープン(Open)及びクローズ(Close)は、各ケースに対する指標変数である。
【0169】
現在価格が全部のドルまたは50セントの近くであるかどうか。ドル(Dollar)及び半分(Halves)は、それぞれのケースの各々に対する指標変数である。
【0170】
表2は、イベントのタイプ毎の、調査中のイベントの頻度に対応する指標変数に対して、各提案された変数の平均値のいずれをも表示する。
【0171】
イベントのタイプ毎の平均値の表
【0172】
【表2】
【0173】
取引された出来高の説明変数の提案されたセットは、線形回帰に含まれており、そのシンボルに対してその日の平均値に関連して取引された株数を予測する。特定のイベントの各々に対して、2つの直前のイベントだけは可能である。すなわち、例えば、ダブル景気改善は、他のダブル景気改善または下値支持に先導され得るだけである。この理由から、遅れたイベントに対する1つの指標変数だけが、定数がモデルに含まれるとき、定義される。関連する量に対する相互作用に関しては、2つの遅延された指標変数だけを確認することができる。
【0174】
線形評価モデルにおいて、モデルがいくつかの事例において誤って指定されるとき、例えば、正常さ、異分散さ、または大きな残余を示すいくつかの所見についての重要でない問題があるときでさえ、我々は、推定量がパラメータ推定量のサンプルからサンプルへの変わりやすさの正確な評価を与えるという感覚において強固である、変動のヒューバー/ホワイト「サンドイッチ」推定量を計算する。
【0175】
結果:表1は、最小二乗法評価の結果を表示する。調査結果は、ほとんどすべての提案された変数が取引される出来高に対する統計学的に有意の影響を有すると示す。以前のバケツで取引した量は、現在価格付近で先行するバケツで取引した量と同様に、出来高の上でかなり前向きの効果を有する。現在価格付近に出来高の以前の主要なクラスタリングがあった場合に取引された、非常に大きな量もある。
【0176】
上値抵抗線または下値支持線の近くは、取引された量への悪影響を有するが、上値抵抗線または下値支持線が再び戻されると、出来高はかなり大きくなる。さらに、一定価格付近の分岐点で取引された以前の出来高がより大きくなると、より大きいものはその価格付近の二次的なイベントの出来高への影響がより大きくなる。
【0177】
現在価格が(その価格付近のイベントの全数を超えた)分岐点として再び戻された回数の一部は、現在のイベントがダブルチック(double tick)か、分岐点であるかどうかによって、現在の出来高に対して明らかに異なる影響を有する。出来高は、価格が分岐点に再びもどされたときより低くなるが、価格がダブルチック(double tick)を通り過ぎるときにはより高くなる。
【0178】
驚くべきことに、以前の取引日の参照価格付近で取引された出来高は、価格方向の変化がある場合に高くなるが、現在のイベントがダブルチック(double tick)であるときは低くなる。
【0179】
線形回帰、被説明変数:Log[Q/avg(Q)]
【0180】
【表2】
【0181】
注1:係数は推定値であり、SEは、標準エラーである。
【0182】
注2:モノクロ階調された推定値は、5%の有意水準で統計学的に有意でない。
【0183】
線形回帰、被説明変数:Log[Q/avg(Q)]
【0184】
【表3】
【0185】
注1:係数は推定値であり、SEは、標準エラーである。
【0186】
注2:モノクロ階調された推定値は、5%の有意水準で統計学的に有意でない。
【0187】
線形回帰、被説明変数:Log[Q/avg(Q)]
【0188】
【表4】
【0189】
注1:係数は推定値であり、SEは、標準エラーである。
【0190】
注2:モノクロ階調された推定値は、5%の有意水準で統計学的に有意でない。
【0191】
線形回帰、被説明変数:Log[Q/avg(Q)]
【0192】
【表5】
【0193】
注1:係数は推定値であり、SEは、標準エラーである。
【0194】
注2:モノクロ階調された推定値は、5%の有意水準で統計学的に有意でない。
【0195】
線形回帰、被説明変数:Log[Q/avg(Q)]
【0196】
【表6】
【0197】
注1:係数は推定値であり、SEは、標準エラーである。
【0198】
注2:モノクロ階調された推定値は、5%の有意水準で統計学的に有意でない。
【0199】
80パーセンタイルに対する分位点回帰の評価からの結果は、表2に示される。証拠は、出来高の大きな累積が平均量と明らかに類似した方法で予測されることを示唆する。全ての推定値は、現在価格付近の分岐点分を除いて、最小二乗法回帰から得られる推定値より高い。これらの調査結果は、出来高の第80分位が、予想通り、平均より大きく、また、平均に比べ、各予測因子によってさらに影響を受けることを意味する。それにもかかわらず、質的な調査結果は、実質的に同じである。
【0200】
線形回帰、被説明変数:Log[Q/avg(Q)]
【0201】
【表7】
【0202】
注1:係数は推定値であり、SEは、標準エラーである。
【0203】
注2:モノクロ階調された推定値は、5%の有意水準で統計学的に有意でない。
【0204】
被説明ロジスティックス回帰: P[Reverse]
【0205】
【表8】
【0206】
被説明ロジスティックス回帰: P[Reverse]
【0207】
【表9】
【0208】
我々の調査結果は、物価水準付近の方向の変化が、その同じ価格で取引される二次的な出来高のかなりの予測因子であることを示唆する。具体的には、上値抵抗(下値支持)価格は、供給(需要)側での流動性の重要な金額の指標である可能性がある。二次的なイベントも方向の変化に終わるならば、我々は、市場の反対側が利用できる流動性を使い果たさなかったと推測することができる。我々の推定値は、この点で取引した出来高が、上値抵抗または下値支持のどちらとも確認されなかった価格で発生しているイベントで観察された出来高と同じか、それより低いので、確かに、この仮説と一致している。二次的なイベントが同じ方向における物価変動で終わる場合には、我々は、供給(需要)側で利用できる流動性が使い果たされたと推測することができる、そして、これは、取引された出来高が異常に大きかったことを意味する。双方ともに、我々の明細書は、この調査結果を支持する。
【図面の簡単な説明】
【0209】
【図1】図1は、証券を表すシンボルを有する要注意銘柄を示す。
【図2】図2は、拡大したシンボルを除く、図1の要注意銘柄を示す。
【図3】図3は、ダッシュボードを示す。
【図4】図4は、選択された戦術的アルゴリズムに対する、動作マトリクスと実行レートの表示を伴う図3のダッシュボードを示す。
【図5】図5は、フィッシュボーン(すなわち、動的な垂直価格スケール)を伴うダッシュボードを示す。
【図6】図6は、参加率アルゴリズムに対してフィッシュボーンを起動すべく所望する参加率上にシンボルを落とす操作を示す。
【図7】図7は、注文エントリ・ボックスを出すための、パイプライン・アルゴリズム上にシンボルを落とす操作を示す。
【図8】図8は、ポジション・ウインドウを示す。
【図9】図9は、全体的な進捗情報ボックスとポジション・ウインドウを示す。
【図10】図10は、取引−詳細情報ボックスとポジション・ウインドウを示す。
【図11A】図11Aは、戦略−進捗領域内の戦術更新メッセージの例を示す。
【図11B】図11Bは、戦略−進捗領域内の戦術更新メッセージの例を示す。
【図11C】図11Cは、戦略−進捗領域内の戦術更新メッセージの例を示す。
【図11D】図11Dは、戦略−進捗領域内の戦術更新メッセージの例を示す。
【図11E】図11Eは、戦略−進捗領域内の戦術更新メッセージの例を示す。
【図11F】図11Fは、戦略−進捗領域内の戦術更新メッセージの例を示す。
【図11G】図11Gは、戦略−進捗領域内の戦術更新メッセージの例を示す。
【図11H】図11Hは、戦略−進捗領域内の戦術更新メッセージの例を示す。
【図12】図12は、マルチシンボル内の実行中の注文でのポジション・ウインドウを示す。
【図13】図13は、マルチ実行アルゴリズムでのポジション・ウインドウを示す。
【図14】図14は、ポジション・ウインドウ・ツールバーを示す。
【図15】図15は、パイプライン実施例におけるポジション・ウインドウ・ツールバーを示す。
【図16】図16は、ポジション・ウインドウから起動される実行中のアルゴリズムに対する、(実行中のアルゴリズム及び現在の入札/買値に対する指値を示す)フィッシュボーンを示す。
【図17A】図17Aは、アルゴリズム動作パラメータを変えるために用いられる、実行中のフィッシュボーンから起動される注文ボックスを示す。
【図17B】図17Bは、アルゴリズム動作パラメータを変えるために用いられる、実行中のフィッシュボーンから起動される注文ボックスを示す。
【図18】図18は、ポジション・ウインドウ・ツールバーから起動された実行中のアルゴリズムに対する(未決及び満たされた注文を示す)フィッシュボーンを示す。
【図19】図19は、ポジション・ウインドウ・ツールバーから起動された実行中のアルゴリズムに対する(ブックの効果的な深さを表している流動性ラインを示す)フィッシュボーンを示す。
【図20】図20は、「ディスプレイ・ベンチマーク・モニタ・ダイヤル」を伴う戦略−進捗領域におけるフィッシュボーンを示す。
【図21】図21は、ベンチマーク・ダイヤルが非活動である状況における、戦略−進捗領域におけるフィッシュボーン下のベンチマーク・ダイヤル領域を示す。
【図22】図22は、数値指標が貼り付けられた、戦略−進捗領域内のフィッシュボーン下で動作中のベンチマーク・ダイヤルを示す。
【図23】図23は、グラフィック指標が貼り付けられた、戦略−進捗領域内のフィッシュボーン下で動作中のベンチマーク・ダイヤルを示す。
【図24A】図24Aは、一連の実行中のベンチマーク・ダイヤルを示す。
【図24B】図24Bは、一連の実行中のベンチマーク・ダイヤルを示す。
【図24C】図24Cは、一連の実行中のベンチマーク・ダイヤルを示す。
【図24D】図24Dは、一連の実行中のベンチマーク・ダイヤルを示す。
【図24E】図24Eは、一連の実行中のベンチマーク・ダイヤルを示す。
【図24F】図24Fは、一連の実行中のベンチマーク・ダイヤルを示す。
【図25】図25は、ベンチマーク・ダイヤルから市場コンテキストへフリップするための「車形の」矢印の使用を示す。
【図26】図26は、市場コンテキストの例を示す。
【図27】図27は、好ましい実施形態を実行可能なシステムを示すブロック図である。
【図28A】図28Aは、本発明の概要を示すフローチャートである。
【図28B】図28Bは、本発明の概要を示すフローチャートである。
【図28C】図28Cは、本発明の概要を示すフローチャートである。
【図29】図29は、トレーダがアルゴリズムの速度を制御可能である、好ましい実施形態の変形例を示すスクリーンショットである。
【図30】図30は、トレーダがアルゴリズムの速度を制御可能である、好ましい実施形態の変形例を示すスクリーンショットである。
【図31】図31は、トレーダがアルゴリズムの速度を制御可能である、好ましい実施形態の変形例を示すスクリーンショットである。
【図32】図32は、トレーダがアルゴリズムの速度を制御可能である、好ましい実施形態の変形例を示すスクリーンショットである。
【図33】図33は、トレーダがアルゴリズムの速度を制御可能である、好ましい実施形態の変形例を示すスクリーンショットである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引商品及び/またはサービスのための方法であって、
(a)コンピュータに複数の取引アルゴリズムを受け取り、
(b)1つ以上の取引アルゴリズムを選択し、前記複数のアルゴリズムは異なる取引スタイルを有する複数のアルゴリズムを含み、前記1つ以上の取引アルゴリズムの選択は、様々な取引アルゴリズムのうち、どれが近い将来、最も効果的であるかという予測に基づき、
(c)協調または並列の方法で、ステップ(b)で選択された前記1つ以上の取引アルゴリズムを実行し、前記複数のアルゴリズムは異なる取引スタイルを有する複数のアルゴリズムを含み、前記アルゴリズムはパフォーマンスのリアルタイム測定に従って協調される、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
(d)トレーダに、計算装置によって提供されたグラフィック制御インターフェースを介して、前記アルゴリズムの操作の速度を変えることを可能にさせる、ことを更に含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記グラフィック制御インターフェースは、トレーダーがアルゴリズムの操作の速度を変えるためにクリックするボタンを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記ボタンは、上及び下矢印ボタンを含むことを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記グラフィック制御インターフェースは、商品及び/またはサービスに対して決定された最大取引速度と比較しての、トレーダによって選択された操作の速度を示す表示をさらに含む、ことを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記最大レートは、他の市場参加者に容易に取引を見つけられることなく、商品及び/またはサービスの取引ができる最高レートである、ことを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
取引商品及び/またはサービスを取引するためのシステムであって、
表示装置と、
ユーザ入力装置と、
外部システムと通信するための通信装置と、
前記表示装置、前記ユーザ入力装置、及び前記通信装置と通信する処理装置と
を備え、
前記処理装置は、
(a)複数の取引アルゴリズムの選択を、前記ユーザ入力装置から受け取り、
(b)1つ以上の取引アルゴリズムを選択し、前記複数のアルゴリズムが異なる取引スタイルを有する複数のアルゴリズムを含み、前記1つ以上の取引アルゴリズムの選択が、様々な取引アルゴリズムのうち、どれが近い将来、最も効果的であるかという予測に基づき、
(c)協調または並列の方法で、ステップ(b)で選択された前記1つ以上の取引アルゴリズムを実行し、前記複数のアルゴリズムが異なる取引スタイルを有する複数のアルゴリズムを含み、前記アルゴリズムがパフォーマンスのリアルタイム測定に従って協調される、
ようにプログラムされたことを特徴とするシステム。
【請求項8】
(d)トレーダに、計算装置によって提供されたグラフィック制御インターフェースを介して、前記アルゴリズムの操作の速度を変更可能にさせる、ことを更に含むことを特徴とする請求項7記載のシステム。
【請求項9】
前記グラフィック制御インターフェースは、トレーダがアルゴリズムの操作の速度を変えるためにクリックするボタンを含むことを特徴とする請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記ボタンは、上及び下矢印ボタンを含むことを特徴とする請求項9記載のシステム。
【請求項11】
前記グラフィック制御インターフェースは、商品及び/またはサービスに対して決定された最大取引速度と比較しての、トレーダによって選択された操作の速度を示す表示をさらに含む、ことを特徴とする請求項9記載のシステム。
【請求項12】
前記最大レートは、他の市場参加者により容易に取引を見つけられることなく、商品及び/またはサービスが取引できる最高レートである、ことを特徴とする請求項11記載のシステム。
【請求項13】
取引商品及び/またはサービスを取引するための製造品であって、
コンピュータで読み取り可能な記憶媒体と、
前記記憶媒体に格納されたコードと
を備え、
前記コードは、計算装置上で実行されると、
(a)複数の取引アルゴリズムの選択を、前記計算装置で受け取り、
(b)1つ以上の取引アルゴリズムを選択し、前記複数のアルゴリズムが異なる取引スタイルを有する複数のアルゴリズムを含み、前記1つ以上の取引アルゴリズムの選択が、様々な取引アルゴリズムのうち、どれが近い将来、最も効果的であるかという予測に基づき、
(c)協調または並列の方法で、ステップ(b)で選択された前記1つ以上の取引アルゴリズムを実行し、前記複数のアルゴリズムが異なる取引スタイルを有する複数のアルゴリズムを含み、前記アルゴリズムがパフォーマンスのリアルタイム測定に従って協調される、
ように前記計算装置を制御することを特徴とする製造品。
【請求項14】
前記取引スタイルの1つ以上は、前記アルゴリズムの過去の実績に基づいて選択され、過去の実績のデータが利用可能でないならば、前記選択は、ランダムな選択に基づく、ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記取引スタイルの1つ以上は、前記アルゴリズムの過去の実績に基づいて選択され、過去の実績のデータが利用可能でないならば、前記選択は、ランダムな選択に基づく、ことを特徴とする請求項7記載のシステム。
【請求項1】
取引商品及び/またはサービスのための方法であって、
(a)コンピュータに複数の取引アルゴリズムを受け取り、
(b)1つ以上の取引アルゴリズムを選択し、前記複数のアルゴリズムは異なる取引スタイルを有する複数のアルゴリズムを含み、前記1つ以上の取引アルゴリズムの選択は、様々な取引アルゴリズムのうち、どれが近い将来、最も効果的であるかという予測に基づき、
(c)協調または並列の方法で、ステップ(b)で選択された前記1つ以上の取引アルゴリズムを実行し、前記複数のアルゴリズムは異なる取引スタイルを有する複数のアルゴリズムを含み、前記アルゴリズムはパフォーマンスのリアルタイム測定に従って協調される、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
(d)トレーダに、計算装置によって提供されたグラフィック制御インターフェースを介して、前記アルゴリズムの操作の速度を変えることを可能にさせる、ことを更に含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記グラフィック制御インターフェースは、トレーダーがアルゴリズムの操作の速度を変えるためにクリックするボタンを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記ボタンは、上及び下矢印ボタンを含むことを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記グラフィック制御インターフェースは、商品及び/またはサービスに対して決定された最大取引速度と比較しての、トレーダによって選択された操作の速度を示す表示をさらに含む、ことを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記最大レートは、他の市場参加者に容易に取引を見つけられることなく、商品及び/またはサービスの取引ができる最高レートである、ことを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
取引商品及び/またはサービスを取引するためのシステムであって、
表示装置と、
ユーザ入力装置と、
外部システムと通信するための通信装置と、
前記表示装置、前記ユーザ入力装置、及び前記通信装置と通信する処理装置と
を備え、
前記処理装置は、
(a)複数の取引アルゴリズムの選択を、前記ユーザ入力装置から受け取り、
(b)1つ以上の取引アルゴリズムを選択し、前記複数のアルゴリズムが異なる取引スタイルを有する複数のアルゴリズムを含み、前記1つ以上の取引アルゴリズムの選択が、様々な取引アルゴリズムのうち、どれが近い将来、最も効果的であるかという予測に基づき、
(c)協調または並列の方法で、ステップ(b)で選択された前記1つ以上の取引アルゴリズムを実行し、前記複数のアルゴリズムが異なる取引スタイルを有する複数のアルゴリズムを含み、前記アルゴリズムがパフォーマンスのリアルタイム測定に従って協調される、
ようにプログラムされたことを特徴とするシステム。
【請求項8】
(d)トレーダに、計算装置によって提供されたグラフィック制御インターフェースを介して、前記アルゴリズムの操作の速度を変更可能にさせる、ことを更に含むことを特徴とする請求項7記載のシステム。
【請求項9】
前記グラフィック制御インターフェースは、トレーダがアルゴリズムの操作の速度を変えるためにクリックするボタンを含むことを特徴とする請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記ボタンは、上及び下矢印ボタンを含むことを特徴とする請求項9記載のシステム。
【請求項11】
前記グラフィック制御インターフェースは、商品及び/またはサービスに対して決定された最大取引速度と比較しての、トレーダによって選択された操作の速度を示す表示をさらに含む、ことを特徴とする請求項9記載のシステム。
【請求項12】
前記最大レートは、他の市場参加者により容易に取引を見つけられることなく、商品及び/またはサービスが取引できる最高レートである、ことを特徴とする請求項11記載のシステム。
【請求項13】
取引商品及び/またはサービスを取引するための製造品であって、
コンピュータで読み取り可能な記憶媒体と、
前記記憶媒体に格納されたコードと
を備え、
前記コードは、計算装置上で実行されると、
(a)複数の取引アルゴリズムの選択を、前記計算装置で受け取り、
(b)1つ以上の取引アルゴリズムを選択し、前記複数のアルゴリズムが異なる取引スタイルを有する複数のアルゴリズムを含み、前記1つ以上の取引アルゴリズムの選択が、様々な取引アルゴリズムのうち、どれが近い将来、最も効果的であるかという予測に基づき、
(c)協調または並列の方法で、ステップ(b)で選択された前記1つ以上の取引アルゴリズムを実行し、前記複数のアルゴリズムが異なる取引スタイルを有する複数のアルゴリズムを含み、前記アルゴリズムがパフォーマンスのリアルタイム測定に従って協調される、
ように前記計算装置を制御することを特徴とする製造品。
【請求項14】
前記取引スタイルの1つ以上は、前記アルゴリズムの過去の実績に基づいて選択され、過去の実績のデータが利用可能でないならば、前記選択は、ランダムな選択に基づく、ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記取引スタイルの1つ以上は、前記アルゴリズムの過去の実績に基づいて選択され、過去の実績のデータが利用可能でないならば、前記選択は、ランダムな選択に基づく、ことを特徴とする請求項7記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図11G】
【図11H】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図24C】
【図24D】
【図24E】
【図24F】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28A】
【図28B】
【図28C】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図11G】
【図11H】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図24C】
【図24D】
【図24E】
【図24F】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28A】
【図28B】
【図28C】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2009−187570(P2009−187570A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90891(P2009−90891)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【分割の表示】特願2009−507955(P2009−507955)の分割
【原出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(508322141)パイプライン フィナンシャル グループ インコーポレイティッド (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【分割の表示】特願2009−507955(P2009−507955)の分割
【原出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(508322141)パイプライン フィナンシャル グループ インコーポレイティッド (7)
【Fターム(参考)】
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