説明

アルミニウム−ボロン太陽電池コンタクト

太陽電池の構成及び製造方法を開示する。本発明は、概して、混合物から作られるコンタクトを含有する太陽電池を提供するものであって、焼成の前に、該混合物は少なくとも一種のアルミニウム源、少なくとも一種のホウ素源、及び約0.1〜約10質量%のガラス成分を含む。該混合物内には、アルミニウム全含有量が、混合物の約50質量%〜約85質量%であり、ホウ素全含有量が混合物の約0.05質量%〜約20質量%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝導性アルミニウム粒子、ホウ素含有ソース、無機添加物、及び有機システム内に分散したガラス原料に関する。その処方は、主にスクリーン印刷が可能であり、光起電装置の作成における使用に適している。これらの処方は、有機物の改良に適したスプレー、ホットメルト印刷、インクジェット印刷、パッド印刷、及びテープラミネーション技術のような他の方法にも適用される。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、通常、太陽光を有用な電気エネルギーに変換するシリコン(Si)のような半導体によって製造される。太陽電池は、一般的に、Siの薄ウェハーから作られ、このウェハーは好適なリン源からリン(P)をP型Siウェハーへと拡散することにより形成されるPN接合を要する。シリコンウェハーの太陽光が入射する側は、入射する太陽光の反射損失を防ぐため、通常反射防止膜(ARC)で覆われており、これによって太陽電池の効率が高められる。前面コンタクト(front−contact)として知られる二次元の電極グリッドパターンはN型シリコンへの連絡を形成し、もう一方の側(裏面コンタクト;back−contact)は、アルミニウム(Al)コーティングによってP型シリコンへと連絡する。また、銀リアコンタクト(silver−rear contact)として知られるコンタクトは、銀、又は銀−アルミニウムペーストにより作成され、シリコンのN側に印刷、焼成することで、タブを固くつなぎ、太陽電池モジュールにおいて一つのセルを次のセルへと電気的に連絡することを可能としている。これらのコンタクトは、PN接合部から外部へと出力するための電気的な出力路である。
【0003】
太陽電池コンタクトに用いられる従来のペーストは、鉛フリットを含んでいる。太陽電池ペーストのガラス成分中にPbOを含有することによって、(a)ペースト組成物の焼結温度を低く抑える、(b)シリコン基盤との促進作用、焼結の際にシリコンとの低い接触抵抗の形成を促進する、といった所望の効果が得られる。これら及び他の理由によって、PbOは、従来の太陽電池ペースト組成物における重要な成分となっている。しかしながら、環境問題への懸念から、ペースト組成物におけるPbO(同様にCdO)の使用は、現在、可能な限り強く忌避されている。このため、光電池産業においては、鉛フリー及びカドミウムフリーのペースト組成物、鉛フリー及びカドミウムフリーのガラスを用いた太陽電池コンタクトペーストとして好適な特性を与えることのできる組成物の必要性が存在する。
【0004】
現在、典型的な太陽電池ケイ素ウェハーは、約200〜300ミクロンの厚さであり、その厚さはどんどん薄くなる傾向に向かっている。なぜならば、ウェハーのコストの約60%は電池作成コストであり、太陽電池産業は150ミクロンに近づくより薄いウェハーを追求している。ウェハーの厚さが薄くなっているため、焼結強度が原因で電池の湾曲(屈曲)が増加する傾向に向かっており、アルミニウム(232×10−7/℃@20〜300℃)とケイ素(26×10−7/℃@20〜300℃)との間の熱膨張係数(TCE)に大きな違いが生じている。
【0005】
ケイ素ウェハーの湾曲を軽減する従来の方法は、裏面電界(BSF)層の不完全な処方によるスクリーン印刷間のアルミニウム容量を低減させ、同様の結果が生じるように焼成温度をより高くすることである。化学エッチング(酸腐食)を用いて、アルミニウムペースト焼成後に形成するAl−Si合金を取り除いてきた例がある。これは、製造プロセス内の別の方法であり、さらなるコストにつながってしまう。
【0006】
別の方法として、Al層とケイ素ウェハーとの間の熱膨張ミスマッチを低減させる添加剤を用いる方法がある。しかしながら、裏面不動態化質の低減、及び太陽電池性能の付随物弱化の欠点がある。ウェハーの裏面の一部だけがアルミニウムで覆われた部分的なカバーは、湾曲を妨げる裏面界に用いられ、電池性能の弱化を引き起こしてきた。
【0007】
最終的に、湾曲を低減、若しくは解消するために確立された別の方法として、焼成後、完成した太陽電池を数秒間で室温から約−50℃に冷却した。このようなAl−Siペースト基盤のプラスチック変形は、湾曲を大きく解消させることができるが、これは付加的な工程方法であり、熱応力により破損する危険性が高い。
【0008】
このため、光電池産業において、太陽電池コンタクト内の高性能なアルミニウム裏面電界、コンタクトのような作成方法、及び裏面電界(BSF)から形成されるAlペーストの低湾曲化の必要性が現存している。
【発明の開示】
【0009】
本発明は、裏面電界(BSF)及びエミッターの処方に関し、p層及びn層を有するシリコン太陽電池の応用に関するアルミニウム−ホウ素ペーストを提供する。該ペーストを焼成し、作成したホウ素ドープアルミニウムコンタクトは、超薄シリコンウェハーの湾曲を除去し、又は最小限にすると同時に、破損を低減させ、低い直列抵抗(R)、高い並列抵抗(Rsh)、高効率(η)及び高曲線因子(FF)によって判断されるように、太陽電池の信頼性及び電気的性能を改善する。
【0010】
通常、本発明はコンタクトを含む太陽電池を包含する。該コンタクトは、焼成前の混合物製造され、該混合物は少なくとも一つのアルミニウム源、少なくとも一つのホウ素源を含んでおり、ガラス成分の約0.1〜約10質量%を含んでいる。アルミニウムの成分は、該混合物の約50〜約85質量%であり、ホウ素の成分は、該混合物の約0.05〜20質量%である。
【0011】
本発明の別の実施例は、シリコンウェハー、アルミニウム、及びホウ素を含む太陽電池であり、該ケイ素ウェハー内の約0〜約5ミクロンの深さにおける(Al+B)の結合濃度が、約1立方センチメートル(cm)あたり約1018〜約1020アトムである。
【0012】
本発明の組成物及び方法は、裏面コンタクト(BSF)成分間(典型的にはシリコンとAl)において、適切に処方されたアルミニウム−ホウ素ペーストを通じ、最適な相互作用、結合、及び接触の形成を促進することによって、従来技術の欠点を克服するものである。アルミニウム、ホウ素、及びガラス組成物を含有する導電性のペーストは、シリコン基板上に印刷された後に焼成され、ガラスが熔融し、金属が焼結し、シリコンウェハーの数ミクロンの深さにアルミニウムをドープさせる。焼成後、裏面コンタクトに、p層が形成され、Al−Si共晶層によってオーバーレイされ、ホウ素を含有することができるアルミニウム層から順にオーバーレイされる。
【0013】
本発明の上記及び他の特徴は、以下、さらに詳しく記載され、特に請求項や以下の記載(本発明における特定の具体的な実施例を詳細に説明している)において指摘されている。しかしながら、これらは本発明の原理が採用される多様な方法が少なからずあることを示している。
【発明の詳細な説明】
【0014】
概略、本発明は、コンタクトを含む太陽電池を提供する。該コンタクトは、焼成の前に、混合物から作成され、該混合物は少なくとも一つのアルミニウム源、少なくとも一つのホウ素源を含んでおり、ガラス成分の約0.1〜約10質量%を含んでいる。アルミニウムの成分は、該混合物の約50〜約85質量%であり、ホウ素の成分は、該混合物の約0.05〜約20質量%である。
【0015】
本発明の別の実施例は、シリコンウェハー、アルミニウム、及びホウ素を含む太陽電池であり、該ケイ素ウェハー内の約0〜約5ミクロンの深さにおける(Al+B)の結合濃度が、約1立方センチメートル(cm)あたり約1018〜約1020アトムである。
【0016】
アルミニウム裏面コンタクトは、SiとAg/Al裏面コンタクト層との両方を用いて作成される。裏面コンタクト中、金属組成物は、アルミニウム、ホウ素、及びガラス組成物のうち、いくつかのタイプの一つであることが好ましい。ビスマス含有ガラス、及びアルカリチタンケイ酸塩ガラスは、いずれも、これまで用いられてきた太陽電池裏面コンタクトの先行技術よりも利点を有する。
【0017】
概して、アルミニウムを含有する厚膜フィルムペーストおよびガラス原料は、光照射によって発生する電流を集電するため、シリコンベース太陽電池の裏面コンタクトの形成に使用される。ペーストは一般的にスクリーン印刷で塗布されるものの、噴出、パッド印刷、インクジェット印刷、及びホットメルト印刷のような方法も使用される。本発明の混合物に適したさらなる有機物の改良は、テープラミネーション技術に応用される。スクリーン印刷された前面コンタクトを有する太陽電池は、比較的低温(ウェハー温度550℃〜850℃、焼成炉の設定温度650℃〜1000℃)で焼成され、アルミニウムをドープしたシリコンウェハーのP側とアルミニウムベースのペーストとの間に低い抵抗のコンタクトを形成する。また、ここでは太陽電池の製造方法も想定される。
【0018】
アルミニウム−、及びガラス含有の裏面コンタクトは、太陽電池裏側の低い抵抗のオーム接触形成に使用される。これは、Alドープ(p)エピタキシャル成長Si層の広範囲での溶融及び再固化により生じ、裏面電界の改善によって太陽電池性能を向上する。性能の最適化のため、厚いP再成長領域が理想的であると考えられている。また、エピタキシャル成長P層からの金属不純物の排除によって高キャリア寿命を生じるとも考えられている。これらの2つの因子は、開放電圧を増大し、より重要なことには、バルク抵抗の増加によって開放電圧がわずかにしか降下しない。したがって、Al裏面コンタクト中での実質的なエピタキシャル再成長P層の形成によって、太陽電池の性能が向上する。
【0019】
裏面コンタクトにおいては、焼成時に、液相エピタキシーによってシリコン基板上にp層を形成する。これは、アルミニウム−シリコン(Al−Si)溶融物が再び固化する間に生じる。高ビスマスの鉛フリー及びカドミウムフリーのガラスは、低温で比較的優れたフロー特性を示すことから、低温での焼成を可能にする。アルカリチタンケイ酸ガラスはより低い焼成温度に達するための別の手段がある。鉛ガラスは、環境的な理由からしばしば避けられていたが、例えば極端に低い溶解性およびぬれ性を示すガラスのように、現在の目的の場合にのみ用いられる。高ビスマスの鉛フリー及びカドミウムフリーのガラスは、低温で比較的優れたフロー特性を示すことから、低温での焼成を可能にする。比較的高シリコン、低ビスマスの鉛フリー及びカドミウムフリーのガラスは、裏側のSiと過剰な相互作用を生じることがなく、裏面コンタクトとしての好ましい特性を与える。同様に、高ビスマスの鉛フリー及びカドミウムフリーのガラスは、Siと裏面Alの双方で最適な相互作用を生じ、裏側Si上での最適な鉛フリーの銀リアコンタクトを形成することが可能となる。
【0020】
広く解釈すると、発明性のあるペーストとは、アルミニウム、ホウ素、ガラスを含有する。それぞれの成分は以下詳述の通りである。
【0021】
ペーストガラス。
ペーストはガラス組成物の約0.1〜約10質量%、好ましくは約0.2〜約5質量%を含有する。ガラス組成物は、焼成前に、一種以上のガラス組成物を含有する。いずれのガラス組成物も、実施例において、Bi、B、及びSiOを含む酸化物原料を含有する。他の実施例において、ガラス組成物はアルカリ酸化物であるTiO及びSiOを含有する。三番目の実施例において、ガラス素子物はPbOを含有する。特に、本発明の様々な実施例において、裏面コンタクトのガラス組成物は表1〜3に示されている。表内の“20三価酸化物”とは、Al,Ga,In,Sc,Y、及び原子番号57〜71を有する元素、及びこれらの組合せからなる群から選ばれる元素の三価の酸化物のことを意味する。ペーストの形成において、ガラス原料は、たとえ先行技術に他の粒子径のものが用いられていたとしても、主として約0.5〜約10ミクロンの粒子径を有する。
【0022】
表1〜3を見ると、1種以上のガラス組成物を使用してもよく、また、同一表中の異なる列における量を含む組成物も想定される。第2のガラス組成物を用いる場合、シリコンとペーストとの相互作用の程度、及びこの結果得られる太陽電池特性を制御するため、そしてシリコンウェハーの湾曲を制御するため、ガラス組成物の組成を変化させることができる。例えば、ガラス成分中、第1及び第2のガラス組成物は、約1:20〜約20:1、好ましくは、約1:5〜約5:1の重量比で存在させることができる。好ましくは、ガラス成分は、鉛及び鉛の酸化物、カドミウム及びカドミウムの酸化物を含まない。しかしながら、PbOの特性が重複しない実施例に関しては、有利にPbOを含有する。「LiO+NaO+KO」のような記載は、指定範囲内でLiOとNaOとKOの全成分が含まれていることを意味する。
【0023】
【表1】

【0024】
【表2】

【0025】
【表3】

【0026】
実施例において、ガラス組成物は以下の量を含むことが好ましい。BiO約12〜約50モル%;SiO約25〜約65モル%;B約5〜約15モル%;KO約4〜約26モル%;B約5〜約15モル%;TiO約10モル%以下;B約5〜約15モル%;Li,Na,K,Sb、及びこれらの組合せからなる群から選ばれる元素の酸化物であり、このような酸化物の含有量が約40モル%以下の場合、化合物は少なくとも約1モル%であることが好ましい。アルカリ酸化物を含有する実施例において、ガラス組成物は以下の量を含むことが好ましい。LiO約1〜約15モル%;NaO約8〜約25モル%;KO約3〜約25モル%;TiO約8〜約22モル%;SiO約25〜約50モル%;V約2〜約18モル%;P約0.25〜約5モル%;フッ素化合物約20モル%以下をさらに含んでもよい。
【0027】
別の好ましい実施例として、以下の酸化物の全量がモル%にて示された量を超えない限り、該組成物は下記の一種以上を含んでもよい。LIO(15%)、NaO(25%)、KO(25%)、TiO(22%)、SiO(60%)、V(18%)、(Sb,V,P)の合計(25%)、F(15%)。
【0028】
最も好ましい実施例は、上述のように鉛フリー及びカドミニウムフリーのガラスを用いたものである。しかしながら、鉛枠ガラスよりも他のものによって達成できない特性が求められた場合、ガラス組成物は以下の一種以上を含有してもよく、以下の酸化物の全量がモル%にて示された量を超えない限り、該組成物は下記の一種以上を含んでもよい。PbO(65%)、SiO(30%)、B(30%)、ZnO(25%)、Al,Ga,In,Sc,Y,Laからなる群から選ばれる元素の三価の酸化物(25%)、及び(TiO+ZrO)(5%)、(B+SiO)総量が45%以下。鉛含有ガラス組成物は、Alを約0.1〜約8モル%をさらに含んでもよい。
【0029】
金属成分。
太陽電池コンタクトにおいて、金属は導電性でなければならない。裏面コンタクトにおいて、金属成分はアルミニウムを含んでいる。アルミニウム金属成分は、アルミニウム金属粉末、アルミニウム合金、アルミニウム塩、有機金属アルミニウムを含む、いかなる好適な形態でもよい。ペーストに使用されるアルミニウム粒子は、球状、フレーク状、又はコロイド懸濁液としての提供、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。ペーストを処方する場合、金属粉末は主として約0.1〜約40ミクロンの粒子径のものを用い、10ミクロンよりも小さい方が好ましい。例えば、ペーストは、約80〜99質量%の球状アルミニウム粉末、あるいは、約75〜90質量%の球状アルミニウム粒子と約1〜10質量%のアルミニウムフレークを含有してもよい。また、ペーストは、約75〜90質量%のアルミニウムフレークと約1〜10質量%のコロイドアルミニウム、又は約60〜約95質量%のアルミニウム粉末またはアルミニウムフレークと約0.1〜約20質量%のコロイドアルミニウムを含有してもよい。適当な市販のアルミニウム粒子の例として、Alcoa,Inc、Pittsburgh,PA、Ampal,Inc、Flemington,NJ、及びECKA Granulate GmbH&Co.KG(ドイツ国、フュルト)にて市販されている。
【0030】
アルミニウム合金は、アルミニウムと、ホウ素、ケイ素、ガリウム、インジウム、アンチモン、及びマグネシウムからなる群から選択される金属を含有するものを用いてもよい。実施例は、アルミニウムとホウ素の両方を備えており、すなわち、アルミニウム−ボロン合金であり、約60〜約99質量%のアルミニウムと約0.1〜約40質量%のホウ素を含んでいる。ホウ素を0.2質量%含有するアルミニウム−ボロン合金の好適な実施例は、混合物中にアルミニウムとホウ素を備えるため、ペースト混合物の最大98質量%にわたって用いることができる。さらに別の好適な実施例において、Al−Si,Al−Mg,Al−Ga,Al−In,Al−Sb,Al−Sn,Al−Znの合金の一種以上が混合物の最大約50質量%を構成してもしてもよい。
【0031】
ホウ素源はホウ素金属粉末、ホウ素合金、ホウ素塩、ホウ酸、有機金属ホウ素、ホウ素酸化物、ホウ素含有ガラスでもよい。先述の組合せでもよい。特に、ホウ素源は、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸マグネシウム、含有Bガラス、及びこれらの組合せでもよい。好ましい例は、ホウ素を提供することができる有機金属ホウ素溶液であり、このようなホウ素はペースト混合物の5質量%を超えてはならない。
【0032】
本発明のAl−Bペーストは、1cmあたり約1019〜約1020アトムの濃度で活性ピークのドーピングを有する数ミクロンの厚さのPBSFを形成している。すなわち、従来のAlペースト(例えば、1cmあたり約1018アトム)より1又は2次数高い規模を達成している。この新しいAl−Bペーストは、Si中のホウ素の固溶性をより高くし、Siに対するAlの溶解性を増やすことを必要としている。したがって、Al−Bペーストは、BSF形成のためにより薄いペースト層を堆積させることができ、湾曲を軽減し、Al−Si層の良いオーム接触特性を失うことなく太陽電池の少数キャリア寿命を改良するためにアルミニウムのゲッタリング特性を引き出している。図1は、広がり抵抗測定を用いたAl−B合金化プロセス後の測定されたシリコン内のPキャリアー濃度を示している。広がり抵抗値は、Al−B合金化プロセスによって起こった荒さが原因でPキャリアー濃度に変化を示している。
【0033】
有機ビヒクル。
ペーストは、ビヒクル又はキャリヤーを含み、これらは、一般に、溶媒に溶解した樹脂溶液であり、その多くは樹脂とチキソトロープ剤の両者を含む溶媒溶液である。ペーストの有機部分は、(a)少なくとも約80重量%の有機溶媒;(b)約15重量%までの熱可塑性樹脂;(c)約4重量%までのチキソトロープ剤;及び(d)約2重量%までの湿潤剤を含む。1種以上の溶媒、樹脂、チキソトロープ、及び/又は湿潤剤の使用も想定される。固体部分と有機部分の重量比は各種想定されるが、一実施例においては、固体部分と有機部分の重量比が、約20:1〜約1:20であり、好ましくは約15:1〜約1:15であり、より好ましくは約10:1〜1:10である。
【0034】
エチルセルロースは、一般的に用いられる樹脂である。しかしながら、エチルヒドロキシエチルセルロース、ウッドロジン、エチルセルロース及びフェノール樹脂の混合物、低級アルコールのポリメタクリル酸塩、およびエチレングリコールモノ酢酸のモノブチルエーテル等を用いることもできる。約130〜約350℃の沸点(1atm)を有する溶媒が好ましい。広く使用される溶媒としては、α又はβテルピネオールのようなテルペン、もしくは、Dowanol(登録商標;ジエチレングリコールモノエチルエーテル)のような高沸点アルコール、又はそれらとbutyl Carbitol(登録商標;ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、dibutyl Carbitol(登録商標;ジエチレングリコールジブチルエーテル)、butyl Carbitol acetate(登録商標;ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)、ヘキシレングリコール、Texanol(登録商標;2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールイソブチレート)のような他の溶媒との混合物、並びにその他のアルコールエステル、ケロシンやフタル酸ジブチルがある。ビヒクルは、コンタクトを調整するために、例えば、ニッケル、リンもしくは銀をベースとする有機金属化合物を含有することができる。N−DIFFUSOL(登録商標)は、リン元素と同程度の拡散係数を持つn型拡散剤を含有する安定な液体製剤である。これらと他の溶媒との様々な組み合わせによって、それぞれの用途に求められる所望の粘度や揮発性を得ることができる。通常、厚膜ペースト処方に使用される他の分散剤、界面活性剤及び流動性改質剤を含んでいてもよい。このような製品の市販品は、以下の商標にて販売されている:Texanol(登録商標;Eastman Chemical Company,テネシー州キングスポート);Dowanol及びCarbitol(登録商標;Dow Chemical Co.,ミシシッピ州ミッドランド);Triton(登録商標;Union Carbide Division of Dow Chemical Co.,ミシシッピ州ミッドランド)、Thixatrol(登録商標;Elementis Company,ニュージャージー州ハイツタウン)、及びDiffusol(登録商標;Transene Co. Inc.,マサチューセッツ州ダンバー)。
【0035】
一般的に使用される有機チキソトロープ剤は、硬化ヒマシ油及びそれらの誘導体である。チキソトロープ剤は、懸濁液のずり流動化能を有する溶媒においてのみ好適であるため、常に必要とされるものではない。さらに、湿潤剤として脂肪酸エステル、例えば、N−タロー−1,3−ジアミノプロパンジオレート、N−タロートリメチレンジアミンジアセテート、N−ココトリメチレンジアミン、ベータジアミン、N−オレイルトリメチレンジアミン、N−タロートリメチレンジアミン及びN−タロートリメチレンジアミンジオレート、及びそれらの組み合わせが用いられる。
【0036】
以上の組成範囲は好適なものであって、これらの範囲に限定されるものではないことに注意すべきであり、当業者は製品の製造・形成において、特定の用途、特定の組成物及び条件に応じて、これらの組成範囲を変更し得ることを認識するであろう。
【0037】
他の添加物。
粘土、ファインシリコン、シリカ、又はそれらの化合物のような他の添加物を、金属成分とシリコンとの反応を抑えるために添加することができる。焼成された一般の粘土が好適である。Pb、Bi、In、Ga、Sn、Zn、及びこれと少なくとも1種の他の金属との合金のような、低融点の金属添加物(すなわち、金属酸化物とは異なる元素金属添加物)の微粒子は、低温条件でコンタクトを提供するため、あるいは焼成温度範囲を拡大するために添加することができる。
【0038】
(a)ガラスの混合物、(b)結晶性添加剤とガラスの混合物、あるいは(c)1種以上の結晶性添加剤の混合物を、所望の組成範囲でガラス成分中に処方して用いることができる。その目的は、接触抵抗を減少し、太陽電池の電気的性能を向上することにある。例えば、Bi,Sb,In,Ga,SnO,ZnO,SiO,ZrO,Al,B,V,Ta,各種アルミノケイ酸塩,12Bi・SiO,2Bi・SiO,3Bi・5SiO,Bi・4SiOのようなビスマスホウ酸塩,6Bi・SiO,Bi・SiO,2Bi・3SiOのようなビスマスケイ酸塩,Bi・2TiO,2Bi・3TiO,2Bi・4TiO,6Bi・TiOのようなビスマスチタン酸塩,MgO・V,SrO・V,CaO・V,BaO・V,ZnO・V,NaO・17V,KO・4V,2LiO・5Vのような各種バナジウム酸塩,6Bi・V,BiVO,2Bi・3V,BiVのようなビスマスバナジウム酸塩,6.5Bi・2.5V・TiOのようなビスマスバナジウムチタン酸塩,2ZnO・3TiOのような亜鉛チタン酸塩,ZnO・SiOのような亜鉛ケイ酸塩,ZrO・SiOのようなジルコニウムケイ酸塩等の第2相の結晶性材料、これらの反応性生物及びこれらの組み合わせを、コンタクト性能を調整するために、ガラス成分に添加してもよい。しかしながら、上記酸化物の総量は、ここに記載された各種実施例に特定された範囲内としなければならない。
【0039】
ペースト調整。
本発明にかかるペーストは、遊星ミキサーによって簡便に調製することができる。使用されるキャリアーの量及びタイプは、主に、最終的に必要とされる処方の粘性、ペーストの粉の細かさ、及びウェットプリントの厚さによって決定される。本発明にかかる組成物の調製においては、遊星ミキサーのような適当な装置によって、微粒子無機固体をキャリアーと混合・分散し、懸濁液を生成する。この結果得られた組成物は、ブルックフィールドHTB型粘度計を用い、スピンドル14、25℃で測定したせん断速度9.6sec−1での粘性が、約100〜約500kcps、好適には約300〜約400kcpsとなる。
【0040】
ペーストのプリント及び焼成。
本発明の太陽電池裏面コンタクトの形成方法においては、(1)予め裏面銀リアコンタクトペーストが塗布、乾燥されたシリコンウェハーのP側にAl−B含有ペーストを塗布し、(2)ペーストを乾燥し、(3)前面コンタクト銀ペーストを塗布し、(4)前面コンタクト、銀リアコンタクト、及びAl−B裏面コンタクトを共焼成する工程、が含まれる。銀リアコンタクトAgペースト、Al−B裏面コンタクトペースト、及びAg前面コンタクトペーストがプリントされた太陽電池は、炉設定温度約650〜950℃、又はウェハー温度約550〜850℃といった好適な温度で焼成される。Al焼成時に、ウェハー温度がAl−Siの共融温度である577℃を超えると、裏面コンタクトAl及びBは基板のSiを溶解し、液体Al−B−Si層を形成する。さらにピーク温度まで加熱する間、このAl−B−Si液体は基板Siを溶解し続ける。冷却の間、Al−B−Si溶融物からSiが沈殿する。この沈殿したSiは、Si基板上にエピタキシャル層として成長し、より純粋なp層を形成する。溶融物の冷却が、Al−Siの共融温度に達すると、残部の液体はAl−Si共融層として凝固する。純粋なp層によって裏面電界(BSF)が得られ、これにより太陽電池性能が向上すると考えられる。このため、Al−B裏面コンタクト中のガラスは、効果的なBSF層の形成に過度な悪影響を与えないように、Al(及び/又はAl−B原料)及びSiとの相互作用を最適化すべきである。
【0041】
裏面コンタクトの製造方法。
本発明にかかる太陽電池の裏面コンタクトは、表1,2,3のガラス組成物を含むアルミニウム粉末、ホウ素を含む原料を混合して得られる、本明細書のどこかに記載されたAl−Bペーストを、Ag銀リアコンタクトペーストをプレコーティングしたシリコン基板のP側に塗布することによって製造することでき、例えば、スクリーン印刷によって、約30〜50ミクロンの所望のウェット厚さとすることができる。
【0042】
以下は、前面コンタクト、裏面コンタクト及び銀リアコンタクトの製造において共通する。自動スクリーン印刷技術では、200−325メッシュスクリーンを使用することができる。その後、印刷パターンは、焼成の前に、200℃以下、好適には約120℃で約5−15分間乾燥される。本発明の乾燥印刷されたAl−B裏面コンタクトペーストは、ピーク温度にて、最低1秒から最大約5分の間、ベルトコンベヤー式炉内、空気中で、銀リアコンタクトと銀表面コンタクトペーストと共焼成することができる。
【0043】
窒素(N)又はその他の不活性雰囲気を必要に応じて用いてもよいが、必須ではない。焼成は、通常、有機物質の完全燃焼が可能な約300℃〜約550℃の温度プロフィールで行なわれ、約650℃〜約1000℃の炉設定温度ピークは、最低1秒間しか持続しないが、低温で焼成した場合には、1、3、及び5分程度のより長い焼成時間が可能である。例えば、3ゾーン焼成プロフィールを、ベルト速度約1〜約4m(40〜160インチ)/minで使用することができる。当然、4、5、6、又は7ゾーンもしくはそれ以上といった3ゾーン以上の焼成配列も本発明により想定され、それぞれのゾーンの長さは約5〜約20インチ、焼成温度は650〜1000℃である。
【実施例】
【0044】
実施例。
以下の実施例で用いられた多結晶シリコンウェハーは、243cmで厚さ約180ミクロンであった。これらのウェハーは、SiのN側に窒化ケイ素反射防止膜を被覆した。これらのウェハーのシート抵抗は約1Ω−cmであった。本発明のガラスの例を表4に示す。
【表4】

【0045】
表5に例示されるAl−B処方は、通常使用される2〜5μmの銀粉末又はフレーク、あるいは4〜10μmのアルミニウム粉末(又はアルミニウム−ホウ素粉末)、Cabosil(登録商標)、有機ボロンとチタンの溶液、Anti−Tera(登録商標)204、有機ビヒクル、及びTexanol(登録商標)とともに表4のガラスに加えて調整される。粘土は、水を除去させるために焼成したNa0.3(Mg,Li)Si10(OH)であり、定法を用いて(ボールミルにかけた)粉状とし、40質量%の焼成された粘土、59質量%のテルピネオール、及び1質量%のAnti−Tera(登録商標)で潤滑されている。Anti−Tera204はBYK−Chemie GmbH(ヴェーゼル,ドイツ)より市販されている湿潤剤である。Cabosil(登録商標)は、Cabot Corporation(ビルリカ,マサチューセッツ州)より市販されているヒュームドシリカである。ホウ素エトキシド及びオルトチタン酸テトラエチルは、Sigma−Aldrich(ダラス、テキサス州)より市販されている。ビヒクルAは、Texanol(登録商標)(85.3%)、エチルセルロース樹脂(9.5%)、Thixatrol−ST(3.3%)、及びTriton X−100(1.9%)の混合物である。ビヒクルBは、Texanol(登録商標)(88%)、及びThixatrol−ST(12%)の混合物である。
【0046】
【表5】

【0047】
表5に例示したAl−B裏面コンタクトペーストを、Ferro Corporation(クリーブランド,オハイオ州)より市販されている裏面銀/アルミニウムコンタクトペースト(CN33−451)でプレコーティングしたシリコン太陽電池にプリントした。いずれのペーストも、200メッシュスクリーンを用いてプリントした。裏面コンタクトペーストを乾燥させた後、Ferro Corporation(クリーブランド,オハイオ州)より市販されている表面コンタクトペースト(CN33−455)は、280メッシュスクリーンを使用し、フィンガーラインのオープニング100ミクロン、ライン間のスペース約2.8mmでプリントした。銀リアコンタクト及び裏面コンタクトは、200メッシュスクリーンを用いてプリントした。プリントしたウェハーは、3ゾーン赤外線(IR)ベルト炉を使用し、約3m(120”)/minのベルト速度で、3つのゾーンの設定温度がそれぞれ780℃、830℃、920℃の条件で、共焼成した。ゾーンは、それぞれ7”、16”、7”の長さであった。表面コンタクト銀ラインの焼成後のフィンガー幅は、約120〜約170μmであり、焼成後の厚さは、約10〜15μmであった。
【0048】
先行技術の“低湾曲”アルミニウムペースト(Ferro Corporation(クリーブランド,オハイオ州)より市販されている。)は、Ampal3510アルミニウム粉末を使用している発明にしたがい、アルミニウム−ホウ素ペーストを並べて焼成した。それぞれのペースト約1.7gをシリコンウェハーにプリントした。これらの太陽電池の電気的性能は、Oriel Instrument Co.社(ストラトフォード,コネチカット州)のModel91193−1000を用いて、AM1.5の太陽光条件で、ASTMG−173−03に準じて測定した。得られた太陽電池の電気的性能は表6に示すとおりであり、先行技術の低湾曲Alペーストと本発明のAl−Bペーストの比較から、典型的な太陽電池の電気的な特性、及び類似したウェハーの湾曲を示している。
【0049】
【表6】

【0050】
表6において、Jscとは、電流密度を意味し、Vocとは、出力電流0で測定された開回路電圧を意味し、効率(Eff)は当該分野において公知である。
【0051】
付加的な利点及び変更を、当業者は容易に思いつくであろう。このため、本発明は、その広範な態様において、本明細書に示され、記載された特定の詳細又は具体的実施例に限定されるものではない。したがって、添付の請求項及びその均等物により定義される全般的な発明概念の精神あるいはその範囲から逸脱しない限りにおいて、多様な変更を行ってよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、本発明による太陽電池コンタクト内のシリコンウェハー内の深さに応じたアルミニウム及びホウ素の結合濃度を示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合物から作成されるコンタクトを含む太陽電池であって、焼成の前に、該混合物が、
a.少なくとも一種のアルミニウム源と、
b.少なくとも一種のホウ素源と、
c.ガラス成分を約0.1〜約10質量%と、を含み、
該混合物のアルミニウム含有量が約50〜約85質量%であり、
該混合物のホウ素含有量が約0.05〜約20質量%であることを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
請求項1の太陽電池において、該アルミニウム源が、アルミニウム金属粉末、アルミニウム合金、アルミニウム塩、有機金属アルミニウム、アルミニウム酸化物、及びアルミニウム含有ガラスからなる群より選択されることを特徴とする太陽電池。
【請求項3】
請求項1の太陽電池において、該ホウ素源が、ホウ素金属粉末、ホウ素合金、ホウ素塩、ホウ酸、有機金属ホウ素、ホウ素酸化物、及びホウ素含有ガラスからなる群より選択されることを特徴とする太陽電池。
【請求項4】
請求項1の太陽電池において、該アルミニウム源が、ホウ素、ケイ素、ガリウム、インジウム、アンチモン、スズ、亜鉛、及びマグネシウムからなる群より選択される金属とのアルミニウム合金を含むことを特徴とする太陽電池。
【請求項5】
請求項4の太陽電池において、該アルミニウム合金が、アルミニウムを約60〜約99.9質量%、及びホウ素を約0.1〜約40質量%含むことを特徴とする太陽電池。
【請求項6】
請求項1の太陽電池において、該ガラス成分が、Biを約5〜約85モル%、及び(SiO+Bi)を約5〜約75モル%含むことを特徴とする太陽電池。
【請求項7】
請求項6の太陽電池において、該ガラス成分が、さらに酸化亜鉛を含み、該酸化亜鉛の含有量が約55モル%を超えないことを特徴とする特徴とする太陽電池。
【請求項8】
請求項6の太陽電池において、該ガラス成分が、原子番号57〜71を有する元素,Al,Ga,In,Sc,及びY、及びこれらの組合せからなる群から選ばれる元素の三価の酸化物をさらに含み、化合した該三価の酸化物の含有量が約25モル%以下であることを特徴とする太陽電池。
【請求項9】
請求項8の太陽電池において、該ガラス成分が、Li,Na,K,Sb、及びこれらの組合せからなる群から選ばれる元素の酸化物をさらに含み、化合した該酸化物の含有量が約40モル%以下であることを特徴とする太陽電池。
【請求項10】
請求項1の太陽電池において、該ガラス成分が、
a.Bi約12〜約50モル%、
b.SiO約25〜約65モル%、
c.B約5〜約15モル%、及び
d.KO約4〜約26モル%、
を含むことを特徴とする太陽電池。
【請求項11】
請求項1の太陽電池において、該ガラス成分が、いかなる型においても添加する鉛を意図的に欠いていることを特徴とする太陽電池。
【請求項12】
請求項1の太陽電池において、該ガラス成分が、
a.(LiO+NaO+KO)約5〜約55モル%、
b.TiO約2〜約26モル%、及び
c.(SiO+B)約5〜約15モル%、
を含むことを特徴とする太陽電池。
【請求項13】
請求項12の太陽電池において、該ガラス成分が、(V+P+Sb)約5〜約55モル%をさらに含むことを特徴とする太陽電池。
【請求項14】
請求項1の太陽電池において、該ガラス成分が、
a.LiO約1〜約15モル%、
b.NaO約8〜約25モル%、及び
c.KO約3〜約25モル%、
d.TiO約8〜約22モル%、
e.SiO約25〜約50モル%、
f.V約2〜約18モル%、
g.P約0.25〜約5モル%、
を含むことを特徴とする太陽電池。
【請求項15】
請求項1の太陽電池において、該ガラス成分が、PbO約15〜約75モル%、及び(B+SiO)約5〜約50モル%含むことを特徴とする太陽電池。
【請求項16】
請求項15の太陽電池において、該ガラス成分が、原子番号57〜71を有する元素,Al,Ga,In,Sc,及びY、及びこれらの組合せからなる群から選ばれる元素の三価の酸化物約1〜約20モル%をさらに含むことを特徴とする太陽電池。
【請求項17】
請求項15の太陽電池において、該ガラス成分が、
a.PbO約50〜約65モル%、
b.(B+SiO)約24〜約45モル%、及び
c.少なくとも一種の酸化物をさらに含み、
該酸化物の成分は、Al8モル%,ZnO25モル%,ZrO5モル%から成る群から選択され、前記に示されたモル%を超えないことを特徴とする太陽電池。
【請求項18】
請求項1の太陽電池において、該混合物が、SiO,Sb5,In,Ga,SnO,ZnO,TiO,ZrO,Al,B,Na0.3(Mg,Li)Si10(OH),ホウ酸,及びこれらの組合せからなる群から選ばれる添加物をさらに含むことを特徴とする太陽電池。
【請求項19】
シリコンウェハー、アルミニウム、及びホウ素を含む太陽電池において、該ケイ素ウェハー内の約0〜約5ミクロンの深さにおける(Al+B)の結合濃度が、約1立方センチメートルあたり約1018〜約1020アトムであることを特徴とする太陽電池。
【請求項20】
請求項1に記載の太陽電池を含むことを特徴とするソーラーパネル。
【請求項21】
太陽電池コンタクトの製造方法において、
ケイ素ウェハーにアルミニウム、及びホウ素を含むペーストを塗布し、
該ペーストを焼成することを含み、
該混合物が、
a.少なくとも一種のアルミニウム源と、
b.少なくとも一種のホウ素源と
c.ガラス成分を約0.1〜約10質量%と、を含み、
該混合物のアルミニウム含有量が約50〜約85質量%であり、
該混合物のホウ素含有量が約0.05〜約20質量%であることを特徴とする太陽電池コンタクトの製造方法。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2009−530845(P2009−530845A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501413(P2009−501413)
【出願日】平成18年12月3日(2006.12.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/061584
【国際公開番号】WO2007/111722
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(503468695)フエロ コーポレーション (26)
【Fターム(参考)】