説明

アレイアンテナ装置およびそのインピーダンス整合方法

【課題】 アンテナごとに素子インピーダンスを測定する必要がなく、かつ整合回路ごとに異なるバイアス電圧に調整する必要がないアレイアンテナ装置の提供。
【解決手段】 複数個配列されるアンテナ素子10と、複数個配列されるアンテナ素子10に給電する給電回路40A,40Bと、複数個配列されるアンテナ素子10と給電回路40A,40Bとの間にそれぞれ設けられインピーダンス整合を行なう複数の整合回路20と、複数の整合回路20を制御する制御部50とを含み、制御部50は、ビーム走査範囲での中心のアンテナ素子10の素子インピーダンスを算出し、算出した素子インピーダンスに基づきそのアンテナ素子10と給電回路40A,40Bとの整合条件を決定し、その決定した整合条件を全てのアンテナ素子10の整合回路20に付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレイアンテナ装置およびそのインピーダンス整合方法に関し、特に移相器等が実装されたアンテナ素子を複数個並べたフェーズドアレイアンテナのインピーダンス整合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連するレーダ用アンテナでは、移相器等が実装されたアンテナ素子を複数個並べたフェーズドアレイアンテナがよく用いられている。図8は本発明に関連するフェーズドアレイアンテナの一例の構成図である。
【0003】
同図を参照すると、本発明に関連するフェーズドアレイアンテナの一例は、#1〜#n(nは2以上の整数)のそれぞれの系統に設けられるアンテナ素子10および移相器30と、それぞれの移相器30の出力を合成および分配する合成分配器40Aおよび40Bとを含んで構成される。
【0004】
このフェーズドアレイアンテナでは複数個並べられたアンテナ素子10と給電回路(同図の構成では合成分配器40Aおよび40B)との間で効率よく電力を伝えるためにインピーダンス整合を行なう必要がある。また、フェーズドアレイアンテナでは隣接する素子との相互結合が発生する。この相互結合はビーム走査角ごとに異なる結合状態となるため、走査角によってインピーダンス不整合が発生し、利得が低下するという問題がある。
【0005】
走査角ごとにインピーダンス整合する方法としては、次のような方法が一般的に知られている。1つは、アンテナ素子と給電回路間に整合回路を設置する方法である( 特許文献1および2参照) 。
【0006】
特許文献1には、それぞれのアンテナと切り替えスイッチ間に、可変容量素子を有する整合回路が設けられた無線装置が開示されている。この無線装置では、それぞれのアンテナで受信および検波された電圧が最大となるようにそれぞれの整合回路の可変容量素子が調整される。
【0007】
また、特許文献2には、それぞれのアンテナに整合回路を設け、それぞれのアンテナでインピーダンス整合を行なうアレーアンテナが開示されている。
【0008】
他の1つは、アンテナ素子周辺に配置したリアクタンス素子を走査角ごとに所望の素子値に設定してアンテナ素子と給電回路間のインピーダンス整合を取る方法である( 特許文献3参照) 。また、上記特許文献1〜3に記載の技術を組み合わせてインピーダンスを制御する方法等も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−324984号公報
【特許文献2】特開平09−321526号公報
【特許文献3】特開2007−135186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上記特許文献1〜3に記載のアンテナ素子を多数配置するアレイアンテナでは、全走査範囲でアンテナ素子と給電回路のインピーダンスを最適に整合させるためには、ビーム走査範囲内における全ての走査角に応じたアンテナ素子全ての素子インピーダンスを測定またはシミュレーションにより求める必要があり、よって装置規模が増大するという課題がある。
【0011】
また、上記特許文献1〜3に記載のアレイアンテナでは、インピーダンスを調整するため整合回路に使用する可変容量素子にバイアス電圧を掛ける必要があるが、アンテナ素子ごとに整合回路の最適条件を求めるため、整合回路ごとに異なるバイアス電圧を掛ける必要があり、よってハードウエア規模の増大につながるという課題がある。
【0012】
そこで、本発明の目的は、アンテナごとに素子インピーダンスを測定する必要がなく、かつ整合回路ごとに異なるバイアス電圧に調整する必要がないアレイアンテナ装置およびそのインピーダンス整合方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、本発明によるアレイアンテナ装置は、複数個配列されるアンテナ素子と、前記複数個配列されるアンテナ素子に給電する給電回路と、前記複数個配列されるアンテナ素子と前記給電回路との間にそれぞれ設けられインピーダンス整合を行なう複数の整合回路と、前記複数の整合回路を制御する制御部とを含み、前記制御部は、ビーム走査範囲での中心のアンテナ素子の素子インピーダンスを算出し、算出した素子インピーダンスに基づきそのアンテナ素子と給電回路との整合条件を決定し、その決定した整合条件を全てのアンテナ素子の整合回路に付与することを特徴とする。
【0014】
また、本発明によるインピーダンス整合方法は、複数個配列されるアンテナ素子と、前記複数個配列されるアンテナ素子に給電する給電回路と、前記複数個配列されるアンテナ素子と前記給電回路との間にそれぞれ設けられインピーダンス整合を行なう複数の整合回路と、前記複数の整合回路を制御する制御部とを含むアレイアンテナ装置のインピーダンス整合方法であり、前記制御部によって実行され、ビーム走査範囲での中心のアンテナ素子の素子インピーダンスを算出し、算出した素子インピーダンスに基づきそのアンテナ素子と給電回路との整合条件を決定し、その決定した整合条件を全てのアンテナ素子の整合回路に付与するインピーダンス整合ステップを含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明によるプログラムは、複数個配列されるアンテナ素子と、前記複数個配列されるアンテナ素子に給電する給電回路と、前記複数個配列されるアンテナ素子と前記給電回路との間にそれぞれ設けられインピーダンス整合を行なう複数の整合回路と、前記複数の整合回路を制御する制御部とを含むアレイアンテナ装置のインピーダンス整合方法のプログラムであり、前記制御部に、ビーム走査範囲での中心のアンテナ素子の素子インピーダンスを算出し、算出した素子インピーダンスに基づきそのアンテナ素子と給電回路との整合条件を決定し、その決定した整合条件を全てのアンテナ素子の整合回路に付与するインピーダンス整合ステップを実行させるためのものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、アンテナごとに素子インピーダンスを測定する必要がなく、かつ整合回路ごとに異なるバイアス電圧に調整する必要がないアレイアンテナ装置およびそのインピーダンス整合方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るアレイアンテナ装置の一例の構成図である。
【図2】本発明に係るアレイアンテナ装置の一例のアンテナ等価回路図である。
【図3】本発明を適用する前のVSWR対ビーム走査角特性図である。
【図4】本発明を適用する前の振幅対ビーム走査角特性図である。
【図5】本発明を適用した後のVSWR対ビーム走査角特性図である。
【図6】本発明を適用した後の振幅対ビーム走査角特性図である。
【図7】本発明に係るインピーダンス整合方法の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明に関連するフェーズドアレイアンテナの一例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、実施の形態の説明に入る前に、本発明の動作原理について説明しておく。本発明では、アレイアンテナのアンテナ素子が周期的に配列されていることを利用して、ビーム走査範囲での中心のアンテナ素子の素子インピーダンスから求めた整合条件を全整合回路に適用することで、制御部で制御するバイアス電圧を全ての整合回路で同じ値としながら、ビーム走査ごとに最適な整合状態を実現する。
【0019】
本発明では、複数配置されているアンテナ素子と給電回路間にインピーダンスを調整する整合回路を設ける。整合回路には可変容量素子(たとえば、バラクタダイオード、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、液晶等)が設けられており、ビーム走査範囲での中心のアンテナ素子から取得したインピーダンス条件を全てのアンテナ素子の最適条件と仮定して、制御部から整合回路の可変容量素子に与えるバイアス電圧を制御し、ビーム走査範囲での中心で求めた最適整合条件を全ての整合回路に付与することにより、アンテナ素子と給電回路間でのインピーダンスマッチングを行い、ビーム走査範囲内での反射損を抑圧する。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係るアレイアンテナ装置の一例の構成図である。なお、同図において前述の図8と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。
【0021】
図1を参照すると、本発明に係るアレイアンテナ装置の一例は、#1〜#n(nは2以上の整数)のそれぞれの系統に設けられるアンテナ素子10と、整合回路20と、移相器30と、それぞれの移相器30の出力を合成および分配する合成分配器40Aおよび40Bと、制御部50と、プログラム格納部60とを含んで構成される。
【0022】
整合回路20は可変容量素子で構成される。制御部50は可変容量素子を制御する。合成分配器40Aおよび40Bはそれぞれのアンテナ素子10に電力を分配する。プログラム格納部60には後述するインピーダンス整合方法のプログラムが格納されている。
【0023】
図2は本発明に係るアレイアンテナ装置の一例のアンテナ等価回路図である。同図を参照すると、アンテナ等価回路は給電回路1と、アンテナ素子2と、整合回路3とを含んで構成される。
【0024】
給電回路1は、電源インピーダンス1a(インピーダンス値をZgとする)と、電源電圧1b(電圧値をVgとする)とで表現できる。アンテナ素子2は、素子インピーダンス2a(インピーダンス値をZaとする)で表現できる。整合回路3は、整合回路インピーダンス3a(インピーダンス値をZmとする)で表現でき、アンテナ素子2から見た電源側のインピーダンス調整を行う機能を有する。
【0025】
図1のアンテナ素子10および整合回路20は、図2の等価回路で表すと、アンテナ素子2および整合回路3に等しい。フェーズドアレイアンテナは各素子に給電する給電位相を変化させてビーム走査すると、隣接する素子との相互結合等の影響により、素子インピーダンス2aが変化する。しかし、このとき給電回路1の電源インピーダンス1aは変化しないため、給電回路1とアンテナ素子2間でインピーダンスのミスマッチが生じ走査角により反射損失が変化する。
【0026】
このミスマッチにより生じる反射損を抑圧するため、整合回路20(図1参照)を構成する可変容量素子にはバラクタダイオード、MEMS,液晶等が用いられ、制御部50により整合回路20に印加するバイアス電圧を制御することで整合回路20を構成する可変容量素子の素子値( 容量) を変化させ、アンテナ素子10から見たインピーダンスを調整し、アンテナ素子10と給電回路(本実施形態では合成分配器40A,40B)とのインピーダンス整合を行なっている。
【0027】
制御部50では、予めビーム走査範囲での中心のアンテナ素子の素子インピーダンスを実測またはシミュレーションにより求めておき、ビーム走査ごとにその求めた素子インピーダンスから、アンテナ素子から見た電源側のインピーダンスと最適なインピーダンス整合とするための制御データを保存する。これにより、ビーム走査角に応じた整合回路20の可変容量素子の制御を行うことができる。
【0028】
本発明では、ビーム走査範囲での中心のアンテナ素子のみの素子インピーダンスから求めた最適条件を利用して、フェーズドアレイアンテナ全体の整合回路3(図2参照)を調整してアンテナ素子2から見たインピーダンスを可変させることで、素子インピーダンス2aとのインピーダンス整合状態を走査角に応じて調整する。
【0029】
次に、本実施形態の動作について図面を参照しながら説明する。図2を参照すると、アンテナでは一般的に素子インピーダンスZaと電源インピーダンスZgがZg=Za*(*は共役を意味する)となるようにインピーダンス整合させる。
【0030】
しかし、フェーズドアレイアンテナでは素子をアレイ状に並べ、あるいはビーム走査のため移相器によりアンテナ素子への給電位相を変化させると、隣接する素子との素子間相互結合の影響等により素子インピーダンスZaが変化する。このため、素子インピーダンスZaが素子インピーダンスZgとミスマッチとなり反射損が増大する。このため、フェーズドアレイアンテナでは走査角により反射損が変化し、アンテナ利得が低下する。
【0031】
図3および図4は、アンテナ素子を一例として四角配列で縦方向9素子×横方向9素子並べ、縦方向および横方向の素子間隔を0.5λとしてアレイ状に並べる前の素子単体でインピーダンス整合した場合のシミュレーションにより求めたVSWR(Voltage Standing Wave Ratio )とアンテナパターン結果である。
【0032】
図3はシミュレーションにより求めたVSWRであり、素子単体で整合させたアンテナ素子をアレイ状に並べると、相互結合によりVSWRが悪化し、また走査角によりVSWRが変化していくことが分かる。
【0033】
また、図4はシミュレーションにより求めたアンテナパターンであり、図3の通り相互結合によりVSWRが悪化しているため、破線で示したVSWRが十分抑圧されている場合の利得カーブと比較してアンテナ利得の低下が大きいことが分かる。
【0034】
しかし、アレイアンテナでは多数のアンテナ素子全ての素子インピーダンスを走査範囲内で全て求める必要があり、制御データの作成には多くの時間とコストがかかり、またアンテナ素子分の整合回路にそれぞれ別々のバイアス電圧を掛ける必要があるため、装置規模の増大を招いてしまうという欠点があった。
【0035】
本発明では、このような状況を鑑みて、アレイアンテナの周期性に着目し、中心素子の素子インピーダンスがアレイアンテナ全体の素子インピーダンスと等価として考えることにより、関連技術よりも劇的に簡単な制御によりインピーダンス整合を可能としている。
【0036】
図5および図6は、図3および図4のシミュレーションと同条件で本発明を適用した場合のVSWR(図5)およびアンテナパターン結果( 図6) である。図5はビーム走査角に応じて最適な整合状態となるように整合回路20(図1参照)の可変容量素子の素子値( 容量) を決定した場合のVSWRの計算結果である。図5からどの走査角においてもVSWRが抑圧されることが分かる。
【0037】
次に、図5の整合条件で計算した場合のアンテナパターンを図6に示す。図6の実線で示した波形が本発明を適用した場合のアンテナパターンであり、破線で示した波形が図4の整合回路を設置していない場合のアンテナパターンである。図5および図6の結果より、中心素子の素子インピーダンスから求めた整合条件のみを利用した場合でもアレイアンテナの相互結合等による反射損の増大を抑圧することができる。
【0038】
本発明の補足説明として、上記の説明では整合条件に使用するアンテナ素子はアンテナ開口の中心のアンテナ素子であると説明してきたが、開口の十分大きいアレイアンテナにおいては必ずしも中心のアンテナ素子である必要はなく、中心付近の周期性がよく保たれている位置のアンテナ素子であれば本発明の効果は十分に得られる。
【0039】
次に、本発明に係るインピーダンス整合方法について説明する。図7は本発明に係るインピーダンス整合方法の一例を示すフローチャートである。図1の説明で述べたように、本発明に係るアレイアンテナ装置の一例は制御部50を備えており、制御部50が可変容量素子で構成される整合回路20を制御する。すなわち、制御部50が整合回路20を制御することによりアンテナ素子10と給電回路(本発明では、一例として合成分配器40Aおよび40B)間のインピーダンス整合を行なう。したがって、図7に示すステップ(処理)の主体は制御部50である。
【0040】
図7を参照すると、制御部50はビーム走査範囲での中心のアンテナ素子10の素子インピーダンスを算出する(ステップS1)。なお、算出した素子インピーダンス値は図示しないメモリに格納しておく。
【0041】
次に、制御部50は算出した素子インピーダンスに基づきそのアンテナ素子10と給電回路(本発明では、一例として合成分配器40Aおよび40B)との整合条件を決定する(ステップS2)。
【0042】
次に、制御部50はその決定した整合条件を全てのアンテナ素子10の整合回路20に付与する(ステップS3)。
【0043】
次に、本発明に係るインピーダンス整合方法のプログラムについて説明する。図1の説明で述べたように、本発明に係るアレイアンテナ装置の一例はプログラム格納部60を備えている。プログラム格納部60には図7にフローチャートで示すインピーダンス整合方法のプログラムが格納されている。制御部50はプログラム格納部60からそのプログラムを読み出し、そのプログラムに基づいて整合回路20を制御する。その制御内容については既に述べたのでここでの説明は割愛する。
【0044】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば以下に示す効果を奏する。第1の効果は、相互結合によって生じるアンテナ素子と給電回路間でのインピーダンス不整合による反射損を関連技術に比べ低減させることができることである。
【0045】
第2の効果は、ビーム走査ごとに最適なインピーダンス整合が可能であり、ビーム走査時のアンテナ利得の低下を関連技術に比べ低減させることができることである。
【0046】
第3の効果は、ビーム走査範囲での中心のアンテナ素子の素子インピーダンスのみでアンテナ開口全体の整合回路の整合条件を求めているため、整合回路の制御を関連技術に比べ簡単化できることである。
【0047】
第4の効果は、アンテナ開口全体の整合回路に与えるバイアス電圧を全て同じ値とすることができるため、バイアス電源の数を関連技術に比べ減らすことができ、これにより装置規模の増大を防止できることである。
【0048】
なお、他の実施形態として、整合回路の代わりにリアクタンス素子を用いる場合、または整合回路とリアクタンス素子とを併用する場合にも本発明の適用が可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 給電回路
2 アンテナ素子
3 整合回路
10 アンテナ素子
20 整合回路
30 移相器
40A 合成分配器
40B 合成分配器
50 制御部
60 プログラム格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個配列されるアンテナ素子と、
前記複数個配列されるアンテナ素子に給電する給電回路と、
前記複数個配列されるアンテナ素子と前記給電回路との間にそれぞれ設けられインピーダンス整合を行なう複数の整合回路と、
前記複数の整合回路を制御する制御部とを含み、
前記制御部は、ビーム走査範囲での中心のアンテナ素子の素子インピーダンスを算出し、算出した素子インピーダンスに基づきそのアンテナ素子と給電回路との整合条件を決定し、その決定した整合条件を全てのアンテナ素子の整合回路に付与することを特徴とするアレイアンテナ装置。
【請求項2】
前記整合回路は可変容量素子で構成され、前記制御部における整合条件は前記アンテナ素子と給電回路とを整合させるための前記可変容量素子の容量であることを特徴とする請求項1記載のアレイアンテナ装置。
【請求項3】
前記給電回路は合成分配器であり、さらに前記整合回路と前記給電回路との間に移相器が設けられることを特徴とする請求項1または2記載のアレイアンテナ装置。
【請求項4】
複数個配列されるアンテナ素子と、前記複数個配列されるアンテナ素子に給電する給電回路と、前記複数個配列されるアンテナ素子と前記給電回路との間にそれぞれ設けられインピーダンス整合を行なう複数の整合回路と、前記複数の整合回路を制御する制御部とを含むアレイアンテナ装置のインピーダンス整合方法であり、
前記制御部によって実行され、ビーム走査範囲での中心のアンテナ素子の素子インピーダンスを算出し、算出した素子インピーダンスに基づきそのアンテナ素子と給電回路との整合条件を決定し、その決定した整合条件を全てのアンテナ素子の整合回路に付与するインピーダンス整合ステップを含むことを特徴とするインピーダンス整合方法。
【請求項5】
前記整合回路は可変容量素子で構成され、前記制御部における整合条件は前記アンテナ素子と給電回路とを整合させるための前記可変容量素子の容量であることを特徴とする請求項4記載のインピーダンス整合方法。
【請求項6】
前記給電回路は合成分配器であり、さらに前記整合回路と前記給電回路との間に移相器が設けられることを特徴とする請求項4または5記載のインピーダンス整合方法。
【請求項7】
複数個配列されるアンテナ素子と、前記複数個配列されるアンテナ素子に給電する給電回路と、前記複数個配列されるアンテナ素子と前記給電回路との間にそれぞれ設けられインピーダンス整合を行なう複数の整合回路と、前記複数の整合回路を制御する制御部とを含むアレイアンテナ装置のインピーダンス整合方法のプログラムであり、
前記制御部に、ビーム走査範囲での中心のアンテナ素子の素子インピーダンスを算出し、算出した素子インピーダンスに基づきそのアンテナ素子と給電回路との整合条件を決定し、その決定した整合条件を全てのアンテナ素子の整合回路に付与するインピーダンス整合ステップを実行させるためのプログラム。
【請求項8】
前記整合回路は可変容量素子で構成され、前記制御部における整合条件は前記アンテナ素子と給電回路とを整合させるための前記可変容量素子の容量であることを特徴とする請求項7記載のプログラム。
【請求項9】
前記給電回路は合成分配器であり、さらに前記整合回路と前記給電回路との間に移相器が設けられることを特徴とする請求項7または8記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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