アンテナ内蔵式電子時計
【課題】アンテナの小型化を図りつつ、GPSの受信性能を十分に高く維持することができる小型のアンテナ内蔵式電子時計を提供する。
【解決手段】 少なくとも一部が非導電性部材で形成された筒状の外装ケース80と、外装ケース80内に収納され、無線通信を行うGPS受信部26が配置された回路基板25と、外装ケース80内に収納され、回路基板25に接続されたアンテナ体40とを備え、 前記回路基板25及び前記アンテナ体40は、回路基板25に略平行な同一平面内に配置されるとともに、アンテナ体40の中心位置が、文字板11の6時から10時の範囲又は12時から4時の範囲に配置されていることを特徴とする。
【解決手段】 少なくとも一部が非導電性部材で形成された筒状の外装ケース80と、外装ケース80内に収納され、無線通信を行うGPS受信部26が配置された回路基板25と、外装ケース80内に収納され、回路基板25に接続されたアンテナ体40とを備え、 前記回路基板25及び前記アンテナ体40は、回路基板25に略平行な同一平面内に配置されるとともに、アンテナ体40の中心位置が、文字板11の6時から10時の範囲又は12時から4時の範囲に配置されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナを内蔵したアンテナ内蔵式電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、腕装着型の無線機能付き電子機器に関し、不平衡給電されるチップアンテナが開示されている。この特許文献1では、基板上に配設されたチップアンテナを無線通信用ICの近傍に配置するとともに、チップアンテナの配設位置を回路基板に略平行な平面を投影面として、チップアンテナの正射影と無線通信用ICの正射影とが重なり合わないように配置されている。
【0003】
また、特許文献2には、電子時計に関し、光発電を行うソーラーセルとGPS衛星からの衛星信号を受信するGPSアンテナとが開示されている。この特許文献2では、コネクタを介して回路基板と接続されたアンテナ基板に配設されたGPSアンテナの受信面の少なくとも一部が、GPSアンテナの上部に配設された文字板の裏面の少なくとも一部と対向するように配置されており、文字板の裏面とGPSアンテナの受信面との間に挟まれる空間には、ソーラーセルが配置されないように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−152582号公報
【特許文献2】特開2010−96707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、GPS(Global Positioning System)における衛星信号は屋内では受信できないことから、腕時計を腕に装着して屋外にいる間に受信を行うこととなる。その際、装着者は、腕時計をした腕を下げているか或いは手を身体の前に位置させた姿勢でいることが多い。このような姿勢では、時計表面の法線方向が水平方向に向けられていることとなり、上述した特許文献に開示されたチップアンテナでは、アンテナ利得の大きい方向が天頂方向と一致せず、受信性能が十分に発揮されない惧れがある。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、GPS(Global Positioning System)における衛星信号の受信に際し、屋外で装着者が多くとる姿勢などの人間工学に基づいて実用上最適なアンテナ指向性を得ることにより、アンテナの小型化を図りつつ、受信性能を十分に高く維持することができるアンテナ内蔵式電子時計を提供することを解決課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、本発明に係るアンテナ内蔵式電子時計は、少なくとも一部が非導電性部材で形成された筒状の外装ケースと、前記外装ケースの内側で時刻を表示する時刻表示部と、外装ケースに収納され、無線通信を行う無線通信回路が配置された回路基板と、外装ケースに収納され、回路基板に接続され、前記無線通信回路から不平衡給電されるアンテナ体とを備え、アンテナ体の中心位置が、時刻表示部の6時から10時の範囲又は12時から4時の範囲に配置されていることを特徴としている。
【0008】
このアンテナ内蔵式電子時計では、アンテナ体と回路基板とが一対となり全体として1つのアンテナとして機能する。このアンテナ体としては、ヘリカルアンテナや、逆F型アンテナ、逆L型アンテナをチップ化又はパッチ化したチップアンテナやパッチアンテナを用いることができる。具体的に、チップアンテナとしては、ヘリカルアンテナの巻線構造部分や逆F型アンテナ、逆L型アンテナを、波長短縮のためのセラミックの誘電体上にパターン形成したものを用いることができ、パッチアンテナとしては、逆F型アンテナ、逆L型アンテナのエレメントの形を、絶縁物の基板上に貼り付けた金属にエッチングをして形成されたものを用いることができる。
【0009】
そして、このようなアンテナ体と回路基板では、その放射指向性が、アンテナ体と回路基板との接続点から見てアンテナ体の中心位置のある方向が最大放射方向となることから、給電点を6時から10時の範囲又は12時から4時の範囲に配置することにより、装着者が腕時計をした腕を下げているか或いは手を身体の前に位置させた姿勢のときに、アンテナ利得の大きい方向が天頂方向と一致することとなり、受信性能が十分に発揮される。
【0010】
以上より、本発明によれば、例えば、GPSにおける衛星信号の受信に際し、屋外で装着者が多くとる姿勢などの人間工学に基づいて実用上最適なアンテナ指向性を得ることができ、受信性能を十分に高く維持することができるアンテナ内蔵式電子時計を提供することができる。このとき、アンテナ体の中心位置の配置範囲を6時から10時の範囲又は12時から4時の範囲とある程度の幅を持たせているのは、例えば、竜頭や操作ボタンなどの部品が外装ケースの外周面に配置されている場合にも、これらの部品とアンテナ体とが干渉するのを回避するためである。
【0011】
なお、「非導電性部材」としては、金属以外の素材、例えばセラミックやプラスチックを用いることができ、「筒状」には、円筒や角筒に代表される回転体が含まれる。また、アンテナ体と回路基板とを回路基板に略平行な同一平面内に配置してもよい。これは、アンテナ体と回路基板との接合面、又はアンテナ体の中心位置が、板状の回路基板を含む平面内に配置されていることを意味し、アンテナ体が回路基板上に直接実装される形態の他、回路基板とは別の基板上に実装される形態も含まれる。
【0012】
上記発明において、アンテナ内蔵式電子時計は、外装ケースの二つの開口のうち、一方の開口をカバーガラスで塞がれ、他方の開口を裏蓋で塞がれ、アンテナ体は回路基板の前記カバーガラス側に配置され、前記無線通信回路は前記裏蓋側に配置されることが好ましい。この場合には、GPSモジュールなどの無線通信回路とアンテナ体の間に回路基板を介在させることができ、無線通信回路から発生するクロック信号などのインバンド(受信信号の帯域内)ノイズがアンテナ体に悪影響を及ぼすのを低減することができる。これによりアンテナ体の感度が劣化するのを低減することができる。
【0013】
上記発明において、アンテナ体及び回路基板の電気長は、受信電波の1/4波長であることが好ましい。この場合には、アンテナ体及び回路基板の実質的なエレメント長を、例えばGPS衛星信号など、受信対象とする電波の1/4波長とすることにより、回路基板をアンテナ体のグランド板として機能させることができるとともに、受信対象とする電波に対し、適正な受信性能を維持することができる。なお、「電気長」とは、受信電波の波長に対する実質上の電気的なアンテナ長であり、アンテナ体の物理的なエレメント長と各エレメントの誘電率とから定まる。チップアンテナやパッチアンテナは誘電体を有するため、これらをアンテナ体として用いることにより、波長短縮によって小型化を図ることができる。また、回路基板も誘電体を含むため、回路基板の誘電率で波長短縮されたサイズの配線パターンを設ければよく、これにより小型化を図ることができる。
【0014】
上記発明において、アンテナ内蔵式電子時計は、光発電用のソーラーパネルをさらに備え、ソーラーパネルは、前記時刻表示部の表示方向からみた平面視においてアンテナ体と重なる部分が切り欠いてあることが好ましい。この場合には、ソーラーパネルの光発電により電力の供給を得ることができる。このとき、受信電波に対し、ソーラーパネルとアンテナ体とが平面的に重なる部分を切り欠くことにより、ソーラーパネルが有する電極などの金属部分の影響で受信性能が劣化するのを回避することができる。なお、この切り欠き部分に、例えばカレンダー表示部分など、金属以外の材質で構成された部品を配置して有効に活用することができ、受信性能を維持しつつ、ソーラーパネルの面積を最大限確保して、発電量が低下するのを回避することができる。
【0015】
上記発明において、裏蓋は金属製であることが好ましい。この場合には、金属製の裏蓋による反射により、時計表面における法線方向の放射が大きくなり、極めて高い受信性能が得られる。
また、上記発明においてアンテナ体はチップアンテナ又はパッチアンテナであることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係るアンテナ内蔵式電子時計100(電子時計100)を含むGPSシステムの全体図である。
【図2】電子時計100の平面図である。
【図3】電子時計100の一部断面図である。
【図4】電子時計100の一部の分解斜視図である。
【図5】電子時計100の回路構成を示すブロック図である。
【図6】電子時計100における給電点の位置を示す平面図である。
【図7】電子時計100の装着状態と給電点の位置との関係を示す説明図である。
【図8】電子時計100のアンテナ体40の放射パターンに関する座標係を示す斜視図である。
【図9】電子時計100のアンテナ体40のX−Y平面における放射パターンを示す図である。
【図10】電子時計100のアンテナ体40のZ−Y平面における放射パターンを示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る電子時計200の一部平面図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係るアンテナ内蔵式電子時計200(電子時計200)の一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の好適な実施の形態を、添付図面等を参照しながら詳細に説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0018】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るアンテナ内蔵式電子時計100(以下「電子時計100」という)を含むGPSシステムの全体図である。電子時計100は、GPS衛星20からの電波(無線信号)を受信して内部時刻を修正する腕時計であり、腕に接触する面(以下、「裏面」という)の反対側の面(以下「表面」という)に時刻を表示する。
【0019】
GPS衛星20は、地球上空における所定の軌道上を周回する位置情報衛星であり、1.57542GHzの電波(L1波)に航法メッセージを重畳させて地上に送信している。以降の説明では、航法メッセージが重畳された1.57542GHzの電波を「衛星信号」という。衛星信号は、右旋偏波の円偏波である。
【0020】
現在、約31個のGPS衛星20(図1においては、約31個のうち4個のみを図示)が存在しており、衛星信号がどのGPS衛星20から送信されたかを識別するために、各GPS衛星20はC/Aコード(Coarse/Acquisition Code)と呼ばれる1023chip(1ms周期)の固有のパターンを衛星信号に重畳する。C/Aコードは、各chipが+1又は−1のいずれかでありランダムパターンのように見える。したがって、衛星信号と各C/Aコードのパターンの相関をとることにより、衛星信号に重畳されているC/Aコードを検出することができる。
【0021】
GPS衛星20は原子時計を搭載しており、衛星信号には原子時計で計時された極めて正確な時刻情報(以下、「GPS時刻情報」という)が含まれている。また、地上のコントロールセグメントにより各GPS衛星20に搭載されている原子時計のわずかな時刻誤差が測定されており、衛星信号にはその時刻誤差を補正するための時刻補正パラメータも含まれている。電子時計100は、1つのGPS衛星20から送信された衛星信号を受信し、その中に含まれるGPS時刻情報と時刻補正パラメータを使用して内部時刻を正確な時刻に修正する。
【0022】
衛星信号にはGPS衛星20の軌道上の位置を示す軌道情報も含まれている。電子時計100は、GPS時刻情報と軌道情報を使用して測位計算を行うことができる。測位計算は、電子時計100の内部時刻にはある程度の誤差が含まれていることを前提として行われる。すなわち、電子時計100の3次元の位置を特定するためのx,y,zパラメータに加えて時刻誤差も未知数になる。そのため、電子時計100は、一般的には4つ以上のGPS衛星からそれぞれ送信された衛星信号を受信し、その中に含まれるGPS時刻情報と軌道情報を使用して測位計算を行う。
【0023】
図2は、電子時計100の平面図である。図2に示すように、電子時計100は、セラミックやプラスチック等の非導電性部材で形成された円筒状の外装ケース80を備え、外観上は、外装ケース80の表面側周縁に、セラミックやプラスチック等の非導電性部材で形成された環状のベゼル81が嵌合されている。このベゼル81の内周側に、プラスチックで形成された環状のダイヤルリング83を介して、円盤状の文字板11が時刻表示部として配置され、この文字板11上には、時刻や日付等を表示する指針13(13a〜c)及び液晶表示パネル14が配置されている。そして、外装ケース80の表面側の開口は、ベゼル81を介してカバーガラス84で塞がれており、カバーガラス84通じて、内部の文字板11、指針13(13a〜c)及び液晶表示パネル14が視認可能となっている。なお、図2中において、液晶表示パネル14に表示された"TYO"の文字は、「東京」の意味であり、ワールドタイム機能の日本の時刻を表示している。
【0024】
ダイヤルリング83は、外周側が、ベゼル81の内周面に接触する水平な環状部分となっているととともに、さらにその内周側が内方へ傾斜したすり鉢状部分となっている。このダイヤルリング83の下方に地板38が配置され、地板38の下面側に、断面矩形状に形成したアンテナ体40が収納されている。
【0025】
このアンテナ体40は、地板38内に収納される駆動機構30の周囲に配置され、誘電体表面に電極が形成されたチップアンテナであり、本実施形態では、アンテナ体40の中心位置が文字板11上の6時から10時位置又は12時から4時位置に配置されている。なお、地板38の下面には、アンテナ体40の平面形状に合致した形状の凹部38aが形成されており、アンテナ体40は、この凹部38a内に収納される。
【0026】
また、電子時計100は、図1及び図2に示す竜頭16や操作ボタン17及び18を手動操作することにより、少なくとも1つのGPS衛星20からの衛星信号を受信して内部時刻情報の修正を行うモード(時刻情報取得モード)と複数のGPS衛星20からの衛星信号を受信して測位計算を行い内部時刻情報の時差を修正するモード(位置情報取得モード)に設定できるように構成されている。また、電子時計100は、時刻情報取得モードや位置情報取得モードを定期的に(自動的に)実行することもできる。
【0027】
図3は電子時計100の内部構造を示す一部断面図であり、図4は電子時計100の一部の分解斜視図である。図3及び4に示すように、電子時計100は、セラミックで形成された円筒状の外装ケース80の表面側に、セラミックで形成された環状のベゼル81が嵌合されているとともに、ベゼル81の内周に沿って、プラスチックで形成された環状のダイヤルリング83が取り付けられている。外装ケース80の二つの開口のうち、表面側の開口は、環状のベゼル81を介してカバーガラス84で塞がれており、裏面側の開口は金属で形成された裏蓋85で塞がれている。金属製の裏蓋85と金属製の外装ケース80とは、スクリュー溝で固定されている。
【0028】
また電子時計100は、外装ケース80の内側に、リチウムイオン電池などの二次電池27を備える。二次電池27は、後述のソーラーパネル87が発電した電力で充電される。すなわち、光発電によるソーラー充電が行われる。電子時計100は、外装ケース80の内側に、光透過性の文字板11と、文字板11を貫通した指針軸12と、指針軸12を中心に周回して現在時刻を指し示す複数の指針13(秒針13a、分針13b及び時針13c)と、指針軸12を回転させて複数の指針13を駆動する駆動機構30とを備える。指針軸12は、外装ケース80の中心軸に沿って表裏方向に延在している。
【0029】
文字板11は、外装ケース80の内側で時刻を表示する時刻表示部を構成する円形の板材であり、プラスチックなどの光透過性の材料で形成され、カバーガラス84との間に指針13(13a〜c)を挟み、ダイヤルリング83の内側に配置されている。文字板11の中央部には、指針軸12が貫通する穴が形成されているとともに、液晶表示パネル14を視認させるための開口部11aが形成されている。
【0030】
また電子時計100は、外装ケース80の内側に、光発電を行うソーラーパネル87を備える。ソーラーパネル87は、光エネルギーを電気エネルギー(電力)に変換する複数のソーラーセル(光発電素子)を直列接続した円形の平板であり、文字板11と駆動機構30との間に配置され、指針軸12の横断面に沿って延在している。またソーラーパネル87は、その延在方向において、ダイヤルリング83の内側に配置されている。またソーラーパネル87の中央部には、指針軸12が貫通する穴が形成されているとともに、液晶表示パネル14を視認させるための開口部87aが形成されている。
【0031】
駆動機構30は、地板38に取り付けられ、ステップモーターと歯車などの輪列とを有し、当該ステップモーターが当該輪列を介して指針13を回転させることにより、複数の指針13を駆動する。具体的には、時針13cは12時間、分針13bは60分、秒針13aは60秒で一周する。また、駆動機構30が取り付けられた地板38は、指針13との間に文字板11を挟むように配置されている。
【0032】
また電子時計100には、外装ケース80の内側に回路基板25を備え、この回路基板25には、裏蓋85側に配置されたGPS受信部(無線通信回路)26及び制御部70とを備え、アンテナ体40からの信号をGPS受信部26で受信して無線通信を行う。
【0033】
そして、電子時計100には、回路基板25に接続された、断面矩形状のアンテナ体40を備える。このアンテナ体40は、チップアンテナであり、例えば、巻線構造からなるヘリカルアンテナや、波長短縮のためのセラミックの誘電体上にパターン形成された逆Fアンテナである。本実施形態において、アンテナ体40は、回路基板25上のカバーガラス84側に実装され、回路基板25と略平行な同一平面内に配置されており、グランド板として機能する回路基板25と組み合わせることで、全体としてアンテナとして機能するようになっている。なお、図6(a)及び(b)に示すように、アンテナ体40の中心位置は、立体形状の中心を指し、このアンテナ体40の中心位置、又はアンテナ体40と回路基板25との接合面が、板状の回路基板25を含む平面内に配置されていればよく、アンテナ体40が回路基板25上に直接実装される形態の他、回路基板25とは別の基板上に実装したり、アンテナ体40を回路基板25と他の基板とに跨って実装するようにしてもよい。
【0034】
ここで、アンテナ体40の電気長は、衛星信号の1/4波長となっており、回路基板25についてもグランド板としての機能を果たすために誘電体を含んでおり、その電気長が衛星信号の1/4波長となっている。なお、「電気長」とは、衛星信号の波長に対する実質上の電気的なアンテナ長であり、アンテナ体の物理的なエレメント長と各エレメントの誘電率とから定まる。また、誘電体としては、酸化チタンなどの高周波で使える誘電材料を樹脂に混ぜて成形することができ、これにより誘電体の波長短縮と相俟ってアンテナ体40及び回路基板25を小型化できる。
なお、本実施形態において、アンテナ体40への給電は回路基板25から接続線を介して行われる。
【0035】
図5は、電子時計100の回路構成を示すブロック図である。図5に示すように、電子時計100は、GPS受信部26及び制御表示部36を含んで構成されている。GPS受信部26は、衛星信号の受信、GPS衛星20の捕捉、位置情報の生成、時刻修正情報の生成等の無線通信処理を行う。制御表示部36は、内部時刻情報の保持及び内部時刻情報の修正等の処理を行う。
【0036】
ソーラーパネル87は、充電制御回路29を通じて二次電池27を充電する。電子時計100はレギュレータ34及び35を備え、二次電池27は、レギュレータ34を介して制御表示部36に、レギュレータ35を介してGPS受信部26に駆動電力を供給する。また電子時計100は、二次電池27の電圧を検出する電圧検出回路37を備える。なお、レギュレータ35に代えて、例えば、RF部50(詳細は後述)に駆動電力を供給するレギュレータ35−1と、ベースバンド部60(詳細は後述)に駆動電力を供給するレギュレータ35−2(ともに図示せず)とに分けて設けてもよい。レギュレータ35−1は、RF部50の内部に設けてもよい。
【0037】
また電子時計100は、アンテナ体40、及びSAW(Surface Acoustic Wave:表面弾性波)フィルタ32を含む。アンテナ体40は、図1で説明したように、複数のGPS衛星20からの衛星信号を受信する。ただし、アンテナ体40は衛星信号以外の不要な電波も若干受信してしまうため、SAWフィルタ32は、アンテナ体40が受信した信号から衛星信号を抽出する処理を行う。すなわち、SAWフィルタ32は、1.5GHz帯の信号を通過させるバンドパスフィルタとして構成される。
【0038】
また、GPS受信部26は、RF(Radio Frequency:無線周波数)部50とベースバンド部60を含んで構成されている。以下に説明するように、GPS受信部26は、SAWフィルタ32が抽出した1.5GHz帯の衛星信号から航法メッセージに含まれる軌道情報やGPS時刻情報等の衛星情報を取得する処理を行う。
【0039】
RF部50は、LNA(Low Noise Amplifier)51、ミキサ52、VCO(Voltage Controlled Oscillator)53、PLL(Phase Locked Loop)回路54、IFアンプ55、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)フィルタ56、ADC(A/D変換器)57等を含んで構成されている。
【0040】
SAWフィルタ32が抽出した衛星信号は、LNA51で増幅される。LNA51で増幅された衛星信号は、ミキサ52でVCO53が出力するクロック信号とミキシングされて中間周波数帯の信号にダウンコンバートされる。PLL回路54は、VCO53の出力クロック信号を分周したクロック信号と基準クロック信号を位相比較してVCO53の出力クロック信号を基準クロック信号に同期させる。その結果、VCO53は基準クロック信号の周波数精度の安定したクロック信号を出力することができる。なお、中間周波数として、例えば、数MHzを選択することができる。
【0041】
ミキサ52でミキシングされた信号は、IFアンプ55で増幅される。ここで、ミキサ52でのミキシングにより、中間周波数帯の信号とともに数GHzの高周波信号も生成される。そのため、IFアンプ55は、中間周波数帯の信号とともに数GHzの高周波信号も増幅する。IFフィルタ56は、中間周波数帯の信号を通過させるとともに、この数GHzの高周波信号を除去する(正確には、所定のレベル以下に減衰させる)。IFフィルタ56を通過した中間周波数帯の信号はADC(A/D変換器)57でデジタル信号に変換される。
【0042】
ベースバンド部60は、DSP(Digital Signal Processor)61、CPU(Central Processing Unit)62、SRAM(Static Random Access Memory)63、RTC(リアルタイムクロック)64を含んで構成されている。また、ベースバンド部60には、温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO:Temperature Compensated Crystal Oscillator)65やフラッシュメモリ66等が接続されている。
【0043】
温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO)65は、温度に関係なくほぼ一定の周波数の基準クロック信号を生成する。フラッシュメモリ66には、例えば時差情報が記憶されている。時差情報は、時差データ(座標値(例えば、緯度及び経度)に関連づけられたUTCに対する補正量等)が定義された情報である。
【0044】
ベースバンド部60は、時刻情報取得モード又は位置情報取得モードに設定されると、RF部50のADC57が変換したデジタル信号(中間周波数帯の信号)からベースバンド信号を復調する処理を行う。
【0045】
また、ベースバンド部60は、時刻情報取得モード又は位置情報取得モードに設定されると、後述する衛星検索工程において、各C/Aコードと同一のパターンのローカルコードを発生し、ベースバンド信号に含まれる各C/Aコードとローカルコードの相関をとる処理を行う。そして、ベースバンド部60は、各ローカルコードに対する相関値がピークになるようにローカルコードの発生タイミングを調整し、相関値が閾値以上となる場合にはそのローカルコードのGPS衛星20に同期(すなわち、GPS衛星20を捕捉)したものと判断する。ここで、GPSシステムでは、すべてのGPS衛星20が異なるC/Aコードを用いて同一周波数の衛星信号を送信するCDMA(Code Division Multiple Access)方式を採用している。したがって、受信した衛星信号に含まれるC/Aコードを判別することで、捕捉可能なGPS衛星20を検索することができる。
【0046】
また、ベースバンド部60は、時刻情報取得モード又は位置情報取得モードにおいて、捕捉したGPS衛星20の衛星情報を取得するために、当該GPS衛星20のC/Aコードと同一のパターンのローカルコードとベースバンド信号をミキシングする処理を行う。ミキシングされた信号には、捕捉したGPS衛星20の衛星情報を含む航法メッセージが復調される。そして、ベースバンド部60は、航法メッセージの各サブフレームのTLMワード(プリアンブルデータ)を検出し、各サブフレームに含まれる軌道情報やGPS時刻情報等の衛星情報を取得する(例えばSRAM63に記憶する)処理を行う。ここで、GPS時刻情報は、週番号データ(WN)及びZカウントデータであるが、以前に週番号データが取得されている場合にはZカウントデータのみであってもよい。
そして、ベースバンド部60は、衛星情報に基づいて、内部時刻情報を修正するために必要な時刻修正情報を生成する。
【0047】
時刻情報取得モードの場合、より具体的には、ベースバンド部60は、GPS時刻情報に基づいて測時計算を行い、時刻修正情報を生成する。時刻情報取得モードにおける時刻修正情報は、例えば、GPS時刻情報そのものであってもよいし、GPS時刻情報と内部時刻情報との時間差の情報であってもよい。
【0048】
一方、位置情報取得モードの場合、より具体的には、ベースバンド部60は、GPS時刻情報や軌道情報に基づいて測位計算を行い、位置情報(より具体的には、受信時に電子時計100が位置する場所の緯度及び経度)を取得する。さらに、ベースバンド部60は、フラッシュメモリ66に記憶されている時差情報を参照し、位置情報により特定される電子時計100の座標値(例えば、緯度及び経度)に関連づけられた時差データを取得する。このようにして、ベースバンド部60は、時刻修正情報として衛星時刻データ(GPS時刻情報)及び時差データを生成する。位置情報取得モードにおける時刻修正情報は、上記の通り、GPS時刻情報と時差データそのものであってもよいが、例えば、GPS時刻情報の代わりに内部時刻情報とGPS時刻情報の時間差のデータであってもよい。
なお、ベースバンド部60は、1つのGPS衛星20の衛星情報から時刻修正情報を生成してもよいし、複数のGPS衛星20の衛星情報から時刻修正情報を生成してもよい。
【0049】
また、ベースバンド部60の動作は、温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO)65が出力する基準クロック信号に同期する。RTC64は、衛星信号を処理するためのタイミングを生成するものである。このRTC64は、TCXO65から出力される基準クロック信号でカウントアップされる。また、ベースバンド部60に設けられたRTC64は、GPS衛星20の衛星情報を受信中にのみ動作し、GPS時刻情報を保持する。
【0050】
制御表示部36は、制御部70、駆動回路74及び水晶振動子73を含んで構成されている。
制御部70は、記憶部71、RTC(Real Time Clock)72を備え、各種制御を行う。制御部70は、例えばCPUで構成することが可能である。
制御部70は、制御信号をGPS受信部26に送り、GPS受信部26の受信動作を制御する。また制御部70は、電圧検出回路37の検出結果に基づいて、レギュレータ34及びレギュレータ35の動作を制御する。また制御部70は、駆動回路74を介してすべての指針の駆動を制御する。
【0051】
記憶部71には内部時刻情報が記憶されている。RTC72は、常時動作し、時刻表示のための内部時刻を計時し内部時刻情報を生成する。内部時刻情報は、電子時計100の内部で計時される時刻の情報であり、水晶振動子73によって生成される基準クロック信号によって更新される。したがって、GPS受信部26への電力供給が停止されていても、内部時刻情報を更新して指針の運針を継続することができるようになっている。
【0052】
制御部70は、時刻情報取得モードに設定されると、GPS受信部26の動作を制御し、GPS時刻情報に基づいて内部時刻情報を修正して記憶部71に記憶する。より具体的には、内部時刻情報は、取得したGPS時刻情報にUTCオフセットを加算することで求められるUTC(協定世界時)に修正される。また、制御部70は、位置情報取得モードに設定されると、GPS受信部26の動作を制御し、衛星時刻データ(GPS時刻情報)及び時差データに基づいて、内部時刻情報を修正して記憶部71に記憶する。
【0053】
以上説明したように、電子時計100では、アンテナ体40及び回路基板25が一対となり、全体としてアンテナとして機能する。このときアンテナ体40及び回路基板25の電気長を、衛星信号の1/4波長とすることにより、受信対象とする衛星信号に対し、適正な受信性能を維持することができる。また、本実施形態においてアンテナ体40は、誘電体を有するチップアンテナであるため、誘電体の波長短縮によって小型化を図ることができる。また、回路基板25も誘電体を含むため、その誘電体の誘電率で波長短縮されたサイズの配線パターンを設ければよく、これにより小型化を図ることができる。
【0054】
特に、本実施形態に係る電子時計100では、その放射指向性が、回路基板25の中心から見てアンテナ体40の中心位置がある方向が最大放射方向となることから、アンテナ体40の中心を6時から10時の範囲又は12時から4時の範囲に配置することにより、装着者が腕時計をした腕を下げているか或いは手を身体の前に位置させた姿勢のときに、アンテナ利得の大きい方向が天頂方向と一致することとなり、受信性能が十分に発揮される。なお、本発明において、アンテナ体40の中心位置とは、図6(a)及び(b)に示すように、立体形状の中心位置を示す。
【0055】
詳述すると、衛星信号は屋内では受信できないことから、腕時計を腕に装着して屋外にいる間に受信を行うこととなり、その際、着用者は、腕を下げているか或いは手を身体の前に位置させた姿勢でいることが多い。そのため、図6(c)及び図7に示すように、電子時計100の6時〜10時位置が天頂方向を向く確率が高くなる。本実施形態に係る電子時計100では、アンテナ体40の中心位置が6時〜10時位置、若しくはそれと同じ性能が得られる12時〜4時の位置となっていることから、衛星受信の際、アンテナ利得が大きい方向が、天頂方向に向いている確率が高くなる。
【0056】
図8〜図10は、アンテナ体40及び回路基板25によって構成されるアンテナの放射パターンの説明図である。なお、図8は、アンテナ体40と回路基板25とを中心とした座標系を示す説明図であり、回路基板25の中心点を原点とし、時計表面を含む水平面をX−Y平面とし、アンテナ体40の中心位置をX軸上に設置した状態を示している。図9に示す放射パターンは、図8に示したX−Y平面における放射パターンであり、原点付近のX軸上にアンテナ体40及び回路基板25が位置されている。図10に示す放射パターンは、Z−Y平面における放射パターンであり、原点上にアンテナ体40の中心位置が配置されている。なお、図10において、実線は裏蓋がある場合の放射パターンであり、波線は裏蓋がない場合の放射パターンである。
【0057】
図9に示すように、X軸上にアンテナ体40及び回路基板25を位置させた場合、X軸方向が最大放射方向となりアンテナ利得が最大となっており、Y軸方向はヌル値となりアンテナ利得は低くなっている。したがって、本発明のように、アンテナ体40の中心位置を6時〜10時又は12時〜4時の範囲に位置させることにより、腕時計を腕に装着して屋外にいる間に受信を行う場合に、人間工学上、着用者が多くとる姿勢で、アンテナ体40の放射指向性を最大とすることができる。
【0058】
図10では、金属裏蓋の有無でアンテナ放射パターンの比較を行っている。Y−Z平面で、金属裏蓋があると反射で文字板方向(Z軸)の放射が大きくなり、時計表面を頂点に向けた場合には、望ましいアンテナ特性を得られることが判る。なお、ケースが金属製である場合に、アンテナに近過ぎると、そのアンテナ特性が劣化するが、本実施形態において外装ケース80は非導電性部材であることからそのような影響はなく、裏蓋85は、回路基板25などにより隔てられており、アンテナ体40と適度な距離があるため、アンテナ特性を劣化させることなく反射板として有効に機能させることができる。
【0059】
なお、本実施形態において、誘電体表面に電極を形成した板状のアンテナ体としたが、本発明は、これに限定するものではなく、例えば、直線偏波で動作する長方形状のパッチアンテナを用いてもよい。パッチアンテナとしては、逆F型アンテナ、逆L型アンテナのエレメントの形を、絶縁物の基板上に貼り付けた金属にエッチングして形成されたものを用いることができる。パッチアンテナの場合、アンテナ下面にグランド面が必要となるので回路基板25のパターンはアンテナ下面で拡げられる。
【0060】
また、前記側面部の二つの開口のうち、前記時刻表示部の表示方向と反対側の開口を塞ぐ金属製の裏蓋を備えるため、金属製の裏蓋による反射により、時計表面における法線方向の放射が大きくなり、極めて高い受信性能が得られる。
【0061】
以上より、本発明によれば、GPSにおける衛星信号の受信に際し、屋外における装着者の姿勢などの人間工学に基づいて実用上最適なアンテナ指向性を得ることができ、アンテナの小型化を図りつつ、受信性能を十分に高く維持することができる。
【0062】
[第2実施形態]
図11は、本発明の第2実施形態に係るアンテナ内蔵式電子時計200(電子時計200)の一部平面図であり、図12は、本発明の第2実施形態に係るアンテナ内蔵式電子時計200(電子時計200)の一部断面図である。電子時計200は、ソーラーパネル88の、アンテナ体40の位置に対応した箇所に切欠部88aを備える点で電子時計100と相違する。
【0063】
具体的には、図11に示すように、本実施形態では、ソーラーパネル88には、アンテナ体40と平面的に重なる部分を切り欠いて切除した、切欠部88aが設けられている。この切欠部88aの下方には、アンテナ体41が配置されており、アンテナ体40とソーラーパネル88を平面的に重ならないようになっている。なお、この切欠部88aには、プラスチックで形成され、カレンダーを表示する日車15を配置してもよい。日車15は、リング状の板部材であり、図11において、紙面に垂直な面内において回転するようになっている。
【0064】
アンテナ体41は、セラミックなどの誘電体であるが、誘電体を混ぜたプラチックを用いたインサート成形で形成するようにしてもよい。なお、本実施形態では、断面矩形状の誘電体の表面に、給電点となるアンテナ電極が一体的に形成されており、一方の電極が、地板38又は外装ケース80の内側面に接触し、他方の電極が回路基板25に接触している。
【0065】
そして、この第2実施形態では、外装ケース80を金属で形成し、外装ケース80及び金属製の裏蓋85をグランド板として機能させる。すなわち、GPS受信部26のグランド電位を金属製の外装ケース80を通じて裏蓋85に接続させる。アンテナ体41に対する給電は、アンテナ体41表面のアンテナ電極を回路基板25を通じて不平衡給電を行う。
【0066】
以上の説明から明らかなように、電子時計200によれば、電子時計100と同様の効果が得られる。さらなる効果としては、アンテナ体40とソーラーパネル88とが平面的に重ならない構成となっているため、ソーラーパネルの下面に備えられた厚み数μmのアルミ電極の影響による受信性能の劣化を防止することができる。また、ソーラーパネル88の面積を最大限確保して発電量を増やすことができる。
【0067】
本実施形態では、アンテナ体41の方側のアンテナ電極(給電点)を通じて、外装ケース80や裏蓋85をグランド板として機能させることから、回路基板25に接続する給電点を1個とさせることができ、構造が簡単になりコストダウンを図ることができるとともに、給電点を配置する位置の自由度を高めることができる。
【符号の説明】
【0068】
100,200…アンテナ内蔵式電子時計(電子時計)、40,41…アンテナ体、11…文字板、12…指針軸、13(13a,13b,13c)…指針、25…回路基板、26…GPS受信部、30…駆動機構、80…外装ケース、81…ベゼル、84…カバーガラス、85…裏蓋、87、88…ソーラーパネル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナを内蔵したアンテナ内蔵式電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、腕装着型の無線機能付き電子機器に関し、不平衡給電されるチップアンテナが開示されている。この特許文献1では、基板上に配設されたチップアンテナを無線通信用ICの近傍に配置するとともに、チップアンテナの配設位置を回路基板に略平行な平面を投影面として、チップアンテナの正射影と無線通信用ICの正射影とが重なり合わないように配置されている。
【0003】
また、特許文献2には、電子時計に関し、光発電を行うソーラーセルとGPS衛星からの衛星信号を受信するGPSアンテナとが開示されている。この特許文献2では、コネクタを介して回路基板と接続されたアンテナ基板に配設されたGPSアンテナの受信面の少なくとも一部が、GPSアンテナの上部に配設された文字板の裏面の少なくとも一部と対向するように配置されており、文字板の裏面とGPSアンテナの受信面との間に挟まれる空間には、ソーラーセルが配置されないように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−152582号公報
【特許文献2】特開2010−96707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、GPS(Global Positioning System)における衛星信号は屋内では受信できないことから、腕時計を腕に装着して屋外にいる間に受信を行うこととなる。その際、装着者は、腕時計をした腕を下げているか或いは手を身体の前に位置させた姿勢でいることが多い。このような姿勢では、時計表面の法線方向が水平方向に向けられていることとなり、上述した特許文献に開示されたチップアンテナでは、アンテナ利得の大きい方向が天頂方向と一致せず、受信性能が十分に発揮されない惧れがある。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、GPS(Global Positioning System)における衛星信号の受信に際し、屋外で装着者が多くとる姿勢などの人間工学に基づいて実用上最適なアンテナ指向性を得ることにより、アンテナの小型化を図りつつ、受信性能を十分に高く維持することができるアンテナ内蔵式電子時計を提供することを解決課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、本発明に係るアンテナ内蔵式電子時計は、少なくとも一部が非導電性部材で形成された筒状の外装ケースと、前記外装ケースの内側で時刻を表示する時刻表示部と、外装ケースに収納され、無線通信を行う無線通信回路が配置された回路基板と、外装ケースに収納され、回路基板に接続され、前記無線通信回路から不平衡給電されるアンテナ体とを備え、アンテナ体の中心位置が、時刻表示部の6時から10時の範囲又は12時から4時の範囲に配置されていることを特徴としている。
【0008】
このアンテナ内蔵式電子時計では、アンテナ体と回路基板とが一対となり全体として1つのアンテナとして機能する。このアンテナ体としては、ヘリカルアンテナや、逆F型アンテナ、逆L型アンテナをチップ化又はパッチ化したチップアンテナやパッチアンテナを用いることができる。具体的に、チップアンテナとしては、ヘリカルアンテナの巻線構造部分や逆F型アンテナ、逆L型アンテナを、波長短縮のためのセラミックの誘電体上にパターン形成したものを用いることができ、パッチアンテナとしては、逆F型アンテナ、逆L型アンテナのエレメントの形を、絶縁物の基板上に貼り付けた金属にエッチングをして形成されたものを用いることができる。
【0009】
そして、このようなアンテナ体と回路基板では、その放射指向性が、アンテナ体と回路基板との接続点から見てアンテナ体の中心位置のある方向が最大放射方向となることから、給電点を6時から10時の範囲又は12時から4時の範囲に配置することにより、装着者が腕時計をした腕を下げているか或いは手を身体の前に位置させた姿勢のときに、アンテナ利得の大きい方向が天頂方向と一致することとなり、受信性能が十分に発揮される。
【0010】
以上より、本発明によれば、例えば、GPSにおける衛星信号の受信に際し、屋外で装着者が多くとる姿勢などの人間工学に基づいて実用上最適なアンテナ指向性を得ることができ、受信性能を十分に高く維持することができるアンテナ内蔵式電子時計を提供することができる。このとき、アンテナ体の中心位置の配置範囲を6時から10時の範囲又は12時から4時の範囲とある程度の幅を持たせているのは、例えば、竜頭や操作ボタンなどの部品が外装ケースの外周面に配置されている場合にも、これらの部品とアンテナ体とが干渉するのを回避するためである。
【0011】
なお、「非導電性部材」としては、金属以外の素材、例えばセラミックやプラスチックを用いることができ、「筒状」には、円筒や角筒に代表される回転体が含まれる。また、アンテナ体と回路基板とを回路基板に略平行な同一平面内に配置してもよい。これは、アンテナ体と回路基板との接合面、又はアンテナ体の中心位置が、板状の回路基板を含む平面内に配置されていることを意味し、アンテナ体が回路基板上に直接実装される形態の他、回路基板とは別の基板上に実装される形態も含まれる。
【0012】
上記発明において、アンテナ内蔵式電子時計は、外装ケースの二つの開口のうち、一方の開口をカバーガラスで塞がれ、他方の開口を裏蓋で塞がれ、アンテナ体は回路基板の前記カバーガラス側に配置され、前記無線通信回路は前記裏蓋側に配置されることが好ましい。この場合には、GPSモジュールなどの無線通信回路とアンテナ体の間に回路基板を介在させることができ、無線通信回路から発生するクロック信号などのインバンド(受信信号の帯域内)ノイズがアンテナ体に悪影響を及ぼすのを低減することができる。これによりアンテナ体の感度が劣化するのを低減することができる。
【0013】
上記発明において、アンテナ体及び回路基板の電気長は、受信電波の1/4波長であることが好ましい。この場合には、アンテナ体及び回路基板の実質的なエレメント長を、例えばGPS衛星信号など、受信対象とする電波の1/4波長とすることにより、回路基板をアンテナ体のグランド板として機能させることができるとともに、受信対象とする電波に対し、適正な受信性能を維持することができる。なお、「電気長」とは、受信電波の波長に対する実質上の電気的なアンテナ長であり、アンテナ体の物理的なエレメント長と各エレメントの誘電率とから定まる。チップアンテナやパッチアンテナは誘電体を有するため、これらをアンテナ体として用いることにより、波長短縮によって小型化を図ることができる。また、回路基板も誘電体を含むため、回路基板の誘電率で波長短縮されたサイズの配線パターンを設ければよく、これにより小型化を図ることができる。
【0014】
上記発明において、アンテナ内蔵式電子時計は、光発電用のソーラーパネルをさらに備え、ソーラーパネルは、前記時刻表示部の表示方向からみた平面視においてアンテナ体と重なる部分が切り欠いてあることが好ましい。この場合には、ソーラーパネルの光発電により電力の供給を得ることができる。このとき、受信電波に対し、ソーラーパネルとアンテナ体とが平面的に重なる部分を切り欠くことにより、ソーラーパネルが有する電極などの金属部分の影響で受信性能が劣化するのを回避することができる。なお、この切り欠き部分に、例えばカレンダー表示部分など、金属以外の材質で構成された部品を配置して有効に活用することができ、受信性能を維持しつつ、ソーラーパネルの面積を最大限確保して、発電量が低下するのを回避することができる。
【0015】
上記発明において、裏蓋は金属製であることが好ましい。この場合には、金属製の裏蓋による反射により、時計表面における法線方向の放射が大きくなり、極めて高い受信性能が得られる。
また、上記発明においてアンテナ体はチップアンテナ又はパッチアンテナであることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係るアンテナ内蔵式電子時計100(電子時計100)を含むGPSシステムの全体図である。
【図2】電子時計100の平面図である。
【図3】電子時計100の一部断面図である。
【図4】電子時計100の一部の分解斜視図である。
【図5】電子時計100の回路構成を示すブロック図である。
【図6】電子時計100における給電点の位置を示す平面図である。
【図7】電子時計100の装着状態と給電点の位置との関係を示す説明図である。
【図8】電子時計100のアンテナ体40の放射パターンに関する座標係を示す斜視図である。
【図9】電子時計100のアンテナ体40のX−Y平面における放射パターンを示す図である。
【図10】電子時計100のアンテナ体40のZ−Y平面における放射パターンを示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る電子時計200の一部平面図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係るアンテナ内蔵式電子時計200(電子時計200)の一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の好適な実施の形態を、添付図面等を参照しながら詳細に説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0018】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るアンテナ内蔵式電子時計100(以下「電子時計100」という)を含むGPSシステムの全体図である。電子時計100は、GPS衛星20からの電波(無線信号)を受信して内部時刻を修正する腕時計であり、腕に接触する面(以下、「裏面」という)の反対側の面(以下「表面」という)に時刻を表示する。
【0019】
GPS衛星20は、地球上空における所定の軌道上を周回する位置情報衛星であり、1.57542GHzの電波(L1波)に航法メッセージを重畳させて地上に送信している。以降の説明では、航法メッセージが重畳された1.57542GHzの電波を「衛星信号」という。衛星信号は、右旋偏波の円偏波である。
【0020】
現在、約31個のGPS衛星20(図1においては、約31個のうち4個のみを図示)が存在しており、衛星信号がどのGPS衛星20から送信されたかを識別するために、各GPS衛星20はC/Aコード(Coarse/Acquisition Code)と呼ばれる1023chip(1ms周期)の固有のパターンを衛星信号に重畳する。C/Aコードは、各chipが+1又は−1のいずれかでありランダムパターンのように見える。したがって、衛星信号と各C/Aコードのパターンの相関をとることにより、衛星信号に重畳されているC/Aコードを検出することができる。
【0021】
GPS衛星20は原子時計を搭載しており、衛星信号には原子時計で計時された極めて正確な時刻情報(以下、「GPS時刻情報」という)が含まれている。また、地上のコントロールセグメントにより各GPS衛星20に搭載されている原子時計のわずかな時刻誤差が測定されており、衛星信号にはその時刻誤差を補正するための時刻補正パラメータも含まれている。電子時計100は、1つのGPS衛星20から送信された衛星信号を受信し、その中に含まれるGPS時刻情報と時刻補正パラメータを使用して内部時刻を正確な時刻に修正する。
【0022】
衛星信号にはGPS衛星20の軌道上の位置を示す軌道情報も含まれている。電子時計100は、GPS時刻情報と軌道情報を使用して測位計算を行うことができる。測位計算は、電子時計100の内部時刻にはある程度の誤差が含まれていることを前提として行われる。すなわち、電子時計100の3次元の位置を特定するためのx,y,zパラメータに加えて時刻誤差も未知数になる。そのため、電子時計100は、一般的には4つ以上のGPS衛星からそれぞれ送信された衛星信号を受信し、その中に含まれるGPS時刻情報と軌道情報を使用して測位計算を行う。
【0023】
図2は、電子時計100の平面図である。図2に示すように、電子時計100は、セラミックやプラスチック等の非導電性部材で形成された円筒状の外装ケース80を備え、外観上は、外装ケース80の表面側周縁に、セラミックやプラスチック等の非導電性部材で形成された環状のベゼル81が嵌合されている。このベゼル81の内周側に、プラスチックで形成された環状のダイヤルリング83を介して、円盤状の文字板11が時刻表示部として配置され、この文字板11上には、時刻や日付等を表示する指針13(13a〜c)及び液晶表示パネル14が配置されている。そして、外装ケース80の表面側の開口は、ベゼル81を介してカバーガラス84で塞がれており、カバーガラス84通じて、内部の文字板11、指針13(13a〜c)及び液晶表示パネル14が視認可能となっている。なお、図2中において、液晶表示パネル14に表示された"TYO"の文字は、「東京」の意味であり、ワールドタイム機能の日本の時刻を表示している。
【0024】
ダイヤルリング83は、外周側が、ベゼル81の内周面に接触する水平な環状部分となっているととともに、さらにその内周側が内方へ傾斜したすり鉢状部分となっている。このダイヤルリング83の下方に地板38が配置され、地板38の下面側に、断面矩形状に形成したアンテナ体40が収納されている。
【0025】
このアンテナ体40は、地板38内に収納される駆動機構30の周囲に配置され、誘電体表面に電極が形成されたチップアンテナであり、本実施形態では、アンテナ体40の中心位置が文字板11上の6時から10時位置又は12時から4時位置に配置されている。なお、地板38の下面には、アンテナ体40の平面形状に合致した形状の凹部38aが形成されており、アンテナ体40は、この凹部38a内に収納される。
【0026】
また、電子時計100は、図1及び図2に示す竜頭16や操作ボタン17及び18を手動操作することにより、少なくとも1つのGPS衛星20からの衛星信号を受信して内部時刻情報の修正を行うモード(時刻情報取得モード)と複数のGPS衛星20からの衛星信号を受信して測位計算を行い内部時刻情報の時差を修正するモード(位置情報取得モード)に設定できるように構成されている。また、電子時計100は、時刻情報取得モードや位置情報取得モードを定期的に(自動的に)実行することもできる。
【0027】
図3は電子時計100の内部構造を示す一部断面図であり、図4は電子時計100の一部の分解斜視図である。図3及び4に示すように、電子時計100は、セラミックで形成された円筒状の外装ケース80の表面側に、セラミックで形成された環状のベゼル81が嵌合されているとともに、ベゼル81の内周に沿って、プラスチックで形成された環状のダイヤルリング83が取り付けられている。外装ケース80の二つの開口のうち、表面側の開口は、環状のベゼル81を介してカバーガラス84で塞がれており、裏面側の開口は金属で形成された裏蓋85で塞がれている。金属製の裏蓋85と金属製の外装ケース80とは、スクリュー溝で固定されている。
【0028】
また電子時計100は、外装ケース80の内側に、リチウムイオン電池などの二次電池27を備える。二次電池27は、後述のソーラーパネル87が発電した電力で充電される。すなわち、光発電によるソーラー充電が行われる。電子時計100は、外装ケース80の内側に、光透過性の文字板11と、文字板11を貫通した指針軸12と、指針軸12を中心に周回して現在時刻を指し示す複数の指針13(秒針13a、分針13b及び時針13c)と、指針軸12を回転させて複数の指針13を駆動する駆動機構30とを備える。指針軸12は、外装ケース80の中心軸に沿って表裏方向に延在している。
【0029】
文字板11は、外装ケース80の内側で時刻を表示する時刻表示部を構成する円形の板材であり、プラスチックなどの光透過性の材料で形成され、カバーガラス84との間に指針13(13a〜c)を挟み、ダイヤルリング83の内側に配置されている。文字板11の中央部には、指針軸12が貫通する穴が形成されているとともに、液晶表示パネル14を視認させるための開口部11aが形成されている。
【0030】
また電子時計100は、外装ケース80の内側に、光発電を行うソーラーパネル87を備える。ソーラーパネル87は、光エネルギーを電気エネルギー(電力)に変換する複数のソーラーセル(光発電素子)を直列接続した円形の平板であり、文字板11と駆動機構30との間に配置され、指針軸12の横断面に沿って延在している。またソーラーパネル87は、その延在方向において、ダイヤルリング83の内側に配置されている。またソーラーパネル87の中央部には、指針軸12が貫通する穴が形成されているとともに、液晶表示パネル14を視認させるための開口部87aが形成されている。
【0031】
駆動機構30は、地板38に取り付けられ、ステップモーターと歯車などの輪列とを有し、当該ステップモーターが当該輪列を介して指針13を回転させることにより、複数の指針13を駆動する。具体的には、時針13cは12時間、分針13bは60分、秒針13aは60秒で一周する。また、駆動機構30が取り付けられた地板38は、指針13との間に文字板11を挟むように配置されている。
【0032】
また電子時計100には、外装ケース80の内側に回路基板25を備え、この回路基板25には、裏蓋85側に配置されたGPS受信部(無線通信回路)26及び制御部70とを備え、アンテナ体40からの信号をGPS受信部26で受信して無線通信を行う。
【0033】
そして、電子時計100には、回路基板25に接続された、断面矩形状のアンテナ体40を備える。このアンテナ体40は、チップアンテナであり、例えば、巻線構造からなるヘリカルアンテナや、波長短縮のためのセラミックの誘電体上にパターン形成された逆Fアンテナである。本実施形態において、アンテナ体40は、回路基板25上のカバーガラス84側に実装され、回路基板25と略平行な同一平面内に配置されており、グランド板として機能する回路基板25と組み合わせることで、全体としてアンテナとして機能するようになっている。なお、図6(a)及び(b)に示すように、アンテナ体40の中心位置は、立体形状の中心を指し、このアンテナ体40の中心位置、又はアンテナ体40と回路基板25との接合面が、板状の回路基板25を含む平面内に配置されていればよく、アンテナ体40が回路基板25上に直接実装される形態の他、回路基板25とは別の基板上に実装したり、アンテナ体40を回路基板25と他の基板とに跨って実装するようにしてもよい。
【0034】
ここで、アンテナ体40の電気長は、衛星信号の1/4波長となっており、回路基板25についてもグランド板としての機能を果たすために誘電体を含んでおり、その電気長が衛星信号の1/4波長となっている。なお、「電気長」とは、衛星信号の波長に対する実質上の電気的なアンテナ長であり、アンテナ体の物理的なエレメント長と各エレメントの誘電率とから定まる。また、誘電体としては、酸化チタンなどの高周波で使える誘電材料を樹脂に混ぜて成形することができ、これにより誘電体の波長短縮と相俟ってアンテナ体40及び回路基板25を小型化できる。
なお、本実施形態において、アンテナ体40への給電は回路基板25から接続線を介して行われる。
【0035】
図5は、電子時計100の回路構成を示すブロック図である。図5に示すように、電子時計100は、GPS受信部26及び制御表示部36を含んで構成されている。GPS受信部26は、衛星信号の受信、GPS衛星20の捕捉、位置情報の生成、時刻修正情報の生成等の無線通信処理を行う。制御表示部36は、内部時刻情報の保持及び内部時刻情報の修正等の処理を行う。
【0036】
ソーラーパネル87は、充電制御回路29を通じて二次電池27を充電する。電子時計100はレギュレータ34及び35を備え、二次電池27は、レギュレータ34を介して制御表示部36に、レギュレータ35を介してGPS受信部26に駆動電力を供給する。また電子時計100は、二次電池27の電圧を検出する電圧検出回路37を備える。なお、レギュレータ35に代えて、例えば、RF部50(詳細は後述)に駆動電力を供給するレギュレータ35−1と、ベースバンド部60(詳細は後述)に駆動電力を供給するレギュレータ35−2(ともに図示せず)とに分けて設けてもよい。レギュレータ35−1は、RF部50の内部に設けてもよい。
【0037】
また電子時計100は、アンテナ体40、及びSAW(Surface Acoustic Wave:表面弾性波)フィルタ32を含む。アンテナ体40は、図1で説明したように、複数のGPS衛星20からの衛星信号を受信する。ただし、アンテナ体40は衛星信号以外の不要な電波も若干受信してしまうため、SAWフィルタ32は、アンテナ体40が受信した信号から衛星信号を抽出する処理を行う。すなわち、SAWフィルタ32は、1.5GHz帯の信号を通過させるバンドパスフィルタとして構成される。
【0038】
また、GPS受信部26は、RF(Radio Frequency:無線周波数)部50とベースバンド部60を含んで構成されている。以下に説明するように、GPS受信部26は、SAWフィルタ32が抽出した1.5GHz帯の衛星信号から航法メッセージに含まれる軌道情報やGPS時刻情報等の衛星情報を取得する処理を行う。
【0039】
RF部50は、LNA(Low Noise Amplifier)51、ミキサ52、VCO(Voltage Controlled Oscillator)53、PLL(Phase Locked Loop)回路54、IFアンプ55、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)フィルタ56、ADC(A/D変換器)57等を含んで構成されている。
【0040】
SAWフィルタ32が抽出した衛星信号は、LNA51で増幅される。LNA51で増幅された衛星信号は、ミキサ52でVCO53が出力するクロック信号とミキシングされて中間周波数帯の信号にダウンコンバートされる。PLL回路54は、VCO53の出力クロック信号を分周したクロック信号と基準クロック信号を位相比較してVCO53の出力クロック信号を基準クロック信号に同期させる。その結果、VCO53は基準クロック信号の周波数精度の安定したクロック信号を出力することができる。なお、中間周波数として、例えば、数MHzを選択することができる。
【0041】
ミキサ52でミキシングされた信号は、IFアンプ55で増幅される。ここで、ミキサ52でのミキシングにより、中間周波数帯の信号とともに数GHzの高周波信号も生成される。そのため、IFアンプ55は、中間周波数帯の信号とともに数GHzの高周波信号も増幅する。IFフィルタ56は、中間周波数帯の信号を通過させるとともに、この数GHzの高周波信号を除去する(正確には、所定のレベル以下に減衰させる)。IFフィルタ56を通過した中間周波数帯の信号はADC(A/D変換器)57でデジタル信号に変換される。
【0042】
ベースバンド部60は、DSP(Digital Signal Processor)61、CPU(Central Processing Unit)62、SRAM(Static Random Access Memory)63、RTC(リアルタイムクロック)64を含んで構成されている。また、ベースバンド部60には、温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO:Temperature Compensated Crystal Oscillator)65やフラッシュメモリ66等が接続されている。
【0043】
温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO)65は、温度に関係なくほぼ一定の周波数の基準クロック信号を生成する。フラッシュメモリ66には、例えば時差情報が記憶されている。時差情報は、時差データ(座標値(例えば、緯度及び経度)に関連づけられたUTCに対する補正量等)が定義された情報である。
【0044】
ベースバンド部60は、時刻情報取得モード又は位置情報取得モードに設定されると、RF部50のADC57が変換したデジタル信号(中間周波数帯の信号)からベースバンド信号を復調する処理を行う。
【0045】
また、ベースバンド部60は、時刻情報取得モード又は位置情報取得モードに設定されると、後述する衛星検索工程において、各C/Aコードと同一のパターンのローカルコードを発生し、ベースバンド信号に含まれる各C/Aコードとローカルコードの相関をとる処理を行う。そして、ベースバンド部60は、各ローカルコードに対する相関値がピークになるようにローカルコードの発生タイミングを調整し、相関値が閾値以上となる場合にはそのローカルコードのGPS衛星20に同期(すなわち、GPS衛星20を捕捉)したものと判断する。ここで、GPSシステムでは、すべてのGPS衛星20が異なるC/Aコードを用いて同一周波数の衛星信号を送信するCDMA(Code Division Multiple Access)方式を採用している。したがって、受信した衛星信号に含まれるC/Aコードを判別することで、捕捉可能なGPS衛星20を検索することができる。
【0046】
また、ベースバンド部60は、時刻情報取得モード又は位置情報取得モードにおいて、捕捉したGPS衛星20の衛星情報を取得するために、当該GPS衛星20のC/Aコードと同一のパターンのローカルコードとベースバンド信号をミキシングする処理を行う。ミキシングされた信号には、捕捉したGPS衛星20の衛星情報を含む航法メッセージが復調される。そして、ベースバンド部60は、航法メッセージの各サブフレームのTLMワード(プリアンブルデータ)を検出し、各サブフレームに含まれる軌道情報やGPS時刻情報等の衛星情報を取得する(例えばSRAM63に記憶する)処理を行う。ここで、GPS時刻情報は、週番号データ(WN)及びZカウントデータであるが、以前に週番号データが取得されている場合にはZカウントデータのみであってもよい。
そして、ベースバンド部60は、衛星情報に基づいて、内部時刻情報を修正するために必要な時刻修正情報を生成する。
【0047】
時刻情報取得モードの場合、より具体的には、ベースバンド部60は、GPS時刻情報に基づいて測時計算を行い、時刻修正情報を生成する。時刻情報取得モードにおける時刻修正情報は、例えば、GPS時刻情報そのものであってもよいし、GPS時刻情報と内部時刻情報との時間差の情報であってもよい。
【0048】
一方、位置情報取得モードの場合、より具体的には、ベースバンド部60は、GPS時刻情報や軌道情報に基づいて測位計算を行い、位置情報(より具体的には、受信時に電子時計100が位置する場所の緯度及び経度)を取得する。さらに、ベースバンド部60は、フラッシュメモリ66に記憶されている時差情報を参照し、位置情報により特定される電子時計100の座標値(例えば、緯度及び経度)に関連づけられた時差データを取得する。このようにして、ベースバンド部60は、時刻修正情報として衛星時刻データ(GPS時刻情報)及び時差データを生成する。位置情報取得モードにおける時刻修正情報は、上記の通り、GPS時刻情報と時差データそのものであってもよいが、例えば、GPS時刻情報の代わりに内部時刻情報とGPS時刻情報の時間差のデータであってもよい。
なお、ベースバンド部60は、1つのGPS衛星20の衛星情報から時刻修正情報を生成してもよいし、複数のGPS衛星20の衛星情報から時刻修正情報を生成してもよい。
【0049】
また、ベースバンド部60の動作は、温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO)65が出力する基準クロック信号に同期する。RTC64は、衛星信号を処理するためのタイミングを生成するものである。このRTC64は、TCXO65から出力される基準クロック信号でカウントアップされる。また、ベースバンド部60に設けられたRTC64は、GPS衛星20の衛星情報を受信中にのみ動作し、GPS時刻情報を保持する。
【0050】
制御表示部36は、制御部70、駆動回路74及び水晶振動子73を含んで構成されている。
制御部70は、記憶部71、RTC(Real Time Clock)72を備え、各種制御を行う。制御部70は、例えばCPUで構成することが可能である。
制御部70は、制御信号をGPS受信部26に送り、GPS受信部26の受信動作を制御する。また制御部70は、電圧検出回路37の検出結果に基づいて、レギュレータ34及びレギュレータ35の動作を制御する。また制御部70は、駆動回路74を介してすべての指針の駆動を制御する。
【0051】
記憶部71には内部時刻情報が記憶されている。RTC72は、常時動作し、時刻表示のための内部時刻を計時し内部時刻情報を生成する。内部時刻情報は、電子時計100の内部で計時される時刻の情報であり、水晶振動子73によって生成される基準クロック信号によって更新される。したがって、GPS受信部26への電力供給が停止されていても、内部時刻情報を更新して指針の運針を継続することができるようになっている。
【0052】
制御部70は、時刻情報取得モードに設定されると、GPS受信部26の動作を制御し、GPS時刻情報に基づいて内部時刻情報を修正して記憶部71に記憶する。より具体的には、内部時刻情報は、取得したGPS時刻情報にUTCオフセットを加算することで求められるUTC(協定世界時)に修正される。また、制御部70は、位置情報取得モードに設定されると、GPS受信部26の動作を制御し、衛星時刻データ(GPS時刻情報)及び時差データに基づいて、内部時刻情報を修正して記憶部71に記憶する。
【0053】
以上説明したように、電子時計100では、アンテナ体40及び回路基板25が一対となり、全体としてアンテナとして機能する。このときアンテナ体40及び回路基板25の電気長を、衛星信号の1/4波長とすることにより、受信対象とする衛星信号に対し、適正な受信性能を維持することができる。また、本実施形態においてアンテナ体40は、誘電体を有するチップアンテナであるため、誘電体の波長短縮によって小型化を図ることができる。また、回路基板25も誘電体を含むため、その誘電体の誘電率で波長短縮されたサイズの配線パターンを設ければよく、これにより小型化を図ることができる。
【0054】
特に、本実施形態に係る電子時計100では、その放射指向性が、回路基板25の中心から見てアンテナ体40の中心位置がある方向が最大放射方向となることから、アンテナ体40の中心を6時から10時の範囲又は12時から4時の範囲に配置することにより、装着者が腕時計をした腕を下げているか或いは手を身体の前に位置させた姿勢のときに、アンテナ利得の大きい方向が天頂方向と一致することとなり、受信性能が十分に発揮される。なお、本発明において、アンテナ体40の中心位置とは、図6(a)及び(b)に示すように、立体形状の中心位置を示す。
【0055】
詳述すると、衛星信号は屋内では受信できないことから、腕時計を腕に装着して屋外にいる間に受信を行うこととなり、その際、着用者は、腕を下げているか或いは手を身体の前に位置させた姿勢でいることが多い。そのため、図6(c)及び図7に示すように、電子時計100の6時〜10時位置が天頂方向を向く確率が高くなる。本実施形態に係る電子時計100では、アンテナ体40の中心位置が6時〜10時位置、若しくはそれと同じ性能が得られる12時〜4時の位置となっていることから、衛星受信の際、アンテナ利得が大きい方向が、天頂方向に向いている確率が高くなる。
【0056】
図8〜図10は、アンテナ体40及び回路基板25によって構成されるアンテナの放射パターンの説明図である。なお、図8は、アンテナ体40と回路基板25とを中心とした座標系を示す説明図であり、回路基板25の中心点を原点とし、時計表面を含む水平面をX−Y平面とし、アンテナ体40の中心位置をX軸上に設置した状態を示している。図9に示す放射パターンは、図8に示したX−Y平面における放射パターンであり、原点付近のX軸上にアンテナ体40及び回路基板25が位置されている。図10に示す放射パターンは、Z−Y平面における放射パターンであり、原点上にアンテナ体40の中心位置が配置されている。なお、図10において、実線は裏蓋がある場合の放射パターンであり、波線は裏蓋がない場合の放射パターンである。
【0057】
図9に示すように、X軸上にアンテナ体40及び回路基板25を位置させた場合、X軸方向が最大放射方向となりアンテナ利得が最大となっており、Y軸方向はヌル値となりアンテナ利得は低くなっている。したがって、本発明のように、アンテナ体40の中心位置を6時〜10時又は12時〜4時の範囲に位置させることにより、腕時計を腕に装着して屋外にいる間に受信を行う場合に、人間工学上、着用者が多くとる姿勢で、アンテナ体40の放射指向性を最大とすることができる。
【0058】
図10では、金属裏蓋の有無でアンテナ放射パターンの比較を行っている。Y−Z平面で、金属裏蓋があると反射で文字板方向(Z軸)の放射が大きくなり、時計表面を頂点に向けた場合には、望ましいアンテナ特性を得られることが判る。なお、ケースが金属製である場合に、アンテナに近過ぎると、そのアンテナ特性が劣化するが、本実施形態において外装ケース80は非導電性部材であることからそのような影響はなく、裏蓋85は、回路基板25などにより隔てられており、アンテナ体40と適度な距離があるため、アンテナ特性を劣化させることなく反射板として有効に機能させることができる。
【0059】
なお、本実施形態において、誘電体表面に電極を形成した板状のアンテナ体としたが、本発明は、これに限定するものではなく、例えば、直線偏波で動作する長方形状のパッチアンテナを用いてもよい。パッチアンテナとしては、逆F型アンテナ、逆L型アンテナのエレメントの形を、絶縁物の基板上に貼り付けた金属にエッチングして形成されたものを用いることができる。パッチアンテナの場合、アンテナ下面にグランド面が必要となるので回路基板25のパターンはアンテナ下面で拡げられる。
【0060】
また、前記側面部の二つの開口のうち、前記時刻表示部の表示方向と反対側の開口を塞ぐ金属製の裏蓋を備えるため、金属製の裏蓋による反射により、時計表面における法線方向の放射が大きくなり、極めて高い受信性能が得られる。
【0061】
以上より、本発明によれば、GPSにおける衛星信号の受信に際し、屋外における装着者の姿勢などの人間工学に基づいて実用上最適なアンテナ指向性を得ることができ、アンテナの小型化を図りつつ、受信性能を十分に高く維持することができる。
【0062】
[第2実施形態]
図11は、本発明の第2実施形態に係るアンテナ内蔵式電子時計200(電子時計200)の一部平面図であり、図12は、本発明の第2実施形態に係るアンテナ内蔵式電子時計200(電子時計200)の一部断面図である。電子時計200は、ソーラーパネル88の、アンテナ体40の位置に対応した箇所に切欠部88aを備える点で電子時計100と相違する。
【0063】
具体的には、図11に示すように、本実施形態では、ソーラーパネル88には、アンテナ体40と平面的に重なる部分を切り欠いて切除した、切欠部88aが設けられている。この切欠部88aの下方には、アンテナ体41が配置されており、アンテナ体40とソーラーパネル88を平面的に重ならないようになっている。なお、この切欠部88aには、プラスチックで形成され、カレンダーを表示する日車15を配置してもよい。日車15は、リング状の板部材であり、図11において、紙面に垂直な面内において回転するようになっている。
【0064】
アンテナ体41は、セラミックなどの誘電体であるが、誘電体を混ぜたプラチックを用いたインサート成形で形成するようにしてもよい。なお、本実施形態では、断面矩形状の誘電体の表面に、給電点となるアンテナ電極が一体的に形成されており、一方の電極が、地板38又は外装ケース80の内側面に接触し、他方の電極が回路基板25に接触している。
【0065】
そして、この第2実施形態では、外装ケース80を金属で形成し、外装ケース80及び金属製の裏蓋85をグランド板として機能させる。すなわち、GPS受信部26のグランド電位を金属製の外装ケース80を通じて裏蓋85に接続させる。アンテナ体41に対する給電は、アンテナ体41表面のアンテナ電極を回路基板25を通じて不平衡給電を行う。
【0066】
以上の説明から明らかなように、電子時計200によれば、電子時計100と同様の効果が得られる。さらなる効果としては、アンテナ体40とソーラーパネル88とが平面的に重ならない構成となっているため、ソーラーパネルの下面に備えられた厚み数μmのアルミ電極の影響による受信性能の劣化を防止することができる。また、ソーラーパネル88の面積を最大限確保して発電量を増やすことができる。
【0067】
本実施形態では、アンテナ体41の方側のアンテナ電極(給電点)を通じて、外装ケース80や裏蓋85をグランド板として機能させることから、回路基板25に接続する給電点を1個とさせることができ、構造が簡単になりコストダウンを図ることができるとともに、給電点を配置する位置の自由度を高めることができる。
【符号の説明】
【0068】
100,200…アンテナ内蔵式電子時計(電子時計)、40,41…アンテナ体、11…文字板、12…指針軸、13(13a,13b,13c)…指針、25…回路基板、26…GPS受信部、30…駆動機構、80…外装ケース、81…ベゼル、84…カバーガラス、85…裏蓋、87、88…ソーラーパネル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が非導電性部材で形成された筒状の外装ケースと、
前記外装ケースの内側で時刻を表示する時刻表示部と、
前記外装ケースに収納され、無線通信を行う無線通信回路が配置された回路基板と、
前記外装ケースに収納され、前記回路基板に接続され、前記無線通信回路から不平衡給電されるアンテナ体とを備え、
前記アンテナ体の中心位置が、前記時刻表示部の6時から10時の範囲又は12時から4時の範囲に配置されている
ことを特徴とするアンテナ内蔵式電子時計。
【請求項2】
前記アンテナ内蔵式電子時計は、前記外装ケースの二つの開口のうち、一方の開口をカバーガラスで塞がれ、他方の開口を裏蓋で塞がれ、
前記アンテナ体は前記回路基板の前記カバーガラス側に配置され、前記無線通信回路は前記裏蓋側に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
【請求項3】
前記アンテナ体及び前記回路基板の電気長は、受信電波の1/4波長であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
【請求項4】
前記アンテナ内蔵式電子時計は、光発電用のソーラーパネルをさらに備え、
前記ソーラーパネルは、前記時刻表示部の表示方向からみた平面視において前記アンテナ体と重なる部分が切り欠いてあることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
【請求項5】
前記裏蓋は金属製であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
【請求項6】
前記アンテナ体はチップアンテナ又はパッチアンテナであることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
【請求項1】
少なくとも一部が非導電性部材で形成された筒状の外装ケースと、
前記外装ケースの内側で時刻を表示する時刻表示部と、
前記外装ケースに収納され、無線通信を行う無線通信回路が配置された回路基板と、
前記外装ケースに収納され、前記回路基板に接続され、前記無線通信回路から不平衡給電されるアンテナ体とを備え、
前記アンテナ体の中心位置が、前記時刻表示部の6時から10時の範囲又は12時から4時の範囲に配置されている
ことを特徴とするアンテナ内蔵式電子時計。
【請求項2】
前記アンテナ内蔵式電子時計は、前記外装ケースの二つの開口のうち、一方の開口をカバーガラスで塞がれ、他方の開口を裏蓋で塞がれ、
前記アンテナ体は前記回路基板の前記カバーガラス側に配置され、前記無線通信回路は前記裏蓋側に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
【請求項3】
前記アンテナ体及び前記回路基板の電気長は、受信電波の1/4波長であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
【請求項4】
前記アンテナ内蔵式電子時計は、光発電用のソーラーパネルをさらに備え、
前記ソーラーパネルは、前記時刻表示部の表示方向からみた平面視において前記アンテナ体と重なる部分が切り欠いてあることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
【請求項5】
前記裏蓋は金属製であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
【請求項6】
前記アンテナ体はチップアンテナ又はパッチアンテナであることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−50349(P2013−50349A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187657(P2011−187657)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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