説明

アンテナ装置

【課題】給電用線路の引き回しを必要とせず、損失の増加を抑えながら、高利得化を有効に実現することができるアンテナ装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係るアンテナ装置は、複数の絶縁層を積層してなる多層基板(1)と、前記多層基板をなす絶縁層に配置され、高周波信号が給電された給電素子(2)と、前記多層基板をなす絶縁層に前記給電素子に関して点対称に配置され、前記給電素子に対して従属的に磁気結合された複数の無給電素子(311〜314等)とを備え、前記複数の無給電素子のうち隣り合う2つの無給電素子が互いに異なる絶縁層に配置されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップアンテナ等のアンテナ装置に関し、詳しくは、高利得なチップアンテナ等を実現するための技術に関し、特に、能動デバイスとアンテナを一体化した所謂システムオンパッケージを実現する際に有効に高利得化を実現するアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給電線路を用いずにアレー構成を実現したアンテナ装置として、無給電素子アレーによる技術が提案されている(非特許文献1参照)。
図6に、上記従来技術によるアンテナ装置の構成を示す。同図において、20は給電用マイクロストリップアンテナ、30は無給電素子金属、40は地板、50はマイクロストリップ線路を示し、60は高周波信号源を示している。
【0003】
この従来技術に係るアンテナ装置は、給電素子である1個の給電用マイクロストリップアンテナ20に対して4個の無給電素子金属30を磁気的に結合させることにより一種のアレーアンテナとして動作し、これにより高利得化を実現している。
【非特許文献1】H.Legay and L.Shafai, “New stacked microstrip antenna with large bandwidth and high gain,”IEE Proc. -Microw. Antennas Propag., Vol.141, No3, pp.199-204, June 1994.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、パッケージにアンテナ素子を配列してアレーアンテナを形成する場合、各アンテナ素子に給電するための給電用線路も形成する必要があり、その給電用線路の引き回しに起因して損失や不要輻射が増大するため、効果的に利得を増加できない。
このような問題について、上述の図6に示す無給電素子金属30を用いた従来技術に係るアンテナ装置によれば、無給電素子金属30は給電用マイクロストリップアンテナ20から磁気的に給電されるため、給電用線路を必要とせず、この給電用線路の引き回しに起因した上述の問題を回避することができる。
【0005】
しかしながら、図6に示す従来技術に係るアンテナ装置によれば、給電用マイクロストリップアンテナ20に対して磁気的に結合可能な無給電素子金属30の配置位置が限られるため、無給電素子金属30の個数を有効に増やすことができず、従って有効に高利得化できないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、給電用線路の引き回しを必要とせず、損失を抑えながら、高利得化を有効に実現することができるアンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の構成を有する。
即ち、本発明は、複数の絶縁層を積層してなる多層基板(例えば図1に示す多層基板1に対応する要素)と、前記多層基板をなす絶縁層に配置され、高周波信号が給電された給電素子(例えば図1に示す給電素子2に対応する要素)と、前記多層基板をなす絶縁層に配置され、前記給電素子に対して従属的に磁気結合された複数の無給電素子(例えば図1に示す無給電素子311〜314,321〜324,331〜334,341〜344に対応する要素)とを備え、前記複数の無給電素子のうち隣り合う2つの無給電素子が互いに異なる絶縁層に配置されたことを特徴とするアンテナ装置の構成を有する。
【0008】
この構成によれば、給電素子から放射されたエネルギーの一部が複数の無給電素子を励振させ、これら複数の無給電素子のそれぞれが電磁波を放射する。従って、給電素子に加えて複数の無給電素子から電磁波が放射されるため、実質的にアンテナの開口面積が拡大し、これにより高利得化される。また、複数の無給電素子が従属的に結合されているので、1個の給電素子に対して無給電素子の個数を有効に増加させることが可能になり、従って、アンテナの開口面積を増加し、効果的に高利得化を実現できる。
【0009】
上記アンテナ装置において、例えば、前記複数の無給電素子は、前記給電素子に関して点対称に配置されたことを特徴とする。
上記アンテナ装置において、例えば、前記複数の無給電素子は、前記給電素子を基点として列状に配置されたことを特徴とする。
上記アンテナ装置において、例えば、前記給電素子を基点として等距離に位置する一群の無給電素子を1単位としたときに、複数単位の無給電素子を備えたことを特徴とする。
上記アンテナ装置において、例えば、少なくとも5単位以上の無給電素子を備えたことを特徴とする。
上記アンテナ装置において、例えば、前記列状に配置された複数の無給電素子を1組としたときに、複数組の無給電素子を備えたことを特徴とする。
上記アンテナ装置において、例えば、前記隣り合う2つの無給電素子が、前記多層基板をなす絶縁層を介して重なり領域を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、給電素子に対し複数の無給電素子を従属的に電磁結合させたので、給電用線路の引き回しを必要とせず、損失を抑えながら、高利得化を有効に実現することができる。
また、本発明によれば、給電回路を用いることなく大面積のアレーアンテナを構成することができるため、ミリ波帯等においても低損失かつ高利得なアンテナを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1〜図5は、本発明の実施形態を説明するための図である。
ここで、図1及び図2は、本実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す図であり、図1は上視図、図2(a)は、図1のA−B線における断面図であり、図2(b)は、図2(a)に示す構成の変形例を示す図である。図1及び図2(a)において、符号1は多層基板、符号2は方形の給電用マイクロストリップアンテナからなる給電素子、300番代の符号は方形の金属片からなる無給電素子を示す。符号4は地板、符号5は給電線を示す。
【0012】
図1及び図2(a)に示すように、多層基板1は、誘電体基板(絶縁層)1A,1Bを積層して構成され、この多層基板1の下層をなす誘電基板1A上には1個の給電素子2が配置される。多層基板1の上層をなす誘電体基板1B上には、複数の無給電素子311,312,313,314,331,332,333,334が配置され、給電素子2と同一面上の誘電体基板1A上には、複数の無給電素子321,322,323,324,341,342,343,344が配置される。
【0013】
給電線5は、誘電体基板1Aを貫通するように形成され、図示しない高周波信号源から給電線5を介して給電素子2に高周波信号が給電される。
なお、以下の説明では、複数の無給電素子311,312,313,314,321,322,323,324,331,332,333,334,341,342,343,344を総称するときは、無給電素子300と称する。
【0014】
ここで、複数の無給電素子300は、給電素子2に関して点対称に配置されると共に、給電素子2に対して従属的に磁気結合されている。
具体的に説明すると、無給電素子311,321,331,341は、給電素子2を基点として列状に配置されると共に、これら複数の無給電素子311,321,331,341のうち、隣り合う2つの無給電素子が互いに異なる誘電体基板に交互に配置された構造となっている。
【0015】
図1及び図2(a)に示す例では、隣り合う2つの無給電素子311と無給電素子321のうち、一方の無給電素子311が誘電体基板1B上に配置され、他方の無給電素子321が誘電体基板1A上に配置されており、これら隣り合う2つの無給電素子は、誘電体基板1Bを介して重なり領域を形成している。その他の隣り合う2つの無給電素子についても同様に重なり領域を形成している。この重なり領域の面積は、例えば、隣り合う無給電素子間で伝送すべき電磁波のエネルギー量に応じて適切に設定され、あるいは、各無給電素子から放射される電磁波の位相が合うように設定される。ただし、この例に限定されることなく、必要とするアンテナ性能に応じて重なり面積を適切に設定すればよい。
【0016】
なお、本実施形態では、「隣り合う2つの無給電素子」とは、磁気的結合関係が密接な2つの無給電素子を意味する。この点について、図1及び図2(a)に示す例では、厳密には、例えば無給電素子311と無給電素子331との間にも磁気的結合関係が存在するが、図1から理解されるように、上述の重なり領域を設けたことにより、無給電素子311と無給電素子331との間の対向面積に比べて、無給電素子311と無給電素子321との間の対向面積が圧倒的に大きくなるため、これら無給電素子311と無給電素子321との間の磁気的結合が密になる。従って無給電素子311に対しては無給電素子321が隣り合ったものとなる。他の隣り合う2つの無給電素子についても同様である。
【0017】
また、上記複数の無給電素子300のうち、無給電素子311,321,331,341は、給電素子2に対して従属的に磁気結合されている。即ち、給電素子2に対し無給電素子311が従属的に磁気結合され、この無給電素子311に対し無給電素子321が従属的に磁気結合され、この無給電素子321に対し無給電素子341が従属的に磁気結合されている。同様に、給電素子2に対し、無給電素子312,322,332,342と、無給電素子313,323,333,343と、無給電素子314,324,334,344とが、それぞれ給電素子2に対し従属的に磁気結合されている。
【0018】
ここで、上述の図1及び図2(a)に示す本アンテナ装置の構成は、給電素子2を基点として等距離にあり且つ点対称な位置に配置された一群の無給電素子を1単位とすれば、複数単位の無給電素子を備えたものと言える。この例では、給電素子2の中心を基点とした点対称な4箇所の位置に配置された合計4個の無給電素子が1単位と定義される。具体的には、給電素子2に磁気結合された4個の無給電素子311,312,313,314は給電素子2から最短の等距離にあり、これら4個の無給電素子が1単位分の無給電素子を構成する。同様に、4個の無給電素子321,322,323,324と、4個の無給電素子331,332,333,334と、4個の無給電素子341,342,343,344とが、それぞれ1単位分の無給電素子を構成する。従って、図1に示す本アンテナ装置は、合計4単位の無給電素子を備えた構成例である。
【0019】
また、上述の図1及び図2(a)に示す本アンテナ装置の構成は、次のように言い換えることができる。即ち、本アンテナ装置の構成は、給電素子2に対して従属的に磁気結合された1列分の複数の無給電素子311,321,331,341を1組とすれば、4組の無給電素子を備えたものであり、この4組の無給電素子が、前記給電素子に関して点対称に配置されたものと言える。
【0020】
この例では、4組の無給電素子が十字状に点対称に配置されているが、これに限定されることなく、1個の給電素子2に対して、1列分に相当する1組の無給電素子(例えば無給電素子311,321,331,341)のみを備えるものとしてもよく、また、4組に限定されることなく、必要とするアンテナ性能に応じて任意の複数組の無給電素子を備えるものとすることもできる。また、1組を構成する無給電素子の個数も、この例に限定されず、適切に設定すればよい。また、点対称性についても必要に応じて備えれば足り、必ずしも備える必要はない。
【0021】
なお、図2(a)に示す構成例では、給電素子2と無給電素子321,323,341,343(図1では、無給電素子321,322,323,324,341,342,343,344)を下層の誘電体基板1A上に配置し、無給電素子311,313,331,333(図1では、無給電素子311,312,313,314,331,332,333,334)を上層の誘電体基板1B上に配置したが、図2(b)に示すように、給電素子2と無給電素子321,323,341,343を上層の誘電体基板1B上に配置し、無給電素子311,313,331,333を下層の誘電体基板1A上に配置するものとしてもよい。
【0022】
次に、本実施形態の作用(動作)を説明する。
図示しない高周波信号源から給電線5を介して給電素子2が給電されると、この給電素子2がマイクロストリップアンテナとして機能して電磁波を放射する。給電素子2から放射された電磁波の一部は、給電素子2と磁気結合された1単位目の無給電素子311,312,313,314を励振させ、これら無給電素子に高周波電流が誘導される。これにより、無給電素子311,312,313,314のそれぞれが電磁波を放射する。
【0023】
また、1単位目の無給電素子311,312,313,314から放射された電磁波の一部は、これら無給電素子と磁気結合された2単位目の無給電素子321,322,323,324を励振させ、これら無給電素子に高周波電流が誘導される。これにより、無給電素子321,322,323,324のそれぞれが電磁波を放射する。同様にして、2単位目の無給電素子から放射された電磁波の一部により3単位目の無給電素子331,332,333,334が励振されて電磁波を放射し、3単位目の無給電素子から放射された電磁波の一部により4単位目の無給電素子341,342,343,344が励振されて電磁波を放射する。
【0024】
よって、本実施形態によれば、給電素子2に対し複数単位の無給電素子300を従属的に磁気結合させたので、給電用線路を用いることなく、各無給電素子に給電することが可能になる。また、給電素子2と各無給電素子300がそれぞれ電磁波を放射するので、これら給電素子2と各無給電素子300が一種のアレーアンテナ素子として機能するようになる。従って、実質的にアンテナの開口面積が拡大することとなり、これによりアンテナを高利得化することが可能になる。
【0025】
また、本実施形態によれば、隣り合う2つの無給電素子を互いに異なる誘電体基板上に配置したので、前述の図6に示す従来技術に比較して、アレーアンテナ素子として機能する無給電素子の個数を飛躍的に増やすことが可能になる。よって、本実施形態によれば、アレーアンテナ素子として機能する複数の無給電素子300に対する給電用線路の引き回しを不要とし、損失を抑えながら、アンテナ装置の高利得化を有効に実現できる。
また、本実施形態によれば、複数の無給電素子300を点対称な位置に配置したので、前後方向および左右方向の各方向に対称な構造となり、そのため、水平偏波と垂直偏波の両偏波を同時に使用することが可能になる。
【0026】
[実施例]
次に、本発明の実施例を説明する。
本実施例に係るアンテナ装置は、60GHz帯での適用を想定しており、誘電体基板1A,1Bとして、ミリ波帯パッケージを製造するのに適した低温焼成セラミック基板(比誘電率εr=7.7)を用いた。基板構成は、最下層に地板(グランド板)4を配置し、多層基板1の下層の誘電体基板1Aの厚さを0.1mmとし、上層の誘電体基板1Bの厚さを0.05mmとした。また、給電素子2としての給電用マイクロストリップアンテナの形状を、1辺が0.65mmの方形パッチ状とし、その給電個所(給電素子2と給電線5との接続箇所)を給電素子2の中央から0.22mmずらした点に設定した。これにより、給電素子2と給電線5との接続部におけるインピーダンスを整合させた。
【0027】
また、給電素子2としての給電用マイクロストリップアンテナと同一面の誘電体基板1A上に配置される各無給電素子の形状を、一辺が0.70mmの方形パッチ状とし、給電素子2の上層(誘電体基板1B上)に配置する各無給電素子の形状を、一辺が0.73mmの方形パッチ状とした。これにより、誘電体基板との間で形成される共振回路の共振周波数を整合させた。ちなみに、この共振周波数が整合されていないと、電磁結合の度合いが減少し、このため、損失が増加する傾向を示す。
なお、給電素子2及び無給電素子300の形状は方形に限定されるものではなく、長方形、円形、楕円形など、他の形状を採用してもよい。
【0028】
また、前述の図1に示すように、給電素子2の中心位置を原点としたxy座標系を設定し、各無給電素子の金属片の中心位置をy軸からの距離で示すと、1単位目の無給電素子の中心位置w1を0.60mmとし、2単位目の無給電素子の中心位置w2を1.05mmとし、3単位目の無給電素子の中心位置w3を1.50mmとし、4単位目の無給電素子の中心位置w4を2.10mmとし、5単位目の無給電素子の中心位置w5(図示なし)を2.75mmとした。このように給電素子2を基準として各無給電素子の中心位置を設定することにより、隣り合う無給電素子間の重なり領域の面積を調整した。
【0029】
図3に、5単位分の無給電素子300を配置した場合のアンテナの指向特性の解析結果を示す。即ち、この解析例は、図1に示す構成において、4単位目の4個の無給電素子341,342,343,344のそれぞれに対して磁気結合された4個の無給電素子(図示なし)を更に備えた構成のものである。図3において、実線はH面の特性を示し、点線はE面の特性を示している。図3から理解されるように、本実施例によれば、3dBビーム幅は放射角度にしてH面およびE面共に40度以下であり、アンテナ利得は10.3dBiを実現している。
【0030】
図4に、各アンテナ素子(給電素子2および無給電素子300)上の電流分布の解析結果を示す。同図から理解されるように、端部に位置する無給電素子まで電流が分布しており、本アンテナ装置がアレーアンテナを実現する上で有用であることがわかる。
図5は、無給電素子の単位数を変えた場合のアンテナ利得の変化を示す。同図から理解されるように、ミリ波帯において近距離通信に適用可能なアンテナ利得として10dBi以上の性能を満足するアンテナ装置を実現するためには、5単位以上の無給電素子を備えることが有効である。
【0031】
以上、上述の実施形態によれば、下層に地板を有する誘電体基板上に高周波信号を給電された給電用マイクロストリップアンテナを有し、かつ少なくとも電磁的に結合させることにより励振される無給電素子金属を有するアンテナ装置において、上記給電用マイクロストリップアンテナの上層もしくは下層に少なくとも1層以上の誘電体層を介して無給電素子金属を配置し、上記無給電素子の金属片を少なくとも異なる2層の誘電体基板上に交互に配置し、電磁結合によりアレーアンテナを構成することにより、給電回路を要することなく、アレーアンテナを構成することができ、これにより、低損失なアンテナ装置を実現できる。よって、ミリ波帯等においても高利得なアンテナを提供できる。
【0032】
また、上記誘電体基板にセラミック基板を用い、前記無給電素子金属を給電素子の点対称な位置4箇所に4個づつ配置することを1単位と定義した場合、少なくとも5単位以上の無給電素子を備えることにより、層数の少ない薄い基板のみでアンテナ装置を構成できる。よって、低コストで高利得を実現できるアンテナを提供できる。
【0033】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は本実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述の実施形態では、絶縁層として誘電体基板1A,1Bを用いたが、これに限定されることなく、空気層により絶縁層を形成してもよい。
【0034】
また、上述の実施形態では、誘電体基板1Aと誘電体基板1Bに無給電素子を交互に配置するものとしたが、これに限定されることなく、3層以上の誘電体基板に無給電素子を配置するものとしてもよく、隣り合う2つの無給電素子が互いに異なる誘電体基板に配置されることを限度として、どのよう基板構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す上視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るアンテナ装置のアンテナ特性(指向特性)を示す特性図である。
【図4】本発明の実施形態に係るアンテナ装置における各素子上の電流分布を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るアンテナ装置の無給電素子の単位数とアンテナ利得との関係を示す特性図である。
【図6】従来の無給電素子アレーの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
1…多層基板
1A,1B…誘電体基板(絶縁層)
2…給電素子
4…地板
5…給電線
311〜314,321〜324,331〜334,341〜344…無給電素子


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の絶縁層を積層してなる多層基板と、
前記多層基板をなす絶縁層に配置され、高周波信号が給電された給電素子と、
前記多層基板をなす絶縁層に配置され、前記給電素子に対して従属的に磁気結合された複数の無給電素子とを備え、
前記複数の無給電素子のうち隣り合う2つの無給電素子が互いに異なる絶縁層に配置されたことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記複数の無給電素子は、前記給電素子に関して点対称に配置されたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記複数の無給電素子は、前記給電素子を基点として列状に配置されたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記給電素子を基点として等距離に位置する一群の無給電素子を1単位としたときに、複数単位の無給電素子を備えたことを特徴とする請求項1または2の何れか1項記載のアンテナ装置。
【請求項5】
少なくとも5単位以上の無給電素子を備えたことを特徴とする請求項4記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記列状に配置された複数の無給電素子を1組としたときに、複数組の無給電素子を備えたことを特徴とする請求項3記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記隣り合う2つの無給電素子が、前記多層基板をなす絶縁層を介して重なり領域を形成したことを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項記載のアンテナ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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