アンテナ装置
【課題】アンテナを小型化でき、さらにはアンテナを小型化してもアンテナの性能を保持することが可能なアンテナ装置を提供する。
【解決手段】表面にGNDパターンと給電パターンが、その面上に設けられた基板と、予め定められた螺旋軸方向に沿って螺旋状に伸びる螺旋部を有する外部エレメントと、外部エレメントの内側に予め定められた間隔を隔てて配置され、外部エレメントの螺旋軸方向に沿って螺旋状に伸びる螺旋部を有する内部エレメントと、を有し、2つのエレメントのうち、いずれか一方の一端を給電パターンに接続し、他方の一端をGNDパターンに接続してアンテナを構成し、外部エレメントの螺旋部の外周縁の少なくとも一部が、基板上に形成されて外部エレメントとの間で静電容量を発生する静電容量発生部材と、予め定められた距離を隔てて対向するように、アンテナを配置する。
【解決手段】表面にGNDパターンと給電パターンが、その面上に設けられた基板と、予め定められた螺旋軸方向に沿って螺旋状に伸びる螺旋部を有する外部エレメントと、外部エレメントの内側に予め定められた間隔を隔てて配置され、外部エレメントの螺旋軸方向に沿って螺旋状に伸びる螺旋部を有する内部エレメントと、を有し、2つのエレメントのうち、いずれか一方の一端を給電パターンに接続し、他方の一端をGNDパターンに接続してアンテナを構成し、外部エレメントの螺旋部の外周縁の少なくとも一部が、基板上に形成されて外部エレメントとの間で静電容量を発生する静電容量発生部材と、予め定められた距離を隔てて対向するように、アンテナを配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両や住宅等に用いられるキーレスリモートシステムなどのアンテナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば車両や住宅等に用いられるキーレスリモートシステム用の無線機(いわゆるキーレス受信機)のように、UHF,VHF帯といった比較的波長の長い(数十cm〜数m)領域の電波を使用するアンテナ装置においては、アンテナ装置の大きさはアンテナの大きさにより決定するといってもよい。したがって、アンテナ装置を小型化するためにはアンテナを小型化することが重要である。
【0003】
本願出願人は、一方を信号線とし、他方をGND線とする2つのエレメントとして、螺旋状に延びる外部エレメントの内部に、間隔を隔てて外部エレメントの軸方向に沿って螺旋状に延びる形状とした内部エレメントを配置し、2つのエレメントに接触されて2つのエレメントを所定の位置関係に保持する誘電体からなる保持部材を備え、2つのエレメントが、基板に固定される側において螺旋部に連結された端部として、基板のランド形成面に略平行とされた部位を含む表面実装部をそれぞれ有し、表面実装部が互いに異なるランドとそれぞれ接続されているアンテナ装置を考案している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−227862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構成では、保持部材によって2つのエレメントが所定の位置関係に保持されるので、アンテナの性能を保持することができるとともに、誘電体を用いて保持部材を構成しているので、これによってエレメントを流れる高周波電流の波長短縮が生じ、基板のランド形成面からのアンテナの高さ(アンテナ装置の体格)を小型化することができる。
【0006】
しかし、誘電体を用いることによる誘電体損が生じるため小型化に限界がある。
【0007】
図14に、特許文献1のアンテナ装置の概略図(上面図および側面図)、図15に、図14の構成における等価回路を示す(9bについては後述)。図15のように、アンテナエレメント(120,130)は、それぞれ、コイル(L22,L23),コンデンサ(C22,C23),抵抗(R22,R23)を含む直列共振回路として表すことができる。また、それぞれのエレメントのインピーダンスは、Z22,Z23である。
【0008】
アンテナの自己共振周波数fは、アンテナエレメントの内部インピーダンスの容量CとインダクタンスLで一意に決まり、f=1/{2π(√LC)}の関係がある。つまり、アンテナの小型化を実現するためには、CやLを大きくできる構成とすることが重要である(もちろん、整合回路を用いて所望の周波数に共振させることは可能だが、整合損によるアンテナ利得低下は避けられない)。
【0009】
図14,図15では、内外エレメント間の寄生容量C21を介して直列共振回路を構成している。従来技術では、アンテナエレメントが螺旋構造となっており、インダクタンスL22,L23を比較的大きくできるため、λ/2よりも短いアンテナ長で共振できる。つまり、小型化できる。しかし、下記2点の理由から、従来技術の構成では小型化に限界がある。
【0010】
・理由1:さらなる小型化には内外エレメントの螺旋部(121,131)の巻回数を増やす必要がある。しかし、螺旋部のピッチ間の容量C22,C23が増えるため、合成容量Cとしては減少し、Lの増加が合成容量Cの減少で相殺され、大幅な小型化は期待できない(すなわち、自己共振周波数fの減少に繋がらない)。
・理由2:螺旋の径を大きくすることで、Cの減少を抑えながらLの増加を期待できるが、アンテナの大型化が避けられない。
【0011】
上記問題点を背景として、本発明の課題は、アンテナを小型化でき、さらにはアンテナを小型化してもアンテナの性能を保持することが可能なアンテナ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0012】
上記課題を解決するためのアンテナ装置は、GNDパターンと給電パターンが、その面上に設けられた基板と、予め定められた螺旋軸方向に沿って螺旋状に伸びる螺旋部を有する外部エレメントと、外部エレメントの内側に予め定められた間隔を隔てて配置され、外部エレメントの螺旋軸方向に沿って螺旋状に伸びる螺旋部を有する内部エレメントと、を有し、2つのエレメントのうち、いずれか一方のエレメントの一端を給電パターンに接続し、他方のエレメントの一端をGNDパターンに接続してアンテナを構成し、外部エレメントの螺旋部の外周縁の少なくとも一部が、基板上に形成された、外部エレメントとの間で静電容量を発生する静電容量発生部材と、予め定められた距離を隔てて対向するように、アンテナを配置することを特徴とする。
【0013】
上記構成によって、外部エレメントと基板上の静電容量発生部材との間で静電容量を発生することで、アンテナにおける上述の合成容量Cを増加できるため(詳細は後述)、従来技術の構成と比べて、小型(短いアンテナ長)で所望の周波数に共振することが可能となる。
【0014】
また、本発明のアンテナ装置は、外部エレメントの螺旋部の巻回数と、内部エレメントの螺旋部の巻回数とが異なるように定められる。
【0015】
上記構成によって、外部エレメントと内部エレメントとの対向面積が小さくなり、内外エレメント間の寄生容量を小さくすることができ、上述の合成容量における寄生容量の影響を低減することができる。
【0016】
また、本発明のアンテナ装置は、基板に取り付けられて、外部エレメントおよび内部エレメントのうちの少なくとも一方を支持する支持部を有する。
【0017】
上記構成によって、外部エレメントの螺旋部の外周縁と静電容量発生部材との間隔、あるいは内外エレメントの間隔を所望の状態に保つことができる。
【0018】
また、本発明のアンテナ装置は、静電容量発生部材を、外部エレメントの螺旋部の先端部の螺旋面に対向するように配置する。
【0019】
上記構成によって、アンテナにおける上述の合成容量Cをさらに増加でき、アンテナをより小型化できる。
【0020】
また、本発明のアンテナ装置は、静電容量発生部材としてGNDパターンを用いる。
【0021】
GNDパターンは、回路が確実に動作するため、あるいはノイズ対策のために、他の配線パターンよりも比較的太くあるいは広く形成されている。上記構成によって、基板の配線パターンを大きく変更することなく、アンテナを配置することができる。また、基板上におけるアンテナの配置の自由度も高くなる。
【0022】
また、本発明のアンテナ装置における静電容量発生部材は、GNDパターン上の少なくとも一部に形成された誘電層を含む。
【0023】
上記構成によって、外部エレメントとの間で発生する静電容量を大きくすることができ、アンテナをさらに小型化することができる。
【0024】
また、本発明のアンテナ装置は、外部エレメントの外周縁が誘電層に接触し、誘電層が外部エレメントを支持する。
【0025】
上記構成によって、支持部を小型化することができる。また、支持部が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のアンテナ装置の構成を示す正面図。
【図2】図1の上面図。
【図3】図1のA方向から見た右側面図。
【図4】本発明のアンテナ装置で発生する静電容量を示す図。
【図5】本発明のアンテナ装置の等価回路を示す図。
【図6】本発明の構成における共振周波数とアンテナ長との関係を示す図。
【図7】GNDパターンの構成の別例を示す図。
【図8】GNDパターンの構成の別例を示す図。
【図9】GNDパターンの構成の別例を示す図。
【図10】本発明のアンテナ装置の構成の別例を示す正面図。
【図11】図10のA方向から見た右側面図。
【図12】本発明のアンテナ装置の構成の別例を示す正面図。
【図13】図12の上面図。
【図14】従来構成のアンテナ装置の上面図および側面図。
【図15】従来構成のアンテナ装置の等価回路を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明のアンテナ装置について、図面を用いて説明する。図1にアンテナ装置1の正面図を、図2にアンテナ装置1を基板2の上面から見た上面図(支持部7を除く)を、図3に図1のアンテナ装置1をA方向から見た右側面図を、それぞれ示す。アンテナ装置1は、例えば車両や住宅等に用いられるキーレスリモートシステムの受信機として構成されている。
【0028】
アンテナ装置1は、要部として、基板2と、外部エレメント5と内部エレメント6の2つのエレメントからなり、基板2に実装されたアンテナ10と、アンテナ10を支持する支持部7を有している。
【0029】
基板2は、例えば周知のプリント配線基板であり、その表面には、GND電位(接地電位ともいう)が供給される、例えば金属薄膜状のGNDパターン3、および例えば金属薄膜状の給電パターン4が形成され、外部エレメント5の一端5bがGNDパターン3に接続され、内部エレメント6の一端6bが給電パターン4に接続されている。そして、アンテナ10からの受信信号は、インピーダンスマッチングのための図示されない整合素子を介して、給電パターン4によって図示されないRF(Radio Frequency)回路(20)に伝送されるように構成されている。なお、GNDパターン3が本発明の静電容量発生部材に相当する。
【0030】
アンテナ10は、基板2のランド形成面に沿った方向(例えば、基板2の表面と略平行方向)に螺旋状に延びる螺旋部5aを有する外部エレメント5と、外部エレメント5の内側に間隔を隔てて配置され、外部エレメント5の軸方向Pに沿って螺旋状に延びる螺旋部6aを有する内部エレメント6とを有し、2つのエレメント5,6の一方を信号線(本実施例では内部エレメント6)とし、他方をGND線(本実施例では外部エレメント5)とするL(インダクタンス)C(キャパシタンス)共振回路構成のアンテナである。
【0031】
本実施例では、図2に示すように、導体線を、内径R1、螺旋間ピッチP1で平面円形状となるように螺旋状に巻回して外部エレメント5を構成している。また、導体線を、R1よりも小さい内径R2、螺旋間ピッチP2で平面円形状となるように螺旋状に巻回して内部エレメント6を構成している。そして、外部エレメント5の螺旋部5aの長さL1と内部エレメント6の螺旋部6aの長さL2は略等しくなっている。
【0032】
なお、外部エレメント5の巻回数と内部エレメント6の巻回数とが異なる(つまり、螺旋間ピッチP1,P2が異なる)ようにすることが望ましい。これにより、外部エレメント5と内部エレメント6との対向面積が小さくなるので、内外エレメント間の寄生容量C1(図4,図5参照)を、より小さくすることができる。また、内部エレメント6に螺旋部6aを設けず、直線形状(巻回数がゼロ回の螺旋)としてもよい。
【0033】
図2,図3のように、基板2の表面上の給電パターン4以外の領域には、GNDパターン3が形成され、外部エレメント5の螺旋部5aの外縁とGNDパターン3との間隙が予め定められた値dとなるように、アンテナ10が配置されている。
【0034】
支持部7は、外部エレメント支持部7aと内部エレメント支持部7bを含み、アンテナ10の先端部(GNDパターン3および給電パターン4に接続されていない端部)に取り付けられている。そして、それぞれ外部エレメント5の先端部および内部エレメント6の先端部のうち少なくとも一方を支持し、螺旋部5aとGNDパターン3との間隔d、および外部エレメント5と内部エレメント6との間隔を略一定としている。
【0035】
無論、アンテナ10の材質、螺旋部の長さ(L1,L2)、あるいは基板との接続強度を適切なものとして、アンテナ10のみで螺旋部5aとGNDパターン3との間隔d、および外部エレメント5と内部エレメント6との間隔(例えば、(R1−R2)/2)を維持できるときには、外部エレメント支持部7aと内部エレメント支持部7bのいずれか一方または支持部7全体は不要となる。
【0036】
図4に、本発明のアンテナ装置1で発生する静電容量を示す。アンテナ装置1では、内外エレメント間の寄生容量C1,外部エレメント5の螺旋部5aのピッチ間の静電容量C2,内部エレメント6の螺旋部6aのピッチ間の静電容量C3の他に、外部エレメント5〜GDNパターン3間の静電容量C4,内部エレメント6〜GDNパターン3間の静電容量C5が発生する。
【0037】
図5に、本発明のアンテナ装置1の等価回路を示す。上述の内外エレメント間の寄生容量C1を介して外部エレメント5(R2,C2,L2)および内部エレメント6(R3,C3,L3)が直列に接続され、それぞれのエレメントがGNDパターン3と高周波的に結合された、並列共振回路を構成する。特に外部エレメント5とGNDパターン3は物理的に近接しており、強く結合している。このような構成とすることで、各エレメント(5,6)のインダクタンス(L2,L3)を維持したまま、合成容量Cを増加できるため、従来技術の構成と比べて、小型(短いアンテナ長)で所望の周波数に共振することが可能である。また、アンテナ長が短くなることで、各螺旋部の巻回数も少なくなり、ピッチ間の容量C2,C3も小さくすることができる。
【0038】
図6に本発明のアンテナ装置1の構成と従来技術の構成とを比較した、共振周波数とアンテナ長との関係の、数値計算シミュレーション結果を示す。共振周波数が例えば265〜285MHzのときには、共振させるために必要なアンテナ長は、本発明の構成を適用することで従来技術の構成と比べ、約100mm短くすることができる。つまり、本発明の構成では、従来技術の構成と比べ、より小型化が可能となる。
【0039】
図1の構成において、アンテナ装置1が収納される筐体の天板が金属である場合、この天板を接地してGNDパターン3の代わりに用い、アンテナ10(すなわち外部エレメント5の外周縁)を、距離dだけ隔てて天板に対向する位置に配置してもよい。
【0040】
図7〜図9に、GNDパターン3の構成の別例を示す。GNDパターン3は、図1のような、基板2の表面上の、アンテナ10(すなわち外部エレメント5の外周縁)の対向面の周辺全域に形成する必要はない。例えば、図7のように、GNDパターン3の、螺旋軸P方向の長さX1をL1よりも短くしてもよい。図7の例では、螺旋部の内径方向の長さY1はY(基板2の縦方向の長さ,図1参照)と同じになっている。また、図8のように、GNDパターン3の、螺旋部の内径方向の長さY2をYまたは螺旋部5aの内径R1よりも小さくしてもよい。図8の例では、Y2=R2,X1=L1となっている。また、図9のように、GNDパターン3と螺旋軸Pとが、予め定められた角度で交差するように、GNDパターン3を形成してもよい。なお、3aは、外部エレメント5の一端5bが接続されるGNDパターンで、図示はしていないが、GNDパターン3と電気的に接続されている。
【0041】
図10に、アンテナ装置1の構成の別例(正面図)を示す。本構成は、図1の変形例であるため、図1と同様の構成については同一の符号を付与し、ここでの詳細な説明は割愛する。図10の構成では、GNDパターン3の上面に、絶縁性を有する誘電層8を形成している。また、外部エレメント5の螺旋部5aの外縁と誘電層8との間隙dが0の状態(すなわち、螺旋部5aの外縁と誘電層8とが接した状態)を示している。なお、誘電層8が本発明の静電容量発生部材に相当する。
【0042】
図10の構成では、誘電層8が外部エレメント5の支持部を兼ねている。よって、支持部7は内部エレメント支持部7bのみでよい。無論、間隙dを0以外の値としてもよい。
【0043】
また、図7〜図9のGNDパターン3の構成の別例と同様に、例えば、外部エレメント5の螺旋部5aの外縁とGNDパターン3との間隙dが最も小さくなる位置およびその近傍のみに誘電層8を形成するというように、誘電層8をGNDパターン3の上面全体に形成しなくてもよい。
【0044】
図11に、図10の構成の別例(A方向からの右側面図)を示す。図11の例は、誘電層8の表面に、螺旋軸P方向に沿って、外部エレメント5の螺旋部5aの外縁に接して、外部エレメント5を支持するための凹状の支持部8aを形成したものである。このとき、螺旋部5aの隣り合う導体線の間(ピッチ間)に誘電層8を形成しない方が、螺旋部5aのピッチ間の容量C2の増加を抑制できる。
【0045】
図12,図13に、アンテナ装置1の構成の別例を示す。本構成は、図1の変形例であるため、図1と同様の構成については同一の符号を付与し、ここでの詳細な説明は割愛する。図12は、本構成の正面図で、図13は、図12のアンテナ装置1を基板2の上面から見た上面図である。本構成では、外部エレメント5の先端部(GNDパターン3に接続されていない端部)の螺旋面に予め定められた間隔d2を隔てて対向するように、面形状のGNDパターン9が形成されている。
【0046】
GNDパターン9の形状は、面形状の他に棒状でもよい。また、面の形状は、矩形状,多角形状,円形状のいずれでもよい。さらに、GNDパターン9は、螺旋面の少なくとも一部に対向していればよい。アンテナ装置1が収納される筐体の側壁が金属である場合、この側壁を接地してGNDパターン9の代わりに用い、アンテナ10を側壁付近に配置してもよい。
【0047】
また、GNDパターン9の螺旋面との対向面の少なくとも一部に、誘電層9aを形成してもよい(図12参照)。
【0048】
図14の従来技術の構成は、基板110のランド形成面から離反する方向に螺旋状に延びる螺旋部121を有する外部エレメント120と、外部エレメント120の内側に間隔を隔てて配置され、外部エレメント120の軸方向に沿って螺旋状に延びる螺旋部131を有する内部エレメント130とを有しているが、この螺旋部121に予め定められた間隔d3を隔てて対向するように、面形状のGNDパターン9bを形成してもよい。
【0049】
また、図1の支持部7の支柱7cの、外部エレメント5との対向面にGNDパターン9cを形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
車両や住宅等に用いられるキーレスリモートシステム以外のアンテナ装置にも適用可能である。また、受信機のみならず送信機にも適用可能である。
【0051】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 アンテナ装置
2 基板
3 GNDパターン(静電容量発生部材)
4 給電パターン
5 外部エレメント
5a 螺旋部
6 内部エレメント
6a 螺旋部
7 支持部
8,9a 誘電層(静電容量発生部材)
9,9b,9c GNDパターン(静電容量発生部材)
10 アンテナ
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両や住宅等に用いられるキーレスリモートシステムなどのアンテナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば車両や住宅等に用いられるキーレスリモートシステム用の無線機(いわゆるキーレス受信機)のように、UHF,VHF帯といった比較的波長の長い(数十cm〜数m)領域の電波を使用するアンテナ装置においては、アンテナ装置の大きさはアンテナの大きさにより決定するといってもよい。したがって、アンテナ装置を小型化するためにはアンテナを小型化することが重要である。
【0003】
本願出願人は、一方を信号線とし、他方をGND線とする2つのエレメントとして、螺旋状に延びる外部エレメントの内部に、間隔を隔てて外部エレメントの軸方向に沿って螺旋状に延びる形状とした内部エレメントを配置し、2つのエレメントに接触されて2つのエレメントを所定の位置関係に保持する誘電体からなる保持部材を備え、2つのエレメントが、基板に固定される側において螺旋部に連結された端部として、基板のランド形成面に略平行とされた部位を含む表面実装部をそれぞれ有し、表面実装部が互いに異なるランドとそれぞれ接続されているアンテナ装置を考案している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−227862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構成では、保持部材によって2つのエレメントが所定の位置関係に保持されるので、アンテナの性能を保持することができるとともに、誘電体を用いて保持部材を構成しているので、これによってエレメントを流れる高周波電流の波長短縮が生じ、基板のランド形成面からのアンテナの高さ(アンテナ装置の体格)を小型化することができる。
【0006】
しかし、誘電体を用いることによる誘電体損が生じるため小型化に限界がある。
【0007】
図14に、特許文献1のアンテナ装置の概略図(上面図および側面図)、図15に、図14の構成における等価回路を示す(9bについては後述)。図15のように、アンテナエレメント(120,130)は、それぞれ、コイル(L22,L23),コンデンサ(C22,C23),抵抗(R22,R23)を含む直列共振回路として表すことができる。また、それぞれのエレメントのインピーダンスは、Z22,Z23である。
【0008】
アンテナの自己共振周波数fは、アンテナエレメントの内部インピーダンスの容量CとインダクタンスLで一意に決まり、f=1/{2π(√LC)}の関係がある。つまり、アンテナの小型化を実現するためには、CやLを大きくできる構成とすることが重要である(もちろん、整合回路を用いて所望の周波数に共振させることは可能だが、整合損によるアンテナ利得低下は避けられない)。
【0009】
図14,図15では、内外エレメント間の寄生容量C21を介して直列共振回路を構成している。従来技術では、アンテナエレメントが螺旋構造となっており、インダクタンスL22,L23を比較的大きくできるため、λ/2よりも短いアンテナ長で共振できる。つまり、小型化できる。しかし、下記2点の理由から、従来技術の構成では小型化に限界がある。
【0010】
・理由1:さらなる小型化には内外エレメントの螺旋部(121,131)の巻回数を増やす必要がある。しかし、螺旋部のピッチ間の容量C22,C23が増えるため、合成容量Cとしては減少し、Lの増加が合成容量Cの減少で相殺され、大幅な小型化は期待できない(すなわち、自己共振周波数fの減少に繋がらない)。
・理由2:螺旋の径を大きくすることで、Cの減少を抑えながらLの増加を期待できるが、アンテナの大型化が避けられない。
【0011】
上記問題点を背景として、本発明の課題は、アンテナを小型化でき、さらにはアンテナを小型化してもアンテナの性能を保持することが可能なアンテナ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0012】
上記課題を解決するためのアンテナ装置は、GNDパターンと給電パターンが、その面上に設けられた基板と、予め定められた螺旋軸方向に沿って螺旋状に伸びる螺旋部を有する外部エレメントと、外部エレメントの内側に予め定められた間隔を隔てて配置され、外部エレメントの螺旋軸方向に沿って螺旋状に伸びる螺旋部を有する内部エレメントと、を有し、2つのエレメントのうち、いずれか一方のエレメントの一端を給電パターンに接続し、他方のエレメントの一端をGNDパターンに接続してアンテナを構成し、外部エレメントの螺旋部の外周縁の少なくとも一部が、基板上に形成された、外部エレメントとの間で静電容量を発生する静電容量発生部材と、予め定められた距離を隔てて対向するように、アンテナを配置することを特徴とする。
【0013】
上記構成によって、外部エレメントと基板上の静電容量発生部材との間で静電容量を発生することで、アンテナにおける上述の合成容量Cを増加できるため(詳細は後述)、従来技術の構成と比べて、小型(短いアンテナ長)で所望の周波数に共振することが可能となる。
【0014】
また、本発明のアンテナ装置は、外部エレメントの螺旋部の巻回数と、内部エレメントの螺旋部の巻回数とが異なるように定められる。
【0015】
上記構成によって、外部エレメントと内部エレメントとの対向面積が小さくなり、内外エレメント間の寄生容量を小さくすることができ、上述の合成容量における寄生容量の影響を低減することができる。
【0016】
また、本発明のアンテナ装置は、基板に取り付けられて、外部エレメントおよび内部エレメントのうちの少なくとも一方を支持する支持部を有する。
【0017】
上記構成によって、外部エレメントの螺旋部の外周縁と静電容量発生部材との間隔、あるいは内外エレメントの間隔を所望の状態に保つことができる。
【0018】
また、本発明のアンテナ装置は、静電容量発生部材を、外部エレメントの螺旋部の先端部の螺旋面に対向するように配置する。
【0019】
上記構成によって、アンテナにおける上述の合成容量Cをさらに増加でき、アンテナをより小型化できる。
【0020】
また、本発明のアンテナ装置は、静電容量発生部材としてGNDパターンを用いる。
【0021】
GNDパターンは、回路が確実に動作するため、あるいはノイズ対策のために、他の配線パターンよりも比較的太くあるいは広く形成されている。上記構成によって、基板の配線パターンを大きく変更することなく、アンテナを配置することができる。また、基板上におけるアンテナの配置の自由度も高くなる。
【0022】
また、本発明のアンテナ装置における静電容量発生部材は、GNDパターン上の少なくとも一部に形成された誘電層を含む。
【0023】
上記構成によって、外部エレメントとの間で発生する静電容量を大きくすることができ、アンテナをさらに小型化することができる。
【0024】
また、本発明のアンテナ装置は、外部エレメントの外周縁が誘電層に接触し、誘電層が外部エレメントを支持する。
【0025】
上記構成によって、支持部を小型化することができる。また、支持部が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のアンテナ装置の構成を示す正面図。
【図2】図1の上面図。
【図3】図1のA方向から見た右側面図。
【図4】本発明のアンテナ装置で発生する静電容量を示す図。
【図5】本発明のアンテナ装置の等価回路を示す図。
【図6】本発明の構成における共振周波数とアンテナ長との関係を示す図。
【図7】GNDパターンの構成の別例を示す図。
【図8】GNDパターンの構成の別例を示す図。
【図9】GNDパターンの構成の別例を示す図。
【図10】本発明のアンテナ装置の構成の別例を示す正面図。
【図11】図10のA方向から見た右側面図。
【図12】本発明のアンテナ装置の構成の別例を示す正面図。
【図13】図12の上面図。
【図14】従来構成のアンテナ装置の上面図および側面図。
【図15】従来構成のアンテナ装置の等価回路を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明のアンテナ装置について、図面を用いて説明する。図1にアンテナ装置1の正面図を、図2にアンテナ装置1を基板2の上面から見た上面図(支持部7を除く)を、図3に図1のアンテナ装置1をA方向から見た右側面図を、それぞれ示す。アンテナ装置1は、例えば車両や住宅等に用いられるキーレスリモートシステムの受信機として構成されている。
【0028】
アンテナ装置1は、要部として、基板2と、外部エレメント5と内部エレメント6の2つのエレメントからなり、基板2に実装されたアンテナ10と、アンテナ10を支持する支持部7を有している。
【0029】
基板2は、例えば周知のプリント配線基板であり、その表面には、GND電位(接地電位ともいう)が供給される、例えば金属薄膜状のGNDパターン3、および例えば金属薄膜状の給電パターン4が形成され、外部エレメント5の一端5bがGNDパターン3に接続され、内部エレメント6の一端6bが給電パターン4に接続されている。そして、アンテナ10からの受信信号は、インピーダンスマッチングのための図示されない整合素子を介して、給電パターン4によって図示されないRF(Radio Frequency)回路(20)に伝送されるように構成されている。なお、GNDパターン3が本発明の静電容量発生部材に相当する。
【0030】
アンテナ10は、基板2のランド形成面に沿った方向(例えば、基板2の表面と略平行方向)に螺旋状に延びる螺旋部5aを有する外部エレメント5と、外部エレメント5の内側に間隔を隔てて配置され、外部エレメント5の軸方向Pに沿って螺旋状に延びる螺旋部6aを有する内部エレメント6とを有し、2つのエレメント5,6の一方を信号線(本実施例では内部エレメント6)とし、他方をGND線(本実施例では外部エレメント5)とするL(インダクタンス)C(キャパシタンス)共振回路構成のアンテナである。
【0031】
本実施例では、図2に示すように、導体線を、内径R1、螺旋間ピッチP1で平面円形状となるように螺旋状に巻回して外部エレメント5を構成している。また、導体線を、R1よりも小さい内径R2、螺旋間ピッチP2で平面円形状となるように螺旋状に巻回して内部エレメント6を構成している。そして、外部エレメント5の螺旋部5aの長さL1と内部エレメント6の螺旋部6aの長さL2は略等しくなっている。
【0032】
なお、外部エレメント5の巻回数と内部エレメント6の巻回数とが異なる(つまり、螺旋間ピッチP1,P2が異なる)ようにすることが望ましい。これにより、外部エレメント5と内部エレメント6との対向面積が小さくなるので、内外エレメント間の寄生容量C1(図4,図5参照)を、より小さくすることができる。また、内部エレメント6に螺旋部6aを設けず、直線形状(巻回数がゼロ回の螺旋)としてもよい。
【0033】
図2,図3のように、基板2の表面上の給電パターン4以外の領域には、GNDパターン3が形成され、外部エレメント5の螺旋部5aの外縁とGNDパターン3との間隙が予め定められた値dとなるように、アンテナ10が配置されている。
【0034】
支持部7は、外部エレメント支持部7aと内部エレメント支持部7bを含み、アンテナ10の先端部(GNDパターン3および給電パターン4に接続されていない端部)に取り付けられている。そして、それぞれ外部エレメント5の先端部および内部エレメント6の先端部のうち少なくとも一方を支持し、螺旋部5aとGNDパターン3との間隔d、および外部エレメント5と内部エレメント6との間隔を略一定としている。
【0035】
無論、アンテナ10の材質、螺旋部の長さ(L1,L2)、あるいは基板との接続強度を適切なものとして、アンテナ10のみで螺旋部5aとGNDパターン3との間隔d、および外部エレメント5と内部エレメント6との間隔(例えば、(R1−R2)/2)を維持できるときには、外部エレメント支持部7aと内部エレメント支持部7bのいずれか一方または支持部7全体は不要となる。
【0036】
図4に、本発明のアンテナ装置1で発生する静電容量を示す。アンテナ装置1では、内外エレメント間の寄生容量C1,外部エレメント5の螺旋部5aのピッチ間の静電容量C2,内部エレメント6の螺旋部6aのピッチ間の静電容量C3の他に、外部エレメント5〜GDNパターン3間の静電容量C4,内部エレメント6〜GDNパターン3間の静電容量C5が発生する。
【0037】
図5に、本発明のアンテナ装置1の等価回路を示す。上述の内外エレメント間の寄生容量C1を介して外部エレメント5(R2,C2,L2)および内部エレメント6(R3,C3,L3)が直列に接続され、それぞれのエレメントがGNDパターン3と高周波的に結合された、並列共振回路を構成する。特に外部エレメント5とGNDパターン3は物理的に近接しており、強く結合している。このような構成とすることで、各エレメント(5,6)のインダクタンス(L2,L3)を維持したまま、合成容量Cを増加できるため、従来技術の構成と比べて、小型(短いアンテナ長)で所望の周波数に共振することが可能である。また、アンテナ長が短くなることで、各螺旋部の巻回数も少なくなり、ピッチ間の容量C2,C3も小さくすることができる。
【0038】
図6に本発明のアンテナ装置1の構成と従来技術の構成とを比較した、共振周波数とアンテナ長との関係の、数値計算シミュレーション結果を示す。共振周波数が例えば265〜285MHzのときには、共振させるために必要なアンテナ長は、本発明の構成を適用することで従来技術の構成と比べ、約100mm短くすることができる。つまり、本発明の構成では、従来技術の構成と比べ、より小型化が可能となる。
【0039】
図1の構成において、アンテナ装置1が収納される筐体の天板が金属である場合、この天板を接地してGNDパターン3の代わりに用い、アンテナ10(すなわち外部エレメント5の外周縁)を、距離dだけ隔てて天板に対向する位置に配置してもよい。
【0040】
図7〜図9に、GNDパターン3の構成の別例を示す。GNDパターン3は、図1のような、基板2の表面上の、アンテナ10(すなわち外部エレメント5の外周縁)の対向面の周辺全域に形成する必要はない。例えば、図7のように、GNDパターン3の、螺旋軸P方向の長さX1をL1よりも短くしてもよい。図7の例では、螺旋部の内径方向の長さY1はY(基板2の縦方向の長さ,図1参照)と同じになっている。また、図8のように、GNDパターン3の、螺旋部の内径方向の長さY2をYまたは螺旋部5aの内径R1よりも小さくしてもよい。図8の例では、Y2=R2,X1=L1となっている。また、図9のように、GNDパターン3と螺旋軸Pとが、予め定められた角度で交差するように、GNDパターン3を形成してもよい。なお、3aは、外部エレメント5の一端5bが接続されるGNDパターンで、図示はしていないが、GNDパターン3と電気的に接続されている。
【0041】
図10に、アンテナ装置1の構成の別例(正面図)を示す。本構成は、図1の変形例であるため、図1と同様の構成については同一の符号を付与し、ここでの詳細な説明は割愛する。図10の構成では、GNDパターン3の上面に、絶縁性を有する誘電層8を形成している。また、外部エレメント5の螺旋部5aの外縁と誘電層8との間隙dが0の状態(すなわち、螺旋部5aの外縁と誘電層8とが接した状態)を示している。なお、誘電層8が本発明の静電容量発生部材に相当する。
【0042】
図10の構成では、誘電層8が外部エレメント5の支持部を兼ねている。よって、支持部7は内部エレメント支持部7bのみでよい。無論、間隙dを0以外の値としてもよい。
【0043】
また、図7〜図9のGNDパターン3の構成の別例と同様に、例えば、外部エレメント5の螺旋部5aの外縁とGNDパターン3との間隙dが最も小さくなる位置およびその近傍のみに誘電層8を形成するというように、誘電層8をGNDパターン3の上面全体に形成しなくてもよい。
【0044】
図11に、図10の構成の別例(A方向からの右側面図)を示す。図11の例は、誘電層8の表面に、螺旋軸P方向に沿って、外部エレメント5の螺旋部5aの外縁に接して、外部エレメント5を支持するための凹状の支持部8aを形成したものである。このとき、螺旋部5aの隣り合う導体線の間(ピッチ間)に誘電層8を形成しない方が、螺旋部5aのピッチ間の容量C2の増加を抑制できる。
【0045】
図12,図13に、アンテナ装置1の構成の別例を示す。本構成は、図1の変形例であるため、図1と同様の構成については同一の符号を付与し、ここでの詳細な説明は割愛する。図12は、本構成の正面図で、図13は、図12のアンテナ装置1を基板2の上面から見た上面図である。本構成では、外部エレメント5の先端部(GNDパターン3に接続されていない端部)の螺旋面に予め定められた間隔d2を隔てて対向するように、面形状のGNDパターン9が形成されている。
【0046】
GNDパターン9の形状は、面形状の他に棒状でもよい。また、面の形状は、矩形状,多角形状,円形状のいずれでもよい。さらに、GNDパターン9は、螺旋面の少なくとも一部に対向していればよい。アンテナ装置1が収納される筐体の側壁が金属である場合、この側壁を接地してGNDパターン9の代わりに用い、アンテナ10を側壁付近に配置してもよい。
【0047】
また、GNDパターン9の螺旋面との対向面の少なくとも一部に、誘電層9aを形成してもよい(図12参照)。
【0048】
図14の従来技術の構成は、基板110のランド形成面から離反する方向に螺旋状に延びる螺旋部121を有する外部エレメント120と、外部エレメント120の内側に間隔を隔てて配置され、外部エレメント120の軸方向に沿って螺旋状に延びる螺旋部131を有する内部エレメント130とを有しているが、この螺旋部121に予め定められた間隔d3を隔てて対向するように、面形状のGNDパターン9bを形成してもよい。
【0049】
また、図1の支持部7の支柱7cの、外部エレメント5との対向面にGNDパターン9cを形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
車両や住宅等に用いられるキーレスリモートシステム以外のアンテナ装置にも適用可能である。また、受信機のみならず送信機にも適用可能である。
【0051】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 アンテナ装置
2 基板
3 GNDパターン(静電容量発生部材)
4 給電パターン
5 外部エレメント
5a 螺旋部
6 内部エレメント
6a 螺旋部
7 支持部
8,9a 誘電層(静電容量発生部材)
9,9b,9c GNDパターン(静電容量発生部材)
10 アンテナ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
GNDパターンと給電パターンが、その面上に設けられた基板と、
予め定められた螺旋軸方向に沿って螺旋状に伸びる螺旋部を有する外部エレメントと、
前記外部エレメントの内側に予め定められた間隔を隔てて配置され、前記外部エレメントの螺旋軸方向に沿って螺旋状に伸びる螺旋部を有する内部エレメントと、
を有し、
前記2つのエレメントのうち、いずれか一方のエレメントの一端を前記給電パターンに接続し、他方のエレメントの一端を前記GNDパターンに接続してアンテナを構成し、
前記外部エレメントの螺旋部の外周縁の少なくとも一部が、前記基板上に形成され、前記外部エレメントとの間で静電容量を発生する静電容量発生部材と、予め定められた距離を隔てて対向するように、前記アンテナを配置することを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記外部エレメントの螺旋部の巻回数と、前記内部エレメントの螺旋部の巻回数とが異なるように定められる請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記基板に取り付けられて、前記外部エレメントおよび前記内部エレメントのうちの少なくとも一方を支持する支持部を有する請求項1または請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記静電容量発生部材を、前記外部エレメントの螺旋部の先端部の螺旋面に対向するように配置する請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記静電容量発生部材として前記GNDパターンを用いる請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記静電容量発生部材は、前記GNDパターン上の少なくとも一部に形成された誘電層を含む請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記外部エレメントの外周縁が前記誘電層に接触し、前記誘電層が前記外部エレメントを支持している請求項6に記載のアンテナ装置。
【請求項1】
GNDパターンと給電パターンが、その面上に設けられた基板と、
予め定められた螺旋軸方向に沿って螺旋状に伸びる螺旋部を有する外部エレメントと、
前記外部エレメントの内側に予め定められた間隔を隔てて配置され、前記外部エレメントの螺旋軸方向に沿って螺旋状に伸びる螺旋部を有する内部エレメントと、
を有し、
前記2つのエレメントのうち、いずれか一方のエレメントの一端を前記給電パターンに接続し、他方のエレメントの一端を前記GNDパターンに接続してアンテナを構成し、
前記外部エレメントの螺旋部の外周縁の少なくとも一部が、前記基板上に形成され、前記外部エレメントとの間で静電容量を発生する静電容量発生部材と、予め定められた距離を隔てて対向するように、前記アンテナを配置することを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記外部エレメントの螺旋部の巻回数と、前記内部エレメントの螺旋部の巻回数とが異なるように定められる請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記基板に取り付けられて、前記外部エレメントおよび前記内部エレメントのうちの少なくとも一方を支持する支持部を有する請求項1または請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記静電容量発生部材を、前記外部エレメントの螺旋部の先端部の螺旋面に対向するように配置する請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記静電容量発生部材として前記GNDパターンを用いる請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記静電容量発生部材は、前記GNDパターン上の少なくとも一部に形成された誘電層を含む請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記外部エレメントの外周縁が前記誘電層に接触し、前記誘電層が前記外部エレメントを支持している請求項6に記載のアンテナ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−222392(P2012−222392A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82627(P2011−82627)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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