アンテナ装置
【課題】共振周波数を高精度に調整することができるアンテナ装置を提供すること。
【解決手段】
アンテナ装置10は、少なくとも1つの誘電体基板2と、誘電体基板2に設けられた導体板3と、導体板3に形成された少なくとも1つのスロット4と、誘電体基板2の前記スロットが形成される面と異なる面に、スロット4を跨ぐようにして形成された少なくとも1つのスタブ5と、一端が導体板3のスロット4近傍に接続され、他端がスタブ5に接続された少なくとも1つのビア6と、を備える。
【解決手段】
アンテナ装置10は、少なくとも1つの誘電体基板2と、誘電体基板2に設けられた導体板3と、導体板3に形成された少なくとも1つのスロット4と、誘電体基板2の前記スロットが形成される面と異なる面に、スロット4を跨ぐようにして形成された少なくとも1つのスタブ5と、一端が導体板3のスロット4近傍に接続され、他端がスタブ5に接続された少なくとも1つのビア6と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共振周波数を高精度に調整できるアンテナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
誘電体基板上に配置するスロットアンテナの長さは、通常、使用周波数の1/4波長の長さが必要となっている。ここで、使用周波数が、例えば、800MHz程度の場合、スロットアンテナの長さは約90mmとなり、実装スペースの制約が大きい携帯無線端末などに適用するのは困難となる。
【0003】
そこで、アンテナ装置を小型化する一つの手法として、スロット端にコンデンサを形成する方法が存在する。例えば、誘電体基板上に略L字状のスロットを配置し、スロット端にコンデサを形成したアンテナ装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07−221538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のスロット端にコンデンサを形成するアンテナ装置においては、小さなキャパシタンスでアンテナ装置の共振周波数を大きくシフトさせることが出来るが、一方では、装荷するわずかなキャパシタンスの誤差によってアンテナ装置の共振周波数が大きく変動してしまう可能性がある。例えば、量産時における誘電体基板の厚さのばらつきや、比誘電率のばらつきによりアンテナ装置の共振周波数がずれるという問題が生じる。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、共振周波数を高精度に調整することができるアンテナ装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、少なくとも1つの誘電体基板と、該誘電体基板に設けられた導体板と、該導体板に形成された少なくとも1つのスロットと、前記誘電体基板前記スロットが形成される面と異なる面に、前記スロットを跨ぐようにして形成された少なくとも1つのスタブと、一端が前記導体板のスロット近傍に接続され、他端が前記スタブに接続された少なくとも1つのビアと、を備える、ことを特徴とするアンテナ装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、共振周波数を高精度に調整することができるアンテナ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の導体板のスロット開放端に配置されたスタブを示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置のインピーダンス特性の計算例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るアンテナ装置の導体板のスロット開放端に配置されたスタブを示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の導体板のスロットに夫々配置された複数のスタブを示す斜視図であり、上方から見た図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の導体板のスロットに夫々配置された複数のスタブを示す斜視図であり、下方から見た図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係るアンテナ装置のインピーダンス特性の計算例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態4に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態5に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態6に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す平面図である。
【図12】スロットに2つのスタブが設けられている構成を示す平面図である。
【図13】本発明の実施の形態7に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す平面図である。
【図14】L字状のスロットが設けられた構成を示す平面図である。
【図15】2つのスタブをスロットに配置した構成を示す平面図である。
【図16】本発明の実施の形態8に係るアンテナ装置80の概略的な構成を示す平面図である。
【図17】本発明の実施の形態8に係るアンテナ装置を裏側から見た平面図である。
【図18】スタブがスロットの中央でない位置に設けられた構成を示す平面図である。
【図19】本発明の実施の形態9に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す平面図である。
【図20】本発明の実施の形態9に係るアンテナ装置を裏側から見た平面図である。
【図21】無給電素子であるスロットにスタブを設けた構成を示す平面図である。
【図22】本発明の実施の形態10に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す平面図である。
【図23】本発明の実施の形態10に係るアンテナ装置を裏側から見た平面図である。
【図24】第1及び第2のアンテナのスロットの向きを直交させた構成を示す平面図である。
【図25】本発明の実施の形態11に係るアンテナ装置を裏側から見た斜視図である。
【図26】本発明の実施の形態12に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す平面図である。
【図27】本発明の実施の形態12に係るアンテナ装置を裏側から見た平面図である。
【図28】本発明の実施の形態12に係るアンテナ装置がPCに実装された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の導体板のスロット開放端に配置されたスタブを示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す断面図である。
【0011】
本実施の形態1に係るアンテナ装置10は、誘電体からなる板状の誘電体基板2と、誘電体基板2の一方の面2a側(例えば、上面側)に設けられた導体板3と、導体板3に略L字状に形成され、そのL字状の一端が導体板3の端辺で開放端4aを成すスロット4と、誘電体基板2の他方の面2b側(例えば、下面側)に、開放端4aを跨ぐようにして形成されたスタブ5と、一端が導体板3のスロット4の開放端4a近傍に接続され、他端がスタブ5に接続されたビア6と、を備えている。
【0012】
同軸ケーブル(給電ケーブル)7の外部導体(第1導体)および内部導体(第2導体)は、夫々、スロット4を跨ぐようにして、スロット4の両側の導体板3に接続されている。また、同軸ケーブル7は、無線回路8に接続されており、無線回路8は、同軸ケーブル7を介してスロット4に対して給電を行う。
【0013】
スタブ5は、細長い板状部材であり、スタブ5の長さ(スタブ長)Lは、使用周波数に対応する波長をλとした場合、L<λ/4となるように設定されている。また、スタブ5の幅(スタブ幅)は、スタブ長Lと比較して充分小さくなっている。スタブ5の一端は、ビア6を介して導体板3のスロット4の開放端4a近傍に接続されており、他端は開放された開放端5aとなっている。
【0014】
上述のように構成されたアンテナ装置10において、スロット4の開放端4aに配置したスタブ5のスタブ長Lは、L<λ/4になるように設定されている。この場合、スロット4の開放端4aにキャパシタンスを装荷したのと等価になり、アンテナ装置10の共振周波数が低域側にシフトする。このとき、スタブ5により生成されるキャパシタンスの値は、主として、スタブ長Lによって決定され、誘電体基板2の厚さや、誘電体基板2を構成する誘電体の比誘電率による影響をあまり受けない。
【0015】
図3は、本実施の形態1に係るアンテナ装置のインピーダンス特性の計算例を示す図である。先端開放型スタブ5のスタブ長Lを変化させると、図3に示すようにアンテナ装置10のインピーダンス特性は変化する。
このように、スタブ長Lを変化させて、スロット4の開放端4aに装荷するキャパシタンスを制御することで、スロット4の寸法を変えることなくアンテナ装置10の共振周波数を高精度に調整することが可能となる。即ち、より小さいスロット4の寸法で所望のアンテナ装置10の共振周波数を得ることが可能となる。なお、本実施の形態1において、単一の誘電体基板2により構成されているが、これに限らず、複数の誘電体基板2を積層した多層基板構成であってもよい。
【0016】
以上、本実施の形態1に係るアンテナ装置10は、スタブ5のスタブ長Lを調整してアンテナ装置10に装荷するキャパシタンスを制御する構造を有している。従って、誘電体基板2の厚さや誘電体の比誘電率のばらつきによるアンテナ装置10の共振周波数への影響を低減でき、共振周波数を高精度に調整することができる。
【0017】
また、スタブ5の導体パターンは、通常のプリント基板製造プロセスで実現可能であるため、スタブ5の寸法を高精度に実現でき、スタブ長Lのばらつきを非常に小さく抑えることができる。即ち、スタブ5により生成されるキャパシタンスのばらつきを抑え、アンテナ装置10の共振周波数を高精度に制御できる。
また、スタブ5の導体パターンは、図1に示すように直線形状であることが好ましいが、上述のスタブ長を満たせば他の形状であってもよい。例えば、他の実装部品や基板端部を避けるように曲がっていても、本発明の本質的な効果に何ら影響を与えない。
【0018】
なお、アンテナ装置10と無線回路8とを一枚のプリント基板上に一体的に構成することができる。このため、その実装スペースを削減でき、アンテナ装置10の製造コストを低減することができる。さらに、同軸ケーブル7の引回しが不要となるため、同軸ケーブル7に起因した他の回路、機能部品との電磁干渉、不要輻射、電力損失による無線性能低下などを防ぐことができる。
【0019】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2に係るアンテナ装置の導体板のスロット開放端に配置されたスタブを示す斜視図である。図5は、本発明の実施の形態2に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す断面図である。
【0020】
本実施の形態2に係るアンテナ装置20において、スロット4の開放端4aに配置されたスタブ21は、その他端21aが導体板3に短絡した先端短絡型となっており、そのスタブ長Lが使用周波数に対応する波長をλとした場合、λ/4<L<λ/2となっている。本実施の形態2に係るアンテナ装置20において、他の構成は上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0021】
上述のように構成されたアンテナ装置20において、スロット4の開放端4aに配置したスタブ21のスタブ長Lをλ/4<L<λ/2になるように設定すると、スロット4の開放端4aにキャパシタンスを装荷したのと等価になり、アンテナ装置20の共振周波数が低域側にシフトする。
【0022】
従って、上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と同様に、本実施の形態2に係るアンテナ装置20においても、スタブ長Lを変化させて、スロット4の開放端4aに装荷するキャパシタンスを制御することで、スロット4の寸法を変えることなくアンテナ装置20の共振周波数を高精度に調整することが可能となる。即ち、より小さいスロット4の寸法で所望のアンテナ装置20の共振周波数を得ることが可能となる。
【0023】
また、本実施の形態2に係るアンテナ装置20において、上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と同様に、スタブ21で生成されるキャパシタンスの値はスタブ長Lによって決定され、誘電体基板2の厚さや、誘電体の比誘電率による影響をあまり受けない。さらに、スタブ21の導体パターンは通常のプリント基板製造プロセスで実現可能であるため、スタブ長Lのばらつきを非常に小さく抑えることができる。即ち、スタブ21で生成されるキャパシタンスのばらつきを抑え、アンテナ装置20の共振周波数を高精度に制御できる。
【0024】
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の導体板のスロットに夫々配置された複数のスタブを示す斜視図であり、上方から見た図である。図7は、本発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の導体板のスロットに夫々配置された複数のスタブを示す斜視図であり、下方から見た図である。
【0025】
本実施の形態3に係るアンテナ装置30は、スロット4の開放端4aに配置された先端開放型のスタブ5に加えて、さらにスタブ5から所定距離離れた位置に先端開放型のスタブ31を更に備えることを特徴とする。スタブ31は、スロット4の開放端4aからスロット長の約2/3離れた位置に配置されている。
【0026】
例えば、スタブ5はスロット4の開放端4aに配置されており、スタブ31はスロット4の開放端4aからスロット長の約2/3離れた位置に配置される。スタブ31は、スタブ5と同様に、細長い直線形状を有する板状部材であり、スロット4を跨ぐようにして形成されている。なお、スタブ5、31は先端開放型であるが、これに限らず、先端短絡型であってもよい。
【0027】
本実施の形態3に係るアンテナ装置30において、他の構成は上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0028】
図8は、本実施の形態3に係るアンテナ装置のインピーダンス特性の計算例を示す図である。図8において、低域側の共振周波数(1)におけるアンテナ装置30の電界は、共振周波数(1)に相当する波長をλ1とした場合、スロット4の開放端4aの電界が腹となり、スロット4の開放端4aからλ1/4離れた位置の電界が節となるような定在波分布を有する。一方、高域側の共振周波数(2)におけるアンテナ装置30の電界は、共振周波数(2)に相当する波長をλ2とした場合、スロット4の開放端4aおよびスロット4の開放端4aからλ2/2離れた位置の電界が腹となり、スロット4の開放端4aからλ2/4、および3/4λ2離れた位置の電界が節となるような定在波分布を有する。なお、このときスロット4の全長はλ2×3/4となるため、電界の腹となる位置は開放端4aからスロット4の長さの約2/3の位置に相当する。
【0029】
ここで、定在波分布の腹となるスロット4の開放端4aおよびスロット4の開放端4aからλ2/2だけ離れた位置(スロット4の開放端4aからスロット長の約2/3離れた位置)に、夫々、スタブ5及び31を配置する。この場合、スロット4の開放端4aに配置したスタブ5のスタブ長Lを調節すると、図8に示す低域側の共振周波数(1)及び高域側の共振周波数(2)の両方が変化するのに対し、スタブ31のスタブ長Lを調節すると、主に高域側の共振周波数のみが変化する。
【0030】
したがって、本実施の形態3に係るアンテナ装置30における共振周波数の調整方法は、まず、スロット4の開放端4aに配置したスタブ5のスタブ長Lを調整して、低域側を所望の共振周波数に調整する。次に、スロット4の開放端4aからλ2/2だけ離れた位置(スロット4の開放端4aからスロット長の約2/3離れた位置)に配置したスタブ31のスタブ長Lを調整して、高域側を所望の共振周波数に調整する。
【0031】
以上、本実施の形態3に係るアンテナ装置30において、スロット4の本数は1本のままで、スロット4の寸法を変更することなく複共振化が可能となり、実質的なアンテナ装置30の小型化を実現できる。この場合、アンテナ装置30の小型化のためにチップコンデンサを用いる必要がないので、部品レス化による低コスト化を図ることができる。さらに、各スタブ5、31のスタブ長Lを各々制御することで、複数の共振周波数を独立して容易に調整できるため、周波数調整の工数を低減できる。
【0032】
なお、上記実施の形態3に係るアンテナ装置30において、スロット4に2つのスタブ5、31を配置する構成であるが、これに限らず、例えば、スロット4に3つ或いは4つ以上のスタブが配置されていてもよい。
【0033】
また、上記実施の形態3に係るアンテナ装置30において、スロット4に配置されたスタブ5、31は、細長い直線形状を有しているが、これに限らず、先端開放型スタブ5、31のスタブ長LをL<λ/4の範囲内に維持でき、あるいは、先端短絡型スタブのスタブ長Lをλ/4<L<λ/2の範囲内に維持できれば、各スタブ5、31の形状は任意で良い。例えば、スタブの形状は、ミアンダ形状、螺旋形状、あるいは不規則に蛇行した形状であっても良い。
【0034】
実施の形態4.
図9は、本発明の実施の形態4に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す斜視図である。本実施の形態4に係るアンテナ装置40は、誘電体基板41にスロット4に沿って複数の開口孔41aが形成されている点を特徴とする。
【0035】
各開口孔41aは、スロット4の幅より小さな径を有しており、誘電体基板41の表面から裏面へ貫通している。なお、誘電体基板41には、8つの開口孔41aが略等間隔で設けられているが、これに限らず、設けられる開口孔41aの数及び位置は任意でよい。また、開口孔の形状は円形に記載したが、これに限らず、正方形、長方形、三角形など任意の形状でよい。
【0036】
なお、本実施の形態4に係るアンテナ装置40において、他の構成は上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0037】
一般に、スロットを有するアンテナ装置において、スロット部分に強い電界が集中して分布するため、誘電体基板が有する誘電正接に起因して電力損失が生じる。そこで、本実施の形態4に係るアンテナ装置40において、誘電体基板41にはスロット4に沿って複数の開口孔41aが設けられている。これにより、スロット4部分の電界分布が弱まり、誘電正接による電力損失を低減させることが可能となる。
【0038】
実施の形態5.
図10は、本発明の実施の形態5に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す斜視図である。本実施の形態5に係るアンテナ装置50において、略L字状に形成されたスロット51の角部51aが、斜めに屈曲している、ことを特徴とする。
【0039】
なお、本実施の形態5に係るアンテナ装置50において、他の構成は上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0040】
一般に、スロットを有するアンテナ装置において、アンテナ装置の共振電流は、スロット形状に沿って分布する。しかしながら、スロット形状がL字型の場合、直角に曲がった角部ではスロットによるインピーダンスが不連続となり、電流の反射が生じる。この反射電流は、アンテナ装置の共振電流を弱める方向に作用するため、アンテナ装置の放射特性を低下させることとなる。
【0041】
そこで、本実施の形態5に係るアンテナ装置50において、スロット51の角部51aを斜めに屈曲した形状にすることで、スロット51によるインピーダンスの不連続が緩和され、その電流反射が抑制されることにより、アンテナ装置50の放射特性が改善される。
実施の形態6.
図11は、本発明の実施の形態6に係るアンテナ装置60の概略的な構成を示す平面図である。本実施形態6に係るアンテナ装置60は、スロット61の形状が直線状である点を特徴とする。本実施の形態6に係るアンテナ装置60において、他の構成は上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
スロット61の形状を直線状に形成することで、スロット61の周囲を流れる電流の経路が乱れ難くなり、インピーダンス不連続が生じ難くなる。したがって、電流反射が抑制され、アンテナ装置60の放射特性を改善できる。
なお、スロット61の形状は、必ずしも完全な直線状でなくてもよく、例えば、電流経路を乱さない範囲で全体または一部分が曲線状になっていても、当然本発明の本質的な効果に何ら影響を与えない。
また、本実施形態6においても、上記実施の形態3と同様にスタブ5を複数配置してもよい。例えば、図12に示す如く、スロット61に2つのスタブ5a及び5bが設けられていてもよい。この構成においても、上記実施の形態3と同様に、複数の共振周波数を独立に調整できるため、本実施の形態6に係るアンテナ装置60を、複数の通信周波数で動作するマルチバンドアンテナとして利用することができる。
さらに、図12において、スロット61に2つのスタブ5a及び5bを設ける構成を示したが、これに限らず、例えば、上記実施の形態3と同様に、3つ以上のスタブ5を設ける構成であってもよい。
さらにまた、図11及び図12においては、上記実施の形態1を基本の構成として、先端開放スタブを用いた構成を一例に説明したが、これに限らず、例えば、上記実施の形態2を基本の構成として先端短絡スタブを用いた構成であってもよい。
実施の形態7.
図13は、本発明の実施の形態7に係るアンテナ装置70の概略的な構成を示す平面図である。本実施の形態7に係るアンテナ装置70は、スロット71の開放端から一定距離離れた位置にスタブ72が設けられている点を特徴とする。本実施の形態7に係るアンテナ装置70において、他の構成は上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
スタブ72は、スロット71の電界強度が強い位置、すなわち、共振の腹位置に近いほど、大きなキャパシタンスとして機能するため、共振周波数を大きく低下させることができる。
ここで、共振の腹位置は共振モードによって異なるが、一般に、スロットの開放端は全共振モードに対して腹位置となる。このため、スロット4の開放端4aにスタブ5が設けられている上記実施の形態1乃至6においては、この全共振モードを低周波数化することができる。
一方、本実施の形態7に係るアンテナ装置70は、スタブ72が開放端から一定距離離れた位置に存在する。このため、スタブ72の位置と共振の腹の位置とが近くなる特定の共振モードのみを、低周波数化することができる。
例えば、スタブ72をスロット71の開放端からスロット長の約2/3離れた位置に設けた場合、第1共振(1/4波長共振)に対しては電界の節に近いため共振周波数に大きな影響を与えないが、第2共振(3/4波長共振)に対しては電界の腹に近いため共振周波数を低下させるように作用する。すなわち、第1共振周波数はほぼ変化させず、主に第2共振周波数のみを低周波数化させることが可能となる。一般に、低周波数化された共振モードは帯域が狭くなるため、第2共振のみを選択的に低周波数化することで、第1共振の狭帯域化を避けることができる。
本実施の形態7に係るアンテナ装置70は、第1共振が比較的広帯域なマルチバンドアンテナとして実現することが可能となる。また、アンテナ装置70は、通常のプリント基板製造プロセスで実現可能であるため、スタブ長のばらつきを非常に小さく抑えることができる。すなわち、スタブ72で生成されるキャパシタンスのばらつきを抑え、アンテナ装置70の共振周波数を高精度に制御できる。
次に、本実施の形態7に係るアンテナ装置70の変形例について、説明する。
上記実施の形態7において、スタブ72はスロット71の開放端からスロット長の略2/3離れた位置に設けられているが、これに限らず、スタブ72をスロット71の開放端から任意の位置に設けることができる。
例えば、スタブ72をスロット71の開放端からスロット長の略2/5もしくは略4/5離れた位置に設けてもよい。この場合は、スタブ72の位置は第3共振(5/4波長共振)の腹に近いため、第3共振周波数を低周波数化させることが可能となる。なお、スタブ72の位置は厳密にこれらの位置に配置する必要はなく、ずれていた場合でも上記の共振周波数を低周波数化することができる。
また、上記実施の形態7において、直線状のスロット71が設けられているが、これに限らず、例えば、図14に示す如く、L字状のスロット71を設けてよく、この場合でも、上記同様の効果を得ることができる。
さらに、上記実施の形態7において、上記実施の形態3と同様に、スタブ72をスロット71に複数配置してもよい。例えば、図15に示す如く、2つのスタブ72a及び72bをスロット71に配置してもよい。この場合でも、上記実施の形態3と同様に、複数の共振周波数を調整できるため、本実施の形態7に係るアンテナ装置70を、複数の通信周波数で動作するマルチバンドアンテナとして利用することができる。なお、図15に示す如く、2つのスタブ72a及び72bがスロット71に設けられているが、上記実施の形態3と同様に、3つ以上のスタブ72をスロット71に設けてよい。
上記実施の形態7において、先端開放スタブ72が適用されているが、これに限らず、上記実施の形態2と同様に、先端短絡スタブ72を適用してもよい。
実施の形態8.
図16は、本発明の実施の形態8に係るアンテナ装置80の概略的な構成を示す平面図である。また、図17は、本実施の形態8に係るアンテナ装置80を裏側から見た平面図である。
本実施の形態に係るアンテナ装置80は、スロット81の両端が短絡端となっている点を特徴とする。本実施の形態の8に係るアンテナ装置80において、他の構成は上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
スロット81の両端が短絡端となっているため、スロット81の両端が電界の節となる1/2波長共振が生じる。アンテナ装置80は、上記実施の形態と同様に、スタブ82を備えており、スロット81に生じる共振周波数を低周波数化することができる。
図17に示す如く、同軸ケーブル7の外部導体(第1導体)および内部導体(第2導体)は、各々、スロット81を跨ぐようにスロット81の両側の導体板3に接続されている。これにより、本実施の形態8に係るアンテナ装置80は、上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と全く同様に、スロット81に給電を行うことが可能となっている。
また、本実施の形態8に係るアンテナ装置80は、1/2波長共振を用いるため、1/4波長共振を用いる上記実施の形態1乃至7に係るアンテナ装置10乃至70と比較して、倍のサイズが必要となる、一方で、放射に寄与する面積が増加するため、放射効率を向上させることができる。
さらに、図16及び図17に示す如く、スロット81の中央にスタブ82が設けられている。これにより、第1共振(1/2波長共振)に対しては電界の腹に近いため共振周波数を低下させるように作用するが、一方、第2共振(1波長共振)に対しては電界の節に対応するため共振周波数に影響を与えない。すなわち、第2共振周波数は、ほぼ変化させず、主に、第1共振周波数を低周波数化させることが可能となる。一般に、低周波数化された共振モードは帯域が狭くなるため、第1共振のみを選択的に低周波数化することで、第2共振の狭帯域化を避けることができる。これにより、第2共振が比較的広帯域なマルチバンドのアンテナ装置80を実現することが可能となる。
また、本実施の形態のアンテナ装置80は、通常のプリント基板製造プロセスで実現可能であるため、スタブ長のばらつきを非常に小さく抑えることができる。すなわち、スタブ82で生成されるキャパシタンスのばらつきを抑え、アンテナ装置80の共振周波数を高精度に制御できる。
また、本実施の形態8において、図18に示すように、スタブ82がスロット81の中央でない位置に設けられた構成も適用可能である。この場合、スタブ82の位置と共振の腹の位置とが近くなる特定の共振モードのみを、低周波数化することができる。
例えば、スタブ82をスロット81の短絡端からスロット長の約1/4離れた位置に設けた場合、第1共振(1波長共振)に対しては電界の節に近いため共振周波数に大きな影響を与えないが、第2共振(1/2波長共振)に対しては電界の腹に近いため共振周波数を低下させるように作用する。すなわち、第1共振周波数はほぼ変化させず、主に第2共振周波数を低周波数化させることが可能となる。
なお、上記実施の形態8において、例えば、スタブ82はスロット81の短絡端からスロット長の略1/4離れた位置に設けられているが、これに限らず、例えば、スタブ82はスロット81の短絡端からスロット長の略1/6離れた位置に設けられていてもよい。この場合、スタブ82の位置は、第3共振(3/2波長共振)の腹に近いため、第3共振周波数を低周波数化させることが可能となる。なお、スタブ82の位置は厳密にこれらの位置に配置する必要はなく、ずれていた場合でも上記の共振周波数を低周波数化することができる。
また、図16乃至図18に示す如く、直線状のスロット81が設けられているが、これに限らず、例えば、L字状のスロット81が設けられていてもよく、この場合でも、上記同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施の形態8においても、上記実施の形態3と同様にスタブ82を複数配置してもよい。この場合でも、上記実施の形態3と同様に、複数の共振周波数を調整できるため、本実施形態のアンテナ装置80を、複数の通信周波数で動作するマルチバンドアンテナとして利用することができる。さらにまた、本実施の形態8において、先端開放スタブ82が適用されているが、これに限らず、上記実施の形態2と同様の先端短絡スタブ82が適用されてもよい。
実施の形態9.
図19は、本発明の実施の形態9に係るアンテナ装置90の概略的な構成を示す平面図である。また、図20は、本実施の形態9に係るアンテナ装置90を裏側から見た平面図である。
本実施の形態9に係るアンテナ装置90は、上記実施の形態7に係るアンテナ装置70の構成を基本として、更に、2つのスロット91a及び91bを備え、各々の開放端95a及び95bが相互に対向するように配置されている点を特徴とする。本実施の形態9に係るアンテナ装置90において、他の構成は上記実施の形態7に係るアンテナ装置70と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態9に係るアンテナ装置90は、同軸ケーブル7の外部導体(第1導体)および内部導体(第2導体)が、各々、スロット91aを跨ぐようにスロット91aの両側の導体板3に接続されており、スロット91aに給電を行うことが可能となっている。また、スロット91aを跨ぐようにスタブ92が設けられているため、スロット91aに生じる共振周波数を低周波数化することができる。
一方、スロット(第1のスロット)91aに対向して配置されるスロット(第2のスロット)91bには、直接給電するための構造は設けられていない。しかしながら、開放端95aと開放端95bが電気的に結合することにより、スロット91aからスロット91bに対して間接的に給電される。このため、スロット91bは無給電素子として放射に寄与する。
この時、スロット91aとスロット91bとの共振周波数を近付けることで、2つのスロット91a及び91bが結合共振器として動作し、共振周波数がスプリットするため、動作帯域を広帯域化することができる。なお、スプリットした2つの共振周波数は、2つのスロット91a及び91b間の結合が強くなるに従って互いに離れていく。スロット91a及び91b間の結合の強さは、開放端95a及び95bの距離で制御することができる。
また、本実施の形態9に係るアンテナ装置90は、通常のプリント基板製造プロセスで実現可能であるため、スタブ長のばらつきを非常に小さく抑えることができる。すなわち、スタブ92で生成されるキャパシタンスのばらつきを抑え、アンテナ装置90の共振周波数を高精度に制御できる。
また、本実施の形態9において、図21に示す如く、無給電素子であるスロット91bにもスタブ92bを設けることで、スロット91bの共振周波数を低周波数化させてもよい。さらに、直線状のスロット91a及び91bが適用されているが、これに限らず、例えば、一方または両方のスロットがL字状或いは他の形状に形成されていてもよく、その場合でも、上記同様の効果を得ることができる。さらにまた、先端開放スタブ92を適用しているが、これに限らず、上記実施の形態2と同様に、先端短絡スタブ92を適用してもよい。
実施の形態10.
図22は、本発明の実施の形態10に係るアンテナ装置100の概略的な構成を示す平面図である。また、図23は、本実施の形態10に係るアンテナ装置100を裏側から見た平面図である。
本実施の形態10に係るアンテナ装置100は、上記実施の形態7に係るアンテナ装置70を基本の構成として、更に、スロット71、スタブ72、ビア73、および同軸ケーブル7を、それぞれ複数備える点を特徴とする。
例えば、本実施の形態10に係るアンテナ装置100は、導体板3に形成された第1のスロット71a、第1のスタブ72a、第1のビア73a、および第1の同軸ケーブル7aを有する第1のスロットアンテナと、導体板3に形成された第2のスロット71b、第2のスタブ72b、第2のビア73b、および第2の同軸ケーブル7bを有する第2のスロットアンテナと、を備えている。本実施の形態10に係るアンテナ装置100において、他の構成は上記実施の形態7に係るアンテナ装置70と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態10に係るアンテナ装置100は、例えば、MIMO(Multi-Input-Multi-Output)のような複数アンテナを必要とする通信に用いることができる。ここで、MIMOにおいて高いスループットを得るには、アンテナ間の相関係数が低いことが望ましい。そこで、図24に示すように、第1のスロットアンテナの第1のスロット71aと第2のスロットアンテナの第2のスロット71bとを直交させることで、上記第1及び第2のスロットアンテナ間の相関係数を低減させるように構成してもよい。なお、上記実施の形態10に係るアンテナ装置10は、上記実施の形態7に係るアンテナ装置70を基本の構成としているが、これに限らず上記他の実施の形態を基本の構成としてもよい。
実施の形態11.
図25は、本発明の実施の形態11に係るアンテナ装置110を裏側から見た斜視図である。本実施の形態11に係るアンテナ装置110は、上記実施の形態7に係るアンテナ装置70を基本の構成として、更に、スロット71への給電をマイクロストリップライン116及び給電ビア115によって行う点を特徴とする。本実施の形態11に係るアンテナ装置110において、他の構成は上記実施の形態7に係るアンテナ装置70と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
導体板3と異なる面に設けられたマイクロストリップライン116が、スロット71を跨ぐように配置されており、マイクロストリップライン116のスロット71を跨いだ一方の端部が、給電ビア115によって導体板3のスロット71近傍に接続されている。また、マイクロストリップライン116の他方の端部は図示せぬ無線回路8に接続されている。このように構成することで、同軸ケーブル7を用いずにマイクロストリップライン116によってスロット71に給電することが可能となる。
本実施の形態11に係るアンテナ装置110において、給電ビア115を通常のプリント基板プロセスで形成できるため、同軸ケーブルを用いる場合に比べて高精度に給電位置を制御することができる。なお、上記実施の形態11に係るアンテナ装置110は、上記実施の形態7に係るアンテナ装置70を基本の構成としているが、他の実施の形態を基本の構成としてもよい。
実施の形態12.
図26は、本発明の実施の形態12に係るアンテナ装置120の概略的な構成を示す平面図である。また、図27は、本実施の形態12に係るアンテナ装置120を裏側から見た平面図である。本実施の形態12に係るアンテナ装置120は、上記実施の形態9に係るアンテナ装置90を基本構成として、2つのスロット121a、121bの周囲に導体板3の導体部分が残る程度に誘電体基板2および導体板3を小さくして、アンテナ部品として用いることができるように構成された点を特徴とする。
例えば、図28に示すように、アンテナ装置120a、120bをノートPC(Personal Computer)210に備えられたLCD211の上部に固定して用いる構成を考えることができる。図28においては、MIMOを想定して2つのアンテナを、アンテナ間の相関係数が小さくなるように一定の距離を隔てて配置した場合を示している。アンテナ装置120a、120bは、それぞれに備えられた同軸ケーブル7によって、ノートPC210の無線回路8に接続され通信を行うことができる。
アンテナ装置120a、120b及びLCD211の固定には、導体板3とLCD211の金属部分とが電気的に接続されるように、導電性テープやねじ等を用いるのが好ましい。導体板3とLCD211の金属部分とが電気的に接続されることで、LCD211の金属部分にも電流が流れて放射に寄与するため、放射効率を向上させることができる。ただし、非導電性テープやその他の固定方法を用いた場合でも、本発明の本質的な効果に何ら影響を与えない。また、ノートPC210の筐体など、LCD211以外の部分に固定する構成であってもよい。
なお、本実施の形態12において、例えば、アンテナを1つだけ配置する構成や3つ以上配置する構成であってもよい。
また、ここで、ノートPC210を一例にして、本実施の形態12に係るアンテナ装置120の実装形態を示したが、無線回路を搭載した他の電子機器にも同様に実装することもできる。さらに、上記実施の形態12に係るアンテナ装置120は、上記実施の形態9に係るアンテナ装置90を基本の構成としているが、これに限らず上記他の実施の形態を基本の構成としてもよい。
【0042】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0043】
さらに、上記実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0044】
(付記1)
少なくとも1つの誘電体基板と、該誘電体基板に設けられた導体板と、該導体板に形成された少なくとも1つのスロットと、前記誘電体基板の前記スロットが形成される面と異なる面に、前記スロットを跨ぐようにして形成された少なくとも1つのスタブと、一端が前記導体板のスロット近傍に接続され、他端が前記スタブに接続された少なくとも1つのビアと、を備える、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記2)
(付記1)のアンテナ装置であって、前記スタブは、先端開放型であり、前記スタブの長さは、使用周波数に対応する波長の1/4より短い、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記3)
(付記1)のアンテナ装置であって、前記スタブは、その先端が前記導体板に短絡した先端短絡型であり、前記スタブの長さは、使用周波数に対応する波長の1/4より長く、かつ1/2より短い、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記4)
(付記1)乃至(付記3)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記スタブは、前記スロットを跨ぐようにして複数配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記5)
(付記1)乃至(付記4)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記スロットの一端が前記導体板の端辺で開放端を成し、他端が短絡端を成す、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記6)
(付記1)乃至(付記5)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記スタブは、前記スロットの開放端近傍に配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記7)
(付記1)乃至(付記6)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記スタブは、少なくとも、前記スロットの開放端から前記スロット長の略2/3、2/5、及び4/5の位置のうちいずれかに配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記8)
(付記1)乃至(付記7)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記導体板には、一端が開放端を成し他端が短絡端を成し、給電が行われる第1の前記スロットと、一端が開放端を成し他端が短絡端を成し、給電が行われない第2の前記スロットと、が形成され、前記第1のスロットの開放端と前記第2のスロットの開放端とが対向している、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記9)
(付記8)のアンテナ装置であって、前記スタブは、前記誘電体基板の他方の面に設けられ、前記第2のスロットを跨ぐように設けられている、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記10)
(付記1)乃至(付記4)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記スロットの両端が短絡端を成している、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記11)
(付記10)のアンテナ装置であって、前記スタブは、前記スロットの中央に配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記12)
(付記10)のアンテナ装置であって、前記スタブは、前記スロットの短絡端から前記スロット長の略1/4の位置に配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記13)
(付記1)乃至(付記12)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記スロットは、略L字状に形成されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記14)
(付記13)のアンテナ装置であって、前記略L字状に形成されたスロットの角部が、斜めに屈曲している、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記15)
(付記1)乃至(付記12)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記スロットは、略直線状に形成されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記16)
(付記1)乃至(付記15)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記導体板に形成された第1の前記スロットと、前記第1のスロットを跨ぐようにして形成された第1の前記スタブと、前記第1のスタブに接続された第1の前記ビアと、を有する第1のスロットアンテナと、前記導体板に形成された第2の前記スロットと、前記第2のスロットを跨ぐようにして形成された第2の前記スタブと、前記第2のスタブに接続された第2の前記ビアと、を有する第2のスロットアンテナと、を備える、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記17)
(付記16)のアンテナ装置であって、前記第1のスロットアンテナと前記第2のスロットアンテナとは、直交している、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記18)
(付記1)乃至(付記17)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記誘電体基板には、前記L字状のスロットに沿って、複数の開口孔が形成されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記19)
(付記1)乃至(付記18)のうちいずれかのアンテナ装置であって、第1導体及び第2導体が前記スロットを跨ぐようにして該スロットの両側の前記導体板に夫々接続された給電ケーブルと、前記給電ケーブルを介して前記スロットに対して給電を行う無線回路と、を更に備えることを特徴とするアンテナ装置。
(付記20)
(付記1)乃至(付記18)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記誘電体基板の他方の面に設けられ、前記スロットを跨ぐように配置されたマイクロストリップラインと、一端が前記導体板のスロット近傍に接続され、他端が前記スタブに接続された給電ビアと、前記マイクロストリップライン及び給電ビアを介して、前記スロットに対して給電を行う無線回路と、を更に備えることを特徴とするアンテナ装置。
【符号の説明】
【0045】
2 誘電体基板
3 導体板
4 スロット
4a 開放端
5 スタブ
6 ビア
10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110 アンテナ装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、共振周波数を高精度に調整できるアンテナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
誘電体基板上に配置するスロットアンテナの長さは、通常、使用周波数の1/4波長の長さが必要となっている。ここで、使用周波数が、例えば、800MHz程度の場合、スロットアンテナの長さは約90mmとなり、実装スペースの制約が大きい携帯無線端末などに適用するのは困難となる。
【0003】
そこで、アンテナ装置を小型化する一つの手法として、スロット端にコンデンサを形成する方法が存在する。例えば、誘電体基板上に略L字状のスロットを配置し、スロット端にコンデサを形成したアンテナ装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07−221538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のスロット端にコンデンサを形成するアンテナ装置においては、小さなキャパシタンスでアンテナ装置の共振周波数を大きくシフトさせることが出来るが、一方では、装荷するわずかなキャパシタンスの誤差によってアンテナ装置の共振周波数が大きく変動してしまう可能性がある。例えば、量産時における誘電体基板の厚さのばらつきや、比誘電率のばらつきによりアンテナ装置の共振周波数がずれるという問題が生じる。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、共振周波数を高精度に調整することができるアンテナ装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、少なくとも1つの誘電体基板と、該誘電体基板に設けられた導体板と、該導体板に形成された少なくとも1つのスロットと、前記誘電体基板前記スロットが形成される面と異なる面に、前記スロットを跨ぐようにして形成された少なくとも1つのスタブと、一端が前記導体板のスロット近傍に接続され、他端が前記スタブに接続された少なくとも1つのビアと、を備える、ことを特徴とするアンテナ装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、共振周波数を高精度に調整することができるアンテナ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の導体板のスロット開放端に配置されたスタブを示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置のインピーダンス特性の計算例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るアンテナ装置の導体板のスロット開放端に配置されたスタブを示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の導体板のスロットに夫々配置された複数のスタブを示す斜視図であり、上方から見た図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の導体板のスロットに夫々配置された複数のスタブを示す斜視図であり、下方から見た図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係るアンテナ装置のインピーダンス特性の計算例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態4に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態5に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態6に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す平面図である。
【図12】スロットに2つのスタブが設けられている構成を示す平面図である。
【図13】本発明の実施の形態7に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す平面図である。
【図14】L字状のスロットが設けられた構成を示す平面図である。
【図15】2つのスタブをスロットに配置した構成を示す平面図である。
【図16】本発明の実施の形態8に係るアンテナ装置80の概略的な構成を示す平面図である。
【図17】本発明の実施の形態8に係るアンテナ装置を裏側から見た平面図である。
【図18】スタブがスロットの中央でない位置に設けられた構成を示す平面図である。
【図19】本発明の実施の形態9に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す平面図である。
【図20】本発明の実施の形態9に係るアンテナ装置を裏側から見た平面図である。
【図21】無給電素子であるスロットにスタブを設けた構成を示す平面図である。
【図22】本発明の実施の形態10に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す平面図である。
【図23】本発明の実施の形態10に係るアンテナ装置を裏側から見た平面図である。
【図24】第1及び第2のアンテナのスロットの向きを直交させた構成を示す平面図である。
【図25】本発明の実施の形態11に係るアンテナ装置を裏側から見た斜視図である。
【図26】本発明の実施の形態12に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す平面図である。
【図27】本発明の実施の形態12に係るアンテナ装置を裏側から見た平面図である。
【図28】本発明の実施の形態12に係るアンテナ装置がPCに実装された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の導体板のスロット開放端に配置されたスタブを示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す断面図である。
【0011】
本実施の形態1に係るアンテナ装置10は、誘電体からなる板状の誘電体基板2と、誘電体基板2の一方の面2a側(例えば、上面側)に設けられた導体板3と、導体板3に略L字状に形成され、そのL字状の一端が導体板3の端辺で開放端4aを成すスロット4と、誘電体基板2の他方の面2b側(例えば、下面側)に、開放端4aを跨ぐようにして形成されたスタブ5と、一端が導体板3のスロット4の開放端4a近傍に接続され、他端がスタブ5に接続されたビア6と、を備えている。
【0012】
同軸ケーブル(給電ケーブル)7の外部導体(第1導体)および内部導体(第2導体)は、夫々、スロット4を跨ぐようにして、スロット4の両側の導体板3に接続されている。また、同軸ケーブル7は、無線回路8に接続されており、無線回路8は、同軸ケーブル7を介してスロット4に対して給電を行う。
【0013】
スタブ5は、細長い板状部材であり、スタブ5の長さ(スタブ長)Lは、使用周波数に対応する波長をλとした場合、L<λ/4となるように設定されている。また、スタブ5の幅(スタブ幅)は、スタブ長Lと比較して充分小さくなっている。スタブ5の一端は、ビア6を介して導体板3のスロット4の開放端4a近傍に接続されており、他端は開放された開放端5aとなっている。
【0014】
上述のように構成されたアンテナ装置10において、スロット4の開放端4aに配置したスタブ5のスタブ長Lは、L<λ/4になるように設定されている。この場合、スロット4の開放端4aにキャパシタンスを装荷したのと等価になり、アンテナ装置10の共振周波数が低域側にシフトする。このとき、スタブ5により生成されるキャパシタンスの値は、主として、スタブ長Lによって決定され、誘電体基板2の厚さや、誘電体基板2を構成する誘電体の比誘電率による影響をあまり受けない。
【0015】
図3は、本実施の形態1に係るアンテナ装置のインピーダンス特性の計算例を示す図である。先端開放型スタブ5のスタブ長Lを変化させると、図3に示すようにアンテナ装置10のインピーダンス特性は変化する。
このように、スタブ長Lを変化させて、スロット4の開放端4aに装荷するキャパシタンスを制御することで、スロット4の寸法を変えることなくアンテナ装置10の共振周波数を高精度に調整することが可能となる。即ち、より小さいスロット4の寸法で所望のアンテナ装置10の共振周波数を得ることが可能となる。なお、本実施の形態1において、単一の誘電体基板2により構成されているが、これに限らず、複数の誘電体基板2を積層した多層基板構成であってもよい。
【0016】
以上、本実施の形態1に係るアンテナ装置10は、スタブ5のスタブ長Lを調整してアンテナ装置10に装荷するキャパシタンスを制御する構造を有している。従って、誘電体基板2の厚さや誘電体の比誘電率のばらつきによるアンテナ装置10の共振周波数への影響を低減でき、共振周波数を高精度に調整することができる。
【0017】
また、スタブ5の導体パターンは、通常のプリント基板製造プロセスで実現可能であるため、スタブ5の寸法を高精度に実現でき、スタブ長Lのばらつきを非常に小さく抑えることができる。即ち、スタブ5により生成されるキャパシタンスのばらつきを抑え、アンテナ装置10の共振周波数を高精度に制御できる。
また、スタブ5の導体パターンは、図1に示すように直線形状であることが好ましいが、上述のスタブ長を満たせば他の形状であってもよい。例えば、他の実装部品や基板端部を避けるように曲がっていても、本発明の本質的な効果に何ら影響を与えない。
【0018】
なお、アンテナ装置10と無線回路8とを一枚のプリント基板上に一体的に構成することができる。このため、その実装スペースを削減でき、アンテナ装置10の製造コストを低減することができる。さらに、同軸ケーブル7の引回しが不要となるため、同軸ケーブル7に起因した他の回路、機能部品との電磁干渉、不要輻射、電力損失による無線性能低下などを防ぐことができる。
【0019】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2に係るアンテナ装置の導体板のスロット開放端に配置されたスタブを示す斜視図である。図5は、本発明の実施の形態2に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す断面図である。
【0020】
本実施の形態2に係るアンテナ装置20において、スロット4の開放端4aに配置されたスタブ21は、その他端21aが導体板3に短絡した先端短絡型となっており、そのスタブ長Lが使用周波数に対応する波長をλとした場合、λ/4<L<λ/2となっている。本実施の形態2に係るアンテナ装置20において、他の構成は上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0021】
上述のように構成されたアンテナ装置20において、スロット4の開放端4aに配置したスタブ21のスタブ長Lをλ/4<L<λ/2になるように設定すると、スロット4の開放端4aにキャパシタンスを装荷したのと等価になり、アンテナ装置20の共振周波数が低域側にシフトする。
【0022】
従って、上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と同様に、本実施の形態2に係るアンテナ装置20においても、スタブ長Lを変化させて、スロット4の開放端4aに装荷するキャパシタンスを制御することで、スロット4の寸法を変えることなくアンテナ装置20の共振周波数を高精度に調整することが可能となる。即ち、より小さいスロット4の寸法で所望のアンテナ装置20の共振周波数を得ることが可能となる。
【0023】
また、本実施の形態2に係るアンテナ装置20において、上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と同様に、スタブ21で生成されるキャパシタンスの値はスタブ長Lによって決定され、誘電体基板2の厚さや、誘電体の比誘電率による影響をあまり受けない。さらに、スタブ21の導体パターンは通常のプリント基板製造プロセスで実現可能であるため、スタブ長Lのばらつきを非常に小さく抑えることができる。即ち、スタブ21で生成されるキャパシタンスのばらつきを抑え、アンテナ装置20の共振周波数を高精度に制御できる。
【0024】
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の導体板のスロットに夫々配置された複数のスタブを示す斜視図であり、上方から見た図である。図7は、本発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の導体板のスロットに夫々配置された複数のスタブを示す斜視図であり、下方から見た図である。
【0025】
本実施の形態3に係るアンテナ装置30は、スロット4の開放端4aに配置された先端開放型のスタブ5に加えて、さらにスタブ5から所定距離離れた位置に先端開放型のスタブ31を更に備えることを特徴とする。スタブ31は、スロット4の開放端4aからスロット長の約2/3離れた位置に配置されている。
【0026】
例えば、スタブ5はスロット4の開放端4aに配置されており、スタブ31はスロット4の開放端4aからスロット長の約2/3離れた位置に配置される。スタブ31は、スタブ5と同様に、細長い直線形状を有する板状部材であり、スロット4を跨ぐようにして形成されている。なお、スタブ5、31は先端開放型であるが、これに限らず、先端短絡型であってもよい。
【0027】
本実施の形態3に係るアンテナ装置30において、他の構成は上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0028】
図8は、本実施の形態3に係るアンテナ装置のインピーダンス特性の計算例を示す図である。図8において、低域側の共振周波数(1)におけるアンテナ装置30の電界は、共振周波数(1)に相当する波長をλ1とした場合、スロット4の開放端4aの電界が腹となり、スロット4の開放端4aからλ1/4離れた位置の電界が節となるような定在波分布を有する。一方、高域側の共振周波数(2)におけるアンテナ装置30の電界は、共振周波数(2)に相当する波長をλ2とした場合、スロット4の開放端4aおよびスロット4の開放端4aからλ2/2離れた位置の電界が腹となり、スロット4の開放端4aからλ2/4、および3/4λ2離れた位置の電界が節となるような定在波分布を有する。なお、このときスロット4の全長はλ2×3/4となるため、電界の腹となる位置は開放端4aからスロット4の長さの約2/3の位置に相当する。
【0029】
ここで、定在波分布の腹となるスロット4の開放端4aおよびスロット4の開放端4aからλ2/2だけ離れた位置(スロット4の開放端4aからスロット長の約2/3離れた位置)に、夫々、スタブ5及び31を配置する。この場合、スロット4の開放端4aに配置したスタブ5のスタブ長Lを調節すると、図8に示す低域側の共振周波数(1)及び高域側の共振周波数(2)の両方が変化するのに対し、スタブ31のスタブ長Lを調節すると、主に高域側の共振周波数のみが変化する。
【0030】
したがって、本実施の形態3に係るアンテナ装置30における共振周波数の調整方法は、まず、スロット4の開放端4aに配置したスタブ5のスタブ長Lを調整して、低域側を所望の共振周波数に調整する。次に、スロット4の開放端4aからλ2/2だけ離れた位置(スロット4の開放端4aからスロット長の約2/3離れた位置)に配置したスタブ31のスタブ長Lを調整して、高域側を所望の共振周波数に調整する。
【0031】
以上、本実施の形態3に係るアンテナ装置30において、スロット4の本数は1本のままで、スロット4の寸法を変更することなく複共振化が可能となり、実質的なアンテナ装置30の小型化を実現できる。この場合、アンテナ装置30の小型化のためにチップコンデンサを用いる必要がないので、部品レス化による低コスト化を図ることができる。さらに、各スタブ5、31のスタブ長Lを各々制御することで、複数の共振周波数を独立して容易に調整できるため、周波数調整の工数を低減できる。
【0032】
なお、上記実施の形態3に係るアンテナ装置30において、スロット4に2つのスタブ5、31を配置する構成であるが、これに限らず、例えば、スロット4に3つ或いは4つ以上のスタブが配置されていてもよい。
【0033】
また、上記実施の形態3に係るアンテナ装置30において、スロット4に配置されたスタブ5、31は、細長い直線形状を有しているが、これに限らず、先端開放型スタブ5、31のスタブ長LをL<λ/4の範囲内に維持でき、あるいは、先端短絡型スタブのスタブ長Lをλ/4<L<λ/2の範囲内に維持できれば、各スタブ5、31の形状は任意で良い。例えば、スタブの形状は、ミアンダ形状、螺旋形状、あるいは不規則に蛇行した形状であっても良い。
【0034】
実施の形態4.
図9は、本発明の実施の形態4に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す斜視図である。本実施の形態4に係るアンテナ装置40は、誘電体基板41にスロット4に沿って複数の開口孔41aが形成されている点を特徴とする。
【0035】
各開口孔41aは、スロット4の幅より小さな径を有しており、誘電体基板41の表面から裏面へ貫通している。なお、誘電体基板41には、8つの開口孔41aが略等間隔で設けられているが、これに限らず、設けられる開口孔41aの数及び位置は任意でよい。また、開口孔の形状は円形に記載したが、これに限らず、正方形、長方形、三角形など任意の形状でよい。
【0036】
なお、本実施の形態4に係るアンテナ装置40において、他の構成は上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0037】
一般に、スロットを有するアンテナ装置において、スロット部分に強い電界が集中して分布するため、誘電体基板が有する誘電正接に起因して電力損失が生じる。そこで、本実施の形態4に係るアンテナ装置40において、誘電体基板41にはスロット4に沿って複数の開口孔41aが設けられている。これにより、スロット4部分の電界分布が弱まり、誘電正接による電力損失を低減させることが可能となる。
【0038】
実施の形態5.
図10は、本発明の実施の形態5に係るアンテナ装置の概略的な構成を示す斜視図である。本実施の形態5に係るアンテナ装置50において、略L字状に形成されたスロット51の角部51aが、斜めに屈曲している、ことを特徴とする。
【0039】
なお、本実施の形態5に係るアンテナ装置50において、他の構成は上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0040】
一般に、スロットを有するアンテナ装置において、アンテナ装置の共振電流は、スロット形状に沿って分布する。しかしながら、スロット形状がL字型の場合、直角に曲がった角部ではスロットによるインピーダンスが不連続となり、電流の反射が生じる。この反射電流は、アンテナ装置の共振電流を弱める方向に作用するため、アンテナ装置の放射特性を低下させることとなる。
【0041】
そこで、本実施の形態5に係るアンテナ装置50において、スロット51の角部51aを斜めに屈曲した形状にすることで、スロット51によるインピーダンスの不連続が緩和され、その電流反射が抑制されることにより、アンテナ装置50の放射特性が改善される。
実施の形態6.
図11は、本発明の実施の形態6に係るアンテナ装置60の概略的な構成を示す平面図である。本実施形態6に係るアンテナ装置60は、スロット61の形状が直線状である点を特徴とする。本実施の形態6に係るアンテナ装置60において、他の構成は上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
スロット61の形状を直線状に形成することで、スロット61の周囲を流れる電流の経路が乱れ難くなり、インピーダンス不連続が生じ難くなる。したがって、電流反射が抑制され、アンテナ装置60の放射特性を改善できる。
なお、スロット61の形状は、必ずしも完全な直線状でなくてもよく、例えば、電流経路を乱さない範囲で全体または一部分が曲線状になっていても、当然本発明の本質的な効果に何ら影響を与えない。
また、本実施形態6においても、上記実施の形態3と同様にスタブ5を複数配置してもよい。例えば、図12に示す如く、スロット61に2つのスタブ5a及び5bが設けられていてもよい。この構成においても、上記実施の形態3と同様に、複数の共振周波数を独立に調整できるため、本実施の形態6に係るアンテナ装置60を、複数の通信周波数で動作するマルチバンドアンテナとして利用することができる。
さらに、図12において、スロット61に2つのスタブ5a及び5bを設ける構成を示したが、これに限らず、例えば、上記実施の形態3と同様に、3つ以上のスタブ5を設ける構成であってもよい。
さらにまた、図11及び図12においては、上記実施の形態1を基本の構成として、先端開放スタブを用いた構成を一例に説明したが、これに限らず、例えば、上記実施の形態2を基本の構成として先端短絡スタブを用いた構成であってもよい。
実施の形態7.
図13は、本発明の実施の形態7に係るアンテナ装置70の概略的な構成を示す平面図である。本実施の形態7に係るアンテナ装置70は、スロット71の開放端から一定距離離れた位置にスタブ72が設けられている点を特徴とする。本実施の形態7に係るアンテナ装置70において、他の構成は上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
スタブ72は、スロット71の電界強度が強い位置、すなわち、共振の腹位置に近いほど、大きなキャパシタンスとして機能するため、共振周波数を大きく低下させることができる。
ここで、共振の腹位置は共振モードによって異なるが、一般に、スロットの開放端は全共振モードに対して腹位置となる。このため、スロット4の開放端4aにスタブ5が設けられている上記実施の形態1乃至6においては、この全共振モードを低周波数化することができる。
一方、本実施の形態7に係るアンテナ装置70は、スタブ72が開放端から一定距離離れた位置に存在する。このため、スタブ72の位置と共振の腹の位置とが近くなる特定の共振モードのみを、低周波数化することができる。
例えば、スタブ72をスロット71の開放端からスロット長の約2/3離れた位置に設けた場合、第1共振(1/4波長共振)に対しては電界の節に近いため共振周波数に大きな影響を与えないが、第2共振(3/4波長共振)に対しては電界の腹に近いため共振周波数を低下させるように作用する。すなわち、第1共振周波数はほぼ変化させず、主に第2共振周波数のみを低周波数化させることが可能となる。一般に、低周波数化された共振モードは帯域が狭くなるため、第2共振のみを選択的に低周波数化することで、第1共振の狭帯域化を避けることができる。
本実施の形態7に係るアンテナ装置70は、第1共振が比較的広帯域なマルチバンドアンテナとして実現することが可能となる。また、アンテナ装置70は、通常のプリント基板製造プロセスで実現可能であるため、スタブ長のばらつきを非常に小さく抑えることができる。すなわち、スタブ72で生成されるキャパシタンスのばらつきを抑え、アンテナ装置70の共振周波数を高精度に制御できる。
次に、本実施の形態7に係るアンテナ装置70の変形例について、説明する。
上記実施の形態7において、スタブ72はスロット71の開放端からスロット長の略2/3離れた位置に設けられているが、これに限らず、スタブ72をスロット71の開放端から任意の位置に設けることができる。
例えば、スタブ72をスロット71の開放端からスロット長の略2/5もしくは略4/5離れた位置に設けてもよい。この場合は、スタブ72の位置は第3共振(5/4波長共振)の腹に近いため、第3共振周波数を低周波数化させることが可能となる。なお、スタブ72の位置は厳密にこれらの位置に配置する必要はなく、ずれていた場合でも上記の共振周波数を低周波数化することができる。
また、上記実施の形態7において、直線状のスロット71が設けられているが、これに限らず、例えば、図14に示す如く、L字状のスロット71を設けてよく、この場合でも、上記同様の効果を得ることができる。
さらに、上記実施の形態7において、上記実施の形態3と同様に、スタブ72をスロット71に複数配置してもよい。例えば、図15に示す如く、2つのスタブ72a及び72bをスロット71に配置してもよい。この場合でも、上記実施の形態3と同様に、複数の共振周波数を調整できるため、本実施の形態7に係るアンテナ装置70を、複数の通信周波数で動作するマルチバンドアンテナとして利用することができる。なお、図15に示す如く、2つのスタブ72a及び72bがスロット71に設けられているが、上記実施の形態3と同様に、3つ以上のスタブ72をスロット71に設けてよい。
上記実施の形態7において、先端開放スタブ72が適用されているが、これに限らず、上記実施の形態2と同様に、先端短絡スタブ72を適用してもよい。
実施の形態8.
図16は、本発明の実施の形態8に係るアンテナ装置80の概略的な構成を示す平面図である。また、図17は、本実施の形態8に係るアンテナ装置80を裏側から見た平面図である。
本実施の形態に係るアンテナ装置80は、スロット81の両端が短絡端となっている点を特徴とする。本実施の形態の8に係るアンテナ装置80において、他の構成は上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
スロット81の両端が短絡端となっているため、スロット81の両端が電界の節となる1/2波長共振が生じる。アンテナ装置80は、上記実施の形態と同様に、スタブ82を備えており、スロット81に生じる共振周波数を低周波数化することができる。
図17に示す如く、同軸ケーブル7の外部導体(第1導体)および内部導体(第2導体)は、各々、スロット81を跨ぐようにスロット81の両側の導体板3に接続されている。これにより、本実施の形態8に係るアンテナ装置80は、上記実施の形態1に係るアンテナ装置10と全く同様に、スロット81に給電を行うことが可能となっている。
また、本実施の形態8に係るアンテナ装置80は、1/2波長共振を用いるため、1/4波長共振を用いる上記実施の形態1乃至7に係るアンテナ装置10乃至70と比較して、倍のサイズが必要となる、一方で、放射に寄与する面積が増加するため、放射効率を向上させることができる。
さらに、図16及び図17に示す如く、スロット81の中央にスタブ82が設けられている。これにより、第1共振(1/2波長共振)に対しては電界の腹に近いため共振周波数を低下させるように作用するが、一方、第2共振(1波長共振)に対しては電界の節に対応するため共振周波数に影響を与えない。すなわち、第2共振周波数は、ほぼ変化させず、主に、第1共振周波数を低周波数化させることが可能となる。一般に、低周波数化された共振モードは帯域が狭くなるため、第1共振のみを選択的に低周波数化することで、第2共振の狭帯域化を避けることができる。これにより、第2共振が比較的広帯域なマルチバンドのアンテナ装置80を実現することが可能となる。
また、本実施の形態のアンテナ装置80は、通常のプリント基板製造プロセスで実現可能であるため、スタブ長のばらつきを非常に小さく抑えることができる。すなわち、スタブ82で生成されるキャパシタンスのばらつきを抑え、アンテナ装置80の共振周波数を高精度に制御できる。
また、本実施の形態8において、図18に示すように、スタブ82がスロット81の中央でない位置に設けられた構成も適用可能である。この場合、スタブ82の位置と共振の腹の位置とが近くなる特定の共振モードのみを、低周波数化することができる。
例えば、スタブ82をスロット81の短絡端からスロット長の約1/4離れた位置に設けた場合、第1共振(1波長共振)に対しては電界の節に近いため共振周波数に大きな影響を与えないが、第2共振(1/2波長共振)に対しては電界の腹に近いため共振周波数を低下させるように作用する。すなわち、第1共振周波数はほぼ変化させず、主に第2共振周波数を低周波数化させることが可能となる。
なお、上記実施の形態8において、例えば、スタブ82はスロット81の短絡端からスロット長の略1/4離れた位置に設けられているが、これに限らず、例えば、スタブ82はスロット81の短絡端からスロット長の略1/6離れた位置に設けられていてもよい。この場合、スタブ82の位置は、第3共振(3/2波長共振)の腹に近いため、第3共振周波数を低周波数化させることが可能となる。なお、スタブ82の位置は厳密にこれらの位置に配置する必要はなく、ずれていた場合でも上記の共振周波数を低周波数化することができる。
また、図16乃至図18に示す如く、直線状のスロット81が設けられているが、これに限らず、例えば、L字状のスロット81が設けられていてもよく、この場合でも、上記同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施の形態8においても、上記実施の形態3と同様にスタブ82を複数配置してもよい。この場合でも、上記実施の形態3と同様に、複数の共振周波数を調整できるため、本実施形態のアンテナ装置80を、複数の通信周波数で動作するマルチバンドアンテナとして利用することができる。さらにまた、本実施の形態8において、先端開放スタブ82が適用されているが、これに限らず、上記実施の形態2と同様の先端短絡スタブ82が適用されてもよい。
実施の形態9.
図19は、本発明の実施の形態9に係るアンテナ装置90の概略的な構成を示す平面図である。また、図20は、本実施の形態9に係るアンテナ装置90を裏側から見た平面図である。
本実施の形態9に係るアンテナ装置90は、上記実施の形態7に係るアンテナ装置70の構成を基本として、更に、2つのスロット91a及び91bを備え、各々の開放端95a及び95bが相互に対向するように配置されている点を特徴とする。本実施の形態9に係るアンテナ装置90において、他の構成は上記実施の形態7に係るアンテナ装置70と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態9に係るアンテナ装置90は、同軸ケーブル7の外部導体(第1導体)および内部導体(第2導体)が、各々、スロット91aを跨ぐようにスロット91aの両側の導体板3に接続されており、スロット91aに給電を行うことが可能となっている。また、スロット91aを跨ぐようにスタブ92が設けられているため、スロット91aに生じる共振周波数を低周波数化することができる。
一方、スロット(第1のスロット)91aに対向して配置されるスロット(第2のスロット)91bには、直接給電するための構造は設けられていない。しかしながら、開放端95aと開放端95bが電気的に結合することにより、スロット91aからスロット91bに対して間接的に給電される。このため、スロット91bは無給電素子として放射に寄与する。
この時、スロット91aとスロット91bとの共振周波数を近付けることで、2つのスロット91a及び91bが結合共振器として動作し、共振周波数がスプリットするため、動作帯域を広帯域化することができる。なお、スプリットした2つの共振周波数は、2つのスロット91a及び91b間の結合が強くなるに従って互いに離れていく。スロット91a及び91b間の結合の強さは、開放端95a及び95bの距離で制御することができる。
また、本実施の形態9に係るアンテナ装置90は、通常のプリント基板製造プロセスで実現可能であるため、スタブ長のばらつきを非常に小さく抑えることができる。すなわち、スタブ92で生成されるキャパシタンスのばらつきを抑え、アンテナ装置90の共振周波数を高精度に制御できる。
また、本実施の形態9において、図21に示す如く、無給電素子であるスロット91bにもスタブ92bを設けることで、スロット91bの共振周波数を低周波数化させてもよい。さらに、直線状のスロット91a及び91bが適用されているが、これに限らず、例えば、一方または両方のスロットがL字状或いは他の形状に形成されていてもよく、その場合でも、上記同様の効果を得ることができる。さらにまた、先端開放スタブ92を適用しているが、これに限らず、上記実施の形態2と同様に、先端短絡スタブ92を適用してもよい。
実施の形態10.
図22は、本発明の実施の形態10に係るアンテナ装置100の概略的な構成を示す平面図である。また、図23は、本実施の形態10に係るアンテナ装置100を裏側から見た平面図である。
本実施の形態10に係るアンテナ装置100は、上記実施の形態7に係るアンテナ装置70を基本の構成として、更に、スロット71、スタブ72、ビア73、および同軸ケーブル7を、それぞれ複数備える点を特徴とする。
例えば、本実施の形態10に係るアンテナ装置100は、導体板3に形成された第1のスロット71a、第1のスタブ72a、第1のビア73a、および第1の同軸ケーブル7aを有する第1のスロットアンテナと、導体板3に形成された第2のスロット71b、第2のスタブ72b、第2のビア73b、および第2の同軸ケーブル7bを有する第2のスロットアンテナと、を備えている。本実施の形態10に係るアンテナ装置100において、他の構成は上記実施の形態7に係るアンテナ装置70と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態10に係るアンテナ装置100は、例えば、MIMO(Multi-Input-Multi-Output)のような複数アンテナを必要とする通信に用いることができる。ここで、MIMOにおいて高いスループットを得るには、アンテナ間の相関係数が低いことが望ましい。そこで、図24に示すように、第1のスロットアンテナの第1のスロット71aと第2のスロットアンテナの第2のスロット71bとを直交させることで、上記第1及び第2のスロットアンテナ間の相関係数を低減させるように構成してもよい。なお、上記実施の形態10に係るアンテナ装置10は、上記実施の形態7に係るアンテナ装置70を基本の構成としているが、これに限らず上記他の実施の形態を基本の構成としてもよい。
実施の形態11.
図25は、本発明の実施の形態11に係るアンテナ装置110を裏側から見た斜視図である。本実施の形態11に係るアンテナ装置110は、上記実施の形態7に係るアンテナ装置70を基本の構成として、更に、スロット71への給電をマイクロストリップライン116及び給電ビア115によって行う点を特徴とする。本実施の形態11に係るアンテナ装置110において、他の構成は上記実施の形態7に係るアンテナ装置70と略同一であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
導体板3と異なる面に設けられたマイクロストリップライン116が、スロット71を跨ぐように配置されており、マイクロストリップライン116のスロット71を跨いだ一方の端部が、給電ビア115によって導体板3のスロット71近傍に接続されている。また、マイクロストリップライン116の他方の端部は図示せぬ無線回路8に接続されている。このように構成することで、同軸ケーブル7を用いずにマイクロストリップライン116によってスロット71に給電することが可能となる。
本実施の形態11に係るアンテナ装置110において、給電ビア115を通常のプリント基板プロセスで形成できるため、同軸ケーブルを用いる場合に比べて高精度に給電位置を制御することができる。なお、上記実施の形態11に係るアンテナ装置110は、上記実施の形態7に係るアンテナ装置70を基本の構成としているが、他の実施の形態を基本の構成としてもよい。
実施の形態12.
図26は、本発明の実施の形態12に係るアンテナ装置120の概略的な構成を示す平面図である。また、図27は、本実施の形態12に係るアンテナ装置120を裏側から見た平面図である。本実施の形態12に係るアンテナ装置120は、上記実施の形態9に係るアンテナ装置90を基本構成として、2つのスロット121a、121bの周囲に導体板3の導体部分が残る程度に誘電体基板2および導体板3を小さくして、アンテナ部品として用いることができるように構成された点を特徴とする。
例えば、図28に示すように、アンテナ装置120a、120bをノートPC(Personal Computer)210に備えられたLCD211の上部に固定して用いる構成を考えることができる。図28においては、MIMOを想定して2つのアンテナを、アンテナ間の相関係数が小さくなるように一定の距離を隔てて配置した場合を示している。アンテナ装置120a、120bは、それぞれに備えられた同軸ケーブル7によって、ノートPC210の無線回路8に接続され通信を行うことができる。
アンテナ装置120a、120b及びLCD211の固定には、導体板3とLCD211の金属部分とが電気的に接続されるように、導電性テープやねじ等を用いるのが好ましい。導体板3とLCD211の金属部分とが電気的に接続されることで、LCD211の金属部分にも電流が流れて放射に寄与するため、放射効率を向上させることができる。ただし、非導電性テープやその他の固定方法を用いた場合でも、本発明の本質的な効果に何ら影響を与えない。また、ノートPC210の筐体など、LCD211以外の部分に固定する構成であってもよい。
なお、本実施の形態12において、例えば、アンテナを1つだけ配置する構成や3つ以上配置する構成であってもよい。
また、ここで、ノートPC210を一例にして、本実施の形態12に係るアンテナ装置120の実装形態を示したが、無線回路を搭載した他の電子機器にも同様に実装することもできる。さらに、上記実施の形態12に係るアンテナ装置120は、上記実施の形態9に係るアンテナ装置90を基本の構成としているが、これに限らず上記他の実施の形態を基本の構成としてもよい。
【0042】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0043】
さらに、上記実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0044】
(付記1)
少なくとも1つの誘電体基板と、該誘電体基板に設けられた導体板と、該導体板に形成された少なくとも1つのスロットと、前記誘電体基板の前記スロットが形成される面と異なる面に、前記スロットを跨ぐようにして形成された少なくとも1つのスタブと、一端が前記導体板のスロット近傍に接続され、他端が前記スタブに接続された少なくとも1つのビアと、を備える、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記2)
(付記1)のアンテナ装置であって、前記スタブは、先端開放型であり、前記スタブの長さは、使用周波数に対応する波長の1/4より短い、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記3)
(付記1)のアンテナ装置であって、前記スタブは、その先端が前記導体板に短絡した先端短絡型であり、前記スタブの長さは、使用周波数に対応する波長の1/4より長く、かつ1/2より短い、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記4)
(付記1)乃至(付記3)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記スタブは、前記スロットを跨ぐようにして複数配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記5)
(付記1)乃至(付記4)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記スロットの一端が前記導体板の端辺で開放端を成し、他端が短絡端を成す、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記6)
(付記1)乃至(付記5)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記スタブは、前記スロットの開放端近傍に配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記7)
(付記1)乃至(付記6)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記スタブは、少なくとも、前記スロットの開放端から前記スロット長の略2/3、2/5、及び4/5の位置のうちいずれかに配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記8)
(付記1)乃至(付記7)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記導体板には、一端が開放端を成し他端が短絡端を成し、給電が行われる第1の前記スロットと、一端が開放端を成し他端が短絡端を成し、給電が行われない第2の前記スロットと、が形成され、前記第1のスロットの開放端と前記第2のスロットの開放端とが対向している、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記9)
(付記8)のアンテナ装置であって、前記スタブは、前記誘電体基板の他方の面に設けられ、前記第2のスロットを跨ぐように設けられている、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記10)
(付記1)乃至(付記4)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記スロットの両端が短絡端を成している、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記11)
(付記10)のアンテナ装置であって、前記スタブは、前記スロットの中央に配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記12)
(付記10)のアンテナ装置であって、前記スタブは、前記スロットの短絡端から前記スロット長の略1/4の位置に配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記13)
(付記1)乃至(付記12)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記スロットは、略L字状に形成されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記14)
(付記13)のアンテナ装置であって、前記略L字状に形成されたスロットの角部が、斜めに屈曲している、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記15)
(付記1)乃至(付記12)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記スロットは、略直線状に形成されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記16)
(付記1)乃至(付記15)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記導体板に形成された第1の前記スロットと、前記第1のスロットを跨ぐようにして形成された第1の前記スタブと、前記第1のスタブに接続された第1の前記ビアと、を有する第1のスロットアンテナと、前記導体板に形成された第2の前記スロットと、前記第2のスロットを跨ぐようにして形成された第2の前記スタブと、前記第2のスタブに接続された第2の前記ビアと、を有する第2のスロットアンテナと、を備える、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記17)
(付記16)のアンテナ装置であって、前記第1のスロットアンテナと前記第2のスロットアンテナとは、直交している、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記18)
(付記1)乃至(付記17)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記誘電体基板には、前記L字状のスロットに沿って、複数の開口孔が形成されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
(付記19)
(付記1)乃至(付記18)のうちいずれかのアンテナ装置であって、第1導体及び第2導体が前記スロットを跨ぐようにして該スロットの両側の前記導体板に夫々接続された給電ケーブルと、前記給電ケーブルを介して前記スロットに対して給電を行う無線回路と、を更に備えることを特徴とするアンテナ装置。
(付記20)
(付記1)乃至(付記18)のうちいずれかのアンテナ装置であって、前記誘電体基板の他方の面に設けられ、前記スロットを跨ぐように配置されたマイクロストリップラインと、一端が前記導体板のスロット近傍に接続され、他端が前記スタブに接続された給電ビアと、前記マイクロストリップライン及び給電ビアを介して、前記スロットに対して給電を行う無線回路と、を更に備えることを特徴とするアンテナ装置。
【符号の説明】
【0045】
2 誘電体基板
3 導体板
4 スロット
4a 開放端
5 スタブ
6 ビア
10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110 アンテナ装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの誘電体基板と、
該誘電体基板に設けられた導体板と、
該導体板に形成された少なくとも1つのスロットと、
前記誘電体基板の前記スロットが形成される面と異なる面に、前記スロットを跨ぐようにして形成された少なくとも1つのスタブと、
一端が前記導体板のスロット近傍に接続され、他端が前記スタブに接続された少なくとも1つのビアと、
を備える、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
請求項1記載のアンテナ装置であって、
前記スタブは、先端開放型であり、
前記スタブの長さは、使用周波数に対応する波長の1/4より短い、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項3】
請求項1記載のアンテナ装置であって、
前記スタブは、その先端が前記導体板に短絡した先端短絡型であり、
前記スタブの長さは、使用周波数に対応する波長の1/4より長く、かつ1/2より短い、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、
前記スタブは、前記スロットを跨ぐようにして複数配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、
前記スロットの一端が前記導体板の端辺で開放端を成し、他端が短絡端を成す、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、
前記スタブは、前記スロットの開放端近傍に配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、
前記スタブは、少なくとも、前記スロットの開放端から前記スロット長の略2/3、2/5、及び4/5の位置のうちいずれかに配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、
前記導体板には、一端が開放端を成し他端が短絡端を成し、給電が行われる第1の前記スロットと、一端が開放端を成し他端が短絡端を成し、給電が行われない第2の前記スロットと、が形成され、
前記第1のスロットの開放端と前記第2のスロットの開放端とが対向している、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項9】
請求項8記載のアンテナ装置であって、
前記スタブは、前記誘電体基板の他方の面に設けられ、前記第2のスロットを跨ぐように設けられている、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項10】
請求項1乃至4のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、
前記スロットの両端が短絡端を成している、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項11】
請求項10記載のアンテナ装置であって、前記スタブは、前記スロットの中央に配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項12】
請求項10記載のアンテナ装置であって、前記スタブは、前記スロットの短絡端から前記スロット長の略1/4の位置に配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、前記スロットは、略L字状に形成されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項14】
請求項13記載のアンテナ装置であって、前記略L字状に形成されたスロットの角部が、斜めに屈曲している、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項15】
請求項1乃至12のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、前記スロットは、略直線状に形成されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項16】
請求項1乃至15のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、前記導体板に形成された第1の前記スロットと、前記第1のスロットを跨ぐようにして形成された第1の前記スタブと、前記第1のスタブに接続された第1の前記ビアと、を有する第1のスロットアンテナと、前記導体板に形成された第2の前記スロットと、前記第2のスロットを跨ぐようにして形成された第2の前記スタブと、前記第2のスタブに接続された第2の前記ビアと、を有する第2のスロットアンテナと、を備える、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項17】
請求項16記載のアンテナ装置であって、前記第1のスロットアンテナと前記第2のスロットアンテナとは、直交している、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項18】
請求項1乃至17のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、前記誘電体基板には、前記L字状のスロットに沿って、複数の開口孔が形成されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項19】
請求項1乃至18のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、第1導体及び第2導体が前記スロットを跨ぐようにして該スロットの両側の前記導体板に夫々接続された給電ケーブルと、前記給電ケーブルを介して前記スロットに対して給電を行う無線回路と、を更に備えることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項20】
請求項1乃至18のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、前記誘電体基板の他方の面に設けられ、前記スロットを跨ぐように配置されたマイクロストリップラインと、一端が前記導体板のスロット近傍に接続され、他端が前記スタブに接続された給電ビアと、前記マイクロストリップライン及び給電ビアを介して、前記スロットに対して給電を行う無線回路と、を更に備えることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項1】
少なくとも1つの誘電体基板と、
該誘電体基板に設けられた導体板と、
該導体板に形成された少なくとも1つのスロットと、
前記誘電体基板の前記スロットが形成される面と異なる面に、前記スロットを跨ぐようにして形成された少なくとも1つのスタブと、
一端が前記導体板のスロット近傍に接続され、他端が前記スタブに接続された少なくとも1つのビアと、
を備える、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
請求項1記載のアンテナ装置であって、
前記スタブは、先端開放型であり、
前記スタブの長さは、使用周波数に対応する波長の1/4より短い、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項3】
請求項1記載のアンテナ装置であって、
前記スタブは、その先端が前記導体板に短絡した先端短絡型であり、
前記スタブの長さは、使用周波数に対応する波長の1/4より長く、かつ1/2より短い、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、
前記スタブは、前記スロットを跨ぐようにして複数配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、
前記スロットの一端が前記導体板の端辺で開放端を成し、他端が短絡端を成す、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、
前記スタブは、前記スロットの開放端近傍に配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、
前記スタブは、少なくとも、前記スロットの開放端から前記スロット長の略2/3、2/5、及び4/5の位置のうちいずれかに配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、
前記導体板には、一端が開放端を成し他端が短絡端を成し、給電が行われる第1の前記スロットと、一端が開放端を成し他端が短絡端を成し、給電が行われない第2の前記スロットと、が形成され、
前記第1のスロットの開放端と前記第2のスロットの開放端とが対向している、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項9】
請求項8記載のアンテナ装置であって、
前記スタブは、前記誘電体基板の他方の面に設けられ、前記第2のスロットを跨ぐように設けられている、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項10】
請求項1乃至4のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、
前記スロットの両端が短絡端を成している、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項11】
請求項10記載のアンテナ装置であって、前記スタブは、前記スロットの中央に配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項12】
請求項10記載のアンテナ装置であって、前記スタブは、前記スロットの短絡端から前記スロット長の略1/4の位置に配置されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、前記スロットは、略L字状に形成されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項14】
請求項13記載のアンテナ装置であって、前記略L字状に形成されたスロットの角部が、斜めに屈曲している、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項15】
請求項1乃至12のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、前記スロットは、略直線状に形成されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項16】
請求項1乃至15のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、前記導体板に形成された第1の前記スロットと、前記第1のスロットを跨ぐようにして形成された第1の前記スタブと、前記第1のスタブに接続された第1の前記ビアと、を有する第1のスロットアンテナと、前記導体板に形成された第2の前記スロットと、前記第2のスロットを跨ぐようにして形成された第2の前記スタブと、前記第2のスタブに接続された第2の前記ビアと、を有する第2のスロットアンテナと、を備える、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項17】
請求項16記載のアンテナ装置であって、前記第1のスロットアンテナと前記第2のスロットアンテナとは、直交している、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項18】
請求項1乃至17のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、前記誘電体基板には、前記L字状のスロットに沿って、複数の開口孔が形成されている、ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項19】
請求項1乃至18のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、第1導体及び第2導体が前記スロットを跨ぐようにして該スロットの両側の前記導体板に夫々接続された給電ケーブルと、前記給電ケーブルを介して前記スロットに対して給電を行う無線回路と、を更に備えることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項20】
請求項1乃至18のうちいずれか1項記載のアンテナ装置であって、前記誘電体基板の他方の面に設けられ、前記スロットを跨ぐように配置されたマイクロストリップラインと、一端が前記導体板のスロット近傍に接続され、他端が前記スタブに接続された給電ビアと、前記マイクロストリップライン及び給電ビアを介して、前記スロットに対して給電を行う無線回路と、を更に備えることを特徴とするアンテナ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2012−85262(P2012−85262A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132508(P2011−132508)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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