説明

アースコネクタ

【課題】本発明は、電線を車体から取り外す作業の効率を向上させたアースコネクタを提供する。
【解決手段】車両の車体に取り付けられるアースコネクタ10であって、電線11に接続された雌端子12が収容される端子収容部15を備えた合成樹脂製のハウジング13と、ハウジング13に取り付けられ、且つ、端子収容部15内に突出して雌端子12と電気的に接続する雄タブ25を有すると共にハウジング13から外部に導出されて車体に固定される接地部27を有する金属製の導電部材14と、を備え、端子収容部15内にはハウジング13と一体に形成された基部17を有し、基部17から突出して雌端子12と係合するランス16が形成されており、ハウジング13には、電線11が引っ張られる力によって破断可能な凹溝35が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アースコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載されるアースコネクタとして特許文献1に記載のものが知られている。このアースコネクタは、電線の端末に接続された雌端子を収容可能なキャビティが形成されたハウジングと、ハウジングに配されると共に雌端子と接続する雄タブを備えた導電部材と、を備える。
【0003】
キャビティ内にはランスが形成されており、このランスが雌端子と係合することにより雌端子はハウジングに係止されている。雌端子がキャビティ内に収容されると、雌端子の接続筒部内に雄タブが挿入されることにより、雌端子と雄タブとが電気的に接続されるようになっている。
【0004】
導電部材は、ハウジングの外部に導出されて車両の車体に固定されるアース接続部を有する。アース接続部には貫通孔が形成されており、この貫通孔内にボルトが挿通され、このボルトが車体に形成されたねじ孔に螺合されることにより、アースコネクタが車体に固定される。これにより、電線、雌端子、雄タブ、アース接続部、車体が電気的に接続され、接地される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−40263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、車体をリサイクルすることが求められている。このため、車両の解体作業において、車体を構成する金属以外の材料及び車体を構成する鉄系以外の材料(特に銅系材料)はできるだけ取り外すことが求められている。特に、合成樹脂からなる絶縁被覆を備えた電線を車体から取り外す必要性は高い。
【0007】
しかしながら、従来技術に係るアースコネクタでは、電線に接続された雌端子はランスによってアースコネクタのハウジングに固定されている。このため、電線を車体から取り外すためには、アースコネクタのアース接続部に螺合されたボルトを回転させて緩めることによりアースコネクタを車体から取り外さなければならず、作業効率が低下するという問題があった。
【0008】
なお、従来の車両搭載実績のあるアースジョイントコネクタでは、雄コネクタと雌コネクタとが嵌合することにより複数の電線が接地されるようになっている。このような構成においては、雄コネクタと雌コネクタとの嵌合部が離脱することによりアースジョイントコネクタが解体されるので、上記車体からの電線取り外し作業は比較的に容易になっている。しかし、従来技術に記載されたアースコネクタのように、雌コネクタ部分とジョイントコネクタ部分が一体の場合では、アースコネクタに接続される電線本数が多くなると、複数の電線に引っ張り力が分散されてしまうので、アースコネクタを解体することが困難になるという問題があった。
【0009】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、電線を車体から取り外す作業の効率を向上させたアースコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、車両の車体に取り付けられるアースコネクタであって、電線に接続された端子が収容される端子収容部を備えた合成樹脂製のハウジングと、前記ハウジングに取り付けられ、且つ、前記端子収容部内に突出して前記端子と電気的に接続する接続部を有すると共に前記ハウジングから外部に導出されて前記車体に固定される接地部を有する金属製の導電部材と、を備え、前記端子収容部内には前記ハウジングと一体に形成された基部を有し、前記基部から突出して前記端子と係合するランスが形成されており、前記ハウジングには、前記基部に対して前記電線と反対側の位置に、前記電線が引っ張られる力によって破断可能な易破断部が形成されている。
【0011】
本発明によれば、電線が引っ張られると、電線に接続された端子も引っ張られる。この端子はランスを介してハウジングと係合しているので、ランスと一体に形成されたハウジングも引っ張られる。すると、ハウジングは、易破断部において破断する。これにより、電線、電線に接続された端子、端子と係合したランス、及び、ランスの基部と一体に形成されたハウジングが、車体から離脱する。この結果、電線を引っ張るという単純な作業により車体から電線を取り外すことができるので、電線を車体から取り外す作業の効率を向上させることができる。
【0012】
本発明の実施態様としては以下の態様が好ましい。
前記易破断部は、前記ハウジングのうち、前記基部に対して前記電線と反対側の位置に形成されていることが好ましい。
【0013】
上記の態様によれば、破断部が破断することにより、電線、電線に接続された端子、端子と係合したランス、及び、ランスの基部と一体に形成されたハウジングのうち易破断部に対して電線側に位置する部分が、車体から離脱するようになっている。
【0014】
前記易破断部は前記ハウジングに形成された凹溝であることが好ましい。
【0015】
上記の態様によれば、ハウジングは凹溝に沿って破断する。これにより、ハウジングを確実に破断させることができる。
【0016】
前記凹溝は前記ハウジングの周方向の全周に亘って形成されていることが好ましい。
【0017】
上記の態様によれば、ハウジングは、その周方向の全周に亘って形成された凹溝に沿って破断するので、ハウジングを一層確実に破断させることができる。
【0018】
前記電線は複数であって、複数の前記電線にはそれぞれ前記端子が接続されており、前記導電部材には複数の前記接続部が形成されており、複数の前記端子同士が前記導電部材によって電気的に接続されることが好ましい。
【0019】
上記の態様によれば、アースコネクタを複数の端子を電気的に接続するジョイントコネクタに適用することができる。
【0020】
前記ハウジングには、前記端子収容部と連通する防水筒部が形成されており、前記防水筒部の内面と前記電線に外嵌された電線側ゴム栓の外面とが密着することにより、前記ハウジングと前記電線との間がシールされていることが好ましい。
【0021】
上記の態様によれば、アースコネクタを防水コネクタに適用できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、車体から電線を取り外す作業の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係るアースコネクタを示す断面図である。
【図2】図2はアースコネクタを示す平面図である。
【図3】図3は導電部材とハウジングとがインサート成形された状態を示す斜視図である。
【図4】図4は導電部材を示す斜視図である。
【図5】図5は導電部材とハウジングとがインサート成形された状態を示す断面図である。
【図6】図6はアースコネクタを示す側面図である。
【図7】図7はアースコネクタを示す斜視図である。
【図8】図8は図5におけるA−A線断面図である。
【図9】図9は易破断部で破断した状態のアースコネクタのうち電線側の部分を示す断面図である。
【図10】図10は易破断部で破断した状態のアースコネクタのうち車体側の部分を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<実施形態>
本発明の一実施形態を図1ないし図10を参照して説明する。本実施形態に係るアースコネクタ10は、図示しない車両の車体に取り付けられて、複数の電線11を接地する。アースコネクタ10は、複数の電線11の端部に接続された雌端子12(端子に相当)が収容されるハウジング13と、このハウジング13に取り付けられて雌端子12と接続される導電部材14と、を備える。以下の説明では、図1における左方を前方とし、右方を後方とし、また、上方を上方とし、下方を下方とする。また、図2における上下方向を幅方向とする。
【0025】
(端子収容部15)
図1に示すように、合成樹脂製のハウジング13は、複数の雌端子12を収容する端子収容部15を備える。端子収容部15内には、雌端子12が、上下方向に二段に並ぶと共に、幅方向に4つ並んで収容される。各端子収容部15の内壁には、端子収容部15の内壁から前方に向かってランス16が突出して形成されている。ランス16は、基部17においてハウジング13と一体に形成されている。ランス16の先端には、雌端子12と係止する係止爪18が突出して形成されている。上側に位置するランス16の係止爪18は上方に突出しており、下側に位置するランス16の係止爪18は下方に突出している。
【0026】
(雌端子12)
雌端子12は、電線11の端部に圧着される圧着部19と、この圧着部19から前方に延びる接続筒部20と、を備える。接続筒部20は筒状をなしている。接続筒部20の内部には弾性接触片21が形成されている。接続筒部20の壁部には、ランス16の係止爪18と係合する係止孔22が貫通して形成されている。この係止孔22の孔縁に係止爪18が後方から係止することにより、雌端子12が後方へ変位することが規制されるようになっている。
【0027】
端子収容部15の後方(図1における右方)には、防水筒部23が形成されている。防水筒部23は、円筒形状をなしている(図3参照)。防水筒部23は後方(図1における後方)に開口している。防水筒部23の内部には、電線11に外嵌された電線側ゴム栓24が収容されている。電線側ゴム栓24の外周と、防水筒部23の内壁とが密着することにより、電線11とハウジング13との間が液密にシールされる。
【0028】
(導電部材14)
ハウジング13の前端部寄りの位置には、金属板材を所定の形状にプレス加工してなる導電部材14が、ハウジング13にインサート成形されている。導電部材14の後端部は、雌端子12の接続筒部20内に進入して、弾性接触片21と弾性的に接触することにより雌端子12と電気的に接続される雄タブ25(接続部に相当)とされている。
【0029】
図4に示すように、複数の雄タブ25が、略C字状をなす連結部26に、間隔を空けて並んで形成されている。本実施形態においては、連結部26の上段部分に、幅方向に並んで4つ形成されると共に、連結部26の下段部分に、幅方向に並んで4つ形成されている。合計8つの雄タブ25は、連結部26において電気的に接続されている。
【0030】
連結部26の下段部分には、下方へ延びる接地部27が形成されている。接地部27は、ハウジング13から下方に導出された後に略直角に前方(図5における左方)に曲げ加工されている。接地部27には上下方向に貫通する貫通孔28が形成されている。この貫通孔28内に、図示しないボルトが挿通されて、車体に形成されたねじ孔(図示せず)に螺合されることにより、接地部27が車体に固定される。
【0031】
(ゴム栓30)
図5に示すように、ハウジング13には、端子収容部15の前方(図5における左方)に、ゴム栓収容部29が形成されている。ゴム栓収容部29は前方に開口している。ゴム栓収容部29の内部には、ゴム栓30が収容されるようになっている。
【0032】
ゴム栓30は、ハウジング13の上壁のうち、前端部寄りの位置にヒンジ31を介して形成されたキャップ32に取り付けられている。キャップ32はヒンジ31を介して回動可能になっている。
【0033】
図6に示すように、キャップ32の側壁に形成されたロック部33と、ハウジング13の側壁に形成されたロック受け部34とが弾性的に係合することにより、キャップ32とハウジング13とがロックされるようになっている。
【0034】
図1に示すように、キャップ32とハウジング13とがロックされた状態で、キャップ32に取り付けられたゴム栓30は、ハウジング13のゴム栓収容部29内に収容されるようになっている。ゴム栓収容部29の内壁と、ゴム栓30の外面とが密着することにより、キャップ32とハウジング13とが液密にシールされる。
【0035】
(易破断部)
図3及び図7に示すように、ハウジング13の外壁には、ハウジング13の周方向に沿って、1つの凹溝35(易破断部に相当)が形成されている。図2及び図6に示すように、この凹溝35は、ハウジング13の周方向の全周に亘って形成されている。
【0036】
図5に示すように、凹溝35の断面形状は四角形状をなしており、角溝とされる。ハウジング13の上壁及び下壁における凹溝35の深さ寸法は、端子収容部15に対応する領域における上壁の厚さ寸法の、略三分の二の深さにまで設定されている。また、図8に示すように、ハウジング13の側壁における凹溝35の深さ寸法は、端子収容部15に対応する領域における側壁の厚さ寸法の、略四分の三にまで設定されている。
【0037】
上記のように、凹溝35が形成された部分におけるハウジング13の外壁は、他の部分よりも薄く形成されている。これにより、ハウジング13のうち凹溝35が形成された部分は、他の部分よりも強度的に弱くなっている。
【0038】
図1、図5及び図8に示すように、凹溝35は、ランス16の基部17に対して、電線11と反対側の位置に形成されている。本実施形態においては、ランス16の基部17の後方に電線11が配されており、ランス16の基部17の前方に凹溝35が形成されている。
【0039】
(本実施形態の作用、効果)
続いて、本実施形態の作用、効果について説明する。電線11の端部に接続された雌端子12を、ハウジング13の後方に開口する防水筒部23から端子収容部15内に収容する。すると、ランス16が雌端子12の接続筒部20と当接して弾性変形する。雌端子12を更に前方に押し込むと、ランス16が復帰変形し、ランス16の係止爪18が接続筒部20の係止孔22の孔縁に後方から係止する。これにより雌端子12の後方への抜け止めが図られる。
【0040】
雌端子12がランス16に係止されて正規位置に保持された状態で、ハウジング13にインサート成形された雄タブ25は、雌端子12の弾性接触片21と弾性的に接触することにより、雌端子12と電気的に接続される。
【0041】
全ての雌端子12をハウジング13に取り付けた後、ゴム栓収容部29から、目視により、又は治具を用いて、ランスが初期位置に復帰することを確認する。これにより、雌端子12が正規位置に挿入されていることを確認する。その後、ゴム栓30が取り付けられたキャップ32をハウジング13に組み付ける。これにより、ゴム栓収容部29が液密にシールされる。続いて、接地部27の貫通孔28内にボルトを貫通させ、車体に固定する。これにより、電線11、雌端子12、雄タブ25、連結部26、及び接地部27が、車体に接地される。
【0042】
電線11を車体から取り外際には、例えばクレーンに取り付けられたフックを電線11に引っ掛けて、電線11を引っ張る。すると、ハウジング13の後方から導出された電線11は、後方へ引っ張られる。
【0043】
上記したように、電線11の端部に接続された雌端子12は、ハウジング13のランス16によって、後方へ抜け止めされている。このため、電線11が後方に引っ張られると、雌端子12、及びランス16を介して、ハウジング13が後方へ引っ張られる。
【0044】
ハウジング13と導電部材14とは強固にインサート成形されているので、ハウジング13と導電部材14とは離脱しにくくなっている。このため、ハウジング13を後方へ引っ張る力は、ハウジング13から導電部材14の接地部27へと伝達される。この接地部27はボルトにより車体に強固に固定されているので、接地部27と車体とは離脱しにくくなっている。
【0045】
本実施形態においては、ハウジング13に、比較的に強度が小さな易破断部が形成されている。このため、易破断部において、ハウジング13が破断する。この易破断部は、ランス16の基部17に対して電線11と反対側の位置に形成されている。このため、易破断部においてハウジング13が破断すると、ハウジング13のうち易破断部に対して電線11側の部分が、電線11と共に後方に離脱する。
【0046】
詳細に説明すると、図9に示すように、電線11と、電線11の端部に接続された雌端子12と、雌端子12の係止孔22の孔縁に係止したランス16と、このランス16と基部17を介して一体に形成されたハウジング13のうち易破断部に対して電線11側の部分と、が後方に離脱する。これにより、車体から電線11を取り外すことができる。
【0047】
一方、図10に示すように、車体には、ハウジング13のうち易破断部に対して電線11と反対側の部分と、ハウジング13にインサート成形された導電部材14と、が残留する。
【0048】
このように、電線11を引っ張るという単純な作業により、車体から電線11を取り外すことができるので、電線11を車体から取り外す作業の効率を向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、易破断部はハウジング13に形成された凹溝35であり、この凹溝35は、ハウジング13の周方向の全周に亘って形成されている。これにより、ハウジング13は、その周方向の全周に亘って形成された凹溝35に沿って破断するので、ハウジング13を確実に破断させることができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、複数の電線11にはそれぞれ端子が接続されており、導電部材14には複数の接続部が形成されており、複数の端子同士が導電部材14によって電気的に接続される。このように本実施形態によれば、アースコネクタ10を、複数の端子を電気的に接続するジョイントコネクタに適用することができる。
【0051】
また、本実施形態によれば、ハウジング13には、端子収容部15と連通する防水筒部23が形成されており、防水筒部23の内面と電線11に外嵌された電線側ゴム栓24の外面とが密着することにより、ハウジング13と電線11との間がシールされている。このように本実施形態係るアースコネクタ10を防水コネクタに適用することができる。
【0052】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本実施形態においては、8つの電線11に接続された雌端子12を接地する構成としたが、これに限られず、1つの電線11の端部に接続された1つの端子が接地される構成としてもよい。また、2つ〜7つ、又は9つ以上の電線11に接続された雌端子12を接地する構成としてもよい。
【0053】
(2)本実施形態におけるアースコネクタ10は防水構造を有していたが、これに限られず、アースコネクタ10は防水構造を有しなくてもよい。
【0054】
(3)本実施形態においては、ハウジング13には1つの凹溝35が形成される構成としたが、これに限られず、複数の凹溝35が設けられてもよい。
【0055】
(4)凹溝35の断面形状は、V溝、U溝、半円溝等、任意の形状を適宜選択しうる。V溝の場合、凹溝35の底部に形成された稜部において応力が集中するので、破断が脆性的に進行しやすい。このため、比較的に小さな力でハウジング13を破断させることができる。一方、U溝又は半円溝の場合には、凹溝35の底部において応力が集中しにくいので、破断が延性的に進行しやすい。このため、比較的に大きな力でハウジング13と破断させることができる。このように、凹溝35の断面形状を適宜選択することにより、ハウジング13の破断強度を調節することができる。
【0056】
(5)本実施形態においては、ハウジング13の上壁及び下壁における凹溝35の深さ寸法と、ハウジング13の側壁における凹溝35の深さ寸法とが異なる構成としたが、これに限られず、凹溝35の深さ寸法は一定であってもよい。また、例えば、ハウジング13の稜部近傍においては凹溝35を浅く形成してもよく、また、凹溝35の底部のうち電線11側の深さを深く形成する等、必要に応じて任意の形状としうる。
【0057】
(6)本実施形態においては、凹溝35はハウジング13の周方向の全周に亘って形成される構成としたが、これに限られず、例えば、ハウジング13の稜部のみに形成される構成としてよい。また、複数の凹溝35がハウジング13の周方向について離散的に形成される構成としてもよい。
【0058】
(7)電線11に雄端子を接続し、導電部材14に雌端子12を設ける構成としてもよい。
【0059】
(8)本実施形態においては、易破断部を凹溝35としたが、これに限られず、易破断部は有底孔であってもよい。例えば、複数の有底孔が、ハウジング13の周方向に沿って間隔を空けて並んで形成される構成としてもよい。
【0060】
(9)本実施形態においては、ランス16は前方に向かって延びる形態であったが、これに限られず、ランス16は後方へ延びる形態であってもよい。
【0061】
(10)凹溝35は、曲線形状であってもよい。また、ハウジング13の周方向に対して傾斜した角度を有して形成される構成としてもよい。
【0062】
(11)本実施形態においては、易破断部は、ハウジング13のうち、ランス16の基部17に対して電線11と反対側の位置に形成されている構成としたが、これに限られず、基部17が形成された部分と同一の面上に形成されていてもよく、また、電線11側に形成されていてもよく、易破断部は必要に応じて任意の位置に形成することができる。
【符号の説明】
【0063】
10…アースコネクタ
11…電線
12…雌端子(端子)
13…ハウジング
14…導電部材
15…端子収容部
16…ランス
17…基部
23…防水筒部
24…電線側ゴム栓
25…雄タブ(接続部)
27…接地部
35…凹溝(易破断部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車体に取り付けられるアースコネクタであって、
電線に接続された端子が収容される端子収容部を備えた合成樹脂製のハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられ、且つ、前記端子収容部内に突出して前記端子と電気的に接続する接続部を有すると共に前記ハウジングから外部に導出されて前記車体に固定される接地部を有する金属製の導電部材と、を備え、
前記端子収容部内には前記ハウジングと一体に形成された基部を有し、前記基部から突出して前記端子と係合するランスが形成されており、
前記ハウジングには、前記電線が引っ張られる力によって破断可能な易破断部が形成されているアースコネクタ。
【請求項2】
前記易破断部は、前記ハウジングのうち、前記基部に対して前記電線と反対側の位置に形成されている請求項1に記載のアースコネクタ。
【請求項3】
前記易破断部は前記ハウジングに形成された凹溝である請求項1または請求項2に記載のアースコネクタ。
【請求項4】
前記凹溝は前記ハウジングの周方向の全周に亘って形成されている請求項3に記載のアースコネクタ。
【請求項5】
前記電線は複数であって、複数の前記電線にはそれぞれ前記端子が接続されており、前記導電部材には複数の前記接続部が形成されており、複数の前記端子同士が前記導電部材によって電気的に接続される請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のアースコネクタ。
【請求項6】
前記ハウジングには、前記端子収容部と連通する防水筒部が形成されており、前記防水筒部の内面と前記電線に外嵌された電線側ゴム栓の外面とが密着することにより、前記ハウジングと前記電線との間がシールされている請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のアースコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−65501(P2013−65501A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204324(P2011−204324)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)