説明

インクジェットプリンタおよび画像記録方法

【課題】インクジェットプリンタにおいて、記録される画像の質を向上する。
【解決手段】インクジェットプリンタでは、予めKの色の吐出部が大ドットの形成、中ドットの形成および非吐出の3値の出力を行う吐出部として選択される(ステップS12)。画像記録中において(ステップS13〜S15)、Kの色に関して3値の出力が行われ、CMYの色に関しては、大ドットの形成、中ドットの形成、小ドット形成および非吐出の4値の出力が行われる。これにより、4値の出力の際にKの色のドットの質が低下する場合であっても、Kの色に関して質の高いドットを形成することができ、線画や文字画像等の場合に記録される画像の質を向上することができる。CMYに関して4値の出力を行うことにより、カラーの絵柄の場合における画像の質も向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物上に画像を記録するインクジェットプリンタ、および、インクジェットプリンタにおいて実行される画像記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の吐出口を有するヘッド部を対象物に対して相対的に移動しつつ、各吐出口からのインクの微小な液滴の吐出を制御することにより画像を記録するインクジェットプリンタが従来より用いられている。インクジェットプリンタでは、例えばヘッド部の吐出口近傍に設けられる圧電素子に吐出パルスを入力することにより、液滴が吐出される。特許文献1では、一印刷周期毎に出力される駆動信号を、第1パルス、第2パルス、第3パルスおよび第4パルスの4つの駆動パルスから構成し、いずれか1つの駆動パルス、または、複数の駆動パルスを適宜選択することにより、記録紙上の記録ドット径を可変に制御して多階調印刷を行う手法が開示されている。
【0003】
なお、特許文献2では、ノズルからチャネル内のインクを吐出させない程度にノズル内のメニスカスを微振動させる微振動信号を、画像データの有無に係わらず、全チャネルに対して連続して印加するとともに、画像データに応じて、該微振動信号と組み合わせてインク吐出信号を生成することにより、常に高品位な画像を信頼性高く記録する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−81012号公報
【特許文献2】特開2005−212411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、画像を高速に記録することが求められており、駆動信号をヘッド部に入力する周期が短くなっている。これに伴い、駆動信号において液滴を吐出させる吐出パルスの波形にも制限が生じており、一の吐出パルスのみにて所望のサイズのドットを形成することが困難となる場合がある。複数の吐出パルスの組合せにより、所望のサイズのドットを形成することも行われているが、各サイズのドットを複数の吐出パルスにより形成すると、駆動信号に含まれる吐出パルスの数が多くなって駆動信号が長くなってしまい、画像記録の高速化に対応できなくなる。その結果、画像の質が低下する。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、記録される画像の質を向上することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、インクジェットプリンタであって、吐出口からインクの液滴を対象物に向けて吐出することにより、ドットを前記対象物上に形成する記録部と、所定の走査方向へと前記対象物を前記記録部に対して相対的に移動する走査機構と、前記対象物の前記記録部に対する相対移動に並行して、液滴の吐出動作を指示する信号を前記記録部に順次与える制御部とを備え、前記記録部が、第1の色のインクを吐出し、m種類以上のサイズ(ただし、mは2以上の整数)のドットを形成することができる第1吐出部と、前記第1の色とは異なる第2の色のインクを吐出し、前記m種類以上のサイズのドットを形成することができる第2吐出部とを備え、前記第1吐出部がm種類のサイズにてドットを形成し、前記第2吐出部が、前記m種類のサイズに含まれるn種類のサイズ(ただし、nはmよりも小さい1以上の整数)にてドットを形成し、前記n種類に含まれる少なくとも1つのサイズのドットを前記第1吐出部により形成する際に用いられる駆動信号と、前記少なくとも1つのサイズのドットを前記第2吐出部により形成する際に用いられる駆動信号とが異なる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタであって、第1基本波形に含まれる複数の波形要素の一部が選択されることにより、前記第1吐出部からの液滴の吐出に用いられる駆動信号が生成され、前記第1基本波形とは異なる第2基本波形に含まれる複数の波形要素の一部が選択されることにより、前記第2吐出部からの液滴の吐出に用いられる駆動信号が生成される。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェットプリンタであって、前記n種類のサイズに含まれる一のサイズの液滴を吐出する際に前記第1基本波形から選択される少なくとも1つの波形要素と、前記n種類のサイズに含まれる他の一のサイズの液滴を吐出する際に前記第1基本波形から選択される少なくとも1つの波形要素とが、部分的に共通しており、前記一のサイズの液滴を吐出する際に前記第2基本波形から選択される少なくとも1つの波形要素と、前記他の一のサイズの液滴を吐出する際に前記第2基本波形から選択される少なくとも1つの波形要素とが、共通の波形要素を含まない。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のインクジェットプリンタであって、前記第1基本波形および前記第2基本波形のぞれぞれが、並行する2つの波形要素列にて構成され、前記2つの波形要素列のうち一方の波形要素列が、第1吐出パルスを含み、他方の波形要素列が、第2吐出パルスおよび第3吐出パルスを順に含み、前記第1吐出部から大ドット用の液滴が吐出される際に、前記第2吐出パルスおよび前記第1吐出パルスを含み、前記第3吐出パルスを含まない駆動信号が生成され、前記第1吐出部から中ドット用の液滴が吐出される際に、前記第1吐出パルスおよび前記第2吐出パルスの一方の吐出パルスを含み、他方の吐出パルスおよび前記第3吐出パルスを含まない駆動信号が生成され、前記第1吐出部から小ドット用の液滴が吐出される際に、前記第3吐出パルスを含み、前記第1吐出パルスおよび前記第2吐出パルスを含まない駆動振動が生成され、前記第2吐出部から大ドット用の液滴が吐出される際に、前記第2吐出パルスおよび前記第1吐出パルスを含み、前記第3吐出パルスを含まない駆動信号が生成され、前記第2吐出部から中ドット用の液滴が吐出される際に、前記第3吐出パルスを含み、前記第1吐出パルスおよび前記第2吐出パルスを含まない駆動信号が生成される。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のインクジェットプリンタであって、前記第2基本波形において、前記一方の波形要素列が、前記第1吐出パルスの前に微振動パルスを含み、前記第2吐出部から中ドット用の液滴が吐出される際に、前記微振動パルスおよび前記第3吐出パルスを含む駆動信号が生成される。
【0012】
請求項6に記載の発明は、インクジェットプリンタであって、吐出口からインクの液滴を対象物に向けて吐出することにより、ドットを前記対象物上に形成する記録部と、所定の走査方向へと前記対象物を前記記録部に対して相対的に移動する走査機構と、前記対象物の前記記録部に対する相対移動に並行して、液滴の吐出動作を指示する信号を前記記録部に順次与える制御部とを備え、前記記録部が、第1の色のインクを吐出し、m種類以上のサイズ(ただし、mは2以上の整数)のドットを形成することができる第1吐出部と、前記第1の色とは異なる第2の色のインクを吐出し、前記m種類以上のサイズのドットを形成することができる第2吐出部とを備え、前記第1吐出部がm種類のサイズにてドットを形成し、前記第2吐出部が、前記m種類のサイズに含まれるn種類のサイズ(ただし、nはmよりも小さい1以上の整数)にてドットを形成し、前記第1吐出部から液滴を吐出しない時に用いられる微振動パルスを含む駆動信号と、前記第2吐出部から液滴を吐出しない時に用いられる微振動パルスを含む駆動信号とが異なる。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のインクジェットプリンタであって、前記n種類のサイズのそれぞれのドットを形成する際に、前記第1吐出部および前記第2吐出部に用いられる駆動信号が同一である。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、前記記録部が、前記第1吐出部および前記第2吐出部を含む複数の吐出部を備え、前記複数の吐出部が、互いに異なる色のインクを吐出し、前記複数の吐出部のそれぞれが、前記m種類以上のサイズのドットを形成することができ、前記制御部が、前記複数の吐出部から前記n種類のサイズにてドットを形成する吐出部を選択する選択部を備える。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のインクジェットプリンタであって、使用されるインクの種類の入力を受け付ける入力部をさらに備え、前記選択部が、入力されたインクの種類に応じて前記n種類のサイズにてドットを形成する吐出部を選択する。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、nが2以上である。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のインクジェットプリンタであって、mが3、nが2である。
【0018】
請求項12に記載の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、前記第1吐出部および前記第2出部のそれぞれが複数の吐出口を有し、前記複数の吐出口が、前記走査方向に垂直な方向に関して対象物上の記録領域の幅全体に亘って並ぶ。
【0019】
請求項13に記載の発明は、インクジェットプリンタにおいて実行される画像記録方法であって、前記インクジェットプリンタが、吐出口からインクの液滴を対象物に向けて吐出することにより、ドットを前記対象物上に形成する記録部を備え、前記画像記録方法が、a)所定の走査方向へと前記対象物を前記記録部に対して相対的に移動する工程と、b)前記対象物の前記記録部に対する相対移動に並行して、液滴の吐出動作を指示する信号を前記記録部に順次入力する工程とを備え、前記記録部が、第1の色のインクを吐出し、m種類以上のサイズ(ただし、mは2以上の整数)のドットを形成することができる第1吐出部と、前記第1の色とは異なる第2の色のインクを吐出し、前記m種類以上のサイズのドットを形成することができる第2吐出部とを備え、前記b)工程において、前記第1吐出部がm種類のサイズにてドットを形成し、前記第2吐出部が、前記m種類のサイズに含まれるn種類のサイズ(ただし、nはmよりも小さい1以上の整数)にてドットを形成し、前記n種類に含まれる少なくとも1つのサイズのドットを前記第1吐出部により形成する際に用いられる駆動信号と、前記少なくとも1つのサイズのドットを前記第2吐出部により形成する際に用いられる駆動信号とが異なる。
【0020】
請求項14に記載の発明は、インクジェットプリンタにおいて実行される画像記録方法であって、前記インクジェットプリンタが、吐出口からインクの液滴を対象物に向けて吐出することにより、ドットを前記対象物上に形成する記録部を備え、前記画像記録方法が、a)所定の走査方向へと前記対象物を前記記録部に対して相対的に移動する工程と、b)前記対象物の前記記録部に対する相対移動に並行して、液滴の吐出動作を指示する信号を前記記録部に順次入力する工程とを備え、前記記録部が、第1の色のインクを吐出し、m種類以上のサイズ(ただし、mは2以上の整数)のドットを形成することができる第1吐出部と、前記第1の色とは異なる第2の色のインクを吐出し、前記m種類以上のサイズのドットを形成することができる第2吐出部とを備え、前記b)工程において、前記第1吐出部がm種類のサイズにてドットを形成し、前記第2吐出部が、前記m種類のサイズに含まれるn種類のサイズ(ただし、nはmよりも小さい1以上の整数)にてドットを形成し、前記第1吐出部から液滴を吐出しない時に用いられる微振動パルスを含む駆動信号と、前記第2吐出部から液滴を吐出しない時に用いられる微振動パルスを含む駆動信号とが異なる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、少なくとも1つの色においてドットのサイズの数を他の色と異なるものとすることにより、記録される画像の質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】インクジェットプリンタの構成を示す図である。
【図2】ヘッド部の底面図である。
【図3】インクジェットプリンタの機能構成を示すブロック図である。
【図4】第1基本波形を示す図である。
【図5】大ドット用の駆動信号を示す図である。
【図6】中ドット用の駆動信号を示す図である。
【図7】小ドット用の駆動信号を示す図である。
【図8】非吐出時の駆動信号を示す図である。
【図9】第2基本波形を示す図である。
【図10】中ドット用の駆動信号を示す図である。
【図11】画像を記録する動作の流れを示す図である。
【図12】中ドット用の他の駆動信号を示す図である。
【図13】第2基本波形の他の例を示す図である。
【図14】第1基本波形の他の例を示す図である。
【図15】第2基本波形の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は本発明の一の実施の形態に係るインクジェットプリンタ1の構成を示す図である。インクジェットプリンタ1は、本体10および本体10に接続されるコンピュータ5を備える。本体10は、インクの微小な液滴を記録用紙9に向けて吐出する記録部2、記録部2の下方((−Z)側)にて図1中の(−Y)方向へと記録用紙9を移動する紙送り機構3、並びに、記録部2および紙送り機構3に接続される制御部4を備える。
【0024】
紙送り機構3は、図示省略のモータに接続された2つのベルトローラ31、および、2つのベルトローラ31に掛けられたベルト32を有する。連続紙である記録用紙9の各部位は(+Y)側のベルトローラ31の上方に設けられたローラ33を介してベルト32上へと導かれて保持され、ベルト32と共に記録部2の下方を通過して(−Y)側へと移動する。また、紙送り機構3のベルトローラ31にはエンコーダ34(図3参照)が設けられる。以下の説明では、記録部2の記録用紙9に対する相対的な移動方向(Y方向)を走査方向という。なお、紙送り機構3では、環状のベルト32の内側において記録部2に対向する位置に吸引部を設け、ベルト32に微小な吸引孔を形成することにより、ベルト32上において記録用紙9が吸引吸着により保持されてもよい。
【0025】
記録部2には、複数(本実施の形態では4個)のヘッド部23を有するヘッドユニット21が設けられる。複数のヘッド部23はそれぞれC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の色のインクを吐出し、Y方向に配列される。本実施の形態では、1つのヘッド部23から1つの色のインクが吐出されるが、各色を吐出する単位は、ヘッド部23と一致する必要はない。すなわち、1つのヘッド部から複数の色のインクが吐出されてもよい。複数のヘッド部から1つの色のインクが吐出されてもよい。以下、1つの色を吐出する機構を「吐出部」と呼び、本実施の形態では、ヘッド部23が吐出部と一致するため、吐出部に符号23を付す。
【0026】
図2は1つの吐出部23の一部を示す底面図であり、図2では記録用紙9の記録部2に対する走査方向(すなわち、Y方向)を縦向きに図示している。各吐出部23の底面には、走査方向に垂直かつ記録用紙9に沿う方向(図1中のX方向であり、記録用紙9の幅に対応する方向であるため、以下、「幅方向」ともいう。)に複数の吐出口241が一定のピッチにて配列形成される。なお、幅方向に一定のピッチであれば、吐出口241は直線状に配列される必要はない。
【0027】
吐出部23には各吐出口241に対して圧電素子232(図3参照)が設けられており、圧電素子232を駆動することにより吐出口241からインクの液滴が記録用紙9に向けて吐出される。実際には、圧電素子232の駆動を制御することにより、異なる量の液滴を吐出口241から吐出することが可能となっており、記録用紙9上に小さいサイズのドット、中間的なサイズのドット、および、大きなサイズのドット(以下、それぞれ「小ドット」、「中ドット」および「大ドット」という。)が形成可能である。複数の吐出口241は幅方向に関して記録用紙9上の記録領域の幅全体に亘って並んでおり、インクジェットプリンタ1では、記録用紙9が記録部2の下方を一回通過するのみで(いわゆる、ワンパスにて)画像記録が短時間にて完了する。
【0028】
また、図1の記録部2は、ヘッドユニット21を幅方向に移動するヘッド移動機構22を備える。ヘッド移動機構22には幅方向に細長い環状のタイミングベルト222が設けられ、モータ221がタイミングベルト222を回転することにより、ヘッドユニット21が幅方向に滑らかに移動する。インクジェットプリンタ1における非記録時には、ヘッド移動機構22はヘッドユニット21を所定の退避位置へと配置し、退避位置において各吐出部23の複数の吐出口241が蓋部材にて閉塞され、吐出口241近傍のインクが乾燥して吐出口241が詰まることが防止される。
【0029】
図3はインクジェットプリンタ1の機能構成を示すブロック図である。制御部4は、ヘッド移動機構22および紙送り機構3の駆動制御を行う駆動機構制御部41、紙送り機構3のエンコーダ34からのエンコーダ信号が入力されるとともに吐出部23の吐出口241からの液滴の吐出のタイミングを制御するタイミング制御部42、インターフェイス(I/F)を介してコンピュータ5から入力される記録対象の元画像データから吐出部23用の描画データを生成する画像データ処理部43、吐出部23に接続されるとともに描画データに基づいて吐出部23の制御を行うヘッド制御部44、並びに、制御部4の全体制御を担う全体制御部45を備える。なお、図3では図示の便宜上1つの吐出部23のみを示しているが、実際には、ヘッド制御部44から複数の吐出部23に信号が入力される。吐出部23は記録部2の一部であることから、吐出部23の構造、吐出部23の動作および吐出部23への信号入力は、記録部2の構造、記録部2の動作および記録部2への信号入力でもある。
【0030】
吐出部23では、複数の吐出口241のそれぞれの圧電素子232に対して駆動回路231が設けられており、液滴の吐出動作を指示する信号が、ヘッド制御部44から各駆動回路231に順次入力される。なお、図3では、1つの駆動回路231および圧電素子232のみを図示している。
【0031】
インクジェットプリンタ1では、CMYのそれぞれの色を吐出する吐出部23(以下、「第1吐出部23a」という。)は、記録用紙9上に、大ドット、中ドットおよび小ドットを形成する。すなわち、第1吐出部23aには、大ドットの形成、中ドットの形成、小ドットの形成、および、ドットの非形成を指示する4値の出力を指示する指示値(4つのドット階調値)がヘッド制御部44から入力される。4値の指示値は、3種類のサイズのドットを形成する指示値でもある。一方、Kの色を吐出する吐出部23(以下、「第2吐出部23b」という。)は、記録用紙9上に、大ドットおよび中ドットを形成する。すなわち、第2吐出部23bには、大ドットの形成、中ドットの形成、および、ドットの非形成を指示する3値の出力を指示する指示値(3つのドット階調値)がヘッド制御部44から入力される。3値の指示値は、2種類のサイズのドットを形成する指示値でもある。
【0032】
ヘッド制御部44は選択部441を備え、選択部441は入力部442に接続される。選択部441は、複数の吐出部23から3値の出力を行う吐出部23を選択する。入力部442は、使用者からの選択部441への指示を受け付ける。入力部442は、コンピュータ5の一部であってもよい。
【0033】
図4は、ヘッド制御部44にて生成される第1基本波形7aを示す図である。第1基本波形7aは、上述の4値の出力に利用される。図4の上段および下段のそれぞれにおいて、縦軸は電圧を示し、横軸は時間を示す。第1基本波形7aは2つの波形要素列71,72から構成され、図4の上段の波形要素列71および下段の波形要素列72が並行して生成される。上段の波形要素列71は2つのパルス711,712から構成され、これらのパルスの期間に符号811,812を付している。下段の波形要素列72は2つのパルス721,722から構成され、これらのパルスの期間に符号821,822を付している。期間812の開始時刻と期間822の開始時刻とは一致する。パルスの開始位置および終了位置での電圧は、一定の基準電圧である。
【0034】
各パルスは圧電素子232に一連の動作の少なくとも一部を行わせるものである。上段のパルス712および下段のパルス721,722は、液滴の吐出動作に用いられ、単独で吐出口241から液滴を吐出することができる程度の大きさを有する。以下、これらのパルスを「第1吐出パルス713」、「第2吐出パルス721」、「第3吐出パルス722」と呼ぶ。上段のパルス711は、原則として単独では液滴を吐出することができない程度の微小なパルスであり、以下、「微振動パルス711」と呼ぶ。微振動パルスは、吐出パルスよりも基準電圧との差の最大値が小さい。
【0035】
ヘッド制御部44は基本波形7aおよびパルスを選択する制御信号を駆動回路231に繰り返し与え、駆動回路231にてパルスを選択することにより、対応する圧電素子232に駆動信号が繰り返し与えられる。このように、基本波形7aの長さは駆動回路231の駆動周期に相当する。具体的には、ヘッド制御部44から駆動回路231に波形要素列71,72が繰り返し与えられ、並行して、選択するパルスに対して「1」、非選択のパルスに対して「0」を付与する制御信号も駆動回路231に与えられる。駆動回路231では、2つの波形要素列71,72から「1」に対応するパルスを抽出して合成し、駆動信号を生成する。
【0036】
例えば、大ドット用の液滴(複数の液滴の集合であってもよい。)を吐出する駆動回路231には、2つの波形要素列71,72が入力されるとともに、図4の下段の波形要素列72に対して期間821の間だけ「1」を示す制御信号が入力される。これにより、波形要素列72から第2吐出パルス721が抽出される。上段の波形要素列71に対しては、期間812の間だけ「1」を示す制御信号が入力され、波形要素列71から第1吐出パルス712が抽出される。その結果、駆動回路231では、図5に示すように、第2吐出パルス721および第1吐出パルス712を順に有する駆動信号が生成され、この駆動信号が対応する圧電素子232に入力される。
【0037】
吐出口241では、第2吐出パルス721に対応する液滴の吐出動作が先行して行われ、続いて、第1吐出パルス712に対応する液滴の吐出動作が行われ、記録用紙9上に大ドットが形成される。なお、第2吐出パルス721に対応する液滴の個数および第1吐出パルス712に対応する液滴の個数は、それぞれ1つとは限らない。
【0038】
中ドット用の液滴を吐出する駆動回路231には、2つの波形要素列71,72が入力されるとともに、図4の上段の波形要素列71に対して期間812の間だけ「1」を示す制御信号が入力され、下段の波形要素列72に対しては、いずれの期間も「0」を示す制御信号が入力される。これにより、図6に示すように、波形要素列71から第1吐出パルス712が抽出された駆動信号が生成される。期間812以外の期間は、基準電圧が維持される。吐出口241では、第1吐出パルス712に対応する液滴の吐出動作が行われ、記録用紙9上に中ドットが形成される。
【0039】
小ドット用の液滴を吐出する駆動回路231には、2つの波形要素列71,72が入力されるとともに、図4の上段の波形要素列71に対していずれの期間も「0」を示す制御信号が入力され、下段の波形要素列72に対しては、期間822の間だけ「1」を示す制御信号が入力される。これにより、図7に示すように、波形要素列72から第3吐出パルス722が抽出された駆動信号が生成される。期間822以外の期間は、基準電圧が維持される。吐出口241では、第3吐出パルス722に対応する液滴の吐出動作が行われ、記録用紙9上に小ドットが形成される。
【0040】
第1基本波形7aの1周期の間に液滴の吐出を行わない駆動回路231には、2つの波形要素列71,72が入力されるとともに、図4の上段の波形要素列71に対して期間811の間だけ「1」を示す制御信号が入力され、下段の波形要素列72に対しては、いずれの期間も「0」を示す制御信号が入力される。これにより、図8に示すように、波形要素列71から微振動パルス711が抽出された駆動信号が生成される。期間811以外の期間では、基準電圧が維持される。吐出口241では、非吐出動作として、微振動パルス711による液面の微振動のみが行われる。微振動により、吐出口241近傍におけるインクの硬化が防止される。
【0041】
以上のように、圧電素子232を駆動する最終的な駆動信号は、駆動回路231にて生成されるが、ヘッド制御部44からの基本波形および制御信号は駆動信号と等価であることから、実質的にヘッド制御部44が吐出部23の駆動回路231に駆動信号を与えていると捉えられてもよい。
【0042】
図9は、ヘッド制御部44にて生成される第2基本波形7bを示す図である。第2基本波形7bは、上述の3値の出力の指示に利用される。第2基本波形7bは2つの波形要素列73,74から構成され、図9の上段の波形要素列73および下段の波形要素列74が並行して生成される。上段の波形要素列73は2つのパルス731,732から構成され、これらのパルスの期間に符号831,832を付している。下段の波形要素列74は2つのパルス741,742から構成され、これらのパルスの期間に符号841,842を付している。期間832の開始時刻と期間842の開始時刻とは一致する。パルスの開始位置および終了位置での電圧は、一定の基準電圧である。第2基本波形7bの長さは第1基本波形7aの長さに等しく、駆動回路231の駆動周期に相当する。
【0043】
図4の場合と同様に、上段のパルス732および下段のパルス321,732は、液滴の吐出動作に用いられ、単独で吐出口241から液滴を吐出することができる程度の大きさを有する。以下、これらのパルスを「第1吐出パルス732」、「第2吐出パルス741」、「第3吐出パルス742」と呼ぶ。上段のパルス731は、原則として単独では液滴を吐出することができない程度の微小なパルスであり、以下、「微振動パルス731」と呼ぶ。
【0044】
第2基本波形7bを利用して大ドット用の液滴を吐出する駆動回路231には、図5の場合と同様に、2つの波形要素列73,74が入力されるとともに、図9の下段の波形要素列74に対して期間841の間だけ「1」を示す制御信号が入力される。これにより、波形要素列74から第2吐出パルス741が抽出される。上段の波形要素列73に対しては、期間832の間だけ「1」を示す制御信号が入力され、波形要素列73から第1吐出パルス732が抽出される。その結果、駆動回路231では、第2吐出パルス741および第1吐出パルス732を順に有する駆動信号が生成され、この駆動信号が対応する圧電素子232に入力される。
【0045】
吐出口241では、第2吐出パルス741に対応する液滴の吐出動作が先行して行われ、続いて、第1吐出パルス732に対応する液滴の吐出動作が行われ、記録用紙9上に大ドットが形成される。なお、第2吐出パルス741に対応する液滴の個数および第1吐出パルス732に対応する液滴の個数は、それぞれ1つとは限らない。
【0046】
中ドット用の液滴を吐出する駆動回路231には、2つの波形要素列73,74が入力されるとともに、図9の上段の波形要素列73に対して、いずれの期間も「0」を示す制御信号が入力される。下段の波形要素列74に対しては、期間842の間だけ「1」を示す制御信号が入力され、これにより、図10に示すように、波形要素列74から第3吐出パルス742が抽出された駆動信号が生成される。期間842以外の期間では、基準電圧が維持される。吐出口241では、第3吐出パルス742に対応する液滴の吐出動作が行われ、記録用紙9上に中ドットが形成される。
【0047】
第2基本波形7bの1周期の間に液滴の吐出を行わない駆動回路231には、図8の場合と同様に、2つの波形要素列73,74が入力されるとともに、図9の上段の波形要素列73に対して期間831の間だけ「1」を示す制御信号が入力され、下段の波形要素列74に対しては、いずれの期間も「0」を示す制御信号が入力される。これにより、波形要素列73から微振動パルス731が抽出された駆動信号が生成される。期間831以外では、基準電圧が維持される。吐出口241では、非吐出動作として、微振動パルス731による液面の微振動のみが行われる。
【0048】
図11は、インクジェットプリンタ1が記録用紙9上に画像を記録する動作の流れを示す図である。準備作業として、CMYの色を吐出する第1吐出部23aから4値の出力を行い、Kの色を吐出する第2吐出部23bから3値の出力を行う設定が入力部442を介して受け付けられる(ステップS11)。例えば、各吐出部23が初期状態で4値の出力を行う場合、Kの色に対して3値の出力を行う指示が入力される。選択部441では、入力部442からの指示に従って、3値出力の吐出部23としてKの吐出部23を選択する(ステップS12)。なお、インクの種類に依存して3値の出力が必要となる場合が多いため、好ましくは、入力部442が、使用されるインクの種類の入力を受け付け、選択部441が、入力されたインクの種類に応じて3値の出力を行う吐出部23、すなわち、2種類のサイズにてドットを形成する吐出部23を選択する。
【0049】
画像記録動作では、まず、駆動機構制御部41がヘッド移動機構22を駆動することにより図1のヘッドユニット21が退避位置からX方向の所定の記録位置へと移動する。続いて、紙送り機構3を駆動することにより記録用紙9の連続的な移動が開始される(ステップS13)。記録用紙9の記録部2に対する相対移動に並行して、図3のヘッド制御部44が液滴の吐出動作を指示する第1基本波形7aおよび制御信号を第1吐出部23aに順次入力し、第2基本波形7bおよび制御信号を第2吐出部23bに順次入力する。これにより、基本波形7a,7bに含まれる複数の波形要素の一部が選択され、液滴の吐出動作に用いられる駆動信号が駆動回路231にて生成されて圧電素子232に与えられ、インクの吐出が繰り返し行われる(ステップS14)。
【0050】
詳細には、第1吐出部23aでは、大ドット、中ドット、小ドットまたは非吐出の4値のいずれかを指示する制御信号が各駆動回路231に入力されて保持される。一方、記録用紙9が走査方向に所定の距離だけ移動する毎に、エンコーダ34からの出力に基づいてタイミング制御部42により吐出タイミング信号が生成される。第1吐出部23aでは、吐出タイミング信号に同期して、複数の駆動回路231が、第1基本波形7aから制御信号に従って波形要素を選択して駆動信号を生成し、圧電素子232に与える。これにより、複数の吐出口241にてインクの吐出動作が所望のタイミングで行われる。第2吐出部23bでは、大ドット、中ドットまたは非吐出の3値のいずれかを指示する制御信号が各駆動回路231に入力されて保持され、吐出タイミング信号に同期して、複数の駆動回路231が、第2基本波形7bから制御信号に従って駆動信号を生成し、圧電素子232に与える。そして、画像記録が行われる間、上記動作が高速に繰り返し行われる。
【0051】
以上のようにして、記録対象の元画像データが示す画像の全体が記録用紙9上に記録されると、記録用紙9の移動が停止され、インクジェットプリンタ1による画像記録動作が完了する(ステップS15)。
【0052】
ところで、インクジェットプリンタ1では、4値の出力を行う際に、大ドット用の駆動信号では、第2吐出パルス721および第1吐出パルス712が用いられ、中ドット用の駆動信号では、第1吐出パルス712が用いられる。したがって、中ドット用の第1吐出パルス712の波形は、大ドットを形成する場合と中ドットを形成する場合の双方を考慮して決定される必要がある。しかし、画像記録速度の高速化に伴い、基本波形に様々な制約が生じ、適切な中ドットを形成するための第1吐出パルス712の波形の決定が困難となる。その結果、例えば、大ドットの波形を優先的に決定すると、ドットが割れたり、微小なドットが付帯する等して中ドットの質が低下する虞がある。ドットの質の低下は、例えば、線画や文字を記録する場合にKの色において生じると、画像全体の質が低下してしまう。
【0053】
これに対し、インクジェットプリンタ1では、Kの色を吐出する第2吐出部23bから3値のみの出力を行い、中ドットを形成する際に第1吐出パルス712も第2吐出パルス721も使用されない。その結果、適切な中ドットを形成する駆動信号を容易に得ることができ、記録される画像の質を向上することができる。
【0054】
図12は、第2吐出部23bに対する中ドット用の駆動信号の他の例を示す図である。図12の駆動信号は、第2基本波形7bの微振動パルス731および第3吐出パルス742を含む。このように、第3吐出パルス742に微振動パルス731を併用することにより、微振動パルス731の波形を調整して適切な吐出をさらに容易に実現することができる。
【0055】
図13は、第2基本波形7bの他の例を示す図である。図13の第2基本波形7bでは、図9と比べて、微振動パルス731の波形が異なり、第3吐出パルス742が省略される。その他は図9と同様である。
【0056】
図13に示す第2基本波形7bが利用される場合、大ドットが形成される際に第2吐出パルス741および第1吐出パルス732が選択され、図5と同様の駆動信号が生成される。中ドットが形成される際には、第1吐出パルス732のみが選択され、図6と同様の駆動信号が生成される。吐出が行われない時には、微振動パルス731のみが選択されて駆動信号が生成される。すなわち、4値の出力が行われる場合と、3値の出力が行われる場合とでは、大ドットを形成する際の駆動信号が同一であり、中ドットを形成する際の駆動信号も同一であり、ドットを形成しない場合の駆動信号が異なる。
【0057】
各吐出部23では、多数の駆動回路231に並行して駆動信号が入力されるため、非吐出時の駆動信号は、他の吐出口241からの吐出に僅かに影響を与える。そこで、インクジェットプリンタ1では、小ドット用の吐出を行う第1吐出部23aと小ドット用の吐出を行わない第2吐出部23bとで、非吐出時の駆動信号を異なるものとすることにより、双方において適切な吐出を実現している。
【0058】
このような技術は、例えば、4値の出力ではドットの質の向上に限界があり、Kの色のように画像において重要な色に対して3値の出力を行い、かつ、微振動パルスの形状を調整することにより、3値の出力における各サイズのドットの質を4値の場合よりも向上できる場合に適している。非吐出時の駆動信号の相違のみにより、適切な駆動信号を容易に得ることができる。
【0059】
以上に説明したように、インクジェットプリンタ1では、Kの色を3値にて出力し、他の色を4値にて出力することにより、モノクロの線画や文字画像等の記録の質の低下を防止する、または、向上することができる。また、CMYに関して4値の出力を行うことにより、カラーの絵柄の場合おける画質を向上することができる。また、各基本波形7a,7bが2つの波形要素列により構成されるため、駆動周期を大幅に短くすることができる。短い基本波形は、高速に画像記録を行うインクジェットプリンタに適しており、ワンパスにて画像記録を行うインクジェットプリンタに特に適している。
【0060】
図14は第1基本波形7aの他の例を示す図であり、図15は第2基本波形7bの他の例を示す図である。第2基本波形7bはKの色のインクを吐出する第2吐出部23bに用いられ、第1基本波形7aは他の色のインクを吐出する第1吐出部23aに用いられる。
【0061】
図14および図15に示す基本波形7a,7bは、それぞれ1つの波形要素列である。第1基本波形7aは、微振動パルス751、第1吐出パルス752、第2吐出パルス753、第3吐出パルス754および補助微振動パルス755を順に有する。これらのパルスの期間に符号851〜855を付す。駆動信号としては、例えば、大ドット用の駆動信号が生成される際に、第1吐出パルス752、第2吐出パルス753および補助微振動パルス755が選択される。中ドット用の駆動信号が生成される際には、第2吐出パルス753および補助微振動パルス755が選択される。小ドット用の駆動信号が生成される際には、第3吐出パルス754および補助微振動パルス755が選択される。非吐出時の駆動信号が生成される際には、微振動パルス751が選択される。
【0062】
第2基本波形7bも、微振動パルス761、第1吐出パルス762、第2吐出パルス763、第3吐出パルス764および補助微振動パルス765を順に有する。これらのパルスの期間に符号861〜865を付す。駆動信号としては、例えば、大ドット用の駆動信号が生成される際に、第1吐出パルス762、第2吐出パルス763および補助微振動パルス765が選択される。中ドット用の駆動信号が生成される際には、第3吐出パルス764および補助微振動パルス765が選択される。非吐出時の駆動信号が生成される際には、微振動パルス761のみが選択される。
【0063】
以上の動作により、インクジェットプリンタ1では、Kの色を吐出する第2吐出部23bから3値のみの出力を行い、図4および図9の場合と同様に、中ドットを形成する際に第1吐出パルス712も第2吐出パルス721も使用されない。その結果、適切な中ドットを形成する駆動信号を容易に得ることができる。また、補助微振動パルス755,765により、液滴吐出後の吐出口241における液面の残留振動を抑制することができ、次の吐出動作を安定して行うことができる。
【0064】
基本波形が1つの波形要素列である場合においても、図13の場合と同様に、第1吐出部23aと第2吐出部23bとに用いられる大ドット用および中ドット用の各駆動信号が同一であり、非吐出時の駆動信号が異なるものとされてもよい。このとき、例えば、図15の第2基本波形7bから第3吐出パルス764が省かれ、図14の微振動パルス751と図15の微振動パルス761とが異なる波形とされる。このような動作によっても、各サイズのドットの質を向上することができ、記録される画像の質を向上することができる。
【0065】
上記実施の形態にて例示した基本波形は、簡素化して示しており、これらの基本波形は様々に変形されてよい。例えば、基本波形7a,7bでは、非吐出時に用いられる微振動パルスが1つのみ示されているが、複数存在してよい。また、1つの制御単位となる微振動パルスは、上に凸となる波形である必要はなく、例えば、下に凸となる波形や上下に振動する波形であってもよい。さらには、上または下にピークが複数存在する波形であってもよい。
【0066】
基本波形には、液滴の吐出時に吐出パルスと併用される少なくとも1つの微振動パルスがさらに含められてよい。これらの微振動パルスは、非吐出時にも利用されてよい。また、このような微振動パルスは、駆動信号において、吐出パルスの前のみならず、後ろに存在してもよい。このような微振動パルスを設けて波形を調整することにより、吐出パルスの決定をより容易に行うことができる。
【0067】
さらに、図4に示す第1基本波形7aを利用して中ドットが形成される際に、第1吐出パルス712に代えて第2吐出パルス721が利用されてもよい。
【0068】
吐出時に併用される微振動パルスや、第2吐出パルス721を利用した中ドットの形成を考慮した場合、図4、図9、図14および図15に示す基本波形7a,7bを用いる動作をより一般的に表現すると、第1吐出部23aから大ドット用の液滴が吐出される際に、第2吐出パルス721および第1吐出パルス712を含み、第3吐出パルス722を含まない駆動信号が生成され、中ドット用の液滴が吐出される際に、第1吐出パルス712および第2吐出パルス721の一方の吐出パルスを含み、他方の吐出パルスおよび第3吐出パルス722を含まない駆動信号が生成され、小ドット用の液滴が吐出される際に、第3吐出パルス722を含み、第1吐出パルス712および第2吐出パルス721を含まない駆動振動が生成される。
【0069】
また、第2吐出部23bから大ドット用の液滴が吐出される際に、第2吐出パルス741および第1吐出パルス732を含み、第3吐出パルス742を含まない駆動信号が生成され、中ドット用の液滴が吐出される際に、第3吐出パルス742を含み、第1吐出パルス732および第2吐出パルス741を含まない駆動信号が生成される。これにより、短い駆動周期にて質の高い4値および3値の出力を行うことができる。
【0070】
ところで、第1吐出部23aおよび第2吐出部23bでは、3種類のサイズのドットを形成することが可能であるが、4種類以上のサイズのドットが形成可能であってもよい。この場合、例えば、第1吐出部23aは4種類以上のサイズのドットを形成し、第2吐出部23bは少ない種類のサイズのドットを形成する。また、第1吐出部23aおよび第2吐出部23bは、4種類以上のサイズのドットが形成可能であるが、第1吐出部23aが3種類のみのサイズのドットを形成し、第2吐出部23bが2種類のみのサイズのドットを形成してもよい。
【0071】
一般的に表現すれば、mを2以上の整数として、第1吐出部23aが、第1の色のインクを吐出し、m種類以上のサイズのドットを形成することができ(すなわち、(m+1)値の出力ができ)、第2吐出部23bが、第1の色とは異なる第2の色のインクを吐出し、同様にm種類以上のサイズのドットを形成することができ、第1吐出部23aがm種類のサイズにてドットを形成し、第2吐出部が、m種類のサイズに含まれるn種類のサイズ(ただし、nはmよりも小さい1以上の整数)にてドットを形成する(すなわち、(n+1)値の出力を行う)。ここで、n種類のサイズは、m種類に含まれる任意のサイズであってよい。
【0072】
そして、好ましくは、n種類に含まれる少なくとも1つのサイズのドットを第1吐出部23aにより形成する際に用いられる駆動信号と、当該少なくとも1つのサイズのドットを第2吐出部23bにより形成する際に用いられる駆動信号とが異なる。これにより、n種類のサイズのドットを形成する駆動信号を容易に適切なものとすることができ、記録される画像の質を向上することができる。具体例としては、第1基本波形に含まれる複数の波形要素の一部が選択されることにより、第1吐出部23aからの液滴の吐出に用いられる駆動信号が生成され、第1基本波形とは異なる第2基本波形に含まれる複数の波形要素の一部が選択されることにより、第2吐出部23bからの液滴の吐出に用いられる駆動信号が生成される。
【0073】
ここで、さらに好ましくは、n種類のサイズに含まれる一のサイズの液滴を吐出する際に第1基本波形から選択される少なくとも1つの波形要素と、n種類のサイズに含まれる他の一のサイズの液滴を吐出する際に第1基本波形から選択される少なくとも1つの波形要素とが、部分的に共通しており、上記一のサイズの液滴を吐出する際に第2基本波形から選択される少なくとも1つの波形要素と、上記他の一のサイズの液滴を吐出する際に第2基本波形から選択される少なくとも1つの波形要素とが、共通の波形要素を含まない。
【0074】
図4および図9に当てはめて説明すると、2種類のサイズの1つである中サイズ用の液滴を吐出する際に第1基本波形7aから選択される少なくとも1つの波形要素である第1吐出パルス712と、2種類のサイズの他の1つである大サイズ用の液滴を吐出する際に第1基本波形7aから選択される少なくとも1つの波形要素である第2吐出パルス721および第1吐出パルス712とが、第1吐出パルス712を共通の波形要素として含み、中サイズ用の液滴を吐出する際に第2基本波形7bから選択される少なくとも1つの波形要素である第3吐出パルス742と、大サイズ用の液滴を吐出する際に第2基本波形7bから選択される少なくとも1つの波形要素である第2吐出パルス741および第1吐出パルス732とが、共通の波形要素を含まない。
【0075】
このように波形要素を選択することにより、第2基本波形を用いて、n種類のサイズのドットを形成する駆動信号をより容易に適切なものとすることができる。
【0076】
また、図13に示す例について、上記m種類のサイズおよびn種類のサイズの場合に合わせて表現すると、n種類のサイズのそれぞれについて、第1吐出部23aから液滴を吐出する際の駆動信号と、第2吐出部23bから液滴を吐出する際の駆動信号とが同一であるが、第1吐出部23aから液滴を吐出しない時に用いられる微振動パルスを含む駆動信号と、第2吐出部23bから液滴を吐出しない時に用いられる微振動パルスを含む駆動信号とが異なる。これにより、液滴を吐出する際の駆動信号を統一しつつ、複数のサイズのドットを適切に形成することができ、記録される画像の質を向上することができる。
【0077】
もちろん、第1吐出部23aから液滴を吐出しない時に用いられる微振動パルスを含む駆動信号と、第2吐出部23bから液滴を吐出しない時に用いられる微振動パルスを含む駆動信号とが異なる場合においても、n種類に含まれる少なくとも1つのサイズのドットを第1吐出部23aにより形成する際に用いられる駆動信号と、当該少なくとも1つのサイズのドットを第2吐出部により形成する際に用いられる駆動信号とが異なってもよい。
【0078】
また、上記実施の形態では、CMYに関して4値の出力が行われ、Kに関して3値の出力が行われるが、3値に設定される色はKには限定されない。例えば、Kの各サイズ用の液滴の飛翔状態が、CMYに比べてよい場合は、Kに関して4値の出力が行われ、CMYに関して3値の出力が行われてもよい。さらに、CMYのいずれかの色に関してのみ3値の出力が行われてもよい。インクジェットプリンタ1では、常にいずれかの色に関して3値の出力が行われる必要はなく、通常は全色について4値の出力(m種類のサイズのドットの形成)が行われ、画像の用途に応じて特定の色について3値の出力(n種類のサイズのドットの形成)が行われてもよい。
【0079】
通常、nが2以上である場合、すなわち、mが3以上であり、いずれかの吐出部23にて4値以上の出力が行われる場合に、適切なドットの形成(すなわち、適切な駆動信号の設計)が容易でない場合が生じ易い。したがって、上記吐出動作は、nが2以上である場合に特に適している。また、高速記録を行う場合、駆動周期を短くするために、nが2であり、mが3であることが好ましい。
【0080】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0081】
ヘッド制御部44の機能の一部または全部が、吐出部23に設けられてもよい。逆に、駆動回路231の機能の一部または全部が、吐出部23の外部に設けられてもよい。
【0082】
インクジェットプリンタ1では、走査機構である紙送り機構3により記録用紙9が記録部2に対して走査方向に移動するが、記録部2をY方向に移動する走査機構が設けられてもよい。また、記録用紙9がローラにて保持され、当該ローラを回転するモータにより記録用紙9が記録部2に対して走査方向に移動してもよい。このように、記録用紙9を記録部2に対して相対的に走査方向に移動する走査機構は様々な構成にて実現可能である。
【0083】
インクジェットプリンタは、枚葉の記録用紙に画像を記録するものであってもよい。例えば、ステージ上に記録用紙を保持するインクジェットプリンタにおいて、幅方向に関して、複数の吐出口が配列される幅が記録用紙の記録領域よりも狭く、記録部を走査方向および幅方向に記録用紙に対して相対的に移動する走査機構が設けられる。そして、記録部がインクを吐出しつつ走査方向に相対移動(主走査)し、記録用紙の端部へと到達した後に幅方向に所定距離だけ相対移動(副走査)し、その後、記録部がインクを吐出しつつ直前の主走査とは逆向きに相対移動する。このように、上記インクジェットプリンタでは、記録部が記録用紙に対して走査方向に主走査するとともに、主走査が完了する毎に、幅方向に間欠的に副走査することにより、記録用紙の全体に画像が記録される。ただし、画像を高速に記録するという観点では、記録用紙9が記録部2の下方を一回通過するのみで画像記録が完了する、いわゆるワンパス方式のインクジェットプリンタ1に採用されることが好ましい。
【0084】
各吐出部23では、X方向に対して傾斜した水平線上に複数の吐出口が配列されてもよい。また、各吐出部23における複数の吐出口の配列は千鳥状であってもよい。
【0085】
インクジェットプリンタ1における画像記録の対象物は、記録用紙9以外にプラスチック等にて形成される板状またはフィルム状の基材等であってもよい。
【0086】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0087】
1 インクジェットプリンタ
2 記録部
9 記録用紙
3 紙送り機構
4 制御部
7a 第1基本波形
7b 第2基本波形
23a 第1吐出部
23b 第2吐出部
71,72,73,74 波形要素列
241 吐出口
711,731 微振動パルス
712,732 第1吐出パルス
721,741 第2吐出パルス
722,742 第3吐出パルス
441 選択部
442 入力部
S11〜S15 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットプリンタであって、
吐出口からインクの液滴を対象物に向けて吐出することにより、ドットを前記対象物上に形成する記録部と、
所定の走査方向へと前記対象物を前記記録部に対して相対的に移動する走査機構と、
前記対象物の前記記録部に対する相対移動に並行して、液滴の吐出動作を指示する信号を前記記録部に順次与える制御部と、
を備え、
前記記録部が、
第1の色のインクを吐出し、m種類以上のサイズ(ただし、mは2以上の整数)のドットを形成することができる第1吐出部と、
前記第1の色とは異なる第2の色のインクを吐出し、前記m種類以上のサイズのドットを形成することができる第2吐出部と、
を備え、
前記第1吐出部がm種類のサイズにてドットを形成し、前記第2吐出部が、前記m種類のサイズに含まれるn種類のサイズ(ただし、nはmよりも小さい1以上の整数)にてドットを形成し、
前記n種類に含まれる少なくとも1つのサイズのドットを前記第1吐出部により形成する際に用いられる駆動信号と、前記少なくとも1つのサイズのドットを前記第2吐出部により形成する際に用いられる駆動信号とが異なることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項2】
請求項1に記載のインクジェットプリンタであって、
第1基本波形に含まれる複数の波形要素の一部が選択されることにより、前記第1吐出部からの液滴の吐出に用いられる駆動信号が生成され、
前記第1基本波形とは異なる第2基本波形に含まれる複数の波形要素の一部が選択されることにより、前記第2吐出部からの液滴の吐出に用いられる駆動信号が生成されることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項3】
請求項2に記載のインクジェットプリンタであって、
前記n種類のサイズに含まれる一のサイズの液滴を吐出する際に前記第1基本波形から選択される少なくとも1つの波形要素と、前記n種類のサイズに含まれる他の一のサイズの液滴を吐出する際に前記第1基本波形から選択される少なくとも1つの波形要素とが、部分的に共通しており、
前記一のサイズの液滴を吐出する際に前記第2基本波形から選択される少なくとも1つの波形要素と、前記他の一のサイズの液滴を吐出する際に前記第2基本波形から選択される少なくとも1つの波形要素とが、共通の波形要素を含まないことを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項4】
請求項3に記載のインクジェットプリンタであって、
前記第1基本波形および前記第2基本波形のぞれぞれが、並行する2つの波形要素列にて構成され、前記2つの波形要素列のうち一方の波形要素列が、第1吐出パルスを含み、他方の波形要素列が、第2吐出パルスおよび第3吐出パルスを順に含み、
前記第1吐出部から大ドット用の液滴が吐出される際に、前記第2吐出パルスおよび前記第1吐出パルスを含み、前記第3吐出パルスを含まない駆動信号が生成され、
前記第1吐出部から中ドット用の液滴が吐出される際に、前記第1吐出パルスおよび前記第2吐出パルスの一方の吐出パルスを含み、他方の吐出パルスおよび前記第3吐出パルスを含まない駆動信号が生成され、
前記第1吐出部から小ドット用の液滴が吐出される際に、前記第3吐出パルスを含み、前記第1吐出パルスおよび前記第2吐出パルスを含まない駆動振動が生成され、
前記第2吐出部から大ドット用の液滴が吐出される際に、前記第2吐出パルスおよび前記第1吐出パルスを含み、前記第3吐出パルスを含まない駆動信号が生成され、
前記第2吐出部から中ドット用の液滴が吐出される際に、前記第3吐出パルスを含み、前記第1吐出パルスおよび前記第2吐出パルスを含まない駆動信号が生成されることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項5】
請求項4に記載のインクジェットプリンタであって、
前記第2基本波形において、前記一方の波形要素列が、前記第1吐出パルスの前に微振動パルスを含み、
前記第2吐出部から中ドット用の液滴が吐出される際に、前記微振動パルスおよび前記第3吐出パルスを含む駆動信号が生成されることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項6】
インクジェットプリンタであって、
吐出口からインクの液滴を対象物に向けて吐出することにより、ドットを前記対象物上に形成する記録部と、
所定の走査方向へと前記対象物を前記記録部に対して相対的に移動する走査機構と、
前記対象物の前記記録部に対する相対移動に並行して、液滴の吐出動作を指示する信号を前記記録部に順次与える制御部と、
を備え、
前記記録部が、
第1の色のインクを吐出し、m種類以上のサイズ(ただし、mは2以上の整数)のドットを形成することができる第1吐出部と、
前記第1の色とは異なる第2の色のインクを吐出し、前記m種類以上のサイズのドットを形成することができる第2吐出部と、
を備え、
前記第1吐出部がm種類のサイズにてドットを形成し、前記第2吐出部が、前記m種類のサイズに含まれるn種類のサイズ(ただし、nはmよりも小さい1以上の整数)にてドットを形成し、
前記第1吐出部から液滴を吐出しない時に用いられる微振動パルスを含む駆動信号と、前記第2吐出部から液滴を吐出しない時に用いられる微振動パルスを含む駆動信号とが異なることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項7】
請求項6に記載のインクジェットプリンタであって、
前記n種類のサイズのそれぞれのドットを形成する際に、前記第1吐出部および前記第2吐出部に用いられる駆動信号が同一であることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、
前記記録部が、前記第1吐出部および前記第2吐出部を含む複数の吐出部を備え、
前記複数の吐出部が、互いに異なる色のインクを吐出し、前記複数の吐出部のそれぞれが、前記m種類以上のサイズのドットを形成することができ、
前記制御部が、前記複数の吐出部から前記n種類のサイズにてドットを形成する吐出部を選択する選択部を備えることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項9】
請求項8に記載のインクジェットプリンタであって、
使用されるインクの種類の入力を受け付ける入力部をさらに備え、
前記選択部が、入力されたインクの種類に応じて前記n種類のサイズにてドットを形成する吐出部を選択することを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、
nが2以上であることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項11】
請求項10に記載のインクジェットプリンタであって、
mが3、nが2であることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、
前記第1吐出部および前記第2出部のそれぞれが複数の吐出口を有し、
前記複数の吐出口が、前記走査方向に垂直な方向に関して対象物上の記録領域の幅全体に亘って並ぶことを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項13】
インクジェットプリンタにおいて実行される画像記録方法であって、
前記インクジェットプリンタが、吐出口からインクの液滴を対象物に向けて吐出することにより、ドットを前記対象物上に形成する記録部を備え、
前記画像記録方法が、
a)所定の走査方向へと前記対象物を前記記録部に対して相対的に移動する工程と、
b)前記対象物の前記記録部に対する相対移動に並行して、液滴の吐出動作を指示する信号を前記記録部に順次入力する工程と、
を備え、
前記記録部が、
第1の色のインクを吐出し、m種類以上のサイズ(ただし、mは2以上の整数)のドットを形成することができる第1吐出部と、
前記第1の色とは異なる第2の色のインクを吐出し、前記m種類以上のサイズのドットを形成することができる第2吐出部と、
を備え、
前記b)工程において、前記第1吐出部がm種類のサイズにてドットを形成し、前記第2吐出部が、前記m種類のサイズに含まれるn種類のサイズ(ただし、nはmよりも小さい1以上の整数)にてドットを形成し、
前記n種類に含まれる少なくとも1つのサイズのドットを前記第1吐出部により形成する際に用いられる駆動信号と、前記少なくとも1つのサイズのドットを前記第2吐出部により形成する際に用いられる駆動信号とが異なることを特徴とする画像記録方法。
【請求項14】
インクジェットプリンタにおいて実行される画像記録方法であって、
前記インクジェットプリンタが、吐出口からインクの液滴を対象物に向けて吐出することにより、ドットを前記対象物上に形成する記録部を備え、
前記画像記録方法が、
a)所定の走査方向へと前記対象物を前記記録部に対して相対的に移動する工程と、
b)前記対象物の前記記録部に対する相対移動に並行して、液滴の吐出動作を指示する信号を前記記録部に順次入力する工程と、
を備え、
前記記録部が、
第1の色のインクを吐出し、m種類以上のサイズ(ただし、mは2以上の整数)のドットを形成することができる第1吐出部と、
前記第1の色とは異なる第2の色のインクを吐出し、前記m種類以上のサイズのドットを形成することができる第2吐出部と、
を備え、
前記b)工程において、前記第1吐出部がm種類のサイズにてドットを形成し、前記第2吐出部が、前記m種類のサイズに含まれるn種類のサイズ(ただし、nはmよりも小さい1以上の整数)にてドットを形成し、
前記第1吐出部から液滴を吐出しない時に用いられる微振動パルスを含む駆動信号と、前記第2吐出部から液滴を吐出しない時に用いられる微振動パルスを含む駆動信号とが異なることを特徴とする画像記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−75406(P2013−75406A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216092(P2011−216092)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】