説明

インクジェット印刷画像の品質を向上させる方法

多孔質基材上に高品質の画像を印刷する方法が開示され、本方法は、水及び/又は親水性の有機溶剤を含むコーティング組成物と、インク溶剤に溶解された画像形成染料を含むインクジェットインク組成物の液滴とを任意の順序で多孔質基材に塗布する段階を含み、インク溶剤は水及び/又は親水性の有機溶剤と混和性があり、画像形成染料は、コーティング組成物に不溶性又は難溶性であり、その結果、コーティング組成物がインクジェットインク組成物に接触し、画像形成染料の少なくとも一部がインクジェットインク組成物から分離して多孔質基材の表面上に堆積するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、インクジェット印刷画像の品質を向上させる方法に関し、詳細には、多孔質紙又はボール紙のような基材をコーティング組成物で処理することを含む、多孔質基材上に高印刷品質の画像を印刷する方法に関する。この処理は、例えば印刷画像の鮮鋭度を向上させ、又はインクのにじみを低減する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷は、印刷装置と印刷される文字が堆積する基材との間で非接触で印刷が行われる周知の技術である。簡潔に説明すると、インクジェット印刷は、インク液滴の流れを表面に噴射し、液滴がその表面上に所望の印刷画像を形成するように液滴の配置を制御する技術を含む。この非接触の印刷技術は、多孔質紙又はボール紙を含む様々な基材、並びに他のタイプの基材上に文字を塗布するのに好適である。
【0003】
インクジェット印刷の様々な態様についての概説は、Kuhn他のScientific American 1979年4月、162〜178、及びKeelingのPhys. Technol. 12(5)、196〜303(1981)に見られる。種々のインクジェット装置については、米国特許第3,060,429号、第3,298,030号、第3,373,437号、第3,416,153号、及び第3,673,601号に記載されている。
【0004】
一般にインクジェット印刷システムには、連続インクジェット(CIJ)方式と、ドロップオンデマンド(DOD)方式の2つのタイプがある。CIJ方式では、インクは加圧下で少なくとも1つの開口部又はノズルから連続したストリームで放出される。ストリームは、摂動され、開口部から一定の距離で分解されて液滴が生じる。分散(breakup)点において、液滴はデジタルデータ信号に従って帯電され、各液滴の軌道を調整する静電場を通過し、各液滴が再循環用のガター又は記録媒体上の特定の位置に配向される。DOD方式では、液滴は、デジタルデータ信号に従って開口部から直接に記録媒体上の位置まで吐出する。液滴は、記録媒体上に配置されない限り形成又は吐出されない。
【0005】
【特許文献1】米国特許第3,060,429号
【特許文献2】米国特許第3,298,030号
【特許文献3】米国特許第3,373,437号
【特許文献4】米国特許第3,416,153号
【特許文献5】米国特許第3,673,601号
【特許文献6】米国特許第6,270,214号
【特許文献7】米国特許第5,434,030号
【非特許文献1】Kuhn他のScientific American 1979年4月、162〜178
【非特許文献2】KeelingのPhys. Technol. 12(5)、196〜303(1981)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、インクジェットインク組成物は、インクジェット印刷動作に有用な一定の要件を満たさなければならない。これらの要件は、成分の粘着性、抵抗性、溶解性、及び相溶性、並びに基材の湿潤性に関連する。更に、インクは、速乾性及びスミア耐性があり、耐摩耗性であって、目詰まりすることなくインクジェットノズルを通過することができ、最小限の労力で機械部品を迅速に清浄化可能であることが必要とされる。
【0007】
加えて、印刷画像は、基材に対して十分に接着力がなければならない。印刷画像はまた、鮮鋭で輪郭がはっきりしたものでなければならない。画像のエッジは、不規則又は時間と共に不規則になるべきではない。画像は、印刷後に寸法が不変であり、すなわち予測できないほど変化すべきではない。適度に優れた品質の画像を生成する多くのインクジェット印刷システムが利用可能であるが、当業界では依然として、印刷品質、特にDODシステムで印刷される印刷品質を更に向上させる方法が求められている。例えば、かなりの時間期間にわたって正確な寸法を維持する必要のあるバーコードの印刷品質を向上させる方法が求められている。
【0008】
本発明は、かかる方法を提供する。本発明の利点、並びに付加的な発明の特徴は、本明細書で行う本発明の説明から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の要望は、多孔質基材上に高品質の画像を印刷するための方法、及び印刷画像の品質を向上させるための方法を提供する本発明によって大部分が果たされた。一実施形態では本方法は、多孔質基材上に重量で80%以上の量の水を含むコーティング組成物と、コーティング組成物に不溶性又は難溶性の画像形成着色剤を含むインクジェットインク組成物の液滴とを任意の順序で塗布する段階を含む。着色剤は、染料又は顔料とすることができる。着色剤は、ルミネセンス(例えば蛍光性又は燐光性)であっても、或いは非ルミネセンスであってもよい。
【0010】
別の実施形態によれば、本発明は、多孔質基材上に高品質の画像を印刷する方法、又は印刷画像の品質を向上させる方法を提供し、多孔質基材上に重量で65%以上の有機溶剤を含むコーティング組成物と、コーティング組成物に不溶性又は難溶性の画像形成着色剤を含むインクジェットインク組成物の液滴とを任意の順序で塗布する段階を含む。有機溶剤は、単一の有機溶剤、又は2つ、3つ、もしくはそれより多い混和性の有機溶剤とすることができる。
【0011】
更に別の実施形態によれば、本発明は、多孔質基材上に高品質の画像を印刷する方法、又は印刷画像の品質を向上させる方法を提供し、多孔質基材に水及び/又は親水性の有機溶剤を含むコーティング組成物と、インク溶剤に溶解する画像形成染料を含むインクジェットインク組成物の液滴とを任意の順序で塗布する段階を含み、このインク溶剤は、水及び/又は親水性の有機溶剤と混和性があり、画像形成染料は、コーティング組成物に不溶性又は難溶性であり、コーティング組成物がインクジェットインク組成物に接触し、画像形成染料の少なくとも一部がインクジェットインク組成物から分離して多孔質基材の表面に堆積するようにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、コーティング組成物の使用によりインクジェット画像の品質を向上させることができる事に関する開示に基づく。特定の理論又は機構によって制限することを意図するものではないが、コーティング組成物は、例えば多孔質基材の深部(又は厚さ)までの着色剤の拡散を排除、阻止、又は低減すると考えられる。インクジェットインク組成物から印刷されたインク液滴は、一般に、溶剤の蒸発及び/又は基材の下にある細孔又は多孔質マトリクスへの溶剤の拡散によって基材上で乾燥する。典型的にはDODインク組成物が、例えばグリコールのような高沸点溶剤を含有し、かかる高沸点溶剤は印刷条件下ではあまり迅速には蒸発しないので、DODシステムにおいては、基材への溶剤の拡散はより一般的である。多くの場合、溶剤に加えてインク液滴の中の着色剤(例えば染料)もまた、印刷表面に留まらず、基材の細孔内に拡散する(ウィッキング)と考えられる。着色剤のこのウィッキングは、かなりの時間の長さの間続くと考えられ、その結果、線の太さ、濃さ、鮮鋭さなどのような印刷要素の寸法及び外観に望ましくない変化が生じる。
【0013】
一実施形態によれば、本発明は、多孔質基材上に高品質の画像を印刷する方法を提供し、コーティング組成物と、コーティング組成物に不溶性又は難溶性の画像形成着色剤を含むインクジェットインク組成物の液滴とをどのような順番でも多孔質基材に塗布する段階を含む。コーティング組成物は、水、有機溶剤、又はその混合物を含む。一実施形態では、コーティング組成物は、80%以上の量の水を含み、例えば重量で約85%から100%、好ましくは重量で約90%から100%、より好ましくは重量で約90%から99%、更に好ましくは重量で約95%から約99%の量の水を含む。コーティング組成物に使用される水は、水道水、井戸水、脱イオン水、蒸留水、又はその組み合わせとすることができる。特定の実施形態では、コーティング組成物は、水からなり、又は本質的に水で構成される。
【0014】
別の実施形態では、コーティング組成物は、65%以上の量の有機溶剤を含み、例えば、コーティング組成物の重量で約70%から100%、好ましくは重量で約80%から100%、更に好ましくは重量で約90%から100%、更に好ましくは重量で約90%から約99%の量の有機溶剤を含む。有機溶剤は、1つの溶剤又は溶剤の混合物とすることができる。あらゆる好適な有機溶剤を使用することもでき、例えばアルコール、好ましくは低級アルコール(例えばメタノール、エタノール、又はイソプロパノール)、ケトン、好ましくは低級ケトン(アセトンもしくはメチルエチルケトン)、エステル、好ましくは低級アルキルエステル(例えば酢酸エチル)、アミド類(例えばN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、もしくはジメチルアセトアミド)、エーテル、スルホキシド(例えばDMSO)、グリコールエーテル、好ましくは低級グリコールエーテル(例えば1−メトキシプロパノール及び1−プロポキシプロパノール)、又はその混合物、或いは、好ましくはアルコール、ケトン、もしくはエステルのような低沸点溶剤、更に好ましくは例えばエタノールのようなアルコールを使用することができる。またコーティング組成物は、共溶剤(例えば水又は他の有機溶剤)を含有することができる。
【0015】
更に別の実施形態によれば、本発明は、多孔質基材上に高品質の画像を印刷する方法を提供し、水及び/又は多孔質基材に対して親水性の有機溶剤を含むコーティング組成物と、インク溶剤に溶解した画像形成染料を含むインクジェットインク組成物の液滴とをどのような順番でも塗布することを含み、インク溶剤は、水及び/又は親水性の有機溶剤と混合性があり、画像形成染料は、コーティング組成物(例えば水及び/又は親水性の有機溶剤)に不溶性又は難溶性であり、コーティング組成物がインクジェットインク組成物に接触すると、画像形成染料の少なくとも一部がインクジェットインク組成物から分離(例えば相分離又は沈殿)して、多孔質基材の表面上に堆積する。本発明によれば、コーティング組成物と接触すると、染料の少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、更に好ましくは少なくとも90%が分離して、基材の表面に堆積する。
【0016】
上述の発明の一態様では、インク溶剤は、コーティング組成物において重量で10%以上、好ましくは重量で少なくとも25%以上、更に好ましくは重量で少なくとも50%以上の溶解度を有する。画像形成着色剤は、コーティング組成物において、重量で10%未満、好ましくは5%未満、更に好ましくは1%未満の溶解度を有するのが好ましい。親水性の溶剤の実施例には、水、グリコール、グリコールエーテル、ポリオール、及び低級アルコール(例えばエタノール、プロパノール)がある。
【0017】
本発明の特定の実施形態では、本発明のコーティング組成物は、水ベースとすることができ、インクジェットインク組成物は、水ベース又は有機溶剤ベースとすることができる。水ベースのインクジェットインク組成物又は有機溶剤に溶解した染料は、水ベースのコーティング組成物中に添加剤と相互作用して、沈殿物及び複合体を形成する。本発明の更なる実施形態では、コーティング組成物は、有機溶剤ベースとすることができ、インクジェットインク組成物は、水ベース又は有機溶剤ベースとすることができる。水ベースのインクジェットインク組成物又は有機溶剤に溶解した染料は、有機溶剤ベースのコーティング組成物中の添加剤と相互作用(又は反応)して、例えば複合体又は他の反応生成物である不溶性物質又は沈殿物を形成する。
【0018】
本発明の方法の更なる実施形態では、染料の全て又は実質的に全てが多孔質基材の表面上に堆積する。一実施形態では、インクジェットインク組成物は、水と混和できる2つの親水性有機溶剤を含み、例えば親水性有機溶剤は、低級アルコール、グリコール、グリコールエーテル、及びその組み合わせからなるグループから選択され、詳細には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、及びそのあらゆる組み合わせからなるグループから選択される。グリコールは、好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール、その高級同族体、及びその組み合わせからなるグループから選択され、グリコールエーテルは、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、高級同族体、及びその組み合わせからなるグループから選択されるのが好ましく、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、及び高級同族体のアルキル部は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びその組み合わせからなるグループから選択される。
【0019】
更なる実施形態では、本発明は、多孔質基材上に印刷される画像の品質を向上させる方法を提供し、基材上のコーティング組成物とインク組成物の液滴とを塗布して画像を形成する段階を含み、ここで、コーティング組成物は、重量で約80%以上、例えば約85%から100%、好ましくは90%から100%、より好ましくは90%から99%、更に好ましくは約95%から99%の量の水を含み、インク組成物は、例えば水であるコーティング組成物に不溶性又は難溶性の画像形成着色剤を含む。品質の向上は、インクのにじみ又はフェザリングの削減、画像の鮮鋭さ(例えばエッジの鮮鋭さ)の向上、及び/又は画像のコントラスト強化を含むことができる。
【0020】
コーティング組成物の実施形態は、水又は有機溶剤に加えて、他の有機溶剤、ポリマー、着色剤、バインダ樹脂、帯電樹脂、架橋樹脂、コロイド化合物、塩、ポリオール、界面活性剤、錯化剤、安定剤、レーキ剤、インク組成物中の着色剤に対する非溶剤、蛍光増白剤、及び媒染剤からなるグループから選択される1つ又はそれよりも多い添加剤を含むことができる。添加剤の各々は、例えばコーティング組成物の重量で約0%から約25%、好ましくは約0.1%から約15%、より好ましくは約1%から約10%のあらゆる適切な量で存在することができる。
【0021】
ポリマーは、例えばカルボキシルメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースのような水溶性ポリマーであることが好ましい。ポリマーは、コーティング組成物の重量で約1%から約25%、好ましくは約3%から約20%、より好ましくは約5%から約15%の量で存在することができる。
【0022】
コロイド化合物は、例えばコロイダルシリカ又はコロイダルアルミナなどのコロイド状無機酸化物であることが好ましい。コロイド化合物は、コーティング組成物の重量で約1%から約15%、好ましくは約2%から約10%、より好ましくは約3%から約8%の量で存在することができる。
【0023】
上述の有機溶剤のいずれもが他の有機溶剤として使用することができる。更に、他の溶剤として、高沸点溶剤を使用することができる。他の溶剤は、染料との非相溶性のため、又は添加剤用の可溶化剤として選択することができる。例えば、染料との非相溶性として他の溶剤を選択する場合、この他の溶剤は、コーティング組成物の重量で約25%から約100%、好ましくは約75%から約100%、より好ましくは約90%から約100%の量で存在することができる。添加剤用の可溶化剤として他の溶剤を選択する場合、他の溶剤は、コーティング組成物の重量で約5%から約100%、好ましくは約50%から約100%、より好ましくは約90%から約100%の量で存在することができる。
【0024】
塩は、多価(例えば二価、三価、又はより高価)の金属の塩、例えばカルシウム、銅、ニッケル、マグネシウム、亜鉛、バリウム、アルミニウム、鉄、及び/又はクロムの塩であるのが好ましい。塩は、例えばハロゲン化物、好ましくは塩化物、臭化物、ヨウ化物などのいずれかの好適な陰イオンから成ることができる。塩は、コーティング組成物の重量で約0.1%から約20%、好ましくは約0.5%から約15%、より好ましくは約2%から約10%の量とすることができる。
【0025】
一実施形態では、添加剤は、着色剤であって、顔料、レーキ、又は染料とすることができる。染料の一例は、赤色染料であって、赤色染料は、詳細には背景色を提供するのに好適であり、例えば黒色画像である印刷画像の信号コントラストを向上させる。顔料の一例は、白色顔料であって、例えば二酸化チタンである。着色剤は、コーティング組成物の重量で約0.5%から約20%、好ましくは約1%から約15%、より好ましくは約3%から約10%の量で存在することができる。これは、背景色によって黒色の縞と背景とのコントラストを向上させることが可能であるバーコードに関して特に当てはまる。この取り組みにより、バーコードのグレードがより高くなる。
【0026】
ポリオールは、例えばジオール、トリオール、又はより多価のヒドロキシ化合物とすることができる。かかるポリオールの実施例には、プロパンジオール、ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及び/又はポリエチレングリコールがある。ポリオールは、コーティング組成物の重量で約1%から約50%、好ましくは約5%から約35%、より好ましくは約10%から約25%の量で存在することができる。
【0027】
好適なバインダ樹脂、例えばセルロース樹脂、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、酸性樹脂、塩基性樹脂、ロジン樹脂、スチレン系、炭化水素樹脂、ポリアミン、ビニル樹脂、無水スチレンマレイン樹脂、ウレタン樹脂、ヒドロキシ芳香族樹脂、アルデヒド樹脂、ケトン樹脂、ニトリル樹脂、又はこれらの何らかの組み合わせを使用することができる。バインダ樹脂は、コーティング組成物の重量で約0.5%から約30%、好ましくは約1%から約20%、より好ましくは約3%から約10%の量で存在することができる。
【0028】
あらゆる好適な帯電樹脂、すなわち陽イオン、陰イオン、又は両性樹脂を使用することができる。陽イオン樹脂の実施例には、ポリジアリルジメチルアンモニウムのハロゲン化物(例えばクロライド)、及びジメチルアミノメチルアクリル酸又はメタクリル酸と、ヒドロキシメチルアクリル酸又はヒドロキシメチルメタクリル酸のような少なくとも1つのヒドロキシ低級有機アクリル酸又はメタクリル酸とのコポリマーがある。帯電樹脂は、コーティング組成物の重量で約0.5%から約30%、好ましくは約1%から約20%、より好ましくは約3%から約10%の量で存在することができる。
【0029】
あらゆる好適な界面活性剤、例えばポリシロキサン界面活性剤を使用することができる。界面活性剤は、コーティング組成物の重量で約0.05%から約10%、好ましくは約0.05%から約5%、より好ましくは約0.1%から約3%の量で存在することができる。
【0030】
あらゆる好適な錯化剤、安定剤、レーキ剤、又は媒染剤を使用することができる。例えば、ジアルキルシロキサンと極性親水性モノマーの特定のブロックコポリマー又はグラフトコポリマー、インク着色剤と相互作用可能な官能基を有するオルガノポリシロキサンコポリマー、及び過弗化ポリアルコキシポリマー及びペルフルオロアルキル界面活性剤を開示する米国特許第6,270,214号、並びにゼログラフィートナーとの関連でイオノホアポリマーと陰イオン又は陽イオン染料との間の特定の錯化、媒染、及びレーキ作用を開示する米国特許第5,434,030号を参照されたい。錯化剤、安定剤、レーキ剤、又は媒染剤は、コーティング組成物の重量で約0.5%から約30%、好ましくは約1%から約20%、より好ましくは約3%から約10%の量で存在することができる。
【0031】
コーティング組成物は、例えば、スプレーコーティング、インクジェットプリンティング、ワイピング(例えばコーティング組成物を含ませたスポンジ、ラグ、クロスなどを用いて)、浸漬コーティング、ロッドコーティング、ドクターブレードコーティング、エアナイフコーティング、グラビアコーティング、ロールコーティング、リバースロールコーティング、スライドコーティング、メニスカスコーティング、ビードコーティング、押出コーティング、カーテンコーティング、又はその組み合わせなどのあらゆる好適な方法によって多孔質基材に塗布することができる。一実施形態では、コーティング組成物は、スプレーコーティング又はインクジェットプリンティングにより塗布される。基材は、片面又は両面をコーティングすることができる。基材は、インクジェット印刷する面又は反対の面をコーティングすることができる。
【0032】
コーティング組成物は、スプレーノズル又は(圧縮)エアアシスト式ノズルを使用してスプレーすることができる。ノズルは、単一口のノズル、又は複数口のノズルとすることができる。均一なコーティング又はカバレッジが塗布され、これは、ノズルの位置、塗布されるコーティング組成物の容積、空気容積、空気圧、又は同様のものにより達成される。例えば、空気圧は、約1psiから約10psi、好ましくは約2psiから約4psiとすることができ、コーティング組成物の流量は、約0.1mL/secから約1mL/sec、好ましくは約0.3mL/secから約0.6mL/secとすることができ、コーティング組成物は、約0.001mL/sq.inchから約0.1mL/sq.inch、好ましくは約0.0086mL/sq.inch(例えば2psiで)から約0.017mL/sq.inch(例えば4psiで)の充填量で塗布することができる。
【0033】
上述のようにコーティング組成物で被膜された基材は、インク組成物で印刷され、高品質の印刷画像を得ることができる。代替的には、コーティング組成物は、画像のインクジェット印刷と同時に塗布することができ、或いは画像を基材に印刷した後でもよい。一実施形態では、インクは、有機溶剤を含むもののようなインクジェットインク組成物であり、画像形成着色剤は、例えばグリコール溶剤のような有機溶剤に溶解される。
【0034】
本発明によれば、インク組成物は、CIJプリンタ又はDODインクジェットプリンタにより塗布することができる。従って、インクジェットインク組成物は、いずれかのタイプのプリンタで動作するように構築することができる。CIJプリンタで使用する場合、インク組成物は、25℃で約1.6センチポアズ(cps)から約7cpsの粘度、約50ohm−cmから約2,000ohm−cmの電気抵抗、及び約1100メートル/秒から約1700メートル/秒の音速であるのが好ましい。DODプリンタで使用する場合、インク組成物は、印刷エンジンの動作温度(通常25〜70℃)で約3cpsから約30cpsの粘度(例えば25℃で約4cpsから120cpsの粘度)、約3Kohms−cmより大きい電気抵抗、25℃で約25から38dynes/cmの表面張力であるのが好ましい。またこの実施形態のインクは、インクの使用期間にわたってインク組成物の沈殿が発生しないことを確かめる厳密な長期安定性試験にパスしなければならない。この実施形態のインクはまた、一般に200℃より高い沸点を有する。
【0035】
一実施形態では、DODインクジェットインクは、1つ又はそれよりも多い有機溶剤を含有し、溶剤は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレンングリコール、トリプロピレングリコール、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、並びにこれらのいずれかの組み合わせからなるグループから選択され、好ましくはジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノアルキルエーテルのアルキル部は、メチル、エチル、プロピル、及びブチルからなるグループから選択される。
【0036】
例えば、着色剤としてSolvent Black 3と、溶剤としてグリコール及びグリコールエーテルとを含むインクのようなあらゆる好適なインクジェットインク組成物を使用して、例えばバーコードなどの画像を印刷することができる。
【0037】
画像は、あらゆる好適な大きさ、形状、又はデザインのものとすることができ、例えばバーコードである。本発明によれば、多孔質基材は、紙、ボール紙、段ボール、布、フィルム、又はラベルとすることができる。多孔質基材は、セルロースウェブ又は合成ポリマーウェブとすることができる。例えば、繊維状パルプをワイヤスクリーン上に堆積させて乾燥させウェブを形成する従来の製紙技術により形成されるこうした繊維は、セルロース繊維の間に液体を吸収するための微細な小孔又は間隙を含む。
【0038】
有利には、本発明に従って印刷された画像は、少なくとも12時間以上の間インクのにじみが少ないことを示す。本発明により、例えばグレードB又はそれよりも優れた高グレードのコードを印刷することが可能となる。例えば、常にBグレードの印刷を行うことができ、更に、例えば基材に白色ボール紙を使用することで基材の反射率を増大させると、グレードAが可能となる。本発明のコーティング組成物を使用しない場合は、グレードはD又はCとなる。グレードは、統一コード委員会(UCC/EAN)標準による方法によって決定される。画像は、適切な色の強さ又はコントラスト(例えば黒色着色剤の濃さ)を有し、画像の寸法は予測可能である。画像には、着色剤の経時的なウィッキングが殆ど又は全くない。画像のエッジ部は、ギザギザが減少し鮮鋭になる。フェザリングは殆ど又は全くない。縁部の品質は遙かに改善される。また、この印刷方法は、UCC/EAN標準又は市販のスキャナによって定められるバーコードの等級付けに関する利点を提供し、ここでは印刷の濃さ及び縁部の品質は測定パラメータである。
【0039】
本発明の実施形態によれば、多孔質基材は、例えば未処理のボール紙に対して無機粒子又は架橋樹脂の粒子を含有する層などの基層が処理される必要がなく、基層は存在しないか又は実質的に存在しない。更に、インクジェット印刷の前にコーティング組成物で基材を処理する本発明の実施形態によれば、多孔質基材は乾燥を必要としない。コーティング組成物(例えば水又は溶剤を含む)は、コーティングされた基材内に実質的又は完全に保持される。
【0040】
本発明に従って印刷される画像は、以下の利点の1つ又は複数を有する。本発明は、時間に応じてインク(着色剤)が殆ど又は全く移動しない状態で基材上にインク(着色剤)を留める機能を提供する。染料を含有するコーティング組成物(例えば水と赤色染料のような染料)を与えることによって、基材の反射率を増大させることができ、その結果、印刷画像のグレードを向上させることができる。代替的に又はこれに加えて、着色剤がコーティング組成物の成分と反応して沈殿物を生じると、(沈殿を含有する)印刷画像の反射率が減少し、これによりコントラストが増大して、印刷グレードが向上する。
【0041】
一実施形態では、本発明は、多孔質基材上に高品質の画像を印刷する方法を提供し、本質的に水と多価金属の塩とからなるコーティング組成物と、コーティング組成物に不溶性又は難溶性の画像形成着色剤を含むインクジェットインク組成物の液滴とを任意の順序で多孔質基材に塗布する段階を含む。別の実施形態では、本発明は、多孔質基材上に高品質の画像を印刷する方法を提供し、本質的に有機溶剤と帯電樹脂とからなるコーティング組成物と、コーティング組成物に不溶性又は難溶性の画像形成着色剤を含むインクジェットインク組成物の液滴とを任意の順序で多孔質基材に塗布する段階を含む。別の実施形態では、本発明は、多孔質基材上に高品質の画像を印刷する方法を提供し、水と多価金属の塩とからなるコーティング組成物と、コーティング組成物に不溶性又は難溶性の画像形成着色剤を含むインクジェットインク組成物の液滴とを任意の順序で多孔質基材に塗布する段階を含む。更に別の実施形態では、本発明は、多孔質基材上に高品質の画像を印刷する方法を提供し、有機溶剤と帯電樹脂とからなるコーティング組成物と、コーティング組成物に不溶性又は難溶性の画像形成着色剤を含むインクジェットインク組成物の液滴とを任意の順序で多孔質基材に塗布する段階を含む。
【0042】
以下の実施例で本発明を更に例証するが、勿論、発明の範囲をどのようにも限定するものとして解釈すべきではない。
【実施例1】
【0043】
この実施例は、本発明の実施形態の利点を説明する。コーティング組成物として水を使用し、印刷画像の品質が向上した。図1は、着色剤としてSolvent Black3及び溶剤としてグリコール及びグリコールエーテルを含むインクジェットインクを用いて、水平方向300dpi垂直方向150dpiでHR300プリントヘッドを利用してボール紙上に印刷された制御バーコードを示し、サンプルは、「CARTON,RSC,SW275#,C,KRAFT」の品目の市販のボール紙で行い、ここでRSCは標準の穴付きカートンを意味し、SW275#は試験用重りであり、Cは内部接着層を指す「C」フルートを表し、KRAFTはオイスターホワイトよりも茶色の紙を意味している。図1〜5に示す画像を印刷するために、同じインクジェットインク組成物及び多孔質基材を使用した。
【0044】
図2は、水性プレコートで印刷されたバーコードと、プレコートなしで印刷されたロゴ「MARSH」とを含む印刷物を示す。「M」の上部のコーナーがプレコートされた。プレコートの効果は、Mの上部のコーナーで画像のコントラストが向上していることから理解することができる。図3は、基材に印刷し、水でポストコートしたバーコードを示す。図4は、水性プレコートを加えた基材上に印刷されたバーコードを示す。およそ17時間の時間差でスキャナの出力は解読能力又は平均バー幅に変化が示されず、従って、インクがボール紙ににじんでいないことを実証している。図5は、水でプレコートした基材上に印刷したバーコードを示す。この印刷物は、望ましくは極めて濃く、12時間にわたりインクのにじみを表さない。プリンタの設定は、図2を除く全ての図に示す印刷物で300dpiであり、図2では150dpiであった。
【実施例2】
【0045】
この実施例は、本発明の一実施形態の利点を説明しており、すなわち画像を印刷するインクは、時間の経過に伴ってにじみが無く、バーコードの大きさが変化しない。
【0046】
ボール紙の基材上でコーティング組成物として水を使用した。水のカバレージは、2.5×7.5inch2である。バーコードは、着色剤としてSolvent Black3と溶剤としてグリコール及びグリコールエーテルとを含むインクジェットインクを使用して300dpiで印刷した。4つのサンプルを印刷した。インクの増大(又は欠乏)は、Y軸に(パーセンテージとして)平均のバーサイズ、X軸に印刷からの時間を分単位でプロットして測定した。図6は、得られた結果を示す。未処理の基材で得られた実線の曲線は、平均のバーサイズが、時間の経過と共に増大することを示すが、コーティングした基材については、平均のバーサイズは変化しない。データは、細いバーの幅を公称0.025インチと比較するバーコードスキャナの「平均バー誤差」から取得した。マイナスの数字が公称よりも小さい。
【0047】
本明細書に記載された公報、特許出願、及び特許を含む全ての引例は、各引例が引用により組み込まれるように個々に且つ具体的に示され、その全体が本明細書で記載されるのと同じ範囲まで引用により本明細書に組み込まれる。
【0048】
本発明を説明する文脈における(特に添付の請求項の文脈中)の用語「1つの」及び「この」並びに同様の指示対象物の使用は、本明細書で別段の指示がないか又は文脈により明示的に否定されていない限り、単数と複数の両方を包含するものと解釈されたい。用語「備える」、「有する」、「含む」、及び「含有する」は、別段の断りがない限り、非制限的用語(すなわち、「包むが、これに限定されない」を意味する)として解釈されたい。本明細書での値域の列挙は、別段の指示がない限り、範囲内に含まれる各個別の値を個々に参照する簡単な方法として機能するものに過ぎず、各個別の値は、本明細書で個々に記載されたように本明細書に組み込まれる。全ての方法は、本明細書で別段の指示がないか文脈によって明示的に否定されない限り、あらゆる好適な順序で実行することができる。本明細書で提供されたあらゆる全ての実施例又は例示的な表現(例えば「のような」)は、単に本発明をより適切に説明するためのものに過ぎず、別段の請求がない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書の表現は、本発明の実施に不可欠なものとして何らかの非請求の要素を示すものと解釈されるべきではない。
【0049】
本発明を実施するために発明者らにとって知られる最良の態様を含む、本発明の好ましい実施形態が本明細書で説明された。これらの好ましい実施形態の変形形態は、前述の説明を読めば当業者には明らかになるであろう。発明者らは、当業者が必要に応じてかかる変形形態を利用することを予想し、本発明が本明細書で具体的に説明したもの以外の方法で実施されることを意図している。従って、本発明は、適用法で認められるように添付の請求項に記載された対象の全ての修正及び均等物を含む。更に、別段の指示がないか文脈により明示的に否定されない限り、上述の要素のあらゆる可能な変形のいかなる組み合わせも本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】コーティング組成物を塗布していない多孔質基材上に印刷された制御バーコードを示す。この図並びに図2〜6についての更なる情報は、実施例1〜2を参照されたい。
【図2】水性プレコート(コーティング組成物としての水)で印刷したバーコードと、プレコートなしで印刷したロゴ「MARSH」とを含む印刷物を示す。「M」の上部のコーナーもプレコートされている。プレコートの効果は、Mの上部のコーナーで画像のコントラストが向上していることから理解することができる。
【図3】基材に印刷され、水でポストコートしたバーコードを示す。
【図4】水性プレコートで印刷したバーコードを示す。およそ17時間の時間差でスキャナの出力は、解読能力又は平均バー幅に変化が示されず、従って、インクがボール紙ににじんでいないことを実証している。
【図5】水でプレコートした基材上に印刷したバーコードを示す。この印刷物は、極めて濃く、12時間にわたりインクのにじみを表さない。
【図6】インクジェット印刷からの時間の関数としてバーコードのインクの成長グラフを示す。点(◆)は、コーティングしていないボール紙に印刷されたコードの平均バーサイズを表し、点(■)は、コーティング組成物として水でコーティングしたボール紙に印刷されたコードの平均バーサイズを表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質基材上に高品質の画像を印刷する方法であって、前記多孔質基材に、重量で80%以上の量の水を含むコーティング組成物と、前記コーティング組成物に不溶性又は難溶性の画像形成着色剤を含むインクジェットインク組成物の液滴とを、任意の順序で塗布する段階を含む方法。
【請求項2】
前記コーティング組成物が、重量で約85%から100%の量の水を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コーティング組成物が、重量で約90%から100%の量の水を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記コーティング組成物が、重量で約95%から約99%の量の水を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記水が、水道水、井戸水、脱イオン水、蒸留水、又はその組み合わせである請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記コーティング組成物が、水に加えて、有機溶剤、ポリマー、着色剤、バインダ樹脂、帯電樹脂、架橋樹脂、コロイド化合物、塩、ポリオール、界面活性剤、錯化剤、安定剤、レーキ剤、インク組成物中の着色剤に対する非溶剤、蛍光増白剤、及び媒染剤からなるグループから選択される1つ又はそれよりも多い添加剤を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリマーが、水溶性ポリマーである請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記コロイド化合物が、コロイド着色剤である請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記塩が、多価金属の塩である請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記添加剤が着色剤である請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記着色剤が染料である請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記染料が赤色染料である請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記着色剤が顔料である請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記顔料が白色顔料である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記インクジェットインク組成物が有機溶剤を含み、前記画像形成着色剤が前記有機溶剤に溶解される請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記コーティング組成物が、スプレーコーティング、インクジェットプリンティング、ワイピング、浸漬コーティング、ロッドコーティング、ドクターブレードコーティング、エアナイフコーティング、グラビアコーティング、ロールコーティング、リバースロールコーティング、スライドコーティング、メニスカスコーティング、ビードコーティング、押出コーティング、カーテンコーティング、又はその組み合わせによって前記多孔質基材に塗布される請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記コーティング組成物が、スプレーコーティング又はインクジェットプリンティングによって塗布される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記インクジェットインク組成物が、ドロップオンデマンドインクジェットインク組成物である請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記インクジェットインク組成物が、連続インクジェットインク組成物である請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記インクジェットインク組成物が、ドロップオンデマンド(DOD)インクジェットインクを含む請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記溶剤が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、Nメチル−2−ピロリドン、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、並びにそのいずれかの組み合わせからなるグループから選択される請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノアルキルエーテルのアルキル部が、メチル、エチル、プロピル、及びブチルからなるグループから選択される請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記コーティング組成物が、前記インクジェットインク組成物の液滴を塗布する前に前記多孔質基材に塗布される請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記コーティング組成物が、前記インクジェットインク組成物の液滴を塗布した後に前記多孔質基材に塗布される請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記画像がバーコードある、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記画像が、インクジェットプリンティング後に少なくとも12時間の間インクのにじみを生じないか又は実質的に生じない請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記基材が、紙、ボール紙、段ボール、布、フィルム、又はラベルである請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記コーティング組成物が本質的に水からなる請求項1に記載の方法。
【請求項29】
多孔質基材上に高品質の画像を印刷する方法であって、前記多孔質基材に、重量で65%以上の量の有機溶剤を含むコーティング組成物と、前記コーティング組成物に不溶性又は難溶性の画像形成着色剤を含むインクジェットインク組成物の液滴とを、任意の順序で塗布する段階を含む方法。
【請求項30】
前記コーティング組成物が、重量で約70%から約100%の量の有機溶剤を含む請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記コーティング組成物が、重量で約80%から約100%の量の有機溶剤を含む請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記コーティング組成物が、重量で約95%から約99%の量の有機溶剤を含む請求項29に記載の方法。
【請求項33】
多孔質基材上に高品質の画像を印刷する方法であって、水及び/又は親水性の有機溶剤を含むコーティング組成物と、インク溶剤に溶解された画像形成染料を含むインクジェットインク組成物の液滴とを任意の順序で多孔質基材に塗布する段階を含み、前記インク溶剤は水及び/又は親水性の有機溶剤と混和性があり、前記画像形成染料は、前記コーティング組成物に不溶性又は難溶性であり、その結果、前記コーティング組成物が前記インクジェットインク組成物に接触し、前記画像形成染料の少なくとも一部が前記インクジェットインク組成物から分離して前記多孔質基材の表面上に堆積するようにすることを特徴とする方法。
【請求項34】
前記インクジェットインク組成物が、水と混和性がある2つの親水性溶剤を含む請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記染料の全部又は実質的に全部が、前記多孔質基材の表面上に堆積する請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記親水性の有機溶剤が、低級アルコール、グリコール、グリコールエーテル、及びそのいずれかの組み合わせからなるグループから選択される請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記低級アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、及びそのいずれかの組み合わせからなるグループから選択される請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記グリコールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、その高級同族体、及びそのいずれかの組み合わせからなるグループから選択される請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記グリコールエーテルが、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、その高級同族体、及びそのいずれかの組み合わせからなるグループから選択される請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、及び高級同族体のアルキル部が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びそのいずれかの組み合わせからなるグループから選択される請求項39に記載の方法。
【請求項41】
多孔質基材上に印刷される画像の品質を向上させる方法であって、基材上のコーティング組成物と、画像を形成するためのインクジェットインク組成物の液滴とを任意の順序で塗布する段階を含み、前記コーティング組成物が重量で80%以上の量の水を含み、前記インクジェットインク組成物が前記コーティング組成物に不溶性又は難溶性の画像形成着色剤を含むことを特徴とする方法。
【請求項42】
前記品質を向上させることが、前記基材へのインクのにじみを低減することを含む請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記品質を向上させることが、前記画像の鮮鋭度を高めることを含む請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記品質を向上させることが、前記画像のコントラストを増大することを含む請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記コーティング組成物が、重量で約85%から100%の量の水を含む請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記コーティング組成物が、重量で約90%から100%の量の水を含む請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記コーティング組成物が、重量で約95%から約99%の量の水を含む請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記水が、水道水、井戸水、脱イオン水、蒸留水、又はそのいずれかの組み合わせである請求項41に記載の方法。
【請求項49】
多孔質基材上に高品質の画像を印刷する方法であって、前記多孔質基材に、本質的に水と多価金属の塩とからなるコーティング組成物と、前記コーティング組成物に不溶性又は難溶性の画像形成着色剤を含むインクジェットインク組成物の液滴とを、任意の順序で塗布する段階を含む方法。
【請求項50】
多孔質基材上に高品質の画像を印刷する方法であって、前記多孔質基材に、本質的に有機溶剤と帯電樹脂とからなるコーティング組成物と、前記コーティング組成物に不溶性又は難溶性の画像形成着色剤を含むインクジェットインク組成物の液滴とを、任意の順序で塗布する段階を含む方法。
【請求項51】
多孔質基材上に高品質の画像を印刷する方法であって、前記多孔質基材に、水と多価金属の塩とからなるコーティング組成物と、前記コーティング組成物に不溶性又は難溶性の画像形成着色剤を含むインクジェットインク組成物の液滴とを、任意の順序で塗布する段階を含む方法。
【請求項52】
多孔質基材上に高品質の画像を印刷する方法であって、前記多孔質基材に、有機溶剤と帯電樹脂とからなるコーティング組成物と、前記コーティング組成物に不溶性又は難溶性の画像形成着色剤を含むインクジェットインク組成物の液滴とを、任意の順序で塗布する段階を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−535425(P2007−535425A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509971(P2007−509971)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【国際出願番号】PCT/EP2005/004585
【国際公開番号】WO2005/105468
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(502153385)ヴィデオジェット テクノロジーズ インコーポレイテッド (22)
【Fターム(参考)】