説明

インクジェット式記録装置

【課題】紫外線の外部漏洩を適切に防止しつつ、ガラス等の硬質材料からなる記録媒体に対して適用可能なインクジェット式記録装置を提供する。
【解決手段】インクジェット式記録装置は、紫外線が照射されると硬化するインクを記録媒体に吐出するインクヘッド2と、記録媒体に対して紫外線を照射する紫外線照射装置4bと、記録媒体を支持するプラテン31と、プラテン31の前方に形成された排出口20と、排出口20を開閉自在に覆うカバー体21とを備えている。カバー体21は上部を支点として回転可能である。記録媒体が排出口20から排出される際に、カバー体21の下部が記録媒体の上面と接触した状態を保ちつつカバー体21が開かれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線照射装置を備えたインクジェット式記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、紫外線が照射されると硬化するインク(以下、「紫外線硬化インク」という)を吐出するインクヘッドと、記録用紙等の記録媒体に吐出された紫外線硬化インクに紫外線を照射する紫外線照射装置とを備えたインクジェット式記録装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。インクヘッドおよび紫外線照射装置は、装置ケーシング内に設けられている。紫外線装置による紫外線の照射は、装置ケーシング内にて行われる。
【0003】
紫外線照射装置を備えたインクジェット式記録装置では、紫外線が装置ケーシングの外部に漏れないようにする必要がある。特許文献1に開示されたインクジェット式記録装置は、印刷後の記録媒体を前方斜め下向きに案内するガイドを備えている。上記インクジェット式記録装置は、紙等の軟質の記録媒体を対象としており、印刷後の記録媒体はプラテンから上記ガイドに沿って湾曲しながら排出される。上記ガイドは、装置ケーシングから前方斜め下向きに延びている。そのため、紫外線照射装置から照射されて前方に向かう紫外線は、上記ガイドによって遮られ、装置ケーシングの外部に漏れないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−100493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年の記録媒体の多様化に伴い、インクジェット式記録装置においても、例えばガラスや金属等の硬質材料からなる記録媒体に印刷を行いたいという要請がある。しかし、硬質の記録媒体は容易に変形しないため、印刷後の記録媒体を上記ガイドに沿って湾曲させながら排出することは困難である。すなわち、記録媒体の搬送路の向きを、水平方向から斜め下向きに大きく変化させることは困難である。したがって、上記ガイドを用いることはできず、その結果、上記ガイドによって紫外線の外部漏洩を防止することはできない。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、紫外線の外部漏洩を適切に防止しつつ、ガラス等の硬質材料からなる記録媒体に適用可能なインクジェット式記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るインクジェット式記録装置は、前方に向かって開口した排出口が形成された装置ケーシングと、前記装置ケーシング内における前記排出口の後方に配置され、記録媒体を支持するプラテンと、前記装置ケーシング内に配置され、紫外線が照射されると硬化するインクを記録媒体に吐出するインクヘッドと、前記装置ケーシング内に配置され、前記記録媒体に対して紫外線を照射する紫外線照射装置と、前記排出口を開閉自在に覆うカバー体と、を備え、前記記録媒体が前記排出口から排出される際に前記カバー体が開かれるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、紫外線の外部漏洩を適切に防止しつつ、ガラス板等の硬質材料からなる記録媒体に適用可能なインクジェット式記録装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの斜視図である。
【図2】インクジェットプリンタの内部構成を示す平面図である。
【図3】記録媒体の排出経路を示す断面図である。
【図4】インクヘッドおよびカッティングヘッドの平面図である。
【図5】カッティングヘッドによる記録媒体の切断を示す正面図である。
【図6】キャリッジの連結動作を説明するための正面図である。
【図7】記録媒体の排出時におけるカバー体等の断面図である。
【図8】他の実施形態に係る記録媒体の排出経路を示す断面図である。
【図9】他の実施形態に係るインクジェットプリンタの断面図である。
【図10】他の実施形態に係るインクジェットプリンタの一部を切り欠いて示す正面図である。
【図11】(a)および(b)は、他の実施形態に係るインクジェットプリンタの断面図である。
【図12】他の実施形態に係るインクジェットプリンタの断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に従って説明する。ここでは、インクジェット式記録装置の一例として、記録媒体であるガラス板Gや記録用紙Pに印刷を行うインクジェットプリンタ1について説明する。
【0011】
なお、本発明における「記録媒体」には、普通紙等の紙類からなる軟質な記録媒体は勿論のこと、PVCおよびポリエステル等の樹脂材料、アルミニウムや鉄等の金属、木材、ガラス製基板、段ボール等の硬質な記録媒体、その他各種の材料からなる記録媒体が幅広く含まれるものとする。また、本発明における「インクジェット式」とは、インクジェット技術による印刷方式を意味する。更に、「インクジェット式」には、公知の各種手法が含まれ、例えば二値偏向方式或いは連続偏向方式等の各種の連続方式や、サーマル方式或いは圧電素子方式等の各種のオンデマンド方式が含まれる。
【0012】
<第1実施形態>
(インクジェットプリンタの構成)
図1に示すインクジェットプリンタ1は、図2のように、インクヘッド2とカッティングヘッド3と一対の紫外線照射装置4a、4bとを備えている。印刷時にはインクヘッド2から記録媒体に紫外線硬化インクが吐出され、紫外線硬化インクは紫外線照射装置4a、4bによる紫外線照射により硬化される。印刷後、必要に応じて、カッティングヘッド3による切り取り加工が行われる。なお、図1に示す符号Yは主走査方向を示し、符号Xは主走査方向Yと直交する方向である副走査方向を示す。
【0013】
インクジェットプリンタ1は、図1に示すように、主走査方向Yに延びるケーシング10を有する装置本体11と、装置本体11を支持する脚12とを備えている。本体11の右側には、操作パネル13が設けられている。装置本体11の上側部分には、開閉自在なフロントカバー14が取り付けられている。装置本体11およびフロントカバー14により、装置ケーシングが形成されている。
【0014】
装置本体11は、図3に示すように、前面に排出口20を有する箱型状のフロント部材15を備えている。排出口20は、上部側を支点として開閉するカバー体21により、その全体が閉じられている。カバー体21の上端部は、固定具22によりフロント部材15の前面に固定されている。カバー体21の下端部21aは、排出口20の下端20aよりも下方に延びており、フロント部材15の外面と重なっている。
【0015】
排出口20と紫外線照射装置4a,4bとの間には、垂直板11aが配置されている。垂直板11aの排出口20と対向する位置には、通過口23が形成されている。通過口23には、他のカバー体24が開閉自在に取り付けられている。カバー体24の上端部は、固定具25によりガイド片26とともに垂直板11aに固定されている。通過口23の下部側が常時開放されるように、カバー体24の上下方向の長さは短く形成されている。カバー体24の下端24aは、通過口23の下端23aよりも上方に位置している。
【0016】
各カバー体21、24は、紫外線が透過しない軟質のゴムで形成されている。前記ガイド片26の下端部は、先端側に行くほど前方下向きに傾斜するように折曲されている。なお、排出口20および通過口23は、後述するプラテン31の前方に配置されている。排出口20および通過口23は、プラテン31の平面状部を前方に延長した仮想平面上に位置している。また、各カバー体21、24の下端部21a、24aは、プラテン31よりも下方に配置されている。
【0017】
図2に示すように、装置本体11の内部には、主走査方向Yに延びるガイドレール30が設けられている。なお、同図のようにインクジェットプリンタ1を平面から見たときに、主走査方向Yは左右方向に対応し、副走査方向Xは前後方向に対応する。そこで以下では、主走査方向Yを左右方向、副走査方向Xを前後方向と適宜称することがある。ガイドレール30の中央部の前方には、プラテン31が配置されている。プラテン31は、インクヘッド2による印刷、紫外線照射装置4a、4bによる紫外線の照射、およびカッティングヘッド3による記録媒体の切断の際に、記録媒体を支持する部分である。記録媒体の印刷等は、プラテン31上において行われる。プラテン31の前端部には、図3に示すように、記録媒体としての記録用紙Pを前方斜め下向きに案内する断面略円弧状のガイド板32が取り付けられている。記録用紙Pは、垂直板11aの後方に形成された搬送路33、および記録用紙Pを前方斜め下向きに案内するガイド16(図1参照)を介して外部に排出される。
【0018】
ガイドレール30の右端部分の近傍にはプーリ34が設けられ、ガイドレール30の左端部分の近傍にはプーリ35が設けられている。プーリ34、35間には、無端状のベルト36が巻き掛けられている。プーリ34には、モータ37が連結されている。モータ37がプーリ34を駆動すると、プーリ34、35間でベルト36が走行する。モータ37には、制御装置38が通信可能に接続されている。モータ37は正逆回転自在なモータである。制御装置38は、モータ37を制御することにより、後述するキャリッジ40の移動を制御する。なお、本実施形態ではプーリ34が駆動されるが、プーリ35を駆動してもよいことは勿論である。
【0019】
ベルト36には、カッティングヘッド3に内蔵されたキャリッジ40が取り付けられている。また、キャリッジ40はガイドレール30に係合している。そのため、カッティングヘッド3はキャリッジ40を介して、ベルト36の走行により左右方向に移動する。図4に示すように、カッティングヘッド3の右側部には磁石41が取り付けられている。本実施形態では、磁石41はカッティングヘッド3の前後方向の略中央位置に配置されている。
【0020】
図2に示すように、プラテン31の左端部および右端部には、記録媒体を副走査方向Xに送り出す上下一対のローラ39(なお、図2では上側のローラ39のみ図示されている)が夫々配置されている。上下一対のローラ39のうち、いずれか一方のローラ39は自ら回転する駆動ローラであり、他方のローラ39は、当該駆動ローラと共に記録媒体を挟み込むためのピンチローラである。なお、駆動ローラの動作は制御装置38によって制御される。これらローラ39は、記録媒体を副走査方向Xに搬送する搬送機構を構成している。なお、上下一対のローラ39の設置位置は、プラテン31の左端部および右端部に限定される訳ではない。
【0021】
次に、インクヘッド2について説明する。インクヘッド2は、記録媒体に向かってインクを吐出するヘッドである。インクヘッド2は、図4に示すように、インクを吐出するノズル(図示せず)を有する複数のプリントヘッド50と、それらプリントヘッド50を支持するプリントヘッドキャリッジ51とを有している。プリントヘッドキャリッジ51は、左右方向に移動可能なようにガイドレール30に係合している。プリントヘッド50は、上記ノズルからインク滴を下方に向かって吐出する。図示は省略するが、装置本体11の後部には、インクが充填されたインクカートリッジが取り付けられている。プリントヘッド50は、チューブ(図示せず)等を介して上記インクカートリッジに接続されている。プリントヘッド50には、上記インクカートリッジからインクが供給される。なお、インクヘッド2の吐出動作も制御装置38によって制御される。
【0022】
インクヘッド2のノズルから吐出されるインクは、紫外線硬化インクである。紫外線照射装置4a、4bは、インクヘッド2の左右に配置されている。紫外線照射装置4a、4bは紫外線発光ダイオードから構成されている。ただし、紫外線照射装置4a、4bの種類は何ら限定されず、例えばハロゲンランプ等で構成してもよい。一方の紫外線照射装置4aは、連結部材52を介してプリントヘッドキャリッジ51の左側部に取り付けられている。他方の紫外線照射装置4bは、連結部材53を介してプリントヘッドキャリッジ51の右側部に取り付けられている。一方の紫外線照射装置4aと他方の紫外線照射装置4bとは、互いに前後方向にずれた位置に配置されている。一方の紫外線照射装置4aは他方の紫外線照射装置4bよりも前側に配置されている。プリントヘッドキャリッジ51の左側部の後部側には磁石42が取り付けられている。
【0023】
次に、カッティングヘッド3について説明する。カッティングヘッド3は、記録用紙P等の記録媒体を切断するヘッドである。記録用紙Pの切り抜き加工を行う際には、キャリッジ40によってカッティングヘッド3を主走査方向Yに移動させるとともに、ローラ39によって記録用紙Pを副走査方向Xに移動させる。これにより、カッティングヘッド3を記録用紙Pに対して二次元的に移動させることができ、記録用紙Pの任意の箇所を切断したり、切り抜いたりすることができる。図5に示すように、カッティングヘッド3は、カッター60と、カッター60を支持するとともに、キャリッジ40が内蔵されるケース61とを備えている。なお、同図においては、紫外線照射装置4a、4bの図示は省略している。
【0024】
ケース61の右側部に設けた磁石41とインクヘッド2の磁石42とが接触すると、図4および図5に示すように、両磁石41、42が吸着されるために、カッティングヘッド3とインクヘッド2とが互いに連結される。これにより、インクヘッド2、カッティングヘッド3および紫外線照射装置4a、4bが一体化されたヘッド5が形成される。一方、インクヘッド2が固定された状態でベルト36が走行し、キャリッジ40を介してカッティングヘッド3に左向きの力が加えられると、両磁石41、42は相互に離反する。すなわち、インクヘッド2が後述するホームポジションHP(図2参照)において固定され、カッティングヘッド3が左側に移動すると、カッティングヘッド3とインクヘッド2との連結が解除される。このように、磁石41、42は、カッティングヘッド3とインクヘッド2とを着脱自在に連結する機能を有している。
【0025】
(インクジェットプリンタの動作)
次に、インクジェットプリンタ1を使用して、記録媒体としてのガラス板Gに印刷を行う場合について説明する。ここでは、インクジェットプリンタ1は、インクヘッド2による印刷と、紫外線照射装置4a、4bによるインクの硬化と、記録媒体を外部へ排出するための搬送とを実行するものとする。
【0026】
印刷時には、インクヘッド2はカッティングヘッド3に連結される。この両者の連結は、インクヘッド2のホームポジションHPにおいて行われる。インクヘッド2がホームポジションHPに待機しているときにカッティングヘッド3がガイドレール30に沿って右方に移動していくと、やがてインクヘッド2の磁石41がインクヘッド2の磁石42と接触し、これら磁石41、42によってカッティングヘッド3とインクヘッド2とが連結される。なお、図6に模式的に示すように、インクヘッド2には係止部材70が設けられており、装置本体11の右端部には、インクヘッド2の係止部材70と係脱可能な係止部材71が設けられている。切り抜き加工の終了時には、係止部材71が係止状態(図6にて仮想線で示す状態)から非係止状態(図6にて実線で示す状態)となり、インクヘッド2の係止部材70と装置本体11の係止部材71との係合が解除される。そのため、カッティングヘッド3が主走査方向Yに移動すると、インクヘッド2もカッティングヘッド3と一体となって主走査方向Yに移動することになる。
【0027】
インクヘッド2は、主走査方向Yに往復移動しながら、ガラス板Gに向かってインク滴を吐出する。ガラス板Gは、インクヘッド2の往復移動に伴い、ローラ39によって副走査方向Xに搬送される。例えば、インクヘッド2が主走査方向Yの一方から他方へ移動すると、ガラス板Gが所定長さだけ前方へ搬送され、続いてインクヘッド2が反転して他方から一方へ移動すると、ガラス板Gが再び所定長さだけ前方へ搬送され、以下同様の動作が繰り返される。これにより、ガラス板G上に2次元の画像等が形成される。また、インクヘッド2の主走査方向Yの移動に伴い、紫外線照射装置4a、4bが適宜発光する。これにより、ガラス板Gに吐出されたインク滴に紫外線が照射される。そして、ガラス板G上のインク滴は硬化乾燥し、ガラス板Gに定着する。
【0028】
ローラ39により副走査方向Xに搬送されたガラス板Gは、図3に示すように、プラテン31上をそのまま直進する。そして、ガラス板Gの前端部分が通過口23に設けたカバー体24と接触する。ガラス板Gはローラ39により一定の送り力をもって搬送されるため、ゴム製のカバー体24はガラス板Gから押圧力を受けて、前方に撓むことになる。図示は省略するが、この際、カバー体24の下部はガラス板Gの上面と接触した状態となる。これにより、ガラス板Gと通過口23の上端との間の隙間が、カバー体24によって塞がれる。ガラス板Gは通過口23を通過してフロント部材15へと搬送される。
【0029】
その後、ガラス板Gの前端部が、排出口20に設けたカバー体21と接触する。この場合も同様に、カバー体21はガラス板Gから押圧力を受けて前方に撓み、排出口20が開放される。図7に示すように、この際にも、カバー体21の下端部21aは、ガラス板Gの上面と接触した状態となる。これにより、ガラス板Gと排出口20の上端との間の隙間が、カバー体21によって塞がれる。したがって、紫外線照射装置4a、4bからガラス板Gの上面に照射され、その後水平方向に沿って進行する紫外線UVは、カバー体21によって遮断される。これにより、紫外線UVが外部に漏れることなく、ガラス板Gが排出口20から外部に排出されることになる。
【0030】
記録媒体が記録用紙P等の軟質材料からなる場合、インクジェットプリンタ1は、インクヘッド2による印刷と、紫外線照射装置4a、4bによるインクの硬化乾燥と、カッティングヘッド3による切り抜き加工と、記録媒体を外部へ排出するための搬送とを実行することができる。但し、インクヘッド2による印刷および紫外線照射装置4a、4bによるインクの硬化乾燥は、上述したガラス板Gの場合と同様に行われるため、ここではその説明は省略する。以下、カッティングヘッド3による切り抜き加工および記録媒体を外部へ排出するための搬送について説明する。
【0031】
切り抜き加工の時には、インクヘッド2はカッティングヘッド3から切り離された状態でホームポジションHP(図2参照)において待機する。印刷終了時には、インクヘッド2はカッティングヘッド3によってホームポジションHPに搬送される。そして、インクヘッド2がホームポジションHPに到達すると、係止部材71(図6参照)が非係止状態から係止状態となり、インクヘッド2の係止部材70と係合する。この状態でカッティングヘッド3が左方に移動すると、カッティングヘッド3の磁石41とインクヘッド2の磁石42との吸着力に抗して、カッティングヘッド3がインクヘッド2から離反する。これにより、インクヘッド2はホームポジションHPに残り、ホームポジションHPにおいて待機することになる。なお、図6では、ベルト36および紫外線照射装置4a、4bの図示は省略している。
【0032】
カッティングヘッド3が記録用紙Pの所定の位置に移動すると、カッティングヘッド3のカッター60(図5参照)が下降し、記録用紙Pを切り込む。そして、カッター60が記録用紙Pを切り込んだ状態のまま、カッティングヘッド3が主走査方向Yに移動するとともに、ローラ39によって記録用紙Pが副走査方向Xに搬送される。これにより、記録用紙Pが所定形状に切断される。
【0033】
そして、ローラ39によりさらに副走査方向Xに搬送された記録用紙Pは、図3に示すように、ガイド板32に沿って下降し、搬送路33を介してガイド16に排出される。
【0034】
(実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1においては、排出口20および通過口23がプラテン31の前方に配置されている。このため、プラテン31から前方に搬送される硬質なガラス板Gを、排出口20および通過口23を通じて無理なく外部に排出することができる。
【0035】
また、排出口20、通過口23には、紫外線が透過しないゴム製のカバー体21、24が、上部側を支点として開閉するように取り付けられている。各カバー体21、24の下端部21a、24aは、プラテン31よりも下方に配置されている。ガラス板Gを排出する際には、カバー体21、24の下端部21a、24aがガラス板Gと接触した状態となり、カバー体21、24は、ガラス板Gの上方位置から前方に向かって漏れ出す紫外線UVを遮断する。このため、紫外線照射装置4a、4bから照射される紫外線が装置外部に漏洩することを確実に防止できる。
【0036】
各カバー体21、24は軟質材料であるゴムから構成されているので、ガラス板Gの印刷面(上面)と接触しても、その印刷面に損傷を与えるようなこともなく、良好な印刷状態を維持することができる。なお、ここでいう「軟質材料」とは、記録媒体の印刷面を傷つけない程度に柔らかい材料を言う。例えば、硬質材料からなる記録媒体よりも柔らかい材料である。
【0037】
さらに、本実施形態では、ゴム製の各カバー体21、24は、搬送されるガラス板Gにより開閉されるために、カバー体21、24を開閉駆動する装置を別途設ける必要はない。すなわち、硬質の記録媒体の特性を有効利用することにより、カバー体21、24を開閉駆動する装置を省略することができる。これにより、装置全体の構成を簡略化することができるので、その製作が安価でかつ容易に行える。但し、カバー体21、24を開閉駆動するアクチュエータ等の開閉装置を別途設けることも勿論可能である。開閉装置は、必要に応じて設ければよい。
【0038】
本実施形態では、紫外線の外部漏洩は、2つのカバー体21、24によって二重に防止される。したがって、紫外線の外部漏洩をより確実に防止することができる。ただし、カバー体24を省略することも可能である。
【0039】
カバー体21の下端部21aは、排出口20の下端20aよりも下方に延び、フロント部材15の外面と重なっている。そのため、排出口20からの紫外線の漏れを、より確実に防止することができる。一方、装置本体11の内部に配置されたカバー体24は、その下端部24aが通過口23の下端23aよりも上方に位置している。言い換えると、通過口23の下部側が開放されるように、カバー体24の上下方向の長さは短く形成されている。そのため、カバー体24の開放時における前方側への突出量は低減される。これにより、カバー体24と他の構成部材等との不用意な接触を適切に回避することができる。但し、通過口23の全体をカバー体24で覆うことも可能である。
【0040】
前述したように、紫外線照射装置4a、4bは、主走査方向Yに往復移動しながら紫外線を照射する。ところで、紫外線照射装置4a、4bが排出口20よりも左方または右方に位置しているときには、紫外線が排出口20を通じて外部に漏れるおそれは少ない。そこで、紫外線照射装置4a、4bが排出口20よりも左方または右方に移動した時に、ローラ39が記録媒体を前後方向に搬送するようにしてもよい。記録媒体が前後方向に搬送される際に、記録媒体がカバー体24に対して摺動し、カバー体24が一瞬僅かに開いてしまう可能性がある。しかし、紫外線照射装置4a、4bが排出口20よりも左右方向の外側に位置していれば、たとえカバー体24が一瞬僅かに開いたとしても、紫外線が排出口20から外部に漏れるおそれはない。したがって、正面から見て紫外線照射装置4a、4bが排出口20よりも左方または右方に移動した時に、記録媒体を前後方向に搬送することとすれば、紫外線の漏れをより確実に防止することができる。
【0041】
<第2実施形態>
上記第1実施形態においては、排出口20および通過口23にカバー体21、24を開閉自在に設けていたが、これに代えて次のように構成することも可能である。すなわち、図8に示すように、一対の板状体80を上下に所定間隔を有して対向配置し、ガラス板Gが通過可能な通路81を形成する。通路81はプラテン31の前方と排出口20との間に配置される。これによると、印刷されたガラス板Gは、通路81内を副走査方向Xに搬送されて、排出口20から外部に排出される。
【0042】
この場合、通路81の前後方向の長さを十分に確保するとともに、板状体80の間隔を幅狭に形成することにより、紫外線の外部への漏洩は適切に防止できる。また、全体が極めて簡易に構成できるという利点もある。このように、カバー体を省略したとしても、紫外線の外部への漏洩を抑制することが可能である。
【0043】
なお、記録媒体が多少変形可能な段ボール等であるような場合は、通路81を若干湾曲させて形成することも可能である。このように通路81を湾曲させれば、紫外線の外部への漏洩をさらに抑制することができる。
【0044】
上記第2実施形態において、通路81を省略することも可能である。この場合であっても、排出口20は小さな開口であるので、プラテン31の前方が大きく開放されているものに比べて、紫外線の外部への漏洩を抑制することができる。
【0045】
<第3実施形態>
上記第1および第2実施形態では、記録媒体を支持する支持部材はプラテン31であり、記録媒体を搬送する搬送装置は上下一対のローラ39であった。上記実施形態では、上下一対のローラ39で記録媒体を挟みながら、ローラ39を回転させることによって記録媒体を搬送していた。しかし、支持部材および搬送装置は、上記実施形態のものに限定されるわけではない。本実施形態は、支持部材と搬送装置とが一体となったものである。すなわち、記録媒体を支持しつつ前後方向に搬送する搬送部材により、支持部材を構成したものである。以下では、第1または第2実施形態と同様の部分には同様の符号を付し、それらの説明は省略する。
【0046】
図9および図10に示すように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、プラテンの代わりに、コンベアベルト45を備えている。コンベアベルト45は、前側のプーリ47と後側のプーリ46とに巻き掛けられている。後側のプーリ46にはモータ55が接続されている。ただし、前側のプーリ47にモータ55が接続されていてもよい。モータ55が回転するとプーリ46が回転し、コンベアベルト45が前後方向に走行する。モータ55は両方向に回転可能であり、コンベアベルト45は、ガラス板G等の記録媒体を前方および後方のいずれにも搬送可能である。
【0047】
コンベアベルト45およびプーリ46,47の材料、構造、寸法等は、何ら限定されない。本実施形態では、コンベアベルト45は平ベルトである。ただし、コンベアベルト45は他の種類のベルト、例えば、歯付きベルトであってもよく、Vベルトであってもよい。コンベアベルト45は、ゴム製のベルトであってもよく、樹脂製のベルトであってもよく、金属製のベルトであってもよい。また、それらを組み合わせたベルトであってもよい。コンベアベルト45の表面には、凹凸が形成されていてもよく、平坦であってもよい。プーリ46,47は、コンベアベルト45に対応したものであればよく、例えば、コンベアベルト45がVベルトであった場合、外周に上記Vベルトが嵌るV溝が形成されたものを用いることができる。また、コンベアベルト45が歯付きベルトの場合、プーリ46,47として、外周に歯が形成された歯付きプーリを用いることができる。
【0048】
第1実施形態と同様、装置本体11には、上部側を支点として開閉するカバー体21が設けられている。排出口20は、カバー体21によって開閉自在に覆われている。カバー体21の下端部21aは排出口20の下端20aよりも下方に延びており、フロント部材15の外面と重なっている。本実施形態においても、カバー体21は、紫外線が透過しない軟質のゴムで形成されている。ただし、カバー体21の材料は特に限定されるわけではない。
【0049】
本実施形態においても、カバー体21はガラス板Gに押されることによって開かれる。ガラス板Gを排出する際には、カバー体21の下端部21aがガラス板Gの表面に接触した状態となる。そのため、紫外線が外部に漏れることを確実に防止することができる。本実施形態によれば、ベルトコンベア式の搬送装置を備えたインクジェットプリンタ1において、前述の効果を得ることができる。
【0050】
コンベアベルト45の上面は、ガラス板Gを支持する支持面45aを構成している。排出口20は、コンベアベルト45の支持面45aを前方に延長した仮想平面上に位置している。排出口20の下端20aは、コンベアベルト45の支持面45aより下方に位置している。このように、コンベアベルト45の支持面45aが排出口20の下端20aよりも高いので、カバー体21により、紫外線の漏洩を効果的に防止することができる。
【0051】
ベルトコンベア式の搬送装置によれば、より厚い記録媒体またはより重量の大きい記録媒体をも搬送することができる。よって、本実施形態によれば、より多様な記録媒体に対し、印刷が可能となる。なお、厚い記録媒体を対象とする場合には、排出口20を大きくしなければならない。そのため、何らかの工夫を施さなければ、紫外線が外部に漏れやすくなる。ところが、本実施形態によれば、上述の通り、カバー体21が紫外線の漏洩を防止する。したがって、排出口20を大きくしても、紫外線が外部に漏れるおそれが少ない。
【0052】
フロントカバー14は、蝶番49によって装置本体11に対して開閉自在に取り付けられている。その他については、第1の実施形態と略同様である。
【0053】
図11(a)および(b)は、ベルトコンベア式の他のインクジェットプリンタ1の断面図である。このインクジェットプリンタ1では、コンベアベルト45の前後方向の長さが、上述のもの(図9参照)よりも長くなっている。このインクジェットプリンタ1では、コンベアベルト45の前端45bが排出口20の後端20bよりも前方に位置している。図11(b)に示すように、カバー体21がガラス板Gに押されていないときには、カバー体21の下端部21aはコンベアベルト45の支持面45aと接触する。その結果、排出口20はカバー体21によって閉じられる。一方、図11(a)に示すように、カバー体21がガラス板Gによって前方に押されると、カバー体21は上部側を支点として変形する。その結果、排出口20が開かれ、ガラス板Gが前方に向かって排出可能となる。その他については、図9および図10に示すインクジェットプリンタ1と同様である。本インクジェットプリンタ1によれば、より長いガラス板Gも印刷対象とすることができる。
【0054】
図12は、コンベアベルト45の代わりに、複数のローラ56を備えたものである。ローラ56は、ガラス板Gを支持しつつ前後方向に搬送可能に構成されている。ローラ56の種類および個数等は何ら限定されない。本実施形態では、全てのローラ56が、自ら回転するローラである。ただし、一部のローラ56は、自らは駆動しないローラであってもよい。すなわち、一部のローラ56は、ガラス板Gを支持するが搬送しないローラであってもよい。各ローラ56は、その上端部でガラス板Gを支持している。排出口20の下端20aは、ローラ56がガラス板Gを支持している箇所56aよりも下方に位置している。これにより、紫外線の漏洩がカバー体21によって効果的に防止される。
【0055】
図示は省略するが、上記インクジェットプリンタ1において、ローラ56の全体の前後方向長さを長くしてもよい。例えば、上記インクジェットプリンタ1において、ローラ56の個数を多くしてもよい。また、上記インクジェットプリンタ1において、ローラ56の間隔を大きくしてもよい。この場合、最も前側に位置するローラ56の前端が、排出口20の後端20a(図11(a)参照)よりも前方に位置していてもよい。これにより、複数のローラ56を備えたインクジェットプリンタ1において、より長いガラス板Gも印刷対象とすることができる。
【0056】
なお、本実施形態において、コンベアベルト45またはローラ56によりガラス板Gを前後方向に搬送するタイミングは、特に限定されない。本実施形態においても、紫外線照射装置4aまたは4bが排出口20よりも左方または右方に位置するときに、ガラス板Gを前後方向に搬送するようにしてもよい。
【0057】
<その他の実施形態>
上記第1〜第3実施形態は、互いに組み合わせて実施することが可能である。例えば、実施形態1において、実施形態2の通路81を設けることも可能である。
【0058】
カバー体21、24の材質は、上記実施形態のようなゴムに限定されず、例えば布等であってもよい。また、カバー体21、24は、少なくともガラス板G等の記録媒体が接触する部位だけを、これらの軟質材料で形成するようにしてもよい。さらには、下端部にゴムを設けた金属板でカバー体21、24を構成し、それらを蝶番等を介して排出口20、通過口23に取り付けるようにしても構わない。
【0059】
カバー体21、24の下端部21a、24aは、記録媒体と擦れるように構成されていた。しかし、カバー体21、24の下端部21a、24aは、記録媒体の排出時に記録媒体と接触していればよく、例えば、金属等からなるカバー体21、24の下端部21a、24aに、記録媒体上で回転するローラ等を設けてもよい。
【0060】
また、上記第1〜第2実施形態では、各カバー体21、24の下端部をプラテン31よりも下方に配置しているが、必ずしもこのように構成する必要はない。
【0061】
さらに、上記実施形態においては、ガラス板Gはカバー体21、24の上部側を通過するように構成しているが、下部側(すなわち、上下方向の中間位置よりも下側)を通過するようにして構成してもよい。これによれば、比較的小さな押圧力により各カバー体21、24を開放できるので、ガラス板Gが装置内部で詰まるという事態が発生しにくくなる。また、カバー体21、24の開放時における前方側への突出量も低減することができる。
【0062】
また、上記実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、記録用紙P等の軟質材料からなる記録媒体にも適用できるように構成している。しかし、必ずしもこのように構成する必要はなく、ガラス板G等の硬質材料からなる記録媒体のみを適用対象とするように構成してもよい。
【0063】
その他、インクジェットプリンタ1の形状等の各部の構成も、本発明の意図する範囲内において任意に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0064】
1 インクジェットプリンタ(インクジェット式記録装置)
2 インクヘッド
4a、4b 紫外線照射装置
11 装置本体
20 排出口
21 カバー体
23 通過口
24 他のカバー体
31 プラテン(支持部材)
45 コンベアベルト(支持部材、搬送部材)
56 ローラ(支持部材、搬送部材)
80 板状体
81 通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方に向かって開口した排出口が形成された装置ケーシングと、
前記装置ケーシング内における前記排出口の後方に配置され、記録媒体を支持する支持部材と、
前記装置ケーシング内に配置され、紫外線が照射されると硬化するインクを前記記録媒体に吐出するインクヘッドと、
前記装置ケーシング内に配置され、前記記録媒体に対して紫外線を照射する紫外線照射装置と、
前記排出口を開閉自在に覆うカバー体と、を備え、
前記記録媒体が前記排出口から排出される際に、前記カバー体が開かれる、インクジェット式記録装置。
【請求項2】
前方に向かって開口した排出口が形成された装置ケーシングと、
前記装置ケーシング内における前記排出口の後方に配置され、記録媒体を支持する支持部材と、
前記装置ケーシング内に配置され、紫外線が照射されると硬化するインクを前記記録媒体に吐出するインクヘッドと、
前記装置ケーシング内に配置され、前記記録媒体に対して紫外線を照射する紫外線照射装置と、
上部を支点として変形または回転することによって前記排出口を開閉自在に覆うカバー体と、を備え、
前記記録媒体が前記排出口から排出される際に、前記カバー体の下部が前記記録媒体の上面と接触した状態を保ちつつ前記カバー体が開かれる、インクジェット式記録装置。
【請求項3】
前方に向かって開口した排出口が形成された装置ケーシングと、
前記装置ケーシング内における前記排出口の後方に配置され、記録媒体を支持する支持部材と、
前記装置ケーシング内に配置され、紫外線が照射されると硬化するインクを前記記録媒体に吐出するインクヘッドと、
前記装置ケーシング内に左右方向に移動自在に配置され、前記記録媒体に対して紫外線を照射する紫外線照射装置と、
前記記録媒体を前後方向に搬送する搬送装置と、
前記装置ケーシングに取り付けられ、上部を支点として変形または回転することによって前記排出口を開閉自在に覆うカバー体と、を備え、
前記記録媒体が前記排出口から排出される際に、前記カバー体の下部が前記記録媒体の上面と接触した状態を保ちつつ前記カバー体が開かれ、
前記搬送装置は、前記紫外線照射装置が前記排出口よりも左方または右方に位置するときに、前記記録媒体を前後方向に搬送する、インクジェット式記録装置。
【請求項4】
前方に向かって開口した排出口が形成された装置ケーシングと、
前記装置ケーシング内における前記排出口の後方に配置され、記録媒体を支持する平面状部を有する支持部材と、
前記装置ケーシング内に配置され、紫外線が照射されると硬化するインクを前記記録媒体に吐出するインクヘッドと、
前記装置ケーシング内に配置され、前記記録媒体に対して紫外線を照射する紫外線照射装置と、
前記装置ケーシングに取り付けられ、上部を支点として変形または回転することによって前記排出口を開閉自在に覆うカバー体と、を備え、
前記排出口は、前記支持部材の前記平面状部を前方に延長した仮想平面上に位置し、
前記記録媒体が前記排出口から排出される際に、前記カバー体の下部が前記記録媒体の上面と接触した状態を保ちつつ前記カバー体が開かれる、インクジェット式記録装置。
【請求項5】
少なくとも前記カバー体の下部が軟質材料により形成されている、請求項1〜4のいずれか一つに記載のインクジェット式記録装置。
【請求項6】
前記カバー体は、前記記録媒体に後方から押されることによって開かれる、請求項1〜5のいずれか一つに記載のインクジェット式記録装置。
【請求項7】
前記カバー体の下端は、前記支持部材よりも下方に配置されている、請求項1〜6のいずれか一つ記載のインクジェット式記録装置。
【請求項8】
前記装置ケーシング内の前記紫外線照射装置と前記排出口との間に位置し、前記記録媒体が通過する通過口と、
上部を支点として変形または回転可能であり、前記通過口の少なくとも一部を開閉自在に覆う他のカバー体と、をさらに備え、
前記記録媒体が前記通過口を通過する際に、前記他のカバー体の下部が前記記録媒体の上面と接触した状態を保ちつつ前記他のカバー体が開かれる、請求項1〜7のいずれか一つに記載のインクジェット式記録装置。
【請求項9】
前記カバー体の下部は、前記排出口の下端よりも下方に延び、前記装置ケーシングの外面と重なっており、
前記他のカバー体の下部は、前記通過口の下端よりも上方に位置している、請求項8に記載のインクジェット式記録装置。
【請求項10】
前記装置ケーシング内の前記紫外線照射装置と前記排出口との間に、前記記録媒体が通過する通路をさらに備え、
前記通路は、少なくとも上下に所定間隔を有して対向配置される一対の板状体を有している、請求項1〜9のいずれか一つに記載のインクジェット式記録装置。
【請求項11】
前記支持部材は、前記記録媒体を支持しつつ前後方向に搬送する搬送部材からなり、
前記排出口の下端は、前記搬送部材が前記記録媒体を支持している箇所よりも下方に位置している、請求項1、2または4に記載のインクジェット式記録装置。
【請求項12】
前記支持部材は、前記記録媒体を支持しつつ前後方向に搬送する搬送部材からなり、
前記搬送部材の前端が前記排出口の後端よりも前方に位置している、請求項1、2または4に記載のインクジェット式記録装置。
【請求項13】
前方に向かって開口した排出口が形成された装置ケーシングと、
前記装置ケーシング内における前記排出口の後方に配置され、記録媒体を支持する支持部材と、
前記装置ケーシング内に配置され、紫外線が照射されると硬化するインクを前記記録媒体に吐出するインクヘッドと、
前記装置ケーシング内に左右方向に移動自在に配置され、前記記録媒体に対して紫外線を照射する紫外線照射装置と、
前記記録媒体を前後方向に搬送する搬送装置と、を備え、
前記搬送装置は、前記紫外線照射装置の少なくとも一部が前記排出口よりも左方または右方に位置するときに、前記記録媒体を前後方向に搬送する、インクジェット式記録装置。
【請求項14】
前方に向かって開口した排出口が形成された装置ケーシングと、
前記装置ケーシング内における前記排出口の後方に配置され、記録媒体を支持する平面状部を有する支持部材と、
前記装置ケーシング内に配置され、紫外線が照射されると硬化するインクを前記記録媒体に吐出するインクヘッドと、
前記装置ケーシング内に配置され、前記記録媒体に対して紫外線を照射する紫外線照射装置と、を備え、
前記排出口は、前記支持部材の前記平面状部を前方に延長した仮想平面上に位置している、インクジェット式記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−31600(P2011−31600A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211347(P2009−211347)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(000116057)ローランドディー.ジー.株式会社 (163)
【Fターム(参考)】