説明

インクジェット記録紙用添加剤

【課題】インクジェット用記録紙において濃度発色性に優れたインクジェット記録紙用添加剤を提供する。
【解決手段】単量体成分として、A)メタクリル酸ブチルを20〜80モル%、(B)アクリルアミドを20〜80モル%、(C)上記2成分以外で共重合可能な単量体を0〜20モル%で共重合させた乳化物(ただしA+B+C=100モル%とする)からなるインクジェット記録紙用添加剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録紙用添加剤に関するものである。詳しくは、インクジェット用プリンターで印刷する際に高濃度発色性を発現させるインクジェット記録紙用添加剤に関するものである。
【0002】
近年、パソコン、インクジェット用プリンターが一般家庭にもかなり普及しており、また、高性能なデジタルカメラも多く普及している。それにより写真などの高画質な画像を手軽に印刷することができるようになってきている。
【0003】
また、これらのユーザーからは、インクジェット用プリンターによりインクジェット記録紙に印刷した画像等の発色性について、より一層の向上が望まれている。従来、インクジェット記録紙の塗工方法としては顔料コート紙と非塗工紙に大別されている。前者の顔料コート紙は一般に(マット紙、光沢紙)と呼ばれている物で、シリカやアルミナ等の多孔質顔料、バインダー等からなる塗工液を原紙にコーティングしてインク受容層を形成するため、濃度発色性を向上することができるが十分ではない、また、高価な顔料やバインダーを多く使用するため、コストが高くつくという欠点がある。それに対して非塗工紙は一般に普通紙と呼ばれ、顔料は使用せず安価なデンプン等からなる塗工液をサイズプレス処理等したもので、非常に安価である。しかし、インク受容層が紙自体となるため、印字されたインクの高濃度発色性を発現しにくいという欠点がある。
【背景技術】
【0004】
従来、発色性向上方法としては、セルロースエーテルとN−メチロールアクリルアミドとの反応生成物などの吸水性樹脂と、ポリメタクリル酸メチルなどの高分子結合剤とを、メチルエチルケトンなどの溶剤で溶解したものを紙に塗工したものである。(特許文献1参照)
【0005】
また、メタクリル酸メチルの乳化重合物を有効成分としたもの、或いは、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリルアミドの乳化共重合物を有効成分としたものが開示されている。(特許文献2参照)
しかしながら特許文献1では発色性が未だ十分ではなく、さらには有機溶剤を使用しているため、作業環境を悪化させるという問題がある。また、特許文献2ではある程度の発色性の向上が見られるものの、未だ十分であるとはいえない。
【特許文献1】特開昭57−173194号公報
【特許文献2】特開2002−46345号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、インクジェット記録紙において従来以上に濃度発色性に優れた添加剤の開発を技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題の解決するためには紙へのインクの浸透性を抑えることにより高濃度発色性を得ることができると考え、熟考検討を重ねた結果、本発明の(A)メタクリル酸ブチルを20〜80モル%、(B)アクリルアミドを20〜80モル%、(C)上記2成分以外で共重合可能な単量体を0〜20モル%で共重合させた乳化物(ただしA+B+C=100モル%とする)において優れた濃度発色性を見出し、本発明の完成を成し遂げた。
【0008】
即ち、本発明は単量体成分として、A)メタクリル酸ブチルを20〜80モル%、(B)アクリルアミドを20〜80モル%、(C)上記2成分以外で共重合可能な単量体を0〜20モル%で共重合させた乳化物(ただしA+B+C=100モル%とする)からなるインクジェット記録紙用添加剤である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明単量体成分として、(A)メタクリル酸ブチルを20〜80モル%、(B)アクリルアミドを20〜80モル%、(C)上記2成分以外で共重合可能な単量体を0〜20モル%で共重合させた乳化物(ただしA+B+C=100モル%とする)からなるインクジェット記録紙用添加剤である。これらのインクジェット記録紙用添加剤をそれぞれインクジェット記録紙に塗工または内添して使用することができる。
【0010】
前述のように、本発明は単量体成分として、単量体成分として、A)メタクリル酸ブチルを20〜80モル%、(B)アクリルアミドを20〜80モル%、(C)上記2成分以外で共重合可能な非イオン性あるいはアニオン性単量体を0〜20モル%で共重合させた乳化物(ただしA+B+C=100モル%とする)が濃度発色性の向上に必要である。メタクリル酸ブチルを20モル%より少ない、あるいは80モル%より多く含むと濃度発色性が向上しない。また、アクリルアミドの量が20モル%以下では乳化物の安定性が悪く、濃度発色性も悪くなる。また、メタクリル酸ブチル、アクリルアミド以外の共重合可能な単量体としてはノニオン、アニオン、カチオン性単量体のいずれを用いることも可能であるが、特にノニオン、アニオン性単量体が好適である。これら共重合可能な単量体は0〜20モル%以内の割合で含有することができる。しかしながら、20モル%を超えると濃度発色性向上効果が得られない。この濃度発色性向上の詳しい機構ははっきりとしないが、メタクリル酸メチルよりも疎水性であること、加えてメタクリル酸メチルよりもメタクリル酸ブチルの屈折率が高くこのポリマーの屈折率が高くなるために濃度発色性を特異的に向上させているのではないかと考えられる。即ち、本発明は単量体成分として、A)メタクリル酸ブチルを20〜80モル%、(B)アクリルアミドを20〜80モル%、(C)上記2成分以外で共重合可能な単量体を0〜20モル%で共重合させた乳化物(ただしA+B+C=100モル%とする)であることを特徴とするインクジェット記録紙用添加剤である。
【0011】
本発明に使用することができるメタクリル酸ブチル、アクリルアミド以外の共重合可能なアニオン性単量体としては例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、(メタ)アリルカルボン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ムコン酸等のジカルボン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミド2−メチルプロピルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸等の有機スルホン酸、またはこれら各種有機酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩等があげられる。また、非イオン性単量体としては例えばアクリル酸エステル(炭素数1〜18)、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸エステル(炭素数5〜18)、メタクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、スチレン、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸2エチルヘキシル、塩化ビニル、(メタ)アクリル酸グリシジル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等がある。
【0012】
反応を開始させる触媒は、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどのような過酸化物や2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]硫酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]塩酸塩などのようなアゾ系触媒、過酸化水素−鉄イオン(II)、過酸化ベンゾイル−ジメチルアニリンなどのようなレドックス触媒など一般的な触媒が使用できる。
【0013】
重合法としては、分散重合、懸濁重合、乳化重合等の一般的なラジカル重合法を使用する。
【0014】
必要ならば一般的に販売されているノニオン、アニオン、カチオン性活性剤、ノニオン、アニオン、カチオン性高分子のいずれを用いることも可能であるが、特にノニオン、アニオン性活性剤、ノニオン、アニオン性高分子を用いることが好適である。
【0015】
反応温度は、使用する触媒により異なるが、10℃〜100℃、より好ましくは、40℃〜80℃で反応させる。
【0016】
共重合物の詳細な合成方法は、合成例として後述する。
【0017】
紙表面に塗工する詳細な方法に関しては、実施例及び比較例で後述する。
【実施例】
【0018】
本発明の合成例および実施例を以下に挙げるが、言うまでもなく一例であり、これらに限定されることはない。
【0019】
合成例1
500mlセパラブルフラスコに、水277.0g、メタクリル酸n−ブチル102.86g、アクリルアミド17.14gを加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を3.0g加え、80℃で6時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度1300mPa・sの乳白色液体を得た。
【0020】
合成例2
500mlセパラブルフラスコに、水277.0g、メタクリル酸n−ブチル80g、アクリルアミド40gを加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を3.0g加え、80℃で6時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度1400mPa・sの乳白色液体を得た。
【0021】
合成例3
500mlセパラブルフラスコに、水277.0g、メタクリル酸n−ブチル48g、アクリルアミド72gを加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を3.0g加え、80℃で6時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度1500mPa・sの乳白色液体を得た。
【0022】
合成例4
500mlセパラブルフラスコに、水277.0g、メタクリル酸n−ブチル53.73g、アクリルアミド59.08g、アクリル酸ブチル8.07gを加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を3.0g加え、80℃で6時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度2200mPa・sの乳白色液体を得た。
【0023】
合成例5
500mlセパラブルフラスコに、水277.0g、メタクリル酸n−ブチル50.39g、アクアクリルアミド54.59g、メタクリル酸ラウリル15.03gを加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を3.0g加え、80℃で6時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度2100mPa・sの乳白色液体を得た。
【0024】
合成例6
500mlセパラブルフラスコに、水277.0g、メタクリル酸n−ブチル54.41g、アクリルアミド58.95g、スチレン6.64gを加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を3.0g加え、80℃で6時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度1800mPa・sの乳白色液体を得た。
【0025】
合成例7
500mlセパラブルフラスコに、水277.0g、メタクリル酸n−ブチル53.67g、アクリルアミド58.14g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル8.19gを加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を3.0g加え、80℃で6時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度2000mPa・sの乳白色液体を得た。
【0026】
合成例8
500mlセパラブルフラスコに、水276.77g、メタクリル酸n−ブチル51.82g、アクリルアミド56.14g、メタクリル酸2−エチルヘキシル12.04g、メタリルスルホン酸ソーダ0.23gを加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を3.0g加え、80℃で6時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度1800mPa・sの乳白色液体を得た。
【0027】
合成例9
500mlセパラブルフラスコに、水277.0g、メタクリル酸n−ブチル54.94g、アクリルアミド59.52g、メタクリル酸5.54gを加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を3.0g加え、80℃で6時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度2100mPa・sの乳白色液体を得た。
【0028】
比較合成例1
500mlセパラブルフラスコに、水273.6g、メタクリル酸メチル120.00g、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.4gを加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を4.0g加え、80℃で7時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度120mPa・sの乳白色液体を得た。
【0029】
比較合成例2
500mlセパラブルフラスコに、水276.0g、メタクリル酸メチル95.95g、アクリルアミド24.05gを加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を4.0g加え、80℃で7時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度400mPa・sの乳白色液体を得た。
【0030】
比較合成例3
500mlセパラブルフラスコに、水276.0g、メタクリル酸メチル58.07g、アクリルアミド61.93gを加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を4.0g加え、80℃で7時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度630mPa・sの乳白色液体を得た。
【0031】
比較合成例4
500mlセパラブルフラスコに、水279.0g、メタクリル酸n−ブチル21.82g、アクリルアマイド98.18gを加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を1.0g加え、80℃で8時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度440mPa・sの乳白色液体を得た。
【0032】
比較合成例5
500mlセパラブルフラスコに、水277g、メタクリル酸n−ブチル113.68g、アクリルアミド6.32gを加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を3.0g加え、80℃で6時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度1700mPa・sの乳白色液体を得た。
【0033】
比較合成例6
500mlセパラブルフラスコに、水277.0g、メタクリル酸n−ブチル34.27g、アクリルアミド47.12g、アクリル酸ブチル38.62を加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を3.0g加え、80℃で6時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度1800mPa・sの乳白色液体を得た。
【0034】
比較合成例7
500mlセパラブルフラスコに、水277.0g、メタクリル酸n−ブチル26.02g、アクリルアミド35.78g、メタクリル酸ラウリル58.2g、を加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を3.0g加え、80℃で6時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度1900mPa・sの乳白色液体を得た。
【0035】
比較合成例8
500mlセパラブルフラスコに、水277.0g、メタクリル酸n−ブチル36.47g、アクリルアミド50.14g、スチレン33.39gを加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を3.0g加え、80℃で6時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度2000mPa・sの乳白色液体を得た。
【0036】
比較合成例9
500mlセパラブルフラスコに、水277.0g、メタクリル酸n−ブチル34.09g、アクリルアミド46.88g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル39.03gを加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を3.0g加え、80℃で6時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度2000mPa・sの乳白色液体を得た。
【0037】
比較合成例10
500mlセパラブルフラスコに、水277.0g、メタクリル酸n−ブチル29.14g、アクリルアミド40.07g、メタクリル酸2−エチルヘキシル50.79gを加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を3.0g加え、80℃で6時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度2200mPa・sの乳白色液体を得た。
【0038】
比較合成例11
500mlセパラブルフラスコに、水277.0g、メタクリル酸n−ブチル38.32g、アクリルアミド52.68g、メタクリル酸29gを加え、よく攪拌する。反応系内を窒素置換しながら触媒として1%過硫酸カリウム水溶液を3.0g加え、80℃で6時間反応させて得られた乳白色液体に、水を加えポリマー濃度を30%に調整し、粘度1800mPa・sの乳白色液体を得た。
【0039】
なお、合成例及び比較合成例で使用した単量体組成のモル%を表1に示す。
【0040】
実施例1
水重量58.4%とシリカ10.0重量%とPVA−120(クラレ)の12%水溶液25.0重量%と合成例1に記載のポリマー6.6重量%(固形分換算2.0重量%)を含有する塗工液を、紙に塗工量約8g/mになるようにバーコーターで処理し、110℃で乾燥させた。この塗工紙に、インクジェット用プリンターPM−G800(セイコーエプソン株式会社製)で印刷し、性能試験を行った。性能試験に関しては後で詳しく説明する。
【0041】
実施例2
実施例1に記載されている合成例1のポリマーの代わりに合成例2に記載のポリマーを使用した以外は、実施例1と同様の方法で塗工紙を作り、性能試験を行った。
【0042】
実施例3
実施例1に記載されている合成例1のポリマーの代わりに合成例3に記載のポリマーを使用した以外は、実施例1と同様の方法で塗工紙を作り、性能試験を行った。
【0043】
実施例4
実施例1に記載されている合成例1のポリマーの代わりに合成例4に記載のポリマーを使用した以外は、実施例1と同様に行った。
【0044】
実施例5
実施例1に記載されている合成例1のポリマーの代わりに合成例5に記載のポリマーを使用した以外は、実施例1と同様に行った。
【0045】
実施例6
実施例1に記載されている合成例1のポリマーの代わりに合成例6に記載のポリマーを使用した以外は、実施例1と同様に行った。
【0046】
実施例7
実施例1に記載されている合成例1のポリマーの代わりに合成例7に記載のポリマーを使用した以外は、実施例1と同様に行った。
【0047】
実施例8
実施例1に記載されている合成例1のポリマーの代わりに合成例8に記載のポリマーを使用した以外は、実施例1と同様に行った。
【0048】
実施例9
実施例1に記載されている合成例1のポリマーの代わりに合成例9に記載のポリマーを使用した以外は、実施例1と同様に行った。
【0049】
比較例1(無添加)
水重量65%とシリカ10.0重量%とPVA−120(クラレ)の12%水溶液25.0重量%を含有する塗工液を、紙に塗工量約8g/mになるようにバーコーターで処理し、110℃で乾燥させた。この塗工紙に、インクジェット用プリンターPM−G800(セイコーエプソン株式会社製)で印刷し、性能試験を行った。性能試験に関しては後で詳しく説明する。
【0050】
比較例2
実施例1に記載されている合成例1のポリマーの代わりに比較合成例1に記載のポリマーを使用した以外は、実施例1と同様に行った。
【0051】
比較例3
実施例1に記載されている合成例1のポリマーの代わりに比較合成例2に記載のポリマーを使用した以外は、実施例1と同様に行った。
【0052】
比較例4
実施例1に記載されている合成例1のポリマーの代わりに比較合成例3に記載のポリマーを使用した以外は、実施例1と同様に行った。
【0053】
比較例5
実施例1に記載されている合成例1のポリマーの代わりに比較合成例4に記載のポリマーを使用した以外は、実施例1と同様に行った。
【0054】
比較例6
実施例1に記載されている合成例1のポリマーの代わりに比較合成例5に記載のポリマーを使用した以外は、実施例1と同様に行った。
【0055】
比較例7
実施例1に記載されている合成例1のポリマーの代わりに比較合成例6に記載のポリマーを使用した以外は、実施例1と同様に行った。
【0056】
比較例8
実施例1に記載されている合成例1のポリマーの代わりに比較合成例7に記載のポリマーを使用した以外は、実施例1と同様に行った。
【0057】
比較例9
実施例1に記載されている合成例1のポリマーの代わりに比較合成例8に記載のポリマーを使用した以外は、実施例1と同様に行った。
【0058】
比較例10
実施例1に記載されている合成例1のポリマーの代わりに比較合成例9に記載のポリマーを使用した以外は、実施例1と同様に行った。
【0059】
比較例11
実施例1に記載されている合成例1のポリマーの代わりに比較合成例10に記載のポリマーを使用した以外は、実施例1と同様に行った。
【0060】
比較例12
実施例1に記載されている合成例1のポリマーの代わりに比較合成例11に記載のポリマーを使用した以外は、実施例1と同様に行った。
【0061】
性能試験は印字濃度試験を行った。試験方法を詳細に説明する。
【0062】
印字濃度試験はインクジェット用プリンターPM−G800:セイコーエプソン株式会社製)を用いて実施例1〜10及び比較例1〜10の各記録紙にブラック、イエロー、マゼンダ、シアンのベタの印字を行い、印字後の画像濃度をマクベス濃度計(RD−19)にて測定し、各記録紙の画像濃度発色性を評価した。
【0063】
表2に実施例1〜10、比較例1〜10の試験結果を示す。
【0064】
表2における記号は、濃度発色性の評価を示す。評価基準は以下の通りである
濃度発色性の評価
◎:比較例1(無添加)より0.1以上発色性が向上。
○:比較例1(無添加)より0.09〜0.06発色性が向上。
△:比較例1(無添加)より0.05〜0.02発色性が向上
×:比較例1(無添加)より0〜0.01発色性が向上。
【0065】
表2の結果から、本発明の共重合物からなる添加剤を使用すると、塗工紙インクジェット記録紙にプリントされた画像の高濃度発色性が得られることは明らかである。また、非塗工紙においても使用することができる。
【発明の効果】
【0066】
本発明の共重合物をインクジェット記録紙の添加剤として使用すると高濃度発色性を得ることができる。
【表1】


【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
単量体成分として、A)メタクリル酸ブチルを20〜80モル%、(B)アクリルアミドを20〜80モル%、(C)上記2成分以外で共重合可能な単量体を0〜20モル%で共重合させた乳化物(ただしA+B+C=100モル%とする)からなる塗工紙用のインクジェット記録紙用添加剤。

【公開番号】特開2007−291306(P2007−291306A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−145897(P2006−145897)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(391003473)センカ株式会社 (20)
【Fターム(参考)】