説明

インクジェット記録装置

【目的】 インクジェット記録装置の部分及び全体を小型化する。
【構成】 このため、複数の実施法の一つとして、ブレードクリーナ108を排インク吸収体160に高分子の吸収体を介して連結した。
【効果】 本発明は従来装置に比べて小型化を達成でき、情報機器に内蔵しても全体の小型化を達成できた。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特にインクを記録ヘッド部に供給するためのインクタンクを一体化した記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置に関し、詳しくは、装置全体あるいは部分の小型化が達成された記録装置に関する。本発明は、プリンター単体や複写機,ワープロ,パーソナルコンピュータ,ファクシミリ、或はこれらの複合機に適用可能なインクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(1)従来のインクジェット記録装置においては、ヘッドの吐出口面をワイピングする際に付着するインクを除去するために、高分子吸収体でできたブレードクリーナを有していた。もしこのブレードクリーナが装着されていなければ、ブレードに付着したインクは、その揮発成分のみが蒸発し、不揮発成分のみがブレードの表面に残存することになる。このように揮発成分が蒸発したインクは、非常に粘度が高くなり、簡単には除去しきれないようになっている。さらに、このように増粘したインクがブレードに付着した状態でヘッドの吐出口面をワイピングした場合には、その増粘したインクがヘッドのノズル部に再転写する可能性があり、その場合にはインクの不吐出ないしは吐出状態の悪化(吐出量の低下,吐出着弾位置の乱れ等)が発生し、印字不良となる。
【0003】そこで、ワイピング直後にブレードに付着したインクを直ちに除去する必要性が確認されて、このインクを除去するために高分子吸収体等の吸水性のある材質で成形されたブレードクリーナが装着されるようになった。
【0004】しかし、このブレードクリーナが吸収したインクが飽和した場合には、それ以上インクを吸収することができなくなり、前述の増粘インクがブレードに付着する現象が発生したり、さらに悪い状況になればこのブレードクリーナからインクが漏れ出し装置を破壊してしまう可能性もあった。
【0005】したがって、従来のインクジェット記録装置においては、このブレードクリーナが絶対に飽和しないような吸収能力をもつように、その大きさが決定されて装着されていた。具体的には、A4を5000枚印字する場合には約2cm3 の吸収体の装着が必要であった。
【0006】(2)また従来のインクジェット記録装置には、一般に記録ヘッドの吐出口に付着した増粘インクや塵埃などを除去して安定したインク吐出機能を維持または回復するための回復装置が装着されている。この回復装置は、記録ヘッドの吐出口のインク乾燥を防ぐためのキャップと、インクを吐出口から吸引するためのポンプ手段とを有しており、このポンプ手段としては主にプランジャタイプのものが使用されている。この種のポンプ手段は、シール部材としてのピストンのみをシリンダ内で往復移動させ、ピストンの往工程で発生する負圧によって記録ヘッドからのインクをシリンダ内へ吸引し、復工程でシリンダ内のインクを排出系へ排出するように構成されている。
【0007】また、このポンプ手段のキャップは、シリンダとの間にインク流路を形成する必要があるため、キャップを保持している部分はシリンダとの間で漏れが内容に連結する必要がある。そこで従来では、キャップの保持部材とシリンダを密着させる部材を用いて、この部材をシリンダに溶着することで上記の問題を解決していた。
【0008】(3)また従来のインクジェット記録装置においては、キャリッジがキャッピング位置で待機している状態に、装置を持ち運んだり、また過失により落下させた場合などに、キャリッジがキャッピング位置から逸脱してしまい、その結果次回に電源を投入した際に、装置の駆動が不可能となる問題が発生していた。このような問題は可搬性のある小型の装置において顕著であり、特に重要な課題であった。
【0009】したがって従来は、キャリッジがキャッピング位置から逸脱しないように本体きょう体から突起部を出してその動きを規制したり、キャリッジからレバーを出してフレーム等に引掛けたりしていた。
【0010】(4)また従来のインクジェット記録装置においては、ヘッドの吐出口面を密封・開放するキャップの開閉動作は、一般にカムを用いて行われていた。また、キャップ内に予備吐出を行っている場合には、通常の吸引動作とは別にキャップを開放した状態で吸引動作を行い、キャップ内に溜ったインクをポンプユニット内に吸引しなければならない。以上のようなことから、従来はキャップ内に予備吐出を行う場合は、キャップの開閉動作とポンプユニットの駆動とをそれぞれ独立した駆動機構を用いて行っていた。
【0011】(5)また、従来のインクジェット記録装置には、一般に、記録ヘッドの吐出口に付着した増粘インクや塵埃などを除去して安定したインク吐出機能を維持または回復するための回復装置が装着されている。この回復装置は、記録ヘッドの吐出口のインク乾燥を防ぐためのキャップと、インクを吐出口から吸引するためのポンプ手段とを有しており、このポンプ手段としては主にプランジャタイプのものが使用されている。この種のポンプ手段は、シール部材としてのピストンのみをシリンダ内で往復移動させ、ピストンの往工程で発生する負圧によって記録ヘッドからのインクをシリンダ内へ吸引し、復工程でシリンダ内のインクを排出系へ排出するように構成されている。
【0012】(6)また従来例のインクジェット記録装置にあっては、ヘッドの吐出口面を密閉するキャップは、該ヘッドの吐出口面に対して垂直ないしはそれに近い角度で前後運動をしたり、回転運動により、キャップの開閉動作を作っていた。この場合一般には、キャップはそれを保持する部材を一体に装着されているため、その部材と共に動くことになる。
【0013】さらに、キャップとヘッドの吐出口面との隙間には、ヘッドの吐出口面をワイピングするブレードが通過しなければならないため、前述のキャップ開閉動作によるキャップの退避量はかなり大きくせざるを得なかった。そのため装置全体は必然的に大型となっていた。
【0014】(7)さらにまた、従来のインクジェット記録装置には、一般に、記録ヘッドの吐出口に付着した増粘インクや塵埃などを除去して安定したインク吐出機能を維持または回復するための回復装置が装着されている。この回復装置は、記録ヘッドの吐出口のインク乾燥を防ぐためのキャップと、インクを吐出口から吸引するためのポンプ手段とを有しており、このポンプ手段としては主にプランジャタイプのものが使用されている。この種のポンプ手段は、シール部材としてのピストンのみをシリンダ内で往復移動させ、ピストンの往工程で発生する負圧によって記録ヘッドからのインクをシリンダ内へ吸引し、復工程でシリンダ内のインクを排出系へ排出するように構成されていた。
【0015】また、このポンプ手順のキャップはシリンダとの間にインク流路を形成する必要があるため、キャップを保持している部材はシリンダとの間で漏れがないように連結する必要がある。そして、従来はこのキャップの保持部材とシリンダとの連結部にゴムのシール部材を用いて漏れのないように圧着するように連結されていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
(1)しかしながら、前記従来例(1)にあっては、プレードクリーナの容積が前述のように大型化してしまい、かつインクを吸収する性質上電気部品の近傍には配置できないという制約があるため、結果として装置全体の大型化を招いてしまっていた。そこで本発明では、ブレードクリーナの小型化を実現し、ひいては装置の小型化を達成しようとするものである。
【0017】(2)また、前記従来例(2)にあっては、キャップの保持部材とシリンダを密着させる部材が必要となってしまい、さらに、該部材を溶着しなければならなかったため、装置の大型化,組立性の悪化、それに伴うコストアップ等の問題があった。
【0018】そこで、本発明ではキャップの保持部材とシリンダを密着させる部材を廃止し、さらに溶着も廃止し、組立性の向上を実現し、ひいては装置の小型化とコストダウンを達成しようとするものである。
【0019】(3)また前記従来例(3)にあっては、前記のような逸脱防止の機構は常時必要な訳ではなく、キャリッジが印字のために走査し出すとその規制を解除する必要があるため、それを解除する機構も付加的に設けなければならなかった。従って、前述のような機構を装置内部に持たせた結果、装置全体の大型化を伴い、可搬性のある小型の装置を作る場合に致命傷となっていた。そこで、本発明ではキャリッジの逸脱防止機構をそれに伴う付加機構を追加することなく実現し、ひいては装置の小型化を達成しようとするものである。
【0020】(4)また、前記従来例(4)にあっては、キャップの開閉動作とポンプユニットの駆動とをそれぞれ独立した駆動機構を用いて行っていたため、それらの駆動機構に付属する部品等も含めて非常に大がかりな装置となってしまっていた。そこで本発明では、キャップとポンプユニットの駆動を一つの歯車によって行うことが可能であり、さらに、本来の吸引動作とは別に、キャップが開放状態のときに行う、予備吐出吸引も可能にし、回復装置の小型化、ひいては装置全体の小型化を実現しようとするものである。
【0021】(5)また、前記従来例(5)のこのポンプ手段にあっては、ポンプユニットのプランジャの往復運動を、公知のカム・リンク・クランク機構等を用いて制御していた。そして、このような付加機構を必要とするため、その駆動およびレイアウトの関係上どうしても装置が大きくなってしまっていた。そこで本発明では、前述のような機構を用いることなく、プランジャの往復運動を実現し、ひいては装置の小型化を達成しようとするものである。
【0022】(6)また、前記従来例(6)にあっては、前述のような制約のために装置全体を小型化するのは難しく、従来のような構成ではこの問題は解決できないため、本発明では、キャップを保持している部材の運動を制御することで、装置全体の小型化を達成しようとするものである。
【0023】(7)また、前記従来例(7)にあっては、キャップの保持部材とシリンダとの連結部に用いているゴムのシール部材の所で漏れが発生する問題が発生した。そこでこれを解決するために、この部分の圧着度を高めて上記問題を解決していた。しかし、この対策ではキャップ保持部材の回動力の増加を招き、その結果キャップ圧接力の減少となって、最終的に吸引不良を引き起こす弊害が発生する可能性があった。このため本発明は、その信頼性を向上させようとするものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】このため、本発明においては、前記従来例の問題点(1)〜(7)のそれぞれに対して、(1)インクジェット記録ヘッドを着脱可能に搭載して移動するためのキャリッジと、該キャリッジにヘッドへ駆動信号を供給するための接点を設けてこの接点に対して電気信号を送るためのフレキシブルケーブルと、該キャリッジによる記録領域に記録材を摩擦分離方式で供給してステップ送りを行う給紙手段と、該キャリッジを移動するためのリードスクリューを備えた駆動機構と、該ヘッドの吐出口面をクリーニングするブレード機構と、かつ該ヘッドの吐出口面からインクを吸引するポンプユニットからなる回復装置と、該ポンプユニットから排出されたインクを吸収保持する排インク吸収体とを有するインクジェット記録装置において、前記フレキシブルケーブルは、分離され夫々異なる位置で屈曲部を形成するもので、前記給紙手段は、ステップ送り時と給紙開始時とで異なる分離力を発生すると共に、前記駆動機構は、ガタ取り部材とリードスクリュー変位部材とを一体化して有し、さらに前記電気接点を形成するバッド自体がインク侵入防止用バリアを備え、前記ブレード機構は、前記吐出口面に対してほぼ平行にブレードを移動させる手段と、前記ブレードは前記吐出口面をワイピングする際に付着するインクを除去するため、高分子吸収体でできたブレードクリーナを有しており、前記ブレードクリーナに吸収されたインクが飽和した場合にインク漏れを生じないように、前記ブレードクリーナと前記排インク吸収体とを、高分子吸収体を介して結合させるよう構成することにより、(2)インクジェット記録ヘッドを着脱可能に搭載して移動するためのキャリッジと、該キャリッジにヘッドへ駆動信号を供給するための接点を設けてこの接点に対して電気信号を送るためのフレキシブルケーブルと、該キャリッジによる記録領域に記録材を摩擦分離方式で供給してステップ送りを行う給紙手段と、該キャリッジを移動するためのリードスクリューを備えた駆動機構と、該ヘッドの吐出口面をクリーニングするブレード機構と、かつ該ヘッドの吐出口面からインクを吸引するポンプユニットからなる回復装置と、該ポンプユニットから排出されたインクを吸収保持する排インク吸収体とを有するインクジェット記録装置において、前記フレキシブルケーブルは、分離され夫々異なる位置で屈曲部を形成するもので、前記給紙手段は、ステップ送り時と給紙開始時とで異なる分離力を発生すると共に、前記駆動機構は、ガタ取り部材とリードスクリュー変位部材とを一体化して有し、さらに前記電気接点を形成するバッド自体がインク侵入防止用バリアを備え、前記ブレード機構は、前記吐出口面に対してほぼ平行にブレードを移動させる手段を有しており、前記ポンプユニットに装着されたキャップを保持し、該キャップとシリンダとの間のインク流路を形成しているレバー部材が、シリンダにスナップフィットで装置されるよう構成することにより、(3)インクジェット記録ヘッドを着脱可能に搭載して移動するためのキャリッジと、該キャリッジにヘッドへ駆動信号を供給するための接点を設けてこの接点に対して電気信号を送るためのフレキシブルケーブルと、該キャリッジによる記録領域に記録材を摩擦分離方式で供給してステップ送りを行う給紙手段と、該キャリッジを移動するためのリードスクリューを備えた駆動機構と、該ヘッドの吐出口面をクリーニングするブレード機構と、かつ該ヘッドの吐出口面からインクを吸引するポンプユニットからなる回復装置と、該ポンプユニットから排出されたインクを吸収保持する排インク吸収体とを有するインクジェット記録装置において、前記フレキシブルケーブルは、分離され夫々異なる位置で屈曲部を形成するもので、前記給紙手段は、ステップ送り時と給紙開始時とで異なる分離力を発生すると共に、前記駆動機構は、ガタ取り部材とリードスクリュー変位部材とを一体化して有し、さらに前記電気接点を形成するバッド自体がインク侵入防止用バリアを備え、前記ブレード機構は、前記吐出口面に対してほぼ平行にブレードを移動させる手段を有しており、前記回復装置に、落下および振動等の外的な力が加わった場合に前記キャリッジがキャッピング位置から逸脱することを防止するためのストッパが装着されるよう構成することにより、(4)インクジェット記録ヘッドを着脱可能に搭載して移動するためのキャリッジと、該キャリッジにヘッドへ駆動信号を供給するための接点を設けてこの接点に対して電気信号を送るためのフレキシブルケーブルと、該キャリッジによる記録領域に記録材を摩擦分離方式で供給してステップ送りを行う給紙手段と、該キャリッジを移動するためのリードスクリューを備えた駆動機構と、該ヘッドの吐出口面をクリーニングするブレード機構と、かつ該ヘッドの吐出口面からインクを吸引するポンプユニットからなる回復装置と、該ポンプユニットから排出されたインクを吸収保持する排インク吸収体とを有するインクジェット記録装置において、前記フレキシブルケーブルは、分離され夫々異なる位置で屈曲部を形成するもので、前記給紙手段は、ステップ送り時と給紙開始時とで異なる分離力を発生すると共に、前記駆動機構は、ガタ取り部材とリードスクリュー変位部材とを一体化して有し、さらに前記電気接点を形成するバッド自体がインク侵入防止用バリアを備え、前記ブレード機構は、前記吐出口面に対してほぼ平行にブレードを移動させる手段を有しており、前記ポンプユニットのキャップによるヘッドの吐出口面の密閉および開放動作を、該ポンプユニットおよび前記ブレード機構を駆動させるための歯車に設けたカムによって行い、さらに該カムに複数の経路を設けてそれらの経路を機械的なスイッチング機構を用いて切換えることができるよう構成することにより、(5)インクジェット記録ヘッドを着脱可能に搭載して移動するためのキャリッジと、該キャリッジにヘッドへ駆動信号を供給するための接点を設けてこの接点に対して電気信号を送るためのフレキシブルケーブルと、該キャリッジによる記録領域に記録材を摩擦分離方式で供給してステップ送りを行う給紙手段と、該キャリッジを移動するためのリードスクリューを備えた駆動機構と、該ヘッドの吐出口面をクリーニングするブレード機構と、かつ該ヘッドの吐出口面からインクを吸引するポンプユニットからなる回復装置と、該ポンプユニットから排出されたインクを吸収保持する排インク吸収体とを有するインクジェット記録装置において、前記フレキシブルケーブルは、分離され夫々異なる位置で屈曲部を形成するもので、前記給紙手段は、ステップ送り時と給紙開始時とで異なる分離力を発生すると共に、前記駆動機構は、ガタ取り部材とリードスクリュー変位部材とを一体化して有し、さらに前記電気接点を形成するバッド自体がインク侵入防止用バリアを備え、前記ブレード機構は、前記吐出口面に対してほぼ平行にブレードを移動させる手段を有しており、前記ポンプユニットがプランジャポンプの形態をしており、前記ポンプユニットのプランジャの往復運動を、プランジャに設けたらせん状のリード溝と、該溝に嵌合する突起を有した歯車とによって行うよう構成することにより、(6)インクジェット記録ヘッドを着脱可能に搭載して移動するためのキャリッジと、該キャリッジにヘッドへ駆動信号を供給するための接点を設けてこの接点に対して電気信号を送るためのフレキシブルケーブルと、該キャリッジによる記録領域に記録材を摩擦分離方式で供給してステップ送りを行う給紙手段と、該キャリッジを移動するためのリードスクリューを備えた駆動機構と、該ヘッドの吐出口面をクリーニングするブレード機構と、かつ該ヘッドの吐出口面からインクを吸引するポンプユニットからなる回復装置と、該ポンプユニットから排出されたインクを吸収保持する排インク吸収体とを有するインクジェット記録装置において、前記フレキシブルケーブルは、分割され夫々異なる位置で屈曲部を形成するもので、前記給紙手段は、ステップ送り時と給紙開始時とで異なる分離力を発生すると共に、前記駆動機構は、ガタ取り部材とリードスクリュー変位部材とを一体化して有し、さらに前記電気接点を形成するバッド自体がインク侵入防止用バリアを備え、前記ブレード機構は、前記吐出口面に対してほぼ平行にブレードを移動させる手段を有しており、前記ポンプユニットのキャップが、該ヘッドの吐出口列方向に回動し、さらにキャップがヘッドの吐出口面を密閉していない時にキャップがヘッドの吐出口面と平行状態になり、かつヘッドの吐出口面とキャップとの空隙を前記ブレード機構が移動できるように構成することにより、(7)インクジェット記録ヘッドを着脱可能に搭載して移動するためのキャリッジと、該キャリッジにヘッドへ駆動信号を供給するための接点を設けてこの接点に対して電気信号を送るためのフレキシブルケーブルと、該キャリッジによる記録領域に記録材を摩擦分離方式で供給してステップ送りを行う給紙手段と、該キャリッジを移動するためのリードスクリューを備えた駆動機構と、該ヘッドの吐出口面をクリーニングするブレード機構と、かつ該ヘッドの吐出口面からインクを吸引するポンプユニットからなる回復装置と、該ポンプユニットから排出されたインクを吸収保持する排インク吸収体とを有するインクジェット記録装置において、前記フレキシブルケーブルは、分離され夫々異なる位置で屈曲部を形成するもので、前記給紙手段は、ステップ送り時と給紙開始時とで異なる分離力を発生すると共に、前記駆動機構は、ガタ取り部材とリードスクリュー変位部材とを一体化して有し、さらに前記電気接点を形成するバッド自体がインク侵入防止用バリアを備え、前記ブレード機構は、前記吐出口面に対してほぼ平行にブレードを移動させる手段を有しており、前記ポンプユニットにおいて、前記ヘッドの吐出口面を密閉および開放するキャップを、シリンダとの間のインク流路の一部を鋼球を用いて塞ぎ、インク流路内でのポンプユニットからの負圧の漏れを防止するよう構成することにより、それぞれ前記目的を達成するようにしたものである。
【0025】
【作用】(1)以上のような各構成により、前記各解決手段(1)〜(7)においては、それぞれ次のような各対応作用を有する;
(1)ブレードクリーナを単独で存在させるのではなく、ポンプユニットから排出されたインクを吸収保持する廃インク吸収体と、高分子吸収体を介して結合させたことを特徴とする。このような構成にすることにより、仮にブレードクリーナのインクが飽和したとしても、そのインクは上記の高分子吸収体に転写され、さらに廃インク吸収体へと転写されていくため、インク漏れが発生する可能性がなくなる。また、前述の説明からも理解できるように、ブレードクリーナおよび高分子吸収体はいくら小さくてもその機能が達成されてさえいれば、必ず廃インク吸収体へとインクは転写される。従って、その結果として、ブレードクリーナの小型化とそれに伴う装置全体の小型化が可能となる。
【0026】(2)キャップの保持部材とシリンダとをスナップフィットで結合することにより、それらで形成されるインク流路での漏れを防止し、従来必要であった密着用の補助部材を廃止したため、装置の小型化,コストダウン,組立性の向上による品質の安定化が可能となる。
【0027】(3)装置の振動,落下に伴うキャリッジの逸脱防止用のストッパを回復装置に設けて、キャリッジが印字終了後キャッピング位置に移動してきた際に、回復装置を駆動する歯車が回転し始めると同時に、キャリッジに設けたフックに該ストッパが引掛かることでキャリッジの逸脱防止を行う。また、キャリッジが印字のためにキャッピング位置から移動するときには、前述の歯車の回転に設けたカムによって、キャリッジの規制を解除することを特徴とし、さらには、該ストッパの一端をE型止め輪の形状にし、前述の歯車の軸方向の抜け止めとする構成も可能である。その結果として、キャリッジの逸脱防止機構の小型化、ひいては装置全体の小型化が実現できる。
【0028】(4)キャップの開閉動作とポンプユニットの駆動とをそれぞれ独立した機構により制御するのではなく、一つの歯車によって行い、その歯車に設けられたキャップ開閉用のカムをキャップ開放状態とキャップ密閉の2経路設けて、その2経路を板バネ等のスイッチング機構を用いて切換えることができるようにしたため、キャップ開放状態でも吸引動作が可能となり、キャップ内に予備吐出を行う場合に必須のキャップ開放状態の吸引(空吸引)が可能となった。従って、従来必要であった大がかりな駆動機構を廃止でき、装置の小型化が実現した。
【0029】(5)従来カム・リンク・クランク等の機構を用いて行っていたプランジャの往復運動の制御を、プランジャに設けたらせん状のリード溝とその溝に嵌合する突起が設けてある歯車とによって行い、従来の駆車機構に比して非常に小さなスペースで同等の動きを実現した。さらに、プランジャのインク排出用の溝にシリンダ内に設けた突起を嵌合してガイドし、回転止めとしたため、従来かなり大きなスペースを要していた回復装置の小型化が可能となり、ひいては装置全体の小型化も達成できた。
【0030】(6)本手段ではキャップを保持している部材をヘッドの吐出口列方向に回動可能とし、さらに、キャップがヘッドの吐出口面を密閉していない、いわゆるキャップオープン時にキャップがヘッドの吐出口面と平行状態となるように構成した。そして、ヘッドの吐出口面とキャップとの隙間をブレードが通過できるようにしたため、キャップの退避量を減少させることが可能となり、装置全体の小型化が実現できる。
【0031】(7)この手段では、前記シール部材とは別にステンレス等の鋼球を用いてシリンダの開口部を密封し、シール部材は単純なOリングの形態としてその部分での漏れに対する信頼性を増加させるようにしたため、ポンプ手順でのリークによる吸引不良といる重要問題を解決することができるようになり、以上の各構成手段により、それぞれこの種のインクジェット記録装置の小型化を達成し得る。
【0032】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を具体的に説明する。図1は、本発明の実施例に関する記録装置を示す斜視図である。
【0033】同図において、キャリア203には、記録手段を構成する記録ヘッド200とインクタンク201とが連結したヘッドカートリッジ202が搭載されている。このキャリア203の記録ヘッド200側の一端部は、シャーシ1に回動自在に取り付けられたリードスクリュー213に、その軸方向に摺動可能に嵌合され、キャリア203の他端部には、ガイドが配設されており、該ガイドがシャーシ1に形成されたガイドレール2にリードスクリュー213の軸方向と平行に摺動自在に嵌入されている。そしてキャリア203は、その姿勢が常に一定に保たれながらリードスクリュー213の回転に伴ってその軸方向に往復移動可能な構成となっている。
【0034】すなわち、前記リードスクリュー213は、図に示すようにスクリュー左端に固着されたリードスクリューギヤ257と、キャリアモータ255の出力軸に固着されたピニオンギヤ256とが歯合し、かつリードスクリュー213に螺旋状に所定のピッチで形成された案内条268(図4)に、キャリア203に取り付けられたリードピン209(図5)が嵌入している。従って、キャリアモータ255の正転、逆転駆動に伴ってリードスクリュー213が回動すると、キャリア203が往復移動する。キャリア203の走査の詳細は後述する。
【0035】211はフレキシブルケーブルで後述の電気回路から記録ヘッド200に印字信号を伝えるものであり、フレキシブルケーブルホルダ16によりピンチローラフレーム11に位置決めして保持されている。
【0036】前記キャリア203の往復移動に同期して記録ヘッド200が駆動してインクを記録信号に応じて吐出することにより、被記録材3に一行記録を行うものである。すなわち、この記録ヘッド200は微細な液体吐出口(オリフィス)、液路およびこの液路の一部に設けられるエネルギー作用部と、該作用部にある液体に作用して液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生手段を備えている。
【0037】このようなエネルギーを発生するエネルギー発生手段としてピエゾ素子などを用いた記録方法、レーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、該発熱による作用で液体を吐出させる記録方法、あるいは発熱抵抗体を有する発熱素子等の電気熱変換体によって液体を加熱して液体を吐出させるエネルギー発生手段を用いた記録方法などがある。
【0038】その中でも熱エネルギーによって液体を吐出させるインクジェット記録方法に用いられる記録ヘッドは、記録用の液体を吐出して液滴を形成するための液体吐出口を高密度に配列することができるために高解像度の記録をすることが可能である。その中でも電気熱変換体をエネルギー発生手段として用いた記録ヘッドは、コンパクト化も容易であり、かつ最近の半導体分野における技術の進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマイクロ加工技術の長所を十二分に活用でき、高密度実装化が容易で、製造コストも安価なことから有利である。
【0039】前記キャリア203のスキャンによって一行記録を行うと、被記録材3を搬送手段によって一行分搬送して次行記録を行うものであるが、この被記録材3の搬送は、搬送ローラ4とこれに圧接するピンチローラ8の回転対と、排出ローラ7とこれに当接する拍車6との回転対とによって行われる。
【0040】これを具体的に説明すると、前記記録ヘッド200の吐出口面に記録面が対向する被記録材3を、ピンチローラ8によって搬送ローラ4に圧接し、前記搬送ローラ4を紙送りモータ5によって適宜回転させることにより、記録位置へ必要なだけ搬送する。そして記録後は、拍車6によって被記録材3を排出ローラ7に圧接し、この排出ローラ7の回転によって装置外へと排出搬送する。前記搬送ローラ4および排紙ローラの駆動は紙送りモータ5によって行われるが、その駆動力の伝達は減速歯車列15により行われる。
【0041】前記被記録材3の記録面側に接触する拍車6の回転軸の位置は固定され、被記録材3の厚さに関わらず、拍車6と被記録材3との接触位置は変化しないのに対し、被記録材3の非記録面側に接触する排出ローラ7は、被記録材3の厚さによって、排出ローラ7が変形して被記録材3の厚さの変化に対応するようになっている。具体的には、排出ローラ7は薄肉のゴムより成り、円錐状に形成され、径方向に復原力を持って変形する。そこで、拍車6に対する圧接力と、被記録材3の厚さに応じての変形が行われる。
【0042】また、排出ローラ7を弾性的変形の大きな材料、例えば多孔質のスポンジや硬度の非常に低い樹脂やゴムなどの材料で構成することによって同様の効果が得られる。さらには排出ローラ7全体をバネ等で拍車6に圧接してもよい。したがって、被記録材3の厚さに関わらず記録ヘッド200と被記録材3の間隔を所定量に保つことができ安定した搬送を行うことが出来る。14はペーパーセンサであり、被記録材3の有無を検出する。
【0043】次に駆動回転体である排出ローラ4に対し、被記録材3を押圧する従動回転体であるピンチローラ8の押圧構成を説明する。図2において、ピンチローラ8はその両端にモールドの軸受けが嵌入されており、そこへバネ部材であるピンチローラバネ9の端部が折り曲げて入り込むことによって支持されている。前記ピンチローラバネ9はピンチローラフレーム11にピンチローラホルダ10を用いて図示の軸部9aを中心として回転自在に動くように支持されている。またピンチローラバネ9の軸部9aは中央がU字状に折れ曲がっており、レバー部9bを形成している。
【0044】前記ピンチローラバネ9によるピンチローラ8の押圧力を変化させる操作手段の構成は、ピンチローラフレーム11にスライド可能リリースアングル12を重ね、このアングルを操作してピンチローラバネ9を押し上げることにより、軸部9aにねじれを発生させ、その反発力でピンチローラ8を搬送ローラ4へ押しつける。また前記ねじれを解消させることにより押圧力を解除するものである。
【0045】すなわち、図3の状態にあってはリリースアングル12に設けたカム部12aによってレバー部9bが押し付けられて軸部にねじれ(弾性変形)が発生し、ピンチローラ8が搬送ローラ4に押し付けられる。一方、前記リリースアングル12を図3の矢印方向へスライドすると図2の状態となり、前記カム部12aが下がるためピンチローラ8のレバーが下がり、軸部9aが復元して前記ねじれが解消するために搬送ローラ4に対するピンチローラ8の押圧力は小さくなる。
【0046】これによってピンチローラ8が搬送ローラ4から完全に離隔しなくても、ジャムした被記録材3を容易に引き抜くことができる。前記リリースアングル12を左右にスライドさせるには、リリースレバー13を回動させることにより行われる。リリースレバー13はピンチローラフレームに軸支され回転軸に対してレバーと反対側が長穴になっていてそこにリリースアングル12の取手部が入っている。そこでリリースレバー13を回動させることにより、リリースアングル12が平行移動する。
【0047】図4はキャリア203を被記録材3に対して送るためのリードスクリュー機構を示した図である。機能上必要な部材のみ図示する。キャリア203に設けられたキャリア軸受A228とキャリア軸受B229に摺動可能に勘合しているリードスクリュー213において、リードスクリュー213の右端は、調整バネ250を介してシャーシ1に回転可能に結合される。また左端は、軸受251を介して回復系プレート271に回転可能に結合される。キャリア203はガイド部(図示せず)がガイドレール2と摺動可能に係合し、キャリア203の回転を防止し案内する。リードスクリュー213には複数条の案内条268が形成されていて、その内の1条にリードピン209が摺動可能に勘合し、キャリア203をリードスクリュー213の軸方向と平行なA,B方向に駆動する。
【0048】図5は図4のキャリア軸受A228部拡大断面図である。リードピン209は、一端が球状に加工されたピンで、キャリア軸受A228とキャリア軸受B229との間に、リードスクリュー213の軸方向と垂直にキャリア203本体に形成された穴に摺動可能に勘合し、球状部はリードスクリュー213と摺動可能に勘合し、他端よりキャリア203本体に脱着可能に設けられたリードピンバネ210によって、リードスクリュー213方向へ付勢されている。リードピン209摺動方向のリードピンバネ210上部には、リードピン209の案内条268からの外れを防ぐため、リードピン209の動作範囲を規制するストッパー269が形成されている。
【0049】図6はリードスクリュー端部拡大図である。キャリア203上の記録ヘッド200と被記録材3との距離は、キャリア203を支えるリードスクリュー213の被記録材3からの距離で決まるが、リードスクリュー213は、左端が回復系プレート271によって位置が決まり、右端は左端を基準として、リードスクリュー213が被記録材3に対して平行になるよう調整できるように、シャーシ1に被記録材3に対して垂直な第一の長穴252が形成される。調整バネ250には、調整バネ250をシャーシ1に取り付けた状態で、被記録材3に対して平行になり、リードスクリュー213右端の被記録材3に対する垂直方向の動作を規制する第二の長穴253が形成されている。
【0050】リードスクリュー213右端は第一の長穴252及び第二の長穴253で支えられ、第二の長穴253が形成される調整バネ250の被記録材3に垂直な移動(図中矢印方向)で、リードスクリュー213を被記録材3に対して平行に調整される。調整バネ250にはリードスクリュー213右端を左端側へ付勢するためのバネ250aも一体で形成されている。調整バネ250はビス254でシャーシ1に固定される。
【0051】図7に、リードスクリュー213を介してキャリアモータ255の駆動力を回復系に伝えるクラッチ機構が形成されるリードスクリュー213左端を示す。回復系プレート271にはキャリアモータ255が結合されている。キャリアモータ255のシャフトにはピニオンギア256(図1)が固定されていてリードスクリュー213に固定されているリードスクリューギア257と噛み合い、キャリアモータ255の正逆回転により、リードスクリュー213を正逆回転させ、リードスクリュー213の案内条268に摺動可能に当接しているリードピン209が案内条268に沿ってキャリア203を移動させる。回復系プレート271には、コントロールギア102が組み込まれている。
【0052】リードスクリュー213左端にはイニシャルロック258、クラッチプレート260、クラッチギア259、戻りバネ261、が配設されている。イニシャルロック258はリードスクリュー213に固定されている。クラッチギア259はリードスクリュー213に対し軸方向摺動可能に勘合し、一部がイニシャルロック258の内部へ入り込むようになっている。すなわちクラッチギア259には円周上に非対称位置で2カ所に突起262が形成され、この突起262はイニシャルロック258に突起262と同じ位相で形成された凹部263へ軸方向のみ動作可能に嵌合している。
【0053】クラッチギア259のリードスクリューギア257側端面にはフランジ267があり、フランジ267上にはコントロールギア102への回転トリガを与えるためのトリガ歯259aが形成されている。コントロールギア102は外周上にギアが形成されていて、リードスクリュー213を回復系プレート271に組み込んだときに、リードスクリュー213上のクラッチギア259と噛み合う位置にある。しかし記録動作中はコントロールギア102は外周上のギアの一部が切りかかれた部分がクラッチギア259と対面していてコントロールギア102がクラッチギア259と噛み合うことは無い。
【0054】そのギアの切り欠かれた部分の側面に、数歯の側面ギア102hが形成されている。この側面ギア102hは、後述する動作によってクラッチギア259のトリガ歯259aと噛み合い、コントロールギア102に回転トリガを与える。イニシャルロック258とクラッチギア259との間には、クラッチプレート260が挿入されている。更に、リードスクリューギア257がリードスクリュー213に固定されている。戻りバネ261はクラッチギア259とリードスクリューギア257との間に位置し、クラッチギア259を常にイニシャルロック258側に押している。
【0055】イニシャルロック258の周上にはリードスクリュー213の条と同型状な空転溝264が形成されていて、リードピン209を案内する条のみと連絡溝265でつながっている。キャリアモータ255を正回転させるとキャリア203は図4の矢印A方向へ進み、逆回転させると、矢印B方向へ進む。回復系プレート271にはHPセンサー270(図1)が取り付けてあり、キャリアモータ255の回転によりキャリア203を走査し、キャリア203に形成された遮蔽板230(図1)がHPセンサーを通過するポイントを検出する事により、記録動作及び後述する回復動作の基準点とすることが出来る。
【0056】図8はキャリアモータ255の駆動力を回復系に伝えるクラッチ機構の動作を説明する図である。図8aの状態からキャリアモータ255を逆回転させてゆくと、キャリア203を移動させているリードピン209は、リードスクリュー213の案内条268から連絡溝265を経由してイニシャルロック258の空転溝264へ入る。この時、図8bのようにキャリア軸受A 228端部がクラッチプレート260を押し、クラッチプレート260はクラッチギア259を押して、コントロールギア102と噛み合う位置まで押される。この時、クラッチギア259の歯車部に対応するコントロールギア102側のギア歯は切り欠いてあって、コントロールギア102は回らない。
【0057】更にキャリアモータ255を逆回転してゆくと、図9のようにクラッチギア259のトリガ歯259aがコントロールギア102の側面ギア102hと噛み合い、コントロールギア102を回転させ、コントロールギア102歯部がクラッチギア259と噛み合う。クラッチギア259にはフランジ267が形成されていて、クラッチギア259とコントロールギア102が噛み合った時点でクラッチギア259のフランジ267がコントロールギア102の側面に掛かり、コントロールギア102と噛み合い続ける。更にキャリアモータ255を逆回転させると、回復動作を開始する。
【0058】回復動作終了後、キャリアモータ255を正回転させ、コントロールギア102とクラッチギア259の噛み合い開始位置まで戻った時点で、コントロールギア102とクラッチギア259のフランジ267の掛かりが外れ、戻りバネ261の付勢によりクラッチギア259は元の位置へ戻ろうとする。クラッチギア259に勘合しているクラッチプレート260も同様に押され、クラッチプレート260と当接しているキャリア203のキャリア軸受A 228部も同様に押される。さらに正回転させると、キャリア203をガイドするリードピン209はイニシャルロック258周上空転溝264から、連絡溝265を経由して、リードスクリュー213の案内条268側へ押し出される。すなわち、キャリア203はキャリアモータ255の回転によって、走査可能な状態となる。
【0059】図10は、本発明の実施例に関する記録装置の回復機構を示す斜視図である。同図において記録ヘッド200の吐出口面をキャッピングするキャップ101と、その内部を負圧にし、吐出口面からインクをキャップ101を通して吸引して、排インク吸収体に送り出すポンプユニット150と、更には前記キャップ101を吐出口面に対して前後移動させ、且つ前記ポンプユニット150に駆動力を伝動し、更に吐出口面に付着したインクを拭き取るワイピング機構を動作させるための公知のカム、歯車機構からなる伝動機構部のコントロールギア102が構成されている。そして前記コントロールギア102には、前述のクラッチギア259を介して、キャリアモータ255の回転駆動力が伝えられる。
【0060】次に前記コントロールギア102の回転により回復手段が駆動する構成について説明する。コントロールギア102には、キャップ開閉用カム102aとワイピング動作用カム(不図示)が備わっている。そしてこのコントロールギア102は、図10及び図11に示すように、後述のプランジャ115を往復移動させるストロークギア103と噛合しており、コントロールギア102が回転することにより、ストロークギア103が回転し、プランジャ115が往復運動するようになっている。
【0061】また図10において、104はブレードであり、記録ヘッド200のインク吐出口面をワイピングしてインク吐出口面をクリーニングするものである。このブレード104はHNBR、ウレタン等のゴムでできており、ブレードスライダ105のブレード取付溝105aに一端をスライドさせるように挿入して取り付けてある。尚、図12に示すようにブレード取付溝105aは、ブレード突出方向の一部にブレード抜け防止用の先端が鋭角な突起105bが設けてある。このため、ワイピング中にブレード104を引き抜こうとする力が加わる場合にでも、この突起105bにじゃまされて引き抜かれることはない。
【0062】ブレードスライダ105は、記録ヘッドの吐出口面に平行なスライド軸106に沿って可動となるように貫通穴105cが設けられており、このスライド軸106に沿って往復運動するため、ブレード104は常に記録ヘッド200の吐出口面に対する侵入量が、吐出口面のどの位置においても常に一定であり、吐出口面を均一にワイピングする。
【0063】前記ブレードスライダ105の往復運動は、ブレードリンク107によって行われるものであり、ブレードリンク107の突起107aがブレードスライダ105の壁105aを押すことによって往復運動する。ブレードリンク107はコントロールギア102に形成されたワイピング動作用カム(不図示)によって、その動きが制御さている。
【0064】前記ブレードスライダ105の運動により記録ヘッド200の吐出口面をワイピングした際に、ブレード104に付着したインクはブレードクリーナ108に転写され、ブレード104は常に清浄な状態に維持される。即ちワイピング動作により、図10の矢印A方向に動いてきたブレード104は吐出口面をすべて拭き終わった後、このブレードクリーナ108にも同様に触れる。その際にブレード104上のインクは、ブレードクリーナ108に吸収される。
【0065】ブレードクリーナ108はクリーナバネ601によってインクシート602と連結されておりブレードクリーナユニットを形成している。そして、このブレードクリーナユニットは、ブレード104が図中A矢印A方向に最大量移動した際に、ブレードクリーナ108と接触する位置になるように、回復系ユニット271に取り付けられている。さらに、インクシート602のインク転写部602aが後述の排インク吸収体に接するようになっている(図52)。このように連結することによって、ブレード104からブレードクリーナ108に転写したインクは、その後インクシート602を介して排インク吸収体へと移っていき、ブレードクリーナ108およびインクシート602がインクによって飽和することがなくなり、常にブレード104に付着したインクを吸収し、清浄に保つことが可能となる。
【0066】尚、ブレード104がブレードクリーナ108に常に触れていると、ゴムのクリープ現象により、ブレード104は変形してしまい、本来の性能を発揮できなくなる。そこで、コントロールギア102のワイピング動作用カムによって、ブレード104がブレードクリーナ108に接触した後に、図中矢印A方向とは逆方向に移動させて、ブレード104をブレードクリーナ108から離して、ブレード104に外力が加わらないようにしている(図47)。
【0067】更にブレードリンク107が、キャリアモータ255の正転、逆転両方共に、常にコントロールギア102のワイピング動作用カムに追従しながら制御されていると、コントロールギア102の回転角によって、ブレードリンク107の動きは一意的に決まる。即ちブレード104の位置がコントロールギア102の角度によってのみ制御されることになる。この場合、キャリアモータ255の逆転によって、回復手段に入ってきた際にワイピング動作を実施すると、次には、キャリアモータ255の正転によって、回復手段から抜け出す際にもワイピング動作を行うことになる。したがってブレード104の両面で吐出口面をワイピングすることになる。しかしながら、ブレード104はその先端をカットする場合に裏表ができるため、本質的には片面でしかワイピングはできず、ワイピングに使用できる面とは逆の面でワイピングを行うと、印字不良となってしまう。
【0068】そこで、本実施例では、以下のようにしてこの問題を解決している。まず図1に示すように遮蔽板230の一部に傾斜を設けて、キャリア203が回復手段に入ってきた際に、遮蔽板230がブレードストッパ109を図10の矢印B方向に回転させる。以降の一連の動作は図13を用いて説明する。
【0069】キャリア203のリードピン209が完全に空転溝264に入ったときに、ブレードストッパ109は図13(a)の位置まで回転し停止する。次にコントロールギア102が回転を始めて、前述のようにそれに伴って、図13(b)のようにブレードリンク107が図中C方向に回転しはじめる。図13(c)の位置までブレードリンク107が回転し、更に回転を続けると、ブレードリンク107のバネ掛け部107bはブレードストッパ109を矢印D方向に回転させ始める。更に図13(d)までブレードリンク107が回転すると、ブレードストッパ109はブレードリンク107のバネ掛け部107bから外れて、図中矢印E方向に回転する。しかし遮蔽板230によってその回転は止められるために、図13(e)の位置まで回転して、ブレードストッパ109は停止する。
【0070】その後キャリアモータ255が正転してブレードリンク107がコントロールギア102のワイピング用カムから外れてブレードバネ110の引張り力によって、図中矢印F方向に回転しても図13(e)に示すようにブレードストッパ109によってその回転は止められる。最後にキャリア203が完全に回復手段から抜け出した場合に、図13(f)のようにブレードストッパ109による拘束がなくなるため、ブレードリンク107が回転し、ブレード104は図10の矢印Aとは逆方向最上点まで達し待機する。
【0071】このようにしてキャリア203が回復手段に入る場合と出る場合とで、ブレード104のワイピング軌跡を変えて、ブレード104の逆面でワイピングを行わないようにしている。また111はキャリアストッパであり、落下、振動によりキャリア203が記録位置へ抜け出るのを防止するために設けられている。キャリアストッパ111はキャリアフックバネ112によって常に図10の矢印G方向に回転力を与えられており、記録中はコントロールギア102の突起102cによって、キャリアフック231から待避している。
【0072】ここで、その動作の説明をすると、キャリア203のリードピン209が空転溝264位置に入り、コントロールギア102が回転を始めると、コントロールギア102の突起102cがキャリアストッパ111から離れて、キャリアストッパ111は図10の矢印G方向に回転しキャリアフック231(図17)に引掛かる。したがって記録を行っていない待機状態では、キャリアストッパ111はキャリアフック231に引掛っており、キャリア203が記録位置へ抜け出るのを防止している。更にこのキャリアストッパ111は、Eリングのようにコントロールギア102の軸からの抜け止めの役目もなしている。次にポンプユニット150は、図11に示すようなプランジャポンプの構成になっている。図11において、113はシリンダであり、円筒状のシリンダ部113aと、後述するプランジャ115をガイドする部(不図示)を有しており、軸方向に一部を切欠いて、インク流路を形成している。113bはキャップレバー受けで後述するキャップレバーシールが嵌入するように形成される。また、113cはインク吸引口で、所定の位置に開口している。113dは排インク管で一体に形成され先端部を排インク吸収体に挿入してある。また、113eはキャップ開閉用の平行ピンでコントロールギア102のキャップ開閉用カム102aによって平行ピン113eが押されると、シリンダ113が回転してキャップ101が記録ヘッド200の吐出口面に密着及び離隔する開閉動作を行う。
【0073】図51(a)に示すように、シリンダ113のインク吸引口113cはその一開口部113fをステンレスの鋼球162が圧入してある。この部分は従来図51(b)のように、キャップレバーシール119一部品で密封されていた。しかし、この場合には、キャップレバーシールの形状が複雑になるだけでなく、前述のシリンダの開口部113f部で密閉性が悪くなり、リークする問題が発生していた。この問題を解決するため、従来はキャップレバーシール119を大きくして、シリンダ113との圧着力を強めてリークを防止していた。しかし、このような対策を講じるとキャップレバーシール119に挿入されているキャップレバー118の回動力が大きくなり、その結果キャップ圧接力が低下するという弊害が発生した。
【0074】本実施例のように、ステンレスの鋼球162を用いて、シリンダ113の開口部113fを密封することによって、この問題は一掃された。また、キャップレバーシール119の形状もOリングとすることが可能となったため、成形性および組立性の両方の問題も同時に低減できた。
【0075】ここでコントロールギア102のキャップ開閉用カム102aとキャップ開閉動作の関連を図14を用いて説明する。キャップ開閉用カム102aには切換えシート102dが取り付けられており、これによってキャップ開閉動作は、キャリアモータ255の正転、逆転でその動きを変えることが可能である。本実施例では、後述するようにキャップ101内に予備吐出をするようになっているために、記録中にキャップ101内に溜まったインクを、キャリア203が回復手段に入りキャッピングする前に、一度キャップ101内のインクをシリンダ113内に吸引する必要がある。
【0076】そこでキャリアモータ255の逆転によってコントロールギア102が回転しはじめると、シリンダ113に挿入された平行ピン113eはまずカム102e面を通る。図ではコントロールギア102の中心に近いカムほどキャップ101が開いている状態である。したがって、この場合はキャップ101が開いたまま吸引ができる(この吸引を空吸引と呼ぶ。)。
【0077】次にコントロールギア102が回転し終えて、吸引動作を終了し、正転を始めると、今度は平行ピン113eはカム102f面を通り、コントロールギア102が回転開始から初めてキャップ101が閉じることになる。通常はこのキャップ閉の状態で待機している。その後記録を始める場合には、キャリアモータ255は正転しコントロールギア102は図中矢印H方向に回転する。
【0078】しかし吸引を始める場合には、キャリアモータ255は逆転しコントロールギア102は矢印Hとは逆方向に回転する。この場合平行ピン113eがカム102f面を通るため、本来のキャップ101を閉じたままの吸引が行える。このように切換えシート102dを設けることによって、コントロールギア1つで本来の吸引と空吸引の2つの吸引動作を実現している。
【0079】また記録中は平行ピン113eがカム面に設けられた切り欠き102gに入り込んでおり、キャップバネ114の力による摩擦力でコントロールギア102が回転しないようにしている。もし記録中にコントロールギア102が回転すると、不正な場合に回復動作が開始することになり、正常な記録が不可能になる。
【0080】プランジャ115は動作軸115a、ピストン受け115b、ピストン押さえ115c、ポンプシール押さえ115dが形成されており、インク流路となる溝115eが前記動作軸115aに連続して形成されている。この溝は前述のシリンダ113のガイド部113g(図53)に一部が嵌入しており、プランジャ115の回転を止めている。動作軸115aにはプランジャ115の往復運動を制御するリード溝115fが形成されており、ストロークギア103の内面に形成された突起部103aがこのリード溝115bに嵌入されている(図49)。このため、キャリアモータ255の逆転駆動によりストロークギア103を一方向へ回転させると、プランジャ115が図11の矢印I方向へストロークし、キャリアモータ255の正転駆動によりストロークギア103を他方向へ回転させると、プランジャ115が図11の矢印J方向へストロークする。
【0081】このように、プランジャ115のストローク制御をリード溝115bとストロークギア103により行うことで、従来必要であったカムおよびリンク機構等が必要となり、装置の小型化が可能となる。
【0082】図48はキャップ101の開閉の際のキャップレバー118の動きを模式的に説明した図である。キャップ101がヘッドの吐出口面200aから退避している場合(図48(a))には、キャップレバー118は回復系プレート271のキャップ規制板271aによってヘッドの吐出口面と平行になるようになっている。したがって、キャップ101とヘッドの吐出口面に隙間αができるため、この隙間αをブレードスライダ105が通過することが可能となり、ブレード104でヘッドの吐出口面をワイピングできるようになる。
【0083】次にキャップ101がヘッドの吐出口面を密閉するときには、図48(b)のようにキャップレバー118がシリンダ113との角度を一定に保ちながら、図中A方向にコントロールギア102のキャップ開閉用カムによってシリンダ113が回転し、それに伴ってキャップレバー118はヘッドの吐出口面に近付くことになる。その後、図48(b)のように、キャップ101の一端がヘッドの吐出口面に当接する。そして、この当接した透き間からキャップレバー118には図中B方向のモーメントが発生し、キャップレバー118は回転軸118aを中心として回動し、最終的にヘッドの吐出口面を全面密閉するような状態(図48(c))で釣合う。
【0084】このように、常にキャップ101の同一箇所が最初にヘッドの吐出口面に当接するようにすることで、製造工程でのバラツキ等によるヘッドの吐出口面の角度および位置の誤差を吸収し、確実にキャップ101でヘッドの吐出口面を密閉できるようになる。この技術は特にヘッド交換型のインクジェットカートリッジを用いたインクジェット記録装置に対して有効な手段である。さらに、小型化によりキャップ101のヘッドの吐出口面に対する圧接力を高められないような場合にも確実にキャップ101でヘッドの吐出口面を密閉できるため、非常に有効な手段となる。
【0085】その後、キャップ101がヘッドの吐出口面から離れて退避する場合には、図48(d)のようにキャップレバー118の一部が回復系プレート271のキャップ規制板271aに当接し、図中C方向のモーメントが発生し、キャップレバー118は回転軸118aを中心として回動し、最終的には図48(a)のような状態となる。
【0086】従来例を図54に示す。この図で理解できるように、従来はキャップレバー118とシリンダ113とがなす角度は一定となっており、キャップ101の退避量は大きくなっている。
【0087】以上説明したキャップレバー118の回動を用いる技術はインクジェット記録装置を小型化するにあたり、必須の技術となる。
【0088】前記プランジャ115にはNBR等のゴム材で構成されたピストン116が取り付けられている。このピストン116の外径は前記シリンダ113の内径より所定量大きく構成されており、前記シリンダ113に挿入されたときは適度に圧縮するようになっている。本実施例では、シリンダ113の内径はφ4.9H10、ピストン116の外径はφ5.05±0.05であり、この程度の大きさのものでは、これ位の圧縮量が最適である。尚、ゴムの硬度は40〜60°が良い。これによりプランジャ115が図11の矢印I方向へストロークすると負圧を発生して記録ヘッド200内の排インクを吸引し、矢印J方向へストロークすると前記吸引した排インクを排インク管113dから排インク吸収体160へと排出する。
【0089】前記プランジャ115にはポンプシール117が取り付けられている。このポンプシール117はシリコンやNBR等のゴム材で構成され、前記プランジャ115と所定の圧接力が得られるように、その内径はプランジャ115の外径より若干小さく設定されており、且つシリンダ113内をプランジャ115のポンプシール押さえ115d及びピストン受け115bに押されて、往復運動することが可能である。本実施例では、プランジャ115の外径はφ2.8f10、ポンプシール117の内径はφ2.65±0.05であり、この程度の大きさのものでは、これ位の圧接量が最適である。尚、ゴムの硬度は40〜60°が良い。尚、表面に潤滑塗装を施して、シリンダ113およびプランジャ115との摺動力を低減してもよい。またシリンダ内のグリスを廃止する目的で、自己潤滑性のあるゴムを使用してもよい。
【0090】また図11において、118はキャップレバーで、インクガイド(不図示)が、キャップレバーシール119に付勢して、他方の回転軸118aがシリンダ113の穴113fにスナップフイットで取り付けられており、回動自在になっている。キャップレバーシール119は前記のキャップレバー118のインクガイドが圧入され、更にシリンダ113のキャップレバー受け113bに圧入される。
【0091】キャップ101は断面がおむすび状の環状の塩素化ブチルゴム等の弾性部材であり、前記キャップレバー118のキャップ取付部118bに取り付けられている。この取付方法は図15に示すように、ゴムの弾性を有効に利用したもので、キャップ101のおむすびの傾斜に倣った形状をしているキャップレバーの取付部118bに、環を拡げて装着する。一度装着したキャップ101は、通常の使用では取れないようになっている。
【0092】120は予備吐出パッドであり、前述のブレードクリーナ108と同様に高分子吸収体でできており、前述のキャップレバー118に装着されている。該予備吐出パッドは、吐出口面のインク乾燥を防止するために記録中に、通常の記録作業とは別にインクを吐出させる予備吐出のインクを吸収するためのものである。121はポンプ吸収体であり、シリンダ内の排インクを確実に排インク吸収体に転写する役目をなしている高分子の吸収体である。
【0093】尚、排インク吸収体160は以下に説明するような形態で装着されている。図50に示すように、排インク吸収体160はシャーシ1とプラテン161との間に挟まれて、プラテン161の取付穴161aからビスし、シャーシ1とプラテン161を固定することによって装着される。この排インク吸収体160は高価な高分子吸収体を用いる必要はなく、積層紙のような安価な吸収体でも十分その機能を発揮できる。また、排インク吸収体160のインク転写部160aは前述のポンプ吸収体121と圧接しており、ポンプユニット150から排出されたインクがポンプ吸収体121を介して、排インク吸収体160へと転写されるしくみになっている。
【0094】ここで、キャリアモータ255の回転駆動力による回復手段のタイミングチャートを図16に示す。この図はキャリア203が回復手段に入り、クラッチギア259のトリガ歯259aがコントロールギア102に噛合して、コントロールギア102が回転を開始する時点を、キャリアモータ255の0パルスとして記述している。
【0095】本実施例ではキャリアモータ255が240ステップ(5回転)を正転、逆転することによって、すべての回復動作を行うようになっており、キャリアモータ255の回転と同時に、クラッチギア259、コントロールギア102そしてストロークギア103が回転しはじめる。プランジャ115はストロークギア103によってその往復運動が制御されているため、キャリアモータ255の回転と同時に移動を始め、その往復運動はキャリアモータ255の回転とー対ーの対応となっている。ブレード104の動きは前述のようにキャリアモータ255の正転、逆転で一部その経路が変わるようになっている。またキャップ101は前述のように、切換えシート102dによって、空吸引ができるように、キャリアモータ255の0パルスからの逆転で回復動作が開始した場合には、キャップ101は開いたままプランジャ115が動く。
【0096】図17は本発明の実施例に関する記録装置のヘッドカートリッジ部およびキャリア部を示す模式的斜視図である。同図において、200は電気信号によりインクを吐出させる記録ヘッド、201はインクを収納しておき記録ヘッド200に供給するインクタンク、203は記録ヘッド200およびインクタンク201を保持・走査する記録装置本体に設けられたキャリア、204は記録ヘッドの保持・解除を行うヘッドレバー、205はインクタンク201の着脱を行うインクタンクレバー、207はキャリア203に記録ヘッド200を固定しておくためのヘッドホルダバネ、208はインクタンク201を保持しているタンクケース、でありこれらの各部によって記録装置のヘッドカートリッジ部およびキャリア部が構成される。
【0097】図18は本発明の実施例に関する記録装置の記録ヘッド200およびインクタンク201を示した模式的斜視図である。同図において、220はインクタンク201から記録ヘッドにインクを供給する通路となるインク被供給孔、221はインクタンク201から記録ヘッド200にインクを供給するインク供給孔、222は記録ヘッド200とインクタンク201を一体化する場合に両者をガイドして保持するための結合爪、223は結合爪222と係合する結合爪ガイド溝、224はインクタンク201と記録ヘッド200を着脱する場合にインクタンク201を保持するためのインクタンクガイド溝、でありこれらの各部によってヘッドカートリッジ202が構成される。
【0098】記録ヘッド200は、インクを吐出するために利用される熱エネルギを発生する複数の電気熱変換素子およびこれを駆動するための駆動回路が形成された基板と、この基板上に上記複数の電気熱変換素子の各々に対応した吐出口および液路、さらには各液路に連通する共通液室を構成するための天板が積層されており、さらには前記駆動回路に記録装置本体から信号を与える為の電気的接点が設けられている。さらに、ヘッドの状態を記録装置本体から検知するためのセンサを記録ヘッド200内に配することもでき、具体的には、前記電気熱変換素子近傍の温度を検知する為の温度検知センサ、インクの供給がなくなり前述の共通液室内からインクがなくなった場合にこれを検知するインク残量検知センサ、あるいは、ヘッドカートリッジ内のインクの種類やヘッドの種類が違う物を交換しながら使用する場合にヘッドカートリッジの種類を特定するヘッド種類判別センサ、等である。これらのセンサからの信号を記録装置本体で判断し、前期電気熱変換素子に印加する信号を制御して印字状態を最適にすることが出来る。そして、このようにして構成された記録ヘッドの吐出口を配列した吐出口面が記録媒体に対向するように記録装置に搭載される。
【0099】インクタンク201は、インクを保持しながら記録により消費されたインクを補うために適宜記録ヘッド200にインクを供給するためのタンクであり、インクタンク201単体で存在するときにはインク供給孔221からインクがもれないように図示せざる封止手段によって封止されている。この封止手段は記録ヘッド200と一体化された時点で自動的あるいは手動で開放され、インク流路が形成される。封止手段は、たとえば金属球をゴム栓にバネで押圧しておく機構で実現することが出来る。また、インクの消費により減少するインク体積に応じて外部から大気を導入するような機構を備えていてもよい。さらには、記録ヘッドに供給するインクの圧力をわずかに負圧に保つ機構を内部に持つことで、印字品位を向上させインク漏れを防止することも出来る。
【0100】本実施例に於いては、インクタンク201内部に図示せざる可撓性の袋を持っており、その中にインクが収められ、インク供給孔221につながるように構成されている。インクタンク201内の残りの空間は空気で満たされているが、空気圧は記録動作状態に於いて図示せざる圧力調節弁により調節されており、さらに具体的には、所定範囲の負圧状態が発生・保持されるようになっている。
【0101】記録ヘッド200とインクタンク201は一体化したヘッドカートリッジ202の状態で記録動作中の記録装置上で使用されるが、次に両者を一体化する方法を説明する。基本的に記録ヘッド200とインクタンク201はインク被供給孔220とインク供給孔221を結合することによって一体化されるため、この部分はインクの漏れ、あるいはインク流路への気体の侵入を防止する形になっている。本実施例においては図21に示されるように、剛体のパイプと弾性体の栓を利用する方式を採っている。すなわち、インク被供給孔220はモールド部材で筒状に成形されており、これに対向するインク供給孔221はゴム材により成型された円筒穴の開いた部材である。インク被供給孔220の外径はインク供給孔221の内径よりもわずかに大きく作られている。そこでインク被供給孔220をインク供給孔221に圧入すると、インク供給孔221は半径方向にわずかに変形しながらインク被供給孔220に密着して一体化される。
【0102】なお、結合部は剛体と弾性体の組合わせには限定されず、シール機能を持ったものであれば良いので、例えば、モールドのパイプとモールドの穴の組合わせでモールドの微少変形による弾性を利用してシールしてもよいし、あるいは穴の開いていないゴム製のシール部材と注射針状のパイプで構成してもよい。
【0103】記録ヘッド200とインクタンク201の一体化においては、上述のインク被供給孔220とインク供給孔221の結合だけでもよいのであるが、ヘッドカートリッジ202の取扱時において予期せざる外力が加わった場合に簡単に外れないようにするため、あるいは一体化する場合に容易に一体化できるガイドとなるように、本実施例においては結合爪222と結合爪ガイド溝223によって結合をより強固なものとしている。すなわち、インク被供給孔220と一体にモールドで成形され、弾性的に変形することが出来る結合爪222は、先端に突起が設けられており、この突起の高さの分だけ弾性的に変形しながら結合爪ガイド溝223に係合していき、結合爪ガイド溝223の奥に設けられた溝が深くなった部分に結合爪222の突起が到達した時点で係合が完了するものである。
【0104】さらに結合爪222は記録ヘッド200とインクタンク201の結合時にインク被供給孔220とインク供給孔221が容易に位置合せされるように、ガイドとしての役割も持っている。すなわち結合爪222はインク被供給孔220よりも長くなっており、インク被供給孔220がインク供給孔221に接する前に結合爪222がインクタンク201に接触するようになっている。ここで結合爪222の先端は斜めに切り取られており、斜めの部分が結合爪ガイド溝に図18矢印a方向のガイドとなって容易に係合されうる。また、結合爪222の先端に設けられた突起も斜めに切り取られており図18矢印b方向のガイドとなって容易な係合を助けている。なお、本実施例においては結合爪を記録ヘッド側に設けたが、これには拘束されず、インクタンク201側、あるいは記録ヘッド200とインクタンク201の両方に設けることも出来る。
【0105】次に、記録ヘッド200をキャリア203に機械的、電気的に接続する方法を説明する。図19にキャリア203への記録ヘッド200の接続部分を示す図17a方向から見た断面図を、図20に取り付け順序を示した模式的斜視図を示す。
【0106】同図において225はキャリア203に固定され記録ヘッド200に設けられた穴に係合して図20R>0矢印a、矢印b方向の位置決めをする位置決めピン、226はキャリア203に固定され、図19a方向に押し付けられる記録ヘッド200を受け止めるストッパ、211は記録装置本体と記録ヘッド200とを電気的に接続するためのフレキシブルケーブル、211aはフレキシブルケーブル211に設けられた位置決め穴a、211bはフレキシブルケーブル211に設けられた位置決め穴b、212はフレキシブルケーブル211とキャリア203の間に挟まれフレキシブルケーブル211を弾性的に支持するフレキシブルケーブルパッド、212aはフレキシブルケーブルパッド212に設けられた位置決め穴a、212bはフレキシブルケーブルパッド212に設けられた位置決め穴b、212cはコンタクト部へのインクの侵入を防ぐインクバリア、227は記録ヘッド200に設けられ記録ヘッド200内のヒーター部と電気的に接続されたヘッドコンタクト部、227aはヘッドコンタクト部227に設けられた位置決め穴a、227bはヘッドコンタクト部227に設けられた位置決め穴b、227cはストッパ226の端面が当たるストッパ当接場所、である。
【0107】記録ヘッド200はヘッドホルダバネ207から図示せざるレバーを介してa方向に押し付けられており、その位置は記録ヘッド200に設けられた穴と位置決めピン225との係合、およびストッパ226との干渉により一意に決まる。このようにして記録ヘッド200とキャリア203は機械的に接続される。
【0108】また、記録ヘッド200に設けられたヘッドコンタクト部227とフレキシブルケーブル211の端面には相対する位置に複数の電気的な接点が設けられており、これらを所定の圧力をもって押圧することにより記録装置本体と記録ヘッド200が電気的に接続される。この際に複数の電気的接点を一度に圧接する必要があるので、これらを均一に圧接するために弾性材料で出来たフレキシブルケーブルパッド212を押圧部に入れている。フレキシブルケーブルパッド212の材質は例えばシリコンゴムなどを用いており、前述の電気的接点に対応した位置に複数の突起を持って、押圧の応力が接点に集中するように構成している。さらに、フレキシブルケーブル211に設けられた前述の電気的接点は、押圧された際の応力をさらに集中させて接続を確実なものにするために突起状に構成してもよい。
【0109】また、押圧された時に発生する反力は記録ヘッド200を押さえつけているヘッドホルダバネ207の力よりはるかに小さくなるように構成されている為、フレキシブルケーブルパッド212からの反力により記録ヘッド200の位置がずれてしまうことはない。
【0110】また、キャリア203、フレキシブルケーブルパッド212、フレキシブルケーブル211、ヘッドコンタクト部227およびヘッドカートリッジ203は確実な電気的接続や良好な記録品位を得るために互いに正確に位置決めされている必要があるが、その為に以下のように構成している。
【0111】すなわち、キャリア203の2本の位置決めピン225を基準として、片方の位置決めピン225が位置決め穴a212a、位置決め穴a211aおよび位置決め穴a227aに共通に嵌合し、またもう一方の位置決めピン225が位置決め穴b212b、位置決め穴b211bおよび位置決め穴b227bに共通に嵌合して図20a方向および図20b方向の位置を決定している。さらに、ストッパ226の端面がヘッドコンタクト部227のストッパ当接場所227cに当接するまで図19a方向から押圧してやることにより、記録ヘッド200の図20c方向の位置も正確に決定することが出来る。
【0112】さらには、電気的な接触面すなわちフレキシブルケーブル211とヘッドコンタクト部227の間に、なんらかの原因でインクが侵入すると電気的に短絡してしまう可能性があるので、これを防止する必要がある。そのために本実施例ではフレキシブルケーブルパッド212の一部を突起状にしてインクバリア212cとし、記録ヘッド200の端面に押圧するようにしてヘッド200の吐出口から出たインクの侵入を防止している。
【0113】なお、本実施例においては電気的あるいは機械的な結合部を記録ヘッド側に設けたが、これには拘束されず、インクタンク201側、あるいは記録ヘッド200側とインクタンク201側の両方に設けるようにするか、また、どちらかに電気的結合部と機械的結合部を分けて設けるようにしてもよい。
【0114】次に記録ヘッド200およびインクタンク201の取扱方法、すなわちインクが無くなったインクタンク201を新しいインクタンク201に交換する場合や、何らかの原因によって使用不能となった記録ヘッド200を交換する場合の方法について説明する。
【0115】第1の形態として、記録ヘッド200とキャリア203の固定を解除して、キャリア203から記録ヘッド200とインクタンク201を一体化したままの状態で取り出し、キャリア203から外れた状態(以下、オフキャリア状態と呼ぶ)で記録ヘッド200とインクタンク201を分離したり一体化したりする方法がある。
【0116】図22にキャリア203から記録ヘッド200とインクタンク201を一体としたままで取り出す場合の模式的斜視図を示す。この場合、ヘッドレバー204を図17の状態から図22a方向に回転させこのような位置まで引き起こすことにより、ヘッドレバー204に設けられたカムが、記録ヘッド200を押圧していたレバーに設けられた軸を移動させることによってヘッドホルダバネ207による記録ヘッド200への押圧力を解除している。
【0117】この際にキャリア203内のタンクケース208が、その突起をインクタンクガイド溝224に係合したまま移動するので、記録ヘッド200とインクタンク201は一体化したままで図22b方向に移動する。これにより位置決めピン225と記録ヘッド200の穴との係合も外れるので、記録ヘッド200とインクタンク201は一体のまま図22c方向に移動させることができ、キャリアから取り出せ、オフキャリア状態とすることが出来る。オフキャリア状態にした後は、記録ヘッド200とインクタンク201を一体化した際の結合方向とは反対方向に力を加えることにより両者を分離することが出来る。そして、交換したい方を新しいものとし、前述の一体化の方法により両者を一体化して逆の手順でキャリア203に収納することにより交換作業が終了する。
【0118】なお、本実施例においてはヘッドレバー204を用いて記録ヘッド200の押圧力を解除しているが、これには拘束されず、記録ヘッド200を押圧するレバーを直接移動するように構成してもよい。また、記録ヘッドの固定方法にヘッドホルダバネ207を用いて押圧しているがこれには拘束されず、バネ性を持ったラッチフックなどを用いて固定するように構成してもよい。
【0119】第1の形態を採った場合、以下のような効果がある。すなわち、記録ヘッドあるいはインクタンクのどちらか一方に交換が必要となった場合、交換が必要な方だけ交換すればよいので、経済性が向上する。
【0120】第2の形態として、記録ヘッド200とキャリア203の固定をしたままで、記録ヘッド200とインクタンク201の分離をキャリア上で行い(以下、オンキャリア状態)、インクタンク201のみを取り外す方法がある。
【0121】図23にキャリア203上で記録ヘッド200からインクタンク201を分離した状態の模式的斜視図を示す。この場合、タンクレバー205を図17の状態から図23a方向に回転させこのような位置まで引き起こすことにより、タンクレバー205に設けられた図示せざるカムによってタンクケース208が図23b方向に移動する。タンクケース208に設けられた突起がインクタンク201の側面に設けられたインクタンクガイド溝224に係合してインクタンク201を図23b方向に移動させる。この時、記録ヘッド200の固定は図17の状態と同様であり、インクタンク201と共に移動することはないので、記録ヘッド200とインクタンク201の係合部がはずれ、分離することが出来る。さらにインクタンク201を図23c方向に移動させることによりキャリア203から外すことが出来る。
【0122】なお、このとき本実施例のように記録ヘッド200をヘッドホルダバネ207によって弾性的に押圧している場合には分離の際の力のかかりかたによってヘッドの固定が外れてしまう可能性があるので以下のように構成するとよい。図24に力のかかり方を示す模式的平面図を示す。同図において記録ヘッド200はヘッドホルダバネ207によってf1の力でキャリア203に押圧されている。また、記録ヘッド200とインクタンク201を分離するため、結合爪222と結合爪ガイド溝223の係合およびインク被供給孔220とインク供給孔221の係合を外すのにf2の力が必要であるとする。この時、力の大きさをf1>f2としておくことで、分離作業中に記録ヘッド200の固定が外れてしまうことを防止することが出来る。
【0123】なお、本実施例においてはタンクレバー205を用いてf2に相当する力を出して分離しているが、これには拘束されず、直接インクタンク201を持って図23中のb方向に引っ張り記録ヘッド200とインクタンク201を分離するように構成してもよい。
【0124】第2の形態を採った場合には第1の形態の場合に加えて以下のような効果がある。すなわち、タンクレバー205のカム形状を適当に設計することによって分離する際の引き抜き速度をコントロールすることが出来、インク被供給孔220やインク供給孔221からのインクの飛散を防止することが出来る。また、記録ヘッド200を直接手で持つ必要がないので記録ヘッド200のインク吐出口付近を手で触ることがなく、印字に悪影響を及ぼす無用な汚染を防ぐことが出来る。また、インクタンク201の力のかかる部分が特定されるため、その部分だけ力に耐える構造にすれば良いので、他の部分は薄肉にでき軽量化、内容積の増加、などの効果がある。
【0125】図25は本発明になる、自動給紙部のインクジェット機録装置に対する位置関係を示した図である。ここで300は自動給紙部であり、前記インクジェット記録装置に対して図25の位置関係で固定されている。
【0126】図26、図27および図28は本発明による自動給し部の構成例を示す。図26は外観斜視図、図2727は平面図、図28は断面図である。ここで、301はメインホルダで、自動給紙部の部品をすべて支持し、更に自動給紙部を前記インクジェット記録装置へ固定している。
【0127】302は回転によって被記録材を一枚ずつ分離し、インクジェット記録装置の給紙部へ送り込むための分離ローラであり、303分離ギア、304分離ラチェットが固定されており、305分離軸を中心にして回動自在に支持されている。分離軸305は分離ホルダ306に固定されており、分離ホルダ306はメインホルダシャフト307によりメインホルダ301に対して回動自在に保持されている。308は分離スプリングであり分離ホルダ306の凸部306aとメインホルダ301の間にあり、図28において分離ホルダ306を時計回りの方向へ回転させ、分離ローラ302を分離パット316へ押圧している。分離スプリング308による押圧力は本実施例においては10〜50gfの間で設定されている。以下の説明では仮に10gfとする。
【0128】309は積載された被記録材を、分離ローラ302へ送り込むための予備ローラであり、予備ローラ軸311に固定されており、予備ローラ軸311に固定された予備ローラギア311aとともに予備ローラホルダ310に回動自在に支持されている。予備ローラホルダ310はメインホルダシャフト307によりメインホルダ301にたいして回動自在に保持されている。予備ローラ309はアイドラギア312により分離ローラ302と同一の周速で駆動される。
【0129】313は予備ローラスプリングであり、前記分離ホルダ306と同様に、予備ローラホルダ310を図28において時計回りの方向へ回転させており、予備ローラ309を用紙ホルダ317側へ押圧している。予備ローラスプリング313による押圧力は予備ローラ309が確実に被記録材3を送ればよいので、上限はそれほど制約がないが、本実施例においては20gf以上で良好な結果が得られている。以下の説明では仮に50gfとする。
【0130】314は分離圧アームでありメインホルダシャフト307を中心にして分離圧アームスプリング315により分離ホルダ306の凸部306aを介して分離ホルダ306を図28において時計回りに回転させ、分離ローラ302を分離パット316へ押圧している。分離圧アームスプリング315による分離ローラ302の押圧力は、分離性能に影響するので、慎重に決定されなければならないが、本実施例では20gf以上で良好な結果が得られた。以下の説明では仮に100gfとする。
【0131】図28において、316は積載された被記録材を分離保持するための、分離パット、317は被記録材を積載保持するための用紙ホルダである。318はカム軸であり、自動給紙モータ323から減速装置324およびギア318aを介して回転駆動される。カム軸318には、前記ギア318aと供にスイッチアーム319を介して給紙イニシャルセンサ320aをon−offさせるためのスイッチカム318b、カム軸318の回転を分離ローラ302に伝えるためのギア318c,予備ローラホルダ310に設けられた爪部310aに関係して予備ローラホルダ310を上下させる、予備ローラホルダカム318d,分離圧アーム314を上下させる分離圧カム318eが一体的に設けられている。
【0132】駆動ギア321とクラッチディスク322は一体で形成されていて、分離軸305に対して回動および慴動自在に保持されていて、クラッチスプリング326により分離ラチェット304側に押圧されている。また駆動ギア321には台形カム321a,分離ホルダ306にも台形カム306bが一体的に形成されており、駆動ギア321の回転により駆動ギア321およびクラッチディスク322が分離軸305の軸方向に移動し、クラッチディスク322と分離ラチェット304のかみ合いを制御し、自動給紙モータ323からの駆動の分離ローラ302への伝達を制御している。またカム軸318に設けられたギア318cと駆動ギア321のギア比は1:1であり、カム軸318と駆動ギア321の回転位相は一致している。
【0133】リリースレバー325はメインホルダ301に対して回動自在に保持されており、リリースレバー325の一端はカム形状をしており、分離軸305の一端と係合することにより分離ホルダ306の上下を行なえると供に、給紙切り替えセンサ320bのon−offを行なえる。
【0134】図25に戻り、328は分離ローラ302および予備ローラ309の分離軸305に対して直角の中心線であり被記録材3の進行方向に一致している。左ガイド317aは用紙ホルダ317に設けられており、被記録材3の左端面を記録位置に対して一定の位置でガイドする。中心線328と左ガイド317aの距離Lは本インクジェット記録装置に使用される被記録材3の最小巾の1/2以下に設定固定されている。本実施例では、最小被記録材3を葉書の縦方向とし、被記録材3の幅100mmに対して45mmに設定している。
【0135】以上の構成より成る自動給紙部の機構部の動作に関連した詳細な説明を以下に記す。図29、図30、および図31は本発明を適用した自動給紙部の一実施例に係わる動作の説明図である。図29および図30は動作の変化を、経時的に説明したものであり、図31はリリース機構の動作を説明したものである。
【0136】図29において、(1)は被記録材が装填される前の状態を示す。
(A)クラッチディスク322と分離ラチェット304は台形カム321aと台形カム306bにより離れているため分離ローラ302は駆動源から切り放されている。
(B)分離圧アーム314と分離圧カム318eは当接していないため分離圧アームスプリング315の圧力は、分離圧アーム314、凸部306aおよび分離ホルダ306を介して分離ローラ302を分離パット316へ押しつけている。また分離スプリング308も同様なため分離ローラ302には分離圧アームスプリング315と分離スプリング308の圧力の和(10+100=110gf)が加わっている。
(C)予備ローラホルダカム318dと予備ローラホルダ310の爪部310aは当接しているため予備ローラ309は予備ローラホルダ310と共に予備ローラスプリング313の圧力に抗して用紙ホルダ317から離れた状態である。
(D)スイッチアーム319はスイッチカム318bの凹部に入っているため給紙イニシャルセンサ320aはoffの状態である。
【0137】(2)は被記録材3が装填された状態である。(1)と(2)の間では自動給紙部は動作していない。
(B)被記録材3は図の右から装填されるが分離ローラ302は分離圧アームスプリング315と分離スプリング308の圧力(11gf)で分離パット316に押圧されているため被記録材3は分離ローラ302と分離パット316の接触点で止まり、図に示す状態になる。
【0138】(3)は自動給紙モータ323が回転を開始してカム軸318が反時計回りに20度回転した状態である。
(A)台形カム321aと台形カム306bは回転により外れ、クラッチスプリング326によりクラッチディスク322は分離ラチェット304に押圧されるため、分離ローラ302は自動給紙モータ323の回転により回動を始めている。
(B)分離圧カム318eと分離圧アーム314は当接していないので分離ローラ302は分離圧アームスプリング315と分離スプリング308で分離パット316に押圧(110gf)された状態で時計回りに回転を始める。従って被記録材3は分離パット316と分離ローラ302の作用で最上部の1枚のみが、左方向へ分離、給紙される。
(C)予備ローラホルダカム318dと予備ローラホルダ310の爪部310aは外れているため予備ローラ309は予備ローラホルダ310を介して予備ローラスプリング313により被記録材3に押圧(50gf)され、更には分離ギア303、アイドラギア312、予備ローラギア311aにより時計回りに回転し、被記録材3が分離ローラ302と分離パット316の接点に確実に到達するように被記録材3を左方向へ搬送する。
(D)給紙イニシャルセンサ320aはスイッチアーム319、スイッチカム318bによりon状態となる。
【0139】(4)は更にカム軸318が反時計回りに回転した状態であり、ここで異なるのは(C)において予備ローラホルダカム318dと爪部310aが当接し、予備ローラ309が被記録材3から離れた状態で被記録材3を搬送している。この時点では被記録材3は搬送ローラ4とピンチローラ8の接点に到達し、搬送が妨げられているが、予備ローラ309による搬送力が減じられているため、被記録材3は折れ曲がってしまわず、被記録材3の腰により分離ローラ302と被記録材3が滑っている状態が可能となる。
【0140】(5)は更にカム軸318が反時計回りに回転した状態であり、この状態で自動給紙部は一時停止をし、インクジェット記録装置側の記録状態となる。
(A)クラッチディスク322と分離ラチェット304は離れているため、分離ローラ302は駆動側より完全に切り放され、分離軸305に対して回動自在に保持されているだけになっている。
(B)分離圧カム318eと314は当接しているため分離圧アーム314と凸部306aは離れている。従って分離圧アームスプリング315の押圧は分離ローラ302にかからないため、分離ローラ302は分離スプリング308のみで分離パット316へ押圧(10gf)されている。
(C)予備ローラ309は被記録材3と離れている。
【0141】この状態では分離ローラ302の押圧が小さく(10gf)、予備ローラ309も被記録材3より離れているため、被記録材3は小さい力でインクジェット記録装置側へ引き込まれることが可能になっている。
【0142】(5)の状態から更に記録が進み、記録が終了し、被記録材3が自動給紙部から抜けたら、自動給紙モータ323を駆動し(2)の状態まで進めて、1回の動作を終了し、次の給紙に備える。
【0143】図30は本発明に係わる動作のシーケンス図であり、下段の(1)〜(5)のポイントが図29の(1)〜(5)の状態に対応している。図25に戻り、中心線328は被記録材3の巾方向の中心よりも常に左側になるように設定されているため、被記録材3が分離ローラ302、予備ローラ309により搬送される場合は、被記録材3は常に時計回りのモーメントMを受けながら搬送されている。従って被記録材3の後端は常に左ガイド317aへ押しつけられる状態で搬送され、被記録材3は曲がることなく左ガイド317aに沿って記録部へ導かれる。
【0144】図31は自動給紙部のリリース機構に係わる動作説明図であり、(A)は自動給紙部の使用状態を示し、リリースレバー325の一端は給紙切り替えセンサ320bをon状態としてまた分離軸305へは当接していないため分離ローラ302は分離パット316へ押圧されている。すなわち給紙切り替えセンサ320bがon状態の時は自動給紙部は使用可能状態であることを示す。
【0145】(B)は封筒などの自動給紙に適さない被記録材を使用する場合の状態を示し、ユーザがリリースレバー325を反時計回りに回動させることにより自動給紙部を使用しない状態を作りだせる。その状態では、分離軸305はリリースレバー325に設けられたカム部に引上げられ、分離ローラ302は分離パット316から離れて固定されている。そのため図31の右方向から挿入された被記録材は、直接搬送ローラ4とピンチローラ8まで到達する。更にはこの状態では給紙切り替えセンサ320bはoff状態となっているため、自動給紙部が不使用状態にあることを検出できる。以上が本発明の一実施例に係わる機構部に関する動作の説明である。
【0146】以下に本実施例の制御例を示す。図32は自動給紙部のイニシャルシーケンス制御例を示すフローチャートである。
【0147】電源投入時をSTARTとする。先ずステップS1で給紙イニシャルセンサ320aがonかoffかを判定する。offであれば初期状態すなわち図29R>9の(1)の状態であるのでシーケンスを終了し次の給紙命令に備える。ステップS1において給紙イニシャルセンサ320aがonであればステップS2に進み、自動給紙モータ323を逆転させ、ステップS1において給紙イニシャルセンサ320aがoffになった時点で、初期状態となるのでシーケンスを終了する。
【0148】次に図33は自動給紙を実行するための制御例を示すフローチャートである。給紙命令時をSTARTとする。先ずステップS3において給紙切り替えセンサ320bがoffであればステップS9に進み制御部は自動給紙部が不使用状態にあると判断し、手指しモードとなる。ステップS3において給紙切り替えセンサ320bがonであれば、ステップS4に進み自動給紙モータ323を正転させカム軸318の回転で320度回転させたところで自動給紙モータ323を停止する。すなわち図29の(5)の状態である。
【0149】次にステップS5に進み、インクジェット記録装置側のPEセンサ14の状態を検出する。ここでoffであれば、給紙動作が正しく行なわれていないので、ステップS10へ進み制御部はエラー(給紙不良または紙なし)と判断する。onであればステップS6へ進み、記録動作を開始する。
【0150】次にステップS7に進みPEセンサ14がoffになる状態を探し、offになれば、ステップS8に進み自動給紙モータ323を正転させカム軸318の回転で40度回転させて停止する。すなわち図29の(2)の状態であり、ここでENDとなり、次の給紙命令に備える。
【0151】次に本実施例に関する記録装置を組み込んだ情報処理装置に関して、その構成と電気回路について説明する。図34は本実施例に関する記録装置を組み込んだ情報処理装置400の外観を表わす模式的斜視図である。
【0152】同図において、401は上述のプリンタ部、402は文字や数字およびその他のキャラクタを入力するためキーや、各種指令を与えるためのキーなどを備えたキーボード部、403表示器を備える表示部である。
【0153】図35は本実施例に関する情報処理装置の電気回路構成を表わすブロック図である。同図において、501は主制御をなすコントローラであり、502はある手順を実行する例えばマイクロコンピュータ形態のCPU、503はテキストデータや画像データを展開したりする領域や作業用の領域などを設けたRAM、504は前記手順に対応したプログラムやその他フォントデータなどの固定データを格納したROM、505はCPU502の実行サイクルを作り出したりプリンタ部401による記録動作の際必要なタイミングを作り出したりするタイマ、506はCPU502からの信号と周辺装置を結ぶインターフェイス部、である。
【0154】また、507はプリンタ部401のコントローラであり、508は記録ヘッド200ヘッドの有無、種類、記録ヘッド200の温度を検出するセンサの出力値、インクタンク201内のインクの有無を検出するセンサの出力等の記録ヘッドの情報を検出するヘッド検出部、509は記録ヘッド200の記録データを蓄えるためのラインバッファ、510は記録ヘッド200に記録信号や電力などを送出するヘッドドライバ、511a、b、cはそれぞれキャリアモータ255、紙送りモータ5、自動給紙モータ323、を駆動するのに必要な信号や電力などを送出するモータドライバ、512はホームポジションセンサ270、ペーパーセンサ14、給紙イニシャルセンサ320a、給紙切り替えセンサ320b、等のセンサの出力を検出するセンサ検出部である。さらに、404は例えばFDD、HDD、RAMカードなどの外部記憶装置、405は例えば他の情報処理装置と通信を行なったり、内部のバスに直接接続して周辺機器を制御したりするための外部インターフェイスである。なお、図35のブロック図には含まれていないが、他に上記の電気回路に電力を供給するための電源部があり、これには例えば充電式のバッテリーや、使い捨ての乾電池、あるいは情報処理装置本体を固定して使用する場合のAC電源用変換器などがある。
【0155】上述の電気回路構成により記録装置部で被記録材(紙)3に記録を行う訳であるが、以下に記録動作制御シーケンスの概略を図36以降のフローチャートを用いて説明する。図36は、記録装置あるいは情報処理装置の電源のオン、オフの際の処理を説明するフローチャートである。S1はパワーオフの状態であり、タイマ505(図35)の動作以外は機能が停止した状態である。パワーオフの状態からパワーオンの信号、すなわち電源スイッチのオンによって動作が開始され、記録装置においてはまずS2のパワーオン処理が実行される。S2が終了すると、次にS3に進みパワーオンの状態となる。記録動作等が行なわれるのはパワーオンの状態である。パワーオンの状態においてパワーオフの信号が検出されると、S4に進みパワーオフ処理が実行される。S4が終了すると、S1に進みパワーオフの状態となる。従って、電源のオン、オフの際には所定の処理をへて電源オン、オフの状態となる。また、S3の状態において一時停止信号が検出されると、S5にすすみ一時停止処理が実行される。
【0156】一時停止信号とは、例えば図34に示す表示部403がパワーオンの状態においてキーボード部403の上に畳まれた場合やバッテリーの交換を行なった場合等、使用者が装置動作中にもかかわらず、非動作中に行なうような行為を行なった場合にこれを検出するための手段、例えば表示部403の開閉を検出するセンサやバッテリーの着脱を検出するセンサ等によって出力される信号である。また、一時停止処理とは、基本的使用と異なる使用をされた場合に装置の破損、不良発生防止のために行なう処理であり、詳細は後述する。S5において一時停止処理が終了すると、S6に進み一時停止状態となる。一時停止状態においては、必要な部分以外の機能を停止あるいは電源をオフした状態となっている。一時停止状態において、一時停止解除信号が検出されると、S7に進み一時停止解除処理が行なわれる。
【0157】一時停止解除信号とは、前記一時停止信号と対になる信号であり、例えば表示部403が閉じた状態から開いた状態に変化した時や、バッテリーが外された状態から装着状態に変化した時等、装置が動作可能状態にもどったことを示す信号である。また、一時停止解除処理とは、一時停止以前の状態に復帰するための処理であり、詳細は後述する。これによって使用者が装置動作中に不用意に表示部403を開閉したり、バッテリーを着脱した場合においても、もとの状態に復帰することが可能となる。S7において一時停止解除処理が終了するとS3に進みパワーオン状態へ戻る。一時停止信号においては、信号検出時に一時停止処理を行なうかどうかの選択ができるようにしてもよい。例えば、記録装置が動作中は紙の取り扱いがあるため、表示部403を閉じたほうが良い場合には、表示部403の開閉時に一時停止処理を禁止するように、装置の設定を選択するようにすることができる。
【0158】図37は、S2パワーオン処理を説明するフローチャートである。まず、S11においてホームポジションイニシャライズすなわちキャリア203の位置を確定させる。具体的にはキャリアモータ255を駆動し、ホームポジションセンサ270の出力が切り替わる位置をキャリア203の基準位置とした後、キャリアモータを駆動して記録ヘッド200の吐出口をキャップ101によってふさぐキャッピング状態とする。次にS12に進み紙送り、自動給紙のイニシャライズを行なう。具体的には、紙送り駆動機構のガタをとるため、紙送りモータ5を逆方向および順方向にそれぞれ所定量駆動し、給紙イニシャルセンサ320aがイニシャル位置検出するまで自動給紙モータを駆動する。次にS13に進みタイマ505によって最後に記録ヘッド200の吐出あるいは吸引が行なわれてから現在までの時間を計測しそのインターバルが所定時間n以上であればS14に進み記録ヘッドの回復処理を行ない、以下であればS15へ進む。
【0159】S14においては記録ヘッド200の回復処理として、記録ヘッド200のキャップ101内への吐出、ブレード104による記録ヘッド200の吐出口部の清掃、ポンプユニット150による記録ヘッド200からのインクの吸引等をおこなう。回復処理によって、長時間記録ヘッド200が未使用で放置された結果、記録ヘッド200の吐出口部インクの蒸発による粘度上昇によるインク吐出不良等を未然に防ぐことができる。S14終了後S15に進みペーパーセンサが紙有りを検出しているかチェックし、紙ありならばS16に進み紙なしならばS17へ進む。S16においては検出された紙を排出する。すなわちペーパーセンサ14が紙なしを検出した後所定量まで紙送りモータ5を順方向に駆動する。つぎにS17に進みパワーオン処理を終了する。
【0160】図38はS4パワーオフ処理を説明するフローチャートである。まずS21において記録ヘッド200がキャッピング状態にあるかチェックし、キャッピング状態になければS22へ進みキャッピング状態であればS23へ進む。S22においてはキャリアモータ255を駆動し、記録ヘッド200をキャッピング状態とする。次にS23において記録装置の電源をオフし機能を停止する。本処理において記録ヘッド200がキャッピング状態にない場合すなわち記録実行中等に電源スイッチをオフ状態にされた場合においても確実に記録ヘッド200をキャッピング状態にした後電源オフとするため、記録ヘッド200の吐出口部分が大気にさらされインクの蒸発による粘度上昇によって吐出不良が発生することを防止している。
【0161】図39はS5一時停止処理を説明するフローチャートである。まずS31において現在実行中の処理の有無をチェックし、実行中処理があるならばS32にすすみ、なければS33に進む。S32において現在実行中の処理を所定分だけ実行する。具体的には、記録実行中であれば実行中の行の記録が終了するまで、紙送りや自動給紙動作中であれば動作完了まで、処理を実行する。また、紙排出処理中であれば即時に処理中断する。次にS33にすすみ現在の状態を記憶する。すなわち、中断した処理があれば中断した状態、表示部403や操作パネル(不図示)の状態、オンライン、オフラインの状態、あるいはバッテリー電源のための省力モードがあればその状態等をメモリーに保存する。
【0162】次にS34に進み記録ヘッド200をキャッピング状態にする。すでにキャッピング状態にあればなにもしない。次にS35に進み一時停止状態において不必要な部分の電源をオフする。次にS36にすすみS5一時停止処理を終了する。本処理において記録実行中に一時停止信号が検出されても記録ヘッド200のキャッピングが確実に行なわれ、記録ヘッド200がキャッピングしないて放置され吐出不良が発生することを防止している。
【0163】図40はS7一時停止処理を説明するフローチャートである。まずS41において所定部のイニシャライズを行なう。具体的にはS11、S12に示したキャリア203の位置確定、紙送りモータ5のガタとり、自動給紙機構のイニシャル位置セット等を行なう。次にS42に進みS33において記憶された一時停止前状態をチェックする。次にS43に進み一時停止前の状態に復帰する処理を行なう。具体的には、中断した処理があれば処理を完了し、表示部403や操作パネルの状態を復帰させたりする。次S44に進みS7一時停止解除処理を終了する。従って、記録装置の処理実行中に一時中断状態になっても復帰後一時停止前の処理を継続して行なうことができる。
【0164】図41はS3パワーオンの状態における処理を説明するフローチャートである。まずS51において各種エラーのチェックおよびエラー処理を行なう具体的には例えば記録装置に紙がない場合、記録ヘッド200やインクタンク201が装着されていない場合、インクタンク201内にインクがない場合、記録処理中に紙ジャムを検出した場合、記録ヘッド200の温度が異常に上昇した場合、各種モータの走査エラーを検出した場合、等においてエラーを表示部403や操作パネルに表示したりブザーを鳴らして警告したりする。次にS52に進み、キーボード部402、操作パネル、外部インターフェース部405等からのキー操作やコマンド受信をチェックし、対応する処理を行なう。具体的には、紙送りキーが押された場合には、紙の挿入、排出、所定量の紙送り等を状況に応じて行なう。また、オンラインキーが押された場合やオンライン、オフラインコマンドが受信された場合にはエラー状態をチェックし、オンライン状態、オフライン状態の処理を行なう。
【0165】また、記録等に関するコマンドを受信した場合には対応する処理を行なう。さらには、記録ヘッド200あるいはインクタンク201の交換を行なうためのキー入力あるいはインクタンク201内のインクなしを検出した場合には、キャリアモータ255を駆動しキャリア203を交換のやりやすい位置に移動させ、交換が終了したのちキャリアモータ255を駆動し記録ヘッド201をキャップ101に移動し、ポンプユニット150によって記録ヘッド200の吐出口よりインクを吸引する。インクタンク201の交換時に記録ヘッド200およびインクタンク201の間のインク流路途中に空気が混入した場合においてもインクの吸引によって混入した空気を記録ヘッド200外に吸い出すことができ、記録ヘッド200の空気混入による吐出不良の発生を未然に防ぐことができる。次にS53に進み記録処理を行なう。詳細は後述する。次にS54に進みパワーオフ信号をチェックしパワーオフ信号を検出した場合には前述のS4のパワーオフ処理へ進み、検出しない場合にはS51に戻る。
【0166】図42はS53記録処理を説明するフローチャートである。まずS61において記録を実行するコマンド例えば紙送りコマンドや記録すべきデータの受信の有無をチェックする。記録命令がある場合にはS62へ進み、ない場合にはS69へ進み本処理を終了する。S62においてはオンライン状態のチェックを行ない、オンライン状態ならばS63に進みオフライン状態ならばS69へ進み本処理を終了する。S63においては記録開始のための処理を行なう。具体的には、記録ヘッド200内のヒーターによる記録ヘッド200の温度調整を行なったり、記録ヘッド200の記録領域外への吐出による吐出調整を行なったり、キャリアモータ255の正逆走査時のズレ量をホームポジションセンサによって計測し、双方向記録時のズレ補正を行なったり、する。次にS64に進み給紙のチェックを行なう。自動給紙状態で記録位置に紙挿入がされていない場合には、自動給紙モータ323を駆動して給紙を行なう。
【0167】次にS65に進み1行単位の記録を実行する。具体的には、キャリアモータ255を駆動し、記録ヘッド200によってインクを吐出し記録を行ない、1行の記録が終了すると所定量紙を送り、S66へ進む。S66においてエラーのチェックを行ない、エラーがあればS68にすすみ、エラーがなければS67へ進む。エラーのチェックは例えば紙下端の検出、紙ジャムの検出、インクの有無の検出、各種モータの走査エラー、等であり、検出されたエラーは前述のS51において処理される。S67においては記録終了を示すコマンド、例えば紙排出コマンド、の受信のチェックを行なう。記録終了であればS68へ進み、記録終了でなければS65に戻り記録を継続する。S68においては記録終了の処理を行なう。具体的には、紙の排出、記録ヘッド200のキャッピング等を行なう。次にS69にすすみS53記録処理を終了する。
【0168】以下、図43〜45を参照して本発明フレキシブルケーブルの実施例を具体的に説明する。図43(a)は本発明に係るフレキシブルケーブルを示す図である。図に於いて、1000はフレキシブルケーブルであり、装置に必要な導体パターンがプリントされている。導体パターンの厚みおよび幅はそれぞれの導体パターンに必要な電流容量、許容電圧降下値等より決定される、フレキシブルケーブルの折り返し耐久特性向上のためには導体パターンの厚みは薄い方が有利であるが導体パターン幅を広くとる必要がありフレキシブルケーブルの幅の増大となる。
【0169】1001aはフレキシブルケーブル1000の移動側であり、1001bは固定側であり、フレキシブルケーブル固定側1001bにはコンタクト部1001cが設けられている。フレキシブルケーブル移動側1001aおよびフレキシブルケーブル固定側1001bの間は幅Wdの2つのフレキシブルケーブル分割部1001d、1001eに分割されている。フレキシブルケーブル移動側1001aの折り曲げ部1001fとフレキシブルケーブル固定側1001bの折り曲げ部1001gでフレキシブルケーブル1000を折り曲げ、重ね合わせることでフレキシブルケーブル1000の幅は分割部分では幅Wdとなりフレキシブルケーブル移動部1001aの幅Woよりも小さくすることができる。図では2つに分割した例を示しているがさらに多く分割することによってより小さい幅にすることができる。またフレキシブルケーブル分割部1001d、1001eには位置決め穴1001h、1001h’、1001i、1001i’が設けられおり、位置決め穴1001h,1001h’と位置決め穴1001i,1001i’は所定間隔dだけ離れて配置されている。
【0170】図43(b)はフレキシブルケーブル1000を用いた装置を示す図である。図に於いて、1002は移動部であり図矢印方向に移動可能に配設されている。移動部1002にはプリンタの場合には記録ヘッド、スキャナの場合にはセンサ等が搭載される。1003は固定部であり、固定部には位置決めピン1003aが設けてある。1001は図1001(a)のフレキシブルケーブル1000を折り曲げ、重ね合わせた状態で用いており、フレキシブルケーブル移動側1001a(図43(a))は移動部2に接続されている。またフレキシブルケーブル位置決め穴1001h,1001h’,1001i,1001i’は位置決めピン1003aに挿入され固定部材4によって固定部3に固定されている。
【0171】前述のごとく位置決め穴1001h,1001h’および1001i,1001i’は距離dだけ離れているためフレキシブルケーブル分割部1001dおよび1001eの屈曲位置は距離lだけずれることとなる。フレキシブルケーブル1000の厚みが屈曲高さhに比べて十分小さいときにはlはd/2にほぼ等しくなる。従ってフレキシブルケーブル分割部1001dおよび1001eは屈曲位置が異なるため屈曲部分で他方のフレキシブルケーブルからの力を受けることがなく、屈曲耐久性能は折り曲げのない場合に近い性能となる。
【0172】しかしながら、屈曲位置の間隔lを必要以上に大きくとることは装置の大型化につながる。屈曲位置の間隔lは屈曲高さh以下、すなわちフレキシブルケーブル位置決め穴間隔dは屈曲高さhの2倍以下が望ましい。
【0173】以上説明したようにフレキシブルケーブルを複数に分割し、重ねて用い、分割したそれぞれのフレキシブルケーブルの屈曲位置が異なるように配設することによって、フレキシブルケーブルの導体パターンの電流容量および電圧降下を適正にとり、屈曲耐久性能を低下することなく、フレキシブルケーブルの幅および屈曲高さを小さくとることが可能となり、装置の小型化が達成できる。
【0174】図43ではフレキシブルケーブルを2つに分割した例を示したが3つ以上でもよくフレキシブルケーブルの位置決め穴は所定間隔をおいて分割数だけフレキシブルケーブルの長て方向に設けられる。
【0175】[他の実施例]図44(a)は本発明にかかる他の実施例をしめす図である。図に於いて、1010はフレキシブルケーブルである。1010aはフレキシブルケーブル1000の移動側であり、1010bは固定側であり、フレキシブルケーブル固定側1010bにはコンタクト部1010cが設けられている。フレキシブルケーブル移動側1010aおよびフレキシブルケーブル固定側1010bの間は幅Wdの2つのフレキシブルケーブル分割部1010d、1010eに分割されている。フレキシブルケーブル移動側1010aの折り曲げ部1010fとフレキシブルケーブル固定側1010bの折り曲げ部1010gでフレキシブルケーブル1000を折り曲げ、重ね合わせることでフレキシブルケーブル1000の幅は分割部分では幅Wd’となりフレキシブルケーブル移動部1010aの幅Wo’よりも小さくすることができる。図では2つに分割した例を示しているがさらに多く分割することによってより小さい幅にすることができる。また、フレキシブルケーブル分割部1010d、1010eには位置決め切り欠き1010h、1010h’、1010i、1010i’が設けられおり、位置決め穴1010h,1010h’と位置決め穴1010i,1010i’はフレキシブルケーブルの幅方向に対して同じ位置に配置されている。
【0176】図44(b)はフレキシブルケーブル1010を用いた装置を示す図である。図に於いて、1020は移動部であり図矢印方向に移動可能に配設されている。移動部1020にはプリンタの場合には記録ヘッド、スキャナの場合にはセンサ等が搭載される。30は固定部であり、固定部には位置決めピン1030a、1030bが距離d’だけ離れて配設されている。
【0177】1010は図44(a)のフレキシブルケーブル1010を折り曲げ、重ね合わせた状態で用いており、フレキシブルケーブル移動側1010a(図44(a))は移動部20に接続されている。またフレキシブルケーブル位置決め切り欠き1100h,1100h’は位置決めピン1030aに、フレキシブールケーブル位置決め切り欠き1100i,1100i’は位置決めピン1030bに挿入され固定部材1040によって固定部1030に固定されている。前述のごとく位置決めピン1030a、1030bは距離d’だけ離れているためフレキシブルケーブル分割部1100dおよび1100eの屈曲位置は距離l’だけずれることとなる。フレキシブルケーブル1100の厚みが屈曲高さh’に比べて十分小さいときにはl’はd’/2にほぼ等しくなる。従ってフレキシブルケーブル分割部1100dおよび1100eは屈曲位置が異なるため屈曲部分で他方のフレキシブルケーブルからの力を受けることがなく、屈曲耐久性能は折り曲げのない場合に近い性能となる。
【0178】図44においては、フレキシブルケーブルを2つに分割する場合を述べたが3つ以上に分割してもよく固定側位置決めピンはフレキシブルケーブルの分割数だけ所定間隔をおいてフレキシブルケーブル長手方向に設けられる。
【0179】本実施例では、移動部と固定部の間を電気的に接続するフレキシブルケーブルの場合を述べたが、お互いに相対移動する部材間を電気的に接続するフレキシブルケーブルのばあいでも同様である。
【0180】本発明は前述した如く、フレキシブルケーブルを複数に分割し重ねて用い、分割したそれぞれのフレキシブルケーブルの屈曲位置が異なるように配設することによって、フレキシブルケーブルの導体パターンの電流容量および電圧降下を適正にとり、屈曲耐久性能を低下することなく、フレキシブルケーブルの幅および屈曲高さを小さくとることが可能となり、装置の小型化が達成できる。
【0181】本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記録を行うインクジェット方式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすものである。
【0182】その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状すると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0183】このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0184】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。
【0185】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても本発明は有効である。
【0186】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよいが、本発明は、上述した効果を一層有効に発揮することができる。
【0187】加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0188】また、本発明の記録装置の構成として設けられる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0189】さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか、複数個の組み合わせによってでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0190】以上説明した本発明実施例においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるが、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0191】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで防止するか、またはインクの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとして吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質のインクの使用も本発明には適用可能である。このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0192】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、ワードプロセッサやコンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るものであってもよい。
【0193】尚、本発明における記録ヘッドは、インク記録部と、このインク記録部に対してインクを供給するためのインクタンク部とに大別されるもので、共に従来で使用されている各構成に比較して小型化されている方が本発明の効果は著しいものとなるが、これに限定されるものではない。
【0194】
【発明の効果】本発明は、インクジェット記録装置の部分及び全体の小型化を達成し、情報機器の内部に内蔵しても複合装置全体を小型化できるものでその効果は産業上に極めて顕著なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本記録装置の第1実施例を示す模式的斜視図である。
【図2】 第1実施例のピンチローラ圧接解除状態を示す模式的斜視図である。
【図3】 第1実施例のピンチローラ圧接状態を示す模式的斜視図である。
【図4】 第1実施例のリードスクリュー機構図である。
【図5】 第1実施例のキャリア軸受A 228部拡大断面図である。
【図6】 第1実施例のリードスクリュー端部拡大図である。
【図7】 第1実施例のクラッチ機構が形成されるリードスクリュー213左端図である。
【図8】 第1実施例のクラッチ機構の動作説明図である。
【図9】 第1実施例のクラッチギアとコントロールギアの噛み合い図である。
【図10】 第1実施例の回復装置の詳細図である。
【図11】 第1実施例のポンプユニットの詳細図である。
【図12】 第1実施例のブレードの装着状態を示す模式的斜視図である。
【図13】 第1実施例のブレードストッパの動作説明図である。
【図14】 第1実施例のキャップ開閉用カムの説明図である。
【図15】 第1実施例のキャップの拡大断面図である。
【図16】 第1実施例の回復手段のタイミングチャートである。
【図17】 第1実施例のキャリア部を示す模式的斜視図である。
【図18】 第1実施例のヘッドカートリッジ部を示す模式的斜視図である。
【図19】 第1実施例のキャリア部の部分的拡大図を示す模式的断面図である。
【図20】 第1実施例のキャリア部とヘッドカートリッジ部の結合方法を示す模式的斜視図である。
【図21】 第1実施例のヘッドカートリッジ結合部を示す模式的断面図である。
【図22】 第1実施例の第1形態の交換方式を示す模式的斜視図である。
【図23】 第1実施例の第2形態の交換方式を示す模式的斜視図である。
【図24】 第1実施例の力のかかり方を表わす模式的平面図である。
【図25】 第1実施例の自動給紙部を示す全体斜視図である。
【図26】 第1実施例の自動給紙部を示す拡大斜視図である。
【図27】 第1実施例の自動給紙部の平面図である。
【図28】 第1実施例の自動給紙部の模式的断面図である。
【図29】 第1実施例の自動給紙部の機構説明図である。
【図30】 第1実施例の自動給紙部の動作シーケンス図の一例である。
【図31】 第1実施例の自動給紙部のリリース機構説明断面図である。
【図32】 第1実施例の自動給紙部の制御手順を示すフローチャートである。
【図33】 第1実施例の自動給紙部の制御手順を示すフローチャートである。
【図34】 第1実施例の記録装置を組込んだ情報処理装置を示す模式的斜視図である。
【図35】 第1実施例の記録装置を組込んだ情報処理装置の電気回路構成を表すブロック図である。
【図36】 第1実施例の記録装置を組込んだ情報処理装置の電源オン、オフ処理を示すフローチャートである。
【図37】 第1実施例の記録装置を組込んだ情報処理装置のパワーオン処理を示すフローチャートである。
【図38】 第1実施例の記録装置を組込んだ情報処理装置のパワーオフ処理を示すフローチャートである。
【図39】 第1実施例の記録装置を組込んだ情報処理装置の一時停止処理を示すフローチャートである。
【図40】 第1実施例の記録装置を組込んだ情報処理装置の一時停止解除処理を示すフローチャートである。
【図41】 第1実施例の記録装置を組込んだ情報処理装置のパワーオン処理を示すフローチャートである。
【図42】 第1実施例の記録装置を組込んだ情報処理装置の記録処理を示すフローチャートである。
【図43】 (a)・(b)は本発明フレキシブルケーブルの実施例の説明図である。
【図44】 (a)・(b)は図43の変形実施例である。
【図45】 従来フレキシブルケーブルの説明図である。
【図46】 本発明クリーニングに関する従来説明図である。
【図47】 第1実施例のブレードの退避状態を示す模式的説明図である。
【図48】 第1実施例のキャップレバーの動きを示す模式的説明図である。
【図49】 第1実施例のプランジャのリード溝部を示す模式的説明図である。
【図50】 第1実施例の排インク吸収体を示す模式的説明図である。
【図51】 第1実施例のシリンダ開口部を示す模式的説明図である。
【図52】 第1実施例のインクシートと排インク吸収体の連結状態を示す模式的説明図である。
【図53】 第1実施例のプランジャのインク溝を示す模式的説明図である。
【図54】 従来キャップレバーを示す模式的説明図である。
【符号の説明】
1 シャーシ
2 ガイドレール
3 被記録材
4 搬送ローラ
5 紙送りモータ
6 拍車
7 排出ローラ
8 ピンチローラ
9 ピンチローラバネ
10 ピンチローラホルダ
11 ピンチローラフレーム
12 リリースアングル
13 リリースレバー
14 ペーパーセンサ
15 減速歯車列
101 キャップ
102 コントロールギア
102a キャップ開閉用カム
102b ワイピング動作用カム
102c 突起
102d 切換えシート
102e キャップ開カム
102f キャップ閉カム
102g 切り欠き
102h 側面ギア
103 ストロークギア
103a 突起部
104 ブレード
105 ブレードスライダ
105a ブレード取付溝
105b 突起
105c 貫通穴
105d 壁
106 スライド軸
107 ブレードリンク
107a 突起
107b バネ掛け部
108 ブレードクリーナ
109 ブレードストッパ
110 ブレードバネ
111 キャリアストッパ
112 キャリアフックバネ
113 シリンダ
113a シリンダ部
113b キャップレバー受け
113c インク吸引口
113d 排インク管
113e 平行ピン
113f 開口部
113g ガイド部
114 キャップバネ
115 プランジャ
115a 動作軸
115b ピストン受け
115c ピストン押さえ
115d ポンプシール押さえ
115e 溝
115f リード溝
116 ピストン
117 ポンプシール
118 キャップレバー
119 キャップレバーシール
120 予備吐出パッド
121 ポンプ吸収体
122 軸受
150 ポンプユニット
160 排インク吸収体
161 プラテン
200 記録ヘッド
200a 吐出口面
201 インクタンク
202 ヘッドカートリッジ
203 キャリア
204 ヘッドレバー
205 タンクレバー
206 ヘッドホルダ
207 ヘッドホルダバネ
208 タンクケース
209 リードピン
210 リードピンバネ
211 フレキシブルケーブル
211a 位置決め穴a
211b 位置決め穴b
212 フレキシブルケーブルパッド
212a 位置決め穴a
212b 位置決め穴b
212c インクバリア
213 リードスクリュー
213a 位置決め穴a
213b 位置決め穴b
220 インク被供給孔
221 インク供給孔
222 結合爪
223 結合爪ガイド溝
224 インクタンクガイド溝
225 位置決めピン
226 ストッパ
227 ヘッドコンタクト部
227a 位置決め穴a
227b 位置決め穴b
227c ストッパ当接場所
228 キャリア軸受1
229 キャリア軸受2
230 遮蔽板
231 キャリアフック
250 調整バネ
251 軸受
252 第一の長穴
253 第二の長穴
254 ビス
255 キャリアモータ
256 ピニオンギア
257 リードスクリューギア
258 イニシャルロック
259 クラッチギア
260 クラッチプレート
261 戻りバネ
262 突起
263 凹部
264 空転溝
265 連絡溝
267 フランジ
268 案内条
269 ストッパ
270 HPセンサー
271 回復系プレート
271a キャップ規制板
301 メインホルダ
302 分離ローラ
303 分離ギア
304 分離ラチェット
305 分離軸
306 分離ホルダ
307 メインホルダシャフト
308 分離スプリング
309 予備ローラ
310 予備ローラホルダ
311 予備ローラ軸
312 アイドラギア
313 予備ローラスプリング
314 分離圧アーム
315 分離圧アームスプリング
316 分離パット
317 用紙ホルダ
318 カム軸
319 スイッチアーム
320a 給紙イニシャルセンサ
320b 給紙切り替えセンサ
321 駆動ギア
322 クラッチディスク
323 自動給紙モータ
324 減速装置
325 リリースレバー
326 クラッチスプリング
400 情報処理装置
401 プリンタ部
402 キーボード部
403 表示部
404 外部記憶装置
405 外部インターフェース
501 コントローラ
502 CPU
503 RAM
504 ROM
505 タイマ
506 インターフェイス部
507 コントローラ
508 ヘッド検出部
509 ラインバッファ
510 ヘッドドライバ
511 モータドライバ
512 センサ検出部
601 クリーナバネ
602 インクシート
602a インク転写部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 インクジェット記録ヘッドを着脱可能に搭載して移動するためのキャリッジと、該キャリッジにヘッドへ駆動信号を供給するための接点を設けてこの接点に対して電気信号を送るためのフレキシブルケーブルと、該キャリッジによる記録領域に記録材を摩擦分離方式で供給してステップ送りを行う給紙手段と、該キャリッジを移動するためのリードスクリューを備えた駆動機構と、該ヘッドの吐出口面をクリーニングするブレード機構と、かつ該ヘッドの吐出口面からインクを吸引するポンプユニットからなる回復装置と、該ポンプユニットから排出されたインクを吸収保持する排インク吸収体とを有するインクジェット記録装置において、前記フレキシブルケーブルは、分離され夫々異なる位置で屈曲部を形成するもので、前記給紙手段は、ステップ送り時と給紙開始時とで異なる分離力を発生すると共に、前記駆動機構は、ガタ取り部材とリードスクリュー変位部材とを一体化して有し、さらに前記電気接点を形成するバッド自体がインク侵入防止用バリアを備え、前記ブレード機構は、前記吐出口面に対してほぼ平行にブレードを移動させる手段と、前記ブレードは前記吐出口面をワイピングする際に付着するインクを除去するため、高分子吸収体でできたブレードクリーナを有しており、前記ブレードクリーナに吸収されたインクが飽和した場合にインク漏れを生じないように、前記ブレードクリーナと前記排インク吸収体とを、高分子吸収体を介して結合させたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】 インクジェット記録ヘッドを着脱可能に搭載して移動するためのキャリッジと、該キャリッジにヘッドへ駆動信号を供給するための接点を設けてこの接点に対して電気信号を送るためのフレキシブルケーブルと、該キャリッジによる記録領域に記録材を摩擦分離方式で供給してステップ送りを行う給紙手段と、該キャリッジを移動するためのリードスクリューを備えた駆動機構と、該ヘッドの吐出口面をクリーニングするブレード機構と、かつ該ヘッドの吐出口面からインクを吸引するポンプユニットからなる回復装置と、該ポンプユニットから排出されたインクを吸収保持する排インク吸収体とを有するインクジェット記録装置において、前記フレキシブルケーブルは、分離され夫々異なる位置で屈曲部を形成するもので、前記給紙手段は、ステップ送り時と給紙開始時とで異なる分離力を発生すると共に、前記駆動機構は、ガタ取り部材とリードスクリュー変位部材とを一体化して有し、さらに前記電気接点を形成するバッド自体がインク侵入防止用バリアを備え、前記ブレード機構は、前記吐出口面に対してほぼ平行にブレードを移動させる手段を有しており、前記ポンプユニットに装着されたキャップを保持し、該キャップとシリンダとの間のインク流路を形成しているレバー部材が、シリンダにスナップフィットで装置されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項3】 インクジェット記録ヘッドを着脱可能に搭載して移動するためのキャリッジと、該キャリッジにヘッドへ駆動信号を供給するための接点を設けてこの接点に対して電気信号を送るためのフレキシブルケーブルと、該キャリッジによる記録領域に記録材を摩擦分離方式で供給してステップ送りを行う給紙手段と、該キャリッジを移動するためのリードスクリューを備えた駆動機構と、該ヘッドの吐出口面をクリーニングするブレード機構と、かつ該ヘッドの吐出口面からインクを吸引するポンプユニットからなる回復装置と、該ポンプユニットから排出されたインクを吸収保持する排インク吸収体とを有するインクジェット記録装置において、前記フレキシブルケーブルは、分離され夫々異なる位置で屈曲部を形成するもので、前記給紙手段は、ステップ送り時と給紙開始時とで異なる分離力を発生すると共に、前記駆動機構は、ガタ取り部材とリードスクリュー変位部材とを一体化して有し、さらに前記電気接点を形成するバッド自体がインク侵入防止用バリアを備え、前記ブレード機構は、前記吐出口面に対してほぼ平行にブレードを移動させる手段を有しており、前記回復装置に、落下および振動等の外的な力が加わった場合に前記キャリッジがキャッピング位置から逸脱することを防止するためのストッパが装着されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項4】 前記ストッパは、回復装置のブレード機構およびポンプユニットを駆動するための歯車の軸方向の抜け止めになっていることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】 インクジェット記録ヘッドを着脱可能に搭載して移動するためのキャリッジと、該キャリッジにヘッドへ駆動信号を供給するための接点を設けてこの接点に対して電気信号を送るためのフレキシブルケーブルと、該キャリッジによる記録領域に記録材を摩擦分離方式で供給してステップ送りを行う給紙手段と、該キャリッジを移動するためのリードスクリューを備えた駆動機構と、該ヘッドの吐出口面をクリーニングするブレード機構と、かつ該ヘッドの吐出口面からインクを吸引するポンプユニットからなる回復装置と、該ポンプユニットから排出されたインクを吸収保持する排インク吸収体とを有するインクジェット記録装置において、前記フレキシブルケーブルは、分離され夫々異なる位置で屈曲部を形成するもので、前記給紙手段は、ステップ送り時と給紙開始時とで異なる分離力を発生すると共に、前記駆動機構は、ガタ取り部材とリードスクリュー変位部材とを一体化して有し、さらに前記電気接点を形成するバッド自体がインク侵入防止用バリアを備え、前記ブレード機構は、前記吐出口面に対してほぼ平行にブレードを移動させる手段を有しており、前記ポンプユニットのキャップによるヘッドの吐出口面の密閉および開放動作を、該ポンプユニットおよび前記ブレード機構を駆動させるための歯車に設けたカムによって行い、さらに該カムに複数の経路を設けてそれらの経路を機械的なスイッチング機構を用いて切換えることができることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項6】 インクジェット記録ヘッドを着脱可能に搭載して移動するためのキャリッジと、該キャリッジにヘッドへ駆動信号を供給するための接点を設けてこの接点に対して電気信号を送るためのフレキシブルケーブルと、該キャリッジによる記録領域に記録材を摩擦分離方式で供給してステップ送りを行う給紙手段と、該キャリッジを移動するためのリードスクリューを備えた駆動機構と、該ヘッドの吐出口面をクリーニングするブレード機構と、かつ該ヘッドの吐出口面からインクを吸引するポンプユニットからなる回復装置と、該ポンプユニットから排出されたインクを吸収保持する排インク吸収体とを有するインクジェット記録装置において、前記フレキシブルケーブルは、分割され夫々異なる位置で屈曲部を形成するもので、前記給紙手段は、ステップ送り時と給紙開始時とで異なる分離力を発生すると共に、前記駆動機構は、ガタ取り部材とリードスクリュー変位部材とを一体化して有し、さらに前記電気接点を形成するバッド自体がインク侵入防止用バリアを備え、前記ブレード機構は、前記吐出口面に対してほぼ平行にブレードを移動させる手段を有しており、前記ポンプユニットがプランジャポンプの形態をしており、前記ポンプユニットのプランジャの往復運動を、プランジャに設けたらせん状のリード溝と、該溝に嵌合する突起を有した歯車とによって行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項7】 前記プランジャのインク排出用の溝がシリンダ内の突起によりガイドされており、回転止めとなっていることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】 インクジェット記録ヘッドを着脱可能に搭載して移動するためのキャリッジと、該キャリッジにヘッドへ駆動信号を供給するための接点を設けてこの接点に対して電気信号を送るためのフレキシブルケーブルと、該キャリッジによる記録領域に記録材を摩擦分離方式で供給してステップ送りを行う給紙手段と、該キャリッジを移動するためのリードスクリューを備えた駆動機構と、該ヘッドの吐出口面をクリーニングするブレード機構と、かつ該ヘッドの吐出口面からインクを吸引するポンプユニットからなる回復装置と、該ポンプユニットから排出されたインクを吸収保持する排インク吸収体とを有するインクジェット記録装置において、前記フレキシブルケーブルは、分離され夫々異なる位置で屈曲部を形成するもので、前記給紙手段は、ステップ送り時と給紙開始時とで異なる分離力を発生すると共に、前記駆動機構は、ガタ取り部材とリードスクリュー変位部材とを一体化して有し、さらに前記電気接点を形成するバッド自体がインク侵入防止用バリアを備え、前記ブレード機構は、前記吐出口面に対してほぼ平行にブレードを移動させる手段を有しており、前記ポンプユニットのキャップが、該ヘッドの吐出口列方向に回動し、さらにキャップがヘッドの吐出口面を密閉していない時にキャップがヘッドの吐出口面と平行状態になり、かつヘッドの吐出口面とキャップとの空隙を前記ブレード機構が移動できるようにしたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項9】 インクジェット記録ヘッドを着脱可能に搭載して移動するためのキャリッジと、該キャリッジにヘッドへ駆動信号を供給するための接点を設けてこの接点に対して電気信号を送るためのフレキシブルケーブルと、該キャリッジによる記録領域に記録材を摩擦分離方式で供給してステップ送りを行う給紙手段と、該キャリッジを移動するためのリードスクリューを備えた駆動機構と、該ヘッドの吐出口面をクリーニングするブレード機構と、かつ該ヘッドの吐出口面からインクを吸引するポンプユニットからなる回復装置と、該ポンプユニットから排出されたインクを吸収保持する排インク吸収体とを有するインクジェット記録装置において、前記フレキシブルケーブルは、分離され夫々異なる位置で屈曲部を形成するもので、前記給紙手段は、ステップ送り時と給紙開始時とで異なる分離力を発生すると共に、前記駆動機構は、ガタ取り部材とリードスクリュー変位部材とを一体化して有し、さらに前記電気接点を形成するバッド自体がインク侵入防止用バリアを備え、前記ブレード機構は、前記吐出口面に対してほぼ平行にブレードを移動させる手段を有しており、前記ポンプユニットにおいて、前記ヘッドの吐出口面を密閉および開放するキャップを、シリンダとの間のインク流路の一部を鋼球を用いて塞ぎ、インク流路内でのポンプユニットからの負圧の漏れを防止したことを特徴とするインクジェット記録装置
【請求項10】 前記記録ヘッドは、インクを吐出するために利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を備えており、前記電気熱変換体が発生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利用して吐出口よりインクを吐出させることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項11】 前記記録ヘッドは、吐出口より吐出するインクを有していることを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図9】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図15】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図21】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図24】
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【図32】
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【図20】
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【図22】
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【図23】
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【図46】
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【図47】
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【図49】
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【図25】
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【図26】
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【図28】
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【図36】
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【図27】
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【図29】
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【図31】
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【図52】
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【図30】
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【図33】
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【図34】
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【図38】
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【図53】
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【図35】
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【図37】
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【図39】
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【図50】
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【図40】
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【図41】
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【図43】
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【図54】
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【図42】
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【図44】
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【図45】
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【図48】
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【図51】
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