説明

インクリボンカセット

【課題】プリンタ本体の機構を変更することなく、簡単な構成でインクリボンの容量に応じてバックテンションを調整することのできるインクリボンカセットを提供する。
【解決手段】カセットケース11と、カセットケース11内部に回転可能に収納された送出しコア40および巻取りコア42と、送出しコア40および巻取りコア42にそれぞれ巻回され、送出しコア40から送出され、巻取りコア42に巻取り可能なインクリボンRとを備え、インクリボンRの容量に応じて送出しコア40のボビン押し込み方向の長さを変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容量の異なるインクリボンを収納するのに好適なインクリボンカセットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録媒体への行毎、または頁毎の記録を迅速に行なう記録装置として、記録媒体の縦方向または横方向の記録範囲に対向し得る長さを有する長尺なサーマルヘッド(ラインサーマルヘッド)を具備する熱転写プリンタ(熱転写ラインプリンタ)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この熱転写プリンタは、略矩形状をしたカセットケース内に記録幅に対応する幅広の帯状のインクリボン(インクシート、インクフィルム)を両端側から巻回した送出しコアおよび巻取りコアを離間させて回転可能に配設し、両コア間に送出しコア側から巻取りコア側へ供給されるインクリボンの走行経路を形成するカセットケースを備えたインクリボンカセットを記録に用いている。このインクリボンカセットは、プリンタ本体に着脱自在に装着されており、インクリボンカセットがプリンタ本体に装着されると、巻取りコアの一端部は、プリンタ本体に設けられた駆動モータに連結した巻取りボビンに装着される。また、送出しコアの一端部は、プリンタ本体に設けられ、回転自在かつ装着方向に沿って進退自在とされるとともに、常時は圧縮コイルばねにより装着方向に対して逆方向に向かって付勢された送出しボビンを装着方向に沿って押し込むように装着されており、圧縮コイルばねを圧縮させることにより、インクリボンが巻取りコアに巻き取られる際に、送出しコアから送出されるインクリボンにバックテンションを付与することができるように構成されている。さらに、プリンタ本体にインクリボンカセットを装着する際に、両コア間にサーマルヘッドを位置させ、走行経路に位置するインクリボンを介してサーマルヘッドをプラテンに圧接させて、インクリボンとプラテンとの間に位置させた記録媒体に行毎、または頁毎の記録を行う構成となっている。このような従来の熱転写プリンタには、インクリボンへのバックテンションを変更可能な機構は設けられていない。
【0004】
なお、熱転写プリンタとして、プリンタ本体に、インクリボンの種類毎に応じてバックテンションを調整する機構を設けたものもある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−205881号公報
【特許文献2】特開平2−4567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年においては、熱転写プリンタに使用するインクリボンカセットとして、内部に収容するインクリボンの容量(記録可能枚数:具体的には長さ)が異なる複数種のインクリボンの使用が求められている。
【0007】
しかしながら、従来の熱転写プリンタにおいては、バックテンションを変更可能な機構が設けられておらず、インクリボンの容量を変えた場合、巻末のバックテンションは、インクリボンの容量が大きいときは高く、容量が小さいときは低くなり、インクリボンを安定して巻き取ることができないという問題点があった。
【0008】
なお、従来の熱転写プリンタのプリンタ本体にバックテンションを変更可能な機構を設けた場合には、プリンタ本体の構造が複雑になり、部品点数およびコストが増加するという問題点があった。
【0009】
そこで、プリンタ本体の機構を変更することなく、簡単な構成でインクリボンの容量に応じてバックテンションを調整することのできるインクリボンカセットが求められている。
【0010】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、プリンタ本体の機構を変更することなく、簡単な構成でインクリボンの容量に応じてバックテンションを調整することのできるインクリボンカセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するため、本発明に係るインクリボンカセットの特徴は、カセットケースと、このカセットケース内に回転可能に収納された送出しコアおよび巻取りコアと、前記送出しコアおよび前記巻取りコアにそれぞれ巻回され、前記送出しコアから送出され、前記巻取りコアに巻取り可能なインクリボンとを備え、熱転写プリンタのプリンタ本体内に着脱自在に装着されるとともに、前記プリンタ本体に装着された場合、前記送出しコアの一端部は、前記プリンタ本体に設けられ、回転自在かつ装着方向に沿って進退自在とされるとともに、常時は圧縮コイルばねにより装着方向に対して逆方向に向かって付勢された送出しボビンを装着方向に沿って押し込むように装着されることにより、前記圧縮コイルばねが圧縮されて前記送出しコアから送出される前記インクリボンにバックテンションを付与するように形成されているインクリボンカセットにおいて、前記送出しコアの一端部を前記送出しボビンに装着した際に、前記送出しコアが前記送出しボビンを押し込む押し込み量を前記インクリボンの容量に応じて変えるために、前記インクリボンの容量に応じて前記送出しコアのボビン押し込み方向の長さを変更した点にある。
【0012】
本発明において、前記インクリボンの容量を予め設定した基準容量としたときの前記送出しコアのボビン押し込み方向の長さを基準長さとしたときに、前記インクリボンの容量が基準容量より大きい場合には、前記送出しコアのボビン押し込み方向の長さを基準長さより短くした構成とすることができる。これにより、インクリボンカセットをプリンタ本体に装着した際に、送出しコアがプリンタ本体に設けられた送出しボビンを押し込む押し込み量を確実に小さくできるから、圧縮コイルばねの圧縮量を確実に小さくすることができるので、インクリボンの容量が基準容量より大きい場合に、送出しコアから送出されるインクリボンに付与するバックテンションを低くすることができる。その結果、インクリボンの容量に応じた適正なバックテンションを付与することができる。
【0013】
本発明において、前記送出しコアは、前記インクリボンが巻回される筒状に形成された基部と、この基部の一端部に一体に設けられたボビン装着部とを具備しており、前記送出しコアのボビン押し込み方向の長さの変更が、前記ボビン装着部のボビン押し込み方向の長さの変更である構成とすることができる。これにより、送出しコアのインクリボンの巻回部分に影響を与えることがない。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るインクリボンカセットによれば、インクリボンの容量に応じて送出しコアのボビン押し込み方向の長さを変更することにより、インクリボンカセットをプリンタ本体に装着した際に、送出しコアがプリンタ本体に設けられた送出しボビンを押し込む押し込み量を変更することができるから、インクリボンの容量に応じて圧縮コイルばねの圧縮量、ひいては送出しコアから送出されるインクリボンに付与するバックテンションを変更することができる。その結果、インクリボンが巻回される送出しコアのボビン押し込み方向の長さを変更するという簡単な方法で、プリンタ本体の機構を変更することなく、インクリボンの容量に応じてバックテンションを調整できるから、インクリボンに対してインクリボンの容量に応じた適正なバックテンションを付与することができるので、インクリボンを安定して巻き取ることができるなどの優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るインクリボンカセットの実施形態の要部を示す全体斜視図
【図2】図1のインクリボンカセットのA−A線に沿った断面図
【図3】図1のインクリボンカセットの装着方向前側から見た側面図
【図4】図1のインクリボンカセットの分解斜視図(インクリボンは不図示)
【図5】図1のインクリボンカセットの下ケースにおける要部の拡大図
【図6】図1のインクリボンカセットの下ケースにおける要部の拡大図
【図7】図1のインクリボンカセットのリボンコアの要部の拡大斜視図
【図8】図1のインクリボンカセットの送出しコアの要部を示す正面図であり、(a)は基準コア、(b)は短コア
【図9】図1のインクリボンカセットを用いる熱転写プリンタの要部を示す構成図
【図10】図9の熱転写プリンタの送出しボビン近傍における要部の拡大図
【図11】図1のインクリボンカセットを熱転写プリンタに装着したカセット装着状態における送出しコアと送出しボビンとの関係を示す説明図であり、(a)は基準コア、(b)は短コア
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
【0017】
図1から図3に示すように、本実施形態のインクリボンカセット10(以下、リボンカセットという)は、ほぼ矩形状をした樹脂製のカセットケース11を有しており、後述する熱転写プリンタとしての熱転写ラインプリンタ50(以下、プリンタという)のプリンタ本体50a内に着脱自在に装着されるようになっている。
【0018】
前記カセットケース11は、円筒状をした第1の収納部12と、この第1の収納部12と所定の間隔をもって配置された、同じ円筒状をした第2の収納部13と、第1および第2の収納部12、13の先端部を繋ぐ第1の連結部材14Aと、第1および第2の収納部13の後端部を繋ぐ第2の連結部材14Bを有している。そして、カセットケース11には、その中央に一対の連結部材14(第1の連結部材14Aおよび第2の連結部材14Bを総称する)、第1の収納部12および後述する壁部18に囲まれた矩形状の開孔部15と、第1および第2の収納部12、13の後端部およびそれらの後端部を繋ぐ第2の連結部材14Bをそれぞれ連結して一体化した略楕形状の側板部11aとが形成されている。また、開孔部15に対応する空間は、プリンタ本体50a内にリボンカセット10が装着されたカセット装着状態においてプリンタ本体50aに設けられたラインサーマルヘッド60(以下、単に、サーマルヘッドという)が配置される第1の空間部17Aとされている(図9参照)。なお、リボンカセット10をプリンタ本体50aに装着する際に、リボンカセット10の装着方向(以下、カセット装着方向という)前側(先頭側)に第1の連結部材14Aが配置され、カセット装着方向後側(末尾側)に第2の連結部材14Bが配置されるようになっている。したがって、図1の右斜め上方がカセット装着方向前側となり、図1の左斜め下方がカセット装着方向後側となる。
【0019】
前記第1の収納部12は、円筒状をした周壁部12aの径の大きい側の縁部に、外方に僅かに延びたテーパー状のフランジ部26がその縁部に沿って設けられており、そのフランジ部26の両端が一対の連結部材14と一体に連結している。これに対して、周壁部12aの径の小さい側の縁部12cは、周壁部12aの径の大きい側の縁部(フランジ部26)に対して、内方に入り込む渦巻き状となるように対向配置されている。そして、周壁部12aのフランジ部26と縁部12c間は、記録に供するインクリボンR(インクシートあるいはインクフィルム)を導出するための送出し口21となっている。また、第1の収納部12には、側板部11aと対向させて、周壁部12aの他端面に円形の側面部12bが設けられており、この側面部12bには円形をした開口部20が形成されている。さらに、第1の収納部12には、その周壁部12aの両端側の外周面に外方に突出した一対のガイド突起24、24が設けられていて、これらガイド突起24、24によってその周壁部12aの一部を平坦形状に形成している。
【0020】
前記第2の収納部13には、その周壁部13aの一方の縁部から一対の連結部材14に向けて延設した平板状をした延設部13sが一体に形成されている。また、第2の収納部13は、側板部11aと対向させて、円筒状の周壁部13aの他端面に円形の側面部13bが設けられており、この側面部13bには円形をした開口部28が形成されている。
【0021】
前記一対の連結部材14には、この一対の連結部材14間を一部において橋架する平板状の壁部18が設けられている。この壁部18は、第2の収納部13の周壁部13aとの間に、一定の大きさ、例えばプリンタ本体50aに設けられた図示しない搬送ユニットの少なくとも開放端辺部分に配設された従動ローラ取付板を位置させることができる大きさの第2の空間部17Bを形成するようにして周壁部12aと対向配置されており、延設部13sに対してほぼ直角に折り曲げたように、延設部13sの先端縁部分と連続して一体に形成されている。
【0022】
前記壁部18の先端側の縁部(第1の支持部)18aは丸めた形状とされており、インクリボンRが摺接する際の支持部とされている。さらに、第2の収納部13には、その周壁部13aの自由端である他方の縁部に延設部13sと対向配置された平板状をした延設片13tが一体に設けられている。そして、周壁部13aの延設片13tと壁部18間は、第2の収納部13内に配設された後述する巻取りコアに記録に使用されたインクリボンRを巻取るための巻取り口27とされている。
【0023】
図4に示すように、カセットケース11は、1つの下ケース32と、2つの上ケース(第1の上ケース33および第2の上ケース34)との3部品から構成されている。したがって、第1の収納部12は、その下半部を構成する下ケース32の一部(後述する第1の半円筒部32a)と、その上半部を構成する第1の上ケース33とで構成されている。また、第2の収納部13は、その下半部を構成する下ケース32の他部(後述する第2の半円筒部32b)と、その上半部を構成する第2の上ケース34とで構成されている。そして、下ケース32の中央には、開孔部15が形成されており、その両側には、半円筒状をした第1の半円筒部32aと、同じく半円筒状をした第2の半円筒部32bとがそれぞれ形成され、これら第1および第2の半円筒部32a、32b間を繋ぐ一対の連結部材14と、側板部11aとを有し、全体として下ケース32が構成されている。
【0024】
前記第2の収納部13に一体に形成された延設部13sと、これに対向配置された延設片13tとにより構成されるインクリボンRの走行経路内には、延設部13sに沿うように、第2の支持部としての回転可能な金属製のシャフト19が側板部11aおよび側面部12b(下半部)に橋架して取付けられている。このシャフト19にはインクリボンRが摺接するようになっている。よって、摺接抵抗を減らしたシャフト19とすれば回転しないものであってもよい。また、インクリボンRが摺接するシャフト19を省略し、延設部13sの先端を丸めて摺接抵抗を減らし、その先端部分を第2の支持部としてインクリボンRが直接摺接するようにしてもよい。
【0025】
前記第1および第2の半円筒部32a、32bの周壁部内壁には、側板部11aに対向してU字形状をした第1の支持壁32j、32pがそれぞれ設けられている。この第1の支持壁32j、32pと側板部11aとの間には、第1および第2の半円筒部32a、32bの周壁部からそれぞれ内方に切り起こされた、弾性を有するモールド片32mが側板部11aと第1の支持壁32j、32pとの間に一定の間隔をもって一体に形成されている(図5)。また、第1および第2の半円筒部32a、32bは、その周壁部内壁にU字状をした第2の支持壁32k、32qを周壁部の端面を形成する側面部13bと一定の間隔をもって一体に設けられている。そして、第1および第2の支持壁32k、32qの壁面部には、第1の支持壁32j、32pに対向して、断面が三角形をした係合突起32nが突設されている(図6)。なお、図5および図6には、第2の半円筒部32b内の構成を代表的に図示してある。
【0026】
前記第1の上ケース33の周壁部の両端縁には、弾性を有する係合爪33d、33dが設けられている。また、第2の上ケース34の周壁部の図4左下に示す一端縁である左端(カセット装着方向後側)には、弾性を有する係合爪34d、34eが設けられ、図4右上に示す第2の上ケース34の他端縁である右端(カセット装着方向前側)には、弾性を有する係合爪34eが設けられている。
【0027】
前記第1の収納部12内には送出しコア40が収納され、第2の収納部13内には巻取りコア42が収納されている。
【0028】
前記送出しコア40および巻取りコア42はともに樹脂製のほぼ円筒部材から形成されており、中央に設けられた筒状の基部40a、42aと、左端に一体に設けられた基部40a、42aの外径よりも径の小さな小径部40b、42bと、右端に一体に設けられた基部40a、42aよりも径の大きなボビン装着部としての大径部40c、42cとから構成されている。そして、これら大径部40c、42cには、図7に示すように、基部40a、42aとの境に鍔状をしたフランジ部40d、42dが設けられており、フランジ部40d、42dの外方側表面部には、複数の矩形溝40e、42eがそれぞれ形成され、大径部40c、42cの周囲に均等な放射状をなすように配列されている。
【0029】
さらに、送出しコア40の大径部40cの内面には、大径部40cの端開口に連通するように、プリンタ本体50aに設けられた後述する送出しボビン70が嵌合されるボビン装着孔40fが形成されており、巻取りコア42の大径部42cの内面には、大径部42cの開口端に連通するように、プリンタ本体50aに設けられた図示しない巻取りボビンが嵌合されるボビン装着孔42fが形成されている。また、送出しコア40の基部40aには、記録幅に対応し得る幅広のインクリボンRが巻回されるようになっており、そのインクリボンRの先端側縁部から巻取りコア42の基部42aに巻回されるようになっている。また、送出しコア40、巻取りコア42の各矩形溝40e、42eと、第2の支持壁部32k、32qの各係合突起32nとが噛合うことにより、確実に係止して、未使用時、例えば、リボンカセット10を運搬するときに、インクリボンRがたるんでカセットケース11に擦らないようにすることができる。勿論、カセット装着状態においては、矩形溝40e、42eと、各係合突起32nとの噛合いが解除されるようになっている。
【0030】
ここで、本実施形態のリボンカセット10に使用する送出しコア40とインクリボンRとの関係について説明する。
【0031】
本実施形態のリボンカセット10に使用する送出しコア40は、そのボビン押し込み方向の長さ、すなわち送出しコア40の軸方向長さを外周に巻回されるインクリボンRの容量(記録可能枚数:長さ)に応じて変更したものが使用される。
【0032】
例えば、インクリボンRの予め設定した容量を基準容量とする。この基準容量としては、最小容量(最小記録枚数)とすることが好ましい。なお、本実施形態のリボンカセット10を既存のプリンタに用いる場合には、既存のプリンタに用いられているリボンカセットに収容されているインクリボンの容量を基準容量とすることが好ましい。そして、図8(a)に示すように、基準容量のインクリボンRBを巻回する送出しコア40を基準コア40Bとし、この基準コア40Bを送出しコア40および巻取りコア42として共用する。また、図8(b)に示すように、基準容量より容量の大きい大容量のインクリボンRLは、基準コア40Bより軸方向長さの短い短コア40Sに巻回する。
【0033】
具体的には、図8(a)に示すように、基準容量のインクリボンRBが巻回される基準コア40Bのボビン押し込み方向の長さ(全長)をLBmmとしたときに、図8(b)に示すように、基準容量より容量の大きい大容量のインクリボンRL長が巻回される短コア40Sのボビン押し込み方向の長さ(全長)をLS(LS=LB−α)mmとする(LS<LB)。このとき、図8(a)に示すように、基準コア40Bのボビン押し込み方向の長さをAmmとし、小径部40bのボビン押し込み方向の長さをBmmとし、大径部40cのボビン押し込み方向の長さをCmmとしたときに、図8(b)に示すように、短コア40Sの基部40aのボビン押し込み方向の長さをAmmとし、小径部40bのボビン押し込み方向の長さをBmmとし、大径部40cのボビン押し込み方向の長さをCA(CA=C−α:CA<C)とすることが送出しコア40のインクリボンRの巻回部分に影響を与えることがないし、インクリボンRの巻回位置をかえる必要がなく、送出しコア40のボビン押し込み方向の長さにかかわらずインクリボンRの走行経路を一定の位置に保持することができるという意味で好ましい。ここで、短コア40Sの大径部40cと基準コア40Bの大径部40cとのボビン押し込み方向の長さの差(CA−C=−α)は、フランジ部40dのボビン押し込み方向の長さ(厚み)が同一とされているので、厳密には、フランジ部40dの右端面と大径部40cの端面とのボビン押し込み方向の長さの差になる。なお、送出しコア40のボビン押し込み方向の長さLの種類の数としては、インクリボンRの容量の種類の数に対応した数とすることができる。例えば、インクリボンRの容量を3種類とした場合には、送出しコア40のボビン押し込み方向の長さLの種類を3種類とすればよい。また、インクリボンRの容量は、カセットケース11の内面に接触しない範囲で多くすることができる。
【0034】
前記リボンカセット10は、つぎのようにして組立てられている。すなわち、図4に示すように、先ず下ケース32を準備して、下ケース32の第1の半円筒部32a内に送出しコア40を上方から挿入する。このとき、モールド片32mに送出しコア40の小径部40bの先端を弾接させながら、下ケース32の第1の支持壁32jに巻取りコア42の小径部40bを当接させ、第2の支持壁32k、および側面部13bの開口部20内に送出しコア40の大径部40cをそれぞれ当接させる。
【0035】
ついで、送出しコア40に巻回されたインクリボンRの先端を第2の半円筒部32bまで引っ張り、この送出しコア40を収納した下ケース32に第1の上ケース33を重ね、各係合爪33d、33dを下ケース32の図示しない孔部に嵌着させて取付け固定する。
【0036】
ついで、巻取りコア42を準備する。すなわち、インクリボンRを巻取りコア42に巻回するべく導出させるために、まず、モールド片32mを送出しコア40で回転軸方向(側板部11a側)に押圧して、下ケース32の係合突起32nと巻取りコア42の矩形溝40eとの係合を解除し、インクリボンRを巻取りコア42の方へさらに引っ張る。そして、送出し口21から導出されたインクリボンRを、第1の支持部としての壁部18の先端側の縁部18aを経て、その先端部分をシャフト19に巻回して摺接させ、その先端を図示しない接着剤にて巻取りコア42に貼り付け、数回巻いて巻き付け固定する。
【0037】
ついで、下ケース32の第2の半円筒部32b内において、モールド片32mに巻取りコア42の小径部42bの先端を弾接させ、第1の支持壁32pに巻取りコア42の小径部42bを当接させるとともに、第2の支持壁32qおよび側面部13bの開口部28内に巻取りコア42の大径部42cを当接させる。その後、送出しコア40および第1の上ケース33、巻取りコア42が既に組み込まれ、一体とされた下ケース32に、第2の上ケース34をその係合爪34d、34e、34eを介して確実に取付け固定させる。
【0038】
このようにして組み立てられたリボンカセット10において、インクリボンRは、送出しコア40の送出し口21からテーパー状のフランジ部26の突出方向へ引き出され、サーマルヘッド60が位置する第1の空間部17A内に露出される。その後、第2の支持部としての壁部18に形成された先端側の縁部18aに摺接させて折り曲げられ、カセットケース11の壁部18に沿って搬送され、巻取り口27部分で第2の支持部としてのシャフト19に摺接させて約90°折り曲げられる。すなわち、第1の支持部としての壁部18の縁部18aと第2の支持部としてのシャフト19によってクランク状に形成された走行経路を辿って第2の収納部13内に回収され、前記巻取りコア42に巻回される。このとき、記録に供されたインクリボンRは、シャフト19に摺接することにより一定のテンションが付加されることとなる。
【0039】
その他の構成については、従来のリボンカセットと同様とされているので、その詳しい説明については省略する。
【0040】
つぎに、本実施形態のリボンカセット10を装着するプリンタ50の概略構造について説明する。
【0041】
図9に示すように、本実施形態のプリンタ50は、従来のプリンタと同様に、プリンタ本体50aと、このプリンタ本体50a内に着脱自在に装着されるリボンカセット10とを有している。そして、プリンタ本体50aは、プリンタ本体50a内にリボンカセット10を収納するためのカセット収納部51と、記録媒体にインクリボンRのインクを転写して記録を行うための記録機構部52と 記録媒体としての記録紙Sを供給する供給部53とを有している。
【0042】
前記カセット収納部51は、その外観形状がリボンカセット10のカセットケース11の形状に合せた収納形状となっていて、リボンカセット10が収納されると、係合突起32n、32nと矩形溝40e、42eとの噛合いが解除され、送出しコア40および巻取りコア42は回転可能となる。ここで、リボンカセット10は、その第1の空間部17Aにサーマルヘッド60が位置するように、図1の上下方向を反転させる(下ケース32を上に向ける)とともに開口部20、28を先頭(カセット装着方向前側)にしてプリンタ本体50aの側方(記録媒体の搬送方向に対して直交する方向)からカセット収納部51に挿入される。また、カセット収納部51は、リボンカセット10の挿入側が開口とされており、この開口は図示しない着脱自在あるいは開閉自在とされたカバーによって閉塞可能とされている。
【0043】
前記カセット収納部51の奥側には、送出しコア40の一端側を回転自在に支持するとともに、送出しコア40から送出されインクリボンRにバックテンションを付与するために、送出しコア40のボビン装着孔40fが嵌合される後述する送出しボビン70(図10)と、巻取りコア42を回転駆動させるために、巻取りコア42のボビン装着孔42fが嵌合される図示しない巻取りボビンとが配設されている。そして、記録動作時には、巻取りボビンを図示しない駆動モータの駆動力によって回転駆動させることにより巻取りコア42が回転して、インクリボンRは、巻取りコア42に巻き取られるとともに、送出しコア40から繰り出されるように走行する。
【0044】
前記記録機構部52には、回転可能なローラタイプのプラテン58が設けられ、このプラテン58と対向配置させて接離可能なサーマルヘッド60が矢印C方向に移動可能に設けられいる。このサーマルヘッド60は、複数の発熱素子からなり、これら発熱素子はインクリボンRの幅とほぼ同じ大きさとなるように配列されている。さらに、記録機構部52には、プラテン58に近接して、回転可能な搬送ローラ62と、この搬送ローラ62に圧接しながら回転可能な圧接ローラ64とが設けられている。そして、プリンタ本体50aには、これら搬送ローラ62および圧接ローラ64と、給紙ローラ56との間に、搬送された記録紙Sの搬送方向をガイドする弓状のガイド片66が揺動可能に設けられている。
【0045】
前記供給部53には、複数枚の記録紙Sを収納するトレー55が設けられている。このトレー55の上方には、プリンタ本体50aに回転可能に取付けた給紙ローラ56が設けられており、この給紙ローラ56が、トレー55内に収納された記録紙Sの最上部を圧接しながら回転して、記録紙Sを1枚ずつ矢印B方向へ搬送するようになっている。なお、記録動作時における記録紙Sは、矢印F方向に進行しつつインクリボンRのインクの転写による記録が行単位で一括して行われ、記録が終了すると矢印H方向に排紙されるようになっている。
【0046】
なお、プリンタ50としては、ロール紙などの長尺の記録媒体に記録を行うものであってもよい。また、プリンタ50としては、リボンカセット10をプリンタ本体50aに装着した際に、リボンカセット10に収納されている送出しコア40がプリンタ本体50aに設けられた送出しボビン70を押し込むことによりインクリボンRにバックテンションを付与する構成のものであればよい。
【0047】
前記送出しボビン70は、送出しコア40の大径部40c側の端部を回転自在に支持するためのものであり、図10に示すように、送出しコア40のボビン装着孔40fが嵌合されるように装着される筒状に形成された胴部70aを有しており、この胴部70aの外周面には、適宜な数の係合爪70bがスプライン状に突出形成され、送出しコア40のボビン装着孔40fに形成された係合突起40g(図7参照)に係合されるようになっている。また、胴部70aの左方に示す先端側は、送出しコア42のボビン装着孔40fを挿入しやすくするための先端に向かって外径が漸減する案内部70cとされている。さらに、胴部70aの右方に示す基端部の外周面には、径方向外側に向かって突出するコア受けフランジ70dが一体に形成されており、このコア受けフランジ70dの図10の左方に示す先端側の端面は、ボビン装着孔40fを胴部70aに差し込んだカセット装着状態において、ボビン軸72の外周に装着された圧縮コイルばね74のばね力(付勢力)によって大径部40cの端面に当接可能とされている(図11参照)。そして、コア受けフランジ70dの端面に送出しコア40の大径部40cの端面を圧縮コイルばね74のばね力によって当接することで、リボンカセット10に収納した送出しコア40の大径部40c側に位置する一端の位置決めが行われるようになっている。また、胴部70aの右方に示す基端面には、圧縮コイルばね74の左端部が装着される圧縮コイルばね74の内径より小径の円筒状に形成されたばね受け部70eが一体に形成されている。そして、胴部70aの基端面には、圧縮コイルばね74の左端が当接されている。
【0048】
前記送出しボビン70は、ボビン軸72に回転自在かつ回転軸線(カセット装着方向)に沿って移動自在に支持されている。このボビン軸72は、その基端部がプリンタ本体50aの支持フレーム50aaに固定されている。そして、ボビン軸72の基端部近傍には圧縮コイルばね74の外径より大径の大径部72aが形成されており、この大径部72aの左端面には、ボビン軸72より大径とされ、大径部72aより小径とされ、かつ圧縮コイルばね74の内径より小径とされた中径部72bが設けられている。そして、大径部72aの左端面に圧縮コイルばね74の右端部が当接されている。また、ボビン軸72は、その軸方向を図10の太矢印にて示すリボンカセット10のカセット装着方向に沿って配置されており、その先端部は、プリンタ本体50aの側方に設けられたカセット収納部51の開口に対向するように配置されている。さらに、ボビン軸72の先端部には、送出しボビン70がボビン軸72から脱落するのを防止するための止め輪76が着脱自在に取り付けられている。
【0049】
前記ボビン軸72の外周には、付勢ばねとしての圧縮コイルばね74が装着されている。この圧縮コイルばね74は、そのばね力によって、常時は、送出しボビン70をボビン軸72の先端側、すなわち、カセット収納部51の開口側に向けて付勢している。そして、送出しボビン70のボビン軸72の先端側への移動は、ボビン軸72の先端側に取着された止め輪76によって規制され、送出しボビン70のボビン軸72の基端部側への移動は、圧縮コイルばね74の密着高さによって規制されるようになっている。
【0050】
したがって、本実施形態のリボンカセット10がプリンタ本体50aに装着された場合、送出しコア40の一端部がプリンタ本体50aに設けられたカセット装着方向に沿って進退自在とされるとともに、常時は圧縮コイルばね74によりカセット装着方向後側(支持フレーム50aaから離間する方向)に向かって付勢された送出しボビン70をカセット装着方向前側(支持フレーム50aaに接近する方向)に押し込むように装着されることにより、圧縮コイルばね74が圧縮されて送出しコア40から送出されるインクリボンRにバックテンションを付与できるように形成されている。
【0051】
なお、巻取りボビンを含むその他の構成については、従来のプリンタと同様とされているので、その詳しい説明については省略する。
【0052】
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。
【0053】
本実施形態のリボンカセット10によれば、リボンカセット10は、プリンタ50のプリンタ本体50aに設けられたカセット収納部51内に装着される。そして、リボンカセット10がカセット収納部51内に装着されると、送出しコア40は、圧縮コイルばね74のばね力に抗して送出しボビン70を押し込む。
【0054】
このとき、リボンカセット10の送出しコア40が基準コア40Bの場合には、図11(a)に示すように、基準コア40Bによる送出しボビン70の押し込み量PB(圧縮コイルばね74を圧縮したときの高さ)は、送出しコア40から送出されるインクリボンRに予め設定されたバックテンションを付与できる大きさとなる。
【0055】
また、リボンカセット10の送出しコア40が短コア40Sの場合には、図11(b)に示すように、短コア40Sによる送出しボビン70の押し込み量PSが基準コア40Bの押し込み量PBより小さく(PS<PB)なり、送出しコア40から送出されるインクリボンRに基準となるバックテンションより小さなバックテンションを付与できる大きさとなる。
【0056】
すなわち、インクリボンRの容量に応じて送出しコア40のボビン押し込み方向の長さを変更することにより、バックテンションの値を変更することができる。
【0057】
なお、本実施形態のリボンカセット10を用いたプリンタ50における記録動作についは、従来と同様とされているので、その詳しい説明については省略する。
【0058】
このように、本実施形態のリボンカセット10によれば、インクリボンRの容量に応じて送出しコア40のボビン押し込み方向の長さを変更することにより、リボンカセット10をプリンタ本体50aに装着した際に、送出しコア40がプリンタ本体50aに設けられた送出しボビン70を押し込む押し込み量Pを変更することができるから、インクリボンRの容量に応じて圧縮コイルばね74の圧縮量、ひいては送出しコア40から送出されるインクリボンRに付与するバックテンションを変更することができる。その結果、インクリボンRが巻回される送出しコア40のボビン押し込み方向の長さを変更するという簡単な方法で、プリンタ本体50aの機構を変更することなく、インクリボンRの容量に応じてバックテンションを調整できるから、インクリボンRに対してインクリボンRの容量に応じた適正なバックテンションを付与することができるので、インクリボンRを安定して巻き取ることができる。
【0059】
また、本実施形態のリボンカセット10によれば、インクリボンRの容量を予め設定した基準容量としたときの送出しコア40のボビン押し込み方向の長さを基準長さ(基準コア40B)としたときに、インクリボンRの容量が基準容量より大きい場合には、送出しコア40のボビン押し込み方向の長さを基準長さより短くした(短コア40S)構成とされているから、リボンカセット10をプリンタ本体50aに装着した際に、送出しコア40がプリンタ本体50aに設けられた送出しボビン70を押し込む押し込み量Pを確実に小さくできる。これにより、圧縮コイルばね74の圧縮量を確実に小さくすることができるので、インクリボンRの容量が基準容量より大きい場合に、送出しコア40(短コア40S)から送出されるインクリボンRに付与するバックテンションを低くすることができる。その結果、インクリボンRの容量に応じた適正なバックテンション、すなわち、インクリボンRの容量が小さいときは高いバックテンションを付与し、インクリボンRの容量が大きいときには低いバックテンションを付与することができる。
【0060】
さらに、本実施形態のリボンカセット10によれば、送出しコア40は、インクリボンRが巻回される筒状に形成された基部40aと、この基部40aの一端に設けられ、送出しボビン70が装着されるボビン装着部としての大径部40cとを具備しており、送出しコア40のボビン押し込み方向の長さの変更が、大径部40cのボビン押し込み方向の長さの変更であるから、送出しコア40のインクリボンRの巻回部分に影響を与えることがない。
【0061】
さらにまた、本実施形態のリボンカセット10によれば、インクリボンRを消費した後に、カセットケース11を再使用することができるし、カセットケース11の再使用時には、送出しコア40のボビン押し込み方向の長さを変更することで、内部に収納するインクリボンRの容量を変更することができる。
【0062】
なお、本発明のインクリボンカセットは、既存の熱転写プリンタ(熱転写ラインプリンタ)に使用することができる。すなわち、既存の熱転写プリンタに対して、内部に収容したインクリボンの容量が異なる複数種のインクリボンカセット、例えば、既存の容量のインクリボンを収納したインクリボンカセットを使用するだけでなく、既存の容量より大容量のインクリボンを収容したインクリボンカセットを使用可能とすることができる。これにより、既存の熱転写プリンタに対して、インクリボンの容量の大容量化を容易に図ることができる。その結果、大容量のインクリボンを収容することによりインクリボンカセットの寿命を既存のインクリボンカセットに比べて長くすることができる。すなわち、インクリボンの容量アップを容易に図ることができる。その結果、既存の熱転写プリンタにおけるインクリボンカセットの交換頻度を低減することができる。したがって、作業者による使い勝手の向上を容易に図ることができる。勿論、熱転写プリンタとしてはインクリボンカセットをプリンタ本体に装着した際に、インクリボンカセットに収納されている送出しコアがプリンタ本体に設けられた送出しボビンを押し込むことによりインクリボンにバックテンションを付与する構成のものであればよい。
【0063】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0064】
10 (インク)リボンカセット
11 カセットケース
12 第1の収納部
13 第2の収納部
14 連結部材
20 開口部
21 送出し口
27 巻取り口
28 開口部
32 下ケース
32j 第1の支持壁
32k 第2の支持壁
32m モールド片
32p 第1の支持壁
32q 第2の支持壁
33 第1の上ケース
34 第2の上ケース
40 送出しコア
40B 基準コア
40S 短コア
40a、42a 基部
40b、42b 小径部
40c、42c 大径部(ボビン装着部)
40d、42d フランジ部
40f、42f ボビン装着孔
42 巻取りコア
50 プリンタ(熱転写プリンタ)
50a プリンタ本体
51 カセット収納部
60 (ライン)サーマルヘッド
70 送出しボビン
70a 胴部
70d コア受けフランジ
70e ばね受け部
72 ボビン軸
74 圧縮コイルばね
A (送出しコアの基部のボビン押し込み方向の)長さ
B (送出しコアの小径部のボビン押し込み方向の)長さ
C、CA (ボビン装着部としての送出しコアの大径部のボビン押し込み方向の)長さ
L (送出しコアのボビン押し込み方向の)長さ
LB (基準コアのボビン押し込み方向の)長さ
LS (短コアのボビン押し込み方向の)長さ
P (送出しコアによる送出しボビンの)押し込み量
PB (基準コアによる送出しボビンの)押し込み量
PS (短コアによる送出しボビンの)押し込み量
R インクリボン
RB (基準容量の)インクリボン
RL (基準容量より大きい容量の)インクリボン
S 記録紙(記録媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カセットケースと、このカセットケース内に回転可能に収納された送出しコアおよび巻取りコアと、前記送出しコアおよび前記巻取りコアにそれぞれ巻回され、前記送出しコアから送出され、前記巻取りコアに巻取り可能なインクリボンとを備え、熱転写プリンタのプリンタ本体内に着脱自在に装着されるとともに、前記プリンタ本体に装着された場合、前記送出しコアの一端部は、前記プリンタ本体に設けられ、回転自在かつ装着方向に沿って進退自在とされるとともに、常時は圧縮コイルばねにより装着方向に対して逆方向に向かって付勢された送出しボビンを装着方向に沿って押し込むように装着されることにより、前記圧縮コイルばねが圧縮されて前記送出しコアから送出される前記インクリボンにバックテンションを付与するように形成されているインクリボンカセットにおいて、
前記送出しコアの一端部を前記送出しボビンに装着した際に、前記送出しコアが前記送出しボビンを押し込む押し込み量を前記インクリボンの容量に応じて変えるために、前記インクリボンの容量に応じて前記送出しコアのボビン押し込み方向の長さを変更したことを特徴とするインクリボンカセット。
【請求項2】
前記インクリボンの容量を予め設定した基準容量としたときの前記送出しコアのボビン押し込み方向の長さを基準長さとしたときに、前記インクリボンの容量が基準容量より大きい場合には、前記送出しコアのボビン押し込み方向の長さを基準長さより短くしたことを特徴とする請求項1に記載のインクリボンカセット。
【請求項3】
前記送出しコアは、前記インクリボンが巻回される筒状に形成された基部と、この基部の一端部に一体に設けられたボビン装着部とを具備しており、
前記送出しコアのボビン押し込み方向の長さの変更が、前記ボビン装着部のボビン押し込み方向の長さの変更であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクリボンカセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−187802(P2012−187802A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52946(P2011−52946)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】