インクリボンカートリッジ
【課題】 装着操作を容易にすると共に予備のインクリボンや保守部品の保管を容易にしようとするインクリボンカートリッジを提供する。
【解決手段】 昇華性染料を塗布したインクリボン５を供給スプール３と巻取スプール４との間に架け渡してカートリッジ本体１内に収容するインクリボンカートリッジであって、前記カートリッジ本体１の一側端部に、上面に凹所を形成して物品収納部９となした取っ手部材２を設けたものである。
【解決手段】 昇華性染料を塗布したインクリボン５を供給スプール３と巻取スプール４との間に架け渡してカートリッジ本体１内に収容するインクリボンカートリッジであって、前記カートリッジ本体１の一側端部に、上面に凹所を形成して物品収納部９となした取っ手部材２を設けたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、インクリボンをカートリッジ本体内に収容するインクリボンカートリッジに関し、詳しくは、上記カートリッジ本体の一側端部に、上面に凹所を形成して物品収納部となした取っ手部材を設けて、装着操作を容易にすると共に予備のインクリボンや保守部品の保管を容易にしようとするインクリボンカートリッジに係るものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のインクリボンカートリッジは、少なくともイエロー、マゼンタ、シアンの３色の昇華性染料を一定ピッチで塗布したインクリボンを供給スプールと巻取スプールとの間に架け渡してカートリッジ本体内に収容しており、サーマルプリンタ装置のサーマルヘッドとプラテンローラとの間に装着されて、上記供給スプールから繰り出されるインクリボンが上記サーマルヘッドによって上記プラテンローラの外周部を移送される記録紙に押圧され、制御信号に基づいて駆動される上記サーマルヘッドのヘッド部の熱エネルギーにより、インクリボンに塗布された染料が昇華され、該染料が上記記録紙に転写されて印画が行われ、同時にインクリボンが上記巻取スプールに巻き取られるものとなっている（例えば、特許文献１参照）。
【特許文献１】特開２００３−３４１２０１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかし、このような従来のインクリボンカートリッジにおいては、カートリッジ本体に取っ手部材を設けていないため、例えばサーマルプリンタ装置の前面に設けたカートリッジ挿入口からインクリボンカートリッジを挿入して、装置本体奥に配設されたサーマルヘッドとプラテンローラとの間にカートリッジ本体を装着する場合に、その装着操作が容易でなかった。
【０００４】
また、予備のインクリボンやサーマルヘッドをクリーニングするクリーニングリボン等の保守部品を収納して保管する物品収納部を備えていないので、例えばインクリボンが消耗して無くなったり、サーマルヘッドのヘッド部に塵や埃が付着して印画不良が発生した場合に、速やかに対処することができないことがあった。
【０００５】
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、装着操作を容易にすると共に予備のインクリボンや保守部品の保管を容易にしようとするインクリボンカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するために、本発明によるインクリボンカートリッジは、昇華性染料を塗布したインクリボンを供給スプールと巻取スプールとの間に架け渡してカートリッジ本体内に収容するインクリボンカートリッジであって、前記カートリッジ本体の一側端部に、上面に凹所を形成して物品収納部となした取っ手部材を設けたものである。
【０００７】
このような構成により、昇華性染料を塗布したインクリボンを供給スプールと巻取スプールとの間に架け渡して収容したカートリッジ本体の一側端部に設けた取っ手部材の上面に凹所を形成して物品収納部とし、この物品収納部に物品を収納する。
【発明の効果】
【０００８】
請求項１に係る発明によれば、カートリッジ本体の一側端部に取っ手部材を設けているので、装置本体奥の所定位置にカートリッジ本体を装着する場合に、その装着操作を容易に行うことができる。また、取っ手部材に物品収納部を設けたので、例えば予備のインクリボンや、サーマルヘッドをクリーニングするクリーニングリボン等の保守部品を上記物品収納部に収納して容易に保管することができる。したがって、インクリボンのインクリボンが消耗して無くなったり、サーマルヘッドのヘッド部に塵や埃が付着して印画不良が発生した場合に、速やかに対処することができる。
【０００９】
また、請求項２に係る発明によれば、物品収納部が予備のインクリボンを供給スプールと巻取スプールとの間に架け渡したセットを収納可能に形成されたので、物品収納部に予備のインクリボンのセットを収納して保管することができる。
【００１０】
さらに、請求項３に係る発明によれば、物品収納部が保守部品を収納可能に形成されたたので、物品収納部に保守部品を収納して保管することができる。
【００１１】
そして、請求項４に係る発明によれば、取っ手部材がカートリッジ本体に回動可能に設けられたので、カートリッジ本体をサーマルプリンタ装置の装置本体内の所定位置に案内するガイドレールが屈曲したものであっても、取っ手部材が回動してカートリッジ本体をガイドレールに沿わせることができる。したがって、カートリッジ本体を装置本体内に挿入する挿入操作を滑らかに行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図１は本発明によるインクリボンカートリッジの実施形態を示す斜視図である。このインクリボンカートリッジは、サーマルプリンタ装置に使用されるもので、サーマルヘッドとプラテンローラとの間に装着され、サーマルヘッドの押圧加熱動作によって昇華した染料を、プラテンローラの外周部を移送される記録紙に転写して印画を行うためのものであり、カートリッジ本体１と、取っ手部材２とからなる。
【００１３】
上記カートリッジ本体１は、例えばイエロー、マゼンタ、シアンの３色又はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの４色の昇華性染料を一定ピッチで塗布すると共にオーバーコート層を備えたインクリボン５を供給スプール３と巻取スプール４との間に架け渡したインクリボンセット５Ａを収容するものであり、底面部にインクリボン５の幅よりも大きい開口部７を貫通させて備え、インクリボン５が後述のサーマルヘッドのヘッド部に押圧されて外方へ押出されるようになっている。
【００１４】
また、上記カートリッジ本体１のインクリボン５の巻取り方向に平行する両側壁１ａの内側には、上記開口部７を間にして両側端部に供給スプール３及び巻取スプール４を回転自在に支持する図示省略の軸受部がそれぞれ一対設けられている。
【００１５】
さらに、上記両側壁１ａの外側面にはガイドピン８が設けられて、図示省略のサーマルプリンタ装置の装置本体内側に設けられたガイドレールに沿って装置本体内の奥に案内されてサーマルヘッドとプラテンローラとの間に装着できるようになっている。
【００１６】
上記カートリッジ本体１の一側端部には、取っ手部材２が設けられている。この取っ手部材２は、カートリッジ本体１をサーマルプリンタ装置の装置本体内の奥に配設されたサーマルヘッドとプラテンローラとの間に装着する際に、取っ手２ａを手に持って奥まで差し入れることができるようにしたものであり、カートリッジ本体１の上記両側壁１ａの突出端部１ｂに回動可能に軸着されている。
【００１７】
また、上記取っ手部材２の上面には、凹所が形成されて物品収納部９とされ、例えば予備のインクリボン６や、サーマルヘッドのヘッド部をクリーニングするクリーニングリボン又は綿棒等の保守部品を収納できるようになっている（図１においては、予備のインクリボン６を収納した例を示す）。ここで、上記物品収納部９に予備のインクリボン６を収納する場合には、物品収納部９は、予備のインクリボン６を供給スプール３’と巻取スプール４’との間に架け渡した予備のインクリボンセット６Ａを収納可能に形成され、保守部品を収納する場合には、保守部品を収納可能に形成される。また、両方を収納できる形状に形成してもよい。これにより、インクリボン５が消耗して無くなったり、サーマルヘッドのヘッド部に塵や埃が付着して印画不良が発生した場合に、速やかに対処することができる。
【００１８】
次に、本発明のインクリボンカートリッジの使用について説明する。
上記インクリボンカートリッジは、図２に示すサーマルプリンタ装置において使用される。このサーマルプリンタ装置は、装置本体１０の前面下側にトレイ挿入口１１を設けて給紙トレイ１２を着脱自在に配設し、装着された給紙トレイ１２の奥側上部に給紙トレイ１２から一枚の記録紙を給紙するピックアップローラ１３を有し、さらに、同図において矢印Ａで示す給紙方向に沿って順番に、対向配置されたピンチローラ１４及びグリップローラ１５と、印画時に互いに圧接するサーマルヘッド１６及びプラテンローラ１７とを備えている。また、上記トレイ挿入口１１の上側には、カートリッジ挿入口１８が設けられており、装置本体１０の前面側から本発明のインクリボンカートリッジが挿入できるようになっている。
【００１９】
最初に、取っ手部材２の物品収納部９に予備のインクリボンセット６Ａを収納した場合について説明する。
先ず、図２において、サーマルプリンタ装置の装置本体１０前面の給紙トレイ１２上側に設けられたフロントパネル２１を同図に示す矢印Ｃ方向に倒して、その裏側に隠されたカートリッジ挿入口１８を開く。
【００２０】
次に、インクリボンカートリッジの取っ手部材２の取っ手２ａを手に持って、カートリッジ本体１側を先にしてカートリッジ挿入口１８に挿入する。さらに、この状態で取っ手部材２を図２に示す矢印Ｄ方向に押して、カートリッジ本体１をさらに装置本体１０の奥に差し入れる。このとき、カートリッジ本体１は、その両側壁１ａの外側面に設けたガイドピン８（図１を参照）が装置本体１０内側に設けたガイドレールに案内されてサーマルヘッド１６とプラテンローラ１７との間の所定位置に装着される。
【００２１】
このとき、取っ手部材２がカートリッジ本体１に対して回動可能に設けられているので、ガイドレールが装置本体１０の上下方向に屈曲して形成されていても、取っ手部材２が回動してカートリッジ本体１をガイドレールに沿わせて、滑らかに挿入することができる。
【００２２】
次に、フロントパネル２１を図２に示す矢印Ｅ方向に起立してカートリッジ挿入口１８を閉じる。こうして、サーマルプリンタ装置の印画動作が可能となる。なお、この場合、フロントパネル２１は無くてもよい。
【００２３】
カートリッジ本体１が装置本体１０内の所定位置に装着されると、図３に示すように、印画開始信号に基づいてピックアップローラ１３が駆動して一枚の記録紙２２を矢印Ａ方向に給紙する。また、ヘッドロード機構２０が回転軸１９を中心に回動してサーマルヘッド１６でインクリボン５を押し下げる。このとき、ヘッドロード機構２０に設けられた駆動ギアとインクリボン５の巻取スプール４のフランジ４ａ（図１を参照）に設けられたギアとが噛合ってインクリボン５の巻取りが可能となる。さらに、サーマルヘッド１６は、インクリボン５をカートリッジ本体１の開口部７（図１を参照）を通して、その下に配設されたプラテンローラ１７の外周面に沿って移送される記録紙２２と共にプラテンローラ１７に押し当てる。この状態において、サーマルヘッド１６に供給される制御信号に基づいてヘッド部１６ａの発熱素子が駆動して、その熱エネルギーでインクリボン５の染料を昇華させ、記録紙２２に転写して印画をする。印画が終了すると、記録紙２２は、矢印Ｂ方向に排紙される。
【００２４】
上記印画動作中にインクリボン５が消耗して無くなった場合には、前述と反対の操作をすることにより本発明のインクリボンカートリッジを装置本体１０から引出し、インクリボンセット５Ａを取っ手部材２の物品収納部９に収容した予備のインクリボンセット６Ａと交換する。そして、前述と同じ操作により予備のインクリボンセット６Ａを収容したカートリッジ本体１をサーマルヘッド１６とプラテンローラ１７との間の所定位置に装着し、印画動作を継続して実行する。
【００２５】
次に、取っ手部材２の物品収納部９に例えばクリーニングリボンを供給スプールと巻取スプールとの間に架け渡されたクリーニングセット等の保守部品を収納した場合について説明する。
この場合、上述の印画動作中にサーマルヘッド１６のヘッド部１６ａの汚れにより印画不良が発生したときには、インクリボンカートリッジを装置本体１０から引出してインクリボンセット５Ａを上記クリーニングリボンセットに交換する。そして、クリーニングリボンセットを収容したカートリッジ本体１を前述と同様の操作により所定位置に装着し、サーマルヘッド１６のヘッド部１６ａにクリーニングリボンを圧着させて巻取スプールに巻取らせることによりヘッド部１６ａのクリーニングを行う。クリーニングが終了すると、インクリボンカートリッジを引き出し、クリーニングリボンセットとインクリボンセット５Ａとを交換して再装着し、印画動作を継続して実行する。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】本発明によるインクリボンカートリッジの実施形態を示す斜視図である。
【図２】上記インクリボンカートリッジが装着されたサーマルプリンタ装置の内部状態を示す側面図である。
【図３】上記サーマルプリンタ装置の印画動作時における内部状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【００２７】
１…カートリッジ本体
２…取っ手部材
２ａ…取っ手
３，３’…供給スプール
４，４’…巻取スプール
５…インクリボン
５Ａ…インクリボンセット
６…予備のインクリボン
６Ａ…予備のインクリボンセット
９…物品収納部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、インクリボンをカートリッジ本体内に収容するインクリボンカートリッジに関し、詳しくは、上記カートリッジ本体の一側端部に、上面に凹所を形成して物品収納部となした取っ手部材を設けて、装着操作を容易にすると共に予備のインクリボンや保守部品の保管を容易にしようとするインクリボンカートリッジに係るものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のインクリボンカートリッジは、少なくともイエロー、マゼンタ、シアンの３色の昇華性染料を一定ピッチで塗布したインクリボンを供給スプールと巻取スプールとの間に架け渡してカートリッジ本体内に収容しており、サーマルプリンタ装置のサーマルヘッドとプラテンローラとの間に装着されて、上記供給スプールから繰り出されるインクリボンが上記サーマルヘッドによって上記プラテンローラの外周部を移送される記録紙に押圧され、制御信号に基づいて駆動される上記サーマルヘッドのヘッド部の熱エネルギーにより、インクリボンに塗布された染料が昇華され、該染料が上記記録紙に転写されて印画が行われ、同時にインクリボンが上記巻取スプールに巻き取られるものとなっている（例えば、特許文献１参照）。
【特許文献１】特開２００３−３４１２０１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかし、このような従来のインクリボンカートリッジにおいては、カートリッジ本体に取っ手部材を設けていないため、例えばサーマルプリンタ装置の前面に設けたカートリッジ挿入口からインクリボンカートリッジを挿入して、装置本体奥に配設されたサーマルヘッドとプラテンローラとの間にカートリッジ本体を装着する場合に、その装着操作が容易でなかった。
【０００４】
また、予備のインクリボンやサーマルヘッドをクリーニングするクリーニングリボン等の保守部品を収納して保管する物品収納部を備えていないので、例えばインクリボンが消耗して無くなったり、サーマルヘッドのヘッド部に塵や埃が付着して印画不良が発生した場合に、速やかに対処することができないことがあった。
【０００５】
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、装着操作を容易にすると共に予備のインクリボンや保守部品の保管を容易にしようとするインクリボンカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するために、本発明によるインクリボンカートリッジは、昇華性染料を塗布したインクリボンを供給スプールと巻取スプールとの間に架け渡してカートリッジ本体内に収容するインクリボンカートリッジであって、前記カートリッジ本体の一側端部に、上面に凹所を形成して物品収納部となした取っ手部材を設けたものである。
【０００７】
このような構成により、昇華性染料を塗布したインクリボンを供給スプールと巻取スプールとの間に架け渡して収容したカートリッジ本体の一側端部に設けた取っ手部材の上面に凹所を形成して物品収納部とし、この物品収納部に物品を収納する。
【発明の効果】
【０００８】
請求項１に係る発明によれば、カートリッジ本体の一側端部に取っ手部材を設けているので、装置本体奥の所定位置にカートリッジ本体を装着する場合に、その装着操作を容易に行うことができる。また、取っ手部材に物品収納部を設けたので、例えば予備のインクリボンや、サーマルヘッドをクリーニングするクリーニングリボン等の保守部品を上記物品収納部に収納して容易に保管することができる。したがって、インクリボンのインクリボンが消耗して無くなったり、サーマルヘッドのヘッド部に塵や埃が付着して印画不良が発生した場合に、速やかに対処することができる。
【０００９】
また、請求項２に係る発明によれば、物品収納部が予備のインクリボンを供給スプールと巻取スプールとの間に架け渡したセットを収納可能に形成されたので、物品収納部に予備のインクリボンのセットを収納して保管することができる。
【００１０】
さらに、請求項３に係る発明によれば、物品収納部が保守部品を収納可能に形成されたたので、物品収納部に保守部品を収納して保管することができる。
【００１１】
そして、請求項４に係る発明によれば、取っ手部材がカートリッジ本体に回動可能に設けられたので、カートリッジ本体をサーマルプリンタ装置の装置本体内の所定位置に案内するガイドレールが屈曲したものであっても、取っ手部材が回動してカートリッジ本体をガイドレールに沿わせることができる。したがって、カートリッジ本体を装置本体内に挿入する挿入操作を滑らかに行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図１は本発明によるインクリボンカートリッジの実施形態を示す斜視図である。このインクリボンカートリッジは、サーマルプリンタ装置に使用されるもので、サーマルヘッドとプラテンローラとの間に装着され、サーマルヘッドの押圧加熱動作によって昇華した染料を、プラテンローラの外周部を移送される記録紙に転写して印画を行うためのものであり、カートリッジ本体１と、取っ手部材２とからなる。
【００１３】
上記カートリッジ本体１は、例えばイエロー、マゼンタ、シアンの３色又はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの４色の昇華性染料を一定ピッチで塗布すると共にオーバーコート層を備えたインクリボン５を供給スプール３と巻取スプール４との間に架け渡したインクリボンセット５Ａを収容するものであり、底面部にインクリボン５の幅よりも大きい開口部７を貫通させて備え、インクリボン５が後述のサーマルヘッドのヘッド部に押圧されて外方へ押出されるようになっている。
【００１４】
また、上記カートリッジ本体１のインクリボン５の巻取り方向に平行する両側壁１ａの内側には、上記開口部７を間にして両側端部に供給スプール３及び巻取スプール４を回転自在に支持する図示省略の軸受部がそれぞれ一対設けられている。
【００１５】
さらに、上記両側壁１ａの外側面にはガイドピン８が設けられて、図示省略のサーマルプリンタ装置の装置本体内側に設けられたガイドレールに沿って装置本体内の奥に案内されてサーマルヘッドとプラテンローラとの間に装着できるようになっている。
【００１６】
上記カートリッジ本体１の一側端部には、取っ手部材２が設けられている。この取っ手部材２は、カートリッジ本体１をサーマルプリンタ装置の装置本体内の奥に配設されたサーマルヘッドとプラテンローラとの間に装着する際に、取っ手２ａを手に持って奥まで差し入れることができるようにしたものであり、カートリッジ本体１の上記両側壁１ａの突出端部１ｂに回動可能に軸着されている。
【００１７】
また、上記取っ手部材２の上面には、凹所が形成されて物品収納部９とされ、例えば予備のインクリボン６や、サーマルヘッドのヘッド部をクリーニングするクリーニングリボン又は綿棒等の保守部品を収納できるようになっている（図１においては、予備のインクリボン６を収納した例を示す）。ここで、上記物品収納部９に予備のインクリボン６を収納する場合には、物品収納部９は、予備のインクリボン６を供給スプール３’と巻取スプール４’との間に架け渡した予備のインクリボンセット６Ａを収納可能に形成され、保守部品を収納する場合には、保守部品を収納可能に形成される。また、両方を収納できる形状に形成してもよい。これにより、インクリボン５が消耗して無くなったり、サーマルヘッドのヘッド部に塵や埃が付着して印画不良が発生した場合に、速やかに対処することができる。
【００１８】
次に、本発明のインクリボンカートリッジの使用について説明する。
上記インクリボンカートリッジは、図２に示すサーマルプリンタ装置において使用される。このサーマルプリンタ装置は、装置本体１０の前面下側にトレイ挿入口１１を設けて給紙トレイ１２を着脱自在に配設し、装着された給紙トレイ１２の奥側上部に給紙トレイ１２から一枚の記録紙を給紙するピックアップローラ１３を有し、さらに、同図において矢印Ａで示す給紙方向に沿って順番に、対向配置されたピンチローラ１４及びグリップローラ１５と、印画時に互いに圧接するサーマルヘッド１６及びプラテンローラ１７とを備えている。また、上記トレイ挿入口１１の上側には、カートリッジ挿入口１８が設けられており、装置本体１０の前面側から本発明のインクリボンカートリッジが挿入できるようになっている。
【００１９】
最初に、取っ手部材２の物品収納部９に予備のインクリボンセット６Ａを収納した場合について説明する。
先ず、図２において、サーマルプリンタ装置の装置本体１０前面の給紙トレイ１２上側に設けられたフロントパネル２１を同図に示す矢印Ｃ方向に倒して、その裏側に隠されたカートリッジ挿入口１８を開く。
【００２０】
次に、インクリボンカートリッジの取っ手部材２の取っ手２ａを手に持って、カートリッジ本体１側を先にしてカートリッジ挿入口１８に挿入する。さらに、この状態で取っ手部材２を図２に示す矢印Ｄ方向に押して、カートリッジ本体１をさらに装置本体１０の奥に差し入れる。このとき、カートリッジ本体１は、その両側壁１ａの外側面に設けたガイドピン８（図１を参照）が装置本体１０内側に設けたガイドレールに案内されてサーマルヘッド１６とプラテンローラ１７との間の所定位置に装着される。
【００２１】
このとき、取っ手部材２がカートリッジ本体１に対して回動可能に設けられているので、ガイドレールが装置本体１０の上下方向に屈曲して形成されていても、取っ手部材２が回動してカートリッジ本体１をガイドレールに沿わせて、滑らかに挿入することができる。
【００２２】
次に、フロントパネル２１を図２に示す矢印Ｅ方向に起立してカートリッジ挿入口１８を閉じる。こうして、サーマルプリンタ装置の印画動作が可能となる。なお、この場合、フロントパネル２１は無くてもよい。
【００２３】
カートリッジ本体１が装置本体１０内の所定位置に装着されると、図３に示すように、印画開始信号に基づいてピックアップローラ１３が駆動して一枚の記録紙２２を矢印Ａ方向に給紙する。また、ヘッドロード機構２０が回転軸１９を中心に回動してサーマルヘッド１６でインクリボン５を押し下げる。このとき、ヘッドロード機構２０に設けられた駆動ギアとインクリボン５の巻取スプール４のフランジ４ａ（図１を参照）に設けられたギアとが噛合ってインクリボン５の巻取りが可能となる。さらに、サーマルヘッド１６は、インクリボン５をカートリッジ本体１の開口部７（図１を参照）を通して、その下に配設されたプラテンローラ１７の外周面に沿って移送される記録紙２２と共にプラテンローラ１７に押し当てる。この状態において、サーマルヘッド１６に供給される制御信号に基づいてヘッド部１６ａの発熱素子が駆動して、その熱エネルギーでインクリボン５の染料を昇華させ、記録紙２２に転写して印画をする。印画が終了すると、記録紙２２は、矢印Ｂ方向に排紙される。
【００２４】
上記印画動作中にインクリボン５が消耗して無くなった場合には、前述と反対の操作をすることにより本発明のインクリボンカートリッジを装置本体１０から引出し、インクリボンセット５Ａを取っ手部材２の物品収納部９に収容した予備のインクリボンセット６Ａと交換する。そして、前述と同じ操作により予備のインクリボンセット６Ａを収容したカートリッジ本体１をサーマルヘッド１６とプラテンローラ１７との間の所定位置に装着し、印画動作を継続して実行する。
【００２５】
次に、取っ手部材２の物品収納部９に例えばクリーニングリボンを供給スプールと巻取スプールとの間に架け渡されたクリーニングセット等の保守部品を収納した場合について説明する。
この場合、上述の印画動作中にサーマルヘッド１６のヘッド部１６ａの汚れにより印画不良が発生したときには、インクリボンカートリッジを装置本体１０から引出してインクリボンセット５Ａを上記クリーニングリボンセットに交換する。そして、クリーニングリボンセットを収容したカートリッジ本体１を前述と同様の操作により所定位置に装着し、サーマルヘッド１６のヘッド部１６ａにクリーニングリボンを圧着させて巻取スプールに巻取らせることによりヘッド部１６ａのクリーニングを行う。クリーニングが終了すると、インクリボンカートリッジを引き出し、クリーニングリボンセットとインクリボンセット５Ａとを交換して再装着し、印画動作を継続して実行する。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】本発明によるインクリボンカートリッジの実施形態を示す斜視図である。
【図２】上記インクリボンカートリッジが装着されたサーマルプリンタ装置の内部状態を示す側面図である。
【図３】上記サーマルプリンタ装置の印画動作時における内部状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【００２７】
１…カートリッジ本体
２…取っ手部材
２ａ…取っ手
３，３’…供給スプール
４，４’…巻取スプール
５…インクリボン
５Ａ…インクリボンセット
６…予備のインクリボン
６Ａ…予備のインクリボンセット
９…物品収納部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
昇華性染料を塗布したインクリボンを供給スプールと巻取スプールとの間に架け渡してカートリッジ本体内に収容するインクリボンカートリッジであって、
前記カートリッジ本体の一側端部に、上面に凹所を形成して物品収納部となした取っ手部材を設けたことを特徴とするインクリボンカートリッジ。
【請求項２】
前記物品収納部は、予備のインクリボンを供給スプールと巻取スプールとの間に架け渡したセットを収納可能に形成されたことを特徴とする請求項１記載のインクリボンカートリッジ。
【請求項３】
前記物品収納部は、保守部品を収納可能に形成されたことを特徴とする請求項１記載のインクリボンカートリッジ。
【請求項４】
前記取っ手部材は、前記カートリッジ本体に回動可能に設けられたことを特徴とする請求項１記載のインクリボンカートリッジ。
【請求項１】
昇華性染料を塗布したインクリボンを供給スプールと巻取スプールとの間に架け渡してカートリッジ本体内に収容するインクリボンカートリッジであって、
前記カートリッジ本体の一側端部に、上面に凹所を形成して物品収納部となした取っ手部材を設けたことを特徴とするインクリボンカートリッジ。
【請求項２】
前記物品収納部は、予備のインクリボンを供給スプールと巻取スプールとの間に架け渡したセットを収納可能に形成されたことを特徴とする請求項１記載のインクリボンカートリッジ。
【請求項３】
前記物品収納部は、保守部品を収納可能に形成されたことを特徴とする請求項１記載のインクリボンカートリッジ。
【請求項４】
前記取っ手部材は、前記カートリッジ本体に回動可能に設けられたことを特徴とする請求項１記載のインクリボンカートリッジ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００６−１３７０９８（Ｐ２００６−１３７０９８Ａ）
【公開日】平成１８年６月１日（２００６．６．１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−３２９０７０（Ｐ２００４−３２９０７０）
【出願日】平成１６年１１月１２日（２００４．１１．１２）
【出願人】（０００００２１８５）ソニー株式会社 (34,172)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年６月１日（２００６．６．１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年１１月１２日（２００４．１１．１２）
【出願人】（０００００２１８５）ソニー株式会社 (34,172)
【Ｆターム（参考）】
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