説明

インジケータ装置

【課題】コストダウンが可能なインジケータ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
回路基板1と、この回路基板1上に搭載された光源2と、回路基板1の前方に位置し観察者に対面する前面板部31と、この前面板部31の所定部位に前方側開口部33が回路基板1に後方側開口部34がそれぞれ臨むように連続形成される筒部32とを有し、当該筒部32に光源2を収容するケース3と、前方側開口部33を含んで前面板部31を覆うように配置される透光性材料からなるパネル体5とを有してなるインジケータ装置において、前方側開口部33の形状S1を光源2の点灯により発光表示すべきターンインジケータマーク(表示意匠)Mの形状S2に対応させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車やオートバイ、農機、建機等の車両用計器に組み込まれ、発光により各種情報を表示するインジケータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のインジケータ装置として例えば下記特許文献1に記載されたものが知られている。このインジケータ装置は、計器においてアナログメータからなる表示器の周囲を取り巻く見返し板と称されるパネル体に組み込まれており、回路基板と、この回路基板上に搭載された光源と、回路基板上に配置され光源を収容するライトボックスを有するケースと、ライトボックスの開口側に配置される表示板と、この表示板を含むケースの前方側を覆う半透光性材料からなるパネル体とを有している。表示板には燃料残量、ハイビーム、ターン方向を示すマークが印刷され、光源の点灯によりこれらマークが透過照明され、その光がパネル体を透過して視認される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−250596号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1記載のインジケータ装置は、光源からの光を受けて発光するマークを形成するための表示板が必要であり、その分、コストがかかっていた。
【0005】
そこで、本発明は前述した問題点に着目し、コストダウンが可能なインジケータ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、回路基板と、この回路基板上に搭載された光源と、前記回路基板の前方に位置し観察者に対面する前面板部と、この前面板部の所定部位に前方側開口部が回路基板に後方側開口部がそれぞれ臨むように連続形成される筒部とを有し、当該筒部に前記光源を収容するケースと、前記筒部の前方側開口部を含んで前記前面板部を覆うように配置される透光性材料からなるパネル体とを有してなるインジケータ装置において、前記前方側開口部の形状を前記光源の点灯により発光表示すべき表示意匠の形状に対応させたことを特徴とする。
このように構成することにより、筒部自体の構造が表示意匠の外形形状を形成するため、表示板を不要にでき、コストダウンを達成することができる。
【0007】
また本発明は、前記パネル体に前記前方側開口部の形状に対応した半透過層を有することを特徴とする。
このように構成することにより、内部が透けて見えてしまうことを防止することができる。
【0008】
また本発明は、前記パネル体と前記ケースとをインサート成形により一体化したことを特徴とする。
このように構成することにより、前記パネル体と前記ケースとの密着性を向上させ、表示品質を向上させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示板を不要にでき、コストダウンを達成することができるインジケータ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態によるインジケータ装置(光源点灯時)の正面図。
【図2】図1のA−A断面図(ハッチング省略)。
【図3】パネル体を除去した際の正面図。
【図4】本発明の第2の実施形態によるインジケータ装置の断面図(ハッチング省略)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態によるインジケータ装置は、図1〜図3に示すように、例えば車両用計器の一部に組み込まれるものであり、回路基板1と、光源2と、ケース3と、カバー4と、パネル体5とを有してなる。
【0012】
回路基板1は、例えば硬質回路基板であり、その観察者側の板面に形成した図示しない回路パターン上に光源が実装されている。
【0013】
光源2は、例えば発光ダイオードからなるもので、発光によりターンインジケータマークを表示するものである。
【0014】
ケース3は、例えば黒色の遮光性合成樹脂からなり、前面板部31と、筒部32とを有している。
【0015】
ケース3は、前面板部31は回路基板1の前方に位置し観察者に対面する板状部分からなる。
【0016】
筒部32は、前面板部31の所定部位に臨む前方側開口部33と、回路基板1の臨む後方側開口部34とを備えており、光源2を収容してなる。
【0017】
筒部32は、光源2の点灯により発光表示すべき表示意匠である矢印形状のターンインジケータマークMの形状S2に対応させた矢印柱として形成されるため、前方側開口部33の形状S1もターンインジケータマークMの形状S2に対応しており、光源2が点灯すると、筒部32(前方側開口部33)がターンインジケータマークMの形に発光する。なお筒部32の全体形状をこのようにターンインジケータマークMに対応させる必要はなく、少なくとも前方側開口部33が対応していればよい。
【0018】
カバー4は、例えば透明または適宜色を有する合成樹脂からなり、ケース3との間で回路基板1を収納する空間を形成する。
【0019】
パネル体5は、例えばスモーク調の外観を有する半透明な合成樹脂からなり、筒部32の前方側開口部33を含んで前面板部31を覆うようにケース3に対してインサート成形されている。
【0020】
このパネル体5は、スモーク調であるため、光源2の消灯時は、パネル体5それ自体はスモーク調に見える。一方、光源2が点灯すると、ターンインジケータマークMの形に発光する筒部32が透過して見え、これによりターンインジケータマークMが発光表示される。
【0021】
以上のように、本実施形態では、回路基板1と、この回路基板1上に搭載された光源2と、回路基板1の前方に位置し観察者に対面する前面板部31と、この前面板部31の所定部位に前方側開口部33が回路基板1に後方側開口部34がそれぞれ臨むように連続形成される筒部32とを有し、当該筒部32に光源2を収容するケース3と、前方側開口部33を含んで前面板部31を覆うように配置される透光性材料からなるパネル体5とを有してなるインジケータ装置において、前方側開口部33の形状S1を光源2の点灯により発光表示すべきターンインジケータマーク(表示意匠)Mの形状S2に対応させたことにより、筒部32自体の構造が表示意匠の形状を形成するため、表示板を不要にでき、コストダウンを達成することができる。
【0022】
また本実施形態では、パネル体5とケース3とをインサート成形により一体化したことにより、パネル体5とケース3との密着性を向上させ、特にパネル体5と前面板部31との重なり部を前方から見たときの表示品質を向上させることができる。
【0023】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態によるインジケータ装置は、図4に示すように、パネル体5に前方側開口部33の形状に対応した半透過層51を設けたものであり、このように構成することにより、内部(光源2、筒部32、回路基板1)が透けて見えてしまうことを防止することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 回路基板
2 光源
3 ケース
4 カバー
5 パネル体
31 前面板部
32 筒部
33 前方側開口部
34 後方側開口部
51 半透過層
M ターンインジケータマーク
S1,S2 形状

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板と、この回路基板上に搭載された光源と、前記回路基板の前方に位置し観察者に対面する前面板部と、この前面板部の所定部位に前方側開口部が回路基板に後方側開口部がそれぞれ臨むように連続形成される筒部とを有し、当該筒部に前記光源を収容するケースと、前記前方側開口部を含んで前記前面板部を覆うように配置される透光性材料からなるパネル体とを有してなるインジケータ装置において、前記前方側開口部の形状を前記光源の点灯により発光表示すべき表示意匠の外形に対応させたことを特徴とするインジケータ装置。
【請求項2】
前記パネル体に前記前方側開口部の形状に対応した半透過層を有することを特徴とする請求項1記載のインジケータ装置。
【請求項3】
前記パネル体と前記ケースとをインサート成形により一体化したことを特徴とする請求項1記載のインジケータ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−133657(P2011−133657A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292983(P2009−292983)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】