説明

インスタント食品用容器セットの構造

【課題】容器内に熱湯を注いでから蓋を被せた後、蓋体の突片部と容器の平面状凸縁部の係合溝とを係合することにより蓋体と平面状凸縁部との密着度を向上させ、容器内部の熱雰囲気が逃げることを防ぐことができるインスタント食品用容器セットの構造を提供する。
【解決手段】インスタント食品用容器セットの構造は、容器2及び蓋体3を備える。容器2は、頂面に開口端24が設けられ、開口端24の側部に位置する容器2の周縁には、係合溝251を有する平面状凸縁部25が外側に向かって延設されている。蓋体3は、プレート状であり、容器2の開口端24に被せ、蓋体3の周縁には、係合溝251に対応した箇所に、下方に折り曲げることが可能な突片部34が設けられている。容器2は第1の材料により一体成形され、第1の材料は発泡樹脂材料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インスタント食品用容器セットの構造に関し、特に、容器の開口端に蓋体を再び被せて平面状凸縁部との間の密着度を高め、容器内に注がれた高温の液体の熱雰囲気が逃げることを防ぐ容器セットの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
食物は人々の生活にとって必要であり、食べるためには調理する必要がある。科学技術の発展に伴い、食品を調理してから乾燥させ、調理する際に熱湯を加えて食品を加熱するだけで、何時でも何処でも誰でも簡単に調理して食べることができる食品が開発された。この食品には、例えば、現在市販されているインスタントヌードル、インスタントスープ、インスタント飲料などが含まれる。
【0003】
従来のインスタント食品は、熱湯で簡単に調理できるように、食品が入れられた容器に蓋体が被せられている。図1に示すように、従来のインスタント食品の容器セット5は、容器6及び蓋体7を含む。この容器6内に食品を置き、容器6の開口端61の側部に位置する容器周縁部には、外側に向かって凸縁62が延設されている。容器6の開口端61には、周縁部に突片71を有する蓋体7が被せられ、蓋体7の底面周縁部を容器の凸縁62に接着させ、容器を密封して容器内にある食物が汚染されることを防ぐ。
【0004】
調理する際、まず、蓋体7の突片71を剥がし、凸縁62から蓋体7を剥がして熱湯を注いだ後、容器6の開口端61に再び蓋体7を被せ、凸縁62の下側に突片71を折り曲げても、突片71と凸縁62との間が結合されていないため、蓋体を閉めた後でも、蓋体7と凸縁62との間に空隙が形成され、容器6内に発生する熱雰囲気の圧力が強まって空隙が広がり(図2参照)、蓋体の周縁部が浮き上がって中央部分が凹むことがある。そして、蓋体の中央部が凹むほど、蓋体の周縁部の変形量が大きくなって空隙が大きくなるため、容器6内の熱雰囲気が空隙から逃げ、食物の加熱速度又は溶解速度が遅くなって容器内の温度が下がることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、容器内に熱湯を注いでから再び蓋を被せた後、蓋体の突片部と容器の平面状凸縁部の係合溝とを係合させることにより、蓋体と平面状凸縁部との密着度を向上させ、容器内部の熱雰囲気が逃げることを防ぐことができるインスタント食品用容器セットの構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、容器及び蓋体を備えるインスタント食品用容器セットの構造であって、前記容器は、頂面に開口端が設けられ、前記開口端の側部に位置する前記容器の周縁には、係合溝を有する平面状凸縁部が外側に向かって延設され、前記蓋体は、プレート状であり、前記容器の前記開口端に被せ、前記蓋体の周縁には、前記係合溝に対応した箇所に、下方に折り曲げることが可能な突片部が設けられていることを特徴とするインスタント食品用容器セットの構造が提供される。
【0007】
前記容器は、第1の材料により一体成形され、前記第1の材料は発泡樹脂材料であることが好ましい。
【0008】
前記容器から前記開口端にかけて第1の材料により成型され、前記平面状凸縁部は、第2の材料により成型されることが好ましい。
【0009】
前記第1の材料は紙材料であり、前記第2の材料はプラスチック材料であることが好ましい。
【0010】
前記平面状凸縁部は、前記第1の材料の頂面の内側縁部、外側縁部及び頂端を前記第2の材料で被覆して形成されることが好ましい。
【0011】
前記蓋体は、アルミニウム箔本体と、前記アルミニウム箔本体の底側及び頂側のそれぞれを覆うフィルムと、を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のインスタント食品用容器セットの構造は、容器内に熱湯を注いでから蓋を被せた後、蓋体の突片部と容器の平面状凸縁部の係合溝とを係合し、蓋体と平面状凸縁部との密着度を向上し、容器内部の熱雰囲気が逃げることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来のインスタント食品用容器セットの蓋体を閉じたときの状態を示す断面図である。
【図2】従来のインスタント食品用容器セットの蓋体を閉じたときの状態を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるインスタント食品用容器セットを示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態によるインスタント食品用容器セットの蓋体を再び閉じたときの状態を示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態によるインスタント食品用容器セットを示す断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態によるインスタント食品用容器セットを使用するときの状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0015】
図3を参照する。図3に示すように、本発明の一実施形態によるインスタント食品用容器セットの構造の容器セット1は、少なくとも容器2及び蓋体3から構成される。容器2は、底板21及び側板22により取り囲むように形成される。容器2内には、配置空間23が設けられる。取り囲むように形成された容器2の形状は、例えば、立方体又は円錐台形体であるが、これらだけに限定されるわけではない。容器2は、例えば、発泡ポリスチレンなどの発泡樹脂からなってもよい。容器2の頂面には、開口端24が形成されている。この開口端24の側部に位置する容器2の周縁部には、側板22が外側に延設された平面状凸縁部25を有する。平面状凸縁部25には、係合溝251が設けられている。蓋体3は、プレート状であり、アルミニウム箔からなってもよい。アルミニウム箔本体31は、底側がフィルム32により被覆され、頂側がフィルム33により被覆されている。蓋体3の周縁部には、下向きに折り曲げることが可能な突片部34が設けられている。この突片部34は、本実施形態では2つである。突片部34の位置は、容器2の係合溝251に対応する。
【0016】
容器2内に食品を入れた後、製造メーカは、容器2の開口端24の平面状凸縁部25上に蓋体3を接着させ、容器2の開口端24を密封することにより、容器2内にある食品が汚染することを防ぐことができる。蓋体3の底側は、フィルム32により被覆され、高周波方式、加熱方式などにより、フィルム32と容器2の開口端24の平面状凸縁部25とが接着され、開口端24の密封工程が完了する。
【0017】
図4を参照する。図4に示すように、実際に調理する際は、蓋体3を開いて容器2内に熱湯などの液体を注ぐと、蓋体3と平面状凸縁部25との接着部分がすでに外れているため、容器2の開口端24上に再び蓋体3を被せてから、蓋体3の突片部34を下向きに折り曲げ、対応した箇所に設けられた係合溝251に係合され、蓋体3と、開口端24の平面状凸縁部25との間の密着度を高めることができるとともに、突片部34が下向きに折り曲げられて平面状凸縁部25の下方に位置して密着度が高まるため、容器2内の熱雰囲気が逃げることを防ぐことができる。そのため、この熱雰囲気により内部を加熱したり、食品を溶解させる速度を上げることができる。
【0018】
図5及び図6を参照する。図5及び図6に示すように、本発明の他の実施形態によるインスタント食品用容器セットの構造の平面状凸縁部25は、開口端24の側部に位置する容器2の周縁部に延設されておらず、側板22から外側に向かって一体に延設され(即ち、容器2から開口端24にかけ、紙材料である第1の材料により成型される)、開口端24の側部に位置する容器2の側板22の内側縁部221及び外側縁部222それぞれがフィルム4により被覆され、これら2つのフィルム4の外側及び側板22の頂端223が第2の材料により被覆され、外側に延伸されて平面状凸縁部26が形成される。この第2の材料は、プラスチックなどの可塑性材料を成型・硬化した材料であり、平面状凸縁部26に係合溝261が設けられている。
【0019】
上述したことから分かるように、本発明のインスタント食品用容器セットの構造は、調理する際、熱湯などの液体を容器内に入れてから、蓋体の突片部を下向きに折り曲げて容器の平面状凸縁部の係合溝中に係合させると、蓋体と開口端の平面状凸縁部との間の密着度を高めることができるため、熱雰囲気が逃げることを防ぎ、容器内にある食品を加熱したり溶解させたりすることができる。
【0020】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0021】
1 容器セット
2 容器
3 蓋体
4 フィルム
5 容器セット
6 容器
7 蓋体
21 底板
22 側板
23 配置空間
24 開口端
25 平面状凸縁部
26 平面状凸縁部
31 アルミニウム箔本体
32 フィルム
33 フィルム
34 突片部
61 開口端
62 凸縁
71 突片
221 内側縁部
222 外側縁部
223 頂端
251 係合溝
261 係合溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器及び蓋体を備えるインスタント食品用容器セットの構造であって、
前記容器は、頂面に開口端が設けられ、前記開口端の側部に位置する前記容器の周縁には、係合溝を有する平面状凸縁部が外側に向かって延設され、
前記蓋体は、プレート状であり、前記容器の前記開口端に被せ、前記蓋体の周縁には、前記係合溝に対応した箇所に、下方に折り曲げることが可能な突片部が設けられていることを特徴とするインスタント食品用容器セットの構造。
【請求項2】
前記容器は、第1の材料により一体成形され、
前記第1の材料は発泡樹脂材料であることを特徴とする請求項1に記載のインスタント食品用容器セットの構造。
【請求項3】
前記容器から前記開口端にかけて第1の材料により成型され、
前記平面状凸縁部は、第2の材料により成型されることを特徴とする請求項1に記載のインスタント食品用容器セットの構造。
【請求項4】
前記第1の材料は紙材料であり、
前記第2の材料はプラスチック材料であることを特徴とする請求項3に記載のインスタント食品用容器セットの構造。
【請求項5】
前記平面状凸縁部は、前記第1の材料の頂面の内側縁部、外側縁部及び頂端を前記第2の材料で被覆して形成されることを特徴とする請求項3に記載のインスタント食品用容器セットの構造。
【請求項6】
前記蓋体は、アルミニウム箔本体と、前記アルミニウム箔本体の底側及び頂側のそれぞれを覆うフィルムと、を有することを特徴とする請求項1に記載のインスタント食品用容器セットの構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−20789(P2012−20789A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152488(P2011−152488)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(511167881)勝騰實業股▲ふん▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】