説明

インストール支援装置及びインストール支援プログラム及びインストール支援方法

【課題】OSS(オープンソースソフトウェア)をインストールする際に、業務システムの外部環境条件に対応したライセンス面、品質面、技術面のリスクが最小となるような環境変数のチューニングをすることを目的とする。
【解決手段】チューニング条件入力処理部210は、OSS障害情報114や業務システム外部環境条件ファイル116や業務システム導入テンプレート設定ファイル117を基に環境条件と環境変数の値との組み合わせごとのリスク点数を環境・障害判定表501,502に記憶し、リスク評価すべき環境条件をリスク・環境判定表601に記憶する。自動チューニング実行処理部211は、環境条件をキーとしてこれらの判定表を突合して環境変数の値ごとのリスク点数をリスク・障害判定表701,702に記憶し、リスク合計点が最小となる環境変数の値をOSS環境変数チューニング値出力ファイル801に記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インストール支援装置及びインストール支援プログラム及びインストール支援方法に関するものである。本発明は、特に、OSS(オープンソースソフトウェア)の自動インストールシステム、OSSの環境変数の自動チューニング方式などに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、OSS(オープンソースソフトウェア)は、ソースコードが無償で公開されているため、次の特性を有する。
(1)特定の技術や製品に固定化されるリスクが小さい。
(2)セキュリティ上の欠陥などへの対応が誰でも迅速に実施できる。
(3)他の情報システムにも再利用できる。
(4)情報システムにかかる経費の削減が期待できる。
そこで、わが国では、国内のIT(情報技術)産業の競争力強化のため、Linux(登録商標)をはじめとするOSSの活用政策が推進されている。従来、OSSをインストールする際には、直接、設定ファイルをエディタで書き換えたり、環境変数を設定したり、といったチューニングを手動で行っていた。
【0003】
従来、コンピュータにソフトウェアを自動的にインストールする方法として、受信側コンピュータにインストールするソフトウェアを定義するビルド・プランの作成と、受信側コンピュータへのビルド・プランの転送と、受信側コンピュータ上でのビルド・プランの実行とを含むものがあった(例えば、特許文献1参照)。また、同様の方法として、機能要件を含む要求を受信し、ディレクトリに問い合わせて該機能要件を満たす単一のコンポーネントが存在するかどうかを判断し、該機能要件を満たす単一のコンポーネントが存在しないという判断に応答して、ある組合わせ方法に従って組み合わされた時に該機能要件を満たすであろう複数の機能を特定し、該複数の機能を満たす複数のコンポーネントを特定する段階を含むものがあった(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特表2004−533032号公報
【特許文献2】特表2006−500650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
OSS(オープンソースソフトウェア)の活用のためには、次の3つの課題があり、OSSの適合性を事前に評価・検証してインストールする必要がある。
(1)ライセンス面の課題(著作権や特許権などの知的財産権の侵害リスク)
(2)品質面の課題(トラブル発生時の迅速な対応、瑕疵担保責任への対応リスク)
(3)技術面の課題(拡張性や性能などのアーキテクチャ設計リスク)
つまり、OSSをインストールする際には、上記3種類のリスクを評価し、その評価に基づいてチューニングを行わなければならない(上記3種類のリスクの詳細については、後述する)。特に、複数のOSSをインストールする場合(例えば、OSSの基本ソフト、ミドルソフト、業務ソフトを組み合わせる場合)、どのOSSを組み合わせるかによっても異なるチューニングが必要となる。しかしながら、従来は、チューニングを手動で行っていたため、多様なリスクの評価に合わせて適切なチューニングを行うことが難しいという課題があった。また、従来の方法では、ソフトウェアを自動的にインストールする際にリスクの評価を行っていなかったため、OSSのインストール後にライセンス面、品質面、技術面での多様な問題が生じる可能性が高いという課題があった。
【0005】
また、導入する業務システムの外部環境条件に適合したOSS環境変数のデフォルト値や設定条件について、ユーザー経由で過去に導入実績があるテンプレートを入手したり、最新の障害情報をインターネット経由で参照及び収集したりして、当該業務とシステムの両方に精通した専門のシステムエンジニアとソフトウェアエンジニアとがインストール作業の事前準備として手間をかけて調査及び設計しなければならないといった課題があった。
【0006】
本発明は、例えば、OSSをインストールする際に、ライセンス面、品質面、技術面での多様なリスクの評価に合わせて適切なチューニングを行うことを目的とする。
【0007】
また、本発明は、例えば、OSSをインストールする際に、業務システムの外部環境条件に対応したライセンス面、品質面、技術面のリスクが最小となるようなOSS環境変数の設定値をチューニングすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の態様に係るインストール支援装置は、
ソフトウェアのインストール対象の環境条件と前記ソフトウェアのインストール時の設定条件とをそれぞれ複数の項目に分けて表し、前記環境条件を表す項目の各々がとる値に基づいて、前記設定条件を表す項目の各々の推奨値を決定するインストール支援装置であって、
前記環境条件を表す項目の各々がとり得る値である環境候補値と前記設定条件を表す項目の各々がとり得る値である設定候補値との組み合わせの各々に対応させて、各設定候補値が表す設定条件と各環境候補値が表す環境条件との下で前記ソフトウェアの実行時に障害が発生するリスクを表すリスク評価値を記憶装置に記憶するリスク評価値記憶部と、
少なくとも1つの環境候補値を入力装置から入力する環境候補値入力部と、
前記リスク評価値記憶部により記憶されたリスク評価値のうち、前記環境候補値入力部により入力された環境候補値に対応するリスク評価値を記憶装置から読み取り、読み取ったリスク評価値を、対応する設定候補値ごとに処理装置で集計するリスク評価値集計部と、
前記リスク評価値集計部により集計されたリスク評価値のうち、より低いリスクを表すリスク評価値を、前記設定条件を表す項目ごとに処理装置で選択するリスク評価値選択部と、
前記リスク評価値選択部により選択されたリスク評価値に対応する設定候補値を、前記設定条件を表す項目の各々の推奨値として出力装置へ出力する推奨値出力部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一の態様によれば、インストール支援装置において、リスク評価値記憶部が、環境候補値と設定候補値との組み合わせの各々に対応させて、各設定候補値が表す設定条件と各環境候補値が表す環境条件との下でソフトウェアの実行時に障害が発生するリスクを表すリスク評価値を記憶し、リスク評価値集計部が、前記リスク評価値記憶部により記憶されたリスク評価値のうち、環境候補値入力部により入力された環境候補値に対応するリスク評価値を、対応する設定候補値ごとに集計し、リスク評価値選択部が、前記リスク評価値集計部により集計されたリスク評価値のうち、より低いリスクを表すリスク評価値を、設定条件を表す項目ごとに選択し、推奨値出力部が、前記リスク評価値選択部により選択されたリスク評価値に対応する設定候補値を、設定条件を表す項目の各々の推奨値として出力することにより、例えば、OSS(オープンソースソフトウェア)をインストールする際に、ライセンス面、品質面、技術面での多様なリスクの評価に合わせて適切なチューニングを行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係るOSS自動インストールシステム100(オープンソースソフトウェア自動インストールシステム)を含むコンピュータネットワーク全体の構成を示すブロック図である。
【0012】
図1において、複数の端末101は、ネットワーク102を介して、LGWAN(統合行政ネットワーク)やメールシステムなどの他システム103、及び、文書管理システムや人事給与システムなどの業務システム104と接続している。各端末101の利用者は、これらのシステムが提供するサービスを利用する。業務システム104は、各種のサーバを備える。業務システム104にて、各端末101に対し、業務に係るサービスを提供するためには、それぞれのサーバに必要なOSS(オープンソースソフトウェア)又はその他のソフトウェアをインストールし、動作させておく必要がある。OSSは、主に、OS(オペレーティングシステム)やJAVA(登録商標)実行環境などのOSS基本ソフト105、OSS基本ソフト105上で動作して基本的な処理を実行するOSSミドルソフト107(「ミドルウェア」ともいう)、OSSミドルソフト107を利用して特定の業務に特化した処理を行うOSS業務ソフト109の3つに分類することができる。各OSSをインストールする際には、OSSのバージョンを選択したり、OSS用の環境変数を設定したり、OSSが参照する設定ファイル中のパラメータを設定したり、といったチューニングを行う必要がある。環境変数/設定ファイル106,108,110は、OSSごとに設定される。以下では、OSSのバージョン、環境変数、設定ファイル中のパラメータをまとめて「環境変数」という場合がある。
【0013】
上記のようなチューニングを自動的に行うため、OSS自動インストールシステム100は、OSS自動チューニング装置200を備える。OSS自動チューニング装置200は、インストール支援装置の一例であり、業務システム104の外部環境条件(業務システム104の利用形態に関する利用環境、端末101の形態に関する端末環境、ネットワーク102の形態に関するネットワーク環境など)に対応したOSS障害リスク情報を基にして、ライセンス面(知的財産権侵害の危険性)、品質面(障害対策としての有効性)、技術面(拡張性)のリスクを最小にするOSS環境変数値を抽出する。ここで、OSS障害リスク情報とは、それぞれのOSSについて、どのような環境でどのような障害が過去に発生したかによってリスクを評価した結果(例えば、点数)をいう。また、OSS環境変数値とは、それぞれのOSSの環境変数として設定可能な値をいう。OSS障害リスク情報に基づいてOSS環境変数値を抽出するための具体的なアルゴリズムについては、後述する。
【0014】
以下、OSSをインストールする処理の概要について説明する。
(1)OSS自動インストールシステム100が、各OSSのインストールファイルとして、OSS基本ソフトインストールバッチ111、OSSミドルソフトインストールバッチ112、OSS業務ソフトインストールバッチ113をインターネットなどからダウンロードする。
(2)OSS自動インストールシステム100が、OSSの障害に関するOSS障害情報114をインターネットなどから取得し、データベースなどに蓄積する。
(3)OSS自動インストールシステム100が、業務システム104のOSSの組み合わせや設定に関するOSS業務システム導入テンプレート115などを入力する。OSS業務システム導入テンプレート115は、業務システム104の種類(例えば、文書管理システム、人事給与システム、施設予約システム、電子申請システム、税業務システム、住民記録システム、住民支援システム、福祉業務システム)に応じて予め決められるものである。
(4)OSS自動インストールシステム100が、業務システム104の利用環境、端末環境、ネットワーク環境などを示す業務システム外部環境条件ファイル116を保存する。
(5)業務システム104を設計するシステムエンジニアなどが、(2)のOSS障害情報114、(3)のOSS業務システム導入テンプレート115、(4)の業務システム外部環境条件ファイル116に基づいて、チューニングを行うために必要となる業務システム導入テンプレート設定ファイル117を作成する。
(6)OSS自動インストールシステム100は、(1)のOSS基本ソフトインストールバッチ111、OSSミドルソフトインストールバッチ112、OSS業務ソフトインストールバッチ113を展開し、各OSSの環境変数/設定ファイル106,108,110を参照する。
(7)OSS自動インストールシステム100のOSS自動チューニング装置200は、(5)の業務システム導入テンプレート設定ファイル117、(6)の環境変数/設定ファイル106,108,110に基づいて、自動的にチューニングを実行する。
(8)OSS自動インストールシステム100のOSS自動チューニング装置200は、(7)のチューニングの結果をチューニング結果出力画面118に出力する。
(9)OSS自動インストールシステム100のOSS自動インストール実行装置119は、チューニング結果出力画面118に対して所定の入力があった場合、あるいは、自律的に、(7)のチューニングの結果を(6)の環境変数/設定ファイル106,108,110に反映し、(1)のOSS基本ソフトインストールバッチ111、OSSミドルソフトインストールバッチ112、OSS業務ソフトインストールバッチ113を用いて、各OSSのインストールを実行する。
【0015】
上記(1)において、OSS自動インストールシステム100のOSS自動インストール実行装置119が、チューニングが実行される前に、OSS基本ソフトインストールバッチ111、OSSミドルソフトインストールバッチ112、OSS業務ソフトインストールバッチ113を実行してもよい。この場合、上記(6)では、OSS自動インストールシステム100のOSS自動チューニング装置200が、インストール済の各OSSの環境変数/設定ファイル106,108,110を参照する。そして、上記(9)では、OSS自動インストールシステム100のOSS自動インストール実行装置119が、(7)のチューニングの結果に基づいて、(6)の環境変数/設定ファイル106,108,110を変更する。
【0016】
このように、本実施の形態におけるOSS自動チューニング装置200は、業務システム104の利用環境、端末環境、ネットワーク環境などの外部環境条件に応じて、OSSの環境変数の自動チューニングを実施するものであり、OSS活用の際のライセンス面、品質面、技術面のリスクを回避できるという効果を奏する。
【0017】
図2は、業務システム104が、文書管理サービスをWebアプリケーションとして提供する文書管理システムである場合の構成例を示すブロック図である。
【0018】
図2において、業務システム104は、APサーバ301(アプリケーションサーバ)、DBサーバ302(データベースサーバ)、文書管理サーバ303、運用管理サーバ304を備える。各サーバは、LAN305(ローカルエリアネットワーク)で接続されており、LAN305には、OSS自動チューニング装置200も接続されている。図示していないが、LAN305に、さらに、OSS自動インストール実行装置119が接続されていてもよい。
【0019】
各サーバには、OSS基本ソフト105がインストールされる。そして、OSS基本ソフト105上で動作するOSSとして、OSSミドルソフト107やOSS業務ソフト109が必要に応じてインストールされる。
【0020】
例えば、APサーバ301には、OSSミドルソフト107の1つとして、各端末101とのHTTP(HyperText・Transfer・Protocol)通信に関わる処理を実行するHTTPサーバOSS311がインストールされる。HTTPサーバOSS311の環境変数/設定ファイル108であるHTTP通信規約設定ファイル313やHTTP通信動作設定ファイル314は、OSS自動チューニング装置200によるチューニングの対象となる。また、APサーバ301には、別のOSSミドルソフト107として、HTTPサーバOSS311と連携モジュール312により連携し、DBサーバ302を利用して基本的な処理(例えば、認証処理やトランザクション処理)を実行するAPサーバOSS315がインストールされる。APサーバOSS315の環境変数/設定ファイル108であるWebサービス定義ファイル316やWebサービスワークフロー定義ファイル317も、OSS自動チューニング装置200によるチューニングの対象となる。同様に、DBサーバ302にも、文書を保存するデータベースに関わる処理を実行するためのOSSミドルソフト107がインストールされ、そのOSSミドルソフト107の環境変数/設定ファイル108は、OSS自動チューニング装置200によるチューニングの対象となる。
【0021】
文書管理サーバ303には、APサーバ301やDBサーバ302を利用して文書管理サービスに直接関わる処理を実行するためのOSS業務ソフト109がインストールされる。そして、そのOSS業務ソフト109の環境変数/設定ファイル110も、OSS自動チューニング装置200によるチューニングの対象となる。同様に、運用管理サーバ304には、各サーバやLAN305を管理するためのOSSミドルソフト107がインストールされ、そのOSSミドルソフト107の環境変数/設定ファイル108は、OSS自動チューニング装置200によるチューニングの対象となる。
【0022】
図3は、OSS自動チューニング装置200の構成を示すブロック図である。
【0023】
図3において、OSS自動チューニング装置200は、チューニング条件入力処理部210、自動チューニング実行処理部211を備える。チューニング条件入力処理部210は、障害記憶部201、リスク評価値記憶部202、デフォルト値記憶部203、環境候補値入力部204を備える。自動チューニング実行処理部211は、リスク評価値集計部205、リスク評価値選択部206、推奨値出力部207を備える。また、OSS自動チューニング装置200は、記憶装置251、処理装置252、入力装置253、出力装置254などのハードウェア装置を備える(又はこれらのハードウェア装置がOSS自動チューニング装置200に接続される)。ハードウェア装置はOSS自動チューニング装置200の各部によって利用される。例えば、処理装置252は、OSS自動チューニング装置200の各部でデータや情報の演算、加工、読み取り、書き込みなどを行うために利用される。記憶装置251は、そのデータや情報を記憶するために利用される。また、入力装置253は、そのデータや情報を入力するために、出力装置254は、そのデータや情報を出力するために利用される。
【0024】
本実施の形態では、例えば、記憶装置251は、業務システム外部環境条件ファイル116、業務システム導入テンプレート設定ファイル117、環境・障害判定表501,502、リスク・環境判定表601、リスク・障害判定表701,702、OSS環境変数チューニング値出力ファイル801などを記憶するファイル記憶装置として利用される。入力装置253は、OSS障害情報114など、インターネット上にあるデータや情報を入力するインターネット接続装置として利用される。
【0025】
OSS自動チューニング装置200は、OSSのインストール対象である業務システム104の環境条件とOSSのインストール時の設定条件とをそれぞれ複数の項目に分けて表すものとしたとき、以下に説明する各部により、環境条件を表す項目の各々がとる値に基づいて、設定条件を表す項目の各々の推奨値を決定する(即ち、設定条件のチューニングを行う)。OSS自動チューニング装置200は、OSSだけでなく、他の種類のソフトウェアを対象にチューニングを行ってもよい。ここで、環境条件を表す項目とは、例えば、前述した業務システム104の外部環境条件を、利用環境、端末環境、ネットワーク環境などに分類し、さらに、詳細な項目に分けたものである。設定条件を表す項目とは、例えば、前述したOSSのバージョン、環境変数、設定ファイル中のパラメータなど、即ち、環境変数である。推奨値とは、例えば、前述したチューニングの結果として抽出されるOSS環境変数値(以下、このようなOSS環境変数値を「チューニング値」ともいう)である。
【0026】
チューニング条件入力処理部210が備える障害記憶部201は、過去に障害が発生したときの環境条件を表す値と設定条件を表す値と発生した現象との組み合わせを、障害情報として記憶装置251に記憶する。本実施の形態では、障害記憶部201は、例えばOSS障害情報114をインターネット経由で参照及び収集して記憶装置251に記憶する。
【0027】
チューニング条件入力処理部210が備えるリスク評価値記憶部202は、環境候補値と設定候補値と障害として発生し得る現象との組み合わせの各々に対応させて、各設定候補値が表す設定条件と各環境候補値が表す環境条件との下でOSSの実行時に各現象が発生するリスクを表すリスク評価値を記憶装置251に記憶する。本実施の形態では、リスク評価値記憶部202は、リスク評価値を、例えば環境・障害判定表501,502に記録する。環境候補値とは、環境条件を表す項目の各々がとり得る値である。設定候補値とは、設定条件を表す項目の各々がとり得る値、即ち、設定可能なOSS環境変数値である。リスク評価値は、前述したOSS障害リスク情報に相当する。リスク評価値は、手動で設定されてもよいし、自動的に設定されてもよい。本実施の形態では、リスク評価値記憶部202が、障害記憶部201により記憶された障害情報を記憶装置251から読み取り、読み取った障害情報と一致する環境候補値と設定候補値と現象との組み合わせに対応するリスク評価値を、より高いリスクを表すリスク評価値として処理装置252で設定する。そして、設定したリスク評価値を記憶装置251に記憶する。
【0028】
チューニング条件入力処理部210が備えるデフォルト値記憶部203は、設定条件を表す項目の各々のデフォルト値を記憶装置251に記憶する。本実施の形態では、デフォルト値記憶部203は、例えばOSS業務システム導入テンプレート115で定義されるデフォルト値を業務システム導入テンプレート設定ファイル117に記録する。業務システム導入テンプレート設定ファイル117に記録されたデフォルト値は、リスク評価値記憶部202がリスク評価値を設定する際に、リスク評価値が対応する設定候補値の1つとして利用される。つまり、リスク評価値記憶部202が環境・障害判定表501,502にリスク評価値を記録する場合、業務システム導入テンプレート設定ファイル117に記録されたデフォルト値は、設定可能なOSS環境変数値の1つとして、環境・障害判定表501,502の横軸(あるいは縦軸)に示されることとなる。
【0029】
チューニング条件入力処理部210が備える環境候補値入力部204は、少なくとも1つの環境候補値を入力装置253から入力する。具体的には、OSSのインストール時の環境条件を表す値を入力する。技術面(拡張性)のリスクを考慮したチューニングを行う場合には、環境候補値入力部204は、環境条件を表す項目の1つがとり得る環境候補値のうち、OSSのインストール時の環境条件を表す値と当該環境条件がOSSのインストール後に変更された場合の環境条件を表す値との両方を入力する。本実施の形態では、環境候補値入力部204は、OSSのインストール時の環境条件を表す値を入力装置253から入力し、例えば業務システム外部環境条件ファイル116に記録する。そして、業務システム外部環境条件ファイル116に記録された環境候補値や将来業務システム104が拡張されたときに想定される環境候補値(リスク評価すべき環境条件)とOSSのリスク要件との対応関係を、例えばリスク・環境判定表601に記録する。具体的には、OSSのインストール時のライセンス面(知的財産権侵害の危険性)のリスク、品質面(障害対策としての有効性)のリスク、技術面(拡張性)のリスク、の3種類のリスク項目を考慮したチューニングを行うための環境条件を表す値をそれぞれ入力し、それぞれの値とそれぞれのリスク項目の評価対象との対応関係をリスク・環境判定表601に記録する。
【0030】
自動チューニング実行処理部211が備えるリスク評価値集計部205は、リスク評価値記憶部202により記憶されたリスク評価値のうち、環境候補値入力部204により入力された環境候補値に対応するリスク評価値を記憶装置251から読み取り、読み取ったリスク評価値を、対応する設定候補値と現象との組み合わせごとに処理装置252で集計する。そして、集計したリスク評価値を、さらに、対応する設定候補値ごとに処理装置252で集計する。本実施の形態では、リスク評価値集計部205は、例えば環境・障害判定表501,502とリスク・環境判定表601に基づいてリスク評価値を集計する。そして、集計したリスク評価値を、例えばリスク・障害判定表701,702に記録する。
【0031】
自動チューニング実行処理部211が備えるリスク評価値選択部206は、リスク評価値集計部205により集計されたリスク評価値のうち、より低いリスクを表すリスク評価値を、設定条件を表す項目ごとに処理装置252で選択する。リスク評価値集計部205により集計されたリスク評価値のうち、最も低いリスクを表すリスク評価値を、設定条件を表す項目ごとに選択することが望ましい。
【0032】
自動チューニング実行処理部211が備える推奨値出力部207は、リスク評価値選択部206により選択されたリスク評価値に対応する設定候補値を、設定条件を表す項目の各々の推奨値として出力装置254へ出力する。また、推奨値出力部207は、デフォルト値記憶部203により記憶されたデフォルト値を記憶装置251から設定条件を表す項目ごとに読み取り、読み取ったデフォルト値がリスク評価値選択部206により選択されたリスク評価値に対応する設定候補値と異なる場合、設定条件を表す項目の各々のデフォルト値と推奨値との両方を出力装置254へ出力する。このとき、OSSの設定ファイルで設定されるパラメータの推奨値については、推奨値出力部207は、各パラメータの推奨値を、各パラメータが設定される設定ファイルごとにタブが設けられた表示画面の、対応するタブ内に出力する。本実施の形態では、推奨値出力部207は、チューニング値(推奨値)とデフォルト値を、例えばOSS環境変数チューニング値出力ファイル801に記録する。そして、OSS環境変数チューニング値出力ファイル801に記録したチューニング値とデフォルト値を出力装置254へ出力する。
【0033】
図4は、OSS自動チューニング装置200のハードウェア資源の一例を示す図である。
【0034】
OSS自動チューニング装置200は、不図示のシステムユニット、CRT(Cathode・Ray・Tube)やLCD(液晶ディスプレイ)の表示画面を有する表示装置901、キーボード902(K/B)、マウス903、FDD904(Flexible・Disk・Drive)、CDD905(Compact・Disc・Drive)、プリンタ装置906などのハードウェア資源を備え、これらはケーブルや信号線で接続されている。システムユニットは、コンピュータであり、LAN305、ゲートウェイを介してインターネットに接続されている。
【0035】
図4において、OSS自動チューニング装置200は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit)(「演算装置」、「マイクロプロセッサ」、「マイクロコンピュータ」、「プロセッサ」ともいう)を備えている。CPU911は、処理装置252の一例である。CPU911は、バス912を介してROM913(Read・Only・Memory)、RAM914(Random・Access・Memory)、通信ボード915、表示装置901、キーボード902、マウス903、FDD904、CDD905、プリンタ装置906、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカードリーダライタなどの記憶媒体が用いられてもよい。
【0036】
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置251の一例である。通信ボード915、キーボード902、マウス903、FDD904、CDD905などは、入力装置253の一例である。また、通信ボード915、表示装置901、プリンタ装置906などは、出力装置254の一例である。
【0037】
通信ボード915は、LAN305などに接続されている。通信ボード915は、LAN305に限らず、インターネット、あるいは、IP−VPN(Internet・Protocol・Virtual・Private・Network)、広域LAN、ATM(Asynchronous・Transfer・Mode)ネットワークなどのWAN(ワイドエリアネットワーク)などに接続されていても構わない。インターネットあるいはWANなどに接続されている場合、ゲートウェイは不要となる。
【0038】
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922により実行される。プログラム群923には、本実施の形態の説明において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。また、ファイル群924には、本実施の形態の説明において、「〜データ」、「〜情報」、「〜ID(IDentifier)」、「〜フラグ」、「〜結果」として説明するデータや情報や信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」や「〜テーブル(表)」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜データベース」や「〜テーブル(表)」は、ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶されたデータや情報や信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・制御・出力・印刷・表示などのCPU911の処理(動作)に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・制御・出力・印刷・表示などのCPU911の処理中、データや情報や信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
【0039】
また、本実施の形態の説明において説明するブロック図やフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号は、RAM914などのメモリ、FDD904のフレキシブルディスク(FD)、CDD905のコンパクトディスク(CD)、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク(MD)、DVD(Digital・Versatile・Disc)などの記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体により伝送される。
【0040】
また、本実施の形態の説明において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜工程」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。即ち、「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。あるいは、ソフトウェアのみ、あるいは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、あるいは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実現されていても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVDなどの記録媒体に記憶される。このプログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。即ち、プログラムは、本実施の形態の説明で述べる「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、本実施の形態の説明で述べる「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0041】
以下では、説明をより具体的にするため、OSS自動チューニング装置200が図3に例示したコンピュータとハードウェア資源により実現されているものとする。また、業務システム104は、図2に例示した文書管理システムであり、この文書管理システムにおいて、APサーバ301のHTTPサーバOSS311はApache、APサーバOSS315はTomcatであるものとする。これに合わせて、連携モジュール312を、ApacheとTomcatとを接続するためのApacheのモジュールであるmod_jkとする。また、HTTP通信規約設定ファイル313をhttpd.conf、HTTP通信動作設定ファイル314をworkers.properties、Webサービス定義ファイル316をweb.xml、Webサービスワークフロー定義ファイル317をserver.xmlとする。
【0042】
図5は、本実施の形態に係るOSS自動チューニング方法(インストール支援方法の一例)を示すフローチャートである。
【0043】
図5のフローチャートに示したフローは、OSS自動チューニング装置200を実現するコンピュータ上で実行されるOSS自動チューニングプログラム(インストール支援プログラムの一例)の処理手順に相当する。この処理手順において、OSS自動チューニングプログラムは、例えば、以下に示す各処理をコンピュータに実行させる。
【0044】
障害記憶部201は、OSS障害情報114をインターネットから取得し、取得したOSS障害情報114を磁気ディスク装置920に記憶する(ステップS101:障害記憶処理)。OSS障害情報114には、過去に障害が発生したときの環境条件を表す値と設定条件を表す値と発生した現象との組み合わせが含まれている。
【0045】
環境条件を表す値の一例を図6に示す。この例では、OSSのインストール対象となる文書管理システムの外部環境条件が、“(i)利用環境”、“(ii)端末環境”、“(iii)ネットワーク環境”の3つの「環境種別」に分類されている。そして、各「環境種別」において、さらに、“契約形態”、“利用形態”、“接続端末数”、“利用目的”、“特殊プロトコル”などの「環境条件」に分けられている。各「環境条件」における「選択肢」の1つ1つ(以下、「外部環境条件値」という)が、環境条件を表す値に相当する。
【0046】
設定条件を表す値及び障害として発生する現象の一例を図7に示す。この例では、「サーバ」と「ミドルソフト」の組み合わせがAPサーバ301とApache(HTTPサーバOSS311の一例)又はTomcat(APサーバOSS315の一例)である場合に発生する障害が、“(A)端末フリーズ”、“(B)サーバエラー”、“(C)画面白表示”、“(D)ログ巨大化”、“(E)応答時間記録”、“(F)2つのja設定”、“(G)Tomcat停止”、“(H)JDBC接続時間”、“(I)session−timeout”といった複数の「障害種別」に分類されている。そして、各「障害種別」において、どの環境変数の値をどのような目的でどのように変更したかが示されている(「設定ファイル」、「障害対策」、「障害対策目的」)。さらに、環境変数の値、即ち、OSS環境変数値を変更した場合、どの種類のリスクに影響があるかが示されている(「リスク」)。前述した通り、OSS環境変数値の1つ1つが、設定条件を表す値に相当する。
【0047】
OSS障害情報114には、図6及び図7に示したような情報が含まれている。例えば、外部環境条件値として、「環境種別」が“(ii)端末環境”、「環境条件」が“(2)利用目的”となる「選択肢」が“他システムやOAも利用”であり、OSS環境変数値として、Apacheのバージョンが2.0であるとき、「障害種別」が“(A)端末フリーズ”となる障害が発生した、といった情報が含まれる。
【0048】
デフォルト値記憶部203は、環境変数の各々のデフォルト値を、予め、あるいは、httpd.conf(HTTP通信規約設定ファイル313の一例)など、各OSSの環境変数/設定ファイル106,108,110から取得して磁気ディスク装置920内の業務システム導入テンプレート設定ファイル117に記憶する(ステップS102:デフォルト値記憶処理)。
【0049】
業務システム導入テンプレート設定ファイル117としては、図8及び図9に示したような情報を含むファイルが記憶される。図8に示した文書管理システムAPサーバ設定ファイルは、APサーバ301の環境変数/設定ファイル108の一例である。例えば、この文書管理システムAPサーバ設定ファイルにおいて、「項番」が“19”、「設定項目」が“Tomcatのインストール先のWeb.xml”の「デフォルト値」は、“C:¥Program Files¥Apache Group¥Tomcat 4.1¥web.xml”に設定されている。また、図9に示した文書管理システムTomcat_Web.xml設定ファイルは、APサーバOSS315の環境変数/設定ファイル108の一例である。例えば、この文書管理システムTomcat_Web.xml設定ファイルにおいて、「物理名称」が“session−timeout”、「論理名称」が“セッションタイムアウト”、「説明」が“Httpセッションの有効期限(単位:分)”の「デフォルト値」は、“30”に設定されている。
【0050】
リスク評価値記憶部202は、ステップS101で障害記憶部201により記憶されたOSS障害情報114を磁気ディスク装置920から読み取り、読み取ったOSS障害情報114に含まれる外部環境条件値とOSS環境変数値と障害の「障害種別」との組み合わせに対応するリスク評価値の点数を、より高い点数としてCPU911で設定する。そして、設定した点数を磁気ディスク装置920に記憶する(ステップS103:リスク評価値記憶処理)。ここで、点数は、高いものほど、リスクがより高いことを表し、低いものほど、リスクがより低いことを表すものとする。リスク評価値記憶部202が磁気ディスク装置920に記憶したリスク評価値の点数は、前述したOSS障害リスク情報に相当する。
【0051】
後述する例では、リスク評価値記憶部202は、環境・障害評価情報(○:正常動作確認済、×:障害発生、無印:未確認)をCPU911で設定し、磁気ディスク装置920の環境・障害判定表501,502に記憶する。「○:正常動作確認済」は、実際に適用実績があり問題が少ないことを、「×:障害発生」は、実際に適用実績があり問題があったことを、「無印:未確認」は、適用実績がないためリスクが不明なことを示す。したがって、システムの適用実績からも環境・障害判定表501,502を作成できるが、ユーザー経由で入手・蓄積したOSS業務システム導入テンプレート115、及び、インターネット経由で参照・蓄積・収集したOSS障害情報114が増えれば、環境・障害判定表501,502の精度が増す。
【0052】
環境候補値入力部204は、操作者による現在の外部環境条件値の入力をキーボード902やマウス903から受け付ける(ステップS104:環境候補値入力処理)。操作者が技術面のリスクを考慮したチューニングの実行を要求する場合には、環境候補値入力部204は、将来の文書管理システムを拡張した場合などに想定される外部環境条件値の入力もキーボード902やマウス903から受け付ける。
【0053】
後述する例では、環境候補値入力部204は、著作権や特許権などの知的財産権の侵害について、考慮しておくべき項目(ライセンス面のリスク)、トラブル発生時の迅速な対応、瑕疵担保責任への対応について、現状の設計において考慮しておくべき項目(品質面のリスク)、拡張性や性能などのアーキテクチャ設計について、将来の拡張などの可能性があるために考慮しておくべき項目(技術面のリスク)、の3種類のリスク項目と、外部環境条件値との組み合わせを操作者に入力させ、当該入力をキーボード902やマウス903から受け付けて、磁気ディスク装置920のリスク・環境判定表601に記憶する。入力可能な環境候補値は、OSS業務システム導入テンプレート115を基に、業務内容や業務システム104の構成などに合わせてシステムエンジニアなど(あるいは操作者)が都度設計する(例えば、業務システム104の種類ごと、サーバごと、ミドルウェアごとにテンプレートがある)。
【0054】
操作者が外部環境条件値などを入力するためのGUI(グラフィカルユーザインタフェース)の一例を図10に示す。この例では、操作者は、環境候補値入力部204により表示装置901へ出力される操作画面401にて、「業務システム」として“文書管理システム”を選択する。また、現在の外部環境条件値として、各「環境種別」の各「環境条件」の「選択肢」を選択する。図10では一部しか示していないが、例えば、“(i)利用環境”の“利用形態”の「選択肢」として“単独利用”を、“(ii)端末環境”の“接続端末数”の「選択肢」として“300台以上1,000台未満”を、“(iii)ネットワーク環境”の“特殊プロトコル”の「選択肢」として“メタフレーム利用”を選択することができる。操作者が選択した値は、操作者がキーボード902やマウス903で「登録」ボタンを押下すると、環境候補値入力部204により受け付けられる。
【0055】
図10の例では、操作画面401は、APサーバ301にOSSなどをインストールするための設定を入力する画面でもある。操作者が操作画面401でAPサーバ301を選択するか、あるいは、APサーバ301用の操作画面401を選択すると、APサーバ301へのインストールが推奨されるOS、JAVA(登録商標)のバージョン、ミドルウェアなどが表示される。これらのソフトウェアには既にインストール済のものが含まれていてもよい。この例では、ミドルウェアとしてApache及びTomcatが推奨されているものとする。そのため、操作画面401には、Apache及びTomcatの環境変数/設定ファイル108であるhttpd.conf、workers.properties、web.xml、server.xmlの設定用のタブが表示されている。図10では一部しか示していないが、例えば、httpd.confの設定用のタブにて、操作者は、「参照」ボタンを用いてApacheのライセンスバージョンを選択し、チェックボックスを用いてライセンス規約に同意するかどうかを意思表示することができる。このとき、操作者が選択したApacheのライセンスバージョンに基づいて、操作者がインストールしようとしているOSSのライセンスリスクに関する情報が表示される。また、操作者は、別の「参照」ボタンを用いてhttpd.confのフォルダパスを選択したり、ファイル名を選択したりすることができる。操作者が選択した値は、操作者がキーボード902やマウス903で「登録」ボタンを押下すると、外部環境条件値と同様に、環境候補値入力部204により受け付けられる。
【0056】
知的財産権の侵害など、OSSのライセンスリスクに関する情報の一例を図11に示す。ソースコード公開義務が他のプログラムまで影響することを「伝播性」と呼ぶが、この例では、OSSライセンスリスクとして、最も伝播性が厳しいGPL型ライセンス(Gnu・Public・License)のリスクを「大」(この場合の伝播性は、「GPL汚染」とも呼ばれる)、GPLよりは厳しくないMPL型ライセンス(Mozilla・Public・License)のリスクを「中」、極めて制限の緩いBSD型ライセンス(Berkeley・Software・Distribution)のリスクを「小」と定義している。例えば、環境候補値入力部204は、操作者がApacheのライセンスバージョンを選択する度に、対応するライセンスリスクに関する情報を操作画面401に即時に表示してもよい。そして、そのために参照するテーブルとして、図11に示したものを予め磁気ディスク装置920に記憶しておいてもよい。図11の例では、OSS以外のソフトウェアに関しては、「ライセンス類型」や「ライセンスリスク」を示していないが、同様の情報を定義してもよい。
【0057】
このように、OSSを利用する観点から、注意を要する「伝播性」に着目し、ライセンスリスクを「大」、「中」、「小」の3種類に類型化表示することで、操作者がOSSをインストールする際に、ライセンスリスクを回避することが容易となる。
【0058】
図10の例では、操作画面401は、前述したチューニング結果出力画面118でもあるが、これについては後述する。
【0059】
リスク評価値集計部205は、ステップS103でリスク評価値記憶部202により記憶されたリスク評価値の点数のうち、ステップS104で環境候補値入力部204により入力された外部環境条件値に対応する点数を磁気ディスク装置920から読み取り、読み取った点数を、対応するOSS環境変数値と「障害種別」との組み合わせごとにCPU911で集計する。そして、集計した点数を、さらに、対応するOSS環境変数値ごとにCPU911で集計する(ステップS105:リスク評価値集計処理)。
【0060】
後述する例では、リスク評価値集計部205は、ステップS103でリスク評価値記憶部202により記憶された磁気ディスク装置920の環境・障害判定表501,502の環境・障害評価情報(○:正常動作確認済、×:障害発生、無印:未確認)のうち、ステップS104で環境候補値入力部204により入力されたリスク・環境判定表601の外部環境条件値に対応するリスク点数を磁気ディスク装置920から読み取り、読み取った点数を、対応するOSS環境変数値と「障害種別」との組み合わせごとにCPU911で集計する。そして、集計した点数を、さらに、対応するOSS環境変数値ごとにCPU911で集計して、磁気ディスク装置920のリスク・障害判定表701,702(環境変数決定表)に記憶する。
【0061】
リスク評価値選択部206は、ステップS105でリスク評価値集計部205により集計されたリスク評価値の点数のうち、最も低い点数を、環境変数ごとにCPU911で選択する(ステップS106:リスク評価値選択処理)。
【0062】
推奨値出力部207は、ステップS106でリスク評価値選択部206により選択されたリスク評価値の点数に対応するOSS環境変数値を、環境変数の各々のチューニング値として表示装置901へ出力する(ステップS107:推奨値出力処理)。また、推奨値出力部207は、ステップS103でデフォルト値記憶部203により記憶されたデフォルト値を磁気ディスク装置920から環境変数ごとに読み取り、読み取ったデフォルト値も表示装置901へ出力する。推奨値出力部207は、全ての環境変数(あるいは1つの設定ファイルに係る全ての環境変数)のチューニングが完了したかどうかをCPU911で判定する(ステップS108)。ステップS108で、全ての環境変数のチューニングが完了していない(「いいえ」)と判定された場合、ステップS105〜S107を繰り返して次の環境変数のチューニングが実行される。ステップS108で、全ての環境変数のチューニングが完了した(「はい」)と判定された場合、処理が終了する。
【0063】
図10の例では、チューニング結果出力画面118としての操作画面401のhttpd.confのタブ内に、Timeoutのデフォルト値として“300”、Timeoutのチューニング値として“60”が出力されている。操作者は、操作画面401にて、Timeoutの値をデフォルト値“300”からチューニング値“60”に変更することができる。操作者がキーボード902やマウス903で「登録」ボタンを押下すると、推奨値出力部207は、Timeoutの値の入力を受け付け、このTimeoutの値をOSS自動インストールシステム100のOSS自動インストール実行装置119に入力する。OSS自動インストール実行装置119は、入力されたTimeoutの値をhttpd.confに反映した上でApacheのインストールを実行する。また、図10の例では、httpd.confのタブ内に、Apacheのライセンスバージョンが表示されているが、前述したように、これは操作者によって選択された値であってもよいし、ライセンスバージョンのデフォルト値又はチューニング値であってもよい。いずれの場合も、操作者がキーボード902やマウス903で「登録」ボタンを押下すると、推奨値出力部207は、Apacheのバージョンの入力を受け付け、このバージョンをOSS自動インストールシステム100のOSS自動インストール実行装置119に通知する。OSS自動インストール実行装置119は、通知されたバージョンのApacheのインストールを実行する。このように、推奨値出力部207は、操作画面401にて設定される環境変数をOSS自動インストール実行装置119に入力する。ここで、推奨値出力部207は、操作画面401にて設定される環境変数を、ネットワーク102を介して他システム103に送信してもよい。これにより、他システム103は、操作画面401にて行われた設定を流用することができる。また、推奨値出力部207は、操作画面401にて設定される環境変数を一覧画面に出力して参照及び印刷可能としてもよい。
【0064】
このように、本実施の形態では、図10の例に示したように、「業務システム」、「サーバ名」、ミドルウェア(タブの見出し)、設定ファイル(タブの見出し)、「環境変数名」の5階層のパラメータ設定チューニング動作により、設定手順や表示形式が異なる複数のOSSの環境変数を統一的な操作で設定することができる。また、複数のタブで設定手順や表示形式が異なる複数のOSSの環境変数を統一的に管理することができるため、業務システム104の運用における利便性が向上する。
【0065】
以上、OSS障害リスク情報に基づいてOSS環境変数値を抽出するための具体的なアルゴリズムについて説明した。以下では、このアルゴリズムについて、さらに、具体例を2つ示して説明する。
【0066】
まず、第1の例を示す。
【0067】
第1の例において、ステップS101では、障害記憶部201が、APサーバ301のApacheのバージョンに関連するOSS障害情報114をインターネットから取得して磁気ディスク装置920に記憶する。
【0068】
ステップS102では、デフォルト値記憶部203が、Apacheのバージョンのデフォルト値を“2.2”として予め磁気ディスク装置920に記憶する。
【0069】
ステップS103では、リスク評価値記憶部202が、OSS障害リスク情報として、図12に示す環境・障害判定表501を磁気ディスク装置920に記憶する。この環境・障害判定表501は、APサーバ301のApacheのバージョンとして設定可能な“2.0”及び“2.2”(ステップS102で記憶されたデフォルト値)のそれぞれに対応するリスク評価値の点数を、外部環境条件値(縦軸)と障害の「障害種別」(横軸)との組み合わせごとに示したものである。環境・障害判定表501において、各項目が対応する外部環境条件値と障害の「障害種別」とApacheのバージョンとの組み合わせについて、Apacheの正常動作が確認されている場合、その項目には“○”が設定され、OSS障害情報114にて過去に該当する「障害種別」の障害が発生したことが記録されている場合、その項目には“×”が設定される。未確認の場合、その項目には何も設定されない(無印となる)。つまり、“○”の項目は実際に適用実績があり問題が少なかったことを示し、“×”の項目は実際に適用実績があり問題があったことを示し、無印の項目は実際に適用実績があり問題があったことを示す。したがって、適用実績が増えれば、環境・障害判定表501の精度が増すこととなる。ここでは、“○”を1点、“×”を3点、無印を2点として、リスクを定量評価するものとする。
【0070】
ステップS104では、環境候補値入力部204が、現在の外部環境条件値、及び、将来の文書管理システムを拡張した場合などに想定される外部環境条件値の入力をキーボード902やマウス903から受け付け、図13に示すリスク・環境判定表601として磁気ディスク装置920に記憶する。この例では、環境候補値入力部204は、さらに、それぞれの外部環境条件値と組み合わせて評価の対象とするリスクの指定の入力も受け付ける。リスク・環境判定表601は、全てのOSSに対して共通の形式となるため、必ずしもOSSごとに入力しなくてよいが、この例では、Apacheのみを対象とするものとする。したがって、このリスク・環境判定表601は、APサーバ301にApacheをインストールする際に評価すべきリスク(縦軸)と外部環境条件(横軸)との組み合わせを示したものとなる。リスク・環境判定表601において、各項目が対応するリスクと外部環境条件値との組み合わせについて、評価の対象として指定されている場合、その項目には“△”が設定される。対象外の場合、その項目には何も設定されない(無印となる)。ここでは、“△”の項目が対応するリスクの種類に応じて、重み付けを行うものとする。そのため、ライセンスリスクの重みを1(倍)、品質リスクの重みを3(倍)、技術リスクの重みを2(倍)とする。前述したように、ライセンスリスクは、著作権や特許権などの知的財産権侵害について考慮しておくべき項目である。品質リスクは、現状の文書管理システムの設計において、トラブル時の迅速な対応、瑕疵担保責任への対応について考慮しておくべき項目である。技術リスクは将来文書管理システムを拡張する可能性がある場合に、拡張性や性能などのアーキテクチャ設計について考慮しておくべきリスク項目である。図13の例では、「環境種別」が“(i)利用環境”、「環境条件」が“(2)利用形態”となる「選択肢」として、現在の外部環境条件値を“単独利用”、将来の文書管理システムを拡張した場合の外部環境条件値を“共同利用”としている。そのため、前者は品質リスクの評価対象となっており、後者は技術リスクの評価対象となっている。同様に、「環境種別」が“(ii)端末環境”、「環境条件」が“(1)接続端末数”となる「選択肢」としては、現在の外部環境条件値を“300台以上1,000台未満”、将来の文書管理システムを拡張した場合の外部環境条件値を“1,000台以上5,000台未満”あるいは“5,000台以上”としている。そのため、前者は品質リスクの評価対象となっており、後者は技術リスクの評価対象となっている。
【0071】
ステップS105では、リスク評価値集計部205が、ステップS104でリスク評価値記憶部202により記憶された環境・障害判定表501とステップS102で環境候補値入力部204により入力されたリスク・環境判定表601とを磁気ディスク装置920から読み取る。そして、リスク評価値集計部205は、リスク・環境判定表601で“△”が設定された項目に対応する外部環境条件値をキーとして、環境・障害判定表501の行データをCPU911で抽出する。リスク評価値集計部205は、抽出した行データで“○”が設定された項目を1点、“×”が設定された項目を3点、無印の項目を2点とし、リスク・環境判定表601で“△”が設定された項目に対応するリスクの種類に応じて重み付けを行う。即ち、品質リスクの行データについては、各項目の点数を3倍し、技術リスクの行データについては、各項目の点数を2倍する。そして、リスク評価値集計部205は、それぞれの行データを、図14に示すリスク・障害判定表701に挿入して磁気ディスク装置920に記憶する。
【0072】
以下、ステップS105のリスク評価値集計処理を、図14のリスク・障害判定表701の行ごとに説明する。
(1)図13のリスク・環境判定表601で“△”が設定された項目のうち、「リスク」が“ライセンスリスク”、「評価対象」が“知的財産権侵害”となる項目に対応する外部環境条件値としては、「環境種別」が“(i)利用環境”、「環境条件」が“(1)契約形態”、「選択肢」が“商用利用”となるものが該当する。そのため、リスク評価値集計部205は、この外部環境条件値(“商用利用”の「選択肢」)をキーとして、図12の環境・障害判定表501の行データをCPU911で抽出する。該当する行データは、左から“○”、“○”、“○”、“○”、“○”、“○”となっている。そのため、リスク評価値集計部205は、図14のリスク・障害判定表701の1行目であって、「リスク」が“ライセンスリスク”、「評価対象」が“知的財産権侵害”となる行データに、左から“1”(=1点×1倍)、“1”(=1点×1倍)、“1”(=1点×1倍)、“1”(=1点×1倍)、“1”(=1点×1倍)、“1”(=1点×1倍)を設定して磁気ディスク装置920に記憶する。
(2)図13のリスク・環境判定表601で“△”が設定された項目のうち、「リスク」が“品質リスク”、「評価対象」が“利用形態”となる項目に対応する外部環境条件値としては、「環境種別」が“(i)利用環境”、「環境条件」が“(2)利用形態”、「選択肢」が“単独利用”となるものが該当する。そのため、リスク評価値集計部205は、この外部環境条件値(“単独利用”の「選択肢」)をキーとして、図12の環境・障害判定表501の行データをCPU911で抽出する。該当する行データは、左から“○”、“○”、“○”、無印、“○”、無印となっている。そのため、リスク評価値集計部205は、図14のリスク・障害判定表701の2行目であって、「リスク」が“品質リスク”、「評価対象」が“利用形態”となる行データに、左から“3”(=1点×3倍)、“3”(=1点×3倍)、“3”(=1点×3倍)、“6”(=2点×3倍)、“3”(=1点×3倍)、“6”(=2点×3倍)を設定して磁気ディスク装置920に記憶する。
(3)上記(2)と同様に、リスク評価値集計部205は、図14のリスク・障害判定表701の3行目であって、「リスク」が“品質リスク”、「評価対象」が“接続端末数”となる行データに、左から“3”(=1点×3倍)、“3”(=1点×3倍)、“3”(=1点×3倍)、“6”(=2点×3倍)、“3”(=1点×3倍)、“6”(=2点×3倍)を設定して磁気ディスク装置920に記憶する。
(4)上記(2)と同様に、リスク評価値集計部205は、図14のリスク・障害判定表701の4行目であって、「リスク」が“品質リスク”、「評価対象」が“特殊プロトコル”となる行データに、左から“3”(=1点×3倍)、“3”(=1点×3倍)、“3”(=1点×3倍)、“6”(=2点×3倍)、“3”(=1点×3倍)、“6”(=2点×3倍)を設定して磁気ディスク装置920に記憶する。
(5)図13のリスク・環境判定表601で“△”が設定された項目のうち、「リスク」が“技術リスク”、「評価対象」が“利用形態”となる項目に対応する外部環境条件値としては、「環境種別」が“(i)利用環境”、「環境条件」が“(2)利用形態”、「選択肢」が“共同利用”となるものが該当する。そのため、リスク評価値集計部205は、この外部環境条件値(“共同利用”の「選択肢」)をキーとして、図12の環境・障害判定表501の行データをCPU911で抽出する。該当する行データは、左から“○”、無印、“○”、無印、“○”、無印となっている。そのため、リスク評価値集計部205は、図14のリスク・障害判定表701の5行目であって、「リスク」が“技術リスク”、「評価対象」が“利用形態”となる行データに、左から“2”(=1点×2倍)、“4”(=2点×2倍)、“2”(=1点×2倍)、“4”(=2点×2倍)、“2”(=1点×2倍)、“4”(=2点×2倍)を設定して磁気ディスク装置920に記憶する。
(6)図13のリスク・環境判定表601で“△”が設定された項目のうち、「リスク」が“技術リスク”、「評価対象」が“利用形態”となる項目に対応する外部環境条件値としては、「環境種別」が“(ii)端末環境”、「環境条件」が“(1)接続端末数”、「選択肢」が“1,000台以上5,000台未満”あるいは“5,000台以上”となるものが該当する。そのため、リスク評価値集計部205は、この外部環境条件値の一方(“1,000台以上5,000台未満”の「選択肢」)をキーとして、図12の環境・障害判定表501の行データをCPU911で抽出する。該当する行データは、左から無印、無印、無印、無印、無印、無印となっている。そのため、リスク評価値集計部205は、図14のリスク・障害判定表701の6行目であって、「リスク」が“技術リスク”、「評価対象」が“利用形態”、「選択肢」が“1,000台以上5,000台未満”となる行データに、左から“4”(=2点×2倍)、“4”(=2点×2倍)、“4”(=2点×2倍)、“4”(=2点×2倍)、“4”(=2点×2倍)、“4”(=2点×2倍)を設定して磁気ディスク装置920に記憶する。
(7)リスク評価値集計部205は、上記(6)の外部環境条件値の他方(“5,000台以上”の「選択肢」)についても同様の処理を行い、図14のリスク・障害判定表701の7行目であって、「リスク」が“技術リスク”、「評価対象」が“利用形態”、「選択肢」が“5,000台以上”となる行データに、左から“4”(=2点×2倍)、“4”(=2点×2倍)、“4”(=2点×2倍)、“4”(=2点×2倍)、“4”(=2点×2倍)、“4”(=2点×2倍)を設定して磁気ディスク装置920に記憶する。
(8)上記(3)と同様に、リスク評価値集計部205は、図14のリスク・障害判定表701の8行目であって、「リスク」が“技術リスク”、「評価対象」が“特殊プロトコル”となる行データに、左から“2”(=1点×2倍)、“4”(=2点×2倍)、“2”(=1点×2倍)、“4”(=2点×2倍)、“2”(=1点×2倍)、“4”(=2点×2倍)を設定して磁気ディスク装置920に記憶する。
(9)リスク評価値集計部205は、上記(1)〜(8)で設定した点数を、Apacheのバージョンと「障害種別」との組み合わせごとにCPU911で集計する。
(a)Apacheのバージョンが“2.0”で「障害種別」が“(A)端末フリーズ”となる列データは、上から順に加算すると、1点+3点+3点+3点+2点+4点+4点+2点=22点となる。一方、Apacheのバージョンが“2.2”の場合は、1点+3点+3点+3点+4点+4点+4点+4点=26点となる。
(b)Apacheのバージョンが“2.0”で「障害種別」が“(B)サーバエラー”となる列データは、上から順に加算すると、1点+3点+3点+3点+2点+4点+4点+2点=22点となる。一方、Apacheのバージョンが“2.2”の場合は、1点+6点+6点+6点+4点+4点+4点+4点=35点となる。
(c)Apacheのバージョンが“2.0”で「障害種別」が“(C)画面白表示”となる列データは、上から順に加算すると、1点+3点+3点+3点+2点+4点+4点+2点=22点となる。一方、Apacheのバージョンが“2.2”の場合は、1点+6点+6点+6点+4点+4点+4点+4点=35点となる。
(10)リスク評価値集計部205は、上記(9)で集計した点数を、さらに、ApacheのバージョンごとにCPU911で集計する。Apacheのバージョンが“2.0”の場合は、左から順に加算すると、22点+22点+22点=66点となる。一方、Apacheのバージョンが“2.2”の場合は、26点+35点+35点=96点となる。
【0073】
ステップS106では、リスク評価値選択部206が、ステップS105でリスク評価値集計部205によりApacheのバージョンごとに集計された点数のうち、より低い点数、即ち、66点(<99点)をCPU911で選択する。
【0074】
ステップS107では、推奨値出力部207が、ステップS106でリスク評価値選択部206により選択されたリスク評価値の点数に対応するApacheのバージョン、即ち、“2.0”をチューニング値として表示装置901へ出力する。
【0075】
ステップS108では、推奨値出力部207が、操作画面401で選択されているタブの設定ファイル(Apache/httpd.conf)に係る全ての環境変数のチューニングが完了したかどうかをCPU911で判定する。この例では、「いいえ」と判定されるものとする。したがって、ステップS105から次の環境変数のチューニングが実行されることとなる。
【0076】
次に、第2の例を示す。ここで、第2の例が第1の例に続けて行われる処理(第1の例のステップS108で「いいえ」と判定された後の処理)だとすると、以下に示すステップS101〜S104は、第1の例のステップS101〜S104で一括処理されていることとなる。
【0077】
第2の例において、ステップS101(第1の例との一括処理が可能)では、障害記憶部201が、APサーバ301のApacheのhttpd.conf中で設定されるTimeoutに関連するOSS障害情報114をインターネットから取得して磁気ディスク装置920に記憶する。
【0078】
ステップS102(第1の例との一括処理が可能)では、デフォルト値記憶部203が、Timeoutのデフォルト値を“300秒”として予め、あるいは、httpd.confから取得して磁気ディスク装置920に記憶する。デフォルト値記憶部203がデフォルト値をhttpd.confから取得する場合、デフォルト値とは、httpd.confにて現在Timeoutに設定されている値をいう。
【0079】
ステップS103(第1の例との一括処理が可能)では、リスク評価値記憶部202が、OSS障害リスク情報として、図15に示す環境・障害判定表502を磁気ディスク装置920に記憶する。この環境・障害判定表502は、APサーバ301のApacheのhttpd.conf中でTimeoutの値として設定可能な“300秒”(ステップS102で記憶されたデフォルト値)及び“60秒”のそれぞれに対応するリスク評価値の点数を、外部環境条件値(縦軸)と障害の「障害種別」(横軸)との組み合わせごとに示したものである。第1の例と同様に、環境・障害判定表502においては、各項目が対応する外部環境条件値と障害の「障害種別」とTimeoutの値との組み合わせについて、それぞれの項目に“○”又は“×”が設定されるか、あるいは、何も設定されない(無印となる)。“○”を1点、“×”を3点、無印を2点として、リスクを定量評価することについても、第1の例と同様である。
【0080】
ステップS104(第1の例との一括処理が可能)では、環境候補値入力部204が、現在の外部環境条件値、及び、将来の文書管理システムを拡張した場合などに想定される外部環境条件値の入力をキーボード902やマウス903から受け付け、図13に示すリスク・環境判定表601として磁気ディスク装置920に記憶する。この環境候補値入力部204については、第1の例と同様である。
【0081】
ステップS105では、リスク評価値集計部205が、ステップS104でリスク評価値記憶部202により記憶された環境・障害判定表502とステップS102で環境候補値入力部204により入力されたリスク・環境判定表601とを磁気ディスク装置920から読み取る。そして、リスク評価値集計部205は、第1の例と同様に、リスク・環境判定表601で“△”が設定された項目に対応する外部環境条件値をキーとして、環境・障害判定表502の行データをCPU911で抽出し、抽出した行データの各項目に対する重み付けを行う。そして、リスク評価値集計部205は、それぞれの行データを、図16に示すリスク・障害判定表702に挿入して磁気ディスク装置920に記憶する。
【0082】
以下、ステップS105のリスク評価値集計処理を、図16のリスク・障害判定表702の行ごとに説明する。
(1)図16のリスク・障害判定表702の1行目については、第1の例と同様である。
(2)図16のリスク・障害判定表702の2行目については、第1の例と同様である。
(3)図13のリスク・環境判定表601で“△”が設定された項目のうち、「リスク」が“品質リスク”、「評価対象」が“接続端末数”となる項目に対応する外部環境条件値としては、「環境種別」が“(ii)端末環境”、「環境条件」が“(1)接続端末数”、「選択肢」が“300台以上1,000台未満”となるものが該当する。そのため、リスク評価値集計部205は、この外部環境条件値(“300台以上1,000台未満”の「選択肢」)をキーとして、図15の環境・障害判定表502の行データをCPU911で抽出する。該当する行データは、左から“×”、“○”、“×”、“○”、“×”、“○”となっている。そのため、リスク評価値集計部205は、図16のリスク・障害判定表702の3行目であって、「リスク」が“品質リスク”、「評価対象」が“接続端末数”となる行データに、左から“9”(=3点×3倍)、“3”(=1点×3倍)、“9”(=3点×3倍)、“3”(=1点×3倍)、“9”(=3点×3倍)、“3”(=1点×3倍)を設定して磁気ディスク装置920に記憶する。
(4)上記(3)と同様に、リスク評価値集計部205は、図16のリスク・障害判定表702の4行目であって、「リスク」が“品質リスク”、「評価対象」が“特殊プロトコル”となる行データに、左から“9”(=3点×3倍)、“3”(=1点×3倍)、“9”(=3点×3倍)、“3”(=1点×3倍)、“9”(=3点×3倍)、“3”(=1点×3倍)を設定して磁気ディスク装置920に記憶する。
(5)図16のリスク・障害判定表702の5行目については、第1の例と同様である。
(6)図13のリスク・環境判定表601で“△”が設定された項目のうち、「リスク」が“技術リスク”、「評価対象」が“接続端末数”となる項目に対応する外部環境条件値としては、「環境種別」が“(ii)端末環境”、「環境条件」が“(1)接続端末数”、「選択肢」が“1,000台以上5,000台未満”となるものが該当する。そのため、リスク評価値集計部205は、この外部環境条件値(“1,000台以上5,000台未満”の「選択肢」)をキーとして、図15の環境・障害判定表502の行データをCPU911で抽出する。該当する行データは、左から無印、“○”、無印、“○”、無印、“○”となっている。そのため、リスク評価値集計部205は、図16のリスク・障害判定表702の6行目であって、「リスク」が“技術リスク”、「評価対象」が“接続端末数”となる行データに、左から“4”(=2点×2倍)、“2”(=1点×2倍)、“4”(=2点×2倍)、“2”(=1点×2倍)、“4”(=2点×2倍)、“2”(=1点×2倍)を設定して磁気ディスク装置920に記憶する。
(7)図16のリスク・障害判定表702の7行目については、第1の例と同様である。
(8)図16のリスク・障害判定表702の8行目については、第1の例と同様である。
(9)リスク評価値集計部205は、上記(1)〜(8)で設定した点数を、Timeoutの値と「障害種別」との組み合わせごとにCPU911で集計する。
(a)Timeoutの値が“300秒”で「障害種別」が“(A)端末フリーズ”となる列データは、上から順に加算すると、1点+3点+9点+9点+2点+4点+4点+2点=34点となる。一方、Timeoutの値が“60秒”の場合は、1点+3点+3点+3点+4点+2点+4点+4点=24点となる。
(b)Timeoutの値が“300秒”で「障害種別」が“(B)サーバエラー”となる列データは、上から順に加算すると、1点+3点+9点+9点+2点+4点+4点+2点=34点となる。一方、Timeoutの値が“60秒”の場合は、1点+6点+3点+3点+4点+2点+4点+4点=27点となる。
(c)Timeoutの値が“300秒”で「障害種別」が“(C)画面白表示”となる列データは、上から順に加算すると、1点+3点+9点+9点+2点+4点+4点+2点=34点となる。一方、Timeoutの値が“60秒”の場合は、1点+6点+3点+3点+4点+2点+4点+4点=27点となる。
(10)リスク評価値集計部205は、上記(9)で集計した点数を、さらに、Timeoutの値ごとにCPU911で集計する。Timeoutの値が“300秒”の場合は、左から順に加算すると、34点+34点+34点=102点となる。一方、Timeoutの値が“60秒”の場合は、24点+27点+27点=78点となる。
【0083】
ステップS106では、リスク評価値選択部206が、ステップS105でリスク評価値集計部205によりTimeoutの値ごとに集計された点数のうち、より低い点数、即ち、78点(<102点)をCPU911で選択する。
【0084】
ステップS107では、推奨値出力部207が、ステップS106でリスク評価値選択部206により選択されたリスク評価値の点数に対応するTimeoutの値、即ち、“60秒”をチューニング値として表示装置901へ出力する。
【0085】
ステップS108では、推奨値出力部207が、操作画面401で選択されているタブの設定ファイル(Apache/httpd.conf)に係る全ての環境変数のチューニングが完了したかどうかをCPU911で判定する。この例では、「はい」と判定されるものとする。したがって、チューニングの処理が終了する。
【0086】
このように、本実施の形態では、OSS自動チューニング装置200が、業務システム104の外部環境条件に対応したOSS障害リスク情報を基にして、ライセンス面(知的財産権侵害の危険性)、品質面(障害対策としての有効性)、技術面(拡張性)のリスクをより低くするために変更可能なOSS環境変数値を抽出する。これにより、業務システム104の運用時の多様なトラブルを未然に防ぐことが可能となる。上記の2つの例では、OSS自動チューニング装置200は、OSS環境変数値として、Apacheのバージョン及びhttpd.confで設定されるTimeoutの値のチューニング値を決定していたが、本実施の形態によれば、他にも、図17に例示する多様な環境変数のチューニング値を決定することができる。
【0087】
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0088】
図18は、本実施の形態に係るOSS自動インストールシステム100を含むコンピュータネットワーク全体の構成を示すブロック図である。
【0089】
図18において、OSS自動インストールシステム100の構成以外は、実施の形態1で図1に示したものと同様である。
【0090】
本実施の形態では、OSS自動インストールシステム100において、OSS自動インストール実行装置119ではなく、OSS自動チューニング装置200が、自律的に、チューニングの結果を環境変数/設定ファイル106,108,110に反映し、OSS基本ソフトインストールバッチ111、OSSミドルソフトインストールバッチ112、OSS業務ソフトインストールバッチ113を用いて、各OSSのインストールを実行する。
【0091】
図19は、OSS自動チューニング装置200の構成を示すブロック図である。
【0092】
図19において、OSS自動チューニング装置200は、実施の形態1で図3に示したもののほか、インストール実行部208を備える。
【0093】
インストール実行部208は、リスク評価値選択部206により選択されたリスク評価値に対応する設定候補値を、設定条件を表す項目の各々に設定し、OSSのインストールを処理装置252で実行する。
【0094】
以下では、実施の形態1で用いたものと同様の例により、OSS自動チューニング装置200を実現するコンピュータ上で実行されるOSS自動チューニングプログラムの処理手順について説明する。
【0095】
図20は、本実施の形態に係るOSS自動チューニング方法を示すフローチャートである。
【0096】
ステップS201〜S208は、実施の形態1で図5に示したステップS101〜S108と同様である。
【0097】
インストール実行部208は、ステップS207でリスク評価値選択部206により選択されたリスク評価値の点数に対応するOSS環境変数値を、OSS基本ソフト105の環境変数/設定ファイル106、OSSミドルソフト107の環境変数/設定ファイル108、OSS業務ソフト109の環境変数/設定ファイル110の各々に設定し、OSSのインストールをCPU911で実行する(ステップS209:インストール実行処理)。
【0098】
このように、本実施の形態では、OSS自動チューニング装置200が、自動的にチューニングを実行した結果に基づいて、さらに、自動的にOSSのインストールを実行するため、業務システム104へのOSSのインストール作業が容易となる。
【0099】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらのうち、2つ以上の実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態を部分的に実施しても構わない。あるいは、これらのうち、2つ以上の実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】実施の形態1におけるOSS(オープンソフトウェアシステム)自動インストールシステムを含むコンピュータネットワーク全体の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1における業務システムが文書管理システムである場合の構成例を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1におけるOSS自動チューニング装置の構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1におけるOSS自動チューニング装置のハードウェア資源の一例を示す図である。
【図5】実施の形態1におけるOSS自動チューニング方法を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1における環境条件を表す値の一例を示す表である。
【図7】実施の形態1における設定条件を表す値及び障害として発生する現象の一例を示す表である。
【図8】実施の形態1における業務システム導入テンプレート設定ファイルの一例を示す表である。
【図9】実施の形態1における業務システム導入テンプレート設定ファイルの一例を示す表である。
【図10】実施の形態1におけるGUI(グラフィカルユーザインタフェース)の一例を示す図である。
【図11】実施の形態1におけるOSSのライセンスリスクに関する情報の一例を示す表である。
【図12】実施の形態1における環境・障害判定表の一例である。
【図13】実施の形態1におけるリスク・環境判定表の一例である。
【図14】実施の形態1におけるリスク・障害判定表の一例である。
【図15】実施の形態1における環境・障害判定表の一例である。
【図16】実施の形態1におけるリスク・障害判定表の一例である。
【図17】実施の形態1におけるチューニング値及びデフォルト値の一例を示す表である。
【図18】実施の形態2におけるOSS自動インストールシステムを含むコンピュータネットワーク全体の構成を示すブロック図である。
【図19】実施の形態2におけるOSS自動チューニング装置の構成を示すブロック図である。
【図20】実施の形態2におけるOSS自動チューニング方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0101】
100 OSS自動インストールシステム、101 端末、102 ネットワーク、103 他システム、104 業務システム、105 OSS基本ソフト、106 環境変数/設定ファイル、107 OSSミドルソフト、108 環境変数/設定ファイル、109 OSS業務ソフト、110 環境変数/設定ファイル、111 OSS基本ソフトインストールバッチ、112 OSSミドルソフトインストールバッチ、113 OSS業務ソフトインストールバッチ、114 OSS障害情報、115 OSS業務システム導入テンプレート、116 業務システム外部環境条件ファイル、117 業務システム導入テンプレート設定ファイル、118 チューニング結果出力画面、119 OSS自動インストール実行装置、200 OSS自動チューニング装置、201 障害記憶部、202 リスク評価値記憶部、203 デフォルト値記憶部、204 環境候補値入力部、205 リスク評価値集計部、206 リスク評価値選択部、207 推奨値出力部、208 インストール実行部、210 チューニング条件入力処理部、211 自動チューニング実行処理部、251 記憶装置、252 処理装置、253 入力装置、254 出力装置、301 APサーバ、302 DBサーバ、303 文書管理サーバ、304 運用管理サーバ、305 LAN、311 HTTPサーバOSS、312 連携モジュール、313 HTTP通信規約設定ファイル、314 HTTP通信動作設定ファイル、315 APサーバOSS、316 Webサービス定義ファイル、317 Webサービスワークフロー定義ファイル、401 操作画面、501,502 環境・障害判定表、601 リスク・環境判定表、701,702 リスク・障害判定表、801 OSS環境変数チューニング値出力ファイル、901 表示装置、902 キーボード、903 マウス、904 FDD、905 CDD、906 プリンタ装置、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 オペレーティングシステム、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトウェアのインストール対象の環境条件と前記ソフトウェアのインストール時の設定条件とをそれぞれ複数の項目に分けて表し、前記環境条件を表す項目の各々がとる値に基づいて、前記設定条件を表す項目の各々の推奨値を決定するインストール支援装置であって、
前記環境条件を表す項目の各々がとり得る値である環境候補値と前記設定条件を表す項目の各々がとり得る値である設定候補値との組み合わせの各々に対応させて、各設定候補値が表す設定条件と各環境候補値が表す環境条件との下で前記ソフトウェアの実行時に障害が発生するリスクを表すリスク評価値を記憶装置に記憶するリスク評価値記憶部と、
少なくとも1つの環境候補値を入力装置から入力する環境候補値入力部と、
前記リスク評価値記憶部により記憶されたリスク評価値のうち、前記環境候補値入力部により入力された環境候補値に対応するリスク評価値を記憶装置から読み取り、読み取ったリスク評価値を、対応する設定候補値ごとに処理装置で集計するリスク評価値集計部と、
前記リスク評価値集計部により集計されたリスク評価値のうち、より低いリスクを表すリスク評価値を、前記設定条件を表す項目ごとに処理装置で選択するリスク評価値選択部と、
前記リスク評価値選択部により選択されたリスク評価値に対応する設定候補値を、前記設定条件を表す項目の各々の推奨値として出力装置へ出力する推奨値出力部とを備えることを特徴とするインストール支援装置。
【請求項2】
前記リスク評価値記憶部は、前記環境条件を表す項目の各々がとり得る環境候補値と前記設定条件を表す項目の各々がとり得る設定候補値と前記障害として発生し得る現象との組み合わせの各々に対応させて、各設定候補値が表す設定条件と各環境候補値が表す環境条件との下で前記ソフトウェアの実行時に各現象が発生するリスクを表すリスク評価値を記憶装置に記憶し、
前記リスク評価値集計部は、前記リスク評価値記憶部により記憶されたリスク評価値のうち、前記環境候補値入力部により入力された環境候補値に対応するリスク評価値を記憶装置から読み取り、読み取ったリスク評価値を、対応する設定候補値と現象との組み合わせごとに集計し、集計したリスク評価値を、さらに、対応する設定候補値ごとに処理装置で集計することを特徴とする請求項1に記載のインストール支援装置。
【請求項3】
前記インストール支援装置は、さらに、
過去に前記障害が発生したときの環境条件を表す値と設定条件を表す値と発生した現象との組み合わせを、障害情報として記憶装置に記憶する障害記憶部を備え、
前記リスク評価値記憶部は、前記障害記憶部により記憶された障害情報を記憶装置から読み取り、読み取った障害情報と一致する環境候補値と設定候補値と現象との組み合わせに対応するリスク評価値を、より高いリスクを表すリスク評価値として記憶装置に記憶することを特徴とする請求項2に記載のインストール支援装置。
【請求項4】
前記インストール支援装置は、さらに、
前記設定条件を表す項目の各々のデフォルト値を記憶装置に記憶するデフォルト値記憶部を備え、
前記推奨値出力部は、前記デフォルト値記憶部により記憶されたデフォルト値を記憶装置から前記設定条件を表す項目ごとに読み取り、読み取ったデフォルト値が前記リスク評価値選択部により選択されたリスク評価値に対応する設定候補値と異なる場合、前記設定条件を表す項目の各々のデフォルト値と推奨値との両方を出力装置へ出力することを特徴とする請求項1に記載のインストール支援装置。
【請求項5】
前記環境候補値入力部は、前記環境条件を表す項目の1つがとり得る環境候補値のうち、前記ソフトウェアのインストール時の環境条件を表す値と当該環境条件が前記ソフトウェアのインストール後に変更された場合の環境条件を表す値との両方を入力することを特徴とする請求項1に記載のインストール支援装置。
【請求項6】
前記設定条件を表す項目のいくつかは、複数のソフトウェアの各々のインストールに用いられる設定ファイルで設定されるパラメータであり、
前記推奨値出力部は、各パラメータの推奨値を、各パラメータが設定される設定ファイルごとにタブが設けられた表示画面の、対応するタブ内に出力することを特徴とする請求項1に記載のインストール支援装置。
【請求項7】
前記設定条件を表す項目の1つは、前記ソフトウェアのバージョンであることを特徴とする請求項1に記載のインストール支援装置。
【請求項8】
前記インストール支援装置は、さらに、
前記リスク評価値選択部により選択されたリスク評価値に対応する設定候補値を、前記設定条件を表す項目の各々に設定し、前記ソフトウェアのインストールを処理装置で実行するインストール実行部を備えることを特徴とする請求項1に記載のインストール支援装置。
【請求項9】
ソフトウェアのインストール対象の環境条件と前記ソフトウェアのインストール時の設定条件とをそれぞれ複数の項目に分けて表し、前記環境条件を表す項目の各々がとる値に基づいて、前記設定条件を表す項目の各々の推奨値を決定するインストール支援プログラムであって、
前記環境条件を表す項目の各々がとり得る値である環境候補値と前記設定条件を表す項目の各々がとり得る値である設定候補値との組み合わせの各々に対応させて、各設定候補値が表す設定条件と各環境候補値が表す環境条件との下で前記ソフトウェアの実行時に障害が発生するリスクを表すリスク評価値を記憶装置に記憶するリスク評価値記憶処理と、
少なくとも1つの環境候補値を入力装置から入力する環境候補値入力処理と、
前記リスク評価値記憶処理により記憶されたリスク評価値のうち、前記環境候補値入力処理により入力された環境候補値に対応するリスク評価値を記憶装置から読み取り、読み取ったリスク評価値を、対応する設定候補値ごとに処理装置で集計するリスク評価値集計処理と、
前記リスク評価値集計処理により集計されたリスク評価値のうち、より低いリスクを表すリスク評価値を、前記設定条件を表す項目ごとに処理装置で選択するリスク評価値選択処理と、
前記リスク評価値選択処理により選択されたリスク評価値に対応する設定候補値を、前記設定条件を表す項目の各々の推奨値として出力装置へ出力する推奨値出力処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするインストール支援プログラム。
【請求項10】
ソフトウェアのインストール対象の環境条件と前記ソフトウェアのインストール時の設定条件とをそれぞれ複数の項目に分けて表し、前記環境条件を表す項目の各々がとる値に基づいて、前記設定条件を表す項目の各々の推奨値を決定するインストール支援方法であって、
コンピュータのリスク評価値記憶部が、前記環境条件を表す項目の各々がとり得る値である環境候補値と前記設定条件を表す項目の各々がとり得る値である設定候補値との組み合わせの各々に対応させて、各設定候補値が表す設定条件と各環境候補値が表す環境条件との下で前記ソフトウェアの実行時に障害が発生するリスクを表すリスク評価値を記憶装置に記憶し、
コンピュータの環境候補値入力部が、少なくとも1つの環境候補値を入力装置から入力し、
コンピュータのリスク評価値集計部が、前記リスク評価値記憶部により記憶されたリスク評価値のうち、前記環境候補値入力部により入力された環境候補値に対応するリスク評価値を記憶装置から読み取り、読み取ったリスク評価値を、対応する設定候補値ごとに処理装置で集計し、
コンピュータのリスク評価値選択部が、前記リスク評価値集計部により集計されたリスク評価値のうち、より低いリスクを表すリスク評価値を、前記設定条件を表す項目ごとに処理装置で選択し、
コンピュータの推奨値出力部が、前記リスク評価値選択部により選択されたリスク評価値に対応する設定候補値を、前記設定条件を表す項目の各々の推奨値として出力装置へ出力することを特徴とするインストール支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−210241(P2008−210241A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−47452(P2007−47452)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】