説明

インタラクティブ・ディジタル・メディア・コンテンツ・リクエスト用装置および方法

ローカル・エリア再生装置上のコンテンツまたはメディアをより簡単に選択する方法を提供する。遠隔ユーザ・インタフェースは、第1の通信回線を通してディジタル・メディア・リクエストを、ディジタル・オーディオ−ビジュアル再生装置に保存されたディジタル・メディアを選択し演奏するための演奏するための再生装置と第2の通信回線によって接続されるメディア管理制御に送信する。メディア管理制御は、ユーザ・リクエストが特定の再生装置での演奏のために受け入れられるかまたは拒否されるか否か、を判定する際の各再生装置に適用可能なルール・セットを実行する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、一般に、ローカル・エリア再生装置からオーディオ/ビデオ媒体の再生を要求するための装置および方法に関する。
【0002】
ジュークボックス産業は、サロンのオーナーだったチャーリー・グラス(Charlie Glass)が「Nickel in the Slot」を発明した1887年以来存在し、これが娯楽産業を誕生させ、レコード業界の発展に拍車をかけた。この出来事は、固有のサービスを消費者と交換する「マイクロペイメント(micro-payment)」ビジネス・モデルの初期の開始時点であると考えられる。
【0003】
ジュークボックス産業は、現在、経済的にも技術的にも第3次ブームに入っている。
企業ネットワーク・ジュークボックス製品の出現により、システム監視、コンテンツ更新およびサービス管理は、従来のジュークボックス事業と比較してより費用効果的の高いものになった。さらに、センサおよびソフトウェア・ベースのユーザ・インタフェース技術により、消費者用のアーティスト、アルバムおよび歌曲検索機能が改良され、リッチ・メディア・ディジタル・タッチ・スクリーンを介して無制限の数のコンテンツの選択対象を閲覧することが可能となった。
【0004】
従来のCDジュークボックスよりも音楽コンテンツの選択対象をさらに拡大するために、ディジタル・ジュークボックスが最近になって開発された。ネットワーク化されたディジタル・ジュークボックス・システムの出現により、ハードディスク記憶容量をペイ・フォー・プレイの(pay-for-play)娯楽装置に組み込むという選択肢を実現し、娯楽装置の通信ネットワーク上の音楽を更新するより効率的な手段を提供することで、オンサイト技術者の訪問を組織的に減らしている。ネットワーク・ディジタル・ジュークボックスは、ディジタル技術およびインターネットを活用するクライアントサーバ・ソフトウェア・システムを採用することで、利用者(patrons)に次世代機能を提供し、ジュークボックス経営者にはウェブ・ポータルを介してジュークボックスを中央管理する機能を提供する。各ジュークボックスの媒体のオンサイト記憶装置は、ジュークボックス・ネットワーク・サーバによって送信される新規なディジタル・メディアによって、定期的に変更することができる。この結果、ネットワーク・オペレータは、遠隔からコンテンツを更新し、利用情報および収益情報を読み出し、価格設定や演奏設定を変更し、ジュークボックスのヘルス統計値を確認することができる。
【0005】
同様に、この技術により、利用者は、ローカル・ハードディスクに保存されている、あるいは統合化されているおよび/または遠隔のライブラリ機構からダウンロード可能なコンテンツおよび歌曲にアクセスし、この出力をローカル・ジュークボックスで再生することができる。
【0006】
それでもやはり、いくつかの機能が最も初期のマシンから繰り越しされている。これらの機能のうちの1つには、ジュークボックス娯楽装置上におよび/またはその内部に正確に配置されるカタログ・メカニズムに物理的に影響を及ぼすことによって、歌曲を選択することを通して閲覧し、演奏する1曲を選択するという要件がある。現代のジュークボックスの中心的な機能には、ジュークボックス娯楽装置上におよび/または内部で正確に配置されるセンサおよびソフトウェア・ベースのユーザ・インタフェース技術がある。この技術により、消費者のためのアーティスト、アルバム、歌曲選択機能を改良し、ディジタル・タッチスクリーンを介して実質的に無制限の数のカタログ選択対象を閲覧することを可能にしている。通貨、クレジットカードまたはプリペイド課金カード等用の金銭受領装置を採用して、現代的なタッチスクリーンマシンから発せられるいかなるジュークボックス・リクエストについても認証を行う。選択されたメディアがジュークボックスに保存されていれば、このリクエストがジュークボックスによって実行される。そうでない場合には、このリクエストは、このジュークボックスから、ジュークボックス・ネットワーク・サーバに送信され、このサーバでは音楽、ビデオまたは他のディジタル選択対象は特定のジュークボックスへ送り返される。
【0007】
こうした業界の発展にもかかわらず、従来のシステムおよびディジタル・システムの両方に関連する重大な管理上の問題および関連する使用上の問題が未解決のままである。さらに、広範囲な選択対象及びコンテンツ容量を特徴とする、ネットワーク化されたタッチ・スクリーン・ジュークボックス製品は、ネットワーク・オペレータには大量処理によって得られる経済的効果とは逆の効果を潜在的に生じさせた。
【0008】
場所に基づいたジュークボックス歌曲選択は、今日の競争的現実に対処「するべきはずの」ものというほどには、効率的で、同時に双方向的で、個人的に魅力的なものにはなっていない。従来のシステムに関連した重大な使用上の問題、および指数関数的(exponentially)にさらに厄介になるネットワーク化されたディジタル・ジュークボックス製品とは、これらのシステムによりユーザは、直線的方法または「一度に1人」というやり方で、音楽コンテンツを閲覧し、選択し、命令を出すようにと求められるということである。これにより、処理の最大量が制限され、各ジュークボックスの場所でユーザ毎の「滞在(dwell)」時間が潜在的に増加する。現在のシステム設計では、購入時点での直線的な選択および支払いと受理のメカニズム(すなわち硬貨)に結びつくキオスク(kiosk)で売られる物理的な製品に限定されたままである。顧客は、最初にキオスクのまさに近接する領域内に移動し、ジュークボックス・インタフェースに直接向き合い、所望のコンテンツの選択対象を入力し、支払いについてこの装置を直接動作させることで、注文を実行する必要がある。加えて、利用上のデータを人口統計学的情報のためにデータマイニングすることはできないので、個人用サービス・モデルあるいは消費者に関連するディジタル製品のクロスマーケティング(例えば、無線ダウンロード、ターゲットを定めた宣伝または広告)に対する直接的な通信チャネルは現時点で存在しない。
【0009】
ネットワーク化されたディジタル・システムの場合、上記した反比例の関係は、まさに悪化する。この理由は以下の通りである。i)現在の製品設計では、ユーザが現在のコンテンツ・カタログを閲覧する際に、必ずしも歌曲の注文をしない場合であっても、ユーザがまさに娯楽出力装置の近くにいなければならないという要件を保ち続けている、ii)現在の製品設計では、ユーザが利用可能な検索、選択機能およびカタログ容量が増加している、iii)現在の製品設計では、注文に要する時間がユーザ間で予測できない可変的なものであっても、利用可能なカタログに対して「単一ユーザ」が直線的にアクセスすることが強制されている、iv)現在の製品設計では、効率的なコンテンツの取り込み、場所の更新およびオン・デマンド・ダウンロード構造を利用していない、v)現在の製品設計では、複数に区域分けされた娯楽の現場用に、複数のキオスク選択装置の設置場所を必要としている、vi)選択および出力方法は利用可能な支払システムと結合している。このシステム設計のパラドックスは、ジュークボックス・ハードウェアを購入し、コンテンツ・カタログにライセンスを与え、配信関係を築き、実質的な収益源を製造業者および設置場所の提供者と分け合い、コイン収集経路を管理し、多数のデバイスを維持し、重要なシステムおよびネットワーク要素の商業的実装を管理するディジタル・ネットワーク・オペレータに対して、不都合な経済的コストを潜在的に生み出している。さらに、電子ジュークボックス娯楽装置の生産/組立プロセスに関する高いコスト、およびオペレータの所有による総コストが、規模の経済性を低下させ、大量採用を減少させ、それに続いて起こる業界の断片化の原因となる。
【0010】
この業界の現在の解決法では、改良された機能または追加の機能を作成することにより、制限されている使用法および操作上の要因に対し部分的に対処している。そうした機能には、タッチ・スクリーンでの閲覧および検索機能、クレジットカードでの支払い、または優先的な再生メカニズム等が含まれ、顧客の注文を促し収益の機会を増やしている。そうした機能は、プレミアム価格(at price premium)で先のコンテンツ注文に先立って注文を出すことができる消費者に新たな選択肢を提供するが、売上の損失を解消するのではなく、一般には直線的なキオスク利用からの利益を減らしている。
【0011】
したがって、ローカル・エリア再生装置上のコンテンツまたはメディアをより簡単に選択する方法を提供することが望ましい。複数のユーザが再生の選択および再生サービスを同時にアクセス可能な方法および装置を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
特定された再生装置(playback device)の場所で特定のディジタル・メディア(digital media)再生を、ユーザにより無線で行うように選択するためのユーザ・リクエストを可能にする、ネットワーク化されたオーディオ・ディジタル再生システム(digital audio-visual playback system)における、インタラクティブなコンテンツ・リクエスト(interactive content requests)用の装置および方法が開示される。
【0013】
一つの態様では、この装置は、ディジタル・オーディオ−ビジュアル・メディア(digital audio-visual media)を再生することができるディジタル・オーディオ−ビジュアル再生装置でのコンテンツ選択(content selection)と、ユーザ・インタフェースとデータ通信において結合されるメディア管理制御(media management control)と、ディジタル・メディアのディジタル・オーディオ−ビジュアル再生装置への転送を制御するディジタル・オーディオ−ビジュアル再生装置を提供する。
【0014】
別の態様においては、
メモリにディジタル・メディアを格納するステップと、
ディジタル・オーディオ−ビジュアル再生装置と、特定されたディジタル・オーディオ−ビジュアル再生装置による演奏のために選択され格納されたディジタル・メディアと、の一方を特定するディジタル・オーディオ−ビジュアル再生装置から、遠隔のユーザ・インタフェースによりディジタル・メディア・コンテンツ・リクエストを生成するステップと、
通信回線を通してディジタル・メディア・コンテンツ・リクエストを制御に送信するステップと、ディジタル・オーディオ−ビジュアル再生装置により特定されたディジタル・メディアの演奏のために、制御することによりディジタル・オーディオ−ビジュアル再生装置に、特定されたディジタル・メディアを送信するステップと、を含むネットワーク化されたディジタル・オーディオ−ビジュアル再生装置でのコンテンツ選択の方法である。
【0015】
メディア管理制御は、再生装置ごとに再生のルールに基づいて、各ユーザ・リクエストで特定されたメディアを受け入れるかまたは拒否する。再生のグローバル・ルール(global rules)は、すべてのメディア管理制御のために確立される。ユーザ・リクエストを受信すると、再生のグローバル・ルールに基づくローカル・ルール・セット(local set of rules)が、各メディア管理制御によって実行される。リクエストされたディジタル・メディアが再生のローカル・ルールの全てを満たせば、メディア管理制御は再生装置での再生のためにリクエストされたディジタル・メディアを受け付ける。あるいは、リクエストされたディジタル・メディアが特定の再生装置での再生のためにローカル・ルールの全てを満たしていなければ、メディア管理制御はリクエストされたディジタル・メディアを拒否する。
【0016】
ルール・サブセット(rule subset)が提供され得、特定の再生装置のため、メディア管理制御により実行され得る。ルール・サブセットは、1日の時刻、曜日、月日又は年月日、特別なイベント等、可変的に(variably)発生するイベントに基づくことができる。
【0017】
可変的なイベントが発生する際に、ルールのサブセットがメディア管理制御によって、以降のユーザ・リクエスト全てに適用される。ルール・サブセットは、イベント時間中に、特定の再生装置に適用可能なグローバル・ルールまたはローカル・ルールのいずれかを変更することができる。
【0018】
現在のインタラクティブなディジタル・コンテンツ・リクエスト装置および方法は、ユーザにより遠隔から無線で選択されるディジタル・ジュークボックス等の、ディジタル・オーディオ再生装置によって再生されるディジタル・メディアを、一意に、利用可能にする。これにより、ユーザがジュークボックスの場所へ移動し、従来のジュークボックスに備えられる通常のキーボード、マウスおよび/またはタッチ・スクリーン・ディスプレイを介して選択するために入力する必要がなくなる。ディジタル・メディア選択プロセス全体は、インターフェイス・ユーザを通して、遠隔かつ無線により実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の様々な特徴、効果および他の用途を、以下の詳細な説明および図面を参照し、さらに明らかにする。
【0020】
【図1】現在のディジタル・メディア・コンテンツ・リクエスト装置の異なる態様のブロック図である。
【図2】現在のディジタル・メディア・コンテンツ・リクエスト装置の異なる態様のブロック図である。
【図3】現在のディジタル・メディア・コンテンツ・リクエスト装置の異なる態様のブロック図である。
【図4】現在のディジタル・メディア・コンテンツ・リクエスト装置の異なる態様のブロック図である。
【図5】現在のディジタル・メディア・コンテンツ・リクエスト装置の異なる態様のブロック図である。
【0021】
【図6】図1-5のいずれかに示される装置の詳細ブロック図である。
【0022】
【図7】図1-5に示されるモバイル・マネージャの詳細ブロック図である。
【0023】
【図8】ディジタル・メディア・コンテンツ・リクエスト装置の動作を示す流れ図である。
【0024】
【図9】メディア管理制御によるディジタル・メディア・コンテンツ・リクエストの再生に対するグローバル・ルール・セットの図示表現である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、移動通信装置から、ディジタル・コンピュータ・ジュークボックスのような、ローカル・ディジタル・オーディオ−ビジュアル再生装置により出力されるコンテンツ・イベントおよび/または歌曲を選択するための、通信ネットワーク内のインタラクティブな(interactive)ジュークボックス・リクエスト・システムを提供する。
【0026】
本明細書において用いられる「オーディオ−ビジュアル」という言葉は、音楽、発話等を含む音声データ、映画、ビデオゲームおよび他の視覚映像等の視覚データを含み、文字列や、オーディオ−ビジュアル再生装置に同時に出力される音声および映像の素材の組合せを含む。このように、音楽および音楽識別データについて以下にて言及するが、単なる一例であることが理解されよう。
【0027】
また、ディジタル・メディアという言葉の使用は、音声および/または視覚データと同様に、著者名、表題、再生時間、メディア・タイプ等の音声および/または視覚データ識別を含むことが理解されよう。
【0028】
更に、いかなるオーディオ−ビジュアル再生装置も採用することができる。ディジタル・コンピュータ・ジュークボックスを一例として、このような装置の説明が以下なされていることが理解されよう。
【0029】
図1に示す一態様において、中央管理システムは、コンピュータ・ジュークボックス・ネットワーク内の移動局用の通信回線を管理し、ジュークボックスから遠隔に位置するモバイル・ユーザによって作成された特定のコンテンツの選択を含むSMS、MMSまたはインターネット・メッセージのペイロード内のパケットを変換する。中央モバイル・メディア・マネージャ(MMM)24は、キャリア・ネットワーク等の通信リンク22の一機能として実装され、ショート・メッセージ・サービス・センタ(SMSC)22およびモバイル・マルチメディア・サービス環境(MMSE)あるいはインターネット回線網として実装されてよく、モバイル・ユーザが歌曲の選択などコンテンツまたはメディアを選択し、複数のコンピュータ・ジュークボックス14のうちの1つから公衆の面前での再生を指定したことを表すモバイル発信による(mobile-originating)並列(concurrent)送信を管理する。
【0030】
キャリア・ネットワーク22の少なくとも一部は、無線通信を含んでもよい。中央MMM24は、例えば、HTTPを介して、ホスト・ジュークボックス・ネットワーク・サーバをアドレスし、例えば、複数の歌曲、歌曲に関連する画像、歌曲識別情報およびジュークボックスの設置場所識別コードを表している圧縮されたディジタル・データまたはメディアのマスター・セットを維持する。MMM24は、キャリア・ネットワーク22からユーザのリクエストに基づくモバイル選択情報を受信し、複数のディジタル・ジュークボックス14に接続していて、ディジタル・メディアのマスター・セットのサブセットを格納することができる、ジュークボックス・ネットワーク・サーバ10にポーリングし、登録されたジュークボックス14の更新されたリストを取得し、ジュークボックス・ネットワーク・サーバ10および/またはジュークボックス14にあるコンテンツまたは音楽のリストからコンテンツの利用可能性を判定し、ユーザのリクエストの有効性を確認する。
【0031】
コンテンツ・イベントまたは歌曲識別、設置場所の登録、および特定のコンピュータ・ジュークボックス装置14に対するサービス優先順序付き待ち行列(service priority queuing)を含む、モバイル・ユーザ16、18、20によって開始される特定のコンテンツの選択が中央MMM24で受信され、モバイル・ユーザが選択を開始したサービス、設置場所(venue)、またはジュークボックス14に音声または映像の出力が行われる。キャリア・ネットワーク22およびジュークボックス・ネットワーク・サーバ10とインタフェースするMMM24は、スケジュールされたピア・セッション間隔(peer session interval)で動作して、ユーザを認証し、課金イベントの値を決定し、ジュークボックス14のリクエストの発行(submission)を処理する。MMM24は、課金主体に対するジュークボックス・ネットワーク・キャリア・リクエストの値を区別する。MMM24が対応するジュークボックス14が作動していることを確認し、MMM24がディジタル・メディアのマスター・セットまたはマスター・セットのサブセットが利用可能であると確認し、MMM24がジュークボックス・ネットワーク・サーバ10の待ち行列に入れられる「標準」または「優先」リクエストとして指定されるユーザ・リクエストを転送した後に限り、MMM24は、モバイル・ユーザすなわち無線キャリア、SMSC等を課金すべきかをコア・ネットワーク・キャリア22へ通知する。
【0032】
図1において、ディジタル・ジュークボックス14等の、少なくとも1または複数のディジタル・オーディオ-ビジュアル再生装置に対して、インターネット12、有線回線等によるHTTPまたは無線通信システムを通して他のデータ伝送フォーマットを介して通信するホスト・プロセッサを有するジュークボックス・ネットワーク・サーバ10を含むことを一例として、ディジタル・ジュークボックス・ネットワークを例示する。各ジュークボックス14に対する通信フォーマットは、ADSL、ケーブルモデム、WCDMA、UMTS、LMDSまたは他のデータ通信プロトコル等のいかなる伝送プロトコルを介して行うこともできる。
【0033】
この態様によると、携帯電話16、PDA18またはコンピュータ20等、これらの例だけに限定されないが、移動通信装置またはユーザ・インタフェース、典型的には、移動無線通信装置は、通信ネットワーク22と通信する。通信リンクまたはネットワーク22は、限定的ではないがWi-Fi、インターネット、直接ケーブル接続、イーサネット(登録商標)、GSM、GPRS、UMTS、EDGE、トーケン・リング等のような、無線でもそうでなくても、いかなる通信プロバイダのものでもよい。このようなネットワーク22は、短いテキストメッセージングに適応するショート・メッセージ・サービス・センタ(SMSC)、ユーザの入力による選択を可能にする表示可能なドロップ・ダウン・メニューを有するインターネット・プロトコル、またはオーディオおよびグラフィック・データを提供するマルチメディア・サービス(MMS)をサブセットとして有することができる。
【0034】
以下の無線コンテンツ・リクエストの例は、無線キャリア・ネットワーク22のSMSCサブセットを使用するショート・メッセージ・サービスに関係しているが、類似のデータ入力プロトコル、またはドロップ・ダウン・メニュー等を通してメディアの選択を採用できることも理解されよう。
【0035】
MMM24サービスを特定するために、例えば「1414」等の、適切なSMSアドレスが、通信装置16、18または20を通してユーザにより入力される。ディジタル・メディア選択および、プレミアム再生(premium play)、即時再生等、その他の関連する再生に関する特徴を特定するために、UNICODEまたはASCII文字から形成されるテキスト・メッセージは、次に、ユーザ・インタフェース16、18、または20を通してユーザにより入力される。例えば、「S AB123」のテキスト・メッセージを、通信装置16、18または20を通してユーザによって入力することができる。先頭文字であるラベル「S」は、一例として、メディア・コンテンツのタイプを表す。一例としてのみ、「S」は、歌曲を特定する。「V」は、ビデオを特定してよい。「PS」は、選択された歌曲の優先再生を特定してよい。「PV」は、ビデオの優先再生を特定してよい。文字「AB」は、ローカル・ジュークボックス14の場所を特定する。英数字「123」は、特定の歌曲等、特定のメディア選択を特定する。この情報は、ローカル・ジュークボックス14の設置場所でユーザに提供されるリストから得られる。
【0036】
これらの信号は、利用者IDが認証されるSMSCに送信される。ディジタル再生装置またはジュークボックス14の場所、メディア選択および再生特徴データは、有線および/または無線通信によりSMSCからMMM24に送信される。MMM24は、SMSCから選択情報を受信し、ジュークボックス・ネットワーク・サーバ10と通信し、選択されたジュークボックス14の利用可能性を判定する。対応するジュークボックス14が作動しており、かつ選択されたディジタル・メディアを再生するために利用可能であることを、サーバ10が確認すると、MMM24は、SMSCに信号を送信し、あらゆるプレミアム再生課金をも含むSMSメッセージで、ユーザに課金する。次に、SMSCは、例えば、銀行、クレジットカード会社、携帯電話事業者等だが、これに限定されない第三者に対して、得られるサービスの総額をユーザ・アカウントから引き落とすように要求することができる。他の支払い方法として、m−ウォレット(モバイル・ウォレット)プリペイド・カード等を用いてもよい。
【0037】
同時に、MMM24は、標準、推薦、優先リクエスト等の再生基準とともに、ユーザ・リクエストをサーバ10に送信する。サーバ10は、その後、あらゆるプレミアムまたは標準スケジュール(premium or standard schedule)において、ディジタル・メディア選択を実行するために、選択されたジュークボックス14とインターネット12を介して通信する。
【0038】
サーバ10からジュークボックス14へのディジタル・メディア選択信号の送信には、選択されたディジタル・メディア全て、あるいは選択された設置場所のジュークボックス14のメモリにすでに保存されている特定のディジタル・メディアを再生するために単に信号だけを含めることもできる点に注意されよう。
【0039】
MMM24も、SMSCを通してユーザ16にメッセージを送り、選択をしたことに対する謝意を伝えることができる。このことは、その選択が行われたことを確認することになる。同時に、ユーザ16に対するメッセージには、選択された歌曲またはビデオを特定の価格で購入するように薦めたり、選択された歌曲を演奏している、または選択されたビデオで演奏するアーティストの画像を壁紙として購入、あるいはダウンロードしたりすることができる等の他のメッセージを含めることができる。
【0040】
次に図2を参照して、図1に示す装置の別の態様について示す。この態様において、遠隔ユーザ・コンテンツ選択プロセッサ30は、モバイル・メディア管理装置24に、インターネット12等のグローバル通信ネットワークを通して通信することができる。これにより、遠隔ユーザは、特定の再生装置またはジュークボックス14の近くにいる他のユーザのために、歌曲またはビデオを献納したり、ディジタル・メディア選択等を送信したりできるようになる。
【0041】
図3に示すように、遠隔ユーザ・コンテンツ・セレクタ30をさらに修正し、インターネット12を通しての通信を、モバイル・メディア管理装置24および音楽サーバ10の一方または両方に提供する。選択されたジュークボックス14の近くにいる他のユーザのためにディジタル・メディア・コンテンツ選択および再生を行うため、無線通信装置16、18、20等は、モバイル・メディア管理装置24または音楽サーバ10の一方または両方にインターネット12を通して通信してもよい。
【0042】
図4に示す態様において、遠隔ユーザ・インタフェース装置16、18、または20は、遠隔ユーザ・インタフェース装置16、18、20の通信信号範囲中で、ブルートゥース、Wi―Fi、赤外線、無線周波数信号、光信号、レーザー等を用いて、直接ジュークボックス14と無線で通信することができる。ユーザ・インタフェース装置16、18、または20は、ジュークボックス14からディジタル・メディア・コンテンツ・カタログへのアップデートを要求することができる。ジュークボックス14は、ジュークボックス音楽ネットワーク・サーバ10からカタログを要求して、特定のユーザ・インタフェース装置16、18、または20に、それを転送する。ジュークボックス・ネットワーク・サーバ10との通信が何らかの原因により失敗した場合、ジュークボックス14は、自身のディジタル・メディア・コンテンツ・カタログをユーザ・インタフェース装置16、18、または20に転送する。
【0043】
使用中、ユーザは、特定のディジタル・メディアを選択し再生する。ユーザのインタフェース装置16、18、または20は、その近接のジュークボックス14に、ディジタル・メディア・コンテンツ・リクエストを転送する。ジュークボックス識別または「ID」がユーザ・リスクエストにない場合は、再生対象のジュークボックス14がユーザ・リスクエストを受信したジュークボックス14であると仮定する。
【0044】
次に、ジュークボックス14は、ユーザを認証するために、MMM24と通信する。認証が成功した場合、ジュークボックス14は選択されたコンテンツを演奏するためにユーザ・リスクエストを受け取ろうとする。再生が成功した場合、ジュークボックス14は、ユーザに課金する必要があることを示し、ユーザに選択が完了したことを知らせるために、ジュークボックス・ネットワーク音楽サーバ10を介してMMM24と通信する。このプロセスの間にエラーがあれば、ジュークボックス14はこのエラーを直接ユーザに知らせる。
【0045】
(ディジタル・メディア・コンテンツ・リクエストを受信したのものとは異なる)リクエスト内に、ジュークボックスIDがある場合、このリクエストはMMM24に転送され、MMM24はあたかも他の送信元からこのリクエストを受信したかのように動作する。選択されたディジタル・メディアは、その後、ジュークボックス14のメディア記憶装置からジュークボックス14から、または、インターネット12およびジュークボックス音楽サーバ10からのダウンロードを介して出力される。
【0046】
別の態様においては、シームレスな(seamless)ディジタル・オーディオ−ビジュアル装置または「シームレスな」ジュークボックス40は、一つ以上の場所に設けられている。シームレスなジュークボックス40のいくつかまたは全ては、TV、モニタまたはプロジェクタ44等の、ビデオ表示装置に、ビデオ出力供給装置(video output feed)42を含んでいてもよい。音声出力46は、シームレスなジュークボックス40それぞれから、一つ以上のスピーカ48等の、音声出力再生装置に供給されてもよい。
【0047】
オーディオ−ビジュアル装置またはシームレスなジュークボックス40は、単に、インターネット12および、インターネット・ダウンロードのように音声および/または映像を生成可能なオーディオまたはビデオ出力装置48または46にそれぞれ接続される音楽サーバから構成される。この態様において、ユーザの通信範囲内に物理的なジュークボックス14が存在しない。
【0048】
この態様において、ディジタル・メディア・コンテンツは、記憶装置またはデータベース50に格納され、キャリア・ネットワーク22を通してモバイル・メディア・マネージャ(MMM)24に送信されるユーザ・リクエストに応じて、MMM24によりアクセスされる。選択されたディジタル・メディアまたはコンテンツは、次に、MMM24によって、グローバル通信ネットワークまたはインターネット12を通して、ユーザに出力するために特定されたジュークボックス40に送信される。
【0049】
ユーザは、MMM24を通してのみディジタル・メディア・コンテンツ・カタログを閲覧することができる。この態様では、関連するタッチ・スクリーン、キーボード、トラックボール、マウス等とともに、特定の場所の物理的なジュークボックスを有する必要はなくなる。一旦物理的なジュークボックス14が特定の場所から取り外されると、選択ごとに通貨または金銭を扱う必要もなくなるので、ディジタル・メディア・コンテンツ選択プロセスが単純化かつ自動化される。
【0050】
図6および図7は、図1ないし図5に示す異なる態様のいずれかで用いられる制御手段またはモバイル・メディア管理装置24の主要構成要素のブロック図を表す。MMM24は、音楽サーバ10、シームレスなジュークボックス40のいずれか、および他のオーディオおよびビデオ再生装置60と通信する、いわゆるm−ベニュー(m-Venue)・サーバ61を含む。
【0051】
図7も、図1に関連して上述したように、図3とともに示すインターネット12を通して、または図4または図5に示すディジタル・ジュークボックス40に直接的に、キャリア・ネットワーク22を通して、ユーザ・インタフェースまたは装置16、18、および20からのディジタル・メディア選択信号の送信または通信を表す。MMM24は、上述の通り、いかなる送信元からの遠隔コンテンツまたはディジタル・メディア選択信号も受信できる。MMM24は、次に、この選択の有効性をチェックし、それを処理し、それをデータベースに格納し、図1に示す態様のネットワーク・サーバ10に、または他の態様のジュークボックス14に直接、そのリクエストを転送する。
【0052】
サーバ10またはジュークボックス14、40は、MMM24から信号を受信し、ジュークボックス14、40等にリクエストの発行を試みる。これが成功すれば、サーバ10は次に待機中のMMM24に成功メッセージを応答する。ジュークボックス14が応答しない、送信ネットワークがダウンしている等、リクエスト・プロセスに障害が生じれば、サーバ10は、障害理由を伴う障害メッセージでMMM24に応答する。一旦MMM24が遠隔コンテンツ選択信号に対する回答を受信すると、MMM24はその回答をデータベースに記録し、ユーザにユーザのリクエスト結果を知らせる。
【0053】
モバイル・ユーザ・インタフェース装置16、18、および20のいずれかからのユーザ・リクエストが、ネットワーク22を通してモバイル・リクエスト・制御手段62に通信される。ユーザ・リクエストは、その後、特定のディジタル・オーディオ再生装置またはジュークボックス14、40等で、または個々のジュークボックス14、40等にディジタル・メディア選択を送信するジュークボックス音楽サーバ10において、またはMMM24によって直接ジュークボックス14、40等に送信されるコンテンツ・データベース50から、ディジタル・コンテンツ選択のために、m−ベニュー・サーバ61に通信される。
【0054】
各ユーザ・リクエストは、各ユーザ・リクエストおよび成功したディジタル選択の有効性を記録するために、m−ベニュー・サーバ61と通信中の報告モジュール64にも転送される。報告モジュール64は、ユーザ・リクエストごとに料金を提示する課金モジュール66と通信する。
【0055】
MMM24は、ユーザ・インタフェース16、18、または20からのリクエストを受け付ける、または拒否するように作動することができる。ユーザ・インタフェース16からの典型的なユーザ・リクエストにおいて、例えば、このリクエストには、リクエストされたディジタル・メディアの実行または再生のための再生装置および1つの特定のディジタル・メディアの識別子のうちの少なくとも1つを特定する識別子が含まれる。先の態様にて説明したように、ユーザ・インタフェース16、18、または20からのユーザ・リクエストは、無線キャリア・ネットワーク22等のとの第1の通信リンクを通して、モバイル・メディア・マネージャ(MMM)24に送信される。MMM24は、各ユーザ・リクエストが、再生あるいはユーザ・リクエスト内のユーザに特定されうる1つ以上の再生装置に送信するために受け付けられるかまたは拒否されるかを判定する制御プログラムの1つ以上のアルゴリズムによってプログラムされる。
【0056】
図8に示すように、グローバル・ルール(global rules)は、各MMM24に利用されるべくステップ100で確立される。グローバル・ルールの一例が図9に示される。これらのルールの全ては、MMM24それぞれに確立され、いかなる順序でもMMM24により実行されるので、特定の場所が各再生装置14に適用できるルールの全てがリクエストそれぞれに一致するまで、ルールの順序は必要とされない。
【0057】
ルール番号1は、場所嗜好(location preferences)に関している。場所嗜好には、例えば、定められた時間内に、または、連続して、1人のユーザからの許可可能なリクエストの最大数を含めることができる。最近別のリクエストを出した1人のユーザにより出された連続するリクエストの間に、他のユーザからのリクエストがMMM24によって受信されない場合は、この許可可能なリクエストの数は無視してもよい。
【0058】
別の場所嗜好としては、特定の再生装置またはジュークボックス14の場所で許可される音楽ジャンルまたはスタイルでもよい。ジャンルは、ロック、カントリー、ジャズ、ブルース、アダルト、ラップ等の、幅広い音楽またはビデオ・カテゴリ、および/または、アクション、コメディ、ドラマ、漫画、音楽等の、映画ジャンルでもよい。
【0059】
同様に、特定のアーティストからのメディアを、場所嗜好として設定してもよい。加えて、許可可能なアーティストと関連する特定の歌曲またはビデオを、その場所で受け付け可能として場所嗜好として設定してもよい。
【0060】
場所嗜好により、特定の再生装置または場所の事業者は、再生場所の事業者がその場所で許可したいと望むタイプの音楽、並びにアーティストおよび歌曲またはビデオまたはアーティストに関連するものに基づいて、ユーザ・リクエストを受け付ける際の嗜好を確立することができる。
【0061】
第2の規則は、1台のメディア再生装置14にディジタル・メディアの再生のために受け付けられたが、まだ再生装置14によって実行されていない保留中のユーザ・リクエストの待ち行列の最大長を決定することである。例えば、特定のメディア再生装置14が、15の歌曲またはビデオの最大待ち行列長を有するように設定することにより、一度につき15までの歌曲またはビデオを保留中の演奏の待ち行列に割り当てることができるようになる。これにより、ユーザのリクエストが合理的な時間内で演奏されることがユーザに保証される。最大待ち行列長に達すると、待ち行列の長さが予め設定された最大待ち行列長より小さくなるまで、いかなる更なるユーザ・リクエストも拒否されることになる。
【0062】
ルール番号3は、ユーザ・プロファイルまたはユーザ報酬プログラムに基づいて、ユーザ・リクエストの優先再生を許容することである。頻繁に利用するユーザは、特定の再生装置14に送信した、前回のリクエストに予め設定されている前回のリクエスト数に基づいて、ユーザ・リクエストの優先再生が許可されるという点で、ユーザ報酬プログラムは航空会社マイレージ・サービスと類似のものかもしれない。リクエストが受信されるとすぐに、優先再生は、既存の歌曲やビデオの演奏を中断してでも特定の場所14により「即座」に、「次に」、あるいは再生装置14で現在再生されているメディアの直後に、あるいは、既存の待ち行列の終わりに優先再生リクエストを出していない別の優先的な嗜好であると設定してもよい。
【0063】
ルール番号4により、ある場所では、特定のアーティストまたは特定の歌曲を、再度再生しない期間(no repeat interval)に設定することができる。これにより、1人以上のユーザが同じディジタル・メディアの再生を繰り返すために再生装置14を独占することを防止する。再再生しない期間は、30分、60分、2時間等の、特定の場所によって設定されるあらゆる時間でよい。
【0064】
ルール番号5により、MMM24は、現在のユーザ・リクエストで特定されるディジタル・メディアが他のユーザによってすでにリクエストされていて、演奏待ち行列において現在保留中であるかどうかをチェックすることができる。現在のメディアがすでに保留中の待ち行列にある場合、MMM24は、単に同じメディアの最後のリクエストを送信したユーザに対して、ユーザのリクエストは承認され再生されることになっている旨を知らせる確認応答メッセージを送るだけである。しかしながら、そのリクエストで特定されるメディアは、たとえ異なるユーザからのリクエストであったとしても、すでに待ち行列に入っているので、MMM24による2度目の再生は行われないことになる。
【0065】
ルール番号6により、MMM24が、歌曲、ビデオ等の、リクエストされたディジタル・メディアがジュークボックス・サーバ10上に存在するか、または、ジュークボックス・サーバ10あるいはディジタル・ジュークボックス14に関連のメモリ内に存在するかを確認することができる。
【0066】
ルール番号7により、MMM24は、ユーザによってリクエストされた歌曲またはビデオが、ジュークボックス14等の、再生装置の特定の場所のために承認されているかをチェックすることができる。MMM24およびジュークボックス・サーバ10は、たとえ近傍あるいは同じ建物内であっても、異なる場所に配置される複数の再生装置またはディジタル・ジュークボックス14に接続することができるので、ルール番号7により、MMMは、ユーザによって選択された再生装置14での再生をすることを、その場所の事業者に承認される場合に限り、特定のディジタル・メディアに対するユーザ・リクエストを受け付けることができる。このように、場所のある一部やある場所で、その場所の事業者により再生が承認され得る歌曲またはビデオ・セグメントは、特定のメディアや再生場所にいる利用者に対して、その場所の事業者により判定される受付可能性(acceptability)により、異なる場所ではMMM24による演奏を拒否され否認されることがある。
【0067】
ルール番号8により、MMM24は、ユーザ・リクエストが直ちに再生されるユーザ・リクエストの強制再生を実行することができる。ルール番号3の優先再生と同様に、強制再生は、たとえ現在再生中の歌曲やビデオを中断しても、一般的に、ユーザ・リクエストの受け付けに応じて直ちに実行されるが、現在再生中の歌曲またはビデオが終了するまで遅らせてもよい。
【0068】
ルール番号9により、MMM24は、宣伝用(for promotions)や、メディア選択装置を初めて使用するユーザ用等に、順序を変えて再生することができる。順序を変えて再生するために、再生装置14により再生することになる次の番である待ち行列の先頭に、宣伝の条件を満たしている特別なユーザ・リクエストを挿入するだけである。
【0069】
図8を参照し、ステップ107で、MMM24のプログラマおよび/または再生装置14の場所の事業者によって、図9に示す上述のグローバル・ルール・セット(global set of rules)のうちのいずれが、ローカル・ルール・セット(local set of rules)としてディジタル・ジュークボックス14等の再生装置のそれぞれの場所に適用されることになるか判定がなされる。これは、図9に示すグローバル・ルール1−9それぞれに対し単純なイエス/ノーでありえる。これにより、再生装置を有する事業者は、それぞれの再生装置の場所に対して特別ルールを設定することができるので、再生場所間で、異なる音楽およびビデオのテイスト、顧客を許容することができる。
【0070】
ステップ104は、ルールのサブセットが存在するか否かの判定である。ルールのサブセットについては後で詳しく述べるが、ここでは、この判定は「いいえ」であると仮定する。次に、ステップ106で、MMM24は、場所識別子および/またはディジタル・メディア識別子を有するユーザ・リクエストを受信したかどうかを判定する。ステップ106のリクエストを受けると、MMM24はステップ108で、ステップ102の特定の再生場所に設定される既存のルール・セットを読み出す、または後述のルール・サブセットにより修正される。MMM24は、ステップ110のローカル・ルールを、ユーザ・リクエストで特定されるメディアに適用する。ユーザ・リクエストで特定されたメディアが、特定の再生装置14またはステップ112の場所のための既存のローカル・ルールの全てを満たす場合に限り、MMMは、ステップ114のユーザ・リクエストを受け付け、特定された再生装置14へのディジタル・メディアの送信を始める。MMM24は、ステップ116でユーザに、「受け付けられた」メッセージを送ることもできる。
【0071】
ステップ112に戻り、MMM24は、特定のリクエストされたメディアが既存の場所ルールの1つ以上を満たしていないと判定した場合は、MMM24はステップ118でリクエストを拒否して、ステップ120で別のリクエストをするようにユーザにメッセージを送る。
【0072】
任意的な(optional)ルール・サブセットは、再生場所14ごとにステップ130において確立されてもよい。このルール・サブセットは、図9に示すグローバル・ルールの1つ以上の修正および/またはグローパル・ルール1−9のうちローカル・ルールとして特定の再生場所14に適用可能なルールの修正でもよい。加えて、ルール・サブセットは、ユーザによる許可可能な連続リクエストの数、特定の場所で許可される音楽ジャンル、特定の場所で再生可能なアーティストおよびアーティストの歌曲および/またはビデオ、最大待ち行列長、アーティストまたは特定のアーティストの歌曲を再再生しない期間等、ルール1―9における1つ以上の変数を変更してもよい。優先再生、再生報酬(play rewards)、ユーザ・リクエスト、いずれの歌曲またはアーティストをある場所に対して承認するか、強制再生、特別な宣伝用に順序を変えての再生等に対するルールなど、ローカル・ルール1−9のいずれかを無効にしてもよい。
【0073】
1日の特定の時間、1週間の特定曜日、1ヵ月の特定日、スポーツ・イベントのような特別なイベント等の、可変または特定のイベントの発生時に、このルール・サブセットを適用してもよい。これにより、MMM24は、特定の再生装置14の場所の顧客を変えることに適応可能である。
【0074】
ルール・サブセットにより、再生場所の事業者が、1日のある時刻は主に女性層で混雑し、1日の別の時刻は主に男性層で混雑する等の、顧客を変えることを望むために異なるルールを採用することもできる。時刻によって、音楽ジャンル、アーティストのタイプ、アーティストの歌曲およびビデオ、再再生しない期間等を管理することができる。
【0075】
別の例として、毎週水曜日のような1日以上の曜日、あるいは6時から真夜中までの毎週水曜日の夜のような1週間のある曜日のある時刻に、音楽ジャンル、アーティストおよび受付可能なアーティストの歌曲およびビデオを、カントリーの夜、ジャズの夜等の特定のテーマに適するように変更される特定の再生場所で、ルール・サブセットを実施するように確立してもよい。
【0076】
図8に示すように、ステップ104のMMMは、ルール・サブセットが存在するかどうか判定する。答えが「はい」であれば、MMM24は、時刻、曜日、特別なイベント発生等の、ルール・サブセット基準が一致するかどうか判定する。ルール・サブセット基準が一致しない場合、MMM24は上述のように、ステップ108で特定の場所に設定される適用可能なローカル・ルールを実装する。あるいは、ルール・サブセット基準がステップ132において一致する場合、MMM24は次のユーザ・リクエストを受信すると、適用可能なルールとしてステップ134でルール・サブセットを適用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディジタル・メディア・プロセッサに結合されたメモリに格納され、ディジタル・オーディオ−ビジュアル再生装置で再生可能なディジタル・メディアのコンテンツ選択方法であって、
ユーザ・インタフェースとメディア管理制御との間の第1の通信リンクを提供するステップと、
前記メディア管理制御と、ディジタル・メディアを含むメモリに結合され、かつ少なくとも1つのディジタル・オーディオ−ビジュアル再生装置と通信して結合されるディジタル・メディア・プロセッサと、の間の第2の通信リンクを提供するステップと、
遠隔の前記ユーザ・インタフェースからの、少なくとも1つのディジタル・メディア識別子を含むディジタル・メディア・コンテンツ・リクエストを、前記再生装置から前記第1の通信リンクを通して前記メディア管理制御へ送信するステップと、
前記ユーザ・インタフェースからの前記ディジタル・メディア・コンテンツ・リクエストに応答して、前記メディア管理制御が、前記少なくとも1つのディジタル・オーディオ−ビジュアル再生装置における、前記ディジタル・メディア識別子により特定される前記ディジタル・メディアの実行と実行方法とを、前記第2の通信リンクを通して次により管理するステップと、
ここで、前記メディア管理制御が、前記少なくとも1つの再生装置の場所で、前記リクエストされたディジタル・メディアに対して少なくとも1つの再生ルールを適用することにより、再生装置それぞれに対する前記再生ルールに基づいて、各ユーザ・リクエストで特定される前記メディアを受け付ける、または拒否する、
ここで、前記演奏ルールは、最大待ち行列長と、報酬プログラムに基づく優先再生と、リクエストされたディジタル・メディアが、前記少なくとも1つの再生装置での再生が可能か否かの判定と、リクエストされたディジタル・メディアが、前記少なくとも1つの再生装置で承認されるか否かの判定と、ディジタル・メディア・リクエストの即時の強制再生および特定条件に応じて順序を変えて再生することとを含み、
前記リクエストされたディジタル・メディアが、前記少なくとも1つの適用される再生ルールを満たす場合に、前記リクエストされたディジタル・メディアの前記再生装置での再生を受け付けるステップと、
前記リクエストされたディジタル・メディアが、前記少なくとも1つの再生装置で前記少なくとも1つの適用される演奏ルールを満たさない場合に、前記リクエストされたディジタル・メディアを拒否するステップと、
前記リクエストが受け付けられた場合、前記ディジタル・メディア・プロセッサにより選択された前記ディジタル・メディアの送信を、前記ディジタル・オーディオ−ビジュアル再生装置により前記選択されたディジタル・メディアの再生のために前記少なくとも1つのディジタル・オーディオ−ビジュアル再生装置に対して開始するステップと、
を含むことを特徴とするコンテンツ選択方法。
【請求項2】
前記第1の通信リンクを通して前記ディジタル・メディア・コンテンツ・リクエストを送信するステップは、少なくとも無線通信部を含むように前記第1の通信リンクを形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の通信リンクを通して前記ディジタル・メディア・コンテンツ・リクエストを送信するステップは、インターネットを含むように前記第1の通信リンクの少なくとも一部を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
識別された前記ディジタル・メディアを前記ディジタル・オーディオ−ビジュアル再生装置に通信するステップは、前記ディジタル・オーディオ−ビジュアル再生装置にインターネット上で前記受け付け可能なディジタル・メディアを送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
全ての再生装置に対して、前記メディア管理制御による再生のグローバル・ルール・セットを確立するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記メディア管理制御により、再生装置それぞれに対して適用可能なルール・サブセットを確立するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ルール・サブセットに可変的に選択可能な変化を許容するステップをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの可変的に適用可能なルール・サブセットを確立するステップと、
選択されたイベントが起こった場合に、前記メディア管理制御が前記ルール・サブセットを適用するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記可変的なイベントを、1日のある時刻、週のある曜日、月のある日、および特別なイベントのうちの少なくとも1つとして確立することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記1日のある時刻は、区別可能な開始時間と終了時間を有することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ルール・サブセットは、修正されたグローバル・ルール・セットを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記メディア管理制御が、前記メディア管理制御によりなされた前記決定に対応するユーザ・リクエストに応答して、受付或いは拒否メッセージを前記ユーザーに送信して、前記少なくとも1つの再生場所でユーザのリクエストした識別されたメディアの前記再生を受け付けるかまたは拒否するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記再生ルールは、更に、
同じアーティストおよび同じ歌曲のうちの少なくとも1つによるディジタル・メディアの再生を再再生しない期間と、
前記同じメディアがすでに前記待ち行列に受け付けられていれば、新規のディジタル・メディア・リクエストを演奏しないことと、
前記メディア管理制御が、前記少なくとも1つの再生装置の前記場所で識別された前記メディアを受け付けるあるいは拒否する際に、少なくとも3つの前記再生ルールを適用することと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記再生ルールは、
他のユーザからのリクエストにより干渉されることなく、同じユーザから受け付け可能な連続リクエスト数と、
再生装置が受け付け可能な音楽ジャンルと、
前記再生装置で受け付け可能なアーティストと、
受け付け可能なアーティスト・メディアと、
のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−523165(P2012−523165A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503637(P2012−503637)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2010/029306
【国際公開番号】WO2010/117828
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.iモード
3.WiFi
【出願人】(507021920)アコー インターナショナル,インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】AKOO INTERNATIONAL,INC.
【住所又は居所原語表記】2500 North Harlem Avenue,Elmwood Park,IL60707,U.S.A.
【Fターム(参考)】