説明

インターカレーション粘土

本発明は、粘土および散在性成分として用いられる海草抽出物、特には、アオサ抽出物を含む、被散在粘土に関する。本発明はそれらの調製方法、並びにその被散在粘土を含む食料およびナノ複合体にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粘土および藻類抽出物に基づく組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
粘土は、大もしくは小程度に水和する層状ケイ酸塩(フィロシリケート)で主として構成される岩石である。フィロシリケートは、四面体がそれらの間に存在するそれらの酸素のうちの3個を共有し、第4のものはこのようにして形成される層の同じ側に常に向けられる、オルトケイ酸アニオンの化合物である。この構造は、2つのタイプの幾何形状、即ち八面体および四面体を有する2次元アセンブリとして説明することができる。3つのタイプのフィロシリケートがこのようにして定義される。即ち、
− その層が四面体層と八面体層との並列によって構成される、いわゆる1:1フィロシリケート。このタイプの層の厚みは0.70nmである。カオリナイトがこの群の最も代表的な化合物である、
− その層が2つの四面体層の間の八面体層によって構成される、いわゆる2:1フィロシリケート。このタイプの層の厚みは0.96nmである、
− その層が層間空間内のブルーサイト(brucite)Mg(OH)2もしくはギブサイト(gibbsite)Al(OH)3の層によって構成される、いわゆる2:1:1フィロシリケート。このタイプの層の厚みは1.4nmである。
【0003】
2:1フィロシリケートは、それらの構造により、最も有利な特性を有する。一層の四面体層の空洞はケイ素イオンを実質的に収容し、八面体層の空洞はアルミニウムもしくはマグネシウムイオンを収容する。しかしながら、幾つかの置換が異なる層で生じ得る。ケイ素イオンは三価カチオンによって置換される。アルミニウムもしくはマグネシウムイオンは三もしくは二価イオンによって置換される。これらの置換は過剰の負電荷を層に導入する。それは層間空間内のカチオンの存在によって相殺される。これらのカチオンは無機もしくは有機起源の他のカチオンに交換することができる。したがって、層間空間の厚みは目的とする用途に従って調整することができる。したがって、フィロシリケートの構造を変更するための様々な方法が用いられてきた。即ち、
− ブリッジング法。まず、層間カチオンを(アルミニウム[Al134(OH)24(H2O)127+(Diddams P.A., Thomas, J.M., Jones, W., Ballantine, J.A. and Purnell, J. (1984), Chem. Soc. Chem. Commun, 106, 1340)、ジルコニウム[Zr4(OH)12(H2O)124+(Yamanaka S. and Brindley, G.W. (1979) Clays and Clay Minerals, 27, 119)に基づく)ポリカチオンで置換し、次いで得られた化合物を、ポリカチオンを疑似酸化物粒子に変換するのに十分な温度で焼成しようとする2工程での処理。この方法を用いて得られるブリッジされたフィロシリケート(別名、柱状フィロシリケート)は広範囲(1.5から10.0nm)をカバーする細孔半径並びに層および柱の両者の酸部位に関連するかなりの触媒活性を有する2次元多孔性固体である。
− 親水性フィロシリケートの親有機性フィロシリケートへの変換(A. Weiss (1963) Angew. Chem. Internat. Edit., 2, 134)。この処理は、有機カチオン(例えば、式CH3−(CH2n−NH3+を有するアルキルアンモニウムイオン(式中、nは1から20である))を層間空間にイオン交換によって導入することを含む。この場合、層間空間の厚みはフィロシリケートの性質、電荷の位置および炭素鎖に存在する炭素原子の数に依存する。これらの親有機性フィロシリケートはポリマーマトリックスと適合するようになり、それらのポリマーにおいて電荷として用いられる。現在、このフィロシリケート/ポリマー型の組成物には3つの範疇が存在する(Alexandre, M. and Dubois, P. (2000), Mater. Sci. En., 28, 1)。
− ポリマーがフィロシリケートの層間空間内に浸透することがない、マイクロ複合体と呼ばれる複合体。これは補強材として作用する。
− ポリマーが層間に挿入されるインターカレーション(被散在)ナノ複合体。
− ナノメートルサイズの層がポリマーマトリックス中に完全に分散し、顕微鏡規模のモノリシック構造を形成する、剥離型ナノ複合体。
【0004】
フィロシリケート/ポリマー相互作用が最大である限りにおいては剥離型ナノ複合体が特に有利であり、この場合には層の全表面積が利用可能である。したがって、力学、耐火性、熱安定性および障壁特性(気体および炭化水素に関する透過性)の観点で特性を改善することができる。
【0005】
ナノ複合体を得るための主な方法は以下の通りである。
− インサイチューでの重合によるもの(Okada, A., Kawasumi, M., Usuki, A., Kojima, Y., Kurauchi, T. and Kamigaito (1990) Mater. Res. Soc. Pro., 171, 45.)。まず、親有機性フィロシリケートをモノマー溶液中で膨潤させ、次いで、重合を開始させるため、それらに処理剤を添加することを含む2工程での方法。膨潤の間、極性モノマーの分子が層間に拡散する。層間空間に存在するアルキルアンモニウムイオンは、そのモノマーとの相互作用を最適化するため、層に対して垂直に向けられる。処理剤の添加はフィロシリケートの剥離を生じる重合を誘発する。
− 層状ケイ酸塩をインサイチューで形成することによるもの(Carrado, K. and Xu, L.Q ; (1998) Chem. Mater., 10, 1440−1445)。この最近の方法は、層状ケイ酸塩、例えば、ヘクトライトのインサイチュー熱水結晶化を水性ポリマーゲル中で行うことを含む。
− 溶液中。この場合、ポリマーが可溶である適切な有機溶媒を用いて親有機性層状化合物を剥離させる。溶媒分子の脱着によって得られるエンタルピー利得はポリマー鎖を粘土の層間に拡散させる。その後、溶媒を蒸発させる。
− 融合によるもの(Vaia, R.A. Ishii, H. and Giannelis, E.P. (1993) Chem. Mater, 5, 1694)。この場合、親有機性フィロシリケートをポリマーと混合する。全体を溶融した後、ガラス転移温度を上回る温度でアニールする、ナノ複合体の形成に至る方法。
【0006】
これらの方法と一緒に、光化学的手段を用いる方法も用いられてきた(Koch, T., Menning, M. and Schmidt, H. (1999) Adv. Sci. Technol., 17, 681, Zahouily, K., Benfahri, S., Bendaikha, T., Baron, J. and Decker, C. (2001) Proc. RadTech Europe, 583)。それは、UVの下で、モノマー(例えば、アクリルモノマー)、重合光開始剤、反応性希釈剤および親有機性フィロシリケートを含有する配合物を照射することを含む。したがって、ポリウレタン−アクリレート樹脂を用いることにより、樹脂単独のものよりも強力な生理化学的特性をさらに有する、透明かつ無色のナノ複合体を調製することが可能であった。この方法は、周囲温度および溶媒の不在下で行われており、実施が簡単であり、かつ環境に優しいという利点を有する。
【0007】
多孔性ヘテロ構造の形成。即ち、スメクタイトの層関空間内に珪質体(siliceous entities)を含む化合物を得るための新規方法(Galarneau, A., Barodawalla, A. and Pinnavaia, T.J. (1995) Nature, 174, 529.)は、実際の層間空間内で表面活性剤のミセル周囲にシリカが集まることに基づく。著者らによって提示される形成機構はMCM−41型のメソ多孔性固体に至る形成機構に類似する。このように形成される化合物の利点は、それらが柱状化合物に必要な細孔サイズおよび比表面積を上回る細孔サイズおよび比表面積を有することである。その操作方法は3つの工程を必要とする。即ち、
− 第1のものは、アルキルアンモニウムイオン(例えば、C16TMAと呼ばれるヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン)を層間空間にイオン交換によって導入することを含み、
− 第2のものは、一級アミン(例えば、ドデシルアミン)およびシリカ前駆体(テトラエチルオルト珪酸、TEOS)を組み込もうとするものであり、
− 最終工程は、焼成もしくは酸性溶媒中での表面活性剤の抽出による多孔性の解放を含む。
【0008】
第1の場合において、有機物質の酸化が枠組みの電気的中性に必要なプロトンの形成を誘発する。したがって、これらの物質は固有の酸性度を有し、その特性は幾つかの触媒的用途を想起させる(EP 1044721)、J. A. Martens, E. Benazzi, J. Brendle, S. Lacombe and R. Le Dred, Stud. Surf. Sci. Catal., 2000, 130, 293)。
【0009】
第2の場合においては、Si−OH基が保持される。したがって、これらの化合物はグラフト化によって官能化することが可能である(Mercier, L. and Pinnavaia, T.J. (1998) Microporous and Mesoporous Materials 20, 101)。
【0010】
それらのカチオン交換特性は別として、フィロシリケートはそれらの吸着特性でも知られている。それらは、層間空間における有機もしくは水分子の挿入により、容易に層状複合体を形成する。この現象は、膨潤と呼ばれるが、層の電荷、その位置(四面体もしくは八面体層)、および相殺カチオンの性質に依存する。二価カチオン、例えば、Mg2+およびCa2+は、巨大カチオンを形成することにより、層間空間における水の吸着を容易にする。
【0011】
有機分子の吸着はフィロシリケートに疎水性を付与し得る。
【0012】
最後に、幾つかのフィロシリケートは酸特性を有し、その酸性は、例えば、四面体層のケイ素イオンのアルミニウムイオンによる置換に関係する。第1の酸性は、ブレンステッド酸性と呼ばれ、層間空間内のプロトンの存在、もしくは相殺カチオンを取り巻く水和水の分子の解離のいずれかに帰因する。第2の酸性はルイス酸性と呼ばれ、一般性に劣る。それは層の構造における欠陥もしくは破断線から生じる。
【0013】
フィロシリケートの酸性はそれらの触媒特性の根拠である。それらの触媒活性を改善するため、市販のモンモリロナイトK10の場合のように、酸処理によって、もしくはカチオン交換によって、それらに前処理を施すことができる
モンモリロナイトは現在最も研究され、かつ最も用いられる2:1フィロシリケートである。それはケイ素、アルミニウムおよびマグネシウム元素を実質的に含む。それはスメクタイト群、二八面体亜群の一部である。
【0014】
その理論的構造式は、
+4x[(M3+4(1-x)2+4x2VI(Si4+8IV20(OH)4
(C+:層間空間の相殺カチオン、M3+:三価カチオン、例えば、Al3+、Fe3+、M2+:二価カチオン、例えば、Mg2+、Cu2+、Co2+、Zn2+、Fe2+、Ni2+、x:八面体置換のレベル)
である。
【0015】
実際には、天然モンモリロナイトは、しばしば、八面体置換に加えて四面体置換を含む。
【0016】
+(4x+8y)[(M3+4(1-x)2+4x2VI(Si8(1-y)3+8yIV20(OH)4
(y:四面体置換のレベル)。
【0017】
純粋相でのその合成が近年記述されている(M. Reinholdt, J. Miehe−Brendle, L. Delmotte, A.−M. Flank, R. Cortes, M.−H. Tuilier. and R. Le Dred, Eur. J. Inorg. Chem., 2001, 11, 2831)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、藻類抽出物をインターカレーション化合物(散在性化合物)として含むインターカレーション(被散在)粘土を提供することにある。
【0019】
本発明の目的は、特には粘土/ポリマーナノ複合体および動物用食料の調製を目的とする、インターカレーション粘土の調製方法を提供することでもある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の脈絡において、「藻類」という用語は、水に可溶である多糖類を含むすべての海洋植物のタイプ、特には、アオサ型の藻類(アオサ属藻類)を指すものである。これらの藻類は沿岸、特には、大西洋および地中海沿岸で増殖し、それらを「グリーンタイド(green tide)」と呼ばせている。それらは利用可能で、かつ容易に入手し得、その価値が研究されている原料を構成する。
【0021】
さらに、これらの藻類から抽出される幾つかの成分、特には、水に可溶性である多糖類は、養分として、並びに化粧品および医薬におけるポリマー材料として有利である。
【0022】
本発明の脈絡において、用いられる藻類抽出物は、好ましくは、アオサ藻類の抽出物である。藻類抽出物は、好ましくは、特には80重量%を上回る、ウルバン(ulvane)を含む。これらのウルバン多糖類の化学構造は未だに完全に明確ではない。しかしながら、それらがラムノース、キシロース、グルコース、グルコロン酸(glucoronic acid)およびスルフェートの単位の化合物であることは知られている。
【0023】
「粘土(クレー)」という用語は、化合物のインターカレーション(散在)に適する構造を有する、天然もしくは合成起源のフィロシリケートを指すものである。これらの粘土は、好ましくは、層状構造を有する粘土、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、イライト、海緑石、緑泥石、バーミキュライト、繊維状粘土である。膨潤特性を有する粘土(スメクタイト)、特には、モンモリロナイトが好ましく用いられる。もちろん、複数の粘土の混合物の使用を想起することもできる。
【0024】
粘土および藻類抽出物の間への散在は、好ましくは、水相中で粘土および藻類抽出物を0.1から80、好ましくは、1から30、より好ましくは、2から15の粘土/藻類抽出物の重量比(乾燥抽出物)で混合することによって行う。
【0025】
別の態様によると、本発明は、藻類抽出物を用いてインターカレーション粘土を調製するための方法であって、
i)水性藻類抽出物を調製し、
ii)適切な溶媒中で、十分な長さの時間、該抽出物を粘土と接触させ、および
iii)得られたインターカレーション粘土を単離する、
ことに本質をおく工程を含む方法に関する。
【0026】
粘土/藻類抽出物混合物の攪拌時間は30秒から72時間、好ましくは、1分から36時間、さらにより好ましくは、2分から24時間である。混合の後、その懸濁液の固相を分離、例えば、遠心分離する。収集した固体を洗浄した後、乾燥させる。
【0027】
このようにして藻類抽出物でインターカレーション処理された粘土は30Aまであり得る層間間隔を有する。この大きな間隔はそれらを多数の用途に非常に有利なものとする。
【0028】
特には、それらは、非修飾状態で、他の物質が取り込むことが困難であるかさ高い化合物の吸収材として作用することができる。このタイプの化合物には、特には、幾つかの毒素、例えば、マイコトキシンが含まれる。このようにして、説明されるインターカレーション粘土は動物もしくはヒトの食料における補助食料として用いることができる。
【0029】
したがって、別の態様によると、本発明は、特には、動物およびヒト食料、化粧品、医薬品、プラスチック技術、道路表面材、並びに食料用であってもなくてもよい包装における、インターカレーション粘土の使用に関する。
【0030】
これらの特性は、特には、インターカレーション粘土を0.01から1重量%のオーダーで食料中に組み込むことで食料収量を改善するため、動物食料において用いることができる。
【0031】
したがって、別の態様によると、本発明は、好ましくは、0.01から2重量%、特には、0.05から1重量%の上記インターカレーション粘土を含む動物食料に関する。
【0032】
層の間隔は、その層間空間を他の機能性、例えば、化学もしくは生化学反応を活性化するためのラジカルのグラフト化に利用可能なものにもする。
【0033】
本発明から派生する生成物は、他のポリマーでのインターカレーションの場合に観察できるもの(Intercalation de chitosan, extrait de carapaces de crustaces, dans une argile)(粘土におけるキトサンもしくは甲殻類の殻の抽出物のインターカレーション), M. Darder et al., Chem. Mater. 2003, 15, 3774−3780)とは対照的に、利用可能な層間空間を有する。したがって、他の化合物をその構造に入れることが非常に容易に予期され、それは、特には、多数の分野、例えば、動物およびヒト食料、化粧品、医薬品、プラスチック技術、食料用であってもなくてもよい包装、道路表面材等において用いることができる環境に優しいナノ複合体の合成の可能性をもたらす。
【0034】
したがって、別の態様によると、本発明は、説明されるインターカレーション粘土および天然もしくは合成ポリマーを含むナノ複合体に関する。
【0035】
本発明を以下の例によってより詳細に説明する。
【実施例1】
【0036】
0.4に等しい四面体置換レベルを有するNaモンモリロナイトの調製(M. Reinholdt, J. Miehe−Brendle, L. Delmotte, A.−M. Flank, R. Cortes, M.−H. Tuilier and R. Le Dred, Eur. J. Inorg. Chem., 2001, 11, 2831)。
【0037】
化学式:Na0.4[Al(1.6Mg0.4]Si410(OH1.80.2)を有するモンモリロナイトを以下の方法で調製する。
【0038】
8.1gの5%フッ化水素酸(HF、Fluka)水溶液を、磁気攪拌しながら、PTFEのビーカー内に入れた685.86gの蒸留水に添加する。8.64gの酢酸マグネシウム(Mg(CH3COO)2、Aldrich)、1.74gの酢酸ナトリウム(Na(CH3COO)、Fluka)、10.53gの擬ベーマイト(A123、Condea)および24.3gのシリカ(SiO2、Aerosil 130、Degussa)を、攪拌しながら、反応媒体に連続的に添加する。全体を攪拌しながら周囲温度で2時間熟成した後、PTFEでコートされた圧力容器に注ぎ入れ、220℃のオーブン内に72時間入れる。その後、圧力容器を周囲温度に冷却し、反応生成物をブフナーで濾過する。蒸留水で連続的に3回洗浄した後、生成物を60℃で24時間乾燥させる。
【実施例2】
【0039】
ウルバンの調製
ウルバンの抽出方法(Lahaye, M., Birnalendu R., Baumberger, S., Quernener, B. and Axelos, M. (1996) Hydrobiologia, 326/327, 473)。
【0040】
水(500mL)中の懸濁液の状態の、乾燥および粉砕されたアオサ(34.4g)を1時間還流する。その懸濁液を遠心分離し(10.24×g、20分)、不溶物を回収した後、前と同じ条件下で再度抽出する。その懸濁液を遠心分離する。これら2回の抽出の2つの上清を再度合わせて濾過した後、溶液中のウルバンをアルコール中、95℃で沈殿させる。その後、生成物を乾燥させる。
【実施例3】
【0041】
合成したNa−モンモリロナイトの層間空間内へのウルバンの組み込み。
【0042】
実施例1に従って調製された1gのNa−モンモリロナイトを懸濁状態で100mLの蒸留水に入れる(溶液A)。その全体を磁気攪拌の下に周囲温度で24時間置く。平行して、実施例2に従って調製された5gのウルバンを、周囲温度で24時間磁気攪拌しながら、50mlの蒸留水に分散させる(溶液B)。その後、溶液Aを溶液Bと混合し、全体を磁気攪拌の下に周囲温度で24時間放置する。次に、その懸濁液を(20000rpmの速度で)10分間遠心分離する。次いで、収集した固体を懸濁状態で20mLの蒸留水に入れた後、遠心分離によって分離する。この洗浄を2回繰り返す。その後、固体を空気中で24時間乾燥させる。このようにして形成される生成物は29%の有機物質を含む。層間空間は3.8nmである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘土およびインターカレーション化合物としての藻類抽出物を含むインターカレーション粘土。
【請求項2】
藻類抽出物がアオサ藻類抽出物である請求項1による粘土。
【請求項3】
藻類抽出物がウルバンを含む請求項1もしくは2による粘土。
【請求項4】
藻類抽出物が80重量%を上回るウルバンを含む請求項1から3のいずれか1項による粘土。
【請求項5】
粘土が層状粘土である請求項1から4のいずれか1項による粘土。
【請求項6】
粘土が膨潤特性を有する粘土である請求項1から4のいずれか1項による粘土。
【請求項7】
粘土がモンモリロナイトである請求項1から4のいずれか1項による粘土。
【請求項8】
粘土および藻類抽出物を0.1から80、好ましくは、1から30、より好ましくは、2から15の粘土/藻類抽出物重量比で含む請求項1から7のいずれか1項による粘土。
【請求項9】
藻類抽出物を用いてインターカレーション粘土を調製するための方法であって、
i)水性藻類抽出物を調製し、
ii)適切な溶媒中で、十分な長さの時間、該抽出物を粘土と接触させ、および
iii)得られたインターカレーション粘土を単離する、
ことに本質をおく工程を含む方法に関する。
【請求項10】
動物およびヒト食料、化粧品、医薬品、プラスチック技術、道路表面材および食品用であってもなくてもよい包装における、請求項1から8のいずれか1項によるインターカレーション粘土の使用。
【請求項11】
0.01から2重量%、好ましくは、0.05から1重量%の、請求項1から8のいずれか1項によるインターカレーション粘土を含む動物食料。
【請求項12】
請求項1から8のいずれか1項によるインターカレーション粘土および天然もしくは合成ポリマーを含むナノ複合体。

【公表番号】特表2008−512339(P2008−512339A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530732(P2007−530732)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【国際出願番号】PCT/FR2005/000145
【国際公開番号】WO2006/030075
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(507077961)
【Fターム(参考)】