説明

インターネットを利用した就職模擬試験

【課題】いかなる場所からでも自由に就職模擬試験を受けることが可能であり、自身の就職活動における全国規模のレベル(就職偏差値)および、志望企業への内定判定、業界への適応率などを定量的に測定することが可能なシステムを提供する。
【解決手段】通信回線網(インターネット等)を利用することにより、供給者は、空間的、時間的、物質的、人的な軽減が計れ、利用者は、自身の望む場所、望む時間に模擬試験を受験することが可能となり、また、試験結果が定量的に明示されることから、戦略的な就職活動を行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信回線網(インターネット等)を利用することにより、供給者(主催者)が、会場、人員、日程等を問わずに、利用者(不特定多数者)が自由に就職模擬試験を受験できるシステムである。
【背景技術】
【0002】
従来、就職模擬試験を受けるには供給者(主催者)が、会場、人員、日程等を設定し、受験者及び関係者が申し込みを行って受験する仕組みであった。また、同一科目で異なった問題を回答する場合には、市販の問題集を購入するか、もしくは特定の機関に通い勉強するしかなかった。そして、従来の就職模擬試験では、科目毎の点数は出るが、全国平均の偏差値や志望企業の内定判定といった、就職活動における定量的な基準については明示されていなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の就職模擬試験は、受験者及び利用者が申し込みを行い、供給者(主催者)が指定した日時および会場に行き、受験をする仕組みであった。そのため、参加者が多い場合、もしくは、グループでの参加を希望した場合には、同一場所での受験は難しく、地理的、時間的な制約も伴っていた。そして、指定された日時、会場以外での受験が不可能であったため、同一試験を二回以上受験することは難しかった。また、従来の通信回線網(インターネット等)を利用した学習システムは、特定機関への入会または、加入者のみを対象としており、一般参加(不特定多数者)は難しかった。さらに、科目毎の点数が表示されるだけであり、全国規模の偏差値や志望企業への内定判定については明確に示されていなかった。そこで、本発明では、インターネット等の普及により発展し続けている通信回線網手段(パソコン等)を活用し、利用者が場所や時間に関係なく、自由に受験することが可能となり、自身の就職活動におけるレベルを全国規模の偏差値や志望企業の内定判定、業界適応率を知ることができるシステムを提供する。
【課題を解決しようとする手段】
【0004】
利用者は、会場、日程を定めることなく、24時間、365日、自由に就職模擬試験を受験することが可能である。供給者は、サーバーのデータベース内にて、利用者の答案に基づいて解答を照合し、また、あわせて個人の属性を考慮しながら、就職偏差値、志望企業の内定判定、業界適応率、各科目の点数を算出する。利用者は、これまでのような煩雑な特定機関への入会等の必要はなく、通信回線網(インターネット等)を使用したパソコン等の端末機器が利用できれば、日程や場所を気にせず、自由に何度でも受験が可能である。
【発明の効果】
【0005】
本発明のインターネットを利用した就職模擬試験は、通信回線網(インターネット等)を利用することにより、供給者は、会場、教材準備、人員確保等の軽減が計れ、利用者は、特定機関への入会、試験場所へ移動、試験開始時間の制約等を気にすることなく、自分の裁量で模擬試験を受験することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下に、図面を参照しながら、本発明に関わるインターネットを利用した就職模擬試験について説明する。図1は、本発明によるインターネットを利用した就職模擬試験の全体構成の概略を示す。本システムは、供給者AのサーバーDと利用者B(不特定多数)のコンピュータFが通信回線網C(インターネット等)によって双方向に結ばれている。利用者Bは、通信回線網Cを利用し、供給者Aが提供するホームページにアクセスし、利用者Bの携帯電話のメールアドレスを入力することで、供給者AのサーバーEからから受験番号が送信される。利用者Bの管理については、受験番号も含め、供給者AのサーバーEで行う。利用者Bは、携帯電話Gにて受験番号を確認し、ホームページに受験番号を入力し、試験を開始する。供給者AのサーバーDでは、利用者Bが入力した受験番号を確認し、試験問題を利用者Bに配信する。利用者Bは、問題を解答し、最後に属性データを入力する。供給者Aでは、利用者BのコンピュータFより送信された、解答と属性データを受信し、サーバーDで採点を行い、採点結果および属性データをサーバーEに送信する。サーバーEでは、送信されたデータから全国規模の就職偏差値、志望企業の内定判定、業界適応率を算出し、算出結果をプリントアウトする。供給者Aは、プリントアウトされた用紙を、利用者Bに郵便にて送付する。利用者Bは、供給者Aより送付された用紙を受け取り、今後の就職活動に役立てる。図2は、供給者Aのデータベースの概略を示す。サーバーDとサーバーEは、ネットワークからなるコンピュータシステムを構成しており、サーバーDには、試験問題のデータベースaと解答のデータベースbが保管されており、サーバーEには、性別のデータベースc、年齢のデータベースd、留年のデータベースe、学校・学部・学科のデータベースf、専攻のデータベースg、企業のデータベースh、業界のデータベースi、業界別必要資格のデータベースj、資格影響のデータベースk、基礎能力のデータベースl、偏差値算出1のデータベースm、偏差値算出2のデータベースn、偏差値算出3のデータベースo、試験結果影響のデータベースp、内定判定のデータベースqが保管されており、これらを基に就職偏差値u、内定判定w、業界適応率vを算出している。また、システム全体を機能させるための、システム関連のデータベースrもサーバーEには保管されている。図3は、就職模擬試験の受験番号取得の概略を示す。利用者Bは、コンピュータFにて、携帯電話のメールアドレスを入力し、供給者AのサーバーDに送信する。供給者AのサーバーDでは、利用者Bのメールアドレスを受信後、サーバーEにメールアドレスを転送する。サーバーEでは、メールアドレスを受信すると同時に、受験番号を発行し、発行終了と同時に、利用者Bの携帯電話Gに受験番号を送信する。利用者Bは、携帯電話画面2のように、受験番号を取得する。また、サーバーEでは、受験番号の発行後、管理画面1にあるように、利用者Bのデータを登録する。利用者Bの携帯電話に受験番号を送信することで、利用者BのコンピュータFに不具合が生じた場合でも、受験番号を再取得する必要はなく、同じ受験番号で受験が可能となる。図4は、就職模擬試験の問題画面の概略を示す。利用者Bは、一例で示されているような画面3の問題を、制限時間内に解答していく。問題の解答は、表示された選択肢を選び、okをクリックすることで、次の問題へと進む。利用者Bが、制限時間を超過した場合には、時間を超過したとのメッセージが画面4のように表示され、次へをクリックすると、次の科目が開始される。全ての科目が終了した場合は、画面5のように、試験終了を示すメッセージが表示される。図5は、就職模擬試験の問題中の管理の概略を示す。供給者AのサーバーDでは、利用者Bに試験問題を配信した時点で、サーバーEに試験が開始されたメッセージを送信する。サーバーEでは、サーバーDからのメッセージを受信した段階で、管理画面6のテスト状態をテスト前からテスト中へと表示を変更する。管理画面にて、利用者Bの状態を把握しておくことで、利用者Bからの問い合わせ等に迅速に対応でき、また供給者Aの管理による人員確保等を軽減することが可能となる。図6は、就職模擬試験の属性入力の概略を示す。利用者Bは、試験終了後、コンピュータFにて、利用者Bの属性を入力する。画面7では、氏名(カナ)、氏名(漢字)、住所、電話番号、学校、学部・学科、留学年数、留年年数を入力する。次へをクリックすると、画面8へと進む。画面8は、資格を入力する画面である。資格カテゴリーを選択すると、該当する資格が資格欄に表示され、資格欄に表示された資格をクリックすると入力となる。資格は最大5つまで入力が可能である。入力が完了したら、次へをクリックし、画面9へと進む。画面9は、志望企業を入力する画面である。業界カテゴリーを選択すると、該当する企業が企業欄に表示される。企業欄から、志望企業をクリックすると入力となる。志望企業は最大5つまで入力が可能である。入力が完了したら、次へをクリックすると画面10となり、終了となる。図7は、就職模擬試験の試験完了後の管理の概略を示す。利用者Bが、コンピュータFにより、属性データの入力が終了すると、供給者AのサーバーDでは、解答のデータベースbを用いて、採点を行う。採点後、サーバーDからサーバーEに採点結果および属性データを送信する。サーバーEでは、サーバーDからのデータを受信した段階で、管理画面11のように属性データを登録し、テスト状態をテスト中からテスト完了へと変更する。管理画面11への登録が終了した段階で、供給者AのサーバーEから、利用者Bの携帯電話Gへ、携帯電話画面12のように試験完了のメッセージを送信する。利用者Bの携帯電話Gに完了のメッセージを送信することで、利用者BのコンピュータBに不具合が生じた場合であっても、その後の問い合わせなどが携帯電話Gのメールを通じて行うことが可能となる。図8は、就職模擬試験の結果算出のフローチャートの概略である。供給者AのサーバーEでは、サーバーDから送信された採点結果を基に、基礎能力のデータベース1と試験結果影響のデータベースpから基礎能力値sを算出する。また、サーバーDより送られた属性データを基に、性別のデータベースc、年齢のデータベースd、留年のデータベースe、学校・学部・学科のデータベースf、専攻のデータベースgから属性能力値tを算出する。基礎能力値sに、偏差値算出1のデータベースmと偏差値算出2のデータベースnを加えたものと、属性能力値tに、資格影響のデータベースkと偏差値算出3のデータベースoを加えたものから、就職偏差値uを算出する。属性データを基に、業界のデータベースhと業界別必要資格のデータベースjを加え、さらに属性能力値tと就職偏差値uを合わせ、業界適応率vを算出する。最後に、業界適応率vに、企業のデータベースiと内定判定のデータベースqを加え、内定判定wを算出する。図9は、就職模擬試験の結果送付の概略である。供給者AのサーバーEで算出した結果については、用紙にプリントアウトし、郵便Hによって、利用者Bに送付する。また、サーバーEでは、管理画面13の印刷を、見完了から印刷済みに変更する。結果を送付することで、利用者Bは、自身でプリントアウトする必要がなくなる。また、利用者BのコンピュータFに依存せず、結果を自由に持ち運ぶことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 インターネットを利用した就職模擬試験の全体構成の概略を示す図である
【図2】 供給者Aのデータベースの概略を示す図である
【図3】 就職模擬試験の受験番号取得の概略を示す図である
【図4】 就職模擬試験の問題画面の概略を示す図である
【図5】 就職模擬試験の問題中の管理の概略を示す図である
【図6】 就職模擬試験の属性入力の概略を示す図である
【図7】 就職模擬試験の試験完了後の管理の概略を示す図である
【図8】 就職模擬試験の結果算出のフローチャートの概略を示す図である
【図9】 就職模擬試験の結果送付の概略を示す図である
【符号の説明】
【0008】
A 供給者
B 利用者
C 通信回線網(インターネット等)
D 供給者のサーバー
E 供給者のサーバー
F 利用者のコンピュータ
G 利用者の携帯電話
a 試験問題のデータベース
b 解答のデータベース
c 性別のデータベース
d 年齢のデータベース
e 留年のデータベース
f 学校・学部・学科のデータベース
g 専攻のデータベース
h 企業のデータベース
i 業界のデータベース
j 業界別必要資格のデータベース
k 資格影響のデータベース
l 基礎能力のデータベース
m 偏差値算出1のデータベース
n 偏差値算出2のデータベース
o 偏差値算出3のデータベース
p 試験結果影響のデータベース
q 内定判定のデータベース
r システム関連のデータベース
s 基礎能力値
t 属性能力値
u 就職偏差値
v 業界適応率
w 内定判定
1 供給者AのサーバーEの管理画面
2 利用者Bの携帯電話画面
3 利用者BのコンピュータFにおける画面
4 利用者BのコンピュータFにおける画面
5 利用者BのコンピュータFにおける画面
6 供給者AのサーバーEの管理画面
7 利用者BのコンピュータFにおける画面
8 利用者BのコンピュータFにおける画面
9 利用者BのコンピュータFにおける画面
10 利用者BのコンピュータFにおける画面
11 供給者AのサーバーEの管理画面
12 利用者Bの携帯電話画面
13 供給者AのサーバーEの管理画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線網(インターネット等)を利用することにより供給者(主催者)は、試験会場の確保、教材の準備、人員の確保等の軽減を計ることができる。利用者は、受験するための手続き(入会、申し込み、来場)などを一切せずに、自由に参加することが可能である。また、公開模擬試験のように会場の場所や試験日程等に定めがなく、24時間、365日、利用者は誰でも自由に受験することが可能である。さらには、一度だけではなく、何度でも重複して受験することが可能なシステムである。
【請求項2】
供給者のサーバー内には、就職試験に出題される問題が蓄積されており、利用者のレベルにあわせた問題が出題されるシステムである。
【請求項3】
供給者のサーバー内には、同一科目に、異なった試験問題が多数蓄積されており、複数受験が発生した場合においても、利用者毎に異なる試験問題が出題することが可能なシステムである。
【請求項4】
供給者のサーバー内にあるデータベースにおいて、受験生の答案を解答に基づき照合し、また、個人の属性を考慮し、就職偏差値、志望企業の内定判定、業界適応率、各科目の点数が算出することが可能なシステムである。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−165162(P2008−165162A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−71452(P2007−71452)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願変更の表示】意願2006−10913(D2006−10913)の変更
【原出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(504063770)株式会社gusiness (1)
【Fターム(参考)】