説明

インターフェース回路およびデータ処理装置

【課題】LSI間、ボード間、装置(ユニット)間などのインターフェースにおいて、信号線1本当りのデータ転送効率を向上させる。
【解決手段】シフト回路710−0は、1本のデジタル信号D1(0)をシフトさせて、3本のデジタル信号D1S(00)乃至(02)として出力する。アナログ変換回路720−0は、3本のデジタル信号D1S(00)乃至(02)を1本のアナログ信号A2(0)に変換して転送する。デジタル変換回路730−0は、1本のアナログ信号A2(0)を3本のデジタル信号D3(00)乃至(02)に変換する。選択回路740−0は、3本のデジタル信号D3(00)乃至(02)から順次選択して1本のデジタル信号D4(0)を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置に関し、特にLSI間、ボード間、装置(ユニット)間などにおける転送を行うインターフェース回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体技術および回路技術の進歩により、LSI内やボード内のクロック速度は高速化の一途を辿っている。このようにクロック速度が高速化した場合、LSI間、ボード間、装置(ユニット)間などのインターフェースがボトルネックになってくる。デジタル信号のデータを送受信する際には、遅延のミニマム補償も必要になり、クロック期間よりもさらに短い期間にデータが伝送されるように調整する必要がある。
【0003】
このようなクロック速度の高速化に対応するために、例えば、ケーブル遅延やビット間スキューを自動補正する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−112483号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術では、位相/同期調整用のテストパターンを予め送出する必要があり、取り扱いが煩雑になる。このような調整を避けるために、インターフェースにおけるクロック速度を低速化することも考えられるが、転送速度の低下を招くおそれがある。クロック速度を低速化して転送速度を維持するためには、信号線の本数を増やして並列に転送することも考えられるが、信号線の増大は実装上許容されないおそれがある。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、LSI間、ボード間、装置(ユニット)間などのインターフェースにおいて、信号線1本当りのデータ転送効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の側面は、kビット(kは2以上の整数)分の出力デジタル値を出力する出力デジタル値出力手段と、n個(nは「3≦n≦(2のk乗)」となる整数)の離散値を含むm個(mはn以上の整数)の値のうちの、上記kビットの出力デジタル値に対応する1個の出力アナログ値を出力する出力アナログ値出力手段と、共通トリガ信号に基づいて上記出力アナログ値を保持して出力する出力アナログフリップフロップとを具備するインターフェース回路である。これにより、出力先の回路等で、共通トリガ信号に基づいて入力することにより、その共通トリガ信号の制御により、アナログ値の出力と入力を同期化させるものである。この場合、kビットのデジタル値を通信やインターフェースによりそのまま出力および入力することにより、少なくともk本の信号線数(例えば、ピン数、配線数、ケーブル本数等)が必要となるのに対して、そのkビットのデジタル値に対応する1個のアナログ値で通信(またはインターフェース)することにより1本の信号線数で済むため、ピン数、配線数、ケーブル本数等を低減することができる。例えば、n=(2のk乗)の離散値を判別可能な精度の範囲で、1本の信号線(すなわち、1/kの信号線数)により転送することができる。また、これらにより、インターフェースに要する領域や通信距離を低減できるため、装置の小型化や処理の高速化を図ることができる。
【0007】
また、この第1の側面において、上記出力デジタル値出力手段は、上記共通トリガ信号に基づいて上記kビットの出力デジタル値を保持して出力する共通出力デジタル値保持手段を備えてもよい。これにより、kビットの出力デジタル値の保持タイミングから、対応する1個の出力アナログ値の出力タイミングまでを、共通トリガ信号の制御により、共通して同期化させるものである。また、出力先の回路等における共通トリガ信号に基づく入力により、アナログ値の入出力までをも含めた全体を同期化させるものである。
【0008】
また、この第1の側面において、上記出力デジタル値出力手段は、上記出力デジタル値の制御に固有の出力トリガ信号に基づいてそれぞれ1ビットの出力デジタル値を保持して出力するk個の固有出力デジタル値保持手段と、上記k個のうちのi番目(iは「1≦i≦(k-1)」を満たす任意の整数)の固有出力デジタル値保持手段の出力をi+1番目の固有出力デジタル値保持手段の入力とし、上記k個の固有出力デジタル値保持手段によって保持される出力デジタル値を上記出力トリガ信号に基づいてシフトさせる固有出力デジタル値シフト手段とをさらに備え、上記共通出力デジタル値保持手段は、上記共通トリガ信号に基づいて、上記k個の各固有出力デジタル値保持手段から出力される計kビットの出力デジタル値を入力し、上記kビットの出力デジタル値として保持して出力してもよい。これにより、少なくともk個の出力トリガ信号分の周期でkビットの出力デジタル値を出力させるものである。
【0009】
また、この第1の側面において、上記共通トリガ信号の周期が上記出力トリガ信号の周期のk倍であるようにしてもよい。これにより、共通トリガ信号に基づいて制御されるkビットの出力デジタル値の出力から、対応する1個の出力アナログ値出力までの処理、さらには、出力先の回路等における共通トリガ信号に基づくアナログ値の入力(通信、インタフェース)までをも含めた全体を、出力トリガ信号の周期のk倍という遅い周期に合わせて同期化させるものである。このため、出力トリガ信号の周期が短い場合、言い換えれば高速で動作するデジタル回路から出力されるデジタル値を出力する場合等であっても、スループットを下げることなく、k倍という充分な時間をかけて、例えばLSI間、ボード間、ユニット間などの、長距離の伝送処理が可能となる。
【0010】
また、この第1の側面において、上記出力アナログ値保持手段が、半導体基体上に形成された拡散層領域に電荷を蓄積することによりアナログ値を保持してもよい。例えば、電荷転送素子としてBBD(Bucket Brigade Device/Bucket Bridge Device)を用いることができる。
【0011】
また、この第1の側面において、上記出力アナログ値保持手段が、半導体基体上に生じた空乏層領域に電荷を蓄積することによりアナログ値を保持してもよい。例えば、電荷転送素子としてCCD(Charge Coupled Device)を用いることができる。
【0012】
また、本発明の第2の側面は、n個(nは「3≦n≦(2のk乗)」を満たす整数、kは2以上の整数)の離散値を含むm個(mはn以上の整数)の値のうちのいずれかの値を示す入力アナログ値を、共通トリガ信号に基づいて入力して保持する入力アナログフリップフロップと、入力アナログ値に対応するkビット分の入力デジタル値を内部に入力して保持する入力デジタル値入力手段とを具備するインターフェース回路である。これにより、出力元の回路等で、共通トリガ信号に基づいて出力することにより、その共通トリガ信号の制御によって、通信やインターフェースにおけるアナログ値の出力と入力を同期化させるものである。また、この場合、kビットのデジタル値の通信(またはインタフェース)では、少なくともk本の信号線数が必要となるのに対して、そのkビットのデジタル値に対応する1個のアナログ値で通信(またはインタフェース)することにより1本の信号線数で済むため、ピン数、配線数、ケーブル本数等を低減することができる。例えば、n=(2のk乗)の離散値を判別可能な精度の範囲で、1本の信号線(すなわち、1/kの信号線数)により転送することができる。また、これらにより、インターフェースに要する領域や通信距離を低減できるため、装置の小型化や処理の高速化を図ることができる。
【0013】
また、この第2の側面において、上記入力デジタル値入力手段は、上記入力アナログ値に対応するkビット分の入力デジタル値を出力する入力デジタル値出力手段と、上記共通トリガ信号に基づいて、上記kビットの入力デジタル値を保持する共通入力デジタル値保持手段とを備えてもよい。これにより、1個の入力アナログ値の入力タイミングから、対応するkビットの入力デジタル値の保持タイミングまでを、共通トリガ信号の制御により共通して同期化させ、さらには、出力元の回路等における共通トリガ信号に基づく出力により、アナログ値の入出力までをも含めた全体を同期化させるものである。
【0014】
また、この第2の側面において、上記入力デジタル値入力手段は、上記入力デジタル値の制御に固有の入力トリガ信号に基づいて1ビットの入力デジタル値を入力して保持する固有入力デジタル値保持手段と、上記共通入力デジタル値保持手段が保持する上記kビットのうちの1ビットの入力デジタル値を上記入力トリガ信号に基づいて順次選択し、上記固有入力デジタル値保持手段の入力として供給する固有入力デジタル値選択手段とをさらに備えてもよい。これにより、少なくともk個の入力トリガ信号分の周期で、kビットの入力デジタル値を入力させるものである。
【0015】
また、この第2の側面において、上記共通トリガ信号の周期が上記入力トリガ信号の周期のk倍であるようにしてもよい。これにより、共通トリガ信号に基づいて制御される1個の入力アナログ値の入力から、kビットの入力デジタル値の保持までの処理、さらには、出力元の回路等における共通トリガ信号に基づくアナログ値の出力(通信、インタフェース)までをも含めた全体を、入力トリガ信号の周期のk倍という遅い周期に合わせて同期化させるものである。このため、入力トリガ信号の周期が短い場合、言い換えれば高速で動作するデジタル回路に入力されるデジタル値を入力する場合等であっても、スループットを下げることなく、k倍という充分な時間をかけて、例えばLSI間、ボード間、ユニット間などの、長距離の伝送処理が可能となる。
【0016】
また、この第2の側面において、上記入力アナログ値保持手段が、半導体基体上に形成された拡散層領域に電荷を蓄積することによりアナログ値を保持してもよい。例えば、電荷転送素子としてBBD(Bucket Brigade Device/Bucket Bridge Device)を用いることができる。
【0017】
また、この第2の側面において、上記入力アナログ値保持手段が、半導体基体上に生じた空乏層領域に電荷を蓄積することによりアナログ値を保持してもよい。例えば、電荷転送素子としてCCD(Charge Coupled Device)を用いることができる。
【0018】
また、本発明の第3の側面は、共通トリガ信号に基づいて、kビット(kは2以上の整数)分の出力デジタル値を、n個(nは「3≦n≦(2のk乗)」を満たす整数)の離散値を含むm個(mはn以上の整数)の値のうちの、対応する1個の出力アナログ値として出力する出力インターフェース回路と、上記共通トリガ信号に基づいて、上記出力アナログ値を入力アナログ値として入力し、対応するkビット分の入力デジタル値を内部に入力する入力インターフェース回路と、上記出力インターフェース回路および上記入力インターフェース回路に対する上記共通トリガ信号の供給を制御する制御手段とを具備するデータ処理装置である。これにより、共通トリガ信号の制御により、アナログ値の出力と入力(通信、インタフェース)を同期化させるものである。また、この場合、kビットのデジタル値をそのまま通信(またはインタフェース)すれば、少なくともk本の信号線数(例えば、ピン数、配線数、ケーブル本数等)が必要となるのに対して、対応する1個のアナログ値で通信(またはインタフェース)すれば1本の信号線数で済むため、ピン数、配線数、ケーブル本数等を低減することができる。例えば、n=(2のk乗)の離散値を判別可能な精度の範囲で、1本の信号線(すなわち、1/kの信号線数)により転送することができる。また、これらにより、インターフェースに要する領域や通信距離を低減できるため、装置の小型化や処理の高速化を図ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、LSI間、ボード間、装置(ユニット)間などのインターフェースにおいて、信号線1本当りのデータ転送効率を向上させることができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100と試験対象となる回路群との関係例を示す図である。回路11乃至13は、試験の際に観測対象となる回路である。回路31乃至33は、試験の際に制御対象となる回路である。なお、ここでは説明の便宜上、観測対象となる回路および制御対象となる回路がそれぞれ3つずつ存在することを想定しているが、これに限定されるものではない。
【0022】
アナログスキャン回路100は、入力端子IN1乃至IN3に入力された回路11乃至13の内部の信号電圧をサンプリングしてアナログ値として保持し、また、出力端子VOUT1乃至VOUT3から回路31乃至33に対してアナログ値を供給して各回路の内部の信号電圧として設定する機能を有する。また、アナログスキャン回路100は、スキャンイン端子Sinおよびスキャンアウト端子Soutを備えており、(図示しない)テスタからスキャンイン端子Sinに入力されたテストデータをアナログ値として保持し、また、スキャンアウト端子Soutからテスタに対してテストデータを出力する機能を有する。
【0023】
回路31乃至33の入力端子には、それぞれ2つのトランジスタ51乃至53および61乃至63が接続されており、何れか一方のトランジスタが導通することにより、回路21乃至23の出力端子またはアナログスキャン回路100の出力端子VOUT1乃至VOUT3の何れかの信号が入力されるようになっている。何れのトランジスタを導通させるかは、テスト端子TS1乃至TS3の信号によって制御される。トランジスタ51乃至53および61乃至63のゲート端子には、インバータ41乃至43によって互いに相反する極性の信号が与えられ、両トランジスタは互いに異なる状態となるように制御される。
【0024】
例えば、回路31をテストする場合には、テスト端子TS1に「1」が設定され、トランジスタ61がオン状態になり、トランジスタ51がオフ状態になる。これにより、回路31にはアナログスキャン回路100のVOUT1の信号が入力される。一方、回路31をテストしない通常動作の場合には、テスト端子TS1に「0」が設定され、トランジスタ61がオフ状態になり、トランジスタ51がオン状態になる。これにより、回路31には前段の回路21からの信号が入力される。
【0025】
アナログスキャン回路100は、アナログ値を保持するセルを複数備えており、保持されるアナログ値はセルの間でシフト転送できるようになっている。この転送タイミングを制御するために、アナログスキャン回路100にはシフト転送のためのクロック端子SAckおよびSBckが設けられている。また、アナログスキャン回路100には、アナログ値をセルに新たに保持(ロードまたはサンプリング)するためのクロック端子Lck、および、保持しているアナログ値を出力(ライト)するためのクロック端子Wckが設けられている。各セルに保持されるアナログ値は、アナログ信号のパルス振幅変調(PAM:Pulse Amplitude Modulation)信号である。すなわち、時間方向には量子化(サンプリング)されるが、振幅としてはアナログ値となる。
【0026】
また、アナログスキャン回路100には、ロード用制御端子LCNT1乃至LCNT3およびライト用制御端子WCNT1乃至WCNT3が設けられる。ロード用制御端子LCNT1乃至LCNT3は、入力端子IN1乃至IN3に対応し、これらを個別に制御するための端子である。また、ライト用制御端子WCNT1乃至WCNT3は、出力端子VOUT1乃至VOUT3に対応し、これらを個別に制御するための端子である。これらの制御の具体的な内容については後述する。
【0027】
図2は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第1の実施例を示す概念図である。また、図3は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第1の実施例を示すレイアウト図である。
【0028】
アナログスキャン回路100は、例えばP型のシリコン基板101上に形成される。シリコン基板101の表面には、酸化工程により絶縁膜102が形成される。絶縁膜102の下にはN型の拡散層領域221乃至226が形成される。また、絶縁膜102の上には拡散層領域221乃至226に対応する位置にゲート電極211乃至216が形成される。このゲート電極211乃至216は、図示するように、拡散層領域221乃至226の隣接する一方の上方に延在している。
【0029】
ゲート電極211乃至216と拡散層領域221乃至226との間の容量にはそれぞれ電荷を蓄積することができる。ゲート電極211乃至216には、1つおきにクロック信号線121および122が接続される。クロック信号線121にはクロック信号SAckが供給され、クロック信号線122にはクロック信号SBckが供給される。このクロック信号SAckおよびSBckを制御することにより、蓄積された電荷が左方から右方へ転送される。
【0030】
このアナログスキャン回路100は、BBD(Bucket Brigade Device/Bucket Bridge Device)を基本としたものであり、電荷を蓄積する単位としてセル201乃至206に分けることができる。なお、ここでは説明の便宜上、6つのセル201乃至206を示しているが、これに限定されるものではない。BBDのセル構造は、例えば特公昭47−27573号公報に記載されている。
【0031】
拡散層領域221乃至226には、他の回路からの出力信号を入力することができる。この第1の実施例では、拡散層領域221にトランジスタ301を、拡散層領域223にトランジスタ302を、拡散層領域225にトランジスタ303を、それぞれ接続している。トランジスタ301の一端には入力端子IN1(311)が接続され、トランジスタ302の一端には入力端子IN2(312)が接続され、トランジスタ303の一端には入力端子IN3(313)が接続されている。
【0032】
また、トランジスタ301乃至303のゲートにはロード用クロック信号線130が接続されている。このクロック信号線130には、ロード用クロック信号Lckが供給される。これにより、クロック信号LckがH(High)状態であれば、トランジスタ301乃至303がオン状態となって、入力端子IN1乃至IN3のアナログ信号が拡散層領域221、223および225に供給される。このようにして供給されたアナログ信号によって、ゲート電極211、213および215と拡散層領域221、223および225との間のそれぞれの容量には電荷が充電される。そして、クロック信号LckがL(Low)状態になると、トランジスタ301乃至303がオフ状態となり、電荷の充電は停止する。
【0033】
この第1の実施例では、拡散層領域225に電荷電圧変換アンプ(QVアンプ)401が接続されており、この電荷電圧変換アンプ401を介してスキャンアウト信号Soutがスキャンアウト端子に出力される。この電荷電圧変換アンプ401は、蓄積されている電荷を電圧に変換するアンプである。また、拡散層領域226にはイコライズ用のイニシャル電圧Veqが供給される。クロック信号SAckおよびSBckをともにH状態とすることにより、拡散層領域221乃至226の電位がイコライズ用のイニシャル電圧Veqに一致するようになり、ゲート電極211乃至216と拡散層領域221乃至226との間の各容量に保持されていた可動電荷がイニシャル値(Qeq)になる。このイコライズは、データシフト時に途中のセルに蓄積電荷が存在すると、信号から作った電荷に加算されて精度が劣化するため、これを防ぐために行われる処理である。なお、スキャン動作によってイコライズが自動的に行われるため、2度目のスキャン以降では再度イコライズを行う必要はない。
【0034】
図4は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第1の実施例のタイミングチャートである。
【0035】
時刻T1では、クロック信号SAckおよびSBckがともにH状態にされることにより、拡散層領域221乃至226における電位VC1乃至VC6はイコライズ用の電位Veqに一致するようになり、可動電荷はイニシャル値(Qeq)となる。したがって、このときのスキャンアウト信号Soutは、イニシャル電圧(Veq)になる。
【0036】
時刻T2では、クロック信号LckがH状態にされることにより、入力端子IN1乃至IN3のアナログ信号が拡散層領域221、223および225に供給され、それぞれVC1乃至VC3として電荷が蓄積される。このときのスキャンアウト信号Soutは、入力端子IN3に供給されている電位と同じ電位になる。
【0037】
時刻T3では、クロック信号SAckがL状態、クロック信号SBckがH状態にされることにより、ゲート電極211、213および215と拡散層領域221、223および225との間のそれぞれの容量に保持されていた電荷が、ゲート電極212、214および216と拡散層領域222、224および226との間のそれぞれの容量に転送される。これにより、ゲート電極211、213および215と拡散層領域221、223および225との間のそれぞれの容量における可動電荷はイニシャル値(Qeq)になる。
【0038】
時刻T4では、クロック信号SAckがH状態、クロック信号SBckがL状態にされることにより、ゲート電極212、214および216と拡散層領域222、224および226との間のそれぞれの容量に保持されていた電荷が、ゲート電極211、213および215と拡散層領域221、223および225との間のそれぞれの容量に転送される。このときのスキャンアウト信号Soutは、時刻T2において入力端子IN2に供給されていた電位と同じ電位になる。
【0039】
同様に、時刻T5では、クロック信号SAckがL状態、クロック信号SBckがH状態にされ、続く時刻T6では、クロック信号SAckがH状態、クロック信号SBckがL状態にされる。これにより、時刻6におけるスキャンアウト信号Soutは、時刻T2において入力端子IN1に供給されていた電位と同じ電位になる。
【0040】
時刻T7以降は、時刻T2以降の動作を繰り返すことになる。したがって、クロック信号SAckまたはSBckの半周期分を1Tとして表すと、この第1の実施例におけるサンプリング(ロード)周期は5Tになる。
【0041】
このように、本発明の実施の形態における第1の実施例では、クロック信号LckをH状態にすることにより入力端子IN1乃至IN3のアナログ信号を取り込み、その後、クロック信号SAckおよびSBckを交互にH状態にすることにより電荷を転送して、スキャンアウト信号Soutとして出力することができる。
【0042】
なお、実際のLSIにおいてモニターしたい信号は、LSIの中に不規則に分散しているため、このBBDセルをLSIの一部分にまとめて配置してしまうと、それぞれのノードからBBDセルまで配線する必要があり、チップ面積を増大させることになる。そこで、BBDセルを分割して、それぞれのノードの近くに配置し、また、トータルの配線が最短になるように一筆書きに配置するのが好ましい。図5は、本発明の実施の形態においてBBDセルを分散配置する例を示す図である。この例のように、一方のBBDセルにおける拡散層領域227と他方のBBDセルにおける拡散層領域228との間を信号線251により接続することにより、分散したBBDセル間においても連続するスキャンパスとして扱うことができるようになる。
【0043】
図6は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第2の実施例を示すレイアウト図である。第1の実施例では入力端子IN1乃至IN3が接続されるトランジスタのゲートには共通のロード用クロック信号線130が接続されていたが、この第2の実施例では入力端子IN1乃至IN3が接続されるトランジスタのゲート電極321乃至323には個別の制御信号線が接続されている。これら個別の信号線には論理和ゲート331乃至333の出力が接続されている。
【0044】
論理和ゲート331乃至333は、制御信号LCNT1乃至LCNT3とロード用クロック信号Lckのそれぞれの論理和(OR)を生成する論理ゲートである。これにより、ロード用クロック信号LckがH状態でない場合であっても、個別に制御信号LCNT1乃至LCNT3をH状態にすることにより、対応する入力端子IN1乃至IN3のアナログ信号を取り込むことができる。
【0045】
図7は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第2の実施例のタイミングチャートである。この第2の実施例では、入力端子IN1のアナログ信号のみを取り込むために、定常的にLCNT1=H、LCNT2=L、LCNT3=L、Lck=Lに設定されるものとする。
【0046】
時刻T1で、制御信号LCNT1がH状態になると、拡散層領域221に入力端子IN1のアナログ値が供給されるようになる。また、クロック信号SAckがH状態、クロック信号SBckがL状態にされることにより、ゲート電極212および214と拡散層領域222および224との間のそれぞれの容量に保持されていた電荷が、ゲート電極213および215と拡散層領域223および225との間のそれぞれの容量に転送される。
【0047】
時刻T2では、クロック信号SAckがL状態、クロック信号SBckがH状態にされることにより、ゲート電極211、213および215と拡散層領域221、223および225との間のそれぞれの容量に保持されていた電荷が、ゲート電極212、214および216と拡散層領域222、224および226との間のそれぞれの容量に転送される。すなわち、入力端子IN1から拡散層領域221に供給されるアナログ信号が、拡散層領域222まで供給され、クロック信号SBckが再びL状態に移行するタイミングまで電荷が蓄積されていく。
【0048】
時刻T3では、クロック信号SAckがH状態、クロック信号SBckがL状態にされることにより、ゲート電極212および214と拡散層領域222および224との間のそれぞれの容量に保持されていた電荷が、ゲート電極213および215と拡散層領域223および225との間のそれぞれの容量に転送される。すなわち、時刻T2において入力端子IN1からゲート電極212と拡散層領域222との間に蓄積された電荷が、ゲート電極213と拡散層領域223との間に転送される。
【0049】
時刻T4では、クロック信号SAckがL状態、クロック信号SBckがH状態にされることにより、ゲート電極211、213および215と拡散層領域221、223および225との間のそれぞれの容量に保持されていた電荷が、ゲート電極212、214および216と拡散層領域222、224および226との間のそれぞれの容量に転送される。すなわち、入力端子IN1から拡散層領域221に供給されるアナログ信号が、拡散層領域222まで供給され、クロック信号SBckが再びL状態に移行するタイミングまで電荷が蓄積されていく。また、時刻T2において入力端子IN1からゲート電極212と拡散層領域222との間に蓄積された電荷は、ゲート電極214と拡散層領域224との間に転送される。
【0050】
時刻T5では、クロック信号SAckがH状態、クロック信号SBckがL状態にされることにより、ゲート電極212および214と拡散層領域222および224との間のそれぞれの容量に保持されていた電荷が、ゲート電極213および215と拡散層領域223および225との間のそれぞれの容量に転送される。すなわち、時刻T4においてゲート電極212と拡散層領域222との間に蓄積された電荷がゲート電極213と拡散層領域223との間に転送され、時刻T2においてゲート電極212と拡散層領域222との間に蓄積された電荷がゲート電極215と拡散層領域225との間に転送される。これにより、時刻5におけるスキャンアウト信号Soutは、時刻2において入力端子IN1に供給されていた電位と同じ電位になる。
【0051】
この第2の実施例においては、時刻T3以降は、時刻T1以降の動作を繰り返すことになる。したがって、クロック信号SAckまたはSBckの半周期分を1Tとして表すと、この第2の実施例におけるサンプリング周期は2Tになる。すなわち、第1の実施例では複数の入力信号を並列に取り込んでいたためサンプリング周期が長くなっていたが、この第2の実施例のように各入力信号に対応する制御信号を個別に設けることにより、サンプリング対象を絞ることができ、サンプリング周期を短縮することができる。
【0052】
図8は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第2の実施例の詳細タイミングチャートである。入力端子IN1に正弦波が与えられた場合の具体例を示している。
【0053】
LCNT1が常にH状態であることから、拡散層領域221には常に入力端子IN1からのアナログ信号が供給される。また、クロック信号SBckがH状態にある期間は、拡散層領域222にも入力端子IN1からのアナログ信号が供給される。これにより、ゲート電極212と拡散層領域222との間に電荷が蓄積される。そして、クロック信号SAckおよびSBckが交互に制御されることにより、蓄積された電荷が左方から右方へ転送される。
【0054】
図9は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第3の実施例を示す概念図である。また、図10は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第3の実施例を示すレイアウト図である。
【0055】
この第3の実施例では、スキャンイン端子Sinからの信号が拡散層領域220に供給される。これにより、ゲート電極211と拡散層領域221との間に電荷が蓄積される。そして、クロック信号SAckおよびSBckが交互に制御されることにより、蓄積された電荷が左方から右方へ転送される。
【0056】
この第3の実施例では、拡散層領域221、223および225に、電荷電圧変換アンプ411乃至413を、それぞれ接続している。この電荷電圧変換アンプ411乃至413は、上述のように、蓄積されている電荷を電圧に変換するアンプである。このアンプの出力は電圧となり、ハイインピーダンスにはならない。
【0057】
電荷電圧変換アンプ411乃至413の出力は、拡散層領域451乃至453からトランジスタ421乃至423に加えられる。トランジスタ421乃至423のゲートには出力用のクロック信号Wckがクロック信号線140を介して供給される。このクロック信号WckがH状態のときにトランジスタ421乃至423はオン状態となって、拡散層領域461乃至463と電極471乃至473とから構成されるコンデンサ431乃至433を充電する。また、クロック信号WckがL状態のときにトランジスタ421乃至423はオフ状態となって、充電された電圧値はホールドされる。このように、トランジスタ421乃至423およびコンデンサ431乃至433はサンプル・アンド・ホールド回路を構成する。このサンプル・アンド・ホールド回路の出力には、それぞれアンプ441乃至443が接続されており、各出力はそれぞれ出力端子VOUT1乃至VOUT3に供給される。
【0058】
図11は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第3の実施例のタイミングチャートである。
【0059】
時刻T1では、クロック信号SAckおよびSBckがともにH状態にされることにより、拡散層領域221乃至226における電位VC1乃至VC6はイコライズ用の電位Veqに一致するようになり、可動電荷はイニシャル値(Qeq)となる。
【0060】
時刻T2では、クロック信号SAckがH状態、クロック信号SBckがL状態にされることにより、スキャンイン端子Sinからの信号A1が拡散層領域221に供給され、拡散層領域221とゲート電極211との間の容量に信号A1の電荷が蓄積される(VC1)。
【0061】
時刻T3では、クロック信号SAckがL状態、クロック信号SBckがH状態にされることにより、ゲート電極211、213および215と拡散層領域221、223および225との間のそれぞれの容量に保持されていた電荷が、ゲート電極212、214および216と拡散層領域222、224および226との間のそれぞれの容量に転送される。すなわち、この時刻T3では、時刻T2で拡散層領域221とゲート電極211との間に蓄積された信号A1の電荷が、拡散層領域222とゲート電極212との間に転送される(VC2)。
【0062】
時刻T4では、クロック信号SAckがH状態、クロック信号SBckがL状態にされることにより、スキャンイン端子Sinからの信号B1が拡散層領域221に供給され、拡散層領域221とゲート電極211との間の容量に信号B1の電荷が蓄積される。また、ゲート電極212および214と拡散層領域222および224との間のそれぞれの容量に保持されていた電荷が、ゲート電極213および215と拡散層領域223および225との間のそれぞれの容量に転送される。すなわち、この時刻T4では、時刻T2で拡散層領域221とゲート電極211との間に蓄積された信号A1の電荷が、拡散層領域223とゲート電極213との間に転送される(VC3)。
【0063】
時刻T5では、クロック信号SAckがL状態、クロック信号SBckがH状態にされることにより、ゲート電極211、213および215と拡散層領域221、223および225との間のそれぞれの容量に保持されていた電荷が、ゲート電極212、214および216と拡散層領域222、224および226との間のそれぞれの容量に転送される。すなわち、この時刻T5では、時刻T2で拡散層領域221とゲート電極211との間に蓄積された信号A1の電荷が、拡散層領域224とゲート電極214との間にまで転送されたことになり(VC4)、同時に、時刻T4で拡散層領域221とゲート電極211との間に蓄積された信号B1の電荷が、拡散層領域222とゲート電極212との間に転送される(VC2)。
【0064】
時刻T6では、クロック信号SAckがH状態、クロック信号SBckがL状態にされることにより、スキャンイン端子Sinからの信号C1が拡散層領域221に供給され、拡散層領域221とゲート電極211との間の容量に信号C1の電荷が蓄積される。また、ゲート電極212および214と拡散層領域222および224との間のそれぞれの容量に保持されていた電荷が、ゲート電極213および215と拡散層領域223および225との間のそれぞれの容量に転送される。すなわち、この時刻T6では、時刻T2で拡散層領域221とゲート電極211との間に蓄積された信号A1の電荷が、拡散層領域225とゲート電極215との間に転送されたことになり(VC5)、同時に、時刻T4で拡散層領域221とゲート電極211との間に蓄積された信号B1の電荷が、拡散層領域223とゲート電極213との間に転送される(VC3)。
【0065】
また、この時刻T6において、ライト用のクロック信号WckがH状態にされることにより、出力端子VOUT1乃至VOUT3には、アナログ値C1、B1およびA1がそれぞれ供給される。これら出力端子VOUT1乃至VOUT3の値は、サンプル・アンド・ホールド回路によって、次にクロック信号WckがH状態にされる時刻T12の直前まで同じ値が維持される。
【0066】
時刻T7以降は、同様の要領で動作を繰り返す。この場合、クロック信号SAckまたはSBckの半周期分を1Tとして表すと、この第3の実施例における出力周期は6Tになる。
【0067】
図12は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第3の実施例のためのスキャンイン端子Sinからの信号の例である。VOUT1用信号、VOUT2用信号、および、VOUT3用信号は、それぞれ出力端子VOUT1乃至VOUT3から出力させようとする信号である。VOUT1用信号は、サンプリングされた順に、A1、A2、A3などの信号列となる。VOUT2用信号は、サンプリングされた順に、B1、B2、B3などの信号列となる。VOUT3用信号は、サンプリングされた順に、C1、C2、C3などの信号列となる。
【0068】
スキャンイン信号Sinは、これらVOUT1用信号、VOUT2用信号、および、VOUT3用信号を合成したものであり、A1、B1、C1、A2、B2、C2、A3、B3、C3等の信号列に並び替えられる。このようにして生成されたスキャンイン信号Sinは、同図のように各点で変化するPAM信号となる。
【0069】
図13は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第4の実施例を示すレイアウト図である。第3の実施例では出力端子VOUT1乃至VOUT3が接続されるトランジスタのゲートには共通のライト用クロック信号線140が接続されていたが、この第4の実施例では出力端子VOUT1乃至VOUT3が接続されるトランジスタのゲート電極491乃至493には個別の制御信号線が接続されている。これら個別の信号線には論理積ゲート481乃至483の出力が接続されている。
【0070】
論理積ゲート481乃至483は、ライト用制御信号WCNT1乃至WCNT3とライト用クロック信号Wckのそれぞれの論理積(AND)を生成する論理ゲートである。これにより、個別に制御信号WCNT1乃至WCNT3をH状態にすることにより、ライト用クロック信号WckがH状態になったタイミングで、対応する出力端子VOUT1乃至VOUT3にアナログ信号を出力することができる。
【0071】
図14は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第4の実施例のタイミングチャートである。この第4の実施例では、個別に制御信号WCNT1乃至WCNT3をH状態にすることにより、出力端子VOUT1乃至VOUT3に対してアナログ信号を出力する。
【0072】
この例では、スキャンイン信号Sinは、時刻T1でB1、時刻T3でC1、時刻T5でB3、時刻T7でB4、時刻T9でA1、時刻T11でB6、時刻T13でC2の各アナログ値を示す。このスキャンイン信号Sinは、クロック信号SAckがH状態となるタイミングでゲート電極211と拡散層領域221との間に供給され、電荷が充電される。そして、クロック信号SAckおよびSBckの制御により、蓄積された電荷が左方から右方へ転送される。
【0073】
時刻T4では、クロック信号WckがH状態になる際に、出力端子VOUT1乃至VOUT3が全てH状態にされる。これにより、出力端子VOUT1にはアナログ値C1が、出力端子VOUT2にはアナログ値B1が、出力端子VOUT3にはアナログ値「0」が、それぞれ出力される。
【0074】
時刻T8では、クロック信号WckがH状態になる際に、出力端子VOUT2のみがH状態にされる。これにより、出力端子VOUT2にはアナログ値B3が出力され、他の出力端子VOUT1およびVOUT3の出力には変化は生じない。
【0075】
同様に、時刻T10では、クロック信号WckがH状態になる際に、出力端子VOUT2のみがH状態にされる。これにより、出力端子VOUT2にはアナログ値B4が出力され、他の出力端子VOUT1およびVOUT3の出力には変化は生じない。
【0076】
また、時刻T14では、クロック信号WckがH状態になる際に、出力端子VOUT1乃至VOUT3が全てH状態にされる。これにより、出力端子VOUT1にはアナログ値C2が、出力端子VOUT2にはアナログ値B6が、出力端子VOUT3にはアナログ値A1が、それぞれ出力される。この場合、クロック信号SAckまたはSBckの半周期分を1Tとして表すと、この第4の実施例における出力周期は2Tになる。
【0077】
図15は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第4の実施例のためのスキャンイン端子Sinからの信号の例である。
【0078】
スキャンイン信号Sinには、出力端子VOUT1乃至VOUT3に出力される各信号が含まれている。ここで、出力端子VOUT1に出力される信号はゆっくり変化する三角波であり、出力端子VOUT2に出力される信号は周波数の高いサイン波であり、出力端子VOUT3に出力される信号は少し周波数の高い2値信号である。
【0079】
このような信号を想定した場合、周波数の高い信号については出力周期を短くし、周波数の低い信号については出力周期を長くすることで、各セルを有効に利用することができる。上述の第4の実施例によれば、出力端子を個別に制御することができるため、信号の性質に応じて出力頻度を決定することができる。
【0080】
図16は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第5の実施例を示す概念図である。また、図17は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第5の実施例を示すレイアウト図である。この第5の実施例では、拡散層領域221にトランジスタ301を、拡散層領域223に電荷電圧変換アンプ412を、拡散層領域225にトランジスタ303を、それぞれ接続している。また、拡散層領域225には電荷電圧変換アンプ401が接続されており、この電荷電圧変換アンプ401の出力はスキャンアウト端子Soutに供給される。
【0081】
トランジスタ301の一端には入力端子IN1が接続され、トランジスタ303の一端には入力端子IN3が接続されている。トランジスタ301および303のゲートにはロード用クロック信号線130が接続されている。このクロック信号線130には、ロード用クロック信号Lckが供給される。これにより、クロック信号LckがH状態であれば、トランジスタ301および303がオン状態となって、入力端子IN1およびIN3のアナログ信号が拡散層領域221および225に供給される。このようにして供給されたアナログ信号によって、ゲート電極211および215と拡散層領域221および225との間のそれぞれの容量には電荷が充電される。そして、クロック信号LckがL状態になると、トランジスタ301および303がオフ状態となり、電荷の充電は停止する。
【0082】
電荷電圧変換アンプ412の出力は、拡散層領域452からトランジスタ422に加えられる。トランジスタ422のゲートには出力用のクロック信号Wckがクロック信号線140を介して供給される。このクロック信号WckがH状態のときにトランジスタ422はオン状態となって、拡散層領域462と電極472とから構成されるコンデンサ432を充電する。また、クロック信号WckがL状態のときにトランジスタ422はオフ状態となって、充電された電圧値はホールドされる。このように、トランジスタ422およびコンデンサ432はサンプル・アンド・ホールド回路を構成する。このサンプル・アンド・ホールド回路の出力にはアンプ442が接続されており、その出力は出力端子VOUT2に供給される。
【0083】
すなわち、この第5の実施例は、図3に示した第1の実施例と図10に示した第3の実施例とを同時に実現したものである。したがって、その動作も両者を組み合わせたものになる。
【0084】
図18は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第5の実施例のタイミングチャートである。この第5の実施例では、クロック信号LckがH状態になるタイミングで、入力端子IN1およびIN3からアナログ信号が供給され、それぞれゲート電極211および215と拡散層領域221および225との間に電荷が充電される。また、クロック信号SAckがH状態になるタイミングで、スキャンイン端子Sinからアナログ信号が供給され、ゲート電極211と拡散層領域221との間に電荷が充電される。そして、クロック信号SAckおよびSBckの制御により、蓄積された電荷が左方から右方へ転送される。
【0085】
また、クロック信号WckがH状態になるタイミングで、出力端子VOUT2には、ゲート電極213と拡散層領域223との間に充電されていた電荷に相当する電位が出力される。
【0086】
この第5の実施例では、クロック信号SAckまたはSBckの半周期分を1Tとして表すと、サンプリング周期および出力周期はともに5Tになる。
【0087】
なお、本発明の実施の形態におけるBBDは、電荷転送によりアナログ信号を転送するため、電荷が途中でリークして電荷量が減衰する場合もありえる。この信号は外部からスキャンイン端子Sinを介して入力した既知の信号であり、読み出された電圧から電荷の変化量を校正することができる。例えば、スキャンアウト端子Soutの時刻T9における信号B1および時刻T14における信号B2はともに既知であるため、両信号に基づいて校正することにより電圧アジャストを実現することができる。また、アナログスキャン回路100に故障がある場合にも、アナログスキャン回路100自体を試験するために、このスキャンアウト端子Soutの出力を用いることができる。
【0088】
図19は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第6の実施例を示すレイアウト図である。この第6の実施例では、拡散層領域221、223および225に、トランジスタ301乃至303および電荷電圧変換アンプ411乃至413の両者を、それぞれ接続している。
【0089】
すなわち、この第6の実施例は、図6に示した第2の実施例と図13に示した第4の実施例とを同時に実現したものである。したがって、その動作も両者を組み合わせたものになる。但し、図6に示した第2の実施例ではクロック信号Lckと制御信号LCNT1乃至LCNT3との間の論理和を生成していたが、この第6の実施例では、両者間の論理積を論理積ゲート381乃至383によって生成している。基本的な動作は同様であり、例えば、IN1のみを選択して、他のIN2およびIN3を非選択にするには、クロック信号Lckおよび制御信号LCNT1をH状態として、制御信号LCNT2およびLCNT3をL状態にすればよい。
【0090】
なお、この第6の実施例では、一般形として同一セルに入出力の両者を接続しているが、同一セルにおいては同タイミングでは何れか一方しか動作できない。
【0091】
図20は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第7の実施例を示すレイアウト図である。この第7の実施例は、第6の実施例と比べて、スキャンイン端子にD/A(Digital to Analog)コンバータ209が接続され、スキャンアウト端子にA/D(Analog to Digital)コンバータ409が接続されている。これにより、LSIテスタからD/Aコンバータ209を介してデジタル信号を入力することができるようになり、また、A/Dコンバータ409を介してデジタル信号をLSIテスタに出力することができるようになる。
【0092】
アナログLSIを測定する場合には、LSIテスタからアナログ値による電圧を加え、アナログ値による電圧を読み出すのが一般的である。しかし、LSIテスタは一般に、高速にアナログ信号を発生し、測定するのはあまり得意ではない。一方、LSIテスタは、デジタル信号であれば高速に発生し、測定することは可能である。特に、LSIから内部信号を読み出して、並べ変え、フィルタリングもしくは信号処理する場合には、デジタルデータとして取り込んだ場合の方が処理し易い。そのため、この第7の実施例では、D/Aコンバータ209およびA/Dコンバータ409が新たに設けられる。
【0093】
これらD/Aコンバータ209およびA/Dコンバータ409は、必要に応じて適宜用いられるものであり、LSIの内部に備えられてもよく、LSIの外部に備えられてもよい。LSIの内部に備えた場合は、BIST(Built-In Self-Test)と呼ばれ、変換速度や耐ノイズ性の点でメリットがあるが、チップ面積が増大するというデメリットもある。一方、LSIの外部に備えた場合は、BOST(Built-Out Self-Test)と呼ばれ、BISTとは逆の得失がある。本発明は何れの場合であっても適用可能である。これらD/Aコンバータ209およびA/Dコンバータ409を設けることにより、デジタルデータと同様にアナログ信号を取り扱うことができるようになる。また、これにより、特にデジアナ混在LSIとの親和性を向上させることができる。
【0094】
なお、ここまでの実施例では、アナログ値の転送機能をBBDにより実現する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、CCD(Charge Coupled Device)により実現してもよい。
【0095】
図21は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第8の実施例を示すレイアウト図である。この第8の実施例は、アナログ値の転送機能をCCDにより実現する例である。CCDは、シリコン基板上の酸化膜の上に2層のポリシリコン電極が配置されて構成される。このCCDでは、電極に電圧を加えることにより隣接する空乏層をつなげて、隣接容量の電荷をパンチスルーにより転送する。
【0096】
この第8の実施例では、3相クロックによるCCDを想定し、電極611乃至619に対して3本のクロック信号線631乃至633の何れか1本を接続している。また、図3の第1の実施例と同様に、ロード用クロック信号線670をゲートに接続したトランジスタを電極611、614および617に接続している。トランジスタの他端には入力端子IN1乃至IN3が接続される。なお、トランジスタは、ソースおよびドレインに相当する拡散層領域651乃至653および661乃至663の対と、ゲートに相当するクロック信号線670により形成される。
【0097】
また、電極619には、拡散層領域664を介して、電荷電圧変換アンプ680およびトランジスタ640が接続される。電荷電圧変換アンプ680により、拡散層領域664を介してスキャンアウト信号Soutがスキャンアウト端子に出力される。また、トランジスタ640の他端にはイコライズ用の端子Veqが接続され、ゲートにはイコライズ駆動端子Teqが接続される。イコライズ駆動端子TeqをH状態にすることによって、拡散層領域664を介してイコライズが行われる。
【0098】
クロック信号線670がH状態にされると、入力端子IN1乃至IN3からのアナログ信号が電極611、614および617の下の電荷蓄積領域(空乏層)に供給され、電荷が蓄積される。そして、クロック信号線631乃至633によって3相のクロック信号SAck、SBckおよびSCckを順番にH状態とすることにより、左から右へ電荷が転送されていく。転送された電荷は順次、電荷電圧変換アンプ680に入力されて電圧に変換され、スキャンアウト信号Soutとしてスキャンアウト端子に出力されていく。
【0099】
このように、CCDはBBDと比べて電荷を転送する仕組みは異なるが、基本的な動作はBBDと同様である。なお、第8の実施例では、3相クロックによるCCDを想定したが、これ以外に、2相や4相などの他の多相クロックによるCCDに適用することができる。2相および4相クロックによるCCDの構造については、例えば、米本和也著「CCD/CMOSのイメージセンサの基礎と応用」(CQ出版)を参照することができる。
【0100】
次に、本発明の実施の形態の具体的な適用例について説明する。
【0101】
図22は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路を用いたIIRフィルタの構成例を示す図である。IIR(Infinite Impulse Response)フィルタは、システムのインパルス応答列が無限に続くフィルタ(無限インパルス応答フィルタ)である。IIRフィルタはデジタルフィルタとして実現されることが多く、この場合、各要素はデジタル回路により構成される。これに対し、本発明の実施の形態では、各要素を以下のようにアナログ回路により実現する。
【0102】
本発明の実施の形態におけるIIRフィルタは、アナログ加算器810および850と、アナログ乗算器831乃至849と、アナログ同期回路821乃至829とを備えている。アナログ加算器810は、入力されるアナログ信号X(t)と、アナログ乗算器831乃至839の出力とを加算する加算器である。アナログ加算器850は、アナログ乗算器840乃至849の出力を加算する加算器である。アナログ乗算器831乃至839は、アナログ同期回路821乃至829の出力に対してそれぞれ定数a乃至an−1を乗算する乗算器である。アナログ乗算器840乃至849は、アナログ加算器810およびアナログ同期回路821乃至829の出力に対してそれぞれ定数b乃至bn−1を乗算する乗算器である。アナログ同期回路821乃至829は、アナログ加算器810の出力を1サンプリング時間ずつ遅延させる遅延器である。このアナログ同期回路821乃至829は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路により実現することができる。
【0103】
すなわち、本発明の実施の形態におけるIIRフィルタでは、アナログ同期回路821乃至829をアナログスキャン回路により実現することにより、フィルタ全体に亘ってアナログ信号を扱うことを可能としている。これにより、従来のデジタルフィルタと比較して、構成要素を減らすことができ、消費電力やコストを低減することができる。また、デジタルフィルタの設計手法を用いることができるため、従来のアナログフィルタと比較して、フィルタ周波数特性の調整が不要であり、LCR成分に依存せずに周波数特性を決定することができる。
【0104】
なお、ここでは、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路を用いたIIRフィルタの構成例について説明したが、本発明のアナログスキャン回路はFIRフィルタにも同様に適用することができる。FIR(Finite Impulse Response)フィルタは、システムのインパルス応答列が有限時間で0に収束するフィルタ(有限インパルス応答フィルタ)である。
【0105】
図23は、本発明の実施の形態のアナログスキャン回路をアナログ回路の同期化制御に用いた場合の例を示す図である。この例では、LSI900内の回路910と回路920の間にアナログスキャン回路950が挿入され、回路920と回路930の間にアナログスキャン回路960が挿入されている。アナログスキャン回路950および960は、それぞれ1ビット分のアナログフリップフロップ(AFF)951および961を複数備えることができる。これにより、回路910の出力はアナログスキャン回路950において一旦同期化され、その後、回路920に入力される。同様に、回路920の出力はアナログスキャン回路960において一旦同期化され、その後、回路930に入力される。
【0106】
アナログスキャン回路950とアナログスキャン回路960の間はスキャンチェーン959により接続されており、両者は一体化されたスキャンパスを形成する。また、アナログスキャン回路950のスキャンイン端子にはD/Aコンバータ940が接続され、アナログスキャン回路960のスキャンアウト端子にはA/Dコンバータ970が接続されている。これにより、LSIテスタとの間でデジタル信号によるインターフェースを形成する。すなわち、任意の同期化されたタイミングにおいて、回路910または920から出力されるアナログ信号を読み出すことができ、また、回路920または930に入力されるべきアナログ信号を設定することができる。アナログスキャン回路950および960に保持される値はアナログ値であり、これによりアナログ信号のスキャンパスを実現することができる。
【0107】
なお、これらのスキャンパスは、LSI単体の検証時の他、装置として組み込まれた後であっても利用することができる。装置として組み込まれた後は、例えば、定期的なメンテナンスや、故障時の解析のためのログダンプ採取、あるいは、これらの場合の検証等のためのステップアンドダンプ(所望の値を所望の箇所に埋め込んで、任意のクロック後の各部出力データ等を採取する、または、ログダンプする)やテストプログラムの実行などに利用することができる。
【0108】
図24は、本発明の実施の形態のアナログスキャン回路をアナログ回路の同期化制御に用いた場合のレイアウト図である。ここでは、アナログフリップフロップ(AFF)の1つ(1本のアナログ信号に相当する単位)として、ゲート電極218および219と、拡散層領域228および229が示されている。ゲート電極218にはクロック信号線121によりSAckが供給され、ゲート電極219にはクロック信号線122によりSBckが供給される。また、ゲート電極218の下方の拡散層領域227にはシフトイン端子Sinからの信号が供給される。そして、拡散層領域229からシフトアウト端子Soutを介してシフトアウト信号が出力される。この構成では、デジタル回路における1ビット用のマスタスレーブタイプのスキャン機能付のフリップフロップと概念的に類似の動作を行う。この場合、拡散層領域228の電位Vb(i)がマスタ側ラッチの出力に、拡散層領域229の電位Vc(i)がスレーブ側ラッチの出力に、それぞれ対応すると考えられる。なお、このアナログフリップフロップは、当然に、スキャンパスの一部を構成する。
【0109】
拡散層領域228には信号線130をゲート接続したトランジスタ309が接続される。このトランジスタ309の他端には入力端子IN(i)が接続される。拡散層領域229には電荷電圧変換アンプ419が接続される。この電荷電圧変換アンプ419には信号線140をゲート接続したトランジスタ429が接続される。このトランジスタ429の他端にはコンデンサ439およびアンプ449が接続される。トランジスタ429およびコンデンサ439はサンプル・アンド・ホールド回路を構成する。
【0110】
図25は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路をアナログ回路の同期化制御に用いた場合のタイミングチャートである。第i段目のアナログフリップフロップについては「(i)」の添え字を付し、第(i+1)段目のアナログフリップフロップについては「(i+1)」の添え字を付している。
【0111】
時刻T1では、クロック信号SAckおよびSBckがともにH状態にされることにより、拡散層領域228および229(Vb(i)、Vc(i)、Vb(i+1)、Vc(i+1))における可動電荷はイニシャル値(Qeq)となる。
【0112】
時刻T2では、クロック信号LckがH状態にされることにより、入力端子IN(i)に入力されるアナログ信号「a」がゲート電極218と拡散層領域228の間に供給され、電荷が蓄積される(Vb(i))。
【0113】
時刻T3では、クロック信号SBckがH状態にされることにより、ゲート電極218と拡散層領域228の間に保持される電荷「a」がゲート電極219と拡散層領域229の間に転送される(Vc(i))。また、このとき、ライト用クロック信号WckがH状態にされることにより、ゲート電極219と拡散層領域229の間に転送された電荷「a」に相当する電位が出力端子VOUT(i)に出力される。
【0114】
第i段目のアナログフリップフロップ(例えば、図23のアナログスキャン回路950)の出力端子VOUT(i)から出力された信号電位に基づいて、次段の回路(例えば、図23の回路920)が動作する。この次段の回路において生成された信号には、図25においてダッシュ記号を付している。例えば、時刻T3において出力端子VOUT(i)から出力された信号「a」は、次段の回路によって処理され、信号「a'」として、第(i+1)段目のアナログフリップフロップの入力端子IN(i+1)に入力される。
【0115】
時刻T4では、クロック信号LckがH状態にされることにより、第i段目のIN(i)に入力された信号「b」がVb(i)に供給され、電荷が蓄積される。同様に、第(i+1)段目のIN(i+1)に入力された信号「a'」がVb(i+1)に供給され、電荷が蓄積される。
【0116】
また、時刻T5では、クロック信号SBckがH状態にされることにより、Vb(i)に蓄積されていた電荷「b」がVc(i)に転送され、Vb(i+1)に蓄積されていた電荷「a'」がVc(i+1)に転送される。また、このとき、ライト用クロック信号WckがH状態にされることにより、Vc(i)に転送された電荷「b」に相当する電位が出力端子VOUT(i)に出力され、Vc(i+1)に転送された電荷「a'」に相当する電位が出力端子VOUT(i+1)に出力される。
【0117】
これ以降は、同様の要領で動作を繰り返す。この場合、クロック信号SBckの半周期分を1Tとして表すと、サンプリング周期および出力周期はともに2Tになる。すなわち、クロック信号LckおよびWckを半周期ずつずらして与えることにより、アナログスキャン回路は、前段のアナログ回路からアナログ信号を受け取って、一旦同期をとり、後段のアナログ回路にそのアナログ信号を供給することができる。
【0118】
図26は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路を用いたLSI間転送の一例を示す図である。ここでは、LSI−A701からLSI−B702にアナログ信号を転送する場合の構成例について説明する。
【0119】
LSI−A701は、デジタル信号を受けてシフト動作を行うシフト回路710−0乃至3と、デジタル信号からアナログ信号に変換するアナログ変換回路720−0乃至3とを備える。このLSI−A701においては、3本のアナログ信号線709−0乃至2によりLSI−B702との間を接続することを想定し、各回路を3つずつ設けているが、これに限定されるものではない。シフト回路710−0乃至3のそれぞれをシフト回路710と称する。また、アナログ変換回路720−0乃至3それぞれをアナログ変換回路720と称する。
【0120】
LSI−B702は、アナログ信号をデジタル信号に変換するデジタル変換回路730−0乃至3と、複数のデジタル信号から1つを順次選択する選択回路740−0乃至3とを備える。このLSI−B702においても、3本のアナログ信号線709−0乃至2によりLSI−A701との間を接続することを想定し、各回路を3つずつ設けているが、これに限定されるものではない。デジタル変換回路730−0乃至3のそれぞれをデジタル変換回路730と称する。また、選択回路740−0乃至3のそれぞれを選択回路740と称する。
【0121】
図27は、本発明の実施の形態におけるシフト回路710の一構成例を示す図である。このシフト回路710は、フリップフロップ回路711乃至713を備え、これらを直列に接続した構成を有している。フリップフロップ回路711乃至713は、入力されたデジタル信号を保持して出力する回路である。
【0122】
第1段目のフリップフロップ回路713のデータ入力端子Diには、シフト回路710のデータ入力端子Diが接続される。第1段目のフリップフロップ回路713のデータ出力端子Dtは、第2段目のフリップフロップ回路712のデータ入力端子Diに接続される。第2段目のフリップフロップ回路712のデータ出力端子Dtは、第3段目のフリップフロップ回路711のデータ入力端子Diに接続される。フリップフロップ回路711乃至713のデータ出力端子Dtは、シフト回路710のデータ出力端子Dt(0)乃至(2)に接続される。
【0123】
第1段目のフリップフロップ回路713のスキャン入力端子Sinには、シフト回路710のスキャン入力端子DSiが接続される。第1段目のフリップフロップ回路713のスキャン出力端子Soutは、第2段目のフリップフロップ回路712のスキャン入力端子Sinに接続される。第2段目のフリップフロップ回路712のスキャン出力端子Soutは、第3段目のフリップフロップ回路711のスキャン入力端子Sinに接続される。第3段目のフリップフロップ回路711のスキャン出力端子Soutは、シフト回路710のスキャン出力端子DStに接続される。
【0124】
フリップフロップ回路711乃至713のデータクロック端子Dcは、シフト回路710のデータクロック端子Dcに接続される。また、フリップフロップ回路711乃至713のスキャンクロック端子DScは、シフト回路710のスキャンクロック端子DScに接続される。
【0125】
なお、シフト回路710は、特許請求の範囲に記載の出力デジタル値出力手段、固有出力デジタル値シフト手段または出力インターフェース回路の一例である。また、フリップフロップ回路711乃至713は、特許請求の範囲に記載の出力デジタル値出力手段または固有出力デジタル値保持手段の一例である。
【0126】
図28は、本発明の実施の形態におけるフリップフロップ回路711の一構成例を示す図である。ここでは、フリップフロップ回路711の構成例について説明するが、他のフリップフロップ回路712および713についても同様の構成を有する。フリップフロップ回路711は、論理積ゲート511乃至514、521乃至524、531乃至534を備える。
【0127】
論理積ゲート511乃至514は、データクロック端子Dcおよびスキャンクロック端子DScからの入力に基づいてクロック信号を生成するものである。スキャンモード端子SmがH状態であればデータクロックが論理積ゲート521に供給され、スキャンモード端子SmがL状態であればスキャンクロックが論理積ゲート522に供給される。また、論理積ゲート514は、データクロックまたはスキャンクロックの反転信号SBckを論理積ゲート531に供給する。すなわち、論理積ゲート514は、特許請求の範囲に記載の制御手段の一例である。
【0128】
論理積ゲート521乃至524は、フリップフロップのマスタ側ラッチに相当するものである。データクロックまたはスキャンクロックがH状態であればデータ入力端子Diからのデータまたはスキャン入力端子Sinからのスキャンデータが取り込まれ、データクロックまたはスキャンクロックがL状態であれば論理積ゲート524の出力Biが保持される。
【0129】
論理積ゲート531乃至534は、フリップフロップのスレーブ側ラッチに相当するものである。論理積ゲート531は、論理積ゲート514からのクロックSBckがH状態の間に論理積ゲート524の出力Biを取り込む。論理積ゲート532は、論理積ゲート514からのクロックSBckの反転信号がH状態の間に論理積ゲート534の出力Soutを取り込む。論理積ゲート533の出力はデータ出力端子Dtに接続される。論理積ゲート534の出力はスキャン出力端子Soutに接続される。ただし、ここではデータ出力端子Dtおよびスキャン出力端子Soutは同じ値を示す。
【0130】
図29は、本発明の実施の形態におけるフリップフロップ回路711の動作タイミング例を示す図である。
【0131】
まず、時刻T1からT6までは、スキャンモード端子Smの値がL状態、すなわち通常のデータシフトモードであることを想定している。このとき、データ入力端子Diからの入力信号が、データクロック端子Dcのクロックに従って入力される。たとえば、時刻T1において入力された信号「a」は、時刻T1の前半にマスタ側ラッチに取り込まれ、時刻T1の後半にスレーブ側ラッチに取り込まれる。
【0132】
一方、時刻T11からT16までは、スキャンモード端子Smの値がH状態、すなわちスキャンモードであることを想定している。このとき、スキャン入力端子Sinからのスキャン入力信号が、スキャンクロック端子DScのクロックに従って入力される。たとえば、時刻T11において入力された信号「a」は、時刻T1の前半にマスタ側ラッチに取り込まれ、時刻T1の後半にスレーブ側ラッチに取り込まれる。
【0133】
ここでは、入力の各状態(Sm、Dc、DSc)における、入力端子(Di、Sin)と出力端子(Dt、Sout)の関係を、論理回路的に理解できるように、論理ゲートにより表現して説明した。ただし、実際の回路としては、トライステートバッファタイプや、TTLやMOSその他のトランジスタを組み合わせた回路等の、いわゆるフリップフロップの動作を行う論理的に同等の回路(図29の動作を行う回路)により実現することができる。なお、図26や図27と同様に、以降の図においても、煩雑さを避けるために、スキャンモード端子Sm、データクロック端子Dc、スキャンクロック端子Sc等の図示は省略する。また、スキャンモード端子Sm、データクロック端子Dc、スキャンクロック端子Sc等のLSI内での分配も、1ブロックに対して1入力でなくても良く、論理的に同等の動作を行う分配であれば、同様に適用することができる。
【0134】
図30は、本発明の実施の形態におけるアナログ変換回路720の一構成例を示す図である。このアナログ変換回路720は、フリップフロップ回路721乃至723と、D/A(Digital to Analog)変換回路724と、アナログフリップフロップ725とを備えている。
【0135】
フリップフロップ回路721乃至723は、入力されたデジタル信号を保持して出力する回路であり、図28により説明したフリップフロップ回路711と同様の構成を備えるものである。フリップフロップ回路721のデータ入力端子Diにはアナログ変換回路720のデータ入力端子Di(0)が接続される。フリップフロップ回路722のデータ入力端子Diにはアナログ変換回路720のデータ入力端子Di(1)が接続される。フリップフロップ回路723のデータ入力端子Diにはアナログ変換回路720のデータ入力端子Di(2)が接続される。なお、シフト回路710のデータ出力端子Dt(0)乃至(2)は、それぞれ信号線D1S(00)乃至(02)により、アナログ変換回路720のデータ入力端子Di(0)乃至(2)に接続される。
【0136】
第1段目のフリップフロップ回路723のスキャン入力端子Sinには、アナログ変換回路720のスキャン入力端子DSiが接続される。第1段目のフリップフロップ回路723のスキャン出力端子Soutは、第2段目のフリップフロップ回路722のスキャン入力端子Sinに接続される。第2段目のフリップフロップ回路722のスキャン出力端子Soutは、第3段目のフリップフロップ回路721のスキャン入力端子Sinに接続される。第3段目のフリップフロップ回路721のスキャン出力端子Soutは、アナログ変換回路720のスキャン出力端子DStに接続される。
【0137】
フリップフロップ回路721乃至723のデータクロック端子Dcは、アナログ変換回路720のデータクロック端子Dcに接続される。また、フリップフロップ回路721乃至723のスキャンクロック端子Scは、アナログ変換回路720のスキャンクロック端子DScに接続される。
【0138】
なお、フリップフロップ回路721乃至723の各データ出力端子Dtからの信号は信号線Dt(0)乃至(2)を介してD/A変換回路724に供給される。この信号線Dt(0)乃至(2)のデータは、後述のタイミングチャートではD2(0)乃至(2)と呼称する。
【0139】
D/A変換回路724は、フリップフロップ回路721乃至723の各データ出力端子Dtからの計3ビットを8値のアナログ信号に変換して、1本の信号線として出力するものである。このD/A変換回路724の出力は、アナログフリップフロップ725に供給されるとともに、増幅器726を介してアナログ信号観測端子Aitに供給される。
【0140】
アナログフリップフロップ725は、D/A変換回路724から供給されたアナログ値を保持するフリップフロップである。基本的な構成は、図24により説明したものと同様である。アナログフリップフロップ725のデータ入力端子Aiは、D/A変換回路724の出力端子に接続される。アナログフリップフロップ725のデータ出力端子Atは、アナログ変換回路720のデータ出力端子Atに接続される。アナログフリップフロップ725のスキャン入力端子ASinは、アナログ変換回路720のスキャン入力端子ASiに接続される。アナログフリップフロップ725のスキャン出力端子ASoutは、アナログ変換回路720のスキャン出力端子AStに接続される。
【0141】
アナログフリップフロップ725のデータクロック端子Acは、アナログ変換回路720のアナログデータクロック端子Acに接続される。また、アナログフリップフロップ725のスキャンクロック端子Scは、アナログ変換回路720のアナログスキャンクロック端子AScに接続される。アナログフリップフロップ725は、データクロック端子Acのクロックに従って、データ入力端子Aiからのデータ信号を保持し、データ出力端子Atに出力する。また、アナログフリップフロップ725は、スキャンクロック端子Scのクロックに従って、スキャン入力端子ASinからのスキャンデータ信号を保持し、スキャン出力端子ASoutに出力する。
【0142】
アナログフリップフロップ725では、アナログデータクロック端子Acおよびアナログスキャンクロック端子AScから入力されたクロックから、フリップフロップ回路711の論理積ゲート511乃至514と同様の構成によりクロックSBckが生成される。ライト用クロックWckは、SBckと同じ信号を利用することができる。また、ロード用クロックLckは、SBckの反転信号を利用することができる。
【0143】
このようにしてアナログ変換回路720から出力されたアナログ信号は、LSI−A701からLSI−B702へ転送される。
【0144】
なお、フリップフロップ回路721乃至723は、特許請求の範囲に記載の出力デジタル値出力手段または共通出力デジタル値保持手段の一例である。また、D/A変換回路724は、特許請求の範囲に記載の出力アナログ値出力手段の一例である。また、アナログフリップフロップ725は、特許請求の範囲に記載の出力アナログフリップフロップの一例である。また、アナログ変換回路720は、特許請求の範囲に記載の出力インターフェース回路の一例である。
【0145】
図31は、本発明の実施の形態におけるデジタル変換回路730の一構成例を示す図である。このデジタル変換回路730は、アナログフリップフロップ731と、A/D(Analog to Digital)変換回路732と、フリップフロップ回路733乃至735とを備える。
【0146】
アナログフリップフロップ731は、LSI−A701から供給されたアナログ値を保持するフリップフロップである。基本的な構成はアナログフリップフロップ725と同様である。アナログフリップフロップ731のデータ入力端子Aiは、デジタル変換回路730のデータ入力端子Aiに接続される。アナログフリップフロップ731のデータ出力端子Atは、A/D変換回路732の入力端子に接続される。アナログフリップフロップ731のスキャン入力端子ASinは、デジタル変換回路730のスキャン入力端子ASiに接続される。アナログフリップフロップ731のスキャン出力端子ASoutは、デジタル変換回路730のスキャン出力端子AStに接続される。
【0147】
アナログフリップフロップ731のデータクロック端子Acは、デジタル変換回路730のアナログデータクロック端子Acに接続される。また、アナログフリップフロップ731のスキャンクロック端子Scは、デジタル変換回路730のアナログスキャンクロック端子AScに接続される。アナログフリップフロップ731は、データクロック端子Acのクロックに従って、データ入力端子Aiからのデータ信号を保持し、データ出力端子Atに出力する。このアナログフリップフロップ731のデータ出力端子から出力されるデータは、後述のタイミングチャートではA3と呼称する。また、アナログフリップフロップ731は、スキャンクロック端子Scのクロックに従って、スキャン入力端子ASinからのスキャンデータ信号を保持し、スキャン出力端子ASoutに出力する。
【0148】
A/D変換回路732は、アナログフリップフロップ731から出力されたアナログ信号を量子化して、3ビットのデジタル信号に変換するものである。このA/D変換回路732の出力端子Di(0)乃至(2)は、それぞれフリップフロップ回路733乃至735に1本ずつ供給される。
【0149】
フリップフロップ回路733乃至735は、入力されたデジタル信号を保持して出力する回路であり、図28により説明したフリップフロップ回路711と同様の構成を備えるものである。フリップフロップ回路733のデータ入力端子DiにはA/D変換回路732の出力端子Di(0)が接続される。フリップフロップ回路734のデータ入力端子DiにはA/D変換回路732の出力端子Di(1)が接続される。フリップフロップ回路735のデータ入力端子DiにはA/D変換回路732の出力端子Di(2)が接続される。フリップフロップ回路733乃至735のデータ出力端子Dtは、それぞれデジタル変換回路730のデータ出力端子Dt(0)乃至(2)に接続される。
【0150】
第1段目のフリップフロップ回路735のスキャン入力端子Sinには、デジタル変換回路730のスキャン入力端子DSiが接続される。第1段目のフリップフロップ回路735のスキャン出力端子Soutは、第2段目のフリップフロップ回路734のスキャン入力端子Sinに接続される。第2段目のフリップフロップ回路734のスキャン出力端子Soutは、第3段目のフリップフロップ回路733のスキャン入力端子Sinに接続される。第3段目のフリップフロップ回路733のスキャン出力端子Soutは、デジタル変換回路730のスキャン出力端子DStに接続される。
【0151】
フリップフロップ回路733乃至735のデータクロック端子Dcは、デジタル変換回路730のデータクロック端子Dcに接続される。また、フリップフロップ回路733乃至735のスキャンクロック端子Scは、デジタル変換回路730のスキャンクロック端子DScに接続される。
【0152】
なお、アナログフリップフロップ731は、特許請求の範囲に記載の入力アナログフリップフロップの一例である。また、A/D変換回路732は、特許請求の範囲に記載の入力デジタル値入力手段または入力デジタル値出力手段の一例である。また、フリップフロップ回路733乃至735は、特許請求の範囲に記載の入力デジタル値入力手段または共通入力デジタル値保持手段の一例である。また、デジタル変換回路730は、特許請求の範囲に記載の入力インターフェース回路の一例である。
【0153】
図32は、本発明の実施の形態における選択回路740の一構成例を示す図である。この選択回路740は、セレクタ741およびフリップフロップ回路742を備える。
【0154】
セレクタ741は、選択回路740のデータ入力端子Di(0)乃至(2)から入力された信号を順番に選択するものである。このセレクタ741によって、データ入力端子Di(0)乃至(2)から入力された信号は、1クロック毎にフリップフロップ回路742に供給される。
【0155】
フリップフロップ回路742は、入力されたデジタル信号を保持して出力する回路であり、図28により説明したフリップフロップ回路711と同様の構成を備えるものである。
【0156】
フリップフロップ回路742のデータ入力端子Diにはセレクタ741の出力端子が接続される。フリップフロップ回路742のデータ出力端子Dtは、選択回路740のデータ出力端子Dtに接続される。フリップフロップ回路742のスキャン入力端子Sinには、選択回路740のスキャン入力端子DSiが接続される。フリップフロップ回路742のスキャン出力端子Soutは、選択回路740のスキャン出力端子DStに接続される。フリップフロップ回路742のデータクロック端子Dcは、選択回路740のデータクロック端子Dcに接続される。また、フリップフロップ回路742のスキャンクロック端子Scは、選択回路740のスキャンクロック端子DScに接続される。
【0157】
なお、セレクタ741は、特許請求の範囲に記載の入力デジタル値入力手段または固有入力デジタル値選択手段の一例である。また、フリップフロップ回路742は、特許請求の範囲に記載の入力デジタル値入力手段または固有入力デジタル値保持手段の一例である。また、選択回路740は、特許請求の範囲に記載の入力インターフェース回路の一例である。
【0158】
図33は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路を用いたLSI間転送(図26)のタイミングチャート例を示す図である。この例では、デジタル信号を扱うための内部クロックと、アナログ信号を転送するためのクロックとの速度比を3対1に設定した例を示している。すなわち、アナログ信号を転送するためのクロックは、デジタル信号を扱うためのクロックの3分の1の速度(3倍の周期)となっている。
【0159】
シフト回路710−0のデータ入力端子D1(0)には、時刻T1に信号「a」、時刻T2に信号「b」、時刻T3に信号「c」といった要領で、データクロック毎にデータ信号が入力されていく。シフト回路710−0内のフリップフロップ回路711乃至713によって各データはシフトされる(図27参照)。例えば、信号「a」は、時刻T2で信号線D1S(02)に、時刻T3で信号線D1S(01)に、時刻T4で信号線D1S(00)に、順次出力される。同様に、信号「b」および信号「c」も、それぞれ1データクロックずつ遅れて順次出力される。
【0160】
アナログ変換回路720−0では、フリップフロップ回路721乃至723のデータクロック端子Dcにアナログクロックを与えることにより、時刻T5には、フリップフロップ回路721乃至723から信号「a」乃至「c」が出力される(図30参照)。なお、アナログ変換回路720のデータクロック端子Dcには、アナログデータクロック端子Acと同信号が分配されるため、これらを1つの端子で共用して、同一入力端子からの信号を内部で分配してもよい。信号「a」乃至「c」(D2(00)乃至(02))は、D/A変換回路724によってアナログ信号「A」に変換され、時刻T8から、信号線709−0により出力される。この信号線709−0のデータ幅は1本分であるが、アナログ値であるため、多値表現が可能である。この例では、3ビットの信号「a」乃至「c」が1本のアナログ信号線により伝送される(A2(0))。
【0161】
デジタル変換回路730−0では、アナログフリップフロップ731にアナログクロックを与えることにより(図31参照)、アナログ変換回路720−0からのアナログ信号がアナログフリップフロップ731により保持され、時刻T11から出力される(A3(0))。このアナログ信号「A」は、A/D変換回路732によってデジタル信号「a」乃至「c」に変換され、フリップフロップ回路733乃至735に保持され、時刻T14から出力される(D3(00)乃至(02))。このフリップフロップ回路733乃至735にも、アナログクロックが与えられる。ここで、データクロック端子Dcには、アナログデータクロック端子Acと同信号が分配されるため、アナログ変換回路720と同様にデジタル変換回路730においても、これらを1つの端子で共用して、同一入力端子からの信号を内部で分配してもよい。
【0162】
選択回路740−0では、フリップフロップ回路742にデータクロックを与えることにより(図32参照)、データクロック毎にデータ信号が出力されていく(D4(0))。この例では、時刻T15に信号「a」が出力され、時刻T16に信号「b」が出力され、時刻T17に信号「c」が出力されている。
【0163】
この例では、アナログクロックに同期した3本のデジタル信号D2(00)乃至(02)が、同じくアナログクロックに同期した1本のアナログ信号A2(0)として、信号線709−0により転送されている。すなわち、本発明の実施の形態によれば、同じクロック速度であれば、データ転送に必要な信号線の数を減らすことができる。
【0164】
また、この例では、LSI−A701およびLSI−B702の内部のデータ(D1(0)およびD4(0))のクロックの3分の1の速度で、LSI−A701とLSI−B702との間の転送が行われている(A2(0)およびA3(0))。デジタルのデータクロックを基準として1Tとすると、ここでは、スループット3T、ターンアラウンドタイム3Tの転送が行われていることになる。すなわち、本発明の実施の形態によれば、本来のクロック速度よりも低い速度によりデータ転送を行うことができる。これにより、データ転送の信頼度を向上させることができる。また、途中のフリップフロップが不要となることから、回路配置を柔軟に行うことができるとともに、回路規模を小さくすることができる。
【0165】
なお、ここでは、スループット3T、ターンアラウンドタイム3Tの単純なアナログ値の転送例について説明したが、アナログ変換回路720とデジタル変換回路730との間には、3T以内で処理が可能な範囲であれば、他のアナログ回路を設けることができる。例えば、図34(a)に示すように、LSI−A701とLSI−B702との間にアナログ回路751を設けるようにしてもよい。また、図34(b)に示すように、LSI−A701の内部にアナログ回路752を設けるようにしてもよい。また、図34(c)に示すように、LSI−B702の内部にアナログ回路753を設けるようにしてもよい。これらは、上述の低速データ転送により途中のフリップフロップが不要となったことの副次的効果である。
【0166】
本発明の実施の形態では、k=3ビット分のデジタル値を、n=8個の離散値を含むm=8の値のうちの、対応する1個のアナログ値として1本の信号線で転送(送信:出力、受信:入力)している。ただし、これは、m>8の分解能(例えばm=9)があれば、表現可能な多値(例えば9値)のうちのn個の値(例えば「0」から「7」の8値)に対応付けて割り当てればよいため、m≧nでよいことになる。また、k=3ビットで通常表現できる「0」から「7」の8値のうち、論理構成上出現しないような値が存在する場合には、n≦7の離散値を表現できる(分解能が7以上の)アナログ信号を利用することができる。論理構成上出現しないような値とは、例えば、モジュロ7の場合の「7」などがこれに該当する。
【0167】
次に、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路を用いてアナログおよびデジタル混在のスキャンパスを実現する例について説明する。
【0168】
図35は、本発明の実施の形態におけるスキャンパス用D/Aコンバータの実現例を示す図である。ここでは、図30により説明したアナログ変換回路720を用いて、デジタル回路791のスキャン出力端子DStからアナログ回路792のスキャン入力端子ASiに接続することを想定する。
【0169】
デジタル回路791のスキャン出力端子DStは、アナログ変換回路720のスキャン入力端子DSiに、信号線DAinを介して接続される。アナログ回路792のスキャン入力端子ASiは、アナログ変換回路720のスキャン出力端子AStに、信号線DAoutを介して接続される。他のデータ入出力端子およびスキャン入出力端子は使用されないため、各入力は「0」に設定される。
【0170】
また、アナログ変換回路720のデータクロック端子Dcには「0」が設定される。アナログ変換回路720のスキャンクロック端子DScには内部データ用のデータクロックDsckが入力される。アナログ変換回路720のアナログクロック端子Acにはアナログ信号用のアナログクロックAsckが入力される。アナログ変換回路720のアナログスキャンクロック端子AScには「0」が設定される。
【0171】
図36は、本発明の実施の形態におけるスキャンパス用D/Aコンバータのタイミングチャート例を示す図である。
【0172】
時刻T1においてデジタル回路791から信号線DAinを介して入力された信号「a」は、データクロックDsckに同期して、アナログ変換回路720のフリップフロップ回路723に保持される。信号「a」は、時刻T2にフリップフロップ回路723から出力され、フリップフロップ回路722に保持される。そして、信号「a」は、時刻T3にフリップフロップ回路722から出力され、フリップフロップ回路721に保持され、時刻T4にフリップフロップ回路721から出力される。同様に、信号「b」および信号「c」も、それぞれ1データクロックずつ遅れて順次出力される。
【0173】
時刻T4には、D/A変換回路724において信号「a」乃至「c」がアナログ信号「A」に変換される。そして、時刻T5には、アナログクロックAsckに同期して、アナログフリップフロップ725からアナログ信号「A」が出力される。
【0174】
このように、アナログ変換回路720を用いることにより、デジタル信号のスキャン信号をアナログ信号のスキャン信号に変換することができる。これにより、1本のスキャンパスにおいてデジタル信号とアナログ信号を混在させることができる。
【0175】
なお、この例では、アナログ回路792のスキャン入力端子ASiに対して、アナログ変換回路720のスキャン出力端子AStを接続する例について説明したが、アナログ変換回路720のデータ出力端子Atを接続しても同様の結果を得ることができる。また、以下に示すように、アナログ変換回路720のアナログ信号観測端子Aitをアナログ変換回路720のスキャン入力端子ASiに接続しても同様の結果を得ることができる。
【0176】
図37は、本発明の実施の形態におけるスキャンパス用D/Aコンバータの他の実現例を示す図である。この例では、図35と異なり、アナログ変換回路720のスキャン入力端子ASiにアナログ信号観測端子Aitを接続している。また、アナログ変換回路720のアナログクロック端子Acには「0」が設定され、アナログスキャンクロック端子AScにはアナログ信号用のアナログクロックAsckが入力されている。このように、アナログ信号観測端子Aitの出力をフィードバックすることによって、アナログ変換回路720のアナログフリップフロップ725のスキャンパスに直接入力することも可能である。
【0177】
図38は、本発明の実施の形態におけるスキャンパス用A/Dコンバータの実現例を示す図である。ここでは、図31により説明したデジタル変換回路730および図32により説明した選択回路740を用いて、アナログ回路793のスキャン出力端子AStからデジタル回路794のスキャン入力端子DSiに接続することを想定する。
【0178】
アナログ回路793のスキャン出力端子AStは、デジタル変換回路730のスキャン入力端子DSiに、信号線ADinを介して接続される。デジタル回路794のスキャン入力端子DSiは、選択回路740のスキャン出力端子DStに、信号線ADoutを介して接続される。デジタル変換回路730のデータ出力端子Dt(0)乃至(2)は、選択回路740のデータ入力端子Di(0)乃至(2)に接続される。他のデータ入出力端子およびスキャン入出力端子は使用されないため、各入力は「0」に設定される。
【0179】
また、デジタル変換回路730のアナログクロック端子Acおよびスキャンクロック端子DScには「0」が設定される。デジタル変換回路730のアナログスキャンクロック端子AScおよびデータクロック端子Dcにはアナログ信号用のアナログクロックAsckが入力される。選択回路740のデータクロック端子Dcには内部データ用のデータクロックDsckが入力される。選択回路740のスキャンクロック端子DScには「0」が設定される。
【0180】
図39は、本発明の実施の形態におけるスキャンパス用A/Dコンバータのタイミングチャート例を示す図である。
【0181】
時刻T1においてアナログ回路793から信号線ADinを介して入力されたアナログ信号「A」は、アナログクロックAsckに同期して、デジタル変換回路730のアナログフリップフロップ回路731に保持される。このアナログ信号「A」は、デジタル信号「a」乃至「c」から成る信号のアナログ値を示す。アナログフリップフロップ回路731は、時刻T5からアナログ信号「A」を出力する。
【0182】
アナログ信号「A」は、デジタル変換回路730のA/D変換回路732によってデジタル信号「a」乃至「c」に変換され、フリップフロップ回路733乃至735に保持される。フリップフロップ回路733乃至735は、アナログクロックAsckに同期して、時刻T8からそれぞれデジタル信号「a」乃至「c」を出力する。
【0183】
選択回路740のフリップフロップ回路742は、データクロックSsckに同期して、信号「a」乃至「c」を順次保持する。これにより、時刻T9から信号「a」乃至「c」が順次出力される。
【0184】
このように、デジタル変換回路730および選択回路740を用いることにより、アナログ信号のスキャン信号をデジタル信号のスキャン信号に変換することができる。これにより、1本のスキャンパスにおいてデジタル信号とアナログ信号を混在させることができる。
【0185】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、上述のように特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有する。ただし、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【0186】
また、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0187】
【図1】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100と試験対象となる回路群との関係例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第1の実施例を示す概念図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第1の実施例を示すレイアウト図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第1の実施例のタイミングチャートである。
【図5】本発明の実施の形態においてBBDセルを分散配置する例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第2の実施例を示すレイアウト図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第2の実施例のタイミングチャートである。
【図8】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第2の実施例の詳細タイミングチャートである。
【図9】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第3の実施例を示す概念図である。
【図10】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第3の実施例を示すレイアウト図である。
【図11】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第3の実施例のタイミングチャートである。
【図12】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第3の実施例のためのスキャンイン端子Sinからの信号の例である。
【図13】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第4の実施例を示すレイアウト図である。
【図14】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第4の実施例のタイミングチャートである。
【図15】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第4の実施例のためのスキャンイン端子Sinからの信号の例である。
【図16】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第5の実施例を示す概念図である。
【図17】図17は、本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第5の実施例を示すレイアウト図である。
【図18】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第5の実施例のタイミングチャートである。
【図19】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第6の実施例を示すレイアウト図である。
【図20】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第7の実施例を示すレイアウト図である。
【図21】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路100の第8の実施例を示すレイアウト図である。
【図22】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路を用いたIIRフィルタの構成例を示す図である。
【図23】本発明の実施の形態のアナログスキャン回路をアナログ回路の同期化制御に用いた場合の例を示す図である。
【図24】本発明の実施の形態のアナログスキャン回路をアナログ回路の同期化制御に用いた場合のレイアウト図である。
【図25】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路をアナログ回路の同期化制御に用いた場合のタイミングチャートである。
【図26】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路を用いたLSI間転送の一例を示す図である。
【図27】本発明の実施の形態におけるシフト回路710の一構成例を示す図である。
【図28】本発明の実施の形態におけるフリップフロップ回路711の一構成例を示す図である。
【図29】本発明の実施の形態におけるフリップフロップ回路711の動作タイミング例を示す図である。
【図30】本発明の実施の形態におけるアナログ変換回路720の一構成例を示す図である。
【図31】本発明の実施の形態におけるデジタル変換回路730の一構成例を示す図である。
【図32】本発明の実施の形態における選択回路740の一構成例を示す図である。
【図33】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路を用いたLSI間転送(図26)のタイミングチャート例を示す図である。
【図34】本発明の実施の形態におけるアナログスキャン回路を用いたLSI間転送の変形例を示す図である。
【図35】本発明の実施の形態におけるスキャンパス用D/Aコンバータの実現例を示す図である。
【図36】本発明の実施の形態におけるスキャンパス用D/Aコンバータのタイミングチャート例を示す図である。
【図37】本発明の実施の形態におけるスキャンパス用D/Aコンバータの他の実現例を示す図である。
【図38】本発明の実施の形態におけるスキャンパス用A/Dコンバータの実現例を示す図である。
【図39】本発明の実施の形態におけるスキャンパス用A/Dコンバータのタイミングチャート例を示す図である。
【符号の説明】
【0188】
11〜13、21〜23、31〜33 回路
41〜43 インバータ
51〜53、61〜63 トランジスタ
100 アナログスキャン回路
101 シリコン基板
102 絶縁膜
121 クロック信号線(SAck)
122 クロック信号線(SBck)
130 クロック信号線(Lck)
140 クロック信号線(Wck)
201〜206 BBDセル
209 D/Aコンバータ
211〜219 電極
220〜229 拡散層領域
301〜304、309 トランジスタ
321〜323 電極
331〜333 論理和ゲート
381〜383 論理積ゲート
401、411〜413、419 電荷電圧変換アンプ
409 A/Dコンバータ
421〜423、429 トランジスタ
431〜433、439 コンデンサ
441〜443、449 アンプ
451〜453、461〜463 拡散層領域
471〜473、491〜493 電極
481〜483 論理積ゲート
611〜619 電極
631〜633 クロック信号線
640 トランジスタ
651〜653、661〜664 拡散層領域
670 クロック信号線(Lck)
680 電荷電圧変換アンプ
701、702 LSI
710 シフト回路
720 アナログ変換回路
730 デジタル変換回路
740 選択回路
810、850 アナログ加算器
821〜829 アナログ同期回路
831〜849 アナログ乗算器
910、920、930 回路
940 D/Aコンバータ
950、960 アナログスキャン回路
970 A/Dコンバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
kビット(kは2以上の整数)分の出力デジタル値を出力する出力デジタル値出力手段と、
n個(nは「3≦n≦(2のk乗)」となる整数)の離散値を含むm個(mはn以上の整数)の値のうちの、前記kビットの出力デジタル値に対応する1個の出力アナログ値を出力する出力アナログ値出力手段と、
共通トリガ信号に基づいて前記出力アナログ値を保持して出力する出力アナログフリップフロップと
を具備するインターフェース回路。
【請求項2】
前記出力デジタル値出力手段は、
前記共通トリガ信号に基づいて前記kビットの出力デジタル値を保持して出力する共通出力デジタル値保持手段
を備える
請求項1記載のインターフェース回路。
【請求項3】
前記出力デジタル値出力手段は、
前記出力デジタル値の制御に固有の出力トリガ信号に基づいてそれぞれ1ビットの出力デジタル値を保持して出力するk個の固有出力デジタル値保持手段と、
前記k個のうちのi番目(iは「1≦i≦(k-1)」を満たす任意の整数)の固有出力デジタル値保持手段の出力をi+1番目の固有出力デジタル値保持手段の入力とし、前記k個の固有出力デジタル値保持手段によって保持される出力デジタル値を前記出力トリガ信号に基づいてシフトさせる固有出力デジタル値シフト手段と
をさらに備え、
前記共通出力デジタル値保持手段は、
前記共通トリガ信号に基づいて、前記k個の各固有出力デジタル値保持手段から出力される計kビットの出力デジタル値を入力し、前記kビットの出力デジタル値として保持して出力する
請求項2記載のインターフェース回路。
【請求項4】
前記共通トリガ信号の周期が前記出力トリガ信号の周期のk倍である
請求項3記載のインターフェース回路。
【請求項5】
前記出力アナログ値保持手段が、半導体基体上に形成された拡散層領域に電荷を蓄積することによりアナログ値を保持する
請求項1乃至4のいずれかに記載のインターフェース回路。
【請求項6】
前記出力アナログ値保持手段が、半導体基体上に生じた空乏層領域に電荷を蓄積することによりアナログ値を保持する
請求項1乃至4のいずれかに記載のインターフェース回路。
【請求項7】
n個(nは「3≦n≦(2のk乗)」を満たす整数、kは2以上の整数)の離散値を含むm個(mはn以上の整数)の値のうちのいずれかの値を示す入力アナログ値を、共通トリガ信号に基づいて入力して保持する入力アナログフリップフロップと、
入力アナログ値に対応するkビット分の入力デジタル値を内部に入力して保持する入力デジタル値入力手段と
を具備するインターフェース回路。
【請求項8】
前記入力デジタル値入力手段は、
前記入力アナログ値に対応するkビット分の入力デジタル値を出力する入力デジタル値出力手段と、
前記共通トリガ信号に基づいて、前記kビットの入力デジタル値を保持する共通入力デジタル値保持手段と
を備える
請求項7記載のインターフェース回路。
【請求項9】
前記入力デジタル値入力手段は、
前記入力デジタル値の制御に固有の入力トリガ信号に基づいて1ビットの入力デジタル値を入力して保持する固有入力デジタル値保持手段と、
前記共通入力デジタル値保持手段が保持する前記kビットのうちの1ビットの入力デジタル値を前記入力トリガ信号に基づいて順次選択し、前記固有入力デジタル値保持手段の入力として供給する固有入力デジタル値選択手段と
をさらに備える
請求項8記載のインターフェース回路。
【請求項10】
前記共通トリガ信号の周期が前記入力トリガ信号の周期のk倍である
請求項9記載のインターフェース回路。
【請求項11】
前記入力アナログ値保持手段が、半導体基体上に形成された拡散層領域に電荷を蓄積することによりアナログ値を保持する
請求項7乃至10のいずれかに記載のインターフェース回路。
【請求項12】
前記入力アナログ値保持手段が、半導体基体上に生じた空乏層領域に電荷を蓄積することによりアナログ値を保持する
請求項7乃至10のいずれかに記載のインターフェース回路。
【請求項13】
共通トリガ信号に基づいて、kビット(kは2以上の整数)分の出力デジタル値を、n個(nは「3≦n≦(2のk乗)」を満たす整数)の離散値を含むm個(mはn以上の整数)の値のうちの、対応する1個の出力アナログ値として出力する出力インターフェース回路と、
前記共通トリガ信号に基づいて、前記出力アナログ値を入力アナログ値として入力し、対応するkビット分の入力デジタル値を内部に入力する入力インターフェース回路と、
前記出力インターフェース回路および前記入力インターフェース回路に対する前記共通トリガ信号の供給を制御する制御手段と
を具備するデータ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図14】
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【図16】
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【図18】
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【図22】
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【図23】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図17】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−98384(P2010−98384A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−265622(P2008−265622)
【出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】