説明

インターベンショナルシミュレーション装置

本発明は、インターベンショナル手術をシミュレートするためのシミュレーションシステムにおける装置(100)に関する。この装置(100)は、多数の実際の器具、好ましくは少なくとも2つの実際の器具を受け入れるようになっている。この装置(100)は、実際の器具の数に対応する数の可動キャリッジ(16A〜16C)を備える。装置は、トラック(20)と、相互接続部材(26)とを更に備える。相互接続部材(26)は、キャリッジ(16A〜16C)を直列に相互接続する。各キャリッジ(16A〜16C)に器具の受け入れを可能にするための開口部が設けられており、各キャリッジ(16A〜16C)は少なくとも1つの器具を受け入れ、かつロックするための部材と、器具からの運動を受けると共にシミュレーション特性に関して器具へフィードバックされる力を発生するための部材とを更に備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインターベンショナル手術、最も好ましくは血管内手術をシミュレートするためのシミュレーションシステムにおける装置に関する。
【背景技術】
【0002】
成人教育の原則、実験学習が必要であるとの見解および専門技術の発展に関する理論は、いずれも学習プロセスにおいて経験が重要な役割を演じることを強調している。
【0003】
これら教育の基礎に基づき、訓練生および実務に従事している医者に必要な学習経験を提供するために、現在の外科および内科医療教育において最先端技術を用いたシミュレーションを上手く取り込んでいる。こうして標準化された学習経験に基づき、不可欠な技能を取得し、かつ特定の能力レベルを得る機会をすべての学習者に提供できる。シミュレーションを使用すると、性能の評価および迅速な個々の詳細なフィードバックを行うことによって学習を促進することができる。シミュレーションは所定の技術水準に達するまで繰り返し学習を可能にする管理された環境を提供し、学習者のストレスレベルを下げ、学習者の信頼レベルを高め、患者に治療を施す前に技術的な能力の達成を保証することにより、実際の環境における安全性を高める。
【0004】
実務に従事している医者は自らの技能を改善し、シミュレーションの使用を伴った教育的な医療行為を通して科学技術の進歩の結果得られた新しい手法を取得できる。更にシミュレーションを使用することを通し、別々に学習し、実務をする機会を訓練生に提供することにより、実際の問題、例えば学部時間に対する要求の問題の解決を助けることができる。アカウンタビリティおよび医療の質の保証に対する現在の要求も、かかるシミュレーションを使用することによって解決でき、結果に関するデータを使って公衆に医者の能力を保証できる。
【0005】
シミュレーションは、技能開発の問題を解決する現在の教育プログラムの重要な部分であると見なさなければならない。シミュレーションは効果的な教育および学習を保証し、学習者の技能の評価の有効かつ信頼できる手段を提供し、改善を必要とする特定の弱点に関する情報を与え、学習者の技能能力の個々のプロフィールを形成できる。所望する結果を得るには、成人教育の原則、実験学習および有効なフィードバックに基づき、特定のカリキュラムを開発しなければならない。継続的なプロフェッショナルな教育および認定のプログラムにおいても、かかるシミュレーションを使用することができる。
【0006】
シミュレーションの開発および取得、並びに教育モデルへこれらシミュレーションを有効に組み込んだ訓練プログラムの形成に必要なリソースへの初期投資は、手術室において手術を迅速に実行できるようになること、患者の安全性が高まること、および学習者に種々の技術的技能を教えるのに必要な学部時間を短縮できることから得られる種々の利点によって容易に相殺できる。かかるシミュレーションは、教育努力の有効性を評価すること、訓練のための個人の選抜をすることにも使用でき、従って、シミュレーションは、将来の外科および内科医療教育のプログラムに大きな影響をあたえる潜在力となる。
【0007】
コンピュータ技術の急速な開発の結果、シミュレーション、特に外科および内科医療教育の目的のためのシミュレーションは、相当改善されている。しかしながら、現時点で公知の装置および方法は、使用される異なる器具の全てのシミュレーションを可能にするものではない。
【0008】
米国特許第6,106,301号明細書(特許文献1)は、仮想的患者に対し、外科的治療を実行できるようにする外科的治療シミュレーションシステムに対する擬似の医療器具の形態をした、インターベンショナルラジオロジーインターフェース装置および方法のインターフェース周辺機器を開示している。このインターフェース装置は実際の外科的治療中に利用される器具を現実的にシミュレートするためのガイドワイヤ、カテーテルおよびシース、注射器、膨張注射器およびフットスイッチを含む。ユーザは外科的治療シミュレーションシステムのディスプレイに示された、シミュレートされた閉塞部に向けてガイドワイヤ、カテーテルおよびシース周辺機器を操作し、動脈ネットワークを横断させる。フットスイッチは動脈ネットワーク内のガイドワイヤ、カテーテル、シースの位置を示す蛍光透視像を表示するようにディスプレイを制御する。注射器はカテーテルまたはシースを通して仮想的患者内に造影剤の液体またはその他の薬学物質を注入することをシミュレートするように、注射器を操作することができる。動脈ネットワーク内のシミュレートされた閉塞部を通ってガイドワイヤが位置決めされると、カテーテルを先端にバルーンが設けられた血管形成用カテーテルに置き換え、膨張用注射器を操作し、閉塞部を小さくするためのバルーンの膨張をシミュレートする。更にインターフェース装置はガイドワイヤおよびカテーテルに力のフィードバックをかけ、実際の外科的治療中にこれら医療器具が受ける力をシミュレートすることができる。インターフェース装置は周辺機器の操作量を測定し、プロセッサを介して外科的治療シミュレーションシステムへこれら測定値を転送し、外科的治療のシミュレーションを可能にする。
【0009】
米国特許第6,267,599号明細書(特許文献2)は、患者の小さな切開部を通して挿入され、操作される道具を用いる最小侵襲的外科手術を行うインタラクティブな訓練を人にするために、高度にリアルな、リアルタイムでシミュレートされた手術の状況を生み出すためのシステムを開示している。この訓練システムのための仮想環境は小さな開口部を有するハウジングを含む。手術の道具をシミュレートする道具が開口部に挿入され、ハウジングに対して操作される。運動ガイドおよびセンサアセンブリがハウジングに対する道具の位置をモニタし、ハウジング内の道具の位置および方向性に関するデータを提供する。
【0010】
リポートされたデータは、患者の体内の形状のコンピュータモデルを形成するために、患者の体内の形状を示す情報のデータベースを利用するコンピュータモデルプロセッサによって補間される。このコンピュータモデルを基準にプロセッサは道具の運動に抗する力のフィードバックの発生を制御する。患者内にあるように器具を表示する二次元画像が、患者の体内の形状のコンピュータモデルに基づき、プロセッサ制御されたビデオ撮像システムによって生成される。次にこの道具のコンピュータ画像は、1回の心臓の拍動および呼吸サイクルにわたってあらわれるように、患者の体内の形状のビデオ画像ループと合成され、ビデオディスプレイにこの合成された画像がディスプレイされる。
【0011】
リアルタイムの視覚的表示とインタラクティブな触覚力のフィードバックとが組み合わされた要素は、仮想的訓練シミュレーションに実際の手術の状況から生きた患者を除いたすべての要素を提供する。米国特許第6,267,599号明細書(特許文献2)に記載された発明に係わるシステムは、同時に、かつリアルタイムで数個の器具をシミュレートするようには使用できない。
【0012】
国際公開第99/39317号(特許文献3)は、外科的治療シミュレーションシステムにおける器具の運動および回転をシミュレートする、同じインターフェースを通して数個の器具を取り扱うためのインターフェース装置について記述している。このシステムはインターフェース装置に合う特別に製造された擬似の器具を使用しており、この器具は特定のそれぞれの器具の種類を受けるように用意されたキャリッジアセンブリと係合し、かつロックされる。擬似の器具による解決案および挿入の特殊な順序によって、このシステムはユーザにとって非現実的で、かつ複雑なものになっている。その理由は、ユーザがキャリッジアセンブリの構造と、この構造に従った正しい挿入順序とを知らなければならないからである。
【特許文献1】米国特許第6,106,301号明細書
【特許文献2】米国特許第6,267,599号明細書
【特許文献3】国際公開第99/39317号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の最良の実施例に係わる1つの目的は、異なる器具を同時にシミュレートできるようにする、インターベンショナル手術および最も好ましくは血管内手術をシミュレートするためのインターフェース装置を提供することにある。本発明の好ましい実施例の装置はより正確な制御を提供する。
【0014】
最良の実施例に係わる利点は次のとおりである。
・ユーザが同時に少なくと3つの独立した器具を使って動かすことができること。
・実際の器具を利用出来ること。
・より良好なフィードバックシステムを通して、よりリアルな感覚が得られること。
・ユーザからの特別な相互作用または制御なしで、実際の手術のように器具を挿入することや、引き抜くことができること。
【0015】
これらの理由から、冒頭に記載の装置は、多数の実際の器具、好ましくは少なくとも2つの実際の器具を受け入れるようになっている。この装置は、実際の器具の数に対応する数の可動キャリッジと、トラックと、相互接続部材とを備える。相互接続部材は、キャリッジを直列に相互接続する。各キャリッジに器具の受け入れを可能にするための開口部が設けられている。各キャリッジは少なくとも1つの実際の器具を受け入れ、かつロックするための部材を更に備える。各キャリッジは、器具からの運動を受けると共にシミュレーション特性に関して器具へフィードバックされる力を発生するための部材とを更に備える。
【0016】
本発明の好ましい一実施例では、相互接続部材に開口部が設けられる。
【0017】
好ましい別の実施例では、相互接続部材は入れ子式パイプであり、これによって入れ子式器具の挿入が可能となる。
【0018】
別の好ましい実施例では、各キャリッジは相互接続部材を通して挿入される器具の種類を検出するための検出機構を含み、これによって器具の取り扱いが簡略化される。
【0019】
好ましい更に別の実施例では、装置はキャリッジの運動を測定すると共に速度制御ループおよび位置制御ループにより運動を制御するために制御ユニットに接続されており、これによって正確なフィードバックが行われる。
【0020】
好ましい一実施例では、キャリッジはトラックに沿って移動するように配置されている。
【0021】
別の好ましい実施例では、キャリッジは実際の位置およびシミュレートされた位置を有する。キャリッジの実際の位置がスケールテーブルからシミュレートされたキャリッジ位置を決定する。
【0022】
好ましい別の実施例では、キャリッジはトラックに沿って駆動するための変速機を介して接続されている。キャリッジにはトルクホイール内に配置されたクランクブロックが設けられている。クランクブロックには嵌合表面が入れ子状に設けられており、この嵌合表面は器具のワイヤをグリップするコレットに押圧される。
【0023】
別の好ましい実施例では、懸架プレートとキャリッジに配置されたシャーシとの間の力が力センサによって測定される。
【0024】
別の好ましい実施例では、キャリッジにはキャリッジ内の器具の存在を検出する検出部材が設けられる。
【0025】
好ましい別の実施例では、検出部材は各器具の種類を検出するように配置されている。
【0026】
別の好ましい実施例では、器具は次の特性、すなわち厚み、カラー、構造、材料、識別証および/またはバーコードのうちの少なくとも1つに関して種類に分類される。
【0027】
更に別の好ましい実施例では、検出部材は光センサである。
【0028】
更に別の好ましい実施例では、開口部と第1キャリッジとの間に第1相互接続部材が配置されている。第1キャリッジと第2キャリッジとの間に第2相互接続部材が配置されている。第2キャリッジと第3キャリッジとの間に第3相互接続部材が配置されている。
【0029】
別の好ましい実施例では、器具の長手方向の運動および回転運動を測定するための処理ユニットを含む。
【0030】
別の好ましい実施例では、器具の長手方向および回転方向に力のフィードバックを与える処理ユニットを備える。
【0031】
最も好ましくは、これら器具はシミュレートされた一端を有する実際の器具である。これによって一般に利用できる異なる器具をテストすることが可能となる。
【0032】
更に別の好ましい実施例では、器具をクランプするためのロッキング部材を含む。ロッキング部材は中央壁に取り付けられる。ロッキング部材はトルクを加えるための部材を含むことができる。
【0033】
更に別の好ましい実施例では、クランクブロックはトルクホイール内に設けられる。クランクブロックはトルクホイールに対して長手方向に移動し、かつ回転方向に固定されている。
【0034】
本発明は、シミュレーションシステム内の装置によるインターベンショナル手術をシミュレートする方法に関する。この装置は、多数の器具、好ましくは少なくとも2つの器具を受け入れるようになっている。この装置は、器具の数に対応する数の可動キャリッジと、トラックと、相互接続部材とを備える。この方法は、多数の器具を装置に挿入するステップと、少なくとも1つの器具を受けかつロックすることにより、直列に接続された器具を各キャリッジによって受けるステップとを備え、各キャリッジは、器具からの運動を受けると共にシミュレーション特性に関して器具へフィードバックされる力を生成するための部材とを更に備える。
【0035】
本発明の1つの形態によれば、シミュレータシステム、好ましくは、インターベンショナル治療シミュレータシステムが提供される。このシミュレータシステムは、少なくとも第1および第2の変位可能な部材と、制御システムとを備える。制御システムは、第1の変位可能な部材(16A〜16C)の速度を設定値(CDV)に向けて制御する第1コントローラ(F1(s))を備える。制御システムは、更に第2の前の変位可能な部材の位置の誤差(CAP)と速度(PCAV)とを組み合わせ、第1の部材の設定速度にするための第2コントローラ(F2(s))を備える。第2のコントローラ(F2)は、CDV=C1*(CAP−PCAP)+C2*PCAV(ここでC1とC2とは定数である)に制御する。
【0036】
本発明の別の形態によれば、シミュレータシステム、好ましくはインターベンショナル治療シミュレータシステムが提供される。このシミュレータシステムはシミュレートされる器具を受け入れるための機構を含み、この機構は器具を識別するための識別手段を備える。
【0037】
更に別の好ましい実施例では、器具を検出するための機構が少なくとも1つのIR(赤外線)ダイオードと、少なくとも1つのIRフォトトランジスタとを備える。
【0038】
好ましい一実施例では、識別手段は器具の厚み、カラー、構造、材料、識別証および/またはバーコードから成る。
【0039】
本発明の別の形態によれば、シミュレータシステム、好ましくはインターベンショナル治療シミュレータシステムが提供される。このシミュレータシステムは、シミュレートされる器具を受け、かつロックするための部材と、力センサを含む制御ユニットとを備える。制御ユニットは、力の要求値(DF)に向かって制御を行う。器具でユーザが経験する力は力センサによって測定される。力センサからの信号は設定された力に向けて力フィードバック制御ループ内でフィードバックされる。
【0040】
本発明の別の形態によれば、シミュレータシステム、好ましくはインターベンショナル治療シミュレータシステム、シミュレートされた器具における抵抗力を発生するための抵抗力発生機構が提供される。該抵抗力発生機構は、制御ユニットと、力センサとを備える。該抵抗力発生機構は、ある方向に器具受け部材を駆動するためのアクチュエータ装置を制御するための力フィードバック制御ループを更に備える。該抵抗力発生機構は、内側力制御ループを更に備える。力センサは、抵抗力を測定するように配置されている。力センサからの信号は、内側力制御ループ内でフィードバックされ、該内側力制御ループが、制御ユニットによって提供されるループ増幅度Kによって制御ユニットおよびアクチュエータを制御する内側力制御ループによって定められる設定された力の値SFに向かって制御する。
【0041】
好ましい1つの実施例では、制御ユニットは抵抗力を得るようにループ増幅度Kを制御する。
【0042】
好ましい1つの実施例では、制御ユニットは抵抗力を得るように、設定された力SFを制御する。
【0043】
本発明の別の特徴によれば、シミュレータシステム、好ましくはインターベンショナル治療シミュレータシステムが提供される。このシミュレータシステムは、シミュレートされた器具における抵抗力を発生するための抵抗力発生機構を備える。このシミュレータシステムは、器具の運動を測定し、器具に力をフィードバックするための装置内に器具の一部を受け入れ、かつ固定するための受入固定機構を更に備える。該受入固定機構は、器具をクランプするための部材を含む。該受入固定機構は、トルクホイール内に配置されたクランクブロックを備え、該クランクブロックは、トルクホイール内で長手方向に移動自在である。クランクブロックには、嵌合表面が設けられており、この嵌合表面は、器具部をグリップするコレットに押圧されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、図面を参照し、本発明の最良の実施例に基づき、本発明を非限定的に説明する。
【0045】
以下、図面を参照し、本発明の最良の実施例およびその変形例について詳細に説明する。その他の可能な実施例の例についても説明する。
【0046】
図3に示されるような本発明の最良の実施例に係わるインターフェース装置100は、次のものを含む。
・対応するプリントカードボードPCBに配置された処理ユニット10。
・通信ユニット12。
・電源14。
・少なくとも3つのキャリッジ16A〜16C。各キャリッジ16は同じ技術的特徴を有する。これらキャリッジ16C〜16Cは後述する異なる種類の器具をロックするように配置されている。
・キャリッジ16A〜16Cを駆動するためのモータおよび変速機18。
・キャリッジ16A〜16Cが移動できるトラック20。この実施例ではこのトラックは共通トラックであるが、他の実施例では、例えば平行な3つのトラックなどとすることができる。
・入力パイプ24が設けられた開口部22。
・入れ子式パイプ26A〜26Cの形態をした相互接続部材26。図2参照。
・カバー28。
・PC内のソフトウェアの形態をした制御ユニット30。
【0047】
各キャリッジ16A〜16Cはホイール34が設けられたシャーシ32を含む。別の実施例では、シャーシにはランナ、スライドブッシングなどを設けることができる。このシャーシ32はトラック20に沿って駆動するための接続ピンを介し、変速機18、好ましくはギアベルト変速機に取り付けられている。別の実施例ではチェーン式変速機、ワイヤ変速機または空気圧シリンダ変速機を使用できる。スプリングサスペンションを介し、シャーシ32には懸架プレート38が取り付けられている。スプリングのうちの1つは懸架式プレート38とシャーシ32との間の力を測定するロードセルの形態をしたセンサである。このセンサはこれまで力センサ40と称されているものである。懸架プレート38にはほぼ中央に設けられた壁42が配置されている。図4および図5参照。
【0048】
各キャリッジ16A〜16Cの機能は、器具がキャリッジをいつ通過したかを検出することであり、検出部材48によって器具の種類を決定し、制御ユニット30から判断がされる場合には器具をロックすることである。後述するロック機構はロックを行うためのロッキング部材44によって附勢される。
【0049】
開口部22および出口46には相互接続部材26のための接続部が配置されている。本発明の最良の実施例では、この相互接続部材は入れ子式パイプ状の形態になっているが、例えばゴムまたは非剛性プラスチックから製造される弾性パイプなどの形態にすることもできる。これら相互接続部材26は3つの相互作用する入れ子式器具を用いた動作を可能にする。これらキャリッジ16の間で相互接続部材26が移動する。図2参照。開口部22と第1キャリッジ16Aの間には、第1相互接続部材26Aが配置されており、第1キャリッジ16Aと第2キャリッジ16Bの間には第2相互接続部材26Bが配置されており、第2キャリッジ16Bと第3キャリッジ16Cの間には第3相互接続部材26Cが配置されている。
【0050】
光センサの形態をした検出部材48は、キャリッジ16内に器具が存在することを検出する。光センサ48は更に器具が属すのはどの種類であるかを判断できる。これら器具は、器具の厚みおよび/またはその他の識別サイン、例えば色、構造および/または材料に従って前記種類に分類される。別の実施例では、器具にはバーコードを設けることができ、検出部材にはバーコードリーダーを配置できる。検出部材48は出口46に配置され、器具が通過するツールの通路108の各側に配置されているIRダイオード104とIRフォトトランジスタ106を備える。図6参照。IRダイオード104から光チャンネル110を通ってIRフォトトランジスタ106まで光が進む。IRダイオード104は電圧の供給および抵抗により制限された電流によってIR光を放出する。この光は光チャンネル110を介してIRトランジスタ106まで導かれる。フォトトランジスタ106はどれだけ多くの光が到達するかに応じて電流を多かれ少なかれ透過できる。ツールの通路108内に器具がないときには、最大量の光がIRフォトトランジスタ106に到達し、光チャンネル110内に器具が存在するときには、この機器はIRフォトトランジスタ106までの光の流れをブロックし、よって少ない光しかフォトトランジスタに到達しない。IRフォトトランジスタ106に到達する光が多くなればなるほど、IRフォトトランジスタ106をより大きな電流が通過し、抵抗の両端の電圧がより大きくなる。A/Dトランスジューサはその電圧を測定し、測定検査の結果は制御ユニット30へ送られる。
【0051】
ロッキング部材44は器具をクランプするように配置されており、中央壁42に取り付けられている。同じロッキング部材44は器具に対し、回転角方向に力のフィードバックを行うよう、器具でトルクを発生できる。
【0052】
器具の検出およびロックの後で、キャリッジ16は器具のユーザの運動に従う。このことは、変速機18および制御電子回路によって行われ、要求された力が制御ユニット30から得られるように制御される。力のフィードバックについては更に後述する。
【0053】
図7は本発明の最良の実施例に係わるロッキング部材44を示す。ベアリング、例えばボールベアリングまたはローラーベアリングにより、中央壁42にはトルクホイール52を有する中央ユニット50が取り付けられている。トルクホイール52にはギアリング54が設けられている。トルクホイール52を駆動するようにモータハブ58およびトルクモータギアホイール60を備えたトルクモータ56が配置されている。ベアリング、例えばボールベアリング、ローラーベアリング、ニードルベアリングまたはポリマー軸受けを介してトルクホイール52にはロックホイール62が取り付けられている。更に、ロックホイール62を駆動するようにモータハブ66およびロックモータギアホイール68を備えたロックモータ64が配置されている。ロッキング部材44は、器具をグリップするコレット70と、コレット70が配置されたコレット座72とを更に備える。
【0054】
トルクホイール52内に配置されたクランクブロック74はトルクホイール52に対して長手方向には移動できるが、回転方向には固定されている。前記クランクブロック74にはウィングが設けられている。これらウィングはトルクホイール52内に配置されたガイドトラック内で走行する。クランクブロック74には嵌合表面が設けられており、この嵌合表面は器具ワイヤをグリップするコレット70に向かって押圧されている。クランクブロック74の代わりにその他のチャッキング原理を利用してもよい。
【0055】
ロッキング部材44は更に内側のロックホイール62を備え、このロックホイール62はベアリング、例えばボールベアリング、ニードルベアリングなどを介して外側のトルクホイール52に取り付けられている。トルクホイール52およびロックホイール62にはそれぞれギアリング54が設けられている。ロックホイール62はトルクホイール52内で回転し、このロックホイールにはネジが設けられている。このネジは、トルクホイール52内で回転方向に固定されているが長手方向には自由に走行するクランクブロック74に作用する。ロックホイール62のバックエッジにはコレット70が設けられており、中央ユニット50全体の中心には2つの開口部22が配置されており、これら開口部を器具が通過できる。
【0056】
中央壁42には2つのモータ、すなわちトルクモータ56とロックモータ64が固定されている。モータ軸にはモータギアホイール60、68が設けられており、これらホイールはトルクモータ56およびロックモータ64のギアリング54に抗して動く。
【0057】
インターフェース装置の初期シーケンスではキャリッジ16は器具入口側に向かって密に一列に位置している。ユーザは器具すなわちツールを第1相互接続部材26を介して入口パイプ24内に挿入し、第1キャリッジ16A内に挿入し、中央ユニット50を通して、次に出口46を通過させる。出口46において、例えば光センサ48の形態をした検出部材は器具が存在すること、およびその種類を検出する。制御ユニット30は検出した器具の種類から器具をロックすべきか否かを判断する。第1キャリッジ16Aが器具をロックしない場合、器具は第1キャリッジ16Aを通過し、第2の相互接続部材26B内に侵入し、更に第2キャリッジ16Bに向かって移動する。
【0058】
第1キャリッジ16Aが器具をロックする場合、ロッキングシーケンスがスタートする。従って、トルクモータ56によってトルクホイール52が固定される。その後、ロックホイール62がロックモータ64により回転されるので、クランクブロック74は器具のまわりをクランプするコレット70へ向かって押圧される。従って、ロッキング部材44および懸架プレート36が器具に固定される。
【0059】
ロッキングシーケンスの後に力およびトルク制御が続く。力コントローラは力センサ40からの高周波により、シャーシ32の位置を制御するので、力センサ40内には所定の力が維持される。この力は器具へ伝えられる。ユーザは器具内でこの設定された力を感じ、これによって長手方向の力のフィードバックが行われる。トルク制御装置は、回転方向へ力のフィードバックを行うトルクモータ56によって設定されたトルクを設定する。設定された力および設定されたトルクはシミュレーションから決定される。長手方向および回転方向の器具の位置に関する情報が連続的にシミュレーションユニット90へ送られる。
【0060】
キャリッジ16が初期位置を通過するように、ユーザが器具を引き抜くと、アンロッキング(ロック解除)シーケンスがスタートする。このアンロッキングシーケンスはロッキングシーケンスと逆の順序で実行される。アンロッキングシーケンスの後で器具はキャリッジ16内を自由に動く。
【0061】
すべてのキャリッジ16A〜16Cは同じように作動する。トラック20に沿った長手方向の一番近くの前のキャリッジの運動にアンロックされたキャリッジが従う。キャリッジの運動をフレキシブルにし、制御誤差を小さくするために、内側のスピード制御ループ86および外側の位置制御ループ88が使用される。スピード制御ループ86の目的は、キャリッジ16の速度を互いに制御することである。位置制御ループ88の目的は、前のキャリッジ16に対するキャリッジ16の距離を一定に維持することである。
【0062】
図8のブロック図は制御システムG(s)を示す。このシステムG(s)は長手方向モータによって駆動されるキャリッジ16A〜16Cのうちの1つを表す。F1(s)はキャリッジの速度を設定値、すなわちキャリッジ要求速度CDVに向けて制御するコントローラである。キャリッジ16内のプロセッサユニット10のうちの1つにF1が設定されている。F1はキャリッジ16の長手方向モータに対するモータの力を示す。
【0063】
F2(s)は制御ユニット30、すなわちPC内に設けられたコントローラである。F2は位置の誤差、すなわち(要求位置−キャリッジの実際の位置CAP)と、前のキャリッジ16の速度(前のキャリッジの実際の速度PCAV)とをキャリッジ16に対する設定値に組み合わせる。
【0064】
F2は、CDV=C1*(CAP−PCAP)+C2*PCAVに制御する。
【0065】
ここで、
CDV=キャリッジ要求速度であり、
CAP=キャリッジの実際の位置であり、
PCAP=前のキャリッジの実際の位置であり、
PCAV=前のキャリッジの実際の速度であり、
C1とC2とは定数である。
【0066】
キャリッジ16が器具すなわちツールをロックすると、制御ユニット30は要求の力の値DFへ向けて制御する。例えば選択された要求の力の値が0である場合、ユーザが器具において0の力を経験するようにキャリッジ16が制御される。例えばユーザがシミュレーション内で血管内の狭窄部を通過した場合、ユーザは器具で抵抗力を感じ、次に所望する要求の力の値がその抵抗力にセットされる。これを達成するために力センサ40および力フィードバック制御ループ102は長手方向モータを制御する。長手方向モータはトラック20に沿ってキャリッジ16A〜16Cを駆動する。ユーザが器具内で感じる力は、力センサ40によって測定される。力センサ40からの信号は制御ループ内で設定された力SFに向かってフィードバックされる。図9にはこの力フィードバック制御ループ102が示されている。
【0067】
使用できる力フィードバックの種類には2つあり、一方は“パッシブな力フィードバック”であり、他方は“アクティブな力フィードバック”である。
【0068】
制御ユニット30は設定された力の値SFが0となるようにコントローラに設定する(SF=0)。制御ユニットは設定された力SF、すなわちシミュレーションがユーザに経験させたい抵抗力に応じて、内部の力制御ループ112(設定された力ではない!)の増幅度を決定する。斯様にして、システムG(s)内の摩擦がループの増幅度から決定される変化の度合いに応じて補償される。
【0069】
例:
増幅度が大きい場合、ユーザは0の力を経験する。増幅度が小さい場合、ユーザは大きい抵抗力を経験する。このように、摩擦はユーザが経験する抵抗力となり、“パッシブな力のフィードバック”が行われる(図9参照)。
【0070】
すなわち
K=C1*(1−C2*DF)
【0071】
ここで、
K=ループ増幅度、F3(s)であり、
DF=要求の力であり、
C1とC2とは定数である。
【0072】
“アクティブな力フィードバック”を行うには、要求の力DF/設定された力の値SFを制御しなければならない。この場合、抵抗力を生じさせるのは長手方向モータである(図10参照)。
【0073】
ユーザは開口部22内の入口パイプ24を通して血管内手術のための器具、例えばカテーテル、バルーン、ワイヤなどを挿入する。この器具は相互接続部材26を通してキャリッジ16A〜16Cへ導かれ、これらキャリッジ16A〜16Cは器具を検出し、器具の運動を測定できるように器具の取っ手を把持し、その運動に対するフィードバックを行う。
【0074】
関連する制御ユニット30を有するインターフェース装置はつぎのような機能を有する。
【0075】
・少なくとも3つの別個の入れ子式器具の動きを測定すること。これら器具は、ある実施例では、ソフトポイントおよびカーブポイントがカットオフされている。測定された動きは、器具のポイントに対して長手方向の運動および回転方向の運動から成る。
・押されたペダル位置および解放されたペダル位置を測定すること。
・造影剤注射器からの流れを測定すること。
・バルーンを膨張させるための圧力ポンプからの圧力を測定すること。
・測定された値をシミュレーションユニット90へ送ること。
・シミュレーションユニット90からの、器具に対する力およびトルクを受信すること。
・受信された力のおよびトルクに従って、器具の長手方向および回転方向へ力のフィードバックを行うこと。
・特殊器具からの信号を測定すること。
【0076】
本願出願人による「インターベンショナルシミュレータ制御システム」(スウェーデン特許出願第0203567−3号)を発明の名称とする特許出願には、システムおよび装置のための制御プログラムが記載されており、本明細書ではこの出願の内容を参考例として援用する。
【0077】
以上、最良の実施例およびその変形例により本発明について説明した。しかしながら、本発明はこれまで説明した実施例のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内で変形およびその他の変更も可能である。また、1つの同時インターベンショナル治療をシミュレートするためにいくつかの装置を1つまたは数個のパソコンに接続することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】使用中の、本発明に係わる装置の全体の概観を示す。
【図2】本装置の断面図である。
【図3】キャリッジを示す略図である。
【図4】キャリッジの断面図である。
【図5】キャリッジの側面図である。
【図6】光センサの正面図である。
【図7】ロッキング部材の側面図である。
【図8】制御システムのブロック図である。
【図9】パッシブな力フィードバックループのブロック図である。
【図10】アクティブな力フィードバックループのブロック図である。
【符号の説明】
【0079】
10…プロセッサユニット、12…通信ユニット、14…電源、16…キャリッジ、16A…第1キャリッジ、16B…第2キャリッジ、16C…第3キャリッジ、18…変速機、20…トラック、22…開口部、24…入口パイプ、26…相互接続部材、26A…第1相互接続部材、26B…第2相互接続部材、26C…第3相互接続部材、28…カバー、30…制御ユニット、32…シャーシ、34…ホイール、38…懸架プレート、40…力センサ、42…中央壁、44…ロッキング部材、46…出口、48…検出部材、50…中央ユニット、52…トルクホイール、54…ギアリング、56…トルクモータ、58…トルクモータハブ、60…トルクモータギアホイール、62…ロックホイール、64…ロックモータ、66…ロックモータハブ、68…ロックモータギアホイール、70…コレット、72…コレットシート、74…クランクブロック、86…速度制御ループ、88…位置制御ループ、90…シミュレーションユニット、100…装置、102…力フィードバック制御ループ、104…IR(赤外線)ダイオード、106…IRフォトトランジスタ、108…ツールの通路、110…光チャンネル、112…内部力制御ループ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の実際の器具、好ましくは少なくとも2つの実際の器具を受け入れるようになっている、インターベンショナル手術をシミュレートするためのシミュレーションシステムにおける装置(100)において、該装置(100)が、
前記実際の器具の数に対応する数の可動キャリッジ(16A〜16C)と、
トラック(20)と、
相互接続部材(26)とを備え、
前記相互接続部材(26)が前記キャリッジ(16A〜16C)を直列に相互接続し、各キャリッジ(16A〜16C)に前記実際の器具の受け入れを可能にするための開口部が設けられており、各キャリッジ(16A〜16C)が更に少なくとも1つの実際の器具を受け入れ、かつロックするための部材と、前記器具からの運動を受けると共にシミュレーション特性に関して前記実際の器具へフィードバックされる力を発生するための部材とを備えることを特徴とする、シミュレーションシステムにおける装置(100)。
【請求項2】
前記開口部(22)が前記相互接続部材(26)内に設けられていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記相互接続部材(26)が入れ子式パイプであることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項4】
各キャリッジ(16A〜16B)が前記相互接続部材(26)を通して挿入される前記実際の器具の種類を検出するための検出機構(48)を含むことを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記装置(100)が前記キャリッジ(16A〜16C)の運動を測定すると共に速度制御ループ(86)および位置制御ループ(88)により前記運動を制御するための制御ユニット(30)に接続されていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記キャリッジ(16A〜16C)が前記トラック(20)に沿って移動するように配置されていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記キャリッジ(16)が実際の位置およびシミュレートされた位置を有し、キャリッジの実際の位置がスケールテーブルからシミュレートされたキャリッジ位置を決定することを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記キャリッジ(16A〜16C)が前記トラック(20)に沿って駆動するための変速機(18)を介して接続されていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記キャリッジ(16)にトルクホイール(52)内に配置されたクランクブロック(74)が設けられていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項10】
前記クランクブロック(74)に嵌合表面が設けられており、この嵌合表面が器具ワイヤをグリップするコレット(70)に押圧されていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項11】
前記キャリッジ(16A〜16C)に配置されたシャーシ(32)と懸架プレート(38)との間の力を力センサ(40)によって測定することを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項12】
前記キャリッジ(16)に、キャリッジ(16)内の器具の存在を検出する検出部材(48)が設けられていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項13】
前記検出部材(48)が各実際の器具の種類を検出するように配置されていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項14】
前記実際の器具が次の特性、すなわち厚み、カラー、構造、材料、識別証および/またはバーコードのうちの少なくとも1つに関して前記種類に分類されることを特徴とする、請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記検出部材(48)が光センサであることを特徴とする、請求項12記載の装置。
【請求項16】
前記開口部(22)と第1キャリッジ(16A)との間に第1相互接続部材(26A)が配置されており、第1キャリッジ(16A)と第2キャリッジ(16B)との間に第2相互接続部材(26B)が配置されており、第2キャリッジ(16B)と第3キャリッジ(16C)との間に第3相互接続部材(26C)が配置されていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項17】
器具の長手方向の運動および回転運動を測定するための処理ユニット(10)を含むことを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項18】
実際の器具の長手方向および回転方向に力のフィードバックを行う処理ユニット(10)を備えることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項19】
前記実際の器具の端部または一部をシミュレートすることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項20】
器具をクランプするためのロッキング部材(44)を備え、該ロッキング部材(44)が中央壁(42)に取り付けられていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項21】
前記ロッキング部材(44)がトルクを加えるための部材を含むことを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項22】
前記クランクブロック(74)がトルクホイール(52)内に設けられており、該クランクブロック(74)が該トルクホイール(52)に対して長手方向に移動し、かつ回転方向に固定されていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項23】
多数の実際の器具、好ましくは少なくとも2つの実際の器具を受け入れるようになっている、シミュレーションシステム内における装置(100)によるインターベンショナル手術をシミュレートする方法において、該装置は、
前記実際の器具の数に対応する数の可動キャリッジ(16A〜16C)と、
トラック(20)と、
相互接続部材(26)とを備え、
前記方法は、多数の実際の器具を前記装置(100)に挿入するステップと、少なくとも1つの器具を受けかつロックすることにより直列に相互接続された各キャリッジによって前記実際の器具を受けるステップとを備え、各キャリッジ(16A〜16C)が前記実際の器具からの運動を受けると共にシミュレーション特性に関して前記実際の器具へフィードバックされる力を発生するための部材とを更に備えることを特徴とする、インターベンショナル手術をシミュレートする方法。
【請求項24】
少なくとも第1および第2の変位可能な部材(16A〜16C)を備えた、シミュレータシステム、好ましくはインターベンショナル治療シミュレータシステムにおける装置であって、制御システムが、
・前記第1の変位可能な部材(16A〜16C)の速度を設定値(CDV)に向けて制御する第1コントローラ(F1(s))と、
・前記第2の前の変位可能な部材の位置の誤差(CAP)と速度(PCAV)とを組み合わせ、第1の部材の設定速度にするための第2コントローラ(F2(s))とを備え、該第2のコントローラ(F2)がCDV=C1*(CAP−PCAP)+C2*PCAV(ここでC1とC2とは定数である)に制御することを特徴とする、請求項1乃至22のいずれか1に記載の装置。
【請求項25】
シミュレートされる実際の器具を検出するための機構を備え、前記機構が前記実際の器具を識別するための識別手段を含むことを特徴とする、シミュレータシステム、好ましくはインターベンショナル治療シミュレータシステムにおける、請求項1乃至22のいずれか1に記載の装置。
【請求項26】
器具を検出するための前記機構が少なくとも1つのIR(赤外線)ダイオード(104)と、少なくとも1つのIRフォトトランジスタ(106)とを備えることを特徴とする、請求項25記載のインターベンショナル治療。
【請求項27】
前記識別手段が前記実際の器具の厚み、カラー、構造、材料、識別証および/またはバーコードのうちの少なくとも1つから成ることを特徴とする、請求項25記載のインターベンショナル治療。
【請求項28】
シミュレートされる実際の器具を受け、かつロックするための部材と、力センサ(40)を含む制御ユニット(30)とを更に備え、前記制御ユニット(30)が力の要求値(DF)に向かって制御を行い、器具でユーザが経験する力を力センサ(40)によって測定し、力センサ(40)からの信号を設定された力に向けて力フィードバック制御ループ(102)内でフィードバックすることを特徴とする、シミュレータシステム、好ましくはインターベンショナル治療シミュレータシステムにおける請求項1乃至22のいずれか1に記載の装置。
【請求項29】
シミュレートされた実際の器具における抵抗力を発生するための抵抗力発生機構を備え、該抵抗力発生機構が制御ユニット(30)と、力センサ(40)と、ある方向に器具受け部材(16)を駆動するためのアクチュエータ装置を制御するための力フィードバック制御ループ(102)と、内側力制御ループ(112)とを備え、
前記力センサが前記抵抗力を測定するように配置されており、力センサからの信号が前記内側力制御ループ(112)内でフィードバックされ、該内側力制御ループが前記制御ユニットによって提供されるループ増幅度(K)によって前記制御ユニットおよび前記アクチュエータを制御する前記内側力制御ループ(112)によって定められる設定された力の値(SF)に向かって制御することを特徴とする、シミュレータシステム、好ましくはインターベンショナル治療シミュレータシステムにおける、請求項1乃至22のいずれか1に記載の装置。
【請求項30】
前記制御ユニット(30)が前記抵抗力を得るように前記ループ増幅度(K)を制御することを特徴とする、請求項29記載のシミュレータシステム。
【請求項31】
前記制御ユニット(30)が前記抵抗力を得るように前記設定された力(SF)を制御することを特徴とする、請求項29または30記載のシミュレータシステム。
【請求項32】
シミュレートされた実際の器具における抵抗力を発生するための抵抗力発生機構と、器具の運動を測定し、実際の器具に力をフィードバックするための装置内に前記実際の器具の一部を受け入れ、かつ固定するための受入固定機構を備え、該受入固定機構が前記実際の器具をクランプするための部材を含むことを特徴とする、シミュレータシステム、好ましくはインターベンショナル治療シミュレータシステムにおける請求項1乃至22のいずれか1に記載の装置。
【請求項33】
トルクホイール(52)内に配置されたクランクブロック(74)を備え、前記クランクブロック(74)が前記トルクホイール(52)内で長手方向に移動自在であることを特徴とする、請求項32記載の受入固定機構。
【請求項34】
前記クランクブロック(74)に嵌合表面が設けられており、嵌合表面が前記器具部をグリップするコレット(70)に押圧されていることを特徴とする、請求項33記載の受入固定機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−509237(P2006−509237A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−557049(P2004−557049)
【出願日】平成15年12月3日(2003.12.3)
【国際出願番号】PCT/SE2003/001891
【国際公開番号】WO2004/051602
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(505205775)メンティセ アクチボラゲット (3)
【Fターム(参考)】