説明

インターホンシステム

【課題】通信品質の高品質化を図りつつ、待機時消費電力の低減を図ったインターホンシステムを提供する。
【解決手段】各住戸の住戸用インターホン2は、伝送線L1を介して制御装置に接続され、伝送線L1を介して音声データや制御コマンドなどのデータ信号を搬送波デジタル伝送により送受信している。住戸用インターホン2は、伝送線L1を介して搬送波デジタル伝送によりデータ信号を送受信するデジタル伝送回路15および音声通話手段を用いた通話処理を行う音声処理回路11を少なくとも含む内部処理回路と、伝送線L1を介して起動信号が入力されるのを検出する起動信号検出回路19と、待機時は内部処理回路の動作モードを通常時よりも消費電力の小さい省電力モードに切り替えるとともに、起動信号検出回路19が起動信号を検出すると、内部処理回路の動作モードを通常時の動作モードに復帰させる制御回路10とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル通信で音声データなどのデータを伝送するインターホンシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているような集合住宅用のインターホンシステムが提供されている。
【0003】
特許文献1に記載されたインターホンシステムは、10/100MbpsのEthernet(登録商標)を用いたLANで音声データ、映像データをIPプロトコルによってデジタル多重パケット伝送するもので、集合住宅の各住戸に設置された住戸インターホンや、集合住宅の共同玄関に設置されたロビーインターホンや、集合住宅の管理室に設置された管理室用通話端末などの通信端末が伝送線を介して接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3900062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示されたインターホンシステムのように、デジタル通信で音声データや映像データを伝送するシステムでは、1本の伝送線で、アナログの音声や映像や制御信号を周波数多重伝送するシステムに比べて、映像や音声の高品質化が図られる。一方、このようなインターホンシステムでは、通信信号がいつ来るかは不明なので、各々の通信端末で通信の待ち受けをするために、伝送線に接続された送信アンプおよび受信アンプを備えた伝送回路や、伝送回路を制御して通信を行う通信回路などの、比較的消費電力が大きい回路を常時動作させておく必要があり、各通信端末の待機時消費電力が大きくなってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、通信品質の高品質化を図りつつ、待機時消費電力の低減を図ったインターホンシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、音声通話手段を備えた複数台の通信端末と、通信端末間の通信を制御する制御装置とが、一対の平衡ペア線からなる伝送線を介して接続され、通信端末及び制御装置が搬送波デジタル伝送によりデータ信号を送受信するインターホンシステムにおいて、各通信端末が、伝送線を介してデータ信号を送受信するデジタル伝送回路、当該デジタル伝送回路を用いて搬送波デジタル伝送により通信を行うデジタル通信回路、および音声通話手段を用いた通話処理を行う音声処理回路を少なくとも含む内部処理回路と、伝送線を介して起動信号が入力されるのを検出する起動信号検出回路と、待機時は内部処理回路の動作モードを通常時よりも消費電力の小さい省電力モードに切り替えるとともに、起動信号検出回路が起動信号を検出すると、内部処理回路の動作モードを通常時の動作モードに復帰させるモード切替回路とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、起動信号は、データ信号を伝送するための搬送波デジタル伝送信号とは異なる信号からなり、搬送波デジタル伝送信号に周波数多重化させて伝送されることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、起動信号が、各通信端末に個別に割り当てられたアドレス情報を含み、モード切替回路は、待機時に起動信号検出回路が検出した起動信号に含まれるアドレス情報が自己のアドレス情報に一致すると、内部処理回路の動作モードを通常時の動作モードに復帰させることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、起動信号検出回路は、伝送線を介して入力される搬送波デジタル伝送信号の電力を検出する電力検出回路を備え、電力値の検出結果をもとに搬送波デジタル伝送信号の入力を起動信号の入力として検出することを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、起動信号は、搬送波デジタル伝送信号の先頭部分に付加された、特定の通信端末を示す信号パターンからなり、起動信号検出回路は、伝送線を介して入力される搬送波デジタル伝送信号の先頭部分に含まれる信号パターンを検出し、モード切替回路は、待機時に起動信号検出回路が検出した信号パターンが自己の信号パターンに一致すると、内部処理回路の動作モードを通常時の動作モードに復帰させることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れか1つの発明において、起動信号検出回路は、起動信号の検出動作を行う動作期間と、検出動作を停止する停止期間を交互に繰り返す間欠動作を行い、且つ、間欠動作の周期が起動信号の入力期間よりも短い時間に設定されたことを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1の発明において、起動信号は、搬送波デジタル伝送信号に重畳させた直流の電圧信号からなり、起動信号検出回路は、伝送線を介して入力される信号から直流電圧信号を分離する直流分離回路を備え、直流分離回路により分離された直流電圧信号を起動信号として検出することを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項1の発明において、各通信端末は、伝送線を介して入力される信号から直流電圧を分離する直流分離回路と、分離された直流電圧を整流して動作電源を得る電源回路とを備えるとともに、起動信号検出回路は、直流分離回路により分離された直流電圧の極性反転を検出する極性反転検出回路を備え、直流電圧の極性反転を起動信号の入力として検出することを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明は、請求項1の発明において、各通信端末の起動信号検出回路は、伝送線に重畳された直流電圧又は交流電圧の何れかから動作電源を得ており、モード切替回路は、待機時に内部処理回路の動作電源を生成する電源回路を停止させるとともに、起動信号検出回路が起動信号を検出すると電源回路を起動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、一対の平衡ペア線を介してデータ信号を搬送波デジタル伝送により送受信しているので、通信品質の高品質化を図ることができ、また待機時にはデジタル伝送回路およびデジタル通信回路を含む内部処理回路を省電力モードで動作させているから、起動信号を搬送波デジタル伝送により送信するシステムのように、比較的消費電力の大きいデジタル伝送回路およびデジタル通信回路を待機時にも動作させておく必要がなく、待機時の消費電力をさらに低減できるという効果がある。
【0017】
請求項2の発明によれば、起動信号を、データ信号の伝送に用いられる搬送波デジタル伝送信号とは異なる信号とし、搬送波デジタル伝送信号に周波数多重化させて伝送しており、起動信号を搬送波デジタル伝送信号と同時に送信することができるので、搬送波デジタル伝送方式の通信を阻害することがない。また従来のアナログ伝送方式のインターホンでは、例えば1対の伝送線にアナログ音声信号と、アナログ映像信号と、アナログ制御信号とを周波数多重化して伝送しており、省電力モードで動作中の通信端末へ、アナログ制御信号で起動信号を送信することによって、通信端末を起動させることはできるかもしれないが、起動信号以外の呼制御などのアナログ制御信号を送信したい場合は、起動信号をアナログ制御信号で送信する時間帯を避けて送信する必要があり、起動信号以外のアナログ制御信号の通信を阻害する可能性があるのに対して、請求項2の発明によれば、搬送波デジタル伝送方式の通信を阻害することがない。
【0018】
請求項3の発明によれば、起動信号がアドレス情報を含んでいるので、特定の通信端末のみを起動させることができ、省電力モードで動作中の通信端末が一斉に起動されることがないから、システム全体として待機時消費電力の更なる低減を図ることができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、搬送波デジタル伝送信号そのものを起動信号とし、伝送線を介して搬送波デジタル伝送信号が入力されたことを起動信号の入力として検出し、その検出結果をもとにモード切替回路が内部処理回路の動作モードを省電力モードから通常時の動作モードに切り替えているので、搬送波デジタル伝送信号以外の起動信号を伝送線に送出する場合のように搬送波デジタル伝送信号と起動信号とが相互干渉する虞がなく、搬送波デジタル伝送信号の信頼性を高く保つことができる。
【0020】
請求項5の発明によれば、搬送波デジタル伝送信号の先頭部分に、特定の通信端末を示す信号パターンを付加することで、特定の通信端末のみを省電力モードから通常の動作モードに復帰させることができるので、省電力モードで動作中の通信端末が一斉に起動されることがなく、システム全体として待機時消費電力の更なる低減を図ることができる。
【0021】
請求項6の発明によれば、間欠動作を行うことで起動信号検出回路の消費電力を低減して、待機時消費電力の更なる低減を図ることができる。しかも、間欠動作の周期が起動信号の入力期間よりも短い時間に設定されているので、起動信号を検出し損なうことがなく、起動信号を確実に検出することができる。
【0022】
請求項7の発明によれば、高周波信号である搬送波デジタル伝送信号に対して、起動信号である直流電圧信号を容易に重畳又は分離することができるから、起動信号を重畳させる回路や、起動信号を分離する直流分離回路を安価に実現できる。
【0023】
請求項8の発明によれば、伝送線に重畳された直流電圧の極性を反転することによって起動信号を送出しているので、伝送線には直流電圧を常時供給することができ、したがって、電源回路が、直流分離回路により分離された直流電圧を整流することで動作電源を得ることができる。また高周波信号である搬送波デジタル伝送信号に対して、起動信号である直流電圧信号を容易に重畳又は分離することができるから、起動信号を重畳させる回路や、起動信号を分離する直流分離回路を安価に実現できる。
【0024】
請求項9の発明によれば、待機時には内部処理回路の動作電源を生成する電源回路も停止させることができるので、待機時消費電力の更なる低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施形態1のインターホンシステムに用いる住戸用インターホンのブロック図である。
【図2】同上のインターホンシステムのシステム図である。
【図3】実施形態2のインターホンシステムに用いる住戸用インターホンのブロック図である。
【図4】同上に用いる起動信号の説明図である。
【図5】実施形態3のインターホンシステムに用いる住戸用インターホンのブロック図である。
【図6】実施形態4のインターホンシステムに用いる住戸用インターホンのブロック図である。
【図7】同上に用いる搬送波デジタル伝送信号の説明図である。
【図8】実施形態5のインターホンシステムに用いる住戸用インターホンのブロック図である。
【図9】実施形態6のインターホンシステムに用いる住戸用インターホンのブロック図である。
【図10】実施形態7のインターホンシステムに用いる住戸用インターホンのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、集合住宅に設置される集合住宅用インターホンシステムに本発明の技術思想を適用した実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0027】
(実施形態1)
本実施形態の集合住宅用インターホンシステムは、図2に示すように集合住宅の各住戸に設置される住戸用インターホン2と、集合住宅の共同玄関(ロビー)に設置されるロビーインターホン3と、集合住宅の管理事務室に設置された管理事務室機4と、各インターホン2,3及び管理事務室機4の間の通信を制御する制御装置1とを備える。住戸用インターホン2、ロビーインターホン3、及び管理事務室機4などの通信端末と、制御装置1とは、一対の平衡ペア線からなる伝送線L1,L2,L3を介して電気的に接続されており、各インターホン2,3、管理事務室機4及び制御装置1は、伝送線L1,L2,L3を介して、映像データ、音声データ、セキュリティ状態の通知などに用いる情報データ、及び通話の開始/切断のための呼制御などの制御コマンドといったデータ信号を、搬送波デジタル伝送により送受信している。したがって、1本の伝送線で、アナログの音声や映像や制御信号を周波数多重伝送するシステムに比べて、映像や音声の高品質化を図ることができる。
【0028】
図1は住戸用インターホン2の回路構成を示すブロック図であり、住戸用インターホン2は、例えば8ビットのマイクロコンピュータからなる制御回路10と、マイクロホンMCおよびスピーカSPを用いて音声の通話処理を行う音声処理回路11と、映像を表示する映像表示部12と、映像表示部12の表示を制御する映像処理回路13と、ライン結合回路14を介して伝送線L1に接続されたデジタル伝送回路15と、デジタル伝送回路15を用いて搬送波デジタル伝送により伝送信号を送受信するデジタル通信回路16と、伝送線L1を介して入力される起動信号を検出する起動信号検出回路19とを備えている。尚、ロビーインターホン3及び管理事務室機4も住戸用インターホン2と同様の構成を有しているので、図示及び説明は省略する。
【0029】
音声処理回路11は、マイクロホンMCで集音した音声をA/D変換した後にPCMなどの所定の符号化方式で符号化した音声データをデジタル通信回路16に出力するとともに、デジタル通信回路16から入力される音声データを復号化した後にD/A変換したアナログの音声信号でスピーカSPを駆動して音声を鳴動させる。
【0030】
映像処理回路13は、液晶ディスプレイなどの表示デバイスからなる映像表示部12を駆動する駆動回路からなり、デジタル通信回路16から入力される映像データによって映像表示部12を駆動することで、映像表示部12に映像(例えばロビーインターホン3のカメラで撮像された動画像など)を表示させる。
【0031】
デジタル伝送回路15は、ライン結合回路14を介して伝送線L1に接続され、伝送線L1を介してデータを送受信する送信アンプA1及び受信アンプA2を備える。送信アンプA1には、デジタル通信回路16の送信処理部17でデジタル変調された伝送信号が入力され、この伝送信号を増幅し、ライン結合回路14を介して伝送線L1に送信する。また受信アンプA2には、ライン結合回路14を介して伝送線L1から伝送信号が入力され、この伝送信号を増幅した後、デジタル通信回路16の受信部18に出力する。
【0032】
デジタル通信回路16は、音声処理回路11から入力される音声データをデジタル変調してデジタル伝送回路15の送信アンプA1に出力するとともに、送信アンプA1に送信許可信号を出力して送信を開始させる送信処理部17と、デジタル伝送回路15の受信アンプA2で受信された伝送信号をデジタル復調し、音声データは音声処理回路11へ、映像データは映像処理回路13に出力する受信部18とを備えている。さらに、デジタル通信回路16は、送受信のタイミングを制御したり、パケットから必要なデータ部を取り出す通信制御部を備えてもよい。
【0033】
起動信号検出回路19は、制御装置1或いは通信開始側の通信端末(他の住戸用インターホン2、ロビーインターホン3、管理事務室機4)から伝送線L1,L2,L3を介して送信される起動信号の入力待ちをしており、起動信号を検出すると、制御回路10に対して起動信号を出力する。
【0034】
制御回路10は、自機の内部処理回路、すなわち音声処理回路11、映像表示部12、映像処理回路13、デジタル伝送回路15、及びデジタル通信回路16といった回路の動作モードを、音声通話処理や映像表示処理などを行う通常時の動作モードと、通常時よりも消費電力の小さい省電力モードの2つのモードに切り替える機能を有している。そして、モード切替回路たる制御回路10は、音声通話や映像表示を行っていない待機時には内部処理回路の動作を省電力モードに切り替えるとともに、待機中に起動信号検出回路19が起動信号を検出すると、内部処理回路の動作モードを通常時の動作モードに切り替え、内部処理回路の動作を開始させている。
【0035】
このように、各住戸用インターホン2では、待機時において制御回路10がデジタル伝送回路15を含む内部処理回路を省電力モードで動作させている。一方、制御装置1或いは通信開始側の通信端末から待機状態の通信端末に起動信号が送信されると、デジタル伝送回路15とは別に設けた起動信号検出回路19が起動信号の入力を検知し、制御回路10が、入力された検知信号に基づいて、動作モードを通常時のモードに切り替えて、内部処理回路の動作を開始させている。また内部処理回路による内部処理(通話処理など)が終了すると、制御回路10は、内部処理回路の動作モードを再び省電力モードに切り替えており、待機時消費電力の低減を図っている。ところで、搬送波デジタル伝送で送信された起動信号をデジタル伝送回路15が受信して他の内部処理回路を起動させる場合は、起動信号の待ち受けのためにデジタル伝送回路15を常時起動させておく必要があり、その分だけ待機電力が増加するが、本実施形態では、各通信端末が、待機時にデジタル伝送回路15を含む内部処理回路を省電力モードとして、起動信号検出回路19により起動信号の待ち受けを行っているので、映像信号や音声信号の高品質化を図りつつ、待機時電力の低減を図ることができる。また本実施形態では、制御装置1或いは通信開始側の通信端末から伝送線L1に起動信号が出力されると、待機状態の通信端末が一斉に起動されてしまうが、起動してから所定時間が経過するまでの間に、デジタル通信回路16が自機宛の通信データを受信できなかった場合、制御回路10は、内部処理回路を再び省電力モードに切り替えており、不要な通信端末が起動したままになるのを防止することができる。
【0036】
ここで、起動信号検出回路19が、起動信号の検出動作を行う動作期間と、検出動作を停止する停止期間を交互に繰り返す間欠動作を行い、且つ、間欠動作の周期を起動信号の入力期間よりも短い時間に設定してもよく、間欠動作を行うことで起動信号検出回路19の消費電力を低減して、待機時消費電力の更なる低減を図ることができる。また間欠動作の周期は、起動信号の入力期間よりも短いので、起動信号を検出し損なうことがなく、起動信号を確実に検出することができる。
【0037】
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図3及び図4に基づいて説明する。本実施形態では、起動信号としてデータ信号を伝送するための搬送波デジタル伝送信号とは異なる信号が用いられ、この起動信号は搬送波デジタル伝送信号に周波数多重化させて伝送されている。図4は伝送信号の使用周波数帯域を説明する図であり、搬送波デジタル伝送信号S1の使用周波数帯域に比べて低周波側で起動信号S2を多重化してある。このように本システムでは、搬送波デジタル伝送信号S1に起動信号S2を周波数多重化させて伝送しているので、住戸用インターホン2などの通信端末には、伝送線L1を介して入力される信号から、搬送波デジタル伝送信号の使用周波数帯域に比べて低周波側の信号を分離する低周波信号分離回路20が設けられ、起動信号検出回路19では、低周波信号分離回路20により分離された信号から起動信号の入力を検出している。尚、低周波信号分離回路20を除いては実施形態1で説明したインターホンシステムと同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0038】
ところで、従来のアナログ伝送方式のインターホンでは、例えば1対の伝送線にアナログ音声信号と、アナログ映像信号と、アナログ制御信号とを周波数多重化して伝送しており、省電力モードで動作中の通信端末に対して、アナログ制御信号で起動信号を送信することによって、通信端末を起動させることはできるかもしれないが、起動信号以外の呼制御などのアナログ制御信号を送信したい場合は、起動信号をアナログ制御信号で送信する時間帯を避けて送信する必要があり、起動信号以外のアナログ制御信号の通信を阻害する可能性がある。それに対して本実施形態では、制御装置1や通信開始側の通信端末が、データ信号の伝送に用いられる搬送波デジタル伝送信号に比べて使用周波数帯域が低い起動信号を、搬送波デジタル伝送信号に周波数多重化して伝送線L1に出力しているので、起動信号を搬送波デジタル伝送信号と同時に伝送でき、搬送波デジタル伝送方式の通信を阻害することがない。
【0039】
ここで、搬送波デジタル伝送信号に周波数多重化される起動信号に、各インターホン2,3及び管理事務室機4(通信端末)に個別に割り当てられたアドレス情報を付加し、制御回路10では、待機時に、起動信号検出回路19が検出した起動信号に含まれるアドレス情報を自己のアドレス情報と比較し、自己のアドレス情報に一致した場合のみ、内部処理回路の動作モードを通常時の動作モードに復帰させるようにしてもよい。この場合、制御装置1や通信開始側の通信端末から所望の通信端末へ起動信号を送信する際に、通信を行いたい通信端末のアドレス情報を起動信号に付加させることで、特定の通信端末のみを起動させることができるから、省電力モードで動作中の通信端末が全て一斉に起動されることはなく、システム全体として待機時消費電力の更なる低減を図ることができる。
【0040】
なお、起動信号検出回路19が、起動信号の検出動作を行う動作期間と、検出動作を停止する停止期間を交互に繰り返す間欠動作を行い、且つ、間欠動作の周期を起動信号の入力期間よりも短い時間に設定してもよく、間欠動作を行うことで起動信号検出回路19の消費電力を低減して、待機時消費電力の更なる低減を図ることができる。また間欠動作の周期は、起動信号の入力期間よりも短いので、起動信号を検出し損なうことがなく、起動信号を確実に検出することができる。
【0041】
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図5に基づいて説明する。本実施形態の住戸用インターホン2は、ライン結合回路14を介して入力される搬送波デジタル伝送信号の電力を検出する電力検出回路21を備え、制御回路10では、電力検出回路21による電力の検出結果をもとに搬送波デジタル伝送信号の入力を起動信号の入力と判断し、省電力モードで動作中の内部処理回路を起動させるようになっている。尚、起動信号検出回路19の代わりに電力検出回路21を備えた点を除いては、実施形態1で説明したインターホンシステムと同様なので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0042】
このように、本実施形態では伝送線L1に送出される搬送波デジタル伝送信号そのものを起動信号とし、制御装置1や通信開始側の通信端末から搬送波デジタル伝送信号が伝送線L1に送出されると、各通信端末では、電力検出回路21により搬送波デジタル伝送信号の入力を検知し、その検出結果をもとに制御回路10が内部処理回路の動作モードを省電力モードから通常時の動作モードに切り替えている。したがって、制御装置1や通信開始側の通信端末から、搬送波デジタル伝送信号以外の起動信号を伝送線L1に送出する場合のように、搬送波デジタル伝送信号と起動信号とが相互干渉する虞がなく、搬送波デジタル伝送信号の信頼性を高く保つことができる。
【0043】
なお本実施形態では、伝送線L1に搬送波デジタル伝送信号が出力される度に、待機状態の通信端末が一斉に起動されてしまうが、起動してから所定時間が経過するまでの間に、デジタル通信回路16が自機宛の通信データを受信できなかった場合、制御回路10は、内部処理回路を再び省電力モードに切り替えており、不要な通信端末が起動したままになるのを防止することができる。
【0044】
また電力検出回路21では、搬送波デジタル伝送信号の検出動作を行う動作期間と、検出動作を停止する停止期間を交互に繰り返す間欠動作を行い、且つ、間欠動作の周期を起動信号である搬送波デジタル伝送信号の入力期間(すなわち搬送波デジタル伝送信号の信号長)よりも短い時間に設定してもよく、間欠動作を行うことで電力検出回路21の消費電力を低減して、待機時消費電力の更なる低減を図ることができる。また間欠動作の周期は、起動信号の入力期間よりも短いので、起動信号を検出し損なうことがなく、起動信号を確実に検出することができる。
【0045】
(実施形態4)
本発明の実施形態4を図6及び図7に基づいて説明する。
【0046】
図7は通信端末および制御装置1の間で送受される搬送波デジタル伝送信号S1の信号パターンを示し、搬送波デジタル伝送信号S1の先頭部分に設けられた同期フレームD1と、同期フレームD1に続いて設けられ、音声データ、映像データ、情報データ、制御コマンドなどを格納したデータフレームD2とで構成される。そして、同期フレームD1には特定の通信端末を示す信号パターンが付加されており、この信号パターンを起動信号として用いている。
【0047】
そして、本実施形態の住戸用インターホン2では、ライン結合回路14を介して入力される搬送波デジタル伝送信号の先頭部分を検出するヘッドパターン検出回路22が、デジタル伝送回路15に設けられており、起動信号検出回路としてのヘッドパターン検出回路22が、搬送波デジタル伝送信号S1の同期フレームD1に含まれる信号パターンを検出すると、制御回路10が、この信号パターンを自機に割り当てられた信号パターンと比較し、両者が一致すると、内部処理回路の動作モードを省電力モードから通常時の動作モードに復帰させ、内部処理回路の動作を開始させている。尚、起動信号検出回路19の代わりにヘッドパターン検出回路22を備えた点を除いては、実施形態1で説明したインターホンシステムと同様なので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0048】
このように本実施形態では、搬送波デジタル伝送信号の先頭部分に、特定の通信端末を示す信号パターンを付加することで、特定の通信端末のみを省電力モードから通常の動作モードに復帰させることができ、省電力モードで動作中の通信端末が一斉に起動されることがないから、システム全体として待機時消費電力の更なる低減を図ることができる。
【0049】
なお、ヘッドパターン検出回路22が、搬送波デジタル伝送信号の先頭部分を検出する動作を行う動作期間と、検出動作を停止する停止期間を交互に繰り返す間欠動作を行い、且つ、間欠動作の周期を起動信号である同期フレームD1の入力期間より短い時間に設定してもよく、間欠動作を行うことで電力検出回路21の消費電力を低減して、待機時消費電力の更なる低減を図ることができる。また間欠動作の周期は、起動信号の入力期間よりも短いので、起動信号を検出し損なうことがなく、起動信号を確実に検出することができる。
【0050】
(実施形態5)
本発明の実施形態5を図8に基づいて説明する。本実施形態では、起動信号として、搬送波デジタル伝送信号に重畳させた直流の電圧信号を用いており、実施形態1で説明した起動信号検出回路19の代わりに、伝送線L1を介して入力される信号から直流電圧信号を分離する直流分離回路23と、直流分離回路23により分離された直流電圧信号を起動信号として検出する直流検出回路24とを備えている。尚、直流分離回路23及び直流検出回路24以外の構成は実施形態1と同様なので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0051】
ここで、制御装置1或いは通信開始側の通信端末(各インターホン2,3及び管理事務室機4)から、搬送波デジタル伝送信号に重畳させた直流電圧信号が伝送線L1に送出されると、待機中の通信端末では、直流分離回路23により搬送波デジタル伝送信号と分離された直流電圧信号が直流検出回路24に出力され、直流検出回路24では、直流電圧信号の入力を起動信号の入力と判断して、制御回路10に起動信号を出力する。このとき、制御回路10は、内部処理回路の動作モードを省電力モードから通常の動作モードに切り換えており、内部処理回路に音声通話処理などの処理を開始させることができる。また内部処理回路による内部処理が終了すると、制御回路10は、内部処理回路の動作モードを省電力モードに切り替えており、待機時消費電力の低減を図っている。
【0052】
このように、本実施形態では起動信号として直流電圧信号を用いており、高周波信号である搬送波デジタル伝送信号に対して、起動信号である直流電圧信号を容易に重畳又は分離することができるから、起動信号を重畳させる回路や、起動信号を分離する直流分離回路23を安価に実現できる。
【0053】
なお、直流検出回路24が、検出動作を行う動作期間と検出動作を停止する停止期間を交互に繰り返す間欠動作を行い、且つ、間欠動作の周期を起動信号である直流電圧信号の入力期間より短い時間に設定してもよく、間欠動作を行うことで直流検出回路24の消費電力を低減して、待機時消費電力の更なる低減を図ることができる。また間欠動作の周期は、起動信号の入力期間よりも短いので、起動信号を検出し損なうことがなく、起動信号を確実に検出することができる。
【0054】
(実施形態6)
本発明の実施形態6を図9に基づいて説明する。本実施形態では、起動信号として、搬送波デジタル伝送信号に重畳させた直流の電圧信号を用いており、住戸用インターホン2に、伝送線L1を介して入力される信号から直流電圧信号を分離する直流分離回路23と、直流分離回路23により分離された直流電圧信号の極性反転を検出する直流反転検出回路25と、分離された直流電圧を整流して自機の動作電源を得る電源回路26とを備えている。尚、起動信号検出回路19の代わりに直流分離回路23、直流反転検出回路25、及び電源回路26を備えた点を除いては、実施形態1で説明したインターホンシステムと同様なので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0055】
本システムでは制御装置1から伝送線L1に直流電圧が常時供給されており、各通信端末では、直流分離回路23により直流電圧が分離され、電源回路26が、直流分離回路23から出力れた直流電圧を整流、平滑して自機の動作電源を得ている。また直流反転検出回路25が、直流分離回路23により分離された直流電圧の極性を監視している。なお待機中の通信端末では、制御回路10により内部処理回路の動作モードが省電力モードに切り替えられている。
【0056】
ここで、通信端末を起動させるために制御装置1が、伝送線L1に供給する直流電圧の極性を反転させると、各通信端末では、直流反転検出回路25が、直流分離回路23により分離された直流電圧の極性反転を検出し、直流電圧の極性反転を起動信号の入力と判断して、制御回路10に起動信号を出力する。このとき、制御回路10は、内部処理回路の動作モードを省電力モードから通常の動作モードに切り換えており、内部処理回路に音声通話処理などの処理を開始させることができる。また内部処理回路による内部処理が終了すると、制御回路10は、内部処理回路の動作モードを省電力モードに切り替えており、待機時消費電力の低減を図っている。また本実施形態では通信相手以外の通信端末まで起動してしまうが、通信相手以外の通信端末には制御装置1や他の通信端末からの通信信号が送信されないので、起動後一定時間内に自機宛の通信がない場合は制御回路10が動作モードを省電力モードに切り換えており、待機時の消費電力を低減することができる。
【0057】
(実施形態7)
本発明の実施形態7を図10に基づいて説明する。本実施形態では、実施形態1で説明したインターホンシステムにおいて、制御装置1から伝送線L1,L2,L3に各通信端末が備える起動信号検出回路19の動作電源として直流電圧を供給させており、直流分離回路23により分離された直流電圧をDC−DCコンバータ28が所定の電圧値に変換して、起動信号検出回路19に動作電圧を供給している。また各通信端末は、図10に示すように例えば商用交流電源ACから動作電源を生成するAC/DCコンバータからなる電源回路27を備えており、制御回路10は、待機時に電源回路27を停止させ、起動信号が入力されると電源回路27の動作を開始させ、電源回路27から内部処理回路、すなわち起動信号検出回路19以外の全ての回路に動作電源を供給させている。尚、電源回路27以外の構成は実施形態1と同様なので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0058】
ここで、制御装置1からは伝送線L1に直流電圧が常時供給されており、各通信端末では、DC−DCコンバータ28が、伝送線L1を介して入力された直流電圧から起動信号検出回路19の動作電源を生成しているので、待機時に電源回路27が停止しても、起動信号検出回路19は起動信号の検出動作を継続して行うことができる。
【0059】
そして、通信端末を起動させるために制御装置1又は通信開始側の通信端末から伝送線L1に起動信号が送出されると、各通信端末では、起動信号検出回路19によって、伝送線L1を介して入力される検出信号が検出され、制御回路10が、電源回路27を起動させて内部処理回路に動作電源を供給させるとともに、内部処理回路の動作モードを省電力モードから通常時の動作モードに切り換えており、内部処理回路に音声通話処理などの処理を開始させることができる。また内部処理回路による内部処理が終了すると、制御回路10は、内部処理回路の動作モードを省電力モードに切り替えるとともに、電源回路27の動作を停止させており、内部処理回路に給電する電源回路27も停止させることで、待機時消費電力の更なる低減を図っている。また本実施形態では通信相手以外の通信端末まで起動してしまうが、通信相手以外の通信端末には制御装置1や他の通信端末からの通信信号が送信されないので、起動後一定時間内にデジタル通信回路16が自機宛の通信を受信できない場合、制御回路10が動作モードを省電力モードに切り換えており、不要な通信端末が起動されたままになるのを防止することができる。
【0060】
尚、本実施形態では各通信端末が備える起動信号検出回路19の動作電源として制御装置1から伝送線L1に直流電源を重畳させているが、起動信号検出回路19の動作電源として交流電圧を重畳させてもよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0061】
1 制御装置
2 住戸用インターホン(通信端末)
10 制御回路(モード切替回路)
11 音声処理回路(内部処理回路)
15 デジタル伝送回路(内部処理回路)
19 起動信号検出回路
L1 伝送線
MC マイクロホン(音声通話手段)
SP スピーカ(音声通話手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声通話手段を備えた複数台の通信端末と、通信端末間の通信を制御する制御装置とが、一対の平衡ペア線からなる伝送線を介して接続され、通信端末及び制御装置が搬送波デジタル伝送によりデータ信号を送受信するインターホンシステムにおいて、
各通信端末が、伝送線を介してデータ信号を送受信するデジタル伝送回路、当該デジタル伝送回路を用いて搬送波デジタル伝送により通信を行うデジタル通信回路、および音声通話手段を用いた通話処理を行う音声処理回路を少なくとも含む内部処理回路と、伝送線を介して起動信号が入力されるのを検出する起動信号検出回路と、待機時は前記内部処理回路の動作モードを通常時よりも消費電力の小さい省電力モードに切り替えるとともに、起動信号検出回路が起動信号を検出すると、前記内部処理回路の動作モードを通常時の動作モードに復帰させるモード切替回路とを備えたことを特徴とするインターホンシステム。
【請求項2】
前記起動信号は、前記データ信号を伝送するための搬送波デジタル伝送信号とは異なる信号からなり、前記搬送波デジタル伝送信号に周波数多重化させて伝送されることを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。
【請求項3】
前記起動信号が、各通信端末に個別に割り当てられたアドレス情報を含み、前記モード切替回路は、待機時に起動信号検出回路が検出した起動信号に含まれるアドレス情報が自己のアドレス情報に一致すると、前記内部処理回路の動作モードを通常時の動作モードに復帰させることを特徴とする請求項2記載のインターホンシステム。
【請求項4】
前記起動信号検出回路は、伝送線を介して入力される搬送波デジタル伝送信号の電力を検出する電力検出回路を備え、電力値の検出結果をもとに搬送波デジタル伝送信号の入力を起動信号の入力として検出することを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。
【請求項5】
前記起動信号は、搬送波デジタル伝送信号の先頭部分に付加された、特定の通信端末を示す信号パターンからなり、前記起動信号検出回路は、伝送線を介して入力される搬送波デジタル伝送信号の先頭部分に含まれる信号パターンを検出し、前記モード切替回路は、待機時に起動信号検出回路が検出した信号パターンが自己の信号パターンに一致すると、前記内部処理回路の動作モードを通常時の動作モードに復帰させることを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。
【請求項6】
前記起動信号検出回路は、起動信号の検出動作を行う動作期間と、検出動作を停止する停止期間を交互に繰り返す間欠動作を行い、且つ、前記間欠動作の周期が、前記起動信号の入力期間よりも短い時間に設定されたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のインターホンシステム。
【請求項7】
前記起動信号は、搬送波デジタル伝送信号に重畳させた直流の電圧信号からなり、前記起動信号検出回路は、伝送線を介して入力される信号から直流電圧信号を分離する直流分離回路を備え、直流分離回路により分離された直流電圧信号を起動信号として検出することを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。
【請求項8】
各通信端末は、伝送線を介して入力される信号から直流電圧を分離する直流分離回路と、分離された直流電圧を整流して動作電源を得る電源回路とを備えるとともに、前記起動信号検出回路は、直流分離回路により分離された直流電圧の極性反転を検出する極性反転検出回路を備え、直流電圧の極性反転を起動信号の入力として検出することを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。
【請求項9】
各通信端末の起動信号検出回路は、伝送線に重畳された直流電圧又は交流電圧の何れかから動作電源を得ており、前記モード切替回路は、待機時に前記内部処理回路の動作電源を生成する電源回路を停止させるとともに、起動信号検出回路が起動信号を検出すると前記電源回路を起動させることを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−178073(P2010−178073A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−18532(P2009−18532)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】