説明

インターポリマー樹脂粒子

20〜60重量%の非架橋ポリオレフィン、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレンと、懸濁法において重合してポリオレフィン粒子と重合したビニル芳香族モノマー粒子との相互貫入ネットワークを形成する、粒子の重量に対して40〜80重量%のビニル芳香族モノマー、たとえば、スチレン粒子とからなり、ゲル含有量が粒子の重量に対して0〜1.5重量%であり、最終用途における加工性が改善され、ESCR特性が改善されたインターポリマー樹脂粒子。インターポリマー樹脂粒子は、ビカー軟化温度が約90℃〜約115℃であり、メルトインデックスが0.2〜約35.0g/10分(条件)である。粒子は、発泡剤と混合してフォームボードなどの押出発泡製品を成形することができ、押出、射出成形、回転成形、および熱成形法において使用して層、たとえば、シート、フィルムを成形することができ、多層構造体における剛性を改善するために、多層構造体における結合層として使用して、非相容なポリマー、すなわち、ポリスチレンおよびポリエチレンからなる隣接した層を結合することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオレフィンマトリックス中で重合してポリオレフィン−重合ビニル芳香族モノマー、たとえばポリスチレンの相互に侵入する網目を形成するビニル芳香族モノマーを含むポリオレフィン樹脂粒子に関する。より詳細には、本発明は、ゲル含有量がほとんどまたは全くないインターポリマー樹脂粒子、インターポリマー樹脂粒子を製造するための方法、インターポリマー樹脂粒子と、第2のポリマーとを含むポリマー組成物、ならびにインターポリマー樹脂粒子および/または前述のポリマー組成物から作製される製品に関する。こうした製品は、加工技法、たとえば、シート押出、回転成形、熱成形、圧縮成形、射出成形、インフレート法、および直接射出発泡シート押出(direct injection foamed sheet extrusion)を介して成形することができる。
【背景技術】
【0002】
スチレンなどのビニル芳香族モノマーをポリエチレン中で重合させることが知られている。たとえば、Kitamoriに発行され、Sekisui Kaseihin Kabushiki Kaishaに譲渡された米国特許第3,959,189号は、ポリエチレン樹脂粒子を製造するための方法を開示する。このポリエチレン樹脂粒子は、メルトインデックス(MI)値が0.3〜10(条件I、190℃、2.16kg)であり、密度が0.93g/cm未満であり、ビカー軟化温度が85℃未満である。ポリエチレン樹脂粒子を水性懸濁液に加えた後、粒子の重量に対して30〜100重量%のスチレンモノマー、およびモノマーを重合させるための触媒を懸濁液に加え、この中でスチレンモノマーを重合させる。実施形態は、重合の前に架橋剤をポリエチレンに添加するステップと、ポリエチレンを架橋してからポリエチレン樹脂粒子中に発泡剤を浸透させて発泡が可能なポリエチレン樹脂粒子を形成するステップとを含む。架橋剤のため、ポリエチレン−ポリスチレン樹脂粒子は一般に、ゲル含有量が高い、すなわち、約10〜45重量%である。最終の発泡成形品のゲル含有量は、60〜80重量%にもなり得る。こうした架橋したポリエチレン−ポリスチレン樹脂発泡体は、優れた熱安定性およびじん性を有することができるが、この同じ特性のためにこの樹脂粒子は、コンパウンド化、押出加工、射出成形などのプロセスにおいて使用することが不適切になる。というのは、架橋効果がこれら粒子のメルトフローを低下させる傾向があり、このために、加工機械、たとえば押出機を運転するのに必要な電流が増加する点においてこれら粒子の加工性に影響がもたらされるからである。したがって、溶融破壊が増加し、孔やうねなどの表面不規則物がもたらされる。
【0003】
ポリエチレン樹脂粒子中で重合するポリスチレン樹脂のさらなる例は、日本国特許第32623/70号に開示されている。ポリエチレン樹脂の架橋、スチレンの重合、および発泡剤の浸透は同時に実施する。ポリエチレン樹脂粒子が架橋されるので、ポリエチレン樹脂粒子は一般に、ゲル含有量が高く、すなわち少なくとも約24重量%であり、したがって、このポリエチレン樹脂粒子が一般に、押出、射出成形、インフレート法、直接射出発泡シート押出(direct injection foamed sheet extrusion)などのポリマー加工に対して不適切になる。ゲル含有量が高すぎると、硬い斑点が表面上に形成され、不十分な表面の性質がもたらされる。ポリマーを加工するのに使用される機械、たとえば、押出機、または射出成形機に必要な電流が高いためにポリマーの加工が困難であることがわかる。
【0004】
General Electric Co.に譲渡された米国特許第4,782,098号は、ポリフェニレンエーテル樹脂と、スチレンなどのビニル芳香族モノマーの重合体とを含む発泡性インターポリマービーズを開示する。ビニル芳香族モノマーは、重合触媒の存在下で重合し、その結果ビニル芳香族モノマーがポリフェニレンエーテルとともに重合してインターポリマービーズを形成する。場合によっては、架橋剤を加える。加圧下で発泡剤を熱可塑性樹脂ビーズ内に導入する。架橋剤は、過酸化ジ−t−ブチル、過酸化t−ブチルクミル、過酸化ジクミル、α,α−ビス(t−ブチルペルオキシ)p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、および炭酸t−ブチルペルオキシイソプロピルでよい。繰り返していうが、架橋剤を使用すると、ポリフェニレンエーテル樹脂はゲル含有量が少なくとも約24重量%である。ポリフェニレンエーテル樹脂の形態はアモルファスであるので、樹脂は一般に、耐環境応力割れ性(ESCR)の特性が不十分であり得る。
【0005】
Sekisui Kaseihin Kogyo Kabushiki Kaishaに譲渡されたKajimuraらの米国特許第4,303,756号および同4,303,757号は、発泡性の熱可塑性樹脂ビーズを製造するための方法を開示する。この方法は、水性媒体中に、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー(米国特許第4,303,756号)、またはポリプロピレン樹脂粒子(米国特許第4,303,757号)20〜70重量%、およびスチレンなどのビニル芳香族モノマー30〜80重量%を懸濁させるステップと、重合触媒の存在下でビニル芳香族モノマーを重合させてビニル芳香族モノマーをポリプロピレンのバックボーン上にグラフト化するステップと、場合によっては、架橋剤を加えてグラフト−コポリマー化した熱可塑性樹脂ビーズを形成するステップと、熱可塑性樹脂ビーズ中に発泡剤を導入するステップとを含む。
【0006】
一般に、上記の従来技術のインターポリマー樹脂粒子は通常、少なくとも1つの場合で約10〜45重量%、および他の場合で約24重量%の高いゲル含有量を有する発泡性の熱可塑性樹脂粒子であり、このために、シート押出、回転成形、熱成形、圧縮成形、射出成形、インフレート法、直接射出発泡シート押出(direct injection foamed sheet extrusion)などの加工技法によって、充実シート、充実フィルムなどの製品に転換する場合、ビーズまたは粒子の加工性が限定される。また、一般に、従来技術のインターポリマー樹脂粒子は、さらなる懸濁プロセスにおいて発泡剤を含浸させて発泡成形用に使用されるフォーム性すなわち発泡性の粒子を形成する。
【0007】
ポリプロピレンとポリビニル芳香族モノマーの発泡性インターポリマーは、Kent D.Fudgeの米国特許第4,622,347号、同4,677,134号、および同4,692,471号、ならびにBartosiakらの米国特許第4,647,593号においても開示される。この特許はすべてAtlantic Richfield Companyに譲渡されている。このインターポリマーは、前述の米国特許第4,303,756号の教示に従って調製することができる。インターポリマーは、これに発泡剤を含浸させることによって発泡性になる。粒子は、メルトフロー(条件L)が元の値の少なくとも2倍になるようにインターポリマーをビスブレークし、最終製品内の配向応力を最小に保持しつつ潤滑剤およびセル制御剤を添加することによって、ポリスチレン粒子に対する通常の条件下で膨張させて低密度の微細セル構造の発泡体とする。こうした前述の特許のインターポリマー粒子は、米国特許第4,303,756号にしたがって調製することができるので、インターポリマー粒子が一般に、高いゲル含有量、すなわち、約24重量%を有する点において、インターポリマー粒子には、’756号の特許についての上記の議論において概括したのと同じ限界がある。さらなる懸濁プロセスにおいて発泡成形物用のフォーム性または発泡性の粒子を製造するために、このビスブレークしたインターポリマー粒子に発泡剤を含浸させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は従来技術の上述の欠点を克服するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、シート、フィルム、発泡体などの製品を成形するための成形加工装置における粒子の加工特性を改善した、結晶の形態を有し、ゲル含有量がほとんどまたは全くない非発泡性のインターポリマー樹脂粒子を提供する。ゲル含有量は、インターポリマー粒子の重量に対して約0〜約1.5重量%、好ましくは約0〜約0.8重量%、より好ましくは約0〜約0.5重量%の範囲にある。インターポリマー樹脂粒子のビカー軟化温度は、約90℃〜約115℃の範囲にあり、メルトインデックス値は、約0.2〜約35.0g/10分(条件G)である。
【0010】
本発明は、a)水性媒体中に、ビカー軟化温度が85℃を超え、メルトフローが約2.1g/10分(条件I、190℃、2.16kg)であるポリオレフィン樹脂粒子を約20〜60重量%懸濁させるステップと、b)ポリオレフィン樹脂粒子の架橋を最小化または排除するステップと、c)約40〜80重量%のビニル芳香族モノマー、およびポリオレフィン樹脂粒子内でビニル芳香族モノマーを重合させるための重合開始剤を水性懸濁液に加えるステップと、d)前記ポリオレフィン樹脂粒子中で前記ビニル芳香族モノマーを重合させて、インターポリマー樹脂粒子の重量に対して約0〜約1.5重量%の範囲のゲル含有量を有する前記インターポリマー樹脂粒子を形成するステップとを含む、インターポリマー樹脂粒子を製造するための方法を提供する。
【0011】
本発明は、上記の方法を使用してインターポリマー粒子を製造し、本明細書で説明する技法などのポリマー加工技法においてこれら粒子を使用することによって、改善された加工性および/または改善されたESCR特性を有する製品を製造するための方法を提供する。
【0012】
本発明のさらなる態様によれば、約20〜60重量%のポリオレフィン粒子と、約40〜80重量%の重合したビニル芳香族モノマーとを含み、インターポリマー樹脂粒子の重量に対して約0〜約1.5重量%の範囲のゲル含有量を有する、インターポリマー樹脂粒子が提供される。
【0013】
本発明では、インターポリマー樹脂粒子中のポリオレフィンの架橋度は、最小かまたは無視できる。これは、高温架橋剤、たとえば、ポリオレフィン、たとえばポリエチレンに対する過酸化ジクミルの使用を撤廃することによって達成することができる。この結果として、ゲル含有量がインターポリマー樹脂粒子の重量に対して0〜1.5重量%の範囲のインターポリマー樹脂が得られる。本発明のこうした特徴は、インターポリマー粒子のビカー軟化温度が約90℃〜約115℃の範囲にあり、得られたメルトインデックスが約0.2〜約35.0/10分(条件G)であることとあいまって、インターポリマー粒子の加工特性または加工性を改善するものである。
【0014】
本インターポリマー樹脂粒子は発泡剤を含まないのが好ましく、発泡剤はさらなる懸濁プロセスによって樹脂粒子中に含浸される。したがって、得られたインターポリマー樹脂粒子は、発泡成形において使用される上記の従来技術の粒子のような発泡性またはフォーム性粒子ではない。
【0015】
本インターポリマー樹脂粒子は一般に、シート押出、射出成形、熱成形、圧縮成形、インフレート法、回転成形、低動力消費で溶融破壊のない直接射出発泡シート押出(direct injection foamed sheet extrusion)などのポリマー加工技法によって製品を製造するのに使用することを目的とする。本発明のインターポリマー粒子から成形されるシートまたは層は、多層構造体における結合層として使用することができる。
【0016】
従来技術のインターポリマー粒子と異なり、本発明のインターポリマー粒子は、押出しによって容易に充実シート、充実フィルムなどになり、射出成形により、ポリスチレンまたはポリエチレン単独から作製された製品に比較して改善された耐溶媒性(ESCR)を有する製品になる。本発明のインターポリマー樹脂粒子から成形された製品の曲げおよび引張り特性の値は、ポリスチレン単独から作製された製品と低密度ポリエチレン単独から作製された製品との間の値であり、一方、熱的および衝撃特性は純ポリスチレンの特性に近い。
【0017】
本発明のインターポリマー樹脂粒子は、充実シート、発泡シート、フォームボード、射出成形品、遮断フィルムなどの最終用途において、ならびに多層構造体中の結合層として特に有利である。多層構造体では、1つまたは複数の隣接した層は一般に、ポリエチレン、ポリスチレン、または耐衝撃性ポリスチレンである。こうした成形製品は、前のパラグラフで議論した特性などが改善されている。
【0018】
本インターポリマー粒子は、発泡用途に容易に適応することができる。その場合、発泡剤は、通常の押出発泡装置において溶融したインターポリマー樹脂粒子中に混合して、発泡ポリスチレンシートまたは発泡ポリスチレンボードへの用途に比較して改善されたクッション特性、および改善されたESCR特性を有する発泡シートまたはフォームボードを製造する。2000年12月26日にSteven M.Krupinski(譲受人 NOVA Chemicals Inc.)に発行された米国特許第6,166,099号は、第7および8欄において、インターポリマー樹脂粒子の発泡用途で使用することができる通常の押出法および関連の装置を教示する。この教示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
本インターポリマー樹脂粒子は一般に、懸濁法によって成形されるペレットであり、次いで、押出法、または射出成形、または熱成形によってこのペレットをフィルム、シートなどに転換する。懸濁法によって成形されるペレットの重量は一般に、約8ミリグラム〜約20ミリグラムである。
【0020】
本発明のさらなる態様によれば、樹脂粒子は、(押出または射出)吹込成形、射出成形、回転成形、異型押出し成形、充実シート押出、熱成形、および直接射出発泡シート押出(direct injection foamed sheet extrusion)によって製品を成形加工するために使用することができる。
【0021】
本発明のなおさらなる態様は、インターポリマー粒子と、ポリエチレンやポリスチレンなど第2のポリマーとを含むポリマー組成物を提供することである。
【0022】
したがって、改善されたESCR特性、改善された蒸気遮断特性および/または改善された物理特性を有する製品を成形するための改善された加工性をもたらすインターポリマー粒子を含む、インターポリマー樹脂粒子またはポリマー組成物を提供することが本発明の目的である。
【0023】
ゲル含有量がほとんどまたは全くない、すなわち、インターポリマー樹脂粒子の重量に対して約0〜約1.5重量%の範囲にあるインターポリマー樹脂粒子を提供することが、本発明のさらなる目的である。
【0024】
本発明のこれらおよび他の目的は、当分野の技術者により、図、ならびに以下の説明および添付の特許請求の範囲からよりよく評価し理解できよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本明細書では、用語「ポリオレフィン」は、ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性オレフィン(TPO類)、または熱可塑性エラストマー(TPE類)樹脂であり得る。本発明では、ポリオレフィンは好ましくは、ポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂である。
【0026】
本明細書および添付の特許請求の範囲では、用語「ポリエチレン樹脂」には、エチレンのホモポリマーのみならず、少なくとも50モル%、好ましくは少なくとも70モル%のエチレン単位と、エチレンとコポリマーを作ることが可能な少量部分のモノマーとのエチレンコポリマー、および少なくとも50重量%、好ましくは60重量%のエチレンホモポリマーもしくはコポリマーと他のポリマーとのブレンドも含まれることが意図されている。
【0027】
エチレンとコポリマーを作ることが可能なモノマーの例には、酢酸ビニル、塩化ビニル、プロピレン、ブテン、ヘキセン、アクリル酸およびこのエステル、メタクリル酸およびこのエステルがある。エチレンホモポリマーまたはコポリマーとブレンドすることができる他のポリマーは、これと相溶可能などんなポリマーでもよい。例としては、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、スチレン/ブタジエンコポリマー、酢酸ビニル/エチレンコポリマー、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマーなどがある。特に好ましい化学種には、ポリプロピレン、ポリブタジエン、およびスチレン/ブタジエンコポリマーがある。
【0028】
本発明において有利に使用することができるポリエチレンの例としては、低密度、中密度、および高密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、ポリエチレンとポリプロピレンのブレンド、ポリエチレンとエチレン/酢酸ビニルコポリマーのブレンド、およびポリエチレンとエチレン/プロピレンコポリマーのブレンドがある。
【0029】
本発明のインターポリマー樹脂粒子を形成するために使用されるポリエチレン樹脂粒子は、条件I、190℃、2.16kg下でメルトインデックス(MI)約2.1g/10分(条件G、230℃、5.0kg下での11.9g/10分に等価である);数平均分子量20,000〜60,000;キシレン中75℃における固有粘度0.8〜1.1;密度0.910〜0.940g/cm;および85℃を超えるビカー軟化温度を有する。本明細書の実施形態では、ポリエチレン樹脂粒子は、ビカー軟化温度約94℃、メルトインデックス(MI)2.1g/10分(条件I、190℃、2.16kg、なお、これは条件G、230℃、5.0kg下での11.9g/10分に等価である)、密度0.919g/cm、および重量約20ミリグラムを有する。適切な低密度ポリエチレン(LDPE)は、商標LA−0218−AFとしてNOVA Chemical Inc.から得られるものである。
【0030】
本明細書では用語「ポリプロピレン樹脂」は、プロピレンのホモポリマーのみならず、少なくとも50重量%の量のポリプロピレンと他のポリオレフィンとを含むブロックコポリマー、および少なくとも50重量%のポリプロピレンと他のポリオレフィンとの混合物をも示すことが意図されている。本発明では、他のポリオレフィンには、たとえば、ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレン/塩化ビニルコポリマー、エチレン/プロピレンゴム、ポリイソブチレン、ブチルゴム、スチレン/ブタジエンゴム、ポリブテン、およびポリブタジエンが含まれる。Kajimuraらの米国特許第4,303,757号の教示と同様に、ポリプロピレン樹脂は、ビニル芳香族モノマーを速やかに吸収させるために、粒子形状、好ましくは、直径約0.5〜10mmの球、平板粒子、またはペレットの形状において使用することができる。
【0031】
本発明において使用されるポリオレフィンの量は、インターポリマー樹脂粒子の重量に対して約20〜60重量%の範囲にある。
【0032】
本発明では、ビニル芳香族モノマーを使用する。ビニル芳香族モノマーの例としては、スチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンゼン、およびイソプロピルキシレンがある。こうしたモノマーは、単独でも混合物においても使用することができる。少なくとも0.1%のビニル芳香族モノマーと、アクリロニトリル、メチルメタクリラート、ブチルアクリラート、メチルアクリラートなどビニル芳香族モノマーとコポリマー化可能なモノマーとの混合物も使用することができる。本明細書では、用語「ビニル芳香族モノマー」とは、単独または混合物において使用されるビニル芳香族モノマーを意味する。
【0033】
一実施形態では、ビニル芳香族モノマーは、好ましくは、ポリオレフィン樹脂粒子内で重合したスチレンである。
【0034】
ビニル芳香族モノマーの量は、インターポリマー樹脂粒子の重量に対して約40〜約80重量%の範囲にある。
【0035】
一般に、インターポリマー樹脂粒子は、以下のようにして形成する、すなわち、反応器内では、水溶性の高分子材料(たとえば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース)やわずかに水溶性の無機材料(たとえば、リン酸カルシウム、またはピロリン酸マグネシウム)などの懸濁または分散剤を水の重量に対して0.01〜5重量%、好ましくは2〜3重量%添加することによって調製した水性媒体中にポリオレフィン樹脂粒子を分散し、次いで、ビニル芳香族モノマーを懸濁液に加え、ポリオレフィン樹脂粒子内で重合させてポリオレフィンとビニル芳香族モノマーとが相互に侵入した網目を形成する。
【0036】
基本的に、従来から知られていて、普通に使用されるどんな重合用懸濁剤も使用することができる。こうした薬剤は、当技術分野でよく知られており、当分野の技術者なら自由に選択することができる。一般に、水性懸濁液に加える出発ポリオレフィン粒子の量の0.7〜5、好ましくは3〜5倍重量の水を使用する。
【0037】
ビニル芳香族モノマーの重合が完了すると、重合したビニル芳香族樹脂は、ポリオレフィン粒子内に均一に分散する。
【0038】
得られたインターポリマー樹脂粒子は、押出機を使用して、シート、ロッド、パイプ、およびフィルムなどの製品を製造する際の原料、あるいは射出成形または熱成形法を介して製品を製造する際の原料として使用することができる。発泡剤をインターポリマー樹脂粒子中に導入して押出機を介して発泡シートを成形することができる。
【0039】
本発明者は、本発明のインターポリマー粒子を架橋剤なしで製造すると予期しない結果がもたらされることを見出した。すなわち、懸濁プロセスでは、高温開始剤、たとえば、過酸化ジクミルなどの架橋剤を、ポリオレフィン、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレンに添加しない。ポリオレフィン粒子が架橋しないので、インターポリマー粒子のゲル含有量は非常に少ないかまたはない、すなわち、ゲル含有量は、粒子の重量に対して約0〜約1.5重量%、好ましくは約0〜約0.8重量%、より好ましくは約0〜約0.5重量%である。インターポリマー樹脂粒子のビカー軟化温度は、約90℃〜約115℃、好ましくは約90℃〜約105℃の範囲である。
【0040】
本発明のインターポリマー粒子の粘度は、ゲル含有量が比較的高い従来技術のインターポリマー粒子に比較して低下している。粘度の低下により粒子の加工特性または加工性が改善されるので、本明細書中上記で議論したように押出法および/または射出法によってより良い品質の成形品を製造することができる。
【0041】
直接射出発泡法では、発泡剤を本発明のインターポリマー粒子の溶融物中に導入して発泡シートやフォームボードなどの発泡品を製造することができる。適切な発泡剤には、n−プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、ネオペンタンなどの脂肪族炭化水素、シクロブタンやシクロペンタンなどの脂環式炭化水素、およびトリクロロフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素が含まれる。テトラフルオロエタンやジフルオロエタンなどのHFC類、またはクロロジフルオロエタンなどのHCFC類も使用することができる。こうした発泡剤は単独または混合物として使用することができる。
【0042】
発泡剤の好ましい量は、形成されたインターポリマー粒子の重量に対して約2〜約15重量%の範囲にある。発泡剤の具体的なタイプは、米国特許第3,959,189号において教示され、その教示は参照により組み込まれる。好ましくは、懸濁プロセスにおいて、インターポリマー樹脂粒子に発泡剤を浸透させない。それよりもむしろ発泡剤は、通常の仕方で通常の押出法において発泡製品を成形するときに加える。これについては以下でさらに議論をする。
【0043】
本発明のインターポリマー粒子を製造するための方法は、好都合には以下のように実施する。ポリオレフィン粒子は、分散剤を含む水性媒体中に懸濁させる。分散剤は、たとえば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸三カルシウムなどでよい。用いる分散剤の量は、水の量に対して0.01〜5重量%である。
【0044】
界面活性剤を水性媒体に加えることができる。一般に、界面活性剤は、懸濁液の表面張力を低下させ、開始剤とワックス混合物を使用する場合、この混合物中において水/ビニル芳香族モノマー混合物の乳化を助けるために使用される。水性媒体は一般に、ビニル芳香族モノマーが重合することができる温度、すなわち、約60℃〜約120℃の温度まで、ある時間、たとえば12〜20時間にわたって加熱する。ビニル芳香族モノマー、およびビニル芳香族モノマーの重合用低温開始剤は、その中に分散されたポリオレフィン粒子を含む得られた懸濁液にこうした12〜20時間という時間にわたって加える。こうした材料はすべてを1回で加えることもできるが、少量づつ徐々に加えることもできる。懸濁液を室温まで冷却する。インターポリマー粒子を酸性にして表面の懸濁剤を除去し、脱水し、篩い分け、流動床乾燥機で乾燥する。
【0045】
ビニル芳香族モノマーの重合は、ポリオレフィン粒子内で行われる。適切な開始剤の例には、過酸化物、過酸化炭酸塩、過酸エステルなどの有機過酸化化合物が含まれる。こうした過酸化化合物の典型的な例としては、過酸化デカノイル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、過酸化ステアリルなどのC6−20過酸化アシル、過安息香酸t−ブチル、過酢酸t−ブチル、過イソブチラートt−ブチル、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキシルカルボナートなどの過酸エステル、またはこれらの組合せがある。過酸化化合物と異なる他の開始剤も可能であり、例としてα、α’−アゾビスイソブチロニトリルおよびアゾビスジメチバレロニトリルがある。
【0046】
開始剤は一般に、ビニル芳香族モノマーの重量に対して約0.05〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%の量において使用する。
【0047】
こうした開始剤は、単独、または2種類以上の開始剤の組合せにおいて使用することができる。こうした開始剤は、ビニル芳香族モノマーに溶解させることができ、それがポリオレフィン粒子の中に吸収されることになる。こうした教示は、前述の米国特許第3,959,189号中に開示されている。開始剤は、溶媒に溶解させることができる。そうした溶媒には、トルエン、ベンゼン、および1,2−ジクロロプロパンなどが含まれる。
【0048】
懸濁重合は、懸濁安定剤の存在下で実施する。適切な懸濁安定剤は、当分野においてよく知られており、ポリ(ビニルアルコール)、ゼラチン、寒天、ポリビニルピロリジン、ポリアクリルアミドなどの有機安定剤、アルミナ、ベントナイト、ケイ酸マグネシウムなどの無機安定剤、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの界面活性剤、リン酸三カルシウム、リン酸水素二ナトリウムなどのリン酸塩、場合によっては既述の安定剤化合物の任意の組合せが含まれる。
【0049】
安定剤の量は、水相の重量に対して約0.01から約5.0重量%まで適切に変えることができる。
【0050】
ポリオレフィン粒子および/または本発明のインターポリマー樹脂粒子は、静電気防止添加剤、難燃剤、着色剤または染料、充填剤材料、安定剤、およびホワイト油などの可塑剤を含むことができる。
【0051】
本発明のインターポリマー樹脂粒子は、シリコーン、金属、またはグリセロールカルボキシラートを含む組成物で適切にコートすることができる。適切なカルボキシラートは、モノ、ジ、およびトリステアリン酸グリセロール、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、およびこれらの混合物である。そうした組成物の例は、英国特許第1,409,285号、およびStickleyの米国特許第4,781,983号に開示のものでよい。コーティング組成物は、様々なタイプのバッチ、および様々なタイプの連続混合装置において、乾式コーティング、または容易に蒸発する液体のスラリーもしくは溶液を介してインターポリマー樹脂粒子に塗布することができる。コーティングは、インターポリマー樹脂粒子が加工装置中を容易に移動するための助けになる。
【0052】
インターポリマー樹脂粒子は、連鎖移動剤(適切な例には、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、n−ブチルメルカプタンなどのC2−15アルキルメルカプタンが含まれる)、ペンタフェニルエタンやα−メチルスチレン二量体などの他の薬剤、およびポリオレフィンワックスなどの成核剤などの他の添加剤を含むことができる。ポリオレフィンワックス、すなわち、ポリエチレンワックスは、重量平均分子量が250〜5,000であり、通常、樹脂組成物の量に対して0.01〜2.0重量%の量においてポリマーマトリックス中に細かく分かれている。インターポリマー樹脂粒子は、0.1〜0.5重量%の、タルク、有機臭素含有化合物、およびたとえば国際公開第98/01489号に開示されているような、イサルキルスルホスクシナート,C−C20カルボン酸ソルビタール、およびスルホン酸C−C20アルキルキシレンを含む極性剤を含むこともできる。
【0053】
インターポリマー樹脂粒子は、押出加工において使用することができる。たとえば、粒子は、押出機内に供給し、次いで、単層として押し出すか、または多層構造体として同時に押し出し、たとえばシートまたはフィルムにすることができる。場合によっては、押出機内を通過する粒子中に発泡剤を強制的に押し込むことができ、発泡シート、フォームボード、または発泡ロッドを成形することができる。さらなる実施形態では、インターポリマー樹脂粒子は、射出成形において使用し、または熱成形して、当分野の技術者によく知られた仕方において所望の形状にすることができる。
【0054】
あるいは、インターポリマー樹脂粒子から製造された押出シートまたは押出フィルムは、多層構造体における結合層として使用することもできる。同時押出法を使用することができる。その場合、インターポリマー樹脂粒子を、相溶性のないポリマーのシート類、たとえば、ポリスチレンから作製されたシート、またはたとえば、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)であるポリスチレンとゴムから作製されたシートと、ポリエチレンから作製されたシートとの間で押し出し、それにより多層構造体の接着性を改善する。インターポリマー樹脂粒子中のポリエチレン樹脂は、ポリエチレン層中のポリエチレンとの化学結合を創出し、インターポリマー樹脂粒子中のポリスチレンは、ポリスチレン層中のポリスチレンとの化学結合を創出するものと仮定されよう。
【0055】
ポリエチレンのキャップ層をポリスチレンシート上に押し出してESCR、すなわち耐環境応力割れ性を改善する場合、こうした接着性の改善が重要になる。さらなる例は、FDAの要求事項を考慮すると食品が食品容器の基層と接触することができない食品業界に関連するものである。
【0056】
本発明のインターポリマー粒子中の基本のポリオレフィン樹脂としてポリプロピレンを使用する場合、インターポリマーを形成する前、間、または後にポリプロピレンをビスブレークすることが好ましい。
【0057】
ビスブレークは、より小さい分子量、より狭い分子量分布、遅い結晶速度、および溶融状態におけるより速い分子緩和時間をもたらすためにポリプロピレンの鎖を意図的に切断することである。ビスブレークは、高せん断下で押し出して、上記のFudgeの米国特許第4,622,347号および同4,677,134号の教示のようにより大きい分子量の鎖を機械的に切断することによって達成することができる。または、前述のFudgeの米国特許第4,692,471号の教示のように、インターポリマー樹脂粒子の形成中に過酸化物を使用することによって達成することができる。ポリマーとブレンドする過酸化物は、過酸化ジクミル(117℃)や1,3−ビス(α−t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(116℃)など10時間の半減期温度が100℃と130℃の間にある化合物ならどんなものでもよい。実施例7および8では、過酸化ジクミルを使用して本発明のインターポリマー樹脂粒子のポリプロピレンをビスブレークする。
【0058】
本発明のインターポリマー樹脂粒子は、第2のポリマーと組み合わせてポリマー組成物を形成することができる。次いで、この組成物を使用して、加工、たとえば、シート押出、回転成形、熱成形、圧縮成形、射出成形、およびインフレート法を介して製品を成形することができる。第2のポリマーは、ポリエチレンおよびポリスチレンからなる群から選択することができる。こうした組成物では、インターポリマー樹脂粒子は、約0.1重量%〜約99.9重量%の範囲の量において存在することができ、第2のポリマーは、約99.9重量%〜約0.1重量%の範囲の量において存在することができる。本発明の一実施形態では、インターポリマー樹脂粒子は、インターポリマー樹脂の重量に対して約10重量%〜約90重量%の範囲の量において存在することができ、第2のポリマーは、約90〜約10重量%の範囲の量において存在することができる。
【0059】
以下の実施例は、本発明の理解を助けることを目的とするものであり、いかなる意味においてもこうした実施例が本発明の範囲を限定するものと解釈するべきではない。
実施例
【実施例1】
【0060】
本実施例1は、インターポリマー樹脂粒子の重量に対して60重量%のポリスチレンと、40重量%の低密度ポリエチレンとからなるスチレン−ポリエチレンインターポリマー樹脂粒子に関するものである。配合物に対して過酸化ジクミル架橋剤は添加しなかった。
【0061】
脱イオン水520ポンド(約240キログラム)、懸濁剤であるリン酸三カルシウム9.6ポンド(約4.4キログラム)、および強力なアニオン界面活性剤27グラムの混合物を、88rpmで作動する攪拌機付重合反応器に仕込んで水性媒体を調製した。界面活性剤は、n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである登録商標Nacconol−90(Stephan Chemical Co.)であった。水性媒体を約91℃まで加熱し、約10分間保持した。次いで、コンディション I(190℃、2.16kg)でのメルトインデックスが2.1g/10分であり、ビカー軟化点が約93℃であり、各粒の重量が約20ミリグラムである低密度ポリエチレン(LDPE)ペレット(NOVA Chemical Inc.製のLA−0218−AF)112ポンド(約51キログラム)を水性媒体に加えた。このビーズと水の懸濁液の攪拌を88rpmで続けた。ポリスチレン用の低温開始剤、すなわち、過酸化ベンジル(BPO)(75%活性)373グラムおよび過安息香酸t−ブチル(TBP)70グラムをスチレンモノマー84ポンド(約38キログラム)に溶解してモノマー溶液を調製し、この混合物を200分かけて反応器内にポンプで送入した。次いで、温度91℃で100分かけて純スチレン84ポンドの第2のバッチを反応器に加えた。反応器の内容物を91℃でさらに90分間保持してスチレンをポリエチレン内にしみ込ませ、ポリエチレン内で反応させた。次いで、反応器の内容物を2時間かけて140℃まで加熱し、さらに4時間保持して、ポリエチレンマトリックス内で残ったスチレンを重合させてポリスチレンにした。
【0062】
重合後、反応性の混合物を冷却し、塩酸を加えて懸濁剤を溶解した。次いで、樹脂粒子を洗浄し乾燥した。
【0063】
樹脂粒子の2つの試料のゲル含有量は、形成されたインターポリマー樹脂粒子の重量に対して平均0.65重量%であった。条件G(230℃および5.0kg)でのメルトインデックスは1.046g/10分であった。
【実施例2】
【0064】
本実施例2は、インターポリマー樹脂粒子の重量に対して70重量%のポリスチレンと、30重量%の低密度ポリエチレンとからなるインターポリマースチレン−ポリエチレンインターポリマー樹脂粒子に関するものである。配合物に対して過酸化ジクミル架橋剤は添加しなかった。
【0065】
脱イオン水520ポンド、懸濁剤であるリン酸三カルシウム9.6ポンド、および強力なアニオン界面活性剤(登録商標Nacconol90)27グラムの混合物を、約88rpmで作動する攪拌機付重合反応器に仕込んで水性媒体を調製した。水性媒体を約91℃まで加熱し、約10分間保持した。次いで、低密度ポリエチレンのペレット(LA−0218−AF)84ポンドを水性媒体中に懸濁させた。この懸濁液の攪拌を88rpmで続けた。ポリスチレン用低温開始剤、すなわち、過酸化ベンジル(BPO)356グラムおよび過安息香酸t−ブチル(TBP)66.8グラムをスチレンモノマー98ポンド(約45キログラム)に溶解してモノマー溶液を調製し、この混合物を200分かけて反応器内にポンプで送入した。次いで、温度91℃で100分かけて純スチレン98ポンドの第2のバッチを反応器に加えた。反応器の内容物を91℃でさらに90分間保持してスチレンをポリエチレン内にしみ込ませ、ポリエチレン内で反応させた。次いで、反応器の内容物を2時間かけて140℃まで加熱し、この温度にさらに4時間保持して、ポリエチレンマトリックス内で残ったスチレンを重合させてポリスチレンにした。
【0066】
重合後、反応性の混合物を冷却し、塩酸を加えて懸濁剤を溶解した。次いで、樹脂粒子を洗浄し乾燥した。
【0067】
樹脂粒子の2つの試料のゲル含有量は、粒子の重量に対して平均0.45重量%であった。メルトインデックスは、条件G(230℃および5.0kg)で0.501g/10分であった。
【実施例3】
【0068】
本実施例3は、インターポリマー樹脂粒子の重量に対して50重量%のポリスチレンと、50重量%の低密度ポリエチレンとからなるスチレン−ポリエチレンインターポリマー樹脂粒子に関するものである。配合物に対して過酸化ジクミル架橋剤は添加しなかった。
【0069】
脱イオン水520ポンド、懸濁剤であるリン酸三カルシウム9.6ポンド、および強力なアニオン界面活性剤(登録商標Nacconol90)27グラムの混合物を、約88rpmで作動する攪拌機付重合反応器に仕込んで水性媒体を調製した。水性媒体を約91℃まで加熱し、約10分間保持した。次いで、低密度ポリエチレンのペレット(LA−0218−AF)140ポンド(約64キログラム)を水性媒体中に懸濁させた。この懸濁液の攪拌を88rpmで続けた。ポリスチレン用低温開始剤、すなわち、過酸化ベンジル(BPO)350グラムおよび過安息香酸t−ブチル(TBP)65.63グラムをスチレンモノマー70ポンド(約32キログラム)に溶解してモノマー溶液を調製し、この混合物を200分かけて反応器内にポンプで送入した。次いで、温度91℃で100分かけて純スチレン70ポンドの第2のバッチを反応器に加えた。反応器の内容物を91℃でさらに90分間保持してスチレンをポリエチレン内にしみ込ませ、ポリエチレン内で反応させた。次いで、反応器の内容物を2時間かけて140℃まで加熱し、さらに4時間保持して、ポリエチレンマトリックス内で残ったスチレンを重合させてポリスチレンにした。
【0070】
重合後、反応性の混合物を冷却し、塩酸を加えて懸濁剤を溶解した。次いで、樹脂粒子を洗浄し乾燥した。
【0071】
樹脂粒子の2つの試料のゲル含有量は、形成されたインターポリマー樹脂粒子の重量に対して平均0.69重量%であった。メルトインデックスは、条件G(230℃および5.0kg)で1.022g/10分であった。
【実施例4】
【0072】
本実施例4は、インターポリマー粒子の重量に対して60重量%のポリスチレン、および40重量%の低密度ポリエチレンを有するスチレン−ポリエチレンインターポリマーを製造したという点で実施例1に類似している。しかし、本実施例4では、インターポリマー樹脂のメルトフロー速度を増加するために連鎖移動剤を使用した。
【0073】
163グラムの量、すなわち、スチレン100あたり約0.20部のα−メチルスチレン2量体(連鎖移動剤)を、過酸化ベンジル(BPO)および過安息香酸t−ブチル(TBP)を含む懸濁液に加えた。
【0074】
樹脂粒子の2つの試料のゲル含有量は、形成されたインターポリマー樹脂粒子の重量に対して平均1.01重量%であった。メルトインデックスは2.688g/10分(条件G)であった。この結果は、架橋剤なしで連鎖移動剤を使用すると、メルトインデックスが実施例1に比較して増加することを実際に示すものである。
【実施例5】
【0075】
本実施例5では、樹脂粒子の重量に対して60重量%のポリスチレン、および40重量%のエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)を含むインターポリマー樹脂粒子を製造した。高温架橋剤、すなわち、過酸化ジクミル開始剤は加えなかった。
【0076】
脱イオン水380ポンド(約170キログラム)、懸濁剤であるリン酸三カルシウム13ポンド(約5.9キログラム)、およびアニオン界面活性剤登録商標Nacconol−90、8.6グラムの混合物を、約102rpmで作動する攪拌機付重合反応器に仕込んで水性媒体を調製した。
【0077】
水性媒体を約60℃まで加熱し、約30分間保持した。次いで、4.5重量%の酢酸ビニルおよび95.5重量%のエチレン(Equistar Chemicals、LP、Houston、Texas製のNA 480)を含み、密度が約0.923g/ccであり、メルトインデックスが約0.25g/10分(コンディション I、190℃、2.16kg)である低密度ポリエチレン酢酸ビニル(EVA)ペレット125ポンド(約56.7キログラム)を水性媒体に懸濁させた。反応器の温度を85℃まで上昇させた。ポリスチレン用低温開始剤、すなわち、過酸化ベンゾイル(BPO)246グラムおよび過安息香酸t−ブチル(TBP)30グラムをスチレンモノマー22.6ポンド(約10.3キログラム)に溶解してモノマー溶液を調製し、この混合物を96分かけて反応器内にポンプで送入した。次いで、215分かけて純スチレン146ポンド(約66.2キログラム)およびアクリル酸ブチル5.0ポンド(約2.3キログラム)の第2のバッチを反応器に加えた。次いで、反応器の内容物を加熱し、140℃で8時間以上保持してポリエチレンマトリックス内のスチレンの重合を終了させた。
【0078】
重合が完了した後、反応性の混合物を冷却し、洗浄がまに移し、塩酸(HCl)を加えてペレット表面から懸濁剤を溶解した。次いで、ペレットを洗浄し乾燥した。
【0079】
樹脂ペレットの2つの試料のゲル含有量は、形成されたインターポリマー樹脂粒子の重量に対して平均0.46重量%であった。ペレットのメルトインデックスは0.21g/10分(条件G)であった。
【実施例6】
【0080】
本実施例6は、インターポリマー樹脂粒子の重量に対して70重量%のポリスチレンと、30重量%のエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)とを含むインターポリマー樹脂粒子に関するものである。高温架橋剤、すなわち、過酸化ジクミル開始剤は加えなかった。粒子を作製するための方法は、実施例5の方法と同様であった。実施例5で使用した低密度ポリエチレン酢酸ビニル(EVA)は、実施例6で使用したのと同じものであった。
【0081】
脱イオン水411ポンド(約186キログラム)、懸濁剤であるリン酸三カルシウム9.8ポンド(約4.4キログラム)、およびアニオン界面活性剤(登録商標Nacconol 90)6.5グラムの混合物を、約102rpmで作動する攪拌機付重合反応器に仕込んで水性媒体を調製した。水性媒体を約60℃まで加熱し、約30分間保持した。次いで、低密度エチル酢酸ビニルペレット87ポンドを水性媒体に懸濁させた。反応器の温度を85℃まで上昇させた。ポリスチレン用低温開始剤、すなわち、過酸化ベンゾイル(BPO)246グラムおよび過安息香酸t−ブチル(TBP)30グラムをスチレンモノマー22.6ポンドに溶解してモノマー溶液を調製し、この混合物を96分かけて反応器内にポンプで送入した。次いで、純スチレン146ポンドおよびアクリル酸ブチル5.0ポンドからなる第2のバッチを215分かけて反応器に加えた。次いで、反応器の内容物を加熱し、140℃で8時間以上保持してポリエチレンマトリックス内のスチレンの重合を終了させた。
【0082】
重合が完了した後、反応性の混合物を冷却し、洗浄がまに移し、塩酸(HCl)を加えてペレット表面から懸濁剤を溶解した。次いで、ペレットを洗浄し乾燥した。
【0083】
樹脂ペレットの2つの試料のゲル含有量は、形成されたインターポリマー樹脂粒子の重量に対して平均0.32重量%であった。ペレットのメルトインデックスは0.25g/10分(条件G)であった。
【0084】
以下の実施例7および8では、ビスブレークするために過酸化ジクミルを使用すると樹脂のメルトインデックスが増加することがわかる。
【実施例7】
【0085】
本実施例7は、インターポリマー樹脂粒子の重量に対して60重量%のポリスチレンと、40重量%のポリプロピレンとを含むインターポリマー樹脂粒子に関するものである。過酸化ジクミルを、ポリプロピレンをビスブレークするために加えた。
【0086】
脱イオン水520ポンド、懸濁剤であるリン酸三カルシウム9.6ポンド、および登録商標Nacconol 90、27グラムの混合物を、約88rpmで作動する攪拌機付重合反応器に仕込んで水性媒体を調製した。水性媒体を約91℃まで加熱し、約10分間保持した。次いで、ペレットそれぞれの重量が約20ミリグラムであり、MIが25.5g/10分(条件G)であるポリプロピレンペレット(Huntsman P5M4K−046)112ポンドを水性媒体に懸濁させた。懸濁液の攪拌を88rpmで続けた。ポリスチレン用低温開始剤、すなわち、過酸化ベンジル(BPO)473グラム、過安息香酸t−ブチル(TBP)145グラム、および過酸化ジクミル(ポリプロピレンをビスブレークするために)173グラムをスチレンモノマー84ポンドに溶解してモノマー溶液を調製し、この混合物を200分かけて反応器内にポンプで送入した。次いで、温度91℃で100分かけて純スチレン84ポンドの第2のバッチを反応器に加えた。反応器の内容物を91℃でさらに90分間保持してスチレンをポリプロピレン内にしみ込ませ、ポリプロピレンと反応させた。次いで、反応器の内容物を2時間かけて140℃まで加熱し、さらに4時間保持して、ポリエチレンマトリックス内でスチレンを重合させてポリスチレンにした。
【0087】
重合後、反応性の混合物を冷却し、移動させて、酸を加えて懸濁剤を溶解した。
【0088】
樹脂粒子の2つの試料のゲル含有量は、形成されたインターポリマー樹脂粒子の重量に対して平均0.47重量%であった。メルトインデックスは32.61g/10分(条件G)であった。
【実施例8】
【0089】
本実施例8は、インターポリマー樹脂粒子の重量に対して70重量%のポリスチレンと、30重量%のポリプロピレンとを含むインターポリマー樹脂粒子に関するものである。過酸化ジクミルは、ポリプロピレンをビスブレークするために配合物に加えた。インターポリマー樹脂を製造するための方法は、実施例7と同様である。
【0090】
脱イオン水520ポンド、懸濁剤であるリン酸三カルシウム9.6ポンド、およびアニオン界面活性剤(登録商標Nacconol 90)27グラムの混合物を、約88rpmで作動する攪拌機付重合反応器に仕込んで水性媒体を調製した。水性媒体を約91℃まで加熱し、約10分間保持した。次いで、ペレットそれぞれの重量が約20ミリグラムであり、MIが25.5g/10分(条件G)であるポリプロピレンペレット(Huntsman P5M4K−046)112ポンドを水性媒体に懸濁させた。懸濁液の攪拌を88rpmで続けた。ポリスチレン用低温開始剤、すなわち、過酸化ベンジル(BPO)475グラム(グラフト化を改善するため)、過安息香酸t−ブチル(TBP)145グラム(スチレンの残分を減少させるため)、およびポリプロピレンをビスブレークするための過酸化ジクミル173グラムをスチレンモノマー98ポンドに溶解してモノマー溶液を調製し、この混合物を200分かけて反応器内にポンプで送入した。次いで、温度91℃で100分かけて純スチレン98ポンドの第2のバッチを反応器に加えた。反応器の内容物を91℃でさらに90分間保持してスチレンをポリプロピレン内にしみ込ませ、ポリプロピレン内で反応させた。次いで、反応器の内容物を2時間かけて140℃まで加熱し、さらに4時間保持して、ポリプロピレンマトリックス内でスチレンを重合させてポリスチレンにした。
【0091】
重合が完了した後、反応性の混合物を冷却し、移動させて、酸を加えて懸濁剤を溶解した。
【0092】
2つの試料のゲル含有量は、形成されたインターポリマー樹脂粒子の重量に対して平均0.41重量%であった。メルトインデックスは21.92g/10分(条件G)であった。
【0093】
実施例1〜8において製造した粒子を120°F(約49℃)でオーブン乾燥し、次いで、Engel Model 80 射出成形機を使用して小板状に成形した。ASTMによって定められた標準規格に従って、機械的および物理的な特性を測定し、試験した。こうした特性を以下の表1に示す。
【0094】
本明細書中上記で説明したように、本発明のインターポリマー樹脂粒子から成形された製品の曲げおよび引張り特性の値は、ポリスチレン単独から作製された製品と低密度ポリエチレン単独から作製された製品との間の値であり、一方、インターポリマー樹脂粒子から作製された製品の熱的および衝撃特性は純ポリスチレンの特性に近い。
【0095】
【表1】

【実施例9】
【0096】
表2に示す組成物、および表2に示すタイプの押出機を使用して、2層および3層のシート構造物をWELEXシート同時押出ラインにおいて成形した。430°F〜450°(約220℃〜230℃)Fの温度の各ストリームを、押出機のダイヘッド(登録商標WELEXの標準54インチのフリップリップ)を通過させて、多層の連続シート構造物を成形し、養生プロセスとして180から190°F(約82℃〜88℃)の範囲のロール温度で約70psig(約0.5MPag)のロール圧力でロールスタック中を通過させた。次いで、多層のシート構造物を目視で検査し、接着性を定性的に評価し、この結果を表2に示す。「良好」は層にはがれのないことを示す。「不十分」は層にはがれのあることを示す。
【0097】
【表2】

【0098】
本実施例9は、多層シート構造体の層のうちの1つが、本発明のインターポリマー樹脂粒子、すなわち実施例4、5、および6の粒子100%からなる場合、「良好な」接着が行われたことを示す。
【実施例10】
【0099】
本実施例10は、組成物Aおよび組成物Bに対する計測器付の衝撃試験機の値(DYNATUP−ft.lbs.での全エネルギー)を示す図に関するものである。組成物Aは、図に示す重量%のポリスチレン(NOVA 1210−結晶)を含む実施例1(60%PS/40%PE)のインターポリマー粒子を含む本発明の組成物である。
【0100】
組成物Bは、低密度ポリエチレン(NOVA−LA−0218−AF ペレット)と、図に示す重量%のポリスチレンの混合物である。組成物Aおよび組成物Bは、乾燥状態でブレンドし、1軸押出機においてコンパウンド化することによって製造し、カットペレットは、射出成形によって衝撃試験用の直径3インチの円板に成形した。本発明の組成物Aに対するDYNATUP値は、ポリスチレンの重量%の増加とともに比較的一定のままであったが、組成物Bの値は、ポリスチレンの重量%の増加とともに低下した。これによって、ポリエチレンとポリスチレンの純粋に物理的なブレンドに比較して、本発明のインターポリマー粒子ではポリエチレンとポリスチレンの間の相容性が改善されたことがわかる。
【実施例11】
【0101】
本実施例11は、70%PS/30%EVA(実施例6)樹脂対100%ポリスチレン(PS)結晶(NOVA 1510 グレード)の耐環境応力割れ性(ESCR)を例示する。10個の供試体を対照試料として使用した。成形試料に対する耐薬品性試験の結果を表3に示す。
【0102】
【表3】

【0103】
7日間で、歪0.5%でオイルの混合物に暴露されたPS結晶の供試体の場合、「破壊時の引張り応力」は、80%低下した、すなわち、6.25kpsiが1.34kspiまで減少したが、実施例6のインターポリマーの場合、「破壊時の引張り応力」は、比較的同じに留まった、すなわち、5.07kpsi対5.10kspiであった。
【0104】
本発明を本発明の特定の実施形態によって具体的に説明してきたが、本発明に対する膨大な変形形態が、本発明の範囲内になお存在可能であることが、この簡単な開示をみれば理解されよう。したがって、本発明は、本明細書に以下添付する特許請求の範囲および趣旨によってのみ広く解釈され限定されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】実施例10:組成物Aおよび組成物Bの衝撃試験結果

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)水性媒体中に、ビカー軟化温度が85℃を超え、メルトインデックスが約2.1g/10分(条件I、190℃、2.16kg)であるポリオレフィン樹脂粒子を約20重量%から60重量%懸濁させるステップと、
b)前記ポリオレフィン樹脂粒子の架橋度を最小にするステップと、
c)約40から80重量%のビニル芳香族モノマー、およびポリオレフィン樹脂粒子内でビニル芳香族モノマーを重合させるための重合開始剤を水性懸濁液に加えるステップと、
d)前記ポリオレフィン樹脂粒子中で前記ビニル芳香族モノマーを重合させて、インターポリマー樹脂粒子の重量に対して約0から約1.5重量%の範囲のゲル含有量を有するインターポリマー樹脂粒子を形成する(前記インターポリマー樹脂粒子は、約90℃から約115℃の範囲のビカー軟化温度および約0.2から約35g/10分(条件G)の範囲のメルトインデックスを有する)ステップと
を含む、成形品製造装置のための改善された加工特性を有するインターポリマー樹脂粒子の形成方法。
【請求項2】
前記インターポリマー樹脂粒子が、約90℃から約105℃のビカー軟化温度およびインターポリマー樹脂粒子の重量に対して約0から約0.8重量%の範囲のゲル含有量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
e)押出法において前記インターポリマー樹脂粒子を使用し、前記インターポリマー樹脂粒子内に発泡剤を導入して発泡製品を成形するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリオレフィン粒子の前記重量が、前記インターポリマー粒子の重量に対して約30重量%であり、前記ビニル芳香族モノマーの前記重量が、前記インターポリマー粒子の重量に対して約70重量%である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリオレフィン樹脂粒子の前記重量が、前記インターポリマー粒子の重量に対して約40重量%であり、前記ビニル芳香族モノマーの前記重量が、インターポリマー粒子の重量に対して約60重量%である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリオレフィン樹脂粒子の前記重量が、前記インターポリマー粒子の重量に対して約50重量%であり、前記ビニル芳香族モノマーの前記重量が、前記インターポリマー粒子の重量に対して約50重量%である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ビニル芳香族モノマーが、スチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンゼン、イソプロピルキシレン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリオレフィン樹脂粒子の前記ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性オレフィン、および熱可塑性エラストマー樹脂からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ビニル芳香族モノマーがスチレンであり、前記ポリオレフィン樹脂粒子の前記ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレンおよびポリプロピレン樹脂からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリエチレン樹脂が、低密度ポリエチレンおよびエチレン酢酸ビニルコポリマーからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記インターポリマー樹脂粒子がペレットであり、前記ペレットそれぞれの重量が約8ミリグラムから20ミリグラムである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
インターポリマー樹脂粒子であって、ビカー軟化温度が85℃を超え、メルトインデックスが約2.1g/10分(条件I、190℃、2.16kg)である、前記粒子の重量に対して約20から約60重量%の非架橋のポリオレフィン樹脂粒子、および前記非架橋のポリオレフィン樹脂粒子中において重合してポリオレフィン樹脂粒子とポリスチレン粒子との相互侵入網目を形成する、前記インターポリマー粒子の重量に対して約40から約80重量%のポリスチレン粒子とからなる前記インターポリマー樹脂粒子であり、前記インターポリマー樹脂粒子が、前記インターポリマー樹脂粒子の重量に対して約0から約1.5重量%の範囲のゲル含有量、約90℃から約115℃の範囲のビカー軟化温度、約0.2から約35.0g/10分(条件G)のメルトインデックス値を有する、前記インターポリマー樹脂粒子。
【請求項13】
前記インターポリマー樹脂粒子が、約90℃から約105℃の範囲のビカー温度、前記インターポリマー樹脂粒子の重量に対して約0から約0.8重量%の範囲のゲル含有量を有する、請求項12に記載のインターポリマー樹脂粒子。
【請求項14】
前記インターポリマー樹脂粒子の重量に対して、前記ポリオレフィン樹脂粒子の前記重量が約30重量%、前記ポリスチレンの前記重量が約70%である、請求項12に記載のインターポリマー樹脂粒子。
【請求項15】
前記インターポリマー樹脂粒子の重量に対して、前記ポリオレフィン樹脂粒子の前記重量が約40%、前記ポリスチレンの前記重量が約60%である、請求項12に記載のインターポリマー樹脂粒子。
【請求項16】
前記インターポリマー樹脂粒子の重量に対して、前記ポリオレフィン樹脂粒子の前記重量が約50%、前記ポリスチレンの前記重量が約50%である、請求項12に記載のインターポリマー樹脂粒子。
【請求項17】
前記ビニル芳香族モノマーが、スチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンゼン、イソプロピルキシレン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項12に記載のインターポリマー樹脂粒子。
【請求項18】
前記ポリオレフィン樹脂粒子の前記ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性オレフィン(TPO類)、および熱可塑性エラストマー(TPE類)樹脂からなる群から選択される、請求項17に記載のインターポリマー樹脂粒子。
【請求項19】
前記ビニル芳香族モノマーがスチレンであり、前記ポリオレフィン樹脂粒子の前記ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレン樹脂およびポリプロピレン樹脂からなる群から選択される、請求項18に記載のインターポリマー樹脂粒子。
【請求項20】
前記ポリエチレン樹脂が、低密度ポリエチレンおよびエチレン酢酸ビニルからなる群から選択される、請求項19に記載のインターポリマー樹脂粒子。
【請求項21】
前記樹脂粒子がペレットであり、前記ペレットそれぞれの重量が約8ミリグラムから約20ミリグラムである、請求項12に記載のインターポリマー樹脂粒子。
【請求項22】
請求項12に記載のインターポリマー樹脂粒子から作製される押出製品。
【請求項23】
前記製品が押出充実シートである、請求項22に記載の製品。
【請求項24】
前記製品が押出充実フィルムである、請求項22に記載の製品。
【請求項25】
前記製品が押出発泡シートである、請求項22に記載の製品。
【請求項26】
請求項12に記載のインターポリマー樹脂粒子から作製される射出成形品。
【請求項27】
請求項12に記載のインターポリマー樹脂粒子から作製される熱成形品。
【請求項28】
請求項12に記載のインターポリマー樹脂粒子から成形され、少なくとも1つの第2層に隣接して配置された第1層を備え、前記第1層が前記第2層に接着されて多層構造体を形成する、多層構造体。
【請求項29】
請求項12に記載の前記インターポリマー樹脂粒子と、少なくとも1つの第2のポリマーとを含む、ポリマー組成物。
【請求項30】
前記第2のポリマーが、ポリエチレンおよびポリスチレンからなる群から選択される、請求項29に記載のポリマー組成物。
【請求項31】
前記ポリマー組成物の重量に対して、前記第2のポリマーの量が約0.1から約99.9重量%の範囲であり、前記インターポリマー樹脂粒子の量が約99.9から約0.1重量%である、請求項30に記載のポリマー組成物。
【請求項32】
請求項12に記載のインターポリマー樹脂粒子を使用することによって、改善されたESCR特性を有する製品を製造するための方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−515542(P2007−515542A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547063(P2006−547063)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/041078
【国際公開番号】WO2005/065938
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(503200752)ノバ・ケミカルズ・インコーポレイテツド (19)
【Fターム(参考)】