説明

インバータの単独運転検出装置および単独運転検出方法

【課題】 より早くインバータの単独運転を検出する単独運転検出装置および単独運転検出装置を提供する。
【解決手段】 交流電力系統8およびインバータ2から出力された交流電力の電圧から、周波数fまたは周波数変化率df/dtの異常を検知するように構成された異常検出部と、交流電力系統8およびインバータ2から出力された交流電圧の周波数fを検出する周波数検出部28と、周波数検出部28によって検出された周波数fから移動平均fmを演算する移動平均手段29と、周波数fおよび移動平均fmから周波数偏差Δfを演算する周波数偏差手段30と、周波数偏差Δfの大きさと極性とに従って、周波数偏差Δfに対する無効電力Qの特性函数により無効電力Qの値を演算して出力する函数手段31と、函数手段31の出力を用いてインバータ2の出力電力を制御するとともに、異常検出部から異常が検出されたときにインバータ2を停止させる駆動部と、を備えた単独運転検出装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、インバータの系統連系時の単独運転保護に関し、インバータの単独運転検出装置および単独運転検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
単独運転検出装置の一構成例を図6に示しその構成、作用、条件を説明する。図6に示すように、従来のインバータの単独運転検出装置では、例えば太陽電池あるいは燃料電池等を備えた直流電源1から出力された直流電力は、インバータブリッジ2により交流電力に変換され、リアクトル3とコンデンサ4からなるフィルタによりPWM(Pulse Width Modulation)制御による高周波分を除去してコンタクタ6を介して負荷9に供給される。
【0003】
一方、インバータブリッジ2は、交流電力系統8から遮断器7を介して供給される交流電力に連系して運転する。負荷9に供給される交流電力の交流電圧は、電圧検出器10により検出されPLL(Phase-locked loop)回路22に供給される。PLL回路22は、交流電圧位相に同期した信号V22を位相シフト回路23に入力し、正弦波回路26を通して電流基準回路12に正弦波の信号Vs が入力される。
【0004】
増幅器11は、直流電源1の電圧Vを検出し、電圧基準V* と比較した差分を増幅した信号V11を電流基準回路12に入力する。電流基準回路12は信号V11と信号Vs との積を交流電流基準I* として増幅器13へ入力する。この交流電流基準I* と電流検出器5で検出したインバータ出力電流とが一致するように増幅器13が制御し、PWM回路14により駆動回路15を介してインバータブリッジ2をPWM制御する。
【0005】
一方PLL回路22の出力信号V22から周波数検出回路25によりインバータ周波数を検出し函数発生回路24を介して位相シフト回路23により正弦波回路26の出力信号Vs の位相をシフトしてインバータブリッジ2の出力無効電力(I×Vsin θ)を制御する。
【0006】
また、電圧検出器10で検出された交流電圧は、電圧リレー17、周波数リレー18、および、周波数変化率リレー27に供給される。電圧リレー17は、負荷9に供給される交流電圧から電圧の異常を検出する。周波数リレー18は、負荷9に供給される交流電圧から周波数異常を検出する。周波数変化率リレー27は、負荷9に供給される交流電圧から周波数変化率(df/dt)の過大を検出する。
【0007】
異常が検出された場合には、異常検出回路19を介して駆動回路15に異常を通知する信号が供給され、駆動回路15はインバータ駆動を停止させると同時にコンタクタ6を開とさせて完全にインバータブリッジ2を系統連系から解列する(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第2790403号公報
【特許文献2】特許第2796035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のような単独運転検出方法を“スリップモード周波数シフト”と呼んでいる。この動作原理を図7により説明する。函数発生回路24の特性は図7のインバータ特性に示すようにインバータ出力周波数(f)に対し定格周波数f0近辺では周波数(f)の上昇に従って電流位相が進み方向(進み無効電力)に増加する特性となっている。
【0009】
一方、負荷9の特性曲線は周波数(f)が増加すると負荷9のコンデンサ電流は増加しリアクトル電流は減少するので周波数(f)の上昇と共に進み無効電力を吸収する特性となる。図7の負荷特性は負荷9が定格周波数f0で力率=1の場合の特性カーブを示す。このような状態で交流電力系統8へ流れる有効電力ΔP、無効電力ΔQが共にゼロの条件で遮断器7が開となると単独運転を検出するのに比較的長い時間が必要となる。
【0010】
有効電力がゼロ(ΔP=0)、無効電力がゼロ(ΔQ=0)の定格周波数f0 の点で遮断器7が開となると、定格周波数f0より高い周波数の範囲では、負荷9が吸収する無効電力よりもインバータブリッジ2の出力する進み無効電力がやや大きいので、負荷9はこの進み無効電力を吸収するため周波数(f)が上昇する。
【0011】
一方、定格周波数f0より低い周波数(f)の範囲では負荷9が吸収する遅れ無効電力よりもインバータブリッジ2が出力する遅れ無効電力が大きいのでこの遅れ無効電力を吸収するため負荷9の周波数(f)は低下して(リアクトルの電流が増加)いくことになる。
【0012】
このような過程は正帰還により加速的に周波数(f)がシフトして行くが、図8に示すように、インバータブリッジ2から出力される無効電力と、負荷9が吸収する無効電力とが等しい(有効電力も等しい)条件で単独運転になると、インバータの単独運転の検出が遅くなる。図8は、インバータブリッジ2から出力される無効電力と負荷9が吸収する無効電力とが等しい(有効電力も等しい)条件でのシミュレーション波形である。
【0013】
従来は、例えば単独運転になって約0.5〜1.0秒で検出すれば良い系統連系規程となっているが、最近系統の保護協調上0.1秒で検出することが望まれるようになった。図7に示すような周波数に対する、インバータブリッジ2の無効電力あるいは電流位相角の特性のままこのインバータ特性の傾斜を急にすれば(インバータ特性と負荷特性との交叉角Aを大とすれば)正帰還が強くかかり検出時間は早くなるが、周波数が±1%変化した時力率が95%以上の制限が系統連系規程にあり時間短縮に限度があった。
【0014】
本発明はこれらの事情を鑑みて成されたものであって、その目的とするところは上述のような状態においてもより早くインバータの単独運転を検出する単独運転検出装置および単独運転検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1態様によるインバータの単独運転検出装置は、直流電力を交流電力に変換するとともに、交流電力系統と連系して運転するインバータの単独運転検出装置であって、前記交流電力系統および前記インバータから出力された交流電力の電圧から、周波数または周波数変化率の異常を検知するように構成された異常検出部と、前記交流電力系統および前記インバータから出力された交流電圧の周波数を検出する周波数検出部と、前記周波数検出部によって検出された周波数から周波数の移動平均を演算する移動平均手段と、前記周波数検出部によって検出された周波数および前記移動平均から周波数偏差を演算する周波数偏差手段と、前記周波数偏差の大きさと極性とに従って、前記周波数偏差に対する無効電力の特性函数により、前記周波数偏差が正のときは進み無効電力が流れ、前記周波数偏差が負のときは遅れ無効電力が流れるように無効電力あるいは位相角の値を演算して出力する函数手段と、を備えた函数部と、前記函数手段の出力を用いて前記インバータから出力される出力電力を制御するとともに、前記異常検出部から異常が検出されたときに前記インバータを停止させる駆動部と、を備えた単独運転検出装置である。
【0016】
本発明の第2態様によるインバータの単独運転検出装置は、直流電力を交流電力に変換するとともに、交流電力系統と連系して運転するインバータの単独運転検出装置であって、前記交流電力系統および前記インバータから出力された交流電力の電圧から、周波数または周波数変化率の異常を検知するように構成された異常検出部と、前記交流電力系統および前記インバータから出力された交流電圧の周波数を検出する周波数検出部と、前記周波数検出部によって検出された周波数から周波数の移動平均を演算する移動平均手段と、前記周波数検出部によって検出された周波数から周波数変化率を演算する周波数変化率手段と、前記周波数検出部によって検出された周波数および前記移動平均から周波数偏差を演算する周波数偏差手段と、前記周波数偏差および前記周波数変化率の和が正のときは進み無効電力が流れ、前記周波数偏差および前記周波数変化率の和が負のときは遅れ無効電力が流れる前記周波数偏差および前記周波数変化率の和に対する無効電力の特性函数により、前記周波数偏差および前記周波数変化率の和の大きさと極性とに従って、無効電力あるいは位相角の値を演算して出力する函数手段と、を備えた函数部と、前記函数部からの出力を用いて前記インバータの出力電力を制御するとともに、前記異常検出部から異常が知らされたときに前記インバータを停止させる駆動部と、を備えた単独運転検出装置である。
【0017】
本発明の第3態様によるインバータの単独運転検出方法は、直流電力を交流電力に変換するとともに、交流電力系統と連系して運転するインバータの単独運転検出方法であって、前記交流電力系統および前記インバータから出力された交流電圧の周波数を検出し、検出された周波数から周波数の移動平均を演算し、検出された周波数および前記移動平均から周波数偏差を演算し、前記周波数偏差が正のときは進み無効電力が流れ、前記周波数偏差が負のときは遅れ無効電力が流れる前記周波数偏差に対する無効電力の特性函数により、前記周波数偏差の大きさと極性とに従って無効電力あるいは位相角の値を演算し、演算された無効電力あるいは位相角の値を用いて前記インバータから出力される出力電力を制御し、前記交流電力系統および前記インバータから出力された交流電力の電圧から、周波数または周波数変化率の異常か否か検知し、周波数または周波数変化率の異常が検知されたときに前記インバータを停止させる単独運転検出方法である。
【0018】
本発明の第4態様によるインバータの単独運転検出方法は、直流電力を交流電力に変換するとともに、交流電力系統と連系して運転するインバータの単独運転検出方法であって、前記交流電力系統および前記インバータから出力された交流電圧の周波数を検出し、検出された周波数から周波数の移動平均を演算し、検出された周波数から周波数変化率を演算し、検出された周波数および前記移動平均から周波数偏差を演算し、前記周波数偏差と前記周波数変化率との和が正のときは進み無効電力が流れ、前記周波数偏差と前記周波数変化率との和が負のときは遅れ無効電力が流れる前記周波数偏差と前記周波数変化率との和に対する無効電力の特性函数により、前記周波数偏差と前記周波数変化率との和の大きさと極性とに従って無効電力あるいは位相角の値を演算し、演算された無効電力あるいは位相角の値を用いて前記インバータから出力される出力電力を制御し、前記交流電力系統および前記インバータから出力された交流電力の電圧から、周波数または周波数変化率の異常か否か検知し、周波数または周波数変化率の異常が検知されたときに前記インバータを停止させる単独運転検出方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、より早くインバータの単独運転を検出する単独運転検出装置および単独運転検出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインバータの単独運転検出装置の一構成例について説明するための図である。
【図2A】インバータ特性(周波数偏差Δfに対する無効電力または電流位相角)の一例を示す図である。
【図2B】インバータ特性(周波数偏差Δfに対する無効電力または電流位相角)の一例を示す図である。
【図2C】インバータ特性(周波数偏差Δfに対する無効電力または電流位相角)の一例を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係るインバータの単独運転検出装置の一構成例について説明するための図である。
【図4】周波数と位相角と、又は、周波数と無効電力とによる移動平均の周波数の特性曲線の一例を示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係るインバータの単独運転検出装置の一構成例について説明するための図である。
【図6】従来の単独運転検出装置の一構成例を説明するための図である。
【図7】従来の単独運転検出装置のインバータ特性および負荷特性の一例を示す図である。
【図8】従来の単独運転検出装置の動作の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の一実施形態に係るインバータの単独運転検出装置および単独運転検出方法について図面を参照して説明する。一実施形態に係る単独運転検出装置は、直流電源から出力される直流電力を交流電力に変換し、交流系統に連系して運転するインバータの単独運転検出保護装置であって、インバータの出力側の電圧位相、周波数、および周波数の移動平均を検出し、検出した電圧位相から基準位相を取得し、この基準位相に応じた位相の系統の電流の電流基準を発生してインバータの出力電流を制御すると共に、周波数と周波数の移動平均との差(周波数偏差)に応じて基準位相を補正し、これによりインバータが交流系統から切り離されたことを検出して保護動作を高速に行なうように構成されている。
【0022】
図1に示すように、本実施形態の第1実施形態に係るインバータの単独運転検出装置は、交流電力系統及びインバータの出力電力の電圧位相を同期させ、出力電流を所定の電流位相に制御し、インバータの出力の無効電力の制御を行なう。また、インバータが前記交流電力系統から切り離されたときには、インバータの出力電圧の周波数に基づいてインバータの無効電力が変化するようインバータを駆動する。
【0023】
さらに、通常の周波数変化(定常状態)に対し充分ゆるやかに追従して無効電力がほぼゼロになるよう周波数に対する無効電力の特性曲線を移動させ、早い周波数変化(異常状態)に対し周波数が正帰還により変化を助長する方向に制御する。
【0024】
本実施形態に係る単独運転検出装置は、例えば太陽電池あるいは燃料電池等を備えた直流電源1の直流電力を交流電力に変換するインバータブリッジ2の単独運転を検出している。インバータブリッジ2から出力された交流電力は、リアクトル3とコンデンサ4とを備えたフィルタによりPWM制御による高周波分が除去され、コンタクタ6を介して負荷9に供給される。
【0025】
インバータブリッジ2は、交流電力系統8から遮断器7を介して供給される交流電力に連系して運転している。負荷9に供給される交流電圧は、電圧検出器10により検出されPLL回路22に供給される。PLL回路22は、交流電圧位相に同期した信号V22を位相シフト回路23に入力し、正弦波回路26を通して電流基準回路12に正弦波の信号Vs が入力される。
【0026】
増幅器11は、直流電源1の電圧を検出し電圧基準V* と比較して、それらの差分を増幅した信号V11を電流基準回路12に入力する。電流基準回路12は信号V11と信号Vs との積を交流電流基準I* として増幅器13へ入力する。この交流電流基準I* と電流検出器5で検出したインバータブリッジ2の出力電流とが一致するように増幅器13が制御し、PWM回路14により駆動回路15を介してインバータブリッジ2をPWM制御する。
【0027】
一方、周波数検出回路28によりインバータブリッジ2の出力電圧の周波数fを検出し、函数部100を介して位相シフト回路23により正弦波回路26の出力信号Vs の位相をシフトしてインバータの出力無効電力(I×Vsin θ)を制御する。
【0028】
本実施形態では、増幅器11、電流基準回路12、増幅器13、PWM回路、駆動回路15、PLL回路22、位相シフト回路23、および、正弦波回路26は、後に説明する函数部100からの出力を用いてインバータブリッジ2の出力電力を制御するとともに、異常検出部から異常が知らされたときにインバータブリッジ2を停止させる駆動部である。
【0029】
函数部100は、周波数検出回路28から出力されたインバータ周波数fが供給され周波数fから移動平均fmを演算して出力する移動平均回路29と、周波数fと移動平均fmとが供給され周波数fと移動平均fmとの差分により周波数偏差Δfを演算する位相シフト用周波数偏差回路30と、周波数偏差Δfが供給され周波数偏差Δfに対する無効電力Q(または電流位相角θ)の函数により出力信号(無効電力Qあるいは電流位相角θの値)を演算する函数回路31と、を備えている。函数回路31から出力された信号V31は、位相シフト回路23に供給される。
【0030】
また、電圧検出器10で検出された交流電圧は、電圧リレー17、周波数リレー18、および、周波数変化率リレー27に供給される。電圧リレー17は、負荷9に供給される交流電圧から電圧の異常を検出する。周波数リレー18は、負荷9に供給される交流電圧から周波数異常を検出する。周波数変化率リレー27は、負荷9に供給される交流電圧から周波数変化率(df/dt)の過大を検出する。
【0031】
異常が検出された場合には、異常検出回路19を介して駆動回路15に異常を通知する信号が供給され、駆動回路15がインバータ駆動を停止させると同時に、異常検出回路19から出力された信号によりコンタクタ6を開とさせて完全にインバータブリッジ2を系統連系から解列する。
【0032】
本実施形態に係る単独運転検出装置では、インバータブリッジ2の交流側が交流電力系統から切り離されたとき、交流電力系統8側の周波数fが周波数fの移動平均fmより、僅かに増加あるいは減少する。即ち、周波数fから移動平均fmを引いた値を周波数偏差Δf(f−fm=Δf)とすると、周波数fは移動平均fmと周波数偏差Δfとの和(f=fm+Δf)となる。
【0033】
この場合、移動平均fmの平均時間は単独運転検出目標時間より長く設定する。本実施形態では、移動平均fmの平均時間を、単独運転検出目標時間の5倍以上の時間としている。例えば単独運転検出目標時間を100msとする場合、移動平均fmの平均時間は100msの5倍以上の時間、すなわち500ms以上としている。移動平均fmは、平均時間において検出された周波数fの平均値であって、平均時間がtであるとき、移動平均fmは、平均時間t間に検出された周波数fの和を平均時間tで割った値である。
【0034】
図1に示す単独運転検出装置では、周波数検出回路28により交流電力系統の周波数fを検出し、移動平均回路29により周波数の移動平均fmを演算し、位相シフト用周波数偏差回路30により周波数偏差ΔfはΔf≒f−fmより求め、函数回路31より例えば図2Aに示すような無効電力Qの位相特性の函数とし、位相シフト回路23により、回数回路31から出力された周波数偏差Δfに対する無効電力Q(または電流位相角θ)に基づいて位相がシフトされる。シフトされた位相に基づいて、正弦波回路26が正弦波Vsを出力し、電流基準回路12において電流基準I*のインバータブリッジ2から出力される交流電流の電流位相角θを補正する。このように電流位相角θを補正して、インバータブリッジ2の無効電力Qを図2Aに示す位相特性となるよう制御する。
【0035】
すなわち、インバータブリッジ2の出力電力の無効電力又はインバータブリッジ2の電流位相角は、図2Aに示す無効電力の特性函数に従って、周波数偏差Δfが正(+)のときは進み無効電力が流れ、周波数偏差Δfが負(−)のときは遅れ無効電力が流れる方向に制御される。
【0036】
以上のように周波数偏差Δfが増加(+)するときは進み無効電力を流し、周波数fをさらに増加するよう正帰還をかける。周波数偏差Δfが減少(−)するときは遅れ無効電力を流し、周波数fをさらに減少させるように正帰還をかけて急速に周波数fをシフトする。
【0037】
先に説明したように、周波数fに対する電流位相の特性が定格周波数に対し±1%変化したとき、力率が95%以上であることが規定されているので、位相特性曲線の傾斜の上限値が限定され、周波数シフトの速度が限定されてしまう。これに対し、図1に示す単独運転検出装置および単独運転検出方法を用いた場合、定常状態では電流位相角はほぼゼロであり力率は1に近い。そのため、出力無効電力又は電流位相角の特性函数の傾斜を急に(大きく)することが可能となる。
【0038】
ここで、単独運転検出時間として100msをターゲット(目標時間)にすると、40〜80ms程度で周波数fをシフトし、残りの1サイクル20msは周波数fが変化したことを確認するための時間とすることが可能である。
【0039】
よって、周波数fの移動平均時間を500ms程度とすると、40〜80ms間の周波数変化は、周波数fの移動平均fmでは10分の1程度に抑えられ、定常時の力率はほぼ1の状態にすることができる。このことから、正帰還のゲインを高くすることができるので、高速な周波数シフトが可能となり、定常時は高力率の性能を保ち、かつ、100ms前後の高速単独運転検出を実現することができる。
【0040】
すなわち、本実施形態に係るインバータの単独運転検出装置および単独運転検出方法にでは、周波数fと移動平均fmとの差分である周波数偏差Δf(f−fm=Δf)に対しては、定常的にはf−fm≒0であるので定常時の電流位相角θは特に考慮する必要がないため、周波数偏差Δfに対する電流位相角θ(または無効電力Q)の特性函数の傾きを急に(大きく)して正帰還作用のゲインを上昇させて高速に周波数fをシフトさせる。
【0041】
周波数fがシフトすると、電圧検出器10の出力から周波数リレー18により周波数異常が検出され、周波数変化率リレー27により周波数変化率(df/dt)の過大が検出される。
【0042】
上記のように、周波数変化率(df/dt)又は周波数変化率(df/dt)の数回の加算値の過大が検出されると、インバータブリッジ2の駆動素子(図示せず)のゲートが遮断されるとともに、周波数fの過大、周波数fの過少、インバータブリッジ2の電圧過大、および/または、インバータブリッジ2の電圧過少の検出により、異常検出回路19を介して駆動回路15によりインバータブリッジ2と交流電力系統8との間の連系遮断器(コンタクタ6)を開とする。
【0043】
すなわち、電圧リレー17、周波数リレー18、周波数変化率リレー27、および異常検出回路19は、交流電力系統8およびインバータブリッジ2から出力された交流電力の電圧から、電圧、周波数fまたは周波数変化率df/dtの異常を検知するように構成された異常検出部である。
【0044】
この結果、本実施形態に係るインバータの単独運転検出装置および単独運転検出方法によれば、インバータの単独運転検出保護を高速化することができる。なお、インバータブリッジ2は、駆動ゲートにより停止させることができるので、異常が検出されてから、最も早く約10μsで停止可能である。
【0045】
次に、本発明の第2実施形態に係るインバータの単独運転検出装置および単独運転検出方法について、図面を参照して以下に説明する。なお、以下の説明において、上述の第1実施形態に係る単独運転検出装置および単独運転検出方法と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
本実施形態に係る単独運転検出装置では、インバータブリッジ2から出力される交流電力の有効電力および無効電力を制御するループを構成し、インバータブリッジ2が交流電力系統8から切り離されたとき、インバータブリッジ2の出力電圧の周波数に基づいてインバータブリッジの無効電力が変化するよう駆動する。
【0047】
また、通常の周波数変化(定常状態)に対し充分ゆるやかに追従して無効電力がほぼゼロになるよう周波数に対する無効電力の特性曲線を移動させ、早い周波数変化(異常状態)に対し周波数が正帰還により変化を助長する方向にインバータブリッジ2を制御する。
【0048】
図3に示すように、本実施形態に係る単独運転検出装置では、インバータブリッジ2が3相ブリッジである。インバータブリッジ2の交流側には、リアクトル3a、3b、3cが接続され、リアクトル3a、3b、3cはフィルタコンデンサ4a、4b、4cとデルタ接続されている。電流検出器5a、5bはインバータブリッジ2の2相に接続し、インバータブリッジ2の出力電流を検出している。
【0049】
PQ検出回路35はインバータブリッジ2の出力電流と負荷9の電圧とから有効電力Pと、無効電力Qとを算出する。増幅器11は、直流電源1の電圧を検出し電圧基準V*と比較増幅した有効電力基準P*を増幅器13aに出力する。増幅器11から出力された有効電力基準P*と有効電力Pと増幅器13aにて増幅し信号V13aを3相変換器34へ入力する。
【0050】
函数回路31の出力は無効電力基準回路33に入力され、無効電力基準回路33から出力される無効電力基準Q*とPQ検出回路35で検出したインバータブリッジ2の無効電力Qとの誤差を増幅器13bで増幅して信号V13bとして出力する。信号V13bは3相変換器34を介してPWM回路14に入力され、PWM回路14により駆動回路15を介してインバータブリッジ2の出力電流を制御し、インバータブリッジ2から出力される有効電力Pと無効電力Qとを制御する。
【0051】
本実施形態では、増幅器11、増幅器13a、増幅器13b、PWM回路14、無効電力基準回路33、3相変換回路34、PQ検出回路35、および、駆動回路15は、函数部100からの出力を用いてインバータブリッジ2の出力電力の有効電力Pおよび無効電力Qを制御するとともに、異常検出部から異常が知らされたときにインバータブリッジ2を停止させる駆動部である。
【0052】
上記のように、図1に示すようにインバータブリッジ2が単相の場合は、電流位相を変えることにより無効電力Qを変化させてインバータブリッジ2の単独運転を高速検出していたが、図3に示すようにインバータブリッジ2が3相の場合は、インバータブリッジ2から出力される無効電力Qを直接制御することによりインバータブリッジ2の単独運転を高速検出する。
【0053】
図3に示すように、本実施形態に係るインバータの単独運転検出装置は、上記構成以外は、図1に示す第1実施形態に係る単独運転検出装置と同様の構成である。すなわち、本実施形態に係るインバータの単独運転検出装置および単独運転検出方法によれば、上述の第1実施形態の場合と同様に周波数fと移動平均fmとの差である周波数偏差Δf(f−fm=Δf)において、定常的にはf−fm≒0であるので周波数偏差Δfに対する力率は特に考慮する必要がないので、周波数偏差Δfに対する無効電力Qの特性函数の傾きを急に(大きく)して、正帰還作用のゲインを大きくして高速に周波数fをシフトさせる。
【0054】
そうすると、電圧検出器10の出力から電圧リレー17により異常が検出され、周波数リレー18により周波数異常が検出され、周波数変化率リレー27により周波数変化率(df/dt)の過大が検出され、異常検出回路19を介して駆動回路15によりインバータ駆動を停止させる(駆動素子のゲートが遮断される)とともに、連系遮断器(コンタクタ6)を開として完全にインバータブリッジ2を系統連系から解列させる。この結果、本実施形態に係るインバータの単独運転検出装置および単独運転検出方法によれば、インバータの単独運転検出保護を高速化することができる。
【0055】
次に、本発明の第3実施形態に係るインバータの単独運転検出装置および単独運転検出方法について、図面を参照して説明する。なお、上述の第1実施形態および第2実施形態に係るインバータの単独運転装置および単独運転検出方法と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
本実施形態に係る単独運転検出装置は、インバータブリッジ2の無効電力又はインバータブリッジ2の電流位相角の特性函数に従って、周波数偏差Δfと周波数変化率df/dtの係数倍した値との和(Δf+k×df/dt)の大きさと極性とに応じて、無効電力又は電流位相角を制御している。図5に示す場合は、係数kが1の場合である。係数kの値は、インバータブリッジ2の特性に応じて適宜変更可能である。
【0057】
図5に示すように、本実施形態では、函数部100は、さらに周波数検出回路28から出力された周波数fから周波数変化率df/dtを演算する周波数変化率回路50と、位相シフト用周波数偏差回路30から出力された周波数偏差Δfと周波数変化率df/dtとを加算する加算回路51と、をさらに備えている。加算回路51から出力された、周波数偏差Δfと周波数変化率df/dtとの和は函数回路31に供給される。
【0058】
函数回路31は、周波数偏差Δfと周波数変化率df/dtとの和に対する無効電力Q(あるいは電流位相角θ)の函数を演算する。周波数変化率df/dtを加算回路51で周波数偏差Δfと加算し、函数回路31を介して位相シフト回路23又は無効電力基準回路33に演算された無効電力値または電流位相角値を入力することにより、無効電力の制御に周波数fの微分要素を追加して、より早い単独運転検出を行なうことができる。
【0059】
以上説明したように、上記第1、および第2実施形態に係るインバータの単独運転検出装置および単独運転検出方法によれば、f−fm=Δfにより求められた周波数偏差Δfにより、周波数偏差Δfが正のとき、進み無効電力が進み方向に制御する。周波数偏差Δfが負のとき、遅れ無効電力が増加するように制御する。
【0060】
そして、さらに上記第3実施形態に係るインバータの単独運転検出装置および単独運転検出方法によれば、周波数変化率df/dt分を周波数偏差Δf信号に加算して、周波数偏差Δfと周波数変化率df/dtの係数倍との和(Δf+k×df/dt)により無効電力Q(又は電流位相角θ)を制御する。このことにより定常時は高力率で、しかも、高速に単独運転を検出可能な、インバータの単独運転検出装置および単独運転検出方法を提供することができる。
【0061】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、上記第1実施形態および第2実施形態において、周波数偏差Δfと出力電流の電流位相角θと(又は周波数偏差Δfと無効電力Qと)の特性は、図2Bと図2Cとに示すように種々変更することも工夫できる。図2Bおよび図2Cでは、周波数偏差Δfの絶対値が所定の値以下の場合と、所定の値よりも大きい場合とで、無効電力Q(又は電流位相角θ)の特性函数の傾きが異なっている。
【0062】
図2Bでは、周波数偏差Δfの絶対値が所定の値以下のときに、所定の値より大きいときより無効電力Q(又は電流位相角θ)の特性函数の傾きが大きくなっている。図2Cでは、周波数偏差Δfの絶対値が所定の値以下のときに、所定の値より大きいときより無効電力Q(又は電流位相角θ)の特性函数の傾きが小さくなっている。また、無効電力Q(又は電流位相角θ)の特性函数は、直線的な函数であってもよく、曲線的な函数であってもよい。このように、無効電力Q(又は電流位相角θ)の特性函数の傾きを周波数偏差Δfの大きさに応じて変更することによって、インバータの単独運転を最も早く、確実に検出できるように工夫することができる。
【0063】
また、上記実施形態では周波数偏差Δf(f−fm=Δf)に対する無効電力Q又は電流位相角θの特性函数を用いていたが、例えば図4に示すように、周波数fと電流位相角θと(又は周波数fと無効電力Qと)の特性函数に変更し、移動平均fmの特性曲線とし、短時間の周波数fに対して電流位相角θ(又は無効電力Q)を変えることでも上記第1乃至第3実施形態に係る単独運転検出装置および単独運転検出方法と同様な効果を得ることができる。
【0064】
また、周波数fの検出や周波数変化率df/dtの検出には交流電力系統8から供給される交流電力の1サイクル毎で計測していたが、より高速化をはかるためハーフサイクル毎に計測するよう工夫することもできる。
【0065】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0066】
fm…周波数の移動平均、Δf…周波数偏差、Q…無効電力、θ…電流位相角(力率角)、P…有効電力、P…有効電力基準、Q…無効電力基準、1…直流電源、2…インバータブリッジ(インバータ)、3、3a、3b、3c…リアクトル、4、4a、4b、4c…コンデンサ、5、5a、5b…電流検出器、6…コンタクタ、7…遮断器、8…交流電力系統、9…負荷、10…電圧検出器、11…増幅器、12…電流基準回路、13、13a、13b…増幅器、14…PWM回路、15…駆動部、17…電圧リレー、18…周波数リレー、19…異常検出回路、22…PLL回路、23…位相シフト回路、26…正弦波回路、27…周波数変化率リレー、28…周波数検出回路、29…移動平均回路、30…位相シフト用周波数偏差回路、31…函数回路、33…無効電力基準回路、34…3相変換器、35…PQ検出回路、50…周波数変化率回路、51…加算回路、100…函数部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電力を交流電力に変換するとともに、交流電力系統と連系して運転するインバータの単独運転検出装置であって、
前記交流電力系統および前記インバータから出力された交流電圧を検出する電圧検出部と、
前記交流電力系統および前記インバータから出力された交流電力の電圧から、周波数または周波数変化率の異常を検知するように構成された異常検出部と、
前記交流電力系統および前記インバータから出力された交流電圧の周波数を検出する周波数検出部と、
前記周波数検出部によって検出された周波数から周波数の移動平均を演算する移動平均手段と、
前記周波数検出部によって検出された周波数および前記移動平均から周波数偏差を演算する周波数偏差手段と、
前記周波数偏差の大きさと極性とに従って、前記周波数偏差に対する無効電力あるいは電流位相角の特性函数により、前記周波数偏差が正のときは進み無効電力が流れ、前記周波数偏差が負のときは遅れ無効電力が流れるように無効電力あるいは電流位相角の値を演算して出力する函数手段と、
前記函数手段の出力を用いて前記インバータから出力される出力電力を制御するとともに、前記異常検出部から異常が検出されたときに前記インバータを停止させる駆動部と、を備えた単独運転検出装置。
【請求項2】
前記インバータは、3相ブリッジを備え、
前記駆動部は、前記函数部からの出力を用いて前記インバータの出力電力の有効電力および無効電力を制御するとともに、前記異常検出部から異常が知らされたときに前記インバータを停止させるように構成された請求項1記載の単独運転検出装置。
【請求項3】
直流電力を交流電力に変換するとともに、交流電力系統と連系して運転するインバータの単独運転検出装置であって、
前記交流電力系統および前記インバータから出力された交流電圧を検出する電圧検出部と、
前記交流電力系統および前記インバータから出力された交流電力の電圧から、周波数または周波数変化率の異常を検知するように構成された異常検出部と、
前記交流電力系統および前記インバータから出力された交流電圧の周波数を検出する周波数検出部と、
前記周波数検出部によって検出された周波数から周波数の移動平均を演算する移動平均手段と、
前記周波数検出部によって検出された周波数から周波数変化率を演算する周波数変化率手段と、
前記周波数検出部によって検出された周波数および前記移動平均から周波数偏差を演算する周波数偏差手段と、
前記周波数偏差および前記周波数変化率の和が正のときは進み無効電力が流れ、前記周波数偏差および前記周波数変化率の和が負のときは遅れ無効電力が流れる前記周波数偏差および前記周波数変化率の和に対する無効電力あるいは電流位相角の特性函数により、前記周波数偏差および前記周波数変化率の和の大きさと極性とに従って、無効電力あるいは電流位相角の値を演算して出力する函数手段と、
前記函数部からの出力を用いて前記インバータの出力電力を制御するとともに、前記異常検出部から異常が知らされたときに前記インバータを停止させる駆動部と、を備えた単独運転検出装置。
【請求項4】
前記インバータと、前記インバータから交流電力が供給される負荷との間にコンタクタが設けられ、
前記異常検出部で異常が検出された際に前記コンタクタが開くように構成された請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の単独運転検出装置。
【請求項5】
前記移動平均手段は、前記周波数検出部によって検出された周波数の、平均時間における平均値を前記移動平均として演算する手段であって、
前記平均時間は、前記インバータの単独運転を検出する目標時間の5倍以上に設定される請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の単独運転検出装置。
【請求項6】
直流電力を交流電力に変換するとともに、交流電力系統と連系して運転するインバータの単独運転検出方法であって、
前記交流電力系統および前記インバータから出力された交流電圧の周波数を検出し、
検出された周波数から周波数の移動平均を演算し、
検出された周波数および前記移動平均から周波数偏差を演算し、
前記周波数偏差が正のときは進み無効電力が流れ、前記周波数偏差が負のときは遅れ無効電力が流れる前記周波数偏差に対する無効電力の特性函数により、前記周波数偏差の大きさと極性とに従って無効電力あるいは位相角の値を演算し、
演算された無効電力あるいは位相角の値を用いて前記インバータから出力される出力電力を制御し、
前記交流電力系統および前記インバータから出力された交流電力の電圧から、周波数または周波数変化率の異常か否か検知し、
周波数または周波数変化率の異常が検知されたときに前記インバータを停止させる単独運転検出方法。
【請求項7】
直流電力を交流電力に変換するとともに、交流電力系統と連系して運転するインバータの単独運転検出方法であって、
前記交流電力系統および前記インバータから出力された交流電圧の周波数を検出し、
検出された周波数から周波数の移動平均を演算し、
検出された周波数から周波数変化率を演算し、
検出された周波数および前記移動平均から周波数偏差を演算し、
前記周波数偏差と前記周波数変化率との和が正のときは進み無効電力が流れ、前記周波数偏差と前記周波数変化率との和が負のときは遅れ無効電力が流れる前記周波数偏差と前記周波数変化率との和に対する無効電力の特性函数により、前記周波数偏差と前記周波数変化率との和の大きさと極性とに従って無効電力あるいは位相角の値を演算し、
演算された無効電力あるいは位相角の値を用いて前記インバータから出力される出力電力を制御し、
前記交流電力系統および前記インバータから出力された交流電力の電圧から、周波数または周波数変化率の異常か否か検知し、
周波数または周波数変化率の異常が検知されたときに前記インバータを停止させる単独運転検出方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−188690(P2011−188690A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53522(P2010−53522)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(391017540)東芝ITコントロールシステム株式会社 (107)
【Fターム(参考)】