説明

インフルエンザウイルスワクチンアジュバントまたは免疫‐刺激因子としてのdsRNA

【課題】急性または慢性ウイルス感染に対するワクチン保護を提供すること。
【解決手段】アジュバントまたは免疫刺激因子としての二本鎖リボヌクレオチド核酸(dsRNA)と免疫誘発量の抗ウイルスワクチンとが調和よく組合わせて投与される、急性または慢性ウイルス感染に対するワクチン保護を促進するための組み合わせ医薬。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔0001〕急性または慢性ウイルス感染に対するワクチン保護は、抗インフルエンザワク
チンと一緒にアジュバントまたは免疫‐刺激因子としてのdsRNAを使用することによ
って促進される。
【背景技術】
【0002】
〔0002〕アジュバントは、ヒトを含む動物を保護するための免疫化においてワクチンを
促進するために使用されてきた。効率がよく、効果的なアジュバントを確認することはし
ばしば困難な仕事である。
【0003】
〔0003〕インフルエンザウイルスに対する保護のためのワクチンはとりわけ関心が持た
れ、ベトナムおよび香港株を含むトリインフルエンザウイルスH5N1(bird fl
u)が現在関心の的である。インフルエンザウイルスに対する不活性化ワクチンは血清抗
体を誘導するために非経口的に、そしてまた、インフルエンザウイルスに対する粘膜免疫
性を提供するために鼻粘膜に投与されてきた。
【0004】
〔0004〕アラム(alum)、スクワレンエマルション(MF59,Chiron V
accines)、およびフロイントアジュバント(Freund‘s adjuant
)のような、いくつかのアジュバントが公知である。最近、合成dsRNAポリリボイノ
シン ポリリボシトルジル酸またはポリ(I:C)が不活性化インフルエンザウイルスワ
クチンにとってのアジュバントまたは免疫刺激因子として提案されている;Ichino
he et al.,Journal of Virology,March 2005
,p.2910−2919を参照されたい。
【発明の開示】
【0005】
〔0005〕免疫性‐誘発量の抗ウイルスワクチンとアジュバントとしてのdsRNAを一
緒に、保護を必要としている対象に調和よく組み合わせて投与することを含む、急性また
は慢性ウイルス感染に対するワクチン保護を促進する方法が開示される。また、免疫性‐
誘発量の抗インフルエンザワクチンをアジュバントまたは免疫‐刺激因子としてのdsR
NAと組み合わせて保護を必要としている対象に投与することを含む、急性または慢性ウ
イルス感染に対するワクチン保護を促進する方法が開示される。
【0006】
〔0006〕本発明は、免疫性‐誘発量の抗ウイルスワクチンとアジュバントまたは免疫‐
刺激因子としてのdsRNAを混合して一緒に、保護を必要としている対象に、実質的に
同時に、または連続して投与することを含む、急性または慢性ウイルス感染に対するワク
チン保護を促進する方法を含む。
【0007】
〔0007〕本発明はまた、(ウイルス粒子構造の再配列により明らかな)抗原性連続変異
および不連続変異の両方、ならびにゲノム再配列に付随するウイルス‐誘発病変から、ト
リインフルエンザ感染に感受性のある、ヒトを含む動物を保護する方法を含む。
【0008】
〔0008〕本発明は、さらに、合成し、特に設計された二本鎖リボ核酸(dsRNA)を
ワクチンと一緒に、または連帯して、患者に調和よく組み合わせて投与することによる、
インフルエンザウイルスに対する免疫化を高める方法を含む。好ましいdsRNAはAm
pligen(登録商標)であり、これは、HEMISPHERxBIOPHARMA,
1617 JFK Boulevard,Philadelphia,PA USAから
入手可能な、合成の、特別に設計された二本鎖リボ核酸(dsRNA)であって、他の二
本鎖RNA分子(dsRNA)の免疫刺激および抗ウイルス特性を保持するが、非常に低
下した毒性を提示する。他のdsRNAと同様に、Ampligen(登録商標)は、自
然免疫を含む、宿主防御機構を刺激することができる。Ampligen(登録商標)は
、2′,5′‐オリゴアデニレートシンセターゼ/RNアーゼLおよびタンパク質キナー
ゼ経路を含む、多様なdsRNA‐依存的細胞内抗ウイルス防御機構を刺激する能力を有
する。
【0009】
〔0009〕本発明の文脈では、“調和よく組み合わせた(coordinated)”使
用によって意味することは、独立して、(i)一緒の投与、すなわちワクチンとdsRN
Aの実質的に同時の投与、または連続した投与、または(ii)ワクチンおよびdsRN
Aを、付加的な薬剤的に受容できる賦形剤および/またはベヒクルに加えて、組み合わせ
て配合した一つの組成物の投与、のいずれかである。
【0010】
〔0010〕ミスマッチdsRNAは一般式rI・r(C12U)からなるものであっ
てもよい。この式および以後の他の式において、r=リボである。本発明における使用の
ための他のミスマッチdsRNAは、mが4〜29までの値を有する整数であるポリ(C
、U)およびポリ(CG)から選択されるヌクレオチド共重合体(copolynucleotide
)を基本とし、そして、ポリリボイノシン酸およびポリリボシチジル酸からなる複合体の
ミスマッチ類似体であり、それらはrI・rCを改変し、ポリリボシチジレート(r
)鎖に沿って非対合塩基(ウラシルまたはグアニン)を組み込むことにより形成され
る。あるいは、dsRNAはポリリボイノシン酸(rI)のリボシル骨格を改変するこ
とにより、たとえば2′‐O‐メチルリボシル残基を含むことにより、r(I)・r(C
)dsRNAから得てもよい。ミスマッチはリシンセルロースのようなRNA‐安定化ポ
リマーと複合体を形成してもよい。これらのrI・rCのミスマッチ類似体のなかで
好ましいものは、一般式rI・r(C11〜14、U)、またはrI・r(C29
、G)からなるものであり、Carter and Ts‘oにより米国特許第4,1
30,641号および4,024,222号に記載され、その開示は参照として本明細書
に援用される。そのなかに記載されたdsRNAは本発明に従った使用に適切である。
【0011】
〔0011〕本発明における使用のためのミスマッチdsRNAの他の例は以下のものを含
む:
r(I)・r(C4、U)
r(I)・r(C7、U)
r(I)・r(C13、U)
r(I)・r(C22、U)
r(I)・r(C20、G)および
r(I)・r(Cp・23、G>p
〔0012〕あるいは、dsRNAはマッチした型であってもよく、それゆえポリウリジル
酸と複合体を形成したポリアデニル酸(ポリA・ポリU)が同じように使用されてもよい

【0012】
〔0013〕本発明の別の側面は、適切なワクチンとdsRNAの相乗的組み合わせを使用
することによる、現在または将来利用可能なワクチン予防療法に感受性のある急性および
慢性ウイルス感染の治療であり、そのような感染には、たとえばHIV、重症急性呼吸器
症候群(SARS)およびトリインフルエンザを含むインフルエンザが挙げられる。
【0013】
〔0014〕本発明は後述の実施例および図面においてさらに説明され、例証される。
〔0021〕図面において使用される用語は以下の通りである:
【0014】
【表1】

【実施例1】
【0015】
〔0033〕トリインフルエンザ株間の相互保護
〔0034〕この研究はIchinohe et al., Journal of Vi
rology,March,2005,2910〜2919ページの方法でマウスにおい
て行われ、今回は2種の異なるトリインフルエンザウイルス株、ベトナムおよび香港、な
らびにワクチンと組み合わせて、または単独で、先に記載のdsRNA Amplige
nを使用した。結果は図1および2に示す。
【0016】
〔0035〕鼻腔洗浄液で検出された抗体に由来する初めのパネルでは、鼻腔内投与された
場合、(A/VN)ワクチンだけの使用は抗体産生に正の結果を提供したが、Ampli
genと共に投与された場合、ワクチンだけを使用した結果に比べ、2倍以上の高い結果
を生じた。Ampligenだけを使用した場合、IgA抗体は検出されなかった。皮下
経路は鼻粘膜にIgA抗体を全く生じなかった。
【0017】
〔0036〕これに比べて、鼻腔内投与後の血清中では限定された数のIgG抗体しか産生
されなかったが、皮下投与に由来する血清中では著しく多い量が得られた。しかも、ワク
チンプラスAmpligenの組み合わせはワクチンだけよりもより顕著な結果を生じた

【0018】
〔0037〕次に動物はトリインフルエンザベトナム株へのチャレンジに供され、意義深い
ことには、チャレンジを受け、鼻腔内経路によって投与されたワクチンとAmplige
nの組み合わせを与えられた動物の鼻腔洗浄液中にはウイルスが全く検出されなかったが
、鼻腔内投与によるワクチンだけ、Ampligenだけ、および皮下投与されたワクチ
ンとAmpligenの組み合わせを使用することにより種々の量のウイルスが検出され
た。
【0019】
〔0038〕鼻粘膜および他の粘膜は侵入/感染の典型的な場所であり、顕著な予防または
軽減のための利点を提供すると考えられているため、そのような場所でトリインフルエン
ザウイルスに対する抗体を産生することが望ましい。
【実施例2】
【0020】
〔0039〕季節性インフルエンザワクチンとH5N1間の交差保護
〔0040〕実施例1に類似した第2セットの研究を終え、今回は初めにAmpligen
と組み合わせた不活性化トリインフルエンザウイルスワクチンベトナム株、またはAmp
ligenだけ、またはワクチンだけを使用し、その後異なるトリインフルエンザウイル
ス香港株でチャレンジした。結果は図2に示す。抗‐A/VN‐IgAおよび抗‐A/V
N IgGという名称の初めの2つのパネルはチャレンジ前であり、3番目のパネルは香
港株によるチャレンジ後であった。結局、チャレンジ後の鼻腔洗浄液のウイルス力価に有
益な結果が認められ、最も良い結果は、ベトナム株ワクチンとAmpligenの組み合
わせを使用し、その後香港株のウイルスでチャレンジすることによって得られた。
【0021】
〔0041〕これらの結果は、ベトナム株ワクチンで処置され、さらにAmpligenを
与えられた患者がその後香港株ウイルスでチャレンジされた場合有効性が継続することを
示唆し、このことから、ウイルス株を入れ換え、香港ウイルスを使用してワクチンを産生
し、その後ベトナム株でチャレンジする場合に類似の結果が発生することが予想される。
【実施例3】
【0022】
〔0042〕ウイルス抗原節約および増強
〔0043〕この実施例では、実施例2で使用されたものと類似の動物におけるトリインフ
ルエンザ、ベトナム株の投与に関して、ポリ(I:C)の影響がどのくらいであるかを確
認するために研究が行われた。結果は図6に提示する。対照としての無A/VN、および
無ポリ(I:C)を含む、種々の投与量のトリインフルエンザワクチン(A/VN)を用
い、そして異なった量のポリ(I:C)を使用した。1μgのトリインフルエンザワクチ
ンおよび無ポリ(I:C)と、0.1μgのトリインフルエンザワクチンおよび10μg
のポリ(I:C)間の比較がとりわけ興味深い。棒グラフの初めのパネルでは、鼻腔内投
与された場合、0.1μgのA/VNと10μgのポリ(I:C)の組み合わせによって
、単独で使用した10倍量のトリインフルエンザワクチンに比較して、より多くの抗体が
産生されたことが認められることになる。生存率という表題の最後のパネルはとりわけ重
要であり、そこでは、10μgのポリ(I:C)と組み合わせた1/10のトリインフル
エンザワクチンと10μgのA/VNだけ(無ポリ(I:C))の使用は、百分率に基づ
くと、生存率は数字上同じであった。さらに、トリインフルエンザワクチンが単独で使用
された場合の測定可能な値と比較すると、0.1μgのA/VNと10μgのポリ(I:
C)の組み合わせにとっての鼻腔洗浄液中のA/VNウイルス力価はむしろ測定不能であ
ることに注目されたい。これらのデータから、アジュバントとしてのポリ(I:C)の使
用が、かなり大きい生存率を達成するために必要なトリインフルエンザワクチンの量を(
この実施例において)1/10に減らしうると結論してもよい。
【0023】
〔0044〕Ampligenの存在はトリインフルエンザウイルス変異株に対する交差保
護能力を有し、それによってトリインフルエンザウイルスの抗原連続変異を軽減するよう
に見える。
【0024】
〔0045〕抗原連続変異は、ウイルス粒子のゲノム内容における基本的変化に起因する、
内部および外部タンパク質、糖タンパク質、糖脂質などのような、ウイルス構造における
変化である。dsRNAは、ウイルス回避の現象およびそれに付随した細胞傷害を低下さ
せる。ウイルス回避は、ウイルスまたは細胞内病原体がその宿主範囲を変更するか、間接
的に抗ウイルスまたは免疫学的療法への感受性を変更するプロセスである。
【0025】
〔0046〕本発明は抗原連続変異および不連続変異の両方(ウイルスゲノム材料の突然変
異または再配列により生じる)にとって二次的なウイルス‐誘発病変に対して、トリイン
フルエンザ感染に感受性のあるヒトを含む動物を交差保護する方法を含む。
【0026】
〔0047〕図3では、7群のマウス、1群につき5匹のマウスが選択された。これらの中
の4群は鼻腔内投与または皮下投与のいずれかにより2005/2006三価インフルエ
ンザワクチンに暴露された。21日以内に鼻腔内接種が反復され、14日以内に、鼻腔内
接種を再び終え、全体で1回の初期接種と2回のブースターを行った。
【0027】
〔0048〕2回目のブースター後2週間目に、マウスはトリインフルエンザVN1194
(H5N1)株によるチャレンジに供され、鼻腔洗浄液中のIgA抗‐A/VNの存在お
よび量、ならびに血清中のIgG抗体を評価された。結果は、Ampligenの存在下
および鼻腔内経路による投与によってだけ、トリインフルエンザベトナム(VN1194
)株に対してA/VN IgA抗体が産生されたことを示唆する。IgG抗体は鼻腔内投
与によりVN1194株に対して血清中で産生されたが、SC投与経路を使用することに
よって、Ampligenの存在下、または非存在下でも血清抗体が産生された。次にト
リインフルエンザウイルスに対するウイルス力価は、鼻腔洗浄液におけるトリインフルエ
ンザVN1194(H5N1)ウイルスチャレンジ後に評価された。三価季節性ワクチン
およびAmpligenアジュバントの両方を与えられたサブセットの場合、ウイルスは
効果的に無力化されたが、他の群は測定可能なA/VNウイルス量を示した。
【0028】
〔0049〕図4は、18日間にわたる評価から、VN1194によるチャレンジを生き延
びた唯一の動物群は、05/06三価ワクチンプラスAmpligenの両方を鼻腔内に
与えられた群であったことを示す。血清中に抗体は存在したが、それらはVN1194に
よるチャレンジに対して効果的な保護を全く提供しなかった。しかし、鼻粘膜に存在する
抗体は、測定した期間にわたり効果的に感染および死亡を妨げた。この研究において、こ
れらの発見はワクチンアジュバントとしてのAmpligenと一緒に鼻腔内投与された
三価季節性ワクチンの使用によるトリインフルエンザH5N1株に対する保護を証明する
ため、意義深い。
【0029】
〔0050〕図5は、再び05/06三価ワクチン、Ampligenの量(quanti
ties and amounts)および投与経路を示すが、鼻粘膜または血清中のい
ずれかで測定された季節性三価ワクチンに対して誘発されることになる抗体を測定した直
接交差評価を示す。結果は、季節性ワクチンに対する抗体は鼻腔内経路によって投与され
た三価05/06季節性ワクチンとAmpligenの両方を与えられた動物だけの鼻粘
膜に存在したことを示す。血清中の05/06三価ワクチンに対する抗体の検出に関して
は、すべての群がある程度上昇した“基線”レベルを有したが、Ampligenと一緒
にワクチンが使用された2つの場合に顕著な増加が見られた。
【0030】
〔0051〕我々の研究はまた、血清中の抗体の存在はトリインフルエンザに対する保護の
正確な指標を必ずしも提供せず、いっそう信頼できる指標は鼻粘膜で産生された抗体であ
ることを証明する。
【0031】
【表2】

【0032】
〔0052〕トリインフルエンザ同時投与研究は霊長類モデルに拡大し、それらの場合、ワ
クチン接種プラス同時投与したAmpligenは十分に耐えられ、有効であった。この
研究では、マカク(macaque)は、3および2週間離して、3回のA/VNプラス
Ampligen(A/ベトナム(H5N1)90μg/500ml、Ampligen
500μg)の投与量のワクチンを接種した。すなわち、初回投与、3週間後に2回目の
投与、そして2週間後に3回目の投与を行う。次に、サルは3回目の投与後2週間目に高
投与量のA/VN(A/ベトナム(H5N1)2.5x10pfu/2.5ml(肺)
およびA/ベトナム(H5N1)0.5x10pfu/0.5ml(鼻腔内))を気管
内および鼻腔内にチャレンジされた。感染した対照動物は速呼吸、咳、体重減少、および
局所性浸潤影のある肺炎を発生した。ワクチン接種した動物は症状が無く、疾患から保護
され、肺組織は正常に見えた。
【0033】
〔0053〕本発明は現在最も実用的で、好ましい態様であると考えられるものに関して記
載されているが、本発明は開示された態様に限定されるべきではなく、それどころか、添
付された特許請求の範囲の意図および範囲内に含まれる、種々の改変および等価な機構を
包含することを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】〔0015〕実施例1の結果を示す表である。
【図2】〔0016〕実施例2の結果を示す表である。
【図3】〔0017〕三価インフルエンザワクチンを使用した、実施例3の結果を示す表である。
【図4】〔0018〕三価ワクチンプラス鼻腔内投与したAmpligen(登録商標)を使用した、実施例3の結果を示す表である。
【図5】〔0019〕三価季節性インフルエンザワクチンと鼻腔内投与したAmpligen(登録商標)の、実施例3に従った直接クロスアセスメントを示す表である。
【図6】〔0020〕実施例3の結果を示す表である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アジュバントまたは免疫刺激因子としての二本鎖リボヌクレオチド核酸(dsRNA)と免疫誘発量の抗ウイルスワクチンとが調和よく組合わせて投与される、急性または慢性ウイルス感染に対するワクチン保護を促進するための医薬であって、二本鎖リボヌクレオチド核酸が一般式rIn・r(C1114、U)nからなるミスマッチdsRNAである、組み合わせ医薬。
【請求項2】
アジュバントまたは免疫刺激因子としての二本鎖リボヌクレオチド核酸(dsRNA)と免疫誘発量の抗ウイルスワクチンとが調和よく組合わせて投与される、急性または慢性ウイルス感染に対するワクチン保護を促進するための医薬であって、二本鎖リボヌクレオチド核酸が一般式rIn・r(C12、U)nからなるミスマッチdsRNAである、組み合わせ医薬。
【請求項3】
dsRNAと抗ウイルスワクチンを組み合わせた一つの混合物として投与するように配合された、請求項1または2に記載の医薬。
【請求項4】
dsRNAと抗ウイルスワクチンが、同時に、または連続して投与される、請求項1または2に記載の医薬。
【請求項5】
ウイルス粒子構造の突然変異による変化または分子再配列により証明される、抗原性連続変異または不連続変異に付随するウイルス誘発病変からトリインフルエンザウイルスに感受性のある動物または動物細胞を保護するために、抗トリインフルエンザワクチンへの暴露前、暴露中、または暴露後に、動物または動物細胞をミスマッチdsRNAに暴露するように用いられる、請求項1または2に記載の医薬。
【請求項6】
急性または慢性トリインフルエンザ感染に対するワクチン保護を促進するための、dsRNAと免疫誘発量のトリインフルエンザ以外の抗ウイルスワクチンとを調和よく組み合わせてなる、請求項1または2に記載の医薬。
【請求項7】
dsRNAと抗ウイルスワクチンを組み合わせた一つの混合物として投与するように配合された、請求項6に記載の医薬。
【請求項8】
トリインフルエンザウイルスに感受性のある動物または動物細胞を保護するために、抗トリインフルエンザワクチン以外のインフルエンザワクチンへの暴露前、暴露中、または暴露後に、該動物または動物細胞をミスマッチdsRNAに暴露するように用いられる、請求項1または2に記載の医薬。
【請求項9】
抗ウィルスワクチンが標準季節性三価インフルエンザワクチンを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の医薬。
【請求項10】
ミスマッチdsRNAがRNA‐安定化ポリマーと複合体を形成する、請求項1〜9のいずれかに記載の医薬。
【請求項11】
前記ポリマーがリシンセルロースである、請求項10に記載の医薬。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−75920(P2013−75920A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−13055(P2013−13055)
【出願日】平成25年1月28日(2013.1.28)
【分割の表示】特願2008−544428(P2008−544428)の分割
【原出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(508170438)へミスフェリックス・バイオファーマ,インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】