説明

インフレーションフィルムの折込装置

【課題】蛇行を低減し傷やしわの発生を防止するインフレーションフィルムの折込装置を提供すること。
【解決手段】本発明のインフレーションフィルムの折込装置10は、下側から送り込まれる固化した円筒状の樹脂20を偏平状に折り込む折込部と、偏平状に折り込んだ樹脂を平面状にして送り出す搬送部とを備え、折込部は、内側に向け互いに傾斜し内側に摩擦低減材を形成する一対のガイド板11とすることとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛇行を低減し傷やしわの発生を防止するインフレーションフィルムの折込装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にインフレーションフィルムの製造は、溶融樹脂をインフレーション成形用ダイから上方に向け円筒状に押し出し、空気を内側に送り込み膨張させるとともに冷却して固化し、膨張させ固化した円筒状の樹脂を内側に向け互いに傾斜した一対のガイド板により偏平状に折り込んだ後に、引取ロールで引き取ることにより行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
インフレーションフィルムの折込装置は、インフレーションフィルムを製造するとき、膨張させ固化した円筒状の樹脂を一対のガイド板により偏平状に折り込むことと、偏平状に折り込んだ樹脂を引取ロールで引き取ることを行うが、固化した円筒状の樹脂が蛇行し傷やしわがでる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−239583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、蛇行を低減し傷やしわの発生を防止するインフレーションフィルムの折込装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のインフレーションフィルムの折込装置は、下側から送り込まれる固化した円筒状の樹脂を偏平状に折り込む折込部と、前記偏平状に折り込んだ樹脂を平面状にして送り出す搬送部とを備え、前記折込部は、内側に向け互いに傾斜し内側に摩擦低減材を形成する一対のガイド板とすることとした。
【0007】
また、下側から送り込まれる固化した円筒状の樹脂を偏平状に折り込む折込部と、前記偏平状に折り込んだ樹脂を平面状にして送り出す搬送部とを備え、前記折込部は、下側に円形形状の下側開口部を形成し、上側に下側開口部と連通した楕円形状の上側開口部を形成する閉鎖型とすることとした。
【0008】
また、前記閉鎖型の折込部は、内側に摩擦低減材を形成することとした。
【0009】
さらに、前記摩擦低減材は、フッ素系フェルトとすることとした。
【発明の効果】
【0010】
本発明のインフレーションフィルムの折込装置は、下側から送り込まれる固化した円筒状の樹脂を偏平状に折り込む折込部と、前記偏平状に折り込んだ樹脂を平面状にして送り出す搬送部とを備え、前記折込部は、内側に向け互いに傾斜し内側に摩擦低減材を形成する一対のガイド板とすることとしたため、蛇行を低減し傷やしわの発生を防止することができる。
【0011】
また、下側から送り込まれる固化した円筒状の樹脂を偏平状に折り込む折込部と、前記偏平状に折り込んだ樹脂を平面状にして送り出す搬送部とを備え、前記折込部は、下側に円形形状の下側開口部を形成し、上側に下側開口部と連通した楕円形状の上側開口部を形成する閉鎖型とすることとしたため、蛇行を低減し傷やしわの発生を防止することができる。
【0012】
また、前記閉鎖型の折込部は、内側に摩擦低減材を形成することとしたため、円筒状の樹脂が摩擦低減して円滑に移動し、蛇行を低減し傷やしわの発生を防止することができる。
【0013】
さらに、前記摩擦低減材は、フッ素系フェルトとすることとしたため、円筒状の樹脂が摩擦低減してより円滑に移動し、蛇行を低減し傷やしわの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態のインフレーションフィルムの折込装置の断面図を示す
【図2】本発明の第2の実施の形態のインフレーションフィルムの折込装置の図を示し、図2(a)は斜視図を示し、図2(b)は側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態のインフレーションフィルムの折込装置につき説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の第1の実施の形態のインフレーションフィルムの折込装置の断面図を示す
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態のインフレーションフィルムの折込装置10は、下側から送り込まれる固化した円筒状の樹脂20を偏平状に折り込む折込部となる一対のガイド板11と、偏平状に折り込まれた樹脂21を平面状にして送り出す搬送部となるガイドローラ13とで構成されている。
【0017】
一対のガイド板11は、内側に向け傾斜した一方のガイド板11aと、一方のガイド板11aと互いに向き合い内側に向け傾斜した他方のガイド板11bとで構成され、内側にはフッ素系フェルト12が取り付けられ、円筒状の樹脂20を偏平状に折り込むことができる。フッ素系フェルト12は、一方のガイド板11aの内側に一方のフッ素系フェルト12aが取り付けられ、他方のガイド板11bの内側に他方のフッ素系フェルト12bが取り付けられている。
【0018】
ガイドローラ13は、一方のガイドローラ13aと、他方のガイド板13bとで構成され、送り込まれる偏平状に折り込まれた樹脂21を平面状の樹脂22として送り出すことができる。
【0019】
円筒状の樹脂20は、インフレーション成形用ダイの環状スリットから溶融樹脂を上方に向け円筒状に押し出し、空気を内側に送り込み膨張させるとともに冷却して固化し形成したものであり、ガイド板11により偏平状に折り込まれ、ガイドローラ13により平面状の樹脂22として送り出される。
【0020】
従って、インフレーションフィルムの折込装置10によるインフレーションフィルムの製造は、溶融樹脂を上方に向け円筒状に押し出し、空気を内側に送り込み膨張させるとともに冷却して固化し形成した円筒状の樹脂20をそれぞれの内側に互いに向き合うフッ素系フェルト12が取り付けられているガイド板11により偏平状に折り込み、ガイドローラ13により平面状の樹脂22として送り出すことにより行われる。送り出された平面状の樹脂22は、シールとカットにより各種の袋を形成することができる。
【0021】
以上、本発明の第1の実施の形態のインフレーションフィルムの折込装置10は、円筒状の樹脂20が、ガイド板11により偏平状に折り込まれるとき、ガイド板11にはフッ素系フェルト12が内側に取り付けられているため、摩擦低減して円滑に移動し、さらに、ガイドローラ13により平面状の樹脂22として搬送され送り出されるため、蛇行を低減し傷やしわの発生を防止することができる。
【0022】
なお、ガイド板11にはフッ素系フェルト12が取り付けられることとしたが、フッ素系フェルトの取り付けに限らず、テフロン(登録商標)フェルトにすることも、テフロン(登録商標)皮膜やセラミック皮膜などにすることもできる。
【実施例2】
【0023】
図2は、本発明の第2の実施の形態のインフレーションフィルムの折込装置の図を示し、図2(a)は、斜視図を示し、図2(b)は、一部破断の側面図を示す。
【0024】
図2(a)、(b)に示すように、本発明の第2の実施の形態のインフレーションフィルムの折込装置30は、下側から送り込まれる固化した円筒状の樹脂40を偏平状に折り込む折込部となる閉鎖型のガイド部31と、偏平状に折り込まれた樹脂41を平面状にして送り出す搬送部となるガイドローラ33とで構成されている。
【0025】
閉鎖型のガイド部31は、下側に円形形状の下側開口部31aを形成し、上側に下側開口部31aと連通した楕円形状の上側開口部31bを形成し、側面を内側に向け傾斜させた形状とする。
【0026】
閉鎖型のガイド部31は、円形形状の下側開口部31aと楕円形状の上側開口部31bとが連通し全面的に閉鎖され、上側開口部31bの楕円形状の長手方向を除き内側に向け傾斜し、円筒状の樹脂40を偏平状に折り込むことができる。また、閉鎖型のガイド部31の内側に沿ってフッ素系フェルト32を取り付け、円筒状の樹脂40を偏平状に折り込むこともできる。
【0027】
ガイドローラ33は、一方のガイドローラ33aと、他方のガイド板33bとで構成され、送り込まれる偏平状に折り込まれた樹脂41を平面状の樹脂42として送り出すことができる。
【0028】
円筒状の樹脂40は、インフレーション成形用ダイの環状スリットから溶融樹脂を上方に向け円筒状に押し出し、空気を内側に送り込み膨張させるとともに冷却して固化し形成したものであり、閉鎖型のガイド部31により偏平状に折り込まれ、ガイドローラ33により平面状の樹脂42として送り出される。送り出された平面状の樹脂42は、シールとカットにより各種の袋を形成することができる。
【0029】
従って、インフレーションフィルムの折込装置30によるインフレーションフィルムの製造は、溶融樹脂を上方に向け円筒状に押し出し、空気を内側に送り込み膨張させるとともに冷却して固化し形成した円筒状の樹脂40を内側にフッ素系フェルト32が取り付けられている閉鎖型のガイド部31により偏平状に折り込み、ガイドローラ33により平面状の樹脂42として送り出すことにより行われる。
【0030】
以上、本発明の第2の実施の形態のインフレーションフィルムの折込装置30は、全面的に閉鎖された閉鎖型のガイド部31により円筒状の樹脂40が偏平状に折り込まれ、ガイドローラ33により平面状の樹脂42として搬送され送り出されるため、蛇行を低減し傷やしわの発生を防止することができる。さらに、閉鎖型のガイド部31にはフッ素系フェルト32が内側に取り付けられているため円筒状の樹脂40が摩擦低減して円滑に移動し、ガイドローラ33により平面状の樹脂42として搬送され送り出されるため、蛇行を低減し傷やしわの発生を防止することができる。
【0031】
なお、閉鎖型のガイド部31には内側にフッ素系フェルト32が取り付けられることとしたが、図1に示すガイド板11と同様に、テフロン(登録商標)フェルトにすることも、テフロン(登録商標)皮膜やセラミック皮膜などにすることもできる。
【0032】
また、閉鎖型のガイド部31は、下側に円形形状の下側開口部31aを形成したが、円形形状に限定することなく、楕円形状にすることもでき、また、上側に楕円形状の上側開口部31bを形成したが、楕円形状に限定することなく、スリット形状にすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明のインフレーションフィルムの折込装置は、蛇行を低減し傷やしわの発生を防止して製造を行うもので、様々の樹脂袋の製造に適用でき、産業上の利用可能性は大である。
【符号の説明】
【0034】
10、30 インフレーションフィルムの折込装置
11 一対のガイド板
12、32 フッ素系フェルト
13、33 ガイドローラ
20、40 円筒状の樹脂
21、41 偏平状に折り込まれた樹脂
22、42 平面状の樹脂
31 閉鎖型のガイド部
31a 下側開口部
31b 上側開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下側から送り込まれる固化した円筒状の樹脂を偏平状に折り込む折込部と、前記偏平状に折り込んだ樹脂を平面状にして送り出す搬送部とを備え、前記折込部は、内側に向け互いに傾斜し内側に摩擦低減材を形成する一対のガイド板とすることを特徴とするインフレーションフィルムの折込装置。
【請求項2】
下側から送り込まれる固化した円筒状の樹脂を偏平状に折り込む折込部と、前記偏平状に折り込んだ樹脂を平面状にして送り出す搬送部とを備え、前記折込部は、下側に円形形状の下側開口部を形成し、上側に下側開口部と連通した楕円形状の上側開口部を形成する閉鎖型とすることを特徴とするインフレーションフィルムの折込装置。
【請求項3】
前記閉鎖型の折込部は、内側に摩擦低減材を形成することを特徴とする請求項2に記載のインフレーションフィルムの折込装置。
【請求項4】
前記摩擦低減材は、フッ素系フェルトとすることを特徴とする請求項1または3に記載のインフレーションフィルムの折込装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−235527(P2011−235527A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108580(P2010−108580)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(591124374)千代田インテグレ株式会社 (19)
【Fターム(参考)】