説明

インモールド用ラベル連続体及びその製造方法

【課題】 インモールド用ラベルを一枚ずつ順々に取り出して供給するにあたり、特に、インモールド用ラベルの厚みを薄くした場合においても、インモールド用ラベルを一枚ずつ順々に取り出して供給することが簡単且つ確実に行えるようにする。
【解決手段】 長尺状の保持シート10の上に複数枚のインモールド用ラベル20を静電吸着等によって順々に仮着させたインモールド用ラベル連続体を用いるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、インモールド用ラベル連続体及びその製造方法に係り、特に、インモールド用ラベルの厚みを薄くした場合においても、インモールド用ラベルを一枚ずつ供給させることが簡単且つ確実に行えるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種のプラスチック容器の外周面に、各種の表示を行ったラベルを貼付させることが行われている。
【0003】
そして、このようにプラスチック容器の外周面にラベルを貼付させるにあたっては、粘着剤が設けられたラベルを剥離シートから順々に剥離させて成形されたプラスチック容器の外周面に貼付する他、近年においては、成形用金型内にインモールド用ラベルを保持させ、この成形用金型内にプラスチック容器の成形材料を注入し、プラスチック容器の成形と同時にインモールド用ラベルをプラスチック容器の外周面に貼付させることが行われるようになった。
【0004】
ここで、このようなインモールド用ラベルを成形用金型内に保持させるにあたっては、一般に、複数枚のインモールド用ラベルを揃えて積層させるようにし、このように複数枚のインモールド用ラベルが積層されたインモールド用ラベル積層体から吸引装置によりインモールド用ラベルを一枚ずつ吸引して分離させ、分離させたインモールド用ラベルを成形用金型内に導いて保持させるようにしている。
【0005】
しかし、上記のようにインモールド用ラベルが複数枚積層されたインモールド用ラベル積層体においては、インモールド用ラベル相互が密着した状態になっており、このようなインモールド用ラベル積層体から吸引装置によりインモールド用ラベルを吸引して分離させる場合、密着した2枚以上のインモールド用ラベルが一緒に吸引されて取り出され、このように一緒に取り出されたインモールド用ラベルが成形用金型内の異なる位置に保持される等により不良品が発生するという問題があった。
【0006】
このため、従来においては、特許文献1に示されるように、上記のインモールド用ラベルの表面の一部にエンボスを設け、インモールド用ラベル表面と成形用金型の成形面との接触面積を減少させ、インモールド用ラベル表面が成形用金型の成形面に密着するのを防止すると共に、インモールド用ラベル相互が密着して、2枚以上のインモールド用ラベルが一緒に吸引されて取り出されるのを防止するようにしたものが提案されている。
【0007】
しかし、この特許文献1に示されるものにおいては、インモールド用ラベルの表面の一部に設けるエンボスを、各インモールド用ラベルにおいて同じ位置に設けるようにしているため、各インモールド用ラベルにおけるエンボス相互が嵌り合って、インモールド用ラベル相互がさらに密着されてしまい、2枚以上のインモールド用ラベルが一緒に吸引されて取り出されるという問題があった。
【0008】
さらに、近年においては、上記のようなインモールド用ラベルの材料コストを低減させるため、このインモールド用ラベルの厚みを薄くすることが行われるようになったが、このようにインモールド用ラベルの厚みを薄くした場合、例えばインモールド用ラベルの厚みを40μm以下にした場合には、上記のように複数枚のインモールド用ラベルを揃えて積層させる作業も非常に面倒になるという問題があった。
【特許文献1】特開2003−98968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は、複数枚のインモールド用ラベルからインモールド用ラベルを一枚毎に分離させて順々に取り出す場合における上記のような様々な問題を解決することを課題とするものである。
【0010】
すなわち、この発明においては、インモールド用ラベルが複数枚積層されたインモールド用ラベル積層体に比べて、インモールド用ラベルを一枚ずつ供給させることが簡単且つ確実に行え、特に、インモールド用ラベルの厚みを薄くした場合においても、インモールド用ラベルを一枚ずつ供給させることが簡単且つ確実に行えるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明におけるインモールド用ラベル連続体においては、上記のような課題を解決するため、長尺状の保持シートの上に複数枚のインモールド用ラベルを仮着させるようにした。
【0012】
ここで、上記のように長尺状の保持シートの上に複数枚のインモールド用ラベルを仮着させるにあたっては、様々な方法を用いることができ、例えば、長尺状の保持シートの上にインモールド用ラベルを静電吸着させるようにしたり、長尺状の保持シートの上に低粘性液体を介してインモールド用ラベルを仮着させるようにしたり、長尺状の保持シートの上にインモールド用ラベルを部分的に接着させるようにしたりすることができる。但し、上記のように長尺状の保持シートの上に仮着されたインモールド用ラベルを吸引装置等によって保持シートから簡単に剥離できるようにすると共に、インモールド用ラベルに接着剤等が残ったりするのを防止するためには、長尺状の保持シートの上にインモールド用ラベルを静電吸着させるようにし、或いは、長尺状の保持シートの上に低粘性液体を介してインモールド用ラベルを仮着させるようにすることが好ましい。
【0013】
ここで、上記のように長尺状の保持シートの上にインモールド用ラベルを静電吸着させて仮着させる場合、長尺状の保持シートに静電吸着されるインモールド用ラベルの面と反対側の面に帯電防止剤を付与し、この反対側の面が他の部分等に静電吸着されるのを防止することが好ましい。
【0014】
また、上記のように長尺状の保持シートの上に低粘性液体を介してインモールド用ラベルを仮着させる場合、この低粘性液体としては、20℃における粘性率ηが4.0mPas以下の液体であることが好ましく、より好ましくは2.4mPas以下の液体であり、例えば、水やアルコール等を用いることが好ましい。
【0015】
また、上記のように長尺状の保持シートの上に複数枚のインモールド用ラベルが仮着されたインモールド用ラベル連続体の保管や取り扱いを容易にするため、このインモールド用ラベル連続体を捲回させるようにすることが好ましい。なお、上記のように長尺状の保持シートの上にインモールド用ラベルを静電吸着させる場合において、上記のようにインモールド用ラベルの吸着面と反対側の面に帯電防止剤を付与すると、上記のようにインモールド用ラベル連続体を捲回させた場合に、このインモールド用ラベルの吸着面と反対側の面が捲回させた保持シートの反対側の面に吸着されるのが防止される。
【0016】
ここで、上記のように長尺状の保持シートの上に複数枚のインモールド用ラベルを静電吸着させたインモールド用ラベル連続体を製造するにあたっては、長尺状の保持シートを搬送させてインモールド用ラベルを仮着させる位置に導く途中において、インモールド用ラベルを仮着させる長尺状の保持シートの面及び/又はインモールド用ラベルの面を帯電させた後、長尺状の保持シートの面にインモールド用ラベルを順々に供給して、インモールド用ラベルを長尺状の保持シートの上に順々に静電吸着させるようにすることができる。
【0017】
また、上記のように長尺状の保持シートの上に低粘性液体を介して複数枚のインモールド用ラベルを仮着させたインモールド用ラベル連続体を製造するにあたっては、長尺状の保持シートを搬送させてインモールド用ラベルを仮着させる位置に導く途中において、インモールド用ラベルを仮着させる長尺状の保持シートの面及び/又はインモールド用ラベルの面に低粘性液体を付与した後、長尺状の保持シートの面にインモールド用ラベルを順々に供給して、インモールド用ラベルを長尺状の保持シートの上に上記の低粘性液体を介して順々に仮着させるようにすることができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明におけるインモールド用ラベル連続体においては、上記のように長尺状の保持シートの上に複数枚のインモールド用ラベルを仮着させるようにしたため、保持シートに仮着されたインモールド用ラベルを順々に保持シートから剥離させるようにして取り出すことができる。
【0019】
このため、この発明のインモールド用ラベル連続体においては、従来のインモールド用ラベル積層体のように、積層されたインモールド用ラベル相互が密着した状態になって、インモールド用ラベルを吸引して分離させる際に、密着した2枚以上のインモールド用ラベルが一緒に吸引されて取り出されるということがなく、長尺状の保持シートに仮着された複数枚のインモールド用ラベルを順々に保持シートから剥離させることにより、インモールド用ラベルを一枚ずつ順々に取り出すことが簡単かつ確実に行えるようになる。
【0020】
また、この発明のインモールド用ラベル連続体においては、従来のインモールド用ラベル積層体のように、複数枚のインモールド用ラベルを揃えて積層させる作業を行う必要がないため、このインモールド用ラベルの厚みを薄くした場合においても、従来のように複数枚のインモールド用ラベルを揃えて積層させる作業が非常に面倒になるということがなく、厚みが40μm以下、さらには30μm以下になったインモールド用ラベルであっても、上記のように長尺状の保持シートに仮着されたインモールド用ラベルを順々に保持シートから剥離させることにより、インモールド用ラベルを一枚ずつ順々に取り出すことが簡単かつ確実に行えるようになる。
【0021】
また、この発明のインモールド用ラベル連続体において、長尺状の保持シートの上に複数枚のインモールド用ラベルを仮着させるにあたり、長尺状の保持シートにインモールド用ラベルを静電吸着させるようにし、或いは、長尺状の保持シートの上に低粘性液体を介してインモールド用ラベルを仮着させるようにすると、この長尺状の保持シートの上に仮着されたインモールド用ラベルを吸引装置等によって保持シートから簡単に剥離することができると共に、インモールド用ラベルに接着剤等が残ったりするということがなくなる。
【0022】
また、上記のように長尺状の保持シートの上にインモールド用ラベルを静電吸着させる場合、長尺状の保持シートに静電吸着されるインモールド用ラベルの面と反対側の面に帯電防止剤を付与すると、この反対側の面が他の部分等に静電吸着されるのが防止されるようになり、このインモールド用ラベル連続体を捲回させた場合に、インモールド用ラベルの吸着面と反対側の面が捲回させた保持シートの反対側の面に吸着されたり、インモールド用ラベルの位置がずれたり、インモールド用ラベルが保持シートから剥がれたりするのが防止される。
【0023】
また、上記のように長尺状の保持シートの上に複数枚のインモールド用ラベルを静電吸着させたインモールド用ラベル連続体を製造するにあたり、上記のように長尺状の保持シートを搬送させてインモールド用ラベルを仮着させる位置に導く途中において、インモールド用ラベルを仮着させる長尺状の保持シートの面及び/又はインモールド用ラベルの面を帯電させた後、長尺状の保持シートの面にインモールド用ラベルを順々に供給して、インモールド用ラベルを長尺状の保持シートの上に順々に静電吸着させるようにすると、長尺状の保持シートに複数枚のインモールド用ラベルが静電吸着されたインモールド用ラベル連続体を簡単に製造できるようになる。
【0024】
また、上記のように長尺状の保持シートの上に低粘性液体を介して複数枚のインモールド用ラベルを仮着させたインモールド用ラベル連続体を製造するにあたり、長尺状の保持シートを搬送させてインモールド用ラベルを仮着させる位置に導く途中において、インモールド用ラベルを仮着させる長尺状の保持シートの面及び/又はインモールド用ラベルの面に低粘性液体を付与した後、長尺状の保持シートの面にインモールド用ラベルを順々に供給して、インモールド用ラベルを長尺状の保持シートの上に上記の低粘性液体を介して順々に仮着させるようにすると、長尺状の保持シートの上に低粘性液体を介して複数枚のインモールド用ラベルが仮着させたインモールド用ラベル連続体を簡単に製造できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、この発明の実施形態に係るインモールド用ラベル連続体及びその製造方法を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明に係るインモールド用ラベル連続体及びその製造方法は、特に下記の実施形態に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0026】
この実施形態におけるインモールド用ラベル連続体においては、図1に示すように、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂で構成された長尺状の保持シート10の上に複数のインモールド用ラベル20を、所要間隔を介して順々に仮着させるようにした。
【0027】
そして、この実施形態におけるインモールド用ラベル連続体においては、保持シート10の上にインモールド用ラベル20を仮着させるにあたり、インモールド用ラベル20におけるラベル基材21の印刷部22を上記の保持シート10の上に静電吸着させて仮着させると共に、この印刷部22と反対側の面に帯電防止剤23を付与するようにした。
【0028】
ここで、上記のインモールド用ラベル20におけるラベル基材21の材料としては、ラベルに一般に使用されているポリプロピレン(PP)やポリスチレン(PS)等の合成樹脂が用いられ、またラベル基材21の印刷部22と反対側の面に付与する帯電防止剤23としては、各種の界面活性剤を用いることができる。
【0029】
そして、上記のようにラベル基材21の印刷部22と反対側の面に帯電防止剤23を付与すると、図3に示すように、このインモールド用ラベル連続体を捲回させた場合、保持シート10の上に静電吸着されて仮着されたインモールド用ラベル20の印刷部22と反対側の面が、その上に巻かれた保持シート10の裏面と接触するようになるが、この印刷部22と反対側の面に帯電防止剤23が付与されているため、印刷部22と反対側の面がその上に巻かれた保持シート10の裏面に静電吸着されるのが防止される。
【0030】
このため、上記のように捲回したインモールド用ラベル連続体を巻き戻す場合に、保持シート10の上に静電吸着されて仮着されたインモールド用ラベル20が保持シート10の裏面に付いたり、インモールド用ラベル20の位置がずれたり、インモールド用ラベル20が保持シート10から剥離して落ちたりするのが防止される。
【0031】
また、上記のインモールド用ラベル連続体のように、長尺状の保持シート10の上に複数のインモールド用ラベル20を静電吸着させて仮着させると、上記のインモールド用ラベル20の厚みを非常に薄くした場合においても、上記の保持シート10からインモールド用ラベル20を、一枚ずつ順々に剥離させて取り出すことが簡単に行えるようになり、従来のように、インモールド用ラベル20を複数枚積層させるという面倒な作業を行う必要がなくなると共に、インモールド用ラベル20相互が密着されて、2枚以上のインモールド用ラベル20が一緒に取り出されるということもなくなる。
【0032】
そして、このように一枚ずつ順々に剥離させて取り出した各インモールド用ラベル20を順々に成形用金型(図示せず)内に保持させて、図4に示すように、プラスチック容器1の成形と同時に、このインモールド用ラベル20をプラスチック容器1の外周面1aに貼付させるようにすると、インモールド用ラベル20が一枚ずつ適切にプラスチック容器1の外周面1aに貼付されるようになり、従来のように2枚以上のインモールド用ラベル20が一緒に成形用金型内に導かれて不良品が発生するということがなくなる。
【0033】
また、上記のようなインモールド用ラベル連続体を製造するにあたり、この実施形態においては、図5に示すように、片面の所定位置に印刷部22が設けられる一方、この印刷部22と反対側の面に帯電防止剤23が付与された長尺シート状のインモールド用ラベル基材20Aを用いるようにした。
【0034】
そして、上記のインモールド用ラベル基材20Aの印刷部22を下にした状態で、このインモールド用ラベル基材20Aを、図6に示すように、カッターローラ2とアンビルローラ3との間に導く一方、上記のインモールド用ラベル基材20Aの下側において、長尺状の保持シート10を上記のカッターローラ2とアンビルローラ3との間に導く途中に帯電装置4を設け、この帯電装置4により上記のインモールド用ラベル基材20Aと接触する保持シート10の上面を帯電させ、このように上面が帯電された保持シート10の上に上記のインモールド用ラベル基材20Aを積層させた状態で、カッターローラ2とアンビルローラ3との間に導くようにした。
【0035】
そして、上記のカッターローラ2により上記のインモールド用ラベル基材20Aを所定形状のインモールド用ラベル20に切断させて、このように切断されたインモールド用ラベル20を上記のように帯電された保持シート10の上に静電吸着させて仮着させ、このようにインモールド用ラベル20が保持シート10の上に順々に静電吸着されて仮着されたインモールド用ラベル連続体を巻き取る一方、インモールド用ラベル20が切断された後のインモールド用ラベル基材のかす20Bを、かす上げローラ5によって保持シート10の上から分離させるようにした。
【0036】
このようにすると、長尺状の保持シート10の上に複数枚のインモールド用ラベル20が静電吸着されて仮着されたインモールド用ラベル連続体を簡単に製造することができた。
【0037】
なお、この実施形態におけるインモールド用ラベル連続体においては、帯電装置4により上記のインモールド用ラベル基材20Aと接触する保持シート10の上面を帯電させるようにしたが、保持シート10の上面に接触するインモールド用ラベル基材20Aの下面を帯電させるようにしたり、保持シート10の上面とインモールド用ラベル基材20Aの下面との両面を帯電させるようにすることも可能である。
【0038】
また、この実施形態におけるインモールド用ラベル連続体においては、長尺状の保持シート10の上にインモールド用ラベル20を静電吸着させて仮着させるにあたり、インモールド用ラベル20の印刷部22を保持シート10の上に静電吸着させて仮着させるようにしたが、図7に示すように、インモールド用ラベル20の印刷部22と反対側の面を保持シート10の上に静電吸着させて仮着させるようにし、上記の印刷部22の上に帯電防止剤23を付与させるようにすることも可能である。
【0039】
また、この実施形態におけるインモールド用ラベル連続体においては、長尺状の保持シート10の上にインモールド用ラベル20を静電吸着させて仮着させるようにしたが、長尺状の保持シート10の上にインモールド用ラベル20を仮着させる方法はこのようなものに限定されない。
【0040】
例えば、図8に示すように、ラベル基材21に印刷部22が設けられたインモールド用ラベル20を、長尺状の保持シート10の上に低粘性液体30を介して仮着させるようにすることも可能である。ここで、上記の低粘性液体30としては、前記のように20℃における粘性率ηが4.0mPas以下の液体であることが好ましく、より好ましくは2.4mPas以下の液体であり、水やアルコール等を用いることが好ましい。
【0041】
ここで、このように長尺状の保持シート10の上に低粘性液体30を介して複数枚のインモールド用ラベル20が仮着されたインモールド用ラベル連続体を製造するにあたっては、片面の所定位置に印刷部22が設けられた長尺シート状のインモールド用ラベル基材20Aを用い、図9に示すように、このインモールド用ラベル基材20Aの印刷部22を下にして移動させ、印刷部22が設けられたこのインモールド用ラベル基材20Aの下面に液体塗布装置6により上記の低粘性液体30を塗布した後、このインモールド用ラベル基材20Aをカッターローラ2とアンビルローラ3との間に導くと共に、このインモールド用ラベル基材20Aの下側において、長尺状の保持シート10を移動させて上記のカッターローラ2とアンビルローラ3との間に導き、下面に低粘性液体30が塗布された上記のインモールド用ラベル基材20Aを保持シート10の上に積層させた状態で、カッターローラ2とアンビルローラ3との間に導くようにした。
【0042】
そして、上記のカッターローラ2により上記のインモールド用ラベル基材20Aを所定形状のインモールド用ラベル20に切断させて、このように切断されたインモールド用ラベル20を、その下面に塗布された低粘性液体30によって上記の保持シート10の上に仮着させ、このように下面に低粘性液体30が塗布されたインモールド用ラベル20を保持シート10の上に順々に仮着されたインモールド用ラベル連続体を巻き取る一方、インモールド用ラベル20が切断された後のインモールド用ラベル基材のかす20Bを、かす上げローラ5によって保持シート10の上から分離させるようにした。
【0043】
このようにすると、長尺状の保持シート10の上に複数枚のインモールド用ラベル20が低粘性液体30によって仮着されたインモールド用ラベル連続体を簡単に製造することができた。
【0044】
なお、図9に示す例では、印刷部22が設けられたこのインモールド用ラベル基材20Aの下面に液体塗布装置6により上記の低粘性液体30を塗布させるようにしたが、上記の保持シート10の上面に上記の低粘性液体30を塗布させるようにしたり、インモールド用ラベル基材20Aの下面と保持シート10の上面との両面に上記の低粘性液体30を塗布させるようにすることも可能である。
【0045】
また、図8に示す例では、印刷部22が設けられたインモールド用ラベル20の面を、長尺状の保持シート10の上に低粘性液体30を介して仮着させるようにしたが、印刷部22が設けられたインモールド用ラベル20の面と反対側の面を、長尺状の保持シート10の上に低粘性液体30を介して仮着させるようにすることも可能である。
【0046】
また、上記の実施形態においては、インモールド用ラベル基材20Aを所定形状のインモールド用ラベル20に切断させて、このように切断されたインモールド用ラベル20を上記の保持シート10の上に順々に仮着させるようにしたが、予め作製したインモールド用ラベル20を1枚ずつ保持シート10の上に供給して仮着させることも可能である。このようにインモールド用ラベル20を1枚ずつ保持シート10の上に供給して仮着させる場合、各インモールド用ラベル20を帯電させるようにしたり、各インモールド用ラベル20に対して上記のような低粘性液体30を塗布させるようにすることが好ましい。
【0047】
また、保持シート10の上にインモールド用ラベル20を仮着させるにあたっては、上記の保持シート10の上に接着性の低い接着剤(図示せず)を部分的に付与し、この接着剤によってインモールド用ラベル20を仮着させるようにしたり、またこのインモールド用ラベル20に接着剤が付着しないように、保持シート10の上に仮着させるインモールド用ラベル20の面に剥離性の高い層(図示せず)を設けるようにしたりすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】この発明の一実施形態に係るインモールド用ラベル連続体において、長尺状の保持シートの上に複数枚のインモールド用ラベルを静電吸着させて仮着させるようにしたインモールド用ラベル連続体を示した概略平面図である。
【図2】上記の実施形態に係るインモールド用ラベル連続体の概略側面図である。
【図3】上記の実施形態に係るインモールド用ラベル連続体を捲回させた状態の部分説明図である。
【図4】上記の実施形態に係るインモールド用ラベル連続体から剥離させて取り出したインモールド用ラベルをプラスチック容器の成形時にその外周面に貼付させたプラスチック容器の状態を示した概略正面図である。
【図5】上記の実施形態に係るインモールド用ラベル連続体を製造するのに使用した長尺シート状のインモールド用ラベル基材の概略側面図である。
【図6】上記の実施形態に係るインモールド用ラベル連続体を製造する状態を示した概略説明図である。
【図7】上記の実施形態に係るインモールド用ラベル連続体において、長尺状の保持シートの上に静電吸着させて仮着させるインモールド用ラベルの面を変更させた変更例の概略側面図である。
【図8】この発明の実施形態に係るインモールド用ラベル連続体の変更例において、長尺状の保持シートの上に低粘性液体を介して複数枚のインモールド用ラベルを仮着させたインモールド用ラベル連続体を示した概略側面図である。
【図9】上記の変更例に係るインモールド用ラベル連続体を製造する状態を示した概略説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1 プラスチック容器
1a 外周面
2 カッターローラ
3 アンビルローラ
4 帯電装置
5 かす上げローラ
6 液体塗布装置
10 保持シート
20 インモールド用ラベル
20A インモールド用ラベル基材
20B インモールド用ラベル基材のかす
21 ラベル基材
22 印刷面
23 帯電防止剤
30 低粘性液体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状の保持シートの上に複数枚のインモールド用ラベルが仮着されてなることを特徴とするインモールド用ラベル連続体。
【請求項2】
請求項1に記載のインモールド用ラベル連続体において、上記の長尺状の保持シートの上にインモールド用ラベルが静電吸着されていることを特徴とするインモールド用ラベル連続体。
【請求項3】
請求項2に記載のインモールド用ラベル連続体において、上記の長尺状の保持シートの上に静電吸着されるインモールド用ラベルの面と反対側の面に帯電防止剤が付与されていることを特徴とするインモールド用ラベル連続体。
【請求項4】
請求項1に記載のインモールド用ラベル連続体において、上記の長尺状の保持シートの上にインモールド用ラベルが低粘性液体を介して仮着されていることを特徴とするインモールド用ラベル連続体。
【請求項5】
請求項1〜4に記載のインモールド用ラベル連続体が捲回されていることを特徴とするインモールド用ラベル連続体。
【請求項6】
長尺状の保持シートを搬送させてインモールド用ラベルを仮着させる位置に導く途中において、インモールド用ラベルを仮着させる長尺状の保持シートの面及び/又はインモールド用ラベルの面を帯電させた後、長尺状の保持シートの面にインモールド用ラベルを順々に供給して、インモールド用ラベルを長尺状の保持シートの上に順々に静電吸着させることを特徴とするインモールド用ラベル連続体の製造方法。
【請求項7】
長尺状の保持シートを搬送させてインモールド用ラベルを仮着させる位置に導く途中において、インモールド用ラベルを仮着させる長尺状の保持シートの面及び/又はインモールド用ラベルの面に低粘性液体を付与した後、長尺状の保持シートの面にインモールド用ラベルを順々に供給して、インモールド用ラベルを長尺状の保持シートの上に上記の低粘性液体を介して順々に仮着させることを特徴とするインモールド用ラベル連続体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−122244(P2010−122244A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−290870(P2008−290870)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(000205306)大阪シーリング印刷株式会社 (90)