説明

インライン混合装置及びその制御方法

【目的】運転立ち上がり時において、制御量を迅速に任意の目標値に収束させることができるインライン混合装置及びその制御方法を提供すること。また、制御運転中に制御量が変動した際及び目標値を変更した際にも制御量を迅速に目標値に収束させることができるインライン混合装置及びその制御方法を提供すること。
【解決手段】運転開始前において、流量調節器の操作量に対する制御量の特性を表す特性データを基に、設定された目標値に対する運転開始時の流量調節器の操作量を算出し、運転開始から所定時間は、運転開始時の操作量で流量調節器を運転し、所定時間後に流量調節器を自動制御する。自動制御運転中に偏差が大きくなった場合は、偏差の大きさに応じて制御定数を可変させるか、又は当該運転開始時の操作量に操作量を一時的に固定させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インライン混合装置及びその制御方法に関する。詳細には、混合運転の立ち上がり時間を短縮するインライン混合装置及びその制御方法に関し、さらには混合運転中の流量変動に迅速に対処するインライン混合装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流体を混合する方式は、主にバッチ方式と連続方式に大別される。バッチ方式の模式図を図1に、連続方式の模式図を図2に示す。バッチ方式においては、混合する各液は、混合タンク内に供給された後、撹拌器等の混合器によって混合タンク内で混合され、所望の品質に調整してから、混合物は製品として抜き出される。一方、連続方式においては、混合タンクを使用するのではなく、混合する各液は、1つのラインに導入され、ライン中に設置されたスタティックミキサ(特許文献1参照)などのインライン混合器によって移送過程において混合され、連続的に製品として供給される。一般に、連続方式は、バッチ方式に比べて、生産性の向上、品質の一定化、気泡の減少、製造スペースの縮小化などの利点を有している。
【0003】
連続方式の運転においては、通常PID制御などの自動制御が使用される。PID制御は、比例制御(比例動作)、積分制御(積分動作)及び微分制御(微分動作)の各制御(動作)を組み合わせて行う制御であり、化学産業、食品産業などあらゆる分野における制御装置に使用されている制御方法である。例えば、図2に示す連続方式のインライン混合装置においては、各液の流量計の測定値が目標値になるようにポンプの出力をPID制御(主としてPI制御)によって調整することにより、混合物の品質制御を行うことができる。
【0004】
PID制御においては、目標値と測定値を一致させるように各動作を行うため、例えば流量制御の場合、運転立ち上げ時、すなわち、流量(測定値)が0(ゼロ)の状態から目標流量まで流量を増加させる時、測定値と目標値の偏差が大きいので、ポンプなどの出力値(操作量)は通常大きく変動することになる。そのため、制御量が目標値で一定になる(収束する)までには、相当の時間を必要とする。制御量が目標値に達するまでの時間は、比例帯、積分時間及び微分時間、すなわちPID定数の設定に依存することになるが、PID定数の調整値は制御対象のプロセス特性と密接な関係があり、適切な制御ができるように最適調整されているので、PID定数の調整による立ち上げ時間の短縮には限度がある。
【0005】
特許文献2の湯水混合装置においては、混合弁の駆動量を前回停止前の値にしてから出湯を開始することにより、出湯直後(運転開始時)の湯温温度の安定化を図っている。
【0006】
【特許文献1】特開昭58−11028
【特許文献2】特開平5−11860
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
連続方式の混合装置は、バッチ方式とは異なり混合タンクを使用しないため、運転立ち上がり時、すなわち制御量が目標値で安定していない時に産出された混合物は、製品として扱うことができず、再利用の道がない限り原料ロスとなる。このことは、製品の原料費、廃棄物処理費等の製造コストに影響する。したがって、連続混合方式においては、運転立ち上がり時の制御量をできるだけ早く目標値に収束させる必要がある。
【0008】
特許文献2の湯水混合制御装置によれば、今回の目標値(温度)が前回の目標値と同じであれば立ち上げ時間を短縮させることが可能となるが、前回の目標値と異なる場合には立ち上げ時間の短縮効果は大幅に減少する。すなわち、任意の目標値に対して立ち上げ時間を短縮させることはできない。
【0009】
本発明の目的は、運転立ち上がり時において、制御量を迅速に任意の目標値に収束させることができるインライン混合装置及びその制御方法を提供することである。また、本発明の目的は、制御運転中に制御量が変動した際及び目標値を変更した際にも制御量を迅速に目標値に収束させることができるインライン混合装置及びその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
インライン混合装置の流量制御においては、制御量である流量を目標値に一致させるように制御するため、流量(測定値)が目標値に収束するまでの時間は、流量と目標値の偏差の大きさに依存することになる。そのため、運転開始時においては制御量と目標値の偏差が大きいので、流量が目標値に収束するまでの変動推移は図3(A)のようになり、収束までには相当の時間を要する。本発明者らは、運転開始時から自動制御を行うのではなく、運転開始時に操作量を目標値近辺まで操作(出力)してから、すなわち測定値と目標値の偏差を可能な限り小さくしてから、自動制御を開始することにより、収束するまでの時間を図3(B)のように短縮できることに着目した。
【0011】
そこで、本発明者らは、運転開始時において、流量調節器の操作量に対する制御量の関係を示す特性データを使用して、目標値に対する、流量調節器の立ち上げ時の操作量を定め、流量調節器の操作量がその立ち上げ時の操作量と同じなってから又は近づいてから自動制御に移行するインライン混合装置及びその制御方法を発明した。
【0012】
また、本発明者らは、当該特性データを利用して、制御運転中における制御量の変動及び目標値の変更に対して迅速に対応するインライン混合装置及びその制御方法を発明した。さらに、自動制御における比例帯及び積分時間などの制御定数の特性を利用して、制御量が変動した場合に制御定数を偏差の大きさに応じて可変させて自動制御するインライン混合装置及びその制御方法を発明した。
【0013】
本発明の第一視点の基本構成によれば、インライン混合器、流量調節器、及び検出器を有する混合部と、流量調節器の操作量に対する送給する流体の流量の特性を表す特性データと目標値から運転開始時操作量を算出する運転開始時操作量算出手段と、運転開始から所定時間は、流量調節器の操作量を運転開始時操作量に固定制御し、所定時間後は、検出器の測定値を基に流量調節器を自動制御する切替制御装置と、を備えるインライン混合装置を提供する(形態1)。
【0014】
上記形態の好ましい形態によれば、運転停止信号受信時における検出器の測定値及び流量調節器の操作量を基に、特性データを補正する補正手段と、次回運転開始時において、補正した特性データを基に運転開始時操作量を算出する運転開始時操作量算出手段と、を備える(形態2)。
【0015】
上記各形態の好ましい形態によれば、自動制御運転中において、目標値と検出器の測定値の偏差の絶対値が所定の範囲内になった場合に、偏差の大きさに応じて比例帯及び積分時間を可変させた制御定数可変運転用比例帯及び積分時間を算出する制御定数可変手段と、偏差が所定の範囲内になった場合は、制御定数を制御定数可変運転用比例帯及び積分時間に切り換えて流量調節器を自動制御し、偏差が所定の範囲の下限値より小さくなった場合に、元の固定比例帯及び積分時間に制御定数を切り換えて流量調節器を自動制御する切替制御装置と、を備える(形態3)。
【0016】
上記形態3の好ましい形態によれば、自動制御運転中において、偏差の絶対値が所定の範囲の上限値より大きくなった場合は、流量調節器の操作量を運転開始時操作量に所定時間固定制御し、所定時間後は、流量調節器を自動制御する切替制御装置を備える(形態4)。
【0017】
上記形態3又は4の好ましい形態によれば、偏差の大きさに対する可変係数の変化を表す可変係数データと偏差から比例帯及び積分時間用の可変係数をそれぞれ算出し、当初の比例帯及び積分時間に可変係数の逆数をそれぞれ乗じて制御定数可変運転用比例帯及び積分時間を算出する制御定数可変手段を備え、比例帯及び積分時間の可変係数はそれぞれ、1より大きく、かつ偏差の絶対値の増大に応じて増大する傾向にあり、偏差の絶対値が0から所定の値の範囲にあるときは、傾きの小さい一次関数状に増大するが、偏差の絶対値が所定の値より大きいときは、多次関数状に増大する(形態5)。
【0018】
上記各形態の好ましい形態によれば、自動制御運転中に目標値を変更した場合において、特性データと変更後の目標値から流量調節器の目標値変更時操作量を算出する運転開始時操作量算出手段と、目標値変更設定時から所定時間は、流量調節器の操作量を目標値変更時操作量に固定制御し、所定時間後は、流量調節器を自動制御する切替制御装置、を備える(形態6)。
【0019】
上記各形態の好ましい形態によれば、特性データは、流量調節器の性能曲線である(形態7)。
【0020】
上記各形態の好ましい形態によれば、流量調節器はポンプの出力調整装置であり、検出器は流量計である(形態8)。
【0021】
上記各形態の好ましい形態によれば、制御部、演算部、及び調節部、を備え、制御部は、目標値、特性データ、可変係数データ、及び流量調節器の制御手順をそれぞれ入力ないし変更する手段と、目標値、特性データ、及び可変係数データをそれぞれ演算部に出力する手段と、制御手順を調節部に出力する手段と、を有し、演算部は、運転開始時操作量算出手段と、補正手段と、目標値、特性データ、可変係数データ、及び運転停止信号受信時の操作量及び測定値をそれぞれ記憶する手段と、運転開始時操作量及び可変係数データをそれぞれ調節部に出力する手段と、を有し、調節部は、切替制御装置と、制御定数可変手段と、目標値、可変係数データ、及び制御手順をそれぞれ記憶する手段と、運転停止信号受信時の操作量及び測定値をそれぞれ演算部に出力する手段と、を有する(形態9)。
【0022】
上記各形態の好ましい形態によれば、テーブル形式の特性データの点間を補間して、グラフないし関数形式の特性データを演算する特性データ補間手段、及びテーブル形式の可変係数データの点間を補間して、グラフないし関数形式の可変係数データを演算する可変係数データ補間手段を備える(形態10)。
【0023】
本発明の第二視点の基本構成によれば、運転開始から所定時間は、操作量に対する流量の特性を表す流量調節器の特性データと目標値から算出した運転開始時操作量で流量調節器を制御し、定時間後は、流量調節器を自動制御するインライン混合装置の制御方法を提供する(形態11)。
【0024】
上記形態の好ましい形態によれば、運転停止信号受信時における検出器の測定値及び流量調節器の操作量を基に、特性データを補正し、次回運転時において、補正した特性データを基に、運転開始時操作量を算出する(形態12)。
【0025】
上記各形態の好ましい形態によれば、インライン混合装置の自動制御運転中において、目標値と検出器の測定値の偏差の絶対値が所定の範囲内になった場合、偏差の大きさに応じて可変させた比例帯及び積分時間に制御定数を切り換えて流量調節器を自動制御し、その後、偏差の絶対値が所定の範囲の下限値より小さくなった場合、元の固定比例帯及び積分時間に制御定数を切り換えて流量調節器を自動制御する(形態13)。
【0026】
上記形態13の好ましい形態によれば、インライン混合装置の自動制御運転中において、偏差の絶対値が所定の範囲の上限値より大きくなった場合、運転開始時操作量で流量調節器を所定時間制御し、所定時間後に流量調節器を自動制御する(形態14)。
【0027】
上記形態13又は14の好ましい形態によれば、偏差の大きさに対する可変係数の変化を表す可変係数データと偏差から比例帯及び積分時間用の各可変係数を算出し、当初の比例帯及び積分時間に各可変係数の逆数をそれぞれ乗じて、比例帯及び積分時間をそれぞれ変更し、比例帯及び積分時間の各可変係数は、1より大きく、かつ偏差の絶対値の増大に応じて増大する傾向にあり、偏差の絶対値が0から所定の値の範囲にあるときは、傾きの小さい一次関数状に増大するが、偏差の絶対値が所定の値より大きいときは、多次関数状に増大する(形態15)。
【0028】
上記各形態の好ましい形態によれば、自動制御運転中に目標値を変更した場合において、目標値変更設定時から所定時間は、特性データと変更後の目標値から算出した操作量で流量調節器を制御し、所定時間後は、流量調節器を自動制御する(形態16)。
【0029】
上記各形態の好ましい形態によれば、特性データは、流量調節器の性能曲線である(形態17)。
【0030】
上記各形態の好ましい形態によれば、流量調節器はポンプの出力調整装置である(形態18)。
【0031】
上記各形態の好ましい形態によれば、検出器は流量計である(形態19)。
【0032】
上記各形態の好ましい形態によれば、特性データは、テーブル形式の特性データの点間を補間して演算したグラフないし関数形式の特性データであり、可変係数データは、テーブル形式の可変係数データの点間を補間して演算したグラフないし関数形式の可変係数データである(形態20)。
【発明の効果】
【0033】
本発明の基本構成によれば、インライン混合装置の運転立ち上げ時の制御量を目標値に迅速に収束させることができる。これにより、立ち上がり時間が短縮されるので、製品の品質基準に適合しない混合物の量を削減することができる。すなわち、原料ロスを低減し、原料費、廃棄物処理費などの製造コストを削減することができる。また、流量調節器の特性データを使用するので、任意の目標値を設定しても立ち上がり時間を短縮させることができる。
【0034】
また、本発明の基本構成の好ましい形態によれば、流量調節器の特性データを運転毎に補正するので、流量調節器又はポンプなどの性能が経時劣化等により変化しても、それに対応して立ち上がり時間を短縮させることができる。
【0035】
さらに、本発明の好ましい形態によれば、自動制御運転中において、制御量と目標値の偏差が大きくなった場合に、又は目標値を変更した場合に、制御量を迅速に目標値に収束させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明のインライン混合装置は、インライン混合器、流量調節器、及び検出器を備える。インライン混合器は、配管内に又は配管の一部として設置可能な混合器であれは、混合器の種類・形式などは制限されない。例えば、スタティックミキサのような駆動部を有さない静止型混合器であっても、又は駆動部を有する動力型混合器であっても使用することができる。流量調節器としては、ポンプの出力調整装置や弁開度調整装置などを使用することができる。安定した流量調節及び細かい流量調整のためには、流量調節器はポンプの出力調整装置であることが好ましい。また、ポンプの出力調整装置と弁開度調整装置の組み合わせによって流量を調節することもできる。検出器としては、混合流体の目的とする性質(品質)、流量調節器の種類、混合プロセス及び装置の特性などに応じて、流量計、濃度計、比重計、圧力計などを適宜選択することができるが、インライン混合装置においては、一般に、混合する各液の流量によって混合比を調節することが簡易であるので、好ましい検出器は流量計である。
【0037】
本発明において、運転開始時の流量調節器の操作量は、流量調節器の特性データと目標値から運転開始時操作量算出手段によって定められる。ここで、流量調節器の特性データとは、流量調節器の操作量に対する制御量の特性を表したデータであり、目標とする制御量を得るための流量調節器の操作量を導き出すためのデータである。例えば、流量調節器としてポンプの出力調整装置、検出器として流量計を使用する場合、特性データは、ポンプのある出力値に対して流量がどれくらい得られるかを示すデータとなる。また、検出器が流量計以外の場合は、その検出器に対応した特性データにする。特性データは、特性曲線の関数ないしグラフ形式(性能曲線)、又はテーブル形式のデータ、例えば出力値に対して流量を一点一点定めたデータ、の形式で入力することができる。テーブル形式のデータを入力する場合、運転開始時の操作量は、テーブル形式のデータから点間を補間した関数ないしグラフを導き出してから算出することが好ましい。そのため、本発明の装置は、テーブル形式の特性データから関数ないしグラフ形式の特性データを演算する特性データ補間手段を有することが好ましい。
【0038】
インライン混合装置立ち上げ時の流量調節器の操作量(運転開始時操作量)は、混合運転開始前、例えばポンプ起動前、に演算する必要がある。そのため、特性データは、運転開始前にインライン混合装置に入力しておかなければならない。テーブル形式の特性データを補間して関数ないしグラフを演算する場合は、運転開始時操作量算出時に演算することもできるが、予め運転開始時操作量算出前に演算しておくことが好ましい。
【0039】
インライン混合装置の立ち上げ時において、運転開始から所定時間は自動制御を行わずに、特性データから予め算出した運転開始時操作量で、すなわち運転開始時操作量に操作量を一時的に固定して、流量調節器を制御する。そして、所定時間後、流量調節器の自動制御を開始する。これにより、自動制御開始前に制御量を目標制御量又は目標制御量近辺まで上げることによって、測定値と目標値の偏差を小さくして、自動制御による収束を早めることができる。この制御の切り替えは、切替制御装置によって行う。運転開始から自動制御に移行するまでの時間は、任意に設定することができるが、インライン混合装置のプロセス特性に合わせて設定する。通常流体を送給する手段としてポンプを使用するが、この設定時間はポンプの特性、すなわちポンプの立ち上がり時間に大きく依存する。したがって、運転開始から検出器が最大測定値を検出するまでの時間、すなわちポンプの出力が最大になるまでの時間、を自動制御に移行するまでの時間として設定することが好ましい。
【0040】
自動制御の方式としては、PID制御を用いることが好ましい。特に、測定値に流量を使用する場合は、PI動作(比例動作及び積分動作)を使用して流量を制御する。一般に流量制御の場合、測定値が小さく振動していることが多く、D動作(微分動作)はあまり効果がない。また、PID制御以外の自動制御として、オンオフ制御、むだ時間補償制御なども用いることができる。
【0041】
また、上記で説明した特性データは、補正手段によって運転毎に補正する。補正する当該特性データは、関数ないしグラフの形式であると好ましい。補正は、運転終了時において、運転停止信号を受信したら、そのときの測定値及び操作量を記憶し、次回運転開始前までにその運転停止信号受信時の測定値及び操作量を基に特性データを補正する。補正の方法は適宜適切な方法を選択する。次回運転立ち上げ時においては、補正した特性データを基に運転開始時操作量を算出する。これにより、特性データを実機の性能により近づけることができ、またポンプの経時劣化など運転毎のプロセスの変化に特性データを対応させることができる。
【0042】
また、本発明によれば、自動制御運転中において、測定値と目標値との差である偏差が外乱などにより大きくなった場合に、迅速に測定値を目標値に収束させることができる。その方法の一つは、PID制御の場合において偏差の大きさに応じて制御定数を可変させて流量調節器を制御する運転(制御定数可変運転)であり、もう一つは、自動制御を一時停止して、特性データから算出した運転開始時操作量に流量調節器の操作量を一時的に固定して制御する運転(操作量固定運転)である。好ましくは、偏差の大きさに応じてこれら2つの運転を使い分けて制御するようにする。制御定数可変運転と操作量固定運転とを組み合わせる場合、偏差がそれほど大きくない所定範囲内にある場合は、制御定数可変運転に移行し、当該所定範囲を超える場合は、操作量固定運転に移行するほうが好ましい。
【0043】
制御定数可変運転は、自動制御、特にPI制御運転中において、制御の追従性を上げるために、偏差の大きさに応じて制御定数の比例帯及び積分時間をそれぞれ元の値より小さくして行う運転である。一般に、比例帯を小さくすると操作量の修正動作は早くなり、積分時間を短くすると偏差を早くなくすことができる。制御定数可変運転に移行した場合、偏差が、制御定数可変運転に移行する当該所定範囲の下限値よりも小さくなったら、元の固定比例帯及び積分時間に制御定数を切り替えるようにする。ここで、固定比例帯又は固定積分時間とは、通常の自動制御運転時に使用する予め設定されている制御定数のことである。
【0044】
制御定数可変運転用の比例帯及び積分時間は、制御定数可変手段により、偏差の大きさに応じて変化する可変係数データから各可変係数が求められ、以下の数式に示すように、通常使用する制御定数に各可変係数を除して算出される。各可変係数は、1より大きく、好ましくは100以下であり、偏差の絶対値の増大に応じて増大するようにする。また、好ましくは、可変係数は、図4のように、偏差の絶対値が0から所定の値の範囲にあるときは、傾きの小さい一次関数状に増大するが、偏差の絶対値が当該所定の値より大きくなったときは、傾きの大きい多次関数状に増大するように設定する。図4は、偏差の大きさに対する可変係数の変化を示す一例である。このような可変係数データは、事前にインライン混合装置に入力しておく。入力するデータの形式は、特性データのように偏差に対して可変係数を一点一点定めたテーブル形式でも関数ないしグラフ形式でも利用することができる。テーブル形式を使用する場合は、可変係数データ補間手段により、予め点間を補間したグラフないし関数を演算しておくことが好ましい。
【0045】
[数1]
[制御定数可変運転用比例帯(又は積分時間)]=[通常運転時の比例帯(又は積分時間)]/[比例帯(又は積分時間)の可変係数]
【0046】
操作量固定運転は、外乱などにより偏差が大きくなった場合に、自動制御によると制御量が目標値に収束するまでに時間を要してしまい、原料等が無駄になるので、運転開始時と同様にして、自動制御を一次的に停止し、流量調節器の特性データと目標値から求めた操作量、すなわち運転開始時操作量、に操作量を一時的に固定して行う運転である。運転開始時操作量は、切替制御装置などに運転開始時に記憶させておくか、又は運転開始時操作量算出手段により、操作量固定運転に移行する際に特性データから改めて算出するようにする。操作量固定運転には、偏差が、制御定数可変運転に移行する上記所定範囲の上限値より大きくなった場合に移行させるようにし、操作量固定運転に移行したら所定時間経過後に自動制御に戻るようにする。操作量固定運転を行う時間は、操作量が運転開始時操作量に安定するまでの時間を見計らって適宜定めるようにする。
【0047】
また、本発明よれば、自動制御運転中において、目標値を変更した場合に、上記制御定数可変運転及び操作量固定運転を使用して制御量を目標値に迅速に収束させることができる。この場合、制御定数可変運転と操作量固定運転のどちらに移行させるかは、目標値の変更によって偏差が変動した際の偏差の大きさに応じて移行させてもよいし、又は変更前後の目標値の差を偏差と見立てて移行させてもよい。または、目標値を変更した場合は常に操作量固定運転に移行させるようにしてもよい。
【0048】
運転開始時操作量算出手段は、切替制御装置に組み込んでもよいし、また切替制御装置外に配置してもよい。運転開始時操作量算出手段を切替制御装置に組み込む場合は、特性データを記憶する手段も切替制御装置も備えるようにする。また、同様にして、制御定数可変手段は、切替制御装置に組み込んでもよいし、切替制御装置外に配置してもよい。制御定数可変手段を切替制御装置に組み込む場合は、可変係数データを記憶する手段を備えるようにする。また、制御定数可変手段を切替制御装置外に配置する場合は、切替制御装置は、偏差を制御定数可変手段に出力する機能を有するようにする。切替制御装置は、流量調節器を自動制御する機能を有しているので、当然に通常のPID調節計などの自動制御装置と同等の機能(例えば、自動制御演算手段)も有している。また、本発明の切替制御装置は、本発明の制御方法に従い、通常のPID調節計などの自動制御装置を制御する装置にすることもできる。また、流量調節器に操作量を出力する出力手段は、運転開始時操作量の記憶データ(又は、運転時操作量算出手段)と直接接続してもよいし、自動制御演算手段を経由して接続してもよい。
【0049】
本発明のインライン混合装置及びその制御方法の実施例について以下に説明する。図5に、本発明のインライン混合装置の以下に説明する実施例の構成を示す模式図をに示す。図6に、本実施例の運転全体のフローを示す。図7に、本実施例の制御フローを示す。そして、図8に、本実施例の調節部内の主な構成を示すブロック図を示す。本発明の各手段の形態・配置などは、以下の実施例に制限されず、任意の形態・配置をとることが可能である。
【実施例】
【0050】
本実施例のインライン混合装置は、図5に示すように、混合部、制御部10、演算部14及び調節部12を備える。制御部10、演算部14及び調節部12は互いに接続され、入出力信号を送受信する通信機能をそれぞれ備える。混合部は、インライン混合器20としてのスタティックミキサ、ポンプ、流量調節器16としてのポンプの出力調整装置及び検出器18としての流量計を有する。ポンプの出力調整装置と流量計は調節部12に接続され、ポンプ出力調整装置の操作量は、流量計の測定値に従い調節部12によって制御される。
【0051】
制御部10は、インライン混合装置のシステム全体を制御する部であり、混合装置の起動・停止に始まり、ポンプのオンオフ、弁の開閉調節、などのシステム操作全般の命令をすることができるようにしてある。また、制御部10は、目標値、ポンプの出力調整装置の特性データ、制御定数の可変係数データ、調節部の制御手順、警報値などをそれぞれ入力及び変更する手段、目標値、特性データ及び可変係数データをそれぞれ演算部14に出力する手段、及び制御手順を調節部12に出力する手段も備える。さらに、制御部10は、入力したデータ、混合部の運転状況、演算部14の演算結果などを表示する手段も備える。
【0052】
上記の制御手順とは、ポンプの出力調整装置の制御手順(シーケンス)全般のことである。具体的には主として、自動制御の手順指令、運転開始立ち上げ時の制御手順指令、制御定数可変運転の手順指令、及び操作量固定運転の手順指令であり、また各運転に移行する条件も含まれている。混合装置の運転状況を表示するデータとしては、目標値、流量計の測定値、測定値と目標値の偏差、ポンプの出力調整装置の操作量、などがある。さらに、制御部はCRT画面へのタッチ操作による入力が可能となっている。
【0053】
演算部14は、運転開始時操作量算出手段、テーブル形式の特性データ及び可変係数データからグラフないし関数形式の特性データ及び可変係数データを演算する特性データ補間手段及び可変係データ補間手段、運転停止信号受信時の操作量及び測定値を基に特性データを補正する補正手段、加えてこれらのデータ及び目標値、操作量などの数値をそれぞれ記憶する手段を有する。さらに、演算部14は、これらのデータ及び数値を調節部12に出力する手段及び制御部10に表示するデータを出力する手段も有する。演算部14は、運転開始前に、運転開始時操作量を演算し、目標値、特性データ、可変係数データ、運転開始時操作量などのデータを調節部12へ転送する。また、演算部14は、運転停止信号受信時の操作量及び測定値を運転停止時に記憶し、次回運転開始前(データ転送前)に運転停止信号受信時の操作量及び測定値を基に特性データの補正を行う。
【0054】
調節部12は、切替制御装置、制御定数可変手段、自動制御演算手段、及び運転開始時操作量や制御部10と演算部14から出力された制御手順、目標値、可変係数データなどのデータをそれぞれ格納(記憶)する手段を有する。本実施例においては、調節部12及び切替制御装置内の構成は、図8に示すような構成にした。また、調節部12は、運転停止信号受信時の操作量及び測定値を演算部に出力する手段、制御部10に表示するデータを制御部10に出力する手段などを有している(図8には示していない)。
【0055】
また、調節部12は、制御手順に従い、図7に示すようなフローでポンプの出力調整装置を制御する。運転を開始すると、まず操作量固定運転30を開始する。操作量は、運転開始前に予め演算部14において演算し、調節部12に格納しておいたものを使用する。次に、所定時間経過したら、すなわち流量(測定値)が目標値(ないし目標値近辺)になったら、自動制御運転32に移行する。検出器に流量計を用いているので、自動制御はPI制御を行うようにした。測定値が目標値に収束している限り、運転停止まで自動制御運転32を継続する。
【0056】
自動制御運転32中において、外乱や目標値変更により測定値が目標値から外れた場合は、制御定数可変運転38又は操作量固定運転40に切り替える。偏差がそれほど大きくない(偏差の絶対値が所定の範囲内)場合に、制御定数可変運転38に移行させ、偏差が大きい(偏差の絶対値が所定範囲の上限値より大きい)場合に、操作量固定運転40に移行させるようにした。偏差の絶対値が所定の範囲内になったら、調節部12の制御定数可変手段は、比例帯及び積分時間の各可変係数の算出34、及び制御定数可変運転用の比例帯及び積分時間の演算36を行い、算出した比例帯及び積分時間を自動制御演算手段に出力する。自動制御演算手段は、その制御定数可変運転用の比例帯及び積分時間に制御定数を切り換えて、制御定数可変運転38を行う。測定値が目標値に収束したら(偏差の絶対値が所定範囲の下限値より小さくなったら)、再び自動制御運転32に戻る。一方、偏差の絶対値が所定範囲の上限値より大きくなったら、運転開始前に格納しておいた運転開始時操作量に操作量を固定して、操作量固定運転40を行う。運転開始時とは異なり、すでにポンプがある程度出力している状態であるので、操作量固定運転40を行う時間は、運転開始時の操作量固定運転30を行う時間より短く設定してある。
【0057】
上記に説明したような図7の制御フローの設定条件(操作量固定運転30又は40を行う時間、すなわち自動制御運転32に移行するまでの時間、制御定数可変運転38又は操作量固定運転40に移行する条件(偏差の範囲など)など)は、制御手順に含まれている。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明のインライン混合装置及びその制御方法は、流量制御のみならず、温度制御、圧力制御、pH制御、レベル制御、濃度制御、などあらゆるプロセス制御に応用させることができる。また、制御対象の特性を利用して、制御量を目標値に迅速に収束させる方法は、インライン混合装置に限らず、他の装置の制御においても利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】バッチ方式の混合装置の模式図である。
【図2】連続方式の混合装置の模式図である。
【図3】インライン混合装置のPID制御において、運転開始時の流量変動を示す概略図である。従来の装置の流量変動を(A)に示し、本発明の装置の流量変動を(B)に示す。
【図4】偏差の大きさに対する制御定数の可変係数の変化の一例を示す概略図である。
【図5】本発明のインライン混合装置の実施例の構成を示す模式図である。
【図6】本発明のインライン混合装置における実施例の運転全体のフローを示す図である。
【図7】本発明のインライン混合装置における実施例の制御フローを示す図である。
【図8】本発明のインライン混合装置における実施例の調節部内の主な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0060】
1 バッチ方式の混合装置
2 混合タンク
3 ポンプ
4 混合器(撹拌器)
5 連続方式の混合装置
6 検出器
7 混合器(スタティックミキサ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インライン混合器、流量調節器、及び検出器を有する混合部と、
前記流量調節器の操作量に対する送給する流体の流量の特性を表す特性データと目標値から運転開始時操作量を算出する運転開始時操作量算出手段と、
運転開始から所定時間は、前記流量調節器の操作量を前記運転開始時操作量に固定制御し、前記所定時間後は、前記検出器の測定値を基に前記流量調節器を自動制御する切替制御装置と、を備える、ことを特徴とするインライン混合装置。
【請求項2】
運転停止信号受信時における前記検出器の測定値及び前記流量調節器の操作量を基に、前記特性データを補正する補正手段と、
次回運転開始時において、補正した特性データを基に運転開始時操作量を算出する前記運転開始時操作量算出手段と、を備える、ことを特徴とする請求項1記載のインライン混合装置。
【請求項3】
自動制御運転中において、目標値と前記検出器の測定値の偏差の絶対値が所定の範囲内になった場合に、前記偏差の大きさに応じて比例帯及び積分時間を可変させた制御定数可変運転用比例帯及び積分時間を算出する制御定数可変手段と、
前記偏差が前記所定の範囲内になった場合は、制御定数を前記制御定数可変運転用比例帯及び積分時間に切り換えて前記流量調節器を自動制御し、前記偏差が前記所定の範囲の下限値より小さくなった場合に、元の固定比例帯及び積分時間に制御定数を切り換えて前記流量調節器を自動制御する前記切替制御装置と、を備える、ことを特徴とする請求項1又は2記載のインライン混合装置。
【請求項4】
自動制御運転中において、前記偏差の絶対値が前記所定の範囲の上限値より大きくなった場合は、前記流量調節器の操作量を前記運転開始時操作量に所定時間固定制御し、前記所定時間後は、前記流量調節器を自動制御する前記切替制御装置を備える、ことを特徴とする請求項3に記載のインライン混合装置。
【請求項5】
前記偏差の大きさに対する可変係数の変化を表す可変係数データと前記偏差から比例帯及び積分時間用の可変係数をそれぞれ算出し、当初の比例帯及び積分時間に前記可変係数の逆数をそれぞれ乗じて前記制御定数可変運転用比例帯及び積分時間を算出する前記制御定数可変手段を備え、
比例帯及び積分時間の前記可変係数はそれぞれ、1より大きく、かつ
前記偏差の絶対値の増大に応じて増大する傾向にあり、前記偏差の絶対値が0から所定の値の範囲にあるときは、傾きの小さい一次関数状に増大するが、
前記偏差の絶対値が前記所定の値より大きいときは、多次関数状に増大する、ことを特徴とする請求項3又は4に記載のインライン混合装置。
【請求項6】
自動制御運転中に目標値を変更した場合において、
前記特性データと変更後の目標値から前記流量調節器の目標値変更時操作量を算出する前記運転開始時操作量算出手段と、
目標値変更設定時から所定時間は、前記流量調節器の操作量を前記目標値変更時操作量に固定制御し、前記所定時間後は、前記流量調節器を自動制御する前記切替制御装置、を備える、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインライン混合装置。
【請求項7】
前記特性データは、前記流量調節器の性能曲線である、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインライン混合装置。
【請求項8】
前記流量調節器はポンプの出力調整装置であり、
前記検出器は流量計である、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のインライン混合装置。
【請求項9】
制御部、演算部、及び調節部、を備え、
前記制御部は、前記目標値、前記特性データ、前記可変係数データ、及び前記流量調節器の制御手順をそれぞれ入力ないし変更する手段と、前記目標値、前記特性データ、及び前記可変係数データをそれぞれ前記演算部に出力する手段と、前記制御手順を前記調節部に出力する手段と、を有し、
前記演算部は、前記運転開始時操作量算出手段と、前記補正手段と、前記目標値、特性データ、前記可変係数データ、及び運転停止信号受信時の前記操作量及び前記測定値をそれぞれ記憶する手段と、前記運転開始時操作量及び前記可変係数データをそれぞれ前記調節部に出力する手段と、を有し、
前記調節部は、前記切替制御装置と、前記制御定数可変手段と、前記目標値、前記可変係数データ、及び前記制御手順をそれぞれ記憶する手段と、前記運転停止信号受信時の操作量及び測定値をそれぞれ前記演算部に出力する手段と、を有する、ことを特徴とする請求項1〜8記載のいずれか一項に記載のインライン混合装置。
【請求項10】
テーブル形式の特性データの点間を補間して、グラフないし関数形式の特性データを演算する特性データ補間手段、及び
テーブル形式の可変係数データの点間を補間して、グラフないし関数形式の可変係数データを演算する可変係数データ補間手段を備える、ことを特徴とする請求項1〜9記載のいずれか一項に記載のインライン混合装置。
【請求項11】
運転開始から所定時間は、操作量に対する流量の特性を表す流量調節器の特性データと目標値から算出した運転開始時操作量で前記流量調節器を制御し、
前記所定時間後は、前記流量調節器を自動制御する、ことを特徴とするインライン混合装置の制御方法。
【請求項12】
運転停止信号受信時における検出器の測定値及び前記流量調節器の操作量を基に、前記特性データを補正し、
次回運転時において、補正した前記特性データを基に、前記運転開始時操作量を算出する、ことを特徴とする請求項11記載のインライン混合装置の制御方法。
【請求項13】
前記インライン混合装置の自動制御運転中において、
目標値と検出器の測定値の偏差の絶対値が所定の範囲内になった場合、偏差の大きさに応じて可変させた比例帯及び積分時間に制御定数を切り換えて流量調節器を自動制御し、
その後、前記偏差の絶対値が前記所定の範囲の下限値より小さくなった場合、元の固定比例帯及び積分時間に制御定数を切り換えて流量調節器を自動制御する、ことを特徴とする請求11又は12記載のインライン混合装置の制御方法。
【請求項14】
前記インライン混合装置の自動制御運転中において、
前記偏差の絶対値が前記所定の範囲の上限値より大きくなった場合、前記運転開始時操作量で前記流量調節器を所定時間制御し、
前記所定時間後に前記流量調節器を自動制御する、ことを特徴とする請求項13記載のインライン混合装置の制御方法。
【請求項15】
前記偏差の大きさに対する可変係数の変化を表す可変係数データと前記偏差から比例帯及び積分時間用の各可変係数を算出し、
当初の比例帯及び積分時間に各前記可変係数の逆数をそれぞれ乗じて、比例帯及び積分時間をそれぞれ変更し、
前記比例帯及び前記積分時間の各前記可変係数は、1より大きく、かつ前記偏差の絶対値の増大に応じて増大する傾向にあり、
前記偏差の絶対値が0から所定の値の範囲にあるときは、傾きの小さい一次関数状に増大するが、
前記偏差の絶対値が前記所定の値より大きいときは、多次関数状に増大する、ことを特徴とする請求項13又は14記載のインライン混合装置の制御方法。
【請求項16】
自動制御運転中に目標値を変更した場合において、
目標値変更設定時から所定時間は、前記特性データと変更後の目標値から算出した操作量で前記流量調節器を制御し、
前記所定時間後は、前記流量調節器を自動制御する、ことを特徴とする請求項11〜15のいずれか一項に記載のインライン混合装置の制御方法。
【請求項17】
前記特性データは、前記流量調節器の性能曲線である、ことを特徴とする請求項11〜16のいずれか一項に記載のインライン混合装置の制御方法。
【請求項18】
前記流量調節器はポンプの出力調整装置である、ことを特徴とする請求項11〜17のいずれか一項に記載のインライン混合装置の制御方法。
【請求項19】
前記検出器は流量計である、ことを特徴とする請求項12〜18のいずれか一項に記載のインライン混合装置の制御方法。
【請求項20】
前記特性データは、テーブル形式の特性データの点間を補間して演算したグラフないし関数形式の特性データであり、
前記可変係数データは、テーブル形式の可変係数データの点間を補間して演算したグラフないし関数形式の可変係数データである、ことを特徴とする請求項11〜19のいずれか一項に記載のインライン混合装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−155215(P2006−155215A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−344482(P2004−344482)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(000004293)株式会社ノリタケカンパニーリミテド (449)
【Fターム(参考)】